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2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 ( 単 位 : ) 6 級 7 級 8 級 135, , ,900 2

別紙3

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2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 ( 単 位 : ) 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 185,8 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41

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2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 現 況 ( 平 成 22 1 号 給 の 給 料 月 額 137,9 188,9 226,7 266,4 294,3 最 高 号 給 の 給 料 月 額 247,9 314,9 362,8 399,9 415,1 ( 注 ) 給 料 月 額 は 給 与 抑 制

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別紙3

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(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている 総 合 的

●幼児教育振興法案

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った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 135,600 円 185,800 円 222,900 円 261,900 円

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公表表紙

第2章 施設の実態(用途別)

一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 (4 年 4 月 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 級 級 級 4 級 5 級 号 給 の 給 料 月 額 5, 85,,9,9 89, 最 高 号 給 の 給 料 月 額 4,7 7,8 54,7 88, 4, ( 注 ) 給 料 月 額 は 給 与

事 業 概 要 利 用 時 間 休 館 日 使 用 方 法 使 用 料 施 設 を 取 り 巻 く 状 況 や 課 題 < 松 山 駅 前 駐 輪 場 > JR 松 山 駅 を 利 用 する 人 の 自 転 車 原 付 を 収 容 する 施 設 として 設 置 され 有 料 駐 輪 場 の 利 用

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(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 H H H5.4.1 ( 参 考 値 ) 97.1 H H H H5.4.1 H H5.4.1 ( 参 考

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 24 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 1 級 135,6 243,7 2 級 185,8 37,8 3 級 4 級 222,9 354,7 ( 注 )

18 国立高等専門学校機構

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事 例 研 究 国 立 市 公 共 施 設 等 のあり 方 に 関 する 研 究 について 1 鶴 園 卓 也 東 洋 大 学 大 学 院 経 済 学 研 究 科 公 民 連 携 専 攻 国 立 市 公 共 施 設 等 のあり 方 研 究 チーム 序 章 研 究 の 経 緯 と 目 的 本 研 究 は 東 京 都 国 立 市 からの 依 頼 により 同 市 の 公 共 施 設 等 のあり 方 について この 分 野 の 専 門 的 学 術 機 関 として 研 究 を 行 ったものである 第 1 章 国 立 市 の 公 共 施 設 更 新 投 資 に 関 する 評 価 1-1 国 立 市 の 歴 史 が 公 共 施 設 整 備 に 与 える 影 響 市 の 北 部 地 域 ( 国 立 駅 周 辺 )を1926 年 に 箱 根 土 地 開 発 が 周 辺 一 帯 の 雑 木 林 の 土 地 を 取 得 し 学 園 都 市 開 発 に 着 手 した 1965 年 の 市 制 施 行 により 国 立 市 となり 高 度 成 長 期 に 人 口 が 増 加 した そして 小 中 学 校 を 筆 頭 とする 公 共 施 設 の 多 くが 市 制 施 行 後 の1960 年 代 70 年 代 に 集 中 的 に 建 設 された( 図 表 1-1) 歴 史 が 与 えた 影 響 として 民 間 開 発 図 表 1-1 国 立 市 公 共 施 設 年 別 建 築 実 績 の 影 響 により 公 共 施 設 の 絶 対 量 の 肥 大 化 が 起 きなかったこと 公 共 投 資 の 時 期 が 集 中 していること 北 部 と 歴 史 的 に 古 い 南 部 で 相 違 がある こと 等 の 特 徴 が 見 られた 1 本 稿 は 東 洋 大 学 PPP 研 究 センターによる 国 立 市 公 共 施 設 等 のあり 方 に 関 する 研 究 (2012 年 10 月 )について 同 報 告 書 の 概 要 をまとめたものである 169

東 洋 大 学 PPP 研 究 センター 紀 要 No.3 2013 1-2 公 共 施 設 の 規 模 に 関 する 評 価 公 共 施 設 の 現 状 について 評 価 した まず 国 立 市 の 人 口 一 人 当 たりの 公 共 施 設 規 模 は 同 規 模 自 治 体 31 市 町 村 の 平 均 3.45m 2 に 対 し 1.57m 2 と 非 常 に 低 い 水 準 であるこ とが 明 らかになった( 図 表 1 2) ただし 可 住 地 面 積 あたり 延 床 面 積 は 東 京 市 部 自 治 体 の 中 では 平 均 的 な 水 準 であり 公 共 施 設 規 模 に 関 しては 過 大 ではないが 不 足 とも 言 えない 水 準 であると 評 価 した 図 表 1-2 人 口 一 人 あたり 公 共 施 設 延 床 面 積 ( 人 口 70 80 千 人 ) 1-3 公 共 施 設 老 朽 化 に 関 する 評 価 築 30 年 以 上 経 過 した 建 築 物 延 床 面 積 公 共 施 設 延 床 面 積 合 計 で 算 出 する 老 朽 化 率 により 公 共 施 設 の 老 朽 化 の 状 況 を 評 価 した 耐 用 年 数 を50 年 と 仮 定 し 毎 年 同 じ 規 模 の 投 資 を 行 うと この 比 率 は 概 ね40% となり 40%を 超 える 場 合 は 老 朽 化 が 進 ん でいると 言 える 国 立 市 は80.9%となり 老 朽 化 に 関 しては 非 常 に 進 んでいる と 評 価 した( 図 表 1 3) 図 表 1-3 東 京 市 部 の 老 朽 化 率 120 100 80 60 40 20 0 67.1% 66.9 八 王 子 市 61.7% 25.9 立 川 市 1981(S56) 1982(S57) 老 朽 化 率 65.6% 55.9% 51.0% 45.9% 80.9% 42.0% 71.2% 16.0 26.2 18.3 10.8 9.6 16.2 21.8 武 府 調 小 国 多 西 蔵 中 布 金 立 摩 東 野 市 市 井 市 市 京 市 市 市 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 1-4 公 共 施 設 の 更 新 投 資 の 予 算 確 保 可 能 性 に 関 する 評 価 公 共 施 設 更 新 投 資 の 予 算 確 保 可 能 額 を 試 算 した これは 最 近 5 カ 年 の 普 通 建 設 事 業 費 の 平 均 額 から 今 後 も 継 続 的 に 支 出 が 必 要 となる 維 持 補 修 的 な 経 費 を 控 除 したもの であり 今 後 継 続 的 に 更 新 投 資 に 確 保 可 能 な 予 算 と 言 える 国 立 市 の 予 算 確 保 可 能 額 は5カ 年 で26.30 億 円 ( 年 間 5.26 億 円 )であると 判 明 した 次 に 自 治 総 合 センター 版 ソフトを 国 立 市 の 実 態 に 合 わせて 修 正 した 東 洋 大 PPP 研 究 センター 版 の 更 新 投 資 図 表 1-4 公 共 施 設 更 新 投 資 所 要 額 及 び 過 不 足 状 況 算 定 期 間 更 新 金 額 更 新 金 額 / 年 10 年 19,806,811 1,980,681 20 年 31,976,167 1,598,808 30 年 40,713,139 1,357,105 40 年 44,945,601 1,123,640 50 年 45,078,774 901,575 年 間 不 足 額 不 足 率 1,454,600 73% 1,072,728 67% 831,024 61% 597,559 53% 375,495 42% 170

国 立 市 公 共 施 設 等 のあり 方 に 関 する 研 究 について 計 算 ソフトを 用 いて 将 来 更 新 投 資 必 要 額 を 計 算 した 分 析 の 結 果 は 図 表 1 4 の 通 りであ り 更 新 投 資 所 要 額 は 年 間 9.0 億 円 と 予 算 確 保 可 能 額 に 対 して42% 不 足 する これは 施 設 規 模 は 大 きくないが 予 算 確 保 額 が 非 常 に 少 ないことに 起 因 する さらに 直 近 10 年 を 対 象 に 試 算 すると 不 足 率 は73%と 増 加 する これは 老 朽 化 が 非 常 に 進 んでいるため と 考 えられる 以 上 より 予 算 確 保 に 関 しては 大 幅 に 不 足 と 評 価 した 1-5 まとめと 対 応 の 方 向 性 以 上 により 全 体 としての 負 担 削 減 に 加 えて 早 期 に 集 中 的 に 削 減 を 進 める 必 要 性 があ ると 判 断 し どの 分 野 が 削 減 対 象 となりうるかを 考 察 するために 感 度 分 析 を 行 った 更 新 投 資 計 算 ソフトを 用 いて 年 間 不 足 額 をゼロにするため 各 施 設 の 平 均 規 模 削 減 率 を 逆 算 したところ すべての 施 設 を 同 水 準 で 削 減 する ケースでは42% 学 校 は 現 状 規 模 を 維 持 削 減 を 学 校 以 外 で 達 成 する ケースでは76% 学 校 以 外 の 現 状 規 模 を 維 持 削 減 を 学 校 で 達 成 する ケースでは84%の 削 減 がそれぞれ 必 要 となり 実 現 不 可 能 なレベルであることが 明 らかになった これらの 分 析 から 今 後 の 検 討 にあたっては 聖 域 を 設 けることなく すべての 種 類 の 施 設 をできるだけ 削 減 する 必 要 があると 判 断 した なお 公 共 施 設 以 外 の 道 路 橋 りょう 上 下 水 道 公 園 等 のインフラの 正 確 な 分 析 に は 正 確 な 年 次 別 データが 必 要 となるため 今 回 は 公 共 施 設 のみを 検 討 対 象 とした 第 2 章 国 立 市 の 社 会 分 析 2 1 人 口 コーホート 分 析 今 後 どのような 種 類 や 規 模 の 公 共 施 設 を 維 持 していくかを 検 討 するた め 国 立 市 の 社 会 的 評 価 を 行 った 年 代 別 の 社 会 移 動 の 傾 向 を 見 るた め 国 立 市 の 人 口 コーホート 分 析 ( 国 勢 調 査 の5 才 年 代 別 人 口 を5 年 前 の 5 才 下 の 人 口 を 差 引 くことで その 5 年 間 に 何 才 世 代 の 人 口 がどの 程 度 増 減 したかを 見 る 方 法 )を 実 施 した ところ 1 高 校 大 学 世 代 で 大 きく 図 表 2-1 人 口 コーホート 分 析 171

東 洋 大 学 PPP 研 究 センター 紀 要 No.3 2013 増 加 2 大 学 卒 業 後 の 世 代 で 大 きく 減 少 330 40 代 の 子 育 て 世 代 は 近 年 増 加 し 5 9 才 10 14 才 世 代 は 小 幅 に 増 加 という 特 徴 が 判 明 した( 図 表 2 1) これらの 結 果 から 競 争 力 の 高 い 高 校 大 学 による 学 生 の 吸 引 居 住 教 育 環 境 の 良 さ を 評 価 した 子 育 て 世 代 が 新 しく 流 入 といった 背 景 が 推 測 される 2-2 昼 夜 人 口 流 出 入 分 析 国 勢 調 査 等 による 調 査 の 結 果 国 立 市 の 昼 夜 間 人 口 比 率 は97.5%とバランスが 取 れて いるが 就 業 流 出 の 代 わりに 通 学 流 入 によって 結 果 的 に 差 引 され 昼 間 人 口 が 定 住 人 口 とさほど 変 わらないという 特 殊 な 状 況 にあることが 分 かった 通 勤 通 学 人 口 分 析 による と 通 勤 流 出 先 としては 立 川 市 府 中 市 千 代 田 区 等 が 通 学 流 入 元 としては 立 川 市 国 分 寺 市 神 奈 川 県 等 が 見 られる 以 上 を 通 じて 国 立 市 は 東 京 都 西 部 を 中 心 とする 勤 務 地 に 通 勤 する 層 の 居 住 地 (ベットタウン)として 評 価 されている ことが 判 明 した 2 3 不 動 産 業 者 へのインタビュー 定 量 分 析 で 得 られた 仮 説 を 検 証 するため 地 元 の 不 動 産 業 者 へインタビューを 行 った その 結 果 国 立 市 の 居 住 者 は 1 高 い 教 育 水 準 居 住 環 境 を 志 向 する 比 較 的 裕 福 な 層 2 私 立 学 校 を 受 験 するこどもを 持 つファミリー 層 で 公 立 学 校 のレベルの 高 さも 評 価 3 自 分 たちの 街 は 自 分 たちのコミュニティで 守 り 維 持 する 自 治 意 識 を 持 つ といった 特 徴 を 有 しており 老 朽 化 した 公 共 施 設 の 質 や 量 についての 不 満 は 聞 かれないということ が 判 明 した 2 4 住 民 の 評 価 これらの 分 析 で 得 られた 結 論 を 確 認 するため 住 民 への 無 作 為 による 街 頭 訪 問 イン タビュー( 有 効 回 答 数 :100)を 行 った 設 問 は (1) 国 立 市 を 選 んだ 理 由 (2) 今 住 んでいる 地 区 を 選 んだ 理 由 (3) 国 立 ブランドへのこだわり の3 問 とした (1)については 地 縁 がある 交 通 の 便 が 良 い 安 全 安 心 感 治 安 が 良 い (2) については 住 宅 の 価 格 賃 料 閑 静 治 安 が 良 い 公 園 緑 地 が 多 い といった 回 答 が 多 く 公 共 施 設 の 充 実 を 挙 げた 回 答 者 はいなかった また (3)の 国 立 ブランド へのこだわりについては 大 いにある それなりにある という 回 答 が 合 わせて8 割 を 超 える 結 果 となった 172

国 立 市 公 共 施 設 等 のあり 方 に 関 する 研 究 について 2-5 公 共 施 設 の 配 置 の 分 析 現 状 の 公 共 施 設 配 置 について 主 に 市 民 が 利 用 する 公 共 施 設 の 分 析 を 行 ったところ 市 民 プラザ 福 祉 館 防 災 センター 集 会 所 公 会 堂 といった 名 称 は 異 なっていても 同 様 の 貸 館 機 能 を 持 つ 集 会 施 設 が 至 近 距 離 に 重 複 して 立 地 している 例 が 見 られた 2-6 広 域 対 応 施 設 配 置 の 分 析 国 立 市 と 周 辺 自 治 体 の 公 共 施 設 との 関 係 を 検 証 した 図 書 館 は 国 立 市 府 中 市 及 び 国 分 寺 市 の3 市 で 相 互 利 用 があり それほど 大 きな 貸 出 件 数 ではないが 既 に 広 域 利 用 が 行 われている 実 績 がある 運 動 施 設 及 び 市 民 ホールについては 近 隣 に 同 規 模 の 施 設 が 複 数 立 地 しており また 府 中 の 森 芸 術 劇 場 郷 土 の 森 総 合 体 育 館 といったより 広 域 な 利 用 を 想 定 した 大 規 模 施 設 も 国 立 市 との 市 境 から3km の 距 離 に 立 地 している 市 内 のくにたち 市 民 芸 術 小 ホール に 関 しては 大 規 模 なプロの 公 演 でなく 市 民 の 身 近 な 練 習 場 所 発 表 の 場 として 認 識 さ れており 大 規 模 施 設 との 棲 み 分 けができている 以 上 より 国 立 市 の 評 価 は 以 下 の 様 に 整 理 された (1) 安 全 性 緑 豊 かな 環 境 教 育 環 境 の 高 さが 評 価 されていること (2) 大 学 を 含 めた 民 間 による 緑 や 利 便 施 設 の 存 在 も 魅 力 であること (3) 公 共 施 設 の 多 寡 や 公 共 サービスの 充 実 が 魅 力 の 源 泉 となっていないこと (4) 近 隣 自 治 体 との 公 共 施 設 の 連 携 がある 程 度 できており 更 に 進 める 余 地 があること 第 3 章 公 共 施 設 マネジメントのオプションの 検 討 3 1 公 共 施 設 マネジメントの 基 本 的 な 考 え 方 (3 階 層 マネジメント) 第 3 章 では 具 体 的 に 予 算 不 足 を 解 消 する 方 法 を 検 討 した 公 共 施 設 マネジメントにおける 一 般 的 な 処 方 箋 として 想 定 される3 階 層 マネジメント は 公 共 施 設 を 利 用 者 の 範 囲 の 広 さによって3 層 に 分 類 する( 図 表 3 1) 図 表 3-1 3 階 層 マネジメント 概 念 図 第 1 層 は 全 域 で 大 型 体 育 館 博 物 館 病 院 等 が 該 当 する これらを 広 域 化 し 複 数 の 自 治 体 で 施 設 を 共 用 する 広 域 対 応 施 設 を 持 つ 自 治 体 に 対 しては 分 担 金 を 拠 出 す る 第 2 層 は 校 区 で 学 校 や 公 民 館 等 が 該 当 する これらを 多 機 能 化 して 用 途 の 異 なる 173

東 洋 大 学 PPP 研 究 センター 紀 要 No.3 2013 機 能 を 一 つの 建 物 に 取 り 込 み 共 用 部 分 を 減 らすことで 負 担 を 圧 縮 する 建 築 技 術 とし ては 予 め 用 途 を 固 定 しないスケルトン インフィル 方 式 を 採 用 する 第 3 層 は 住 区 で 住 区 内 の 集 会 所 と 公 営 住 宅 が 該 当 する この 層 のキーワードはソフ ト 化 であり 自 治 体 は 資 産 を 持 たずに 民 間 の 同 種 施 設 を 借 りる 形 式 に 変 更 する また 3 階 層 マネジメントを 実 施 すると 土 地 や 建 物 に 余 剰 が 生 じるため 余 剰 不 動 産 は 民 間 に 売 却 もしくは 賃 貸 することでさらに 収 入 を 得 ることができる 以 下 3 階 層 マネジメントを 国 立 市 に 適 用 する 際 のポイントを 明 示 する (1) 第 1 層 に 関 しては 市 民 芸 術 小 ホールと 近 隣 自 治 体 の 大 規 模 ホールの 相 互 補 完 的 な 利 用 は 好 事 例 また 隣 の 市 との 距 離 が 近 い 学 校 についても 検 討 する 必 要 がある (2) 第 2 層 に 関 しては 十 分 に 有 効 であり マネジメントの 中 核 に 置 くべきである (3) 第 3 層 に 関 して 集 会 施 設 が 対 象 第 2 層 と 一 体 化 して 多 機 能 化 も 検 討 する 3 2 長 寿 命 化 の 検 討 当 面 の 更 新 投 資 財 源 不 足 への 対 応 策 として 小 中 学 校 を 対 象 とする 長 寿 命 化 につい て 検 討 した 築 50 年 の 段 階 で 長 寿 命 化 改 修 ( 更 新 単 価 の60%)を 実 施 し 築 75 年 ま で 施 設 寿 命 を 延 長 すると 想 定 したところ 更 新 投 資 不 足 率 が 当 初 10 年 間 で73% 59% 当 初 20 年 間 で67% 55%と 一 定 程 度 改 善 した ただし 50 年 間 の 更 新 投 資 不 足 率 は 42% 55%と 悪 化 する 結 果 となり 当 面 の 更 新 投 資 不 足 解 消 については 一 定 の 効 果 はあ るものの 施 設 のライフサイクルコストは 増 加 することが 判 明 した 3 3 3 PPP の 検 討 民 間 の 知 恵 やノウハウを 活 用 することによって 公 共 サービスの 質 的 向 上 やコストの 削 減 が 図 られる 施 設 については PPP(Public Private Partnership: 公 民 連 携 )を 活 用 して 将 来 のための 財 源 を 生 み 出 していくことが 効 果 的 と 考 えられる すべての 公 共 施 設 を 対 象 に 施 設 の 更 新 時 の 整 備 及 びそれ 以 降 の 維 持 管 理 運 営 にPPP 手 法 を 活 用 し て10%のコスト 削 減 を 図 り 得 られたVFM( 財 政 上 の 余 力 )を 将 来 の 公 共 施 設 更 新 投 資 に 充 当 していくと 想 定 した その 結 果 更 新 投 資 不 足 率 については 50 年 間 で42% 2%と 高 い 改 善 効 果 が 見 られ た ただし 10 年 間 20 年 間 の 更 新 投 資 不 足 率 はそれぞれ70% 60%と 高 いままであ り 当 面 の 更 新 投 資 不 足 については 別 の 対 策 が 必 要 となる また 全 公 共 施 設 に10% コスト 削 減 というのはかなり 強 い 前 提 であり 市 の 明 確 な 意 思 を 持 った 実 行 が 達 成 に は 必 要 である 174

国 立 市 公 共 施 設 等 のあり 方 に 関 する 研 究 について 3-4 学 校 施 設 を 核 とした 公 共 施 設 再 編 の 検 討 国 立 市 の 公 共 施 設 の 過 半 を 占 める 学 校 施 設 は 3 階 層 マネジメントの 第 2 層 である 校 区 の 核 となる 施 設 である 更 新 後 の 学 校 施 設 を 地 域 の 中 核 施 設 として 位 置 づけ 活 用 し ていくという 基 本 方 針 に 基 づく 公 共 施 設 再 編 について 検 討 した 学 校 施 設 の 再 編 シミュレーションについては 国 立 市 の 魅 力 の 教 育 環 境 レベルの 高 さを 維 持 することを 念 頭 に 1 将 来 の 人 口 減 少 を 踏 まえる 2 学 年 あたり 学 級 数 及 び 学 級 あたり 児 童 生 徒 数 を 維 持 する 3 教 育 機 能 の 向 上 のための 小 中 一 貫 校 を 導 入 する 4 学 校 施 設 の 多 機 能 化 により 公 共 施 設 全 体 面 積 を 削 減 する を 基 本 的 な 方 針 とし た 学 校 施 設 は 個 別 性 が 高 いので 具 体 的 想 定 が 必 要 となるため 実 際 の 小 中 学 校 の 配 置 更 新 時 期 等 を 考 慮 学 校 施 設 更 新 時 に 統 廃 合 小 中 一 貫 化 広 域 化 を 実 施 することを 想 定 した( 図 表 3 2) 図 表 3-2 学 校 施 設 再 編 案 < 統 廃 合 小 中 一 貫 化 広 域 化 の 内 容 > 一 小 三 中 を 三 中 敷 地 に 統 廃 合 小 中 一 貫 校 化 三 小 一 中 を 一 中 敷 地 に 統 廃 合 小 中 一 貫 校 化 七 小 は 隣 接 する 府 中 市 立 本 宿 小 児 童 を 受 入 ( 広 域 化 ) 学 校 施 設 更 新 時 に 合 わせて 実 施 することを 想 定 二 小 四 小 八 小 を 二 小 敷 地 に 統 廃 合 五 小 二 中 を 二 中 敷 地 に 統 廃 合 小 中 一 貫 校 化 学 校 施 設 の 更 新 規 模 については 更 新 時 期 における 児 童 生 徒 数 の 減 少 状 況 を 考 慮 した 上 で 文 部 科 学 省 の 国 庫 補 助 基 準 面 積 を 確 保 することを 原 則 とし また 広 域 利 用 につい ては 市 境 に 立 地 する 第 七 小 に 府 中 市 の 児 童 を 受 け 入 れ 府 中 市 から 負 担 金 を 徴 収 するこ ととした 175

東 洋 大 学 PPP 研 究 センター 紀 要 No.3 2013 図 表 3-3 学 校 施 設 を 核 とした 公 共 施 設 再 編 の 更 新 シミュレーション 結 果 案 1 2 3 4 5 長 寿 命 化 PPP 小 学 校 統 廃 合 現 行 面 積 で 更 新 学 区 維 持 ( 国 庫 補 助 基 準 面 積 ) 統 廃 合 あり 統 廃 合 あり 小 中 広 域 一 貫 利 用 統 廃 合 あり 集 会 施 設 現 行 面 積 で 更 新 学 校 施 設 へ 取 り 込 み 学 校 施 設 へ 取 り 込 み 学 校 施 設 へ 取 り 込 み 学 校 施 設 へ 取 り 込 み 算 定 更 新 投 資 年 間 更 新 投 資 期 間 不 足 額 ( 千 円 ) 不 足 率 10 年 1,454,600 76% 50 年 375,495 42% 10 年 689,570 57% 50 年 303,256 37% 10 年 689,570 57% 50 年 186,089 26% 10 年 689,570 57% 50 年 221,920 30% 10 年 1,304,181 71% 50 年 -129,284-33% これらの 学 校 施 設 再 編 に 合 わせて 貸 館 機 能 を 持 つ 小 規 模 集 会 施 設 ( 福 祉 館 防 災 セ ンター 集 会 所 公 会 堂 )の 学 校 施 設 への 取 り 込 み( 更 新 時 期 到 来 時 に 現 地 での 建 て 替 えを 行 わずに 近 隣 の 小 中 学 校 の 空 き 教 室 を 使 用 )について 検 討 し 前 述 の 長 寿 命 化 及 び PPP の 実 施 と 組 み 合 わせた 公 共 施 設 再 編 の 更 新 シミュレーションを 行 った( 図 表 3 3) 当 初 10 年 間 の 更 新 投 資 不 足 率 は 長 寿 命 化 PPP の 導 入 を 実 施 した 案 2 3 4 にお いて 73% 57%と 改 善 が 見 られた また 児 童 生 徒 数 の 減 少 に 応 じて 施 設 規 模 を 見 直 した 場 合 であっても 現 行 学 区 を 維 持 したままでの 更 新 投 資 不 足 はほぼ 変 わらず すべ てのオプションを 実 施 した 案 3 については 当 初 10 年 50 年 それぞれについてある 程 度 改 善 効 果 が 見 られる 結 果 となった なお 長 寿 命 化 を 実 施 しない 案 5 では50 年 間 の 更 新 投 資 不 足 が 解 消 する 可 能 性 があるが 当 初 10 年 間 の 更 新 不 足 の 対 応 が 別 途 必 要 と なる また これらのシミュレーションに 加 えて 学 校 施 設 の 再 編 の 実 施 で 不 要 になった 小 学 校 敷 地 ( 統 廃 合 跡 地 ) 及 び 既 存 未 利 用 地 を 民 間 へ 売 却 した 場 合 の 歳 入 増 加 効 果 につい て 検 討 した すべて 想 定 価 格 で 売 却 できた 場 合 は 約 135 億 円 の 歳 入 が 見 込 まれ 50 年 間 の 更 新 投 資 不 足 が 解 消 する 可 能 性 がある 3 5 公 共 施 設 マネジメントの 具 体 的 なオプションの 検 討 結 果 3 階 層 マネジメントを 基 本 とする 公 共 施 設 の 具 体 的 な 改 善 策 について 検 討 した 結 果 は 以 下 の 通 り 整 理 された 長 寿 命 化 は 当 面 の 不 足 に 一 定 効 果 があるが 50 年 間 の 更 新 投 資 不 足 はより 広 がる PPP はサービス 維 持 とコスト 削 減 に 効 果 がある 当 面 の 更 新 投 資 額 不 足 の 対 応 が 別 途 必 要 小 学 校 統 廃 合 小 中 一 貫 校 及 び 広 域 化 による 学 校 面 積 の 圧 縮 は 改 善 効 果 がある 統 廃 合 跡 地 等 を 民 間 に 売 却 することで 更 新 投 資 不 足 が 解 消 する 可 能 性 がある 176

国 立 市 公 共 施 設 等 のあり 方 に 関 する 研 究 について 第 4 章 今 後 の 進 め 方 への 提 言 4 14 つのポイント 今 後 対 策 を 進 める 上 でのポイントを 整 理 する これはPPP 研 究 センターが 様 々な 自 治 体 を 支 援 する 上 で 蓄 積 されてきた 知 見 や 先 行 事 例 を 整 理 したものである 第 1に 組 織 体 制 を 強 化 すること トップのリーダーシップのもとに 専 任 体 制 を 備 え 一 定 の 権 限 付 与 が 必 要 である 第 2 に 方 針 及 び 計 画 の 策 定 である これなくして 統 廃 合 のみ 提 案 しても 市 民 の 理 解 は 得 られない 実 行 計 画 には 期 間 を 定 めた 数 値 目 標 が 有 効 である 第 3 に 市 民 への 説 明 市 民 合 意 形 成 及 び 市 民 責 任 の 明 確 化 である 施 設 利 用 者 だけで ないより 多 くの 市 民 の 意 見 を 聞 き 必 要 に 応 じた 市 民 負 担 発 生 の 可 能 性 についても 十 分 に 説 明 していくことが 求 められる 第 4 は 民 間 の 知 恵 を 導 入 するためのPPP 推 進 である 国 立 市 は 高 レベルの 地 域 ブラン ドを 有 し 民 間 企 業 にとって 魅 力 が 大 きい 民 間 企 業 が 健 全 なビジネスを 行 い 適 正 な 利 潤 を 得 ることが 出 来 れば それにより 公 共 的 サービスが 充 実 する これは 他 都 市 にはな い 大 きな 特 徴 と 言 えよう 4 2 PPP の 提 案 PPP の 具 体 的 な5 方 式 の 提 案 を 以 下 に 示 す (1) 多 機 能 施 設 の 設 計 施 工 資 金 調 達 所 有 運 営 をPFI 方 式 で 民 間 に 委 ねる 方 式 自 治 体 はコアサービスに 傾 注 できるようになるとともに 資 金 調 達 を 民 間 に 委 ねる ことで 財 政 負 担 の 平 準 化 も 期 待 できる (2) 公 共 施 設 インフラの 包 括 マネジメント これは 従 来 の 事 後 保 全 を 予 防 保 全 に 切 り 替 えライフサイクルコストを 削 減 するための 包 括 マネジメントである (3) 規 模 の 圧 縮 によって 生 じる 空 間 ( 土 地 建 物 )の 民 間 への 売 却 及 び 賃 貸 放 置 すれば 維 持 管 理 費 用 が 発 生 するが 売 却 賃 貸 すれば 逆 に 収 入 を 得 ることもできる (4) 市 民 参 加 資 金 による 公 共 施 設 整 備 公 共 施 設 は 市 民 のためのものであり 市 民 が 必 要 性 を 要 望 するのであれば 市 民 自 らより 主 体 的 に 責 任 を 持 って 関 与 する 必 要 があ る (5) 公 共 施 設 マネジメントを 対 象 とする 民 間 提 案 制 度 あらかじめ 自 治 体 側 が 仕 様 を 定 めてしまうと 民 間 の 知 恵 の 制 約 により 財 政 面 での 効 果 も 限 定 されてしまうため PPP 事 業 を 決 定 する 前 に どの 事 業 をどう 実 施 するかの 提 案 を 民 間 に 求 めることが 効 果 的 である 177

東 洋 大 学 PPP 研 究 センター 紀 要 No.3 2013 4 3 さいたま 市 の 事 例 公 共 施 設 マネジメントの 先 進 都 市 としてもっとも 総 合 的 に 対 策 を 実 施 しているさいた ま 市 では 広 範 で 強 い 権 限 を 有 する 担 当 部 署 を 設 けて 検 討 を 行 っている 政 令 指 定 都 市 で 先 駆 的 に 公 共 施 設 マネジメント 白 書 を 作 成 し マネジメント 方 針 を 策 定 している こ の 中 で ハコモノ3 原 則 ( 新 規 投 資 の 禁 止 原 則 複 合 化 数 値 目 標 (15%)の 設 定 )が 提 示 された また 計 画 について 市 民 向 けの 分 かりやすい 漫 画 を 制 作 し HP から 誰 でも 自 由 にダウンロード 出 来 るようになっている その 結 果 パブリックコメントにおいて 約 8 割 の 市 民 がこの 計 画 に 賛 意 を 示 す 成 果 が 出 ている 4 4 事 例 報 告 まとめ 国 立 市 の 公 共 施 設 は 総 量 は 過 大 ではないものの 全 国 に 先 駆 けて 都 市 化 が 進 んだた め 他 自 治 体 よりもはるかに 老 朽 化 している これらの 現 状 を 客 観 的 に 診 断 するととも に 今 後 の 対 策 の 方 向 性 を 考 察 するために 公 共 施 設 の 中 でもっとも 老 朽 化 し かつ 面 積 の 大 きな 学 校 施 設 を 中 核 に 地 域 のニーズを 最 大 限 生 かしながら 負 担 を 大 幅 に 減 らす 工 夫 を 検 討 した 国 立 市 の 公 共 施 設 は 人 間 の 健 康 にたとえると 健 康 とは 言 えずかなり 深 刻 な 症 状 だが 市 民 の 皆 さんがそれを 自 覚 して 努 力 すれば 健 康 を 回 復 できる 可 能 性 はある 今 後 は 市 民 の 皆 さんが 自 分 の 健 康 問 題 として 事 態 を 直 視 し 問 題 の 解 決 に 取 り 組 んでいただく よう 期 待 する 備 考 国 立 市 公 共 施 設 等 のあり 方 に 関 する 研 究 チーム 代 表 者 : 根 本 祐 二 (PPP 研 究 センター 長 ) メンバー( 五 十 音 順 ): 飯 髙 邦 嗣 岡 田 直 晃 菊 地 マリエ 佐 賀 伸 也 尊 田 美 和 子 武 石 克 広 千 田 俊 明 鶴 園 卓 也 中 里 朋 訓 二 瓶 透 178