製造現場で働く方が身につけて活動する

Similar documents
2. ど の 様 な 経 緯 で 発 覚 し た の か ま た 遡 っ た の を 昨 年 4 月 ま で と し た の は 何 故 か 明 ら か に す る こ と 回 答 3 月 17 日 に 実 施 し た ダ イ ヤ 改 正 で 静 岡 車 両 区 の 構 内 運 転 が 静 岡 運

<4D F736F F D D3188C091538AC7979D8B4B92F F292B98CF092CA81698A94816A2E646F63>

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設


<947A957A8E9197BF C E786C73>


学校安全の推進に関する計画の取組事例

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

岡山県警察用航空機の運用等に関する訓令

<4D F736F F D C482C682EA817A89BA90BF8E7793B1834B A4F8D91906C8DDE8A A>

Ⅶ 東 海 地 震 に 関 して 注 意 情 報 発 表 時 及 び 警 戒 宣 言 発 令 時 の 対 応 大 規 模 地 震 対 策 特 別 措 置 法 第 6 条 の 規 定 に 基 づき 本 県 の 東 海 地 震 に 係 る 地 震 防 災 対 策 強 化 地 域 において 東 海 地 震

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

< F2D926E88E6895E977089DB81608E528CFB8CA78C788E4082CC8D71>

<4D F736F F D208DE3905F8D8291AC8B5A8CA48A948EAE89EF8ED0208BC696B18BA492CA8E64976C8F BD90AC E378C8E89FC92F994C5816A>

●電力自由化推進法案

< F2D A C5817A C495B6817A>

Taro-01 議案概要.jtd

●幼児教育振興法案

(4) 運 転 する 学 校 職 員 が 交 通 事 故 を 起 こし 若 しくは 交 通 法 規 に 違 反 したことにより 刑 法 ( 明 治 40 年 法 律 第 45 号 ) 若 しくは 道 路 交 通 法 に 基 づく 刑 罰 を 科 せられてから1 年 を 経 過 していない 場 合 同

- 1 - 総 控 負 傷 疾 病 療 養 産 産 女 性 責 帰 べ 由 試 ~ 8 契 約 契 約 完 了 ほ 契 約 超 締 結 専 門 的 知 識 技 術 験 専 門 的 知 識 高 大 臣 専 門 的 知 識 高 専 門 的 知 識 締 結 契 約 満 歳 締 結 契 約 契 約 係 始

駐 車 場 管 理 規 程

公 営 企 業 職 員 の 状 況 1 水 道 事 業 1 職 員 給 与 費 の 状 況 ア 決 算 区 分 総 費 用 純 利 益 職 員 給 与 費 総 費 用 に 占 める ( 参 考 ) 職 員 給 与 費 比 率 22 年 度 の 総 費 用 に 占 A B B/A める 職 員 給 与

定款

<4D F736F F D208E52979C8CA78E598BC68F5790CF91A390698F9590AC8BE08CF D6A2E646F6378>

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 161,7 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41

弁護士報酬規定(抜粋)

東京事務所BCP【実施要領】溶け込み版

( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

<4D F736F F D20D8BDB8CFC8BCDED2DDC482A882E682D1BADDCCDFD7B2B1DDBD8B4B92F E646F63>

スライド 1

 

Taro-別紙1 パブコメ質問意見とその回答

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について


資 料 -6 平 成 20 年 度 第 2 回 北 陸 地 方 整 備 局 事 業 評 価 監 視 委 員 会 特 定 構 造 物 改 築 事 業 事 後 評 価 説 明 資 料 平 成 20 年 11 月 北 陸 地 方 整 備 局 -0-

ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

技 能 労 務 職 公 務 員 民 間 参 考 区 分 平 均 年 齢 職 員 数 平 均 給 与 月 額 平 均 給 与 月 額 平 均 給 料 月 額 (A) ( 国 ベース) 平 均 年 齢 平 均 給 与 月 額 対 応 する 民 間 の 類 似 職 種 東 庄 町 51.3 歳 18 77

<4D F736F F D C689D789B582B581698AAE90AC92CA926D816A2E646F63>

Microsoft Word - H24様式(那珂市版).doc

別紙3

川崎市木造住宅耐震診断助成金交付要綱

損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

財団法人○○会における最初の評議員の選任方法(案)

スライド 1

疑わしい取引の参考事例

入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

Microsoft Word - 目次.doc

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

PowerPoint プレゼンテーション

<6D313588EF8FE991E58A778D9191E5834B C8EAE DC58F4992F18F6F816A F990B32E786C73>

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 検 討 を 進 めるものとする 平 成 19 年 法 案 をベースに 一 元 化 の 具 体 的 内 容 について 検 討 する 関 係 省 庁 間 で 調 整 の 上 平 成 24 年 通 常 国 会 への 法 案 提

入札公告 機動装備センター

Microsoft Word - ★HP版平成27年度検査の結果

honbu-38H06_kunrei31

m07 北見工業大学 様式①

(4) 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 との 連 携 1 市 は 国 の 現 地 対 策 本 部 長 が 運 営 する 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 に 職 員 を 派 遣 するなど 同 協 議 会 と 必 要 な 連 携 を 図 る

(8) 危 険 物 火 災 等 で 逗 子 北 化 学 1を 必 要 とする 火 災 指 令 時 は 逗 子 北 1を 同 時 編 成 する (9) 未 承 認 対 象 物 からの 即 時 通 報 は 当 該 署 所 の1ケ 部 隊 編 成 とする (10) 通 常 災 害 時 及 び 異 常 災

16 日本学生支援機構

根 本 確 根 本 確 民 主 率 運 民 主 率 運 確 施 保 障 確 施 保 障 自 治 本 旨 現 資 自 治 本 旨 現 資 挙 管 挙 管 代 表 監 査 教 育 代 表 監 査 教 育 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部 市 町 村 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部

平成17年度高知県県産材利用推進事業費補助金交付要綱

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

< F2D824F C D9197A791E58A C938C8B9E>


(2) 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 保 育 の 必 要 な 子 どものいる 家 庭 だけでなく 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 のために 利 用 者 支 援 事 業 や 地 域 子 育 て 支 援 事 業 な

<4D F736F F D208FE DC926E8BE6926E8BE68C7689E681408C7689E68F912E646F63>

(別紙3)保険会社向けの総合的な監督指針の一部を改正する(案)

定款  変更


国立大学法人 東京医科歯科大学教職員就業規則

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

H28記入説明書(納付金・調整金)8

長崎市民間建築物耐震化推進事業の概要

する ( 評 定 の 時 期 ) 第 条 成 績 評 定 の 時 期 は 第 3 次 評 定 者 にあっては 完 成 検 査 及 び 部 分 引 渡 しに 伴 う 検 査 の 時 とし 第 次 評 定 者 及 び 第 次 評 定 者 にあっては 工 事 の 完 成 の 時 とする ( 成 績 評 定

平成24年度税制改正要望 公募結果 153. 不動産取得税

佐渡市都市計画区域の見直し

Microsoft PowerPoint - 経営事項審査.ppt

人事行政の運営状況の報告について

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有

質 問 票 ( 様 式 3) 質 問 番 号 62-1 質 問 内 容 鑑 定 評 価 依 頼 先 は 千 葉 県 などは 入 札 制 度 にしているが 神 奈 川 県 は 入 札 なのか?または 随 契 なのか?その 理 由 は? 地 価 調 査 業 務 は 単 にそれぞれの 地 点 の 鑑 定

第 1 章 総 括 事 項 第 1 節 一 般 事 項 1 仕 様 書 の 適 用 この 仕 様 書 は 山 形 県 企 業 局 酒 田 水 道 事 務 所 発 注 の 平 成 28 年 度 平 田 浄 水 場 及 び 酒 田 工 業 用 水 道 天 日 乾 燥 床 管 理 業 務 委 託 に 適

高松市緊急輸送道路沿道建築物耐震改修等事業補助金交付要綱(案)

Q7 従 業 員 に 対 する 現 物 給 付 は 報 酬 給 与 額 に 含 まれます A7 法 人 が 役 員 又 は 使 用 人 のために 給 付 する 金 銭 以 外 の 物 又 は 権 利 その 他 経 済 的 利 益 (いわ ゆる 現 物 給 与 )については 所 得 税 において 給

目 次 第 1. 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 等 1 (1) 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 1 (2) 施 行 者 の 名 称 1 第 2. 施 行 区 1 (1) 施 行 区 の 位 置 1 (2) 施 行 区 位 置 図 1 (3) 施 行 区 の 区 域 1 (4) 施

要 な 指 示 をさせることができる ( 検 査 ) 第 8 条 甲 は 乙 の 業 務 にかかる 契 約 履 行 状 況 について 作 業 完 了 後 10 日 以 内 に 検 査 を 行 うものとする ( 発 生 した 著 作 権 等 の 帰 属 ) 第 9 条 業 務 によって 甲 が 乙 に

<4D F736F F D F303088A4926D8CA78E8497A EF68BC697BF93998C798CB895E28F958BE08CF D6A2E646F63>

新ひだか町住宅新築リフォーム等緊急支援補助金交付要綱

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 ( 各 年 4 月 1 日 現 在 ) (H25.4.1) (H25.4.1) (H25.7.1) (H25.7.1) (H25.4.1) (H25.7.1)

< F2D8AC493C CC81698EF3928D8ED2816A2E6A7464>

Taro-iryouhoken

1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

養 老 保 険 の 減 額 払 済 保 険 への 変 更 1. 設 例 会 社 が 役 員 を 被 保 険 者 とし 死 亡 保 険 金 及 び 満 期 保 険 金 のいずれも 会 社 を 受 取 人 とする 養 老 保 険 に 加 入 してい る 場 合 を 解 説 します 資 金 繰 りの 都

Microsoft Word - 12 職員退職手当規程_H 改正_

経 常 収 支 差 引 額 等 の 状 況 平 成 26 年 度 予 算 早 期 集 計 平 成 25 年 度 予 算 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 3,689 億 円 4,597 億 円 908 億 円 減 少 赤 字 組 合 数 1,114 組 合 1,180 組 合 66


4 松 山 市 暴 力 団 排 除 条 の 一 部 風 俗 営 業 等 の 規 制 及 び 業 務 の 適 正 化 等 に 関 する 法 律 等 の 改 正 に 伴 い, 公 共 工 事 から 排 除 する 対 象 者 の 拡 大 等 を 図 るものです 第 30 号 H H28.1

Transcription:

製 造 現 場 で 働 く 方 が 身 につけ 活 用 する 事 故 ゼロ 実 践 の 技 術 ( 社 ) 日 本 能 率 協 会 専 任 講 師 中 村 茂 弘 著 URL:http://qcd.jp ご 安 全 に! 安 全 対 策 は 既 に 中 央 労 災 防 止 協 会 や 多 くの 機 関 企 業 が 資 料 を 整 備 対 策 も 提 示 している 本 書 は 安 全 確 実 で 早 い 仕 事 の 追 及 : 標 準 化 を 進 めるなかで 手 順 の 中 でやるべきことをやっていない やるべきでないことを やったことが 事 故 となる( 体 験 ) 対 策 を 身 につけて 使 うための 内 容 をまとめた 書 です 天 災 防 止 にはまだ 完 全 な 対 策 が? だが 人 災 防 止 は 技 術 的 対 策! 1ハザードMAPを 個 別 につくる 2 全 体 全 部 管 理 個 々の 職 場 にあった 詳 細 管 理 へ ( 情 報 が 少 なく 具 体 的 運 営 が 可 能 ) 2 技 術 的 手 段 を 習 得 ~ 資 格 的 運 営 2011 年 7 月 吉 日 ( 有 )QCD 革 新 研 究 所

製 造 現 場 で 働 く 方 が 身 につけ 活 用 する 事 故 ゼロ 実 践 の 技 術 2011 年 7 月 吉 日 ( 社 ) 日 本 能 率 協 会 中 村 茂 弘 著 はじめに この 書 を 執 筆 する 時 東 日 本 の 大 震 災 - 津 波 事 故 が 報 道 なされた この 悲 惨 な 災 害 は 人 が 想 定 した 対 策 領 域 を 大 きく 上 回 った 非 力 な 筆 者 は この 種 天 災 に 対 する 対 策 はご 専 門 の 方 々にお 任 せするしかなく ただ 単 に お 見 舞 いと 義 援 金 程 度 の 支 援 しかできない 状 況 に 歯 がゆい 日 々を 送 った だが この 時 少 なくとも 筆 者 が 関 与 する 生 産 現 場 に 関 する 事 故 だけは 防 止 したい という 思 いを 持 った そこで JMA で 研 修 を 開 始 した 安 全 対 策 を 産 業 界 にお 役 に 立 つ 一 助 とするため 書 にまとめることにした 筆 者 が 関 与 した 製 造 現 場 における 事 故 を 整 理 すると 自 然 に 似 た 災 害 は 除 き 産 業 に 関 する 事 故 の 内 容 は 関 係 者 が 行 う 手 順 の 中 で(1) 本 来 やるべき ことをやらなかった (2)やってはいけないことを 行 った という 点 にあ り (3) 事 故 を 起 こすという 内 容 (メカニズム)や 危 険 性 を 知 らなかっ た という 例 はなかった しかも 事 故 に 被 災 された 方 は 全 て 常 日 頃 か ら 安 全 教 育 や 安 全 知 識 も 十 分 に 持 ち 企 業 では KYT などの 制 度 を 運 用 して いた そこで 本 書 では より 具 体 的 実 践 的 に 安 全 対 策 を 図 るため 1 個 別 の 職 場 に 具 体 的 なハザード( 各 種 危 険 度 を 示 す)MAP をつくり 2 小 規 模 集 団 で 安 全 管 理 を 徹 底 する その 具 体 化 のためには 3 個 々の 職 場 に 合 った 安 全 対 策 訓 練 を 図 り 資 格 化 に 高 める 技 術 と 意 識 高 揚 を 実 務 的 に 図 る という 要 件 を 従 来 の 安 全 対 策 に 付 加 し その 運 用 を 示 すことにした 今 回 の 対 策 は 異 業 種 21 社 の 方 共 に 進 め 成 果 を 得 てきた 不 良 ゼロ 対 策 を 拡 大 ~ 展 開 した 内 容 である 対 策 の 重 点 は 品 質 対 策 は モノや 設 備 が 対 象 安 全 対 策 は その 対 象 が 人 と 手 順 であり 対 策 の 要 点 は 1:29 で 示 される 事 故 :ヒヤリハット 対 策 を 身 に 着 け 製 造 現 場 で 実 務 的 に 使 う 対 処 にある 本 書 をご 覧 になる 方 々の 中 には 既 に 安 全 対 策 のベテランであり 多 くの ご 指 導 やご 経 験 をお 持 ちの 方 々が 多 い 状 況 だと 考 える だが 是 非 ここに 記 載 した 局 面 の 一 部 でも 付 加 され 事 故 ゼロ 実 現 の 一 助 として ご 活 用 いただく ことを 願 う 次 第 です

製 造 現 場 で 働 く 方 が 身 につけ 活 用 する 事 故 ゼロ 実 践 の 技 術 目 次 第 1 章 事 例 に 見 る 事 故 他 山 の 石 解 析 の 進 め 方 1-1 事 故 ゼロ 対 策 手 順 とは? 1 1-2 他 山 の 石 解 析 の 進 め 方 12 1-3 分 けるべき 事 故 ゼロ 対 策 技 術 と 犯 罪 的 行 為 31 第 2 章 事 故 の 重 大 性 とメカニズム 解 析 2-1 労 働 災 害 の 実 情 と 全 国 的 な 対 策 37 2-2 ハインリッヒの 法 則 ~ 事 故 防 止 に 必 要 なメカニズム 解 析 45 2-3 事 故 発 生 ~ 防 止 対 策 手 順 化 の 進 め 方 60 第 3 章 ヒューマン エラー 起 因 の 事 故 ゼロ 化 対 策 3-1 エラー セーフ 対 策 70 3-2 製 造 現 場 関 係 者 が 当 然 知 っておくべき KYT と 活 用 法 79 3-3 安 全 管 理 に 必 要 なハザード MAP 作 成 ~ 活 用 法 95 第 4 章 大 脳 生 理 学 と 安 全 対 策 4-1 過 去 重 視 されたヒューマン エラー 対 策 が 持 つ 問 題 111 4-2 安 全 確 認 を 確 実 にするための 大 脳 生 理 学 活 用 法 127 4-3 CRM に 見 る 訓 練 と 危 険 回 避 対 策 の 習 慣 化 147 第 5 章 事 故 ゼロのための 安 全 管 理 の 運 用 5-1 経 営 トップと 安 全 管 理 者 の 責 務 ~ 全 員 参 画 事 故 ゼロへの 展 開 169 5-2 安 全 点 検 ~ 実 践 的 な 安 全 訓 練 対 策 への 展 開 (ガイドとして) 185 5-3 全 体 個 々の 職 場 密 接 連 携 による 事 故 ゼロ 実 現 に 向 けて 203

第 1 章 事 例 に 見 る 事 故 他 山 の 石 解 析 の 進 め 方 1-1 事 故 ゼロ 対 策 手 順 とは? 図 1-1 は 本 書 がこれから 示 して 行 く 事 故 ゼロ 対 策 手 順 である では ヒ ューマン エラー 対 策 を 基 盤 とした 安 全 対 策 手 順 について 解 説 を 加 えるこ とにする 筆 者 を 含 め 安 全 悪 意 による 犯 罪 行 為 と 刑 法 民 法 など ヒューマン エラー 対 策 は 犯 罪 対 策 内 容 の 対 策 に 係 る 関 係 者 峻 別 区 分 して 取 り 扱 う 適 用 範 囲 へ が 学 んだ 内 容 や 著 ヒ まず 人 が 犯 しやすいミスを 技 術 的 対 策 や ュ 書 ~ 講 習 会 などの 道 具 の 工 夫 注 ー 1 ポカヨケの 適 用 意 を 喚 起 する 簡 単 な 方 法 で カバーできる 対 象 は その 対 策 を 図 る マ の 大 半 は 安 全 対 ン まず 人 が 犯 しやすいミスがなぜ 生 じるか? 2 HEに 対 する 教 育 各 人 がチェックリストで 見 直 し 個 人 ベースで 対 策 策 に 対 する 注 意 と エ を 考 える 環 境 づくりと 対 策 意 思 を 固 める ラ ダメ 出 し( 同 じ 教 ー 対 3 簡 単 にできるHE 対 策 危 険 予 知 訓 練 方 式 で 教 育 指 差 し 確 認 や ダブルチェックを 簡 単 に 行 う 方 法 を 訓 を 繰 り 返 すべき 策 の 技 を 身 につける まず 習 得 する 範 では 無 い!)とい 囲 と 4 大 脳 生 理 学 的 の 応 用 5 CRMなど 近 代 訓 練 技 術 う 内 容 だった こ 対 による 補 完 の 種 の 情 報 は 確 策 手 図 1-1 事 故 ゼロ 具 体 化 へ 向 けた 対 策 手 順 かに 基 礎 知 識 や 順 事 故 発 生 防 止 の 基 盤 だが このままだと 水 泳 を 訓 練 するのに 書 を 読 み 知 識 を 増 すだけに 留 ま る 記 録 を 更 新 するには 知 っている 理 論 を 実 践 すべきである しかも 関 係 ない 知 識 や 理 論 的 過 ぎて 使 えない 技 の 勉 学 はムダとなる 誰 が 見 ても 1 事 故 は 人 が 被 り 2 限 られた 職 場 領 域 で 起 きる しかも 3ハインリッヒの 法 則 に ある ヒヤリハットが 目 前 に 現 出 した 時 に 起 きる このように 事 故 発 生 の 実 態 を 見 れば 製 造 現 場 で 実 際 に 技 術 知 見 を 訓 練 して 常 に 安 全 技 術 を 駆 使 でき る 人 的 対 策 を 個 人 レベルで 活 用 ~ 駆 使 する 内 容 の 良 否 が 安 全 対 策 の 要 点 となる 以 上 安 全 に 関 する 学 問 的 な 評 価 は ご 専 門 の 先 生 に 任 せることにして 筆 者 達 は 誰 が 見 ても 当 たり 前 子 供 が 見 てもわかる 自 然 原 理 を 基 にヒューマン エラー 防 止 を 実 践 的 に 進 めるため 図 1-1 を 作 成 し 安 全 対 策 を 進 めてきた 事 故 ゼロ 対 策 に 当 たって 重 要 なことは この 程 度 は 良 いだろう という 規 則 や 自 然 原 理 を 無 視 した 人 の 近 道 行 動 の 防 止 である これは 一 種 の 擬 似 的 な 犯 罪 的 行 為 である また この 種 の 問 題 の 扱 いや 問 題 につながった 事 例 は 後 で 紹 介 するが この 種 の 内 容 は 誠 意 を 持 って 努 力 する 方 々が 被 るヒューマ ン エラーによる 事 故 発 生 とは 明 確 な 区 別 が 必 要 である ヒューマン エラー 対 策 の 出 発 点 は 注 意 1 秒 ケガ 一 生! にあるように 1

事 故 ゼロ 対 策 に 当 たって あわてた この 程 度 は 大 丈 夫 俺 には 経 験 がある から がやっているから と 言 った 環 境 を 無 くす 対 策 である この 種 の 言 は 事 故 経 験 者 が 事 故 の 後 でもらす 反 省 に 見 られる 言 葉 だが 安 全 対 策 を 軽 く 見 て 無 視 した 結 果 事 故 という 物 理 現 象 が 発 生 する 事 象 である 従 って まず 安 全 対 策 上 知 って 実 施 すべき 内 容 は 安 全 規 則 や 禁 止 ~ 重 要 な 注 意 事 項 の 表 示 をすべきであり 危 険 な 作 業 には 第 三 者 的 に 関 係 者 の 仕 事 の 手 順 を 監 視 する 管 理 者 の 設 置 と 活 動 が 必 要 になる 多 くの 事 故 は この 種 の 基 本 的 な 対 処 を 無 視 した 結 果 個 人 や 集 団 が 事 故 に 遭 う 例 が 多 いが この 種 の 要 件 も 擬 似 不 正 行 為 として 扱 うべきである 以 上 多 少 拡 大 して 不 正 行 為 の 内 容 を 紹 介 したが この 種 の 要 件 は 既 に 全 て 製 造 現 場 で 仕 事 をされ る 方 々は 職 場 に 配 属 前 に 教 育 され 企 業 側 でも 各 種 の 安 全 対 策 上 の 環 境 を 整 え て 対 処 している 内 容 であり 事 故 ゼロ 対 策 技 術 を 個 人 や 小 規 模 集 団 で 実 施 して 行 く 前 段 に 企 業 で 規 制 や 環 境 整 備 上 適 用 を 願 ってきた では 事 故 ゼロの 技 術 的 対 策 の 解 説 に 入 ることにする まず 対 処 すべき 事 項 は 図 1-1 の1に 示 した ポカヨケ 対 策 である 21 世 紀 の 今 日 全 てを 人 の 注 意 や 訓 練 に 頼 ることだけで 事 故 ゼロ 防 止 を 図 るべきではない 要 は エラーセ ーフ 機 器 を 利 用 することで 安 全 域 に 入 らせない 工 夫 や アラームを 出 すこと によって 危 険 域 に 入 ることを 防 ぐ 対 策 があれば 即 座 に 適 用 すべきである で は ポカヨケ 適 用 に 関 し 解 説 を 加 える 前 に 読 者 の 皆 様 には 極 めて 幼 稚 とい う 内 容 で 恐 縮 だが 事 故 はなぜ 起 きるのか? という 問 題 を 解 説 した 後 ポカ ヨケ 設 置 の 必 要 性 を 解 説 することにする 事 故 発 生 原 理 の 一 こ 注 意 1 秒 ケガ 一 生! 人 の 例 を 図 1-2 に 示 した 的 注 意 は 無 料 ケガは 大 損 害! 対 前 提 が 事 故 はエネルギ 防 御? 回 避? 軽 減? 策 + は ーとの 触 れ 合 いによ 人 的 なゆとり+ 知 識 原 理 は なぜ 事 故 が 起 きるのか? 火 の 無 い り 発 生 する 物 を 足 ところに 煙 は 立 たない! 答 えは エネルギーとの 接 触 1 位 置 エネルギー: 落 下 物 落 下 挟 まれ の 上 に 落 としてケガ 事 故 発 生 の 2 回 転 エネルギー: 切 断 巻 き 込 まれ 直 接 的 原 因 は? 3 熱 エネルギー:やけど 火 事 をする とか 階 段 4 光 エネルギー: 溶 接 光 X 線 障 害 5 化 学 反 応 : 酸 アルカリ 薬 害 や 高 みから 落 ちてケ これは 結 果! ガをする と 言 った まず 行 うべき 対 策 は 起 きた 結 果 の 反 省 ではなく 原 因 の 除 去! 次 に 行 う 対 策 は 状 況 は 位 置 エネルギ 影 響 からの 防 止 のための 技 術 的 対 策 このひとつの 対 策 にポカヨケ 対 策 がある ーによるものである また ヤケドは 熱 エ 図 1-2 ケガの 発 生 理 由 ネルギー 被 爆 である このようにケガという 事 故 は 物 理 現 象 であり そこには 原 因 と 結 果 が 次 ペ ージに 示 した 図 1-3 のようなメカニズムとして 発 生 する この 代 表 的 な 例 に 2

2005 年 に JR 西 日 本 で 列 車 の 脱 線 転 覆 事 故 がある この 状 況 を 図 1-4 に 示 した が 残 念 なことに この 大 事 故 では 一 瞬 で 107 名 もの 貴 重 な 命 が 奪 われた また それに 加 える 形 で 多 くのケガ 人 の 発 生 更 には ビルの 崩 壊 に 伴 う 住 居 移 設 まで 多 くの 問 題 を 引 き 起 こした 確 かに 故 T 運 転 手 がオーバーラン の 時 間 を 取 り 戻 すため 無 理 をしたとか 車 掌 に 携 帯 電 話 で 連 絡 していたため 気 を 奪 われたと 火 の 無 いところには 煙 が 立 たない! という 教 えがあるが ケガ 発 生 も 全 く 同 じである 要 は 原 因 があって ケガという 結 果 を 招 く 従 って ケガの 原 因 いう 問 題 はあっ の 除 去 または ケガを 出 す 兆 しがあった 時 にに 有 効 な 防 止 策 を 適 用 するこ とが 要 点 とになる た だが 直 接 的 原 因 な 内 容 は 新 型 問 題 の 発 生 原 理 とメカニズム 結 果 ATS を 会 社 側 が 木 が 燃 える つけていなかっ 火 の 存 在 煙 がたつ 燃 える た 点 だった もし この 種 のポカヨ ケがあれば スピ ード 違 反 の 列 車 事 実 情 報 物 理 現 象 と データー + して 証 明 する を 強 制 的 に 止 め ることができた 図 1-3 事 故 発 生 メカニズム( 原 理 図 ) からだった この ため 裁 判 でも 経 営 トップには この 種 の 意 思 決 当 初 置 き 石 説 とスピードの 出 しすぎが 浮 上 物 証 よりスピードの 出 し 過 ぎが 原 因 だった 定 をしなかった 発 生 メカニズムのイメージ 激 1 直 線 走 行 時 突 事 件 が 起 きた 背 景 要 因 の 例 判 決 不 作 為 重 量 し 1 運 転 手 は 先 に3 回 もの 停 止 た 30t 位 置 のオーバーランを 行 っ が 下 された この ビ 2 右 側 の 車 輪 が 浮 く 状 態 ル ていた 2 シュミレーションでは130Km 例 を 見 ると 一 時 電 でも 大 丈 夫 としていたが この 柱 計 算 結 果 は 乗 客 ゼロ 的 な 費 用 軽 減 と 3 脱 線 の 状 態 無 風 状 態 の 計 算 だった いうことで 人 命 3 線 路 変 更 による 工 事 の 際 起 きた 内 容 は 急 カーブ 危 険 予 知 対 策 と にかかわり 事 故 物 理 現 象 新 型 ATSの 設 置 を 行 ってい なかった 防 止 に 必 須 とさ 4 過 密 ダイヤの 運 行 だった 1 70Kmの 制 限 速 度 に 対 し108Km/Hr 5 線 路 に 置 き 石 らしい 痕 跡 れる 機 器 を 管 理 2 速 度 制 限 前 で 運 転 手 は 急 ブレーキ 操 作 があったが 記 者 会 見 で 3 ATSは 旧 式 のもの 採 用 トラブル 発 生 これのみに 反 応 を 示 した 者 が 整 備 しない 以 外 では 作 動 しない 方 式 だった 6 死 者 とマンション 住 民 に 対 す る 謝 罪 態 度 に 疑 問 行 動 に 対 して 特 図 1-4 JR 西 日 本 福 知 山 線 事 故 原 因 の 解 析 別 な 理 由 が 無 い 限 り 先 に 解 説 した 犯 罪 行 為 という 扱 いが 裁 判 で 下 されることとなる 現 在 のように 安 全 対 策 上 常 識 とされる 機 器 を 科 学 技 術 が 発 達 した 社 会 で 設 置 していない 行 動 がこの 種 の 扱 いとなることは 素 人 が 見 ても 当 然 の 判 決 とな 車 両 3

る その 理 由 は 特 別 な 場 合 を 除 き ポカヨケ 対 策 で 安 全 が 確 保 されるのであ れば 費 用 対 効 果 という 範 囲 を 超 えるからである また もし 何 らかの 都 合 で 当 面 その 種 の 投 資 ができない 事 情 がある 場 合 は 的 確 な 安 全 訓 練 と 教 育 ~ 着 実 な 安 全 規 則 の 監 視 をすべきである 時 々 人 がケガをした 費 用 と この 種 事 故 に 要 した 費 用 の 比 較 が 事 故 と 共 に 報 告 される 例 がある だが 問 題 は 1 亡 くなった 命 は 返 らない 2 亡 くなった 方 々のご 家 族 やご 関 係 する 知 人 や 仲 間 が 一 生 苦 労 する その 後 に 3 見 積 もれば 金 額 として 算 出 可 能 な 金 額 が 提 示 された 費 用 例 えば 先 の 列 車 脱 線 事 故 の 場 合 転 居 を 余 儀 なくされた 方 々の マンションの 二 十 払 いなど 保 障 が 何 もなく 今 後 の 人 生 を 過 ごしてゆかれる 方 の 苦 痛 やご 家 族 に 及 ぼす 影 響 を 考 えると ひとつの 事 故 がとてつもない 問 題 と 損 金 を 発 生 させていることが 判 る このように この 種 の 算 定 を 試 みると 常 に 損 金 の 大 きさと それ 以 外 にお 金 に 換 算 できない 要 件 の 大 きさに 驚 嘆 してしま う というのが この 種 の 惨 事 に 対 する 皆 様 の 評 価 ではないだろうか? 同 時 に ポカヨケさえつけていれば と 考 えると 誰 もが この 種 の 議 論 や 算 定 かけ る 努 力 は 全 く 無 意 味 な 検 討 になる 従 って 現 在 特 別 な 理 由 が 無 い 限 り ポ カヨケ 投 入 による 安 全 環 境 の 整 備 は 第 1 番 目 の 対 策 技 術 手 段 に 位 置 づけられ る 以 上 第 一 段 階 の 安 全 対 策 技 術 として ポカヨケの 適 用 を 示 したが この 手 法 が 適 用 できない 場 合 図 1-1 の2 以 降 に 示 す 人 が 努 力 をして 事 故 防 止 を 進 める 段 階 となる なお ここには ポカヨケの 過 信 を 含 めた 人 間 的 側 面 に 重 視 した 安 全 対 策 が 必 要 になる では 2の 安 全 教 育 の 解 説 を 進 めることに する 安 全 教 育 : 正 規 の 処 理 ( 標 準 ) とは 作 業 着 手 : 裏 マニュアル 処 理 原 料 漏 斗 前 の 危 険 情 報 ( 粉 末 ウラン) 事 故 を 起 こした の 提 供 を 意 味 手 順 攪 拌 器 する 人 は 危 険 爆 発 攪 拌 器 なことを 知 ら なければ 事 故 を 起 こす 例 え ば トラ 模 様 の 溶 解 塔 抽 出 塔 貯 塔 沈 殿 槽 乾 燥 炉 溶 解 塔 貯 塔 安 全 リボンを リスク 対 策 より 教 育 無 しで 作 業 へ 投 入 再 生 収 益 優 先 の 活 動 爆 発 ウラン 知 らないで 通 路 を 進 んだ 結 当 然 の 事 故! 果 穴 に 落 下 す 図 1-5 1999 年 : 茨 城 県 JCO 原 子 力 爆 発 事 故 の 状 況 る 例 や 危 険 物 の 下 敷 きに 4

なる 例 がある 図 1-5 は 放 射 線 被 曝 事 故 であり 1999 年 に JCO で 発 生 した その 内 容 は 安 全 教 育 を 受 けない 方 に 現 場 作 業 をさせた 結 果 だが 高 濃 度 のウラ ンに 高 濃 度 のウランを 投 入 して 中 性 子 を 発 生 させる という あってはならな い 原 子 力 爆 発 事 故 であり 原 因 は 全 くお 粗 末 と 言 った 放 射 性 物 資 の 取 扱 いだっ た この 事 故 に 至 った 理 由 は コスト 低 減 を 理 由 にアルバイト( 素 人 )を 使 う さらに 安 全 教 育 をケチって 現 場 に 作 業 員 を 投 入 する という 誰 もが 信 じ 難 い 状 況 が 発 覚 した この 種 の 現 象 は 既 に 解 説 したように 教 育 をしないで 危 険 な 職 場 に 配 属 する 行 為 であり ある 種 犯 罪 色 の 強 い 行 為 だった また 原 子 力 を 扱 う 職 場 は 定 期 的 に 国 から 監 査 を 受 けるはずだが この 点 も 疑 問 が 残 る 事 件 だった いづれにせよ この 種 の 問 題 防 止 のためには 法 的 に 厳 しい 処 置 を 適 用 すべきこととなる( 手 順 を 逆 もどりする 形 で 図 1-1 の 手 順 の 前 に 行 う 対 策 が 必 要 である) その 理 由 は この 種 の 仕 事 を 扱 う 責 任 ( 会 社 側 )が 事 前 に 作 業 者 を 教 育 して 危 険 を 知 らせる また しかるべき 作 業 指 示 関 係 者 に 対 し 作 業 者 が 危 険 を 感 じたら 経 営 権 を 持 つ 関 係 者 に 相 談 する さらには 表 示 や 注 意 書 き 赤 ランプや 回 転 灯 や 音 などの 警 報 が 知 らせる などの 環 境 がここ にあれば 絶 対 に 起 きなかった 事 件 だった 以 上 作 業 に 安 全 な 環 境 を 整 えな いで 安 全 第 一 を 唱 える といった 無 理 な 活 動 を 製 造 現 場 では 防 止 すべき 例 を 示 した 制 御 棒 燃 料 原 子 炉 圧 力 容 器 加 圧 機 一 次 系 原 始 炉 格 納 容 器 二 次 系 蒸 気 床 面 の 放 射 線 汚 染 水 で3 名 が 被 爆 した 状 況 発 電 機 復 水 器 後 悔 先 に 立 たず! 事 故 の 状 況 3 名 ともくるぶしの 高 さ15cmの 高 さまで 浸 水 1 復 旧 作 業 の 中 核 を 担 うとされる 関 電 工 の 社 員 現 場 監 督 職 2 名 が 短 靴 を 履 いていたため 汚 染 水 に 直 接 被 曝 2 他 1 名 は 関 電 工 の 協 力 会 社 員 で 実 際 に 作 業 を 担 当 する 方 (なお 3 名 の 管 理 / 作 業 などの 関 する 役 割 について 報 道 はまだない) 3 被 爆 量 は 毎 時 通 常 の2~6 倍 の 放 射 能 に 被 曝 4 被 曝 水 の 調 査 結 果 は380 万 ベクレムという 値 であり 原 子 炉 内 の 冷 却 水 より1 万 倍 高 い 状 態 だったため 原 子 炉 燃 料 から 発 生 したものと 判 定 5 3 名 は 早 急 に 福 島 県 立 病 院 に 運 ばれ 手 当 てを 開 始 した 事 故 に 至 る 安 全 対 策 の 状 況 1 本 来 なら 危 険 が 予 想 される 場 所 に おいては 作 業 員 に 同 行 した 保 安 グループの 管 理 者 が 作 業 前 に 放 射 線 量 を 想 定 の 後 作 業 の 仕 分 けを 行 う( 立 ち 入 り 可 能 / 鉛 防 御 による 作 業 / 立 ち 入 り 禁 止 の3 区 分 ) だが 未 実 施 2 東 電 では 3 名 の 作 業 者 が 入 る6 日 前 (18 日 )に1 号 機 で 高 い 放 射 線 量 を 確 認 していながら 作 業 者 に 注 意 の 喚 起 ( 連 絡 など)をしなかった 3 放 射 線 計 アラームをつけていたが アラームがなっても 止 めて 作 業 する ことがいままでもあった 作 業 員 は 複 数 で 作 業 する 規 定 だが 下 請 け 作 業 を1 人 で 行 うことが 通 常 化 して いた( 作 業 ノルマ 達 成 が 理 由 ) 4 作 業 服 は 危 険 度 に 応 じてA~Cの 3 段 階 があるが 今 回 はCランクの 最 も 軽 微 なものを 着 用 していた( 関 係 者 から 心 配 の 声 はあった) 5 作 業 前 に 点 呼 と 放 射 線 量 の 確 認 が 手 順 化 されているが 実 施 は 疑 問 図 1-6 11 年 3 月 24 日 福 島 県 1 号 機 での 放 射 能 被 曝 の 状 況 注 釈 : 被 ばくには 被 曝 ( 放 射 線 に 曝 される 状 況 )と 被 爆 ( 爆 撃 を 受 ける 内 容 )を 区 分 した 同 じような 誤 りは 繰 り 返 すべきではない だが 残 念 なことに 起 きている 2011 年 3 月 24 日 東 日 本 大 地 震 に 伴 う 福 島 県 の 原 子 力 事 故 の 対 策 で 人 為 的 ミ 5

スが 起 きた 幸 い 事 後 の 対 処 がよく 軽 傷 だったとのことである 確 かに こ の 事 故 は 暗 闇 で 切 迫 する 中 での 仕 事 だった だが 対 処 した 内 容 を 解 析 すると プロとして 危 険 作 業 の 管 理 にたずさわる 方 々が 取 る 行 動 としては とても 評 価 できない 事 態 を 繰 り 返 した 事 故 だった 事 故 の 要 点 は 放 水 で 昇 温 防 止 後 冷 水 循 環 復 旧 の 電 気 工 事 に 投 入 された 方 々に 起 きた 事 件 である だが 配 線 工 事 に 当 たる 3 名 が 高 濃 度 に 放 射 線 を 含 む 水 に 被 曝 するという 状 況 が 起 きた 1 名 は 長 靴 着 用 だったため 軽 傷 だったとのことだが 2 名 は 短 靴 だったため 大 きな 障 害 を 被 った なお 信 じられないことに この 作 業 は 外 部 業 者 へ 丸 投 げ し かも 危 険 防 止 が 重 要 な 作 業 なのに 無 管 理 状 態 だった 図 1-6 にその 内 容 を 詳 説 したが この 事 故 の 要 点 は 情 報 提 供 という 無 教 育 が 関 与 した 事 件 だった と 結 論 づけられる このように 無 教 育 は 事 故 を 誘 発 する その 結 果 社 会 避 難 的 には プロなのに ずさんな 管 理! という 批 判 や やがては 事 故 の 反 省 と 共 に 起 きた 事 故 ( 事 件 )の 後 の 処 置 が 責 任 問 題 に 発 展 して 事 後 処 理 の 結 末 ともいうべき 法 の 適 用 となる 事 前 検 討 や 正 しい 行 動 を 取 るための 連 絡 や 教 育 がされていれば ほとんど 起 きない 仕 事 に 取 り 返 しがつかない 事 象 と 多 くのムダが 発 生 する という 状 況 は 何 とも 残 念 であり 仕 事 に 安 全 面 の チェックが 含 まれるプロにあってはならない 行 動 だった だが 我 々も この 種 の 事 故 を 他 山 の 石 とすべきである 教 訓 とすべき 事 項 は まず 危 険 を 業 とするプロ 集 団 は たとえ お 互 いに 常 識 的 ある 程 度 の 経 験 を 持 つ 者 なら たとえ 注 意 しなくても 判 別 できるチェック 内 容 とされる 事 項 であっても 再 度 安 全 教 育 をして ヒューマン エラー 発 生 を 防 ぐことを 対 策 の 前 提 とすべ きであり 再 度 確 認 する 程 度 で 事 故 防 止 を 可 能 にする という 対 処 である 繰 り 返 しで 恐 縮 だが 注 意 一 言 ケガ 皆 無 というルールの 重 要 性 を 確 認 のた め 危 険 な 仕 事 には 着 手 する 前 に 必 ず 行 うべき というルールの 徹 底 を 意 味 する 以 上 最 近 起 きた 事 例 を 含 め 手 順 1の 関 門 の 後 どうしても 人 が 対 処 しなければならない 仕 事 においては 手 順 2という 形 で 関 係 者 に 仕 事 上 の 危 険 点 を 事 前 に 知 らせ 事 故 を 未 然 防 止 する 対 策 の 必 要 性 を 注 記 した 教 育 対 策 の 関 門 の 後 次 の 対 策 3は 簡 単 にできる 安 全 対 策 の 技 を 知 って 使 う という 対 処 になる この 行 動 は 実 務 を 進 める 製 造 現 場 で 仕 事 を 進 める 実 務 者 が2で 得 た 情 報 や 危 険 性 の 高 い 仕 事 上 のチェックポイントを 確 認 しながら 危 険 域 を 危 険 な 要 件 を 推 察 確 認 して 危 険 を 避 ける 行 動 を 進 める 実 務 であ る そして その 主 役 は 安 全 上 で 極 めて 言 い 古 されてきた 指 差 し 確 認 と ダブルチェック である なお 時 には 管 理 者 が 安 全 をチェックするチ ェックリストを 持 ち 仕 事 の 状 況 を 客 観 的 に 監 視 する 業 務 を 含 む 要 は この 種 の 教 育 や 作 業 準 備 環 境 で 作 業 という 実 務 に 当 たる 者 は 確 実 な 指 差 し 確 認 を 進 めて 安 全 確 保 を 図 る 対 策 である ちなみに 指 差 し 確 認 を 1 回 規 定 通 り 6

に 行 えば ヒューマン エラーは1/6となることをご 存 じだろうか?このこ とは 下 に 示 したURLで 中 央 労 働 災 害 防 止 協 会 が 示 しているが 誰 もが 知 って おくべき 数 値 である URL:http://www.standby-go.com/sikaku/kytt.htm) さらに ダブルチェックをここに 加 味 する 必 要 がある ダブルチェックは 大 脳 生 理 学 的 には 脳 がフェーズⅢという 冷 静 で 活 発 な 動 きをする 状 況 では 1/500 以 下 のミスしか 起 きない という 研 究 結 果 が 報 告 されているからである 従 って このような 調 査 内 容 を 利 用 するだけで ミスは 簡 単 に 防 止 できるはず である その 理 由 は 後 で 解 説 する 図 表 1-1 の4 大 脳 生 理 学 に 伴 うミス 発 生 に 関 与 する 特 殊 な 思 い 込 みや 異 常 な 環 境 条 件 の 影 響 が 無 ければ 何 でも 無 いように 見 える 指 差 し 確 認 +ダブルチェックの 実 施 で ミス 発 生 は 飛 躍 的 に 低 減 される 計 算 になる だが この 状 態 でも 計 算 結 果 は(1/500) (1/500) =1/250,000 となり ここに 先 の 指 差 し 確 認 の 数 値 を 加 算 すれば(25 万 分 の1) (1/6)=150 万 分 の1という 驚 異 的 な 数 値 になる(なお ダブルチェックに は 技 術 的 手 段 の 工 夫 が 必 要 となるが この 種 の 内 容 は 後 で 解 説 する) 以 上 こ こまでの 解 説 と ヒューマン エラー 防 止 手 順 の 活 用 で 如 何 に 危 険 防 止 が 図 れるかがご 理 解 願 えるのではないだろうか?また この 種 の 基 本 技 を 身 に 着 け て 使 う 重 要 性 もご 理 解 願 えたと 信 じる なお 当 然 ここにはこの 種 の 技 術 を 運 用 する 技 が 必 要 になる その 要 点 を 図 1-7 に 例 示 したが 1 注 意 1 秒 +α ケガ 一 生 の 考 えで ゆとりを 持 ち 2KYT( 危 険 予 知 訓 練 )で 習 得 した 内 容 を 3 現 場 現 物 と 事 故 発 生 の 現 象 ( 目 に 見 えないが 発 生 可 能 な 事 故 内 容 )を 想 定 して 行 うことが 重 要 である 当 然 この 種 の 対 策 に 当 たっては いくら 知 識 が 豊 富 指 差 し 呼 称 の 基 本 型 は 次 の 通 り 1 目 は 確 認 すべき 対 象 をはっきり 現 場 で 実 践! 形 だけでなく でも 実 際 見 る(とらえる) 本 当 に 危 険 を 2 腕 指 は 図 の 順 で 同 左 して 見 破 り 確 認 に 現 場 で 日 3 口 ははっきりした 声 で 安 全 確 認 ~ から 常 的 に 身 確 保 内 容 を 確 実 にチェックの 後 未 然 防 止 再 度 (ダブル チェック 最 終 確 認 として) へ! に 着 けて 実 ヨシ! スイッチオン と 言 う 践 しなけれ 1 対 象 を 見 る 2 指 を 差 し 3 危 険 点 3 耳 元 へ 4 振 り 下 ろす ば 意 味 をな を 把 握 する 同 時 に 同 時 に ケガが 起 きない 危 険 は 環 境 を 確 かめ ヨシと さない 知 この 場 合 未 然 防 止 で 呼 称! (1) 最 上 段 へ 上 るのは 危 険 っていても (2) 足 場 の 確 保 は 十 分 か? (3) 転 倒 の 要 因 は 周 りにないか? 行 わざるは (4) 運 動 靴 の 着 用 で 滑 り 防 止 は? (5) などと チェック 知 らざるに 目 的 :これから 行 う 作 業 に 挙 の 締 まった 人 一 さし 指 を キビキビした 動 作 で 型 をつくる まっすぐ 突 き 出 す KYTの 訓 練 内 容 を 適 用 して 確 実 に 行 う 同 じ! と 見 えない 危 険 を 察 知 する! いう 言 や 図 1-7 指 差 し 呼 称 の 手 順 と 実 施 要 点 習 って いて 行 わざる 実 情 は 無 知 の 状 態 より 悪 しき! という 言 が 示 すように 安 易 7

な 考 えはしないで 手 抜 きなく 必 ず 実 行 する 実 践 力 への 対 処 ( 習 慣 づけ)を お 願 いしたい 以 上 一 見 素 朴 でつまらないことに 見 えがちな 指 差 し 確 認 とダブルチェ ック 重 要 性 を 示 した なお この 種 の 行 動 を 個 人 的 に 確 実 化 する 要 点 は 単 なる 行 動 の 強 制 や 習 慣 づけや 形 式 的 な 実 施 ではなく 一 人 ひとりが 自 分 と 仲 間 のため 自 主 的 に 職 場 のプロとして 事 故 防 止 は 安 全 技 術 の 実 行 しか 無 い という 考 えで 扱 っていただきたい 要 件 のひとつである ここまで 図 1-1 の1~3を 製 造 現 場 で 実 践 する 方 法 を 記 載 した 自 然 災 害 の ような 予 期 できない( 想 定 外 とされる) 事 象 を 除 き この 三 段 階 の 手 順 で 少 なくともケガの 要 因 の 97% 以 上 が 解 消 されるはずである だが 残 りの 3% 程 度 の 問 題 が 残 る その 理 由 は 図 1-1 の4の 人 は 大 脳 の 指 令 によって 行 動 す る という 現 象 の 存 在 だが この 解 析 と 対 策 は5の CRM( 航 空 機 のパイロット 訓 練 と 資 格 で 実 施 :Crew Resource Management )の 利 用 となる これについ ては 再 度 後 の 章 で 詳 しく 紹 介 するが この 内 容 は たとえ 大 脳 生 理 学 的 ヒューマン エラーが 発 生 しそうな 環 境 にあっても 安 全 順 守 の 技 を 訓 練 ~ 資 格 にまで 高 める 対 策 であり ケガ ゼロを 追 及 する 技 術 的 手 順 の 中 身 は 大 脳 特 性 とヒューマン エラー 発 生 の 要 点 を 学 び 訓 練 して 身 につけるという 安 全 対 策 技 術 を 実 務 的 に 順 守 してゆくための 要 件 である 以 上 図 1-1 を 中 心 に 本 書 が 狙 うケガ ゼロ 対 策 を 身 に 着 け 現 場 で 実 施 願 う 手 順 を 解 説 した 本 書 では 以 下 この 詳 細 の 解 説 を 行 うだけ とお 考 え 願 い 願 えれば 多 くの 内 容 が 実 務 で 役 立 つと 信 じる ちょっと 一 息 筆 者 談 ここまで 筆 者 達 が 不 良 ゼロ 対 策 を 進 める 対 策 に 並 行 して 進 めてきたヒュー マン エラーゼロ 対 策 の 手 順 を 製 造 現 場 の 安 全 面 に 活 用 する 方 法 に 関 する 技 術 的 な 手 順 という 局 面 から 解 説 した 既 に 本 手 順 は 数 社 で 安 全 対 策 に 活 用 し 成 果 を 得 つつある 内 容 だが 学 問 的 というより 泥 臭 いが 実 務 的 な 内 容 にしぼ った 対 策 法 である このような 書 を 記 載 した 背 景 には 1 関 連 してきた 企 業 で は 絶 対 に 事 故 を 出 していただきたくない という 思 いと 共 に 2 企 業 在 勤 時 代 から 安 全 関 係 の 文 献 や 資 料 講 習 会 などで 膨 大 な 資 料 と 注 意 を 受 けて きたが 筆 者 が 受 け 持 つ 職 場 を 目 前 にして 使 う 内 容 がかなり 絞 られることや 多 くの 知 見 は 参 考 ( 教 養 的 な 知 識 )にはなるが 実 務 面 で 適 用 に 難 を 感 じる ものが 多 かったためである 加 えて 3 知 識 を 実 際 に 使 うレベルに 各 小 規 模 集 団 に 落 とし 込 まなければ 結 局 は 事 故 発 生 と 共 に 不 安 や 周 りの 方 々の 老 婆 心 8

から 断 れない 業 務 や 資 料 づくりなどが 発 生 し 無 意 味 な 安 全 対 策 活 動 を 膨 大 化 させるという 反 省 があったためであり (1) 小 規 模 集 団 に 適 合 した 安 全 対 策 を (2)ハザード MAP という 形 で 明 示 して (3)ケガ 防 止 のために 行 うべき 行 動 を 知 識 から 訓 練 さらには 実 施 程 度 を 資 格 化 する 対 策 の 必 要 性 が 現 場 作 業 という 実 務 を 進 める 上 で 必 要 性 が 高 いという 結 論 に 至 ったわけである 実 は 筆 者 は 安 全 に 関 して 多 くの 安 全 対 策 ご 専 門 の 方 々がお 持 ちの 威 張 れ るような 経 歴 を 持 たない 従 って 多 くの 方 々のお 知 恵 を 拝 借 して 今 回 の 安 全 対 策 手 順 を 作 成 した だが 筆 者 も 安 全 対 策 にズブの 素 人 というわけではない 個 人 的 には 事 故 との 出 会 いで 大 きなショックを 受 けたことが ケガの 少 ない 企 業 人 生 だったように 思 う そこで 以 下 つたない 経 験 談 だが 筆 者 が 関 与 し た 安 全 対 策 に 関 する 経 験 を 紹 介 することにしたい 筆 者 は 1970 年 から 日 立 金 属 に 20 年 間 在 勤 した ここでは 溶 解 や 鋳 造 とい った 危 険 性 を 伴 う 職 場 との 関 係 が 多 かったが 筆 者 が 関 与 した 方 々は 高 い 安 全 知 識 と 意 識 を 持 ち 先 に 記 載 した(1)~(3)の 内 容 を 整 然 とこなしていた このため 正 直 安 全 に 関 する 取 り 組 みはあまり 意 識 してこなかったし 担 当 もした 経 験 は 少 ないが 常 に 安 全 は 第 1 地 番 目 のチェックポイントとしてき た なお 現 在 は 専 任 講 師 という 形 で 各 社 からご 相 談 を 受 けたり 現 場 見 学 などをする 仕 事 だが 各 種 の 仕 事 の 中 で (1)~(3)を 当 たり 前 と 思 って いたことが 多 くの 安 全 標 識 や 標 語 と 注 意 さらには 立 派 な 安 全 対 策 体 系 が なされてきた 企 業 でも 欠 けていることが 判 った また これに 対 比 する 形 で 筆 者 は 米 国 AAP 社 で 導 入 したデュポン 社 の Stop システムや 事 故 ゼロを 長 年 続 けてきた 優 良 工 場 や 職 場 で 学 んだ 体 験 は 実 務 的 に(1)~(3)の 要 件 を 極 めて 自 然 に 展 開 していた 点 に 気 づいたからだった なお そのような 見 方 をした 理 由 は 筆 者 の 学 生 時 代 に 遡 る では その つたない 体 験 談 を 紹 介 させていた だくことにしたい この 事 故 は 目 前 でフライス 盤 中 学 生 が 指 を 落 とした 現 場 を 遭 遇 したこと が 関 与 する 早 稲 田 大 学 大 学 院 で 実 験 機 の 一 部 を 製 作 中 の 時 だった この 時 筆 者 は 工 作 室 で 共 に 研 究 を 進 める 4 年 生 に 旋 盤 作 業 を 教 えていた その 時 真 後 ろで 同 級 生 が 事 故 を 起 こした その 内 容 はやってはいけない 行 為 が 関 与 した その 方 が 何 を 考 えたかは 不 明 だが 禁 止 となっている 行 為 だった 具 体 的 な 所 作 は 事 故 にあった 学 生 が 平 面 切 削 で 削 る 材 料 の 表 面 を 布 で 清 掃 しようとした 時 数 千 回 転 で 刃 が 回 る 工 具 に 巻 き 込 まれた 布 と 共 に 手 が 持 って 行 かれたわけ である あの 時 の 異 音 は 今 も 筆 者 の 耳 に 残 っている 嫌 な 音 である 本 人 は 即 座 に 救 急 車 となった また 腹 の 中 に 切 断 部 を 入 れて 切 断 面 を 回 復 させる 手 術 だ った 当 時 先 の 4 年 生 が 見 舞 いにいった 報 告 は 以 外 に 元 気 だった という ことで 当 時 は ほっとした だが 40 数 年 経 った 2011 年 正 月 たまたま 9

恩 師 である 元 加 藤 榮 一 理 工 学 部 長 のお 祝 いの 式 典 に 出 席 した 時 その 後 談 だ が という 話 の 中 から おれ 結 婚 と 就 職 どうなるのだろうか? という 相 談 を 受 けた 話 を 聞 いた 当 時 ケガの 回 復 と 共 に 事 故 に 遭 った 方 は その 後 何 とかなった という 話 だが 私 とかつての 同 僚 の 間 では お 互 いに 大 き な 事 故 なく 健 康 な 状 態 で 会 えた 幸 せを 喜 び 合 った 同 時 に 二 人 とも この 教 訓 が 企 業 生 活 で 大 きかったことを 語 った 筆 者 は 工 場 でケガをした 体 験 が 無 い ここのは このフライス 盤 の 事 故 が 大 きく 注 意 となったように 思 う さらに 職 場 へ 配 転 毎 に 職 場 関 係 者 が 見 事 な 安 全 対 策 技 術 を 駆 使 していた 方 々にお 会 いしてきた 内 容 も 大 きい 特 に 山 陰 の 安 来 工 場 配 属 時 代 共 に 仕 事 した 魚 釣 りでもお 世 話 になった 故 吉 木 氏 は 自 他 ともに 認 める 釣 りの 名 人 と 共 に 安 全 チェックの 大 師 匠 だった 吉 木 さん は 整 備 の 仕 事 だったが 川 や 海 釣 りの 際 の 危 険 防 止 から いつも 職 場 の 安 全 チ ェックは 時 に 人 に 嫌 われるくらい 厳 しかった 彼 は 個 人 で 簡 単 な 仕 事 ~ 遊 び まで その 対 象 毎 に 安 全 チェックリストをつくり 仕 事 着 手 前 には 必 ず 指 差 し 確 認 ダブルチェックを 実 施 していた 仕 事 もプロだったが KYT の 実 践 力 もプロだった そこまで 丁 寧 にやる 必 要 は 無 いのではないか? とさえ 思 う 内 容 だが 手 を 抜 かず 確 実 に 実 施 していた このため 筆 者 は 常 に 勉 強 となった その 早 くて 確 実 な 所 作 を 筆 者 は 今 でもお 手 本 にしている このような 体 験 談 を 筆 者 は 職 場 を 受 け 持 つ 毎 に 関 係 者 に 伝 えてきたが 幸 い 関 係 者 の 安 全 意 識 が 高 く 確 実 に 安 全 チェックを 行 う 方 々の 職 場 ばかりだ った このため 幸 いして その 後 はケガと 遭 うことは 無 かった だが 油 断 があった 米 国 で 現 場 管 理 者 として 工 場 の 一 部 をレイアウト 変 更 する 際 日 本 から 応 援 に 来 た 職 長 クラスの 方 1 名 にケガをさせてしまったからである 幸 い 日 本 に 帰 国 するには 至 らなかったが 5 針 も 縫 った なお ご 本 人 も もう 少 し で 作 業 終 了 ということで 注 意 を 怠 った と 反 省 されていたが 指 先 が 床 のパネ ルの 端 で 切 り 3 週 間 仕 事 はできなかった このため やむなく 書 類 整 理 やメ ンテナンスの 指 導 にあたっていただき これは これで 良 かったわけだが 大 反 省 をした この 事 故 は 筆 者 が 現 場 監 督 していて 後 10 分 ほどで 終 了 という 矢 先 に 起 きた 事 故 だった この 時 この 仕 事 も もう 少 しなので 問 題 なさそう だ と 思 い 関 係 者 に 安 全 だけは 注 意! 最 後 まで 気 を 抜 かないように とい う 注 意 をして 夜 間 に 米 国 現 地 と 日 本 との 連 絡 をやろうと 思 い 部 屋 へ 戻 った 直 後 だった 大 ショックである 当 然 この 方 を 米 国 工 場 の 支 援 に 送 っていた だいた 方 へのお 詫 びを 中 心 に ご 家 族 を 含 め 各 所 への 謝 罪 となったが 危 険 な 作 業 は 管 理 者 が 最 後 まで 安 全 監 視 すべきことを 反 省 した 以 上 余 り 自 慢 にならないが 筆 者 が 経 験 した 事 故 との 出 会 いである 以 上 このような 3 種 の 経 験 で 個 人 生 活 でも 安 全 と 健 康 は 自 分 で 自 分 の 10

面 倒 を 見 る( 自 己 責 任 だけでは 済 まない) ということが 工 場 生 活 の 基 本 にな った 今 は 企 業 の 方 々と 各 種 問 題 対 策 に 安 全 問 題 を 入 れ 対 策 中 だが 是 非 以 下 に 示 してゆくような 対 処 で 事 故 ゼロ 実 現 維 持 を と 願 うわけである 以 上 泥 臭 いが 実 務 的 な 事 故 ゼロ 対 策 手 順 の 具 体 化 に 努 力 する 背 景 となった 内 容 を 紹 介 した では 図 1-1 の 事 故 ゼロを 追 求 するステップの 要 点 は 全 て 解 説 が 終 了 したの で 次 ページより 下 図 の1~3を 実 務 展 開 願 いつつ 図 1-1 の 安 全 対 策 手 順 について その 技 術 的 内 容 の 解 説 を 進 めることにする ご 安 全 に! 安 全 対 策 は 既 に 中 央 労 災 防 止 協 会 や 多 くの 機 関 企 業 が 資 料 を 整 備 対 策 も 提 示 している では 今 回 の 研 修 は 安 全 確 実 で 早 い 仕 事 の 追 及 : 標 準 化 を 進 めるなかで 手 順 の 中 でやるべきことをやっていない やるべきでないことをやったことが 事 故 となる!( 体 験 ) 天 災 防 止? 人 災 防 止 は 技 術 的 対 策 1 ハザードMAPを 個 別 につくる 2 全 体 全 部 管 理 個 々の 職 場 にあった 詳 細 管 理 へ ( 情 報 が 少 なく 具 体 的 運 営 が 可 能 ) 2 技 術 的 手 段 を 習 得 ~ 資 格 的 運 営 11

1-2 他 山 の 石 解 析 の 進 め 方 (1) 大 自 然 の 驚 異 にも 危 険 予 知 を 生 かした 事 例 に 学 ぶもの リスクは 顕 在 化 して 初 めて その 重 大 影 響 が 判 る 2011 年 3 月 11 日 14:25 に 発 生 した 東 日 本 大 地 震 に 続 く 津 波 は 想 定 外 の 大 惨 事 を 日 本 にもたらした こ の 時 筆 者 は( 社 ) 日 本 能 率 協 会 の 5 階 の 事 務 所 にいた 筆 者 の 側 のキャビネ ットは 震 災 対 策 を 終 えた 棚 である だが 倒 れるのではないか?という 状 況 で 長 時 間 の 揺 れが 終 わるのを 待 った その 後 東 京 タワーの 見 える 芝 公 園 にヘル メットをかぶり 訓 練 通 りの 指 示 で 出 たが タワーの 先 端 は 曲 がり しばらく 続 く 余 震 に 恐 怖 を 感 じた 加 えて ワンセグを 持 つ 方 から 津 波 の 恐 ろしさを 見 ていただき 尋 常 ではないことを 知 った これが マグネチュード 9.0 大 津 波 が 起 きた 時 の 東 京 における 状 況 だった このため 当 然 電 鉄 は 停 止 筆 者 も 2 時 間 をかけ 歩 いて 帰 宅 遠 地 の 方 は 急 遽 の 宿 泊 となった その 後 の 大 惨 事 の 状 況 はテレビや 新 聞 で 見 る 通 りである 約 3 万 人 弱 の 死 者 と 33 万 人 もの 方 が 遠 地 や 被 災 地 で 生 活 を 強 いられる 惨 状 はいかにこの 地 震 と 津 波 更 には 原 発 事 故 の 影 響 が 大 きいかがわかる 筆 者 も 小 学 生 時 代 に 三 陸 沖 地 震 と 仙 台 の 付 近 はリアス 式 海 岸 で 津 波 が 海 岸 から 山 へ 向 かうほど 増 幅 されることや 地 球 の 反 対 側 で 起 きたチリ 地 震 による 津 波 の 影 響 は 学 んでいた また 既 に 現 地 では 多 くの 対 策 をとっていたこと に ある 程 度 は 大 丈 夫 ではないか と 思 っていた だが 実 情 は 大 きく 違 った 海 外 からも 見 学 が 多 かった 海 抜 5m 万 里 の 長 城 に 似 た 2 重 の 防 潮 堤 はあえな く 破 壊 され 多 くの 集 落 や 都 市 や 港 までも 消 えた また コンクリート 製 3 階 建 てのビルの 上 に 流 されたバスだけでなく 大 きな 船 舶 が 残 留 する 写 真 を 見 ると いかに 津 波 がいかに 予 想 を 超 え 規 模 だったかが 判 る だが このよう な 中 でも 大 船 渡 市 三 陸 町 の 吉 浜 地 区 は 1,400 名 の 住 民 の 中 で 不 明 者 1 名 だっ た という 報 道 記 事 があったので 紹 介 させていただくことにする 2011 年 3 月 26 日 の 朝 日 新 聞 によると ここの 家 屋 の 倒 壊 は 4 件 だった なお このように 被 害 が 少 ない 理 由 は 過 去 の 教 訓 を 生 かす ことを 実 践 していたか らだった 新 聞 では 先 祖 が 100 年 後 の 子 孫 を 救 う 題 していたが 三 陸 沖 の 多 くの 集 落 では 高 台 に 移 り 住 んでも 漁 をする 不 便 さから 湾 沿 いに 戻 ったそう である しかし 吉 浜 地 区 じゃ 明 治 の 三 陸 津 波 の 際 当 時 の 尊 重 が 低 地 にあっ た 吉 浜 地 区 の 集 落 を 丸 ごと 高 台 に 移 し 低 地 を 田 んぼにしたことが 町 史 に 記 載 されているという 記 録 が 残 っている これは 先 見 性 が 希 少 ともいえる 状 況 で 被 害 を 回 避 させた 例 である また 自 然 災 害 を 含 め 安 全 対 策 上 今 後 大 いに 教 訓 にすべき 取 り 組 みである さらに 3 月 29 日 には 小 学 生 が 学 校 の 誘 導 で 全 員 が 無 事 だった 事 例 が 報 じられた 加 えて 30 日 の 朝 には 海 岸 地 区 を 走 る 列 車 12

に 乗 っていた 警 官 2 名 が 地 震 警 報 を 受 け 列 車 停 止 と 同 時 に 乗 客 を 1Km 先 の ビルへ 誘 導 して 10 数 名 の 乗 客 全 ての 生 命 を 救 った 対 処 が 報 道 された この 2 件 は 日 頃 の 訓 練 をそのまま 実 施 したというものだが 緊 急 時 の 対 処 を 準 備 ~ 訓 練 しておく 重 要 性 を 伝 える 例 だった これ 以 外 にも 地 震 ~ 津 波 当 日 に 高 台 に 対 比 して 津 波 を 撮 影 または 見 学 するシーンが 撮 影 されていたが ここでも 訓 練 の 大 切 さが 同 時 放 送 の 形 で 語 られていた 今 回 予 想 をはるかに 超 えた 津 波 だったため 残 念 ながら 準 備 していた 避 難 訓 練 が 役 に 立 たなかった 例 は 多 い だが このような 報 道 を 見 ても 備 えあれば 憂 いなし という 原 則 の 大 切 さと リスク 程 度 の 評 価 をどのようにしておくべきか? という 内 容 が よりクロ ーズ アップしてくる 筆 者 は 東 京 の 目 黒 に 住 み 近 くに 防 災 センターがある このため 個 人 的 ではあるが 既 に 訓 練 に 参 加 した ここで 暗 闇 と 火 事 の 中 で 何 をすべきか? をはじめ 各 種 のリスク 対 策 を 勉 強 させていただいた( 皆 様 にも 参 考 になれば 幸 いである) 安 全 対 策 を 最 も 効 果 的 に 進 める 道 は 事 例 に 学 ぶという 対 策 に 尽 きる とさ れている その 理 由 は 1 重 大 事 故 を 始 め 事 例 には 必 ず 問 題 とやるべき 項 目 が 明 確 に 提 示 される 2 回 避 のため リスクの 設 定 と 回 避 策 や 緊 急 時 対 策 に 手 を 打 っている 方 々や 事 例 は 被 害 を 回 避 したり 少 ない 被 害 という 成 果 ( 結 果 )を 得 てきた 3 世 界 全 体 を 見 ていると 残 念 ながら 自 然 災 害 や 企 業 における 事 故 や 事 件 は 繰 り 返 されており 人 が 忘 れる という 特 性 に 天 が 注 意 を 与 えてい るのではないか? と 考 えたくなる 状 況 で 教 材 的 に 危 険 に 対 処 すべき 警 告 を 与 えている 以 上 のような 要 件 を 我 々は 危 険 防 止 技 術 という 形 で 製 造 職 場 では 生 かす べきことになるわけだが 既 にこの 種 の 対 処 は 坂 井 優 基 著 ジャンボ 機 長 の 危 機 管 理 術 PHP 文 庫 など 航 空 機 界 で 安 全 対 策 を 実 践 ~ 教 育 されてきた 方 々の 著 書 に 記 載 されている 要 件 である また 失 敗 学 のすすめ で 有 名 な 畑 村 先 生 を 始 め 事 故 調 査 を 研 究 して 安 全 対 策 を 研 究 された 方 々も 口 を 揃 えて 示 す 注 意 である そこで 以 下 この 他 山 の 石 解 析 の 視 点 を どのように 実 務 的 に 進 め 自 分 自 身 が 関 与 する 職 場 の 安 全 対 策 や 小 規 模 職 場 の 安 全 管 理 に 活 か すべきか?という 解 析 方 法 に 入 ることとする この 書 の 読 者 の 皆 様 が 他 で 起 きた 事 故 や 事 件 を うちでは 起 きないだろう と 高 をくくらずに 様 々な 条 件 を 変 化 させ もし 当 職 場 で 同 じ 事 象 が 起 きたら? としてとらえ リ スク 対 策 と 危 険 回 避 の 訓 練 を 実 践 して 行 く 対 策 である ここで 重 要 な 点 は (1) リスクをどのように 評 価 すべきか?ということと (2) 物 理 現 象 として 起 きる 可 能 性 を 正 確 に 分 析 できる 力 を 自 ら 築 く 点 更 には (3) 有 効 な 回 避 緊 急 時 策 を どのように 見 つけ 実 践 できる 対 処 と 訓 練 を 実 践 して 身 につける 点 ( 内 容 と 程 13

度 )にある 俗 に 優 等 生 有 名 な 評 論 家 と 学 者 はめったに 事 故 は 起 こさないが この 種 の 方 が 起 こす 事 故 はとんでもない 大 事 故 であることが 多 い そして 起 きると 必 ず 想 定 外 として 得 々とその 理 由 ( 言 い 訳 )を 語 り 自 分 の 自 説 の 言 い 訳 をするので 事 故 対 策 には 無 意 味 とされてきた この 注 意 が 指 摘 する 内 容 はリスクの 想 定 が 頭 の 中 の 理 解 とイメージだけであって 実 情 とは 乖 離 している という 指 摘 である 物 理 現 象 として 発 生 するケガや 事 故 は 自 然 界 の 原 理 に 従 って ある 状 況 下 で 当 然 のように 起 きる 従 って この 種 人 間 的 に 納 得 する 話 があっても 事 故 発 生 は 無 関 係 という 注 意 を 我 々は 重 視 すべきであ る では 以 下 実 際 に 起 こった 事 例 の 解 析 を 願 うことにする なお 解 析 に 当 たって リスクの 定 義 をご 参 考 願 いたい また 読 者 の 皆 様 には 聞 い た 話 ではなく ご 自 身 で 危 険 点 の 発 掘 にチャレンジをお 願 いしたい その 理 由 は 聞 いた 話 と ご 自 身 で 考 え 気 づいたチェックポイントとでは 身 に 付 け 実 務 で 活 用 する 際 に 大 きな 差 が 出 るためである (2) 事 例 解 析 の 前 に 知 っておくべき リスク 解 析 の 進 め 方 事 例 解 析 とリスク 回 避 や 軽 減 を 図 る 対 策 は (1)リスクを 感 知 する 能 力 を 高 め る (2)リスクを 評 価 する そして (3) 有 効 な 防 止 緊 急 時 策 をつくり 管 理 する という 3 種 の 能 力 増 強 と 行 動 力 の 強 化 が 必 要 になる この 中 で(2)は 知 識 であり (1)と(3)は 場 数 を 踏 もことが 求 められる そこで この 対 策 に 次 の 事 例 解 析 を 願 うことにしたい では (2)のリスクと 評 価 に 対 する 内 容 の 解 説 に 入 ることにす る なお リスクの 定 義 は 表 1-1 の 通 りである 表 1-1 辞 書 に 記 載 された リスク に 関 する 解 説 名 詞 : 危 険 冒 険 危 険 率 保 険 金 額 被 保 険 者 賭 ける 損 傷 や 損 害 や 損 失 を 招 く 可 能 性 動 詞 : 危 うくする 賭 ける 冒 険 を 冒 す 大 胆 にやってみる 一 般 に 危 険 の 可 能 性 を 言 う 実 現 の 頻 度 と 重 大 性 がここに 注 目 の 的 となる さらに 時 間 経 過 と 共 に 起 こる 影 響 度 の 拡 大 性 緊 急 性 影 響 度 の 深 刻 性 なども 注 意 を 要 する 内 容 である この 中 には 危 険 を 犯 してまでも 一 発 勝 負 の 賭 けをする とか 株 の 証 券 に 見 る 投 資 のように 危 険 があるから 保 険 を 掛 ける という 内 容 もある だが 一 般 の 企 業 において リスクは 除 去 回 避 すべき 対 象 である 具 体 的 にリスク 対 策 が 課 題 になる 状 況 は 製 造 現 場 で 多 い 安 全 面 の 対 策 や 品 質 納 期 対 策 を 14

始 め 出 勤 率 や 技 能 伝 承 関 係 者 の 人 間 関 係 など 多 岐 にわたる だが こ こでは 作 業 における 安 全 対 策 に 関 するリスクにしぼりリスク 評 価 の 方 法 を 解 説 することにする まず 表 1-2 を 用 いて 火 災 事 故 とリスク 発 生 の 関 係 を 簡 単 に 解 説 することに する 火 事 の 対 策 は 予 防 に 勝 る 消 化 なし! という 有 名 な 標 語 がある だが リスク 対 策 に 重 要 な 取 り 組 みは 極 めて 当 たり 前 の 対 処 予 防 である 表 1-2 問 題 発 生 の 4 区 分 No. 状 況 の 区 分 解 説 安 全 対 策 の 場 合 対 策 点 1 予 防 対 策 火 事 の 予 知 予 防 と 緊 急 時 の 各 種 作 業 着 手 前 に 行 う 予 防 対 策 と 訓 練 と 監 視 ( 定 期 的 チェック) KYT(リスク 対 策 ) 緊 急 時 の 準 備 2 小 規 模 出 火 問 題 発 生 時 の 小 火 消 化 対 策 責 任 分 担 者 による 問 題 の 発 生 時 に 準 備 3 火 災 発 生 消 防 車 の 出 動 要 請 と 大 火 類 焼 を 防 ぐ 対 策 発 生 時 対 策 ( 各 責 任 者 が 対 策 事 後 報 告 のみで 了 解 ) 火 元 の 早 期 消 化 対 策 した 緊 急 手 段 の 発 動 緊 急 会 議 によ る 善 後 策 検 討 4 大 火 類 焼 被 害 が 他 に 及 ぶ 大 災 害 致 命 的 決 定 ( 事 後 処 理 ) 被 害 最 少 の 事 後 策 発 動 一 般 に 問 題 が 起 きた 時 の 対 策 ( 事 後 対 策 の 手 段 )は 次 に 示 す 対 策 となる 1 金 をかける 2 技 術 を 導 入 する( 技 術 = 人 の 場 合 は 人 を 投 入 する)か 賠 償 金 を 払 う 3 工 数 人 を 投 入 する 要 は 期 間 を 延 長 する だが はっきり 言 っ て 表 1-2 の 上 から 下 に 行 くほど 被 害 は 大 きく 事 後 処 理 に 時 間 とお 金 がか かる では どのような 時 にリスクが 発 生 しやすいか? 何 がリスク 発 生 を 誘 発 するか?を 検 討 する 必 要 が 生 じるが これについては 下 記 の 内 容 をご 参 考 に それぞれの 場 に 合 った 各 種 場 に 応 じた 解 析 や 評 価 をお 願 いしたい 1 時 間 が 無 い 仕 事 を 急 ぐ 立 場 がからむ 場 合 など 無 理 をする 現 象 が 出 る 2 マクロに 管 理 すると あいまいさが 残 り 変 にもたれ 合 いが 起 きて 個 別 具 体 的 に 検 討 すべき 項 目 の 検 討 が 進 まない また 責 任 分 担 も 曖 昧 になり 問 題 が 露 見 するまでリスク 把 握 ができない 3 単 に 頭 でっかち しかも リスクの 経 験 や 訓 練 を 受 けたことが 無 い 方 は リスクの 大 きさ 影 響 頻 度 ( 繰 り 返 し 性 )を 無 視 しがちになる 特 に 何 とか 今 まで 何 もなく 過 ごしてきた 方 はリスク 重 視 をしない 例 が 多 い 4 自 由 に 問 題 を 発 言 する 場 が 無 いと 言 うべき 問 題 が 顕 在 化 しないため 言 っておけばよかった という 反 省 リスクが 顕 在 化 する 例 が 多 い 5 リスク 発 生 時 の 責 任 が 最 初 からはっきりしない 制 度 を 運 用 した 場 合 関 15

係 者 は 真 剣 にリスクの 項 目 や 影 響 を 考 えないので 問 題 の 提 出 がなされ ない また 問 題 が 出 ても たらい 回 し 的 な 扱 いのまま 事 が 進 み 結 局 真 剣 に 問 題 を 挙 げないので 問 題 が 隠 れたままになってしまう 6 その 他 トップの 姿 勢 やトップと 部 下 の 人 間 関 係 目 的 手 段 の 齟 齬 (そご)や 乖 離 矛 盾 の 存 在 など では リスクをどのように 評 価 すべきか? について 表 1-3 をご 参 考 願 い たい(この 評 価 はアポロ 計 画 を 早 急 に 進 める 中 NASA で 研 究 ~ 提 示 された 内 容 だが 現 在 産 業 界 はこの 評 価 内 容 を 基 にしてきた) 表 1-3 リスクの 要 因 と 評 価 基 準 の 例 1 リスクの 評 価 P:Probability S:Seriousness ( 発 生 可 能 性 ) ( 事 が 起 きた 時 の 重 大 性 ) P:Probability 5: 必 ず 起 きる 4: 起 きる 可 能 性 が 極 めて 高 い 3:5 分 5 分 の 可 能 性 がある 2:ほとんど 起 きないであろう 1: 絶 対 に 起 きないと 思 われる 1リスクの 大 きい 項 目 を 抽 出 する 2 2リスクの 理 由 と 程 度 を 明 らかにする S:Seriousness 5: 起 きた 時 は 致 命 的! 4:かなり 影 響 大 3: 影 響 は 出 るだろう 2: 影 響 は 少 ない 1: 影 響 は 無 いと 思 われる 31 予 防 策 を 立 てる: 予 防 とは 問 題 の 未 然 防 止 を 狙 いとしたもの 2 緊 急 時 対 策 を 立 てる: 予 防 策 を 実 施 した にもかかわらず 問 題 が 発 生 してしまったときに とる 対 策 4 対 策 成 果 の 評 価 E:Effects F:Fulfillment ( 対 策 案 適 用 の 効 果 ) ( 実 現 性 ) E:Effects 5: 効 果 は 極 めて 大 きい 4:かなり 効 果 大 きい 3: 効 果 はあるだろう 2: 効 果 はあまり 無 いだろう 1: 効 果 は 全 くない F:Fulfillment 5: 必 ず 実 現 できる 4: 実 現 性 は 高 い 3: 実 現 できるかも 知 れない 2: 実 現 は 難 しい 1: 出 来 ないと 思 う 5 低 減 程 度 の 見 積 もり: 効 果 実 現 性 が 高 いと 見 込 まれる 対 策 駆 使 した 結 果 どの 程 度 リスクが 低 減 したかを 見 積 もる( 例 : 発 生 確 率 4 2に 低 下 重 大 性 5 2) 16

表 に 示 したように リスクは 発 生 確 率 (P) 事 が 起 きた 時 の 重 大 性 (S) で 評 価 することを 基 本 とする だが 時 々 これ 以 外 の 項 目 を 付 加 する 例 があ る 例 えば 緊 急 性 (U)と 拡 大 指 向 性 (G)という 評 価 項 目 である U: 緊 急 性 (Urgency) 待 ったなしのタイミングで 手 を 打 たなければ 取 り 返 しがつかなくなるという 危 険 性 G : 拡 大 指 向 性 (Growth) 放 置 すると 後 で 取 り 返 せない 事 態 になると いう 危 険 性 この 項 目 は 先 の P S に 追 加 して 用 いる 例 えば 目 前 にあるリスクの 内 容 を 評 価 した 時 緊 急 に 手 を 打 たなければ 被 害 が 大 きくなる 場 合 緊 急 処 置 を 適 用 する なお 緊 急 性 は 5 段 階 評 価 P S と 同 じような 基 準 を 設 けてご 利 用 願 いたい 要 は 極 めて 緊 急 な 問 題 解 決 が 必 要 ~ 緊 急 性 は 全 くない という 内 容 までを 5 段 階 に 分 ければ リスクの 追 加 項 目 として 利 用 することができる 問 題 には 風 評 被 害 のように 緊 急 性 は 無 いが 疑 心 暗 鬼 の 状 態 を 放 置 しておく と やがて 噂 が 広 がり 手 がつけられなくなるケースがある これを 拡 大 指 向 性 というが これも 先 の 緊 急 性 と 同 様 に 評 価 基 準 を 定 めて 早 急 に 対 処 する 要 件 である(もし P S U G 以 外 にリスクの 評 価 として 加 える 項 目 があれ ば 追 加 をお 願 いしたい) リスク 対 策 の 主 目 的 は リスクの 回 避 =リスク 発 生 を 防 止 する 点 にあるが これを 予 防 策 づくり という だが もし リスク 対 策 で 充 分 な 予 防 策 が 取 られても 例 えば 火 事 に 対 する 予 防 策 をとったにも 係 わらず 問 題 が 起 きてし まった 場 合 一 般 に リスク 対 策 時 に 用 意 された 緊 急 時 のために 準 備 された 対 策 を 発 動 する しかし 緊 急 時 対 策 を 通 して あらゆる 対 策 を 施 しても 問 題 が 解 決 しない という 最 悪 のケースに 陥 ってしまった 場 合 いたしかたない 処 置 として 退 散 すなわち 準 備 していた 作 業 の 実 施 取 りやめとか 危 険 な 設 備 の 設 置 の 中 止 決 定 などとなる なお これも 一 種 のリスク 軽 減 策 の 決 定 であり リスク 対 策 上 重 視 されてきた 対 策 のひとつである 以 上 リスク 対 策 は 事 前 検 討 対 策 であり いかに 多 くの 局 面 から 評 価 してリスクを 避 けるかがテーマと なる だが リスクが 発 生 する 危 険 を 承 知 で やむを 得 ず ある 作 業 や 計 画 な どを 実 施 する 例 がある この 場 合 も リスク 発 生 の 兆 しを 早 く 捉 え ボヤ 程 度 の 段 階 で 準 備 しておいた 緊 急 時 対 策 を 発 動 して 被 害 の 軽 減 化 を 進 めること がリスク 対 策 の 要 点 である 以 上 リスクを 管 理 下 に 置 く 対 策 内 容 について 解 説 した では ここまでの 解 説 を 頼 りに 各 種 事 例 の 解 析 をお 願 いしたい (3) 事 故 事 例 の 解 析 演 習 :その1 クレーン 倒 壊 事 故 下 の 図 は 09 年 に 起 きたクレーン 倒 壊 事 故 である 死 者 1 名 と 共 に もし もう 少 し 倒 壊 が 遅 れた 場 合 6 名 の 被 害 者 だけでなく クレーンの 下 敷 きにな 17

ったトラック 運 転 席 にいた 3 名 も 危 うかったという 事 件 だった 総 論 は 管 理 のずさんさ となるが その 要 件 を 例 示 願 いたい なお この 種 の 解 析 は 結 果 を 見 るとコロンブスの 卵 である 要 は 自 ら 見 つけて 自 分 の 職 場 で 使 うということが この 種 の 設 問 を 用 いた 解 析 の 要 点 となる 設 問 1 事 例 に 見 るケガ 他 山 の 石 解 析 の 進 め 方 記 入 欄 死 亡 事 故 の 事 例 解 析 でつかむ 管 理 指 導 ズサンさの 実 態 設 問 1 クレーン 横 転 事 故 09 年 4 月 14 日 午 前 11 時 44 分 東 京 都 千 代 田 区 麹 町 4 丁 目 マンションの 新 築 工 事 現 場 で 太 平 洋 基 礎 所 有 のクレーンで 地 中 に 埋 められたパイプ6トン 長 さ 2mを 吊 り 上 げ 移 動 する 際 加 重 に 耐 えられず 道 路 側 に 倒 れた その 結 果 6 人 に 被 害 (クレーンオペレーターと 歩 行 者 は 重 体 ) クレーンは 片 側 3 車 線 を ふさぐ 形 で 倒 れた クレーンアームはトラックの 運 転 席 に 倒 れ3 人 が 閉 じこめ られたケガをした もし 急 停 止 が 遅 ければ 死 亡 事 故 となっていた という 状 況 だった このクレーンと 吊 り 方 の 制 限 は 10m 以 内 に 対 象 物 を 置 くとワイヤー2 本 で 13トンが 吊 り 上 げ 可 能 1 月 13 日 の 点 検 では 問 題 無 い 状 況 だった 対 象 物 は 10.5トン 4 月 18 日 の 警 視 庁 捜 査 1 課 は 距 離 が14mと 距 離 適 正 を 超 す 状 況 を 伝 えた なお このクレーンはケーシングという 吊 り 上 げ 対 象 物 から 約 20m 離 れたところで 掘 削 工 事 を 応 援 その 後 2m 弱 近 づいただけで 対 象 物 であ るケーシングの 吊 り 上 げに 入 っていた 事 実 を 公 表 した ケガ ゼロ( 再 発 ゼロを 含 む)の 立 場 から この 事 件 を 参 考 に 考 えられる 問 題 と 対 策 を 挙 げて 下 さい 解 析 例 として 次 ページ 図 1-8 に クレーン 倒 壊 事 故 の 解 析 結 果 を 例 示 した 解 析 をご 覧 願 うと 安 全 を 業 とするプロなら 当 然 解 析 しておくべきことがすべ て 抜 けていることが 判 る 要 は 事 故 は 物 理 的 に 安 全 が 保 障 できない 範 囲 すなわち 規 定 値 を 超 えた 作 業 条 件 で 作 業 を 開 始 したことが 事 故 の 原 因 だった 当 然 作 業 着 手 前 に 評 価 検 討 すべきリスクを 察 知 対 策 しなかったことが この 事 故 発 生 理 由 のひとつ であり 当 然 起 こるべき 条 件 下 で 起 きた 事 故 だった また この 例 は P( 発 生 確 率 100%) 5 S( 事 が 起 きた 時 の 重 大 性 は 致 命 的 )=5 だったリスクを 無 視 して 起 こした 事 故 である すなわち 1 神 の 世 界 である 自 然 現 象 を 人 間 の 経 験 で 無 視 した 結 果 天 が 許 さなかったという 自 然 現 象 を 誘 発 した 事 故 であり は っきり 言 って この 種 の 仕 事 においては あえて 違 反 行 為 を 断 行 した という 判 定 になる 2 図 1-9 の 下 に 記 載 したように この 企 業 は 5 年 ほど 前 に 同 じよ うな 事 故 を 起 こしていた だが その 時 にリスクを 評 価 していなかった 裁 判 18

でも 過 去 の 教 訓 を 生 かしていなかったことが 今 回 の 事 件 に 対 する 推 察 要 件 とされた さらに 3この 作 業 管 理 でケーシングを 吊 上 げる 際 に 距 離 の 計 測 を した 記 録 はどうなっているであろうか?また 4 誰 がこの 作 業 の 安 全 を 保 障 す るのであろうか?と 見 ると 安 全 管 理 者 の 仕 事 のさせ 方 に 更 なる 疑 問 がでてく る 結 論 は この 点 が 判 決 で 有 罪 になったわけだが 4 3 2 1の 順 に 企 業 内 では 実 務 を 決 めるべき 内 容 だったと 考 える 以 上 他 にも 解 析 の 仕 方 があると 思 うが 管 理 のずさんさが 物 理 現 象 の 誘 発 を 招 く 結 果 を 見 ると この 種 の 事 件 から 学 ぶべき 点 は ここまでに 記 載 した 解 析 にたどりつくはずである その 理 由 は この 手 順 と 共 に 十 分 なリスク 対 策 を しておけば (1) 裁 判 で 管 理 者 に 有 罪 が 下 る (2)6 名 の 方 が 事 故 に 遭 う (3) 3 名 のトラック 運 転 席 の 倒 壊 という(1)~(3)は 発 生 しなかったからである 常 に 事 故 は 起 きてから 解 析 され 結 果 は 素 人 が 見 ても その 道 のプロなら 当 然 対 処 すべき! という 怒 りに 似 た 内 容 を 感 じる 例 が 多 いが この 例 は 正 にその 種 の 一 例 を 示 す 内 容 だった 事 実 として 判 明 した 問 題 点 1 この 工 事 は 東 亜 建 設 工 業 が 施 工 クレーン 作 業 はクレーン クレーン を 所 有 する 大 洋 基 礎 だった 作 業 は 現 場 責 任 者 1 名 クレーン 地 上 操 作 台 車 安 全 保 障 距 離 10m 地 面 ケーシングと 呼 ばれる 吊 り 上 げ 対 象 物 操 作 員 ほか4 人 がくい 打 ちを 進 めていた 指 摘 事 項 安 全 管 理 者 の 仕 事 とチェックに 疑 問? 2 ケーシングの 引 き 抜 きは2 本 のワイヤーで 吊 るが 2 本 なら 9.4m 以 内 なら13トンまで 可 能 10.9mなら9.2トン 13.1m 以 内 なら5.5トンとされている だが 実 際 は14mだった 指 摘 事 項 距 離 の 実 測 を 手 抜 きした? 3 資 材 (ケーシング)の 重 量 を 当 初 7トンとしていたが 実 際 には 10.5トンだった 加 えて ケーシングは 地 上 6メートルまで 地 中 に 入 っていたため 引 き 抜 き 重 量 が 加 算 される 状 況 だった 指 摘 事 項 物 理 的 に 絶 対 無 理 ( 制 限 を 超 えた) 作 業 を 許 可? 4 クレーンでケーシングを 引 き 抜 く 際 に アームを 左 右 に 振 って 引 き 抜 こうとした 指 摘 事 項 アームに 負 荷 がかかり 横 転 の 危 険 性 が 高 い ことが 知 られているが 素 人 的 判 断 か? 5 吊 り 上 げ 方 向 は クレーンに 対 して 直 線 上 になければならな いが 縦 長 の 地 上 台 車 に 対 して 対 角 線 方 向 だった 指 摘 事 項 支 えが 働 かない 位 置 関 係 で 吊 り 上 げは 素 人 的 か? 図 1-8 クレーン 横 転 事 故 の 解 析 結 果 の 例 19

麹 町 のクレーン 横 転 事 故 は 想 定 外 ではなく アームを 傾 けて を 傾 け 資 材 の 吊 り 上 げ 時 に 規 定 以 上 の 荷 重 がかかり 転 倒 した 警 視 庁 の 視 点 1 警 視 庁 捜 査 1 課 は4 月 15 日 に 業 務 上 過 失 致 死 容 疑 で 家 宅 捜 査 に 入 った 2 円 筒 形 資 材 ( 直 径 2.5m 長 さ7m)は7トンとしていたが その 後 の 捜 査 で 10.5トンと 判 った( 東 亜 建 設 工 業 の 報 告 内 容 は 違 っていた) 3 現 場 検 証 は 事 故 当 時 の 吊 り 上 げ 角 度 クレーンと 吊 り 上 げ 資 材 との 距 離 指 示 管 理 基 準 と 当 時 の 管 理 体 制 具 体 的 指 示 の 実 態 調 査 に 関 する 全 て を 対 象 とした 調 査 となる 目 的 は 業 務 上 過 失 致 死 の 実 証 である( 毎 日 新 聞 社 の 報 道 ) なお 事 故 当 時 の 距 離 についての 聴 取 は クレーン 操 作 員 のケガで 未 確 認 だったが その 後 資 材 吊 り 上 げ 時 にバランスを 崩 した ことを 供 述 捜 査 の 結 果 明 らかになった 事 項 ( 産 経 新 聞 4 月 17 日 ) 5 年 前 にもクレーン 横 転 ( 東 京 麻 布 )を 発 生 させていた なお この 時 は 幸 い けが 人 はなかった 図 1-9 クレーン 転 倒 事 故 に 対 する 警 視 庁 の 活 動 対 象 は 異 なるが 同 種 の 事 故 は 多 い 次 に 図 1-10 を 例 示 し 先 のクレーン 倒 壊 との 類 似 点 を 解 説 することにする 事 故 の 概 要 本 来 の 設 置 方 法 09 年 1 月 23 日 9:20 頃 大 分 県 青 崎 の 南 日 本 造 船 ( 本 社 大 分 県 臼 杵 市 ) 大 在 (おおざい) 工 場 のドッグ 内 で 建 造 中 の 自 動 車 運 搬 船 と 陸 地 とを 結 ぶタラップが 落 下 作 業 員 2 名 死 亡 23 人 が 怪 我 をして9 病 院 に 搬 送 された 事 故 開 口 部 タラップ フック ボルト 会 社 側 はこの 実 態 を 把 握 していなかったことを 発 表 大 分 県 警 は 業 務 上 過 失 致 死 労 働 安 全 法 違 反 で 取 り 調 べ タラップ 今 回 落 下 事 故 を 起 こした 設 置 の 方 法 事 故 の 状 況 1 先 端 のフックがタラップから 外 れた 2 ボルトが 荷 重 に 耐 えられなかった ( 折 損 していた) 3 タラップと 船 体 はワイヤーでつなぐことになっ ていたがワイヤーは 使 用 していなかった 4 この 設 置 は 下 請 け 業 者 任 せだった 図 1-10 南 日 本 造 船 大 在 工 場 での 桟 橋 落 下 事 故 この 事 故 は 先 の 事 故 と 同 じ 年 に 起 きた 事 故 である 造 船 中 の 船 に 作 業 員 を 早 急 に 乗 せる 際 にタラップが 落 下 した 事 件 である 理 由 は ボルトの 耐 力 以 上 の 加 20

重 と 振 動 が 限 界 を 超 え ボルト 破 断 タラップが 落 ち 大 けがの 方 々を 発 生 さ せたというものだった これも リスクを 無 視 した 結 果 であり 起 きる 条 件 下 で 起 きた 物 理 現 象 である また 安 全 管 理 面 からすれば 安 全 基 準 無 視 とい う 違 反 行 為 となる 先 の 事 故 とこの 事 故 の 共 通 点 は 急 ぐため つい 安 全 対 策 のチェックと 対 策 を 抜 いた 結 果 ということだったが 事 故 が 起 きた 以 降 の 事 故 処 理 と 事 前 検 討 の 時 間 比 較 すれば 全 く 意 味 の 無 い 判 断 であった ことが 子 供 でも 判 る では この 種 の 事 件 がなぜ 繰 り 返 すのか? という 局 面 に 触 れることにする この 内 容 は P.15 の リスク 発 生 を 誘 発 する 要 件 1 示 した 時 間 が 無 い 仕 事 を 急 ぐ 立 場 がからむ 場 合 など 無 理 をする 現 象 が 出 る という 要 件 が 現 出 した 例 ということになる 安 全 工 学 を 研 究 する 専 門 家 は こ の 種 の 行 動 に 対 し 図 1-11 に 示 した リンゲルマン 効 果 と 現 象 が 関 与 すると している リンゲルマ リンゲルマン 効 果 は, 約 100 年 前,ドイツの 心 理 学 者 リンゲルマンが 発 表 した 内 容 であり ン 効 果 は 右 に 社 会 的 手 抜 き 効 果 の 名 で 世 界 に 広 がった 一 種 の 法 則 として 知 られる 示 した 図 に 解 個 人 ( 何 が 違 ってくるか?) 集 団 説 の 通 りだが 100 年 も 前 に 研 究 され 提 唱 実 験 によると 1 人 で 引 っ 張 った 場 合 を100とすると 2 人 では 期 待 値 の93% 3 人 では された 原 理 で 85% 8 人 になると49%と 人 数 が 増 えると 力 が 増 すと 思 われがちな 綱 引 きで 責 任 感 の 拡 散 という 現 象 と 共 に 力 の 発 揮 度 合 いが 低 下 する 結 果 となった ある 日 本 で 集 団 に 対 する 対 策 人 間 の 心 理 は もたれ 合 1リスクとウエイトを 1 共 同 作 業 を 行 う 時 どうせ だれかがやって 明 確 にする くれる という 心 理 が 自 然 に 生 まれる 傾 向 が い と 言 うが 2 業 務 を 分 割 し 責 任 発 生 する 分 担 を 明 確 にする 人 が 多 けれ 2 歯 車 の 一 員 として 活 動 する 場 合 自 分 の 努 力 3 1+2を 管 理 する は 認 めてくれない と 思 う 心 理 が 作 用 する ば 安 全 が 維 持 管 理 者 を 定 め 規 則 を 3 問 題 があっても 誰 かが 責 任 を 持 ちやってくれる 完 全 に 守 らせる というもたれ 合 いが 生 まれる されるという 保 証 はない 図 1-11 リンゲルマン 効 果 という 点 に 警 鐘 を 鳴 らしている 同 時 に この 理 論 は リスク 対 策 に 当 たっては リスク の 項 目 を 明 確 にした 上 で リスク 項 目 毎 に 責 任 者 と 実 施 要 件 を 決 めるべき と いう 対 処 を 示 唆 してきた (4) 事 故 事 例 の 解 析 演 習 :その2 プールにおける 少 女 死 亡 事 故 では 図 1-12 に 2006 年 に 起 きた 水 が 回 転 する 中 で 泳 ぐ 通 称 : 流 れるプー ルにおいて 起 きた 事 故 である 水 を 吸 い 込 む 口 の 柵 が 外 れ 少 女 が 吸 い 込 まれ て 死 亡 した 事 件 だった では この 極 めて 残 念 で 悲 惨 な 事 故 を リスク 対 策 と いう 局 面 ( 再 発 防 止 という 視 点 )で 解 析 をお 願 いしたい 21

学 校 や 市 民 プールは 文 科 省 都 市 公 園 のプールは 国 交 省 が 大 まかな 規 準 を 出 す 程 度 2006 年 7 月 31 日 午 後 1 時 50 分 ごろ 埼 玉 県 ふじみ 野 市 大 井 武 蔵 野 市 営 ふじみ 野 市 大 井 プールで 女 の 子 が 吸 水 口 に 吸 い 込 まれ 死 亡 排 水 口 の 柵 が 針 金 で 止 めてあった 柵 が 外 れていた 連 絡 を 水 泳 中 の 子 供 が 監 視 員 に 報 せた 直 後 の 事 故 だった 文 部 省 の 主 な 通 知 と 85 年 8 月 28 日 水 泳 プール 対 象 に 排 水 口 に 金 網 徹 柵 などを 設 け 容 易 に 取 り 外 せない 構 造 に と 通 知 95 年 5 月 26 日 通 知 文 に 排 水 口 の 柵 を ボルトで 固 定 化 と 追 加 95 年 度 末 国 公 私 立 の 養 護 学 校 など 3 万 2 千 校 を 調 査 3 校 には 柵 が 固 定 されていない または 未 設 置 だった 96 年 5 月 20 日 学 校 プールを 対 象 に 吸 い 込 み 金 具 をつける 二 重 の 事 故 防 止 策 を 初 めて 通 知 97 年 2~3 月 再 調 査 で 柵 に 問 題 のある 学 校 は1/12だった 00 年 5 月 29 日 96 年 の 通 知 に 関 して 学 校 以 外 のプールに2 重 柵 を 要 請 03~04 年 日 本 体 育 施 設 協 会 が 国 公 立 校 3 万 8 千 校 を 調 査 柵 未 固 定 は589 校 吸 い 込 み 防 止 金 具 未 設 置 223 校 だった 今 まで 発 生 した 過 去 の 事 故 93 年 7 月 31 日 千 葉 県 小 学 6 年 女 児 浄 化 装 置 吹 き 出 し 口 に 吸 い 込 まれ 94 年 8 月 5 日 鹿 児 島 県 金 峰 町 小 学 5 年 男 児 が 排 水 溝 に 吸 い 込 まれ 95 年 8 月 1 日 宮 城 県 丸 森 町 で 小 学 6 年 男 児 が 排 水 口 に 吸 い 込 まれ 同 4 日 静 岡 県 西 伊 豆 で 小 学 5 年 男 児 が 排 水 口 に 吸 い 込 まれ 事 故 は40 年 の 間 に 55 件 も 発 生! 99 年 7 月 山 形 県 藤 島 町 で 小 学 6 年 女 児 が 排 水 口 に 吸 い 込 まれ 同 8 月 18 日 栃 木 県 葛 生 町 で 高 校 1 年 男 子 が 排 水 口 に 吸 い 込 まれ 04 年 7 月 29 日 新 潟 県 横 越 町 の 町 民 プールで 小 学 6 年 生 男 児 が 排 水 口 に 吸 い 込 まれ ずさんな 管 理 の 背 景 1 規 則 違 反 のまま 管 理 会 社 に 管 理 を 丸 投 げ 2 アルバイト 雇 用 仕 事 は プールサイドの 飲 食 や 飛 び 込 み の 注 意 と ロッカーの 掃 除 安 全 教 育 は 大 きな 疑 問? 同 種 問 題 調 査 結 果 2,339 箇 所 ( 全 国 ) 2006 年 8 月 10 日 朝 日 新 聞 記 事 吸 い 込 みパイプ と 水 流 死 体 発 見 場 所 図 1-12 プール 吸 水 口 吸 い 込 まれ 死 亡 事 故 60cm 120cm 金 柵 が 外 れ ていた 箇 所 プールの 水 流 1m 事 故 に 至 った 経 過 と 背 景 に 存 在 した 問 題 2006 年 7 月 31 日 午 後 1:30 頃 小 学 2 年 生 女 子 (7 歳 )E さんが 埼 玉 県 ふじ み 野 市 大 井 プール 流 れるプールの 吸 い 込 み 口 に 吸 い 込 まれ 死 亡 した 事 故 に は 次 に 示 すような 事 実 と 問 題 があった 1 事 故 はプール 側 面 にある 吸 水 口 で 起 こった 通 常 そこには 事 故 防 止 のための 鉄 柵 が 蓋 として 2 個 ついているが その 片 方 (60cm 60cm) が 当 時 プールの 底 に 落 ちていたのを 子 供 が 発 見 ( 事 故 発 生 前 ) 即 座 にそれを 持 って 監 視 員 に 伝 えていた 2 流 れるプールは 柵 の 内 側 にある 直 径 60cm の 穴 より 気 流 ポンプで 吸 い 込 み 排 水 しながら 流 れるプールを 形 成 しているが 女 の 子 はここに 吸 い 込 まれた 死 因 は 脳 幹 損 傷 で 勢 いよく 吸 い 込 まれた 際 に 頭 に 強 い 衝 撃 を 受 け 即 死 の 状 態 だったと 判 断 された 3 まず 吸 い 込 まれ 防 止 の 鉄 柵 であるが これは 図 のように 本 来 はボル ト 止 めのものが 針 金 で 止 めたという 簡 単 な 固 定 だった しかも この 行 為 は6~7 年 前 から 常 道 化 していた 4 監 視 員 は 蓋 がとれたことに 対 し 対 処 法 の 指 示 を 受 けていないため 1 の 連 絡 を 受 けたとき 監 視 員 は 何 の 蓋 かが 判 らず 混 乱 対 処 中 に 事 故 22

が 起 きた 5 今 回 市 から 管 理 を 任 されていた T 管 財 は T 管 財 の 知 り 合 いである 下 請 け 会 社 K プランニングに 業 務 を 丸 投 げしていた また 契 約 書 は 無 い 口 約 束 の 状 況 であり 本 来 やってはいけない 規 定 を 無 視 して 別 の 下 請 け 会 社 に 管 理 を 丸 投 げしていた しかも このことを 市 には 報 告 もしてい なかった 従 って T 管 財 は この 柵 の 管 理 は 全 く 知 らないことを 記 者 会 見 で 報 告 していた 6 下 請 け 会 社 のマニュアルには 単 に 吸 入 口 の 安 全 確 認 とあるだけで 詳 細 に 何 をどのように どの 頻 度 で 行 うか?という 具 体 的 記 述 は 全 くな かった また 監 視 員 はマニュアルも 受 け 取 っていない ただ 座 って 見 ていれば 監 視 業 務 の 支 払 いが 受 けられるという 内 容 で 雇 われ ひどい 場 合 には 救 助 の 際 泳 いで 助 ける 技 術 も 能 力 の 無 いアルバイトをやとう 状 況 で 流 れるプールの 監 視 らしき 対 処 がなされてきた 従 って 当 然 緊 急 の 処 置 については 何 もしらない 状 況 だったことも 判 明 した なお K プランニングのマニュアルには 監 視 員 の 教 育 訓 練 をすることとあるが 何 もやってこなかった( 練 習 すると 時 給 がかかるので 止 めるように 指 示 が 出 ていた) 7 このような 状 況 だったので 監 視 員 は 外 れた 柵 が 何 だか?まったく 判 ら なかった このため 事 故 前 にある 子 どもが 鉄 柵 を 持 って 監 視 員 に 連 絡 してきたときに 事 態 がわからず 無 線 で 監 視 塔 に 連 絡 した 8 この 連 絡 を 受 けた 別 の 監 視 員 もこの 鉄 柵 が 何 なのかわからず 管 理 責 任 者 に 連 絡 を 取 った 吸 水 口 の 柵 だと 気 づいた 管 理 責 任 者 は 急 いで 現 場 に 向 かった 吸 水 口 の 監 視 員 には 誰 にも 近 づかないで と 指 示 し 管 理 責 任 者 は 針 金 と 工 具 を 取 りに 事 務 所 に 戻 った この 時 点 では ポンプ を 停 止 するなどの 処 置 はしなかった 9 なお 監 視 員 は 高 い 台 の 上 に 座 っての 監 視 のため 図 1-13 に 示 すように 事 故 が 起 きる 状 況 である 女 の 子 が 吸 水 口 に 吸 い 込 まれそうな 危 険 な 状 況 がその 位 置 からは 見 えない 状 況 になっていた そして このような 状 況 の 直 後 に 事 故 は 起 きた 10 事 故 は 女 の 子 のお 母 さんの 悲 鳴 で 判 った その 時 監 視 員 は 吸 水 口 の 周 りであたふたするだけだった 子 供 が 吸 い 込 まれたのに 何 してるの か! という 周 りの 声 に 押 される 形 で 責 任 管 理 者 がやがてポンプを 停 止 した なお この 時 に T 管 財 の 方 は 現 場 には 全 くいなかった 11 なお アルバイトの 監 視 員 は T 管 財 が 管 理 責 任 会 社 であることは 全 く 知 らないで 勤 めていた ふじみ 野 市 も 丸 投 げの 事 実 を 把 握 していなかっ た 更 に 事 故 当 時 現 場 にいた 現 場 管 理 者 は 身 分 を 偽 って T 管 財 のス 23

タッフである 市 にいっていたことが 判 った また ネジ 止 めを 規 制 し ていたことに 対 処 できないため(6~7 年 前 ) K プランニング 社 長 に 報 告 していたが 対 処 しなかった このため 針 金 止 めが 行 われるようになった という 実 態 も 明 らかになった 12 プール 管 理 をまかせていたふじみ 野 市 だが この 種 の 事 故 は 過 去 もあり 重 要 な 対 策 のため 国 土 交 通 省 は 何 度 か 通 達 を 出 し その 中 には その 種 の 注 意 があったが 具 体 的 に 現 場 へ 行 って 確 認 するということも 行 っ てこなかった 監 視 員 視 野 にとらえられない 位 置 で 監 視 プール 床 面 水 流 吸 水 口 小 学 2 年 女 子 の 位 置 図 1-13 流 れるプール 事 故 発 生 時 監 視 員 と 死 亡 者 の 位 置 関 係 解 析 内 容 記 入 欄 24

いかがであろうか?では 解 答 例 という 形 で 多 くの 指 摘 点 (リスク 対 策 すれ ば 事 故 発 生 を 防 げた 要 件 を 列 記 して 行 くことにする この 内 容 は 法 律 違 反 という 犯 罪 と 本 来 プールを 管 理 するスタッフがやる べきことをやっていない! という 手 抜 きが 奇 妙 に 混 在 していることに 読 者 の 方 々は 気 がつかれたのではないだろうか?では 詳 細 にこの 種 の 管 理 面 から 問 題 を 整 理 することにする 1 安 全 管 理 システムのあり 方 から 見 た 問 題 と 対 策 はどうなっていたか? (1) 文 部 科 学 省 などの 通 達 と 指 示 はなされているが 具 体 的 に P-D-C 管 理 が 実 施 されていない( 関 係 者 によると 通 達 など 国 から 山 のように 来 る 対 応 不 可 麻 痺 状 態 になっているとのいい 訳 がなされた) (2) 安 全 管 理 者 の 責 務 は 定 めているが 罰 則 と 表 示 ( 見 える 化 )が 現 地 には 無 かった また これほど 重 要 な 管 理 項 目 なのに 最 高 責 任 者 が 自 ら 現 場 に 行 きチェックする 行 動 も 全 くなかった (3) 注 意 事 項 はあるが 異 常 時 の 処 置 が 個 人 任 せになっていた 2 点 検 面 から 見 た 問 題 の 存 在 と 対 策 に 対 する 状 況 は? (1) 定 期 点 検 記 録 と その 確 認 (フォロー) 責 任 と 権 限 が 重 要 管 理 項 目 との 関 係 で 定 められていない 実 施 報 告 や 実 施 しないときの 罰 則 は 何 もなかっ た (2) マニュアルだけで 対 処 できない 上 に 監 視 員 への 教 育 は 皆 無 だった また 理 由 はコストがかかるのでやっていない という 内 容 だった 更 に 安 全 教 育 と 訓 練 の 義 務 としない 場 合 の 罰 則 がない 事 実 資 格 制 度 の 運 用 は なく 今 回 事 故 の 監 視 員 の 中 に 水 泳 ぎが 出 来 ないアルバイト 雇 用 や 点 検 資 格 や 問 題 発 生 時 の 件 連 ~ 対 処 が 出 来 ない 監 視 員 を 置 くという 論 外 な 実 態 までが 報 告 された (3) 点 検 の 確 実 性 を 裏 付 ける 内 部 監 査 第 三 者 監 査 がない( 点 検 は 丸 投 げの 運 営 であり 段 階 的 に 仕 事 を 依 頼 した 管 理 者 は 管 理 業 務 であるマネジメン ト レビューを 全 くおこなっていない) 3 リスクの 評 価 上 の 問 題 と 安 全 対 策 上 の 問 題 ~ 対 策 は( 今 後 を 含 めて)? (1) 安 全 宣 言 と 安 全 対 策 上 の 重 要 実 施 事 項 の 表 示 を 顧 客 に 提 示 していない このため 危 険 個 所 の 明 示 と 管 理 状 況 が 顧 客 に 判 らない( 他 との 比 較 も 不 可 ) (2) 注 意 管 理 項 目 として 通 達 では 吸 水 口 の 重 要 性 を 一 番 目 に 挙 げては いるが リスクの 評 価 (P: 発 生 可 能 性 S: 事 が 起 きた 時 の 重 大 性 ) と 影 響 など 事 故 への 関 連 は 記 載 なく 平 板 的 な 指 示 注 意 管 理 と なっている (3) 継 続 的 改 善 の 対 処 がない 25

(イ) 保 安 業 務 を 行 うセコムは 現 場 点 検 者 が IC カードなどで 現 地 にいかなければ 証 拠 が 残 らない 方 式 を 運 用 しているが ここで はその 種 のものはなく 単 に 点 検 簿 が 存 在 するだけだった ま た センサーの 設 置 で 警 報 この 場 合 は 吸 水 ポンプ 停 止 を 図 る 処 置 に 相 当 する 安 全 設 備 の 装 備 をしているが 今 回 の 安 全 策 は 針 金 で 止 める 内 容 で 有 り 点 検 は 口 頭 による 報 告 内 容 という 一 般 人 には 信 じられない 内 容 だった (ロ) 他 のプールでは 二 重 の 網 設 置 配 管 口 の 工 夫 をしているが そ の 種 の 対 策 はなかった (ハ) 監 視 員 の 資 格 点 検 評 価 とスキル 向 上 プログラムが 継 続 的 改 善 上 に 必 要 であるが その 種 の 対 策 は 無 かった 4 誰 が 見 ても 責 任 のある 組 織 体 がおこなうべき 事 項 (1) いつも ケガや 死 人 が 手 抜 きに 近 い 管 理 から 発 生 した 事 故 で 起 きている ことを 知 っておくべきである (2) いつも リスクを 見 逃 していても また やるべきことをやらなくても 問 題 が 起 きていないで 危 険 に 近 づいていることを 知 っていて 運 がよい ことを 自 慢 する 方 々が 多 くいることを 知 っておくべきである (3) 事 故 に 至 った 場 合 どのような 事 態 が 起 き 悪 影 響 が 及 ぶかを 知 ってお くべきである( 個 人 的 まわり 会 社 や 社 会 的 影 響 ) (4) リスクが 顕 在 化 していないが やがて 出 ることがあるメカニズムを 知 っ ておくべきである (5) 逆 に リスク 対 策 を 重 視 し 過 ぎて Too Much( 過 剰 ) 管 理 になると やがては 企 業 や 個 人 の 仕 事 上 の 支 障 が 発 生 し 一 時 的 には 行 われても やがては 問 題 発 生 の 危 険 性 は 判 っていても そのチェックを 止 めてし まうことがあることも 知 っておくべきである (6) 継 続 は 力 プロとして 真 面 目 にコツコツと 続 ける 以 外 に 5 感 に 頼 る 異 常 発 見 能 力 は 身 につかないことを 知 るべきである なお 人 は 評 価 によ って 仕 事 の 価 値 と 努 力 の 方 向 を 決 めるので ラインの 長 からの 常 日 頃 の 支 援 (コーチング)が 必 須 課 題 となる (7) 信 頼 される 企 業 と 発 展 の 基 に 安 全 管 理 が 基 本 となってきたことを 知 るべ きである (8) 自 社 の 仕 事 の 基 本 が 誇 りとなるためには 何 をすべきか? 仕 事 の 基 本 と 向 上 ステップを 知 るべきである( 維 持 向 上 問 題 の 早 期 発 見 が 機 会 損 出 コスト 発 生 防 止 に 大 きく 効 くことを 算 定 して 知 らしめるべきである) ま た 人 は 忘 れやすい 動 物 なので 定 期 的 な 教 育 が 必 要 である 教 育 を 図 ることが 企 業 やトップの 姿 勢 を 部 下 に 再 認 識 させるツールとなる 26

(9) 安 全 維 持 ~ 向 上 = 企 業 の 尊 厳 と 努 力 の 歴 史 = 働 く 方 々にはプロ 人 格 そ のものを 意 味 することを 知 るべきである 以 上 人 の 命 をあずかる 安 全 管 理 者 なら 当 然 行 うべき 行 為 を 列 記 した この 事 故 は ある 程 度 の 安 全 担 当 をしたものならこの 程 度 多 数 の 問 題 が 指 摘 できる のに ひとつも 実 施 されて 来 なかったことに 新 たな 疑 問 を 感 じる 事 件 だった 要 は 亡 くなった 少 女 は 実 に 残 念 であり その 要 件 は 誰 が 見 ても 安 全 対 策 を 業 とする 方 々が 手 抜 きと リスク 管 理 の 丸 投 げを 各 所 で 繰 り 返 した 結 果 当 然 のことのように 起 きた 事 故 という 内 容 になる また 当 然 この 事 故 も この 中 の 項 目 のいくつかを 実 施 していれば 確 実 に 防 げた 事 故 だった 法 律 用 語 では この 種 直 接 犯 罪 に 手 を 出 さないが 行 うべきことを 行 わないで 事 故 発 生 まで 放 置 した 行 為 を 不 作 為 という 別 名 責 務 不 履 行 ともいうが こ れも 立 派 な 犯 罪 行 為 である また その 後 2007 年 5 月 に 今 度 はジェットコー スターで 死 亡 事 故 が 起 きた 15 年 もシャフトの 交 換 をしてなかったため 金 属 の 疲 労 破 壊 が 原 因 だった これも このプール 事 故 と 同 じような 解 析 となり 管 理 すべき 人 が 重 要 管 理 ポイントを 管 理 していなかった 例 である (5) 事 故 事 例 の 解 析 演 習 :その3 伊 勢 崎 線 における 踏 切 人 身 事 故 図 1-13 に 東 武 伊 勢 崎 線 で 起 きた 事 故 を 示 した 以 下 解 説 を 加 えるので ま た 事 故 再 発 防 止 という 局 面 からリスク 解 析 をお 願 いすることにしたい 6 準 急 が 入 る 警 告 侵 入 まで1 分 20 秒 5 準 急 電 車 下 り 1 普 通 電 車 2 普 通 電 車 上 り 1 下 り 普 通 が 踏 切 通 過 2 1 分 30 秒 前 に 準 急 が 到 着 普 通 電 車 は 止 まったまま ランプ 点 灯 ハンドルは 先 の 指 示 で 下 げたままの 状 態 だった 遮 断 機 制 御 室 3 準 急 電 車 3 上 りの 準 急 が 東 部 伊 勢 埼 駅 に 到 着 踏 切 を 管 理 する 保 安 員 が 確 認 事 故 を 起 こした 踏 切 5 下 り 準 急 が 進 入 してくる 表 示 と 警 告 が 出 た 問 題 : 過 密 ダイヤと 危 険 状 態 だった! 1 連 動 盤 の 警 告 ランプ 忘 れる 2 ブザーと 警 報 人 手 で 解 除 3 遮 断 機 のロック 規 則 違 反 = 解 除 4 踏 切 に 渡 る 方 々が 殺 到 していたのを 確 認! 6 3の 準 急 停 止 を 忘 れた 早 く 待 っている 方 々を 通 してあげたいと 思 ったからだった まだ 5の 下 り 準 急 まで1 分 20 秒 あると 考 え た だが 3の 上 り 準 急 は30 秒 後 に 到 着 急 ブレーキしたが 4 名 に 衝 突 (2 名 即 死 )! 図 1-13 東 武 踏 切 事 故 の 状 況 (2005 年 3 月 15 日 16:50) 27

この 事 故 は 東 部 鉄 道 伊 勢 崎 竹 の 塚 駅 付 近 の 踏 切 で 2005 年 3 月 15 日 16:50 に 起 きた また その 悲 惨 な 内 容 は 電 車 が 通 過 するのになぜ 踏 切 が 開 いたの か? という 内 容 だったが この 事 件 の 一 部 に K 保 安 員 ( 踏 切 操 作 員 )の 違 反 があったことが 報 告 された その 理 由 は そこにはポカヨケがあったのだが 使 い 方 が 違 反 行 為 という 形 で 使 用 されてなかった 点 にある 事 故 の 理 由 は 確 かに K 保 安 員 の 違 反 行 為 に 関 与 する 事 故 となった だが 事 故 発 生 のメカニズ ムと 事 故 に 至 る 環 境 が 必 ずしも 個 人 の 責 任 にだけに 集 約 できる 内 容 ではな った このため この 対 策 は 結 局 多 大 な 投 資 を 要 した 立 体 交 差 というポカ ヨケ 対 策 としては 最 良 の 策 が 実 施 された なお 日 本 国 内 に まだ 同 じような 踏 切 が 59 箇 所 もあり 平 成 に 入 り 4 件 もの 人 身 事 故 が 起 きているそうである 本 件 とは 関 係 ないが 筆 者 としては 変 なことに 税 金 のムダづかいをするより 同 種 対 策 に 早 く 向 けていただくことを 願 うわけである では 早 速 事 件 の 要 点 を 解 説 することにする 事 故 現 場 では 事 故 に 至 る 前 から 手 動 式 の 遮 断 機 で 踏 切 の 上 下 を 行 い 各 種 ポカヨケの 装 備 と 共 に 2 名 の 踏 切 員 に 任 されていた この 状 態 で 18 年 勤 務 の K 保 安 員 が 担 当 していた 中 で 事 故 は 発 生 した 状 況 は 図 1-13 に 示 したように 準 急 列 車 が 踏 切 に 進 行 し ているのを 忘 れた! という 人 為 ミスが 発 端 と 報 道 された すなわち 事 故 に 至 る 状 況 は 図 に 示 す 手 順 の5 下 り 準 急 が 踏 切 へ 進 入 する 警 告 の 前 4の 踏 切 に 人 が 殺 到 していた 状 況 を 見 た 時 3の 上 り 準 急 が 踏 切 へ 30 秒 で 到 着 すること を 忘 れ 下 り 準 急 到 着 まで あと 1 分 20 秒 あれば 待 っている 方 々を 通 すこ とができる! という 判 断 ミスを 引 き 起 こしたことが 原 因 だった なお 上 り 準 急 の 運 転 手 は 踏 切 の 開 閉 に 気 づき 急 ブレーキをかけたが 残 念 にも 4 名 が はね 飛 ばされてしまった(2 名 死 亡 2 名 が 重 傷 ) また もし もう 少 し 踏 切 が 早 く 開 いていた 場 合 その 後 に 続 く 15 名 もこの 惨 事 に 巻 き 込 まれるという 状 況 だったことが 報 道 されたが これは 不 幸 中 の 幸 いだった では この 職 場 の 作 業 環 境 や 事 故 の 要 因 となった 背 景 や 問 題 とされる 事 項 を 解 説 することにする なお K 保 安 員 は 過 去 にも 同 種 事 故 を 起 こしそうな 状 況 があった だが 必 ずしも K 保 安 員 だけを 責 められない 事 情 がここにあっ た その 理 由 を 順 次 箇 条 書 きにまとめたので ご 覧 願 いたい 保 安 員 の 操 作 手 順 とポカヨケなどの 状 況 1 ランプ 点 灯 により 列 車 が 踏 切 内 に 入 る 状 況 を 保 安 員 に 連 絡 する( 単 なる 注 意 式 のポカヨケだった) 表 示 灯 を 用 いた 踏 切 操 作 がなされてきた 2 保 安 員 は 必 ず ランプ 点 灯 を 指 差 確 認 しながら ハンドルを 下 げて 踏 切 をしめる 方 式 を 踏 襲 してきた 3 ハンドルが 下 がると 自 動 的 にロックがかかり 保 安 員 が 解 放 しない 限 り 開 かない 仕 組 みだった(これは 強 制 式 ポカヨケだったがロック 解 除 した) 28

違 反 行 為 の 実 状 1 列 車 が 踏 切 に 入 る 連 動 盤 と 呼 ばれるパネルで 状 態 をランプ 表 示 する 2 ランプがつくと 警 報 機 が 鳴 るようになっている 3 遮 断 機 のロックを 解 除 しない 限 り 踏 切 は 開 けられない 仕 組 みである 違 反 に 対 する 監 督 と 対 策 の 状 況 1 事 故 を 起 こした K 保 安 員 は 過 去 事 故 を 起 こしかねない 状 況 で 作 業 した ことがあり 注 意 を 受 けていた 2 だが その 後 も 時 間 があると 判 断 される 時 K 保 安 員 は 踏 切 を 開 けて 踏 み 切 りを 待 つ 人 を 通 していた また 駅 長 はこの 事 実 を 知 りながら 対 策 し てなかった( 黙 認 この 種 の 作 業 は 常 道 化 していた) 3 立 体 交 差 のような 高 架 化 対 策 は 300 億 円 を 要 する なお IT 利 用 による 高 度 踏 切 制 御 システムでも 安 全 な 踏 切 開 閉 制 御 がある 程 度 可 能 だが この 種 の 対 策 は 行 う 計 画 になってなかった 以 上 のような 状 況 で 事 故 は 発 生 した なお 事 故 防 止 の 最 終 関 門 である 遮 断 機 のロック 解 除 は 禁 止 事 項 に 定 められているのに K 保 安 員 が なぜ ロック 解 除 に 至 ったか?について その 内 容 をもう 少 し 解 説 する 必 要 がある 事 故 が 起 きたら 責 任 問 題 にする という 解 析 では この 事 故 の 発 生 メカニズムはつか めず 原 因 の 除 去 が 出 来 ないからである 過 去 10 年 間 この 仕 事 をしていた 保 安 員 の 手 記 を 用 い この 職 場 の 不 安 全 極 まりない 実 状 を 整 理 することにする 1 この 職 場 は 3 交 代 2 人 一 組 だが この 事 故 に 似 たヒヤリ ハットに 相 当 する 事 態 は 何 度 か 経 験 してきた 自 分 もあやうく 踏 切 をあげるロック 解 除 ボタンに 手 を 伸 ばしそうになり ヒヤットしたこと 何 度 もあった 2 踏 切 を 開 閉 する 操 作 室 に 対 し 時 に 待 つ 方 々が 大 声 で 怒 鳴 る 石 を 投 げてガラスを 割 るということが 度 々あった また 踏 切 を 待 つ 対 策 の 改 善 を 労 働 組 合 に 言 い 会 社 側 に 改 善 や 少 なくとも お 詫 びの 放 送 など を 申 し 入 れてきたが それに 対 しては 何 も 応 えも 対 策 も 返 ってきたこと がなかった 3 1 時 間 に 3 分 程 度 の 踏 切 開 閉 で 人 が 渡 るのを 見 て いつも 渡 り 切 れるか 否 か 心 配 だった 渡 り 終 わるとほっとする 状 況 で 1 日 の 仕 事 が 終 わると ぐったりと 疲 れる 毎 日 だった 事 故 を 見 て もしかしたら 自 分 も 同 じ 事 故 を 起 こしていたかも 知 れない 今 時 人 手 でこのような 目 と 耳 にた よるだけの 危 険 また 原 始 的 な 作 業 をなぜ 残 しておくのだろうか? と いつも 思 って 仕 事 していた このように 実 際 に 仕 事 をする 方 々の 手 記 から 実 態 を 知 ると この 種 の 危 険 域 では 管 理 側 の 関 係 者 が ポカヨケをつければ 安 全 である ということだけ で 物 事 を 考 えてはいけないことが 浮 き 彫 りになる では 解 析 をお 願 いしたい 29