Two cases of Stafne's static bone cavity Kimiaki IKEMOTO Takenori ISHIKAWA oshio OHOKA Tadashi HARADA Taketomi NAKAI Hiroshi NISHINO Kohji TANAKA Tsunehiro SHIMOSATO Shinobu IMADA* Abstract: Two cases of so-called Stafne's static bone cavity, which occurred in a 48 year-old female and a 58 year-old male, are presented. Some clinico-pathologic features from Japanese literature of 69 cases were considered, in which two of our cases were included. 1) This cavity was re-confirmed as a malformed condition, in which adjacent normal tissues [e.g. salivary gland (69. 4%), followed by connective tissue, adipose tissue, their combinations, and so on] have been simultaneously embedded during development of the mandible. Our cases were also related to the packed tissues as follows: one was a combination of lymphoid and adipose tissue by histology, the other was probable salivary gland from the sialographs. It turned out that the pathologic condition was obscure in childhood, but it became obvious after reaching adulthood, and moreover, the bony defect roentgenographically looked like a bone cyst. 2) From the roentgenographic follow-up of postoperative ossification, it was probably proved that there might be effective cases of surgical operation. We would like to bring forward active surgery for improving such a condition.
Vol.35 No.11 Stafne氏 静 止 性 骨 空 洞 の2症 会 も増 加 してい る と推 定 され る. 現 今 回,わ れ わ れ の遭 遇 した 静 止 性 骨 空 洞 の うち,外 科 的 に 対処 し得 た2例 症:顔 貌 は 左右 対 称 的 で,右 側 オ トガ イ部 の知 覚 か った.8は の2例 を 含 む 本邦 で の報 告69例 か ら本症 の病 態 を 検 討 し,さ らに 治験2例 2717 異 常,ま た 顔 面 や 舌 の運 動障 害 な ど の神 経 学 的 異 常 もな の成 因 に 関連 す る臨 床 な らび に病 理 組 織 学 的 所見 を報 告 した.ま た,こ 例 欠 損 して い た が,87相 や 腫 脹 もな く,ま た7に に 当歯 肉 に は,発 赤 は 打 診 痛 もな か った が,同 部 の舌 側 下 部 に 人示 指頭 大 の骨 欠 損 を 触 知 した.な お,本 お け る骨 性治 癒 過 程 か ら,本 症 に 対 す る手 術 の是 非 につ 患 者 は 体 格 中 等 度,栄 養 状 態 良好 で,全 身 的 な特 記 事 項 き考 察 した. は な か った. X線 所 見:右 側 下顎 角 前 方 部 に境 界 比 較 的 明瞭 な,単 症 例 房 性 で 鳩 卵 大 のX線 透 過 性 病 変 を 認 め た が,7の 歯根 膜 腔 との 連 続 所見 はな か った.下 歯 槽 管 は,上 方 へ の挙 上 所 見 を 伺 わせ た.8は 症例1 患 者:48歳 初 診 日:1983年2月 主 上 所 見 よ り,8に 女 性. った(写 真1,2)., 臨 床診 断:静 止 性 骨 空 洞 また は無 歯 性 嚢 胞 の 疑 い 訴:下 顎 骨 体 のX線 透 過 像 の精 査. 処 置 お よび 経 過:上 記 の臨 床 診 断 下 に,病 態 と手 術 に 既往 歴 と家 族 歴:特 記 事 項 な し. 現病 歴:初 診 約2年 前,某 歯 科 で の パ ノ ラ マX線 で,右 側 の下 顎 角 よ りM相 欠 如 して お り,下 歯 槽 管 の 挙 起 因す る 無 歯 性 嚢 胞 も否 定 で きな か 像 当骨 体 下部 のX線 透 過 像 を 指摘 され て い た.疼 痛 や骨 膨 隆 な どの不 快 症 状 が な い た め放 置 して い た が,初 診 約1か 月前,同 医 での 再 診 時 に そ のX線 透 過 像 の 増 大 が 推 測 され る と して,当 科 を 紹 介 され た. 写 真2症 例1に お け る骨 空 洞 部 断 層X線 像 ( で 囲 む範 囲) 写 真1症 A:術 例1のX線 像 前写真 写 真3空 下 歯 槽 管 を 挙 上 圧 迫 し,連 絡 所 見 を 推 測 さ せ る. B:術 後 約3年6か 洞 中 に み られた 組 織 像 リン パ節 と拡 張 血 管 を 随 伴 す る成 熟 した 脂 肪 組 織 塊 か らな っ てい る. 月時の骨再生像 87
2718 日 本 口腔 外 科 学 会 雑 誌 写 真4症 A:術 B:術 例2のX線 Nov. 1989 像 前の骨欠損状態 後 約2年 時 の 骨 再 生 像 関す る説 明 を 患 者 が 了承 した ので,同 年3月,GOF 全 麻 下 で 手 術 を 施 行 した.術 後 経 過 は 良 好 で,術 後3年 6か 月 目のX線 像 で は,術 前 には 鳩 卵 大 で あ っ た骨 欠 損 部 の 骨 再 生 は 著 明 で,大 豆 大 に縮 小 した. 病 理 組 織 像:摘 出組 織 は,リ ンパ 組織 と増 生 した 成 熟 脂 肪 組 織 で構 成 され てい た が.特 に 脂肪 組 織 中 に増 生 し て,拡 張 した 血 管 の随 伴 が 注 目 され た(写 真3). 症 例2 患 者:58歳 男 性, 初 診 日:1986年11月 主. 訴:下 顎 骨 体 下 部 のX線 透 過 像 の精 査, 既 往 歴:狭 心 症(昭50年). 家 族 歴:特 記 事 項 な し. 現 病 歴:初 診 約2か 月前 某歯 科 での パ ノラマX線 像 写 真5症 例2の 顎 下腺 造影 像 ワル トン氏 管 の 部 で 分枝 した 副導 管 は骨 空洞 部 と で 反 相 当 下 顎 骨 体 下縁 部 に み られ るX線 透 過 像 の た め 紹 介 され た. 現 症:顔 貌 は左 右 対 称 的 で,オ の 速 絡 を 示 唆 して い る. トガ イ部 の 知 覚 異 常 や 運 動 障 害 な どの神 経 障 害 は なか った.78は 欠 損 し, 6を 支 台 とす る延 長 ブ リッジを 装 着 して い た.同 部の 行 し,連 絡 所 見 が 推 定 され た(写 真5). 歯 肉 は 正 常色 で,圧 痛 や 腫 脹 な どの 異 常 所 見 は な か っ た.な 臨 床 診 断:左 側 顎 下 腺 の副 唾 液 腺 迷 入 に よる静止 性骨 お,患 者 の体 格 は 中 等 度 で 栄養 状 態 は 良好 で あ っ 空 洞 の疑 い た. X線 所 見:パ 処 置 お よび 経 過:本 病 態 に 関 す る 一 般 的説 明を患 者が ノラマX線 像 で は,M相 当下 縁 部 に 境 了 承 した の で,同 年12月,GOF全 麻 下 で 摘 出を行 界 比 較 的 明瞭 な 拇 指 頭 大 の 単胞 性X線 透 過 像 を 認 め,歯 った.本 例 で は,下 顎 骨 下 内 側縁 を エ ア トー ムで 削除 中 槽 部 とは 明確 に 隔 離 して いた(写 真4),唾 に 組 織 を 破 損 し,病 理 組 織 検 査 は で きなか った.経 過は よ り顎 下 腺 導 管 よ り分 枝 した 副導 管 が,X線 液腺造影法に 透過部に移 良 好 で,術 後2年 88 目の パ ノ ラマX線 像 で は,周 囲骨 に 明
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