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文 京 学 院 大 学 人 間 学 部 研 究 紀 要 Vol.11, No.1, pp.245 ~ 252, 2009.12 情 報 履 修 世 代 に 対 する 情 報 教 育 の 検 討 谷 津 貴 久 * Key Words : 高 等 学 校 情 報, 大 学 情 報 基 礎 教 育,タイピング はじめに 2003 年 度 より 高 等 学 校 で 情 報 科 の 授 業 が 開 始 され, 現 在 大 学 に 入 学 してくる 学 生 は 情 報 を 履 修 済 みである. 実 際 に 高 等 学 校 でどのような 授 業 が 行 われているかは 学 校 間 で 差 があると 思 われるが, 全 体 として 情 報 科 が 開 始 される 前 よりは 入 学 してくる 学 生 の 基 礎 知 識 技 能 が 向 上 していると 期 待 できる. その 一 方 で, 実 際 に 1 年 次 の 情 報 基 礎 教 育 を 担 当 していると, 情 報 を 履 修 しているはず の 最 近 数 年 の 大 学 生 の 基 礎 知 識 技 能 にそれ 以 前 との 大 きな 差 は 認 められないという 主 観 的 印 象 がある. 確 かに,コンピューターの 電 源 を 入 れたりマウスを 操 作 したりといった 部 分 で 手 間 取 る 学 生 は,かつては 散 見 されたが 今 ではまったく 見 られない.その 代 わりに, 今 では 目 につ いたものを 盲 目 的 にダブルクリックする 癖 をやめさせるところから 始 めなければならない.こ のことはコンピューターの 基 本 的 な 使 い 方 を 教 育 されてこなかったことを 示 唆 しているように 見 える. そこで 本 稿 では,2009 年 度 の 児 童 発 達 学 科 情 報 メディア 演 習 履 修 者 の 情 報 関 連 知 識 技 能 がどの 程 度 のものであるかを 調 査 した 結 果 を 報 告 する.あわせて, 授 業 によるそれらの 向 上 を 報 告 する. 調 査 1 知 識 技 能 対 象 者 と 実 施 時 期 児 童 発 達 学 科 1 年 次 科 目 情 報 メディア 演 習 の 第 2 回 授 業 (2009 年 4 月 )に 出 席 した 学 * 人 間 学 部 - 245 -

情 報 履 修 世 代 に 対 する 情 報 教 育 の 検 討 ( 谷 津 貴 久 ) 生 127 名 ( 女 性 107 名, 男 性 20 名 )を 対 象 に 調 査 を 行 った.この 科 目 は 履 修 者 をコンピュー ターに 関 する 自 己 評 価 の 結 果 によって 3 クラスに 分 けているが( 柄 田 日 名 子 村 井 澤 江, 2005), 本 稿 では 3 クラスを 合 計 して 扱 う. 実 施 方 法 調 査 はリアルタイム 評 価 支 援 システム( 芝 崎 近 藤, 2005)を 利 用 して,ウェブ 上 で 無 記 名 で 行 った. 回 答 内 容 は 成 績 に 反 映 されず 授 業 の 運 営 に 役 立 てることを 対 象 者 に 説 明 した. 質 問 項 目 の 選 定 高 等 学 校 の 情 報 の 教 科 書 に 記 載 されている 項 目 から, 基 礎 技 能, 基 礎 知 識,アプリケー ションの 操 作,ネットワークの 利 用,セキュリティーの 5 分 野 にわたる 質 問 を 選 定 した. 情 報 A を 履 修 させている 高 等 学 校 が 多 い(コンピュータ 教 育 開 発 センター, 2009)ことを 考 慮 して, 情 報 A は 2 社 の 教 科 書 ( 井 口, 2008; 中 村 本 郷 松 原 飯 田, 2008)を 参 照 し, 情 報 B, 情 報 C は 1 社 のみ( 中 村 本 郷 松 原 飯 田, 2005a; 中 村 本 郷 松 原 飯 田, 2005b)とした. 技 能 的 な 内 容 については 自 信 の 度 合 いを 尋 ねる 質 問 を 作 成 し, 知 識 的 な 内 容 については 正 誤 を 判 断 する 問 題 や 正 答 を 選 ぶ 問 題 を 作 成 した. 著 作 権 問 題 の 正 答 は 清 水 (2006)を 参 考 にした. 結 果 と 考 察 作 成 した 質 問 とそれに 対 する 回 答 の 集 計 結 果 を 表 1 から 表 4 に 示 す. 質 問 は 表 中 の 問 番 号 順 に 提 示 された. 自 信 の 度 合 い( 表 1)は, 自 信 がない あまり 自 信 がない どちらともい えない 少 し 自 信 がある 自 信 がある の 5 段 階 評 定 に 対 して 1 から 5 の 数 値 を 割 り 当 て, 平 均 値 と 標 準 偏 差 を 求 めた.それ 以 外 ( 表 2 から 4)については 正 答 率 を 求 めた.なお, 調 査 をウェブで 行 ったことによる 操 作 上 の 問 題 は 発 生 しなかった. 基 礎 技 能 に 関 する 回 答 を 見 ると( 表 1),ファイル 操 作 ( 問 1)の 平 均 は どちらともいえな い に 相 当 するが, 標 準 偏 差 が 1.0 を 超 えていてばらつきの 大 きいことが 分 かる. 一 方, 平 均 して あまり 自 信 がない となったタッチタイピング( 問 2)は 標 準 偏 差 が 比 較 的 小 さく,ほ とんどの 学 生 についてあてはまるといえる. 基 礎 知 識 に 関 する 回 答 について( 表 1,2,3),HTML 文 書 の 作 成 ( 問 3)は 全 体 として あ まり 自 信 がない と 見 なせる.JPEG( 問 13),MP3( 問 14)についての 正 答 率 はそれぞれ 40% 程 度 で, 調 査 対 象 者 と 身 近 な 技 術 であることを 考 えると 低 い. 論 理 和 ( 問 15)の 正 答 率 は 20% 程 度 と 極 めて 低 い.キロ メガ ギガ テラの 大 小 関 係 ( 問 19)は 60% 近 い 正 答 率 で 良 好 だが,1 バイトのビット 数 ( 問 18)と 2 進 数 ( 問 20)は 20% に 満 たない 極 めて 低 い 正 答 率 であった.2 進 数 については 一 般 の 大 学 生 が 知 っている 必 要 性 は 少 ないといえるが,1 バイ トのビット 数 は 知 っていたほうがよい 部 類 の 知 識 であろう. アプリケーションの 操 作 について( 表 1), 文 書 作 成 ( 問 4),グラフ 作 成 ( 問 5),プレゼン - 246 -

文 京 学 院 大 学 人 間 学 部 研 究 紀 要 Vol.11, No.1 表 1 自 信 の 度 合 い 問 番 号 質 問 項 目 評 定 の 平 均 値 と 標 準 偏 差 1 ファイルのコピー, 移 動, 削 除,ファイル 名 の 変 更 をする 3.3 (1.30) 2 タッチタイピング(キーボードを 見 ずに 打 つ)をする 1.8 (0.97) 3 ウェブページ(HTML 文 書 )を 作 成 する 1.9 (0.94) 4 コンピューターを 使 って 文 書 を 作 成 する 3.0 (1.22) 5 コンピューターを 使 ってグラフ( 棒 グラフや 折 れ 線 グラフなど)を 描 く 1.9 (1.05) 6 コンピューターを 使 ってプレゼンテーションをする 2.2 (1.15) 7 コンピューターで 図 書 館 の 本 を 検 索 する 2.7 (1.35) 8 分 からないことをウェブの 検 索 エンジン(Google など)で 調 べる 4.2 (0.92) 9 コンピューターでメールの 読 み 書 きをする 3.6 (1.17) 10 コンピューターウィルスに 感 染 しないための 一 般 的 な 対 策 を 他 人 に 説 明 する 1.4 (0.83) 11 破 られにくいパスワードを 作 る 方 法 を 他 人 に 説 明 する 1.6 (0.98) N=127. 評 定 は 1 から 5 までの 値 を 取 り,1 から 順 に 自 信 がない あまり 自 信 がない どち らともいえない 少 し 自 信 がある 自 信 がある に 対 応 する. 表 2 正 誤 問 題 問 番 号 問 題 文 正 誤 正 答 率 (%) 12 現 在 一 般 に 使 われている 暗 号 化 ソフトウェアを 使 って 情 報 を 暗 号 化 しても, きわめて 長 い 年 月 をかけることができればその 暗 号 を 破 ることができる. 正 54.3 13 デジカメで 撮 影 した 写 真 を JPEG で 保 存 すると, 人 間 には 気 づかない 細 部 の 画 像 情 報 が 失 われる. 正 40.9 14 CD から 音 楽 データを 読 み 出 して MP3 で 保 存 しておけば,その MP3 から 元 の CD とまったく 同 じ 音 楽 データを 再 び 作 り 出 すことができる. 誤 42.5 15 検 索 をするとき, 複 数 の 言 葉 を 論 理 和 (OR) でつなぎ 合 わせると, 検 索 した い 対 象 をしぼり 込 むことができる. 誤 20.5 16 日 本 には 肖 像 権 を 明 確 に 定 めた 法 律 はない. 正 7.1 17 作 品 の 著 作 権 が 自 分 にあることを 明 確 に 書 いておかないと, 日 本 では 著 作 権 は 自 分 のものにならない. 誤 38.6 N=127 テーション( 問 6)のいずれも 標 準 偏 差 が 1.0 を 超 えている. 文 書 作 成 のみ 評 定 値 の 平 均 が ど ちらともいえない に 相 当 しているが, 残 り 2 問 は 平 均 すると あまり 自 信 がない という 結 果 になった. ネットワークの 利 用 については( 表 1), 図 書 の 検 索 ( 問 7)とウェブの 検 索 ( 問 8)とで 結 果 が 異 なった.ウェブの 検 索 は 平 均 すると 少 し 自 信 がある という 回 答 で 標 準 偏 差 も 1.0 未 満 であるが, 図 書 の 検 索 は 標 準 偏 差 が 大 きく, 評 定 を 平 均 すると どちらともいえない になる. 両 者 は 本 質 的 に 違 いがないことを 考 えると, 図 書 の 検 索 をしたことがないために 自 信 を 低 く 評 定 した 対 象 者 がいたものと 思 われる.また, 論 理 和 ( 表 2 の 問 15)についての 正 答 率 が 低 かっ たことを 併 せると,ウェブの 検 索 についても 単 語 または 複 数 単 語 の 論 理 積 による 検 索 しか 使 っ たことがないと 推 測 できる.メールの 読 み 書 き( 問 9)は どちらともいえない から 少 し - 247 -

情 報 履 修 世 代 に 対 する 情 報 教 育 の 検 討 ( 谷 津 貴 久 ) 自 信 がある の 中 間 程 度 であるが,ばらつきが 大 きい.コンピューターでのメールの 経 験 が 学 生 によって 異 なることを 反 映 していると 思 われる. セキュリティーについて( 表 1,2),ウィルス 対 策 ( 問 10),パスワード 生 成 ( 問 11)とも に 自 信 がない から あまり 自 信 がない の 中 間 程 度 である. 両 者 とも 標 準 偏 差 が 1.0 未 満 であるため, 多 くの 学 生 がセキュリティーに 関 する 自 信 に 乏 しいことがうかがえる.しかし 暗 号 化 ( 問 12)の 正 答 率 は 50% 台 と 比 較 的 高 い. 法 律 関 連 の 結 果 について( 表 2,3,4), 著 作 権 の 無 方 式 主 義 ( 問 17)については 40% 弱 の 正 答 率 であり, 著 作 権 法 の 罰 則 規 程 ( 問 21)についての 正 答 率 は 50% を 超 える.これらは 比 較 的 良 好 といってよい. 肖 像 権 ( 問 16)については 10% に 満 たないが,この 質 問 は 肖 像 権 そ のものに 関 するものではないため 大 きな 問 題 とはいえない. 著 作 物 の 私 的 利 用 ( 問 22)と 公 開 ( 問 23)に 関 しては 90% 前 後 と 極 めて 正 答 率 が 高 いが,これは 情 報 科 で 学 習 したというよ りも 実 際 に 携 帯 音 楽 プレーヤーを 利 用 したり 違 反 行 為 の 報 道 に 接 したりしたことによる 結 果 で 表 3 多 肢 選 択 問 題 問 番 号 問 題 文 18 1 バイトに 相 当 するビット 数 として 最 も 適 切 なものを 下 記 か ら 選 んでください. 19 大 きさの 単 位 であるギガ (G),テラ (T),キロ (K),メガ (M) を 小 さい 順 に 並 べるとどうなるか, 下 記 から 選 んでください. 20 2 進 数 の 111 を 10 進 数 に 直 すといくつになるか, 下 記 から 選 んでください. 21 日 本 の 著 作 権 法 の 罰 則 にはどのようなものがあるか, 以 下 か らすべて 選 んでください. 選 択 肢 ( 下 線 が 正 答 ) 8 ビット,16 ビット, 256 ビット, 1024 ビット [K, M, G, T], [K, G, T, M], [G, M, T, K], [M, K, G, T], [M, G, T, K], [G, K, M, T] 正 答 率 (%) 19.7 59.1 111,55,23,7,3 15.7 罰 則 はない, 罰 金, 懲 役 N=127. 著 作 権 法 の 問 題 ( 問 21)は, 罰 金 と 懲 役 の 両 方 を 選 ぶと 正 答 と 見 なした. 52.0 表 4 著 作 権 法 に 違 反 する 可 能 性 が 高 い 行 為 の 選 択 問 題 問 番 号 項 目 選 択 正 答 率 (%) 22 自 分 で 聞 くために,CD の 音 楽 を 携 帯 音 楽 プレーヤーに 転 送 する 89.8 23 録 画 したテレビ 番 組 を 動 画 ファイルに 変 換 し, 自 分 のブログに 掲 載 する 91.3 24 販 売 されているソフトウェアを 友 達 から 借 りて, 自 分 の PC に 入 れて 使 う 46.5 25 大 学 生 がゼミで 発 表 するために, 本 の 一 部 をコピーしてゼミで 配 布 する 35.4 26 高 校 の 教 師 が 授 業 で 使 うために, 問 題 集 の 一 部 をコピーして 生 徒 に 配 布 する 37.8 N=127. 選 択 の 欄 に 印 がついている 項 目 は 選 択 すれば 正 答,ついていない 項 目 は 選 択 しなければ 正 答. - 248 -

文 京 学 院 大 学 人 間 学 部 研 究 紀 要 Vol.11, No.1 ある 可 能 性 が 否 定 できない. 売 り 物 のソフトウェア( 問 24)に 関 する 正 答 率 は 50% を 下 回 り, 低 いとまではいえないものの 改 善 の 余 地 はあるといえる.また, 学 校 での 特 例 ( 問 25 26) に 関 する 正 答 率 は 40% を 下 回 っていて, 調 査 対 象 者 が 学 校 に 在 籍 していることを 考 慮 すると 高 いとはいえない. 調 査 2 タイピング タイピングに 自 信 がない 学 生 が 多 かったため, 実 際 のタイピング 能 力 を 測 定 した. 対 象 者 と 実 施 時 期 2009 年 5 月 の 情 報 メディア 演 習 第 3 回 授 業 にて, 出 席 した 学 生 122 名 ( 女 性 104 名, 男 性 18 名 )を 対 象 に 行 った. 測 定 方 法 課 題 文 として, 宮 沢 賢 治 の 詩 星 めぐりの 歌 を 現 代 仮 名 遣 いに 改 めたものを 用 いた. 青 空 文 庫 (http://www.aozora.gr.jp/) から 原 文 を 取 得 し, 漢 字 を 平 仮 名 に 変 えて 平 仮 名 片 仮 名 句 読 点 空 白 のみにした. 空 白 を 除 く 総 文 字 数 は 129 字 であった. 測 定 にはタイピング 練 習 ソ フト NinjaT (http://hp.vector.co.jp/authors/va024832/) を 用 いた.このソフトでは 片 仮 名 と 平 仮 名 を 区 別 せずにタイピングする. 仮 名 の 入 力 には 全 員 がローマ 字 入 力 を 選 んだ. 計 測 時 間 は NinjaT が 出 力 し, 対 象 者 自 身 が 用 紙 に 記 録 した. 結 果 と 考 察 所 要 時 間 の 分 布 を 図 1 に 示 す. 最 小 値 が 62 秒, 中 央 値 が 307 秒, 最 大 値 が 739 秒 であり, 個 人 間 の 差 が 非 常 に 大 きい. 所 要 時 間 の 中 央 値 307 秒 を 速 度 に 換 算 すると 毎 分 仮 名 25.2 字 で あり, 文 書 作 成 が 実 用 になる 速 度 とはいえない. 図 1 仮 名 129 字 をタイピングしたときの 所 要 時 間 の 分 布 N=122. 階 級 の 幅 は 30 秒. 点 線 は 分 速 100 字 でタイピングしたときの 所 要 時 間 を 表 す. - 249 -

情 報 履 修 世 代 に 対 する 情 報 教 育 の 検 討 ( 谷 津 貴 久 ) 大 学 でも 実 社 会 でも 文 書 作 成 作 業 が 多 く,コンピューターを 使 って 迅 速 に 文 書 を 作 成 する 能 力 が 求 められる.そのために 必 要 なタイピング 速 度 は 毎 分 仮 名 100 字 程 度 と 思 われるが,その 水 準 に 達 しているのは 122 名 中 2 名 のみであった.タイピングの 重 要 性 は 高 等 学 校 の 情 報 科 導 入 前 から 指 摘 されており( 大 岩, 2001), 高 等 学 校 の 情 報 科 担 当 教 員 も 重 要 だと 考 えている(コ ンピュータ 教 育 開 発 センター, 2009).それにもかかわらず 原 稿 用 紙 の 半 分 に 満 たない 文 字 数 のタイピングに 5 分 以 上 かかる 学 生 が 半 数 を 超 えているのは 大 きな 問 題 である. 授 業 後 の 向 上 タイピングがほとんどできず,その 他 の 基 礎 技 能 知 識 もあまりない 現 状 を 踏 まえ, 情 報 メディア 演 習 では 当 初 予 定 していた 項 目 のうち 比 較 的 高 度 なものをいくつか 省 略 し, 基 礎 的 な 項 目 の 習 得 に 時 間 を 割 くようにした. 特 にタイピングの 上 達 は 急 務 であるととらえ, 毎 回 の 授 業 で 10 分 程 度 の 練 習 を 実 施 した 上 で 授 業 時 間 外 の 練 習 を 促 した.さらにタイピング 所 用 時 間 を 毎 回 測 定 し, 結 果 を 個 人 ごとの 記 録 用 紙 に 記 入 して 学 生 が 自 身 の 記 録 を 参 照 できるように した. 測 定 には 毎 回 星 めぐりの 歌 を 用 いたが, 練 習 にはほかの 材 料 を 用 いた. 第 15 回 授 業 時 に 基 礎 知 識 技 能 の 向 上 の 程 度 を 測 定 した. 対 象 者 と 実 施 時 期 2009 年 7 月 の 第 15 回 授 業 に 出 席 した 121 名 ( 女 性 101 名, 男 性 20 名 )を 調 査 対 象 とした. タイピングの 結 果 は 第 3 回 授 業 の 測 定 データがある 者 のみを 分 析 の 対 象 としたため,117 名 ( 女 性 100 名, 男 性 17 名 )となった. 測 定 方 法 自 信 と 知 識 に 関 する 調 査 は 調 査 1 と 同 じ 方 法 を 用 い,タイピングについては 調 査 2 と 同 じ 方 法 を 用 いた. 今 回 も 対 象 者 全 員 がローマ 字 入 力 でタイピングした. 結 果 と 考 察 第 3 回 と 第 15 回 授 業 のタイピング 所 要 時 間 の 比 較 を 図 2 に 示 す. 測 定 に 同 じ 課 題 文 を 使 っ ているために 慣 れが 生 じたことを 考 慮 しても, 著 しく 改 善 されたといえる. 第 15 回 授 業 にて, 所 要 時 間 の 最 小 値 は 46 秒, 中 央 値 は 91 秒, 最 大 値 は 158 秒 であった. 目 標 である 毎 分 仮 名 100 字 ( 所 要 時 間 77 秒 ) 以 上 の 速 度 に 達 した 対 象 者 は 全 体 の 24.8% だったが, 最 も 遅 い 対 象 者 でもタイピング 速 度 が 毎 分 仮 名 49.0 字 になった. 自 信 の 度 合 いと 知 識 について, 第 2 回 と 第 15 回 との 分 野 別 比 較 を 表 5 表 6 に 示 す. 表 5 について, 基 礎 技 能 の 正 答 率 はファイル 操 作 ( 問 1)とタッチタイピング( 問 2)から 求 め, アプリケーションの 操 作 は 文 書 作 成 ( 問 4),グラフ 作 成 ( 問 5),プレゼンテーション( 問 6) - 250 -

文 京 学 院 大 学 人 間 学 部 研 究 紀 要 Vol.11, No.1 図 2 仮 名 129 字 をタイピングしたときの 所 要 時 間 の 変 化 N=117. 箱 の 左 右 と 中 央 はそれぞれ 第 1 第 3 四 分 位 数 と 中 央 値. 点 は 箱 の 端 から 四 分 位 範 囲 の 1.5 倍 を 超 える 外 れ 値 を 表 す. 点 線 は 分 速 100 字 でタイピングしたときの 所 要 時 間 を 表 す. から 求 めた.これらの 評 定 は 自 信 がない 側 から 自 信 がある 側 へと 転 じた.ネットワークの 利 用 は 図 書 の 検 索 ( 問 7),ウェブの 検 索 ( 問 8),メールの 読 み 書 き( 問 9)から 求 め, 自 信 の 度 合 いが 高 まったことが 確 認 できた.セキュリティーの 自 信 はウィルス 対 策 ( 問 10)とパスワー ド 生 成 ( 問 11)から 求 めた.この 分 野 も 改 善 されたが, 平 均 して どちらともいえない と いう 評 定 であるため,まだ 改 善 の 余 地 がある. 表 6 について, 基 礎 知 識 の 正 答 率 は 論 理 和 ( 問 15),1 バイトのビット 数 ( 問 18),キロ メガ ギガ テラの 大 小 関 係 ( 問 19)から 求 めた. 法 律 の 正 答 率 は, 肖 像 権 ( 問 16), 著 作 権 の 無 方 式 主 義 ( 問 17), 著 作 権 法 の 罰 則 規 程 ( 問 21), 著 作 物 の 私 的 利 用 ( 問 22)と 公 開 ( 問 23), 表 5 第 2 回 と 第 15 回 授 業 での 自 信 の 比 較 自 信 の 平 均 値 と 標 準 偏 差 分 野 第 2 回 授 業 第 15 回 授 業 (N=127) (N=121) 基 礎 技 能 2.55 (0.87) 3.95 (0.67) アプリケーションの 操 作 2.36 (0.93) 3.64 (0.79) ネットワークの 利 用 3.54 (0.86) 4.28 (0.56) セキュリティー 1.50 (0.83) 3.05 (0.93) 自 信 は 1 から 5 までの 値 を 取 り, 自 信 がない あまり 自 信 がない どち らともいえない 少 し 自 信 がある 自 信 がある に 相 当 する. 表 6 第 2 回 と 第 15 回 授 業 での 正 答 率 の 比 較 分 野 第 2 回 授 業 (N=127) 正 答 率 の 平 均 値 と 標 準 偏 差 (%) 第 15 回 授 業 (N=121) 基 礎 知 識 33.1 (22.5) 43.5 (29.1) 法 律 49.8 (15.0) 62.9 (15.6) - 251 -

情 報 履 修 世 代 に 対 する 情 報 教 育 の 検 討 ( 谷 津 貴 久 ) 売 り 物 のソフトウェア( 問 24), 学 校 での 特 例 ( 問 25 26)から 求 めた.いずれの 分 野 も 正 答 率 が 向 上 しているが 向 上 率 は 大 きくない. 演 習 授 業 であるために 知 識 に 関 する 項 目 に 割 く 時 間 が 少 なくなってしまったのが 原 因 と 思 われる.なお,HTML 文 書 の 作 成 ( 問 3),JPEG MP3( 問 13 14),2 進 数 ( 問 20), 暗 号 化 ( 問 12)については 授 業 で 扱 わなかったため 集 計 から 除 外 した. まとめ 調 査 をウェブで 行 っても 操 作 上 の 問 題 が 生 じなかったことにより,10 年 前 よりも 大 学 入 学 時 の 基 本 技 能 が 多 少 向 上 していることは 疑 いない.しかし 高 等 学 校 の 情 報 科 の 内 容 を 足 がかり にして,その 上 に 大 学 での 情 報 教 育 を 構 築 することは 現 状 では 難 しく, 時 期 尚 早 である. 当 面 は 従 来 型 の 情 報 教 育 を 継 続 しなければならないだろう. 本 稿 の 調 査 は 大 学 生 として 事 前 に 知 っているべき 項 目 を 調 査 したのではなく, 高 等 学 校 の 教 科 書 に 載 っている 項 目 を 学 生 がどれだけ 習 得 しているかを 調 査 したものである. 大 学 入 学 時 に どのような 情 報 関 連 知 識 技 能 をどの 程 度 習 得 しているべきであるかは, 大 学 ごと, 学 科 ごと に 異 なる. 児 童 発 達 学 科 では 情 報 メディア 演 習 のコンセプトを 情 報 機 器 にふれる 楽 し む ( 柄 田 日 名 子 村 井 澤 江, 2005)と 定 義 している. 高 等 学 校 での 情 報 科 が 始 まったあ とに 設 置 された 科 目 であることを 考 えると 控 えめともいえるこのコンセプトが 功 を 奏 し, 結 果 的 に 現 在 でも 無 理 なく 演 習 を 進 められることを 最 後 に 指 摘 したい. 引 用 文 献 コンピュータ 教 育 開 発 センター 2009 情 報 大 航 海 時 代 における 制 度 的 課 題 に 関 する 高 等 学 校 等 に おける 情 報 教 育 の 実 態 調 査 実 施 報 告 書 コンピュータ 教 育 開 発 センター 井 口 磯 夫 ( 監 修 ) 2008 新 版 情 報 A 教 育 出 版 中 村 祐 治 本 郷 健 松 原 伸 一 飯 田 満 ( 編 ) 2005a 情 報 B 開 隆 堂 中 村 祐 治 本 郷 健 松 原 伸 一 飯 田 満 ( 編 ) 2005b 情 報 C 開 隆 堂 中 村 祐 治 本 郷 健 松 原 伸 一 飯 田 満 ( 編 ) 2008 新 版 情 報 A 開 隆 堂 大 岩 元 2001 教 科 情 報 の 教 員 としてあり 続 けるために 大 岩 元 橘 孝 博 半 田 亨 久 野 靖 辰 巳 丈 夫 ( 編 ) 情 報 科 教 育 法 オーム 社 芝 崎 順 司 近 藤 智 嗣 2005 Web を 利 用 した 評 価 調 査 支 援 システムの 開 発 と 運 用 日 本 教 育 工 学 会 論 文 誌, 29, 41-44. 清 水 康 敬 ( 監 修 ) 2006 必 携! 教 師 のための 学 校 著 作 権 マニュアル 教 育 出 版 柄 田 毅 日 名 子 孝 三 村 井 潤 一 郎 澤 江 幸 則 2005 保 育 学 科 における 情 報 教 育 のあり 方 についての 検 討 (1) 文 京 学 院 大 学 研 究 紀 要, 7, 169-181. (2009.10.6 受 稿,2009.11.4 受 理 ) - 252 -