患 者 さま 用 冊 子 手 術 を 受 けられる 患 者 さまへ 膝 前 十 字 靱 帯 損 傷 ~ 手 術 前 後 のリハビリテーション~
もくじ 1.はじめに 2 2. 膝 関 節 の 構 造 3 3. 前 十 字 靱 帯 (ACL)とは? 4 4.ACL 受 傷 について 受 傷 スポーツ 受 傷 動 作 について 5 受 傷 姿 勢 について 6 5. 手 術 について 7 6. 再 建 靭 帯 の 強 度 について 8 7. 術 後 リハビリテーションプログラム 9 8. 術 前 リハビリテーション 10 9. 手 術 当 日 ~ 11 10. 術 後 翌 日 ~ 松 葉 杖 歩 行 獲 得 まで 12 11. 術 後 1 週 目 14 12. 術 後 2 週 目 15 13. 退 院 17 14.アイシングについて 18 15.はびきのヴィゴラス 利 用 について 19 16. 退 院 後 リハビリテーションについて 20 17. 動 作 の 獲 得 時 期 について 21 18.スポーツ 復 帰 について 22 19. 再 受 傷 を 予 防 するために 23 20.おわりに 24 1
1.はじめに 膝 前 十 字 靱 帯 再 建 術 後 リハビリテーションは 手 術 後 スポーツ 復 帰 が 許 可 されるまでの 約 6~8カ 月 間 行 います 早 期 にかつ 安 全 にスポーツ 復 帰 するためには リハビリテーションによるトレーニングが 必 要 不 可 欠 になります 当 院 ではスポーツ 復 帰 するまでの 間 担 当 のセラピストが 入 院 中 はもちろんのこと 外 来 でも 継 続 してリハビリテーションを 実 施 します 前 十 字 靱 帯 再 建 術 後 リハビリテーションの 内 容 や 注 意 点 を 知 っていただき より 安 全 に 正 しく 実 施 していただくために この 冊 子 をぜひ ご 活 用 ください また 患 者 さま 自 身 がリハビリテーションの 必 要 性 と 注 意 点 を 十 分 にご 理 解 いただき より 積 極 的 にトレーニングを 実 施 していただくことが 重 要 となります ご 質 問 やご 相 談 などございましたらお 気 軽 に リハビリテーション 課 スタッフまでお 尋 ね 下 さい スタッフ 一 同 全 力 で 支 援 します スタッフ 一 同 より 2
2. 膝 関 節 の 構 造 右 膝 腓 骨 大 腿 骨 膝 蓋 骨 脛 骨 膝 関 節 は 人 体 最 大 の 荷 重 関 節 であり 歩 行 をする 人 類 にとって 非 常 に 重 要 で す 構 造 として 脛 骨 と 大 腿 骨 からなる 大 腿 脛 骨 関 節 と 膝 蓋 骨 と 大 腿 骨 からな る 膝 蓋 大 腿 関 節 の2つの 関 節 の 複 合 体 です 骨 同 士 だけでは 不 安 定 なため 筋 肉 や 靱 帯 半 月 板 などさまざまな 組 織 が 安 定 性 の 向 上 に 関 わっています 靱 帯 半 月 板 について 右 膝 前 面 右 膝 断 面 前 面 後 十 字 靱 帯 前 十 字 靱 帯 内 側 半 月 板 外 側 側 副 靱 帯 内 側 側 副 靱 帯 外 側 半 月 板 膝 関 節 周 囲 筋 について 後 面 右 膝 を 伸 ばす 筋 肉 右 膝 を 曲 げる 筋 肉 前 面 後 面 大 腿 直 筋 外 側 広 筋 内 側 広 筋 半 膜 様 筋 半 腱 様 筋 大 腿 二 頭 筋 3
3. 前 十 字 靱 帯 (ACL)とは? 膝 前 十 字 靱 帯 とは 膝 関 節 の 中 には 十 字 靱 帯 という 靱 帯 があり 前 十 字 靱 帯 と 後 十 字 靱 帯 に 分 け られます これらの 靱 帯 は 膝 関 節 の 動 きが 安 定 するために 非 常 に 重 要 な 役 割 が あり その 中 でも 前 十 字 靱 帯 は 過 度 に 脛 骨 が 前 方 にずれたり 捻 じれることを 制 限 しています 右 膝 前 面 後 面 外 側 内 側 膝 前 十 字 靱 帯 を 損 傷 すると? 膝 の 腫 れ 痛 み 関 節 可 動 域 障 害 ( 膝 の 動 きが 制 限 される) 筋 力 低 下 ( 筋 力 が 衰 える) 不 安 定 性 ( 膝 がずれる 感 じや 膝 折 れの 出 現 ) 膝 関 節 が 不 安 定 になることで 半 月 板 や 軟 骨 損 傷 を 生 じる 可 能 性 があります 4
4. ACL 受 傷 について 受 傷 スポーツ その 他 24% バスケット ボール 24% 野 球 4% バドミントン 4% ラグビー アメリカン フットボール 5% 受 傷 動 作 スキー スノーボード 6% バレー ボール 9% サッカー フットサル 24% 当 院 データー(H22,4~H25,3) 患 者 数 293 名 ( 男 161 名 女 性 132 名 ) 1. 非 接 触 型 (Non-Contact) ジャンプの 踏 切 り ジャンプの 着 地 急 な 方 向 転 換 急 停 止 など 代 表 種 目 : バスケットボール サッカー フットサル バレーボール スキーなど 2. 接 触 型 (Contact) 膝 への 直 接 的 な 外 力 代 表 種 目 : ラグビー アメリカンフットボール 柔 道 など 5
受 傷 姿 勢 1 膝 が 内 側 に 捻 じれる 2 膝 が 外 側 に 捻 じれる 3 膝 が 過 度 に 伸 びきる 4 膝 下 が 前 に 出 る 膝 が 内 側 に 捻 じれる 受 傷 が 約 50% 以 上 をしめます! なぜ 膝 が 内 に 捻 じれるのでしょう?? 衝 撃 が 膝 の 外 側 にかかることで 膝 関 節 は 内 に 捻 じれます! ジャンプ 着 地 などの 姿 勢 が 非 常 に 重 要 になります! 6
5. 手 術 について 関 節 内 にある 前 十 字 靱 帯 は 断 裂 すると 縫 い 合 わせることはできま せんので 自 分 の 体 の 一 部 を 使 って 靱 帯 を 作 ります( 靱 帯 再 建 手 術 ) 体 の 一 部 を 採 取 する 場 合 採 取 による 影 響 が 少 なく 腱 と してしっかりしているものとして 半 腱 様 筋 腱 ( 膝 内 側 :ST2ルー ト 法 )と 膝 蓋 腱 ( 膝 前 方 :BTB 法 )があります 両 者 とも 長 所 短 所 があり スポーツレベルや 年 齢 性 別 などで 選 択 します 手 術 は 内 視 鏡 を 使 って 行 い もともと 前 十 字 靱 帯 があった 場 所 の 骨 に 穴 を 開 け 腱 を 移 植 します 手 術 の 流 れ 1 全 身 麻 酔 膝 蓋 腱 再 建 靱 帯 2 腱 採 取 半 腱 様 筋 腱 3 大 腿 骨 脛 骨 骨 孔 作 成 4 再 建 靭 帯 の 作 成 5 固 定 レントゲン 画 像 正 面 側 面 固 定 7
6. 再 建 靱 帯 の 強 度 について 術 後 経 過 と 再 建 靱 帯 の 強 度 虚 血 性 壊 死 血 管 再 生 再 構 築 強 靱 帯 強 度 弱 手 術 2ヶ 月 後 4ヶ 月 後 6ヶ 月 後 再 建 された 靱 帯 は 手 術 後 は 虚 血 状 態 となり 細 胞 が 壊 死 するため 強 度 は 非 常 に 弱 くなります 術 後 3~4 週 で 小 さな 血 管 が 再 生 し 再 建 靱 帯 は 少 しずつ 本 来 の 靱 帯 に 類 似 した 組 織 に 成 熟 していきます そして 術 後 半 年 から 力 学 的 要 求 に 応 じて 靱 帯 構 造 が 再 構 築 されていきます 術 後 2~3ヶ 月 頃 は 再 建 靱 帯 の 強 度 は 非 常 に 弱 いですが 日 常 生 活 動 作 では 活 動 量 が 増 大 してくる 時 期 であり この 時 期 に 再 断 裂 や 緩 みを 生 じやすいです!! 転 倒 や 過 剰 に 膝 に 負 担 のかかることに 注 意! 8
7. 術 後 リハビリテーションプログラム 術 後 期 間 1 週 2 週 3 週 4 週 5 週 6 週 ST2ルート 法 可 動 域 訓 練 膝 を 曲 げる 膝 を 伸 ばす 体 重 をかける * 脱 力 のみ 部 分 荷 重 独 歩 ( 松 葉 杖 なし) 装 具 ニーフ レイス 装 具 なし BTB 法 可 動 域 訓 練 膝 を 曲 げる 膝 を 伸 ばす 3 日 目 から 開 始 体 重 をかける 部 分 荷 重 独 歩 ( 松 葉 杖 なし) 装 具 ニーフ レイス 装 具 なし * 半 月 板 縫 合 術 を 行 っている 場 合 荷 重 開 始 時 期 は 術 後 3 週 後 になります * 装 具 に 関 する 説 明 はP11をご 参 照 ください 9
8. 術 前 リハビリテーション 手 術 までに 膝 の 炎 症 の 軽 減 可 動 域 制 限 の 改 善 筋 力 強 化 を 図 るため 外 来 リハビリ テーションを 行 います 膝 の 可 動 域 制 限 が 残 った 状 態 で 再 建 術 を 受 けると 術 後 も 可 動 域 制 限 を 残 しやすい ため 手 術 前 に 膝 の 可 動 域 の 改 善 を 図 ります 手 術 後 には 必 ず 筋 力 低 下 が 起 こるため 筋 力 強 化 を 図 ります ( 特 に 太 もも 前 面 の 大 腿 四 頭 筋 ) また 入 院 された 後 手 術 までに 膝 の 状 態 を 最 終 確 認 し 術 後 に 必 要 な 松 葉 杖 歩 行 練 習 やプログラム リスクについての 説 明 などを 行 います 松 葉 杖 歩 行 練 習 歩 くときに 体 重 はかけずに 足 を 床 につきます (これは 股 関 節 に 負 担 をかけないためです) 触 れる 程 度 プログラム リスクについての 説 明 術 後 リハビリテーションプログラムやリスクの 説 明 を 行 います また 日 常 生 活 や 仕 事 復 帰 スポーツ 復 帰 などリハビリテーションの 目 標 設 定 を 行 います 10
9. 手 術 当 日 ~ リハビリを 開 始 するまで 基 本 的 にはベッド 上 で 安 静 にしていただきます 装 具 術 後 1 週 間 はニーブレイスを 装 着 し 膝 関 節 が 少 し 曲 がった 状 態 で 固 定 します アイシングをする 時 以 外 は 基 本 的 に 装 着 した ま PCA( 持 続 的 な 痛 み 止 め) 点 滴 のところから 持 続 的 に 入 っています PCAが 入 っていることで 気 分 不 良 があったり 眠 気 が 強 くなることがあります PCAだけでは 痛 みが 落 ち 着 かないときは 他 の 痛 み 止 めを 使 用 することも 可 能 です 痛 みが 強 いときにはここを 押 すことで 痛 み 止 めが 追 加 で 注 入 されます アイシング 手 術 後 は 炎 症 症 状 ( 腫 れ 痛 みなど)が 強 く 生 じます 早 期 からしっかり 氷 で 冷 やすことで 膝 の 炎 症 症 状 の 軽 減 につながります 弾 性 包 帯 術 後 より 足 首 から 膝 上 まで 弾 性 包 帯 を 巻 いています 弾 性 包 帯 を 巻 くことで 膝 周 囲 を 圧 迫 し 腫 れやむくみを 軽 減 させます ポジショニング 膝 を 軽 く 曲 げた 状 態 で 乗 せることが 出 来 る 足 台 に 脚 を 乗 せます 脚 を 高 くすることで 腫 れの 軽 減 にも 繋 がります 脚 の 姿 勢 が 悪 いと 力 が 抜 けにくかったり 神 経 麻 痺 などを 起 こすことがあります そのため 脚 が 内 や 外 に 倒 れないように 膝 の 下 にクッションなどを 入 れます ポジショニング 踵 は 足 台 から 出 す ようにします 11
10. 術 後 翌 日 ~ 松 葉 杖 歩 行 獲 得 まで 体 調 や 痛 みに 合 わせてリハビリテーションを 行 っていきます まずは 車 椅 子 に 移 り トイレに 行 く 練 習 から 開 始 します 調 子 が 良 ければ 松 葉 杖 歩 行 練 習 を 開 始 します 入 院 中 は 基 本 的 に 毎 日 午 前 午 後 の2 回 リハビリテーションを 行 います 車 椅 子 への 乗 り 移 り 足 が 持 ち 上 がらなければ 手 を 使 って 上 げます 痛 みが 強 く 困 難 な 場 合 は 看 護 師 が 手 伝 います 健 側 ( 手 術 していない 側 )で 支 えます 患 側 ( 手 術 した 側 )は 体 重 をかけません トイレの 入 り 方 車 椅 子 の 場 合 膝 が 装 具 で 固 定 されているため 当 院 のトイレは 出 入 りが 困 難 です バックから 入 る 方 が 移 るときにスムーズに 行 いやすいです 後 ろ 向 きで 入 ります 足 側 をトイレに 近 づけます 手 すり 車 椅 子 を 把 持 し 健 側 で 支 えます 12
松 葉 杖 歩 行 手 術 前 に 練 習 した 方 法 で 歩 きます 基 本 的 に 手 術 後 1 週 間 ( 半 月 板 縫 合 術 をされた 場 合 は3 週 間 )は 体 重 をかけることができません 体 重 をかけないように なおかつ 足 は 床 に 着 くようにして 歩 行 を 行 います 触 れる 程 度 アイシング 1 人 で 動 けるようになれば 食 堂 に 氷 をご 自 身 で 取 りに 行 っていただきま す アイシングの 方 法 は アイシングについて を 参 照 してください 13
11. 術 後 1 週 目 病 棟 内 での 生 活 を 自 立 して 行 うことが 可 能 になれば 患 側 や 健 常 部 ( 健 側 の 足 や 体 幹 など)のトレーニングを 行 います * 自 主 トレーニングではヴィゴラス(P19 参 照 )を 利 用 することができます ご 希 望 の 場 合 は 担 当 セラピストにご 相 談 ください 柔 軟 体 操 (マッサージ ストレッチング) 固 定 中 の 膝 関 節 や 周 囲 筋 の 柔 軟 性 向 上 を 行 います 膝 マッサージ ふくらはぎ ストレッチ ふともも 後 面 ストレッチ 患 側 下 肢 筋 力 トレーニング 患 側 の 筋 力 低 下 を 予 防 するためにトレーニングを 行 います 脚 上 げ( 仰 向 け) 脚 上 げ(うつ 伏 せ) 脚 上 げ( 横 向 き) 健 常 部 トレーニング 日 常 生 活 やスポーツ 復 帰 を 目 指 す 為 に 健 常 部 のトレーニングも 行 います フロントブリッジ サイドブリッジ スクワット 14
12. 術 後 2 週 目 術 後 1 週 間 経 過 すればST2ルート 法 BTB 法 ともにニーブレースを 除 去 します CPM( 持 続 的 関 節 他 動 訓 練 器 )を 開 始 します CPM CPMとは 可 動 域 障 害 の 予 防 膝 関 節 内 循 環 を 整 えるために 使 用 します 使 用 方 法 設 定 角 度 などについてはリハビリ テーション 実 施 時 にご 説 明 いたします 1 日 1 回 ご 自 身 で 予 約 をお 取 り 下 さい 術 後 8 日 後 から 体 重 をかけていきます * 半 月 板 を 縫 合 した 場 合 は3 週 間 体 重 をかけることが 出 来 ません そのため 杖 が 取 れるのも 早 くて6 週 後 の 予 定 になります * 体 重 をかける 量 は 膝 の 状 態 により 異 なります 指 示 通 りに 行 って 下 さい 患 側 のチューブトレーニング 股 関 節 開 く 股 関 節 横 に 上 げる 膝 関 節 曲 げる もも 上 げ 押 し 合 い 足 首 伸 ばす 15
自 宅 や 学 校 職 場 などで 必 要 な 動 作 の 練 習 を 行 います 階 段 昇 降 昇 りは 健 側 から 昇 ります 降 りは 患 側 から 降 ります 昇 り 降 り 健 側 から 昇 ります 床 からの 立 ち 座 り 患 側 から 降 ります 手 術 した 膝 を 床 につかないように 注 意 してください また 膝 を 捻 らないようにも 注 意 してください 患 側 は 浮 かせておく 16
13. 退 院 術 後 2 週 間 で 退 院 の 予 定 です 松 葉 杖 をついたままでの 退 院 となります 日 常 生 活 を 送 る 上 で 次 のようなことにご 注 意 ください リハビリテーションには 基 本 的 に 週 1 回 以 上 の 頻 度 で 通 院 が 必 要 です 歩 き 過 ぎると 腫 れが 強 くなる 場 合 があります トレーニングや 外 出 後 また 腫 れや 痛 みがある 時 はアイシングを 必 ず 行 ってください リハビリテーションは 時 期 と 各 個 人 の 膝 や 全 身 の 状 態 にあわせて 進 めていきます 松 葉 杖 をついている 間 は サンダルの 使 用 を 控 えてください 通 院 の 際 松 葉 杖 をついている 間 はできるだけ 送 迎 をしてもらってください 以 下 の 動 作 はいずれも 膝 を 無 理 に 伸 ばす 力 や 回 旋 ( 捻 れ)させる 力 が 働 くことで 再 建 した 靭 帯 に 負 担 がかかりますので 避 けてください 膝 を 完 全 に 伸 ばしてはいけない 時 期 に 無 理 に 伸 ばすこと 急 な 動 作 や 手 術 側 を 軸 足 にした 方 向 転 換 長 時 間 の 立 位 保 持 や 重 量 物 を 持 ち 上 げる 動 作 下 り 坂 等 での 急 激 なストップ 動 作 入 浴 時 などの 立 ち 座 りで 膝 をひねること 手 術 側 を 下 にした 寝 返 り 椅 子 などに 腰 掛 けて 膝 を 最 後 まで 伸 ばす 足 を 組 む あぐら 横 座 り 17
14.アイシングについて 身 体 の 局 所 を 冷 やすことで 皮 ふ 筋 肉 血 管 というよう に 身 体 が 冷 えていき 腫 れや 痛 みの 軽 減 を 図 る 炎 症 を 最 小 限 に 抑 え 痛 みを 緩 和 させる!!! 方 法 装 具 や 弾 性 包 帯 を 外 し 氷 を 膝 の 上 に 乗 せます 20~30 分 間 行 います ( 痛 みが 強 いときは 中 止 してください) 1 日 に 最 低 5~6 回 行 うように 心 がけてください ( 術 後 ~72 時 間 (3 日 間 )は2~3 時 間 に1 回 とこまめに 行 ってください) 終 了 後 は 弾 性 包 帯 を 巻 いて 下 さい 注 意 事 項 皮 ふ 温 は-0.5 まで 低 下 すると 細 胞 が 破 壊 されます そのため 0 以 下 で 行 うと 凍 傷 を 起 こす 可 能 性 が 高 くなります 冷 凍 庫 から 出 してすぐの 氷 は0 以 下 のため 必 ず 出 してから 少 し 時 間 をおいて からタオルを 巻 いて 膝 の 上 に 置 いて 下 さい ( 冷 蔵 庫 から 出 してから 長 時 間 が 経 ち 氷 が 溶 け 出 して 水 が 出 ていれば タオルを 巻 かなくてもかまいません ) 18
15.はびきのヴィゴラス 利 用 について はびきのヴィゴラスとは 島 田 病 院 地 下 1 階 に 併 設 している 疾 病 予 防 施 設 であり みな さまの 健 康 をサポートするための 環 境 が 整 っています 入 院 中 の 患 者 さまのみ 無 料 でご 利 用 が 可 能 です スポーツ 復 帰 にむけて 再 発 予 防 や 健 常 部 のトレーニング 運 動 習 慣 を 身 につけるためなど 是 非 ご 利 用 下 さい ご 利 用 の 際 は 理 学 療 法 士 が 機 器 の 説 明 や 利 用 方 法 などを 説 明 致 しますので 必 ずご 相 談 下 さい また ご 希 望 がありましたらはび きのヴィゴラス 専 門 のスタッフがマンツーマンでトレーニング 指 導 を 行 うことも 可 能 で すのでご 希 望 の 方 は 担 当 理 学 療 法 士 にご 相 談 下 さい (* 有 料 ) 退 院 後 も 競 技 力 向 上 や 再 受 傷 予 防 のため 有 料 にはなりますがご 利 用 していただくこと をお 薦 め 致 します 施 設 内 施 設 開 館 時 間 月 ~ 金 :9:00~21:00 土 :9:00~17:00 8 月 13 日 14 日 15 日 および12 月 29 日 は9:00~17:00 休 館 : 日 祝 日 および 年 末 年 始 (12 月 30 日 ~1 月 3 日 ) 19
16. 退 院 後 リハビリテーションについて 術 後 1カ 月 ~( 体 重 をかけてのトレーニング) スクワット フロントランジ サイドランジ スクワット 歩 行 バランス 術 後 2カ 月 ~(ジャンプ 動 作 ) 両 脚 ジャンプ 片 脚 ジャンプ 術 後 3 4カ 月 ~(スポーツ 動 作 ) その 後 上 記 のような 基 本 的 動 作 が 獲 得 できていれば プログラムに 準 じて 競 技 特 性 に 応 じた 応 用 動 作 スポーツ 動 作 の 練 習 を 行 っていきます * 記 載 されているトレーニング 内 容 は 一 部 分 です 20
17. 動 作 の 獲 得 時 期 について 日 常 生 活 動 作 車 の 運 転 : 体 重 がすべてかけられるようになるまでは 車 の 運 転 は 控 えて 下 さい 自 転 車 : 自 転 車 に 乗 れる 様 になるには 術 後 約 2ヶ 月 かかります リハビリテーションもしくは 診 察 での 確 認 を 行 うまでは 控 えて 下 さい 階 段 : 片 脚 スクワットが 可 能 になるまでは 階 段 昇 降 は1 段 ずつ 行 って 下 さい 片 脚 スクワットが 可 能 になるには 術 後 7 週 間 はかかります 松 葉 杖 でも1 段 ずつ 階 段 昇 降 は 可 能 です 正 座 : 再 建 靱 帯 が 骨 に 付 着 するには 約 3ヶ 月 かかります 負 担 をかけないために 術 後 3ヶ 月 間 は 正 座 やあぐら 横 座 り しゃがみ 込 み 動 作 を 避 けて 下 さい その 他 : 日 常 生 活 で 何 か 問 題 があれば 随 時 ご 相 談 ください スポーツ 動 作 水 泳 : 平 泳 ぎ 以 外 の 泳 法 に 関 しては 術 後 3カ 月 以 降 で 可 能 となります 平 泳 ぎに 関 しては 術 後 4~6カ 月 を 要 します ジョギング:ジョギング 再 開 までには 術 後 3ヶ 月 かかります 復 帰 の 基 準 として 140cmの 台 からの 片 脚 立 ち 上 がり 22ページ 参 照 2 片 脚 スクワットフォームの 獲 得 3 片 脚 の 緩 衝 動 作 2 片 脚 スクワットフォーム 3 片 脚 の 緩 衝 動 作 骨 盤 が 水 平 に 保 つ ことができていれ ば 合 格 です c * 再 断 裂 を 防 ぐため 上 記 のテストに 合 格 するまではジョギングを 避 けて 下 さい スポーツ 復 帰 再 建 靭 帯 の 断 裂 を 防 ぐため 下 記 のスポーツ 復 帰 時 期 スポーツ 復 帰 基 準 医 師 の 許 可 が 得 られるまでスポーツ 復 帰 は 許 可 していません 復 帰 時 期 BTB 法 : ST2ルート 法 : 術 後 6ヶ 月 以 降 術 後 8ヶ 月 以 降 復 帰 基 準 上 記 の 時 期 以 降 にスポーツ 復 帰 テストを 行 い 受 傷 側 が 反 対 側 の 90% 以 上 のパフォーマンスを 獲 得 していることを 基 準 とします 22ページ 参 照 21
18.スポーツ 復 帰 について スポーツ 復 帰 基 準 当 院 の 術 後 プログラムでは 術 後 約 6~8カ 月 後 ( 術 式 により 異 なる)にスポー ツ 復 帰 を 許 可 しています その 際 筋 力 の 指 標 である 片 足 立 ち 上 がりテスト 体 力 テストを 実 施 し 各 テストともに 復 帰 基 準 を 満 たせばスポーツ 復 帰 となり ます 片 足 立 ち 上 がりテスト 復 帰 基 準 40cm:ジョギング 30cm:ダッシュ 20cm: 部 分 復 帰 10cm: 完 全 復 帰 4 段 階 の 段 差 から 片 足 で 立 ち 上 がるテストです 条 件 として 腕 を 組 み 測 定 しない 足 は 前 方 へ 伸 ばし 測 定 します 立 ち 上 がり 後 3 秒 間 立 位 保 持 できればクリアです *スポーツや 個 人 差 により 基 準 は 異 なります 体 力 テスト 1 垂 直 跳 び 2 立 ち 幅 跳 び 3 立 ち3 段 跳 び 4 前 後 ホップ 5 左 右 ホップ 6 反 復 横 跳 び 7ヘキサゴンテスト 健 患 差 を 測 定 (6 以 外 のテスト) すべての 項 目 で 90% 以 上 獲 得 すれば スポーツ 復 帰 へ 22
19. 再 受 傷 を 予 防 するために! スポーツ 傷 害 はさまざまなスポーツ 動 作 (ジャンプの 踏 切 りや 着 地 動 作 ストッ プ 動 作 切 り 返 し 動 作 など)で 発 生 します より 安 全 に 競 技 復 帰 するためにはこ のような 動 作 を 正 しく 行 うことが 非 常 に 重 要 となります これらのすべての 動 作 の 基 本 がスクワットです 再 受 傷 を 予 防 するためにしっかりと 正 しい 動 作 を 覚 え ましょう!! 正 しいスクワット 姿 勢 体 の 傾 きと 膝 下 の 傾 きが 平 行 肩 膝 足 先 が 一 直 線 両 肩 が 水 平 おへそが 足 の 裏 の 中 心 にくる 股 関 節 をしっかり 曲 げる 腰 が 水 平 股 膝 足 が 一 直 線 よくある 不 良 姿 勢 腰 が 反 りすぎている 背 中 が 丸 くなっている 体 重 が 後 ろに 残 っている 膝 が 内 に 捻 じれている 体 が 外 側 に 倒 れている 骨 盤 が 傾 いている 23
20.おわりに 冊 子 をお 読 みいただきありがとうございます 前 十 字 靱 帯 再 建 術 後 リハビリテー ションについてご 理 解 いただけましたでしょうか? 長 期 間 のリハビリテーション になるため なかなかイメージがつかないことも 多 いと 思 います 日 常 生 活 やス ポーツ 復 帰 のためには 適 切 なリハビリテーションが 大 変 重 要 となります しかし 長 い 道 のりになるためリハビリテーションがつらく 感 じることもあるかもしれま せん そんな 時 私 たちスタッフ 一 同 少 しでも 患 者 さまの 力 になれるようサ ポート 致 しますので 何 でもご 相 談 ください 安 全 に 満 足 して 笑 顔 で 日 常 生 活 やス ポーツ 復 帰 するために 一 緒 に 頑 張 りましょう 24