平 成 24 年 5 月 発 行 第 16 号 (1) 普 及 だ よ り 編 集 発 行 鹿 屋 市 打 馬 2 丁 目 16-6 大 隅 地 域 振 興 局 農 林 水 産 部 農 政 普 及 課 TEL:0994-52-2145 肝 属 地 域 農 業 改 良 普 及 事 業 協 議 会 FAX:0994-52-2147 ホームページ http://www.pref.kagoshima.jp/chiiki/osumi/index.html < 平 成 24 年 度 普 及 活 動 の 方 針 について> 平 成 24 年 度 の 普 及 活 動 の 実 施 に 当 たっては, 肝 属 地 域 の 農 業 振 興 上 の 課 題 や 農 政 の 課 題, 方 針 を 踏 まえ,また 農 業 者 や 関 係 機 関 団 体 と 連 携 を 図 り, 計 画 的 かつ 重 点 的 に 次 のとおり 普 及 活 動 を 進 めます 1 肝 属 地 域 農 業 の 発 展 を 支 える 担 い 手 づくり 地 域 農 業 を 担 う 人 材 等 の 育 成 のために, 認 定 農 業 者 及 びその 志 向 農 家, 集 落 営 農 組 織 等 の 担 い 手 を 対 象 に 技 術 経 営 の 改 善 支 援 を 行 い, 経 営 感 覚 に 優 れた 経 営 体 を 育 成 支 援 します また, 農 業 農 村 振 興 活 動 に 積 極 的 に 参 画 する 女 性 の 能 力 向 上 を 図 り ます また, 青 年 農 業 者 に 対 する 経 営 技 術 習 得 の 支 援 や 組 織 活 動, プロジェクト 活 動 の 支 援 を 進 め, 将 来 の 地 域 農 業 の 担 い 手 とし ての 自 覚 を 促 進 し, 農 業 者 としての 資 質 向 上 を 図 ります 指 導 農 業 士 女 性 農 業 経 営 士 による 新 規 就 農 者 巡 回 支 援 2 環 境 と 調 和 した 付 加 価 値 の 高 い 農 業 を 実 現 する 産 地 づくり 野 菜, 畜 産, 茶, 果 樹, 花 き 等 の 品 目 について, 試 験 研 究 で 開 発 された 技 術, 現 地 で 実 証 された 技 術 及 び 畑 かん 技 術 等 の 高 度 かつ 多 様 な 技 術 を 組 み 合 わせた 技 術 の 確 立 普 及 を 図 ります また, 安 心 安 全 な 農 畜 産 物 生 産 推 進 のために, 耕 畜 連 携, かごしまの 農 林 水 産 物 認 証 制 度 等 への 取 組 を 推 進 します 同 時 に, 農 畜 産 物 の 高 付 加 価 値 化 を 推 進 し, 消 費 者 の 多 様 な ニーズに 応 えられる 競 争 力 のある 産 地 づくりを 推 進 します 全 国 システム 化 研 究 会 IPM 実 証 現 地 検 討 会 3 地 域 の 特 色 を 生 かした 地 域 営 農 の 仕 組 みづくり 地 域 内 の 実 情 に 応 じた 労 働 力 の 補 完 システムとしての 営 農 組 織 の 育 成, 営 農 ビジョンの 作 成 支 援 等, 地 域 営 農 の 仕 組 みづくり を 支 援 します 併 せて, 地 産 地 消 を 基 本 とした 地 域 作 りを 展 開 します また, 地 域 営 農 の 基 幹 となる 作 物 の 振 興 は, 新 品 種 の 導 入 や 水 稲 畑 作 物 の 品 質 収 量 向 上 等 に 向 けた 取 組 を 進 めます 地 域 の 子 供 達 参 加 のソバ 収 穫 体 験 ( 丸 峯 )
(2) 第 16 号 平 成 24 年 5 月 発 行 < 指 導 農 業 士 女 性 農 業 経 営 士 青 年 農 業 士 認 定 者 の 紹 介 > 指 導 農 業 士 女 性 農 業 経 営 士 優 れた 農 業 経 営 を 実 践 し, 青 年 農 業 者 育 成 に 対 する 熱 意 と 指 導 力 があり, 地 域 の 中 でも 活 躍 されている 農 業 者 と して, 宮 迫 さんが 指 導 農 業 士 として 認 定 されました 宮 迫 敏 治 さん ( 垂 水 市 施 設 野 菜 ) 青 年 農 業 士 武 田 裕 史 さん ( 肝 付 町 施 設 野 菜 ) 笹 原 幸 子 さん ( 錦 江 町 露 地 野 菜 ) 市 村 弘 至 さん ( 東 串 良 町 施 設 野 菜 ) 農 業 経 営 に 積 極 的 に 参 画 し, 農 業 生 活 農 業 経 営 の 改 善 及 び 地 域 農 業 の 課 題 解 決 に 積 極 的 に 取 り 組 まれている 笹 原 さんが 女 性 農 業 経 営 士 として 認 定 さ れました 武 田 さんは カラーピーマン 栽 培 にお ける 労 働 時 間 の 把 握, 市 村 さんは 促 成 ピーマンにおける 天 敵 導 入 を 主 体 とした IPMの 実 証 をテーマにプロジェクト 活 動 に 取 り 組 まれ, 完 成 させました また, 青 年 農 業 士 取 得 に 関 する 一 定 の 研 修 を 終 え, 平 成 23 年 度 に 青 年 農 業 士 として 認 定 されました 今 後 は, 地 域 のリーダーとして 期 待 さ れるところです 表 彰 県 フラワーコンテスト 農 林 水 産 大 臣 賞 授 与 式 ( 福 重 さん: 中 央 ) 受 賞 おめでとうございます 平 成 24 年 2 月 8 日,かごしま 県 民 交 流 センターにて 平 成 23 年 度 鹿 児 島 県 フラワーコンテストが 開 催 さ れ, 鹿 屋 市 輝 北 町 福 重 嘉 人 氏 (JA そお 鹿 児 島 )のスプレーギク ナボ ナ が 最 高 賞 の 農 林 水 産 大 臣 賞 を 受 賞 し, かごしまブランド 指 定 を 受 けた 産 地 にもう 一 つの 大 きな 花 を 添 えました なお, 福 重 さんの 受 賞 品 は 草 姿,ボリューム, 花 色, 揃 いなどが 審 査 員 から 高 い 評 価 を 得 ており, 市 場 や 実 需 者 へ JAそお 鹿 児 島 の 高 品 質 なキク を 強 く 印 象 付 けました
平 成 24 年 5 月 発 行 第 16 号 (3) < 平 成 23 年 度 鹿 児 島 県 青 年 農 業 者 会 議 の 報 告 > 中 野 さん 最 優 秀 賞 前 田 さん 優 秀 賞 鹿 児 島 県 内 若 手 農 業 者 による 県 青 年 農 業 者 会 議 が1 月 26 日 に 鹿 児 島 市 で 開 催 されました 課 題 解 決 に 取 り 組 む プロジェクト 発 表 では, 鹿 屋 市 吾 平 町 の 中 野 紘 平 さん(ほよし 耕 心 会 所 属 )が ヘルシーなミルクで 子 牛 発 育 改 善 に 挑 戦 との 題 名 で, 高 たんぱく 低 脂 肪 代 用 乳 のロボッ ト 給 与 と 消 毒 などの 総 合 的 な 改 善 で 子 牛 発 育 の 改 善 に 効 果 があっ 中 野 紘 平 さん: 前 列 右 から2 番 目 前 田 高 志 さん: 後 列 の 右 端 たことなどを 述 べられ, 見 事, 最 優 秀 賞 に 輝 きました また, 意 見 発 表 ( 輝 けトーク) では, 鹿 屋 市 の 前 田 高 志 さん( 串 良 町 4H クラブ 所 属 )が 環 境 にやさしい 農 業 経 営 を 目 指 して との 内 容 で, 野 菜 の 有 機 JAS 認 証 取 得 や 農 業 への 熱 い 思 いを 発 表 し, 優 秀 賞 を 受 賞 しました なお, 中 野 さんは, 今 夏, 熊 本 県 で 開 催 される 九 州 沖 縄 青 年 農 業 者 会 議 に, 県 代 表 として 出 場 されることになっています 青 年 の 就 農 意 欲 の 喚 起 と 就 農 後 の 定 着 を 図 るため, 就 農 前 の 研 修 期 間 及 び 経 営 が 不 安 定 な 就 農 直 後 の 所 得 を 確 保 する 青 年 就 農 給 付 金 を 支 給 する 制 度 が, 平 成 24 年 度 からスタートします 準 備 型 < 青 年 就 農 給 付 金 について> 就 農 に 向 けた 研 修 中 に, 最 長 2 年 間 支 給 給 付 額 150 万 円 / 年 ( 県 が 支 給 ) 給 付 要 件 農 業 大 学 校 等 の 研 修 施 設 や 先 進 農 家 等 で 研 修 を 受 けかつ, 以 下 の 全 要 件 を 満 たす 方 が 対 象 1 就 農 予 定 時 の 年 齢 が 原 則 45 歳 未 満 2 独 立 自 営 就 農 又 は 雇 用 就 農 ( 農 業 法 人 等 への)を 目 指 す 3 研 修 計 画 が 県 の 認 める 研 修 先 で 概 ね1 年 以 上 ( 概 ね1,200 時 間 / 年 以 上 ) 研 修 する 4 常 勤 の 雇 用 契 約 を 締 結 していない 5 生 活 費 を 支 給 する 国 の 他 の 事 業 と 重 複 受 給 でない 返 還 要 件 次 の 場 合, 給 付 金 は 全 額 返 還 1 適 切 な 研 修 を 行 っていない 2 研 修 終 了 後 1 年 以 内 に 独 立 自 営 就 農 又 は 雇 用 就 農 のいずれもしな かった 3 研 修 期 間 の1.5 倍 ( 最 低 2 年 ) 以 上 独 立 自 営 就 農 又 は 雇 用 就 農 を 継 続 しない 遡 及 措 置 既 に 研 修 を 開 始 している 方 でも, 残 りの 研 修 期 間 が1 年 以 上 の 場 合 は 給 付 対 象 となります 経 営 開 始 型 農 業 経 営 を 開 始 して 間 もない 時 期 に, 最 長 5 年 間 支 給 給 付 額 150 万 円 / 年 ( 市 町 村 が 支 給 ) 給 付 要 件 農 業 経 営 を 始 めてから 間 もない 方 で, 以 下 の 全 要 件 を 満 たす 方 が 対 象 1 独 立 自 営 就 農 時 の 年 齢 が 原 則 45 歳 未 満 2 独 立 自 営 就 農 3 経 営 開 始 計 画 が 独 立 自 営 就 農 5 年 後 には 農 業 で 生 計 が 成 り 立 つ 実 現 可 能 な 内 容 4 市 町 村 が 作 成 する 人 農 地 プラン に 位 置 づけ られている, 又 は 位 置 づけが 確 実 5 生 活 費 を 支 給 する 国 の 他 の 事 業 と 重 複 受 給 でない 親 元 で 農 業 に 従 事 する 方 であっても, 次 の 場 合 は 対 象 となります ア 親 元 に 就 農 してから5 年 以 内 に 親 から 経 営 を 継 承 し, 独 立 自 営 就 農 する 場 合 イ 親 の 経 営 から 独 立 した 部 門 の 経 営 を 開 始 し, 独 立 自 営 就 農 する 場 合 給 付 停 止 要 件 次 の 場 合 は 給 付 停 止 となります 1 適 切 な 独 立 自 営 就 農 を 行 っていない 2 給 付 金 を 除 いた 本 人 の 前 年 所 得 が250 万 円 を 超 えた 遡 及 措 置 平 成 20 年 4 月 以 降 に 独 立 自 営 就 農 した 方 も 給 付 対 象 となります 但 し, 給 付 は 就 農 後 5 年 目 までです ( 平 成 24 年 3 月 時 点 の 国 のHP 等 による)
(4) 第 16 号 平 成 24 年 5 月 発 行 鹿 児 島 県 の 農 作 業 死 亡 事 故 件 数 は, 平 成 22 年 は5 人 で, 前 年 より 少 なかったですが, 平 成 23 年 は 15 人 と 再 び 増 加 しました 過 去 10 年 間 の 死 亡 事 故 件 数 は137 件 で,65 歳 以 上 の 高 齢 者 の 占 める 割 合 は72%と 非 常 に 高 くなっています また,トラクターによる 死 亡 事 故 が 最 も 多 く,58 件 ( 全 体 の42%)となっています ( 表 1) 事 故 の 内 容 別 では, 機 械 ごとの 転 落 転 倒 が 圧 倒 的 に 多 く,43% を 占 めています ( 図 1) 表 1 本 県 の 農 作 業 事 故 の 推 移 年 合 計 件 数 65 歳 以 上 うちトラクタ 件 数 同 左 割 合 平 23 年 15 7 8 53% 22 年 5 3 3 60 21 年 19 11 16 84 20 年 12 3 9 75 19 年 12 5 10 83 18 年 17 9 15 88 17 年 11 5 6 55 16 年 20 8 14 70 15 年 15 5 12 80 14 年 11 2 5 45 計 137 58 98 72 < 農 作 業 事 故 を 防 止 しよう!> なかなか 減 らない 農 作 業 死 亡 事 故 件 数 50 45 40 35 30 25 20 15 10 5 0 43 機 械 ごと 転 落 転 倒 図 1 10 挟 まれ 8 6 5 4 2 3 ひかれ 巻 き 機 械 から 機 械 の 刃 交 通 事 故 その 他 込 まれ 転 落 部 農 業 機 械 による 死 亡 事 故 の 発 生 要 因 (H18~ H23) 平 成 23 年 12 月 28 日 現 在 平 成 18 年 ~21 年 は 国 の 確 定 値 平 成 22,23 年 は 経 営 技 術 課 調 査 ( 未 確 定 ) 特 に 気 をつけたい 高 齢 者 事 故 トラクター 事 故 転 落 転 倒 事 故 農 作 業 事 故 の 大 半 を 占 めるトラクターの 事 故 防 止 のために, 以 下 のことを 特 に 注 意 しましょう 1 道 路 の 路 肩 やほ 場 の 畦 畔 部 は 崩 落 しやすいので,1 雨 天 時 や 雨 天 直 後 の 農 作 業 をできるだけ 避 ける,2 道 路 の 路 肩 やほ 場 の 畦 畔 部 に 寄 り すぎない,3 速 度 の 出 し 過 ぎや 急 ハンドル 急 ブレーキなどの 無 理 な 運 転 農 作 業 は 避 ける 2 狭 い 道 路 や 急 な 坂 道, 狭 いほ 場 等 では, 特 に 念 入 りに 安 全 確 認 を 行 う 3 安 全 フレーム 等 の 安 全 装 置 は, 必 ず 規 定 の 位 置 で 使 用 し, 運 転 中 は 必 ず 安 全 フレームを 立 てる 4 作 業 中 及 び 道 路 走 行 中 はシートベルトを 着 用 し,ヘルメットのひも をよくしめる 5 農 業 機 械 の 始 動 時 から 緊 張 感 を 保 ち, 作 業 中 はこまめに 休 憩 を 取 る 6 高 齢 等 で 作 業 が 大 変 な 場 合 は, 無 理 な 機 械 作 業 を 行 わず, 場 合 によ っては 作 業 を 委 託 する 倉 庫 から 出 して, 倉 庫 に 戻 すまで が 農 業 機 械 作 業 であるという 意 識 を 持 ち, 農 業 機 械 を 動 かしているときは 常 に 注 意 を 払 うことが 大 事 です
平 成 24 年 5 月 発 行 第 16 号 (5) 普 通 期 水 稲 の 田 植 え 時 期 が 近 づいてきました 作 業 前 に 種 もみ 消 毒 や 除 草 剤 の 使 用 法 について, 確 認 してみましょう 1 種 もみ 消 毒 は 重 要! 種 子 消 毒 と 水 田 雑 草 の 対 策 について 種 もみ 消 毒 は 種 子 伝 染 性 の 病 害 を 防 除 するために 行 います 箱 苗 育 苗 は, 密 播 条 件 と 多 湿 条 件 が 重 なり, 病 害 が 多 発 しやすいため, 必 ず 種 子 消 毒 を 行 いましょう 特 にばか 苗 病 とイネシンガ レセンチュウの 防 除 は, 種 もみ 消 毒 が 基 本 となります (1)ばか 苗 病 ばか 苗 病 は, 色 が 淡 くなり 徒 長 することが 特 徴 です 育 苗 箱 では, 葉 葉 鞘 ともに 徒 長 して 淡 黄 緑 色 となります 保 菌 した 苗 を 本 田 へ 移 植 すると, 移 植 後 数 週 間 から1ヶ 月 後 くらいに, 節 間 が 徒 長 して 草 丈 が 高 くなり, 葉 は 黄 緑 色 となります 分 けつは 少 なく, 上 位 の 節 から 不 定 根 を 生 じ, 症 状 が 重 い 場 合 は, 穂 ばらみ 期 頃 に 枯 死 します (2)イネシンガレセンチュウ 分 けつ 期 以 後 穂 ばらみ 期 頃 から, 葉 の 先 端 2~3cmく らいが 淡 黄 褐 色 または 淡 黄 白 色 となり,のちに 白 く 枯 れて 巻 きます また, 玄 米 がイネシンガレセンチュウに 加 害 さ れると 外 観 が 悪 くなり, 検 査 等 級 の 低 下 につながります 2 水 田 雑 草 の 対 策 について (1) 除 草 剤 使 用 の 注 意 事 項 ア 水 深 は3~5cm 程 度 にし, 処 理 後 は 田 面 が 露 出 しな いよう 水 管 理 を 行 う イ 除 草 剤 散 布 後 は 一 週 間 程 度 落 水 しない( 入 水 は 可 ) ウ 苗 は 健 苗 を 使 用 し, 根 が 露 出 することのない 植 え 付 け 深 度 (2~3cm)とする また, 処 理 後 の 補 植 はしない エ 多 年 生 雑 草 は, 除 草 剤 の 1 回 使 用 では 防 除 が 困 難 なの で, 耕 種 的 防 除 を 組 み 合 わせることが 必 要 ミズガヤツリ ホタルイ (2) 主 な 多 年 生 雑 草 の 耕 種 的 防 除 法 雑 草 名 防 除 法 ミズガヤツリ 代 かき 時 の 完 全 埋 没, 秋 冬 耕 ホタルイ 代 かき 時 の 完 全 埋 没, 秋 冬 耕 クログワイ 秋 冬 耕, 反 転 深 耕, 土 壌 の 乾 燥 オモダカ 秋 冬 耕, 反 転 深 耕, 土 壌 の 乾 燥 クログワイ オモダカ
(6) 第 15 号 平 成 24 年 1 月 発 行 昨 年 度, 子 牛 の 哺 育 期 についてアンケートを 実 施 しましたが, 今 年 度 もまた, 関 係 機 関 の 協 力 の 下, アンケート 調 査 を 実 施 しました 今 年 度 は, 昨 年 度 の 哺 育 期 に 関 する 調 査 に 加 え, 母 牛 の 分 娩 前 後 の 増 飼 いについて 調 査 しました 1 えづけ 飼 料 利 用 率 UP`!! 哺 育 期 及 び 分 娩 前 後 の 管 理 について 4% 22% 9% 平 成 22 年 16% 昨 年 度 実 施 した 調 査 の 結 果 では,えづけ 飼 料 を 利 用 している 方 が 75%でしたが, 今 年 度 は 86%と 利 用 者 が 増 加 しました また, 2 週 間 以 内 にえづけ 飼 料 の 給 与 を 開 始 している 方 が, 昨 年 度 から 10% 増 えるなど, 早 い 段 階 でえづけ 飼 料 を 給 与 する 方 が 増 えてき ました 早 期 利 用 率 UP!! 49% 2% 14% 50% 16% 18% 平 成 23 年 7 日 齢 14 日 齢 それ 以 上 不 明 給 与 無 し えづけ 飼 料 は,たんぱく 質 や 脂 肪 が 高 く, 胃 が 十 分 に 発 達 していない 子 牛 にとって 適 正 な 発 育 を 促 します また, 2 週 間 以 内 にえづけ 飼 料 を 与 えること で 腹 づくりが 早 くでき, 離 乳 時 の 下 痢 を 低 減 させると 同 時 に, 敷 料 などを 食 べてしまうことを 防 ぎます いろいろ 工 夫 して 子 牛 に 早 い 段 階 で えづけ 飼 料 を 給 与 し, 丈 夫 な 胃 を 作 り, 発 育 を 促 しましょう! 商 品 性 の 高 い 肝 属 子 牛 をつくるために, 早 い 時 期 からえづけ 飼 料 を 与 えましょう! 2 分 娩 前 後 の 増 飼 いについて 分 娩 前 後 の 増 飼 の 有 無 分 娩 後 増 飼 分 娩 前 増 飼 有 - 有 41% 39% 有 - 無 無 - 有 無 - 無 7% 13% 分 娩 前 後 の 増 飼 いの 実 施 について 調 査 したところ, 分 娩 前 は, 全 体 の 48%が 実 施 しておらず, 分 娩 後 についても 全 体 の 54% が 実 施 していないという 結 果 でした 分 娩 前 の 増 飼 いを 実 施 し, 分 娩 前 の 急 激 な 胎 児 の 成 長 に 対 応 しましょう ただし, 増 飼 いをする 上 で 過 大 児 による 分 娩 事 故 につながる 場 合 がありますので, 母 牛 の 大 きさ(フレームサイ ズ)や 産 次, 栄 養 状 態 に 応 じて 給 与 量 を 調 整 しましょう 分 娩 後 の 増 飼 いは, 泌 乳 量 の 確 保 による 子 牛 の 発 育 や 母 牛 の 卵 胞 発 育 を 促 します 特 に 卵 胞 の 発 育 促 進 は, 繁 殖 成 績 にも 影 響 してきますので 実 施 しましょう 母 牛 への 増 飼 いをおこない 元 気 な 子 牛 を 産 むと 同 時 に 繁 殖 成 績 をあげましょう!
平 成 24 年 5 月 発 行 第 16 号 (7) さつまいも 挿 苗 機 を 利 用 した 植 付 け 同 時 かん 水 技 術 さつまいもの 苗 の 活 着 は, 植 付 け 時 の 気 象 条 件 に 左 右 され, 晴 天 が 続 くと 苗 が 枯 死 することも 多 く, 品 質 収 量 が 安 定 しません このため, 植 付 け 作 業 は 朝 夕, 曇 天, 降 雨 前, 小 雨 中 等, 苗 が 乾 燥 しない ような 気 象 条 件 を 選 びながら, 短 期 間 に 作 業 を 行 う 必 要 があります 大 隅 支 場 では 植 付 け 後 の 活 着 安 定 を 図 るため, 現 在 普 及 しているさつまいも 挿 苗 機 に 装 着 が 可 能 で, 植 付 けと 同 時 に 株 元 へ 間 欠 少 量 かん 水 を 行 う 装 置 を 開 発 しましたので 紹 介 します 1 かん 水 装 置 付 きさつまいも 挿 苗 機 開 発 装 置 は, 現 在 普 及 しているさつまいも 挿 苗 機 に 装 着 可 能 で,ピストンポンプで 搭 載 しているポリ タンク(18L)から 吸 水 し, 植 付 け 爪 先 端 から 吐 出 かん 水 する 機 構 ( 間 欠 かん 水 法 )です ポンプの 動 力 源 は, 当 該 機 種 の 伝 動 軸 から 取 り 出 し,かん 水 のタイミングと 水 量 を 調 節 することができます さつま いもの 苗 を 畦 内 に 挿 し 込 むと 同 時 に, 土 中 の 苗 基 部 周 辺 に 一 株 当 ピストンポンプ 挿 苗 機 本 体 ホース ポリタンク り 20~26cc 圧 入 かん 水 を 行 う かん 水 位 置 機 構 です 植 付 爪 兼 かん 水 ノズル 畦 2 植 付 け 同 時 かん 水 の 効 果 晴 天 が 続 いたマルチ 栽 培 条 件 下 での 無 かん 水 区 の 活 着 率 は 90% 前 後 でしたが, 植 付 けと 同 時 にかん 水 することによって, 活 着 率 は 97% 以 上 に 向 上 し, 欠 株 補 植 の 必 要 もありませんでした また,かん 水 区 は 無 かん 水 区 に 比 べ 葉 が 大 きく, 発 根 が 早 いことが 確 認 されました 初 期 生 育 もかん 水 区 が 優 れ, 特 に 植 付 け 後 の 晴 天 日 数 が 長 いほど 生 育 差 が 大 きく,かん 水 効 果 が 高 いことが 認 められました 植 付 け 同 時 かん 水 による 上 いも 収 量 は, 植 付 け 後 晴 天 日 数 の 短 い 条 件 下 (2008.4.28)での 試 験 では, 無 かん 水 区 と 同 等 でしたが,その 他 の 条 (kg) 上 いも 重 上 いも 個 数 ( 個 ) 件 下 における 試 験 では, 無 かん 水 区 に 比 350 1600 べ 増 収 することを 確 認 しました 1400 かん 水 区 3 使 用 上 の 留 意 点 無 かん 水 区 300 250 上 い 200 も 収 150 量 100 50 0 かん 水 無 有 無 有 無 有 無 有 植 付 時 期 2008.4.28 2008.5.13 2008.4.25 2008.4.24 ( 植 付 後 晴 天 日 数 ) (3 日 ) (6 日 ) (6 日 ) (7 日 ) 1000 上 い 800 も 個 600 数 かん 水 装 置 利 用 にあたっては,1 活 着 安 定 を 図 るため,3~4 月 で4~5 日,5~6 月 で2~3 日, 苗 の 取 り 置 きを 行 う,2 植 付 け 同 時 かん 水 効 果 を 高 めるため, 畦 立 は 土 壌 水 分 が 十 分 にある 時 ( 土 を 強 く 握 ると 手 のひらが 湿 る)に 行 うことが 理 想 です 今 回 紹 介 したかん 水 装 置 は,タンク,ポンプ, 植 付 け 爪 と 兼 用 の 注 入 爪 から 構 成 され,オプション 部 品 として 今 年 度 から 市 販 されています 問 い 合 わせ 先 : 農 業 開 発 総 合 センター 大 隅 支 場 農 機 研 究 室 TEL( 代 表 )0994-62-2001 1200 400 200 0
(8) 第 16 号 平 成 24 年 5 月 発 行 < 肝 属 と 被 災 地 を 繋 ぐ 4,500 本 の 絆 の 花 > 平 成 24 年 3 月 7 日, 肝 属 地 域 ( 鹿 屋 市 垂 水 市 肝 付 町 錦 江 町 南 大 隅 町 )の 花 き 農 家 51 戸 で 構 成 する 肝 属 地 区 花 き 振 興 会 ( 会 長 : 鹿 屋 市 福 永 俊 昭 氏 )は, 東 日 本 大 震 災 の 被 害 を 受 けた 方 々を 励 ますため, 大 船 渡 市 へたくさんの 切 り 花 を 贈 りました 大 船 渡 市 について 贈 り 先 の 大 船 渡 市 は 昨 年, 大 隅 地 域 の4 市 5 町 が 実 施 した 復 興 支 援 の 派 遣 先 であり, 肝 属 との 絆 がとても 強 い 地 域 です 同 市 では3 月 11 日 に 震 災 1 周 忌 の 追 悼 式 を 開 催 するため, 切 り 花 が 必 要 とされていました 花 の 提 供 活 用 今 回 の 活 動 には, 地 元 2 市 場 ( 鹿 児 島 中 央 青 果 鹿 屋 支 店 第 一 鹿 屋 青 果 地 方 卸 売 市 場 )が 協 力 してくださったこともあり, 肝 属 を 中 心 とした 広 い 地 域 の 花 き 関 係 者 が 一 体 となった 取 組 となりました 花 の 提 供 者 生 産 者 38 人 (うち 会 員 23 人 ), 花 商 関 係 者 36 人 花 の 本 数 種 類 輪 ギク,スプレーギク,ユリ,バラ,など 計 4,500 本 現 地 への 到 着 活 用 9 日 に 到 着 11 日 ( 日 )の 追 悼 式 で, 参 加 者 1,200 人 全 員 に プレゼントされました ( 左 写 真 ) < 鹿 屋 農 業 青 年 クラブ 活 動 報 告 と 今 年 の 抱 負!> 活 動 報 告 鹿 屋 農 業 青 年 クラブは, 子 ども 達 に 食 の 大 切 さと 農 業 をす ることの 楽 しさを 伝 えるために アグリキッズ 育 成 プロジェ クト を 計 画 実 施 しています 平 成 23 年 度 は 鹿 屋 市 の2つの 保 育 園 を 対 象 に, 野 菜 等 の 植 付 け 除 草 間 引 き 等 の 管 理 作 業 と 収 穫 作 業, 乳 牛 ( 子 牛 ) とのふれあい 体 験 を 実 施 するなど, 子 ども 達 に 農 業 への 楽 し さを 伝 えてきました また,11 月 に 開 催 した 鹿 屋 市 農 業 ま つりでは 食 育 レンジャーショー を 行 い, 子 どもだけでな く 大 人 の 方 にも 食 の 大 切 さを 伝 えることができました なお,これらの 活 動 は 今 年 1 月 24 日 に, かごしま 食 活 動 表 彰 において 優 秀 賞 を 受 賞 するなど, 県 全 体 にアピールすることができました 今 年 の 抱 負 鹿 屋 農 業 青 年 クラブは, 引 き 続 き 農 業 体 験 学 習 等 を 実 施 していくこととしており, 会 長 の 大 平 龍 美 氏 を 中 心 に, 食 にかかわる 他 団 体 異 業 種 等 と 連 携 を 取 りながら 食 育 活 動 等 にも 取 り 組 み, 鹿 屋 市 全 体 で 盛 り 上 げていきたいと 考 えています