まえがき 広 島 高 速 道 路 公 社 の 舗 装 設 計 基 準 は アスファルト 舗 装 要 綱 ( 平 成 4 年 12 月 ) セメントコンクリート 舗 装 要 綱 ( 昭 和 59 年 2 月 ) 排 水 性 舗 装 技 術 指 針 ( 案 ) ( 平 成 8 年 10 月 )などの 一

舗 装 設 計 基 準 平 成 21 年 8 月 広 島 高 速 道 路 公 社

まえがき 広 島 高 速 道 路 公 社 の 舗 装 設 計 基 準 は アスファルト 舗 装 要 綱 ( 平 成 4 年 12 月 ) セメントコンクリート 舗 装 要 綱 ( 昭 和 59 年 2 月 ) 排 水 性 舗 装 技 術 指 針 ( 案 ) ( 平 成 8 年 10 月 )などの 一 般 的 技 術 基 準 を 基 に 名 古 屋 及 び 福 岡 北 九 州 高 速 道 路 公 社 の 基 準 を 参 考 とし 広 島 の 地 勢 や 交 通 状 況 等 を 考 慮 して 平 成 13 年 3 月 に 制 定 さ れた この 基 準 は 広 島 高 速 3 号 線 Ⅰ 期 区 間 ( 平 成 12 年 3 月 供 用 ) 及 び 広 島 高 速 4 号 線 ( 平 成 13 年 10 月 供 用 )の 整 備 と 合 わせて 本 公 社 独 自 の 基 準 として 検 討 され 高 速 1 号 線 ( 広 島 東 ~ 馬 木 平 成 18 年 10 月 供 用 )の 延 伸 整 備 にも 反 映 されてきた この 間 国 土 交 通 省 においては 技 術 革 新 に 柔 軟 に 対 応 できるよう これまでの 基 準 に ついて いわゆる 仕 様 規 定 から 性 能 規 定 化 への 検 討 が 進 み 平 成 13 年 7 月 に 舗 装 の 構 造 に 関 する 技 術 基 準 が 制 定 通 知 され これに 合 わせて 舗 装 に 関 する 技 術 図 書 が 随 時 改 訂 されてきている こうした 状 況 の 中 本 公 社 では 現 在 高 速 2 号 線 及 び 高 速 3 号 線 Ⅱ 期 区 間 の 整 備 が 最 終 段 階 を 迎 えており これに 合 わせて 舗 装 基 準 を 改 正 することにした 改 正 基 準 では 旧 基 準 の 制 定 以 降 新 たに 制 定 又 は 改 訂 された 舗 装 の 構 造 に 関 する 技 術 基 準 同 解 説 ( 平 成 13 年 7 月 ) 舗 装 設 計 施 工 指 針 ( 平 成 18 年 2 月 )などの 最 新 の 技 術 図 書 を 基 に 各 高 速 道 路 会 社 等 の 基 準 も 参 考 に 改 正 を 行 った 今 回 の 改 正 基 準 について 主 な 概 要 を 以 下 に 示 すが 本 改 正 基 準 は 現 時 点 における 技 術 的 基 準 を 定 めたものであり 今 後 技 術 進 歩 などにより 本 基 準 の 運 用 が 不 適 切 となる 場 合 も 想 定 されるので 実 際 の 適 用 に 当 たっては その 趣 旨 を 十 分 に 理 解 した 上 で 適 正 な 運 用 が 図 られることを 期 待 する 1. 基 本 方 針 (1) 技 術 図 書 の 改 訂 について 技 術 図 書 の 改 訂 に 伴 い 語 句 単 位 品 質 基 準 等 の 基 本 となる 事 項 について 最 新 版 のものを 採 用 した 2. 共 通 事 項 (1) 急 勾 配 箇 所 の 舗 装 について 縦 断 勾 配 6% 以 上 の 急 勾 配 箇 所 に 適 用 できる 舗 装 として 密 粒 度 ギャップアスファ ルト 混 合 物 を 採 用 した (2)コンクリート 版 の 鉄 網 について コンクリート 舗 装 のコンクリート 版 に 用 いる 鉄 網 について これまでの 基 準 にある D6 150 200 mmが 現 在 は 市 販 されていないため 舗 装 設 計 便 欄 の 条 件 (1m2につ き 3 kgを 標 準 )を 満 足 する D6 150 150 を 標 準 とした

(3) 再 生 密 粒 度 アスファルト 混 合 物 の 安 定 度 について これまでの 舗 装 設 計 基 準 では 安 定 度 の 基 準 値 4.90 以 上 となっていたが 舗 装 設 計 施 工 指 針 ( 平 成 18 年 2 月 ) の 内 容 に 準 拠 し 突 き 固 め 回 数 75 回 における 安 定 度 7.35 以 上 とした 3. 橋 面 舗 装 (1) 砕 石 マスチックアスファルトについて コンクリート 床 版 上 の 舗 装 において 表 層 が 排 水 性 舗 装 の 場 合 基 層 材 に 砕 石 マス チックアスファルトを 適 用 できるものとした (2)プレコート 砕 石 の 散 布 量 について 基 層 のグースアスファルト 混 合 物 には ブリスタリング 発 生 の 防 止 や 耐 流 動 性 上 層 との 層 間 すべり 抵 抗 性 を 増 大 するために アスファルトでコーティングしたプレコ ート 砕 石 を 用 いるが この 散 布 量 について 6kg/m2を 標 準 とすることとした (3) 鋼 床 版 面 の 表 面 処 理 について 残 存 錆 や 塗 膜 等 が 及 ぼす 鋼 床 版 と 舗 装 版 の 接 着 力 の 低 下 や 舗 装 版 への 不 具 合 を 抑 制 するため 原 則 1 種 ケレンを 行 うこととした 4. 土 工 部 の 舗 装 (1) 舗 装 の 設 計 期 間 及 び 信 頼 度 について 広 島 高 速 は 主 要 幹 線 道 路 であり また 中 国 地 方 整 備 局 や 名 古 屋 高 速 において 舗 装 の 設 計 期 間 を 20 年 としていることから 本 改 正 により 舗 装 の 設 計 期 間 を 20 年 と することとした 信 頼 度 の 設 定 においても 道 路 の 重 要 性 を 考 慮 し 信 頼 度 90% とすることとした (2) 密 粒 度 アスファルト 混 合 物 の 適 用 について 土 工 部 の 舗 装 はポーラスアスファルト 混 合 物 を 標 準 とするが 現 地 の 状 況 に 合 わせ て 密 粒 度 アスファルト 混 合 物 も 適 用 できるものとした 5.トンネル 部 の 舗 装 (1)コンクリート 舗 装 の 表 面 処 理 について これまでの 基 準 では トンネル 部 のコンクリート 舗 装 の 表 面 は 骨 材 露 出 工 法 としていたが 簡 易 な 表 面 処 理 として 一 般 的 な 粗 面 仕 上 げ(ほうき 目 仕 上 げ 等 )で も 管 理 上 問 題 はないため 骨 材 露 出 工 法 の 記 述 を 削 除 した

6. 非 常 駐 車 帯 の 舗 装 (1)コンクリート 床 版 上 の 非 常 駐 車 帯 の 舗 装 について 高 架 部 では 維 持 修 繕 工 事 が 困 難 となるため 耐 久 性 の 高 い 舗 装 を 適 用 することから コンクリート 床 版 上 はコンクリート 舗 装 を 標 準 とすることとした (2) 鋼 床 版 上 の 非 常 駐 車 帯 の 舗 装 について コンクリート 床 版 上 と 同 様 の 理 由 から 鋼 床 版 上 は 半 たわみ 性 舗 装 を 標 準 とするこ ととした 7. 路 肩 および 中 央 帯 の 舗 装 (1) 導 水 パイプの 設 置 位 置 について これまでの 基 準 による 導 水 パイプの 設 置 位 置 では 車 輌 が 導 水 パイプの 上 を 走 行 す ると かぶりが 浅 いため 舗 装 が 破 損 することが 懸 念 されていた 今 回 の 改 正 により 表 層 混 合 物 を 幅 10 cmで 基 層 最 下 部 まで 下 げ 上 層 路 盤 の 再 生 アスファルト 安 定 処 理 路 盤 の 上 に 導 水 パイプを 設 置 することとした 8. 保 全 と 補 修 NEXCO の 舗 装 設 計 要 領 を 基 本 とし 舗 装 設 計 施 工 便 欄 ( 平 成 18 年 2 月 ) の 各 種 の 舗 装 の 補 修 の 内 容 を 取 り 入 れて 新 たな 項 目 として 追 加 した 9. 排 水 性 舗 装 施 工 基 準 の 取 り 扱 い 現 行 の 排 水 性 舗 装 施 工 基 準 は 一 般 的 なものであることから 基 本 内 容 を 舗 装 設 計 基 準 に 取 り 込 み 排 水 性 舗 装 施 工 基 準 は 廃 止 するものとした

目 次 目 次 1. 総 則 1.1 適 用 の 範 囲 1 1.2 交 通 量 区 分 2 2. 橋 面 舗 装 2.1 適 用 3 2.2 一 般 3 2.3 コンクリート 床 版 上 の 標 準 舗 装 4 2.3.1 標 準 舗 装 構 成 4 2.3.2 材 料 規 定 6 2.3.2-1 表 層 混 合 物 用 材 料 6 2.3.2-2 アスファルト 乳 剤 9 2.3.2-3 基 層 混 合 物 用 材 料 9 2.3.2-4 防 水 材 料 11 2.3.3 混 合 物 の 基 準 16 2.3.3-1 表 層 用 混 合 物 16 2.3.3-2 基 層 用 混 合 物 18 2.4 コンクリート 床 版 上 の 特 殊 箇 所 の 舗 装 20 2.4.1 標 準 舗 装 構 成 20 2.4.2 材 料 規 定 21 2.4.3 混 合 物 の 基 準 22 2.5 鋼 床 版 上 の 標 準 舗 装 23 2.5.1 標 準 舗 装 構 成 23 2.5.2 材 料 規 定 24 2.5.2-1 表 層 混 合 物 用 材 料 24 2.5.2-2 アスファルト 乳 剤 25 2.5.2-3 鋼 床 版 用 接 着 剤 25 2.5.2-4 目 地 材 27 2.5.3 混 合 物 の 基 準 28 2.5.3-1 表 層 用 混 合 物 28 2.5.3-2 基 層 用 混 合 物 28 2.6 鋼 床 版 上 の 特 殊 箇 所 の 舗 装 30 2.6.1 標 準 舗 装 構 成 30 2.6.2 材 料 規 定 31 2.6.3 混 合 物 の 基 準 33 i

目 次 2.7 鋼 床 版 面 の 表 面 処 理 34 2.7.1 表 面 処 理 ( 研 掃 工 ) 方 法 と 除 錆 度 の 確 認 34 2.7.2 鋼 床 版 表 面 の 腐 食 状 況 調 査 35 2.8 排 水 構 造 37 2.8.1 一 般 37 2.8.2 端 部 止 水 構 造 40 3. 土 工 部 の 舗 装 3.1 適 用 42 3.2 一 般 42 3.3 路 床 43 3.4 舗 装 厚 さの 設 計 44 3.4.1 設 計 CBR 44 3.4.2 舗 装 合 計 厚 と 舗 装 構 成 の 設 計 44 3.5 路 盤 47 3.5.1 一 般 47 3.5.2 下 層 路 盤 48 3.5.3 上 層 路 盤 49 3.6 表 層, 中 間 層 および 基 層 54 4. 料 金 所 付 近 の 舗 装 4.1 適 用 56 4.2 一 般 56 4.3 半 たわみ 性 舗 装 57 4.3.1 標 準 舗 装 構 成 57 4.3.2 材 料 規 定 58 4.3.3 混 合 物 の 基 準 59 4.3.4 浸 透 用 セメントミルクの 品 質 規 格 60 4.4 コンクリート 舗 装 61 4.4.1 標 準 舗 装 構 成 61 4.4.2 路 床 62 4.4.3 路 盤 62 4.4.4 アスファルト 中 間 層 62 4.4.5 コンクリート 版 の 材 料 規 定 63 4.4.6 コンクリートの 配 合 64 4.4.7 鉄 筋 および 縁 部 補 強 鉄 筋 65 4.4.8 目 地 の 種 類 と 間 隔 66 4.4.9 コンクリート 版 の 補 強 70 ii

目 次 5. トンネル 部 の 舗 装 5.1 適 用 76 5.2 一 般 76 5.3 コンクリート 舗 装 の 標 準 舗 装 構 成 77 5.4 路 床 78 5.5 路 盤 78 5.6 アスファルト 中 間 層 78 5.7 コンクリート 版 78 5.8 表 面 処 理 78 6. 非 常 駐 車 帯 の 舗 装 6.1 一 般 79 6.2 コンクリート 床 版 の 場 合 79 6.3 鋼 床 版 の 場 合 80 6.4 土 工 部 の 場 合 80 6.5 トンネル 部 の 場 合 80 7. 中 央 分 離 帯 開 口 部 の 舗 装 7.1 一 般 81 8. 路 肩 および 中 央 帯 の 舗 装 8.1 一 般 81 8.2 コンクリート 床 版 の 場 合 82 8.3 鋼 床 版 の 場 合 82 8.4 土 工 部 の 場 合 83 8.5 トンネル 部 の 場 合 83 9. 保 全 と 補 修 9.1 一 般 84 9.2 補 修 の 目 的 と 定 義 84 9.3 保 全 補 修 の 手 順 85 9.4 アスファルト 舗 装 の 補 修 86 9.4.1 損 傷 の 種 別 86 9.4.2 日 常 点 検 88 9.4.3 舗 装 の 調 査 89 9.4.4 路 面 の 評 価 93 9.4.5 補 修 計 画 の 立 案 93 iii

目 次 9.5 コンクリート 舗 装 の 補 修 98 9.5.1 損 傷 の 種 別 98 9.5.2 日 常 点 検 99 9.5.3 舗 装 の 調 査 99 9.5.4 路 面 の 評 価 100 9.5.5 補 修 工 法 の 選 定 101 9.6 補 修 の 記 録 102 巻 末 資 料 性 能 評 価 規 定 機 能 性 舗 装 iv

1. 総 則 1. 総 則 1.1 適 用 の 範 囲 (1) 本 基 準 は 広 島 高 速 道 路 公 社 における 舗 装 の 設 計 に 適 用 する (2) 本 基 準 に 示 されていない 事 項 については 次 の 技 術 図 書 等 によるものとする 舗 装 の 構 造 に 関 する 技 術 基 準 同 解 説 平 成 13 年 7 月 日 本 道 路 協 会 舗 装 設 計 施 工 指 針 平 成 18 年 2 月 日 本 道 路 協 会 舗 装 性 能 評 価 法 平 成 18 年 1 月 日 本 道 路 協 会 舗 装 性 能 評 価 法 別 冊 平 成 20 年 3 月 日 本 道 路 協 会 舗 装 設 計 便 覧 平 成 18 年 2 月 日 本 道 路 協 会 舗 装 施 工 便 覧 平 成 18 年 2 月 日 本 道 路 協 会 舗 装 再 生 便 覧 平 成 16 年 2 月 日 本 道 路 協 会 アスファルト 混 合 所 便 覧 平 成 8 年 10 月 日 本 道 路 協 会 道 路 維 持 修 繕 要 綱 昭 和 53 年 7 月 日 本 道 路 協 会 アスファルト 舗 装 工 事 共 通 仕 様 書 解 説 平 成 4 年 12 月 日 本 道 路 協 会 舗 装 調 査 試 験 法 便 覧 平 成 19 年 6 月 日 本 道 路 協 会 道 路 土 工 要 領 平 成 2 年 8 月 日 本 道 路 協 会 道 路 土 工 土 質 調 査 指 針 昭 和 61 年 11 月 日 本 道 路 協 会 道 路 土 工 施 工 指 針 昭 和 61 年 11 月 日 本 道 路 協 会 道 路 土 工 軟 弱 地 盤 対 策 工 指 針 昭 和 61 年 11 月 日 本 道 路 協 会 道 路 土 工 排 水 工 指 針 昭 和 62 年 6 月 日 本 道 路 協 会 道 路 橋 床 版 防 水 便 覧 平 成 19 年 3 月 日 本 道 路 協 会 (3) アスファルト 混 合 物 事 前 審 査 制 度 により 認 定 を 受 けた 混 合 物 は その 制 度 を 有 効 に 活 用 することができる (1) 舗 装 の 設 計 に 当 たっては 各 条 文 のに 記 述 した 事 項 を 十 分 理 解 すると 共 に 道 路 の 実 状 その 他 の 条 件 に 応 じて 適 切 な 舗 装 構 成 および 材 料 を 選 定 しなければならない また 条 文 の 記 述 内 容 と 異 なる 条 件 の 舗 装 設 計 あるいは 施 工 を 行 う 場 合 は 別 途 十 分 に 検 討 して 不 合 理 な 設 計 とならないよう 努 めなければならない (2) 舗 装 設 計 において 維 持 管 理 を 考 慮 したライフサイクルコストや 環 境 に 配 慮 した 舗 装 技 術 を 取 り 入 れていく ことが 望 ましい (3) 舗 装 設 計 において 舗 装 構 造 を 短 区 間 で 変 えることは 施 工 が 繁 雑 となり 好 ましくない 舗 装 構 造 は 線 形 交 通 状 況 を 考 慮 し 少 なくとも 200m の 区 間 は 変 えないようにすることが 望 ましい (4) 関 連 街 路 の 舗 装 について 特 に 所 轄 官 庁 の 指 示 がない 限 り 本 基 準 を 準 用 することができる (5) 土 木 工 事 共 通 仕 様 書 と 規 格 値 が 異 なる 場 合 は 本 基 準 を 優 先 する (6) 技 術 図 書 については 常 に 最 新 のものを 使 用 する (7) 技 術 進 歩 の 動 向 により 十 分 検 討 された 結 果 適 当 と 判 断 される 場 合 は 新 技 術 を 採 用 できるものとする (8) アスファルト 混 合 物 事 前 審 査 制 度 により 認 定 を 受 けた 混 合 物 は 認 定 書 の 写 しを 事 前 に 提 出 することによっ て 材 料 の 基 準 試 験 および 混 合 物 の 配 合 試 験 アスファルトプラントの 各 設 備 装 置 などの 調 整 点 検 およ び 試 験 練 りを 省 略 することができる また 混 合 所 で 製 造 するアスファルト 混 合 物 の 品 質 管 理 は 混 合 所 が 定 める 作 業 標 準 書 にもとづき 自 主 管 理 により 行 うものとする - 1 -

1. 総 則 1.2 交 通 量 区 分 (1) 交 通 量 区 分 は 将 来 交 通 量 を 勘 案 して 設 定 した 各 路 線 の 交 通 量 区 分 は 表 -1.2.1 に 示 すとおりとする 表 -1.2.1 広 島 高 速 道 路 の 交 通 量 区 分 路 線 名 1 号 線 2 号 線 3 号 線 4 号 線 5 号 線 交 通 量 区 分 N 6 N 6 N 7 N 6 N 6-2 -

2.1 橋 面 舗 装 2.2 一 般 舗 装 2. 橋 面 舗 装 2.1 適 用 本 章 は 橋 面 (コンクリート 床 版 上 および 鋼 床 版 上 )の 舗 装 に 適 用 する (1) 合 成 床 版 は 舗 装 基 面 がコンクリート 版 であるため コンクリート 床 版 上 の 舗 装 に 含 める 2.2 一 般 (1) 橋 面 舗 装 には コンクリート 床 版 上 の 舗 装 と 鋼 床 版 上 の 舗 装 がある (2) 橋 面 舗 装 は 原 則 としてアスファルト 舗 装 とする (3) 表 層 に 用 いるアスファルト 混 合 物 は ポーラスアスファルト 混 合 物 ( 最 大 粒 径 13mm)を 標 準 とするが 縦 断 勾 配 6% 以 上 の 急 勾 配 箇 所 においては 密 粒 度 ギャップアスファルト 混 合 物 ( 最 大 粒 径 13mm)を 適 用 できる (4) コンクリート 床 版 上 の 基 層 は 密 粒 度 アスファルト 混 合 物 ( 最 大 粒 径 13mm)を 標 準 とするが 防 水 工 を 設 け るため 水 が 滞 留 することが 懸 念 されることから より 水 密 性 を 重 視 した 砕 石 マスチックアスファルト 混 合 物 ( 最 大 粒 径 13mm 施 工 厚 によっては 最 大 粒 径 5mm)も 適 用 できる (5) 鋼 床 版 上 の 表 層 に 用 いるポーラスアスファルト 混 合 物 (13)は 曲 げ 破 断 ひずみ 6 10-3 以 上 とする (6) 鋼 床 版 上 の 基 層 は たわみ 追 従 性 に 優 れたグースアスファルト 混 合 物 を 標 準 とするが ランプ 部 などの 縦 断 勾 配 6% 以 上 の 急 勾 配 箇 所 で グースアスファルト 舗 装 の 施 工 が 困 難 となる 場 合 においては 硬 化 性 アスファル ト 舗 装 等 も 適 用 できる (7) アスファルト 混 合 物 の 配 合 設 計 は 舗 装 施 工 便 覧 や 舗 装 調 査 試 験 法 便 覧 によるものとする (8) 配 合 設 計 に 際 しては 安 定 性 耐 久 性 に 富 み 特 に 表 層 ではすべり 抵 抗 に 優 れ 混 合 敷 均 し 締 固 めな どの 作 業 性 が 容 易 に 得 られるよう 材 料 の 選 定 と 骨 材 粒 度 およびアスファルト 量 の 決 定 を 慎 重 に 行 うものと する (9) 既 供 用 部 分 において 修 繕 の 必 要 性 が 生 じた 場 合 は 長 期 的 なライフサイクルコストの 低 減 を 目 的 とした 耐 流 動 性 対 策 を 講 じるとともに 表 層 は 既 設 舗 装 と 同 じ 種 類 の 舗 装 とすること (1) 広 島 高 速 道 路 公 社 においては 走 行 車 輌 に 対 して 安 全 性 が 高 く 耐 流 動 性 に 優 れ 交 通 騒 音 の 低 減 沿 道 へ の 水 はね 抑 制 等 の 機 能 があるポーラスアスファルト 混 合 物 を 用 いた 排 水 性 舗 装 を 表 層 に 用 いることとした (2) ポーラスアスファルト 混 合 物 に 用 いる 最 大 骨 材 粒 径 は 13mm を 標 準 とするが 耐 流 動 性 および 透 水 機 能 を 優 先 させる 場 合 は 20mm を 使 用 することができる 最 大 骨 材 粒 径 による 機 能 効 果 を 表 - 解 2.2.1 に 示 す 表 - 解 2.2.1 最 大 骨 材 粒 径 による 機 能, 効 果 の 比 較 項 目 最 大 骨 材 粒 径 13mm 最 大 骨 材 粒 径 20mm 透 水 機 能 の 確 保 ( 連 続 空 隙 率 が 大 きい) 騒 音 低 減 効 果 ( 実 験 結 果 より) 混 合 物 の 耐 久 性 ( 飛 散 抵 抗 性 が 大 ) 機 能 の 耐 久 性 耐 流 動 性 施 工 性 ( 厚 さ4cmの 場 合 ) (20mmは フィニシャによる 敷 き 均 し 時 に 引 きずりを 生 じるなど 困 難 性 を 伴 う ) - 3 -

2.3 コンクリート 床 版 上 の 標 準 舗 装 2.3 コンクリート 床 版 上 の 標 準 舗 装 2.3.1 標 準 舗 装 構 成 (1) コンクリート 床 版 上 におけるアスファルト 舗 装 の 標 準 舗 装 構 成 は 図 -2.3.1に 示 すとおりとするが より 水 密 性 等 を 重 視 する 場 合 は 図 -2.3.2も 適 用 できる (2) 舗 装 厚 さは 表 層 40mm 基 層 40mmの 合 計 舗 装 厚 さ80mmを 標 準 とする (3) 表 層 用 ポーラスアスファルト 混 合 物 (13)のアスファルトは ポリマー 改 質 アスファルトH 型 を 使 用 する (4) 基 層 用 密 粒 度 アスファルト 混 合 物 (13)および 砕 石 マスチックアスファルトのアスファルトは ポリマー 改 質 アスファルトⅡ 型 を 使 用 する (5) タックコート 用 の 瀝 青 材 料 は ゴム 入 りアスファルト 乳 剤 (PKR-T)とし その 使 用 量 は 0.4l/m2とする (6) コンクリート 床 版 上 には 防 水 層 を 設 ける 防 水 層 は シート 系 防 水 工 法 を 標 準 とする 図 -2.3.1 コンクリート 床 版 上 の 標 準 舗 装 構 成 ( 単 位 mm) ( 基 層 に 密 粒 度 アスファルト 混 合 物 (13)を 適 用 する 場 合 ) 図 -2.3.2 コンクリート 床 版 上 の 標 準 舗 装 構 成 ( 単 位 mm) ( 基 層 に 砕 石 マスチックアスファルト 混 合 物 (13)を 適 用 する 場 合 ) (1) 排 水 性 舗 装 の 厚 さと 排 水 効 果 等 の 関 係 は 必 ずしも 明 確 でなく 過 去 の 施 工 例 では 40mm~50mm とするのが 一 般 的 である 広 島 高 速 道 路 公 社 における 高 架 道 路 のアスファルト 舗 装 厚 は 80mm であり レベリング 層 としての 基 層 の 平 均 舗 装 厚 を 40mm とし 表 層 を 40mm とした (2) 表 層 は ポーラスアスファルト 混 合 物 を 用 いることを 標 準 とし 騒 音 低 減 効 果 および 混 合 物 の 耐 久 性 が 高 いと されていることから 最 大 粒 径 は 13mm を 標 準 とした - 4 -

2.3 コンクリート 床 版 上 の 標 準 舗 装 (3) 基 層 用 混 合 物 は ポーラスアスファルト 混 合 物 層 からの 水 の 影 響 を 受 ける 状 況 にあり また 線 形 などによっ て 水 に 長 時 間 浸 されることも 考 慮 する 必 要 がある 一 般 にアスファルト 混 合 物 は 水 に 浸 漬 された 状 態 で 繰 り 返 し 荷 重 を 受 けると 骨 材 からアスファルトが 剥 離 する 現 象 が 生 じ 剥 離 が 進 行 するとポットホールなどの 破 損 が 発 生 する その 対 策 として 剥 離 抵 抗 性 に 優 れたポリマー 改 質 アスファルトⅡ 型 を 用 いた 密 粒 度 アスファルト 混 合 物 (13)を 採 用 した また 砕 石 マスチックアスファルト 混 合 物 (13)は 密 粒 度 アスファルト 混 合 物 に 比 べて より 水 密 性 耐 摩 耗 性 たわみ 追 随 性, 耐 流 動 性 に 優 れているが コンクリート 床 版 の 仕 上 がり 高 の 精 度 により 舗 装 厚 40mm を 確 保 できない 場 合 や 端 部 における 締 固 め 不 足 などにより 砕 石 マスチックの 舗 装 の 効 力 が 十 分 に 発 揮 されないため 採 用 に 当 たっては 施 工 上 の 対 策 が 必 要 である なお 舗 装 厚 によっては 最 大 粒 径 5mm の 混 合 物 の 採 用 も 検 討 する (4) ポーラスアスファルト 混 合 物 (13)に 用 いる 骨 材 は 新 規 材 料 を 使 うものとし コンクリート 床 版 上 の 基 層 に 用 いる 材 料 も 新 規 材 料 を 使 用 することとする (5) 表 層 の 動 的 安 定 度 (DS)の 基 準 値 は 3,000 回 /mm 以 上 とするが 基 層 の 密 粒 度 アスファルト 混 合 物 および 砕 石 マスチックアスファルト 混 合 物 の 動 的 安 定 度 (DS)の 基 準 値 は 1,000 回 /mm 以 上 とする (6) ポーラスアスファルト 混 合 物 は 空 隙 率 が 大 きいため 一 般 の 混 合 物 に 比 べて 下 層 面 との 接 着 面 積 が 小 さい し たがって タックコート 用 の 瀝 青 材 料 は より 高 い 接 着 力 が 得 られるゴム 入 りアスファルト 乳 剤 を 使 用 すること とした (7) 排 水 性 舗 装 は ポーラスアスファルト 混 合 物 層 の 中 に 水 を 通 過 させるため 床 版 等 の 橋 梁 主 構 造 にとって 水 の 影 響 を 受 けやすい 舗 装 構 造 である したがって コンクリート 床 版 上 は 全 面 にわたって 防 水 層 を 確 実 に 施 工 する ことにより 床 版 および 橋 体 の 保 護 に 配 慮 する 構 造 とした (8) 防 水 工 法 として 使 用 実 績 の 多 い 工 法 は シート 系 防 水 工 法 と 加 熱 アスファルト 系 塗 膜 防 水 工 法 である 標 準 と して 用 いるシート 系 防 水 工 法 は 防 水 の 確 実 性, 床 版 および 舗 装 との 接 着 性, 床 版 のクラックに 対 する 追 従 性 などに 優 れている なお 現 場 条 件 によっては 塗 膜 防 水 工 法 も 適 用 できる - 5 -

2.3 コンクリート 床 版 上 の 標 準 舗 装 2.3.2 材 料 規 定 2.3.2-1 表 層 混 合 物 用 材 料 ポーラスアスファルト 混 合 物 は 一 般 混 合 物 と 比 較 して 粗 骨 材 が 主 体 となった 配 合 で 空 隙 率 が 高 いのが 特 徴 である したがって 排 水 性 舗 装 としての 耐 久 性 および 機 能 の 持 続 性 が 得 られるよう 使 用 材 料 を 選 定 しなければ ならない 特 に 粗 骨 材 の 品 質 形 状 などが 耐 久 性 および 機 能 の 持 続 性 に 与 える 影 響 が 大 きいので 良 質 の 骨 材 を 吟 味 して 選 定 することが 重 要 である また アスファルトや 添 加 材 等 の 選 定 にあたっては 適 用 箇 所 に 合 致 する よう 総 合 的 な 検 討 が 必 要 である 1.アスファルト ポーラスアスファルト 混 合 物 に 使 用 するアスファルトは ポリマー 改 質 アスファルトH 型 とし 表 -2.3.1 に 示 す 品 質 規 格 を 満 足 しなければならない 表 -2.3.1 ポリマー 改 質 アスファルトH 型 の 品 質 規 格 試 験 項 目 品 質 規 格 軟 化 点 80.0 以 上 伸 度 [15 ] cm 50 以 上 タフネス [25 ] N m 20 以 上 針 入 度 [25 ] 1/10mm 40 以 上 薄 膜 加 熱 質 量 変 化 率 % 0.6 以 下 薄 膜 加 熱 後 の 針 入 度 残 留 率 % 65 以 上 引 火 点 260 以 上 1) 密 度 [15 ]は 試 験 表 に 付 記 すること 2) 最 適 混 合 温 度 および 最 適 締 固 め 温 度 を 試 験 表 に 付 記 すること (1) ポーラスアスファルト 混 合 物 は 高 い 空 隙 率 を 持 つため 一 般 のアスファルト 混 合 物 と 比 較 して 気 象 の 影 響 を 受 けやすい このため 使 用 するアスファルトは 耐 久 性 に 富 み 骨 材 に 対 する 把 握 力 粘 着 力 が 大 きく 剥 離 抵 抗 性 に 優 れ 骨 材 を 厚 く 被 覆 できるなど より 高 品 質 な 性 状 が 要 求 される (2) ポーラスアスファルト 混 合 物 のアスファルトは 舗 装 施 工 便 覧 ( 平 成 18 年 2 月 ) では ポリマー 改 質 ア スファルトH 型 が 標 準 仕 様 とされている - 6 -

2.3 コンクリート 床 版 上 の 標 準 舗 装 2. 骨 材 (1) 砕 石 ポーラスアスファルト 混 合 物 に 使 用 する 砕 石 は 表 -2.3.2に 示 す 品 質 規 格 を 満 足 すると 共 に 原 則 として 表 -2.3.3に 示 す 粒 度 範 囲 を 満 足 しなければならない (2) 砂 表 -2.3.2 砕 石 の 品 質 規 格 項 目 品 質 規 格 試 験 方 法 表 乾 密 度 g/cm 3 2.45 以 上 JIS A 1110 吸 水 率 % 3.0 以 下 JIS A 1110 すり 減 り 減 量 % 30 以 下 JIS A 1121[ロサンセ ルス] 損 失 量 % 12 以 下 JIS A 1122 細 長 いまたは 扁 平 な 石 片 の 含 有 量 % ふるい 目 の 開 き mm 呼 び 名 [ 粒 度 範 囲 mm] 10 以 下 表 -2.3.3 砕 石 の 粒 度 範 囲 [JIS A 5001 1995] 舗 装 調 査 試 験 法 便 覧 骨 材 の 形 状 試 験 方 法 ふるいを 通 るものの 質 量 百 分 率 % 26.5 19 13.2 4.75 2.36 1.18 S-20(5 号 ) [20~13] 100 85~100 0~15 S-13(6 号 ) [13~ 5] 100 85~100 0~15 S-5 (7 号 ) [5~2.5] 100 85~100 0~25 0~5 注 ) 細 長 いまたは 扁 平 な 石 片 とは 砕 石 を 包 む 直 方 体 の 最 大 長 と 最 小 長 の 比 が5より 大 きい 石 片 をいう 1) 砂 は 天 然 砂 人 工 砂 スクリーニングスまたはそれらの 混 合 砂 を 使 用 する 2) 人 工 砂 およびスクリーニングスは 表 -2.3.2に 示 す 品 質 規 格 を 満 足 する 砕 石 を 破 砕 して 製 造 したも のでなければならない 3) 砂 は 清 浄 堅 硬 耐 久 的 で 適 当 な 粒 度 を 持 ち ごみ 泥 有 機 物 等 の 有 害 物 を 多 く 含 んではならない 4) スクリーニングスの 粒 度 は 表 -2.3.4に 示 す 粒 度 範 囲 を 満 足 しなければならない 表 -2.3.4 スクリーニングスの 粒 度 範 囲 ふるい 目 の 開 き ふるい 通 過 質 量 百 分 率 % 呼 び 名 4.75mm 2.36mm 600μm 300μm 150μm 75μm F-2.5 100 85~100 25~55 15~40 7~28 0~20 (1) 砕 石 の 原 石 は 硬 質 砂 岩 玄 武 岩 安 山 岩 硬 質 石 灰 岩 またはこれに 準 ずる 材 質 を 有 する 岩 石 とする (2) ポーラスアスファルト 混 合 物 層 に 用 いられている 粗 骨 材 の 最 大 粒 径 は 20mm 13mm があるが 本 編 におけるポ ーラスアスファルト 混 合 物 層 の 厚 さを 40mm としていることと 騒 音 低 減 効 果 および 混 合 物 の 耐 久 性 が 高 いこと から 粗 骨 材 の 最 大 粒 径 は 13mm とする また 使 用 する 粗 骨 材 は 本 編 で 定 めるポーラスアスファルト 混 合 物 の 品 質 規 格 を 満 足 する 材 料 を 選 定 することとした 砕 石 の 材 質 について 特 に 有 害 物 含 有 量 を 吟 味 する 場 合 の 限 度 値 を 表 - 解 2.3.1 に 示 した - 7 -

2.3 コンクリート 床 版 上 の 標 準 舗 装 表 - 解 2.3.1 有 害 物 含 有 量 の 限 度 含 有 物 品 質 規 格 [ 全 試 料 に 対 する 質 量 百 分 率 ] % 試 験 方 法 粘 土 粘 土 塊 0.25 以 下 JIS A 1137 軟 らかい 石 片 5.0 以 下 JIS A 1126 (3) 6 号 砕 石 に 扁 平 な 石 の 含 有 量 が 多 いほど 透 水 係 数 が 低 下 する 傾 向 があると 言 われており このため 経 済 性 を 考 慮 しながら 可 能 な 範 囲 で 扁 平 な 石 の 含 有 量 が 少 ない 6 号 砕 石 を 選 定 する (4) 天 然 砂 は 採 取 場 所 により 粒 度 などが 変 化 しやすいので 十 分 調 査 のうえ 使 用 する またスクリーニングス は シルトや 粘 土 などの 有 害 物 を 含 むことがあるので 十 分 調 査 のうえ 使 用 する 3.フィラー フィラーには 石 灰 岩 やその 他 の 岩 石 を 粉 砕 した 石 粉 消 石 灰 セメント 回 収 ダストなどがあるが ポー ラスアスファルト 混 合 物 のフィラーは 原 則 として 石 灰 岩 を 粉 砕 した 石 粉 とする 石 灰 岩 を 粉 砕 した 石 粉 の 水 分 は1.0% 以 下 とし その 粒 度 は 表 -2.3.5に 示 す 粒 度 範 囲 を 満 足 しなければなら ない 表 -2.3.5 石 灰 岩 を 粉 砕 した 石 粉 の 粒 度 範 囲 ふるい 目 の 開 き 通 過 質 量 百 分 率 (%) 600μm 100 150μm 90~ 100 75μm 70~ 100 (1) 剥 離 防 止 のため 消 石 灰 およびセメントをフィラーとして 使 用 する 場 合 の 品 質 は JIS R 9001 工 業 用 石 灰 ( 特 号 1 号 )および 普 通 ポルトランドセメント(JIS R 5210)および 高 炉 セメント(JIS R 5211)に 適 合 するものを 用 いなけれ ばならない - 8 -

2.3 コンクリート 床 版 上 の 標 準 舗 装 2.3.2-2 アスファルト 乳 剤 タックコートに 用 いる 瀝 青 材 料 は ゴム 入 りアスファルト 乳 剤 とし 表 -2.3.6に 示 す 品 質 規 格 を 満 足 しなけ ればならない なお ゴム 入 りアスファルト 乳 剤 は 製 造 後 60 日 を 超 えたものは 品 質 を 確 認 してから 用 いる 表 -2.3.6 ゴム 入 りアスファルト 乳 剤 の 品 質 規 格 項 目 PKR-T エングラー 度 [25 ] 1 ~ 10 ふるい 残 留 分 [1.18mm] % 0.3 以 下 付 着 度 2/3 以 上 粒 子 の 電 荷 陽 (+) 蒸 発 残 留 分 % 50 以 上 蒸 針 入 度 [25 ] 1/10mm 60を 越 え150 以 下 発 残 軟 化 点 42.0 以 上 留 タフネス [25 ] N m 3.0 以 上 物 テナシティ [25 ] N m 1.5 以 上 貯 蔵 安 定 度 24 時 間 質 量 % 1 以 下 (1) ポーラスアスファルト 混 合 物 は 空 隙 率 が 高 いため 一 般 の 混 合 物 に 比 べて 下 層 面 との 接 着 面 積 が 小 さい そのため より 高 い 接 着 力 が 得 られるよう 原 則 としてゴム 入 りアスファルト 乳 剤 を 使 用 する (2) 石 油 アスファルト 乳 剤 で 水 中 のアスファルト 粒 子 がプラス(+)に 帯 電 しているものをカチオン 系 といい マ イナス(-)に 帯 電 しているものをアニオン 系 というが 一 般 に 骨 材 はマイナス(-)に 帯 電 していることからア スファルト 粒 子 がプラス(+)に 帯 電 しているカチオン 系 乳 剤 の 方 が 付 着 しやすい 2.3.2-3 基 層 混 合 物 用 材 料 1.アスファルト コンクリート 床 版 上 に 用 いる 基 層 混 合 物 のアスファルトは 原 則 として 表 -2.3.7に 示 す 品 質 規 格 を 満 足 す るポリマー 改 質 アスファルトⅡ 型 を 用 いる 表 -2.3.7 ポリマー 改 質 アスファルトⅡ 型 の 品 質 規 格 項 目 品 質 規 格 軟 化 点 56.0 以 上 伸 度 [15 ] cm 30 以 上 タフネス [25 ] N m 8.0 以 上 テナシティ [25 ] N m 4.0 以 上 針 入 度 [25 ] 1/10mm 40 以 上 薄 膜 加 熱 質 量 変 化 率 % 0.6 以 下 薄 膜 加 熱 後 の 針 入 度 残 留 率 % 65 以 上 引 火 点 260 以 上 - 9 -

2.3 コンクリート 床 版 上 の 標 準 舗 装 (1) 高 架 道 路 における 床 版 防 水 を 設 置 した 基 層 の 改 修 は 床 版 防 水 を 含 めて 行 う 必 要 が 生 ずることから 修 繕 コス トの 上 昇 と 工 事 期 間 が 長 くなるなど 一 般 交 通 へ 与 える 影 響 が 大 きい したがって 基 層 用 混 合 物 の 品 質 は 高 い 耐 久 性 が 求 められる 一 般 にアスファルト 混 合 物 の 剥 離 抵 抗 性 を 高 める 対 策 としては 1) フィラー 分 の 一 部 を 消 石 灰 と 置 き 換 えて 使 用 する 2) 付 着 性 を 改 善 した 改 質 アスファルトを 使 用 する 3) 剥 離 防 止 剤 を 使 用 する 以 上 の 対 策 が 考 えられるが 耐 水 性 耐 久 性 剥 離 抵 抗 性 があり コスト 的 に 優 れるポリマー 改 質 アスファル トⅡ 型 を 使 用 することとした 2. 骨 材 およびフィラー (1) 砕 石 1) 砕 石 は 2.3.2-1 表 層 混 合 物 用 材 料 に 準 ずる (2) 砂 1) 砂 は 天 然 砂 人 工 砂 スクリーニングスまたはそれらの 混 合 砂 を 使 用 する 2) 砂 の 基 準 は 2.3.2-1 表 層 混 合 物 用 材 料 に 準 ずる (3) フィラー 1) フィラーには 石 灰 岩 やその 他 の 岩 石 を 粉 砕 した 石 粉 消 石 灰 セメント 回 収 ダストおよびフライアッ シュなどがあるが 原 則 として 石 灰 岩 を 粉 砕 した 石 粉 を 全 フィラーの 50% 以 上 用 いるものとする 2) 石 灰 岩 を 粉 砕 した 石 粉 は 水 分 1% 以 下 とし その 粒 度 は 表 -2.3.5の 粒 度 範 囲 を 満 足 しなければならない また 微 粒 子 の 団 粒 になったものがあってはならない 3) 回 収 ダストをフィラーの 一 部 として 用 いる 場 合 は 全 フィラーの 50% 以 下 でなければならない また 石 灰 岩 を 粉 砕 した 石 粉 と 回 収 ダストの 75μm 通 過 分 をその 使 用 割 合 で 混 合 したものが 表 -2.3.8の 品 質 規 格 を 満 足 しなければならない また 回 収 ダストの 使 用 量 が 全 フィラーに 対 して 30% 以 上 となる 場 合 は 剥 離 試 験 に 合 格 しなければならない 表 -2.3.8 回 収 ダストをフィラーの 一 部 として 使 用 する 場 合 の 品 質 規 格 項 目 品 質 規 格 PI 4 以 下 フロー 試 験 % 50 以 下 注 )この 試 験 は 75μm 通 過 分 について 行 う ただし 回 収 ダストを 含 めてフィラーが2 種 類 以 上 となる 場 合 には 75μm 通 過 分 の 混 合 割 合 に 応 じて 混 合 したもので 試 験 する - 10 -

2.3 コンクリート 床 版 上 の 標 準 舗 装 (1) 剥 離 防 止 の 目 的 で 消 石 灰 をフィラーとして 使 用 する 場 合 消 石 灰 の 品 質 は JIS R 9001 工 業 用 石 灰 ( 特 号 1 号 )に 適 合 するものを 用 いなければならない (2) 回 収 ダストを 使 用 する 場 合 の 剥 離 試 験 は 舗 装 調 査 試 験 法 便 覧 石 粉 の 剥 離 抵 抗 性 試 験 方 法 によるもの とする 2.3.2-4 防 水 材 料 (1) 防 水 層 の 断 面 構 成 コンクリート 床 版 上 に 設 けるシート 系 防 水 層 の 断 面 構 成 を 図 -2.3.2 に 示 す ( 表 層 ) ( 基 層 ) 防 水 材 シート 系 防 水 材 厚 さ1.0~3.5mm プライマー( 接 着 層 ) コンクリート 床 版 用 フ ライマー(アスファルト 系 コ ム 入 り 溶 剤 型 ) 0.4l/m2 コンクリート 床 版 図 -2.3.2 シート 系 防 水 層 の 断 面 構 成 (2) 防 水 材 の 品 質 規 格 シート 系 防 水 材 は 表 -2.3.9に 示 す 品 質 規 格 を 満 足 しなければならない 表 -2.3.9 シート 系 防 水 材 の 品 質 規 格 項 目 品 質 規 格 試 験 方 法 厚 さ mm 1.0 ~ 3.5 JIS A 6013 引 張 強 さ[ 長 手 幅 方 向 とも] N/cm 100 以 上 JIS A 6022 低 温 可 撓 性 [ 長 手 方 向 幅 方 向 とも] % 5 個 中 4 個 以 上 合 格 道 路 橋 床 版 吸 水 膨 張 性 [ 長 手 方 向 幅 方 向 とも] % 0.0± 1.0 防 水 便 覧 加 熱 収 縮 率 [ 長 手 方 向 幅 方 向 とも] % 0.0± 3.0 表 - 付 3.4による 耐 アルカリ 性 [20 ] 異 常 のないこと JIS K 5600 耐 塩 水 性 [20 ] 異 常 のないこと JIS K 5600 (3) 貼 付 用 アスファルトの 品 質 規 格 シート 系 防 水 材 の 貼 り 付 けには シートを 加 熱 しながら 溶 着 させる 方 法 ( 溶 着 工 法 )と 貼 付 用 アスファル トを 用 いる 方 法 ( 流 し 貼 り 工 法 )とがある 流 し 貼 り 工 法 の 場 合 には 表 -2.3.10に 示 す 品 質 規 格 を 満 足 する 貼 付 用 アスファルトを 用 いるものとする - 11 -

2.3 コンクリート 床 版 上 の 標 準 舗 装 表 -2.3.10 貼 付 用 アスファルトの 品 質 規 格 項 目 品 質 規 格 試 験 方 法 軟 化 点 100 以 上 針 入 度 [25 ] 1/10mm 20 ~ 40 針 入 度 指 数 5 以 上 JIS K 2207 蒸 発 質 量 変 化 率 % 1 以 下 引 火 点 280 以 上 JIS K 2265 フラース 脆 化 点 -15 以 下 だれ 長 さ mm 8 以 下 JIS K 2207 加 熱 安 定 性 5 以 下 (4) プライマー( 接 着 剤 )の 品 質 規 格 シート 系 防 水 材 の 接 着 層 として 用 いられるプライマーは アスファルト 系 (ゴム 入 り) 溶 剤 型 の 接 着 剤 で 表 -2.3.11に 示 す 品 質 規 格 を 満 足 しなければならない 表 -2.3.11 コンクリート 床 版 用 プライマーの 品 質 規 格 項 目 品 質 規 格 試 験 方 法 指 触 乾 燥 時 間 [23 ] 60 分 以 内 JIS K 5600-1-1 不 揮 発 分 % 20 以 上 JIS K 6833 作 業 性 塗 り 作 業 に 支 障 のないこと JIS K 5600-1-1 耐 水 性 5 日 間 で 異 常 のないこと JIS K 5600-6-1 (1) コンクリート 床 版 防 水 に 用 いられている 防 水 層 を 分 類 すると 表 - 解 2.3.2 に 示 すようにシート 系 防 水 層 塗 膜 系 防 水 層 およびその 他 の 床 版 防 水 層 に 分 けられる 表 - 解 2.3.2 コンクリート 床 版 防 水 層 の 分 類 コンクリート 床 版 防 水 層 の 分 類 シート 系 床 版 防 水 層 流 し 貼 り 型 加 熱 溶 着 型 常 温 粘 着 型 加 熱 溶 融 した 貼 付 用 アスファルトを 流 し 込 んで 防 水 シートを 溶 着 させるもの 加 熱 溶 融 する 接 着 剤 が 塗 られた 防 水 シートを 溶 着 させるもの 常 温 で 接 着 性 を 有 する 粘 着 剤 が 塗 られ た 防 水 シートを 用 いるもの アスファルト 材 料 を 加 熱 溶 融 させるもの 塗 膜 系 床 版 防 水 層 合 成 ゴムなどを 有 機 溶 剤 に 溶 解 したもの 熱 硬 化 性 樹 脂 などの 反 応 樹 脂 を 用 いるもの その 他 の 床 版 防 水 層 複 数 の 防 水 材 料 を 組 み 合 わせて 用 いるもの - 12 -

2.3 コンクリート 床 版 上 の 標 準 舗 装 (2) シート 系 床 版 防 水 層 シート 系 床 版 防 水 層 の 防 水 シートは 基 材 にポリエステル 系 やガラス 繊 維 などの 不 織 布 や 織 布 に 改 質 アスフ ァルトを 含 浸 させて 積 層 したもので 厚 さは 1.0~3.5mm 程 度 のものが 多 い シート 系 床 版 防 水 層 は 防 水 の 確 実 性 床 版 および 舗 装 との 接 着 性 床 版 のひび 割 れに 対 する 追 従 性 などに 優 れていることから 使 用 実 績 は 多 い (3) 塗 膜 系 床 版 防 水 層 塗 膜 系 床 版 防 水 層 は アスファルトを 合 成 ゴムなどで 改 質 したアスファルト 加 熱 型 クロロプレンゴムなど の 合 成 ゴムを 揮 発 性 溶 剤 に 溶 かしたゴム 溶 剤 型 合 成 樹 脂 (ウレタン 樹 脂 系 エポキシ 樹 脂 系 メタクリル 樹 脂 系 )を 用 いた 反 応 樹 脂 型 がある 塗 膜 系 床 版 防 水 層 は 舗 装 全 層 打 換 え 時 の 床 版 面 への 適 用 性 や 舗 装 の 薄 い 歩 道 部 への 適 用 に 優 れる 点 が 特 徴 である アスファルト 加 熱 型 は 施 工 効 率 が 良 いことや 舗 装 のブリスタリングの 発 生 が 少 ないことから 適 用 範 囲 が 広 く 使 用 実 績 が 多 い ゴム 溶 剤 型 は 養 生 時 間 や 塗 膜 損 傷 の 点 から 使 用 実 績 は 減 りつつある 反 応 樹 脂 型 は 硬 化 後 は 強 固 な 塗 膜 が 得 られるものの アスファルト 系 の 防 水 材 料 のように 加 熱 によって 溶 着 しないため 塗 膜 を 熱 によって 補 修 することができない そのため 塗 膜 を 傷 つけない 様 に 注 意 するととも に 損 傷 部 の 補 修 対 応 を 含 めた 管 理 体 制 を 検 討 しておく (4) 塗 膜 系 防 水 層 の 断 面 構 成 コンクリート 床 版 上 に 設 ける 加 熱 型 アスファルト 塗 膜 系 防 水 層 の 断 面 構 成 を 図 -2.3.3 に 示 す 防 水 材 ( 表 層 ) ( 基 層 ) けい 砂 0.7kg/m2 塗 膜 系 防 水 材 アスファルト 加 熱 型 厚 さ1.0~1.5mm 1.2kg/m2 プライマー( 接 着 層 ) コンクリート 床 版 用 フ ライマー(アスファルト 系 コ ム 入 り 溶 剤 型 ) コンクリート 床 版 0.4l/m2 図 -2.3.3 塗 膜 系 防 水 層 の 断 面 構 成 (5) 塗 膜 系 防 水 層 に 用 いるプライマー( 接 着 剤 )の 品 質 規 格 加 熱 型 アスファルト 塗 膜 防 水 層 に 使 用 するコンクリート 床 版 用 プライマーは 表 -2.3.11に 示 す 品 質 規 格 を 満 足 しなければならない - 13 -

2.3 コンクリート 床 版 上 の 標 準 舗 装 (6) 塗 膜 系 防 水 材 の 品 質 規 格 塗 膜 系 防 水 材 は 表 -2.3.12に 示 す 品 質 規 格 を 満 足 しなければならない 表 -2.3.12 塗 膜 系 床 版 防 水 層 (アスファルト 加 熱 型 )の 品 質 規 格 項 目 品 質 規 格 試 験 方 法 針 入 度 [ 円 錐 針 ] mm 1 ~ 5 舗 装 調 査 試 験 法 便 覧 A-102 軟 化 点 80 以 上 JIS K 2207 引 張 強 度 [23 ] N/mm 2 0.35 以 上 JIS A 6021 破 断 時 の 伸 び 率 % 300 以 上 JIS A 6021 耐 アルカリ 性 [23 ] 異 常 のないこと JIS K 5600-6-1 耐 塩 水 性 [23 ] 異 常 のないこと JIS K 5600-6-1 (7) 塗 膜 系 防 水 材 に 用 いるけい 砂 塗 膜 系 防 水 材 に 用 いるけい 砂 は 28 号 または 35 号 とし 表 -2.3.13(1) (2)に 示 す 品 質 規 格 を 満 足 しなければ ならない 表 -2.3.13(1) けい 砂 の 品 質 規 格 (JIS G 5901 に 準 ずる) 項 目 品 質 規 格 試 験 方 法 粘 土 分 % 2 未 満 JIS Z 2601 鋳 物 砂 の 水 分 許 容 量 % 0.5 以 下 試 験 方 法 表 -2.3.13(2) けい 砂 の 粒 度 規 格 (JIS G 5901 に 準 ずる) 号 別 ふるいの 呼 び 寸 法 ヒ ークの 重 量 比 3ふるいの 重 量 比 μm % % 28 号 840(20) 590(28) 420(35) 35 号 590(28) 420(35) 297(48) 40 以 上 70 以 上 注 ) ピークの 重 量 比 とは あるふるい 目 に 最 も 多 くとどまった 砂 の 重 量 比 をいい 28 号 の 場 合 は 590μm 35 号 の 場 合 は 420μmの 呼 び 寸 法 のふるいがピークの 重 量 比 を 表 すふるい 呼 び 寸 法 となる なお ( ) 内 の 数 値 はメッシュ 数 である 粒 度 試 験 は JIS Z 2601 鋳 物 砂 の 試 験 方 法 による 表 に 示 す 3ふるいとは ふるいの 呼 び 寸 法 に 示 す 3 種 類 のふるいを 指 す (8)コンクリート 床 版 の 表 面 処 理 塗 膜 系 防 水 材 を 用 いる 場 合 のコンクリート 床 版 の 表 面 処 理 はほうき 目 仕 上 げとする - 14 -

2.3 コンクリート 床 版 上 の 標 準 舗 装 3. 目 地 材 の 品 質 規 格 既 設 構 造 物 ( 地 覆 および 伸 縮 継 手 等 )とアスファルト 舗 装 との 間 に 使 用 する 目 地 材 は 成 型 目 地 材 を 用 いる ことを 標 準 とする 使 用 する 目 地 材 は 表 -2.3.14に 示 す 品 質 規 格 を 満 足 しなければならない 表 -2.3.14 目 地 材 の 品 質 規 格 ( 低 弾 性 タイプ) 項 目 品 質 規 格 試 験 方 法 針 入 度 [ 円 すい 針 ] mm 6 以 下 舗 装 調 査 流 動 mm 5 以 下 試 験 法 便 覧 引 張 量 mm 3 以 上 (1) 目 地 材 は 成 型 タイプとしその 厚 さは 5mm を 標 準 とした 既 設 構 造 物 との 取 付 部 は 特 に 水 が 浸 入 しやすい 箇 所 であり これらの 箇 所 の 防 水 を 十 分 に 行 う 必 要 があるため 成 型 目 地 は 加 熱 アスファルト 混 合 物 に 適 応 し 熱 に 溶 けやすくコンクリート 等 との 付 着 効 果 が 優 れている 低 弾 性 タイプとした (2) 成 型 目 地 の 高 さは 舗 装 の 厚 さから 5~10mm 低 い 30~35mm の 材 料 を 使 用 する (3) 成 型 目 地 材 の 設 置 には あらかじめゴムアスファルト 系 接 着 剤 を 構 造 物 側 に 0.2l/m2 程 度 の 割 合 で 塗 布 する 等 接 着 剤 の 指 触 乾 燥 時 間 内 に 成 型 目 地 材 の 接 着 剤 塗 布 側 を 構 造 物 に 押 しつけてだれ 落 ちないように 貼 付 する (4) 局 部 的 な 箇 所 や 小 規 模 の 場 合 は 加 熱 注 入 目 地 材 を 用 いてもよい この 場 合 の 目 地 幅 は 10mm を 標 準 とし 目 地 内 部 の 側 面 底 面 にゴムアスファルト 系 接 着 剤 を 0.3l/m2の 割 合 で 塗 布 して 3 時 間 以 上 養 生 した 後 180~ 220 の 温 度 に 加 熱 した 目 地 材 を 注 入 する 加 熱 注 入 目 地 材 についても 本 編 4.4.5(4)に 示 す 品 質 規 格 を 満 足 しな ければならない - 15 -

2.3 コンクリート 床 版 上 の 標 準 舗 装 2.3.3 混 合 物 の 基 準 2.3.3-1 表 層 用 混 合 物 1. 標 準 配 合 と 基 準 値 ポーラスアスファルト 混 合 物 の 配 合 設 計 にあたっては 舗 装 体 の 排 水 機 能 や 耐 久 性 を 考 慮 して 行 わなければ ならない (1) 標 準 配 合 ポーラスアスファルト 混 合 物 の 標 準 配 合 は 表 -2.3.15に 示 すとおりとする 表 -2.3.15 ポーラスアスファルト 混 合 物 の 標 準 配 合 通 過 質 量 百 分 率 (%) 最 大 粒 径 mm 13 26.5 mm - 19.0 mm 100 13.2 mm 90 ~100 4.75 mm 11 ~ 35 2.36 mm 10 ~ 20 75 μm 3 ~ 7 アスファルト 量 % 4 ~ 6 (2) 基 準 値 ポーラスアスファルト 混 合 物 は 表 -2.3.16に 示 す 基 準 値 を 満 足 しなければならない 表 -2.3.16 ポーラスアスファルト 混 合 物 の 基 準 値 項 目 基 準 値 突 固 め 回 数 回 50 空 隙 率 % 20 程 度 * 安 定 度 kn 3.43 以 上 動 的 安 定 度 [60 ] 回 /mm 3,000 以 上 透 水 係 数 cm/sec 1 10-2 以 上 * 注 )* 印 は 目 標 値 とする - 16 -

2.3 コンクリート 床 版 上 の 標 準 舗 装 (1) 配 合 設 計 にあたっては 事 前 に 現 場 の 施 工 条 件 を 十 分 認 識 すると 共 に アスファルトプラントの 調 査 など 必 要 な 情 報 を 収 集 する 必 要 がある 特 に 粗 骨 材 やアスファルトの 選 定 には その 品 質 や 安 定 供 給 の 面 での 注 意 が 必 要 である ポーラスアスファルト 混 合 物 は 他 の 加 熱 アスファルト 混 合 物 と 比 べ 粒 度 が 粗 く 目 標 とする 空 隙 率 が 大 き いため マーシャル 安 定 度 試 験 を 用 いた 配 合 設 計 方 法 では 設 計 アスファルト 量 の 決 定 が 困 難 である このため 配 合 設 計 では 目 標 とする 空 隙 率 を 満 足 し しかも 耐 久 性 を 重 視 しつつ 施 工 性 を 確 保 するために ダレを 生 じな い 範 囲 でアスファルト 膜 厚 が 最 大 となるように 設 計 アスファルト 量 を 決 定 する (2) 広 島 高 速 道 路 公 社 では 騒 音 低 減 効 果 と 混 合 物 の 耐 久 性 が 高 いことから 骨 材 の 最 大 粒 径 13mm を 標 準 とした (3) 目 標 とする 空 隙 率 20%は 一 般 地 域 で 最 も 実 績 の 多 い 空 隙 率 である 排 水 機 能 を 考 慮 すると 空 隙 率 はできる だけ 大 きくすることが 望 ましいが 空 隙 率 20% 以 上 の 領 域 では 骨 材 が 飛 散 しやすくなる 一 方 で 透 水 機 能 の 変 化 割 合 が 比 較 的 小 さいといわれている また 空 隙 つぶれや 空 隙 づまりの 室 内 試 験 後 の 機 能 評 価 では 空 隙 率 が 20% 以 上 になると 機 能 低 下 が 小 さいという 報 告 がある 以 上 より 空 隙 率 は 目 標 空 隙 率 の 20% 程 度 とした (4) 塑 性 変 形 輪 数 は 舗 装 の 構 造 に 関 する 技 術 基 準 同 解 説 では 耐 流 動 性 舗 装 [ 舗 装 計 画 交 通 量 ( 台 / 日 車 線 )が 3,000 台 / 日 車 線 以 上 の 区 間 ]の 場 合 3,000 回 /mm 以 上 としている このことからポーラスアス ファルト 混 合 物 の 動 的 安 定 度 (DS)の 基 準 値 は 3,000 回 /mm 以 上 とした (5) 配 合 設 計 の 手 順 については 舗 装 施 工 便 覧 を 参 考 にすること - 17 -

2.3 コンクリート 床 版 上 の 標 準 舗 装 2.3.3-2 基 層 用 混 合 物 1. 標 準 配 合 と 基 準 値 コンクリート 床 版 上 の 基 層 に 用 いるアスファルト 混 合 物 は 舗 装 設 計 基 準 2.3.2-3 基 層 混 合 物 用 材 料 に 示 すポリマー 改 質 アスファルトⅡ 型 を 用 いた 密 粒 度 アスファルト 混 合 物 (13)または 砕 石 マスチックアス ファルト 混 合 物 の 配 合 および 基 準 値 を 満 足 しなければならない (1) 標 準 配 合 1) 密 粒 度 アスファルト 混 合 物 (13)の 標 準 配 合 は 表 -2.3.17に 示 すとおりとする 表 -2.3.17 密 粒 度 アスファルト 混 合 物 (13)の 標 準 配 合 用 途 基 層 最 大 粒 径 mm 13 通 19.0 mm 100 過 13.2 mm 95 ~100 質 4.75 mm 55 ~ 70 量 2.36 mm 35 ~ 50 百 600 μm 18 ~ 30 分 300 μm 10 ~ 21 率 150 μm 6 ~ 16 % 75 μm 4 ~ 8 アスファルト 量 % 5 ~ 7 2) 砕 石 マスチックアスファルト 混 合 物 の 標 準 配 合 は 表 -2.3.18に 示 すとおりとする 表 -2.3.18 砕 石 マスチックアスファルト 混 合 物 の 標 準 配 合 通 過 質 量 百 分 率 (%) 最 大 粒 径 13mm 5mm 19.0 mm 100-13.2 mm 95 ~100 100 4.75 mm 30 ~ 50 90 ~ 100 2.36 mm 20 ~ 35 35 ~ 50 300 μm 13 ~ 20 15 ~ 25 75 μm 8 ~ 13 8 ~ 13 アスファルト 量 % 6 ~ 8.5 ( 試 験 練 り 等 に より 確 認 する ) 注 ) 繊 維 質 補 強 材 の 添 加 量 は 0.3% 程 度 を 目 標 とする - 18 -

2.3 コンクリート 床 版 上 の 標 準 舗 装 (2) 基 準 値 1) 密 粒 度 アスファルト 混 合 物 は 表 -2.3.19に 示 す 基 準 値 を 満 足 しなければならない 表 -2.3.19 密 粒 度 アスファルト 混 合 物 (13)の 基 準 値 項 目 基 準 値 マーシャル 安 定 度 試 験 突 固 め 回 数 回 75 空 隙 率 % 3 ~ 6 飽 和 度 % 70 ~ 85 安 定 度 kn 7.35 以 上 フロー 値 1/100cm 20 ~ 40 動 的 安 定 度 [60 ] 回 /mm 1,000 以 上 2) 砕 石 マスチックアスファルト 混 合 物 は 表 -2.3.20に 示 す 基 準 値 を 満 足 しなければならない 表 -2.3.20 砕 石 マスチックアスファルト 混 合 物 (13) (5)の 基 準 値 項 目 基 準 値 マーシャル 安 定 度 試 験 突 固 め 回 数 回 50 空 隙 率 % 2 ~ 3 安 定 度 kn 6.0 以 上 動 的 安 定 度 [60 ] 回 /mm 1,000 以 上 透 水 係 数 cm/sec 1 10-7 以 下 (1) 砕 石 マスチックアスファルト 混 合 物 の 動 的 安 定 度 (DS)は 他 機 関 において 採 用 されている 値 を 参 考 にし 1,000 回 /mm 以 上 とした (2) 密 粒 度 アスファルト 混 合 物 (13)の 動 的 安 定 度 (DS)は 橋 面 上 の 基 層 部 であることを 考 慮 し 砕 石 マスチックア スファルト 混 合 物 と 同 じ 1,000 回 /mm 以 上 とした (3) 配 合 設 計 の 手 順 については 舗 装 施 工 便 覧 を 参 考 にすること (4) 砕 石 マスチックアスファルト 混 合 物 について 1) 砕 石 マスチックアスファルト 混 合 物 は 粗 骨 材 の 量 が 多 く 細 骨 材 に 対 するフィラーの 量 が 多 いアスファ ルトモルタルで 粗 骨 材 の 骨 材 間 隙 を 充 填 したギャップ 粒 度 のアスファルト 混 合 物 である 2) 砕 石 マスチックアスファルト 混 合 物 の 特 性 は 配 合 により 大 きく 左 右 されるため 各 種 耐 久 性 試 験 によっ て 十 分 確 認 することが 必 要 である 3) 最 大 粒 径 5mm の 砕 石 マスチックアスファルト 混 合 物 を 採 用 する 場 合 は 特 に 配 合 に 留 意 し 混 合 物 の 特 性 を 考 慮 する 必 要 がある - 19 -

2.4 コンクリート 床 版 上 の 特 殊 箇 所 の 舗 装 2.4 コンクリート 床 版 上 の 特 殊 箇 所 の 舗 装 2.4.1 標 準 舗 装 構 成 標 準 舗 装 のほかに 特 殊 箇 所 に 適 用 できる 舗 装 の 舗 装 構 成 を 図 -2.4.1 に 示 す (1) 縦 断 勾 配 6% 以 上 の 急 勾 配 箇 所 に 適 用 できる 舗 装 ( 表 層 に 密 粒 度 ギャップアスファルト 混 合 物 (13)を 適 用 した 構 成 例 ) 図 -2.4.1 コンクリート 床 版 上 の 急 勾 配 箇 所 の 舗 装 構 成 例 ( 単 位 mm) (1) 急 勾 配 箇 所 の 舗 装 1) 急 勾 配 箇 所 の 舗 装 は 縦 断 勾 配 6% 以 上 の 急 勾 配 箇 所 に 適 用 可 能 とした 2) 表 層 は ポリマー 改 質 アスファルトH 型 を 用 いたポーラスアスファルト 混 合 物 (13)の 他 に ポリマー 改 質 ア スファルトⅡ 型 を 用 いた 密 粒 度 ギャップアスファルト 混 合 物 (13)も 採 用 できるものとした - 20 -

2.4 コンクリート 床 版 上 の 特 殊 箇 所 の 舗 装 2.4.2 材 料 規 定 (1) アスファルト 密 粒 度 ギャップアスファルト 混 合 物 密 粒 度 アスファルト 混 合 物 砕 石 マスチック 混 合 物 に 使 用 するポリマー 改 質 アスファルトⅡ 型 は 2.3.2-3の 表 -2.3.7に 示 す 品 質 規 格 による (2) アスファルト 乳 剤 密 粒 度 アスファルト 混 合 物 の 下 面 のタックコートに 使 用 する 石 油 アスファルト 乳 剤 は 表 -2.4.1 に 示 すカチ オン 乳 剤 PK-4 または 同 等 品 以 上 の 品 質 規 格 を 有 するものとする 表 -2.4.1 タックコート 用 石 油 アスファルト 乳 剤 の 品 質 規 格 (JIS K 2208-2000) 種 類 および 記 号 カチオン 乳 剤 項 目 PK-4 エングラー 度 [25 ] 1 ~ 6 ふるい 残 留 分 [1.18mm] % 0.3 以 下 付 着 度 2/3 以 上 粒 子 の 電 荷 陽 (+) 蒸 発 残 留 分 % 50 以 上 蒸 発 針 入 度 [25 ] 1/10mm 60を 超 え150 以 下 残 留 物 トルエン 可 溶 分 % 98 以 上 貯 蔵 安 定 度 [24 時 間 ] % 1 以 下 (3) 砕 石 使 用 する 砕 石 は 2.3.2-1の 表 -2.3.2に 示 す 品 質 規 格 による (4) 砂 使 用 する 砂 は 2.3.2-1の 表 -2.3.4に 示 す 品 質 規 格 による (5) フィラー 使 用 するフィラーは 2.3.2-1の 表 -2.3.5に 示 す 品 質 規 格 による (6) 防 水 材 料 使 用 する 防 水 材 料 は 2.3.2-4の 表 -2.3.9および 表 -2.3.12に 示 す 品 質 規 格 による (7) 目 地 材 使 用 する 目 地 材 は 2.3.2-4の 表 -2.3.14に 示 す 品 質 規 格 による - 21 -

2.4 コンクリート 床 版 上 の 特 殊 箇 所 の 舗 装 2.4.3 混 合 物 の 基 準 (1) 標 準 配 合 と 基 準 値 1) 急 勾 配 箇 所 の 舗 装 の 表 層 に 用 いる 密 粒 度 ギャップアスファルト 混 合 物 の 標 準 配 合 を 表 -2.4.4 に 基 準 値 を 表 -2.4.5 示 す 表 -2.4.4 密 粒 度 ギャップアスファルト 混 合 物 (13) 標 準 配 合 最 大 粒 径 mm 13 通 過 質 量 百 分 率 (%) 19.0 mm 100 13.2 mm 95 ~100 4.75 mm 35 ~ 55 2.36 mm 30 ~ 45 600 μm 20 ~ 40 300 μm 15 ~ 30 150 μm 5 ~ 15 75 μm 4 ~ 10 アスファルト 量 % 4.5 ~ 6.5 表 -2.4.5 密 粒 度 ギャップアスファルト 混 合 物 (13)の 基 準 値 項 目 基 準 値 マーシャル 安 定 度 試 験 突 固 め 回 数 回 75 空 隙 率 % 3 ~ 7 飽 和 度 % 65 ~ 85 安 定 度 kn 4.90 以 上 フロー 値 1/100cm 20 ~ 40 動 的 安 定 度 [60 ] 回 /mm 3,000 以 上 - 22 -

2.5 鋼 床 版 上 の 標 準 舗 装 2.5 鋼 床 版 上 の 標 準 舗 装 2.5.1 標 準 舗 装 構 成 (1) 鋼 床 版 上 におけるアスファルト 舗 装 の 標 準 舗 装 構 成 は 図 -2.5.1に 示 すとおりとする (2) 舗 装 厚 さは 表 層 40mm 基 層 40mmで 合 計 舗 装 厚 さ80mmを 標 準 とする (3) 表 層 用 ポーラスアスファルト 混 合 物 (13)のアスファルトは 鋼 床 版 排 水 性 舗 装 用 ポリマー 改 質 アスファルト を 使 用 する (4) 表 層 に 用 いる 場 合 のタックコート 用 の 瀝 青 材 料 は ゴム 入 りアスファルト 乳 剤 (PKR-T)とし その 使 用 量 は 0.4l/m2とする (5) 基 層 は グースアスファルト 混 合 物 を 標 準 とし プレコート 砕 石 を6kg/m2 散 布 する (6) 構 造 物 との 接 触 部 には 防 水 を 目 的 として 成 型 目 地 を 設 ける 図 -2.5.1 鋼 床 版 上 の 標 準 舗 装 構 成 ( 単 位 mm) (1) 表 層 のポーラスアスファルト 混 合 物 (13)のアスファルトは ポリマー 改 質 アスファルトH 型 よりも 床 版 の 挙 動 に 対 する 追 従 性 に 優 れ たわみの 大 きい 鋼 床 版 での 曲 げ 破 断 ひずみの 基 準 値 6 10-3 以 上 を 確 保 できる 鋼 床 版 上 の 舗 装 に 適 した 鋼 床 版 排 水 性 舗 装 用 ポリマー 改 質 アスファルトを 標 準 とする (2) 基 層 に 用 いるアスファルト 混 合 物 は 高 力 ボルト 接 合 の 場 合 は 添 接 板 とボルトヘッドにより 表 面 が 凹 凸 とな り 通 常 のアスファルト 混 合 物 では 敷 均 しや 転 圧 が 難 しい このため 基 層 は 高 温 時 に 流 動 性 の 高 いグースアス ファルト 混 合 物 を 使 用 することとする グースアスファルト 混 合 物 は フィラービチューメン 量 が 多 いことから 不 透 水 性 でたわみに 対 する 追 従 性 が 高 く 耐 久 性 耐 衝 撃 性 に 優 れた 混 合 物 であるが 反 面 静 的 な 荷 重 に 対 して 比 較 的 変 形 し 易 い 性 質 を 持 っている (3) 基 層 のグースアスファルト 混 合 物 の 厚 さは 40mm を 標 準 とするが 高 力 ボルト 接 合 の 場 合 ボルトの 頭 からかぶ り 5mm 以 上 確 保 することとする (4) 動 的 安 定 度 (DS)の 基 準 値 は 表 層 は 3,000 回 /mm 以 上 基 層 は 300 回 /mm 以 上 とする (5) 基 層 のグースアスファルト 混 合 物 には ブリスタリング 発 生 の 防 止 や 耐 流 動 性 上 層 との 層 間 すべり 抵 抗 性 を 増 大 するために アスファルトでコーティングしたプレコート 砕 石 を 用 いる プレコート 砕 石 は 砕 石 アスフ ァルト フィラーで 構 成 される 砕 石 としては 通 常 5 号 6 号 が 用 いられるが 耐 流 動 性 に 対 する 効 果 は5 号 砕 石 が 大 きく 実 績 も 多 い アスファルトはストレートアスファルトの 40~60 または 60~80 が 用 いられる また 剥 離 抵 抗 性 の 向 上 を 目 的 に ポリマ- 改 質 アスファルトを 用 いる 場 合 もある (6) 基 層 用 混 合 物 としては 他 に 砕 石 マスチックアスファルトによる 施 工 事 例 もあるが ひび 割 れ はがれ 流 動 などの 不 具 合 事 例 発 生 の 報 告 もあり 採 用 する 場 合 は 十 分 注 意 する 必 要 がある - 23 -

2.5 鋼 床 版 面 の 表 面 処 理 2.5.2 材 料 規 定 2.5.2-1 表 層 基 層 用 混 合 物 材 料 1. アスファルト (1) 表 層 用 アスファルト 鋼 床 版 上 に 用 いる 排 水 性 舗 装 用 混 合 物 のアスファルトは たわみ 性 と 鋼 床 版 の 挙 動 に 対 する 追 従 性 を 向 上 させた 鋼 床 版 排 水 性 舗 装 用 ポリマー 改 質 アスファルトとする なお ポリマー 改 質 H 型 の 改 良 型 であるため 品 質 規 格 は 表 - 解 2.5.1に 示 す 標 準 的 性 状 を 参 考 とする (2) 基 層 用 アスファルト 鋼 床 版 上 に 用 いる 基 層 混 合 物 (グースアスファルト)のアスファルト( 以 下 硬 質 アスファルトという)は 舗 装 用 石 油 アスファルト( 針 入 度 20~40)にトリニダットレイクアスファルト( 以 下 T.L.Aという)を 加 えたものを 用 いるものとする 混 合 したアスファルトの 性 状 は 表 -2.5.1 の 品 質 規 格 に 合 格 しなければ ならない 表 -2.5.1 硬 質 アスファルトの 品 質 規 格 項 目 品 質 規 格 針 入 度 25 1/10mm 15 ~ 30 軟 化 点 58 ~ 68 伸 度 25 cm 10 以 上 蒸 発 質 量 変 化 率 % 0.5 以 下 トルエン 可 溶 分 質 量 % 86 ~ 91 引 火 点 240 以 上 密 度 15 g/cm 3 1.07 ~ 1.13 (1) 鋼 床 版 上 の 排 水 性 アスファルト 混 合 物 には 通 常 の 排 水 性 舗 装 よりもたわみ 性 疲 労 抵 抗 性 および 床 版 の 挙 動 に 対 する 追 従 性 に 優 れた 鋼 床 版 排 水 性 舗 装 用 ポリマー 改 質 アスファルトを 使 用 することとした (2) 鋼 床 版 排 水 性 舗 装 用 ポリマー 改 質 アスファルトは 舗 装 施 工 便 覧 には 記 載 されてないため 標 準 的 性 状 (メーカ ーの 社 内 規 格 )を 参 考 値 として 表 - 解 2.5.1に 示 した 表 - 解 2.5.1 鋼 床 版 排 水 性 舗 装 用 ポリマー 改 質 アスファルトの 品 質 規 格 ( 参 考 値 ) 試 験 項 目 標 準 的 性 状 軟 化 点 80.0 以 上 伸 度 [15 ] cm 70 以 上 粗 骨 材 の 剥 離 面 積 率 % 5 以 下 フラース 脆 化 点 -20 以 下 針 入 度 [25 ] 1/10mm 40 以 上 薄 膜 加 熱 質 量 変 化 率 % 0.3 以 下 薄 膜 加 熱 後 の 針 入 度 残 留 率 % 75 以 上 引 火 点 280 以 上 曲 げひずみ [-20 ] 10-3 mm/mm 80 以 上 密 度 [15 ] g/cm 3 報 告 - 24 -

2.5 鋼 床 版 上 の 標 準 舗 装 (3) 舗 装 用 石 油 アスファルト( 針 入 度 20~40)とT.L.Aを 重 量 比 で 75:25 の 割 合 で 混 合 すると 表 - 解 2.5.2 に 示 す 規 格 値 を 満 足 する 性 状 となる 混 合 後 のアスファルトの 軟 化 点 は 60 以 上 が 望 ましい 針 入 度 20~40 の 舗 装 用 石 油 アスファルトとT.L.Aの 品 質 規 格 を 表 - 解 2.5.2 に 示 した 項 目 表 - 解 2.5.2 使 用 アスファルトの 品 質 規 格 舗 装 用 石 油 アスファルト 20 ~ 40 T.L.A 針 入 度 [25 ] 1/10mm 20を 超 え40 以 下 1 ~ 4 軟 化 点 55.0~ 65.0 93 ~ 98 伸 度 [25 ] cm 50 以 上 - 蒸 発 質 量 変 化 率 % 0.3 以 下 - トルエン 可 溶 分 % 99.0 以 上 52.5 ~ 55.5 引 火 点 260 以 上 240 以 上 密 度 [15 ] g/ cm 3 1.00 以 上 1.38 ~1.42 (4) 使 用 アスファルトは グースアスファルトの 作 業 性 ( 流 動 性 )と 安 定 性 ( 貫 入 量 動 的 安 定 度 )の 向 上 が 実 験 的 に 認 められている 精 製 したT.L.Aをストレートアスファルト 20/40 とブレンドしたアスファルトを 採 用 した 2. 骨 材 骨 材 は 2.3.2 材 料 規 定 2. 骨 材 に 示 す 砕 石 および 砂 を 用 いるものとする 3. フィラー フィラーは 2.3.2 材 料 規 定 3.フィラー に 示 す 石 灰 岩 を 粉 砕 した 石 粉 を 使 用 するものとする 2.5.2-2 アスファルト 乳 剤 タックコートに 使 用 する 石 油 アスファルト 乳 剤 は 2.3.2-2 アスファルト 乳 剤 の 品 質 規 格 による 2.5.2-3 鋼 床 版 用 接 着 剤 鋼 床 版 と 舗 装 を 付 着 させ 一 体 化 させるために 用 いる 接 着 剤 は 溶 剤 型 のゴムアスファルト 系 接 着 剤 とし 表 -2.5.2に 示 す 品 質 規 格 を 満 足 しなければならない 表 -2.5.2 鋼 床 版 用 接 着 剤 の 品 質 規 格 項 目 品 質 規 格 試 験 法 不 揮 発 分 % 50 以 上 粘 度 [25 ] Pa s 0.5 以 下 JIS K 6833 指 触 乾 燥 時 間 [25 ] 分 90 以 下 JIS K 5600 低 温 屈 曲 試 験 [-10,3mm] 合 格 & 碁 盤 目 試 験 点 10 JIS K 5664 耐 湿 試 験 後 の 碁 盤 目 試 験 点 8 以 上 塩 水 噴 霧 試 験 後 の 碁 盤 目 試 験 点 8 以 上 注 ) 碁 盤 目 試 験 は 日 本 塗 料 検 査 協 会 制 定 の 塗 膜 の 評 価 基 準 による - 25 -

2.5 鋼 床 版 面 の 表 面 処 理 (1) 鋼 床 版 は 浮 き 錆 劣 化 防 錆 塗 料 などを 十 分 落 とした 後 防 錆 も 兼 ねて 鋼 床 版 用 接 着 剤 を 塗 布 する この 場 合 の 鋼 床 版 面 の 表 面 処 理 は 2.7.2 鋼 床 版 表 面 の 腐 食 状 況 調 査 により 事 前 に 確 認 しなければならない (2) 鋼 床 版 用 接 着 剤 は 現 場 で 検 収 試 験 を 行 うことが 難 しいのでメーカーの 品 質 証 明 書 により 規 格 値 を 満 足 して いるか 否 かを 確 認 する 有 効 期 限 が 明 示 してあるもので 製 造 後 6 ヶ 月 以 上 経 過 したものについては 改 めて 品 質 試 験 を 行 わなければならない (3) 鋼 床 版 用 接 着 剤 の 塗 布 は 鋼 床 版 面 が 乾 燥 した 状 態 で 行 わなければならない 塗 布 に 当 たっては 火 気 の 使 用 を 禁 じ ローラ 刷 毛 等 を 用 いて 先 ず 0.2l/m2の 割 合 で 斑 のないよう 一 様 に 塗 布 し この 層 を 約 3 時 間 乾 燥 させた 後 再 びその 上 に 同 じ 要 領 により 0.2l/m2の 割 合 で 塗 布 する 2 層 目 の 施 工 後 は 12 時 間 以 上 養 生 す る なお 気 温 が 5 以 上 の 時 に 施 工 するものとし 施 工 中 に 雨 が 降 り 出 した 場 合 は 直 ちにその 作 業 を 中 止 し なければならない この 場 合 の 事 後 処 理 は 水 分 の 乾 燥 を 待 って 施 工 面 を 調 査 し 錆 が 発 生 した 場 合 は 2. 7 鋼 床 版 面 の 表 面 処 理 により 表 面 処 理 ( 研 掃 工 )を 行 う その 結 果 により 瀝 青 ゴム 系 接 着 剤 の 場 合 は 一 般 にそのまま 次 の 工 程 に 移 り 2 層 目 の 施 工 後 降 雨 が 激 しく 雨 滴 により 塗 膜 に 凹 凸 を 生 じている 場 合 には さらに 0.15~0.2l/m2を1 回 で 増 し 塗 りする - 26 -

2.5 鋼 床 版 上 の 標 準 舗 装 2.5.2-4 目 地 材 既 設 構 造 物 ( 地 覆 および 伸 縮 継 手 等 )とアスファルト 舗 装 との 間 に 設 ける 目 地 には 原 則 として 成 型 目 地 材 を 用 いる なお 使 用 する 目 地 の 品 質 は 表 -2.5.3 に 示 す 品 質 規 格 を 満 足 しなければならない 表 -2.5.3 目 地 材 の 品 質 規 格 項 目 低 弾 性 タイプ 高 弾 性 タイプ 試 験 方 法 針 入 度 [ 円 錐 針 ] mm 6 以 下 9 以 下 弾 性 初 期 貫 入 量 mm - 0.5~1.5 舗 装 調 査 [ 球 針 ] 復 元 率 % - 60 以 上 試 験 法 便 覧 流 動 mm 5 以 下 3 以 下 引 張 量 mm 3 以 上 10 以 上 (1) グースアスファルト 混 合 物 は 高 温 の 混 合 物 であるため 舗 設 後 の 冷 却 にともなって 収 縮 し 既 設 構 造 物 との 接 合 部 で 隙 間 が 生 ずることから この 部 分 については 目 地 材 を 充 填 することによって 防 水 性 を 保 持 するよう にした (2) 目 地 材 は 成 型 タイプとしその 厚 さは 基 層 のグースアスファルト 部 では 10mm, 表 層 は 5mm を 標 準 とした グースアスファルトの 舗 設 温 度 は 240 程 度 であり 舗 装 温 度 が 一 般 のアスファルト 混 合 物 に 比 べ 高 いことか ら 舗 設 後 の 温 度 低 下 時 の 収 縮 が 大 きいという 特 性 がある このときの 収 縮 によって 生 じる 隙 間 を 十 分 に 止 水 す ることを 目 的 としていることから 基 層 のグースアスファルト 部 での 成 型 目 地 の 厚 さ 10mm とした (3) 成 型 目 地 の 高 さは 舗 装 の 厚 さから 5~10mm 低 い 30~35mm の 材 料 を 使 用 する (4) 成 型 目 地 材 の 設 置 には あらかじめゴムアスファルト 系 接 着 剤 を 構 造 物 側 に 0.2l/m2 程 度 の 割 合 で 塗 布 する 等 接 着 剤 の 指 触 乾 燥 時 間 内 に 成 型 目 地 材 の 接 着 材 塗 布 側 を 構 造 物 に 押 しつけて だれ 落 ちないように 貼 付 する (5) 成 型 目 地 は 表 層 には 低 弾 性 タイプを 用 い 基 層 には 常 温 時 のゴム 弾 性 が 大 きく グースアスファルト 混 合 物 の 収 縮 に 対 応 できることから 高 弾 性 タイプを 用 いる (6) 局 部 的 な 箇 所 や 小 規 模 の 場 合 は 加 熱 注 入 目 地 材 を 用 いても 良 い この 場 合 の 注 入 目 地 幅 は 10mm を 標 準 とし 目 地 内 部 の 側 面 底 面 に 接 着 剤 (ゴムアスファルト 系 )を 0.3l/m2の 割 合 で 塗 布 して 3 時 間 以 上 養 生 し た 後 180~220 の 温 度 で 注 入 することとする 加 熱 注 入 目 地 材 についても 4.4.5(4) 表 -4.4.3 の 品 質 規 格 を 満 足 しなければならない - 27 -

2.5 鋼 床 版 面 の 表 面 処 理 2.5.3 混 合 物 の 基 準 2.5.3-1 表 層 用 混 合 物 (1) 表 層 は 2.3.2 材 料 規 定 に 示 されるポーラスアスファルト 混 合 物 (13)を 用 い アスファルトは 表 - 解 2.5.1 に 示 す 鋼 床 版 排 水 性 舗 装 用 ポリマー 改 質 アスファルトを 標 準 とする (2) 曲 げ 破 断 ひずみの 基 準 値 鋼 床 版 舗 装 の 表 層 に 用 いるポーラスアスファルト 混 合 物 は 2.3.3 混 合 物 の 基 準 を 満 足 するとともに 曲 げ 破 断 ひずみの 基 準 値 を 6.0 10-3 以 上 とする 試 験 条 件 は -10 で 曲 げ 試 験 を 行 い 試 験 方 法 は 舗 装 調 査 試 験 法 便 覧 によるものとする (1) 曲 げ 破 断 ひずみの 基 準 値 について 1) 鋼 床 版 上 では 輪 荷 重 による 局 部 変 形 量 が 大 きくなるため たわみ 追 従 性 を 改 善 させる 目 的 として ( 旧 ) 本 州 四 国 連 絡 橋 公 団 においては 本 四 改 質 Ⅰ 型 アスファルト 基 準 ( 曲 げ 破 断 ひずみ 6.0 10-3 以 上 )を 定 めてい る 2) 鋼 床 版 の 構 造 は 本 州 四 国 連 絡 橋 公 団 の 定 めた 曲 げ 破 断 ひずみの 基 準 値 を 参 考 に 設 計 されており それを 満 足 できない 場 合 舗 装 に 悪 影 響 がでると 考 えられる 2.5.3-2 基 層 用 混 合 物 (1) 標 準 配 合 鋼 床 版 舗 装 の 基 層 に 用 いるグースアスファルト 混 合 物 の 標 準 配 合 は 表 -2.5.4 のとおりとする 表 -2.5.4 基 層 用 グースアスファルト 混 合 物 の 標 準 配 合 混 合 物 の 名 称 グースアスファルト 最 大 粒 径 mm 13 通 19 mm 100 過 13.2 mm 95~100 質 4.75 mm 65~ 85 量 2.36 mm 45~ 62 百 600 μm 35~ 50 分 300 μm 28~ 42 率 150 μm 25~ 34 % 75 μm 20~ 27 アスファルト 量 % 7~ 10-28 -

2.5 鋼 床 版 上 の 標 準 舗 装 (2) 基 準 値 1) グースアスファルト 混 合 物 は 表 -2.5.5に 示 す 基 準 値 を 満 足 しなければならない 表 -2.5.5 基 層 用 グースアスファルトの 基 準 値 試 験 項 目 基 準 値 試 験 法 リュエル 流 動 性 [240 ] sec 3~ 20 舗 装 調 査 試 験 法 便 覧 流 動 性 試 験 貫 入 量 [40 ] mm 1 ~ 4 舗 装 調 査 試 験 法 便 覧 貫 入 量 試 験 動 的 安 定 度 [60 ] 回 /mm 300 以 上 舗 装 調 査 試 験 法 便 覧 ホイールトラッキンク 試 験 曲 げ 破 断 ひずみ [-10,50mm/ 分 ] 8.0 10-3 以 上 舗 装 調 査 試 験 法 便 覧 曲 げ 試 験 (1) グースアスファルトの 基 準 値 について 1) 舗 装 施 工 便 覧 では 貫 入 量 の 目 標 値 を 表 層 1~4mm 基 層 1~6mm としている 本 基 準 での 対 象 は 基 層 であ り その 貫 入 量 は 1~6mm となるが 施 工 場 所 の 大 半 が 都 市 内 高 架 橋 であり かつ 大 型 車 交 通 量 も 多 いことか ら 貫 入 量 の 基 準 値 を 1~4mm とした 2) 動 的 安 定 度 および 曲 げ 破 断 ひずみについては 施 工 実 績 や 他 機 関 の 基 準 などを 参 考 に 設 定 した (2) 急 勾 配 箇 所 におけるグースアスファルト 混 合 物 の 施 工 は 以 下 のことに 注 意 し 施 工 するとよいといわれてい る 1) 骨 材 の 粒 度 は 粗 いほうがダレ 防 止 効 果 は 高 いと 考 えられている 中 でも 粗 骨 材 のかみ 合 わせおよびフィラ ービチューメンによる 粘 性 を 考 慮 し 2.36mm 通 過 分 は 粒 度 範 囲 の 下 限 値 を 75μm 通 過 分 は 中 央 値 とするこ とが 望 ましいとされている 2) フィラービチューメンの 効 果 を 大 きくするため 舗 装 用 石 油 アスファルト( 針 入 度 20~40)とT.L.Aの 割 合 を 70:30 とするとよいとされている 3) 混 合 物 の 流 動 性 を 評 価 するリュエル 流 動 性 は ダレ 防 止 や 施 工 性 を 考 慮 した 場 合 15~20 秒 (240 )が 適 当 と 考 えられている 4) 敷 きならし 直 後 にプレコートチップを 散 布 圧 入 すると 骨 材 のかみ 合 わせによるダレ 防 止 効 果 があり 10% 程 度 の 勾 配 であれば 散 布 量 6~8kg/m 2 でダレ 量 は 半 分 に 抑 えることが 出 来 るとされている (3) 本 基 準 では 縦 断 勾 配 6% 以 上 を 急 勾 配 箇 所 とし 基 層 にグースアスファルト 混 合 物 を 用 いることを 標 準 とす るが グースアスファルト 舗 装 の 施 工 が 困 難 な 場 合 2.6 鋼 床 版 上 の 特 殊 箇 所 の 舗 装 を 適 用 する - 29 -

2.5 鋼 床 版 面 の 表 面 処 理 2.6 鋼 床 版 上 の 特 殊 箇 所 の 舗 装 2.6.1 舗 装 構 成 標 準 舗 装 のほかに 特 殊 箇 所 に 適 用 できる 舗 装 の 舗 装 構 成 を 図 -2.6.1 および 図 -2.6.2 に 示 す (1) 縦 断 勾 配 6% 以 上 の 急 勾 配 箇 所 またはランプ 部 に 適 用 できる 舗 装 図 -2.6.1 鋼 床 版 上 の 急 勾 配 箇 所 の 舗 装 構 成 例 ( 表 層 が 排 水 性 舗 装 の 場 合 )( 単 位 mm) 図 -2.6.2 鋼 床 版 上 の 急 勾 配 箇 所 の 舗 装 構 成 例 ( 表 層 が 密 粒 系 舗 装 の 場 合 )( 単 位 mm) (1) 急 勾 配 箇 所 の 舗 装 は 縦 断 勾 配 6% 以 上 に 適 用 可 能 とした (2) 表 層 は 鋼 床 版 排 水 性 舗 装 用 ポリマー 改 質 アスファルトを 用 いたポーラスアスファルト 混 合 物 (13)を 標 準 と するが ポリマー 改 質 アスファルトⅡ 型 を 用 いた 密 粒 度 ギャップアスファルト 混 合 物 (13)も 採 用 できるものとし た (3) 基 層 は グースアスファルト 混 合 物 を 標 準 とするが 鋼 床 版 上 でグースアスファルト 混 合 物 の 施 工 が 困 難 な 合 成 勾 配 が 大 きな 区 間 あるいはランプ 部 のように 交 通 渋 滞 等 で グースアスファルトでは わだち 掘 れ 等 の 発 生 が 懸 念 される 箇 所 に 硬 化 性 アスファルト 混 合 物 (13) も 採 用 できるものとした (4) 硬 化 性 アスファルトは 石 油 アスファルトと 可 撓 性 エポキシ 樹 脂 との 複 合 バインダーで アスファルトに 分 散 したエポキシ 樹 脂 が 重 合 反 応 によって 硬 化 する 特 性 を 生 かした 改 質 アスファルトの 一 種 である (5) 他 の 工 法 として 鋼 繊 維 補 強 コンクリート(SFRC) 舗 装 を 用 いる 工 法 がある SFRC 舗 装 は コンクリ ートに 鋼 繊 維 (スチールファイバー)を 混 合 して 強 度 を 増 強 したコンクリートで 鋼 床 版 の 疲 労 対 策 として 舗 装 と 鋼 床 版 を 一 体 化 した 構 造 とするものである 名 古 屋 高 速 道 路 公 社 では グースアスファルトの 耐 久 性 等 の 懸 念 からランプや 料 金 所 等 に 一 部 適 用 されている - 30 -

2.6 鋼 床 版 上 の 特 殊 箇 所 の 舗 装 2.6.2 材 料 規 定 (1) 表 層 用 アスファルト 鋼 床 版 上 に 用 いるポーラスアスファルト 混 合 物 (13)のアスファルトは 2.5.2-1に 示 す 鋼 床 版 排 水 性 舗 装 用 ポリマー 改 質 アスファルトとする 鋼 床 版 上 に 用 いる 密 粒 度 ギャップアスファルト 混 合 物 (13)のアスファルトは 2.3.2-3の 表 -2.3.7に 示 す ポリマー 改 質 アスファルトⅡ 型 とする (2) 基 層 用 硬 化 性 アスファルトの 品 質 規 格 硬 化 性 アスファルトは 舗 装 用 石 油 アスファルトをエポキシ 樹 脂 で 変 性 したものをいう 1) 硬 化 性 アスファルトに 使 用 する 舗 装 用 石 油 アスファルトは 表 -2.6.1 の 品 質 規 格 を 満 足 しなければな らない 表 -2.6.1 舗 装 用 石 油 アスファルトの 品 質 規 格 (JIS K 2207-1996) 項 目 種 類 60 ~ 80 針 入 度 [25 ] 1/10mm 60を 超 え80 以 下 軟 化 点 44.0 ~ 52.0 伸 度 [15 ] cm 100 以 上 トルエン 可 溶 分 % 99.0 以 上 引 火 点 260 以 上 薄 膜 加 熱 質 量 変 化 率 % 0.6 以 下 薄 膜 加 熱 後 の 針 入 度 残 留 率 % 55 以 上 蒸 発 後 の 針 入 度 比 % 110 以 下 密 度 [15 ] g/cm 3 1.000 以 上 注 ) 品 質 試 験 結 果 表 には 120,150,180 における 動 粘 度 を 付 記 しなければならない 2) エポキシ 樹 脂 は 表 -2.6.2 の 品 質 規 格 を 満 足 しなければならない モ ノ マ 表 -2.6.2 エポキシ 樹 脂 の 品 質 規 格 項 目 材 料 品 質 規 格 試 験 方 法 比 重 主 剤 [25 ] 1.000~1.250 硬 化 剤 [25 ] 0.75 ~1.000 JIS K 7232 粘 度 主 剤 [25 ] 0.2~1.5 10 4 (0.2~1.5 10 4 ) mm 2 /s(cps) 硬 化 剤 [25 ] 30~80(30~80) 硬 化 後 引 張 強 度 MPa 3.9 以 上 の 性 状 最 大 伸 度 % 100 以 上 B 型 粘 度 計 JIS K 7113-31 -

2.5 鋼 床 版 面 の 表 面 処 理 3) 硬 化 性 アスファルトは 舗 装 用 石 油 アスファルトとエポキシ 樹 脂 を 標 準 的 な 割 合 で 混 合 したもので 表 - 2.6.3 の 品 質 規 格 を 満 足 しなければならない 表 -2.6.3 硬 化 性 アスファルトの 品 質 規 格 試 験 項 目 品 質 規 格 試 験 方 法 密 度 g/cm 3 1.000~ 1.030 舗 装 調 査 試 験 法 便 覧 針 入 度 1/10mm 18 ~ 30 JIS K 2207に 準 拠 軟 化 点 60 ~ 95 JIS K 2207に 準 拠 粘 度 [160,3hr] mm 2 /s 100 以 下 B 型 粘 度 計 引 張 強 度 MPa 0.78 以 上 JIS K 7113 最 大 伸 度 % 100 以 上 JIS K 7113 (3) 骨 材 およびフィラー 骨 材 は 2.3.2 材 料 規 定 2. 骨 材 に 示 す 砕 石 および 砂 を 用 い フィラーは 2.3.2 材 料 規 定 3.フィラーに 示 す 石 灰 岩 を 粉 砕 した 石 粉 を 用 いるものとする (4) 鋼 床 版 用 接 着 剤 鋼 床 版 と 舗 装 を 付 着 させ 一 体 化 させるために 用 いる 接 着 剤 は 2.5.2-3 に 示 す 溶 剤 型 のゴムアスファル ト 系 接 着 剤 とする (5) 目 地 材 既 設 構 造 物 ( 地 覆 伸 縮 継 手 等 )と 硬 化 性 アスファルト 舗 装 との 間 に 使 用 する 目 地 材 は 2.3.2-4 防 水 材 料 3. 目 地 材 の 品 質 規 格 に 示 す 材 料 とする (6) アスファルト 乳 剤 硬 化 性 アスファルト 舗 装 と 表 層 混 合 物 間 のタックコートには 表 -2.3.6 に 示 すゴム 入 りアスファルト 乳 剤 (PKR-T)を 使 用 するものとする なお 改 質 アスファルト 乳 剤 は 製 造 後 60 日 を 越 えたものは 品 質 を 確 認 してから 用 いる (1) 接 着 剤 は 鋼 床 版 と 基 層 の 硬 化 性 アスファルト 舗 装 が 一 体 になるよう 接 着 させる 付 着 力 を 有 する 材 料 として グースアスファルト 舗 装 の 接 着 層 と 同 じ 材 料 を 選 択 した (2) 接 着 剤 を 塗 布 する 鋼 床 版 の 素 地 調 整 の 程 度 は 2.7 鋼 床 版 面 の 表 面 処 理 により 事 前 に 確 認 しなければなら ない (3) 硬 化 性 アスファルト 混 合 物 を 基 層 に 用 いた 場 合 のタックコートは PK-4 よりも 接 着 性 に 優 れたゴム 入 りアス ファルト 乳 剤 (PKR-T)を 用 い 鋼 床 版 の 挙 動 に 追 随 させようとするものである (4) 舗 装 用 石 油 アスファルトとエポキシ 樹 脂 の 標 準 的 な 混 合 割 合 とは 舗 装 用 石 油 アスファルト(60~70): エポキシ 樹 脂 (30~40) とする - 32 -

2.6 鋼 床 版 上 の 特 殊 箇 所 の 舗 装 2.6.3 混 合 物 の 基 準 2.6.3-1 表 層 用 混 合 物 表 層 用 混 合 物 は 2.5.3-1の 基 準 を 満 足 するポーラスアスファルト 混 合 物 または2.4.3の 基 準 を 満 足 する 密 粒 度 ギャップアスファルト 混 合 物 を 使 用 する 2.6.3-2 基 層 用 混 合 物 (1) 標 準 配 合 鋼 床 版 上 の 特 殊 箇 所 の 舗 装 の 基 層 に 用 いる 硬 化 性 アスファルト 混 合 物 の 標 準 配 合 を 表 -2.6.4 に 示 す 表 -2.6.4 硬 化 性 アスファルト 混 合 物 の 標 準 配 合 最 大 粒 径 mm 13 通 19 mm 100 過 13.2 mm 95 ~ 100 質 4.75 mm 75 ~ 90 量 2.36 mm 65 ~ 80 百 600 μm 40 ~ 65 分 300 μm 20 ~ 45 率 150 μm 15 ~ 30 (%) 75 μm 8 ~ 15 アスファルト 量 % 7.5 ~ 9.5 (2) 基 準 値 硬 化 性 アスファルト 混 合 物 は 表 -2.6.5 に 示 す 基 準 値 を 満 足 しなければならない 表 -2.6.5 硬 化 性 アスファルト 混 合 物 の 基 準 値 項 目 基 準 値 空 隙 率 % 2 ~ 5 マーシャル 安 定 度 試 験 飽 和 度 % 75 ~ 90 安 定 度 kn 19.6 以 上 フロー 値 1/100cm 80 以 下 動 的 安 定 度 [60 ] 回 /mm 1,000 以 上 曲 げ 試 験 破 断 ひずみ [-10,50mm/min] 5.0 10-3 以 上 透 水 係 数 cm/sec 1.0 10-6 以 下 解 説 (1) 硬 化 性 アスファルト 混 合 物 の 強 度 的 な 性 質 は 混 合 物 の 粒 度 に 影 響 されることは 少 ないが 施 工 場 所 が 鋼 床 版 上 であり 高 い 防 水 性 を 必 要 とすることや ボルト 接 合 部 ( 添 接 部 )での 施 工 性 ( 人 力 機 械 施 工 ) 等 を 考 慮 して 細 粒 度 アスファルト 混 合 物 の 粒 度 を 採 用 することとした (2) コンクリート 床 版 上 の 基 層 の 動 的 安 定 度 は 橋 面 上 であることを 考 慮 し 1,000 回 /mm 以 上 としたことから 鋼 床 版 上 の 基 層 に 用 いる 硬 化 性 アスファルト 混 合 物 についても 同 様 に 1,000 回 /mm 以 上 とした (3) 硬 化 性 アスファルト 混 合 物 は 施 工 温 度 や 施 工 後 の 気 温 などによって 強 度 発 現 に 差 が 生 じやすい 従 って 施 工 時 期 に 合 わせた 温 度 条 件 により 混 合 物 の 品 質 確 認 を 行 うと 共 に 材 齢 によって 混 合 物 の 強 度 が 増 加 する ことから ほぼ 最 終 的 な 強 度 となる 材 齢 での 曲 げ 破 断 ひずみを 確 認 することが 望 ましい - 33 -

2.5 鋼 床 版 面 の 表 面 処 理 2.7 鋼 床 版 面 の 表 面 処 理 2.7.1 表 面 処 理 ( 研 掃 工 ) 方 法 と 除 錆 度 の 確 認 (1) 鋼 床 版 の 表 面 処 理 方 法 は 1 種 ケレン(ショットブラスト)を 標 準 とする (2) 表 面 処 理 ( 研 掃 ) 後 の 赤 錆 残 存 率 は 3% 以 下 とする (1) 鋼 床 版 の 表 面 処 理 方 法 を 表 - 解 2.7.1 に 素 地 調 整 の 種 別 を 表 - 解 2.7.2 に 示 す 表 - 解 2.7.1 鋼 床 版 表 面 処 理 方 法 鋼 床 版 の 腐 食 状 況 鋼 床 版 表 面 処 理 方 法 鋼 床 版 表 面 処 理 後 の 除 錆 度 の 確 認 ASTM (D610) 錆 の 発 生 度 標 準 図 10 % 以 上 1 種 ケレン (ブラスト) 赤 錆 3% 以 下 ASTM (D610) 錆 の 発 生 度 標 準 図 10 未 満 ~ 3 % 以 上 ASTM (D610) 錆 の 発 生 度 標 準 図 3 % 未 満 錆 の 深 さ(ピッティング)の 状 況 に より1 種 ケレン(ブラスト)または 2~3 種 ケレンを 適 宜 選 択 2~3 種 ケレン 1 種 ケレンの 場 合 は 赤 錆 3% 以 下 2~3 種 ケレンの 場 合 は 赤 錆 劣 化 塗 膜 等 の 撤 去 赤 錆 劣 化 塗 膜 等 の 撤 去 表 - 解 2.7.2 素 地 調 整 の 種 別 種 別 作 業 内 容 作 業 方 法 1 種 錆 塗 膜 を 除 去 し 清 浄 な 鋼 材 面 と ブラスト 法 する 2 種 錆 塗 膜 を 除 去 し 鋼 材 面 を 露 出 させ る 但 し くぼみ 部 分 や 狭 隘 部 分 に は 錆 や 塗 膜 が 残 存 する 3 種 錆 劣 化 塗 膜 を 除 去 し 鋼 材 面 を 露 出 ディスクサンダー ワイヤ ホイル 等 の 動 力 工 具 と 手 工 具 の 併 用 同 上 させる 但 し 劣 化 していない 塗 膜 ( 活 膜 )は 残 す 4 種 粉 化 物 および 付 着 物 を 落 とし 活 膜 同 上 を 残 す (2) 1 種 ケレンとは ブラスト 機 を 用 いてさびや 劣 化 塗 膜 を 除 去 する 研 掃 作 業 である ブラストを 用 いる 利 点 は 以 下 のとおりである 1 鋼 床 版 と 舗 装 との 十 分 な 接 着 力 が 確 保 できる 2グースアスファルト 舗 設 時 のブリスタリングの 発 生 を 抑 制 できる (3) 2~4 種 ケレンとは ディスクサンダー ワイヤホイル 力 棒 ワイヤブラシ 等 の 電 動 工 具 や 手 工 具 を 用 いて さびや 劣 化 塗 膜 を 除 去 する 研 掃 作 業 である (4) 素 地 調 整 の 程 度 は 表 - 解 2.7.2 に 示 すように 作 業 内 容 により1 種 ~4 種 の4 種 類 に 区 分 される - 34 -

2.7 鋼 床 版 面 の 表 面 処 理 (5) 他 機 関 での 過 去 の 施 工 実 績 では ほとんどが 最 終 的 に 1 種 ケレン が 行 われており 舗 装 設 計 施 工 指 針 (( 社 ) 日 本 道 路 協 会 平 成 18 年 2 月 版 ) 舗 装 施 工 便 覧 (( 社 ) 日 本 道 路 協 会 平 成 18 年 2 月 版 ) に は 鋼 床 版 にアスファルト 舗 装 を 施 工 する 場 合 一 般 に 舗 装 の 品 質 確 保 のためにデッキプレート 上 面 をブラ スト 処 理 して 舗 装 とデッキプレートの 密 着 性 や 接 着 性 の 向 上 を 図 る 舗 設 時 の 鋼 床 版 の 上 面 は 素 地 調 整 程 度 1 種 (1 種 ケレン)に 状 態 とすることが 望 ましい と 記 されていることから 1 種 ケレン を 標 準 とした (6) 1 種 ケレンのショットブラストの 投 射 密 度 は 300kg/m2を 標 準 とする (7) 除 錆 度 の 確 認 方 法 としては 1 検 査 部 分 を 100 m2とし 除 錆 度 の 不 足 している 箇 所 を 選 び1 箇 所 の 測 定 面 積 30 30cm とし 1 箇 所 につき 10~20 倍 のルーペで 5 点 の 測 定 を 行 う (8) 除 錆 度 は ASTM D610 標 準 図 と 対 比 し 測 定 点 の 全 てが 赤 錆 3% 以 内 の 時 は その 検 査 部 分 は 合 格 とする なお 1 点 でも 赤 錆 が 3%を 超 えた 場 合 は 不 合 格 とし その 箇 所 および 類 似 箇 所 について 部 分 研 掃 を 行 ってか ら 検 査 部 分 を 再 検 査 する 2.7.2 鋼 床 版 表 面 の 腐 食 状 況 調 査 鋼 床 版 の 腐 食 状 況 調 査 は 舗 設 時 の 鋼 床 版 表 面 処 理 方 法 を 選 択 するために 実 施 するもので 目 視 写 真 撮 影 ルーペ(10~20 倍 ) 観 察 等 により 下 記 の 項 目 の 調 査 を 行 う 腐 食 状 況 の 調 査 項 目 および 評 価 1 錆 の 発 生 度 2 錆 の 深 さ 3 塗 膜 の 劣 化 状 況 ASTM(D610) 錆 の 発 生 度 標 準 図 目 視 および 写 真 撮 影 目 視 および 写 真 撮 影 (1) 錆 の 発 生 度 調 査 方 法 は 100 m2 当 り 標 準 的 な 箇 所 3.0m 3.0m をピックアップし さらに 30cm 30cm の 桝 目 を 作 り その 桝 目 毎 にそれぞれの 錆 の 発 生 程 度 (%)を 測 定 する 錆 の 発 生 程 度 については 表 - 解 2.7.3 を 参 考 に 評 価 する なお 部 分 的 に 錆 の 発 生 が 顕 著 な 箇 所 については 別 途 調 査 し 錆 の 発 生 程 度 (%)を 算 出 する - 35 -

2.5 鋼 床 版 面 の 表 面 処 理 表 - 解 2.7.3 錆 の 発 生 程 度 標 準 図 および 写 真 例 生 程 度 錆 の 発 ASTM D 610 ( 標 準 図 ) 鋼 床 版 の 錆 の 発 生 状 況 ( 現 場 写 真 例 ) 備 考 1 % 点 錆 が 少 し 存 在 している 1 % 1 % 程 度 3 % 3 % 3 % 程 度 点 錆 が 広 範 囲 に わたって 存 在 し ている 10% 10% 10% 程 度 部 分 的 に 点 錆 等 が 集 中 して 発 生 している 33% 33% 33% 程 度 全 面 にわたって 著 しい 錆 が 発 生 している 50% 全 面 にわたって 著 しい 錆 が 発 生 している 50% 50% 程 度 注 ) 1) 錆 の 発 生 状 況 には 種 々の 形 態 があるので 上 記 写 真 にとらわれることなく 観 察 する 必 要 がある 2) 現 場 写 真 は 製 作 後 約 2 年 間 工 場 のストックヤードに 放 置 された 無 機 ジンクプライマー 塗 装 の 鋼 床 版 より 撮 影 されたものである - 36 -

2.8 排 水 構 造 2.8 排 水 構 造 2.8.1 一 般 排 水 性 舗 装 の 排 水 方 法 は 端 部 に 集 水 導 水 装 置 を 配 置 し 排 水 桝 に 接 続 する 構 造 とする (1) 一 般 舗 装 の 場 合 雨 水 は 路 面 の 勾 配 により 舗 装 面 を 流 れて 排 水 施 設 に 導 かれる 表 面 排 水 処 理 であるが 排 水 性 舗 装 の 雨 水 排 水 は 表 層 内 部 の 自 然 勾 配 を 利 用 して 路 肩 まで 流 下 させ 排 水 施 設 より 排 水 する 方 法 をとる 特 に 舗 装 の 路 肩 などの 端 部 は 雨 水 が 集 中 しやすいことや 通 常 縦 断 勾 配 が 横 断 勾 配 に 比 べて 緩 やかであるため 舗 装 体 内 部 に 水 が 滞 留 しやすい したがって 透 水 機 能 を 高 めるため 舗 装 の 厚 さを 厚 くしたり 集 水 導 水 装 置 を 埋 め 込 み 集 水 排 水 能 力 を 高 める 方 法 が 採 用 されている 高 架 道 路 では 舗 装 厚 が 限 定 されており 排 水 性 舗 装 の 厚 さを 変 化 させることが 難 しいことから 舗 装 端 部 に 集 水 導 水 装 置 を 埋 め 込 む 方 法 を 採 用 した (2) 縦 断 勾 配 の 低 い 桁 端 部 の 周 辺 には 浸 透 した 水 が 滞 留 しやすいので 床 版 排 水 孔 (スラブドレーン)を 設 置 す るなど 浸 透 水 が 速 やかに 排 水 される 構 造 とする (3) 路 肩 部 は 車 道 舗 装 と 同 一 断 面 とした (4) 排 水 系 統 は 原 則 として 下 流 の 排 水 性 舗 装 体 内 に 集 水 導 水 施 設 を 設 けるものとする その 路 面 全 体 の 排 水 系 統 概 念 図 を 図 - 解 2.8.1 に 示 す 図 - 解 2.8.1 路 面 全 体 の 排 水 系 統 概 念 図 - 37 -

2.8 排 水 構 造 (5) 集 水 導 水 施 設 を 設 置 する 場 合 下 流 側 のポーラスアスファルト 混 合 物 の 舗 装 体 内 とし コンクリート 床 版 の 場 合 は 幅 約 10 cmにわたり 全 厚 排 水 性 舗 装 とし 鋼 床 版 の 場 合 は 基 層 混 合 物 の 上 面 に 設 置 し 雨 水 を 速 や かに 排 水 できるようにする 下 流 側 の 標 準 断 面 を 図 - 解 2.8.2 (1) (2)に 示 す (6) 集 水 導 水 施 設 は 舗 装 厚 排 水 能 力 施 工 性 等 を 考 慮 して 選 定 を 行 うこと 図 - 解 2.8.2(1) コンクリート 床 版 における 集 水 導 水 方 法 ( 単 位 mm) 図 - 解 2.8.2(2) 鋼 床 版 における 集 水 導 水 方 法 ( 単 位 mm) - 38 -

2.8 排 水 構 造 (7) 排 水 桝 と 集 水 導 水 施 設 の 接 続 は 排 水 桝 の 横 穴 に 集 水 導 水 施 設 を 接 続 することとする 排 水 桝 への 導 水 方 法 の 標 準 を 図 - 解 2.8.3 に 示 す コンクリート 床 版 の 場 合 鋼 床 版 の 場 合 排 水 桝 平 面 図 コンクリート 床 版 の 場 合 鋼 床 版 の 場 合 排 水 桝 断 面 図 図 - 解 2.8.3 排 水 桝 への 導 水 方 法 標 準 図 - 39 -

2.8 排 水 構 造 2.8.2 端 部 止 水 構 造 排 水 性 舗 装 では 床 版 および 橋 梁 主 構 造 への 水 の 影 響 を 避 けるため 構 造 物 と 舗 装 の 接 合 部 は 止 水 を 行 い 水 の 浸 入 を 防 止 する 構 造 とする (1) コンクリート 床 版 の 場 合 は 図 - 解 2.8.4 に 示 すように 舗 装 と 構 造 物 との 接 触 面 に 加 熱 アスファルト 混 合 物 の 熱 により 溶 着 するタイプの 成 型 目 地 材 を 設 置 するか 注 入 目 地 を 用 いる 場 合 は あらかじめ 隙 間 を 造 ってお き 注 入 目 地 材 を 充 填 して 接 合 部 からの 水 の 浸 入 を 防 止 する (2) 鋼 床 版 の 基 層 に 使 用 するグースアスファルト 混 合 物 は 高 温 で 流 し 込 み 施 工 を 行 うため 温 度 低 下 によって 体 積 が 収 縮 して 構 造 物 との 接 触 面 に 隙 間 を 生 じるので 図 - 解 2.8.5 に 示 すように 構 造 物 と 舗 装 の 接 触 面 に 成 形 目 地 材 をあらかじめ 設 置 する 図 - 解 2.8.4 コンクリート 床 版 上 の 端 部 防 水 図 ( 単 位 mm) 図 - 解 2.8.5 鋼 床 版 上 の 端 部 防 水 図 ( 単 位 mm) (3) 伸 縮 継 手 と 舗 装 との 接 触 面 に 成 型 目 地 材 をあらかじめ 設 置 し 雨 水 等 の 侵 入 を 防 止 する 伸 縮 継 手 箇 所 におけ る 端 部 防 水 の 標 準 図 を 図 - 解 2.8.6 に 示 す 成 型 目 地 材 ( 幅 5mm) 成 型 目 地 材 ( 幅 10mm) ホ ーラスアスファルト 混 合 物 密 粒 度 アスファルト 混 合 物 伸 縮 継 手 ホ ーラスアスファルト 混 合 物 ク ースアスファルト 混 合 物 伸 縮 継 手 防 水 層 コンクリート 床 版 鋼 床 版 用 接 着 剤 鋼 床 版 図 - 解 2.8.6 伸 縮 継 手 部 の 端 部 防 水 標 準 図 - 40 -

2.8 排 水 構 造 (4) 中 央 分 離 帯 開 口 部 における 端 部 止 水 の 標 準 図 を 図 - 解 2.8.7 に 示 す 1 中 央 分 離 帯 開 口 部 の 排 水 系 統 平 面 図 2 コンクリート 床 版 上 の 中 央 分 離 帯 開 口 部 断 面 図 3 鋼 床 版 上 の 中 央 分 離 帯 開 口 部 断 面 図 図 - 解 2.8.7 伸 縮 継 手 部 の 端 部 防 水 標 準 図 - 41 -