平 成 23 年 度 千 代 田 区 議 会 政 務 調 査 研 究 費 に 関 する 意 見 書 平 成 24 年 10 月 千 代 田 区 議 会 政 務 調 査 研 究 費 交 付 額 等 審 査 会
目 次 1.はじめに... 1 2. 対 象 年 度 及 び 会 派... 1 (1) 年 度... 1 (2) 会 派... 1 3. 全 体 的 な 使 途 傾 向 について... 2 (1) 会 派 によって 異 なる 使 途 費 目 の 統 一... 2 (2) 議 会 内 の 適 正 チェック... 2 (3) 区 議 会 議 員 選 挙 前 (4 月 分 )の 政 務 調 査 研 究 費... 2 4. 各 会 派 の 使 途 について... 3 (1)タクシー 利 用 にかかる 経 費... 3 (2) 手 書 きの 領 収 書... 3 (3) 飲 食 費... 4 (4) 大 学 院 の 学 費... 4 (5) 図 書 の 購 入... 4 (6) 視 察 経 費... 5 (7) 切 手 代... 5 (8) 消 耗 品... 5 5.まとめ... 5 6. 千 代 田 区 議 会 政 務 調 査 研 究 費 交 付 額 等 審 査 会 会 議 概 要... 7 7. 千 代 田 区 議 会 政 務 調 査 研 究 費 交 付 額 等 審 査 会 に 関 する 規 程... 9 8. 千 代 田 区 議 会 政 務 調 査 研 究 費 交 付 額 等 審 査 会 委 員 名 簿... 11
1. はじめに 政 務 調 査 費 は 平 成 12 年 の 地 方 自 治 法 改 正 によって 地 方 議 会 の 活 性 化 を 図 ることを 目 的 として 制 度 化 された 千 代 田 区 議 会 では 平 成 13 年 に 千 代 田 区 議 会 政 務 調 査 研 究 費 の 交 付 に 関 する 条 例 ( 以 下 条 例 という)が 制 定 され 会 派 の 調 査 研 究 に 必 要 な 経 費 の 一 部 が 交 付 されているものである また 政 務 調 査 研 究 費 の 適 正 かつ 透 明 性 を 確 保 した 執 行 に 努 めるため 千 代 田 区 議 会 独 自 の 取 り 組 みとして 当 初 から 領 収 書 の 原 本 を 報 告 書 に 添 付 し 支 出 の 内 容 を 明 らかにするなど 他 の 自 治 体 に 先 駆 けた 先 進 的 な 取 り 組 みが 行 われ てきた 政 務 調 査 研 究 費 交 付 額 等 審 査 会 ( 以 下 審 査 会 という)はこれまで 議 長 の 意 見 聴 取 機 関 として 全 会 派 の 報 告 書 を 点 検 し 交 付 額 をはじめ より 適 切 な 支 出 について 区 民 の 視 点 にたって 審 査 し 意 見 書 等 を 議 長 に 提 出 してきた 平 成 23 年 度 分 は 区 議 会 議 員 選 挙 前 (4 月 分 )の 全 11 会 派 分 と 改 選 後 の5 月 分 から3 月 分 の 全 8 会 派 分 を 審 査 し 使 途 について 意 見 をとりまとめた ので 千 代 田 区 議 会 議 長 に 提 出 する 2. 対 象 年 度 及 び 会 派 (1) 年 度 平 成 23 年 度 ( 平 成 23 年 4 月 ~ 平 成 24 年 3 月 ) (2) 会 派 123 年 4 月 分 ( 区 議 会 議 員 選 挙 前 ) 全 11 会 派 自 由 民 主 党 議 員 団 (8) 日 本 共 産 党 区 議 団 (3) 新 しい 千 代 田 (3) 公 明 党 議 員 団 (2) ちよだの 声 (2) ネットワーク(1) 千 代 田 区 民 クラブ(1) ちよだの 声 2(1) 千 代 田 未 来 の 会 (1) 新 しい 風 千 代 田 (1) 民 主 (1) ( ) 内 は 会 派 人 数 223 年 5 月 分 ~24 年 3 月 分 ( 区 議 会 議 員 選 挙 後 ) 全 8 会 派 自 由 民 主 党 議 員 団 (10) 新 しい 千 代 田 (5) 日 本 共 産 党 区 議 団 (2) 公 明 党 議 員 団 (2) ちよだの 声 (2) ちよだの 声 民 主 (2) ネットワーク(1) 行 革 クラブ(1) ( ) 内 は 会 派 人 数 1
3. 全 体 的 な 使 途 傾 向 について 政 務 調 査 研 究 費 は 政 務 調 査 研 究 のため 使 途 を 限 定 された 交 付 金 であり 適 正 な 執 行 が 求 められる また 事 後 のチェックが 円 滑 に 行 えるようにして おくことが 望 ましい (1) 会 派 によって 異 なる 使 途 費 目 の 統 一 区 政 報 告 書 の 新 聞 折 り 込 み 経 費 は 支 出 内 容 が 同 一 であるにも 関 わらず 会 派 によって 費 目 が 異 なっている 例 がある 議 会 内 で 適 切 な 支 出 費 目 を 協 議 し 統 一 するべきである (2) 議 会 内 の 適 正 チェック 政 務 調 査 研 究 費 は 会 派 ごとに 交 付 され( 条 例 第 4 条 ) 収 支 報 告 は 会 派 単 位 で 行 なわれている( 条 例 第 14 条 ) 政 務 調 査 研 究 費 は 会 派 内 におい て 会 派 全 体 として 使 用 する 分 と 各 議 員 の 判 断 で 使 用 する 分 がある 会 派 としての 使 途 でも 問 題 と 思 われるものがあるが 議 員 個 人 が 判 断 し て 支 出 しているものについては 各 自 の 判 断 ということもあって 同 じ 会 派 であっても 議 員 の 支 出 内 容 が 相 当 に 異 なる 例 がタクシー 代 や 飲 食 代 な どにおいてみられる 同 じ 議 会 内 会 派 内 において 多 額 ないし 頻 回 のタクシー 代 や 飲 食 代 を 必 要 とする 議 員 とそうでない 議 員 がいるというのは 合 理 的 な 理 解 が 困 難 で ある 調 査 研 究 のために 交 付 された 費 用 であることを 踏 まえて 議 員 個 人 や 会 派 内 で 報 告 書 を 点 検 し 支 出 内 容 が 適 正 かどうかを 確 認 するべきであ る( 条 例 第 3 条 第 2 項 条 例 第 13 条 ) 各 自 の 判 断 だけでは 恣 意 性 や 思 い 込 みに 陥 ることもあるので 議 員 にと って 率 直 な 意 見 交 換 をしやすいであろう 会 派 内 で 各 自 の 支 出 内 容 を 相 互 に 検 討 し 合 い 合 理 性 を 確 認 して 行 くことで 相 当 の 合 理 性 を 確 保 できる ようになるはずである これにさらに 千 代 田 区 議 会 全 体 での 意 見 交 換 を 行 うことで 議 会 全 体 としてより 合 理 的 な 支 出 を 実 行 し 得 るようになること が 期 待 できると 考 える (3) 区 議 会 議 員 選 挙 前 (4 月 分 )の 政 務 調 査 研 究 費 千 代 田 区 議 会 では 政 務 調 査 研 究 費 を 四 半 期 ごとに 会 派 に 交 付 し 年 度 を 単 位 として 精 算 することとなっているが 区 議 会 議 員 の 改 選 時 は 特 例 として4 月 分 のみを 交 付 し 精 算 している このとき 余 剰 があれば 返 還 し なければならない 2
平 成 23 年 度 は 区 議 会 議 員 選 挙 が 行 われたため 4 月 分 の 政 務 調 査 研 究 費 が1か 月 分 のみ 交 付 され 同 月 の 支 出 だけで 精 算 された このため 4 月 分 の 政 務 調 査 研 究 費 の 支 出 内 容 は それ 以 前 の 支 出 内 容 と 異 なるものが あり 余 剰 が 出 ないよう 使 い 切 ろうとしていた 傾 向 が 見 られた 4. 各 会 派 の 使 途 について (1) タクシー 利 用 にかかる 経 費 タクシー 代 の 支 出 状 況 が 議 員 によって 大 きく 異 なっている 千 代 田 区 は 狭 い 区 域 (11.64 平 方 キロメートル)であり JR 線 地 下 鉄 バス などの 公 共 交 通 機 関 の 利 便 性 が 極 めてよい 地 域 であることから 徒 歩 や 自 転 車 料 金 の 安 い 公 共 交 通 機 関 を 優 先 的 に 利 用 すべきである 多 くの 議 員 がタクシーを 頻 繁 に 利 用 していないことからすれば 身 体 の 障 害 や 病 気 を はじめやむを 得 ない 事 情 がある 場 合 を 除 き 基 本 的 にすべての 議 員 にとっ て 実 行 可 能 なはずである 公 共 交 通 機 関 の 動 いていない 深 夜 の 時 間 帯 にタクシーを 利 用 すること はやむを 得 ないが 会 議 そのものを 深 夜 にまでわたらないよう 配 慮 するこ とは 相 手 方 のためにも 必 要 である タクシー 代 を 支 出 した 際 には 会 計 整 理 票 の 支 出 内 容 欄 に 使 用 目 的 を 詳 細 に 記 載 するよう 求 めるべきである また タクシー 経 費 の 上 限 額 を 定 めることも 検 討 すべきである (2) 手 書 きの 領 収 書 日 付 や 金 額 但 し 書 きが 手 書 きになっている 領 収 書 が 目 立 つが 作 成 者 の 誤 記 や 領 収 書 受 領 者 の 意 向 に 基 づく 恣 意 的 な 記 載 が 入 り 込 む 余 地 があ るので 可 能 な 限 り 排 除 されるべきである しかも 報 告 書 の 添 付 書 類 としては 適 正 支 出 ( 条 例 第 13 条 )の 裏 付 け 資 料 が 必 要 であることからすれば 内 訳 が 不 明 ないし 概 括 的 な 領 収 書 よ りも 個 別 具 体 的 に 印 字 されているレシートの 方 が 添 付 資 料 としては 望 ま しい したがって 今 後 は 可 能 な 限 りレシートを 添 付 することを 検 討 す べきである また 偽 造 が 強 く 疑 われる 手 書 きの 領 収 書 が 確 認 されたので これにつ いては 該 当 する 会 派 (その 会 派 が 現 存 しない 場 合 には 当 時 の 会 派 の 代 表 者 )に 返 還 を 求 めるべきである 3
(3) 飲 食 費 他 の 議 員 と 比 べて 飲 食 費 の 支 出 が 非 常 に 多 い 議 員 がいる また 政 務 調 査 研 究 費 で 毎 月 同 じ 人 数 が 出 席 する 飲 食 を 伴 う 会 議 をホテルで 行 って いる 会 派 がある 政 務 調 査 研 究 のために 必 要 と 言 えるか 疑 問 がある 飲 食 は 本 来 的 には 個 人 的 な 消 費 であることから 飲 食 費 の 支 出 の 禁 止 を 明 示 している 議 会 もある 中 で 千 代 田 区 議 会 では 逆 に 一 人 5,000 円 ま でを 許 容 している これは 通 常 の 飲 食 としても 高 額 であるので 支 出 を 認 めるとしても この 上 限 額 の 見 直 しを 検 討 するべきである また 飲 食 費 の 領 収 書 には 手 書 きのものが 多 く 支 出 明 細 が 不 明 である 区 民 への 説 明 責 任 を 果 たすためにも 支 出 の 明 細 のわかるレシートを 添 付 することが 適 当 と 考 える (4) 大 学 院 の 学 費 大 学 院 などの 学 費 を 支 出 している 議 員 がいる 議 員 に 当 選 してから 行 政 に 関 する 専 門 的 な 勉 強 をしようとする 姿 勢 は 積 極 的 に 評 価 されるべきで ある しかし 大 学 院 などで 学 んだ 内 容 は 本 来 個 人 の 能 力 やキャリア を 高 めるための 個 人 資 産 と 考 えられる 大 学 院 の 学 費 は 入 学 者 が 個 人 で 負 担 すべきものであって 自 治 体 が 政 務 調 査 研 究 費 として 支 出 すべきもの とは 考 えにくい 区 議 会 議 員 として 議 会 の 仕 事 に 還 元 できる 部 分 があると しても どの 程 度 であるかを 判 断 することはなかなか 難 しいことから 少 なくとも 全 額 を 政 務 調 査 研 究 費 で 負 担 することは 適 当 でない 大 学 院 の 学 費 が 高 額 であること( 年 額 1,612,500 円 のうち 947,500 円 や 年 額 934,750 円 のうち 552,250 円 の 支 出 実 績 がある)からすると 過 去 の 裁 判 例 なども 参 考 にしつつ 会 派 内 や 議 会 内 で 議 論 し 禁 止 一 定 割 合 上 限 額 (たと えば 年 50 万 円 以 内 )などを 決 めるべきである (5) 図 書 の 購 入 週 刊 誌 類 は 消 耗 品 としての 性 質 が 高 く 政 務 調 査 研 究 費 にはなじまない 雑 誌 や 月 刊 誌 など 様 々な 書 籍 をまとめ 買 いしている 例 があるが 雑 多 な 書 籍 を 政 務 調 査 研 究 費 でまとめ 買 いをする 必 要 があるのか 甚 だ 疑 問 があ る しかも 領 収 書 は 手 書 きであり 内 訳 の 記 載 も 不 十 分 であった インターネット 小 売 販 売 店 において 図 書 を 購 入 し 領 収 書 を 添 付 してい ない 会 派 がある クレジットカード 払 いで 購 入 したために 領 収 書 が 発 行 さ れないことによるが 購 入 図 書 と 支 出 した 内 容 との 関 係 が 明 らかとなるよ う インターネット 小 売 販 売 店 やクレジットカードの 請 求 明 細 書 も 報 告 書 に 添 付 するよう 検 討 する 必 要 がある できれば 他 の 会 派 と 同 じような 購 4
入 方 法 をしていただきたい ほとんどの 会 派 では 書 籍 代 の 支 払 を 証 明 する 書 類 として 領 収 書 を 添 付 しているため インターネットで 書 籍 を 購 入 した 場 合 でも 領 収 書 を 添 付 する 手 続 きをとるよう 求 めることも 検 討 すべきである また 議 会 にとって 有 益 な 書 籍 については 議 員 の 共 通 財 産 となるよう できるだけ 議 会 図 書 室 経 費 での 購 入 を 検 討 するべきである (6) 視 察 経 費 報 告 書 や 添 付 書 類 を 見 ただけでは 視 察 の 必 要 性 や 私 的 旅 行 などが 疑 わ れかねない 例 がある また 視 察 の 日 程 や 目 的 等 はこれまで 会 計 整 理 票 に 記 載 してこなかった ため 今 後 は 記 載 するよう 求 めるべきである (7) 切 手 代 大 量 の 切 手 (50 円 80 円 )を 毎 月 購 入 している 会 派 がある 会 計 整 理 票 や 添 付 書 類 からは なぜこれほどの 切 手 を 購 入 したのか また 何 に 使 用 したのかが 不 明 である 通 信 への 貼 付 のためであれば むしろ 郵 便 局 で 料 金 別 納 のスタンプを 押 す 方 が 簡 便 であり 合 理 的 である 他 の 議 会 で は 政 務 調 査 研 究 費 で 購 入 した 大 量 の 切 手 の 転 売 を 疑 われた 例 もあるので このような 疑 念 を 区 民 に 抱 かれないようにするためにも 切 手 の 大 量 購 入 は 控 えるべきである 大 量 購 入 する 必 要 があるのであれば その 目 的 や 用 途 を 明 確 にする 必 要 がある 今 後 は 切 手 整 理 簿 を 整 備 するとともに 報 告 書 に 整 理 簿 を 添 付 するよう 求 めるべきである (8) 消 耗 品 多 額 の 事 務 用 品 を 毎 月 一 括 購 入 している 会 派 がある 領 収 書 が 手 書 き なこともあり 何 をどれだけ 購 入 しているのかが 不 明 である 購 入 内 容 を 区 民 が 確 認 できるようにするためにも 支 出 内 容 の 明 細 を 添 付 するよう 求 めるべきである 5. まとめ 平 成 24 年 8 月 に 地 方 自 治 法 が 一 部 改 正 され 政 務 調 査 費 は 政 務 活 動 費 と 名 称 が 変 更 された また 使 途 の 範 囲 も これまでの 調 査 研 究 のため の 費 用 だけではなく 議 員 活 動 にも 広 げることが 可 能 となった 今 後 の 条 例 改 正 により 使 途 の 範 囲 を 広 げることができるとしても 5
これまで 千 代 田 区 議 会 で 議 論 を 重 ねて 改 善 してきた 流 れを 踏 まえ 引 き 続 き 厳 格 な 運 用 を 行 っていただきたい また 政 務 調 査 費 は より 一 層 の 透 明 性 を 高 めることが 求 められてい るが この 経 費 が 政 務 調 査 活 動 をさらに 充 実 するとともに 議 会 活 動 が 活 性 化 することを 期 待 するものである 6
千 代 田 区 議 会 政 務 調 査 研 究 費 交 付 額 等 審 査 会 会 議 概 要 回 数 開 催 日 内 容 1 H24.7.6 (1) 正 副 会 長 互 選 (2) 平 成 23 年 度 千 代 田 区 議 会 政 務 調 査 研 究 費 報 告 書 について (3)その 他 2 H24.9.5 (1) 平 成 23 年 度 千 代 田 区 議 会 政 務 調 査 研 究 費 意 見 書 について (2)その 他 1 地 方 自 治 法 の 一 部 を 改 正 する 法 律 の 成 立 について 2その 他 7
8
9
10
千 代 田 区 議 会 政 務 調 査 研 究 費 交 付 額 等 審 査 会 委 員 名 簿 ( 敬 称 略 ) 氏 名 備 考 会 長 民 谷 嘉 輝 (たみたに よしてる) 元 東 京 都 議 会 局 調 査 部 長 平 成 24 年 6 月 1 日 就 任 副 会 長 清 水 勉 (しみず つとむ) 弁 護 士 平 成 24 年 3 月 1 日 就 任 委 員 飯 塚 美 幸 (いいづか みゆき) 税 理 士 中 小 企 業 診 断 士 平 成 24 年 3 月 1 日 就 任 委 員 田 中 康 博 (たなか やすひろ) 麹 町 出 張 所 地 区 連 合 町 会 長 平 成 24 年 3 月 1 日 就 任 委 員 宇 田 愛 子 (うだ あいこ) 区 民 公 募 委 員 平 成 24 年 3 月 1 日 就 任 任 期 : 就 任 日 から 平 成 27 年 2 月 28 日 11