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第 28 回 国 立 大 学 日 本 語 教 育 研 究 協 議 会 報 告 2013 年 5 月 24 日 ( 金 )に 第 28 回 国 立 大 学 日 本 語 教 育 研 究 協 議 会 が 東 京 海 洋 大 学 で 開 催 されました 当 日 の 協 議 会 について 情 報 共 有 セッション 分 科 会 総 合 討 議 を 中 心 にご 報 告 します 1. 日 時 :2013 年 5 月 24 日 ( 金 ) 15:00~19:00 2. 場 所 : 東 京 海 洋 大 学 品 川 キャンパス 楽 水 会 館 3. 開 会 及 び 来 賓 挨 拶 総 合 司 会 : 鹿 嶋 彰 ( 弘 前 大 学 ) (1) 代 表 理 事 挨 拶 砂 川 裕 一 ( 群 馬 大 学 ) (2) 来 賓 挨 拶 留 学 生 政 策 の 現 状 と 展 望 長 川 英 樹 氏 ( 文 部 科 学 省 高 等 教 育 局 学 生 留 学 生 課 留 学 生 交 流 室 外 国 人 学 生 指 導 専 門 官 ) 文 化 庁 における 日 本 語 教 育 施 策 増 田 麻 美 子 氏 ( 文 化 庁 文 化 部 国 語 課 日 本 語 教 育 専 門 職 ) 4. 情 報 共 有 セッション 司 会 : 菊 地 康 人 ( 東 京 大 学 ) 記 録 : 大 石 寧 子 ( 徳 島 大 学 ) テーマ 日 本 語 教 育 のカリキュラム 改 革 -ニーズ 変 化 や 運 営 面 の 観 点 から- [ 話 題 提 供 ] 俵 山 雄 司 氏 ( 群 馬 大 学 ) 小 野 正 樹 氏 ( 筑 波 大 学 ) 庵 功 雄 ( 一 橋 大 学 ) 3 大 学 からテーマに 基 づいて 話 題 提 供 が 行 われた 以 下 大 学 ごとにまとめて 報 告 する (1) 群 馬 大 学 群 馬 大 学 は 県 内 の 3 都 市 に 4 キャンパスがあり そのうち 2 キャンパスはなんとか 行 き 来 ができるも のの 他 は 離 れているため 3 キャンパス( 荒 牧 昭 和 桐 生 )それぞれに 日 本 語 コースが 設 置 されて いる 留 学 生 数 は 261 名 (2012 年 11 月 現 在 )で 学 部 45% 大 学 院 生 55%となり 所 属 は 理 工 学 部 が 国 籍 は 中 国 がトップとなる 各 キャンパスの 留 学 生 をめぐる 状 況 の 変 化 に 伴 い 日 本 語 教 育 のカリキュラム 運 営 も 変 化 が 生 じてい る 1 荒 牧 キャンパスでは 従 来 の 補 講 コースは 2000 年 代 初 めに 非 開 講 となったが 現 在 は 教 育 学 部 の 求 めに 応 じ 教 育 学 部 科 目 として 年 4 コマ 提 供 予 備 教 育 P1 コース( 中 上 級 )は 日 韓 理 工 系 学 部 留 学 生 の 受 け 入 れ 減 少 に 伴 い 交 換 留 学 生 を 対 象 として 運 営 また 予 備 教 育 P2 コース( 初 級 )は 民 間 の 日 本 語 学 校 に 委 託 したこともあったが 学 部 レベル 中 国 人 中 心 の 日 本 語 学 校 の 環 境 が 大 学 院 レ ベル 多 国 籍 の 国 費 学 生 には 合 わず 現 在 は 大 学 実 施 に 戻 った 国 費 学 生 が 少 ないため 他 キャンパスの 補 講 に 乗 り 入 れるなど 工 夫 し 運 営 している 2 昭 和 キャンパスは クラス 数 に 減 少 の 傾 向 が 見 られ 現 在 は 初 級 中 心 に 年 12 コマで 運 営 している 3 桐 生 キャンパスは アジア 人 財 資 金 構 想 事 業 により 専 任 が 常 駐 するようになったことで コマ 数 が 半 期 7 コマから 21 コマに 増 加 し 学 習 者 数 も 2~3 倍 に 増 加 した 現 在 は 事 業 終 了 により 半 期 週 15 コマで 運 営 している また 日 本 での 就 職 を 目 指 す 留 学 生 の 増 加 や 工 学 部 の 交 換 留 学 生 の 増 加 に 伴 い 留 学 生 の 日 本 語 学 習 ニーズに 高 まりがみられる 一 方 で 大 学 上 層 部 は 日 本 人 学 生 の 英 語 圏 への 送 り 出 し 増 加 を 図 ってい るため 先 方 のニーズ( 短 期 プログラムへの 学 生 派 遣 )にも 応 える 必 要 が 出 てきており 短 期 プログラムの 1

常 設 化 が 検 討 されている (2) 一 橋 大 学 はじめに この 報 告 は 一 橋 大 学 の 事 案 としてではなく 留 学 生 センター 一 般 に 関 するものとしてのも のである 近 年 大 学 の 国 際 化 に 伴 い 留 学 生 センターの 仕 事 の 増 加 がみられる それをどう 受 け 止 め 留 学 生 セ ンターが 専 門 教 育 をどのように 管 理 し 生 き 残 っていくかが 課 題 となる 留 学 生 センターは 10 万 人 構 想 の 下 設 置 されたが 近 年 は 国 の 政 策 の 変 化 に 伴 い 改 組 し 名 称 を 変 更 したセンターが 多 い 日 本 への 留 学 生 の 伸 び 悩 みに 対 し 英 語 での 授 業 を 提 供 し 英 語 のみで 留 学 が 終 えられるコースの 設 立 という 流 れが 出 てきて 東 大 の 秋 入 学 検 討 など 欧 米 の 意 識 に 合 わせようという 考 えも 見 られるように なってきた この 英 語 重 視 の 中 で 留 学 生 センターはどのように 行 動 していくべきか 現 状 は 日 本 人 学 生 の 送 り 出 しの 交 換 条 件 として 留 学 生 受 け 入 れを 行 っていて 派 遣 業 務 も 留 学 生 センターが 行 っている 従 来 協 定 校 からの 留 学 生 は 日 本 語 を 使 ったアカデミックキャリアを 目 指 す 学 生 がメインであった が 昨 今 そうでない 学 生 が 対 象 となってきていて サバイバルジャパニーズ 化 の 傾 向 がみられ 日 本 語 学 校 との 差 別 化 の 必 要 性 が 出 てきた アカデミックキャリアや 日 系 企 業 就 職 を 目 指 さない 学 生 を 相 手 にも 成 果 を 上 げなければならない 留 学 生 センターの 存 在 を 示 すことが 難 しくなってきている 今 何 をなすべきか 専 門 日 本 語 教 育 機 関 として 大 学 に 認 識 させなければ 存 続 は 難 しい そのために1 日 本 語 で 英 語 とそれほど 変 わらない 速 さ で 専 門 教 育 が 受 けられるようにできることを 証 明 する 例 えば 500 時 間 で 上 級 へ 行 けるよう 到 達 可 能 な シラバス システム 教 材 を 作 る 2 初 級 修 了 程 度 (より 上 級 の 日 本 語 力 があればより 望 ましい)の 日 本 語 能 力 で 来 日 した 学 生 が 一 定 の 達 成 感 を 持 って 帰 国 できるシラバスと 教 材 を 作 成 し 帰 国 後 も 日 本 で 習 得 した 日 本 語 力 を 維 持 できるシステム(e-ラーニングなど)を 作 る このようなことをしなければ 留 学 生 センターは 力 を 失 うであろう (3) 筑 波 大 学 筑 波 大 学 の 現 状 は 現 在 も 留 学 生 センターの 名 称 のままで 1キャンパスである 昨 今 日 本 人 学 生 の 派 遣 に 力 を 入 れ 始 め 新 たな 日 本 語 教 員 募 集 に 関 しても 日 本 語 教 育 と 派 遣 や 相 談 業 務 という 複 数 の 条 件 が 付 くこともある また 事 務 組 織 としては 国 際 部 交 流 課 があるが 課 の 中 に 日 本 語 科 目 等 の 受 講 管 理 を している 教 育 支 援 組 織 がなく 学 務 的 な 運 営 は 難 しかった 全 留 学 生 の 約 1/3 強 が 日 本 語 学 習 を 希 望 したが 本 年 度 春 学 期 は 1/4 強 程 度 の 補 講 対 象 者 415 名 短 期 留 学 生 76 名 となった 日 本 語 を 学 ぶ 主 な 留 学 生 は 正 規 学 部 生 学 部 短 期 留 学 生 正 規 大 学 院 生 大 学 院 研 究 生 大 学 院 短 期 研 究 生 予 備 教 育 学 生 で 研 究 生 より 正 規 大 学 院 生 が 多 いのが 現 状 である これは G30 などの 英 語 カリキュラムや 入 試 に 英 語 科 目 が 充 実 した 反 面 入 学 後 に 不 便 さから 日 本 語 の 学 習 が 必 要 になったからであろう 本 年 度 よりの 変 更 は 以 下 の 4 点 である 1 全 学 の 学 年 歴 の 変 更 に 伴 い 従 来 の 3 学 期 を 廃 止 し 春 学 期 秋 学 期 の 各 15 週 としたこと( 正 確 には 春 abc 秋 abc とし 5 週 を1ユニットとしている) 2 単 位 提 供 科 目 と 単 位 無 科 目 の 差 別 化 をしたこと 3 受 講 管 理 成 績 管 理 を 従 来 の 留 学 生 センターから 大 学 本 部 の 統 一 システムに 移 行 したこと 4 目 的 別 クラス(キャリア 支 援 社 会 文 化 ) 科 目 の 新 設 に 取 り 組 んでいることである 2においては 全 学 の 授 業 の 中 で 留 学 生 センターが 開 講 したい 授 業 がどのように 位 置 づけられるか 全 学 の 授 業 の 中 での 位 置 づけ 等 留 学 生 センター 以 外 の 教 員 に 認 識 をもってもらうことは 課 題 である 3 2

に 関 しては 一 教 員 による 受 講 成 績 管 理 の 過 度 の 負 担 やセキュリティの 観 点 から 管 理 を 大 学 本 部 に 移 行 することにしたが センター 独 自 のレベルを 大 学 のレベルにのせるための 工 夫 が 必 要 となった ま た 専 門 科 目 への 参 加 と 異 なり 日 本 語 教 育 では 留 学 生 来 日 後 プレイスメントテストを 実 施 し 適 切 なク ラスに 分 けているので 1 週 間 程 度 全 学 カレンダーより 必 要 でこのタイムラグが 問 題 となることを 大 学 本 部 に 理 解 してもらうなどの 働 きかけが 求 められた こうした 対 応 は 教 員 のみでは 難 しいため 今 期 より 事 務 担 当 者 を 1 名 配 置 してもらった 4においては 授 業 の 有 効 性 の 工 夫 や 少 人 数 対 策 のためデザインの 必 要 やキャリア 支 援 として 日 本 語 教 育 専 門 家 以 外 による 授 業 の 開 講 や 日 本 社 会 の 大 切 さを 考 え 社 会 文 化 クラスの 開 設 を 今 期 より 行 った 以 上 3 件 の 話 題 提 供 後 単 位 認 定 や 日 本 語 教 育 の 重 要 性 に 関 し 活 発 に 質 疑 応 答 がなされた 5. 分 科 会 (3 分 科 会 ) (1) 分 科 会 1 司 会 : 鹿 嶋 彰 ( 弘 前 大 学 ) 記 録 : 松 岡 洋 子 ( 岩 手 大 学 ) テーマ 大 学 の 留 学 生 獲 得 戦 略 の 視 点 から 見 た 日 本 語 教 育 のあり 方 留 学 生 数 の 少 ない 大 学 を 中 心 に 話 題 提 供 : 牲 川 波 都 季 氏 ( 秋 田 大 学 ) 長 谷 川 ユリ 氏 ( 大 阪 教 育 大 学 ) 分 科 会 1では 留 学 生 数 の 少 ない 大 学 における 日 本 語 教 育 のあり 方 について 秋 田 大 学 及 び 大 阪 教 育 大 学 の 事 例 が 紹 介 され 質 疑 応 答 が 行 われた まず 牲 川 波 都 季 氏 より 秋 田 大 学 の 例 が 紹 介 された 秋 田 大 学 では 2008 年 に 省 令 センターではなく 学 内 措 置 として 国 際 交 流 センターが 設 置 され 5 カ 年 計 画 で 留 学 生 受 け 入 れ 200 名 という 達 成 目 標 を 掲 げたところ 順 調 に 増 加 し 2012 年 10 月 に 200 名 を 超 えた 内 訳 としては 正 規 留 学 生 ( 学 部 大 学 院 )が 倍 増 非 正 規 生 は 2.5 倍 増 となっている 2013 年 4 月 現 在 センターの 専 任 教 員 は 3 名 で 日 本 語 のクラスは 初 級 から 上 級 までの 5 レベルにわ たり 各 レベル 5~6 コマを 開 講 している( 技 能 別 授 業 も 開 講 ) 交 換 留 学 生 の 要 望 に 対 応 し 複 数 レベ ルの 同 時 受 講 が 可 能 なカリキュラムを 組 んでいる 短 期 プログラムのうち 主 に 日 本 語 能 力 の 低 い 交 換 留 学 生 を 対 象 とした 秋 田 大 学 国 際 交 流 体 験 プログラム では 日 本 語 と 英 語 による 科 目 ( 一 部 学 部 の 授 業 も 利 用 )でプログラムを 組 んでおり JASSO の 奨 学 金 (プログラム 枠 )を 2010 年 より 獲 得 してい る 短 期 プログラムによる 留 学 生 受 入 れは 15 カ 国 地 域 から 20 カ 国 地 域 に 拡 大 し 派 遣 学 生 も 4 人 から 13 人 に 拡 大 している 2013 年 度 からは アカデミックジャパニーズプログラム を 開 始 し 日 本 語 能 力 試 験 N2 取 得 以 上 (2014 年 からは N1 以 上 )が 参 加 できるプログラムを 設 置 した このプログラ ムは 日 本 語 を 学 習 する 優 秀 な 学 生 に 奨 学 金 を 与 え 留 学 生 の 質 の 向 上 を 戦 略 的 に 目 指 したもので 新 た に JASSO の 奨 学 金 枠 を 獲 得 した 秋 田 大 学 の 課 題 としては 交 換 留 学 の 受 け 入 れと 派 遣 のバランスが 取 れない( 人 数 は 受 け 入 れ 過 多, 地 域 については 受 け 入 れはアジア 圏 が 多 く 派 遣 は 英 語 圏 が 多 い 等 )ことや 交 換 留 学 生 の 受 け 入 れに あたり 受 け 入 れ 学 部 の 理 解 を 得 ることが 難 しい 等 の 点 が 挙 げられた 質 疑 応 答 の 際 にも 交 換 留 学 生 は 学 部 に 所 属 しているが 実 質 的 な 指 導 や 支 援 は 主 にセンターが 担 当 しているという 現 状 と しかし 二 つの 組 織 が 協 力 して 支 援 していくことが 全 学 的 な 国 際 化 には 不 可 欠 との 意 見 が 紹 介 された 留 学 生 受 け 入 れの 目 標 については 最 初 に 数 値 ありきではなく 実 質 的 な 目 標 をより 明 確 にし 全 学 に 理 解 が 得 ら れる 留 学 生 受 け 入 れの 意 義 が 文 科 省 等 から 説 明 されるべきではないかという 意 見 が 出 された 次 に 大 阪 教 育 大 学 の 長 谷 川 ユリ 氏 より 大 阪 教 育 大 学 の 事 例 が 紹 介 された 3

大 阪 教 育 大 学 では 1989 年 に 省 令 センターではなく 学 内 措 置 として 留 学 生 指 導 センター が 設 置 され 2004 年 に 留 学 生 センター に 改 称 2008 年 に 国 際 センター に 改 組 され 国 際 教 育 部 門 3 名 ( 旧 留 学 生 センター の 業 務 )と 国 際 事 業 部 門 2 名 ( 協 定 学 術 研 究 交 流 関 係 業 務 )が 所 属 して いる 専 任 教 員 5 名 のうち 日 本 語 教 育 専 門 の 教 員 は 1 名 だけだが 全 員 が 留 学 生 のための 授 業 を 担 当 している センター 教 員 も 交 換 留 学 生 等 の 受 入 れ 教 員 となっている 点 が 特 徴 である また 事 務 組 織 と しては 国 際 係 4 名 のうち 1 名 は 英 語 ができる 特 命 職 員 が 配 置 されている 2008 年 まで 減 少 を 続 けて いた 留 学 生 数 が 2013 年 には 約 1.5 倍 に 増 加 した また 韓 国 台 湾 の 教 員 養 成 大 学 との 協 定 が 拡 大 し 協 定 校 数 は 5 年 前 に 比 べて 約 1.7 倍 に 増 えている 学 内 の 留 学 生 寮 以 外 に UR 都 市 機 構 と 提 携 し 大 学 が 賃 料 を 一 部 負 担 することにより 格 安 で 宿 舎 を 提 供 するなど 留 学 生 数 の 増 加 に 対 応 している また 日 研 生 交 換 留 学 生 向 けに 日 本 文 化 研 究 大 阪 の 文 化 日 本 の 伝 統 文 化 等 を 開 講 し 交 換 留 学 生 のための 英 語 による 授 業 や 初 級 日 本 語 の 単 位 化 見 学 旅 行 の 教 育 プログラムとしての 位 置 づけなど 教 育 内 容 の 充 実 をはかっている さらに 正 規 留 学 生 向 けの 就 職 支 援 セミナーを 実 施 し 卒 業 後 も 視 野 に 入 れた 支 援 体 制 の 強 化 もめざしている ダブルディグリーの 導 入 教 育 実 習 を 中 心 とした 短 期 受 入 れプ ログラムの 実 施 等 プログラムの 多 様 化 も 進 めている 大 阪 教 育 大 学 の 課 題 としては 協 定 校 の 拡 大 により 日 本 語 力 不 足 の 学 生 を 受 入 れざるを 得 なくなった が 初 級 レベルの 授 業 数 が 不 足 していることが 挙 げられる また 日 本 語 以 外 の 専 門 の 交 換 留 学 生 で 専 門 科 目 を 日 本 語 で 理 解 することを 目 指 していない 学 生 英 語 で 修 了 レポートを 書 く 学 生 も 存 在 し こ のような 学 生 に 対 する 日 本 語 教 育 や 専 門 教 育 のあり 方 も 問 題 となっている 数 週 間 の 短 期 受 入 れの 場 合 日 本 語 が 不 要 だと 考 えるケースもあり 日 本 語 教 育 の 意 味 が 問 い 直 されている 質 疑 応 答 では 交 換 留 学 生 の 受 入 れ 担 当 教 員 やセンターの 授 業 の 単 位 化 についての 質 問 が 出 された (2) 分 科 会 2 司 会 : 村 岡 貴 子 ( 大 阪 大 学 ) 記 録 : 三 浦 香 苗 ( 金 沢 大 学 ) テーマ 日 本 語 教 育 に 関 する 研 究 と 教 育 実 践 の よい 循 環 を 考 える 話 題 提 供 : 石 黒 圭 氏 ( 一 橋 大 学 ) 桑 原 陽 子 氏 ( 福 井 大 学 ) 分 科 会 2では 日 本 語 教 育 に 関 する 研 究 と 教 育 実 践 のよい 循 環 をテーマに 桑 原 陽 子 氏 ( 福 井 大 学 ) と 石 黒 圭 氏 ( 一 橋 大 学 )の 事 例 が 紹 介 され その 後 質 疑 応 答 が 行 われた 桑 原 氏 からは 非 漢 字 系 中 上 級 学 習 者 対 象 の 漢 字 の 意 味 推 測 方 略 調 査 を 実 践 に 生 かす という 題 で 話 題 提 供 があった 桑 原 氏 は 漢 字 系 学 習 者 が 多 く 非 漢 字 系 学 習 者 が 少 ない 上 級 読 解 クラスにおいて 辞 書 に 頼 りがち な 非 漢 字 系 学 習 者 に 対 し 漢 字 二 字 熟 語 の 意 味 推 測 を 促 し それを 学 習 者 どうしで 話 し 合 うタスクを 課 した すると 非 漢 字 系 学 習 者 は 漢 字 系 学 習 者 との 共 同 作 業 によって 意 味 推 測 のストラテジーを 身 につけることができ 同 時 に 非 漢 字 系 学 習 者 漢 字 系 学 習 者 双 方 の 漢 字 の 意 味 推 測 の 方 法 が 教 師 の 目 に 可 視 化 されることになった この 教 育 実 践 をきっかけに 桑 原 氏 は 調 査 を 重 ね 意 味 を 推 測 する 方 略 の 調 査 を 個 別 インタビュー 形 式 で 行 ったところ 漢 字 系 学 習 者 非 漢 字 系 学 習 者 の 語 構 成 に 関 する 知 識 の 偏 りや 構 文 や 文 脈 情 報 の 利 用 の 重 要 性 などが 明 らかになった 桑 原 氏 は 今 後 この 調 査 結 果 をさらに 詳 しく 分 析 考 察 し その 成 果 を 学 会 などで 公 表 するとともに 上 級 学 習 者 だけでなく 初 中 級 学 習 者 に 対 しても 有 効 な 意 味 推 測 の 方 法 論 を 考 え それを 教 室 のなかで 実 践 していく 予 定 だということである 一 方 石 黒 氏 からは 日 本 語 教 育 に 関 する 研 究 と 教 育 実 践 の よい 循 環 を 考 えるうえで 大 切 なこと 4

として 1 何 事 にも 興 味 を 持 って 接 する 好 奇 心 (ヒントは 身 近 なところに 転 がっている) 2 転 んでも ただでは 起 きない 執 念 ( もったいない が 研 究 の 萌 芽 になる)という 二 つが 示 され その 具 体 例 とし て 以 下 の 三 つの 内 容 が 紹 介 された 一 つ 目 は 専 門 日 本 語 教 育 研 究 と 教 育 実 践 の よい 循 環 である 一 橋 大 学 の 学 部 研 究 科 の 社 会 科 学 の 専 門 日 本 語 教 育 に 巻 き 込 まれたことにより 社 会 科 学 の5 領 域 ( 商 学 経 済 学 法 学 社 会 学 国 際 関 係 学 )のコーパスを 構 築 し それに 基 づく 教 材 開 発 を 行 ったところ その 教 材 の 評 価 が 高 く 市 販 教 材 の 企 画 へと 発 展 したそうである 二 つ 目 は 大 学 院 生 の 日 本 語 教 育 研 究 と 教 育 実 践 の よい 循 環 である 石 黒 氏 は 一 橋 大 学 の 言 語 社 会 研 究 科 で 大 学 院 生 指 導 に 携 わるなかで キャンパス 言 葉 や 若 者 雑 誌 パソコンゲームの 表 現 に 詳 しくなった そして そうした 内 容 を 日 本 語 教 育 の 教 室 で 紹 介 したところ 留 学 生 が 興 味 を 示 し 教 育 効 果 が 高 まったということであった 三 つ 目 は 日 々の 教 育 実 践 と 日 本 語 教 育 方 法 研 究 の よい 循 環 である 授 業 が 終 わったあと 講 師 室 に 教 員 が 集 まり 雑 談 していたところ 互 いの 教 育 実 践 のノウハウが 自 然 と 共 有 され それが 市 販 教 材 に 結 実 していったという 事 例 が 紹 介 された その 後 のディスカッションでは フロアからの 質 問 に 基 づいて 活 発 な 議 論 が 行 われた 桑 原 氏 の 発 表 については 非 漢 字 系 学 習 者 漢 字 系 学 習 者 の 二 字 漢 語 の 意 味 推 測 の 具 体 的 な 事 例 や 初 中 級 学 習 者 に 対 する 導 入 の 方 法 などが 詳 しく 紹 介 された また 石 黒 氏 の 発 表 については 成 果 物 を 市 販 化 するため の 問 題 点 や 教 材 作 成 に 対 して 非 常 勤 講 師 が 関 わった 場 合 の 謝 金 の 支 払 い 方 法 などをめぐって 有 用 な 情 報 交 換 がなされた (3) 分 科 会 3 司 会 : 池 田 玲 子 ( 東 京 海 洋 大 学 ) 記 録 : 難 波 康 治 ( 大 阪 大 学 ) テーマ 大 学 教 育 のグローバル 化 と 日 本 語 教 育 日 本 語 教 員 話 題 提 供 : 大 島 弥 生 氏 ( 東 京 海 洋 大 学 ) 太 田 亨 氏 ( 金 沢 大 学 ) 分 科 会 3では 大 学 教 育 のグローバル 化 と 日 本 語 教 育 日 本 語 教 員 をテーマに 東 京 海 洋 大 学 と 金 沢 大 学 の 事 例 が 紹 介 され 質 疑 応 答 が 行 われた まず 大 島 弥 生 氏 より 東 京 海 洋 大 学 の 例 が 紹 介 された 東 京 海 洋 大 学 では 文 科 省 の グローバル 人 材 育 成 プログラム に 採 用 され 学 生 の 英 語 力 向 上 をめ ざす 試 みがなされている 海 洋 科 学 部 では 4 年 への 進 級 要 件 として TOEIC 600 点 を 課 すことになった (TOEIC 対 策 の 授 業 を 行 っている) また 3 4 年 でインターンシップを 行 っている 一 方 大 学 院 前 期 は 完 全 英 語 化 を 目 指 し 5 年 後 に8 割 の 授 業 を 英 語 化 することを 目 指 している この 背 景 とし て 理 系 の 教 員 は 海 外 留 学 経 験 者 が 多 いということが 挙 げられるが 専 攻 によって 温 度 差 もある また 留 学 生 獲 得 も 目 標 であるが 留 学 生 が 増 えているのは 英 語 コースである 東 京 海 洋 大 学 の 留 学 生 は 院 生 が 中 心 で 全 220 名 前 後 の 留 学 生 のうち 学 部 留 学 生 数 は 30 名 弱 程 度 と 少 ない 院 生 の 日 本 語 へのニーズはもともとあまり 高 くないという それには 学 生 が 実 験 実 習 等 で 多 忙 だということに 加 え 都 心 部 なので 英 語 で 生 活 が 可 能 であることが 背 景 としてある 日 本 語 教 育 は 学 部 生 対 象 が 中 心 で 品 川 キャンパスでは 学 部 留 学 生 対 象 週 6コマ 院 生 短 期 対 象 週 8コマを 設 けている 取 り 組 みとしては 日 本 語 の 必 要 度 を 初 級 ( 研 究 生 活 は 英 語 日 本 語 は 生 活 サバイバルレ ベル) 中 級 ( 論 文 読 み 書 きはほとんど 英 語 日 本 語 中 級 以 上 になるメリットを 自 覚 ) 上 級 (N1 が 就 職 には 必 須 論 文 読 み 書 きも 日 本 語 ) の3 層 にわけ それに 応 じた 日 本 語 カリキュラムを 検 討 し ている 5

その 後 の 質 疑 応 答 では グローバル 化 により 日 本 語 の 相 対 的 な 必 要 度 が 低 下 していることが 指 摘 され また 日 本 が 留 学 の 対 象 とはなりにくくなっている 現 状 も 指 摘 された 日 本 を 経 由 して 米 国 など 第 3 国 への 留 学 を 目 指 す 留 学 生 もいるとのことである 一 方 留 学 生 が 多 く 国 際 競 争 力 のある 研 究 室 の 日 本 人 学 生 は 英 語 ができるため 留 学 生 の 日 本 語 のニーズが 低 いという 指 摘 もあった 留 学 生 を 引 き 止 める 策 として 学 生 のキャリアのスパンを 考 えて 日 本 語 教 育 を 行 うことが 必 要 だという 意 見 があった また 金 沢 大 学 では 2012 年 度 より 機 構 改 革 が 行 われ 留 学 生 センターは 3つの 新 機 構 ( 国 際 戦 略 室 インターナショナルオフィス 留 学 生 センター)の 中 に 組 み 込 まれ 実 質 上 はもとの 形 を 保 ってい るものの 正 式 な 名 称 としては 存 在 しなくなった 大 学 の 国 際 化 戦 略 としては アクションプラン と 強 化 プラン が 先 行 しており 日 本 人 学 生 の 送 り 出 しを 強 化 することに 重 点 が 置 かれている その 一 方 で 協 定 校 からの 留 学 生 受 け 入 れ 要 求 もある 問 題 点 として 日 本 語 教 育 も 大 学 の 戦 略 にしたがって 変 化 してきており JASSO の SS プログラムや アジア 人 財 なども 加 わり 複 雑 化 していること 全 学 向 けビジネス 日 本 語 講 座 を 開 講 したところ 正 規 生 よりも 短 期 留 学 生 などの 非 正 規 生 の 受 講 が 増 加 したり 留 学 生 用 の 文 化 社 会 体 験 授 業 を 日 本 人 学 生 にも 開 放 し 共 学 を 目 指 したところ 留 学 生 枠 が 圧 迫 されるようになったりするなど 思 惑 と 違 った 状 態 になってきていること が 指 摘 された 今 後 の 課 題 としては 上 層 部 とも 話 ができるような 関 係 をつくること マンパワーに 限 りがあるので 実 現 可 能 なこととそうではないことを 峻 別 する 必 要 があること( 例 えば 文 化 社 会 体 験 授 業 では 日 本 人 参 加 者 が 増 えているにも 関 わらず 留 学 生 センターが 経 費 負 担 しているなど) さらには 連 携 を 必 要 とする 場 合 には メールではなく 顔 を 合 わせることが 必 要 であることが 報 告 された 6. 全 体 協 議 国 日 協 の 課 題 と 将 来 構 想 司 会 : 石 黒 圭 ( 一 橋 大 学 ) 記 録 : 衣 川 隆 生 ( 名 古 屋 大 学 ) 分 科 会 終 了 後 全 体 協 議 が 行 われた まず 三 つの 分 科 会 における 話 題 提 供 者 からの 報 告 や 質 疑 応 答 などの 様 子 について 各 分 科 会 より 報 告 がなされた その 後 質 疑 応 答 や 情 報 交 換 が 行 われた 留 学 生 センターなど 留 学 生 日 本 語 教 育 担 当 部 局 と 他 部 局 との 連 携 の 事 例 紹 介 センター 教 員 が 短 期 留 学 プログ ラムで 渡 日 する 留 学 生 の 指 導 教 員 となりうるかどうかについての 情 報 交 換 教 材 開 発 等 に 伴 う 経 費 の 支 弁 の 方 法 宿 舎 を 増 やす 場 合 の 支 弁 の 方 法 についての 情 報 交 換 が 行 われた 大 学 によって 受 け 入 れの 方 法 や 経 費 の 支 弁 の 方 針 は 異 なるため この 場 で 共 有 された 有 用 な 情 報 を 持 ち 帰 り それぞれの 交 渉 の 材 料 にすることも 可 能 ではないかという 意 見 が 出 された ********************************************* 総 会 報 告 協 議 会 に 引 き 続 き 総 会 が 開 催 された 議 事 内 容 は 以 下 の 通 り 1.2012 年 度 決 算 報 告 および 2013 年 度 予 算 案 について 会 計 担 当 より 報 告 及 び 提 案 があり 原 案 通 り 承 認 された 2. 2014 年 度 協 議 会 の 日 程 会 場 および 内 容 について 以 下 の 日 程 場 所 で 開 催 することが 承 認 された 日 程 :2014 年 5 月 30 日 ( 金 )* 予 定 ( 日 本 語 教 育 学 会 春 季 大 会 前 日 ) 6

場 所 : 東 京 海 洋 大 学 3. 理 事 の 任 期 短 縮 について < 提 案 > 規 約 改 定 : 理 事 の 任 期 を 現 行 の 3 年 から 2 年 に 短 縮 する < 理 由 > 現 在 の 1 期 3 年 間 は 理 事 の 負 担 が 大 きい 慣 例 により 2 期 で 改 選 しているが 6 年 間 の 任 期 は 長 すぎる 質 疑 を 経 て 賛 成 多 数 で 改 定 が 承 認 された 本 日 の 承 認 を 経 て Web 情 報 も 改 定 する 7