東 北 大 学 大 学 院 教 育 学 研 究 科 4. 教 育 学 研 究 科 Ⅰ 教 育 学 研 究 科 の 教 育 目 的 と 特 徴 4-2 Ⅱ 分 析 項 目 ごとの 水 準 の 判 断 4-3 分 析 項 目 Ⅰ 教 育 の 実 施 体 制 4-3 分 析 項 目 Ⅱ 教 育 内 容 4-5 分 析 項 目 Ⅲ 教 育 方 法 4-8 分 析 項 目 Ⅳ 学 業 の 成 果 4-10 分 析 項 目 Ⅴ 進 路 就 職 の 状 況 4-13 Ⅲ 質 の 向 上 度 の 判 断 4-15 -4-1-
東 北 大 学 大 学 院 教 育 学 研 究 科 Ⅰ 教 育 学 研 究 科 の 教 育 目 的 と 特 徴 1. 教 育 理 念 と 目 標 東 北 大 学 大 学 院 教 育 学 研 究 科 は 教 育 に 関 する 理 論 的 基 礎 に 支 えられた 高 度 な 専 門 的 知 識 と 技 能 を 備 え 社 会 的 要 請 を 敏 感 に 察 知 するとともに 自 ら 問 題 を 発 見 し 教 育 に 関 す る 諸 問 題 の 解 決 を 具 体 的 に 推 進 しうる 人 材 を 養 成 する 前 期 2 年 の 課 程 では 教 育 に 関 する 専 門 的 知 識 と 技 能 を 有 する 高 度 専 門 職 業 人 ( 臨 床 心 理 士 など) 及 び 後 期 課 程 に 進 学 し 研 究 者 を 志 す 人 材 の 養 成 を 目 標 とする 後 期 3 年 の 課 程 では 教 育 に 関 する 専 門 的 領 域 の 研 究 者 を 目 指 し 教 育 学 の 新 たな 発 展 に 貢 献 できる 博 士 の 学 位 を 持 つ 人 材 の 養 成 を 目 標 とする 2. 本 研 究 科 の 特 徴 上 記 の 目 標 を 達 成 するために 人 間 形 成 論 教 育 政 策 科 学 成 人 継 続 教 育 論 教 授 学 習 科 学 人 間 発 達 及 び 臨 床 科 学 の6 研 究 コース 制 をとり さまざまな 方 法 に 立 脚 して 原 理 的 問 題 を 追 究 すると 同 時 に 現 在 の 教 育 を 取 り 巻 く 諸 問 題 に 有 効 に 対 処 するための 応 用 的 技 術 の 開 発 にも 取 り 組 んでいる さらに 教 育 ネットワークセンターを 中 心 に コース 横 断 的 な 先 端 的 な 共 同 研 究 体 制 を 敷 いている 各 課 程 の 特 徴 は 次 のようである (1) 博 士 課 程 前 期 2 年 の 課 程 必 要 な 授 業 科 目 を 30 単 位 以 上 ( 臨 床 心 理 研 究 コースは 34 単 位 以 上 ) 履 修 し 修 士 論 文 を 作 成 する 1 年 次 には 課 題 研 究 8 単 位 が 必 修 科 目 となっており 各 自 がテーマを 選 び 修 士 論 文 につながる 論 文 を 作 成 する 複 数 指 導 教 員 制 の 下 で 各 自 の 研 究 を 深 めて 行 く (2) 博 士 課 程 後 期 3 年 の 課 程 後 期 課 程 においても 複 数 指 導 教 員 制 を 導 入 し 指 導 体 制 を 強 化 している 授 業 科 目 の 必 要 履 修 単 位 は 全 学 生 必 修 の 特 定 研 究 論 文 Ⅰ 特 定 研 究 論 文 Ⅱの 計 8 単 位 である なお それぞれの 審 査 会 において 提 出 された 論 文 の 評 価 やその 後 の 研 究 上 の 助 言 を 受 ける 機 会 を 設 けている これらの 合 格 者 に 対 しては 3 年 次 に 博 士 論 文 執 筆 計 画 書 を 提 出 させ そ の 内 容 をもとに 博 士 論 文 執 筆 資 格 審 査 会 を 設 けており その 合 格 者 を 博 士 論 文 執 筆 候 補 者 として 認 定 し 博 士 論 文 の 執 筆 を 促 している [ 想 定 する 関 係 者 とその 期 待 ] 本 研 究 科 が 教 育 活 動 において 想 定 する 関 係 者 は 本 研 究 科 の 学 生 とその 保 護 者 卒 業 生 を 雇 用 している 中 等 高 等 教 育 レベルの 学 校 大 学 機 関 研 究 所 中 央 官 庁 および 地 方 自 治 体 などの 行 政 機 関 ならびに 教 育 関 連 を 中 心 とした 企 業 団 体 などである 本 研 究 科 は こうした 諸 機 関 で 活 躍 できる 教 育 学 的 な 洞 察 力 と 専 門 知 識 を 持 った 優 れた 人 材 を 育 成 す ることが 上 記 の 関 係 者 から 期 待 されている -4-2-
東 北 大 学 大 学 院 教 育 学 研 究 科 分 析 項 目 Ⅰ Ⅱ 分 析 項 目 ごとの 水 準 の 判 断 分 析 項 目 Ⅰ 教 育 の 実 施 体 制 (1) 観 点 ごとの 分 析 観 点 基 本 的 組 織 の 編 成 本 研 究 科 は わが 国 では 数 少 ない 教 育 学 の 博 士 学 位 の 授 与 を 行 う 研 究 科 であり 6 研 究 コース( 人 間 形 成 論 教 育 政 策 科 学 成 人 継 続 教 育 論 教 授 学 習 科 学 人 間 発 達 臨 床 心 理 ) から 成 る 現 代 の 教 育 が 抱 えている 諸 問 題 解 決 に 適 切 に 対 処 しうる 実 践 的 で 総 合 的 な 研 究 を 行 うことを 目 的 とし 博 士 課 程 前 期 2 年 後 期 3 年 の 課 程 が 置 かれている( 別 添 資 料 I-(1)-1) 学 生 定 員 と 現 員 は 表 I-1 の 通 りである また 教 員 は 専 任 教 授 19 名 准 教 授 講 師 11 名 助 教 2 名 それに 学 内 協 力 教 員 6 名 非 常 勤 講 師 9 名 を 加 えて 合 計 47 名 の 教 員 である( 表 I-2 参 照 ) 本 学 部 では 従 来 か ら 女 性 教 員 の 割 合 は 高 かったが 法 人 化 後 はさらに 男 女 共 同 参 画 を 推 進 し 現 在 では 5 名 ( 専 任 教 員 の 16%)を 占 めている 表 I-1: 平 成 19 年 度 学 生 定 員 (H19.5.1 現 在 ) 前 期 課 程 前 期 課 程 入 学 定 員 収 容 定 員 現 員 入 学 定 員 収 容 定 員 現 員 40 80 83 20 40 82 ( 出 典 ) 東 北 大 学 在 学 者 数 一 覧 (H19.5.1) 表 I-2 平 成 19 年 度 教 員 数 など(H19.5.1 現 在 ) 教 授 准 教 授 講 師 助 教 協 力 教 員 非 常 勤 講 師 19 11 2 6 9 ( 出 典 ) 平 成 19 年 度 学 生 便 覧 153~154 頁 別 添 資 料 I-(1)-1 平 成 19 年 度 学 生 便 覧 学 科 学 科 目 コース 7~8 頁 観 点 教 育 内 容 教 育 方 法 の 改 善 に 向 けて 取 り 組 む 体 制 前 期 課 程 の 学 生 に 対 しては 平 成 10 年 度 に 1 年 次 の 第 2セメスターに 課 題 研 究 論 文 (8 単 位 ) 作 成 を 課 し 2 年 次 の 修 士 論 文 の 執 筆 に 向 けた 体 制 を 強 化 した( 別 添 資 料 I-(1)-2) また 後 期 課 程 の 学 生 の 課 程 博 士 論 文 執 筆 を 奨 励 促 進 するため 特 定 研 究 論 文 I(1 年 次 ) 同 研 究 論 文 II(2 年 次 )を 課 すこととした( 別 添 資 料 I-(1)-3) 個 々の 開 設 授 業 の 改 善 に 当 たっては 学 生 による 授 業 評 価 アンケートを 平 成 12 年 度 から 実 施 している 平 成 15 年 度 より 通 年 で 実 施 する 体 制 を 整 え さらに 平 成 18 年 度 から は 大 学 院 のすべての 授 業 科 目 について 実 施 することとし 教 育 内 容 教 育 方 法 の 改 善 に 結 び 付 けている 評 価 結 果 は 学 部 教 育 とともに 学 生 による 授 業 評 価 報 告 書 として 毎 年 度 刊 行 し 学 生 らの 自 由 閲 覧 に 供 している また 平 成 18 年 度 からは 授 業 評 価 の 経 年 変 化 を 示 すとともに 担 当 教 員 による 前 回 の 授 業 評 価 結 果 をどのように 改 善 に 結 びつけたのか の 記 載 を 義 務 付 けることとした こうした 学 生 による 評 価 教 員 らへのフィードバック 各 種 委 員 会 による 対 策 といった 取 り 組 みにより これまでの 評 価 結 果 を 踏 まえた 具 体 的 な 改 善 を 行 っている 平 成 18 年 度 には 教 務 委 員 会 が 主 体 となって 在 学 生 及 び 教 員 に 対 して 教 育 環 境 に 関 する 大 規 模 なアンケート 調 査 を 行 い 教 育 ならびに 学 生 支 援 助 言 指 導 体 制 についての 詳 細 な 結 果 分 析 を 得 て 報 告 書 を 公 表 した( 研 究 教 育 の 充 実 を 目 指 して 平 成 18 年 度 教 務 委 員 会 調 査 報 告 書 ) -4-3-
東 北 大 学 大 学 院 教 育 学 研 究 科 分 析 項 目 Ⅰ また 全 学 で 実 施 する 東 北 大 学 全 学 教 育 教 員 研 修 (FD) への 参 加 TA の 活 用 方 法 につ いて 国 内 外 から 専 門 家 を 招 いての FD 及 び 部 局 独 自 の 各 種 FD など 法 人 化 以 前 に 比 べて 教 員 は 教 育 内 容 方 法 に 関 する 改 善 に より 積 極 的 に 取 り 組 むようになった( 表 I-3~I-5) 加 えて 教 育 活 動 のインセンティブの 一 環 として 平 成 18 年 度 から 担 当 学 生 数 に 応 じ た 教 育 費 配 分 ( 教 育 学 研 究 科 予 算 配 分 額 編 成 方 針 平 成 16 年 5 月 19 日 教 授 会 資 料 ) 並 びに 平 成 19 年 度 から 半 年 のサバティカル 制 度 を 導 入 して 教 員 の 教 育 活 動 の 向 上 と 改 善 を 図 っている( サバティカル 制 度 申 し 合 わせ 平 成 19 年 2 月 総 務 委 員 会 ) さらに 平 成 19 年 度 に 大 学 院 教 育 改 革 支 援 プログラム 実 践 指 向 型 教 育 専 門 職 の 養 成 プログラム ( 大 学 院 GP)が 採 択 され これよって 教 育 分 野 における 専 門 実 務 家 を 養 成 する 教 育 プログラムがよりいっそう 充 実 した( 庶 務 係 資 料 ) 表 I-3 全 学 FD 参 加 教 員 数 H16 H17 H18 H19 1 名 3 名 2 名 3 名 ( 出 典 ) 庶 務 係 資 料 表 I-4 TA に 関 する FD 実 施 法 人 化 以 前 H16~19 年 度 TA に 関 する FD なし TA に 関 する 部 局 FD の 導 入 (H18/10) ( 出 典 ) 研 究 教 育 の 充 実 を 目 指 して 平 成 18 年 度 教 務 委 員 会 調 査 報 告 書 表 I-5 部 局 独 自 の FD の 内 容 一 覧 H17/07/20 16:00-17:00 ハラスメントに 関 する 教 員 研 修 Ⅰ H17/09/21 17:00-18:00 ハラスメントに 関 する 教 員 研 修 Ⅱ H17/11/16 16:30-17:30 博 士 学 位 取 得 推 進 に 関 する 教 員 研 修 H18/07/14 12:00-13:00 18:00-19:00 学 生 院 生 を 対 象 とするハラスメント 防 止 に 関 する 研 修 会 H18/07/19 17:00-18:00 TA RA 制 度 役 割 に 関 する 教 員 研 修 H19/12/19 17:30-19:00 ハラスメントに 関 する 教 員 研 修 ( 出 典 ) 庶 務 係 資 料 別 添 資 料 I-(1)-2 平 成 19 年 度 学 生 便 覧 前 期 課 程 の 履 修 要 件 17 頁 別 添 資 料 I-(1)-3 平 成 19 年 度 学 生 便 覧 特 定 研 究 論 文 I(4 単 位 )および 特 定 研 究 論 文 II(4 単 位 )の 履 修 21 頁 (2) 分 析 項 目 の 水 準 及 びその 判 断 理 由 ( 水 準 ) 期 待 される 水 準 を 大 きく 上 回 る ( 判 断 理 由 ) 本 研 究 科 では 教 育 目 標 に 対 応 した 組 織 編 成 を 行 っており 前 期 2 年 の 課 程 は 後 期 3 年 の 課 程 への 接 続 による 研 究 者 育 成 と 前 期 のみで 専 門 職 等 に 就 く 人 材 ( 臨 床 心 理 士 など) を 養 成 するという2つの 機 能 を 十 全 に 果 たしていると 言 える 特 に 法 人 化 以 降 積 極 的 な 女 性 教 員 採 用 教 員 の 個 人 評 価 システムの 導 入 とインセンティブなど 教 員 組 織 の 活 性 化 を 進 めているという 点 また 大 学 院 GP によって 教 育 分 野 の 専 門 実 務 家 養 成 を 推 進 した 点 な どで 優 れている さらに 学 生 の 授 業 評 価 教 員 の 授 業 改 善 方 策 の 提 示 評 価 報 告 書 の 刊 行 供 覧 授 業 改 善 の FD などの 評 価 改 善 のフィードバックループが 整 備 されたことも 高 く 評 価 できる -4-4-
東 北 大 学 大 学 院 教 育 学 研 究 科 分 析 項 目 Ⅱ 分 析 項 目 Ⅱ 教 育 内 容 (1) 観 点 ごとの 分 析 観 点 教 育 課 程 の 編 成 前 期 2 年 の 課 程 における 教 育 目 標 とカリキュラムの 対 応 は 表 II-1 の 通 りである なお 臨 床 心 理 研 究 コースでは 研 究 科 の 修 了 要 件 を 満 たしつつ 臨 床 心 理 士 養 成 の 第 1 種 指 定 校 としてのカリキュラムが 組 まれている また 中 学 校 ( 社 会 ) 高 等 学 校 ( 公 民 ) 教 員 の 専 修 免 許 状 の 取 得 に 加 えて 平 成 19 年 度 からは 特 別 支 援 学 校 教 員 専 修 免 許 の 課 程 認 定 を 受 けた 新 たなカリキュラムがスタートした( 別 添 資 料 II-(1)-1) 表 II-1 前 期 2 年 の 課 程 における 教 育 目 標 とカリキュラムとの 対 応 教 育 理 念 目 標 対 応 する 科 目 群 具 体 例 1 理 論 的 基 礎 に 支 え られた 高 度 な 専 門 的 知 識 と 技 能 の 獲 得 す る 各 分 野 で 開 設 される 特 論 ( 研 究 コース 毎 に 選 択 必 修 ) 比 較 人 間 形 成 論 特 論 Ⅰ 教 育 計 画 論 特 論 Ⅱ 成 人 教 育 論 特 論 Ⅰ 学 習 心 理 学 特 論 Ⅱ 発 達 心 理 学 特 論 Ⅲ 学 校 臨 床 心 理 学 特 論 な ど 2 自 ら 問 題 を 発 見 し 教 育 に 関 する 諸 問 題 の 解 決 を 具 体 的 に 推 進 する 各 分 野 で 開 設 される 研 日 本 教 育 史 研 究 演 習 Ⅱ 教 育 行 政 学 研 究 演 究 演 習 ( 研 究 コース 毎 に 習 Ⅱ スポーツ 文 化 論 研 究 演 習 Ⅰ 教 育 実 選 択 必 修 ) 及 び 実 習 ( 臨 践 論 研 究 演 習 Ⅲ 発 達 臨 床 論 研 究 演 習 Ⅰ 床 心 理 研 究 コースのみ) 発 達 障 害 学 研 究 演 習 Ⅳ 臨 床 心 理 実 習 など 課 題 研 究 (8 単 位 必 修 ) 修 士 論 文 ( 修 了 要 件 ) ( 出 典 ) 平 成 19 年 度 学 生 便 覧 12~17 頁 本 研 究 科 の 前 期 課 程 の 修 了 要 件 は 2 年 以 上 の 在 籍 コースの 区 分 に 応 じた 30 単 位 以 上 の 修 得 ( 課 題 研 究 8 単 位 を 含 む 臨 床 心 理 研 究 コースでは 34 単 位 以 上 ) 研 究 指 導 を 受 けた 上 での 修 士 論 文 の 提 出 その 審 査 および 最 終 試 験 の 合 格 である 前 期 課 程 の 授 業 科 目 は 必 修 科 目 選 択 必 修 科 目 選 択 科 目 から 構 成 されている( 別 添 資 料 II-(1)-2) 一 方 後 期 課 程 の 修 了 要 件 は 同 課 程 に3 年 以 上 在 学 し 必 要 な 授 業 科 目 を8 単 位 以 上 履 修 ( 特 定 研 究 論 文 I Ⅱ)し かつ 必 要 な 研 究 指 導 を 受 けた 上 で 博 士 論 文 を 提 出 し そ の 審 査 及 び 最 終 試 験 に 合 格 することが 課 されている( 上 掲 : 別 添 資 料 II-(1)-2) 授 業 科 目 の 必 要 単 位 数 としては 少 ないかもしれないが これは 科 目 受 講 の 要 件 を 軽 減 して 博 士 論 文 の 作 成 に 専 念 させるための 方 策 である この 特 定 研 究 論 文 I Ⅱは 平 成 16 年 から 導 入 されたものであり さらに 同 年 度 からは3 年 次 以 降 に 博 士 論 文 執 筆 資 格 制 度 を 実 施 し ている この 資 格 審 査 によって 課 程 博 士 論 文 への 執 筆 体 制 の 整 備 ならびに 奨 励 を 行 って いる この 特 定 研 究 論 文 と 博 士 論 文 の 作 成 指 導 は 指 導 教 員 と 副 指 導 教 員 が 中 心 となって 行 われている( 別 添 資 料 II-(1)-3) こうしたいくつかのステップは 博 士 論 文 完 成 まで のペースメーカーの 役 割 を 果 たすと 同 時 に 本 研 究 科 が 授 与 する 学 位 の 水 準 を 高 く 維 持 す る 仕 掛 けともなっており 法 人 化 以 前 には 顧 みられなかった 点 である 別 添 資 料 II-(1)-1 平 成 19 年 度 学 生 便 覧 臨 床 心 理 士 試 験 47 頁 大 学 院 の 専 門 教 育 科 目 ( 特 別 支 援 教 育 に 関 するもの) 46 頁 別 添 資 料 II-(1)-2 平 成 19 年 度 学 生 便 覧 履 修 要 件 1. 前 期 課 程 11 頁 履 修 要 件 1. 後 期 課 程 20 頁 別 添 資 料 II-(1)-3 平 成 19 年 度 学 生 便 覧 履 修 要 件 1. 後 期 課 程 21~ 22 頁 観 点 学 生 や 社 会 からの 要 請 への 対 応 -4-5-
東 北 大 学 大 学 院 教 育 学 研 究 科 分 析 項 目 Ⅱ 社 会 人 学 生 への 教 育 上 の 配 慮 として 本 研 究 科 では 平 成 16 年 度 から 長 期 履 修 制 度 の 導 入 を 図 っている この 制 度 は 職 業 を 有 している 等 の 事 情 により 標 準 年 限 を 超 える 一 定 の 期 間 にわたって 計 画 的 に 教 育 課 程 を 履 修 することを 許 可 するものであり 在 職 のまま 修 士 博 士 の 学 位 取 得 を 目 指 す 学 生 に 対 する 指 導 を より 適 切 に 実 施 することが 可 能 となる ( 表 II-2 表 II-3 別 添 資 料 II-(1)-4) また 社 会 人 向 けの 授 業 科 目 も 開 設 され 開 講 時 間 も 夕 方 以 降 (16:20~)の 設 定 としている( 表 II-4) 大 学 院 生 から 教 育 研 究 キャンパスライフに 関 する 各 種 要 望 を 聴 取 するために 研 究 科 長 会 見 を 随 時 開 催 している( 科 長 会 見 式 次 第 H19.7.4) 表 II-2 社 会 人 の 受 け 入 れ 状 況 ( 社 会 人 入 学 者 ) 15 年 度 16 年 度 17 年 度 18 年 度 19 年 度 前 期 課 程 5 1 8 8 9 後 期 課 程 11 3 3 3 6 ( 出 典 ) 教 務 係 資 料 表 II-3 長 期 履 修 学 生 申 請 者 の 増 加 16 年 度 17 年 度 18 年 度 19 年 度 前 期 課 程 0 2 1 3 後 期 課 程 1 1 0 3 ( 出 典 ) 教 務 係 資 料 表 II-4 夕 方 (5~6 講 時 )の 授 業 時 間 数 の 増 加 H15 H16 H17 H18 H19 26 コマ 26 コマ 30 コマ 32 コマ 33 コマ ( 出 典 ) 平 成 15~19 年 度 時 間 割 表 留 学 生 に 対 する 教 育 上 の 配 慮 としては チューターによる 学 業 と 日 常 生 活 のサポートを 実 施 している また 他 大 学 出 身 者 に 対 しては 特 段 制 度 化 されたものはないが 他 大 学 出 身 者 のうち 学 内 進 学 者 が 学 部 段 階 で 修 得 している 知 識 技 能 が 不 足 している 場 合 には 指 導 教 員 は 学 部 授 業 の 聴 講 を 勧 めるなどの 柔 軟 な 措 置 を 講 じている また 障 害 を 持 つ 学 生 に 対 する 支 援 は 全 学 的 な 体 制 で 行 われているが 本 研 究 科 としてはそれに 連 携 協 力 する 形 で 学 習 支 援 を 行 っており 特 に 聴 覚 障 害 のある 学 生 について 学 習 支 援 を 行 った( 教 務 係 資 料 ) 本 研 究 科 には 従 来 から 教 育 ネットワーク 研 究 室 が 設 置 されていたが 平 成 16 年 度 より ここに 教 育 支 援 部 門 を 加 え ボランティアや 心 理 相 談 等 地 域 の 教 育 ニーズに 応 えると 同 時 に より 実 践 的 臨 床 的 な 学 びができる 環 境 を 学 生 に 提 供 した また 平 成 17 年 度 からは 同 研 究 室 に 専 任 助 手 1 名 を 配 置 し 事 業 の 支 援 および 学 生 の 情 報 機 器 利 用 の 支 援 を 行 うこととし さらに 平 成 18 年 12 月 に 教 育 ネットワークセンター へと 格 上 げ し 従 来 の 教 育 支 援 部 門 を 地 域 教 育 支 援 部 門 に 拡 大 した 平 成 19 年 度 からは 助 教 を2 名 に 増 員 して 研 究 教 育 の 支 援 を 強 化 するとともに 新 たに 研 究 教 育 支 援 部 門 を 設 立 して 教 育 研 究 支 援 者 1 名 を 配 置 し 大 学 院 生 をはじめとする 学 生 の 学 びを 支 援 する 組 織 を 設 置 した( 教 務 係 資 料 教 育 ネットワークセンター 内 規 平 成 19 年 2 月 改 正 ) また 他 の 研 究 領 域 についての 知 見 を 広 げようとする 学 生 のために 学 内 の 国 際 高 等 教 育 研 究 院 と 連 携 し 授 業 を 開 講 している( 別 添 資 料 II-(1)-5) 別 添 資 料 II-(1)-4 平 成 19 年 度 学 生 便 覧 長 期 履 修 学 生 制 度 24~ 25 頁 別 添 資 料 II-(1)-5 平 成 19 年 度 学 生 便 覧 国 際 高 等 研 究 教 育 院 49 頁 -4-6-
東 北 大 学 大 学 院 教 育 学 研 究 科 分 析 項 目 Ⅱ (2) 分 析 項 目 の 水 準 及 びその 判 断 理 由 ( 水 準 ) 期 待 される 水 準 を 大 きく 上 回 る ( 判 断 理 由 ) 本 研 究 科 では 多 様 な 分 野 に 対 応 できる 教 育 課 程 編 成 とそれを 実 施 するコース 編 成 や 履 修 制 度 が 確 立 されていると 同 時 に 大 学 院 教 育 の 重 点 を 論 文 執 筆 に 繋 げている 点 が 優 れて いる また 多 様 な 大 学 院 生 に 対 応 しており 例 えば 社 会 人 に 対 する 授 業 開 設 や 長 期 履 修 制 度 並 びに 留 学 生 へのチューターによる 支 援 は 本 研 究 科 の 掲 げる 学 問 的 性 質 に 鑑 みて 学 問 の 発 展 と 社 会 への 還 元 を 目 指 す 上 できわめて 有 効 な 制 度 であると 評 価 できる また 障 害 のある 方 々に 対 する 障 害 特 性 に 応 じたきめ 細 かい 実 践 的 な 教 育 体 制 も 機 能 しており 優 れ ている さらに 教 育 ネットワークセンターを 中 心 に 地 域 社 会 のニーズと 実 践 的 活 動 の コーディネートを 行 っている 点 も 優 れている -4-7-
分 析 項 目 Ⅲ 教 育 方 法 (1) 観 点 ごとの 分 析 観 点 授 業 形 態 の 組 合 せと 学 習 指 導 法 の 工 夫 東 北 大 学 大 学 院 教 育 学 研 究 科 分 析 項 目 Ⅲ 本 研 究 科 で 開 講 されている 特 論 と 研 究 演 習 との 科 目 数 はほぼ 同 数 であり 講 義 形 式 の 授 業 と 演 習 形 式 の 授 業 がバランスよく 配 置 されている 研 究 演 習 のほとんどの 授 業 では 受 講 生 は 10 名 未 満 であり また 特 論 の 半 数 以 上 の 科 目 でも 受 講 生 が 10 名 を 下 回 るなどの 少 人 数 教 育 が 実 施 されている 大 学 院 開 講 授 業 科 目 84 科 目 のうち 59 科 目 (70% 強 )で 討 論 やプレゼンテーションなどの 記 載 がシラバスに 見 られ 本 研 究 科 の 授 業 の 大 部 分 では 学 生 が 課 題 に 取 組 み この 成 果 を 報 告 するという 学 生 参 加 型 討 論 型 の 授 業 が 営 まれている 講 義 形 式 の 授 業 科 目 においても PC や VTR を 活 用 した 授 業 が 行 われてお り 学 生 の 興 味 関 心 と 理 解 を 促 している シラバスには 授 業 目 的 授 業 内 容 計 画 成 績 評 価 方 法 教 科 書 参 考 書 履 修 上 の 注 意 等 を 記 載 しており 学 生 の 理 解 度 や 満 足 度 を 高 めている また TA RA 制 度 を 活 用 した 学 生 に 対 する 個 性 に 応 じた 細 やかな 指 導 を 行 なっており そのサポート 体 制 は 年 々 手 厚 くなっている( 表 III-1~ 表 III-2) 特 に 平 成 19 年 度 の 大 学 院 教 育 改 革 支 援 プログラムの 採 択 は TA RA の 採 用 機 会 をさらに 増 大 させることとなっ た 平 成 18 年 度 には 教 育 学 研 究 科 独 自 に 教 員 のための TA を 活 用 した 授 業 の FD をおこ ない さらに 平 成 19 年 度 には TA の 活 用 についての 講 演 会 を 開 催 した( 前 掲 表 I-5) さらに 修 士 課 程 では 課 題 研 究 を 1 年 次 の 末 に 課 し 2 年 次 の 修 士 論 文 作 成 につながる ような 工 夫 を 施 している また 博 士 課 程 では 前 述 のように 特 定 研 究 論 文 Iを 1 年 次 末 に 課 しており 修 士 論 文 をベースにした 研 究 を 精 緻 化 させている また 特 定 研 究 論 文 Ⅱを 2 年 次 末 に 課 し 博 士 論 文 のたたき 台 になるような 研 究 へと 発 展 させている これらの 研 究 論 文 I Ⅱは それぞれ 公 開 発 表 討 議 が 義 務 づけられており その 審 査 を 通 じて 成 績 評 価 が 行 われ それにパスしないと 次 のステップに 進 めない さらに3 年 次 以 降 に 博 士 論 文 執 筆 資 格 制 度 を 導 入 して 博 士 論 文 の 完 成 を 強 力 に 指 導 している 表 III-1 法 人 化 以 降 の TA の 推 移 延 べ 人 員 H15 H16 H17 H18 H19 56 人 43 人 35 人 67 人 81 人 ( 出 典 ) 教 務 係 資 料 表 III-2 法 人 化 以 降 の RA の 推 移 H15 H16 H17 H18 H19 4 人 4 人 4 人 0 人 12 人 ( 出 典 ) 教 務 係 資 料 観 点 主 体 的 な 学 習 を 促 す 取 組 新 入 生 に 対 しては 入 学 時 オリエンテーションの 後 指 導 教 員 と 副 指 導 教 員 が 直 ちに 決 定 され きめ 細 かい 複 数 指 導 相 談 体 制 を 敷 いている また 本 研 究 科 は 博 士 課 程 前 期 2 年 の 課 程 同 後 期 3 年 の 課 程 の 大 学 院 入 学 者 に 博 士 学 位 と 専 門 職 業 人 養 成 の 使 命 をその 教 育 目 標 に 掲 げており 研 究 の 計 画 的 な 進 め 方 を 指 導 している( 前 掲 : 別 添 資 料 Ⅰ-(1)-1) 前 期 課 程 では 1 年 次 には 課 題 研 究 が 必 修 科 目 となっており 各 自 がテーマを 選 び 修 士 論 文 につながる 論 文 を 作 成 し 複 数 指 導 教 員 制 の 下 で 修 士 論 文 の 執 筆 を 行 う 後 期 課 程 では 博 士 論 文 の 執 筆 が 促 されているが 本 研 究 科 の 博 士 論 文 では 学 術 誌 学 術 書 に3 篇 以 上 発 表 していることを 要 件 としているため 定 評 のある 学 会 誌 などへの 掲 載 が 推 奨 されて いる なお 大 学 院 生 の 発 表 の 場 を 確 保 する 目 的 で 本 研 究 科 の 年 報 は 年 2 回 発 行 されている ( 研 究 年 報 編 集 規 程 投 稿 規 定 ) また 前 期 後 期 ともに 本 研 究 科 では 詳 細 な 単 位 修 -4-8-
東 北 大 学 大 学 院 教 育 学 研 究 科 分 析 項 目 Ⅲ 得 のプロセスを 示 しており 単 位 の 実 質 化 に 寄 与 している( 前 掲 別 添 資 料 II-(1)-2 別 添 資 料 II-(1)-3) なお 平 成 19 年 度 から 採 用 された 大 学 院 GP では 大 学 院 生 が 中 心 となるプロジェクト 型 共 同 研 究 が 推 進 され 11 課 題 が 採 用 実 施 されている( 表 III-3 参 照 ) また 本 研 究 科 学 部 の 情 報 ネットワークは 全 学 的 な 情 報 ネットワーク(TAINS)に 接 続 し ており 各 コースやコンピューター 実 習 室 大 学 院 生 室 に 設 置 されているコンピューター でインターネットやメールが 使 用 できる 環 境 にある さらに 大 学 院 生 は 研 究 室 配 属 になる ため コンピューター 実 習 室 のみならず 各 研 究 室 に 設 置 されたパソコンを 利 用 できる ま た 研 究 棟 の 各 フロアにおいて 無 線 LAN を 導 入 し 利 便 性 を 高 めている 表 III-3 大 学 院 生 中 心 プロジェクト 型 共 同 研 究 ( 平 成 19 年 度 大 学 院 GP) No, 研 究 題 目 研 究 グループ 氏 名 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 高 校 教 育 段 階 における ライフスキル の 養 成 のた めの 教 育 プログラムの 研 究 -シンガポールにおける 人 格 教 育 を 手 がかりに- キャリア 教 育 道 徳 教 育 の 導 入 に 着 目 した 高 等 学 校 のカリキュラム 調 査 研 究 - 他 者 との 関 係 性 の 中 で 自 立 / 自 律 できる 個 人 の 育 成 に 向 けて- 自 律 性 ある 学 校 を 創 造 運 営 する 教 員 像 の 研 究 - 山 梨 学 院 大 学 附 属 小 学 校 における 教 員 組 織 学 校 建 築 に 注 目 して- 多 文 化 共 生 を 目 指 す 教 育 における 理 論 と 実 践 の 検 討 - UWC カナダ 校 ピアソン カレッジの 調 査 を 通 し て- 教 員 志 望 大 学 生 の 知 識 の 量 と 質 が 教 授 内 容 の 選 考 に 及 ぼす 影 響 米 国 の 研 究 大 学 における 学 士 課 程 教 育 の 新 動 向 -スタンフォード 大 学 の 学 士 課 程 教 育 改 革 の 事 例 に 注 目 して- 保 健 室 のエスノグラフィー- 高 校 生 と 養 護 学 校 教 諭 との 関 わりを 通 して 見 える 学 校 教 育 の 課 題 - オセアニア 地 域 における 教 員 の 資 質 能 力 と 専 門 職 性 に 関 する 研 究 -オセアニア 地 域 におけるスクールリ ーダー 教 育 (ニュージーランドを 事 例 として)- 障 害 児 と 健 常 児 の 共 同 音 楽 活 動 における 相 互 交 渉 に 関 する 研 究 中 国 における 養 育 者 の 子 どもの 将 来 と 高 校 教 育 への 期 待 に 関 する 研 究 指 導 的 高 校 教 員 の 職 能 の 分 析 - 宮 城 県 の 私 立 高 校 の 特 性 の 分 類 から- 石 森 広 美 ボロルマー トルバド 佐 藤 優 子 佐 藤 俊 三 ステファニー チュア 八 木 美 保 子 足 立 佳 菜 尾 崎 博 美 八 木 美 保 子 足 立 佳 菜 畠 山 大 遠 藤 千 尋 大 竹 裕 章 田 多 井 大 輔 畠 山 大 矢 田 訓 子 室 井 麗 子 町 田 洋 介 大 関 嘉 成 蛯 名 正 司 佐 藤 誠 子 宮 田 佳 緒 里 中 島 ( 渡 利 ) 夏 子 鈴 木 学 久 保 千 恵 子 西 野 頼 子 千 野 慶 文 高 橋 望 金 井 徹 柴 田 聡 史 岡 野 智 笹 原 未 来 野 崎 義 和 薫 存 梅 飯 島 典 子 藤 井 珠 央 鈴 木 悠 平 鈴 木 学 (2) 分 析 項 目 の 水 準 及 びその 判 断 理 由 ( 水 準 ) 期 待 される 水 準 を 大 きく 上 回 る ( 判 断 理 由 ) 本 研 究 科 では 講 義 形 式 の 授 業 と 演 習 形 式 がバランスよく 配 置 されており 教 育 内 容 に 応 じた 指 導 法 の 工 夫 がなされ 一 方 通 行 型 の 授 業 はほとんどなく 学 生 参 加 型 討 論 型 の 少 人 数 授 業 が 多 く 営 まれている また 多 数 の TA の 採 用 や RA の 選 抜 により 大 学 院 生 の -4-9-
東 北 大 学 大 学 院 教 育 学 研 究 科 分 析 項 目 Ⅲ 教 育 研 究 能 力 の 育 成 もはかられている さらに 適 切 なシラバスが 作 成 され 活 用 されて おり その 有 効 性 をチェックする 評 価 システムを 備 えている また 本 研 究 科 では 入 学 から 修 了 に 至 るまで 年 次 ごとにきめ 細 かなガイダンスを 行 っ ている また 指 導 教 員 等 による 相 談 助 言 体 制 がとられており 大 学 院 生 の 国 内 外 での 学 会 発 表 や 学 術 雑 誌 等 への 論 文 掲 載 や 博 士 論 文 執 筆 の 指 導 も 活 発 に 行 われている 以 上 から 本 研 究 科 の 大 学 院 生 に 対 する 研 究 指 導 への 取 り 組 みは 優 れていると 判 断 できる -4-10-
分 析 項 目 Ⅳ 学 業 の 成 果 (1) 観 点 ごとの 分 析 観 点 学 生 が 身 に 付 けた 学 力 や 資 質 能 力 東 北 大 学 大 学 院 教 育 学 研 究 科 分 析 項 目 Ⅳ 大 学 院 教 育 の 効 果 は 個 々の 学 生 がその 課 程 において 修 得 した 総 合 的 な 知 見 や 技 能 を 発 揮 し 作 成 する 修 士 博 士 論 文 に 集 約 できる 前 期 課 程 の 学 位 授 与 状 況 は 概 ね 9 割 近 くであ り 多 くの 学 生 がこの 課 程 に 見 合 う 研 究 能 力 論 文 作 成 能 力 を 習 得 したと 見 ることがで き 教 育 の 効 果 は 相 応 であると 判 断 できる( 表 IV-1) なお 臨 床 心 理 コースでは 前 期 課 程 修 了 者 のほぼ 100%が( 財 ) 日 本 臨 床 心 理 士 資 格 認 定 協 会 実 施 の 臨 床 心 理 士 に 合 格 ( 全 国 の 平 均 合 格 率 60% 強 )している 過 去 3 年 の 修 了 者 で 就 職 者 は 18 名 にのぼるが うち2 名 を 除 く 16 名 (89%)が 臨 床 心 理 を 専 門 とする 職 業 についている( 教 務 係 資 料 ) 後 期 課 程 の 学 生 の 学 術 研 究 論 文 の 発 表 数 は 法 人 化 以 前 よりかなり 増 加 している( 表 IV-2) 博 士 学 位 授 与 状 況 をみると 授 与 数 ならびに 授 与 率 自 体 も 法 人 化 以 前 よりも 増 加 傾 向 にある( 表 IV-3) これは 上 記 のような 主 副 指 導 教 員 制 度 特 定 研 究 論 文 I II ならびに 博 士 論 文 執 筆 資 格 審 査 制 の 導 入 などにより 学 位 論 文 を 書 く 条 件 と 体 制 が 整 備 さ れたことによると 考 えられる このような 博 士 学 位 授 与 状 況 は 他 の 教 育 学 系 大 学 院 と 比 べても 優 れている 表 IV-1 修 士 学 位 授 与 数 の 推 移 H15 H16 H17 H18 H19 33 89.1% 32 82.0% 38 92.6% 37 84.0% 37 86.0% ( 授 与 率 は 当 該 年 度 の 修 士 論 文 提 出 資 格 者 を 母 数 とする) ( 出 典 ) 教 務 係 資 料 表 IV-2 後 期 学 生 の 学 術 研 究 発 表 数 の 推 移 法 人 化 以 前 H16 H17 H18 H19 学 術 研 究 論 文 の 数 (H15:32 篇 ) 84 篇 109 篇 107 篇 104 篇 ( 出 典 ) 教 務 係 資 料 表 IV-3 博 士 学 位 授 与 数 の 増 加 H15 H16 H17 H18 H19 8 名 14.8% 7 名 14.8% 9 名 15.5% 13 名 22.4% 8 名 17.8% ( 授 与 率 は 当 該 年 度 の 博 士 論 文 提 出 資 格 者 を 母 数 とする) ( 出 典 ) 教 務 係 資 料 観 点 学 業 の 成 果 に 関 する 学 生 の 評 価 本 研 究 科 の 教 育 効 果 に 対 する 学 生 の 判 断 は 学 生 による 授 業 評 価 報 告 書 の 中 の 授 業 で 学 んだことの 有 用 性 授 業 の 総 合 的 な 満 足 度 の 項 目 が 参 考 になる 大 学 院 教 育 に 関 する 調 査 結 果 をみると( 特 論 のみを 対 象 18 年 度 からは 研 究 演 習 も 対 象 表 IV-4) これ らの 項 目 への 学 生 の 評 価 は 極 めて 高 いことがわかる 表 IV-4 大 学 院 学 生 の 授 業 評 価 における 主 な 回 答 結 果 特 論 法 人 化 以 前 法 人 化 以 降 H15 H16 H17 H18 H19-4-11-
東 北 大 学 大 学 院 教 育 学 研 究 科 分 析 項 目 Ⅳ 授 業 で 学 んだ 100.0% 98.1% 97.7% 99.7% 99.1% ことの 有 用 性 総 合 的 な 満 足 度 97.6% 95.5% 93.1% 97.3% 97.7% 大 学 院 学 生 の 授 業 評 価 における 主 な 回 答 結 果 ( そうおもう 少 しそうおもう 大 いに 満 足 満 足 の 割 合 ) ( 出 典 ) 学 生 による 授 業 評 価 報 告 書 ( 各 年 度 版 )から 抜 粋 また 本 研 究 科 では 修 了 生 から 在 学 中 に 身 に 付 けた 学 力 や 資 質 能 力 等 に 関 する 意 見 を 聴 取 するなどのアンケートを 実 施 しているが( 平 成 18 19 年 度 修 了 生 を 対 象 有 効 回 答 率 48.1%) その 結 果 によると 講 義 演 習 論 文 作 成 などの 項 目 全 般 にわたって プラス どちらかといえばプラス という 肯 定 的 回 答 が 圧 倒 的 に 多 いことがわかる したがって 本 研 究 科 修 了 者 には 自 らの 受 けた 教 育 が 現 在 の 知 識 や 能 力 を 培 う 上 で 十 分 役 立 っている との 認 識 を 持 っていることがわかる( 表 IV-5 参 照 ) 表 IV-5 大 学 院 教 育 のプラス 度 に 関 する 質 問 項 目 並 びに 評 定 プラス どちらか といえば プラス どちらか といえば 非 プラス 非 プラス 無 答 ( 非 該 当 ) A 特 論 などの 講 義 6 5 1 0 1 B 論 文 の 講 読 などの 研 究 演 習 6 6 1 0 0 C 課 題 研 究 修 士 論 文 など の 論 文 作 成 5 6 0 0 2 D 特 定 研 究 博 士 論 文 など の 論 文 作 成 2 2 0 0 9 注 ) 表 中 の 数 字 は 回 答 数 を 示 す D 項 目 は 前 期 課 程 修 了 者 9 名 は 該 当 しないので 無 答 にな っている ( 出 典 ) 研 究 科 評 価 委 員 会 東 北 大 学 教 育 学 部 大 学 院 教 育 学 研 究 科 の 教 育 に 関 する 学 部 卒 業 生 大 学 院 修 了 生 に 対 するアンケート 調 査 結 果 報 告 書 ( 平 成 20 年 2 月 )から 抜 粋 (2) 分 析 項 目 の 水 準 及 びその 判 断 理 由 ( 水 準 ) 期 待 される 水 準 を 大 きく 上 回 る ( 判 断 理 由 ) 後 期 課 程 については 上 述 のように 博 士 論 文 執 筆 候 補 者 制 の 導 入 などを 明 確 化 し 学 位 論 文 作 成 に 関 する 条 件 が 整 備 され 学 位 授 与 率 や 学 術 論 文 執 筆 率 の 上 昇 が 見 られる 点 は 優 れている また 学 生 による 授 業 評 価 の 結 果 から 大 学 院 の 課 程 は 学 生 にとって 総 合 的 な 理 解 を 形 成 しうるものであると 同 時 に 授 業 内 容 が 将 来 有 用 だと 思 えるものになってい る また 修 了 生 からの 評 価 においても 本 研 究 科 の 教 育 プログラムへの 評 価 も 高 い これ らから 本 研 究 科 の 授 業 の 効 果 を 学 生 自 身 が 十 分 肯 定 的 に 認 識 していると 結 論 づけられる -4-12-
東 北 大 学 大 学 院 教 育 学 研 究 科 分 析 項 目 Ⅴ 分 析 項 目 Ⅴ 進 路 就 職 の 状 況 (1) 観 点 ごとの 分 析 観 点 卒 業 ( 修 了 ) 後 の 進 路 の 状 況 大 学 院 前 期 2 年 の 課 程 及 び 後 期 3 年 の 課 程 修 了 者 の 最 近 3 年 間 の 進 路 は 表 V-1 の 通 り である 後 期 課 程 修 了 者 の 進 路 は 大 学 教 員 高 等 学 校 教 員 国 公 私 立 機 関 の 職 員 となっている また 博 士 学 位 を 取 得 していない 後 期 課 程 修 了 者 に 関 しては 大 学 の 専 任 講 師 助 教 へ 就 職 したもの 研 究 職 を 目 指 して 就 職 活 動 を 行 っているものがあり また 社 会 人 学 生 は 本 務 多 忙 や 子 育 て 等 による 研 究 継 続 の 中 断 といった 事 由 によって 学 位 を 取 得 せずに 退 学 して いる 前 期 課 程 修 了 者 の 進 路 は 多 岐 にわたっているが 最 も 多 いのは 後 期 課 程 への 進 学 者 であ る その 他 高 等 学 校 教 員 各 種 学 校 教 員 国 公 私 立 機 関 の 職 員 民 間 企 業 団 体 の 社 員 として 就 職 する 者 が 多 く 近 年 民 間 企 業 団 体 等 に 就 職 する 者 も 増 えている その 他 の 進 路 としては 研 究 生 科 目 等 履 修 生 公 務 員 試 験 準 備 新 規 採 用 準 備 など 各 種 試 験 の 準 備 をしている 者 が 多 く 属 している 以 上 より 前 期 課 程 修 了 者 の その 他 を 除 けば 大 学 院 修 了 者 は 前 期 後 期 ともに 専 門 的 な 知 識 や 技 能 を 生 かせる 職 場 に 職 を 得 ていると 見 て 良 い 表 V-1 大 学 院 修 了 者 の 進 路 の 推 移 法 人 化 以 前 法 人 化 以 降 H15 H16 H17 H18 H19 前 期 後 期 前 期 後 期 前 期 後 期 前 期 後 期 前 期 後 期 小 学 校 教 員 1 1 1 中 学 校 教 員 3 1 2 2 高 等 学 校 教 員 4 1 3 2 1 特 別 支 援 学 校 教 員 1 1 1 大 学 教 員 3 1 4 4 3 2 専 門 学 校 教 員 一 般 企 業 6 1 9 2 9 1 10 1 8 1 国 家 公 務 員 1 1 2 地 方 公 務 員 4 3 5 1 6 10 大 学 院 進 学 者 8 8 10 6 5 大 学 進 学 者 1 1 専 門 学 校 進 学 者 研 究 生 科 目 等 履 修 生 2 5 1 1 2 教 採 受 験 準 備 1 3 1 公 務 員 試 験 受 験 準 備 1 学 振 特 別 研 究 員 2 1 その 他 3 1 3 4 2 6 7 9 4 ( 出 典 ) 進 路 状 況 調 ( 教 務 係 ) 観 点 関 係 者 からの 評 価 本 研 究 科 では 法 人 化 以 前 にも 外 部 評 価 の 実 施 報 告 書 刊 行 を 行 ってきたが 法 人 化 後 の 平 成 16 年 8 月 および 19 年 3 月 に 日 本 教 育 学 会 会 長 文 部 科 学 省 初 等 中 等 教 育 局 長 河 北 新 報 社 編 集 局 副 部 長 宮 城 大 学 学 長 宮 城 県 第 一 女 子 高 等 学 校 長 仙 台 弁 護 士 会 会 長 仙 台 第 一 高 校 長 仙 台 市 教 育 委 員 会 といった 外 部 の 教 育 関 係 者 らから さまざまな 評 価 を 聴 取 している その 中 で 本 研 究 科 の 人 材 養 成 については 旧 帝 大 の 教 育 学 研 究 科 の 負 っ -4-13-
東 北 大 学 大 学 院 教 育 学 研 究 科 分 析 項 目 Ⅴ ている 使 命 ミッション に 対 しては 非 常 に 良 くやっているとのコメントがあり 学 問 研 究 教 育 学 をいろいろ 社 会 に 還 元 するやり 方 として 高 い 評 価 が 得 られている( 庶 務 係 資 料 ) また 本 研 究 科 では 修 了 生 の 意 見 をアンケート 調 査 により 聴 取 しているが( 平 成 18 19 年 度 卒 業 生 を 対 象 有 効 回 答 率 48.1%) それによると 本 研 究 科 の 教 育 による 高 度 な 専 門 的 知 識 技 能 理 論 的 基 礎 に 支 えられた 課 題 解 決 へのアプローチ 教 育 に 関 する 諸 問 題 の 解 決 を 推 進 する 能 力 などの 育 成 については 多 くの 卒 業 生 が 肯 定 的 な 回 答 をして いる さらに 回 答 者 全 員 が 本 研 究 科 での 教 育 は 現 在 の 仕 事 を 進 める 上 で 有 意 義 である と 肯 定 的 に 評 価 している( 表 V-2 参 照 ) 表 V-2 目 的 に 対 応 した 力 量 の 獲 得 度 培 えたと 思 う まあ 培 えたと 思 う あまり 培 えなか ったと 思 う 培 えなかった と 思 う A: 高 度 な 専 門 的 知 識 技 能 3 8 1 1 B: 理 論 的 基 礎 に 支 えられた 課 題 解 決 へ 4 9 0 0 のアプローチ C: 教 育 に 関 する 諸 問 題 の 解 決 を 推 進 す 2 7 2 2 る 能 力 注 ) 表 中 の 数 字 は 回 答 数 を 示 す ( 出 典 ) 研 究 科 評 価 委 員 会 東 北 大 学 教 育 学 部 大 学 院 教 育 学 研 究 科 の 教 育 に 関 する 学 部 卒 業 生 大 学 院 修 了 生 に 対 するアンケート 調 査 結 果 報 告 書 ( 平 成 20 年 2 月 )から 抜 粋 (2) 分 析 項 目 の 水 準 及 びその 判 断 理 由 ( 水 準 ) 期 待 される 水 準 を 大 きく 上 回 る ( 判 断 理 由 ) 本 研 究 科 の 修 了 者 は 博 士 課 程 の 前 期 後 期 ともに 専 門 的 な 知 識 や 技 能 を 生 かせる 職 を 得 ているといって 良 く またその 進 路 状 況 も 概 ね 妥 当 で 教 育 の 効 果 が 十 分 反 映 されてい ると 判 断 できる 他 方 関 係 者 や 修 了 生 からの 評 価 意 見 からは 本 研 究 科 の 教 育 が 現 在 の 仕 事 を 遂 行 する 上 で 大 きく 役 立 っており 高 い 評 価 を 得 ていることが 首 肯 できる したがって 本 研 究 科 の 修 士 博 士 課 程 教 育 は その 目 標 を 十 分 に 達 成 しており 広 く 社 会 に 貢 献 する 人 材 を 育 成 し 送 り 出 していると 評 価 できる -4-14-
東 北 大 学 大 学 院 教 育 学 研 究 科 Ⅲ 質 の 向 上 度 の 判 断 1 事 例 1 授 業 評 価 システムの 改 善 と 学 生 の 研 究 成 果 の 増 加 ( 分 析 項 目 I) ( 質 の 向 上 があったと 判 断 する 取 組 ) 個 々の 開 設 授 業 の 改 善 に 当 たっては 学 生 による 授 業 評 価 アンケートを 平 成 12 年 度 から 実 施 してきたが これを 法 人 化 後 に 通 年 で 実 施 する 体 制 を 整 え さらに 平 成 18 年 度 か ら 大 学 院 のすべての 授 業 科 目 について 実 施 することとし 教 育 内 容 教 育 方 法 の 改 善 に 結 び 付 けた 評 価 結 果 は 学 部 教 育 とともに 学 生 による 授 業 評 価 報 告 書 として 毎 年 度 刊 行 し 学 生 らの 自 由 閲 覧 に 供 している また 平 成 18 年 度 からは 授 業 評 価 の 経 年 変 化 を 示 す とともに 担 当 教 員 による 改 善 方 策 の 記 載 を 義 務 付 けることとした こうした 学 生 による 評 価 教 員 らへのフィードバック 各 種 委 員 会 による 対 策 という 一 連 の 取 り 組 みの 結 果 後 期 学 生 らの 学 術 研 究 発 表 数 の 増 加 につながっている 2 事 例 2 課 程 博 士 論 文 の 指 導 体 制 の 充 実 ( 分 析 項 目 Ⅱ) ( 質 の 向 上 があったと 判 断 する 取 組 ) 平 成 16 年 から 後 期 3 年 の 課 程 での 学 位 取 得 に 向 けて きめ 細 やかな 指 導 と 意 識 向 上 を 図 ると 共 に 後 期 課 程 3 年 次 に 博 士 論 文 執 筆 資 格 審 査 を 導 入 し その 審 査 にパスす ることを 要 件 とし かつ 学 術 誌 学 術 書 に3 篇 以 上 発 表 していることなど 課 程 博 士 論 文 の 水 準 を 明 確 化 した その 結 果 学 術 論 文 数 ならびに 課 程 博 士 授 与 件 数 は 着 実 に 増 加 して いる -4-15-