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平 均 賃 金 を 支 払 わなければならない この 予 告 日 数 は 平 均 賃 金 を 支 払 った 日 数 分 短 縮 される( 労 基 法 20 条 ) 3 試 用 期 間 中 の 労 働 者 であっても 14 日 を 超 えて 雇 用 された 場 合 は 上 記 2の 予 告 の 手 続

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3 体 制 整 備 等 (1) 全 ての 特 定 事 業 主 が 共 同 して 取 組 むものとする () 総 務 部 人 事 管 理 室 人 事 課 を 計 画 推 進 の 主 管 課 とし 全 ての 市 職 員 により 推 進 する (3) 実 施 状 況 を 把 握 し 計 画 期 間 中 で

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そ の 他 類 ( 番 号 を 記 載 ) 施 設 名 事 所 名 所 在 事 開 始 年 月 日 事 規 模 ( 定 員 ) 公 益 事 広 島 市 城 山 北 城 南 域 包 括 支 援 センター 広 島 市 安 佐 南 区 川 内 B0 平 成 8 年 4 月 日 必 要 な 者

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Transcription:

平成 25 年度厚生労働省委託事業 治療と職業生活の両立等の支援対策事業 治療を受けながら 安心して働ける職場づくりのために 事例から学ぶ治療と仕事の両立支援のための職場における保健活動のヒント集 傷病を抱える労働者の中には 働く意欲や能力があっても 通院をはじめとする治療と仕事の両立を可能 にする体制が職場において不十分であるために 就労の継続や復職が困難になる場合も少なくありませ ん 傷病を抱える労働者の健康に配慮した職業生活を支援するのみならず 職場や事業所等の活力を維持 し より豊かな社会を築くためにも 治療と仕事の両立に向けた職場環境や支援体制の整備が大切です 本パンフレットは 治療が必要な傷病を抱えた労働者が 治療を受けながら就労を継続できるよう 事業 所において 治療と仕事の両立 の支援を行う際の留意事項や取組みのヒントを 事例を交えて紹介して います 事業者および産業医をはじめとした産業保健スタッフを主な対象としていますが 働く人々 家 族 職場の上司 同僚 人事労務担当者など様々な方にも参考にしていただき 職場での産業保健活動の 推進に活用いただくことを目的としています 平成 26 年 3 月 治療と職業生活の両立等の支援対策事業 実施委員会 事業者や労働者 医療機関を対象としたアンケート調査やヒアリング調査によって得られた職場や労働者の現状 課題をも とに 取組みのポイントや事例を掲載しています 治療と職業生活の両立 については 厚生労働省において平成 24 年 8 月にまとめられた 治療と職業生活の両立等の支援 に関する検討会報告書 の中で 次のように定義されています 治療と職業生活の両立 とは 病気を抱えながらも 働く意欲 能力のある労働者が 仕事を理由として治療機会を逃すこ となく また 治療の必要性を理由として職業生活の継続を妨げられることなく 適切な治療を受けながら 生き生きと就労 を続けられることである

Ⅰ 治 療 と 仕 事 の 両 立 を 取 り 巻 く 現 状 と 課 題 治 療 と 仕 事 の 両 立 等 の 実 態 を 把 握 するためのアンケート 調 査 から 次 のような 現 状 が 見 えてきました ( 詳 細 は 最 終 ページ 参 照 ) 傷 病 を 抱 える 労 働 者 が 必 要 としている 支 援 病 気 を 抱 える 労 働 者 の 92.5%が 就 労 継 続 を 希 望 し 現 在 仕 事 をしていない 人 でも70.9%が 就 労 を 希 望 している など 治 療 と 仕 事 の 両 立 支 援 に 対 するニーズは 非 常 に 高 くなっています 病 気 を 抱 える 労 働 者 は 柔 軟 な 勤 務 制 度 の 整 備 や 治 療 通 院 目 的 の 休 暇 だけでなく 制 度 等 を 利 用 しやすい 風 土 の 醸 成 や 病 気 の 発 症 予 防 重 症 化 予 防 の 取 組 み 等 を 必 要 としています 罹 患 後 の 就 業 形 態 等 の 変 化 労 働 者 が 治 療 と 仕 事 を 両 立 する 上 で 必 要 だと 感 じる 支 援 事 業 所 内 での 制 度 運 用 配 慮 の 一 体 的 な 取 組 みを! 第 1 位 体 調 や 治 療 の 状 況 に 応 じた 柔 軟 な 勤 務 形 態 (47.8%) 第 2 位 治 療 通 院 目 的 の 休 暇 休 業 制 度 等 (45.2%) 第 3 位 休 暇 制 度 等 の 社 内 の 制 度 が 利 用 しやすい 風 土 の 醸 成 (35.0%) 第 4 位 働 く 人 に 配 慮 した 診 療 時 間 の 設 定 や 治 療 方 法 の 情 報 提 供 (28.0%) 第 5 位 病 気 の 予 防 や 早 期 発 見 重 症 化 予 防 の 推 進 (26.0%) 労 働 者 を 対 象 としたアンケート 調 査 より(n=901)(H25 年 実 施 ) 正 規 雇 用 (n=733) 非 正 規 雇 用 (n=156) 0% 50 % 100 % 67.3% 66.7% 6.4% 変 化 なし 勤 務 先 は 変 わらず 配 置 転 換 雇 用 形 態 が 変 更 退 職 ( 転 職 含 む) 定 年 退 職 0.4% 1.5% 0.1% 16.5% 14.2% 1.9% 25.0% 現 在 治 療 と 仕 事 を 両 立 できているか なお 病 気 に 伴 い 勤 務 先 は 変 わらずに 配 置 転 換 や 雇 用 形 態 に 変 化 の あった 人 は 14.5%でした また 退 職 した 人 ( 転 職 含 む)の 割 合 は 非 正 規 雇 用 労 働 者 では25.0%と 正 規 雇 用 労 働 者 14.2%よりも 高 く 治 療 と 仕 事 の 両 立 が できている とした 人 の 割 合 も 非 正 規 雇 用 労 働 者 で44.9%と 正 規 雇 用 労 働 者 51.6%よりも 低 い 実 態 も 明 らか になりました 事 業 者 における 制 度 面 運 用 面 の 取 組 み 格 差 メンタルヘルス 不 調 以 外 の 傷 病 や 治 療 と 仕 事 の 両 立 の 重 要 性 に 関 する 研 修 教 育 の 取 組 みを 行 っている 事 業 者 は1 割 未 満 であるなど 傷 病 を 抱 える 労 働 者 の 治 療 と 仕 事 の 両 立 への 取 組 みはこれからという 状 況 です 労 働 者 の 治 療 と 仕 事 の 両 立 の 実 現 を 図 るにあたっては 多 くの 事 業 者 が 重 症 化 再 発 予 防 や 適 正 配 置 等 健 康 管 理 や 労 務 作 業 管 理 を 課 題 として 挙 げて います 産 業 医 の 配 置 や 柔 軟 な 働 き 方 を 支 える 事 業 所 内 の 制 度 治 療 通 院 のため の 病 気 休 暇 制 度 の 整 備 状 況 等 病 気 を 抱 える 労 働 者 を 支 える 事 業 所 内 の 制 度 や 支 援 体 制 は 社 員 規 模 によって 大 きな 差 があります 医 療 機 関 における 取 組 み 格 差 調 査 に 回 答 した 病 院 のうち 約 8 割 が 就 労 に 関 する 相 談 を 受 け 付 けており 経 済 的 な 問 題 病 気 や 治 療 による 仕 事 への 影 響 に 関 する 問 い 合 わせ 就 業 内 容 や 就 労 制 限 に 関 する 書 類 作 成 情 報 提 供 の 依 頼 などに 対 応 しています しかし 相 談 窓 口 自 体 があまり 周 知 されておらず 十 分 に 活 用 されていないのが 実 態 です 治 療 と 仕 事 の 両 立 の 重 要 性 に 関 する 研 修 教 育 の 実 施 状 況 1.4% メンタルヘルスに ついてのみ 実 施 19.3% 医 療 機 関 側 からは 事 業 所 と 連 携 する 際 の 課 題 として 事 業 所 側 の 知 識 理 解 が 乏 しい 職 場 で 必 要 な 配 慮 がなされない 等 が 指 摘 されており 医 療 機 関 と 事 業 所 間 の 連 携 が 課 題 となっています できている どちらかといえばできている どちらかといえばできていない できていない 正 規 雇 用 非 正 規 雇 用 について 集 計 労 働 者 を 対 象 としたアンケート 調 査 より(H25 年 実 施 ) 事 業 者 を 対 象 と し た ア ン ケ ー ト 調 査 よ り (H25 年 実 施 ) コラム ワーク ライフ バランスの 実 現 多 様 な 人 材 の 活 用 という 視 点 働 く 人 々にとって 心 身 の 健 康 管 理 はワーク ライフ バランスを 考 える 上 での 重 要 な 要 素 の1つです また 職 場 は 多 様 な 人 々によって 成 り 立 っています 傷 病 を 抱 え 治 療 を 受 けながら 仕 事 をする 労 働 者 も 人 材 の 多 様 性 の1つとして 捉 えることができます 企 業 の 活 力 維 持 人 材 確 保 のためにも ワーク ライフ バランスを 実 現 し 多 様 な 人 材 が 活 躍 で きる 働 きやすい 職 場 づくりが 大 切 です 正 規 雇 用 (n=733) 非 正 規 雇 用 (n=156) 0% 50 % 100 % 51.6% 44.9% 未 実 施 70.4% 33.4% 29.5% 12.8% 12.8% 0.3% 8.7% 6.0% 他 の 傷 病 等 に ついて 実 施 8.9% n=631 2

Ⅱ 産 業 医 等 産 業 保 健 スタッフの 役 割 産 業 医 等 の 産 業 保 健 スタッフは 傷 病 を 抱 える 労 働 者 の 支 援 において 管 理 監 督 者 及 び 人 事 労 務 担 当 者 の 果 たす 機 能 を 専 門 的 な 立 場 から 支 援 し 必 要 な 助 言 及 び 指 導 を 行 います 治 療 と 仕 事 の 両 立 には 人 事 労 務 担 当 者 や 所 属 長 上 司 一 緒 に 働 く 同 僚 等 の 傷 病 や 症 状 障 害 等 についての 正 しい 認 識 が 必 要 であり 産 業 保 健 スタッフはこれらの 人 々に 対 して 意 識 啓 発 を 行 うとともに 主 治 医 等 と 連 携 しながら 健 康 管 理 のための 助 言 及 び 指 導 を 事 業 者 や 労 働 者 等 に 対 して 行 うなど 重 要 な 役 割 を 果 たします また 治 療 と 仕 事 の 両 立 に 向 けた 支 援 は 産 業 保 健 スタッフだけではな く 社 内 外 の 関 係 者 や 地 域 の 医 療 機 関 等 と 連 携 して 取 り 組 むことが 大 切 で 注 ) す また 必 要 に 応 じて 産 業 保 健 活 動 総 合 支 援 センター( 等 の 地 域 資 源 を 活 用 しましょう ( 注 ) 平 成 26 年 度 から 産 業 保 健 推 進 センター( 連 絡 事 務 所 を 含 む) メンタルヘルス 対 策 支 援 センター 及 び 地 域 産 業 保 健 センターは 産 業 保 健 活 動 総 合 支 援 センターに 統 合 治 療 と 仕 事 の 両 立 を 支 える 関 係 者 の 例 同 僚 人 事 労 務 上 司 産 業 医 家 族 労 働 者 本 人 産 業 保 健 スタッフ 主 治 医 医 療 スタッフ 等 産 業 保 健 活 動 総 合 支 援 センター 患 者 会 や 友 人 の 存 在 も 労 働 者 本 人 の 大 きな 励 みとなることも コラム 脳 梗 塞 を 発 症 し 復 職 したAさん 上 司 によって 職 場 の 雰 囲 気 は 大 きく 変 わります 休 職 復 職 した 際 の 直 属 の 上 司 は 私 が 倒 れた 時 のこと を 知 っていることもあり 長 時 間 労 働 の 制 限 等 十 分 な 配 慮 をしてくれましたが 次 の 上 司 は 病 気 のことを 知 らず そういった 配 慮 はありませんでした 上 司 が 変 わっても 必 要 な 配 慮 がなされるよう 産 業 医 等 が 労 働 者 = 上 司 間 の 橋 渡 しをし 情 報 の 引 継 ぎを 支 援 してくれると 労 働 者 としては 助 かると 思 いました 1. 産 業 保 健 スタッフによる 労 働 者 の 健 康 管 理 産 業 医 等 の 産 業 保 健 スタッフは 病 気 や 治 療 等 の 問 題 から 就 業 上 の 配 慮 をすべき 労 働 者 について 就 業 場 所 就 業 条 件 労 働 環 境 等 を 適 切 に 把 握 するとともに 疾 病 の 再 発 重 症 化 等 の 問 題 に 対 しては 早 期 発 見 と 迅 速 な 対 応 を 行 うことが 大 切 です そのため 産 業 保 健 スタッフと 労 働 者 とが 定 期 的 に 面 談 を 行 うことや 労 働 者 の 同 意 を 得 た うえで 面 談 を 通 じて 主 治 医 から 最 新 情 報 を 得 ることにより 就 業 上 の 配 慮 事 項 等 について 事 業 者 に 対 し 助 言 や 指 導 を 行 うことが 大 切 です こうした 取 組 みは 傷 病 の 再 発 と 重 症 化 の 予 防 につながります 加 えて 産 業 保 健 スタッフは 職 場 における 労 働 者 の 状 態 をフォローし 問 題 があればすぐに 対 応 できるよう 日 頃 から 管 理 監 督 者 等 との 連 携 を 密 にしておくことが 大 切 です 具 体 的 な 取 組 み 事 例 産 業 保 健 スタッフによる 健 康 管 理 疾 病 の 予 防 早 期 発 見 の 取 組 みに 向 けた 労 働 者 全 員 との 面 談 実 施 A 社 では 各 種 疾 患 の 予 防 早 期 発 見 のために 毎 年 の 定 期 健 診 後 社 内 の 健 康 管 理 グループの 保 健 師 が 労 働 者 全 員 に 対 して 30 分 程 度 の 個 別 面 談 を 行 い 健 康 状 態 と 悩 み 事 がないかについて 確 認 しています 健 康 管 理 グループ 以 外 との 調 整 等 が 必 要 な 場 合 は 本 人 に 了 承 を 得 たうえで 上 司 や 人 事 労 務 担 当 者 と 連 携 して 対 応 しています 治 療 中 の 労 働 者 に 対 して 無 理 のない 就 労 継 続 を 支 援 B 社 では がんに 罹 患 して 化 学 療 法 を 受 けている 労 働 者 など 継 続 的 に 治 療 を 受 けながら 仕 事 を 続 ける 労 働 者 に 対 してサ ポートを 行 っています 具 体 的 には 生 活 リズム 記 録 票 等 を 用 いて 体 調 や 業 務 遂 行 に 問 題 がないかを 産 業 保 健 スタッフ が 確 認 し 就 労 継 続 をサポートしています 3

長 期 休 職 を 伴 う 労 働 者 のフォロー 具 体 的 な 取 組 み 事 例 保 健 師 を 中 心 とした 長 期 休 職 者 のフォロー C 社 では 復 職 支 援 の 流 れを 規 定 していなかったので 毎 回 人 事 部 や 管 理 監 督 者 が 試 行 錯 誤 をしている 状 況 でした そこ で 保 健 師 が 中 心 となって 労 働 者 本 人 のケア フォローにあたる 流 れを 整 えました 長 期 休 職 後 に 復 職 を 希 望 する 労 働 者 の 場 合 下 記 のような 流 れで 面 談 を 行 い 休 職 中 から 復 職 まで そして 復 職 後 もフォローを 行 うことで 継 続 的 に 支 援 できるようになりました 健 康 管 理 グループ との 面 談 ( 保 健 師 本 人 ) 職 場 面 談 ( 所 属 部 長 直 属 上 司 本 人 ) 産 業 医 による 面 談 ( 産 業 医 本 人 ) 総 合 的 に 判 断 して 事 業 所 として 復 職 の 可 否 を 決 定 保 健 師 が1 数 回 面 談 を 行 い 規 則 正 しい 生 活 が 送 れている か 復 職 の 意 欲 があるか 確 認 復 職 の 意 欲 があるか 確 認 医 学 的 な 立 場 から 就 業 上 の 措 置 について 意 見 個 人 情 報 の 取 扱 いに 注 意 しましょう! 個 人 情 報 の 取 扱 いに 当 たっては 個 人 情 報 の 保 護 に 関 する 法 律 ( 以 下 個 人 情 報 保 護 法 という )を 遵 守 することが 必 要 です また 雇 用 管 理 分 野 における 個 人 情 報 については 雇 用 管 理 分 野 における 個 人 情 報 保 護 に 関 するガイドライン ( 平 成 24 年 厚 生 労 働 省 告 示 第 357 号 )が 定 められているとともに 個 人 情 報 のうち 健 康 情 報 については ガイドラインに 基 づく 雇 用 管 理 に 関 する 個 人 情 報 のうち 健 康 情 報 を 取 り 扱 うに 当 たっての 留 意 事 項 ( 平 成 24 年 6 月 11 日 付 基 発 第 0611 第 1 号 厚 生 労 働 省 労 働 基 準 局 長 通 知 )において 産 業 保 健 業 務 従 事 者 以 外 に 健 康 情 報 を 取 り 扱 わせる 時 は 取 り 扱 う 健 康 情 報 が 利 用 目 的 の 達 成 に 必 要 な 範 囲 内 に 限 定 されるよう 必 要 に 応 じて 産 業 保 健 業 務 従 事 者 に 健 康 情 報 を 適 切 に 加 工 させ た 上 で 提 供 する 等 の 措 置 を 講 ずること など より 詳 細 にその 取 扱 い 上 の 留 意 点 が 示 されています なお 個 人 情 報 保 護 法 に 定 める 義 務 の 対 象 は 個 人 情 報 データベース 等 を 事 業 の 用 に 供 している 者 ( 取 扱 い 情 報 量 が5,00 0 人 分 を 超 える 場 合 )となりますが 上 述 のガイドラインにおいては 個 人 情 報 保 護 法 の 対 象 とならない 者 についても 個 人 情 報 の 保 護 に 関 する 法 律 第 3 条 に 規 定 する 基 本 理 念 個 人 情 報 は 個 人 の 人 格 尊 重 の 理 念 の 下 に 慎 重 に 取 り 扱 われるべき ものであることに 鑑 み その 適 正 な 取 扱 いが 図 られなければならない ことを 踏 まえ 同 様 の 対 応 をとることが 望 ましい とされています 2. 産 業 保 健 スタッフと 医 療 機 関 等 との 連 携 産 業 保 健 スタッフは 医 療 機 関 との 連 携 の 際 に 中 心 的 な 役 割 を 担 います ここでは(1) 医 療 機 関 との 情 報 共 有 と (2)より 専 門 的 な 助 言 や 支 援 を 必 要 とする 場 合 の 対 応 例 について 紹 介 します (1) 医 療 機 関 との 情 報 共 有 職 場 における 適 切 な 支 援 のためには 労 働 者 を 通 じて 治 療 状 況 や 就 業 上 の 配 慮 今 後 の 見 通 し 等 について 主 治 医 と 情 報 を 共 有 することが 大 切 です 労 働 者 ( 患 者 )への 聞 き 取 りだけではこれらの 情 報 収 集 が 不 十 分 な 場 合 には 労 働 者 の 同 意 の 下 主 治 医 に 確 認 したり 労 働 者 に 同 行 して 主 治 医 から 説 明 を 聞 く 方 法 があります 産 業 保 健 スタッフ 等 を 通 じて 主 治 医 等 に 確 認 する 情 報 事 業 者 を 対 象 としたアンケート 調 査 において 長 期 休 職 者 の 復 職 の 可 否 や 就 業 上 の 配 慮 等 を 検 討 するため 7 割 以 上 の 事 業 者 が 産 業 保 健 スタッフ 等 を 通 じて 確 認 していた 項 目 として は 病 名 復 職 可 能 な 時 期 就 業 上 の 制 限 事 項 仕 事 に 対 する 影 響 重 症 度 等 がありました 長 期 休 職 を 伴 わな い 場 合 でも これらの 情 報 は 就 業 上 の 配 慮 を 検 討 するにあた り 参 考 になるでしょう 主 治 医 との 円 滑 な 連 携 に 向 けた 工 夫 主 治 医 との 連 携 を 円 滑 にし 事 業 所 として 必 要 な 情 報 を 効 率 よく 正 確 に 収 集 できるように 工 夫 している 事 例 もあります 長 期 休 職 者 の 復 職 の 可 否 や 就 業 上 の 配 慮 等 を 検 討 するた めに 必 要 な 情 報 n=631 病 名 91.4% 復 職 可 能 な 時 期 87.6% 就 業 上 の 制 限 事 項 80.2% 仕 事 に 対 する 影 響 75.6% 重 症 度 75.1% 入 退 院 の 目 処 65.0% 再 発 可 能 性 の 有 無 62.1% 治 療 内 容 60.7% 再 発 予 防 のために 必 要 な 対 策 54.7% 就 業 制 限 の 解 除 時 期 53.2% 副 作 用 症 状 合 併 症 49.0% 重 症 化 の 要 因 37.1% 4.3% 事 業 者 を 対 象 としたアンケート 調 査 より(H25 年 実 施 ) 4

具 体 的 な 取 組 み 事 例 主 治 医 に 確 認 する 項 目 を 規 定 就 労 ( 復 職 ) 可 否 や 就 業 上 の 配 慮 について 検 討 する 際 に 主 治 医 に 確 認 する 項 目 を 事 業 者 として 規 定 し 確 認 D 社 E 社 F 社 では 事 業 所 が 復 職 の 可 否 の 判 断 や 就 業 上 の 配 慮 を 検 討 するために 労 働 者 の 同 意 を 得 た 上 で 産 業 保 健 スタッフ 等 が 主 治 医 に 以 下 の 情 報 を 確 認 することとしています D 社 E 社 F 社 現 在 の 状 況 病 状 復 職 の 可 否 と 配 慮 事 項 勤 務 時 間 職 場 環 境 病 状 に 影 響 する 作 業 通 勤 方 法 今 後 の 見 通 し 日 常 で 気 をつけるべき 事 項 等 復 職 の 可 否 復 帰 可 能 日 業 務 に 影 響 を 与 える 症 状 副 作 用 復 職 基 準 への 該 当 状 況 等 診 断 名 治 療 経 過 入 院 期 間 現 在 の 処 方 今 後 の 治 療 予 定 就 労 の 可 否 就 労 上 の 制 限 措 置 期 間 試 し 出 勤 の 必 要 性 等 具 体 的 な 取 組 み 事 例 産 業 保 健 スタッフと 主 治 医 との 円 滑 な 連 携 に 向 けた 工 夫 就 労 ( 復 職 ) 可 否 や 就 業 上 の 配 慮 等 を 記 載 する 所 定 の 様 式 ( 主 治 医 意 見 書 )を 用 意 G 社 では 主 治 医 意 見 書 として 会 社 規 定 の 記 入 様 式 を 定 めています 様 式 の 中 に 主 治 医 に 確 認 したい 項 目 を 記 載 してお くことで 漏 れなく 情 報 を 収 集 することができます また H 社 では 就 労 ( 復 職 )の 可 否 や 就 業 上 の 配 慮 等 をチェック 式 にすることで 主 治 医 の 記 載 負 担 を 軽 減 し 記 載 漏 れがないように 工 夫 しています 就 業 上 の 配 慮 についてレベル 別 に 確 認 I 社 では 主 治 医 に 就 業 上 の 配 慮 等 について 確 認 する 際 禁 忌 レベルのものか あれば 望 ましいものであるのか 等 レベル 別 に 尋 ねています 一 律 に 制 限 を 求 められると 職 場 で 対 応 できない 場 合 に 就 労 継 続 を 認 められなくなってしまいます そうした 事 態 にならないよう レベル 別 に 指 示 を 仰 ぐことで 職 場 での 柔 軟 な 受 け 入 れを 可 能 にしています 企 業 側 から 主 治 医 へ 情 報 提 供 J 社 では 主 治 医 から 出 される 診 断 書 が 必 ずしも 職 場 の 実 情 に 合 わず 無 理 な 復 職 や 就 労 継 続 につながることがあったり 主 治 医 によって 復 職 可 否 の 判 断 基 準 が 異 なる といった 問 題 が 生 じることがありました そこで 書 面 で 診 断 書 に 記 載 し てほしい 情 報 ( 復 職 可 能 日 治 療 継 続 の 必 要 性 就 業 [ 通 勤 含 む ] に 当 たっての 意 見 注 意 事 項 )を 明 記 して 主 治 医 に 伝 え また 職 場 環 境 や 作 業 内 容 会 社 としてサポートできること 就 業 規 則 ( 短 時 間 勤 務 制 度 はない 等 )についても 主 治 医 に 情 報 提 供 することにしました これらの 取 組 みにより 主 治 医 は 職 場 の 状 況 を 勘 案 して 復 職 が 可 能 かどうか 意 見 をくれるようになり 無 理 な 復 職 や 就 労 継 続 につながる 事 例 が 減 りました (2)より 専 門 的 な 助 言 や 支 援 を 必 要 とする 場 合 には 専 門 的 な 助 言 や 支 援 を 必 要 とするものの 事 業 場 内 の 産 業 保 健 スタッフで 十 分 対 応 できない 場 合 には 事 業 場 外 資 源 と 連 携 活 用 する 方 法 もあります 全 国 の 産 業 保 健 活 動 総 合 支 援 センターでは 産 業 保 健 スタッフ 等 からの 相 談 に 応 じています 病 院 における 取 組 み 事 例 病 院 の 医 師 リハビリテーションスタッフによる 職 場 訪 問 を 通 じた 職 場 環 境 改 善 A 病 院 では 患 者 の 希 望 と 職 場 の 同 意 を 得 たうえで 病 院 の 医 師 やリハビリテーションスタッフが 職 場 を 訪 問 し 業 務 上 必 要 な 作 業 や 体 勢 作 業 環 境 について 詳 細 に 確 認 し 就 労 に 向 けたリハビリテーションに 活 用 しています また 作 業 環 境 の 見 直 しが 必 要 な 場 合 には 椅 子 の 高 さの 調 整 やスロープの 調 整 等 について 助 言 しています 相 談 窓 口 での 就 労 に 関 する 相 談 受 付 支 援 B 病 院 では 院 内 の 相 談 支 援 センターに 社 会 保 険 労 務 士 を 配 置 しており 就 労 にまつわる 各 種 相 談 を 受 け 付 けています ま た C 病 院 では 就 労 に 関 する 悩 みをグループになって 話 し 合 う 会 を 開 催 しています 患 者 さんにとって 病 院 は 会 社 に 相 談 しづらい 悩 みを 話 せる 貴 重 な 相 談 先 の1つとなっています 5

Ⅲ 職 場 環 境 の 整 備 改 善 労 働 者 が 就 労 を 継 続 できるよう 職 場 の 環 境 や 作 業 方 法 を 点 検 し 労 働 時 間 の 削 減 や 業 務 の 転 換 等 適 切 な 就 業 上 の 措 置 を 行 うことが 大 切 です 例 えば 産 業 保 健 スタッフは 主 治 医 の 意 見 も 踏 まえながら 作 業 環 境 や 作 業 業 務 負 荷 等 の 評 価 を 行 い 事 業 者 管 理 監 督 者 や 人 事 労 務 担 当 者 に 対 しても 必 要 な 助 言 指 導 を 行 うことが 重 要 です また 傷 病 を 抱 えながら 働 く 労 働 者 や 治 療 に 当 たる 主 治 医 からは 事 業 所 において 傷 病 そのものの 理 解 が 乏 し い 目 に 見 えない 症 状 には 理 解 が 得 られにくい といった 指 摘 もあります 傷 病 を 抱 える 労 働 者 が 働 きやすい 職 場 づくりに 向 けては 事 業 者 はもとより 管 理 監 督 者 や 他 の 労 働 者 に 対 し 傷 病 や 症 状 障 害 等 に 関 する 正 しい 認 識 や 配 慮 のための 教 育 研 修 や 情 報 提 供 等 を 行 うことにより 職 場 環 境 を 整 備 することも 産 業 保 健 スタッフの 重 要 な 役 割 の1つと 考 えられます 業 務 負 荷 への 配 慮 のもと 治 療 と 仕 事 の 両 立 を 実 現 労 働 者 の 状 況 によっては 体 調 や 症 状 障 害 等 に 応 じて 勤 務 時 間 の 短 縮 や 業 務 転 換 等 の 対 応 を 行 うことで 復 職 や 就 労 継 続 の 支 援 を 図 ることができる 場 合 があります また 職 場 での 勤 務 についてだけでなく 通 勤 について も 事 業 者 側 で 配 慮 している 事 例 があります 労 働 者 の 事 例 柔 軟 な 勤 務 で 無 理 なく 就 労 継 続 脳 血 管 疾 患 で 倒 れたBさんは 治 療 やリハビリテーションのために1 年 半 休 職 しました 復 職 後 最 初 の1 週 間 は1 日 数 時 間 から 勤 務 を 始 め 翌 週 から 短 時 間 勤 務 制 度 を 利 用 しました 短 時 間 勤 務 制 度 では 午 前 中 のみの 勤 務 から 開 始 し その 後 徐 々に 勤 務 時 間 を 長 くしました 現 在 は 勤 務 時 間 を1 時 間 短 縮 して 働 いています 短 期 記 憶 障 害 が 残 ったことから 仕 事 の 内 容 も 休 職 前 の 多 忙 な 業 務 から 業 務 負 荷 の 少 ないものに 変 えてもらい 可 能 な 範 囲 で 仕 事 を 続 けることができ ています 通 勤 への 配 慮 を 受 けながら 就 労 継 続 C さんは 定 期 的 にリハビリテーションに 通 いながら 営 業 の 仕 事 を 続 けています 会 社 は C さんと 相 談 して 満 員 電 車 による 通 勤 負 担 の 軽 減 とリハビリテーションを 考 慮 して 職 場 から 徒 歩 15 分 の 社 宅 を 手 配 してくれました 職 場 環 境 を 整 えるための 取 組 み 労 働 者 に 対 して 必 要 な 職 場 環 境 を 整 備 するためには 産 業 保 健 スタッフだけでなく 管 理 監 督 者 や 同 僚 等 の 理 解 協 力 が 不 可 欠 です 労 働 者 に 対 して 必 要 な 職 場 環 境 が 整 えられるかどうか 関 係 者 で 十 分 に 確 認 協 議 する ことが 重 要 です 具 体 的 な 取 組 み 事 例 関 係 者 会 議 を 開 催 し 職 場 として 受 け 入 れ 体 制 が 確 保 できるかを 十 分 に 協 議 必 要 な 配 慮 等 は 文 書 で 共 有 K 社 では 就 業 上 の 配 慮 が 必 要 と 思 われる 労 働 者 を 把 握 した 場 合 関 係 者 会 議 を 開 催 し 就 労 継 続 の 可 否 や 必 要 な 就 業 上 の 配 慮 について 検 討 します 会 議 には 本 人 上 司 人 事 健 康 管 理 室 のスタッフが 参 加 します 産 業 医 は 診 断 名 や 経 過 主 治 医 の 意 見 を 参 考 にしつつ 勤 務 時 間 作 業 内 容 通 勤 方 法 等 に 関 する 必 要 な 措 置 について 意 見 します 決 定 された 就 業 上 の 配 慮 は 文 書 で 保 存 労 働 者 本 人 上 司 人 事 健 康 管 理 室 で 共 有 し 必 要 な 配 慮 がなされるよう 徹 底 しています ( 就 業 上 の 配 慮 の 例 : 配 置 転 換 / 作 業 転 換 / 労 働 時 間 短 縮 /シフト 変 更 等 ) 6

少 しの 工 夫 で 働 きやすい 職 場 づくり 上 司 や 同 僚 からの 無 理 をしないように といった 声 がけ1つだけでも 労 働 者 の 不 安 が 和 らいだり 精 神 的 負 担 が 軽 くなる 場 合 があります 以 下 のような 少 しの 工 夫 で 傷 病 を 抱 えている 人 が 気 持 ちよく 働 けることもあります 労 働 者 の 事 例 食 事 に 関 する 配 慮 の 例 : 手 術 後 食 事 の 回 数 を 増 やして 少 量 ずつ 摂 取 することとなったDさん D さんは 手 術 後 食 事 の 回 数 を 増 やし 少 量 ずつ 飲 食 する 必 要 がありますが 長 時 間 に 亘 る 会 議 中 の 飲 食 がしづらいとい う 悩 みを 上 司 に 相 談 しました 上 司 はCさんが 気 兼 ねなく 飲 食 できるよう 出 席 者 全 員 に 軽 食 を 出 すようにしてくれま した コミュニケーションに 関 する 配 慮 の 例 : 短 期 記 憶 障 害 が 残 ったEさん E さんは 口 頭 だけのやりとりでは 業 務 に 支 障 が 出 るので ボイスレコーダーやノートを 活 用 しています また 職 場 の 同 僚 とはメモやメールも 交 えてやりとりしたり 外 部 顧 客 とのアポイントメントは 念 のため 直 属 の 上 司 がスケジュール を 管 理 する 等 の 工 夫 もしてくれています 管 理 監 督 者 同 僚 等 への 配 慮 や 支 援 傷 病 を 抱 える 労 働 者 に 対 してだけでなく 配 慮 や 支 援 を 行 う 管 理 監 督 者 や 同 僚 等 に 対 しても 過 度 の 負 担 がかか ることにより 健 康 上 の 問 題 が 発 生 しないよう 産 業 保 健 スタッフによる 精 神 面 での 配 慮 等 も 重 要 です 管 理 監 督 者 が 対 応 に 迷 わないよう 早 期 に 担 当 部 署 につなぐ 仕 組 みを 整 備 メンタルヘルスに 限 らず 不 調 者 がいれば 人 事 部 につなぐ 目 安 をライン 管 理 職 に 示 し ライン 管 理 職 が 対 応 を 判 断 する 負 担 を 軽 減 (L 社 ) 職 場 に 周 囲 の 同 僚 や 管 理 監 督 者 をフォ ローするスタッフを 配 置 職 場 に 管 理 職 経 験 のある 退 職 者 を 健 康 づくり 支 援 スタッフ として 配 置 管 理 職 や 従 業 員 の 身 近 な 相 談 役 調 整 役 として 機 能 (M 社 ) 一 時 的 に 所 属 を 人 事 部 付 にして 現 場 の 営 業 ノルマの 負 担 を 軽 減 すぐに 以 前 のように 仕 事 がこなせない 場 合 当 該 労 働 者 の 人 件 費 を 人 事 部 で 負 担 成 果 は 現 場 に 計 上 することで 現 場 の 営 業 ノルマの 負 担 を 軽 減 (N 社 ) 職 場 の 風 土 づくり 産 業 保 健 スタッフと 事 業 者 が 連 携 し 労 働 者 を 対 象 として 病 気 の 正 しい 知 識 や 発 症 予 防 重 症 化 予 防 等 に 関 す る 研 修 等 の 意 識 啓 発 の 取 組 みを 行 うことで 治 療 と 仕 事 の 両 立 に 理 解 がある 職 場 風 土 の 醸 成 が 期 待 されます 具 体 的 な 取 組 み 事 例 職 場 に 多 い 傷 病 に 着 目 し 労 働 者 向 けに 普 及 啓 発 や 研 修 を 実 施 O 社 では ワーク ライフ バランス 施 策 の 一 環 で 健 康 教 育 にも 力 を 入 れています 年 に1~2 回 ライン 管 理 職 を 含 めた 社 員 を 対 象 に 職 場 に 多 い 傷 病 を 中 心 として 病 気 のあらましや 予 防 法 等 について 研 修 を 行 っています コラム 脳 梗 塞 を 発 症 し 復 職 したFさん 障 害 を 抱 えながら また 治 療 をしながら 仕 事 を 続 けていくには 強 いモチベーションが 必 要 です 私 が 仕 事 を 続 けることができている 理 由 は 経 済 的 な 必 要 性 はさることながら 働 き 続 けたいと 思 う 強 い 気 持 ち そしてそれを 支 えてくれる 家 族 友 人 そして 主 治 医 や 産 業 保 健 スタッフ 上 司 同 僚 など 人 とのつながり 出 会 い です もちろん 趣 味 などの 生 き 甲 斐 も 重 要 な 要 素 です 仕 事 に 対 するモチベーションを 見 つけ 出 す 支 援 も 労 働 者 にとっては 大 切 な 支 援 の1つなのではないかと 思 います 実 施 委 員 会 委 員 : 梅 田 恵 ( 日 本 アイ ビー エム 株 式 会 社 ダイバーシティ& 人 事 広 報 部 長 ) 川 勝 弘 之 ( 三 井 住 友 海 上 あいおい 生 命 保 険 株 式 会 社 営 業 推 進 部 次 長 ( 公 益 社 団 法 人 日 本 脳 卒 中 協 会 担 当 委 員 )) 木 谷 宏 ( 麗 澤 大 学 経 済 学 部 教 授 ) 須 田 美 貴 ( 須 田 社 会 保 険 労 務 士 事 務 所 代 表 ) 豊 田 章 宏 ( 中 国 労 災 病 院 リハビリテーション 科 部 長 ) 浜 口 伝 博 (ファームアンドブレイン 代 表 ( 産 業 医 科 大 学 産 業 衛 生 教 授 )) 村 中 峯 子 ( 公 益 社 団 法 人 日 本 看 護 協 会 健 康 政 策 部 長 ) 和 田 耕 治 ( 独 立 行 政 法 人 国 立 国 際 医 療 研 究 センター 国 際 医 療 協 力 局 ) (50 音 順, 敬 称 略 下 線 : 座 長 ) 7

平 成 25 年 度 厚 生 労 働 省 委 託 事 業 治 療 と 職 業 生 活 の 両 立 等 の 支 援 対 策 事 業 調 査 結 果 アンケート 調 査 1) 調 査 目 的 脳 血 管 疾 患 心 疾 患 筋 骨 格 系 疾 患 職 業 性 がん ストレス 性 疾 患 を 抱 えた 労 働 者 の 就 労 継 続 の 課 題 や 医 療 機 関 事 業 者 における 就 労 継 続 支 援 の 取 組 状 況 や 取 組 上 の 課 題 を 明 らかにすることを 目 的 としてアンケート 調 査 を 実 施 した 2) 調 査 対 象 1 労 働 者 : 脳 血 管 疾 患 心 疾 患 筋 骨 格 系 疾 患 悪 性 新 生 物 ( 職 業 性 がん 含 む) ストレス 性 疾 患 の 罹 患 者 1000 人 2 事 業 者 : 従 業 員 数 30 人 以 上 の 企 業 ( 第 一 次 産 業 公 務 員 除 く) 3000 件 3 医 療 機 関 : 病 院 機 能 評 価 機 構 実 施 の 病 院 機 能 評 価 事 業 認 定 病 院 1000 件 3) 調 査 方 法 1 労 働 者 : 調 査 対 象 1000 人 をスクリーニング(web 調 査 )により 抽 出 し 自 記 式 調 査 票 を 郵 送 発 送 郵 送 回 収 2 事 業 者 3 医 療 機 関 : 自 記 式 調 査 票 を 郵 送 発 送 郵 送 回 収 調 査 期 間 はH25.9.2~H25.10.11 4) 回 収 状 況 1 労 働 者 :901 人 ( 回 収 率 90.1%) 2 事 業 者 :631 件 ( 回 収 率 21.3%) 3 医 療 機 関 :272 件 ( 回 収 率 27.2%) 5) 調 査 結 果 労 働 者 向 け 調 査 n=901 回 答 者 属 性 ( 病 気 の 内 訳 ) 17.7 % 12.3 % 4.9 % 18.6 % 16.2 % 13.1 % 17.3 % 脳 血 管 疾 患 心 疾 患 筋 骨 格 系 疾 患 悪 性 新 生 物 ストレス 性 疾 患 不 明 平 均 年 齢 は51.3 歳 病 気 発 症 時 の 就 業 形 態 0% 50 % 100% 正 規 雇 用 81.4% 非 正 規 雇 用 17.3 % 自 営 業 0.8 % 0.3 % 0.2 % n=901 合 計 (n=901) 調 査 時 点 で 仕 事 をしている (n=809) 調 査 時 点 で 仕 事 をしていない (n=86) 今 後 の 就 労 継 続 の 意 向 0% 50% 100% 70.9% 92.5% 94.8% 仕 事 を 続 けたい(したい)と 思 う 仕 事 を 続 けたい(したい)と 思 わない 7.5% 5.2% 29.1% n=901 罹 患 後 の 就 業 形 態 等 の 変 化 14.5% 0.3% 16.2% 1.7% 0.3% 66.9% 変 化 なし 勤 務 先 は 変 わらず 配 置 転 換 雇 用 形 態 が 変 更 退 職 ( 転 職 含 む) 定 年 退 職 退 職 理 由 について 退 職 した 人 のうち29.5%が 治 療 しながら 仕 事 を 続 けることに 対 して 職 場 の 理 解 がなかったため と 回 答 事 業 者 向 け 調 査 病 院 向 け 調 査 回 答 事 業 者 属 性 ( 正 社 員 規 模 ) 5.9 % n=631 21.4 % 合 計 (n=631) 49 人 以 下 (n=156) 50 99 人 (n=125) 100 499 人 (n=164) 500 人 以 上 (n=172) 26.0 % 2.2 % 24.7 % 19.8 % 49 人 以 下 50 99 人 100 499 人 500 999 人 1000 人 以 上 柔 軟 な 働 き 方 のための 制 度 の 整 備 状 況 短 時 間 勤 務 フレックスタイム 時 差 出 勤 0% 50% 100% n=269 19.0 % 56.4 % 77.8 % 71.2 % 80.5 % 99.4 % 3.0 % 0.0 % 0.4 % 4.5 % 46.1 % 0% 50% 100% 相 談 窓 口 のある 病 院 における 就 労 に 関 する 相 談 件 数 27.1 % 24.1 % 15.4 % 16.8 % 17.7 % 41.9 % 合 計 (n=631) 0% 50% 100% 43.3 % 37.2 % 28.8 % 44.5 % 56.4 % 1ヶ 月 以 上 の 長 期 休 職 者 の 有 無 ( 休 職 者 がいた 企 業 の 割 合 ) 治 療 と 仕 事 の 両 立 の 重 要 性 に 関 する 社 内 での 研 修 教 育 等 の 普 及 啓 発 の 実 施 状 況 合 計 (n=631) 49 人 以 下 10.9% (n=156) 50 99 人 18.4% (n=125) 100 499 人 (n=164) 500 人 以 上 (n=172) 28.7% 25.0% 57.0% 非 常 に 多 い( 全 相 談 件 数 のうち 約 20% 以 上 ) どちらかというと 多 い( 全 相 談 件 数 のうち10% 程 度 ) どちらかというと 少 ない( 全 相 談 件 数 のうち5% 程 度 ) 非 常 に 少 ない( 全 相 談 件 数 のうち 約 1% 以 下 ) まったくない 相 談 に 対 応 していない 復 職 や 就 労 の 継 続 等 に 関 する 患 者 からの 主 な 相 談 内 容 0% 40% 退 職 や 働 き 方 の 変 更 に 伴 う 経 済 的 な 問 題 の 相 談 疾 患 や 治 療 による 仕 事 への 影 響 に 関 する 問 い 合 わせ 就 業 内 容 や 就 業 制 限 に 係 る 書 類 作 成 情 報 提 供 の 依 頼 50.5% 復 職 後 の 仕 事 の 仕 方 に 関 する 相 談 47.6% 治 療 療 養 のための 休 暇 等 の 取 り 方 に 関 する 相 談 41.4 % 職 場 への 病 名 や 治 療 状 況 の 報 告 方 法 の 相 談 36.7 % 退 職 の 手 続 き 等 に 関 する 相 談 24.3 % 転 職 に 関 する 相 談 20.0 % n=210 7.6 % 49 人 以 下 (n=156) 0.6 % 1.9% 0.6% 3.8% 0.6% 50 99 人 (n=125) 4.0 % 2.4% 2.4% 0.8% 2.4% 100 499 人 (n=164) 500 人 以 上 (n=172) 脳 血 管 疾 患 心 疾 患 筋 骨 格 系 疾 患 悪 性 新 生 物 ストレス 性 疾 患 40% 40 % 40 % 80 40 % %0% 40 % 80 0% 80 % 0% 80 % 0% %0% 80 % 12.2 % 5.9% 9.0% 21.1% 8.1% 6.7 % 3.0% 8.5% 15.9% 6.1% 32.6 % 12.8% 22.1% 55.2% 20.9% 0% 50 % 100 % 行 っている 行 っていない 63.3% 80 % 74.3% ヒアリング 調 査 長 期 休 職 者 を 対 象 とした 復 職 プラン 合 計 (n=501) 49 人 以 下 19.4% (n=98) 従 業 員 の 治 療 と 仕 事 の 両 立 を 図 る 上 で 困 難 なことや 課 題 事 業 所 に 対 して 行 っている 助 言 やサポート 事 業 所 と 連 携 して 患 者 の 復 職 や 就 労 継 続 を 支 援 する 上 で 困 難 なことや 課 題 1) 調 査 目 的 脳 血 管 疾 患 心 疾 患 筋 骨 格 系 疾 患 職 業 性 がん ストレス 性 疾 患 を 抱 えた 労 働 者 の 就 労 継 続 の 取 組 みに 関 する 事 例 を 収 集 し 支 援 のあり 方 パ ンフレット 作 成 に 係 る 検 討 の 基 礎 資 料 とすることを 目 的 としてヒアリング 調 査 を 実 施 した 2) 調 査 対 象 1 労 働 者 : 上 記 5 疾 患 に 罹 患 し 就 労 している/ 就 労 したことがある 人 17 人 2 事 業 者 : 労 働 者 の 治 療 と 仕 事 の 両 立 支 援 に 取 り 組 んでいる 事 業 者 11 件 3 医 療 機 関 : 治 療 と 仕 事 の 両 立 支 援 を 行 っている 医 療 機 関 15 件 3) 調 査 方 法 調 査 員 2 名 が 面 談 形 式 でヒアリングを 行 った 調 査 期 間 はH25.10~H26.3 4) 調 査 結 果 (ヒアリング 調 査 で 把 握 した 事 例 の 一 部 は 本 パンフレットでも 紹 介 しています ) 1 労 働 者 : 上 司 や 産 業 医 等 産 業 保 健 スタッフの 理 解 協 力 の 下 短 時 間 勤 務 や 業 務 量 の 調 整 等 の 配 慮 を 得 て 就 労 を 継 続 している 事 例 がある 一 方 職 場 の 理 解 がな く 退 職 転 職 に 至 った 事 例 も 見 られた 目 に 見 えない 症 状 や 障 害 は 理 解 配 慮 が 得 られにくいといった 指 摘 もあった 2 事 業 者 : 復 職 支 援 プログラムの 実 施 復 職 可 否 や 就 業 上 の 制 限 を 検 討 する 体 制 や 労 働 者 をフォローする 仕 組 みの 構 築 等 労 働 者 を 支 援 するために 様 々な 取 組 み 工 夫 がなされていた 複 数 の 事 業 所 において 主 治 医 によって 復 職 可 否 等 の 判 断 がぶれるという 問 題 の 指 摘 があったが 事 業 者 によっては 復 職 可 否 の 基 準 を 定 め ていたり 規 定 の 主 治 医 意 見 書 の 様 式 を 設 けるなどして 対 処 していた 3 医 療 機 関 :リハビリテーションスタッフや 医 療 ソーシャルワーカーが 中 心 となって 必 要 なリハビリテーションや 各 種 支 援 制 度 の 紹 介 等 を 行 い 患 者 ( 労 働 者 ) の 復 職 就 労 継 続 を 支 援 していた 就 労 にまつわる 相 談 受 付 体 制 や 患 者 の 座 談 会 を 設 けたり 企 業 と 対 話 する 機 会 をセッティングするなど 労 働 者 事 業 者 に 対 して 積 極 的 に 支 援 している 病 院 もあった 医 療 機 関 においても 目 に 見 えない 症 状 や 障 害 をもつ 患 者 は 職 場 の 理 解 や 配 慮 が 得 られにくいとの 指 摘 があった この 冊 子 は 厚 生 労 働 省 ( 労 働 基 準 局 安 全 衛 生 部 労 働 衛 生 課 )からの 委 託 を 受 けてみずほ 情 報 総 研 株 式 会 社 において 制 作 したものです 89.1% 70.4% 81.6% 73.8% 40.7% 1.0% 1.2% 2.3% 代 替 要 員 の 確 保 病 状 の 悪 化 や 再 発 予 防 の 対 策 復 職 可 否 の 判 断 復 職 後 の 適 正 配 置 の 判 断 柔 軟 な 勤 務 形 態 の 整 備 就 業 制 限 の 必 要 性 や 期 間 の 判 断 病 気 や 治 療 に 関 する 情 報 の 入 手 個 人 情 報 の 取 扱 社 内 の 相 談 体 制 の 確 保 治 療 と 仕 事 の 両 立 の 重 要 性 に 対 する 意 識 啓 発 社 外 で 相 談 連 携 できる 組 織 の 把 握 連 携 特 になし n=631 0% 主 治 医 との 連 絡 調 整 社 会 保 障 制 度 等 の 情 報 提 供 職 場 での 必 要 な 配 慮 に 関 する 情 報 提 供 疾 患 や 治 療 に 関 する 一 般 的 な 知 識 の 情 報 提 供 事 業 所 と 連 携 したことがない 地 域 の 行 政 窓 口 や 相 談 窓 口 の 紹 介 勤 務 先 等 通 院 しやすい 地 域 の 医 療 機 関 の 紹 介 n=210 事 業 所 側 の 疾 患 治 療 に 関 する 知 識 理 解 が 不 十 分 事 業 所 側 で 必 要 な 就 労 上 の 配 慮 が 実 施 できない 事 業 所 側 に 役 立 つ 休 暇 休 業 制 度 等 がない 産 業 保 健 スタッフがいない 常 駐 していない 事 業 所 側 の 担 当 者 が 不 在 不 明 確 n=142 50 99 人 (n=93) 100 499 人 (n=136) 500 人 以 上 (n=162) 1.6% 4.0% 0% 50% 100 % 11.1% 26.9% 27.9% 40.5% 71.6% 作 成 している 18.2% 17.9% 15.7% 14.1% 31.2% 80.6% 73.1% 59.5% 72.1% 28.4% 特 に 作 成 していない 0% 30 % 60 % 0% 1.9% 9.9% 22.9% 2 26.1% 40 % 34.8% 3 40 % 32.4% 31.7% 44.8% 41.0% 38.2% 36.0% 52.4% 42.0% 41.5% 80 % 連 携 相 手 51.3% 所 属 長 上 司 79.6% 人 事 労 務 担 当 者 54.2% 産 業 保 健 スタッフ 26.1% 53.5% 53.5% 80 %