第 4 章 これからの 幼 児 教 育 のあり 方 1. 幼 稚 園 における 教 育 の 方 向 性 (1) 幼 稚 園 における 教 育 のあり 方 1 幼 稚 園 の 役 割 幼 稚 園 は 子 どもが 家 庭 では 体 験 できない 友 達 との 集 団 生 活 を 通 して 教 員 に 支 えられながら 幼 児 期 なりの 豊 かさに 出 会 う 場 です 少 子 化 の 進 行 に 伴 い 同 年 齢 の 子 どもが 地 域 社 会 に 少 なくなっていることから 子 ども 同 士 がかかわり 合 って 育 つ 幼 稚 園 の 役 割 は 一 層 重 要 です このため 幼 稚 園 は 教 育 施 設 として 子 どもが 生 涯 にわたる 人 間 形 成 の 基 礎 を 培 うことができるように 幼 児 期 の 教 育 にふさわしい 環 境 を 整 えるとともに 子 どもの 発 達 に 応 じた 適 切 な 指 導 を 通 して 質 の 高 い 幼 稚 園 教 育 を 提 供 していくこ とが 大 切 です 幼 稚 園 における 教 育 の 充 実 幼 稚 園 は 子 ども 一 人 一 人 の 発 達 が 異 なり 個 人 差 も 大 きいことや 子 育 て 環 境 などの 変 化 に 伴 う 子 ども 自 身 の 変 化 に 適 切 に 対 処 して 充 実 した 幼 稚 園 生 活 を 保 障 していくことが 求 められています また 幼 稚 園 は 質 の 高 い 教 育 を 提 供 するために 最 新 の 幼 児 教 育 の 研 究 に 関 する 情 報 を 収 集 し それらの 研 究 成 果 を 実 践 に 応 用 していくことによって 幼 稚 園 教 育 の 充 実 を 図 るとともに 子 どもの 心 情 や 行 動 に 大 きな 影 響 を 与 える 教 員 の 資 質 や 専 門 性 の 向 上 を 図 るため 必 要 な 知 識 や 技 能 を 身 につけることのできる 研 修 への 参 加 機 会 の 確 保 と 研 修 内 容 の 充 実 私 立 と 市 立 の 幼 稚 園 教 員 の 交 流 などに 努 める 必 要 があります 幼 稚 園 における 情 報 発 信 機 能 の 強 化 幼 稚 園 は 社 会 全 体 として 幼 児 教 育 の 重 要 性 や 幼 児 教 育 に 関 する 理 解 を 高 める ためにも 幼 稚 園 で 行 われている 教 育 の 内 容 や 子 育 て 支 援 などの 取 組 内 容 につい て 家 庭 や 地 域 に 積 極 的 に 情 報 発 信 していくことが 必 要 です
幼 稚 園 教 育 と 小 学 校 教 育 との 連 続 性 幼 稚 園 における 教 育 は 義 務 教 育 就 学 前 の 教 育 として 極 めて 重 要 な 役 割 を 担 っ ていることから 子 どもの 発 達 の 連 続 性 を 踏 まえ 小 学 校 教 育 との 連 続 性 を 意 識 した 教 育 内 容 とする 必 要 があるとともに 幼 児 期 が 生 涯 にわたる 人 間 形 成 の 基 礎 を 培 う 大 切 な 時 期 であることを 踏 まえ 幼 稚 園 教 育 の 独 自 の 役 割 と 機 能 を 発 揮 し ながら その 年 齢 にふさわしい 能 力 や 基 本 的 な 生 活 習 慣 を 適 切 に 身 につけること ができるようにする 必 要 があります また 幼 稚 園 と 小 学 校 との 連 携 のもとで 幼 稚 園 児 が 小 学 生 と 交 流 することは 異 年 齢 交 流 の 場 を 提 供 するものであり 双 方 の 子 どもにとっては 貴 重 な 機 会 にもなります 地 域 の 施 設 などとの 交 流 の 推 進 少 子 化 や 核 家 族 化 などの 進 行 により 子 どもにとっては 同 年 齢 や 異 年 齢 の 子 どもとの 交 流 大 人 との 交 流 の 機 会 が 減 少 してきていることから 幼 稚 園 は 集 団 生 活 を 通 して 社 会 性 をはぐくみ 社 会 生 活 に 必 要 なルールなどを 身 につけること のできる 幼 児 教 育 の 場 として 保 育 所 小 学 校 や 養 護 学 校 などの 教 育 施 設 さら には 高 齢 者 施 設 などとの 相 互 交 流 を 積 極 的 に 推 進 していくべきです また 小 学 生 や 中 学 生 高 校 生 などにとっては 子 育 て 理 解 教 育 (*)としての 観 点 からも 幼 稚 園 との 交 流 を 推 進 することが 重 要 です (*)すべての 児 童 生 徒 が 発 達 段 階 に 応 じ 子 育 ての 意 義 や 親 の 役 割 男 女 が 共 同 して 家 庭 を 築 く ことの 重 要 性 などについて 理 解 を 深 めるための 教 育 地 域 に 開 かれた 幼 稚 園 づくり 幼 稚 園 は 地 域 の 教 育 力 の 向 上 を 図 るため 地 域 住 民 への 園 舎 や 園 庭 の 開 放 な どを 通 して 地 域 住 民 や 地 域 の 子 どもに 幼 稚 園 教 育 や 行 事 への 参 加 を 促 すなど 子 どもの 安 全 確 保 に 十 分 配 慮 しながら 地 域 の 幼 児 教 育 の 核 となる 施 設 としての 機 能 を 果 たしていくことが 必 要 です 保 護 者 への 教 育 の 充 実 及 び 子 育 て 支 援 の 強 化 少 子 化 や 核 家 族 化 などの 進 行 により 身 近 に 子 育 てを 見 ることが 少 なく 子 育 て 経 験 者 からのアドバイスを 受 ける 機 会 も 少 ないことなどから 子 育 てが 孤 立 し
て 行 われていることが 多 くなっています そのため 子 育 てに 不 安 や 悩 みを 持 つ 保 護 者 が 増 えています また 就 業 している 保 護 者 よりも 専 業 主 婦 に 子 育 てに 対 する 不 安 や 悩 みを 持 つ 例 が 多 く 見 られる といった 指 摘 がなされています さらには 子 育 てに 伴 う 不 安 や 悩 み 複 雑 な 家 庭 環 境 などが 子 どもに 対 する 虐 待 につながっている 例 も 見 られます このような 状 況 に 対 処 するため(このような 状 況 を 避 けるため) 幼 稚 園 は 子 どもの 保 護 者 同 士 が 子 育 てに 関 する 情 報 を 交 換 したり 気 軽 に 悩 みなどを 相 談 で きる 機 会 の 充 実 を 図 るほか 子 育 て 講 座 を 開 催 するなど 子 育 て 家 庭 に 対 して 有 効 な 支 援 策 を 講 じていくための 施 設 として 機 能 していくことが 必 要 です また 幼 稚 園 の 子 育 て 支 援 事 業 などに 参 加 しない 保 護 者 に 対 して 子 育 て 講 座 などの 内 容 や 情 報 伝 達 の 手 法 を 工 夫 したり 保 護 者 同 士 の 誘 い 合 いを 励 行 するな どして 地 域 と 連 携 しながら 積 極 的 に 参 加 するよう 働 きかけていくことが 必 要 で す 2 私 立 幼 稚 園 の 役 割 私 立 幼 稚 園 は 今 後 とも 幼 稚 園 教 育 を 提 供 する 主 体 として 建 学 の 精 神 と 理 念 のもとに 保 護 者 の 多 様 なニーズに 的 確 に 応 えていく 必 要 があります 具 体 的 に は 満 3 歳 児 教 育 を 含 めた 質 の 高 い 幼 稚 園 教 育 の 提 供 保 護 者 への 教 育 や 教 育 相 談 などの 子 育 て 支 援 機 能 の 充 実 に 努 めるとともに 同 じ 年 齢 層 の 子 どもの 保 育 を 担 っている 保 育 所 との 連 携 や 小 学 校 をはじめとする 教 育 機 関 との 連 携 地 域 住 民 や 地 域 施 設 との 連 携 などを 通 し 幼 児 教 育 の 核 としての 役 割 を 担 う 機 関 として その 機 能 を 果 たしていくことが 必 要 です なお 園 バスの 運 行 給 食 サービスの 提 供 預 かり 保 育 の 実 施 などの 付 加 サー ビスについては 幼 稚 園 児 や 保 護 者 に 対 する 教 育 効 果 を 損 なわないように 配 慮 し ながら 提 供 していくべきです また 私 立 幼 稚 園 は 公 の 教 育 を 担 う 教 育 機 関 として 幼 児 教 育 の 研 究 機 関 や 市 立 幼 稚 園 などと 連 携 を 図 りながら 市 民 の 信 頼 に 応 える 質 の 高 い 教 育 の 実 践 に 今 まで 以 上 に 努 めることが 必 要 です そのためには 私 立 幼 稚 園 が 実 践 する 幼 稚 園 教 育 の 内 容 に 関 して 外 部 から 客 観 的 な 評 価 を 受 け その 結 果 を 公 表 することに
より 自 ら 実 践 する 教 育 内 容 などを 常 に 点 検 するとともに 教 育 内 容 と 保 護 者 負 担 のバランスのとれた 幼 稚 園 経 営 にも 配 慮 し 保 護 者 が 安 心 して 子 どもを 就 園 さ せることができるような 環 境 づくりを 推 進 することが 必 要 です さらに 障 がいのある 子 どもの 教 育 についても 札 幌 の 私 立 幼 稚 園 は 幼 稚 園 児 の9 割 以 上 の 教 育 を 担 っていることから 医 療 機 関 や 障 がいのある 子 どもの 教 育 の 専 門 的 な 機 関 との 連 携 を 図 りながら 保 護 者 への 支 援 を 行 うとともに 障 がい 児 通 園 施 設 などと 役 割 を 分 担 しながら それぞれの 地 域 における 障 がいの 疑 いの ある 子 ども 及 び 障 がいのある 子 どもに 対 する 適 切 な 教 育 を 実 践 する 機 関 として 研 修 などを 充 実 させながら 積 極 的 にその 役 割 を 果 たしていくことが 必 要 です 3 市 立 幼 稚 園 の 役 割 市 立 幼 稚 園 は 昭 和 40 年 代 以 降 の 札 幌 市 の 人 口 急 増 期 に 子 どもの 幼 稚 園 就 園 を 促 進 するために 私 立 幼 稚 園 を 補 完 するとともに 幼 稚 園 教 育 の 研 究 や 障 がいの 疑 いのある 子 ども 及 び 障 がいのある 子 どもに 対 する 教 育 の 研 究 を 行 うことなどを 目 的 として 設 置 されてきましたが 急 速 な 少 子 化 の 進 行 や 共 働 き 世 帯 の 増 加 によ る 就 業 構 造 の 変 化 などによって 平 均 定 員 充 足 率 が 平 成 16 年 度 で 約 80%まで 低 下 しています また 私 立 幼 稚 園 の 平 均 定 員 充 足 率 も 約 87%まで 低 下 しており 市 立 幼 稚 園 定 員 の 2 倍 にあたる 約 4,000 人 分 の 余 裕 が 生 じていることから 就 園 促 進 のために 私 立 幼 稚 園 を 補 完 するという 目 的 は 既 に 達 成 されており その 意 味 では 機 能 の 転 換 を 図 る 時 期 にきています こうしたことから 今 後 市 立 幼 稚 園 は これまで 蓄 積 してきた 幼 稚 園 教 育 の 研 究 成 果 や 個 々の 教 員 の 豊 富 な 経 験 などを 活 用 して 障 がいの 疑 いのある 子 ども 及 び 障 がいのある 子 どもに 対 する 教 育 を 含 めた 幼 稚 園 教 育 の 研 究 を 中 心 に 保 護 者 への 教 育 のあり 方 幼 稚 園 と 保 育 所 との 連 携 のあり 方 小 学 校 などの 教 育 機 関 との 連 携 のあり 方 地 域 との 連 携 のあり 方 などに 関 して モデルとなる 取 組 を 含 む 研 究 の 実 践 と 検 証 を 行 う 研 究 実 践 園 としての 役 割 を 果 たしていくべきです そ して 今 日 の 幼 児 教 育 が 抱 えている 実 践 的 理 論 的 な 諸 課 題 について 積 極 的 に 取 り 組 むことによって 札 幌 市 の 幼 児 教 育 はもとより 北 海 道 日 本 の 幼 児 教 育 の 質 的 向 上 に 広 く 貢 献 していくべきです また 研 究 実 践 園 としては 障 がいのあ る 子 どもや 特 別 支 援 教 育 を 必 要 としている 子 どもの 教 育 の 研 究 幼 稚 園 教 員 の 研
修 の 場 といったさまざまな 機 能 を 持 つことが 必 要 です 同 時 に 研 究 実 践 を 私 立 幼 稚 園 との 連 携 を 図 りながら 進 めていくことで より 広 がりを 持 った 実 践 的 な 研 究 として 展 開 されることが 期 待 されます 併 せて これらの 研 究 成 果 を 私 立 幼 稚 園 や 保 育 所 などが 十 分 に 活 用 できるように 広 く 公 開 していくことが 必 要 です 市 立 幼 稚 園 については 札 幌 市 の 財 政 がかつてないほど 厳 しい 状 況 に 直 面 して いる 中 で 札 幌 市 全 体 の 幼 稚 園 教 育 の 質 的 向 上 に 貢 献 するために 公 費 の 負 担 に 見 合 った 役 割 を 果 たすとともに その 運 営 の 一 層 の 効 率 化 を 図 っていくことが 求 め られます さらに 市 立 幼 稚 園 が 今 後 その 役 割 を 担 っていく 上 で 必 要 な 園 数 を 含 む 適 正 配 置 についても 検 討 する 必 要 がありますが その 検 討 にあたっては 慎 重 に 進 めて いくことが 求 められます (2) 幼 稚 園 を 支 える 仕 組 みのあり 方 1 幼 稚 園 教 育 の 質 的 向 上 を 図 るための 中 枢 機 能 の 強 化 札 幌 市 全 体 の 幼 稚 園 教 育 の 水 準 の 向 上 や 幼 稚 園 教 員 の 資 質 の 向 上 を 図 るため 幼 児 教 育 に 関 する 情 報 の 収 集 と 提 供 幼 稚 園 教 育 の 研 究 実 践 成 果 の 提 供 幼 稚 園 教 員 の 研 修 障 がいのある 子 どもを 含 む 幼 児 教 育 に 関 する 相 談 幼 児 教 育 研 究 機 関 との 連 携 などを 担 う 幼 児 教 育 に 関 する 総 合 的 なセンター 機 能 の 強 化 について 検 討 していくことが 必 要 です 特 に 幼 稚 園 教 育 の 研 究 実 践 に 関 する 情 報 を 他 の 幼 稚 園 などにスムーズに 提 供 していくシステムの 構 築 を 検 討 していくことが 必 要 です また 幼 稚 園 の 現 職 教 員 の 再 教 育 を 含 めた 研 修 については 短 期 大 学 や 大 学 などと 連 携 を 図 りながら より 高 度 な 専 門 性 を 身 につけた 教 員 の 養 成 や 幼 稚 園 での 職 場 研 修 の 核 となる 教 員 の 養 成 教 員 交 流 の 充 実 など 教 員 の 資 質 向 上 や 力 量 形 成 に 必 要 な 継 続 的 な 研 修 体 制 を 確 立 し 教 育 現 場 での 体 験 型 の 実 践 研 修 を 含 む 社 会 の 変 化 に 対 応 する ための 実 効 性 の 高 い 研 修 システムを 検 討 していくことが 必 要 です なお これら の 研 修 システムを 検 討 する 際 には 開 催 日 時 の 工 夫 など 幼 稚 園 教 育 の 主 体 となる 私 立 幼 稚 園 の 教 員 が 参 加 しやすい 環 境 づくりが 必 要 です さらに 幼 稚 園 教 育 の 場 合 は 子 どもと 直 接 かかわり 教 育 していく 教 員 の 役 割 の 重 要 性 は 計 り 知 れないものがあります 教 員 の 資 質 や 専 門 性 を 高 めていくこ
とによって 幼 稚 園 教 育 の 質 的 向 上 を 図 ることは 教 育 の 基 礎 として また 出 発 点 として 極 めて 重 要 な 意 味 を 持 っています 札 幌 市 の 財 政 はかつてないほど 厳 し い 状 況 にありますが その 中 にあっても 質 の 高 い 幼 稚 園 教 育 を 提 供 していくこと は 札 幌 市 の 教 育 にとっても 不 可 欠 なことです 2 幼 稚 園 に 対 する 第 三 者 評 価 制 度 の 導 入 札 幌 市 全 体 の 幼 稚 園 教 育 の 質 的 な 維 持 と 向 上 を 図 るため 各 幼 稚 園 の 教 育 環 境 や 教 育 内 容 に 関 して 客 観 的 な 基 準 にもとづく 第 三 者 による 評 価 を 実 施 し 子 ども の 保 護 者 が 幼 稚 園 を 選 択 する 際 に 参 考 とすることができるよう その 結 果 を 公 表 するためのシステムを 検 討 することが 必 要 です また この 第 三 者 評 価 に 係 る 評 価 基 準 の 作 成 や 幼 稚 園 評 価 の 実 施 にあたっては 社 団 法 人 札 幌 市 私 立 幼 稚 園 連 合 会 と 教 育 委 員 会 幼 児 教 育 研 究 機 関 などが 相 互 に 連 携 協 力 していくことが 必 要 です 3 私 立 幼 稚 園 や 園 児 の 保 護 者 に 対 する 助 成 制 度 の 再 構 築 札 幌 市 における 私 立 幼 稚 園 や 園 児 の 保 護 者 に 対 する 助 成 制 度 (*)については 札 幌 市 の 財 政 状 況 が 一 層 厳 しさを 増 す 中 で 今 後 とも 現 状 のような 助 成 措 置 を 維 持 していくことは 困 難 な 状 況 にあることから 私 立 幼 稚 園 においては これまで 以 上 に 運 営 の 効 率 化 を 図 っていくことが 求 められます 私 立 幼 稚 園 や 園 児 の 保 護 者 に 対 する 札 幌 市 の 助 成 制 度 については 現 行 の 幼 稚 園 数 と 幼 稚 園 児 数 に 応 じた 一 律 の 助 成 措 置 や 国 基 準 を 上 回 る 所 得 のある 保 護 者 への 助 成 措 置 を 見 直 し 各 幼 稚 園 での 障 がいのある 子 どもの 積 極 的 な 受 入 れなど 特 色 ある 取 組 や 教 育 内 容 に 着 目 した 第 三 者 評 価 にもとづく 助 成 制 度 への 移 行 など 札 幌 市 における 一 層 の 就 園 の 促 進 と 幼 稚 園 教 育 全 体 の 質 的 向 上 につながるような より 効 率 的 効 果 的 な 助 成 制 度 を 検 討 していくことが 必 要 です (*) 私 立 幼 稚 園 の 経 営 安 定 と 保 護 者 負 担 の 軽 減 を 図 るために 助 成 している 私 立 幼 稚 園 教 材 教 具 等 整 備 費 補 助 金 私 立 幼 稚 園 への 就 園 を 促 進 するために 保 護 者 負 担 の 軽 減 を 図 る 私 立 幼 稚 園 振 興 費 補 助 金 などがあります
4 幼 稚 園 教 育 関 連 予 算 への 配 慮 幼 稚 園 教 育 が 生 涯 にわたる 人 間 形 成 の 基 礎 が 培 われる 重 要 な 時 期 に 行 われる ことを 考 えれば 今 後 とも 札 幌 市 全 体 における 幼 稚 園 教 育 を 充 実 していくこと が 求 められています このためには 効 率 的 効 果 的 な 幼 稚 園 教 育 の 充 実 を 図 る 視 点 からの 市 立 幼 稚 園 の 運 営 や 私 立 幼 稚 園 とその 園 児 の 保 護 者 に 対 する 助 成 などに 関 する 必 要 な 見 直 しもやむを 得 ませんが その 見 直 しにあたっては 厳 しい 財 政 状 況 の 中 にあ っても 幼 稚 園 教 育 の 重 要 性 を 認 識 し 必 要 な 幼 稚 園 関 連 予 算 の 確 保 を 図 るなど 単 なる 削 減 につながることのないようにすることが 求 められます 2. 家 庭 における 教 育 の 方 向 性 (1) 家 庭 における 教 育 のあり 方 幼 児 教 育 の 基 本 は 家 庭 にあることから 保 護 者 が 子 どもの 発 達 に 応 じて 自 我 の 形 成 を 促 したり 基 本 的 な 生 活 習 慣 や 態 度 を 身 につけることができるようにする ことが 必 要 です そのためには 保 護 者 と 子 どもの 安 定 した 関 係 の 中 で 保 護 者 が 子 どもに 愛 情 を 持 って 注 意 深 く 見 守 りながら しっかりとしたしつけを 行 うことが 必 要 です また 男 性 が 子 育 てに 積 極 的 にかかわることで 女 性 の 子 育 てに 対 する 不 安 や 負 担 を 軽 減 するとともに 家 庭 環 境 を 良 好 に 保 つことにより 子 どもが 安 心 して 成 長 することのできる 環 境 づくりに 努 めることが 必 要 です 一 方 近 年 は さまざまな 家 庭 環 境 にある 子 どもが 増 えており 保 護 者 は それ ぞれの 家 庭 の 状 況 の 中 で 適 切 な 家 庭 教 育 を 行 わなければなりませんが 子 どもが 安 心 して 成 長 することのできる 環 境 をつくるため 家 庭 や 幼 稚 園 地 域 などは 子 どもをとりまく 生 活 環 境 に 応 じて 相 互 に 連 携 していくべきです
(2) 家 庭 と 幼 稚 園 の 連 携 のあり 方 子 どもにとって 家 庭 と 幼 稚 園 とでは 環 境 が 大 きく 異 なり それぞれで 異 なった 行 動 を 見 せることがあるため 幼 稚 園 における 子 どもの 情 報 を 保 護 者 が 得 ることは 保 護 者 にとって 家 庭 では 見 ることのできない 側 面 を 理 解 し 子 どもをより 客 観 的 に 見 ることができる 契 機 にもなります また 保 護 者 が 幼 稚 園 で 他 の 子 どもの 状 況 や 他 の 保 護 者 を 見 る 機 会 を 持 つことは 子 どもをよりよく 理 解 したり 幼 稚 園 教 育 と 家 庭 教 育 との 連 結 を 図 っていくことにもなります さらに 自 分 と 子 どもとの 関 係 を 客 観 視 することで 保 護 者 と 子 どものより 良 い 関 係 を 築 く 契 機 とすることもでき ます また 幼 稚 園 にとっても 保 護 者 の 来 園 時 などに 子 どもに 関 する 情 報 を 得 ること で 適 切 な 指 導 や 子 育 て 支 援 を 行 うことができることから 保 護 者 と 子 どもがとも に 成 長 していくためにも 保 護 者 と 幼 稚 園 との 間 で 子 どもに 関 する 情 報 を 相 互 に 交 換 するとともに 保 護 者 が 幼 稚 園 での 保 育 に 参 加 して 子 どもの 行 動 を 直 接 観 察 す る 機 会 を 増 やすなど 家 庭 と 幼 稚 園 との 連 携 をより 深 めていくことが 必 要 です 特 に 幼 稚 園 としても 男 性 が 参 加 しやすい 参 観 日 を 設 定 するなど 男 性 の 保 護 者 が 子 育 てに 参 加 しやすくなるような 機 会 を 提 供 していくことに 配 慮 する 必 要 があ ります 3. 地 域 における 教 育 の 方 向 性 (1) 地 域 における 教 育 のあり 方 都 市 化 の 進 展 や 地 縁 の 希 薄 化 などにより 身 近 で 子 育 てに 関 する 相 談 をすること ができずに 子 育 てに 不 安 を 持 つ 保 護 者 が 増 えているという 傾 向 があります 一 方 地 域 の 住 民 にとっては 子 育 て 家 庭 に 対 する 支 援 はしたいが 手 がかりが 見 つけら れず 積 極 的 に 対 応 できないといった 状 況 も 見 受 けられます そこで 地 域 の 住 民 と 子 どもの 保 護 者 との 交 流 や 保 護 者 への 教 育 の 場 として 幼 稚 園 などを 十 分 に 活 用 し 子 育 て 支 援 機 能 の 強 化 と 地 域 の 教 育 力 の 向 上 を 図 ることが 必 要 です 地 域 は 子 どもや 保 護 者 にとっては 日 常 生 活 と 活 動 の 基 盤 であり 子 どもの 社 会 性 を 育 てる 場 であることに 加 えて 子 どもの 安 全 を 保 障 する 場 でもあることから 保 護 者 にとっても 子 育 てを 通 して 地 域 とのつながりを 持 つことが 重 要 であることを きちんと 意 義 づけるべきです さらに 保 護 者 の 職 場 においても 子 育 ての 重 要 性 を
認 識 し その 機 運 を 高 めていくためには 社 会 として 子 育 ての 重 要 性 に 大 きな 価 値 観 を 付 与 していくことが 一 層 求 められます また 行 政 としても 地 域 と 幼 稚 園 や 子 育 て 家 庭 の 交 流 の 場 として 学 校 の 空 き 教 室 や 既 存 の 社 会 教 育 施 設 公 園 などの 公 共 施 設 の 活 用 を 検 討 するとともに 特 に 札 幌 においては その 長 い 冬 を 生 かして 雪 に 親 しみ 楽 しく 過 ごすことのできる 活 動 を 積 極 的 に 支 援 していくことが 必 要 です (2) 地 域 と 幼 稚 園 の 連 携 のあり 方 幼 稚 園 は 教 育 内 容 を 地 域 に 積 極 的 に 発 信 し 地 域 住 民 が 幼 稚 園 における 読 み 聞 かせや 昔 遊 びなどの 教 育 活 動 にボランティアとして 参 加 しやすくするとともに 地 域 活 動 に 進 んで 協 力 するよう 努 めていくことが 必 要 です 一 方 地 域 としても 子 どもがさまざまな 体 験 をすることができるよう 地 域 の 行 事 に 子 どもを 積 極 的 に 受 け 入 れたり まちづくりの 活 動 などに 幼 稚 園 が 参 加 しや すくなるような 環 境 づくりに 努 めるなどして 相 互 に 密 接 に 連 携 を 図 っていくべき です また 子 どもをめぐる 痛 ましい 事 件 の 頻 発 など 近 年 の 社 会 情 勢 を 考 えると 地 域 と 家 庭 や 幼 稚 園 が 密 接 に 連 携 を 図 りながら 子 どもの 安 全 を 確 保 していく 必 要 があ ります