TechVisor.JP White Paper ビッグデータ を 見 据 えた データ 管 理 テクノロジーの 選 択 株 式 会 社 テックバイザージェイピー
2 ビッグデータ を 見 据 えたデータ 管 理 テクノロジーの 選 択 エグゼクティブサマリー ビッグデータ が 今 日 のIT 業 界 における 重 要 概 念 のひとつになっている ビッグデータ の 定 義 は 完 全 に 確 立 しているとは 言 い 難 いが 大 容 量 多 様 性 ( 構 造 化 と 非 構 造 化 ) リアルタイム 性 という 特 性 を 持 ったデータを 指 すことが 一 般 的 である ビジネス 上 の 競 合 差 別 化 のために データ 分 析 を 活 用 するという 考 え 方 自 体 は 過 去 から 存 在 する が データを 生 み 出 すソースの 範 囲 拡 大 そして データを 処 理 管 理 するテクノロジーの 選 択 肢 の 拡 大 に 伴 い ビッグデータ の 企 業 にとっての 価 値 が 急 速 に 高 まっている 企 業 の ビッグデータ 管 理 テクノロジー 戦 略 においては ビッグデータ の 特 性 のうちの 大 容 量 以 外 の 特 性 すなわち 多 様 性 とリアルタイム 性 にも 注 目 する 必 要 がある また データ 分 析 だけではなく マルチメディア コンテンツの 配 信 やアーカイブなども ビッグデータ の 応 用 に 含 めて 考 えるべきである データ 管 理 テクノロジーの 選 択 にあたっては 既 存 システムとの 連 携 やスキルの 調 達 容 易 性 など の 要 件 も 加 味 した 現 実 的 な 考 慮 を 行 なう 必 要 がある SQLやオブジェクト アクセスを 含 む 多 様 な アクセスに 対 応 するハイブリッド 型 DBMSは 一 般 企 業 が ビッグデータ の 価 値 を 享 受 する 上 で 重 要 な 選 択 肢 のひとつなる 可 能 性 が 高 い ビッグデータ ムーブメントが 意 味 するもの IT 業 界 のみならずビジネスの 世 界 においても ビッグデータ が 大 きな 注 目 を 集 めている 大 量 データの 分 析 によりビジネス 上 の 価 値 を 得 るという ビッグデータ の 一 般 的 定 義 については 異 論 がないと 思 われるが 詳 細 な 定 義 については 当 事 者 により 相 違 がある ビッグデータ は その 名 のとおり 大 容 量 のデータを 指 すことに 加 えて 非 構 造 化 データを 含 む 多 様 なタイプのデータ さらに リアルタイム 性 が 高 いデータを 指 すことが 多 い すなわち Volume Variety Velocityという 3つのV の 要 素 を 備 えたデータを ビッグデータ と 呼 ぶこ とが 多 い( 図 1) 本 稿 でも 基 本 的 にこの 意 味 で ビッグデータ という 用 語 を 使 用 していく なお 単 に 大 量 のデータという 以 上 の 意 味 を 持 っていることから カッコ 付 きでこの 用 語 を 使 用 していく こととしたい 図 1. ビッグデータ の 定 義
3 また ビッグデータ の 利 用 分 野 という 観 点 から 言 うと 一 般 的 には 大 量 データの 分 析 にフォー カスがあたっていることが 多 い ビッグデータ すなわち 大 量 データの 分 析 であるという 立 場 を 取 る 者 もいる しかし ビッグデータ の 用 途 には 大 量 データの 配 信 ( 典 型 的 にはストリーミ ングなどのマルチメディア 配 信 )や 大 量 データの 保 管 検 索 ( 典 型 的 にはイメージ 情 報 や 動 画 情 報 のコンテンツ アーカイブ)なども 含 めて 考 えるべきだ 分 析 配 信 保 管 検 索 等 の 用 途 によら ず 求 められる 基 盤 テクノロジーには 共 通 部 分 が 多 いからである また 組 織 が 収 集 した ビッグデー タ をどのような 用 途 に 使 うかは 事 前 に 狭 く 設 定 しておくべきものではなく 最 初 の 段 階 では 思 い もつかなかった 新 たな 活 用 法 が 常 に 模 索 されるべきものである たとえば アーカイブ 目 的 で 蓄 積 していた 画 像 データを 分 析 することで 新 たな 知 見 が 得 られることもあるだろう 企 業 は ビッグデー タ の 活 用 分 野 を 広 くとらえ 少 なくとも 分 析 メディア 配 信 コンテンツ 管 理 という3つの 用 途 を 想 定 しておくことが 必 要 だ( 図 2) 図 2. ビッグデータ の 応 用 ビッグデータ は 一 時 の 流 行 ではない 言 うまでもなくIT 業 界 には 常 に 新 しいキーワードが 生 まれている その 中 には 長 期 的 な 重 要 概 念 として 残 っていくものもあれば 一 時 の 流 行 語 で 終 わってしまうものもある ビッグデータ は 前 者 である 可 能 性 が 高 いと 考 えられる そもそも データを 分 析 してビジネス 上 の 知 見 を 得 るとい う 考 え 方 は 特 別 なものではなく データウェアハウジング ビジネス インテリジェンス データ マイニング ビジネス アナリティクス 等 の 名 称 で 数 十 年 前 から 企 業 ITの 世 界 に 存 在 し 多 くの 企 業 に 価 値 を 提 供 してきた 現 時 点 で ビッグデータ という 言 葉 に 注 目 が 集 まっているのは この 概 念 が 突 然 に 出 現 したか らというわけではなく 環 境 の 変 化 によりその 重 要 性 が 急 増 したからだ ここで 言 う 環 境 の 変 化 と しては まず データを 処 理 管 理 するためのハードウェア 性 能 の 劇 的 向 上 と 価 格 の 劇 的 低 下 そ して ソーシャル コンピューティング モバイル 機 器 センサー 無 線 タグなどの 大 量 多 様 リアルタイムのデータを 生 成 するデータソースの 拡 大 がある 今 までは 収 集 できていなかった あるいは 収 集 してもすぐに 廃 棄 していたデータを 資 産 として 有 効 活 用 できる 機 会 が 一 気 に 拡 大 していることで データがビジネスにもたらす 価 値 が 今 まで 以 上 に 高 まっているのである( 図 3) 企 業 は 自 社 のデータ 管 理 テクノロジー 戦 略 を 再 考 することで
4 ビッグデータ のビジネス 価 値 を 最 大 限 に 享 受 できるようにするための 準 備 を 始 めるべきだ 図 3. ビッグデータ の 本 質 ビッグデータ 管 理 のためのテクノロジー 冒 頭 で 述 べた ビッグデータ の 定 義 からも 明 らかなように 企 業 が ビッグデータ の 管 理 テ クノロジー 戦 略 を 考 える 上 では 大 容 量 という 要 素 だけでなく 多 様 そして リアルタイムとい う 要 素 についても 十 分 に 考 慮 する 必 要 がある また データの 分 析 だけではなく 配 信 やコンテン ツ 管 理 などの 多 様 な 用 途 に 対 応 できる 必 要 がある その 観 点 から 主 要 なデータ 管 理 テクノロジーの 選 択 肢 を 見 ていこう 並 列 処 理 フレームワークであるHadoop ビッグデータ に 特 有 のテクノロジーとしてMapReduceとHadoopに 注 目 が 集 まっ ている MapReduceとはGoogleの 検 索 エンジン 等 のサービスで 使 用 されている 並 列 処 理 プラットフォームである HadoopはMapReduceの 基 本 的 概 念 に 基 づき Yahoo! 等 が 開 発 し 現 在 はApacheソフトウェア 財 団 の 管 理 下 にあるオープンソース ソフ トウェアである Hadoopの 基 本 的 考 え 方 は 大 容 量 データを 複 数 のプロセスで 並 列 的 に 処 理 し(Map プロセスと 呼 ばれる) 最 後 に 結 果 を 併 合 する(Reduceプロセスと 呼 ばれる)ことに ある( 図 4 参 照 ) いわゆる 並 列 バッチ 処 理 の 仕 組 みであり 考 え 方 としてはそれほど 新 しいものではない Hadoopの 意 義 は 共 通 のプラットフォームが 提 供 されることで 多 くの 開 発 者 の 開 発 努 力 を 結 集 して 健 全 なエコシステムが 構 築 できる 下 地 が 整 ったこ
5 とにある ここで 重 要 な 点 は Hadoopはあくまでもバッチ 処 理 テクノロジーであって デー タ 管 理 テクノロジーではないということだ Hadoopのディストリビューションの 一 部 としてHDFS(Hadoop Distributed File System)が 提 供 されているが これは 名 前 のとおりファイルシステムに 過 ぎず 構 造 を 持 ったデータを 管 理 できるわけではな い また レコード 単 位 の 排 他 制 御 機 能 等 も 提 供 されるわけではなく DBMSを 代 替 するテクノロジーではない つまり Hadoopは Webログ 分 析 などの 特 定 アプリケーション 向 けの 処 理 プラッ トフォームとしては 重 要 であるものの それ 単 独 では データベース 的 な 活 用 を 行 な うことはできない 特 に データの 配 信 やコンテンツ 管 理 という 用 途 には 本 来 的 に 適 していない ビッグデータ の 世 界 ではHadoopが 唯 一 のソリューションであるかの ような 立 場 を 取 る 者 もいるがこれは 正 しいとは 言 えない 下 記 のNoSQLや 従 来 型 の DBMSと 組 み 合 わせて 活 用 すべきものである 図 4.MapReduce/Hadoop の 概 念 一 般 企 業 ユースでは 制 限 が 多 いNoSQL NoSQLとは データ 管 理 テクノロジーの 基 本 となっているRDBMSのアーキテ クチャーに 依 存 しないタイプのデータベース テクノロジーを 指 す 正 確 には "NoRelational"とも 呼 ぶべきであるが NoSQLの 用 語 が 定 着 している NoSQLの 例 と しては HadoopベースのHBase Facebookが 開 発 したCassandra Amazonが 開 発 し たSimpleDB オープンソースのMongoDBなどがある 非 リレーショナル 型 のデータベースは かなり 以 前 から 存 在 するが ビッグデータ
6 への 注 目 の 高 まりと 並 行 してNoSQLに 注 目 が 集 まっている 背 景 には 何 があるのだろ うか?それはRDBMSの 特 徴 であった 要 素 のいくつかが 大 容 量 データの 扱 いにおいて 制 限 となるケースが 出 ているからだ RDBMSの 特 徴 の 第 一 はデータをリレーション( 表 )という 制 限 は 大 きいものの わかりやすく 扱 いやすい 構 造 で 表 現 格 納 できる 点 である 現 実 世 界 のデータ 構 造 を リレーションにモデル 化 するための 手 法 も 一 般 化 している 第 二 に データの 整 合 性 が 厳 密 に 確 保 される 点 が 挙 げられる 一 般 に ACID 属 性 (Atomicity Consistency Isolation Durability)と 呼 ばれる 属 性 であり 仮 に 処 理 途 中 で 障 害 が 発 生 してもデー タが 失 われたり 更 新 が 中 途 半 端 な 状 態 で 終 わってしまったりすることがない 企 業 の 世 界 でトランザクション 処 理 を 行 なう 場 合 にはこれは 必 要 不 可 欠 な 属 性 である 第 三 に 広 く 普 及 したデータ 操 作 言 語 であるSQLが 使 用 できる 点 がある SQLは 製 品 ご とに 相 違 はあるものの 基 本 的 部 分 は 共 通 であり データベース 系 エンジニアであれば 誰 でも 習 得 しているためスキルの 調 達 がきわめて 容 易 である また プログラム 内 部 からのデータベースアクセスだけではなく 対 話 型 のコマンド 入 力 によりプログラミ ングなしでデータアクセスが 行 なえるということは 開 発 テスト そして パワー ユーザーによるアドホック 分 析 などのシナリオにおいてきわめて 有 効 である これらの 優 位 性 の 代 償 としてRDBMSには 制 限 がある そして それらの 制 限 がも たらす 問 題 が ビッグデータ 時 代 には 無 視 できなくなってきた ビッグデータ 環 境 におけるRDBMSの 最 大 の 制 限 は 二 次 元 の 表 形 式 によるデータ 管 理 である これ は 数 値 という 構 造 化 データを 扱 うのには 適 しているが 非 構 造 化 のデータには 本 質 的 に 向 いていない 特 に インスタンスによって 長 さや 構 造 が 大 きく 異 なるタイプのデー タを 扱 うのには 向 いていない RDBMSのもうひとつの 制 限 は 多 数 のサーバによる 並 列 処 理 (いわゆる 水 平 スケー リング)による 処 理 能 力 の 向 上 が 限 定 的 である 点 である 先 にRDBMSの 第 二 の 特 徴 として 挙 げた 厳 密 なデータ 整 合 性 管 理 を 実 現 するためには データの 更 新 を 行 なうプ ロセスどうしが 情 報 の 交 換 を 行 なうことが 必 要 になる しかし 多 数 のサーバから 成 る 並 列 処 理 環 境 ではこのプロセス 間 通 信 がオーバーヘッドになって 全 体 的 な 性 能 を 向 上 できないのである そして これらの 問 題 点 解 決 のために NoSQLは 妥 協 を 行 なっている より 具 体 的 に 言 えば データの 整 合 性 が 常 に 維 持 されるわけではなく 結 果 整 合 性 と 呼 ば れる 最 終 的 に 整 合 性 が 取 れれば 十 分 という 設 計 アプローチが 取 られている ゆえに たとえば 金 銭 データの 更 新 を 扱 うアプリケーションにおいてNoSQLを 使 用 するこ とは 非 現 実 的 である NoSQLは 大 規 模 ネットサービス 企 業 における 超 大 容 量 の 非 構 造 化 データの 管 理 分 析 には 不 可 欠 になっている たとえば SNSにおけるユーザー 間 のつながりを 表 現 したグラフであるソーシャル グラフの 管 理 や 分 析 には 本 質 的 に 向 いている しかし
7 前 述 の 厳 密 なデータ 整 合 性 の 欠 如 などの 理 由 により 一 般 企 業 におけるビジネス ア プリケーションには 適 しているとは 言 えない NoSQLはRDBMSを 補 完 する 存 在 であって 置 き 換 えていく 存 在 ではない 点 に 注 意 す べきだ データベース 関 連 の 識 者 の 中 では NoSQLを No SQL at all (SQLは 不 要 ) ではなく Not Only SQL (SQLだけが 解 決 策 ではない)ととらえることが 一 般 的 見 方 だ( 図 5 参 照 ) 図 5.NoSQL テクノロジーの 位 置 づけ 実 績 あるRDBMSの 拡 張 RDBMS 自 体 のテクノロジー 進 化 そして それを 稼 働 するハードウェアの 進 化 は 著 しく 大 量 データのリアルタイム 処 理 は 十 分 に 可 能 になっている そして RDBMSおよびそのアクセス 言 語 であるSQLのスキルの 蓄 積 にも 多 大 なものがある テーブル(リレーション)という 理 解 しやすい 構 造 に 基 づいた 厳 密 なデータ モデル(ス キーマ)により クエリー 作 成 やプログラミングの 負 担 も 小 さい さらに 厳 密 なデー タ 整 合 性 の 確 保 は 分 析 系 アプリケーションにおいても 重 要 であることが 多 い ビッ グデータ のそもそもの 定 義 として リアルタイムで 更 新 されるデータに 対 する 分 析 を 行 なうシナリオは 十 分 に 考 えられるからである これらの 理 由 から 一 般 的 企 業 においては RDBMSを 依 然 として ビッグデータ 管 理 の 中 心 的 テクノロジーと 位 置 付 けるべきである なお Facebookなどの 大 規 模 ネット 系 企 業 においてもほぼ 例 外 なくRDBMSは 利 用 されている 前 述 のとおり 従 来 型 RDBMSでは 大 量 の 非 構 造 化 データの 扱 いが 必 ずしも 効 率 的 ではないため こ の 問 題 を 解 決 するために 従 来 型 RDBMSを 中 心 としながらそれを 適 宜 補 強 するアプ ローチが 望 ましい RDBMSを 補 強 するアプローチとしては 前 述 のHadoopを 使 う 方 法 がある 大 量 の 非 構 造 化 データの 分 析 をHadoopによってRDBMSからオフロードし 分 析 結 果 だけを RDBMSに 書 き 戻 すなどの 方 式 が 有 効 である また ハイブリッド 型 データベースとも 呼 べるユニークなデータベース 管 理 システ ムも 登 場 してきている 非 常 に 柔 軟 な 永 続 データ 構 造 を 持 ち データを 操 作 するため のスクリプト 言 語 がその 永 続 データエンジンと 密 接 に 連 携 し かつオブジェクト リ レーショナル XML 等 さまざまなアクセスパラダイムに 基 づくインターフェースを
8 既 に 実 装 しており それぞれを 使 ってデータに 多 彩 柔 軟 にアクセスできる さらに 新 たなパラダイムへの 対 応 も 必 要 に 応 じて 比 較 的 容 易 にかつ 効 率 よく 開 発 することが でき 同 期 や 連 携 のためのコストを 最 小 化 できる 巨 大 なトランザクションの 高 速 処 理 と 非 構 造 化 データの 分 析 機 能 も 備 えたハイブリッド 型 データベースは ビッグデー タ 時 代 に 求 められる 柔 軟 な 非 構 造 化 データの 管 理 を 効 率 的 に 行 なえる 選 択 肢 である 一 般 企 業 における 非 構 造 化 データ 管 理 テクノロジーの 特 性 について 図 6にまとめ た 図 6. ビッグデータ 管 理 テクノロジーの 比 較 Hadoop NoSQL RDBMS+α ポイント 並 列 処 理 プラットフォームであってデー タ 管 理 プラットフォームではない RDBMSの 機 能 の 一 部 において 妥 協 す ることにより 高 いスケーラビリティと 自 由 度 を 実 現 構 造 化 データでは 圧 倒 的 な 実 績 と 使 い やすさとリアルタイム 性 非 構 造 化 データの 対 応 を 付 加 機 能 によ り 補 強 典 型 的 使 用 法 We bログ 分 析 R D BMSのデータ 前 処 理 大 規 模 ネット サービス 企 業 にお けるコンテンツ 管 理 ソーシャル グラフ 分 析 サーチ 一 般 企 業 にお ける ビッグデータ のメインストリーム まとめ ビッグデータ は 一 時 の 流 行 ではなく 長 期 的 に 企 業 のビジネス さらには 社 会 全 般 に 大 きな 影 響 を 与 えていくメガトレンドである 企 業 が ビッグデータ のテクノロジー 戦 略 を 立 案 する 上 では 大 量 データの 処 理 だけでなく ドキュメントやマルチメディアなどの 非 構 造 化 データをどのよ うに 有 効 活 用 するかが ビッグデータ 時 代 に 対 応 する 上 での 重 要 なポイントとなることが 多 い 非 構 造 化 データの 管 理 を 適 切 に 行 なている 企 業 はまだ 多 いとは 言 えず この 領 域 における 実 行 力 が ビッグデータ 時 代 における 企 業 の 主 要 差 別 化 要 素 となることが 予 測 される テクノロジー 選 択 にあたっては また 既 存 システムとの 連 携 やスキルの 調 達 容 易 性 などの 要 件 についても 現 実 的 な 考 慮 を 行 なう 必 要 がある 企 業 ITにおいてRDBMSだけでは 対 応 できない 領 域 が 増 加 しているこ とは 確 かだが SQLという 実 績 とスキルの 蓄 積 があるRDBMSを 補 強 するアプローチは 企 業 の ビッ グデータ 管 理 テクノロジーにおける 重 要 な 選 択 肢 のひとつである
TechVisor.JP White Paper ビッグデータ を 見 据 えたデータ 管 理 テクノロジーの 選 択 発 行 2012 年 4 月 1 日 発 行 所 株 式 会 社 テックバイザージェイピー 代 表 栗 原 潔 URL http://www.techvisor.jp/ 本 書 に 記 載 されている 会 社 名 商 品 名 等 は 各 社 の 商 標 または 登 録 商 標 です
10 ビッグデータ パラダイムシフト と InterSystems CACHÉ インターシステムズジャパン 株 式 会 社 昨 今 のビッグデータのブームに 伴 って 従 来 のリレーショナルデータベースでは 取 り 扱 いにくい データ 処 理 のための 様 々なデータベーステクノロジーが 開 発 されてきた この 前 提 は There is no one size fits all solution つまり 何 にでも 対 応 できる 万 能 の 解 決 策 は ないという 考 えのもと 必 要 に 応 じて 適 切 な 技 術 で 問 題 に 対 処 すれば 良 いという 方 向 性 だ 確 かに 何 にでも 万 能 に 対 応 できるソリューションは 存 在 しない しかし 様 々なデータベースを 適 宜 使 い 分 けるとそれらを 連 携 させる 必 要 がある 場 合 には 様 々な 余 計 な 作 業 が 発 生 することになる (データ 移 行 データ 変 換 データクレンジングなど) しかもこれらの 作 業 は 一 過 性 のものではな くデータを 利 用 し 続 ける 限 り 状 況 の 変 化 に 応 じて 追 加 の 作 業 が 発 生 する これらは 通 常 目 に 見 え ないコストだが 長 い 目 で 見 れば 非 常 に 大 きなコストとなる インターシステムズのデータベーステクノロジーは ある 特 定 のアクセスパラダイムに 特 化 する のではなく 必 要 に 応 じて 様 々なアクセスパラダイムに 対 応 できるように 技 術 を 進 化 させるという 方 向 で 進 化 してきた その 結 果 の1つが オブジェクト 指 向 のインターフェースをサポートしながらRDBMSに 遜 色 の ないSQLインターフェースのサポートを 実 現 しているという 点 である さらにXMLをハンドリングするインターフェースを 持 ったり サードパーティ 製 品 にはCACHÉ をあたかもXMLDBのように 見 せる 製 品 もある また 非 常 に 限 られたマーケットで 使 用 されてい るMultiValueという 特 殊 なデータベース 規 格 (1つのアクセスパラダイム)がある インターシステムズはこの 規 格 を 使 用 しているユーザーのために この 規 格 のインターフェース を 開 発 し マイグレーションパスを 提 供 している この 様 に インターシステムズのデータベース テクノロジーには 色 々なアクセスパラダイムを 真 似 する 能 力 がある 何 故 真 似 ることができるのか? 真 似 るということは その 振 る 舞 いをコピーすることである 振 る 舞 いをコピーするということ はコンピュータの 世 界 で 考 えれば プログラミングで 記 述 して 何 かを 実 行 するということにほかな らない インターシステムズのデータベーステクノロジーにおいてユニークであり 重 要 なことは 永 続 データエンジンだけでなくプログラミング 言 語 が 内 蔵 され しかもそのプログラミング 言 語 と 永 続 データエンジンが 非 常 に 密 接 に 最 適 に 連 携 しているという 点 である
11 一 般 的 にはデータベースエンジンとプログラミング 言 語 は 全 く 別 物 として 考 えられており それ らが 連 携 する 際 には 一 定 のオーバーヘッドが 避 けられない 従 ってあるアクセスパラダイムに 対 応 したデータベースを 違 うアクセスパラダイムでアクセスできるような 仕 組 み(つまり 真 似 をする) を 作 ろうとした 場 合 プログラミング 言 語 とデータベースエンジンのオーバーヘッドが 大 きく 実 用 的 なシステムを 構 築 することは 至 難 の 技 だ 実 際 リレーショナルデータベースをオブジェクトデータベースに 見 せるためのO/Rマッパーと 呼 ばれるフレームワークが 多 数 実 装 されているが 性 能 確 保 に 苦 労 するケースが 多 いようで 普 及 し ているとは 言 い 難 い 状 況 である CACHÉの 場 合 はこのオーバーヘッドが 非 常 に 少 ないため 何 かを 真 似 してもスピードが 落 ちる ということがない しかもこの 真 似 する 技 術 開 発 は インターシステムズにしかできないことでは なく 開 発 者 が 自 分 であるアクセスパラダイムを 真 似 する 開 発 を 行 うことも 可 能 である 結 果 としてインターシステムズデータベーステクノロジープラットフォームという1つの 環 境 で 様 々なニーズに 合 ったデータベース 開 発 に 対 応 することができる これは 複 数 のデータベースシステムと 格 闘 するという 悪 夢 から 解 放 されることを 意 味 する 変 化 ( 進 化 )することができるデータベーステクノロジー これこそが 他 のデータベーステクノ ロジーとインターシステムズのデータベーステクノロジーの 違 いである 現 在 InterSystemsではi.knowと 呼 ばれる 言 語 セマンティックエンジンをデータベーステクノロ ジーに 統 合 する 作 業 を 行 っている( 一 部 の 言 語 向 けには 完 成 ) これが 完 成 すると 構 造 化 データだけでなくいわゆる 非 構 造 データもデータベースに 取 り 込 んで 様 々なデータ 処 理 が 実 現 することとなる この 事 実 も 進 化 するデータベーステクノロジーの 一 面 を よく 表 しているといえる InterSystems CACHÉ について: ハイブリッド 型 データベースとも 呼 ばれる InterSystems Cache は リレーショナルデータベー スより 高 速 にSQLクエリを 処 理 する 高 性 能 オブジェクトデータベース CACHÉにより Webアプリケー ションの 迅 速 な 開 発 非 常 に 高 速 なトランザクション 処 理 速 度 や 高 い 拡 張 性 トランザクションデー タへのリアルタイムクエリを 最 小 限 の 保 守 要 件 で 実 現 CACHÉは 広 範 な 開 発 ツール プログラ ム 言 語 ハードウェアプラットフォームをサポートしている お 問 い 合 わせ 先 インターシステムズジャパン 株 式 会 社 160-0023 東 京 都 新 宿 区 西 新 宿 6-10-1 日 土 地 西 新 宿 ビル17F TEL:03-5321-6200 URL:InterSystems.co.jp/