わが国生命保険会社のバランスシート構造と国債投資



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注 記 事 項 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 : 無 (2) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 : 有 ( 注 ) 詳 細 は 添 付 資 料 4ページ 2.サマリー 情 報 (


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1. 決 算 の 概 要 法 人 全 体 として 2,459 億 円 の 当 期 総 利 益 を 計 上 し 末 をもって 繰 越 欠 損 金 を 解 消 しています ( : 当 期 総 利 益 2,092 億 円 ) 中 期 計 画 における 収 支 改 善 項 目 に 関 して ( : 繰 越

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損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

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ほかに パート 従 業 員 らの 厚 生 年 金 加 入 の 拡 大 を 促 す 従 業 員 五 百 人 以 下 の 企 業 を 対 象 に 労 使 が 合 意 すれば 今 年 十 月 から 短 時 間 で 働 く 人 も 加 入 できる 対 象 は 約 五 十 万 人 五 百 人 超 の 企 業

平成29年2月期 第2四半期決算短信

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総論


平成24年度 業務概況書

別紙3

m07 北見工業大学 様式①

代 議 員 会 決 議 内 容 についてお 知 らせします さる3 月 4 日 当 基 金 の 代 議 員 会 を 開 催 し 次 の 議 案 が 審 議 され 可 決 承 認 されました 第 1 号 議 案 : 財 政 再 計 算 について ( 概 要 ) 確 定 給 付 企 業 年 金 法 第

タイトル


公表表紙

PowerPoint プレゼンテーション


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定 性 的 情 報 財 務 諸 表 等 1. 連 結 経 営 成 績 に 関 する 定 性 的 情 報 当 第 3 四 半 期 連 結 累 計 期 間 の 業 績 は 売 上 高 につきましては 前 年 同 四 半 期 累 計 期 間 比 15.1% 減 少 の 454 億 27 百 万 円 となり

年 金 払 い 退 職 給 付 制 度 における 年 金 財 政 のイメージ 積 立 時 給 付 時 給 付 定 基 (1/2) で 年 金 を 基 準 利 率 で 付 利 給 付 定 基 ( 付 与 利 の ) 有 期 年 金 終 身 年 金 退 職 1 年 2 年 1 月 2 月 ( 終 了 )

スライド 1

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 新 規 社 ( 社 名 ) 除 外 社 ( 社 名 ) (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の

別 紙 1 ウィズファミリー 商 品 概 要 1. しくみ 図 このイメージ 図 は 将 来 の 積 立 金 額 や 死 亡 給 付 金 額 などを 保 証 するものではありません 実 際 の 積 立 金 額 死 亡 給 付 金 額 などは 運 用 実 績 によって 変 動 します 2. 商 品 概

18 国立高等専門学校機構

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1. 前 払 式 支 払 手 段 サーバ 型 の 前 払 式 支 払 手 段 に 関 する 利 用 者 保 護 等 発 行 者 があらかじめ 利 用 者 から 資 金 を 受 け 取 り 財 サービスを 受 ける 際 の 支 払 手 段 として 前 払 式 支 払 手 段 が 発 行 される 場 合

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(2) 支 状 況 保 育 所 ( 定 員 60 人 以 上 ) 支 状 況 は 次 とおりです 1 総 入 構 成 比 は 割 合 が88.1% 活 動 外 入 が2.1% 特 別 入 が9.8%でした 2 構 成 比 は 運 営 費 入 が80.1% 経 常 経 費 補 助 金 入 が17.8%

最 近 5 期 の 運 用 実 績 決 算 期 基 準 価 額 期 中 騰 落 率 公 社 債 組 入 比 率 純 資 産 総 額 円 % % 百 万 円 36 期 末 (2011 年 11 月 19 日 ) 3, 期 末 (2012 年 11 月 19 日

T T VWAPギャランティ 取 引 とは T T VWAPギャランティ 取 引 とは これまでの 成 行 や 指 値 とは 異 なる 東 海 東 京 証 券 が 提 供 する 新 しい 形 の 売 買 方 法 です その 方 法 とは 1 金 融 商 品 取 引 所 ( 以 下 取 引 所 )に

平 成 24 年 4 月 1 日 から 平 成 25 年 3 月 31 日 まで 公 益 目 的 事 業 科 目 公 1 公 2 公 3 公 4 法 人 会 計 合 計 共 通 小 計 苦 情 相 談 解 決 研 修 情 報 提 供 保 証 宅 建 取 引 健 全 育 成 Ⅰ. 一 般 正 味 財


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目 次 高 山 市 連 結 財 務 諸 表 について 1 連 結 貸 借 対 照 表 2 連 結 行 政 コスト 計 算 書 4 連 結 純 資 産 変 動 計 算 書 6 連 結 資 金 収 支 計 算 書 7

6-1 第 6 章 ストック オプション 会 計 設 例 1 基 本 的 処 理 Check! 1. 費 用 の 計 上 ( 1 年 度 ) 2. 費 用 の 計 上 ( 2 年 度 )- 権 利 不 確 定 による 失 効 見 積 数 の 変 動 - 3. 費 用 の 計 上 ( 3 年 度 )-

損 益 計 算 書 ( 平 成 25 年 10 月 1 日 から 平 成 26 年 9 月 30 日 まで) ( 単 位 : 千 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 304,971 営 業 費 用 566,243 営 業 総 損 失 261,271 営 業 外 収 益 受 取 利 息 3,545

減 少 率 ) と 平 均 余 命 の 伸 びを 勘 案 した 一 定 率 (0.3%) の 合 計 である スライド 調 整 率 を 差 し 引 いて 年 金 額 の 改 定 が 行 われる( 図 表 ) ただし マクロ 経 済 スライドが 完 全 に 実 施 されるのは 賃 金 や 物 価 があ

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情 報 通 信 機 器 等 に 係 る 繰 越 税 額 控 除 限 度 超 過 額 の 計 算 上 控 除 される 金 額 に 関 する 明 細 書 ( 付 表 ) 政 党 等 寄 附 金 特 別 控 除 額 の 計 算 明 細 書 国 庫 補 助 金 等 の 総 収 入 金 額 不 算 入 に 関

注 記 事 項 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 : 無 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 新 規 - 社 除 外 - 社 (2) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の

( 注 )1 ラスパイレス 指 数 とは 全 地 方 公 共 団 体 の 一 般 行 政 職 の 給 料 月 額 を 一 の 基 準 で 比 較 するため の 職 員 数 ( 構 成 )を 用 いて 学 歴 や 経 験 年 数 の 差 による 影 響 を 補 正 し の 行 政 職 俸 給 表 (

(2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 該 当 事 項 はありません (3) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 作 成 に 係 る 会 計 処 理 の 原 則 手 続 表 示 方 法 等 の 変 更 当

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建設特別・資産運用の基本方針

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日 銀 レビュー -J- わが 国 生 命 会 社 のバランスシート 構 造 と 国 債 投 資 Bank of Japan Review 金 融 機 構 局 菅 和 聖 倉 知 善 行 福 田 善 之 * 西 岡 慎 一 年 月 生 命 会 社 ( 生 )では 長 期 有 を 目 的 とした 国 債 投 資 が 多 い とりわけ 最 近 では 生 の 超 長 期 国 債 有 が 大 きく 増 加 しており 同 市 場 における 生 の 存 在 感 が 高 まっている 生 では 将 来 の 金 支 払 いが の 多 くを 占 めており 金 支 払 いまでの 期 間 ( デュレーション)が 長 い このため 運 用 における 投 資 期 間 ( デュレーション)もその 支 払 いに 備 えて 長 期 となる さらに デ ュレーションは 全 体 として 緩 やかに 長 期 化 しており デュレーションを 上 回 る 状 況 が 続 いている デュレーションを 引 き 上 げ このミスマッチを 解 消 することも 生 の 積 極 的 な 超 長 期 国 債 投 資 の 背 景 となっている ただし 今 後 の 人 口 動 態 は デュレーションを 短 期 化 させる 可 能 性 があるため 生 の 超 長 期 国 債 に 対 する 需 要 もこれに 合 わせて 変 化 していく 可 能 性 がある はじめに 生 命 会 社 ( 生 )は 一 般 的 に 長 期 有 を 目 的 とした 債 券 投 資 が 多 く 長 期 国 債 の 安 定 的 な 有 主 体 となっている( 図 表 ) とりわけ 最 近 で は 生 の 超 長 期 国 債 有 が 大 きく 増 加 しており 同 市 場 における 生 の 存 在 感 が 高 まっている 生 の は 先 の 長 い 将 来 の 金 支 払 いが 多 く を 占 めるため デュレーションは 長 期 である 生 は バランスシート 運 営 の 観 点 から この 負 債 デュレーションの 長 さに 見 合 った 長 期 を 有 することが 必 要 となる 生 の 国 債 投 資 は その 利 回 りの 動 向 など 様 々な 要 因 から 影 響 を 受 けるが デュレーションの 長 さも 生 による 多 額 の 長 期 国 債 投 資 の 背 景 となっている 本 稿 では わが 国 の 生 が 超 長 期 国 債 の 主 要 な 投 資 主 体 となってきた 背 景 について 生 のバラ ンスシート 構 造 特 に のデュレーショ ンの 観 点 から 解 説 する 以 下 では まず 生 の 国 債 投 資 の 動 向 について 整 理 した 後 生 が 提 供 する 商 品 の 構 成 から デュレーションを 算 出 し と のミスマッチの 程 度 を 試 算 す る さらに 人 口 動 態 の 変 化 が デュレーショ ンの 先 行 きに 及 ぼす 影 響 について 述 べる 図 表 国 債 の 有 主 体, ( 兆 円 ) 9 7 5 3 5 7 9 年 度 その 他 海 外 個 人 投 資 信 託 中 央 銀 行 預 金 取 扱 金 融 機 関 共 済 損 年 金 生 ( 注 ) 集 計 対 象 は 普 通 国 債 財 融 債 国 庫 短 期 証 券 ( 資 料 ) 財 務 省 日 本 銀 行 各 社 開 示 資 料 等 生 の 超 長 期 国 債 投 資 生 は 継 続 的 に 国 債 投 資 を 増 加 させている 生 の 運 用 残 高 をみると 貸 出 や 株 式 への 運 用 が 減 少 する 一 方 国 内 外 の 債 券 投 資 への 運 用 が 増 加 している( 図 表 ) とりわけ 満 期 が 年 を 超 える 超 長 期 国 債 が 大 幅 に 増 えている( 図 表 3) こ の 結 果 超 長 期 国 債 市 場 における 生 のシェアは 日 本 銀 行 年 月

足 もと 割 を 超 える 水 準 に 達 しており 生 は 超 長 期 国 債 の 主 要 な 有 主 体 となっている 3 ( 兆 円 ) 図 表 責 任 準 備 金 5 図 表 運 用 残 高 総 残 高 有 価 証 券 の 内 訳 ( 兆 円 ) (%) 5 5 5 5 ( 注 ) 集 計 対 象 は 生 命 協 会 加 入 全 社 ( 除 くかんぽ 生 命 ) ( 資 料 ) 生 命 協 会 かんぽ 生 命 図 表 3 期 間 別 国 債 有 残 高 と 超 長 期 国 債 市 場 におけるシェア ( 兆 円 ) (%) 7 年 超 年 以 下 5 3 その 他 不 動 産 貸 付 金 有 価 証 券 3 7 年 度 超 長 期 債 市 場 における シェア( 右 軸 ) 外 国 株 式 国 内 株 式 外 国 公 社 債 国 内 公 社 債 9 95 5 年 度 5 7 9 年 度 ( 注 ) 集 計 対 象 は 生 命 協 会 加 入 全 社 ( 除 くかんぽ 生 命 ) ( 資 料 ) 財 務 省 生 命 協 会 かんぽ 生 命 こうした 積 極 的 な 超 長 期 国 債 投 資 は 生 の 負 債 の 性 質 によるところが 大 きい 生 では 将 来 の 金 支 払 いに 備 えて 準 備 金 ( 責 任 準 備 金 )を 積 み 立 てている 生 ではこの 責 任 準 備 金 が の 大 部 分 を 占 めており 年 度 時 点 で 5 兆 円 に 達 している( 図 表 ) 生 が 販 売 している 商 品 の 多 くは 金 の 支 払 いまでの 期 間 が 長 い ことから 生 の デュレーションは 長 期 とな る この デュレーションの 長 さに 見 合 うかた ちで 長 期 を 有 することが 生 のバランス シート 運 営 において 重 要 である 以 下 では 生 の 商 品 とデュレーションの 関 係 について 具 体 的 に 述 べたあと 生 の デュレーションを 試 算 する 5 3 5 5 9 95 5 年 度 ( 資 料 ) 日 本 銀 行 資 金 循 環 統 計 商 品 の 性 質 とデュレーション 生 の デュレーションは 販 売 している 商 品 の 性 質 によって 規 定 される 生 の 商 品 は 支 払 い 形 態 別 に 死 亡 生 存 3 生 死 混 合 に 大 別 できる( 図 表 5) いずれの についても 確 定 利 付 債 券 と 同 じく 各 期 の 将 来 キャッシュフローで 加 重 平 均 した 残 存 期 間 が デュレーションとなる( デュレーションの 計 算 方 法 は BOX を 参 照 ) ただし 確 定 利 付 債 券 と は 異 なり 加 入 者 の 生 存 期 間 (または 死 亡 時 点 )が 変 化 するとキャッシュフローも 変 化 するた め デュレーションの 算 出 にはその 分 も 考 慮 する 必 要 がある 図 表 5 商 品 のペイオフ 死 亡 ( 例 : 終 身 死 亡 ) 料 受 取 り 死 亡 金 支 払 い 現 在 時 点 死 亡 時 点 生 存 年 金 ( 例 : 終 身 個 人 ) 料 受 取 り 年 金 支 払 い 現 在 時 点 支 払 開 始 年 齢 満 期 死 亡 時 点 3 生 死 混 合 ( 例 : 養 老 ) 満 期 金 支 払 い 料 受 取 り 死 亡 金 支 払 い 現 在 時 点 支 払 開 始 年 齢 満 期 死 亡 時 点 ( 注 ) 点 線 は 死 亡 時 実 線 は 生 存 時 に 発 生 する 金 ( 死 亡 ) 死 亡 は 加 入 者 の 死 亡 時 に 金 が 支 払 われるものである 代 表 的 な として 終 日 本 銀 行 年 月

身 死 亡 定 期 死 亡 3 定 期 付 終 身 が 挙 げられる 終 身 死 亡 は 生 が 加 入 者 の 生 前 に 料 を 定 期 的 に 徴 収 し 死 亡 時 に 一 括 して 金 を 支 払 う この 場 合 金 支 払 い までの 期 間 すなわち 加 入 者 の 現 時 点 から 死 亡 までの 余 命 が 概 ねデュレーションに 相 当 す る 解 約 率 をゼロとするなど 一 定 の 仮 定 を 置 いた 推 計 結 果 によると 生 全 体 の 終 身 死 亡 のデ ュレーションは 約 3 年 と 試 算 される( 図 表 ) これは 商 品 の 中 では 最 も 長 い 定 期 死 亡 は いわゆる 掛 け 捨 てタイプの で 加 入 者 がある 時 点 を 経 過 して 死 亡 した 場 合 には 金 の 支 払 いが 行 われない このた め 終 身 死 亡 に 比 べると 定 期 死 亡 のデュ レーションは 短 く 全 体 で 約 5 年 と 試 算 される 定 期 付 終 身 は 終 身 死 亡 と 定 期 死 亡 を 組 み 合 わせた で ある 時 点 までに 死 亡 し た 場 合 終 身 部 分 の 金 に 定 期 部 分 の 金 が 上 乗 せされるが ある 時 点 以 降 に 死 亡 した 場 合 は 終 身 死 亡 のみが 支 払 われる 定 期 付 終 身 のデュレーションは 約 年 と 終 身 死 亡 と 定 期 死 亡 の 中 間 となる 図 表 商 品 別 のデュレーションの 試 算 例 全 体 5 死 亡 終 身 死 亡 3 定 期 死 亡 5 定 期 死 亡 ( 年 ) 定 期 死 亡 ( 年 ) 3 定 期 付 終 身 生 存 終 身 個 人 年 金 定 期 個 人 年 金 生 死 混 合 養 老 定 期 付 養 老 ( 注 ) 年 度 末 時 点 単 位 は 年 ( 資 料 ) 総 務 省 国 勢 調 査 国 立 社 会 障 人 口 問 題 研 究 所 日 本 の 将 来 推 計 人 口 生 命 文 化 センター 生 命 に 関 する 全 国 実 態 調 査 ( 生 存 ) 生 存 は 加 入 者 が 生 存 している 間 に 金 が 支 払 われるものであり 年 金 が 代 表 的 である 年 金 の 場 合 若 年 時 に 料 を 定 期 的 に 払 い 込 み ある 一 定 の 年 齢 に 達 すると 金 の 支 払 いが 始 まる 年 金 では 一 定 額 が 定 期 的 に 支 払 われるものが 標 準 的 である 年 金 の うち 終 身 個 人 年 金 では 死 亡 直 前 まで 金 が 支 払 われる 一 方 定 期 個 人 年 金 では 金 の 支 払 期 間 が 限 定 されている 生 存 のデュレーションは 生 存 中 の 金 支 払 い 期 間 に 生 存 率 を 考 慮 したものとなる 個 人 年 金 のデュレーションは 終 身 タイプのもの で 年 程 度 と 計 算 される 一 方 定 期 個 人 年 金 は 年 程 度 と 終 身 個 人 年 金 よりは 短 い ( 生 死 混 合 ) 生 死 混 合 は 死 亡 と 生 存 を 組 み 合 わせた で 契 約 者 がある 時 点 までに 死 亡 した 場 合 には 死 亡 金 が ある 時 点 まで 生 存 し た 場 合 には 満 期 金 が 支 払 われる 生 死 混 合 の 種 類 は 多 岐 にわたるが 養 老 がその 代 表 的 な 商 品 のひとつである 養 老 の 金 支 払 いパターンは 定 期 死 亡 に 近 いが 満 期 時 ま で 生 存 すると 金 が 支 払 われる 分 養 老 の デュレーションは 定 期 死 亡 より 長 くなる 養 老 のデュレーションは 全 体 で 年 程 度 と 試 算 される ( 生 の デュレーション) これら 個 別 商 品 ごとのデュレーションと 契 約 残 高 から 生 全 体 の デュレーションは 約 5 年 と 試 算 される 銀 行 の デュレーショ ンが 年 にも 満 たないことを 踏 まえると 生 の デュレーションはきわめて 長 い 部 類 に 属 すると いえる これには 生 の 場 合 終 身 死 亡 や 年 金 の 中 でも 終 身 個 人 年 金 などデュレーシ ョンの 長 い 商 品 のウエイトが 大 きいことが 寄 与 している( 図 表 7) 商 品 のデュレーションは 商 品 のタイプに よってかなり 幅 があるため 契 約 者 の 商 品 選 択 が 全 体 の デュレーションの 動 向 に 大 きく 影 響 する また の 場 合 種 々の 不 確 実 性 が あるため デュレーションは 事 前 には 確 定 しない たとえば 加 入 者 の 死 亡 率 が 上 昇 するとデュ レーションは 低 下 しやすい また 契 約 の 解 約 率 の 上 昇 もデュレーションを 低 下 させる 方 向 に 働 く したがって 商 品 のデュレーション は こうした 様 々な 要 因 から 影 響 を 受 ける 3 日 本 銀 行 年 月

55% 図 表 7 契 約 のシェア シェア シェアの 変 化 % % 死 亡 ( 終 身 ) 生 存 生 死 混 合 死 亡 ( 定 期 ) デュレーション ミスマッチと 金 利 リスク ( のデュレーション ミスマッチ) 生 では デュレーションの 長 さに 合 わせ て 運 用 期 間 が 長 期 となる 点 は 既 に 述 べた かつて 生 は 株 式 投 資 を 主 要 な 長 期 運 用 手 段 と していたが 99 年 代 後 半 以 降 株 式 の 運 用 割 合 を 大 きく 低 下 させた( 前 掲 図 表 ) これには バ ブル 崩 壊 以 降 株 式 の 収 益 率 が 大 きく 低 下 したこ とに 加 え 会 計 基 準 の 見 直 しを 受 けて 株 価 変 動 リスクを 削 減 しようとする 傾 向 が 強 まったこと なども 影 響 している 他 方 債 券 投 資 が 株 式 に 代 わる 主 要 な 長 期 運 用 手 段 となったが もともと 超 長 期 国 債 の 有 が 少 なかったこともあって デュレーションは 負 債 デュレーションを 下 回 っていた このため 生 は 近 年 超 長 期 国 債 投 資 を 増 加 させることによ って デュレーションの 引 き 上 げを 図 ってい る この 結 果 生 の デュレーションは 長 期 化 してきたが 依 然 として デュレーションを 下 回 っており ミスマッチが 残 っている( 図 表 ) ( 生 の 金 利 リスク) (%) - - - - % 死 亡 ( 終 身 ) 生 存 生 死 混 合 死 亡 ( 定 期 ) ( 注 ) 定 期 付 終 身 は 終 身 死 亡 と 定 期 死 亡 に 案 分 左 図 は 年 度 末 右 図 は 5 年 度 から 年 度 までの 累 積 変 化 幅 集 計 対 象 は 大 手 9 社 ( 資 料 ) 各 社 開 示 資 料 と のデュレーション ミスマッチは 金 利 リスクの 源 泉 となる デュレーシ ョンが 一 致 している 場 合 全 年 限 にわたり 金 利 が 一 律 に 上 昇 するときの 時 価 の 増 減 は と でほぼ 同 額 となる このため から を 差 し 引 いた の 時 価 は 変 動 しない 逆 にデュレ ーション ミスマッチが 大 きいと 金 利 変 動 による の 時 価 変 動 が 大 きくなる サイドのデュレーションが サイドよ りも 長 い 場 合 金 利 上 昇 による 時 価 の 減 少 額 は サイドで 大 きくなるため は 減 少 する ( 図 表 9) これは 銀 行 などに 当 てはまる 反 対 に 生 では サイドのデュレーションが 長 いた め 金 利 上 昇 による 時 価 の 減 少 額 は サイド の 方 が 大 きく は 増 加 することになる 図 表 デュレーションとデ ュレーション ミスマッチ デュレーション デュレーション デュレー ション デュレーション ミスマッチ 年 度 年 度 ( 注 )デュレーション ミスマッチは デュレーションか ら デュレーションを 引 いたもの 集 計 対 象 は 大 手 9 社 ( 資 料 ) 生 命 協 会 各 社 開 示 資 料 図 表 9 金 利 上 昇 と の 時 価 変 動 デュレーションの 方 が 長 い 場 合 実 際 に の 双 方 で 生 の 金 利 リスク 量 ( 全 年 限 の 金 利 が % 上 昇 した 時 の 時 価 減 少 額 ) を 算 定 すると まず サイドの 金 利 リスク 量 は 超 長 期 国 債 への 投 資 増 加 に 伴 い 増 加 しており 国 債 投 資 にかかる 金 利 リスク 量 は 他 の 業 態 と 比 べて 最 大 規 模 に 達 している( 図 表 ) 一 方 生 の サイドにおける 金 利 リスク 量 は サ デュレーションの 方 が 長 い 場 合 日 本 銀 行 年 月

イドを 上 回 る このため 金 利 上 昇 時 には の 時 価 はむしろ 増 加 する( 図 表 ) 反 対 に 金 利 が 低 下 すると の 時 価 は 減 少 する 3 こう した 動 きは デュレーションが デュレー ションを 上 回 る 銀 行 信 用 金 庫 とは 逆 である 上 記 の 金 利 リスクは と の 時 価 変 動 を ベースとしているが わが 国 における 生 のソル ベンシー マージン 比 率 は サイドの 時 価 を 反 映 しない 扱 いとなっている もっとも の 時 価 評 価 導 入 を 巡 る 欧 州 のソルベンシー 規 制 の 導 入 や 国 際 会 計 基 準 変 更 の 議 論 もあって わが 国 の 生 でも 時 価 に 基 づき のデュレー ションを 一 致 させることがバランスシート 管 理 上 の 課 題 となっている 図 表 業 態 別 の 国 債 投 資 にかかる 金 利 リスク 量 図 表 金 利 変 化 による の 変 動 5 5-5 投 資 信 託 個 人 (%) 民 間 生 企 業 年 金 農 林 水 産 金 融 機 関 海 外 共 済 損 等 その 他 預 金 取 扱 金 融 機 関 公 的 年 金 中 央 銀 行 銀 行 信 金 5 5 兆 円 ( 注 ) 横 軸 は 国 債 有 残 高 縦 軸 は 有 国 債 のデュレーショ ン 円 の 大 きさは 有 国 債 の 金 利 リスク 量 (bpv) を 表 す 年 度 末 時 点 ( 資 料 ) 財 務 省 日 本 証 券 業 協 会 QUICK 各 社 開 示 資 料 日 本 銀 行 生 命 銀 行 信 用 金 庫 -5 金 利 上 昇 時 金 利 低 下 時 ( 注 ). 国 内 金 利 のイールドカーブが 全 年 限 一 律.5%p 上 下 するシナリオを 想 定 年 3 月 末 時 点. 生 命 は 対 実 質 比 率 銀 行 信 用 金 庫 は 対 Tier I 比 率 ( 資 料 ) 各 社 開 示 資 料 ( 金 利 上 昇 時 の 解 約 リスク) 生 の は 金 利 上 昇 によって 増 加 するこ とになるが ここでの 試 算 は 金 利 上 昇 によって も 契 約 が 解 約 されないことを 前 提 としてい る ただし 金 利 上 昇 に 伴 って 他 の 金 融 商 品 の 利 回 りが 上 昇 する 場 合 契 約 中 の を 解 約 してそ の 商 品 に 乗 り 換 える 可 能 性 がある さらに 場 合 によっては 解 約 金 の 支 払 いのために 有 を 売 却 する 必 要 が 生 じる こうした 契 約 者 の 解 約 行 動 は のデュレーションにも 影 響 が 及 び 得 る 点 に 留 意 する 必 要 がある 今 後 の 人 口 動 態 が デュレーションに 及 ぼす 影 響 生 の デュレーションは 足 もとで 5 年 程 度 と 試 算 されることは 既 に 述 べたが その 変 化 を みると 5 年 から 足 もとにかけて 緩 やかなが ら 長 期 化 している( 図 表 ) これには 生 涯 障 ニーズの 高 まりなどを 背 景 に 終 身 死 亡 や 終 身 個 人 年 金 への 加 入 が 増 加 している 一 方 デュ レーションの 短 い 定 期 死 亡 や 養 老 の 加 入 が 減 少 していることが 影 響 している( 前 掲 図 表 7) 図 表 デュレーションの 試 算 値 5.5 5. 5.3 5. 5. 先 行 き 5. 5 5 年 度 ( 注 ) 集 計 対 象 は 大 手 9 社 ( 資 料 ) 総 務 省 国 勢 調 査 国 立 社 会 障 人 口 問 題 研 究 所 日 本 の 将 来 推 計 人 口 生 命 文 化 センター 生 命 に 関 する 全 国 実 態 調 査 各 社 開 示 資 料 また 趨 勢 的 には 医 療 技 術 の 進 展 などにより 平 均 寿 命 が 緩 やかながら 伸 びている 点 も 全 体 の デュレーション 長 期 化 に 寄 与 している( 図 表 3) さらに ここでの 試 算 には 織 り 込 まれていないが 加 入 者 の 解 約 率 が 低 下 していることも 実 際 のデュレーションを 長 期 化 させる 方 向 に 寄 与 し 5 日 本 銀 行 年 月

ているとみられる 5 ( 図 表 ) これは 生 の 破 綻 が 相 次 いだ 99 年 代 後 半 から 年 代 初 と 比 べて 生 経 営 の 安 定 度 合 いが 増 したことや 低 金 利 環 境 が 続 くもとで 投 資 妙 味 のある 運 用 商 品 が 乏 しかったことが 影 響 している ( 歳 ) 9 5 図 表 3 平 均 寿 命 女 性 男 性 種 々の 仮 定 に 基 づいており 幅 を 持 って 解 釈 する 必 要 である 図 表 5 商 品 別 の デュレーション 3 終 身 死 亡 3 9 養 老 7 3 9 定 期 死 亡 ( 右 軸 ) 9 終 身 個 人 年 金 ( 右 軸 ) 7 5 75 9 95 3 5 7 9 年 ( 注 ) 年 以 前 は 5 年 ごとに 表 示 ( 資 料 ) 厚 生 労 働 省 簡 易 生 命 表 3 9 7 (%) 図 表 解 約 率 9 95 5 年 度 ( 注 ) 集 計 対 象 は 生 命 協 会 加 入 全 社 ( 除 くかんぽ 生 命 ) ( 資 料 ) 生 命 協 会 かんぽ 生 命 ただし 今 後 の 人 口 動 態 は 先 行 きの デュ レーションを 緩 やかに 短 期 化 させる 可 能 性 があ る ( 前 掲 図 表 ) これは 若 年 世 代 の 減 少 に 伴 い 新 規 加 入 者 のウエイトが 低 下 する 一 方 現 行 加 入 者 のウエイトが 高 まるためである 若 年 世 代 の 平 均 余 命 は 老 齢 世 代 の 平 均 余 命 よりも 長 いため 若 年 世 代 のウエイトの 低 下 によって 加 入 者 全 体 の 平 均 余 命 が 短 期 化 する この 影 響 は 特 に 終 身 タイプの で 大 きい( 図 表 5) もっとも こ こでの 想 定 以 上 に 死 亡 率 が 低 下 すると デュ レーションは 試 算 値 よりも 長 期 化 する 可 能 性 が ある 7 また 試 算 値 は 商 品 構 成 の 先 行 きを 一 定 としているほか 解 約 率 を 勘 案 していないなど 7 3 3 年 度 ( 資 料 ) 総 務 省 国 勢 調 査 国 立 社 会 障 人 口 問 題 研 究 所 日 本 の 将 来 推 計 人 口 生 命 文 化 センター 生 命 に 関 する 全 国 実 態 調 査 仮 に デュレーションが 短 期 化 すると 生 にとってみれば デュレーション ミスマッチの 解 消 を 通 じて 金 利 リスクの 抑 制 につながり 得 る 一 方 ミスマッチの 解 消 は 生 の 超 長 期 国 債 に 対 する 需 要 を 鈍 化 させる 可 能 性 もある さらに 先 行 きの 人 口 が 減 少 する 場 合 新 規 の 需 要 が 低 下 することから 国 債 投 資 の 原 資 となる 料 収 入 もその 影 響 を 受 ける 可 能 性 がある おわりに 生 の 国 債 投 資 行 動 や 金 利 リスクは であ る 契 約 の 動 向 が 大 きく 影 響 する また デュレーションは 商 品 の 構 成 や 死 亡 率 解 約 率 など 種 々の 影 響 を 受 ける 加 えて 今 後 の 人 口 動 態 は 先 行 きの デュレーションの 短 期 化 に 働 く 可 能 性 がある したがって 生 の 国 債 投 資 スタンスもこれに 合 わせて 変 化 していく 可 能 性 がある 生 のデュレーション ミスマッチは まだ 相 応 に 残 っており 超 長 期 国 債 に 対 する 潜 在 的 な 需 要 は 当 面 強 いと 考 えられるが 同 市 場 では 生 のシェアが 大 きいだけにその 中 長 期 的 な 動 向 は 注 目 される 日 本 銀 行 年 月

BOX デュレーションの 計 算 方 法 デュレーションは 年 齢 階 層 別 商 品 別 のデュレーションを 加 重 平 均 して 算 出 する 9 デュレ ーションは 現 時 点 における 金 支 払 いの 平 均 期 間 であり 将 来 の 各 期 における 割 引 率 各 期 に おける 死 亡 率 ( 死 亡 の 場 合 )または 生 存 率 ( 生 存 の 場 合 ) 3 各 期 における 金 支 払 い を 用 いて 算 出 される(BOX 図 表 ) 試 算 に 際 しては 割 引 率 を 国 債 金 利 で 代 用 するほか 年 齢 階 層 別 の 死 亡 率 または 生 存 率 については 国 立 社 会 人 口 問 題 研 究 所 日 本 の 将 来 推 計 人 口 による 将 来 人 口 と 将 来 死 亡 者 数 を 用 いる(BOX 図 表 ) 将 来 の デュレーションについては 年 齢 階 層 別 商 品 別 のデュレーションを 将 来 の 契 約 残 高 で 加 重 平 均 して 算 出 する 将 来 の 契 約 残 高 は 年 齢 階 層 別 商 品 別 の 加 入 率 と 支 払 額 ( 一 人 あたり)を 年 度 時 点 から 先 行 き 一 定 と 仮 定 し 将 来 の 年 齢 階 層 別 人 口 ( 推 計 値 )を 乗 じることで 算 出 した なお 解 約 率 はゼロと 仮 定 しているため デュ レーションは 過 大 評 価 となり 得 る 点 には 注 意 を 要 する また 実 際 の 商 品 は 医 療 特 約 など 顧 客 ニ ーズに 応 じた 様 々な 特 約 が 付 加 されているが これについても 考 慮 していない BOX 図 表 年 齢 階 層 別 商 品 別 のデュレー ションの 推 計 式 死 亡 のデュレーション T 割 引 率 契 約 時 価 死 亡 率 支 払 額 生 存 のデュレーション T 割 引 率 契 約 時 価 生 存 率 支 払 額 : 現 在 時 点 T: 加 入 者 の 余 命....... BOX 図 表 将 来 人 口 と 死 亡 者 数 将 来 人 口 ( 億 人 ) 将 来 死 亡 者 数 ( 百 万 人 )........... 5 5 3 35 5 5 3 35 7 歳 以 上 5~9 歳 ~ 歳 55~59 歳 5~5 歳 5~9 歳 ~ 歳 35~39 歳 3~3 歳 9 歳 以 下 ( 資 料 ) 国 立 社 会 障 人 口 問 題 研 究 所 日 本 の 将 来 推 計 人 口 * 現 国 際 局 流 動 性 預 金 が 3 か 月 以 内 に 流 出 すると 仮 定 した 場 合 銀 行 の 負 債 デュレーションは 年 未 満 と 試 算 される 日 本 銀 行 金 融 シ ステムレポート 年 月 号 などを 参 照 年 に 時 価 会 計 が 導 入 されたほか 年 3 月 期 決 算 から ソルベンシー マージン 比 率 が 見 直 され 国 内 株 式 の 価 格 変 動 等 リスク 係 数 が %から %に 引 き 上 げられた 3 99 年 代 から 年 代 にかけての 金 利 低 下 局 面 では 既 存 の 高 金 利 商 品 が 側 に 残 る 中 で の 運 用 利 回 りが 大 きく 低 下 し 逆 ざやが 生 じた このため 一 部 先 の 経 営 が 破 たんする など 生 の 経 営 が 悪 化 した なお サイドの 時 価 も 会 計 上 一 部 しか 反 映 されない 扱 いとなっている すなわち 満 期 有 目 的 有 価 証 券 と 責 任 準 備 金 対 応 債 券 に 区 分 された 有 価 証 券 は 原 則 として 時 価 評 価 を 行 わない 5 解 約 率 を 勘 案 すると 契 約 に 内 包 される 解 約 オプションを 勘 案 した 後 の デュレーションは 勘 案 する 前 の デュレー ションよりも 長 めに 計 算 される ここでは 人 口 動 態 の 要 因 が 生 の デュレーションに 与 え る 影 響 のみを 扱 っている ただし 実 際 には 人 口 動 態 の 要 因 以 外 にも 家 計 のリスク 選 好 や 金 融 環 境 の 変 化 など 種 々の 要 因 から 影 響 を 受 けると 考 えられる 7 一 般 に 加 入 者 が 予 想 以 上 に 長 生 きするリスクは Longeviy risk( 長 寿 リスク)と 呼 ばれる Longeviy risk がマクロ 金 融 面 に およぼしうる 影 響 については 次 のレポートを 参 照 Inernaional Moneary Fund, Global Financial Sabiliy Repor, April. 詳 細 は 次 の 論 文 も 参 照 桜 健 一 永 沼 早 央 梨 西 崎 健 司 原 尚 子 山 本 龍 平 日 本 の 人 口 動 態 と 中 長 期 的 な 成 長 力 : 事 実 と 論 点 の 整 理 日 本 銀 行 調 査 論 文 年 月 9 本 稿 の 試 算 方 法 に 関 する 概 念 的 な 背 景 については 次 の 論 文 を 参 照 Briys, E. and F. de Varenne, "On he risk of insurance liabiliies: Debunking some common pifalls," Journal of Risk and Insurance, Vol. (), December 997. 日 銀 レビュー シリーズは 最 近 の 金 融 経 済 の 話 題 を 金 融 経 済 に 関 心 を 有 する 幅 広 い 読 者 層 を 対 象 として 平 易 かつ 簡 潔 に 解 説 するために 日 本 銀 行 が 編 集 発 行 しているものです ただし レポートで 示 された 意 見 は 執 筆 者 に 属 し 必 ずしも 日 本 銀 行 の 見 解 を 示 すものではありません 内 容 に 関 するご 質 問 等 に 関 しましては 日 本 銀 行 金 融 機 構 局 西 岡 慎 一 (shinichi.nishioka@boj.or.jp)までお 知 らせ 下 さい なお 日 銀 レビュー シリーズおよび 日 本 銀 行 ワーキングペーパー シ リーズは hp://www.boj.or.jp で 入 手 できます 7 日 本 銀 行 年 月