資 料 2-1 加 算 税 制 度 の 見 直 し 等 平 成 27 年 12 月 3 日 関 税 外 国 為 替 等 審 議 会 関 税 分 科 会 財 務 省 関 税 局 1
加 算 税 制 度 の 見 直 し 等 1. 現 行 制 度 の 概 要 関 税 においては 国 税 ( 輸 入 貨 物 に 対 する 内 国 消 費 税 を 含 む 以 下 同 じ ) の 制 度 と 同 様 の 過 少 申 告 加 算 税 無 申 告 加 算 税 及 び 重 加 算 税 の 制 度 が 導 入 さ れており 国 税 の 加 算 税 制 度 の 見 直 しが 行 われる 場 合 には 関 税 の 加 算 税 制 度 についても 合 わせて 見 直 しを 行 ってきている (1) 過 少 申 告 加 算 税 及 び 無 申 告 加 算 税 関 税 の 過 少 申 告 加 算 税 は 納 税 申 告 があった 場 合 で 修 正 申 告 又 は 更 正 がさ れたときに 課 されるものであり その 割 合 は 修 正 申 告 又 は 更 正 に 基 づき 納 付 すべき 税 額 の 10%とされている また 関 税 の 無 申 告 加 算 税 は 期 限 後 特 例 申 告 書 ( 注 1)の 提 出 又 は 決 定 等 がされた 場 合 に 課 されるものであり その 割 合 は 当 該 申 告 又 は 決 定 等 に 基 づき 納 付 すべき 税 額 の 15%とされている なお これらの 加 算 税 の 規 定 については 1 修 正 申 告 又 は 更 正 前 の 税 額 の 計 算 の 基 礎 とされていなかったことにつ いて 正 当 な 理 由 があると 認 められるものがある 場 合 には 納 付 すべき 税 額 からその 正 当 な 理 由 があると 認 められる 事 実 に 基 づく 税 額 を 控 除 して 適 用 する 2 修 正 申 告 又 は 期 限 後 特 例 申 告 書 の 提 出 がされた 場 合 において 修 正 申 告 又 は 提 出 が 更 正 があるべきことを 予 知 してされたものでないときは 適 用 しない( 無 申 告 加 算 税 については 5%の 割 合 に 軽 減 する) こととされている ( 注 1) 特 例 輸 入 者 又 は 特 例 委 託 輸 入 者 が 提 出 期 限 後 に 提 出 する 特 例 申 告 書 ( 納 税 申 告 書 ) (2) 重 加 算 税 関 税 の 重 加 算 税 は 過 少 申 告 加 算 税 又 は 無 申 告 加 算 税 が 課 される 場 合 で 納 税 義 務 者 が 関 税 の 課 税 標 準 等 又 は 納 付 すべき 税 額 の 計 算 の 基 礎 となるべき 事 実 を 仮 装 隠 蔽 し その 仮 装 隠 蔽 したところに 基 づき 納 税 申 告 等 がさ れたときに 過 少 申 告 加 算 税 又 は 無 申 告 加 算 税 に 代 えて 課 されるものであり その 割 合 は 納 付 すべき 税 額 の 35%( 無 申 告 の 場 合 には 40%)とされている 1
2. 改 正 の 必 要 性 (1) 事 前 通 知 を 受 けて 修 正 申 告 を 行 う 場 合 の 過 少 申 告 加 算 税 等 の 見 直 し 国 税 においては 税 務 署 長 等 が 納 税 者 に 対 して 調 査 の 事 前 通 知 を 行 った 直 後 に 当 該 納 税 者 が 多 額 の 修 正 申 告 を 行 い 過 少 申 告 加 算 税 又 は 無 申 告 加 算 税 の 賦 課 を 回 避 していると 疑 われる 事 例 が 顕 著 となっていることを 踏 まえ 当 初 申 告 のコンプライアンスを 高 める 観 点 から 調 査 の 事 前 通 知 の 連 絡 から 納 税 者 が 更 正 があるべきことを 予 知 したときまでの 期 間 については 新 たな 加 算 税 ( 更 正 があるべきことを 予 知 した 後 よりも 一 段 低 い 割 合 の 過 少 申 告 加 算 税 (5%) 又 は 無 申 告 加 算 税 (10%))の 対 象 とすることを 検 討 している 関 税 においても 税 関 長 が 調 査 の 事 前 通 知 をした 直 後 に 修 正 申 告 が 行 われ る 事 例 が 見 られるところであり 国 税 と 同 様 の 新 たな 加 算 税 の 制 度 を 導 入 す ることにより これまで 以 上 に 当 初 の 納 税 申 告 の 適 正 化 及 び 納 税 義 務 者 に よる 自 主 的 な 修 正 申 告 等 の 履 行 が 期 待 できることから 国 税 において 上 記 の 新 たな 加 算 税 の 制 度 が 導 入 される 場 合 には 関 税 法 においても 同 様 の 制 度 を 導 入 することが 適 当 であると 考 えられる (2) 短 期 間 に 繰 り 返 して 無 申 告 又 は 仮 装 隠 蔽 が 行 われた 場 合 の 無 申 告 加 算 税 又 は 重 加 算 税 の 加 重 措 置 の 導 入 国 税 においては 無 申 告 加 算 税 又 は 重 加 算 税 の 割 合 が 無 申 告 又 は 仮 装 隠 蔽 を 行 った 回 数 にかかわらず 一 律 であるため 意 図 的 に 無 申 告 又 は 仮 装 隠 蔽 を 繰 り 返 す 者 に 対 する 牽 制 効 果 が 限 定 的 であるとして 悪 質 な 行 為 を 防 止 する 観 点 から 過 去 5 年 以 内 に 無 申 告 加 算 税 又 は 重 加 算 税 を 課 された 者 が 再 びこれらの 加 算 税 が 課 される 場 合 には これらの 加 算 税 について 10%の 割 合 を 加 重 する 措 置 を 導 入 することを 検 討 している 関 税 においても 近 年 仮 装 隠 蔽 をして 納 税 申 告 をする 事 例 が 悪 質 巧 妙 化 してきていることを 踏 まえると これまで 以 上 に 牽 制 効 果 を 働 かせるこ とにより 適 正 な 納 税 申 告 の 履 行 を 確 保 することが 適 当 と 考 えられることか ら 国 税 において 当 該 措 置 が 導 入 される 場 合 には 関 税 においても 同 様 の 措 置 を 導 入 することが 適 当 であると 考 えられる (3) 正 当 な 理 由 があると 認 められるものがある 場 合 の 明 確 化 他 方 国 税 においては 納 付 すべき 税 額 に 不 足 額 が 生 じた 場 合 でも それ が 課 税 庁 の 責 による 場 合 には 加 算 税 を 課 さないこととする 取 扱 いを 法 令 上 明 確 化 することを 検 討 している ( 注 2) 国 税 の 通 達 においては 納 税 者 が 納 税 申 告 及 び 申 告 税 額 の 納 付 100 がされ た 場 合 当 該 申 告 税 額 につき 減 額 更 正 ( 更 正 の 請 求 に 基 づいてされたものを 除 2
く ) 100 50 がされた 後 に 当 該 申 告 税 額 に 達 しない 範 囲 で 税 額 に 係 る 修 正 申 告 又 は 再 更 正 ( 増 額 更 正 ) 50 80 がされたときは 当 該 修 正 申 告 又 は 再 更 正 に 基 づき 納 付 すべき 税 額 30 が 当 該 修 正 申 告 又 は 再 更 正 前 の 税 額 の 計 算 の 基 礎 と されていなかったことについては 正 当 な 理 由 に 当 たるものとして 取 り 扱 い 加 算 税 を 課 さないこととされている 関 税 においても 国 税 の 見 直 しが 行 われる 場 合 には 納 税 者 の 予 見 可 能 性 を 高 める 観 点 から 法 令 において 加 算 税 を 課 さない 場 合 の 取 扱 いを 明 らかに することが 適 当 であると 考 えられる 3. 改 正 の 方 向 性 以 上 の 考 え 方 を 踏 まえ 国 税 において 新 たな 過 少 申 告 加 算 税 及 び 無 申 告 加 算 税 の 制 度 ( 更 正 があるべきことを 予 知 した 後 よりも 一 段 低 い 割 合 の 過 少 申 告 加 算 税 (5%) 又 は 無 申 告 加 算 税 (10%)の 対 象 とする 制 度 )の 導 入 過 去 5 年 以 内 に 無 申 告 加 算 税 又 は 重 加 算 税 を 課 された 者 が 再 びこれら の 加 算 税 が 課 される 場 合 には これらの 加 算 税 について 10%の 割 合 を 加 重 する 措 置 の 導 入 加 算 税 を 課 さない 場 合 の 取 扱 いを 法 令 上 明 確 化 するための 規 定 の 整 備 がされる 場 合 には 関 税 についても 同 様 の 措 置 を 講 ずることが 適 当 ではない か 3
加 算 税 制 度 の 見 直 し 等 (1 過 少 申 告 加 算 税 等 の 見 直 し) 背 景 国 税 については 事 前 通 知 の 直 後 に 多 額 の 修 正 申 告 等 を 行 い 加 算 税 の 賦 課 を 回 避 している 事 例 が 顕 著 であるとして 当 初 申 告 のコンプライアンスを 高 める 観 点 から 事 前 通 知 ( ) から 更 正 予 知 までの 期 間 については 新 たな 加 算 税 ( 更 正 予 知 後 の 加 算 税 よりも 一 段 低 い 加 算 税 )の 対 象 とすることを 検 討 している ( ) 調 査 を 行 う 旨 及 び 調 査 対 象 期 間 等 を 通 知 した 後 は 新 たな 加 算 税 の 対 象 となる 改 正 案 関 税 についても 当 初 の 納 税 申 告 の 適 正 性 及 び 自 主 的 な 修 正 申 告 の 履 行 を 高 める 観 点 から 国 税 の 見 直 しの 状 況 を 踏 ま え 事 前 通 知 から 更 正 予 知 までの 期 間 については 新 たな 加 算 税 ( 更 正 予 知 後 の 加 算 税 よりも 一 段 低 い 加 算 税 )の 対 象 とする 当 初 納 税 申 告 ( 輸 入 許 可 ) 事 前 通 知 の 連 絡 更 正 予 知 ( 調 査 結 果 の 説 明 時 ) 更 正 決 定 修 正 申 告 書 の 提 出 調 査 に 基 づく 是 正 現 行 過 少 申 告 :0% 無 申 告 :5% 過 少 申 告 :10(15)% 無 申 告 :15(20)% 見 直 し 案 過 少 申 告 :0% 無 申 告 :5% 見 直 し 案 過 少 申 告 :5(10)% 無 申 告 :10(15)% 過 少 申 告 :10(15)% 無 申 告 :15(20)% 上 記 ( ) 書 は 加 重 される 部 分 に 係 る 加 算 税 の 割 合 例 えば 過 少 申 告 加 算 税 の 場 合 当 初 申 告 税 額 と50 万 円 のいずれか 多 い 金 額 を 超 える 部 分 が( ) 書 の 加 重 される 加 算 税 の 対 象 となる 4
加 算 税 制 度 の 見 直 し 等 (2 重 加 算 税 等 の 加 重 措 置 の 導 入 ) 背 景 国 税 については 現 行 の 加 算 税 率 が 無 申 告 又 は 仮 装 隠 蔽 が 行 われた 回 数 にかかわらず 一 律 であるため 意 図 的 に 無 申 告 又 は 仮 装 隠 蔽 を 繰 り 返 す 者 に 対 する 牽 制 効 果 は 限 定 的 として 悪 質 な 行 為 を 防 止 する 観 点 から 過 去 5 年 以 内 に 無 申 告 加 算 税 又 は 重 加 算 税 を 賦 課 された 者 から 再 び 無 申 告 又 は 仮 装 隠 蔽 に 基 づく 修 正 申 告 書 の 提 出 等 があった 場 合 について 加 算 税 を10% 加 重 する 措 置 を 導 入 することを 検 討 している 改 正 案 関 税 についても 課 税 価 格 を 偽 って 納 税 申 告 をする 等 悪 質 巧 妙 な 事 例 が 見 受 けられることから 国 税 の 見 直 しの 状 況 を 踏 まえ 過 去 5 年 以 内 に 無 申 告 加 算 税 又 は 重 加 算 税 が 賦 課 された 者 に 対 し 再 び 無 申 告 加 算 税 又 は 重 加 算 税 を 賦 課 する 場 合 について これらの 加 算 税 を10% 加 重 する 措 置 を 導 入 する 1 年 3 月 1 日 1 年 10 月 5 年 9 月 6 年 10 月 法 定 納 期 限 5 年 以 内 調 査 において 無 申 告 又 は 仮 装 隠 蔽 の 事 実 に 基 づく 処 分 短 期 間 に 繰 り 返 して 無 申 告 又 は 仮 装 隠 蔽 数 年 後 調 査 において 再 度 無 申 告 又 は 仮 装 隠 蔽 の 事 実 に 基 づく 処 分 無 申 告 の 場 合 無 申 告 加 算 税 15%(20%) 10% 加 重 見 直 し 案 無 申 告 の 場 合 無 申 告 加 算 税 25%(30%) 仮 装 隠 蔽 の 場 合 重 加 算 税 ( 過 少 申 告 ) 35% 仮 装 隠 蔽 の 場 合 重 加 算 税 ( 過 少 申 告 ) 45% 重 加 算 税 ( 無 申 告 ) 40% 重 加 算 税 ( 無 申 告 ) 50% 5