(3) 小 李 比 小 王 (?? 更 / 还 ) 高 呢 [ 李 さんは 王 さんよりも 背 が 高 い ] (4)a. 新 的 摩 天 楼 比 双 峰 塔 ( 更 / 还 ) 高 一 点 [ 新 しい 高 いビルはペトロナス ツインタワーより 少 し 高 い ] b. 新 的 摩 天 楼 比 双



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Transcription:

程 度 副 詞 更 と 还 について 謝 平 0.はじめに 程 度 副 詞 更 と 还 1) はいずれも 程 度 が 増 すことを 表 し 比 構 文 においては 互 いに 置 き 換 えられる 場 合 が 少 なくない (1) 构 思 中 的 旅 顺 至 蓬 莱 大 桥 将 比 杭 州 湾 跨 海 大 桥 更 长 ( 还 ) < http://paper.wenweipo.com/2010/08/17/ch1008170015.htm > [ 計 画 中 の 旅 順 から 蓬 莱 までの 大 橋 は 杭 州 湾 跨 海 大 橋 よりずっと 長 い ] (2) 世 界 跨 度 最 大 的 斜 拉 桥, 比 日 本 多 多 罗 大 桥 还 长 ( 更 ) < 维 基 百 科 网 > [ 世 界 最 大 スパンの 斜 張 橋 であり 日 本 の 多 々 羅 大 橋 よりもさら に 長 い ] 上 記 の 例 が 示 すように 更 と 还 はいずれも 比 較 対 象 の 程 度 が 高 い という 前 提 があり 主 体 の 程 度 はさらに 高 い ということを 表 しており 日 本 語 で もっと や さらに に 訳 され 互 いに 置 き 換 えられる 場 合 が 多 い しかし 実 際 には 更 は 还 よりも 制 約 が 多 く 次 の 例 のよう に 更 を 用 いることができないケースがみられる 225

(3) 小 李 比 小 王 (?? 更 / 还 ) 高 呢 [ 李 さんは 王 さんよりも 背 が 高 い ] (4)a. 新 的 摩 天 楼 比 双 峰 塔 ( 更 / 还 ) 高 一 点 [ 新 しい 高 いビルはペトロナス ツインタワーより 少 し 高 い ] b. 新 的 摩 天 楼 比 双 峰 塔 ( 更 / 还 ) 高 一 些 [ 新 しい 高 いビルはペトロナス ツインタワーより 少 し 高 い ] c. 新 的 摩 天 楼 比 双 峰 塔 (?? 更 / 还 ) 高 三 十 米 [ 新 しい 高 いビルはペトロナス ツインタワーより 三 十 メート ル 高 い ] d. 新 的 摩 天 楼 比 双 峰 塔 (?? 更 / 还 ) 高 得 多 [ 新 しい 高 いビルはペトロナス ツインタワーよりずいぶん 高 い ] e. 新 的 摩 天 楼 比 双 峰 塔 (?? 更 / 还 ) 高 多 了 [ 新 しい 高 いビルはペトロナス ツインタワータワーよりずい ぶん 高 い ] 例 (3)で 示 すように 語 気 助 詞 呢 は 更 とは 共 起 しないが 还 と は 共 起 する 2) また 还 は 例 (4a)~(4e)のいずれの 場 合 においても 用 いられるが 更 は 例 (4c)のような 具 体 的 な 数 字 を 用 いる 数 量 補 語 や 例 (4d) (4e)のような 補 語 とは 共 起 しにくい 以 上 のような 違 いは 陆 俭 明 (1993)でも 指 摘 されているが その 理 由 については 詳 しく 分 析 されていない また 还 が 数 量 詞 と 共 起 し 更 が 数 量 詞 と 共 起 しない 理 由 について 中 桐 (1997)では 更 は 程 度 差 に 注 目 せず 还 は 程 度 差 に 注 目 するためであると 指 摘 されている しか し その 指 摘 は 有 力 な 根 拠 はない 本 稿 はまず 意 味 論 の 観 点 から 程 度 差 比 構 文 で 用 いられる 还 と 更 の 表 すニュアンスを 分 析 し その 上 で 補 語 成 分 との 共 起 関 係 について 考 察 し これらの 言 語 現 象 の 背 景 を 探 ってみる 226

1. 更 と 还 のニュアンスについて 1.1 更 について 陆 俭 明 (1993)は 还 1 と 更 の 用 いられる 構 文 を X 比 Y[ ]W X 比 Y[ ]W 了 X 比 YW,X 比 Z[ ]W 了 T 1 X 比 T 0 [ ]W 了 XW 1, X[ ]W 2 の 五 つの 構 文 に 分 けて 両 者 の 文 法 的 振 る 舞 いの 違 いを 分 析 して いる 陆 俭 明 (1993:5)は 更 と 还 はともに 比 較 を 表 すことを 指 摘 した 上 で さらに 还 は 比 拟 [ 比 喩 ]にも 用 いられるが 更 は 用 いられないと 指 摘 している (5) 香 蕉 比 苹 果 ( 更 / 还 ) 好 吃 < 陆 俭 明 1993:4 > [バナナはリンゴよりさらにおいしい ] (6) 那 条 蛇 比 碗 口 (? 更 / 还 ) 粗 < 陆 俭 明 1993:5 > [あの 蛇 は 茶 碗 の 口 よりさらに 太 い ] 例 (5)では 更 と 还 のいずれも 用 いることができるのに 対 し 例 (6)は 比 喩 を 表 しており 还 を 用 いることはできるものの 更 を 用 いると 不 自 然 になると 陆 俭 明 (1993)は 指 摘 している また 例 (6)のよ うに 还 が 比 喩 や 誇 張 的 な 表 現 に 用 いられる 理 由 については 还 を 用 いた 場 合 には 描 写 的 になるためであると 指 摘 している しかし 更 につ いては 詳 しく 分 析 されていない また 中 桐 (1997) 大 島 (2000)では A 比 B 还 Y 構 文 に 用 いられ る 还 は 主 に 基 準 点 であるBが 最 大 値 あるいは 最 高 値 であるが その B でさえも A には 及 ばないという 意 味 を 表 すと 指 摘 されている (7) 你 看 他 瘦 得, 胳 臂 比 火 柴 棍 儿 还 细 < 中 桐 1997:7 > [ほら 見 て 彼 は 痩 せていて 腕 がマッチよりも 細 い ] (8) 唉, 你 看 她 那 块 手 表 比 指 甲 盖 还 小 哩 < 大 島 2000:8 > 227

[おい 見 て 彼 女 の 腕 時 計 は 爪 よりも 小 さいね ] しかし この 指 摘 は 上 記 の 例 (7) (8)のような 比 喩 の 場 合 にのみ 適 用 さ れると 思 われる 中 桐 (1997) 大 島 (2000)の 説 明 では 次 の 例 (9)の ように 还 ではなく 更 が 用 いられる 理 由 を 解 釈 することができな い (9) 他 知 道 周 恩 来 比 他 更 难 过 <CCL 语 料 库 / 魏 奕 雄 郭 沫 若 与 鲁 迅 的 生 死 情 > [ 彼 は 周 恩 来 が 彼 よりずっと 悲 しんでいるのを 知 っている ] (10) 他 知 道 周 恩 来 比 他 还 难 过 [ 彼 は 周 恩 来 が 彼 よりもさらに 悲 しんでいるのを 知 っている ] 例 (9)の 更 は 例 (10)のように 还 に 置 き 換 えることができる 例 (9)と 例 (10)はいずれも 周 恩 来 が 彼 よりさらに 悲 しんでいる こと を 判 断 しており いずれも 彼 の 悲 しみが 高 いレベルに 達 していることが 読 み 取 れる しかし 还 を 用 いることで 他 の 悲 しみが 最 大 値 或 い は 最 高 値 であるとは 言 い 切 れないと 考 えられる 例 (9)の 更 からは 周 恩 来 は 彼 よりさらに 悲 しんでいる という 程 度 差 が 激 しいことが 確 実 であると 伝 えようとする 話 し 手 の 強 い 判 断 が 読 み 取 れる これに 対 し 还 は 先 行 研 究 ( 陆 俭 明 1993 など)の 指 摘 通 り その 程 度 差 に 対 する 話 し 手 の 誇 張 的 な ニュアンスが 読 み 取 れる 还 と 更 の 語 気 には 大 きな 違 いがあるといえよう そして その 語 気 の 違 いは 語 気 助 詞 との 共 起 にも 反 映 する 例 えば 疑 問 文 ではない 平 叙 文 では 还 は 呢 と 共 起 することができるが 更 は 呢 と 共 起 しにくい (11) 她 才 二 十 二 岁, 比 俺 媳 妇 还 漂 亮 呢! <CCL 语 料 库 / 读 者 合 订 本 > 228

[ 彼 女 はまだ 二 十 二 歳 で 俺 の 嫁 よりもさらにきれいだよ ] (12)? 她 才 二 十 二 岁, 比 俺 媳 妇 更 漂 亮 呢! 3) 上 記 のような 点 については 陆 俭 明 (1993)でも 指 摘 されているが 詳 しく 説 明 されていない それでは その 理 由 はどこにあるのであろうか 吕 叔 湘 (1980:366)では 还 と 共 起 する 呢 について 指 明 事 实 而 略 带 夸 张 [ 事 実 を 指 摘 し やや 誇 張 的 な 語 気 を 帯 びている]と 指 摘 している そ のような 語 気 を 表 す 呢 は 次 の 例 のように 一 定 [ 必 ず きっと]や 绝 对 [ 絶 対 に]などのような 強 い 断 定 を 表 す 副 詞 とは 共 起 しにくい? (13)a. 他 的 女 朋 友 一 定 漂 亮 呢 4? b. 他 绝 对 没 来 呢 4 (14)? 非 常 好 看 呢 /? 很 干 净 呢 /? 有 点 漂 亮 呢 /? 比 较 好 呢 /? 够 红 呢 例 (13)で 示 すように 一 定 や 绝 对 などのような 副 詞 はある 事 柄 を 強 く 判 断 評 価 するニュアンスが 含 まれており その 強 く 断 定 する 語 気 は 呢 の 誇 張 的 な 語 気 と 矛 盾 するため 両 者 は 共 起 しにくい また 例 (14)のようにほとんどの 程 度 副 詞 は 呢 と 共 起 しない これらの 程 度 副 詞 はいずれもある 状 態 について 判 断 評 価 のモダリティが 含 まれているた めである 同 様 の 理 由 で 更 はある 事 実 に 対 して 強 く 断 定 する 語 気 を 表 すため 事 実 を 誇 張 的 に 伝 える 語 気 を 表 す 呢 と 共 起 にくくなると 考 える 1.2 还 について 还 は 多 義 になることも 可 能 である 次 の 例 を 見 てみよう (15) 他 比 朝 青 龙 还 胖 [ 彼 は 朝 青 龍 よりも 太 っている ] 229

例 (15)は 次 の 例 (15a ) (15b )のように 主 体 によって 二 通 りに 解 釈 さ れる 可 能 性 がある (15 )a. 那 小 孩 胖 乎 乎 的, 简 直 比 朝 青 龙 还 胖 (? 更 ) [あの 子 はぽちゃぽちゃしていて まるで 朝 青 龍 よりも 太 っ ている ] b. 白 鹏 比 朝 青 龙 还 胖 ( 更 ) [ 白 鵬 は 朝 青 龍 よりも 太 っている ] 例 (15a )は 主 体 が 子 どもであるため 実 際 に 朝 青 龍 より 太 っていること はあり 得 ず 比 較 対 象 朝 青 龍 は 単 なる 喩 えとして 挙 げられているにす ぎない この 还 を 更 に 置 き 換 えると 話 し 手 が あの 子 どもは 比 較 対 象 の 朝 青 龍 よりもっと 太 っているということが 確 実 である と 判 断 し ているように 読 み 取 れてしまい 非 現 実 的 であるため ここでは 还 を 用 いるほうが 自 然 である 一 方 例 (15b )の 主 体 は 白 鵬 であり 比 較 対 象 の 朝 青 龍 より 太 っ ていることが 事 実 である 可 能 性 があるため 更 に 置 き 換 えることが 可 能 となる 还 は 例 (15)のように 主 体 は 実 際 に 比 較 対 象 より 程 度 が 高 いかどうかは 確 定 できない 場 合 があると 考 えられる もちろん 次 の 例 (16)のように 比 較 対 象 が 喩 えではない 場 合 もある (16) 周 岁 时 还 没 桌 子 高 现 在 比 桌 子 还 高 了 半 个 头 呢 (?? 更 ) < http://www.babytree.com/ask/detail/285791 > [ 満 一 歳 のときは 机 よりも 低 かったけど 今 は 机 より 頭 半 分 高 く なった ] 例 (16)は 半 个 头 という 具 体 的 な 差 が 示 されており 背 丈 が 机 より 高 い ことは 疑 いもない 事 実 である 例 (16)の 比 較 対 象 桌 子 は 喩 えではな 230

く 身 長 の 比 較 基 準 であり この 場 合 の 还 は 中 桐 (1997) 大 島 (2000) の 指 摘 する 最 大 値 或 いは 最 高 値 とは 考 えにくい 次 の 二 例 を 比 較 してみよう (16 )a. 周 岁 时 还 没 桌 子 高 现 在 比 桌 子 高 了 半 个 头 [ 満 一 歳 のときは 机 よりも 低 かったが 今 は 机 より 頭 半 分 高 くなった ] b. 周 岁 时 还 没 桌 子 高 现 在 比 桌 子 还 高 了 半 个 头 [ 満 一 歳 のときは 机 よりも 低 かったが 今 は 机 よりも 頭 半 分 高 くなった ] 还 を 用 いない 例 (16a )は 机 より 頭 半 分 高 くなった という 事 実 を 伝 えているだけであるが 还 を 加 えた 例 (16b )は 机 より 低 いと 思 っ ていた 背 丈 が 実 際 は 机 よりも 頭 半 分 高 くなった という 意 外 的 なニュア ンスが 読 み 取 れる 还 は 比 較 対 象 のほうが 主 体 より 程 度 が 高 いはずであるが 実 際 に は 主 体 のほうが 比 較 対 象 よりも 程 度 が 高 い という 意 外 なニュアンスを 表 すといえる そしてこの 意 外 な 語 気 から さらに 次 の 例 (17)のように 誇 張 的 な 語 気 を 表 すことになる (17) 而 今 大 家 都 看 出 了 她 比 三 年 前 更 A 有 精 神, 甚 至 比 四 十 年 前 还 B 年 轻 还 B 青 春 < http://blog.sina.com.cn/s/blog_565aa9dd0100ftpe.html > [みんなは 見 てわかるように 彼 女 が 三 年 前 よりもっと 元 気 に なって さらに 四 十 年 前 よりずっと 若 く ずっと 生 き 生 きとして 見 える ] 例 (17)の 原 文 は 比 三 年 前 の 後 に 更 が 用 いられており 比 四 十 231

年 前 の 後 に 还 が 用 いられている 例 (17A)の 更 は 还 に 置 き 換 えられるが 例 (17B)の 比 四 十 年 前 还 年 轻 还 青 春 の 还 を 更 に 置 き 換 えると 多 少 違 和 感 が 生 じる 本 当 に 四 十 年 前 よりもっと 若 い ということは 事 実 ではない 以 上 更 を 用 いにくいからである したがって 更 の 基 本 的 な 意 味 機 能 は 主 体 の 程 度 が 比 較 対 象 よりさ らに 高 いということに 対 して 発 話 者 が 事 実 であることに 対 する 強 い 判 断 の ニュアンスを 表 す それに 対 し 还 は まずは 主 体 の 程 度 が 比 較 対 象 よりも 程 度 が 高 い という 意 外 なニュアンスを 表 し そしてその 意 外 な ニュアンスから 誇 張 的 なニュアンスも 表 すことになると 考 えられる 2. 数 量 補 語 との 共 起 について 既 述 のように 更 は 不 定 数 量 詞 以 外 の 数 量 補 語 や 程 度 補 語 多 とは 共 起 しにくいが 还 はそれらと 共 起 することができる その 理 由 につい て 中 桐 (1997:11)では 次 のように 指 摘 されている 更 は 程 度 副 詞 として 程 度 軸 上 の 位 置 を 確 定 するのが 本 来 の 性 質 であり 他 者 との 比 較 は 付 随 的 なものであった それ 故, 程 度 軸 上 の 位 置 が 他 者 より 上 か 下 かがわかればよく,その 差 は 問 題 にならなかっ た ところが 还 は 想 定 と 現 実 の 間 の 矛 盾 つまり, 認 識 の 差 を 問 題 にするので,その 差 を 具 体 的 に 表 すため 数 量 詞 と 伴 うことも 可 能 だ と 考 えられる しかし 更 は 本 当 に その 差 は 問 題 にならなかった のであろうか ま た 更 と 还 は 比 構 文 で 用 いられる 場 合 構 文 自 体 が 既 に 程 度 軸 上 の 位 置 を 確 定 する という 役 割 を 果 たしており 更 がそのような 役 割 を 果 たすとは 言 い 切 れないといえる 本 節 は 更 と 还 は 数 量 補 語 との 共 起 関 係 からそれぞれの 役 割 について 考 える 232

まず 日 本 語 の 例 から 見 てみよう (18)a. 東 京 タワーよりずっと 高 い b. 東 京 タワーより 三 十 メートル 高 い c. * 東 京 タワーよりずっと 三 十 メートル 高 い 上 記 の 例 (18)で 示 すように 日 本 語 の 場 合 も 差 があることが 含 意 される かどうかは 統 語 面 に 大 きな 影 響 を 与 える 例 (18a)には 大 きな 程 度 差 を 表 す ずっと があり 例 (18b)には 三 十 メートル という 具 体 的 な 差 を 表 す 語 がある この 二 つの 文 はともに 成 立 するが 例 (18c)のよう に ずっと と 三 十 メートル は 共 起 することができない 中 国 語 の 場 合 も 同 じである 更 と 比 とも 比 構 文 に 用 いられるが 述 詞 の 後 に 数 量 補 語 がある 場 合 还 が 用 いられるが 更 は 用 いられにくい (19)a. 东 京 塔 是 世 界 上 最 高 的 独 立 铁 塔, 比 巴 黎 埃 菲 尔 铁 塔 还 高 13 米 ( * 更 ) < http://blog.sina.com.cn/s/blog_491ad2f001000bok.html > [ 東 京 タワーは 世 界 で 最 も 高 い 自 立 式 鉄 塔 のタワーで パリ のエッフェル 鉄 塔 よりも13メートル 高 い ] b. 东 京 塔 是 世 界 上 最 高 的 独 立 铁 塔, 比 巴 黎 埃 菲 尔 铁 塔 还 高 多 了 ( * 更 ) [ 東 京 タワーは 世 界 で 最 も 高 い 自 立 式 鉄 塔 のタワーで パリ のエッフェル 鉄 塔 よりずっと 高 い ] (20)a. 可 能 是 他 也 老 了, 虽 然 他 比 我 还 小 几 岁 ( * 更 ) < 巴 金 随 想 录 > [ 彼 も 年 取 ったからかもしれない 彼 は 私 より 何 歳 か 若 いけ ど ] b. 他 比 我 还 小 多 了 ( * 更 ) 233

[ 彼 は 私 よりずっと 年 が 若 い ] 例 (19) (20)で 示 すように 更 は 程 度 差 を 表 す 補 語 とは 共 起 しない それは 更 は 日 本 語 の ずっと と 同 じように 自 体 に 主 体 と 比 較 対 象 の 程 度 差 が 大 きいことを 含 意 しているためであり 数 量 補 語 が 表 す 意 味 と 重 複 してしまうからである 一 方 还 は 主 体 が 比 較 対 象 よりもさらに 程 度 が 高 い という 意 味 を 表 し 主 体 と 比 較 対 象 の 間 に 差 があるというニュ アンスが 読 み 取 れるが 还 自 体 には 程 度 差 が 大 きいというニュアンスは 含 意 されていない そのため 補 語 で 程 度 差 を 補 足 説 明 することができる と 考 えられる それでは 更 と 还 はそれぞれどのような 役 割 を 果 たしているので あろうか 次 の 例 (21)を 見 てみよう (21)a. 这 座 双 层 大 桥 比 南 京 长 江 大 桥 更 长 4 [この 二 層 大 橋 は 南 京 長 江 大 橋 よりずっと 長 い ] b. 这 座 双 层 大 桥 比 南 京 长 江 大 桥 还 长 4 4 4 4 4 4 4 [この 二 層 大 橋 は 南 京 長 江 大 橋 よりもさらに 長 い ] また 上 記 の(21)の 二 例 から 比 ~ の 部 分 を 取 ってみると 次 のよう になる (22)a. 这 座 双 层 大 桥 更 长 [この 二 層 大 橋 はずっと 長 い ] # b. 这 座 双 层 大 桥 还 长 4) 例 (22a)が 示 すように 更 が 用 いられる 場 合 比 較 対 象 が 提 示 されなく ても 必 ず 比 較 対 象 が 存 在 することが 暗 黙 の 了 解 であるが 还 は 比 較 対 象 が 提 示 される 比 構 文 に 依 存 しており 例 (22b)のように 比 較 対 象 が 提 234

示 されないと 还 は さらに や もっと のような 意 味 で 用 いられな くなる したがって 更 が 用 いられる 例 (21a)は 主 体 这 座 双 层 大 桥 のほうが ずっと 長 い ということを 表 しており 更 は 述 詞 部 分 を 修 飾 している それに 対 し 还 が 用 いられている 例 (21b)は 意 外 に 比 較 対 象 よりもさらに 長 いということを 表 しており 还 は 比 較 対 象 の 南 京 长 江 大 桥 を 取 り 立 てていると 考 えられる つまり 更 自 体 には 主 体 と 比 較 対 象 の 間 に 程 度 差 が 大 きいことが 含 意 されている それに 対 し 还 は 主 体 と 比 較 対 象 の 間 に 差 があるという ニュアンスが 読 み 取 れるが その 程 度 差 が 大 きいというニュアンスは 含 意 されていない また 更 は 述 詞 部 分 と 緊 密 な 関 係 を 持 つのに 対 し 还 は 比 の 後 の 比 較 対 象 と 緊 密 な 関 係 を 持 つといえよう そのため 次 の 例 (23) (24)が 示 すように 更 と 还 は 一 緒 に 比 構 文 で 用 いら れる 場 合 还 は 必 ず 更 の 前 に 置 かれる 5) (23)a. 有 时 无 言 的 暗 示 比 万 千 有 力 的 语 言 还 更 有 力 4 4 4 4 4 4 4 4 < 杨 沫 青 春 之 歌 > [ 時 には 無 言 の 注 意 は 沢 山 の 有 力 な 言 葉 よりもずっと 有 力 だ ] * b. 有 时 无 言 的 暗 示 比 万 千 有 力 的 语 言 更 还 有 力 (24)a. 可 是 我 觉 得 你 比 她 们 还 更 勇 敢 更 坚 决 4 4 4 < 杨 沫 青 春 之 歌 > [しかし 私 はあなたのほうが 彼 女 たちよりももっと 勇 敢 で もっときっぱりしていると 思 う ] * b. 可 是 我 觉 得 你 比 她 们 更 还 勇 敢 更 坚 决 例 (23) (24)の 示 すように 更 と 还 が 共 起 するとき 更 を 还 の 前 に 置 くことはできない 还 は 比 較 対 象 を 取 り 立 てており その 直 後 に 置 かなければならないため 比 ~ と 还 の 間 に 更 を 入 れる 235

ことができなくなる 同 じように 更 は 述 詞 形 容 詞 有 力 勇 敢 を 修 飾 する 例 (23b) (24b)のように 更 と 述 詞 形 容 詞 の 間 に 还 を 加 えることができなくなる しかし 更 は 程 度 差 を 表 す 補 語 とは 共 起 しないといっても 次 の 例 (25) (26)のように 更 は 不 定 数 量 補 語 一 些 一 点 とは 共 起 す ることができる (25) 这 次 情 况 确 实 比 往 常 更 紧 张 一 点, 我 们 一 再 要 求 使 馆 在 加 强 安 全 的 同 时, 也 关 注 着 事 态 的 进 展 ( 还 ) < 新 浪 网 http://mil.news.sina.com.cn/2004-04-06/1412191613.html > [ 今 回 の 事 態 は 確 かに 今 までよりずっと 緊 迫 しており 私 たちは 何 度 も 大 使 館 に 安 全 措 置 を 強 めるように 求 めた 同 時 に 情 勢 の 進 展 にも 注 目 している ] (26) 我 想 她 可 以 演 得 比 这 更 好 一 些 ( 还 ) <CCL 语 料 库 / 翻 译 作 品 嘉 莉 妹 妹 > [ 彼 女 はこれよりもっと 上 手 に 演 じられると 思 う ] 例 (25)は 一 点 と 共 起 しており 例 (26)は 一 些 と 共 起 している もちろん 不 定 数 量 詞 を 取 り 去 った 場 合 でも 次 の 例 のように 成 立 する (27) 这 次 情 况 确 实 比 往 常 更 紧 张 [ 今 回 の 事 態 は 以 前 よりもっと 緊 迫 している ] (28) 我 想 她 可 以 演 得 比 这 更 好 [ 彼 女 はこれよりもっとうまく 演 じられると 思 った ] 例 (25)はイスラエルでテロ 事 件 が 発 生 し 国 中 に 不 安 と 緊 張 が 広 がって いるときにイスラエル 駐 在 の 中 国 人 大 使 の 発 言 である 例 (27)と 異 なっ て 一 点 があり 更 の 表 す 程 度 差 を 抑 え 口 調 を 和 らげる 働 きがあ 236

ると 考 えられる また 例 (26)と(28)はいずれも 彼 女 の 演 技 に 対 する 評 価 であるが 例 (28)のように 一 些 が 用 いられていない 場 合 彼 女 にもっと 期 待 していたというニュアンスが 読 み 取 れ 少 しきつい 表 現 に なると 言 えよう 同 じように 例 (26)は 一 些 を 加 えることによって 今 回 は 期 待 に 近 い 演 技 だという 意 味 を 表 し やわらかい 表 現 になる このように 更 と 共 起 する 不 定 数 量 詞 一 些 一 点 は 更 の 表 す 程 度 差 を 抑 えることによって 口 調 を 和 らげるという 語 用 論 的 な 働 きを 果 たしていると 考 えられる 3.おわりに 比 構 文 に 用 いられる B 類 程 度 状 語 更 と 还 は いずれも 程 度 の 高 い 比 較 対 象 より 主 体 の 程 度 がさらに 高 い というニュアンスがあ り 置 き 換 え 可 能 な 場 合 が 多 い しかし 具 体 的 な 差 を 表 す 補 語 と 共 起 す る 場 合 更 は 不 定 数 量 詞 以 外 の 補 語 とは 共 起 しにくいのに 対 し 还 にはこのような 制 約 はない これらの 違 いは 先 行 研 究 でも 指 摘 されている が 呢 との 共 起 や 还 の 多 義 性 などについてまだ 説 明 されておらず また 数 量 補 語 との 共 起 について 深 く 説 明 されてこなかった 本 稿 では 更 と 还 の 表 すニュアンスと 数 量 補 語 との 共 起 を 中 心 に 考 察 した その 結 果 更 の 基 本 的 な 意 味 機 能 は 主 体 と 比 較 対 象 の 間 に 程 度 差 が 大 きいことに 対 して 自 分 の 強 い 判 断 を 伝 えることであることが わかった したがって 比 喩 や 誇 張 的 な 表 現 としては 用 いられにくく 聞 き 手 に 誇 張 的 に 伝 えることを 表 す 語 気 助 詞 呢 とは 共 起 しにくい それ に 対 し 还 はまず 主 体 が 比 較 対 象 よりもさらに 程 度 が 高 いことに 対 して 意 外 なニュアンスを 表 す そして その 意 外 なニュアンスから 誇 張 的 な 表 現 に 派 生 すると 考 える そのため 他 比 朝 青 龙 还 胖 のような 文 は 还 があるため 実 際 に 朝 青 龍 よりも 太 っているという 場 合 もあれば 実 際 は 朝 青 龍 ほど 太 っていないが 喩 えとして 誇 張 的 に 言 う 場 合 もある また 237

还 は 意 外 誇 張 的 なニュアンスを 帯 びており 更 のような 確 実 的 で 強 い 語 気 を 表 さないため 呢 と 共 起 しやすい 更 は 語 気 を 和 らげるために 不 定 数 量 詞 一 些 一 点 と 共 起 するこ とができるが 具 体 的 な 差 を 表 す 数 量 詞 とは 共 起 しにくい 中 桐 (1997) では 更 は その 差 は 問 題 にならなかった ため 数 量 詞 と 共 起 しない と 指 摘 されているが 本 稿 では 中 桐 (1997)の 考 えと 異 なり 更 は 程 度 性 のある 述 詞 を 修 飾 する 場 合 程 度 差 が 大 きいニュアンスが 含 意 されて いるため 具 体 的 な 数 量 を 表 す 補 語 と 共 起 しないと 考 える つまり その 大 きな 差 こそが 更 の 焦 点 である そのため 文 脈 に 比 較 対 象 が 提 示 さ れなくても 何 かと 比 較 しているニュアンスが 読 み 取 れ 具 体 的 な 程 度 差 を 表 す 補 語 と 共 起 することができなくなる 一 方 还 は さらに という 意 味 を 表 す 場 合 比 較 対 象 が 提 示 される 比 構 文 に 依 存 している 还 は 主 体 と 比 較 対 象 の 間 に 程 度 差 があると いう 意 味 が 読 み 取 れるが 更 と 異 なり 大 差 があるというニュアン スまでは 含 意 されていない 还 は 比 較 対 象 を 取 り 立 てており 比 較 対 象 よりもさらに 程 度 が 高 い というところに 着 目 しているといえる その ため 还 は 補 語 によって 程 度 差 を 補 足 説 明 することが 可 能 であると 考 え る 注 : 1) 本 稿 で 考 察 対 象 とする 还 は 陆 俭 明 (1993)のいう 还 1 を 指 す 陆 俭 明 (1993)は 程 度 状 語 としての 还 は 程 度 深 [ 程 度 が 高 いこと]( 还 1 ) を 表 す 場 合 もあれば 程 度 浅 [ 程 度 が 低 いこと]( 还 2 )を 表 わす 場 合 も あると 指 摘 している 以 下 原 文 を 引 用 する 还 1 和 还 2 不 光 意 义 不 同, 在 句 子 中 的 语 言 形 式 也 有 区 别 : 还 1 不 能 轻 读, 还 2 必 须 轻 读 它 们 的 分 布 也 不 同, 还 1 只 能 出 现 在 X 比 Y 这 样 的 比 较 句 中, 还 2 绝 对 不 在 那 样 的 环 境 里 出 现 238

( 陆 俭 明 1993:1) [ 还 1 と 还 2 は 意 味 が 異 なるだけでなく 文 中 における 言 語 形 式 も 異 なる 还 1 は 軽 く 発 音 することができないが 还 2 は 軽 く 発 音 し なければならない また 両 者 の 分 布 も 異 なる 还 1 は X 比 Y のような 比 較 構 文 にしか 用 いられないが 还 2 はそのような 環 境 では 決 して 用 いられない ] 2) 更 还 と 語 気 助 詞 呢 の 共 起 について 陆 俭 明 (1993:17-18)でも 次 のように 指 摘 されている 用 还 的 句 式, 句 末 可 带 语 气 词 呢, 用 更 的 句 式, 句 末 不 能 带 语 气 词 呢 [ 还 が 用 いられる 構 文 は 文 末 に 語 気 助 詞 呢 を 後 置 することがで きる 更 を 用 いる 場 合 文 末 に 語 気 助 詞 呢 を 後 置 することが できない ] 3) 例 (12)のような 例 文 を 非 文 と 判 断 するインフォーマントが 多 い 一 方 で こ れを 適 格 文 と 見 なすインフォーマントもおり 個 人 差 が 見 られる 4) この 場 合 の 还 は 陆 俭 明 (1993)の 指 摘 する 还 2 であり まあまあ という 意 味 を 表 している 5) 中 桐 (1997:10)は 下 記 の 例 を 取 り 上 げて 更 が 客 観 的 な 性 格 を 持 つの に 対 し 还 は 話 者 の 主 観 が 大 きく 働 いている と 指 摘 している 这 里 有 友 情, 有 信 仰, 比 死 还 更 强 的 信 仰 [ここに 友 情 がある 信 仰 もあり 死 ぬよりずっと 強 い 信 仰 がある ] 主 要 参 考 文 献 : 陆 俭 明 (1993), 更 和 还, 陆 俭 明 自 选 集, 河 南 教 育 出 版 社 吕 叔 湘 (1980), 现 代 汉 语 八 百 词, 商 务 印 书 馆 时 卫 国 (2005a), 更 + 被 修 饰 语 + 量 性 成 分, 愛 知 教 育 大 学 研 究 報 告 ( 人 文 社 会 科 学 編 ) 第 54 号 时 卫 国 (2005b), 还 + 被 修 饰 语 + 量 性 成 分, 教 養 と 教 育 : 共 通 科 目 研 究 交 流 誌 第 5 号 大 島 潤 子 (1998), 日 本 語 と 中 国 語 の 比 較 を 表 す 程 度 副 詞 をめぐって もっと 239

と 更, 国 文 目 白 37 号 大 島 潤 子 (2000), 副 詞 还 についての 一 考 察, お 茶 の 水 女 子 大 学 中 国 文 学 会 報 第 19 号 中 桐 典 子 (1997), 比 構 文 における 更 と 还, お 茶 の 水 女 子 大 学 中 国 文 学 会 報 第 16 号 240