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発 刊 にあたって 我 が 国 の 周 辺 諸 国 の 中 には 好 調 な 経 済 を 背 景 に 軍 備 を 強 化 して 大 国 復 興 を 図 ろう としている 国 驚 異 的 な 経 済 成 長 を 背 景 に 科 学 技 術 大 国 化 ひいては 軍 事 大 国 化 を 目 指 そうとしている 国 経 済 の 破 綻 を 省 みず 核 兵 器 保 有 国 となって 小 国 の 活 路 を 見 出 そう としている 国 など 強 大 な 軍 事 力 によって 冷 戦 後 の 米 国 一 極 化 に 抗 しうる 国 づくりを 目 指 している 国 々が 存 在 しております これら 諸 国 の 軍 備 の 近 代 化 は 量 から 質 への 転 換 すなわち 装 備 品 のハイテク 化 を 狙 ったものでありますが 最 近 の 軍 事 技 術 の 近 代 化 は 情 報 化 時 代 を 支 配 する 軍 民 両 用 技 術 によってもたらされたものであり 民 需 部 門 の 遅 れているこれらの 諸 国 において は 民 需 から 兵 器 技 術 に 移 転 するものがないという 問 題 が 内 在 しております そこで 国 家 を 挙 げて 意 図 的 に 兵 器 技 術 及 び 兵 器 技 術 に 転 用 可 能 な 汎 用 技 術 を 合 法 及 び 違 法 の 両 手 段 をもって 獲 得 しようとするわけです 本 調 査 研 究 は 我 が 国 周 辺 諸 国 がどのような 兵 器 の 開 発 及 び 取 得 に 努 力 し これに 伴 って 先 進 科 学 技 術 の 流 出 がどのように 行 われているのか 平 成 17 18 及 び19 年 度 に 引 続 きその 具 体 的 な 実 例 と 対 処 すべき 課 題 を 提 言 しております 平 成 20 年 度 においては 第 2 章 で 新 たに ロシア 中 国 の 兵 器 技 術 の 要 素 別 の 評 価 を 行 い 我 が 国 が 守 るべき 技 術 の 軍 事 的 意 義 を 明 らかにするとともに 第 3 章 で 秘 密 保 護 新 法 特 許 非 公 開 制 度 など 我 が 国 の 法 令 整 備 の 取 り 組 みについて 述 べております また 注 目 すべき 新 たな 事 例 として 第 4 章 で レーザー 核 融 合 の 研 究 会 を 取 り 上 げ 研 究 者 の 学 術 交 流 の 場 などにおいて 合 法 的 に 技 術 情 報 が 流 出 する 懸 念 について 警 鐘 を 鳴 らしております 各 企 業 等 においては セキュリティ 機 器 の 導 入 により 保 全 の 効 果 は 格 段 に 高 まって きておりますが 保 全 の 強 化 は 機 器 による 強 化 と 同 時 に 社 員 一 人 一 人 の 保 全 意 識 の 高 揚 が 不 可 決 であります 保 全 意 識 を 高 揚 する 施 策 については 第 5 章 で 検 討 してお りますが 当 財 団 発 行 の 効 果 的 な 意 識 向 上 促 進 の 取 り 組 み 方 をご 参 照 ください 本 報 告 書 が 防 衛 関 係 企 業 はじめ 各 種 企 業 防 衛 省 自 衛 隊 の 種 々の 情 報 漏 洩 の 防 止 対 策 教 育 などにご 活 用 いただければ 幸 いと 存 じます 平 成 21 年 3 月 財 団 法 人 防 衛 調 達 基 盤 整 備 協 会 理 事 長 宇 田 川 新 一

目 次 第 1 章 技 術 情 報 管 理 への 脅 威 となる 注 目 事 項...1 1. 大 国 化 宣 言 の 実 現 に 邁 進 するロシア... 1 (1)メドベージェフ 新 体 制 下 においてもプーチン 首 相 (シロビキ 派 ) が 権 力 基 盤 を 維 持... 1 (2) 軍 備 強 化 に 邁 進 するロシア 3 2. 軍 備 強 化 に 邁 進 する 中 国 7 (1) 中 国 の 国 防 費 世 界 第 3 位 に 7 (2) 宇 宙 核 戦 力 サイバー 攻 撃 海 空 軍 の 増 強 8 (3) 技 術 情 報 収 集 活 動 は 益 々 活 発 化 12 3. 第 三 国 経 由 で 汎 用 機 器 の 入 手 を 図 る 北 朝 鮮 16 4. 北 朝 鮮 イラン シリアの 核 開 発 問 題 17 5. 活 発 化 するサイバー 攻 撃 に 米 欧 が 連 携 して 防 衛 センター を 創 設 18 6. 先 端 科 学 技 術 を 有 する 外 国 企 業 の 買 収 を 図 るロシア 中 国 18 (1)ロシアの 企 業 買 収 の 動 向 18 (2) 中 国 政 府 系 ファンドが 安 保 企 業 の 買 収 の 動 き 20 7. 我 が 国 の 秘 密 保 護 法 等 の 整 備 にかかわる 動 向 22 第 2 章 日 本 周 辺 における 兵 器 及 び 兵 器 技 術 情 報 の 移 転 の 事 例 と 特 徴 点 23 1. 日 本 周 辺 における 通 常 兵 器 及 び 兵 器 技 術 情 報 移 転 の 実 態 23 (1) 国 際 的 な 通 常 兵 器 輸 出 入 の 全 般 状 況 23 (2)ロシア 製 兵 器 ( 技 術 )の 輸 出 状 況 24 (3)アジア 諸 国 の 兵 器 の 輸 入 の 状 況 27 (4) 中 国 の 兵 器 輸 出 の 状 況 30 2.ロシアの 軍 備 近 代 化 の 状 況 32 (1)ロシアの 国 力 及 び 軍 事 力 概 観 32 (2)ロシアの 兵 器 産 業 の 統 合 化 33 (3) 各 種 兵 器 の 近 代 化 の 状 況 34 1

(4)ロシア 軍 の 近 代 化 の 方 向 性 43 3. 中 国 の 最 近 における 軍 備 の 近 代 化 44 (1) 戦 略 兵 器 45 (2) 陸 上 兵 器 46 (3) 海 上 兵 器 46 (4) 航 空 兵 器 47 4.ロシア 中 国 の 兵 器 技 術 の 要 素 別 の 評 価 48 (1)ロシア 中 国 の 軍 近 代 化 に 関 わる 技 術 上 の 重 視 事 項 48 (2) 各 種 兵 器 の 兵 器 技 術 から 見 たロシア 中 国 の 弱 点 49 (3) 過 去 の 不 正 輸 出 及 び 技 術 漏 洩 事 案 50 (4)ロシア( 中 国 )が 欲 する 日 本 の 技 術 の 軍 事 的 意 義 50 第 3 章 兵 器 及 び 兵 器 技 術 情 報 の 移 転 に 関 する 国 際 取 決 めと 国 内 法 の 整 備 55 1. 北 朝 鮮 の 核 開 発 凍 結 問 題 55 (1) 米 朝 協 議 とアメリカの 譲 歩 55 (2)テロ 支 援 国 家 指 定 解 除 問 題 56 (3)テロ 支 援 国 家 指 定 解 除 の 北 朝 鮮 への 効 果 58 (4) 核 計 画 検 証 と 資 料 採 取 文 書 明 記 問 題 59 (5) 北 朝 鮮 のウラン 濃 縮 と 違 法 輸 出 60 2.イランの 核 開 発 と 北 朝 鮮 62 (1)イランのウラン 濃 縮 問 題 62 (2)ミサイル 発 射 実 験 64 3. 後 を 絶 たない 核 の 拡 散 問 題 65 (1) 空 爆 されたシリアの 原 子 炉 の 謎 65 (2) 北 朝 鮮 イラン シリアの 連 携 66 (3)アメリカの 大 量 破 壊 兵 器 拡 散 規 制 対 象 企 業 67 (4)ロシアの 核 廃 棄 物 処 理 問 題 68 4. 輸 出 管 理 の 状 況 と 国 内 法 の 整 備 状 況 69 (1) 輸 出 規 制 に 対 する 違 反 事 例 69 2

(2) 平 成 21 年 制 定 を 目 指 す 秘 密 保 護 新 法 の 動 向 71 (3) 平 成 21 年 制 定 を 目 指 す 特 許 非 公 開 制 度 の 動 向 74 (4) 武 器 輸 出 三 原 則 の 緩 和 状 況 75 第 4 章 兵 器 及 び 兵 器 技 術 に 関 する 情 報 活 動 77 1. 概 況 77 2. 我 が 国 における 状 況 78 (1) 概 況 78 (2) 諜 報 事 件 等 の 工 作 事 例 79 (3) 不 正 輸 出 事 件 第 三 国 経 由 で 我 が 国 の 汎 用 機 械 等 の 入 手 を 図 る 北 朝 鮮 84 (4) 合 法 的 に 流 出 する 懸 念 のある 事 例 84 3. 米 国 における 中 国 のスパイ 活 動 事 例 86 (1)ボーイング 社 の 中 国 系 元 技 師 によるスパイ 事 件 86 (2) 米 国 防 総 省 分 析 官 のスパイ 事 件 87 (3) 米 パワー バラゴン 社 の 事 例 ( 判 決 ) 88 4. 活 発 なハッカー 攻 撃 89 (1) 社 会 インフラの IT 化 に 伴 いハッカー 攻 撃 の 価 値 は 増 大 化 89 (2)2008 年 に 生 起 した 主 要 なハッカー 攻 撃 事 例 90 第 5 章 今 後 の 課 題 と 提 言 95 1. 保 全 体 制 の 整 備 95 (1) 保 全 関 連 の 法 の 整 備 95 (2) 国 としての 保 全 機 構 の 構 築 と 関 連 省 庁 企 業 及 び 大 学 研 究 機 関 との 連 携 体 制 の 確 立 97 (3) 秘 密 等 に 携 わる 者 の 適 格 性 の 確 認 制 度 の 確 立 97 (4) 入 札 制 度 の 再 検 討 99 2. 個 人 の 保 全 意 識 の 高 揚 100 (1) 保 全 の 基 本 は 個 人 の 保 全 意 識 にある 100 (2) 保 全 は 個 々 人 の 力 の 結 集 と 報 告 通 報 にある 100 3

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第 1 章 技 術 情 報 管 理 への 脅 威 となる 注 目 事 項 1. 大 国 化 宣 言 の 実 現 に 邁 進 するロシア (1)メドベージェフ 新 体 制 下 においてもプーチン 首 相 (シロビキ 派 )が 権 力 基 盤 を 維 持 ア.プーチン 色 の 強 い 閣 僚 大 統 領 府 人 事 と 議 会 を 完 全 掌 握 2008.5.7 メドベージェフ 大 統 領 が 就 任 し 翌 日 プーチン 前 大 統 領 が 首 相 に 就 任 した が 実 質 的 な 主 導 権 は 武 力 保 安 系 省 庁 出 身 者 らシロビキ( 武 闘 派 )を 牛 耳 るプーチン 首 相 が 握 っている 状 況 にあり メドベージェフ 大 統 領 はプーチン 大 統 領 の 路 線 を 忠 実 に 踏 襲 して 行 くものと 見 られている プーチン 首 相 が 引 き 続 き 実 質 的 権 力 を 維 持 していると 見 られる 背 景 には 次 のような 点 が 指 摘 されている 1プーチン 氏 は 首 相 ポストとともに 与 党 統 一 ロシア 党 首 の 肩 書 を 持 ち 同 党 の 議 席 は 下 院 ( 定 数 450)の7 割 親 プーチン 政 党 を 含 めると9 割 近 くの 議 席 を 独 占 憲 法 改 正 や 大 統 領 弾 劾 を 発 議 できる 巨 大 与 党 を 通 して 下 院 を 完 全 に 支 配 している 行 政 と 立 法 の 二 つの 権 限 を 行 使 すれば 自 ら 強 化 した 大 統 領 の 権 威 を 今 度 は 脅 かすことさえ 可 能 で 大 統 領 が 首 相 を 解 任 する 可 能 性 は 皆 無 ( 露 科 学 アカデミー クリシュタノフスカヤ 氏 ) の 状 況 で 加 えてプーチン 氏 周 辺 はシロビキの 重 鎮 など 古 くからの 側 近 で 固 められており 政 治 の 中 枢 は 首 相 府 に 移 っていると 見 られる 2 外 交 や 安 全 保 障 は 大 統 領 の 専 管 事 項 となっているが プーチン 首 相 は 08 年 5 月 に フランスを 訪 問 した 際 ロシアと 欧 州 連 合 (EU)は 新 たな 基 本 条 約 に 関 する 交 渉 を 早 期 に 始 める などと 大 統 領 専 管 事 項 である 外 交 安 全 保 障 をも 掌 握 する 意 欲 を 滲 ませている 99 年 から 駐 米 大 使 を 務 めている 外 務 省 の 重 鎮 ユーリー ウシャコフ 氏 を 首 相 の 官 房 副 長 官 に 登 用 したが これはプーチン 首 相 が 外 交 政 策 に 関 与 するために 呼 び 戻 したと 見 られ ている また プーチン 首 相 は 全 閣 僚 を 集 める 閣 議 を 月 一 度 に 減 らし 代 わりに7 人 の 副 首 相 と 主 要 7 閣 僚 を 集 めた 幹 部 会 を 毎 週 開 き この 幹 部 会 には 大 統 領 が 直 接 指 揮 をする 外 相 や 国 防 相 も 出 席 し 大 統 領 不 在 の 席 で プーチン 首 相 が 報 告 を 受 けている 3 世 論 調 査 機 関 レバダ センター が5 月 中 旬 に 行 った 調 査 では 大 統 領 は 首 相 の 管 理 下 にある と 回 答 した 人 は 75%に 達 し 国 民 自 身 が プーチン 氏 が 実 権 を 握 る 状 況 に 1

変 わりはない と 認 めており メドベージェフ 新 大 統 領 をしのぐ 圧 倒 的 な 国 民 の 支 持 を 受 けている 4プーチン 首 相 の 絶 大 な 影 響 力 が 露 骨 に 出 たのは 閣 僚 大 統 領 府 人 事 で プーチン 大 統 領 時 に 大 統 領 府 長 官 であったセルゲイ ソビャニン 氏 (49)と 副 長 官 であったイーゴリ セチン 氏 (47)が 副 首 相 に 就 任 した セチン 氏 は 石 油 大 手 ユコス 解 体 で 主 導 的 な 役 割 を 果 たしたことで 知 られる 治 安 機 関 出 身 者 (シロビキ)のボスで 同 氏 と 疎 遠 であったメ ドベージェフ 氏 は その 手 法 にも 批 判 的 である 首 相 副 首 相 を 除 く 17 閣 僚 の 内 12 人 は 留 任 か 横 滑 りで プーチン 人 脈 は 温 存 された 一 方 大 統 領 府 には プーチン 政 権 の 強 権 体 制 を 理 論 的 に 支 えたウラジスラフ スルコ フ 氏 (43)が 第 1 副 長 官 に 昇 格 し 注 目 されたが プーチン 氏 がクレムリンの 監 視 役 と して 残 したともいわれている 大 統 領 の 補 佐 官 や 顧 問 も 多 くが 留 任 7つの 管 区 毎 に 置 かれた 大 統 領 全 権 代 表 も6 人 が 残 り プーチン 氏 による 包 囲 網 が 張 り 巡 らされた 状 況 である 1 ( 注 1)シロビキ: 旧 ソ 連 ロシアの 軍 治 安 情 報 機 関 の 職 員 や 出 身 者 を 指 す 情 報 機 関 で ある 連 邦 保 安 局 (FSB) 長 官 を 務 めたプーチン 前 大 統 領 の 時 代 に 行 政 や 大 企 業 に 送 り 込 まれ た 幹 部 達 が 各 組 織 の 中 枢 を 押 えた ( 注 2)2008.2.8 プーチン 大 統 領 は 国 家 指 導 部 を 集 めて 初 の 公 開 国 家 評 議 会 開 いた 際 20 年 までの 国 家 発 展 計 画 を 発 表 し 08 年 5 月 の 退 陣 後 も 国 政 の 舵 取 りに 携 わるとの 強 い 姿 勢 を 示 し た 本 会 議 には 次 期 大 統 領 のメドベージェフ 第 1 副 首 相 も 他 の 閣 僚 らと 出 席 したが プーチン 大 統 領 だけが 演 説 し プーチン 計 画 を 訴 え 大 統 領 退 任 後 も 国 政 に 密 接 に 関 与 してゆく 姿 勢 を 示 していた 2 イ. 露 大 統 領 任 期 延 長 法 案 に 大 統 領 が 署 名 2008.11.5 メドベージエフ 大 統 領 は 年 次 教 書 演 説 で 安 定 した 職 務 遂 行 のために 大 統 領 任 期 を 現 行 4 年 から6 年 に 延 長 すべきだ と 憲 法 改 正 を 提 案 したが 11 月 19 日 にはロ シア 下 院 が 大 統 領 の 提 案 から1 週 間 あまりというスピード 審 議 で 承 認 した 改 正 法 案 の 骨 子 は 大 統 領 と 下 院 議 員 の 任 期 を 現 行 の4 年 から 大 統 領 は6 年 に 下 院 議 員 は5 年 に 延 長 するというもので その 後 上 院 と 各 地 方 議 会 に 回 されいずれも 異 例 のスピードで 可 決 さ れ 12 月 30 日 ロシア 大 統 領 府 はメドベージェフ 大 統 領 が 憲 法 改 正 案 に 署 名 したと 発 表 し 1 産 経 2008.6.8 読 売 2008.5.9 6.7 2 産 経 2008.2.10 2

た 任 期 延 長 は 現 在 の 大 統 領 と 下 院 議 員 には 通 用 されない ことから メドベージエフ 大 統 領 の 在 任 中 に 選 挙 を 実 施 し プーチン 氏 が 大 統 領 に 返 り 咲 くというプーチン 首 相 の 大 統 領 再 登 板 に 向 けた 動 きとの 観 測 が 広 まっている ロシアでは 今 年 5 月 にメドベージェフ 氏 に 政 権 を 譲 ったプーチン 氏 が 大 統 領 として 再 登 板 するとの 見 方 が 当 初 からあり 憲 法 改 正 の 動 きはその 布 石 とも 見 られ 12 年 の 任 期 満 了 前 にメドベージェフ 氏 がプーチン 氏 に 政 権 を 返 上 する 可 能 性 も 指 摘 されている この 改 正 によって 次 期 大 統 領 の 任 期 は 再 選 された 場 合 12 年 まで 伸 び プーチン 首 相 が 大 統 領 に 復 帰 し 長 期 政 権 を 目 指 す 布 石 と 見 られている 一 方 改 正 に 下 院 議 員 の 任 期 延 長 が 盛 り 込 まれたことで 逆 にプーチン 氏 が 議 会 に 重 心 を 移 す 兆 候 とも 見 られている 統 一 ロシアは 下 院 で7 割 もの 議 席 を 占 め 憲 法 改 正 や 大 統 領 の 弾 劾 手 続 きも 単 独 で 行 える 絶 大 な 力 を 有 する 旧 ソ 連 国 家 保 安 委 員 会 (KGB) 出 身 の プーチン 氏 は 元 々 情 報 機 関 には 強 い 影 響 力 を 持 っているだけに 最 大 与 党 統 一 ロシアを 通 じて 大 統 領 権 限 を 議 会 に 移 していけば 国 を 意 のままに 操 った ソ 連 共 産 党 書 記 長 型 の 支 配 体 制 へ 移 行 することも 可 能 である いずれにしても メドベージエフ 氏 が 大 統 領 就 任 したが 依 然 としてプーチン 氏 が 政 権 運 営 の 主 導 権 を 握 っている 実 情 が 露 呈 した 状 況 を 示 している 3 (2) 軍 備 強 化 に 邁 進 するロシア プーチン 前 大 統 領 が 2006 年 年 次 教 書 で 強 い 軍 隊 があれば 外 圧 をはね 返 せる と 大 国 構 築 を 宣 言 し 軍 備 の 拡 張 計 画 (2007~2015)に 乗 りだし メドベージェフ 大 統 領 の 下 で も 着 々と 進 められ 最 優 先 目 標 として5 年 以 内 に 戦 略 核 3 本 柱 ( 移 動 式 の 大 陸 間 弾 道 ミサ イル(ICBM) トーポリM 潜 水 艦 発 射 弾 道 ミサイル(SLBM) プラバ 新 型 戦 略 爆 撃 機 を 配 備 )の 近 代 化 に 力 点 をおき 米 国 のミサイル 防 衛 (MD)システムの 配 備 計 画 に 対 抗 し てロシア 独 自 の 宇 宙 防 衛 システムの 構 築 を 目 指 している すでに 米 MD 網 を 突 破 可 能 な 新 型 の 潜 水 艦 発 射 弾 道 ミサイル(SLBM) プラバ の 量 産 開 始 を 宣 言 し 米 露 の MD 対 決 が 鮮 明 になってきた この 大 国 構 築 宣 言 の 実 行 にあたって 重 要 な 事 項 は1 情 報 機 関 による 先 進 国 の 先 端 技 3 産 経 2008.11.7 11.15 12.30 読 売 2008.11.13 11.20 3

術 の 情 報 収 集 2 先 端 技 術 を 有 する 先 進 国 の 企 業 買 収 であるとして 力 を 入 れていると ころから この 二 つの 動 向 について 注 目 する 必 要 がある ア. 情 報 活 動 の 強 化 技 術 情 報 収 集 に 関 してもプーチン 大 統 領 は 06 年 5 月 の 大 統 領 教 書 の 中 で 国 の 経 済 は 主 として 科 学 と 技 術 の 優 位 によって 決 まる ロシアは 先 進 レベルから 数 10 年 単 位 で 立 ち 後 れ ている と 自 ら 認 めると 共 に 自 国 産 業 の 弱 点 を 克 服 するためには 国 家 は 国 外 での 最 新 技 術 の 取 得 にも 協 力 しなければならない と 述 べ 外 資 が 有 する 先 端 科 学 技 術 や 企 業 管 理 のノウハウを 国 家 の 指 導 により 国 内 企 業 に 取 り 込 ませることであるとして 情 報 機 関 に 対 して 最 新 技 術 情 報 の 収 集 強 化 を 命 じたが 08 年 2 月 に 20 年 までの 国 家 中 長 期 科 学 技 術 発 展 計 画 を 発 表 した その 中 で ロシアは 世 界 の 技 術 大 国 にならなければならない と 強 調 していることから 今 後 ロシア 情 報 機 関 による 収 集 活 動 が 活 発 化 することは 必 至 で あり 十 分 な 警 戒 が 必 要 となろう 4 特 に ソ 連 崩 壊 後 KGB の 解 体 情 報 機 関 の 冬 の 時 代 に 旧 KGB 員 の 多 くは 情 報 機 関 に 見 切 りを 付 け 政 財 界 IT 企 業 警 備 業 界 マスコミ 通 信 社 海 外 企 業 等 のコンサルタン ト 等 々あらゆる 方 面 に 活 路 を 見 出 し 転 身 を 図 ったが プーチン 大 統 領 が 就 任 するや 情 報 機 関 を 強 化 各 界 に 拡 大 した 旧 KGB 員 及 び 特 にソ 連 崩 壊 後 海 外 に 移 住 した 情 報 機 関 員 との ネットを 再 構 築 するなど その 情 報 ネットは 旧 KGB を 遙 かにしのぐほど 強 化 拡 大 されて きている 中 でも IT 企 業 についてはセキュリティ 技 術 を 以 て 各 国 の 企 業 との 関 係 を 強 化 し 情 報 収 集 やセキュリティ 面 での 弱 点 を 把 握 しようとしている 点 には 特 段 の 注 意 が 必 要 であろう イ.メドベージェフ 大 統 領 軍 事 大 国 復 活 を 強 調 引 き 続 き 軍 備 強 化 を 強 調 資 源 価 格 の 高 騰 などで 国 庫 が 潤 ったロシアは 経 済 成 長 を 背 景 に 軍 備 強 化 計 画 (2007 ~2015) に 基 づき 急 速 な 軍 備 の 近 代 化 を 進 めているが その 動 きはロシア 経 済 にかげりを 見 せてきた 中 においても 大 統 領 は 今 後 経 済 的 困 難 が 予 想 されても 軍 の 拡 大 強 化 は 続 行 する 旨 強 調 大 国 意 識 を 強 めるロシアは 一 段 と 軍 事 力 を 重 視 しており プーチン 政 権 が 始 めた 軍 の 近 代 化 は メドベージェフ 政 権 下 で 加 速 するものと 見 られ 軍 備 の 強 化 は 国 家 の 優 先 課 題 として 遂 行 する 姿 勢 に 変 化 はない 状 況 である 08.5.9 ロシアは ソ 連 末 期 以 来 17 年 ぶりとなる 大 規 模 軍 事 パレードをモスクワの 赤 4 治 安 フォーラム 07.2 月 号 ロシア 問 題 研 究 会 立 花 書 房 産 経 2008.2.10 4

の 広 場 で 実 施 核 戦 略 の 柱 である 大 陸 間 弾 道 弾 (ICBM) 戦 車 装 甲 車 など 主 力 兵 器 とと もにスホイ 27 戦 闘 機 TU 160 戦 略 爆 撃 機 など 30 機 以 上 が 参 加 した 席 上 就 任 直 後 の メドベージェフ 大 統 領 は 国 力 とともにロシアの 国 防 力 は 強 まっている と 軍 事 大 国 の 復 活 を 強 調 した ( 注 )プーチン 前 政 権 による 装 備 計 画 では 07~15 年 の 期 間 で 総 額 約 5 兆 ルーブル( 約 22 兆 円 )をかけて 兵 器 全 体 の 45%を 更 新 する 毎 年 の 国 防 予 算 の 半 分 近 くを 装 備 費 に 充 てるが 07 年 国 防 予 算 は 約 8400 億 ルーブル( 約 3 兆 8000 億 円 )と 01 年 比 で 約 4 倍 増 となった この 計 画 で 90 年 代 に 米 国 に 大 きく 後 れを 取 った 兵 器 開 発 の 立 て 直 しを 図 り 最 新 の 科 学 技 術 の 粋 を 集 めた 兵 器 を 配 備 し 軍 の 技 術 革 新 を 実 現 するとしている (ア) 新 たな 核 戦 力 の 開 発 を 最 優 先 し 2020 年 までに 核 抑 止 を 強 化 する 方 針 に 一 部 遅 れも ロシアが 特 に 重 視 しているのは 米 国 との 核 戦 力 の 均 衡 であり 米 国 が 配 備 を 計 画 するミ サイル 防 衛 網 (MD)システムを 無 力 化 すべく 新 たな 核 戦 力 の 開 発 を 意 図 して 戦 略 ロケ ット 軍 の 大 陸 間 弾 道 弾 (ICBM) 及 び 原 子 力 潜 水 艦 発 射 弾 道 ミサイル(SLBM)の 発 射 実 験 を 繰 返 している 5 月 15 日 メドベージェフ 新 大 統 領 は 初 めての 地 方 視 察 で ICBM の 発 射 基 地 を 訪 れ 核 戦 力 ヘの 重 点 的 な 予 算 配 分 を 明 言 したのを 始 め 9 月 26 日 には 宇 宙 防 衛 網 の 構 築 や 巡 航 ミサイル 搭 載 可 能 な 原 子 力 潜 水 艦 の 建 造 などにより 20 年 までに 核 抑 止 力 を 強 化 する 方 針 を 明 らかにしていたが 12 月 23 日 ロシア 海 軍 が 行 った SLBM プラバ の 発 射 実 験 が 失 敗 し 09 年 に 予 定 されていた 生 産 開 始 は 大 幅 に 遅 れるものと 見 られている 5 ( 注 1)ポポフキン 国 防 次 官 は 10 月 2 日 付 国 防 省 機 関 紙 上 で 核 兵 器 を 搭 載 できる 多 弾 頭 の 新 型 大 陸 間 弾 道 ミサイル(ICBM)を 09 年 に 配 備 したいとの 考 えを 示 した ( 注 2)ロシアのイワノフ 副 首 相 は 12 月 1 日 の 政 府 幹 部 会 で 米 国 のミサイル 防 衛 に 対 抗 す るために 開 発 を 進 めている 核 兵 器 搭 載 可 能 な 多 弾 頭 の 新 型 大 陸 間 弾 道 ミサイル プラバ の 生 産 が 09 年 開 始 されると 報 告 した 6 (イ)プーチン 首 相 露 国 防 費 の 27% 増 を 言 明 9 月 16 日 プーチン 首 相 は 09 年 の 国 防 安 全 保 障 費 に2 兆 4000 億 ルーブル( 約 9 兆 9000 億 円 ) 支 出 すると 言 明 今 年 比 27% 増 額 する 方 針 を 表 明 した グルジアのサアカ シビリ 政 権 を 支 援 する 北 大 西 洋 条 約 機 構 (NATO) 諸 国 への 対 抗 意 識 が 背 景 にある 5 産 経 2008.12.24 6 産 経 2008.12.2 5

関 連 省 庁 のテロ 対 策 費 なども 含 まれ 単 純 比 較 はできないものの 08 年 比 10% 増 と 公 表 していた 09 年 の 国 防 省 予 算 の 伸 びを 大 きく 上 回 る 上 方 修 正 の 大 義 名 分 となったのがグルジア 紛 争 で メドベージェフ 大 統 領 は グルジア が( 停 戦 後 も) 再 軍 備 を 続 けている と 非 難 国 防 会 議 で 新 兵 器 の 開 発 や 軍 装 備 の 拡 充 を 指 示 していた これを 受 けてイワノフ 副 首 相 が 09 年 の 軍 治 安 機 関 の 兵 器 調 達 に 過 去 最 高 の 1 兆 2000 億 ルーブル( 約 4 兆 9700 億 円 )を 費 やす 方 針 を 示 した 増 額 分 の 使 い 道 は 明 らかにされておらず 南 オセチアやアブハジアでの 軍 駐 留 の 長 期 化 を 念 頭 に 置 いた 予 算 措 置 の 可 能 性 も 指 摘 されているが ロシアが 最 も 警 戒 しているのはミサイル 防 衛 の 東 欧 配 備 を 推 進 する 米 国 への 対 抗 措 置 を 強 化 しているものと 見 られる 7 (ウ) 海 軍 の 増 強 ロシア 軍 は 核 戦 略 の 増 強 とともに 大 洋 海 軍 復 活 を 目 指 し 海 軍 の 戦 力 強 化 にも 乗 り 出 し 特 に 空 母 の 建 造 を 計 画 していることが 注 目 される 1 新 システムの 空 母 建 造 計 画 2008.7.27 ロシアのビソツキー 海 軍 総 司 令 官 は 海 軍 の 日 に 2012 年 から5,6 隻 の 空 母 の 建 造 に 着 手 する と 述 べ 建 造 される 空 母 については 衛 星 や 空 軍 と 密 接 に 連 携 した 新 システムによる 空 母 戦 闘 群 になる と 強 調 太 平 洋 艦 隊 と 北 方 艦 隊 に 集 中 配 備 して 米 国 に 対 抗 する 考 えを 示 唆 した 8 2 潜 水 艦 の 増 強 ロシア 海 軍 は 太 平 洋 艦 隊 にこの 1 年 間 に 戦 術 潜 水 艦 8 隻 を 増 強 し 着 々と 米 国 に 抗 し うる 体 制 の 構 築 を 図 っている 太 平 洋 艦 隊 の 弾 道 ミサイル 搭 載 原 子 力 潜 水 艦 (SSBN)は4 隻 巡 航 ミサイル 搭 載 型 などの 原 潜 (SSN/SSGN)が 10 隻 ディーゼル 電 気 推 進 対 潜 潜 水 艦 (SSK)は9 隻 で 計 23 隻 だった SSBN の 増 減 はなく 中 国 や 周 辺 国 を 対 象 にする 戦 術 潜 水 艦 SSN/SSGN が 1 隻 減 ったものの SSK は 新 たに9 隻 が 配 置 された (ロシア 海 軍 は 北 方 バルト 黒 海 太 平 洋 の4 艦 隊 とカスピ 小 艦 隊 などで 構 成 されており 太 平 洋 艦 隊 は 黒 海 艦 隊 に 次 いで 強 力 な 艦 隊 ) 9 (エ) 兵 器 部 門 における 技 術 の 低 下 の 兆 候 プーチン 前 大 統 領 は 就 任 以 来 大 国 ロシアの 復 興 を 図 るため 戦 略 物 資 を 始 め 戦 略 産 業 分 7 産 経 2008.9.18 8 産 経 2008.7.29 9 産 経 2008.2.6 英 国 国 際 戦 略 研 究 所 ミリタリバランス 2008 2008.2.5 6

野 での 国 営 企 業 の 設 立 に 乗 り 出 し 06 年 に 航 空 機 製 造 6 社 を 統 合 国 営 企 業 統 一 航 空 機 製 造 会 社 の 設 立 を 皮 切 りに 造 船 分 野 でも 統 合 国 営 企 業 を 創 設 これら 国 策 分 野 を 起 爆 剤 にして 製 造 業 の 復 活 を 図 ってきたが 政 府 の 大 号 令 とは 裏 腹 に 現 実 は 厳 しさを 増 してい る 戦 略 核 兵 器 部 門 では 07 年 来 2 種 類 の 新 型 大 陸 間 弾 道 弾 や 潜 水 艦 発 射 弾 道 ミサイルの 実 験 に 成 功 戦 略 核 兵 器 開 発 は 順 調 に 進 んでいると 見 られていたが 12 月 23 日 ロシア 海 軍 が 行 った 潜 水 艦 発 射 弾 道 ミサイル(SLBM) プラバ の 発 射 実 験 が 失 敗 に 終 わり 09 年 に 予 定 されていた 生 産 開 始 と 実 戦 配 備 に 大 幅 な 遅 れが 予 想 され 戦 略 兵 器 部 門 においても 技 術 の 低 下 が 認 められている 一 方 通 常 兵 器 部 門 においても 今 年 に 入 りロシアが 力 を 入 れている 兵 器 製 造 など 軍 需 産 業 分 野 で ロシアが 契 約 内 容 を 守 らないことや 製 品 の 質 の 問 題 などにより 外 国 からの 契 約 破 棄 や 製 品 突 き 返 しといった 異 常 事 態 が 相 次 ぎ 通 常 兵 器 部 門 の 技 術 開 発 の 遅 れも 指 摘 されている 露 コンサルティング 大 手 フィンエクスペルチザ のミカエリヤン 社 長 は 軍 需 産 業 は 最 も 閉 ざされた 分 野 であり ソ 連 時 代 の 商 法 を 引 きずり 物 価 上 昇 の 可 能 性 など 考 慮 せ ずに 破 格 値 で 受 注 してきたことが 問 題 だ 労 働 生 産 性 の 低 さも 考 えれば もはやロシアの 製 造 業 に 価 格 上 の 優 位 はない と 指 摘 露 紙 の 独 立 新 聞 は 軍 需 産 業 での 技 術 者 不 足 と 設 備 老 朽 化 製 造 能 力 を 超 えた 受 注 といった 問 題 点 に 加 え もはや 第 三 世 界 でも 単 純 な 武 器 ではなく ( 高 度 な) 偵 察 攻 撃 複 合 武 器 が 求 められている とロシアとの 認 識 のズレを 指 摘 している 10 2. 軍 備 強 化 に 邁 進 する 中 国 (1) 中 国 の 国 防 費 世 界 第 3 位 に スウェーデンのストックフォルム 国 際 平 和 研 究 所 (SIPRI)は 6 月 9 日 2008 年 度 版 の 年 鑑 を 発 表 その 中 で 中 国 の 軍 事 費 が 07 年 前 年 比 88 億 ドル(1 ドル=105 円 ) 増 の 583 億 ドルとなり フランスを 抜 いて 初 めて 世 界 3 位 となった 発 表 によると 中 国 の 軍 事 費 は 過 去 10 年 間 で 約 3 倍 に 膨 れ 上 がったが 経 済 規 模 がそれ 以 上 に 拡 大 したため 対 国 内 総 生 産 比 (GDP)では 2.1%にとどまっている 同 国 の 武 器 輸 入 額 は 世 界 全 体 の 12%を 10 産 経 2008.3.7 12.24 7

占 め 世 界 第 1 位 を 占 めている (2) 宇 宙 核 戦 力 サイバー 攻 撃 海 空 軍 の 増 強 ア. 宇 宙 大 国 に 邁 進 する 中 国 (ア) 神 舟 7 号 初 の 船 外 遊 泳 2008.9.25 中 国 は 有 人 宇 宙 船 神 舟 7 号 の 打 ち 上 げに 成 功 神 舟 7 号 は 予 定 の 飛 行 計 画 を 終 え 28 日 にモンゴル 自 治 区 の 草 原 に 着 陸 した 今 回 は 計 画 中 の 宇 宙 ステーシ ョン 建 設 につなげるための 飛 行 士 による 初 の 船 外 宇 宙 遊 泳 実 験 で 05 年 の 有 人 飛 行 船 神 舟 6 号 07 年 の 月 探 査 衛 星 嫦 娥 1 号 の 打 ち 上 げに 続 く 重 要 な 国 家 プロジェクトと なっていた 中 国 は 同 ステーション 建 設 のために 欠 かせない 新 世 代 の 大 型 運 搬 ロケット 長 征 5 号 の 開 発 を 急 ピッチで 進 めている 近 い 将 来 20 トン 程 度 の 小 型 宇 宙 ステーションを 建 設 す る 方 針 で 海 南 島 に 宇 宙 ステーション 用 の 打 ち 上 げ 施 設 の 建 設 を 決 定 している 中 国 は 07 年 1 月 に 弾 道 ミサイルによる 気 象 衛 星 の 破 壊 実 験 を 実 施 するなど その 宇 宙 開 発 に 脅 威 論 が 高 まっているが 中 国 は 脅 威 論 を 打 ち 消 そうと 宇 宙 空 間 の 平 和 利 用 を 強 調 し ている 中 国 は 08 年 だけで 10 基 前 後 の 衛 星 を 打 ち 上 げ 07 年 までに 設 計 製 造 した 衛 星 は 計 88 基 に 上 る 宇 宙 技 術 研 究 院 は 中 国 の 宇 宙 技 術 は 新 たな 段 階 衛 星 の 製 造 に 要 する 時 間 は 短 縮 され 国 産 衛 星 の 精 度 は 向 上 し 寿 命 も 延 びた と 自 信 を 見 せている 国 家 中 長 期 科 学 技 術 発 展 計 画 で 今 世 紀 半 ばまでに 世 界 の 科 学 技 術 強 国 となるための 基 礎 を 築 く とする 国 家 目 標 と 米 国 に 抗 しうる 一 極 を 成 すとの 長 期 目 標 に 向 かっているが 2 月 に 米 国 で 摘 発 されたスパイ 事 件 で 世 界 最 大 の デルタⅣ 型 ロケット やスペースシ ャトル 関 連 情 報 の 収 集 を 行 っていたことなどが 示 すように 自 国 の 技 術 のみではこれらの 目 標 達 成 も 困 難 なことから 米 国 のみならず 我 が 国 の 宇 宙 関 連 技 術 に 対 する 情 報 活 動 が 活 発 化 するものと 見 られる 11 (イ) 中 国 独 自 の GPS を 構 築 予 定 中 国 国 営 新 華 社 通 信 によると 中 国 は 自 主 開 発 の 衛 星 利 用 測 位 システム(GPS) 北 斗 で 稼 働 する 衛 星 を 今 後 約 1 年 間 に 12 基 の 打 ち 上 げを 計 画 しており 最 終 的 には 30 基 以 上 もの 衛 星 による GPS を 構 築 する 予 定 である 11 産 経 2008.9.15 9.29 8

中 国 は 北 斗 のために 既 に5 基 の 衛 星 を 打 ち 上 げており 30 基 以 上 の 衛 星 を 稼 働 させ れば 地 球 全 体 をカバーでき 米 国 の GPS に 質 量 ともに 匹 敵 する 測 定 精 度 となる 可 能 性 が 高 く 北 斗 の 整 備 によって GPS でも 中 国 が 米 国 の 一 極 支 配 を 崩 しつつある 12 (ウ) 火 星 及 び 月 面 探 査 衛 星 発 射 計 画 2008.11.3 中 国 紙 広 州 日 報 ( 電 子 版 )によれば 中 国 で 宇 宙 技 術 開 発 に 携 わる 国 有 企 業 中 国 航 天 科 技 集 団 の 関 係 者 は 11 月 2 日 中 国 が 09 年 9 月 に 火 星 探 査 衛 星 を 打 ち 上 げる 計 画 を 明 らかにした ロシアのロケットを 使 い 打 ち 上 げ 10 年 8 月 ごろに 火 星 上 空 の 軌 道 に 到 達 する 予 定 という 中 露 両 国 は 07 年 3 月 火 星 の 共 同 探 査 で 合 意 しており 中 国 の 小 型 衛 星 とロシアの 探 査 機 を 同 時 に 打 ち 上 げ 小 型 衛 星 が 火 星 周 辺 の 宇 宙 空 間 で 探 査 す るとともに 探 査 機 が 火 星 の 衛 星 に 着 陸 して 地 表 のサンプルを 採 取 する 予 定 である また 13 年 には 中 国 が 開 発 中 の 新 型 ロケット 長 征 5 号 を 使 い 月 面 探 査 機 を 打 ち 上 げる 計 画 も 明 らかにした 13 イ. 核 戦 力 の 増 強 とサイバー 攻 撃 の 強 化 2008.6.25 米 国 防 総 省 のジェームズ シン 次 官 補 (アジア 太 平 洋 安 全 保 障 問 題 担 当 )は 下 院 軍 事 委 員 会 公 聴 会 で 中 国 の 安 全 保 障 状 況 について 証 言 し 中 国 が 軍 事 態 勢 を 不 透 明 に したまま 米 国 本 土 を 攻 撃 できる 核 戦 力 の 増 強 やサイバー 攻 撃 の 強 化 などを 続 けていると 懸 念 を 表 明 した シン 次 官 補 は 米 国 政 府 が 中 国 との 安 保 関 係 でも 建 設 的 な 関 与 を 保 ちながらも 中 国 の 実 際 の 軍 事 動 向 に 懸 念 を 抱 いているとして 中 国 側 は1 実 際 の 軍 事 費 の 半 分 以 下 の 額 しか 公 表 せず 不 透 明 な 軍 事 態 勢 を 変 えていない(08 年 の 公 表 額 は 580 億 ト ルだが 外 国 からの 新 鋭 兵 器 調 達 核 戦 力 の 研 究 開 発 軍 事 汎 用 技 術 の 開 発 などの 費 用 を 含 めておらず 実 際 の 軍 事 費 は 年 間 1390 億 ト ルにも 達 する)2 核 非 核 両 面 での 各 種 兵 器 を 大 幅 に 増 強 している( 米 国 本 土 に 届 く 大 陸 間 弾 道 核 ミサイルの DF31 の 性 能 をあげ 基 数 を 増 す 一 方 潜 水 艦 の 増 強 や 空 母 の 開 発 を 進 めている)3 軍 のソフト ハード 両 面 での 能 力 増 強 を 進 め とくに 人 事 の 改 善 や 訓 練 の 強 化 を 図 っている( 軍 の 指 揮 系 統 兵 站 通 信 などのシステムと 要 員 の 強 化 により 事 実 上 の 臨 戦 態 勢 を 固 めている)4 宇 宙 軍 事 化 サイバー 攻 撃 の 能 力 増 強 などに より 通 常 の 規 範 を 逸 脱 する 非 対 称 作 戦 を 構 想 している( 米 国 の 国 防 総 省 を 含 む 政 府 機 関 や 12 産 経 2008.11.4 13 産 経 2008.11.4 9

防 衛 関 連 の 研 究 所 のコンピューター システムに 中 国 内 部 からのサイバー 攻 撃 がかけられ すでに 侵 入 されている)-ことなどを 証 言 した シン 次 官 補 は 中 国 側 のこうした 活 発 で 野 心 的 な 軍 事 強 化 策 の 結 果 1 台 湾 と 中 国 の 軍 事 力 比 較 が 中 国 側 に 有 利 に 大 きく 傾 き 始 めた2アジア 地 域 の 駐 留 米 軍 と 米 国 の 同 盟 諸 国 の 軍 隊 が 脅 威 と 危 険 にさらされる3 中 国 にとって 軍 事 力 強 化 により 対 外 戦 略 のオプションが 増 した-ことなどを 指 摘 し 米 側 も 対 抗 策 が 必 要 だと 強 調 し その 対 抗 策 としては 米 国 が1 情 報 収 集 能 力 を 高 め 中 国 側 の 軍 事 面 での 能 力 や 意 図 をより 正 確 に 知 る2 米 軍 も 装 備 の 改 善 などにより 能 力 を 高 める3アジアの 同 盟 諸 国 との 補 完 や 協 力 を 強 める4 中 国 軍 との 関 与 の 幅 を 広 げる などという 方 針 を 明 らかにした 14 ウ. 中 国 太 平 洋 分 割 管 理 を 米 に 提 案 海 上 覇 権 に 露 骨 な 野 心 を 示 す 2008.3.11 米 太 平 洋 軍 ( 司 令 部 ホノルル)のキーティング 司 令 官 ( 海 軍 大 将 )は 昨 年 5 月 に 中 国 を 訪 問 した 際 会 談 した 中 国 海 軍 幹 部 から ハワイを 基 点 として 米 中 が 太 平 洋 の 東 西 を 分 割 管 理 する 構 想 を 提 案 されたことを 上 院 軍 事 委 員 会 の 公 聴 会 で 証 言 した 同 司 令 官 はこの 戦 略 構 想 について 中 国 は 影 響 が 及 ぶ 範 囲 の 拡 大 を 欲 している とし て 警 戒 感 を 示 した キーティング 司 令 官 によると この 海 軍 幹 部 は われわれ( 中 国 )が 航 空 母 艦 を 保 有 し た 場 合 として ハワイ 以 東 を 米 国 が ハワイ 以 西 を 中 国 が 管 理 することで 合 意 を 図 れ ないか と 打 診 したという 同 司 令 官 は 冗 談 だとしても 人 民 解 放 軍 の 戦 略 構 想 を 示 す ものだ との 解 釈 を 示 し 中 国 の 軍 事 対 外 政 策 について きわめて 注 意 深 く 監 視 してい る と 語 った 15 ( 注 1) 中 国 軍 幹 部 による 太 平 洋 の 東 西 分 割 提 案 は 07 年 8 月 に 米 紙 ワシントン タイムズ が 米 軍 関 係 者 の 話 として 報 じていた キーティング 司 令 官 は 提 案 者 を 明 らかにしていないが 司 令 官 就 任 後 初 の 訪 中 だった 07 年 5 月 に 中 国 海 軍 では 呉 勝 利 司 令 官 と 会 談 している 米 側 は 提 案 を 拒 絶 したとしているが 同 紙 は 情 報 機 関 を 含 む 米 政 府 内 の 親 中 派 内 でこの 提 案 に 前 向 きな 姿 勢 を 示 す 向 きもあったとしている 中 国 海 軍 は 原 潜 を 含 む 潜 水 艦 の 活 動 をここ 数 年 日 本 や 台 湾 米 領 グァムの 近 海 など 西 太 平 洋 海 域 で 活 発 化 させており ハワイ 以 西 との 線 引 きは 中 国 が 従 来 の 国 防 圏 とし ていた 沖 縄 以 西 を 大 きく 踏 み 出 す 野 心 的 な 構 想 といえる 14 産 経 2008.6.27 15 産 経 2008.3.13,14 10

( 注 2) 太 平 洋 の 分 割 支 配 構 想 :コンドミニアム( 共 同 管 理 )は 少 なくとも 90 年 代 以 降 中 国 側 が 折 に 触 れて 米 国 側 に 持 ちかけていたもので 太 平 洋 の 秩 序 を 米 中 で 分 割 し 覇 権 を 共 有 する 戦 略 的 狙 い 海 軍 力 に 関 しては 原 潜 を 含 む 潜 水 艦 戦 力 が 米 軍 をしのぐ 勢 いにあり 従 来 の 防 衛 圏 は 沖 縄 以 西 であり 今 般 はハワイ 以 西 と 大 きく 踏 み 出 している 点 が 注 目 される ( 注 3) 分 割 管 理 提 案 に 関 して 情 報 機 関 を 含 む 米 政 府 内 の 親 中 派 内 でこの 提 案 に 前 向 きな 姿 勢 を 示 す 向 きもあった としているが 中 国 は 日 本 に 対 しても 政 治 家 を 通 じた 防 衛 省 への 接 近 や 中 国 政 経 懇 談 会 防 衛 交 流 を 通 じて-1 中 政 懇 を 通 じた OB の 活 用 2OB の 人 脈 を 利 用 して 現 職 に 拡 大 3 留 学 生 を 通 じた 工 作 により 親 中 派 の 拡 大 - 等 をはかり 自 衛 隊 OB や 現 職 自 衛 官 の 中 に 親 中 派 勢 力 の 育 成 拡 大 や 戦 略 面 での 意 見 の 対 立 を 狙 い 内 部 分 裂 を 図 る 等 の 工 作 を 行 っ てくるものと 見 られる エ. 空 母 艦 隊 建 造 を 開 始 か 軍 当 局 初 の 公 式 発 言 従 来 から 空 母 建 造 の 動 きが 取 り 沙 汰 されてきたが 2008.11.19 付 けの 香 港 紙 サウスチ ャイナ モーニングポストは 上 海 の 軍 事 専 門 家 が 今 年 に 入 ってから 空 母 艦 隊 を 構 成 す る 艦 艇 の 建 造 現 場 を 訪 れ 担 当 将 校 の 説 明 を 受 けた との 証 言 を 伝 えた この 証 言 によれ ば 建 造 中 の 空 母 はディーゼルエンジンによる 通 常 推 進 型 で 米 国 の 原 子 力 空 母 よりは 規 模 が 小 さく 搭 載 機 は 60 機 程 度 4 年 後 には 就 役 し 海 賊 行 為 が 相 次 いでいる 南 シナ 海 を 管 轄 する 南 海 艦 隊 に 配 属 され 中 国 の 原 油 輸 送 ルートを 警 護 する 任 務 に 当 たる 戦 闘 群 を 構 成 する 空 母 と 支 援 艦 艇 は 上 海 大 連 天 津 の3か 所 の 造 船 施 設 で 建 造 されている 模 様 という 08.12.23 中 国 国 防 省 の 報 道 官 は 国 産 空 母 の 建 造 について 空 母 は 国 家 の 総 合 力 の 体 現 であり 海 軍 の 具 体 的 な 要 求 と 表 明 軍 当 局 者 として 公 の 場 で 初 めて 確 認 した 建 造 は 09 年 から 本 格 化 するものと 見 られ 大 連 で 改 修 している 旧 ソ 連 空 母 ワリャーグ (5 万 8500 トン)を 練 習 空 母 として 就 役 させ その 経 験 を 踏 まえて 2 隻 の 中 型 空 母 (4 ~6 万 トン 級 )を 建 造 し 計 3 隻 体 制 で 運 用 する 予 定 艦 載 機 はロシアの 戦 闘 機 スホイ 27 を 艦 載 機 に 改 良 した 33 型 機 を 予 定 パイロットらはウクライナで 訓 練 を 受 けた 上 で 既 に 地 上 模 型 での 発 着 訓 練 を 開 始 している 2009.1 駐 中 国 ロシア 大 使 は 中 国 週 刊 誌 のインタビューで 軍 事 技 術 協 力 は 中 露 戦 略 協 力 パートナー 関 係 の 重 要 なその 一 つ とし 中 国 の 空 母 建 造 にロシアは 協 力 する 用 意 があ ると 語 った ( 注 ) 中 国 国 防 省 外 事 弁 公 室 の 銭 利 華 主 任 も 11 月 17 日 付 の 英 紙 フィナンシャル タイムズの 11

インタビューに 対 し 空 母 開 発 をほのめかす 発 言 をしている 16 (3) 技 術 情 報 収 集 活 動 は 益 々 活 発 化 ア. 米 国 下 院 司 法 委 員 会 で 中 国 の 対 米 スパイ 活 動 は 最 も 攻 勢 的 で 米 国 軍 事 関 連 技 術 への 主 要 な 脅 威 と 位 置 づけ 2008.1.29 米 国 下 院 司 法 委 員 会 の 小 委 員 会 が 開 いた 米 国 に 対 するスパイ 活 動 に 関 する 公 聴 会 で 米 中 関 係 研 究 の 議 会 諮 問 委 員 会 代 表 は 中 国 による 米 国 軍 事 関 連 技 術 を 盗 むス パイ 活 動 が 米 国 の 安 全 保 障 技 術 への 主 要 な 脅 威 であり その 活 動 は 各 国 中 でも 最 も 攻 勢 的 だと 証 言 した 本 公 聴 会 では ブッシュ 政 権 の 高 官 や 民 間 専 門 家 が 証 言 を 行 ったが 米 国 に 対 するスパ イ 活 動 一 般 とそれに 対 する 防 止 策 についての 各 証 言 の 中 で 議 会 政 策 諮 問 機 関 の 米 中 経 済 安 保 調 査 委 員 会 のラリー ウォーツエル 委 員 長 は 中 国 の 対 米 スパイ 活 動 を 米 国 に 対 す る 各 国 の 同 活 動 でも 最 も 攻 勢 的 で 米 国 軍 事 関 連 技 術 への 主 要 な 脅 威 として 位 置 づけ その 実 態 を 明 らかにした 同 委 員 長 は 自 らが 米 陸 軍 の 中 国 専 門 家 として 長 年 中 国 の 諜 報 スパイ 活 動 を 専 門 に 研 究 してきた 経 歴 を 基 に 1 中 国 は 86 年 3 月 に 863 計 画 と 呼 ぶ 高 度 技 術 の 総 合 的 開 発 計 画 を 決 め バイオ 宇 宙 レーザー 情 報 オートメーションなど の 技 術 を 外 部 から 取 得 することを 国 家 政 策 として 決 めた 2その 一 環 として 制 限 された 外 国 の 技 術 は 産 業 スパイなど 秘 密 や 違 法 の 手 段 でも 取 得 する 方 針 が 決 められ 実 行 されてい る 3 米 側 は 中 国 のその 種 のスパイ 活 動 にかかわる 国 家 機 関 として 国 家 安 全 部 人 民 解 放 軍 諜 報 部 など 少 なくとも7 組 織 を 認 定 している などと 証 言 した 同 委 員 長 はこうして 取 得 した 高 度 技 術 が 中 国 軍 の 近 代 化 を 推 進 していると 強 調 し 最 近 の 具 体 例 として 06 年 にカリフォルニア 州 で 有 罪 判 決 を 受 けた 中 国 系 一 家 5 人 のケー スをあげ 高 度 技 術 の 訓 練 を 受 けた 同 5 人 が 米 側 の 官 民 の 軍 事 関 連 技 術 を 違 法 に 取 得 して 中 国 の 広 州 の 中 山 大 学 研 究 所 を 経 由 して 中 国 当 局 に 送 っていた 実 態 を 明 らかにした 同 委 員 長 はこの 一 家 が 中 国 当 局 から 特 に 優 先 取 得 を 指 令 されていた 項 目 として 1 海 上 電 磁 傍 受 システム 2 宇 宙 発 射 磁 気 浮 揚 台 3 電 磁 砲 システム 4 潜 水 艦 魚 雷 5 空 母 電 子 システム6 水 上 ジェット 推 進 7 潜 水 艦 推 進 8 核 攻 撃 防 衛 技 術 9 米 海 軍 次 世 代 駆 逐 16 産 経 2008.11.20 12.24 2009.1.5 1.9 読 売 20.11.20 関 連 記 事 :19 年 度 研 究 報 告 書 p9~10 12

艦 -などを 指 摘 した 同 委 員 長 は 中 国 のこうしたスパイ 活 動 への 対 策 として 司 法 立 法 の 両 面 で 取 り 締 まりを 強 化 することを 訴 えた 17 イ. 米 中 国 の 軍 事 機 密 スパイ 事 件 2 件 を 同 時 摘 発 米 国 内 での 中 国 のスパイ 活 動 が 依 然 として 活 発 なことを 裏 付 けるように 米 連 邦 捜 査 局 (FBI)は 08.2.11 中 国 による 米 国 の 軍 事 機 密 スパイ 事 件 2 件 を 同 時 に 摘 発 し 買 収 され た 国 防 総 省 の 分 析 官 1 人 を 含 む 計 4 人 を 逮 捕 した このうち ボーイング 社 の 中 国 系 元 技 師 が 関 与 した 事 件 では 同 社 が 開 発 した 超 大 型 ロ ケット デルタⅣ 型 や スペースシャトルなど 米 国 の 宇 宙 航 空 技 術 に 関 する 情 報 も 中 国 に 引 き 渡 されていた これらの 事 件 は 国 防 関 連 企 業 に 勤 務 する 中 国 人 中 国 系 米 国 人 を 見 つけ 出 し 中 国 に 招 待 して 協 力 を 要 請 ( 強 制 )してスパイに 仕 立 て 上 げる 中 国 の 典 型 的 パ ターンを 示 している ( 第 4 章 で 詳 述 ) ウ. 合 法 非 合 法 的 手 段 を 併 用 し 汎 用 軍 用 技 術 の 収 集 を 図 る 中 国 の 収 集 活 動 (ア) 米 国 防 総 省 年 次 報 告 2008.3.3 米 国 防 総 省 は 年 次 報 告 中 国 の 軍 事 力 2008 を 公 表 したが その 中 で 中 国 の 技 術 情 報 活 動 は 合 法 非 合 法 的 な 商 業 活 動 により 両 用 ( 汎 用 )と 軍 用 の 技 術 を 海 外 から 取 得 するための 組 織 的 な 努 力 を 継 続 しており 中 国 の 積 極 的 で 広 範 なスパイ 活 動 は 米 国 の 技 術 に 対 する 最 大 の 脅 威 であると 評 価 した また IT 化 軍 隊 を 目 指 している 中 国 にとってソフ トウェア 集 積 回 路 コンピューター 電 子 製 品 半 導 体 電 気 通 信 機 器 及 び 情 報 セキ ュリテイシステムのような 両 用 技 術 は 決 定 的 に 重 要 で 00 年 から 06 年 までの 間 に 米 国 移 民 関 税 執 行 局 (ICE)が 調 査 した 中 国 への 違 法 な 輸 出 は 400 件 に 上 ることを 明 らかにしてい る そして 中 国 が 外 国 の 技 術 に 最 も 重 く 依 存 し 続 けている 緊 要 な 分 野 は 誘 導 制 御 システ ム タービンエンジン 技 術 及 び 精 密 機 械 器 具 や 進 んだ 診 断 装 置 や 対 話 装 置 のような 能 力 向 上 技 術 高 速 タイピングに 重 要 な 応 用 と 処 理 コンピューター 利 用 設 計 / 製 造 (CAD/CAM) 等 の 技 術 であると 指 摘 している また 将 来 の 展 望 として 中 国 の 中 長 期 科 学 技 術 発 展 計 画 (2006~2020 年 )の 中 国 の 科 学 技 術 の 焦 点 について 軍 事 応 用 を 含 む 基 礎 研 究 最 先 端 技 術 緊 要 な 分 野 と 優 先 課 題 及 び 主 要 な 特 定 項 目 という 表 現 で 規 定 しそれぞれの 技 術 について 明 らかにしている 17 産 経 2008.2.4 13

基 礎 研 究 : 軍 事 応 用 を 含 む 次 の5つの 分 野 材 料 設 計 と 準 備 極 限 的 な 条 件 下 での 製 造 宇 宙 航 空 機 械 情 報 技 術 開 発 ナノテクノロジーと 応 用 最 先 端 技 術 :1 情 報 技 術 ( 優 先 技 術 は 情 報 認 識 技 術 臨 機 のネットワーク バーチ ャルリアリティ 技 術 以 下 ( ) 内 は 優 先 技 術 )2 新 材 料 (スマート 材 料 と 構 造 高 温 超 電 導 技 術 高 効 率 エネルギー 材 料 技 術 )3 先 端 製 造 技 術 ( 最 先 端 製 造 技 術 情 報 サービス ロボット)4 先 端 エネルギー 技 術 ( 水 素 エネルギーと 燃 料 電 池 技 術 代 替 燃 料 と 進 んだ 移 動 体 技 術 )5 海 洋 技 術 (3 次 元 海 洋 環 境 観 測 技 術 迅 速 多 重 パラメーター 海 洋 フロア 調 査 技 術 深 海 活 動 技 術 )6レーザーと 航 空 宇 宙 技 術 緊 要 な 分 野 と 優 先 課 題 : 中 国 の 防 衛 産 業 界 は 先 端 製 造 技 術 情 報 技 術 及 び 軍 事 技 術 を 求 めており レーダー 宇 宙 対 策 能 力 安 全 な C4ISR スマート 材 料 低 被 視 認 率 技 術 を 特 に 求 めている 主 要 な 特 定 項 目 : 中 国 が 開 発 又 は 独 自 能 力 の 拡 大 を 図 るものとして 中 核 的 電 子 部 品 ハイエンド 共 通 チップとオペレーティングシステムソフトウエア 超 大 規 模 集 積 回 路 製 造 次 世 代 広 帯 域 無 線 移 動 通 信 高 性 能 数 値 制 御 機 械 ツール 大 型 航 空 機 高 解 像 度 人 工 衛 星 18 月 探 査 を 含 む 有 人 飛 行 (イ) 米 国 議 会 米 中 経 済 安 保 調 査 委 員 会 年 次 報 告 で 中 国 の 脅 威 に 対 応 策 を 訴 える 2008.11.20 米 中 間 の 経 済 関 係 が 米 国 の 国 家 安 全 保 障 にどう 影 響 するかを 主 題 とする 米 国 議 会 の 超 党 派 政 策 諮 問 機 関 である 米 中 経 済 安 保 調 査 委 員 会 (ラリー ウォーツエル 委 員 長 )は 08 年 度 の 年 次 報 告 書 を 発 表 し 中 国 が 経 済 政 治 軍 事 の 各 面 での 勢 力 拡 大 を 国 際 的 規 範 を 破 る 形 で 進 めている として 米 国 の 議 会 や 政 府 に 対 応 策 をとることを 訴 えるとともに この 調 査 結 果 をもとに 新 たな 民 主 党 主 導 の 連 邦 議 会 上 下 両 院 とオバマ 政 権 に 報 告 し 必 要 な 一 連 の 対 応 策 を 提 言 してゆくとしている 同 調 査 委 員 会 は 年 次 報 告 書 の 中 で 経 済 面 については 中 国 の 国 家 機 構 そのものが 一 般 の 金 融 機 関 を 装 い 米 国 の 国 家 安 全 保 障 を 侵 す 動 きに 出 ることに 重 大 な 懸 念 を 抱 いている ことを 強 調 し 1 政 府 系 ファンドによる 巨 額 資 金 の 運 用 で 本 来 の 商 業 から 離 れた 政 治 軍 事 の 目 的 を 達 成 しようとしている と 国 家 ファンドによる 国 防 関 連 企 業 や 安 全 保 障 上 懸 念 を 有 する 企 業 に 対 する 買 収 について 警 戒 を 示 すとともに 2 航 空 機 製 造 産 業 を 諸 外 国 からの 技 術 の 盗 用 で 育 成 し 米 欧 に 対 抗 しようとしている 3 米 国 や 日 本 の 防 衛 産 業 にお 18 米 国 防 総 省 年 次 報 告 中 国 の 軍 事 力 2008 2008.3.3 翻 訳 : 朝 雲 14

ける 部 品 などの 供 給 について 日 米 の 防 衛 装 備 のなかで 中 国 製 部 品 を 使 うことによる 供 給 ラ インの 安 全 保 障 に 懸 念 があることを 指 摘 している また 軍 事 や 安 保 の 領 域 では 中 国 が 1 武 器 や 軍 事 技 術 をスーダン ミャンマー イ ランなど 人 権 弾 圧 問 題 を 起 こした 無 法 国 家 群 に 拡 散 している 2ホワイトハウスや 国 防 総 省 オバマ マケイン 両 陣 営 のコンピューター システムに 不 当 に 侵 入 するサイバー 攻 撃 をかけ 今 後 も 攻 撃 を 増 強 する 構 えをみせている 3 宇 宙 の 軍 事 利 用 を 推 進 しており 同 じ 宇 宙 依 存 の 強 い 米 軍 が 大 きな 脅 威 に 直 面 している 4 戦 闘 機 爆 撃 機 潜 水 艦 などの 増 強 を 続 けており 航 空 母 艦 の 建 造 の 動 きを 示 し 東 アジアや 対 台 湾 の 軍 事 バランスを 崩 しているーという 諸 点 を 強 調 している 19 (ウ) 研 究 会 等 を 通 じた 合 法 的 収 集 活 動 技 術 の 流 出 はスパイ 活 動 などの 非 合 法 手 段 によるばかりでなく 研 究 会 や 学 術 交 換 会 議 等 の 合 法 的 手 段 で 或 いは 合 法 的 名 目 を 活 用 した 不 法 な 活 動 によって 流 出 することが 極 めて 多 いことは 99 年 の 中 国 による 米 国 核 スパイ 事 件 に 関 する 米 国 議 会 報 告 書 コックス 報 告 で 詳 細 に 述 べられているが 我 が 国 においても 研 究 交 流 活 動 によって レーザー 関 連 技 術 が 流 出 する 危 険 性 が 改 めて 注 目 された ( 第 4 章 で 詳 述 ) エ. 中 国 外 国 企 業 に IT 機 密 開 示 要 求 2008.9.18 中 国 政 府 は 外 国 企 業 に 対 し デジタル 家 電 などの 中 核 となる 製 品 情 報 を 中 国 当 局 に 開 示 するよう 命 ずる IT セキュリティ 製 品 の 強 制 認 証 制 度 を 09 年 5 月 から 導 入 する 方 針 を 明 らかにした この 新 制 度 は 具 体 的 には 対 象 となる 製 品 についてデジタル 家 電 などを 制 御 するソフ トウェアの 設 計 図 である ソースコード の 開 示 を 外 国 企 業 に 強 制 するもので 開 示 を 拒 否 すれば その 製 品 の 対 中 輸 出 や 中 国 での 現 地 生 産 販 売 が 一 切 禁 止 され 対 象 製 品 は 開 示 されたソースコードに 基 づく 試 験 と 認 証 機 関 による 検 査 に 合 格 しないと 中 国 で 製 品 を 販 売 出 来 ないという 国 際 的 に 例 のない 制 度 となっている 強 制 認 証 制 度 の 対 象 としては 非 接 触 IC カード 技 術 や デジタル 複 写 機 コンピ ューター サーバーやコンピューターウイルスの 侵 入 を 防 ぐソフトなどネットワークのセ キュリティ 関 連 の 機 器 やソフトなど 対 象 は 13 品 目 としているが 表 現 があいまいなところ もあり 業 界 の 不 安 をあおっている 19 産 経 20.11.21 15

10 月 6 日 日 本 経 団 連 の 御 手 洗 富 士 夫 会 長 も 会 見 で ソースコードの 開 示 は 裸 になる ということ 反 対 し 続 ける と 強 く 反 発 した 経 済 産 業 省 や 米 通 商 代 表 部 などは 制 度 の 撤 回 を 強 く 求 める 構 えで 深 刻 な 通 商 問 題 に 発 展 する 可 能 性 がある 中 国 政 府 は ソースコードの 開 示 を 求 める 狙 いについて ソフトの 欠 陥 を 狙 ったコンピ ューターウイルスや コンピューターヘの 不 正 侵 入 を 防 ぐためと 説 明 しているが 開 示 内 容 が 中 国 政 府 を 通 じて 中 国 企 業 に 漏 れる 恐 ればかりでなく 日 本 製 デジタル 機 器 のデジタ ル 機 器 の 暗 号 技 術 が 中 国 側 に 筒 抜 けとなり 暗 号 情 報 も 見 破 られやすくなり 中 国 の 諜 報 活 動 などに 利 用 される 安 全 保 障 上 の 懸 念 も 指 摘 されている ( 注 )ソースコードは コンピューター 言 語 で 書 かれたソフトウェアの 設 計 図 企 業 の 重 要 な 知 的 財 産 で 例 えばマイクロソフトは 基 本 ソフト ウィンドウズ のソースコードを 機 密 情 報 として 扱 い 巨 額 の 利 益 につなげた ソースコードが 分 かると ソフトの 欠 陥 を 突 いたウイ ルスの 作 成 などが 容 易 になる IT のセキュリティ 製 品 については 日 米 欧 など 25 カ 国 は 相 互 認 証 制 度 を 採 用 しており 日 本 の 認 証 機 関 で 安 全 性 を 確 認 した 製 品 は そのまま 米 国 でも 安 全 な 製 品 として 販 売 でき る 企 業 が 任 意 で 認 証 を 申 請 する 形 を 取 っているが 認 証 がなくても 販 売 は 可 能 であり 今 回 の 中 国 の 制 度 は 国 際 的 に 例 がない ( 経 済 産 業 省 )ものである 経 産 省 は 詳 しい 規 制 の 内 容 を 照 会 しているが 進 展 はないという 9 月 中 旬 にあった 米 中 商 業 貿 易 委 員 会 でも この 問 題 が 取 り 上 げられたが 中 国 側 は 最 終 的 な 内 容 の 公 表 を 遅 らせると 表 明 するにとどめている 20 3. 第 三 国 経 由 で 汎 用 機 器 の 入 手 を 図 る 北 朝 鮮 日 本 政 府 は 2006 年 以 来 北 朝 鮮 に 対 して 北 朝 鮮 船 舶 の 入 港 禁 止 などの 経 済 制 裁 を 強 化 し ているが これに 対 して 北 朝 鮮 は 他 国 籍 船 を 利 用 して 日 本 からの 中 古 品 の 輸 入 ルート を 確 保 しているほか 軍 事 転 用 可 能 な 汎 用 品 については 台 湾 中 国 などの 第 三 国 を 経 由 して 不 正 輸 入 する 方 法 に 転 換 している また これまで 日 本 から 不 正 輸 出 する 場 合 殆 どが 在 日 の 北 朝 鮮 系 商 社 が 関 わっていた が 08 年 に 摘 発 された 不 正 輸 出 事 件 2 件 いずれもが 日 本 の 商 社 やメーカーが 輸 出 機 器 の 性 能 を 偽 り 経 産 省 の 許 可 を 受 けずに 不 正 輸 出 を 承 知 で 行 っていたことが 大 きな 特 徴 とな 20 産 経 2008.9.19 10.8 読 売 9.21 9.24 10.7 16

っており 利 益 優 先 姿 勢 が 指 摘 されている なお 台 湾 を 経 由 する 不 正 輸 出 については 台 湾 当 局 が 独 自 に 対 北 朝 鮮 輸 出 規 制 を 実 施 しているため 台 湾 の 大 手 企 業 は 北 朝 鮮 と 取 引 するリスクを 避 ける 傾 向 にある これま で 不 法 取 引 に 関 与 していたのはいずれもが 中 小 企 業 であることから 輸 出 規 制 品 目 につい て 台 湾 の 中 小 企 業 からの 取 引 打 診 があった 場 合 には 細 部 確 認 をすることが 必 要 と 思 われ る ( 第 3 章 で 詳 述 ) 4. 北 朝 鮮 イラン シリアの 核 開 発 問 題 北 朝 鮮 の 核 開 発 凍 結 問 題 に 対 するアメリカの 姿 勢 は 北 朝 鮮 が 望 むアメリカとの 二 国 間 交 渉 を 拒 否 するとともに 後 戻 りできない 全 ての 核 の 完 全 廃 棄 であったはずである しか しながら アメリカは 米 朝 二 国 間 協 議 に 応 じ 07 年 1 月 にはベルリンで 米 朝 二 国 間 協 議 が 行 われた この 結 果 マカオの 金 融 機 関 バンコ デルタ アジアの 北 朝 鮮 資 金 の 凍 結 が 解 除 され その 後 の 協 議 の 進 展 の 過 程 で アメリカによる テロ 支 援 国 家 指 定 解 除 及 び 敵 国 通 商 法 の 適 用 が 話 し 合 われ しかも 後 戻 りできない 核 廃 絶 が 骨 抜 きになり ウラン 濃 縮 問 題 核 爆 弾 の 保 有 及 び 他 国 への 核 拡 散 などに 対 する 申 告 や 検 証 が 次 々に 反 故 になりつ つある 情 勢 である この 結 果 北 朝 鮮 はアジア 中 東 諸 国 などとの 交 流 や 投 資 の 呼 び 込 みを 積 極 化 させ フランスやエジプトは 既 に 07 年 から 民 間 投 資 を 開 始 している イランは 平 和 目 的 を 掲 げてウラン 濃 縮 に 取 り 組 んでいる 北 朝 鮮 の 核 問 題 には 冷 淡 な 欧 州 諸 国 とりわけ 英 仏 独 三 国 は 国 連 安 保 理 に 働 きかけて 制 裁 強 化 を 図 っている しかしな がらイランに 多 くの 利 権 を 有 するロシアは 国 連 の 制 裁 決 議 に 消 極 的 であり 中 国 もこれに 同 調 している イスラエルにとってはイスラエルの 存 在 を 認 めないイランが 核 兵 器 を 持 つ ことは 国 家 の 生 存 に 関 わる 大 事 である しかしイスラエルがイランに 対 して 強 硬 手 段 を 取 った 場 合 には イランの 支 援 を 受 けるパレスチナのイスラム 主 義 原 理 組 織 ハマスやレバノ ンの 民 兵 組 織 ヒズボラとの 連 携 による 反 撃 の 可 能 性 が 不 気 味 でもある 07 年 9 月 6 日 イスラエル 空 軍 はシリア 領 内 の 北 朝 鮮 の 協 力 によって 建 設 されたプル トニウム 製 造 を 目 的 とした 完 成 間 近 の 原 子 炉 を 破 壊 した シリアの 大 量 破 壊 兵 器 開 発 計 画 に 懸 念 を 示 していたアメリカにとっても 驚 きであったようである この 施 設 はイランや 北 朝 鮮 が 監 視 の 目 を 逃 れるための 場 所 貸 しであったとの 報 道 も 流 されている 国 際 原 子 力 機 関 IAEA は 08 年 6 月 に 立 ち 入 り 調 査 を 実 施 したが 場 所 は 破 壊 現 場 に 限 られていた 北 朝 鮮 イラン 及 びシリアは 核 及 びミサイルの 開 発 で 深 くつながっている 17

5. 活 発 化 するサイバー 攻 撃 に 米 欧 が 連 携 して 防 衛 センター を 創 設 2007 年 4 月 から5 月 にかけてロシアからエストニアに 対 してハッカー 攻 撃 が 行 われ 7 月 から9 月 にかけては 中 国 からと 見 られる 攻 撃 が 日 本 台 湾 を 始 め 米 英 仏 独 に 対 して 行 われたが 年 々 増 加 活 発 化 するサイバー 攻 撃 に 対 して 08.2.14 北 大 西 洋 条 約 機 構 (NATO)に 加 盟 する 米 欧 7~9か 国 が サイバーテロを 現 実 の 脅 威 ととらえ 各 国 の 安 全 保 障 にかかわる 問 題 として 情 報 システムを 狙 った 破 壊 行 為 に 対 処 する サイバー 防 衛 セ ンター をエストニアの 首 都 タリンに 合 同 で 創 設 し ブリュッセルの NATO 本 部 と 連 携 して サイバーテロに 関 する 情 報 分 析 や 防 衛 技 術 の 開 発 のほか 加 盟 国 に 対 する 技 術 指 導 の 役 割 を 担 うという 米 国 ドイツなどが 設 立 に 賛 同 しており 各 国 が 運 営 費 を 分 担 する 政 府 や 軍 公 共 機 関 の 情 報 システムなど 国 の 中 枢 基 盤 に 対 する 見 えない 敵 の 攻 撃 に 備 え 相 互 支 援 の 体 制 を 整 えておく 狙 いがある ( 注 )エストニアは 07 年 4 月 から 約 1か 月 間 国 外 からの 集 中 的 なデータ 送 信 などの 攻 撃 にさらされ 金 融 機 関 が 一 時 営 業 停 止 を 余 儀 なくされるなどの 被 害 を 受 けたが これ 以 降 欧 州 におけるサイバーテロ 研 究 の 中 心 地 となっている NATO 本 部 もサイバーテロを 21 世 紀 型 の 脅 威 (デホープスヘッフェル 事 務 総 長 )と 位 置 づ け 加 盟 国 の 防 衛 能 力 強 化 へ 向 けた サイバー 防 衛 戦 略 を 近 く 策 定 する 方 向 で 調 整 を 進 めて いる 21 6. 先 端 科 学 技 術 を 有 する 外 国 企 業 の 買 収 を 図 るロシア 中 国 (1)ロシアの 企 業 買 収 の 動 向 ア. 外 国 のハイテク 企 業 買 収 強 化 指 示 2008.1.31 メドベージエフ 第 1 副 首 相 ( 現 大 統 領 )は ロシア 財 界 トップたちとの 経 済 会 議 の 席 上 外 国 企 業 買 収 は 重 要 課 題 だ 中 国 のように 積 極 的 に 進 めるべきで われわれ もできるはずだ そうすれば 我 が 国 企 業 の 近 代 化 に 不 可 欠 な 製 造 機 械 の 外 国 輸 入 依 存 度 を 下 げるなどの 問 題 を 解 決 できる と 外 国 のハイテク 企 業 を 買 収 するときだ と 述 べ 21 読 売 2008.2.15 18

巨 額 の 国 家 基 金 を 投 資 に 向 ける 姿 勢 を 示 して 財 界 に 対 して 外 国 企 業 の 買 収 に 積 極 攻 勢 に 出 るよう 大 号 令 をかけた ロシアは 遅 れている 製 造 業 を 育 成 し 依 存 体 質 からの 脱 却 を 急 いでいるがこれらに 必 要 な 技 術 を 得 るため 豊 富 な 資 金 をテコに ロシアによる 日 本 の 製 造 業 への M&A は 必 至 ( 三 菱 商 事 幹 部 )との 見 方 が 強 まっている 現 在 ガスプロムの 日 本 進 出 が 取 り 沙 汰 されているが 09 年 春 を 予 定 する サハリン2 の 日 本 向 け LNG( 液 化 天 然 ガス) 供 給 開 始 がガスプロム 進 出 の 契 機 になる とみられてい る 欧 州 ではガスプロムが 現 地 企 業 と 合 弁 で 販 売 会 社 を 設 立 して 川 上 から 川 下 まで 一 貫 した 戦 略 を 基 本 としており 日 本 でも 同 様 の 検 討 を 進 めている 可 能 性 が 高 い これまでのところ ロシアの 関 心 は 戦 略 資 源 関 係 を 重 点 としており これまで 日 本 に 進 出 している 主 な 企 業 ( 外 務 省 調 べ 2008.1 月 現 在 )は ルサール(ロシア 最 大 のアルミニ ウム 業 ) TENEX( 濃 縮 ウランの 製 造 輸 出 ) アエロフロート(ロシア 航 空 ) アビテル データ(IT セキュリティ 関 連 ) ヒムエクスベルト( 原 子 力 や 環 境 関 連 分 析 器 医 療 機 器 などの 輸 出 入 販 売 ) メトローポル( 金 融 投 資 会 社 ) アルジゲー( 証 券 業 )などで 兵 器 及 び 兵 器 技 術 情 報 に 関 わる 汎 用 機 器 関 連 企 業 はアビテル データ 社 以 外 見 あたらない が 現 在 ロシアが 最 重 点 目 標 としている 大 国 構 築 宣 言 を 推 進 する2 大 方 策 は 情 報 機 関 による 先 端 技 術 の 収 集 と 先 端 技 術 を 保 有 する 外 国 企 業 の 買 収 と 強 調 しているとこ ろから 引 き 続 きその 動 向 が 注 目 される 22 イ. 露 日 本 のナノテクに 触 手 国 策 企 業 が 誘 致 技 術 の 吸 収 狙 う 地 下 資 源 輸 出 に 依 存 する 後 進 的 経 済 からの 脱 却 を 目 指 し 先 進 諸 国 の 技 術 を 吸 収 する 使 命 を 帯 びた 国 策 企 業 ロスナノ ( 社 長 チュバイス 元 第 1 副 首 相 )が 超 微 細 技 術 ナノ テクノロジー に 本 腰 を 入 れようとしていることが 明 らかとなった ロスナノは 07 年 7 月 当 時 のプーチン 大 統 領 の 肝 いりで 設 立 され これまでに 1300 億 ルーブル( 約 4600 億 円 )の 国 家 予 算 を 受 け 技 術 面 の 拠 点 機 能 は 核 開 発 で 知 られるクルチ ャトフ 研 究 所 (モスクワ)が 担 っている 同 社 の 事 業 内 容 は 国 内 外 のナノテク 研 究 プロ ジェクトを 募 集 それに 投 融 資 して 商 品 化 を 支 援 する として 目 下 日 本 通 の 外 交 官 らを 次 々と 引 き 抜 き 幹 部 に 登 用 して 日 本 企 業 に 積 極 的 なアプローチをかけている 副 社 長 ( 対 外 協 力 担 当 )には 北 朝 鮮 をめぐる6カ 国 協 議 の 露 首 席 代 表 を 退 いたロシュ コフ 元 駐 日 大 使 が 就 任 クリフツオフ 元 札 幌 総 領 事 やイワノフ 元 大 阪 総 領 事 が 国 際 担 当 上 22 産 経 08.2.23 07.6.22 8.23 19

級 顧 問 に 就 き また 幹 部 には 約 10 年 間 にわたって 在 日 ロシア 大 使 館 に 勤 務 し 対 外 情 報 局 (SVR)の 駐 日 代 表 ( 情 報 筋 )とされていた 人 物 も 含 まれており これらの 陣 容 から 米 国 に 次 ぐナノテク 先 進 国 日 本 重 視 の 姿 勢 は 鮮 明 となっている 更 に 同 社 は 在 露 日 本 大 使 館 に 日 本 企 業 向 けのプレゼンテーションの 開 催 を 要 請 している ロシユコフ 副 社 長 は ロスナノの( 合 弁 事 業 での) 株 式 保 有 は 基 本 的 に 最 大 50%マイナ スー 株 などと 述 べ 戦 略 産 業 で 外 資 排 除 の 進 むロシアとしては 破 格 の 条 件 を 打 ち 出 して いるが 外 国 企 業 には 製 造 過 程 の 少 なくとも 一 部 をロシア 国 内 で 行 う との 制 約 があり 狙 いは 外 国 からの 技 術 移 転 にあることは 明 らかである ナノテクは 10 億 分 の 1 メートル(ナノメートル)の 水 準 で 物 質 を 作 ったり それを 加 工 する 技 術 で IT( 情 報 技 術 )やバイオテクノロジー 新 素 材 開 発 など 将 来 の 成 長 が 期 待 される 分 野 の 基 礎 技 術 となり 民 生 軍 事 両 面 での 幅 広 い 応 用 が 予 測 されている 技 術 であり 各 種 手 段 を 通 じて 関 連 企 業 や 研 究 所 に 接 近 して 我 が 国 のナノテク 技 術 の 収 集 を 図 ってくる ものと 見 られる 23 (2) 中 国 政 府 系 ファンドが 安 保 企 業 の 買 収 の 動 き ア. 米 通 信 機 器 大 手 スリー コムの 買 収 は 米 国 議 会 の 反 対 により 断 念 2008.2.20 米 国 の 大 手 通 信 技 術 企 業 スリー コム (3COM) 社 は 米 投 資 ファンドの ペインキャピタル パートナーズ と 中 国 通 信 機 器 大 手 の 華 為 技 術 社 によるスリー コムの 買 収 計 画 を 断 念 したと 発 表 した この 買 収 計 画 は 2007 年 9 月 米 国 防 総 省 コンピューター システムヘのハッカー 侵 入 防 止 装 置 などの 特 殊 技 術 を 有 し 米 軍 の 通 信 機 密 を 守 る 作 業 に 参 加 してきた 同 社 が 米 国 投 資 企 業 のペイン キャピタル パートナーズと 中 国 の 通 信 機 器 製 造 大 手 の 華 為 技 術 社 と 合 併 する 計 画 で 合 意 し その 買 収 計 画 を 推 進 してきたが この 合 併 の 実 態 は 華 為 技 術 と ペイン キャピタルの 両 社 が 合 同 で 3COM を 取 得 するもので 新 たに 登 場 する 合 併 新 企 業 で は 華 為 技 術 が 3COM の 技 術 などを 入 手 出 来 ることになることから 米 国 議 会 下 院 上 院 とも 国 家 安 全 保 障 への 脅 威 になるとして 米 国 議 会 が 強 く 反 対 し また 外 国 投 資 が 米 国 に 国 家 安 全 保 障 に 悪 影 響 を 与 えないかどうかを 調 査 する 政 府 機 関 の 外 国 投 資 委 員 会 (CFIUS)は 3COM での 軍 事 関 連 技 術 の 管 理 などを 中 心 に 特 別 審 査 調 査 を 進 めてきた 24 23 産 経 2008.11.15 24 産 経 2007.10.13 17 20

これに 対 して 両 社 は 今 年 に 入 り 計 画 を 変 更 し 華 為 技 術 の 出 資 比 率 を 16.5%にとどめ ることにして 米 外 国 投 資 委 員 会 (CFIUS)に 安 全 保 障 関 連 のソフト 部 門 を 売 却 する 案 を 示 し 認 可 を 求 めていたが 中 国 資 本 の 参 加 は 安 全 保 障 上 の 脅 威 とする 米 議 会 などの 反 対 を 受 け 米 政 府 による 買 収 認 可 を 得 られないと 判 断 し スリー コムの 買 収 を 断 念 した ( 注 ) 中 国 資 本 による 対 米 投 資 では 05 年 に 中 国 海 洋 石 油 (CN00C が 米 石 油 会 社 ユノカル の 買 収 計 画 を 議 会 の 反 対 で 断 念 しかし 中 国 政 府 系 ファンドの 中 国 投 資 有 限 責 任 公 司 (CIC) が 08 年 米 投 資 会 社 ブラックストーンに 30 億 ト ルを 米 証 券 大 手 モルガン スタンレーに 50 億 ト ルをそれぞれ 出 資 するなど 中 国 の 活 発 な 動 きに 対 して プッシュ 大 統 領 は 1 月 CFIUS に よる 外 国 資 本 の 審 査 や 手 続 き 議 会 報 告 などを 明 確 化 させる 行 政 命 令 を 出 した 米 政 府 は 米 経 済 は 海 外 からの 投 資 に 開 いている としているが 外 国 資 本 による 安 全 保 障 上 疑 義 のある 米 国 企 業 の 買 収 の 動 きに 対 しては 共 和 民 主 両 党 とも 警 戒 感 を 強 めている 25 イ. 米 中 経 済 安 保 調 査 委 員 会 が 中 国 の 政 府 系 ファンド による 企 業 買 収 を 警 戒 2008.2.7 米 国 議 会 の 超 党 派 政 策 諮 問 機 関 米 中 経 済 安 保 調 査 委 員 会 (ラリー ウォ ーツエル 委 員 長 )は 中 国 の 政 府 系 ファンドの 活 動 が 米 国 の 国 家 安 全 保 障 に 及 ぼす 影 響 につ いての 公 聴 会 を 開 き この 中 で 米 国 議 員 らは 中 国 の 政 府 系 ファンドヘの 懸 念 や 警 戒 を 表 明 した 同 公 聴 会 では 中 国 当 局 が 世 界 最 大 の 対 外 黒 字 を 土 台 に 07 年 に 創 設 した 中 国 投 資 有 限 責 任 公 司 (CIC)が 米 国 への 投 資 を 活 発 にし 単 に 金 融 や 経 済 の 要 因 を 超 えた 安 保 や 軍 事 の 領 域 にも 資 金 を 投 入 する 可 能 性 にどう 対 応 するかが 主 題 となった 証 人 として 発 言 したマーシー カプター 下 院 議 員 ( 民 主 党 )は1 政 府 系 ファンドは 中 国 以 外 の 国 家 にも 存 在 するが 中 国 では 政 府 系 ファンドを 経 済 の 論 理 から 離 れた 対 外 戦 略 の 道 具 にする 可 能 性 が 高 い 2 中 国 政 府 もその 支 配 下 の CIC も 透 明 性 に 欠 け 政 治 や 軍 事 に 絡 む 要 因 が 活 動 の 動 機 になる 場 合 が 多 い という 点 を 強 調 し 米 国 政 府 も 特 別 の 対 応 が 必 要 だと 主 張 した 中 国 の 金 融 制 度 に 詳 しいカルフォルニア 大 学 のピーター ナバロ 教 授 は 中 国 当 局 が CIC を 使 って 米 国 の 港 湾 電 気 通 信 防 衛 という 分 野 の 企 業 をコントロールし 特 に 軍 事 転 用 可 能 な 汎 用 技 術 を 保 持 する 企 業 の 取 得 に 目 標 を 絞 るだろう と 述 べた 米 国 中 小 企 業 の 連 合 組 織 米 国 ビジネス 産 業 評 議 会 教 育 財 団 のアラン トンネルソン 研 究 員 も 中 国 は 真 の 軍 事 経 済 技 術 のスーパーパワーになろうとしており CIC のよ 25 産 経 2008.2.22 21

うな 政 府 系 ファンドを 通 じての 資 金 操 作 はそのための 政 治 手 段 となる と 証 言 し CIC に よる 米 国 の 安 全 保 障 関 連 企 業 の 買 収 に 注 意 していくべきだと 警 告 した 26 ウ. 米 中 経 済 安 保 調 査 委 員 会 が 2008 年 度 の 年 次 報 告 書 で 中 国 の 政 府 系 ファンド による 政 治 軍 事 目 的 の 動 きを 警 戒 2008.11.2 米 国 議 会 の 米 中 経 済 安 保 調 査 委 員 会 は 08 年 度 の 年 次 報 告 書 を 発 表 し たが その 中 で 中 国 は 人 民 元 の 対 外 貨 レートを 不 当 操 作 で 低 く 設 定 し 外 貨 獲 得 を 拡 大 し ており その 獲 得 した 外 貨 を 元 手 にした 政 府 系 ファンド が 巨 額 資 金 を 運 用 して 本 来 の 商 業 から 離 れた 政 治 軍 事 の 目 的 を 達 成 しようとしていると 中 国 の 国 家 ファンド による 企 業 買 収 等 に 対 して 警 戒 感 を 示 すとともに 既 に 中 国 に 買 収 された 軍 事 ハイテク 企 業 に 兵 器 等 の 部 品 の 供 給 を 頼 ることについて 日 本 の 防 衛 装 備 の 中 で 中 国 製 部 品 を 使 うこ とによる 供 給 ラインの 安 全 保 障 上 の 不 安 があり 米 国 においても 全 く 同 様 の 懸 念 が 広 がっ ていると 強 調 している 27 7. 我 が 国 の 秘 密 保 護 法 等 の 整 備 にかかわる 動 向 科 学 技 術 の 発 達 に 伴 い 益 々 軍 事 民 事 の 境 界 が 不 明 確 となり 汎 用 技 術 機 器 が 不 正 に 輸 出 される 事 件 の 続 発 デンソー 事 件 で 中 国 人 技 術 者 が 会 社 のデータベースから 13 万 余 件 に 上 るデータを 不 正 にダウンロードし 中 国 に 流 出 させたと 見 られながら 我 が 国 の 法 的 不 備 に よって 不 起 訴 とせざるを 得 なかったのを 始 め 現 行 の 特 許 公 開 制 度 下 においては 厖 大 な 貴 重 な 技 術 情 報 が 海 外 からのアクセスによって 合 法 的 に 流 出 している 状 況 に 鑑 み 06 年 から 経 済 産 業 省 において 我 が 国 における 技 術 情 報 の 保 護 管 理 について 鋭 意 検 討 が 続 けられ 09 年 の 通 常 国 会 で 法 制 化 を 目 指 しており その 成 立 が 期 待 されるところである ( 第 3 章 で 詳 述 ) 26 産 経 2008.2.9 27 産 経 20.11.21 22

第 2 章 日 本 周 辺 における 兵 器 及 び 兵 器 技 術 情 報 の 移 転 の 事 例 と 特 徴 点 本 章 では 例 年 に 引 き 続 き 日 本 周 辺 諸 国 の 兵 器 及 び 兵 器 技 術 の 移 転 の 動 向 についてロシ アの 輸 出 状 況 の 変 調 に 着 目 しつつ 概 観 し 次 いで 今 年 度 の 特 性 から 好 調 な 経 済 力 を 背 景 とするロシア 軍 の 近 代 化 の 実 態 を 具 体 的 に 観 察 し さらに 中 国 軍 の 最 近 における 近 代 化 の 状 況 を 概 観 する その 後 ロシア( 中 国 )の 技 術 レベルについて わが 国 が 優 れていると 判 断 される 技 術 要 素 について 軍 事 的 重 要 性 について 述 べることとする 1. 日 本 周 辺 における 通 常 兵 器 及 び 兵 器 技 術 情 報 移 転 の 実 態 (1) 国 際 的 な 通 常 兵 器 輸 出 入 の 全 般 状 況 表 2-1-1 と 表 2-1-2 は 07 年 度 と 06 年 度 の 兵 器 の 輸 出 額 と 輸 入 額 を 提 示 している 表 2-1-1 2007 世 界 の 兵 器 輸 出 国 の 上 位 10 カ 国 ( 単 位 : 百 万 ドル) 順 位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 国 名 アメリカ ロシア ドイツ フラン オラン イギリ イタリア スペイ スウェ 中 国 ス ダ ス ン ーデン 07 年 度 7,454 4,588 3,395 2,690 1,355 1,151 562 529 413 355 06 年 度 7,821 6,463 2,891 1,586 1,575 978 694 825 437 562 注 : 11 位 以 下 は カナダ イスラエル 韓 国 スイス ポーランド ウクライナの 順 (SIPRI 年 鑑 から 抜 粋 して 筆 者 作 成 ) アメリカ ロシアの 優 位 は 変 わらないが 欧 州 勢 がこれに 続 き 中 国 が 10 位 に 入 る 欧 州 では 最 近 ドイツが 1 位 を 占 め 主 要 兵 器 の 分 野 でも 輸 出 を 伸 ばしている 表 2 1 2 2007 世 界 の 兵 器 輸 入 国 上 位 10 カ 国 ( 単 位 : 百 万 ドル) 順 位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 国 名 ギリシャ 韓 国 中 国 インド UAE ポー トルコ イスラ ヴェネ 南 アフ ランド エル ズエラ リカ 07 年 度 2 089 1,807 1,424 1,318 1,040 985 944 891 887 855 06 年 度 817 1,527 3,719 1,404 2,067 424 317 1,102 477 689 注 : 11 位 以 下 は パキスタン シンガポール アルジェリア イギリス オーストラリア カナダの 順 である (SIPRI 年 鑑 から 抜 粋 して 筆 者 作 成 ) 07 年 度 の 特 徴 はギリシャと 韓 国 が 突 出 し 中 国 とインドを 抑 えたところにある 23

(2)ロシア 製 兵 器 ( 技 術 )の 輸 出 状 況 表 2-1-3 はロシアとアメリカの 兵 器 の 輸 出 額 の 推 移 を 表 にしたものである ロシアは 99 年 からアメリカに 次 ぐ2 位 の 座 を 占 めるようになったが SIPRI2008 に よれば 07 年 においては 2000 年 代 における 最 低 額 を 記 録 したことになっている 表 2 1 3 ロシアと 米 国 の 年 度 別 兵 器 輸 出 額 推 移 ( 単 位 : 億 ドル) 年 度 1991 1993 1995 1997 1999 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 米 国 125.7 125.0 98.2 112.8 100.0 55.2 56.6 55.8 66.2 70.3 78.2 74.5 ロシア 46.6 35.4 32.2 28.4 37.3 55.5 46.6 53.6 64.0 55.8 64.6 45.9 -(SIPRI 年 鑑 から 抜 粋 して 筆 者 作 成 ) Janes Defense Weekly によれば Rosoboronexport 社 を 通 じた 輸 出 が 大 半 を 占 め 残 りは 他 の 兵 器 メーカーがパーツやサービス 業 務 を 販 売 したものである また Ros 社 が 抱 えている 受 注 は 総 額 250 億 ドルに 達 している 輸 出 額 の 61% を 航 空 機 ヘリコプタ ーが 占 めており 主 なものとしてはアルジェリアやベネズエラから 受 注 した Su-30MK 64 機 がある そのほか 陸 戦 兵 器 が 21% 防 空 システムが 10% 海 軍 関 連 が 8% という 内 訳 になっている 変 わった 受 注 先 としては NATO 加 盟 国 のギリシアもあり BMP-3 歩 兵 戦 闘 車 を 12 億 ユーロで 調 達 する 計 画 がある 28 ア.ロシアの 通 常 兵 器 輸 出 上 の 問 題 点 ロシア 兵 器 の 輸 出 の 伸 びは このところ 価 格 の 高 騰 で 好 調 を 続 けるエネルギー 資 源 の 輸 出 とともに 依 然 としてロシア 経 済 を 支 える 大 きな 要 因 となっている ところがこれまで ロシア 製 兵 器 の 市 場 は 中 国 が 約 4 割 を 次 いでインドが 全 体 の 約 4 分 の 1 を 占 めていたの に 対 し 最 近 になってこの 傾 向 に 異 変 が 生 じている 具 体 的 にはアルジェリアは2 月 末 に 品 質 に 問 題 があるとして 06 年 に 契 約 した MiG-29 戦 闘 機 15 機 をロシアに 返 品 することで 合 意 し これで 対 露 債 務 を 帳 消 しにできることになった インドとの 間 では 05 年 に 受 注 したディーゼル 潜 水 艦 の 近 代 化 改 修 が 搭 載 された 対 艦 ミサイルが1 発 も 命 中 しなかったために 問 題 となった また 中 古 空 母 の 改 修 では 契 約 額 を 完 工 前 に 使 い 切 り 追 加 支 払 いと 工 期 延 長 を 求 めて 交 渉 が 難 航 している 中 国 とは 05 年 に 契 約 した Il-76 輸 送 機 30 機 と Il-78 空 中 給 油 機 8 機 は ロシア 側 の 製 造 能 力 不 足 で 一 部 しか 納 入 されていない ロシア 側 の 論 評 では ロシアの 軍 需 産 業 が 閉 鎖 された 分 野 であり ソ 連 時 代 の 商 法 で 物 28 Janes Defense Weekly 08.02.22 によれば 輸 出 総 額 は 70 億 ドルとなっている 24

価 上 昇 の 可 能 性 などを 考 慮 しない 低 価 格 受 注 技 術 者 不 足 設 備 の 老 朽 化 製 造 能 力 を 超 えた 受 注 などに 原 因 があるとして 労 働 生 産 性 の 低 さからもロシア 兵 器 に 価 格 上 の 優 位 は 無 いとまで 評 している 29 次 の 二 つの 事 例 はそれを 裏 付 けている ロシア 中 部 ペルミで9 月 14 日 アエロフロート 航 空 子 会 社 の 運 航 するボーイング 737 型 旅 客 機 が 墜 落 事 故 で 事 故 機 の 整 備 を 担 当 していた ブヌコボ 航 空 機 修 理 工 場 400 が 無 免 許 で 航 空 部 品 を 製 造 し 危 険 物 取 り 扱 いに 関 する 免 許 も 有 さず さらに 別 の 無 免 許 業 者 から 航 空 部 品 の 納 入 を 受 けていたなどが 判 明 した 30 日 本 海 で 試 験 航 海 中 だったロシア 太 平 洋 艦 隊 所 属 の 原 子 力 潜 水 艦 内 で 乗 員 ら 20 人 が 死 亡 した 事 故 が 生 起 した ロシアのメディアによると 艦 内 で 火 災 は 発 生 しなかったが 艦 首 に 近 い 部 分 で 消 火 装 置 が 誤 って 作 動 し 消 火 用 のフロンガスが 艦 内 の 一 部 に 充 満 したとみ られている 死 者 のほかに 21 人 が 入 院 した ロシア 海 軍 は 公 表 していないが ロシア 通 信 はハバロフスク 地 方 コムソモリスク ナアムーレの 造 船 所 で 建 造 され 先 月 から 試 験 航 海 に 出 ていたアクラⅡ 級 原 潜 ネルパ とみられると 報 じている ロシア 海 軍 で 頻 発 する 原 子 力 潜 水 艦 の 事 故 は 軍 事 力 誇 示 に 突 き 進 む 陰 に 兵 員 や 兵 器 の 質 という 根 本 的 な 内 実 が 伴 っていない 実 態 を 改 めて 浮 き 彫 りにしている かつて 太 平 洋 艦 隊 による 放 射 性 廃 棄 物 の 不 法 投 棄 を 告 発 した 同 艦 隊 機 関 紙 元 記 者 のパスコ 氏 は この 事 故 は 乗 員 の 訓 練 不 足 と 潜 水 艦 建 造 における 技 術 技 術 者 が 失 われたことを 示 している と 説 明 軍 事 費 増 大 に もかかわらず 新 原 潜 建 造 に 必 要 なカネは 海 軍 の 現 場 まで 行 き 渡 っていない と 語 る 31 イ.ロシアの 対 中 国 兵 器 輸 出 における 変 化 表 2-1-4 は 07 年 度 におけるロシアが 中 国 への 輸 出 契 約 中 の 兵 器 である 史 上 稀 に 見 る 蜜 月 関 係 といわれた 中 露 関 係 に 軋 みが 出 始 めている ロシアは 中 国 がロシ ア 製 のコピー 兵 器 をパキスタンなど 第 三 国 に 売 り 込 み 攻 勢 をかけていることに 対 し 技 術 流 出 と 輸 出 市 場 のライバルの 出 現 を 懸 念 し 法 的 措 置 をとるなどの 発 言 がある 中 露 の 貿 易 高 は 07 年 400 億 ドルを 超 えたが 安 価 な 中 国 製 品 に 押 されてロシアの 輸 入 29 産 経 新 聞 08 年 3 月 7 日 記 事 から 30 産 経 ニュース 08 年 10 月 13 日 配 信 31 産 経 ニュース 08 年 11 月 10 日 配 信 25

超 過 ともなり 中 国 企 業 のロシア 進 出 やロシアのエネルギー 開 発 事 業 等 への 参 入 をめぐっ て ロシア 側 が 強 硬 な 態 度 をとっている また ロシア 兵 器 のコピー 生 産 やライセンス 生 産 で 兵 器 製 造 能 力 を 高 めてきた 中 国 に 対 する 軍 部 内 での 警 戒 感 が 強 くなっている 32 表 2-1-4 07 年 度 における 中 国 への 兵 器 輸 出 契 約 状 況 分 類 型 式 契 約 年 引 渡 年 数 量 備 考 空 中 早 期 警 戒 機 A-50Mainstay 2000 2004 6 4 機 引 き 渡 し 済 み 輸 送 機 Il-76TD 2005 30 18 機 引 き 渡 し 済 み 空 中 給 油 機 Il-78M 2005 8 契 約 中 水 陸 両 用 航 空 機 Be-103 2007 6 契 約 中 (ミリタリバランス 及 び SIPRI 年 鑑 から 抜 粋 して 筆 者 作 成 ) ウ.ロシアの 対 インド 関 係 インドとの 兵 器 の 輸 出 契 約 中 の 兵 器 は 表 2-1-5 とおりである 表 2-1-5 07 年 度 におけるインドへの 兵 器 輸 出 契 約 状 況 分 類 型 式 契 約 年 引 渡 年 数 量 備 考 対 地 攻 撃 機 Su-30MKI 1996 238 48 機 引 き 渡 し 済 み 対 地 攻 撃 機 Su-30MKI 2007 2008 40 契 約 中 航 空 母 艦 Kiev-class 1999 2008 1 契 約 中 主 力 戦 車 T-90 2000 310 186 両 引 き 渡 し 済 み 潜 水 艦 ( 通 常 動 力 ) Sindhughosh-class 2002 10 6 隻 引 き 渡 し 済 み 要 撃 戦 闘 機 MiG-29FulkrumD 2004 2007 24 2007-2009 に 引 渡 し 予 定 要 撃 戦 闘 機 MiG-29Fulkrum 2006 2006 67 引 渡 し 未 完 多 連 装 ロケット Smerch M BM 9K58 2005 2006 28 引 渡 し 未 定 ミサイルフリゲート Talwar-class 2006 2010 3 最 終 取 得 年 は 2012 年 巡 航 ミサイル( 潜 水 艦 用 ) Klub-5Novator 2006 28 取 得 時 期 不 明 註 1; 年 度 ごとの 引 渡 数 量 は 不 明 確 2: 前 年 度 提 示 した 05 年 度 取 得 予 定 の 各 種 ミサイルは 逐 次 取 得 中 とみられる (ミリタリバランス 及 び SIPRI 年 鑑 から 抜 粋 して 筆 者 作 成 ) 減 少 気 味 ではあるもののインドからみればロシアからの 輸 入 は7 割 を 占 めている 前 年 度 からの 継 続 が 大 部 分 であり 07 年 度 に 新 たに 契 約 されたのは 対 地 攻 撃 機 Su-30MKI の 40 機 のみである しかしロシアとインドは 00 年 以 来 毎 年 IRIGC-MTC (India-Russia Inter-Governmental Commission on Military- Technical Cooperation) を 開 催 する 関 係 にあり 08 年 の9 月 にもインドで 開 催 され 双 方 の 国 防 相 が 共 同 議 長 を 務 めた この 会 議 32 産 経 新 聞 08 年 3 月 7 日 記 事 から 26

は 地 域 的 世 界 的 な 安 全 確 保 に 向 けた 一 歩 であり 両 国 間 の 戦 略 的 関 係 における 目 標 とな るイベントであるとされ 両 国 間 の 軍 事 的 協 力 は 延 長 されて 2020 年 までと 決 まった ロ シアからは 兵 器 調 達 既 存 兵 器 のアップグレード ロシア 製 兵 器 を 対 象 とするサポート 業 務 ロシア 製 兵 器 のライセンス 生 産 共 同 生 産 共 同 開 発 などの 議 題 が 提 出 され T-90 戦 車 については 310 両 の 完 成 車 輸 入 と 1,000 両 のライセンス 生 産 が 決 まった 33 エ.ロシアのその 他 の 国 への 通 常 兵 器 の 輸 出 状 況 表 2-1-6 はロシアが 前 掲 以 外 のアジア 諸 国 との 輸 出 契 約 中 の 兵 器 を 示 している 表 2-1-6 07 年 度 中 国 インド 以 外 へのロシアの 兵 器 輸 出 契 約 状 況 国 名 分 類 型 式 契 約 年 引 渡 年 数 量 備 考 ヘリコプター Mi-17 2006 10 契 約 のみ 要 撃 戦 闘 機 Su-27/27MK 2006 2008 6 引 渡 未 完 攻 撃 ヘリコプター Mi-35P 2006 5 契 約 のみ インドネシア 装 甲 戦 闘 車 BMP-3F 2006 20 契 約 のみ 潜 水 艦 ( 通 常 動 力 型 ) Kilo or Rada 2006 2 契 約 のみ 対 艦 ミサイル ASM Package 2006 2 契 約 のみ 要 撃 戦 闘 機 Su-27/27MK2 2007 6 契 約 のみ ヘリコプター Mi-17 2007 10 契 約 のみ ヘリコプター Mi-17 2007 3 契 約 のみ 韓 国 練 習 機 Il-103 2002 2004 23 20 機 就 役 マレーシア ヘリコプター Mi-8Hip 2003 2005 10 契 約 のみ ベ ト ナ ム 哨 戒 艇 ( 近 海 ) Svetlyak-class 2001 4 2 隻 就 役 ミサイル フリゲート Gepard-class 2005 2 契 約 のみ (ミリタリバランスから 抜 粋 して 筆 者 作 成 ) 従 来 はベトナムを 除 けば 欧 米 の 兵 器 で 占 められていた 東 南 アジアに 対 しても ロシアは 輸 出 攻 勢 をかけている ロシアは 兵 器 輸 出 に 際 しバーターを 認 めていることも 成 功 の 要 因 のひとつと 考 えられている インドネシアとの 契 約 が 目 立 つが ヤシ 油 とのバーターとみ られている しかし 配 備 数 に 表 れておらず 取 得 時 期 数 量 ともに 不 明 なものが 多 い その 一 方 で 前 述 のロシアの 状 況 に 乗 じてフランスがアルジェリアにラファール 戦 闘 機 購 入 を 打 診 するなどの 動 きがあり ロシア 離 れの 傾 向 の 後 押 しをしている (3)アジア 諸 国 の 兵 器 の 輸 入 の 状 況 シンガポールで 開 催 されている 海 軍 産 業 の 展 示 会 において アジア 太 平 洋 諸 国 の 海 軍 33 Press Information Bureau India via Defense-Aerospace.com 2008/9/29-30 27

関 連 支 出 が 今 後 10 年 間 で 総 額 1,080 億 ドル( 約 13 兆 円 )に 達 し アメリカの 1,050 億 ド ル 欧 州 の 990 億 ドルを 上 回 る 見 通 しであることが 明 らかにされた 総 支 出 の 27%は 潜 水 艦 に 費 やされ 総 数 は 83 隻 (290 億 ドル)である 最 大 は 中 国 で 原 子 力 弾 道 ミサイル 潜 水 艦 5 隻 攻 撃 型 潜 水 艦 30 隻 が 含 まれている 対 潜 水 艦 兵 器 搭 載 の 水 上 艦 艇 も 151 隻 が 予 定 されているということである 34 表 2-1-7~1-9 はアジア 諸 国 がロシア 以 外 の 国 から 兵 器 の 輸 入 契 約 の 状 況 を 示 している 表 2-1-7 東 アジア 諸 国 の 兵 器 輸 入 契 約 状 況 供 給 国 分 類 型 式 契 約 年 取 得 年 数 量 備 考 韓 国 水 陸 両 用 装 甲 車 AAV-7A1 1998 2006 57 42 両 就 役 対 地 攻 撃 機 F-15K Eagle 2006 2009 20 07 年 20 機 追 加 アメリカ 早 期 警 戒 機 Boeing737 2006 2009 4 11 年 2 機 取 得? 空 対 地 ミサイル AGM-84L Harpoon 2006 20+42 契 約 中 空 対 空 ミサイル AIM-9XSidewinder 2007 312 契 約 中 同 上 AIM-9MSidewinder 2007 11 契 約 中 ド イ ツ 潜 水 艦 ( 通 常 動 力 ) KSS-2(Type214) 2000 2007 3 2 隻 取 得? 地 対 空 ミサイル Patriot 2006 48 契 約 中 台 湾 対 戦 車 ミサイル Javelin 2002 360 取 得 時 期 未 定 アメリカ 要 撃 戦 闘 機 F-16 A/B 2006 2008 146 146 機 就 役 水 陸 両 用 装 甲 車 AAV-7A1 2003 2006 54 就 役 未 完 空 対 艦 ミサイル HarpoonBlockⅡ 2007 60 配 備 済 み (ミリタリバランスから 抜 粋 して 筆 者 作 成 ) 韓 国 の 04 年 度 の 輸 入 額 は 10 億 ドル 弱 であったが 06 年 15 億 ドル 07 年 18 億 ドルと 輸 入 額 は 大 幅 な 伸 びを 示 し( 表 2-1-2) 近 代 化 への 意 欲 が 見 てとれる 米 国 防 総 省 は 08 年 10 月 3 日 台 湾 への 防 衛 目 的 の 兵 器 供 給 を 定 めた 台 湾 関 係 法 に 基 づ き 台 湾 に 対 する 総 額 64 億 6300 万 ドル( 約 6800 億 円 )の 兵 器 売 却 を 明 らかにした 売 却 が 決 まった 兵 器 は 弾 道 ミサイルの 迎 撃 能 力 を 持 つ 地 対 空 ミサイル パトリオット (PAC3)330 発 をはじめ 対 戦 車 ヘリ アパッチ 30 機 対 艦 ミサイル ハープーン 32 発 などとなっている 台 湾 の 要 望 である 通 常 型 潜 水 艦 や 改 良 型 のF16 戦 闘 機 は 米 側 が 正 式 協 議 に 応 じていない 増 強 が 進 む 中 国 の 弾 道 ミサイルへの 迎 撃 能 力 や 台 湾 に 侵 攻 する 上 陸 部 隊 を 水 際 で 阻 止 するための 装 備 強 化 の 必 要 性 とみられている 35 34 産 経 新 聞 07 年 5 月 18 日 記 事 35 産 経 ニュース 08 年 10 月 4 日 28

表 2-1-8 東 南 アジア 諸 国 の 兵 器 輸 入 契 約 状 況 供 給 国 分 類 型 式 契 約 年 取 得 年 数 量 備 考 ホ ーラント ベ ト ナ ム 輸 送 / 哨 戒 機 PZL M-28 Briza1R 2005 10 取 得 時 期 未 定 主 力 戦 車 T-72 2005 2005 150 就 役 未 完 シ ン ガ ポ ー ル ヘリコプター S-70B Seahawk 2005 2008 6 最 終 取 得 2010 アメリカ 要 撃 戦 闘 機 F-15SG 2005 2008 12 07 年 12 機 追 加 早 期 警 戒 機 Gulfstream500 2007 2008 4 最 終 取 得 10 年 輸 送 機 C-130 Hercules 2007 10 5 機 就 役 フランス ミサイルフリゲート Formidable-class 2000 2005 6 3 隻 就 役 スウェーテ ン 潜 水 艦 ( 通 常 動 力 ) Vastergotland 2005 2010 2 契 約 のみ ド イ ツ 主 力 戦 車 Leopard2A4 2006 2007 96 96 両 就 役 イ ン ド ネ シ ア フランス 装 甲 人 員 輸 送 車 LAV Renault 2006 32 取 得 時 期 未 定 ホ ーラント 輸 送 / 哨 戒 機 PZL M-28 Skytruk 2005 2006 10 取 得 状 況 不 明 対 空 レーダー CNPEP radar 2006 2008 1 取 得 状 況 不 明 哨 戒 艇 NS-935(TypeB-2) 2004 2007 5 取 得 状 況 不 明 韓 国 ドック 型 揚 陸 艦 Multi-role vessel 2003 2008 4 契 約 中 オランダ コルベット Sigma-class 2004 2007 4 2 隻 就 役 ミ ヤ ン マ ー イ ン ド 哨 戒 機 BN-2 Defender 2007 2007 2 英 国 機 を 転 売? タ アメリカ レーダー TSP-77 Long 2007 2009 1 契 約 中 ヘリコプター MH-605 2007 2009 2 契 約 中 南 アフリカ 装 甲 車 Reva4 4 2007 100 取 得 時 期 未 定 オランダ 水 中 観 測 船 Hydrographic Survey 2005 2006 1 就 役 状 況 不 明 ウクライナ 装 甲 車 BTR-3E1 2007 96 取 得 時 期 未 定 中 国 装 甲 車 WMZ551 2005 97 取 得 時 期 未 定 イ マ レ ー シ ア アメリカ 戦 術 ミサイル Tactical Harpoon 2006 2007 2 BrockⅡ 空 対 空 ミサイル AIM-9M Sidewinder 2007 57 取 得 状 況 不 明 スペイン 潜 水 艦 ( 通 常 動 力 ) Scorpene-class 2002 2007 2 取 得 時 期 未 定 ド イ ツ ミサイルフリゲート MEKO A100-1997 2004 6 2 隻 が 就 航 待 ち レーダー TRM -L3D 2006 2008 2 契 約 中 ホ ーラント 主 力 戦 車 PT-91M Twardy 2003 2005 48 6 両 が 就 役 ブラジル 多 連 装 ロケット AstrosⅡ 2007 18 18 基 就 役 欧 州 共 同 輸 送 機 A-500 2006 2013 4 最 終 取 得 は2014 (ミリタリバランスから 抜 粋 して 筆 者 作 成 ) 29