2009年度 第2回常磐短期大学FD研究会 「これからの幼児教育について」



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Ⅰ 平成14年度の状況

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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

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設 問 一 覧 全 員 にお 聞 きします 103 万 円 の 壁 130 万 円 の 壁 について 知 っていますか?...(SA) あなたの 年 収 を 教 えてください...(SA) 年 収 が 103 万 円 以 下 103 万 円 超 130 万 円 以 下 と 答 えた 人 あなたは 年

就 学 前 教 育 保 育 の 実 施 状 況 ( 平 成 23 年 度 ) 3 歳 以 上 児 の 多 く(4 歳 以 上 児 はほとんど)が 保 育 所 又 は 幼 稚 園 に 入 所 3 歳 未 満 児 (0~2 歳 児 )で 保 育 所 に 入 所 している 割 合 は 約 2 割 就 学

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(2) 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 保 育 の 必 要 な 子 どものいる 家 庭 だけでなく 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 のために 利 用 者 支 援 事 業 や 地 域 子 育 て 支 援 事 業 な

第 一 子 ども 子 育 て 支 援 の 意 義 に 関 する 事 項 子 どもの 最 善 の 利 益 が 実 現 される 社 会 を 目 指 すとの 考 え 方 を 基 本 とする 障 害 疾 病 虐 待 貧 困 など 社 会 的 な 支 援 の 必 要 性 が 高 い 子 どもやその 家 族 を

1 支 給 認 定 新 制 度 では 幼 稚 園 ( 新 制 度 に 移 行 する 幼 稚 園 のことで 以 下 同 じ) を 利 用 する 場 合 には お 住 まいの 市 町 村 から 支 給 認 定 証 の 交 付 を 受 ける 必 要 があります 認 定 の 区 分 は 年 齢 や 保 育

決 勝 を 行 う 予 選 での6 種 目 の 各 種 目 ベスト4の 得 点 総 合 計 により 上 位 18 チームを 選 び そのチームによって 決 勝 を 行 う 成 績 順 位 は 決 勝 における6 種 目 の 各 種 目 ベスト4の 得 点 総 合 計 によって 決 定 する 女 子

1. 本 市 の 保 育 所 運 営 費 と 保 育 料 の 現 状 2 (1) 前 回 (5/29 5/29) 児 童 福 祉 専 門 分 科 会 資 料 国 基 準 に 対 する 本 市 の 保 育 料 階 層 区 分 別 軽 減 率 国 基 準 に 対 する 本 市 の 保 育 料 階 層 区

2 次 2 次 2 次 2 次 信 州 ( 教 育 - 学 校 - 保 健 体 育 ) 70 北 海 道 教 育 ( 教 育 札 幌 - 教 員 - 理 数 教 育 ) 52.5 愛 知 教 育 ( 教 育 - 初 等 - 社 会 ) 宮 城 教 育 ( 教 育 - 中 等 - 国

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( 教 育 職 員 免 許 状 の 取 得 ) 第 9 条 教 育 職 員 免 許 状 ( 幼 稚 園 教 諭 二 種 免 許 状 )を 取 得 しようとする 者 は 教 育 職 員 免 許 法 に 基 づき 別 表 2に 掲 げる を 修 得 しなければならない 2 教 育 職 員 免 許 状 の

頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

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Ⅰ 調 査 の 概 要 1 目 的 義 務 教 育 の 機 会 均 等 その 水 準 の 維 持 向 上 の 観 点 から 的 な 児 童 生 徒 の 学 力 や 学 習 状 況 を 把 握 分 析 し 教 育 施 策 の 成 果 課 題 を 検 証 し その 改 善 を 図 るもに 学 校 におけ

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

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代 議 員 会 決 議 内 容 についてお 知 らせします さる3 月 4 日 当 基 金 の 代 議 員 会 を 開 催 し 次 の 議 案 が 審 議 され 可 決 承 認 されました 第 1 号 議 案 : 財 政 再 計 算 について ( 概 要 ) 確 定 給 付 企 業 年 金 法 第

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別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

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ず 第 1 段 階 目 の 選 抜 に 係 る 額 は4,000 円 とし 第 2 段 階 目 の 選 抜 に 係 る 額 は13,000 円 と する 4 第 1 項 に 規 定 する 幼 稚 園 小 学 校 及 び 中 学 校 並 びに 特 別 支 援 学 校 の 小 学 部 中 学 部 及 び

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m07 北見工業大学 様式①

3 節 農 業 経 営 体 と 農 業 就 業 者 の 動 向 農 業 就 業 人 口 の 平 均 年 齢 は 多 くの 地 域 において 65 歳 を 超 えていますが 都 道 府 県 別 にみると その 様 相 は 異 なります 広 島 県 (70.4 歳 ) 山 口 県 (70.3 歳 ) 島

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別 添 1 女 性 国 家 公 務 員 の 登 用 状 況 資 料 1 指 定 職 に 占 める 女 性 の 割 合 は3.0%( 平 成 27 年 11 月 1 日 現 在 ) ( 前 年 9 月 1 日 現 在 から0.2ポイント 増 ) 本 省 課 室 長 相 当 職 以 上 に 占 める 女

社 会 保 障 税 一 体 改 革 ( 年 金 分 野 )の 経 緯 社 会 保 障 税 一 体 改 革 大 綱 (2 月 17 日 閣 議 決 定 ) 国 年 法 等 改 正 法 案 (2 月 10 日 提 出 ) 法 案 を 提 出 する または 法 案 提 出 を 検 討 する と された 事

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 ( 単 位 : ) 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 185,8 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41

統 計 表 1 措 置 入 院 患 者 数 医 療 保 護 入 院 届 出 数, 年 次 別 措 置 入 院 患 者 数 ( 人 ) ( 各 年 ( 度 ) 末 現 在 ) 統 計 表 2 措 置 入 院 患 者 数 ( 人 口 10 万 対 ) ( 各 年 ( 度 ) 末 現 在 ) 主 な 生

幼 児 教 保 全 般 に 関 する 調 査 研 究 () 幼 児 教 センター を 拠 点 した 多 様 な 幼 児 教 保 推 進 現 状 課 題 整 理 幼 児 教 や に 関 する 研 究 結 果 等 情 報 収 集 や 必 要 に 応 じ 調 査 る も を 環 み 充 実 地 施 策 ね

第 8 条 本 協 議 会 における 研 修 は 以 下 のとおりとする (1) 座 学 研 修 農 業 講 座 や 先 進 農 家 視 察 など 農 業 経 営 基 礎 講 座 やその 他 担 い 手 のための 研 修 会 等 への 参 加 など 年 24 回 程 度 とする (2) 実 務 研

定款

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○00表紙

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小山市保育所整備計画

安 芸 太 田 町 学 校 適 正 配 置 基 本 方 針 の 一 部 修 正 について 1 議 会 学 校 適 正 配 置 調 査 特 別 委 員 会 調 査 報 告 書 について 安 芸 太 田 町 教 育 委 員 会 が 平 成 25 年 10 月 30 日 に 決 定 した 安 芸 太 田

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波佐見町の給与・定員管理等について

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2 前 項 前 段 の 規 定 にかかわらず 年 俸 制 教 職 員 から 申 し 出 があった 場 合 においては 労 使 協 定 に 基 づき その 者 に 対 する 給 与 の 全 額 又 は 一 部 を 年 俸 制 教 職 員 が 希 望 する 金 融 機 関 等 の 本 人 名 義 の 口

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●労働基準法等の一部を改正する法律案

(4) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている.

技 能 労 務 職 公 務 員 民 間 参 考 区 分 平 均 年 齢 職 員 数 平 均 給 与 月 額 平 均 給 与 月 額 平 均 給 料 月 額 (A) ( 国 ベース) 平 均 年 齢 平 均 給 与 月 額 対 応 する 民 間 の 類 似 職 種 東 庄 町 51.3 歳 18 77

国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 検 討 を 進 めるものとする 平 成 19 年 法 案 をベースに 一 元 化 の 具 体 的 内 容 について 検 討 する 関 係 省 庁 間 で 調 整 の 上 平 成 24 年 通 常 国 会 への 法 案 提

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 ( 各 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 例 ) ( 例 ) 15 (H2) (H2) (H24) (H24) (H25.4.1) (H25.4.1) (H24) (H24)

Taro-08国立大学法人宮崎大学授業

職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (5 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 区 類 団 府 分 似 体 平 均 年 齢

Transcription:

これからの 幼 児 教 育 について 幼 児 教 育 保 育 学 科 山 路 純 子 はじめに 本 日 は,これからの 幼 児 教 育 について, 社 会 情 勢 の 変 化 に 対 応 した 法 改 正 の 状 況 を 概 観 しながら 幼 保 一 体 化 の 教 育 を 主 に 取 り 上 げ, 今 後 の 発 展 の 動 向 を 考 えながら, 本 校 のような 養 成 校 の 役 割 などについて 述 べさせていただきたいと 思 っております はじめに, 近 年 の 幼 児 教 育 に 関 する 法 改 正 の 動 きですが, 子 どもを 取 り 巻 く 環 境 の 変 化 を 鑑 みて, 幼 稚 園 の 教 育 や 保 育 所 の 保 育 においての 法 改 正 が 行 われ てきております 平 成 17 年 1 月 には 子 どもを 取 り 巻 く 変 化 を 踏 まえた 今 後 の 幼 児 教 育 の 在 り 方 について 中 央 教 育 審 議 会 の 答 申 がありました このときに は, 家 庭 地 域 社 会, 幼 稚 園 等 施 設 の 三 者 による 総 合 的 な 幼 児 教 育 の 推 進 とい うことが 言 われています 平 成 18 年 12 月, 教 育 基 本 法 の 改 正 によって, 現 在 の 幼 児 教 育 の 基 本 的 な 考 え 方 が 示 されました この 教 育 基 本 法 の 中 に 幼 児 期 の 教 育 があり, 第 11 条 で は, 幼 児 期 の 教 育 は, 生 涯 にわたる 人 格 形 成 の 基 礎 を 培 う 重 要 なものであるこ とを 鑑 み, 国 および 地 方 公 共 団 体 は, 幼 児 の 健 やかな 成 長 に 資 する 良 好 な 環 境 の 整 備 その 他 適 当 な 方 法 によって,その 振 興 に 努 めなければならないとありま す さらに, 平 成 19 年 6 月, 学 校 教 育 法 が 改 正 され, 幼 稚 園 教 育 の 教 育 目 的 目 標 が 他 の 教 育 と 並 べて 表 記 されるようになりました 第 22 条 では, 幼 稚 園 は, 義 務 教 育 及 びその 他 の 教 育 の 基 礎 を 培 うものとして, 幼 児 を 保 育 し, 幼 児 の 健 やかな 成 長 のために 適 当 な 環 境 を 与 えて,その 心 身 の 発 達 を 助 長 することを 目 的 とすると 書 かれています 第 23 条 では, 幼 稚 園 における 教 育 は,この 目 的 を 実 現 するために5つの 目 標 を 掲 げております 資 料 にありますように, 基 本 的 な 生 活 習 慣 の 育 成, 集 団 生 活 に 参 加 する 態 度, 自 主, 自 律 及 び 協 同 の 精 神 並 び に 規 範 意 識 の 芽 生 え, 社 会 や 生 命, 自 然 に 対 する 興 味, 思 考 力 の 芽 生 え, 言 葉 1

の 獲 得 に 関 すること, 表 現 に 関 すること, 豊 かな 感 性 と 表 現 力 の 芽 生 えです ここに 芽 生 え という 言 葉 が 書 かれていますが, 例 えば 幼 児 期 は 道 徳 性 を 育 てるのではなくいずれはその 芽 が 道 徳 性 につながるように 大 切 に 伸 ばして いこうということです それから 教 育 の 内 容 的 なことに 加 えて, 子 育 て 支 援, 預 かり 保 育 ということが 大 事 だとされるようになりました おわかりのように 子 育 て 支 援 というのは, 幼 児 期 の 教 育 に 関 するいろいろな 問 題 において, 保 護 者 や 地 域 住 民 その 他 の 関 係 者 からの 相 談 に 応 じ, 必 要 な 情 報 の 提 供 及 び 助 言 を 行 うなど, 家 庭 及 び 地 域 における 幼 児 期 の 教 育 の 支 援 に 努 めるものです また, 幼 稚 園 が 幼 児 教 育 のセンター 的 な 役 割 を 果 たすというようなことが 書 かれてお り, 中 央 審 議 会 教 育 課 程 部 会 で 審 議 のまとめを 経 て, 平 成 20 年 1 月, 中 央 教 育 審 議 会 の 答 申 により, 現 行 の 幼 稚 園 教 育 要 領 が 改 訂 となったわけです その 中 で 特 徴 としてあげられるものがアからオまであって, 資 料 1の( 7 ) そのひ とつが 幼 児 期 の 遊 びというものが 子 どもの 発 達 にとって 非 常 に 重 要 だというこ とが 示 されています たとえば, 幼 児 期 には 思 い 切 り 遊 ぶことによって,その 後 の 学 びが 達 成 されていくということで, 幼 稚 園 では 遊 びを 通 した 教 育 を 行 う ということが 重 要 になってきます 発 達 や 学 びの 連 続 性 を 踏 まえた 幼 稚 園 教 育 の 充 実 ということで 幼 小 の 円 滑 な 接 続 ということも 書 かれています 大 事 なことは, 幼 稚 園 で 小 学 校 の 前 の 段 階 の 教 育 を 行 うということではなく, 幼 児 期 には 幼 児 期 の 発 達 の 特 性 があるので,その 特 性 を 踏 まえた 幼 稚 園 教 育 幼 児 教 育 を 行 うことで, 義 務 教 育 そのものの 教 育 の 基 礎 が 培 われるということです それと 合 わせまして, 幼 稚 園 と 小 学 校 の 先 生 は 幼 児 と 児 童 の 実 態 や 指 導 の 在 り 方 について 相 互 理 解 を 深 め, 幼 児 と 児 童 の 交 流 を 図 るということが 加 えられて います 幼 稚 園 では 幼 児 同 士 が 遊 びなどを 共 通 のものとして 協 力 し, 工 夫 して 実 現 していくような 協 同 する 経 験 を 積 み 重 ねていくことが 大 事 で,そのような 体 験 を 重 ねながらきまりや 規 範 意 識 の 芽 生 えを 培 うということです それから, 子 どもや 社 会 の 変 化 への 対 応 ということで,さまざまな 経 験 をし, 言 葉 で 伝 え たり, 好 奇 心 や 探 究 心 を 育 て 思 考 力 の 芽 生 えを 培 ったり, 身 体 を 動 かすこと, 食 べること, 表 現 することなどで 自 信 をもって 行 動 できるようにするというこ とです さらに 家 庭 生 活 にも 踏 み 込 んで, 家 庭 でも 幼 児 教 育 に 関 する 理 解 を 深 めることによって,より 良 い 幼 児 教 育 が 実 現 していくということで, 家 族 を 大 切 にする 気 持 ちなど 家 庭 生 活 との 連 続 性 を 重 視 しています また, 預 かり 保 育 というのは, 幼 稚 園 での 教 育 課 程 にプラスしてもう1 時 間,2 時 間 延 長 してほ 2

資 料 1の(7) 平 成 20 年 3 月 28 日 幼 稚 園 教 育 要 領 ( 文 部 科 学 省 告 示 ) 改 訂 小 学 校 への 移 行 や 家 庭 との 連 携 を 含 めた 改 正 がなされた 主 な 特 徴 は 以 下 のことに 集 約 される ア 幼 児 期 の 遊 びの 重 要 性 幼 児 期 に 思 いきり 遊 ぶことで その 後 の 学 びが 豊 かになることから 幼 稚 園 では 遊 びを 通 した 教 育 を 行 うことが 強 調 される イ 発 達 や 学 びの 連 続 性 を 踏 まえた 幼 稚 園 教 育 の 充 実 - 幼 小 の 円 滑 な 接 続 - 幼 児 期 の 特 性 を 踏 まえた 幼 稚 園 教 育 の 基 本 に 基 づく 幼 稚 園 生 活 により 義 務 教 育 及 びその 後 の 教 育 の 基 礎 を 培 う 幼 稚 園 と 小 学 校 の 教 師 が 幼 児 と 児 童 の 実 態 や 指 導 の 在 り 方 について 相 互 理 解 を 深 め 幼 児 と 児 童 の 交 流 を 図 る 幼 児 同 士 が 共 通 の 目 的 を 生 み 出 し 協 力 し 工 夫 して 実 現 していくような 協 同 する 経 験 を 重 ねる 体 験 を 重 ねながらきまりの 必 要 感 に 気 付 き 規 範 意 識 の 芽 生 えを 培 う ウ 子 どもや 社 会 の 変 化 への 対 応 多 様 な 体 験 をする 言 葉 での 伝 え 合 いを 豊 かに 行 う 好 奇 心 や 探 求 心 を 育 て 思 考 力 の 芽 生 えを 培 う 身 体 を 動 かす 活 動 食 に 関 する 活 動 を 充 実 する 表 現 に 関 する 活 動 を 充 実 する 自 信 をもって 行 動 できるようにする エ 家 庭 生 活 との 連 続 性 の 重 視 心 のよりどころ 家 族 を 大 切 にする 気 持 ち 家 庭 との 連 携 基 本 的 な 生 活 習 慣 を 身 に 付 ける 幼 児 期 に 教 育 に 対 する 理 解 を 深 める オ 子 育 て 支 援 と 預 かり 保 育 の 在 り 方 相 談 情 報 提 供 保 護 者 との 登 園 の 受 け 入 れ 保 護 者 同 士 の 交 流 機 会 の 提 供 など 地 域 の 幼 児 教 育 の センターとしての 役 割 を 果 たすよう 努 める 預 かり 保 育 の 充 実 を 図 るために 教 育 課 程 の 活 動 を 考 慮 し 生 活 のリズムに 対 して 配 慮 する 等 しいということで, 希 望 に 応 じて 教 育 課 程 の 活 動 を 考 慮 し, 生 活 のリズムに 配 慮 して 保 育 するということです 続 いて, 幼 保 一 体 化 と 新 しい 幼 児 教 育 についてですが, 今 までお 話 させてい ただいた 内 容 から, 幼 児 教 育 の 部 分 が 少 し 見 えてきたのではないかと 思 います 平 成 21 年 に, 実 は 保 育 所 保 育 指 針 が 幼 稚 園 教 育 要 領 の 改 訂 と 同 時 に 全 面 改 訂 さ れました それは, 子 どもをより 丁 寧 に 育 てたいという 社 会 的 な 要 請 から, 保 育 所 の 教 育 機 能 を 強 化 するということが 目 的 のひとつでした 今 までは 局 長 通 知 でしたが 大 臣 告 知 となったため, 幼 稚 園 教 育 要 領 との 整 合 性 がとら れ, 保 育 所 も 専 門 性 を 備 えた 機 関 として 位 置 づけられるようになりました こ れによって, 幼 稚 園 と 保 育 所 が 一 体 化 した 新 しい 幼 児 教 育 の 施 設 設 置 に 向 けて 3

の 動 きが 加 速 されてくることになりました そして, 社 会 情 勢 の 変 化 に 応 じた 新 しい 幼 児 教 育 として 認 定 こども 園 という 動 きが 始 まっています 就 学 前 の 子 どもに 関 する 教 育 保 育 等 の 総 合 的 な 提 供 の 推 進 に 関 する 法 律 が 制 定 され, 平 成 18 年 10 月 からスタートしています 幼 稚 園 と 保 育 所 と,それぞれ 年 齢 も 違 いますし, 保 育 所 は 保 育 に 欠 ける 子 どもが 入 っていますが, 今 まではそれぞれ が 文 部 科 学 省 と 厚 生 労 働 省 という 別 の 所 管 になっていたためになかなか 両 方 を 一 体 化 するという 動 きが 出 てこなかったわけです しかし, 幼 稚 園 と 保 育 所 の 良 いところを 活 かしながら,その 両 方 の 役 割 を 果 たすことができるという 都 道 府 県 が 認 定 する 仕 組 みが 認 定 こども 園 というわけです 図 1 参 照 平 成 17 年 から 施 行 されたわけですが, 近 年, 保 護 者 の 就 労 の 有 無 で 利 用 する 施 設 が 限 定 されてしまうことや, 少 子 化 が 進 む 中, 幼 稚 園 や 保 育 所 が 別 々に 設 置 されていると 子 どもの 成 長 に 必 要 な 規 模 の 集 団 が 確 保 されにくいこと,そし て,これは 最 近 とても 増 えてきているのですが, 子 育 てについての 不 安 や 負 担 を 感 じている 保 護 者 への 支 援 が 不 足 していることなどの 課 題 に 対 応 できるもの として 期 待 されています 認 定 こども 園 の 特 徴 と 保 育 所, 保 育 園 との 相 違 や 関 係 を 表 1にまとめてあ ります 認 定 こども 園 は, 就 学 前 の 子 どもの 教 育 と 保 育 を 一 体 として 捉 え, 図 1 認 定 こども 園 の 概 要

一 貫 して 提 供 する 枠 組 みとなっています 所 管 も, 保 育 園 と 幼 稚 園 それぞれに 別 だった 厚 生 労 働 省 と 文 部 科 学 省 が 連 携 しています 対 象 となる 子 どもの 年 齢 も0 歳 から 就 学 前 までで, 職 員 も0 歳 から2 歳 までは 保 育 士 資 格 者 が,また3 歳 から5 歳 までを 担 当 する 場 合 は 幼 保 併 有 が 望 ましく, 学 級 担 任 は 幼 稚 園 教 諭 免 許 保 有 者 が, 長 時 間 利 用 児 の 対 応 には 保 育 士 資 格 保 有 者 が 原 則 となってい ます 認 定 こども 園 制 度 に 対 する 評 価 は, 平 成 20 年 6 月 の 調 査 によると, 利 用 している 保 護 者 の8 割, 認 定 を 受 けた 施 設 の9 割 が 評 価 しており, 保 護 者 の 9 割 がこの 制 度 を 推 進 していくべきと 回 答 しているということです 保 護 者 が 評 価 する 理 由 としては, 保 育 時 間 が 柔 軟 に 選 べる 就 労 の 有 無 に 関 わらず 施 設 利 用 ができる 教 育 活 動 が 充 実 している,いろいろな 年 齢 の 子 どもが 含 ま れているので 異 年 齢 交 流 ができる 子 育 て 支 援 活 動 が 充 実 している などを 上 げています それでは 認 定 こども 園 は 全 国 にどのくらいあるのかというと, 平 成 21 年 の4 月 1 日 時 点 のデータですが, 全 国 には358で( ) 内 は 前 年 度 の 数 値 で229です 平 成 19 年 には94という 数 値 であったので,この3 年 間 で4 倍 近 く も 認 定 件 数 が 増 えているということになります 表 2 参 照 これは 幼 児 数 の 減 少 による 統 廃 合 が 進 んでいる 状 況 とも 関 係 しているわけで す 茨 城 県 の 状 況 を 示 す 一 番 新 しいものが 表 3で, 平 成 21 年 9 月 25 日 当 時 では 全 体 で12の 認 定 こども 園 があります それから 興 味 深 いのは, 平 成 21 年 度 から 表 1 保 育 所 幼 稚 園 と 認 定 こども 園 の 主 な 相 違 点 保 育 所 幼 稚 園 認 定 こ ど も 園 所 管 厚 生 労 働 省 文 部 科 学 省 厚 生 労 働 省 文 部 科 学 省 内 容 保 育 保 育 所 保 育 指 針 教 育 幼 稚 園 教 育 要 領 保 育 教 育 ( 保 育 所 保 育 指 針 幼 稚 園 教 育 要 領 ) 対 象 年 齢 0~ 就 学 前 3 歳 児 ~ 就 学 前 0~ 就 学 前 職 員 の 配 置 0 歳 児 1/3 名 1 2 歳 児 1/6 3 歳 児 1/20 4 5 歳 児 1/30 3 4 5 歳 児 1/ 35 名 0~2 歳 児 保 育 所 に 同 じ 3~5 歳 児 1/ 20 ~ 35 名 3~5 歳 児 が 学 級 担 任 を 配 置 長 時 間 利 用 時 には 個 別 対 応 の 体 制 職 員 の 資 格 保 育 士 資 格 幼 稚 園 教 諭 免 許 0~2 歳 児 保 育 士 資 格 3~5 歳 児 幼 保 併 有 が 望 ましい. 学 級 担 任 は 幼 稚 園 教 諭 免 許 保 有 者 長 時 間 利 用 児 へ の 対 応 は 保 育 士 資 格 保 有 者 を 原 則 とする 一 日 の 保 育 時 間 8 時 間 原 則 年 間 300 日 標 準 4 時 間 年 間 39 週 以 上 4 時 間 でも8 時 間 でも 可 5

公 立 が 続 けて 認 定 されているということです 平 成 21 年 の11 月 に ふたばラン ド (つくばみらい 市 )という 認 定 こども 園 で 幼 児 教 育 研 究 会 があり 見 せてい だだきました この 資 料 にありますように, 名 称 は 認 定 こども 園 ふたばラ ンド 幼 稚 園 保 育 園 とありまして,まだ 認 定 こども 園 ふたばランド では 統 一 できない 状 況 でした いただいた 資 料 によりますと,0 歳 児 から1 歳 児, 2 歳 児 まではその 数 字 ですから, 先 生 はたぶん, 二 人, 二 人, 二 人 で,3 歳 以 上 は 幼 稚 園 に 入 っている 子 と 保 育 所 に 入 っている 子 がおりました 朝, 登 園 し てきてから 午 前 中 は, 幼 稚 園 の 子 も 保 育 所 の 子 も 教 育 です ですから 幼 稚 園 教 諭 の 資 格 をもっていない 者 は,この 時 間 は 関 わらないということです それを 終 えてから 延 長 保 育,あるいは 本 来 の 保 育 となります 保 育 時 間 の 実 際 という 表 を 見 ると, 幼 稚 園 の 子 はだいたい2 時 までです 2 時 に 通 常 保 育 が 終 わって から,そのあとは 有 料 保 育 となります 保 育 所 の 方 は3 時 半 まで 無 料 そのあ と 有 料 で7 時 半 まで 預 かってもらえるということです 保 育 所 は 給 食 とおやつ が 出 て,それらも 保 育 料 の 中 に 含 まれています 幼 稚 園 はお 弁 当 をもっていき ます おやつを 出 す 場 合 はおやつ 代 を 徴 収 するということになっています そ のあたりは, 所 管 が 文 部 科 学 省 と 厚 生 労 働 省 であるということから 運 営 を 複 雑 にしているようです それから 生 活 の 流 れの 違 いや 休 園 日 の 違 い, 保 育 園 の 午 睡 時 間 と 幼 稚 園 の 降 園 時 間 が 重 なって 騒 音 の 問 題 もあるということでした ま た, 職 員 の 資 格 と 待 遇, 労 働 条 件 の 一 体 化, 教 育 保 育 の 共 通 理 解 などの 課 題 もあり,さらに, 保 育 園 児 と 延 長 保 育 の 幼 稚 園 児 との 合 同 保 育 の 在 り 方, 金 銭 的 なことも 含 めて 保 護 者 との 共 通 理 解 が 必 要 になるなどの 課 題 が 生 まれている ようです さて, 幼 稚 園 教 諭 及 び 保 育 士 の 免 許 資 格 の 取 得 状 況 についてですが, 近 年, 4 年 生 大 学 で 幼 稚 園 の 免 許, 保 育 士 資 格 を 取 得 できるところが 増 えてきていま す 茨 城 県 における 平 成 22 年 度 の 公 立 幼 稚 園 における 幼 稚 園 教 諭 及 び 保 育 士 資 格 の 取 得 状 況 が 配 付 資 料 の 表 4に 示 されています 茨 城 県 では 一 種 免 許 の 取 得 者 が132 名 で23. 2 %, 全 国 では39. 4 %ですから 茨 城 県 は 低 くなっています そ の 他 の 免 許 としては, 小 学 校 教 諭 免 許 が 茨 城 県 では13. 6 %, 全 国 では27. 3 %, 保 育 士 は 茨 城 県 では79. 4 %の478 人, 全 国 では66. 3 %ということです 全 国 で は 公 立 幼 稚 園 教 諭 の6 割 が, 茨 城 県 では8 割 が 保 育 士 の 資 格 を 持 っているとい うことで,これは 採 用 に 当 たって 幼 保 合 同 施 設 など 将 来 を 見 据 えた 設 置 者 の 意 向 が 反 映 しているものと 考 えられます 表 4 参 照 6

表 2 認 定 こども 園 全 国 認 定 件 数 文 部 科 学 省 厚 生 労 働 省 幼 保 連 携 室 ( 平 成 21 年 4 月 1 日 ) 都 道 府 県 認 定 件 数 公 立 私 立 幼 保 連 携 型 幼 稚 園 型 保 育 所 型 地 方 裁 量 型 1 北 海 道 22(16) 8 (6) 14 (10) 8 (4) 4 (5) 7 (4) 3 (3) 2 青 森 県 2 (1) 2 (1) 1 (1) 1 3 岩 手 県 7 (5) 7 (5) 2 (1) 5 (4) 4 宮 城 県 1 (1) 1 (1) 1 (1) 5 秋 田 県 15(12) 8 (5) 7 (7) 11(10) 2 (2) 2 6 山 形 県 7 (4) 1 (1) 6 (3) 5 (2) 1 (1) 1 (1) 7 福 島 県 8 (5) 2 (2) 6 (3) 5 (3) 2 (1) 1 (1) 8 茨 城 県 11 (5) 3 (1) 8 (4) 9 (4) 1 (1) 1 9 栃 木 県 7 (7) 2 (2) 5 (5) 2 (2) 4 (4) 1 (1) 10 群 馬 県 18(12) 2 (1) 16 (11) 7 (5) 11 (7) 11 埼 玉 県 8 (4) 8 (4) 4 (2) 4 (2) 12 千 葉 県 12 (8) 5 (4) 7 (4) 8 (5) 2 1 (2) 1 (1) 13 東 京 都 33(19) 6 (5) 27 (14) 4 (4) 20 (9) 5 (3) 4 (3) 14 神 奈 川 県 19(12) 6 (5) 13 (7) 15 (11) 4 (1) 15 新 潟 県 5 (2) 1 4 (2) 5 (2) 16 富 山 県 3 (2) 3 (2) 1 (1) 2 (1) 17 石 川 県 5 (5) 1 (1) 4 (4) 1 (1) 3 (3) 1 (1) 18 福 井 県 2 (1) 1 (1) 1 2 (1) 19 山 梨 県 1 (1) 1 (1) 1 (1) 20 長 野 県 8 (7) 1 7 (7) 6 (6) 1 1 (1) 21 岐 阜 県 2 (1) 2 (1) 1 (1) 1 22 静 岡 県 2 1 1 1 1 23 愛 知 県 5 (4) 2 (2) 3 (2) 2 (1) 3 (3) 24 三 重 県 25 滋 賀 県 7 (3) 5 (1) 2 (2) 5 (1) 2 (2) 26 京 都 府 27 大 阪 府 5 (2) 1 (1) 4 (1) 5 (2) 28 兵 庫 県 19(15) 4 (1) 15(14) 4 (1) 11 (10) 3 (3) 1 (1) 29 奈 良 県 1 1 1 30 和 歌 山 県 4 (2) 3 (2) 1 1 (1) 1 2 (1) 31 鳥 取 県 32 島 根 県 2 2 2 7

33 岡 山 県 5 (3) 5 (3) 4 (2) 1 (1) 34 広 島 県 12 (7) 4 (2) 8 (5) 9 (6) 1 2 (1) 35 山 口 県 2 (1) 2 (1) 2 (1) 36 徳 島 県 2 (2) 2 (2) 2 (2) 37 香 川 県 1 (1) 1 (1) 1 (1) 38 愛 媛 県 8 (4) 8 (4) 4 (3) 1 3 (1) 39 高 知 県 5 (3) 2 (1) 3 (2) 2 (1) 2 (1) 1 (1) 40 福 岡 県 13 (9) 2 (1) 11 (8) 4 (3) 2 (1) 2 (2) 5 (3) 41 佐 賀 県 10 (8) 10 (8) 6 (6) 4 (2) 42 長 崎 県 26 (15) 26(15) 8 (4) 11 (8) 7 (3) 43 熊 本 県 1 (1) 1 (1) 44 大 分 県 5 (5) 1 (1) 4 (4) 1 (1) 3 (3) 1 (1) 45 宮 崎 県 11 (5) 1 10 (5) 1 (1) 8 (3) 2 (1) 46 鹿 児 島 県 16 (9) 6 (4) 10 (5) 4 (4) 7 (2) 5 (3) 47 沖 縄 県 合 計 358 (229)87 (55)271(174)158 (104) 125 (76) 55 (35) 20 (14) 認 定 件 数 の 括 弧 内 の 数 値 は, 平 成 20 年 4 月 1 日 現 在 の 認 定 件 数 表 3 認 定 こども 園 茨 城 県 の 認 定 件 数 ( 平 成 21 年 9 月 25 日 現 在 ) 茨 城 県 教 育 庁 義 務 教 育 課 施 設 名 所 在 地 類 型 ( 定 員 幼 保 ) 区 分 認 定 日 1 せいじ 園 日 立 市 幼 保 連 携 型 (210 30) 私 H18.12.1 2 慈 母 学 園 潮 来 市 幼 保 連 携 型 (140 20) 私 H19.4.1 3 沼 前 幼 稚 園 茨 城 町 幼 稚 園 型 (105) 公 H19.7.1 4 あいゆう 園 龍 ヶ 崎 市 幼 保 連 携 型 (170 20) 私 H19.8.1 5 ふたばランド つくばみらい 市 幼 保 連 携 型 (70 100) 私 H20.4.1 6 星 の 子 ランド 桜 川 市 幼 保 連 携 型 (180 30) 私 H20.5.1 7 聖 和 学 園 龍 ヶ 崎 市 幼 保 連 携 型 (280 30) 私 H21.2.1 8 こひつじ 園 潮 来 市 幼 保 連 携 型 (20 80) 私 H21.4.1 9 大 楽 寺 学 園 坂 東 市 幼 保 連 携 型 (230 30) 私 H21.4.1 10 かわち 河 内 町 幼 保 連 携 型 (30 120) 公 H21.4.1 11 かねえつ 河 内 町 保 育 所 型 (90) 公 H21.4.1 12 えどさき 稲 敷 市 幼 保 連 携 型 (100 200) 公 H21.9.1 8

表 4 茨 城 県 の 公 立 幼 稚 園 における 幼 稚 園 教 諭 及 び 保 育 士 資 格 の 取 得 状 況 免 許 の 種 類 茨 城 県 全 国 専 修 1 名 0.2% 99 名 0.7% 一 種 免 許 状 132 23.2 5,514 39. 4 二 種 免 許 状 417 76.0 8,339 59.6 そ の 他 2 0.6 46 0.3 そ の 他 の 免 許 茨 城 県 全 国 小 学 校 82 名 13.6% 4,028 名 27.3% 中 高 校 16 2.7 493 3.3 養 護 学 校 14 2.3 259 1.8 養 護 教 諭 12 2.0 187 1.3 保 育 士 478 79.4 9,780 66.3 茨 城 県 の 私 立 幼 稚 園 での 一 種 免 許 取 得 者 は256 名 で17. 8 %, 公 立 幼 稚 園 より も 低 い 数 値 です このような 子 どもを 取 り 巻 く 環 境 の 変 化 は, 保 育 者 の 養 成 にも 当 然 のように 影 響 が 出 てくることになります どのような 観 点 から 教 育 を 行 っていくかの 再 検 討 が 必 要 になってくると 思 います まず,0 歳 児 から 就 学 前 の 子 どもの 発 達 に 添 った 保 育 ができるということ これまでは 幼 稚 園 教 諭 と 保 育 士 の 資 格 を 有 して 卒 業 するが, 勤 務 する 場 所 ではその 一 方 があれば 充 分 でした これからは 両 方 の 学 びをフルに 活 かしていくことが 求 められてくるでしょう 今 までは, 幼 稚 園 教 諭 と 保 育 士,それぞれを 分 けて 教 育 しても 就 職 に 際 して 支 障 はありま せんでしたが, 今 後 は0 歳 から 就 学 前 までの 時 期 を 連 続 して, 幼 児 教 育 として 担 う 人 材 を 育 てていくことが 最 大 の 課 題 となると 思 います そのためにはどん な 保 育 者 を 養 成 していくのか,カリキュラムの 見 直 しを 図 る 必 要 があります それから, 幼 児 期 から 児 童 期 への 発 達 や 学 びの 連 続 性 ということが 強 調 され ている 中 いばらき 幼 児 教 育 プラン というもが 平 成 19 年 に 茨 城 県 教 育 委 員 会 が 策 定 しました そこでは 特 に 幼 児 教 育 と 小 学 校 教 育 との 連 携 強 化 という ことが 書 かれています その 中 で, 幼 保 小 の 接 続 期 における 連 携, 幼 児 と 児 童 の 交 流 の 促 進, 教 職 員 の 連 携 の 促 進, 地 域 における 連 携 体 制 の 推 進 をあげてい ます これを 受 けて, 茨 城 県 では 今 まで 行 われることのなかった 幼 稚 園 教 諭 と 小 学 校 教 諭 の 人 事 交 流 を 進 め,お 互 いに 子 どもの 発 達 の 状 況 や 教 育 内 容 や 指 導 9

法 についての 理 解 を 深 めるという 制 度 を 講 じ,3 年 を 期 限 として 実 施 してきて います しかし, 幼 稚 園 の 教 諭 に 小 学 校 教 諭 の 免 許 を 取 得 しているケースが 少 ないことや, 小 学 校 教 諭 も 教 育 実 習 をしないで 幼 稚 園 教 諭 の 免 許 を 取 得 してい るケースが 多 く 関 心 が 薄 いことから, 人 事 交 流 が 滞 っているというのが 現 状 で す このような 状 況 から, 短 大 でも 小 学 校 教 育 につながっていくことに, 関 連 した 内 容 等 について 学 ぶことが 重 要 です 例 えば, 小 学 校 学 習 指 導 要 領 総 則, 国 語, 生 活, 音 楽, 図 画 工 作 の 教 科 において, 幼 稚 園 教 育 における 内 容 などと の 関 連 を 考 慮 することが 新 たに 加 えられていることも, 今 後 本 校 のカリキュラ ム 見 直 しに 活 かしてくことが 重 要 でしょう また, 茨 城 県 の 教 員 採 用 試 験 では, 義 務 教 育 の 小 中 に 当 たれる 教 員 を 求 めているため, 幼 稚 園 教 諭 の 養 成 を 基 盤 に, 小 学 校 教 育 への 学 びの 連 続 性 を 軸 においた 教 育 を 行 うことは 重 要 だと 思 わ れます 最 後 に, 今 後, 保 育 者 の 資 質 として 養 成 したいと 考 えていることをお 話 しま す 実 習 の 見 回 りの 際 に 聞 き 取 り 調 査 を 行 った 結 果 では, 現 場 が 学 生 に 求 めて いる 力 は, 単 に 知 識 や 技 術 だけではなく,あくまでも 人 間 性 豊 かに 子 どもに 接 する 人 を 求 めているということです 保 育 とは, 子 どもの 成 長 に 最 も 大 き な 影 響 を 与 える 時 期 であり, 保 育 者 は 子 どもが 主 体 的 に 取 組 めるような 環 境 を 整 え, 発 達 に 必 要 な 体 験 を 促 していくための 重 要 な 役 割 を 担 っているのです 幼 児 教 育 には 教 科 書 がなく, 目 の 前 の 幼 児 の 姿 から 自 分 の 関 わり 方 を 常 に 考 え ていく 必 要 があるという, 大 変 難 しい 仕 事 です 幼 児 教 育 は, 子 どもに 問 題 を 転 嫁 するのではなく, 一 人 一 人 に 温 かい 関 心 を 寄 せ, 常 に 自 分 のかかわりを 振 り 返 り, 子 どもの 言 動 に 共 感 的 な 理 解 を 深 めていくことが 求 められるのです ですから, 特 に 謙 虚 に 子 どもと 向 き 合 う 人 間 性 豊 かな 学 生 をどのように 育 てて いくかということが 重 要 な 課 題 だと 考 えます そのためには, 特 に 演 習 科 目 では 豊 かな 体 験 ができるような 内 容 を 組 み 込 む こと,それらの 体 験 を 通 して 子 どもの 気 持 ちになって 考 えたり, 楽 しみながら 感 性 を 磨 いていくことが 大 切 だと 思 います 何 を から どのように に 視 点 を 当 てた 授 業 の 展 開 を 図 り, 学 生 には 次 の 指 示 を 待 つのではなく, 自 分 たち が 主 体 的 に 取 り 組 む 姿 勢 を 身 につけ, 学 んだことをもとにどのように 子 どもた ちと 対 話 ができるかを 考 える 力 を 養 成 していくことが 重 要 だと 思 います 私 が 担 当 した 授 業 の 中 では,このことを 心 において 進 めてきたつもりですが, 授 業 の 展 開 に 時 間 的 なゆとりがあって, 失 敗 したり, 試 行 錯 誤 したりして 回 り 道 を 10

しながらも 結 論 を 導 き 出 していくという 体 験 的 な 学 びは, 真 に 子 どもたちに 対 して 共 感 的 な 理 解 を 深 めていくために 必 要 不 可 欠 なものだと 考 えています 以 上,これからの 幼 児 教 育 について, 主 として 幼 保 一 体 化 教 育 を 取 り 上 げて 議 論 してきましたが, 今 後 この 一 体 化 教 育 への 取 り 組 みは 一 層 加 速 するものと 考 えています この 動 きを 的 確 に, 素 早 く 対 応 し,よりよい 人 材 を 社 会 に 送 り 出 していく 体 制 作 りが 重 要 なポイントになると 思 われます 11