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本 校 の 沿 革 昭 和 21 年 昭 和 49 年 昭 和 54 年 昭 和 60 年 平 成 9 年 平 成 11 年 平 成 18 年 北 海 道 庁 立 農 業 講 習 所 として 発 足 北 海 道 立 農 業 大 学 校 に 改 組 修 業 年 限 を1 年 制 から2 年 制 に 改

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

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別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

資料2-2 定時制課程・通信制課程高等学校の現状

18 国立高等専門学校機構

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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

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(3) 育 児 休 業 (この 号 の 規 定 に 該 当 したことにより 当 該 育 児 休 業 に 係 る 子 について 既 にし たものを 除 く )の 終 了 後 3 月 以 上 の 期 間 を 経 過 した 場 合 ( 当 該 育 児 休 業 をした 教 職 員 が 当 該 育 児 休 業


2 前 項 前 段 の 規 定 にかかわらず 年 俸 制 教 職 員 から 申 し 出 があった 場 合 においては 労 使 協 定 に 基 づき その 者 に 対 する 給 与 の 全 額 又 は 一 部 を 年 俸 制 教 職 員 が 希 望 する 金 融 機 関 等 の 本 人 名 義 の 口

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学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う文部科学省関係省令の整備に関する省令等について(通知)

職 員 の 等 に 関 する 条 例 第 24 条 の 承 認 は 正 規 の 勤 務 時 間 の 始 め 又 は 終 わりにおいて 30 分 を 単 位 として 行 う ものとする 2 育 児 を 原 因 とする 特 別 休 暇 を 承 認 されている 職 員 に 対 する の 承 認 については

4 教 科 に 関 する 調 査 結 果 の 概 況 校 種 学 年 小 学 校 2 年 生 3 年 生 4 年 生 5 年 生 6 年 生 教 科 平 均 到 達 度 目 標 値 差 達 成 率 国 語 77.8% 68.9% 8.9% 79.3% 算 数 92.0% 76.7% 15.3% 94

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国立大学法人 東京医科歯科大学教職員就業規則

公表表紙

Ⅰ 調 査 の 概 要 1 目 的 義 務 教 育 の 機 会 均 等 その 水 準 の 維 持 向 上 の 観 点 から 的 な 児 童 生 徒 の 学 力 や 学 習 状 況 を 把 握 分 析 し 教 育 施 策 の 成 果 課 題 を 検 証 し その 改 善 を 図 るもに 学 校 におけ

[ 組 合 員 期 間 等 の 特 例 ] 組 合 員 期 間 等 については 年 齢 職 種 などにより 過 去 の 制 度 からの 経 過 措 置 が 設 けられ ており 被 用 者 年 制 度 の 加 入 期 間 ( 各 共 済 組 合 の 組 合 員 期 間 など)については 生 年 月 日

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3. 選 任 固 定 資 産 評 価 員 は 固 定 資 産 の 評 価 に 関 する 知 識 及 び 経 験 を 有 する 者 のうちから 市 町 村 長 が 当 該 市 町 村 の 議 会 の 同 意 を 得 て 選 任 する 二 以 上 の 市 町 村 の 長 は 当 該 市 町 村 の 議

鳥 取 国 民 年 金 事 案 177 第 1 委 員 会 の 結 論 申 立 人 の 昭 和 37 年 6 月 から 38 年 3 月 までの 国 民 年 金 保 険 料 については 納 付 していたものと 認 められることから 納 付 記 録 を 訂 正 することが 必 要 である 第 2 申

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第 9 条 の 前 の 見 出 しを 削 り 同 条 に 見 出 しとして ( 部 分 休 業 の 承 認 ) を 付 し 同 条 中 1 日 を 通 じて2 時 間 ( 規 則 で 定 める 育 児 休 暇 を 承 認 されている 職 員 については 2 時 間 から 当 該 育 児 休 暇 の

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1. 企 業 団 体 における 英 語 活 用 状 況 に 関 する 調 査 8 割 以 上 企 業 団 体 が 英 語 を 使 用 図 1 質 問. 貴 では 英 語 を 使 用 する 部 署 部 門 がありますか (1つだけ) (N=681) まず 英 語 を 使 用 する 部 署 部 門 有

4 松 山 市 暴 力 団 排 除 条 の 一 部 風 俗 営 業 等 の 規 制 及 び 業 務 の 適 正 化 等 に 関 する 法 律 等 の 改 正 に 伴 い, 公 共 工 事 から 排 除 する 対 象 者 の 拡 大 等 を 図 るものです 第 30 号 H H28.1

●幼児教育振興法案

平 成 34 年 4 月 1 日 から 平 成 37 年 3 月 31 日 まで 64 歳 第 2 章 労 働 契 約 ( 再 雇 用 希 望 の 申 出 ) 第 3 条 再 雇 用 職 員 として 継 続 して 雇 用 されることを 希 望 する 者 は 定 年 退 職 日 の3か 月 前 まで

( 教 育 職 員 免 許 状 の 取 得 ) 第 9 条 教 育 職 員 免 許 状 ( 幼 稚 園 教 諭 二 種 免 許 状 )を 取 得 しようとする 者 は 教 育 職 員 免 許 法 に 基 づき 別 表 2に 掲 げる を 修 得 しなければならない 2 教 育 職 員 免 許 状 の

第 8 条 本 協 議 会 における 研 修 は 以 下 のとおりとする (1) 座 学 研 修 農 業 講 座 や 先 進 農 家 視 察 など 農 業 経 営 基 礎 講 座 やその 他 担 い 手 のための 研 修 会 等 への 参 加 など 年 24 回 程 度 とする (2) 実 務 研

代 議 員 会 決 議 内 容 についてお 知 らせします さる3 月 4 日 当 基 金 の 代 議 員 会 を 開 催 し 次 の 議 案 が 審 議 され 可 決 承 認 されました 第 1 号 議 案 : 財 政 再 計 算 について ( 概 要 ) 確 定 給 付 企 業 年 金 法 第

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定款


異 議 申 立 人 が 主 張 する 異 議 申 立 ての 理 由 は 異 議 申 立 書 の 記 載 によると おおむね 次 のとおりである 1 処 分 庁 の 名 称 の 非 公 開 について 本 件 審 査 請 求 書 等 について 処 分 庁 を 非 公 開 とする 処 分 は 秋 田 県

2 条 ) ア 育 児 休 業 の 対 象 とならない 職 員 ( 法 第 2 条 及 び 条 例 第 2 条 関 係 ) (ア) 臨 時 的 に 任 用 される 職 員 (イ) 育 児 休 業 に 係 る 期 間 を 任 期 と 定 めて 採 用 された 職 員 (ウ) 勤 務 延 長 職 員 (

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1 育 児 休 業 代 替 任 期 付 職 員 ( 一 般 事 務 職 )とは 育 児 休 業 代 替 任 期 付 職 員 とは 一 般 の 職 員 が 育 児 休 業 を 取 得 した 際 に 代 替 職 員 とし て 勤 務 する 職 員 です 一 般 事 務 職 については 候 補 者 として

件名

様 式 5 平 成 28 年 度 NOSAI 夏 期 臨 床 実 習 事 前 アンケート * 申 込 をした 方 に を 付 けてください スタンダード 編 ステップアップ 編 氏 名 所 属 大 学 学 年 1. NOSAI 夏 期 臨 床 実 習 への 参 加 を 希 望 する 理 由 動 機

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2 出 願 資 格 審 査 前 記 1の 出 願 資 格 (5) 又 は(6) により 出 願 を 希 望 する 者 には, 出 願 に 先 立 ち 出 願 資 格 審 査 を 行 いますので, 次 の 書 類 を 以 下 の 期 間 に 岡 山 大 学 大 学 院 自 然 科 学 研 究 科 等

( 延 納 ) 第 6 条 前 第 5 条 第 1 項 の 期 日 までに 学 費 の 納 入 ができない 者 は 次 の 期 日 までに 延 納 願 いを 提 出 し 許 可 を 得 なければならない 前 期 分 延 納 願 い 4 月 15 日 後 期 分 延 納 願 い 9 月 10 日 2

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とする この 場 合 育 児 休 業 中 の 期 限 付 職 員 が 雇 用 契 約 を 更 新 するに 当 たり 引 き 続 き 育 児 休 業 を 希 望 する 場 合 には 更 新 された 雇 用 契 約 期 間 の 初 日 を 育 児 休 業 開 始 予 定 日 として 育 児 休 業 申

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平 成 27 年 度 大 学 生 の 食 生 活 等 生 活 習 慣 調 査 結 果 1 目 的 平 成 25 年 3 月 に 策 定 された 健 康 日 本 21あいち 新 計 画 の 栄 養 食 生 活 分 野 の 目 標 項 目 では 2~6 歳 代 の 肥 満 者 の 割 合 と2~3 歳

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2 学 校 への 支 援 方 法 CMS(NetCommons)の 操 作 説 明 会 2-1 操 作 説 明 会 平 成 26 年 度 も 学 校 ホームページ 作 成 運 用 における 支 援 となるよう 操 作 説 明 会 を 実 施 した 基 礎 編 としてCMS(NetCommons)の

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東近江行政組合職員の育児休業等に関する条例

3 体 制 整 備 等 (1) 全 ての 特 定 事 業 主 が 共 同 して 取 組 むものとする () 総 務 部 人 事 管 理 室 人 事 課 を 計 画 推 進 の 主 管 課 とし 全 ての 市 職 員 により 推 進 する (3) 実 施 状 況 を 把 握 し 計 画 期 間 中 で

調査結果の概要

年 支 給 開 始 年 齢 図 特 別 支 給 の 老 齢 厚 生 年 ( 給 料 比 例 部 分 ) 昭 和 29 年 10 月 1 日 生 まれ 以 前 ~ 特 別 支 給 の 退 職 共 済 年 老 齢 厚 生 年 昭 和 25 年 10 月 1 日 生 まれ 以 前 ~ 退 職 共 済 年

Ⅰ 平成14年度の状況

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Ⅰ 年 金 制 度 昭 和 37 年 12 月 1 日 に 地 方 公 務 員 等 共 済 組 合 法 が 施 行 され 恩 給 から 年 金 へ 昭 和 61 年 4 月 から 20 歳 以 上 60 歳 未 満 のすべての 国 民 が 国 民 年 金 に 加 入 厚 生 年 金 基 金 職 域

設 問 一 覧 全 員 にお 聞 きします 103 万 円 の 壁 130 万 円 の 壁 について 知 っていますか?...(SA) あなたの 年 収 を 教 えてください...(SA) 年 収 が 103 万 円 以 下 103 万 円 超 130 万 円 以 下 と 答 えた 人 あなたは 年

取 り 消 された 後 当 該 産 前 の 休 業 又 は 出 産 に 係 る 子 若 しくは 同 号 に 規 定 する 承 認 に 係 る 子 が 死 亡 し 又 は 養 子 縁 組 等 により 職 員 と 別 居 することとなったこと (2) 育 児 休 業 をしている 職 員 が 休 職 又

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6 謝金(給与等)

01.活性化計画(上大久保)

(2) 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 保 育 の 必 要 な 子 どものいる 家 庭 だけでなく 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 のために 利 用 者 支 援 事 業 や 地 域 子 育 て 支 援 事 業 な

経 常 収 支 差 引 額 等 の 状 況 平 成 26 年 度 予 算 早 期 集 計 平 成 25 年 度 予 算 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 3,689 億 円 4,597 億 円 908 億 円 減 少 赤 字 組 合 数 1,114 組 合 1,180 組 合 66

厚 生 年 金 は 退 職 後 の 所 得 保 障 を 行 う 制 度 であり 制 度 発 足 時 は 在 職 中 は 年 金 を 支 給 しないこととされていた しかしながら 高 齢 者 は 低 賃 金 の 場 合 が 多 いと いう 実 態 に 鑑 み 在 職 者 にも 支 給 される 特 別

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常 勤 職 員 の 育 児 休 業 の 取 得 率 をみると 5.5% 99.3%となっており 前 年 度 に 比 べ は0.9ポイント は1.2ポイントの 増 加 ( 前 年 度 4.6% 98.1%)となっています 取 得 率 (%) 育 児 休 業 取 得 率 ( 常 勤 職 員 ) 取 得

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社 会 保 障 税 一 体 改 革 ( 年 金 分 野 )の 経 緯 社 会 保 障 税 一 体 改 革 大 綱 (2 月 17 日 閣 議 決 定 ) 国 年 法 等 改 正 法 案 (2 月 10 日 提 出 ) 法 案 を 提 出 する または 法 案 提 出 を 検 討 する と された 事

Ⅰ 平成14年度の状況

16 日本学生支援機構

Ⅰ 平 成 24 年 度 全 国 体 力 運 動 能 力 運 動 習 慣 等 調 査 について 1 調 査 の 概 要 (1) 目 的 子 どもの 体 力 が 低 下 している 状 況 にかんがみ 国 が 全 国 的 な 子 どもの 体 力 の 状 況 を 把 握 分 析 することにより 子 どもの

該 介 護 休 業 が 終 了 する 日 までに, 当 該 介 護 休 業 に 係 る 対 象 家 族 が 死 亡 したとき 又 は 離 婚, 婚 姻 の 取 消, 離 縁 等 により 当 該 介 護 休 業 に 係 る 対 象 家 族 との 親 族 関 係 が 消 滅 した とき (3) 配 偶

( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

ず 第 1 段 階 目 の 選 抜 に 係 る 額 は4,000 円 とし 第 2 段 階 目 の 選 抜 に 係 る 額 は13,000 円 と する 4 第 1 項 に 規 定 する 幼 稚 園 小 学 校 及 び 中 学 校 並 びに 特 別 支 援 学 校 の 小 学 部 中 学 部 及 び

適 一 覧 表 期 間 の 制 限 手 続 き 勤 務 時 間 適 の 可 否 = 適 = 適 外 = 期 間 により 判 断 するもの える 雇 見 込 みが 雇 保 険 労 災 保 険 1 週 間 の 所 定 時 間 教 育 研 究 事 業 を 行 う 官 公 署 が20 時 間 以 上 かつ

東久留米市訓令乙第   号

2 前 項 に 定 める 日 に 支 給 する 給 与 は 総 額 給 与 を12 分 割 した 額 ( 以 下 給 与 月 額 という ) 扶 養 手 当 住 居 手 当 通 勤 手 当 単 身 赴 任 手 当 寒 冷 地 手 当 及 び 業 績 手 当 並 びに 前 月 分 の 超 過 勤 務

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京 都 教 育 大 学 教 育 実 践 研 究 紀 要 第 14 号 2013 51 中 学 校 技 術 家 庭 科 における 栽 培 と 調 理 実 習 の 連 携 の 現 状 京 都 府 の 中 学 校 教 員 への 調 査 から 中 須 晴 南 * 湯 川 夏 子 ** 土 屋 英 男 *** 中 西 洋 子 ** (* 京 都 教 育 大 学 大 学 院 教 育 学 研 究 科 ** 京 都 教 育 大 学 家 政 科 *** 京 都 教 育 大 学 産 業 技 術 科 学 科 ) The Actual Conditions of Cooperation of Plant Culture and Cooking Practice in the Technology and Home Economics Education of Junior High School. -From the Investigation to the Junior High School Teacher in Kyoto Prefecture- Haruna Nakasu Natsuko Yukawa Hideo Tsuchiya Yoko Nakanishi 2013 年 11 月 30 日 受 理 抄 録 : 京 都 府 の 中 学 校 技 術 科 および 家 庭 科 担 当 教 員 を 対 象 に 栽 培 と 調 理 実 習 を 連 携 した 授 業 を 効 果 的 に 行 うための 方 法 を 考 えることを 目 的 としたアンケート 調 査 を 行 った その 結 果 技 術 科 担 当 教 員 は 栽 培 に 関 す る 基 礎 的 な 知 識 を 求 めており 教 員 自 身 の 経 験 不 足 がうかがえた また 家 庭 科 では 授 業 時 数 が 全 体 的 に 少 なく 調 理 実 習 の 時 間 不 足 という 問 題 があった 連 携 については 収 穫 時 期 や 量 が 調 理 実 習 と 合 わないとい う 課 題 も 明 らかになった 連 携 を 行 うにあたっては 栽 培 する 野 菜 を 収 穫 しやすく かつ 一 度 に 多 く 収 穫 でき るものにするとともに 50 分 間 という 短 い 時 間 でも 可 能 な 調 理 実 習 教 材 の 提 案 等 を 行 うことが 必 要 である キーワード: 中 学 校 技 術 家 庭 科 栽 培 調 理 実 習 連 携 Ⅰ.はじめに いつでもどこにいても 食 事 をすることができるような 現 代 において 食 材 のありがたさや 作 ってくれる 人 に 対 する 感 謝 の 気 持 ちが 薄 れつつあるのではないだろうか 家 庭 科 で 食 事 の 重 要 性 や 心 身 の 健 康 については 学 習 する 一 方 で 栽 培 等 の 生 産 体 験 を 行 うことは 難 しいこともあり 感 謝 の 心 についてはさほど 学 習 していないのが 現 状 である この 現 状 の 中 平 成 20 年 の 学 習 指 導 要 領 の 改 訂 により 中 学 校 技 術 家 庭 科 技 術 分 野 において 選 択 で あった 栽 培 の 分 野 が 平 成 24 年 度 から 生 物 育 成 に 関 する 技 術 の 内 容 として 必 修 化 された 1) 家 庭 科 の 調 理 実 習 では 野 菜 を 使 った 料 理 を 取 り 上 げることもできることから 技 術 科 の 栽 培 という 生 産 体 験 と 連 携 を 行 うことで 感 謝 の 気 持 ちを 育 むことができる 他 授 業 内 容 に 関 連 性 を 持 たせ 生 徒 の 意 識 を 高 めることもできる と 考 えられる しかし 学 習 指 導 要 領 には 栽 培 と 調 理 実 習 を 連 携 させるとの 記 載 はなく それぞれ 独 立 して 行 っ ている 学 校 が 多 いことが 考 えられる 家 庭 科 においても 調 理 や 食 事 に 関 する 学 習 は 行 うが 栽 培 や 流 通 廃 棄 を 含 む 食 材 の 循 環 については 学 ぶ 機 会 が 少 ないことが 推 測 される 技 術 科 と 家 庭 科 を 連 携 させることで 食 を 一 つ の 流 れとしてとらえることができ 食 に 関 する 理 解 を 深 めることができるのではないだろうか しかし 技 術 科 の 栽 培 と 家 庭 科 の 調 理 実 習 の 連 携 の 授 業 を 行 うにあたっては 課 題 も 多 いことが 考 えられる そこで 本 研 究 では 栽 培 と 調 理 実 習 を 連 携 した 授 業 を 効 果 的 に 行 うための 方 法 を 考 えることを 目 的 とし 京 都 府 の 中 学 校 教 員 に 対 し アンケート 調 査 を 行 い 技 術 科 および 家 庭 科 担 当 教 員 が 栽 培 や 調 理 実 習 を 行 うにあたり 考 慮 していることや 連 携 に 対 する 意 識 について 明 らかにする Ⅱ. 調 査 概 要 1. 調 査 方 法 2012 年 9 月 ~10 月 に 京 都 府 下 の 全 中 学 校 ( 国 立 公 立 私 立 ) 計 199 校 の 技 術 科 および 家 庭 科 担 当 教 員 を 対 象 に 自 記 式 質 問 紙 による 調 査 を 行 った 調 査 票 は 技 術 科 1 部 家 庭 科 1 部 の 計 2 部 を 送 付 した 回 答 は 質

52 京 都 教 育 大 学 教 育 実 践 研 究 紀 要 第 14 号 問 紙 郵 送 法 の 他 電 子 メールも 併 用 した また 調 査 を 行 うにあたり 京 都 府 及 び 京 都 市 の 技 術 家 庭 科 指 導 主 事 の 方 を 通 じて 協 力 要 請 を 行 った 有 効 回 答 数 及 び 有 効 回 収 率 はそれぞれ 技 術 科 61 部 (30.7%) 家 庭 科 56 部 (28.1%)であった 2. 調 査 項 目 アンケートの 内 容 は 1. 回 答 者 の 属 性 2. 技 術 分 野 C 生 物 育 成 に 関 する 技 術 の 内 容 3. 家 庭 分 野 B 食 生 活 と 自 立 の 内 容 4. 生 物 育 成 または 調 理 実 習 を 行 うにあたっての 希 望 5. 技 術 分 野 ( 栽 培 )と 家 庭 分 野 ( 調 理 実 習 )の 連 携 とした Ⅲ. 調 査 結 果 1. 回 答 者 の 属 性 回 答 者 の 内 訳 を 表 1 に 示 す 技 術 科 担 当 教 員 61 名 ( 男 性 58 名 女 性 3 名 ) 家 庭 科 担 当 教 員 56 名 ( 男 性 2 名 女 性 54 名 )であり 性 別 の 差 が 顕 著 であった 年 齢 構 成 は 40~50 歳 代 の 教 員 が 多 く 全 体 の 6~7 割 を 占 めていた 7 割 以 上 の 雇 用 形 態 は 教 諭 であったが 1 割 を 超 える 教 員 が 臨 時 の 教 員 免 許 で 技 術 科 または 家 庭 科 を 担 当 していた 2 割 を 超 える 教 員 は 複 数 校 勤 務 をしており 他 教 科 の 兼 務 をしている 教 員 も 技 術 科 は 15 名 家 庭 科 は 10 名 と 多 かった 表 1 教 員 及 び 勤 務 校 技 術 家 庭 技 術 家 庭 性 別 男 性 58 2 教 員 免 許 専 修 7 3 女 性 3 54 一 種 32 36 年 齢 20 代 30 代 40 代 50 代 60 代 以 上 無 回 答 4 8 18 27 3 1 雇 用 形 態 教 諭 52 再 任 用 教 諭 2 常 勤 講 師 1 非 常 勤 講 師 5 1 8 11 二 種 臨 時 12 10 9 8 21 勤 務 学 校 数 1 校 45 42 15 複 数 校 16 14 0 1 40 0 4 10 2 他 教 科 兼 務 の 有 無 あり なし 無 回 答 15 44 2 10 41 5 計 61 56 2. 技 術 分 野 C 生 物 育 成 に 関 する 技 術 の 内 容 技 術 科 担 当 教 員 に C 生 物 育 成 に 関 する 技 術 の 栽 培 に 関 する 内 容 について 尋 ねた (1) 生 物 育 成 の 作 物 とその 種 類 表 2 生 物 育 成 において 扱 う 作 物 ( 校 ) 生 物 育 成 の 実 習 で 扱 う 作 物 について 尋 ねたところ 京 都 府 の 中 学 校 生 物 育 成 の 作 物 学 校 数 においては 動 物 や 水 産 生 物 の 扱 いはほとんどなく 多 くの 学 校 で 野 菜 や 花 の 栽 培 実 習 を 行 っていた 特 に 8 割 を 超 える 学 校 においては 野 野 菜 48 菜 の 栽 培 をしていた( 表 2) 野 菜 と 花 3 花 4 未 定 無 記 入 6 計 61

中 学 校 技 術 家 庭 科 における 栽 培 と 調 理 実 習 の 連 携 の 現 状 53 栽 培 実 習 において 育 てている 野 菜 は サツマイモとトマト ミニトマトが 12 校 と 最 も 多 く 次 いで 大 根 水 菜 という 順 に 多 かった( 図 1) 技 術 科 の 教 科 書 に 栽 培 例 として 掲 載 されていないシシトウ 等 の 野 菜 も 多 くみら れ 多 種 多 様 な 野 菜 が 育 てられていた また 小 学 校 で 育 てられることの 多 いトマトやオクラ 等 の 野 菜 もみられ 必 ずしも 小 学 校 と 中 学 校 で 育 てる 野 菜 が 区 別 されている 訳 ではなかった 水 菜 や 万 願 寺 トウガラシといった 京 都 の 伝 統 的 な 野 菜 も 育 てられており 地 域 の 野 菜 について 学 ばせている 学 校 のあることがうかがえた サツマイモ トマト ミニトマト 大 根 ハツカ 大 根 水 菜 ゴーヤ ピーマン 万 願 寺 トウガラシ シシトウ レタス サニーレタス リーフレタス キュウリ ジャガイモ ナス スプラウト タマネギ n=51 オクラ 図 1 栽 培 をしている 野 菜 の 種 類 ( 複 数 回 答 ) 0 2 4 6 8 10 12 14 ( 校 ) (2) 野 菜 及 び 花 の 収 穫 後 の 扱 い 方 栽 培 実 習 を 行 った 野 菜 及 び 花 の 収 穫 後 の 対 応 は 多 くの 学 校 は 家 に 持 って 帰 らせていた( 図 2) また 家 庭 科 の 調 理 実 習 や 技 術 科 の 時 間 に 食 べる 等 の 対 応 をしている 学 校 も 多 い 野 菜 は 家 に 持 ち 帰 った 後 おそらく 調 理 をしているとみられ 野 菜 を 栽 培 した 場 合 は 何 らかの 形 で 食 べる という 対 応 をしている 学 校 が 多 いよう である 家 に 持 って 帰 らせる 家 庭 科 の 調 理 実 習 で 使 用 する 技 術 科 の 授 業 時 間 に 食 べる 特 に 何 もしない n=61 0 10 20 30 40 野 菜 野 菜 と 花 花 未 定 無 記 入 ( 校 ) ( 校 ) 図 2 野 菜 及 び 花 の 収 穫 後 の 扱 い 方 ( 複 数 回 答 ) (3) 栽 培 実 習 の 題 材 を 決 める 際 に 考 慮 すること 栽 培 実 習 を 行 う 場 合 に 問 題 課 題 であると 思 われること 栽 培 実 習 の 題 材 を 決 める 際 6 割 近 くの 教 員 が 育 成 が 容 易 栽 培 場 所 の 準 備 ができる 生 徒 が 取 り 組 み やすい ということを 考 慮 していることが 分 かった( 図 3) 必 修 化 して 間 もないということもあり 簡 単 にで きるものや 栽 培 場 所 に 重 点 をおいている 傾 向 がみられた 調 理 実 習 に 使 用 できる ことを 考 慮 している 教 員 は 少 なかったが 連 携 をするとなると 調 理 実 習 のことも 考 慮 して 題 材 を 選 択 する 必 要 性 があるだろう 栽 培 実 習 を 行 う 場 合 の 問 題 課 題 は 評 価 の 方 法 が 一 番 多 く 次 いで 栽 培 場 所 がない 天 候 管 理 ができない 手 間 がかかる ということが 挙 げられた( 図 4) 実 習 全 般 において 問 題 となる 評 価 方 法 の 他 栽 培 実 習 を 行 うにあたっては 栽 培 の 場 所 や 管 理 方 法 が 問 題 となっているようである

54 京 都 教 育 大 学 教 育 実 践 研 究 紀 要 第 14 号 育 成 が 容 易 栽 培 場 所 の 準 備 ができる 生 徒 が 取 り 組 みやすい 費 用 が 安 く 済 む 生 徒 の 興 味 関 心 を 得 やすい 指 導 要 領 に 準 拠 している 短 期 間 でできる 家 でも 育 てられそう 調 理 実 習 に 使 用 できる 長 期 休 暇 も 扱 いやすい 学 習 内 容 が 多 い 学 年 の 学 習 度 に 合 っている 教 科 書 に 載 っている 生 徒 の 生 物 育 成 技 術 があがる 環 境 に 配 慮 している 他 の 分 野 との 兼 ね 合 い n=61 0 10 20 30 40 50 図 3 栽 培 実 習 の 題 材 を 決 める 際 に 考 慮 すること( 技 術 分 野 )( 複 数 回 答 ) 評 価 の 方 法 栽 培 場 所 がない 天 候 管 理 ができない 手 間 がかかる 1 回 の 授 業 あたりの 時 間 想 定 外 のトラブルへの 対 応 費 用 の 問 題 授 業 時 間 数 育 て 方 が 分 からない 生 徒 の 授 業 態 度 教 科 書 や 指 導 要 領 の 情 報 不 足 教 員 数 材 料 の 調 達 が 困 難 生 徒 の 生 物 育 成 技 術 の 実 態 学 校 や 文 部 科 学 省 の 方 針 n=61 0 10 20 30 40 図 4 栽 培 実 習 を 行 う 場 合 に 問 題 課 題 であると 思 われること( 技 術 分 野 )( 複 数 回 答 ) (4) 生 物 育 成 の 授 業 を 行 うにあたり 欲 しい 情 報 生 物 育 成 の 授 業 を 行 うにあたり 欲 しい 情 報 は 中 学 生 に 適 した 教 材 が 一 番 多 く(31 名 ) 次 いで 基 本 的 な 育 て 方 (29 名 ) 病 気 害 虫 への 対 応 (26 名 ) 土 の 管 理 方 法 (25 名 )であった 生 物 育 成 が 必 修 化 され て 1 年 目 だったこともあり 栽 培 に 関 する 基 礎 的 な 情 報 を 希 望 する 教 員 が 多 かった 3. 家 庭 分 野 B 食 生 活 と 自 立 の 内 容 家 庭 科 担 当 教 員 に 家 庭 分 野 B 食 生 活 と 自 立 の 調 理 実 習 に 関 する 内 容 について 尋 ねた (1) B 食 生 活 と 自 立 の 授 業 時 間 数 と 1 回 あたりの 調 理 実 習 時 間 B 食 生 活 と 自 立 の 授 業 時 間 数 は 21~30 時 間 が 23 校 と 最 も 多 く 次 いで 31 時 間 以 上 (19 校 )が 多 かっ た 1 回 あたりの 調 理 実 習 時 間 は 約 6 割 の 学 校 (34 校 )で 50 分 以 内 という 現 状 であった 1 時 間 の 授 業 の 中 で 調 理 実 習 を 行 っている 学 校 が 多 いようである

中 学 校 技 術 家 庭 科 における 栽 培 と 調 理 実 習 の 連 携 の 現 状 55 (2) 調 理 実 習 で 使 用 する 野 菜 について 学 ばせること 調 理 実 習 で 使 用 する 野 菜 について 学 ばせることは 教 科 書 でも 取 り 上 げられている 調 理 性 や 栄 養 価 が 多 く 次 いで 旬 や 生 産 地 という 順 であった( 図 5) 栽 培 や 流 通 の 過 程 について 学 ばせている 教 員 は 少 なかった 調 理 性 栄 養 価 旬 生 産 地 栽 培 の 過 程 流 通 の 過 程 n=56 図 5 調 理 実 習 で 使 用 する 野 菜 について 学 ばせること( 複 数 回 答 ) (3) 調 理 実 習 の 題 材 を 決 める 際 に 考 慮 すること 調 理 実 習 を 行 う 場 合 に 問 題 課 題 であると 思 われること 調 理 実 習 の 題 材 を 決 める 際 には 7 割 を 超 える 教 員 が 生 徒 が 取 り 組 みやすい 短 時 間 でできる 家 でも 作 れそう ということを 考 慮 していた( 図 6) 授 業 の 一 時 間 の 中 で 作 ることができ かつ 生 徒 が 日 常 生 活 でも 活 用 できるということに 重 点 を 置 いているようである 実 習 の 問 題 や 課 題 は 準 備 後 片 付 けの 時 間 不 足 や 調 理 の 時 間 不 足 授 業 時 間 数 という 回 答 が 多 かった( 図 7) 学 ばせる 内 容 は 多 いにもかかわらず 時 間 数 が 少 ないという 教 科 の 問 題 が 明 らかになった 生 徒 が 取 り 組 みやすい 短 時 間 でできる 家 でも 作 れそう 生 徒 の 興 味 関 心 を 得 やすい 味 がおいしい 材 料 が 用 意 しやすい 指 導 要 領 に 準 拠 している 学 習 できる 内 容 が 多 い 生 徒 の 調 理 技 術 があがる 教 科 書 に 載 っている 費 用 が 安 く 済 む 学 年 の 学 習 度 に 合 っている 環 境 に 配 慮 している 他 の 分 野 との 兼 ね 合 い 小 学 校 の 復 習 を 兼 ねている 0 10 20 30 40 50 図 6 調 理 実 習 の 題 材 を 決 める 際 に 考 慮 すること( 家 庭 分 野 )( 複 数 回 答 ) n=56 準 備 後 片 付 けの 時 間 不 足 調 理 の 時 間 不 足 授 業 時 間 数 評 価 の 方 法 給 食 との 兼 ね 合 い 教 員 数 設 備 や 器 具 が 不 十 分 衛 生 面 ( 食 中 毒 など) 危 険 性 ( 事 故 や 怪 我 ) 生 徒 の 調 理 技 術 の 実 態 費 用 の 問 題 材 料 の 調 達 が 困 難 生 徒 の 授 業 態 度 班 の 人 数 想 定 外 のトラブルへの 対 応 学 校 や 文 部 科 学 省 の 方 針 n=56 0 10 20 30 40 図 7 調 理 実 習 を 行 う 場 合 に 問 題 課 題 であると 思 われること( 家 庭 分 野 )( 複 数 回 答 )

56 京 都 教 育 大 学 教 育 実 践 研 究 紀 要 第 14 号 (4) 調 理 実 習 の 授 業 を 行 うにあたり 欲 しい 情 報 調 理 実 習 の 授 業 を 行 うにあたり 欲 しい 情 報 は 50 分 以 内 にできるレシピ (39 名 )や 簡 単 なレシピ (27 名 ) が 挙 げられた 授 業 時 間 数 が 少 ないと 感 じている 教 員 が 多 いことから 短 時 間 でできる 簡 単 なレシピを 多 く 希 望 していた 地 域 の 食 文 化 について も 多 く(31 名 ) 地 域 の 食 材 を 用 いた 調 理 実 習 の 内 容 も 求 められていた 4. 生 物 育 成 または 調 理 実 習 を 行 うにあたっての 希 望 技 術 科 担 当 教 員 には 生 物 育 成 について 家 庭 科 担 当 教 員 には 調 理 実 習 について 授 業 を 行 うにあたり 希 望 する ことを 尋 ねたところ 多 くの 教 員 が 教 材 の 充 実 や 研 修 会 の 充 実 を 希 望 していた( 図 8) 教 育 現 場 で 実 践 しやすい 教 材 を 提 案 していくとともに 教 員 自 身 の 研 修 会 も 充 実 させる 必 要 性 があるようである 技 術 科 と 家 庭 科 の 教 員 で 希 望 することに 差 もみられた 技 術 科 の 教 員 は 専 門 家 との 交 流 や 連 携 家 庭 科 の 教 員 は 外 部 講 師 の 派 遣 や 授 業 時 数 を 増 やす ことの 希 望 が 特 に 多 く それぞれ 有 意 差 もみられた ここでも 家 庭 科 の 教 員 は 授 業 時 数 を 増 やすことを 希 望 しており 教 科 としての 問 題 が 明 らかになった 教 材 の 充 実 研 修 会 の 充 実 専 門 家 との 交 流 連 携 外 部 講 師 の 派 遣 他 学 校 の 教 員 との 交 流 会 授 業 時 数 を 増 やす ネットの 情 報 の 充 実 書 籍 の 内 容 の 充 実 *p<0.05 **p<0.01 ***p<0.001 0 10 20 30 技 術 (n=61) 家 庭 (n=56) 図 8 生 物 育 成 または 調 理 実 習 を 行 うにあたり 希 望 すること( 複 数 回 答 ) 5. 技 術 分 野 ( 栽 培 )と 家 庭 分 野 ( 調 理 実 習 )の 連 携 技 術 科 及 び 家 庭 科 担 当 教 員 に 栽 培 と 調 理 実 習 の 連 携 について 尋 ねた (1) 栽 培 と 調 理 実 習 を 連 携 した 授 業 をしているか 栽 培 と 調 理 実 習 を 連 携 した 授 業 は 2 割 を 超 える 学 校 で 行 われていた( 図 9) また してみたいと 思 っている が 課 題 も 多 く 実 践 に 至 っていない 学 校 もあることが 分 かった 連 携 の 内 容 は サツマイモを 育 てて 大 学 いもやスイートポテトを 作 る 水 菜 を 育 ててギョウザやおやきを 作 る というような 連 携 の 他 緑 のカーテンのできるゴーヤを 取 り 入 れた 連 携 をしている 学 校 もあった 連 携 には イ モ 類 や 葉 野 菜 といった 育 てやすく 一 度 に 多 く 収 穫 できる 野 菜 を 用 いているようであった している 予 定 はあるがしていない 予 定 はないがしてみたい 技 術 (n=61) 家 庭 (n=56) していない 0 5 10 15 20 25 図 9 栽 培 と 調 理 実 習 を 連 携 した 授 業 をしているか

中 学 校 技 術 家 庭 科 における 栽 培 と 調 理 実 習 の 連 携 の 現 状 57 (2) 自 分 で 栽 培 したものを 自 分 で 調 理 して 食 べるという 授 業 で 生 徒 自 身 が 習 得 することができると 思 うこと 自 分 で 栽 培 したものを 自 分 で 調 理 して 食 べるという 授 業 で 生 徒 自 身 が 習 得 することができると 思 うことは 栽 培 の 達 成 感 生 産 から 消 費 までの 一 連 の 流 れ は 技 術 科 の 教 員 が 多 く 食 べ 物 に 対 する 感 謝 の 気 持 ち 食 材 や 料 理 を 作 ってくれている 人 に 対 する 感 謝 の 気 持 ち は 家 庭 科 の 教 員 が 多 く 回 答 していた( 図 10) 特 に 食 材 や 料 理 を 作 ってくれている 人 に 対 する 感 謝 の 気 持 ち は 技 術 科 と 家 庭 科 の 教 員 で 有 意 差 がみられ 家 庭 科 の 方 が 高 かった このように 技 術 科 の 教 員 は 野 菜 に 関 すること 家 庭 科 の 教 員 は 感 謝 の 気 持 ち というよ うに 生 徒 が 習 得 できると 思 うことに 差 がみられた このことから 教 員 が 授 業 を 行 う 際 に 重 視 している 点 も 技 術 科 と 家 庭 科 では 異 なることが 考 えられるため それぞれの 教 科 の 特 徴 を 活 かした 連 携 ができると 考 えられる 栽 培 の 達 成 感 生 産 から 消 費 までの 一 連 の 流 れ 食 べ 物 に 対 する 感 謝 の 気 持 ち 食 材 や 料 理 を 作 ってくれている 人 に 対 する 感 謝 の 気 持 ち 持 続 可 能 な 社 会 の 視 点 ***p<0.001 技 術 (n=61) 家 庭 (n=56) 無 回 答 0 10 20 30 40 50 図 10 自 分 で 栽 培 したものを 自 分 で 調 理 して 食 べるという 授 業 で 生 徒 自 身 が 習 得 することができると 思 うこと( 複 数 回 答 ) (3) 栽 培 と 調 理 実 習 の 連 携 を 行 うことでよいと 思 うこと 栽 培 と 調 理 実 習 の 連 携 を 行 うことでよいと 思 うことは 技 術 科 と 家 庭 科 の 内 容 を 関 連 付 けることができる が 最 も 多 い 結 果 となった( 図 11) 内 容 を 関 連 付 けることで 断 片 的 な 学 習 を 一 連 の 流 れとして 総 合 的 に 学 ぶこ とができるようになることが 考 えられる 次 いで 生 徒 が 意 欲 的 に 取 り 組 むことができる 一 連 の 流 れをつ かむことができる が 続 いた 技 術 科 と 家 庭 科 はつなげることのできる 内 容 も 多 いことから うまく 連 携 するこ とでより 深 い 学 習 へとなっていくことが 考 えられる 技 術 科 と 家 庭 科 の 内 容 を 関 係 づけることができる 生 徒 が 意 欲 的 に 取 り 組 むことができる 一 連 の 流 れを つかむことができる 授 業 時 数 を 有 効 に 活 用 できる 費 用 を 抑 えることができる 教 員 の 負 担 が 減 る ***p<0.001 技 術 (n=61) 家 庭 (n=56) 評 価 がしやすくなる 0 10 20 30 40 50 60 図 11 栽 培 と 調 理 実 習 の 連 携 を 行 うことでよいと 思 うこと( 複 数 回 答 )

58 京 都 教 育 大 学 教 育 実 践 研 究 紀 要 第 14 号 (4) 栽 培 と 調 理 実 習 の 連 携 を 行 うにあたり 問 題 課 題 と 思 うこと 連 携 の 問 題 や 課 題 点 としては 収 穫 時 期 や 量 が 調 理 実 習 と 合 わない が 技 術 科 は 39 名 家 庭 科 は 36 名 と 圧 倒 的 に 多 い 結 果 となった( 図 12) 調 理 実 習 の 時 期 に 収 穫 できるか 分 からないことや 調 理 実 習 に 必 要 な 量 が 収 穫 できるか 分 からないことは 自 然 のものを 扱 う 以 上 避 けられない 問 題 である 授 業 時 数 の 分 担 が 難 しい ことや 教 員 同 士 の 話 し 合 いの 時 間 がとれない といった 問 題 も 多 く 挙 げられたが まずは 特 に 多 かった 収 穫 時 期 や 量 という 問 題 を 解 決 することで 連 携 がしやすくなるとも 考 えられる 収 穫 時 期 量 が 調 理 実 習 と 合 わない 授 業 時 数 の 分 担 が 難 しい 教 員 同 士 の 話 し 合 いの 時 間 がとれない 技 術 ( 家 庭 ) 分 野 の 内 容 が あまり 分 からない 来 年 度 への 引 き 継 ぎが 難 しい 教 員 の 負 担 が 大 きい 技 術 (n=61) 家 庭 (n=56) 評 価 がしにくい 費 用 の 問 題 0 10 20 30 40 50 図 12 栽 培 と 調 理 実 習 の 連 携 を 行 うにあたり 問 題 課 題 と 思 うこと( 複 数 回 答 ) Ⅳ. 考 察 1. 技 術 分 野 C 生 物 育 成 に 関 する 技 術 について C 生 物 育 成 に 関 する 技 術 の 実 習 は 8 割 を 超 える 学 校 で 野 菜 の 栽 培 をしていた 野 菜 は 動 物 に 比 べ 教 材 としても 扱 いやすいため 多 くの 学 校 で 野 菜 を 育 てられているのだろう 題 材 を 決 める 際 に 調 理 実 習 に 使 用 で きる ことを 考 慮 している 教 員 は 少 なかったが 実 際 に 育 てている 野 菜 は サツマイモ トマト ミニトマト 大 根 水 菜 等 調 理 実 習 に 使 用 できるものが 多 かった これらの 野 菜 について 収 穫 後 は 多 くの 学 校 が 家 に 持 っ て 帰 らせる 対 応 をとっていたが 家 庭 科 の 調 理 実 習 で 使 用 している 学 校 もあった 連 携 を 行 うにあたっては 連 携 のために 栽 培 する 野 菜 を 新 たに 教 材 開 発 するのではなく 現 在 育 てている 野 菜 をそのまま 活 用 し 調 理 実 習 で 使 用 することで 栽 培 と 調 理 実 習 の 連 携 につなげていくこともできると 考 えられる 栽 培 実 習 を 行 う 場 合 の 問 題 課 題 には 管 理 ができない 手 間 がかかる という 栽 培 自 体 に 否 定 的 な 意 見 も 挙 げられた また 授 業 を 行 うにあたり 専 門 家 との 交 流 連 携 の 希 望 が 特 に 多 かったことや 欲 しい 情 報 に 基 本 的 な 育 て 方 病 気 害 虫 への 対 応 土 の 管 理 方 法 等 の 栽 培 に 関 する 基 礎 的 な 情 報 を 求 める 教 員 が 多 かったことは 栽 培 に 関 する 教 員 の 経 験 不 足 を 顕 著 に 表 しているだろう 稲 葉 らが 行 った 茨 城 県 の 技 術 科 担 当 教 員 を 対 象 とした 調 査 では 37.1%の 教 員 が 栽 培 をほとんどもしくは 全 く 扱 ったことがないと 回 答 していた 上 多 くの 教 員 が 生 物 育 成 の 教 育 を 難 しい と 回 答 していた 2) また 1 割 を 超 える 教 員 が 臨 時 の 教 員 免 許 で 授 業 を 担 当 していることや 2 割 を 超 える 教 員 が 他 教 科 の 兼 務 をしているという 現 状 から 技 術 科 の 専 門 性 に 欠 けている 教 員 が 多 いのかもしれない 栽 培 が 必 修 になった 時 期 が 最 近 であることや 教 員 が 基 礎 的 な 知 識 を 求 めていること 等 から 教 員 自 身 の 栽 培 経 験 が 不 足 している 現 状 がうかがえたため 栽 培 する 野 菜 は 手 間 も 少 なく 育 てやすい 野 菜 にするとよいことが 考 えられた

中 学 校 技 術 家 庭 科 における 栽 培 と 調 理 実 習 の 連 携 の 現 状 59 2. 家 庭 分 野 B 食 生 活 と 自 立 について B 食 生 活 と 自 立 に 割 く 授 業 時 間 数 は 21~30 時 間 が 最 も 多 く 次 いで 31 時 間 以 上 が 多 かった 山 梨 県 の 中 学 校 を 対 象 とした 調 査 でも 家 庭 科 の 食 生 活 領 域 の 授 業 時 数 の 平 均 は 34.5 時 間 であった 3) この 結 果 は 家 庭 科 の 授 業 時 間 数 が 3 年 間 を 通 して 87.5 時 間 ( 技 術 家 庭 科 全 175 時 間 の 半 数 )であることを 考 えると 他 の 領 域 に 比 べて 食 生 活 領 域 に 割 いている 時 間 は 多 いようである それにもかかわらず 調 理 実 習 を 行 うにあたって の 希 望 は 授 業 時 数 を 増 やす ことが 特 に 多 く 調 理 実 習 を 行 う 場 合 の 問 題 課 題 も 準 備 後 片 付 けの 時 間 不 足 や 調 理 の 時 間 不 足 授 業 時 間 数 という 回 答 が 多 かった 前 田 らの 三 重 県 の 中 学 校 を 対 象 とした 調 査 では 調 理 実 習 の 回 数 を 少 ないと 感 じている 教 員 が 多 く その 原 因 として 家 庭 科 の 年 間 授 業 時 数 が 少 ないことが 挙 げられていた 4) 授 業 時 数 が 全 体 的 に 不 足 している 現 状 は 家 庭 科 の 教 科 としての 問 題 であろう また 伊 藤 らの 揚 げ 調 理 の 実 態 調 査 では 中 等 教 育 の 調 理 実 習 で 揚 げ 調 理 を 行 う 際 の 問 題 点 について 準 備 片 付 けの 時 間 不 足 や 調 理 時 間 の 不 足 等 時 間 的 制 限 に 関 する 回 答 が 多 くみられた 5) 調 理 実 習 を 行 うにあたり 欲 しい 情 報 では 50 分 以 内 にできるレシピ や 簡 単 なレシピ が 挙 げられており 調 理 実 習 時 間 が 少 ないと 感 じている 教 員 が 多 い ようであった 授 業 時 間 数 の 不 足 は 調 理 実 習 自 体 の 時 間 不 足 にも 関 わっているのだろう また 家 庭 科 教 員 の 実 態 は 2 割 弱 の 教 員 が 他 教 科 を 兼 務 していた 家 庭 科 以 外 の 教 科 を 兼 務 している 教 員 が 鹿 児 島 県 では 約 5 割 であっ たことと 比 較 すると 6) 京 都 府 のこの 割 合 は 少 ないが 調 理 実 習 の 準 備 は 他 教 科 を 兼 務 している 教 員 にとっては 特 に 負 担 となっていることも 考 えられた 家 庭 科 の 授 業 時 間 数 が 少 ないがゆえに 調 理 実 習 の 時 間 も 不 足 している 現 状 において 調 理 実 習 を 準 備 から 後 片 付 けを 含 め 50 分 間 で 行 うことは 教 員 にとっては 大 きな 課 題 となっていることから この 問 題 を 解 決 できる ような 調 理 実 習 教 材 を 開 発 することが 必 要 であることが 分 かった 3. 栽 培 と 調 理 実 習 の 連 携 について 栽 培 と 調 理 実 習 の 連 携 を 行 うことでよいと 思 うことは 技 術 科 と 家 庭 科 の 内 容 を 関 連 付 けることができる が 最 も 多 く 次 いで 生 徒 が 意 欲 的 に 取 り 組 むことができる 一 連 の 流 れをつかむことができる と 続 いた 阿 部 らは 生 物 育 成 が 授 業 時 間 数 や 教 員 の 知 識 経 験 不 足 によって 育 てる のみの 経 験 主 義 的 な 内 容 に 終 始 してしまう 可 能 性 を 指 摘 している 7) 連 携 を 行 う 際 にも 栽 培 した 野 菜 を 調 理 することだけを 目 指 すのではなく 栽 培 技 術 や 社 会 との 関 わり 栽 培 する 作 物 の 循 環 等 についても 学 ばせることで 栽 培 と 調 理 実 習 の 連 携 も 意 義 の あるものとなることが 考 えられる また 藤 川 はオーセンティック( 真 正 の 評 価 )を 高 めるクロスカリキュラム として 技 術 科 の 栽 培 と 家 庭 科 の 調 理 実 習 の 連 携 を 挙 げている 8) この 連 携 を 行 うことで 学 んだ 知 識 や 技 能 を 実 感 を 伴 って 身 に 付 けることができ 生 徒 は 収 穫 の 喜 びや 達 成 感 をより 深 く 感 じることができると 報 告 している 栽 培 と 調 理 実 習 の 連 携 を 行 うことで 内 容 を 関 連 付 けたり 生 徒 の 意 欲 を 高 めたりできるため 生 徒 の 学 習 がよ り 深 まることが 考 えられた 技 術 分 野 の 栽 培 実 習 では 水 菜 や 万 願 寺 トウガラシといった 京 都 の 伝 統 的 な 野 菜 もみられた 京 野 菜 は 家 庭 分 野 の 地 域 の 食 材 を 生 かした 調 理 の 内 容 と 関 連 付 けることが 期 待 できる しかし 地 域 の 食 文 化 について の 情 報 を 求 めている 家 庭 科 の 教 員 も 多 く 情 報 が 不 足 している 現 状 も 考 えられた 前 田 らの 三 重 県 の 中 学 校 を 対 象 とした 調 査 では 今 後 取 り 組 みたい 献 立 として 地 産 地 消 や 伝 統 食 をとりいれた 料 理 が 最 も 多 い 結 果 であり 4) 地 域 の 食 文 化 に 関 する 内 容 をより 充 実 させることの 必 要 性 がうかがえた しかし 連 携 を 行 うにあたっては 問 題 や 課 題 点 も 挙 げられ 特 に 収 穫 時 期 や 量 が 調 理 実 習 と 合 わないこと が 圧 倒 的 に 多 かった そのため この 課 題 を 解 決 できる 連 携 教 材 を 開 発 する 必 要 がある なお 調 理 実 習 で 使 用 する 野 菜 について 学 ばせることは 教 科 書 でも 取 り 上 げられている 調 理 性 や 栄 養 価 が 多 く 次 いで 旬 や 生 産 地 という 順 番 であり 栽 培 や 流 通 の 過 程 について 学 ばせている 学 校 は 少 なかった 栽 培 や 流 通 の 過 程 については 技 術 分 野 で 学 ばせることもできるため 重 複 する 学 習 領 域 についてはどの 内 容 を 技 術 分 野 または 家 庭 分 野 で 学 ばせるかについて 考 える 必 要 もあるだろう

60 京 都 教 育 大 学 教 育 実 践 研 究 紀 要 第 14 号 Ⅴ.おわりに 栽 培 と 調 理 実 習 の 連 携 を 行 うにあたり 京 都 府 の 中 学 校 技 術 家 庭 科 に 関 する 調 査 から 明 らかになったこ とは 以 下 の 3 点 である 1. 技 術 分 野 C 生 物 育 成 に 関 する 技 術 について 生 物 育 成 の 実 習 では 8 割 を 超 える 学 校 で 野 菜 を 育 てられていた しかし 栽 培 を 行 う 場 合 の 問 題 や 課 題 と して 栽 培 の 技 術 に 関 することが 多 く 挙 げられた 他 栽 培 に 関 する 基 礎 的 な 知 識 を 求 めており 教 員 自 身 の 経 験 不 足 がうかがえた そのため 栽 培 する 野 菜 は 手 間 も 少 なく 育 てやすい 野 菜 にするとよいことが 考 えられた 2. 家 庭 分 野 B 食 生 活 と 自 立 について 他 の 領 域 に 比 べて 食 生 活 領 域 にあてている 時 間 が 多 いにもかかわらず 家 庭 科 の 授 業 時 数 が 全 体 的 に 不 足 して おり 調 理 実 習 においても 時 間 が 足 りないという 問 題 があることが 分 かった 調 理 実 習 を 行 うにあたり 欲 しい 情 報 としても 50 分 以 内 にできるレシピ や 簡 単 なレシピ が 挙 げられており 授 業 時 間 数 が 少 ないと 感 じて いる 教 員 が 多 かった そのため 時 間 不 足 を 解 決 できる 短 時 間 でできる 簡 単 なレシピ 等 の 調 理 実 習 教 材 を 開 発 することが 必 要 である 3. 栽 培 と 調 理 実 習 の 連 携 について 栽 培 と 調 理 実 習 の 連 携 を 行 うことで 技 術 科 と 家 庭 科 の 内 容 を 関 連 付 けることができ 生 徒 の 学 習 がより 深 まる ことが 考 えられた 京 都 は 京 野 菜 という 京 都 の 伝 統 的 な 野 菜 もあるため 京 野 菜 を 栽 培 することで 家 庭 分 野 の 地 域 の 食 材 を 生 かした 調 理 の 内 容 とも 関 連 付 けることができると 考 えられた しかし 収 穫 時 期 や 量 が 調 理 実 習 と 合 わないという 課 題 も 浮 き 彫 りになったことから この 問 題 を 解 決 できる 連 携 教 材 を 開 発 する 必 要 が ある そのため 栽 培 する 野 菜 を 収 穫 しやすく かつ 一 度 に 多 く 収 穫 できるものにするとともに 50 分 間 とい う 短 い 時 間 でも 可 能 な 調 理 実 習 内 容 を 考 えることで 解 決 できると 考 える そして これらの 課 題 を 解 消 しつつ 生 徒 の 学 びがより 深 まるような 栽 培 と 調 理 実 習 を 連 携 した 教 材 の 提 案 等 を 行 うことが 必 要 である 参 考 文 献 1) 文 部 科 学 省 (2008), 中 学 校 学 習 指 導 要 領 解 説 技 術 家 庭 編, 教 育 図 書 2) 稲 葉 健 五 (2011), 学 習 指 導 要 領 の 改 訂 に 伴 う 生 物 育 成 技 術 の 扱 いについて 中 学 校 技 術 科 担 当 教 員 に 対 する アンケート 調 査, 茨 城 大 学 教 育 実 践 研 究 30,67-75 3) 時 友 裕 紀 子 井 上 由 美 子 (2009), 山 梨 県 中 学 校 家 庭 科 における 調 理 実 習 の 学 習 に 関 する 調 査 研 究, 山 梨 大 学 教 育 人 間 科 学 部 紀 要 11,144-151 4) 前 田 紀 夫 磯 部 由 香 平 島 円 吉 本 敏 子 (2012), 三 重 県 の 中 学 校 技 術 家 庭 における 調 理 実 習 の 現 状, 三 重 大 学 教 育 学 部 研 究 紀 要 63,167-171 5) 伊 藤 知 子 久 保 加 織 水 野 千 恵 湯 川 夏 子 和 田 珠 子 (2008), 中 等 教 育 の 調 理 実 習 における 揚 げ 調 理 の 実 態 調 査, 日 本 調 理 科 学 会 誌 41 (3),196-203 6) 黒 光 貴 峰 新 馬 場 有 希 徳 重 礼 美 (2011), 鹿 児 島 県 における 家 庭 科 教 育 の 実 施 状 況 中 学 校 家 庭 科 教 員 の 実 態, 鹿 児 島 大 学 教 育 学 部 研 究 紀 要 教 育 科 学 編 62,203-215 7) 阿 部 英 之 助 佐 藤 史 人 (2012), 中 学 校 技 術 科 教 育 の 現 状 と 技 能 継 承 の 課 題 生 物 育 成 を 中 心 とした 教 員 技 能 について, 和 歌 山 大 学 教 育 学 部 紀 要 教 育 科 学 62,131-136 8) 藤 川 聡 (2012), 生 物 育 成 に 関 する 技 術 における 指 導 と 評 価 の 視 点 学 習 効 果 を 高 める 指 導 モデルの 作 成, 京 都 教 育 大 学 環 境 教 育 研 究 年 報 20,151-160