主 要 税 目 ( 地 方 税 )の 税 収 ( 決 算 額 地 方 財 政 計 画 ベース)の 推 移 10
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固 定 資 産 税 の 性 格 1 わが 国 税 制 の 現 状 と 課 題 -21 世 紀 に 向 けた 国 民 の 参 加 と 選 択 -( 抄 )( 平 成 12 年 7 月 税 制 調 査 会 ) 第 一 基 本 的 考 え 方 四 税 制 の 検 討 の 視 点 4. 地 方 分 権 と 地 方 税 財 源 の 充 実 確 保 (4) 地 方 税 財 源 の 充 実 確 保 方 策 の 方 向 地 方 税 の 基 幹 税 目 の 中 では 個 人 住 民 税 や 固 定 資 産 税 は 安 定 的 で 税 収 の 変 動 が 少 なく どの 地 方 公 共 団 体 にも 税 源 が 広 く 存 在 し その 偏 在 が 少 ないという 性 格 を 持 っており また 地 方 消 費 税 は 清 算 を 行 うことにより 同 様 の 特 徴 を 有 して います 個 人 住 民 税 は 地 域 住 民 が 地 域 社 会 の 費 用 の 負 担 分 任 の 原 則 の 下 に 負 担 する 税 であり 受 益 と 負 担 の 明 確 化 という 観 点 や 自 治 意 識 の 涵 養 という 点 からその 充 実 が 望 ましいと 考 えられます 地 方 消 費 税 については 福 祉 教 育 など 幅 広 い 行 政 需 要 を 賄 う 税 として 重 要 な 役 割 を 果 たしており 今 後 その 役 割 がますます 重 要 なものになっていくと 考 えられます また 市 町 村 の 基 幹 税 目 である 固 定 資 産 税 についても 引 き 続 きその 安 定 的 な 確 保 に 努 める 必 要 があります 第 二 個 別 税 目 の 現 状 と 課 題 四 資 産 課 税 等 4. 固 定 資 産 税 (1) 固 定 資 産 税 の 意 義 と 沿 革 1 固 定 資 産 税 の 意 義 固 定 資 産 税 は 土 地 家 屋 及 び 償 却 資 産 という3 種 類 の 固 定 資 産 を 課 税 客 体 とし その 所 有 者 を 納 税 義 務 者 として 当 該 固 定 資 産 の 所 在 する 市 町 村 ( 特 別 区 については 東 京 都 )が 当 該 固 定 資 産 の 価 値 に 応 じて 毎 年 経 常 的 に 課 税 する 財 産 税 です 土 地 家 屋 及 び 償 却 資 産 に 対 し 固 定 資 産 税 が 課 税 されるのは これらの 資 産 の 保 有 と 市 町 村 の 行 政 サービスとの 間 に 一 般 的 な 受 益 関 係 が 存 在 するためです ただし このことは 固 定 資 産 税 の 税 額 が 具 体 的 な 市 町 村 の 行 政 サービスの 量 に 応 じて 定 まることを 意 味 するものではなく 資 産 価 値 を 表 す 価 格 に 対 して 比 例 税 率 で 課 税 することとされています また 固 定 資 産 税 は 資 産 価 値 に 応 じて 課 税 される 物 税 とされており 資 産 の 所 有 者 の 所 得 などの 人 的 要 素 は 考 慮 さ れない 建 前 となっています 12
13 固 定 資 産 税 の 性 格 2 地 租 家 屋 税 等 が 土 地 家 屋 等 の 賃 貸 価 額 を 課 税 標 準 として 課 される 収 益 税 であったの に 対 し 固 定 資 産 税 は 固 定 資 産 の 価 格 を 課 税 標 準 として 課 されることになっているから そ れは 固 定 資 産 の 所 有 の 事 実 に 着 目 して 課 される 財 産 税 の 性 質 を 有 するといえよう ( 租 税 法 金 子 宏 著 )( 抜 粋 ) ) 固 定 資 産 税 の 課 税 標 準 である 固 定 資 産 の 価 格 である 適 正 な 時 価 が 基 準 年 度 に 係 る 賦 課 期 日 におけるものを 意 味 することは 明 らかであり ( 中 略 ) 土 地 に 対 する 固 定 資 産 税 は 土 地 の 資 産 価 値 に 着 目 し その 所 有 という 事 実 に 担 税 力 を 認 めて 課 する 一 種 の 財 産 税 であっ て 個 々の 土 地 の 収 益 性 の 有 無 にかかわらず その 所 有 者 に 対 して 課 するものであるから 上 記 の 適 正 な 時 価 とは 正 常 な 条 件 の 下 に 成 立 する 当 該 土 地 の 取 引 価 格 すなわち 客 観 的 な 交 換 価 値 をいうと 解 される したがって 土 地 課 税 台 帳 等 に 登 録 された 価 格 が 賦 課 期 日 における 当 該 土 地 の 客 観 的 な 交 換 価 値 を 上 回 れば 当 該 価 格 の 決 定 は 違 法 となる ( 最 高 裁 判 所 判 決 ( 平 成 15 年 6 月 26 日 )( 抜 粋 ) )
14 固 定 資 産 税 の 仕 組 み = 評 価 額 課 税 標 準 額 税 率 税 額 固 定 資 産 評 価 基 準 により 算 出 土 地 家 屋 3 年 ごとに 評 価 替 え を 行 い それ 以 外 の 年 度 は 原 則 据 置 き 宅 地 については 地 価 公 示 価 格 等 の 7 割 を 目 途 として 評 価 償 却 資 産 政 策 的 な 特 例 措 置 < 主 な 例 > 小 規 模 住 宅 用 地 : 1/6 一 般 住 宅 用 地 : 1/3 土 地 に 係 る 負 担 調 整 措 置 納 税 者 の 負 担 感 に 配 慮 し 評 価 額 に 対 し 税 負 担 が 低 かった 土 地 や 評 価 額 が 急 激 に 上 昇 した 土 地 の 場 合 にも 税 負 担 はゆるやかに 上 昇 させるため 課 税 標 準 額 を 調 整 する 措 置 標 準 税 率 1.4% 政 策 的 な 特 例 措 置 < 主 な 例 > 新 築 住 宅 一 般 住 宅 (3 年 1/2) 3 階 建 以 上 (5 年 1/2) 毎 年 評 価 替 え
15 土 地 家 屋 償 却 資 産 の 評 価 の 仕 組 み 1. 固 定 資 産 評 価 基 準 ( 地 方 税 法 第 403 条 第 1 項 ) 市 町 村 長 は 固 定 資 産 評 価 基 準 によって 固 定 資 産 の 価 格 を 決 定 しなければならない 固 定 資 産 評 価 基 準 = 地 方 税 法 第 388 条 第 1 項 の 規 定 に 基 づき 固 定 資 産 の 評 価 の 基 準 並 びに 評 価 の 実 施 の 方 法 及 び 手 続 を 定 めたもの( 総 務 大 臣 が 定 め 告 示 ) 2. 固 定 資 産 評 価 基 準 による 資 産 別 評 価 方 法 区 分 評 価 方 法 等 1. 土 地 宅 地 農 地 等 地 目 別 に 売 買 実 例 価 額 等 を 基 礎 として 評 価 額 を 算 定 宅 地 については 地 価 公 示 価 格 等 の7 割 を 目 途 に 評 価 ( 平 成 6 年 度 評 価 替 から 導 入 ) 2. 家 屋 3. 償 却 資 産 再 建 築 価 格 及 び 経 年 減 点 補 正 率 等 に 応 じて 評 価 額 を 算 定 再 建 築 価 格 = 評 価 対 象 家 屋 と 同 一 の 家 屋 を 評 価 時 点 においてその 場 所 に 新 築 する 場 合 に 必 要 とされる 建 築 費 経 年 減 点 補 正 率 = 家 屋 の 建 築 後 の 年 数 の 経 過 に 応 じて 生 じる 減 価 を 基 礎 として 定 め た 率 取 得 価 額 及 び 取 得 後 の 経 過 年 数 等 に 応 じて 評 価 額 を 算 定 評 価 額 = 取 得 価 額 - 取 得 後 の 経 過 年 数 等 に 応 じた 減 価 分 評 価 額 の 最 低 限 度 = 取 得 価 額 5%
16 土 地 ( 宅 地 )の 評 価 のイメージ 用 途 地 区 の 区 分 用 途 地 区 の 区 分 例 ( 市 町 村 全 域 ) ( 普 通 住 宅 地 区 高 度 商 業 地 区 など) 普 通 住 宅 地 区 高 度 商 業 地 区 中 小 工 場 地 区 評 状 況 類 似 地 域 の 区 分 主 要 な 街 路 の 選 定 標 準 宅 地 の 選 定 大 工 場 地 区 普 通 商 業 地 区 価 標 準 宅 地 の 売 買 実 例 価 格 に 基 づく 適 正 な 時 価 の 評 定 状 況 類 似 地 区 の 区 分 例 ( 普 通 住 宅 地 区 ) 状 況 類 似 地 域 の 区 界 主 要 な 街 路 標 準 宅 地 の 順 ただし 標 準 宅 地 の 適 正 な 時 価 は 当 分 の 間 地 価 公 示 価 格 等 を 活 用 し これらの 価 格 の7 割 を 目 途 に 評 定 序 主 要 な 街 路 の 路 線 価 の 付 設 その 他 の 街 路 の 路 線 価 の 付 設 各 筆 の 評 点 数 の 付 設 路 線 価 の 付 設 と 画 地 計 算 画 地 計 算 法 の 補 正 の 適 用 ( 間 口 角 地 等 ) 各 筆 の 評 価 額 の 算 出 390,000 350,000 市 町 村 長 の 価 格 決 定 角 地 ( 加 算 ) 不 整 形 地 ( 減 価 ) 路 線 価 に 基 づく 画 地 計 算
宅 地 等 に 対 する 固 定 資 産 税 の 課 税 の 仕 組 み( 平 成 27 年 度 ~ 平 成 29 年 度 ) 小 規 模 住 宅 用 地 一 般 住 宅 用 地 商 業 地 等 の 宅 地 200m2 以 下 の 部 分 200m2を 超 える 部 分 住 宅 用 地 以 外 の 宅 地 ( 家 屋 の 床 面 積 の10 倍 まで) 100% 100% 100% 固 定 資 産 評 価 額 2 ( 特 例 (1/6) 特 例 (1/3) 課 税 標 準 額 の 上 限 = 評 価 額 70% 前 年 度 課 税 標 準 額 に 据 置 70% 60% 地 価 公 示 価 格 等 前 年 度 課 税 標 準 額 + 評 価 額 1/6 5% = A B 16.7% (100 1/6) 前 年 度 課 税 標 準 額 + 評 価 額 1/3 5% = A 33.3% (100 1/3) 前 年 度 課 税 標 準 額 + 評 価 額 5% = A B 0 0 0 1 住 宅 用 地 の 課 税 標 準 額 は 評 価 額 住 宅 用 地 特 例 率 と A のいずれか 低 い 方 7商 業 地 等 の 宅 地 の 課 税 標 準 額 は 評 価 額 70%と A のいずれか 低 い 方 ただし A が 評 価 額 60%を 超 える 場 合 は 評 価 額 60% 前 年 度 の 課 税 標 準 額 が 評 価 額 の60%~70%の 水 準 にある 場 合 は 前 年 度 課 税 標 準 額 に 据 え 置 き 割 なお A が 評 価 額 ( 又 は 評 価 額 住 宅 用 地 特 例 率 ) 20%を 下 回 る 場 合 は 評 価 額 ( 又 は 評 価 額 住 宅 用 地 特 例 率 ) 20%に 引 上 げ(= B ) 2 据 置 年 度 においても 地 価 が 下 落 し 課 税 上 著 しく 均 衡 を 失 すると 認 める 場 合 評 価 額 を 下 落 修 正 することができる ) B 17
固 定 資 産 税 の 住 宅 用 地 特 例 ( 地 方 税 法 第 349 条 の3の2) 区 分 土 地 の 利 用 状 況 と 面 積 区 分 本 則 課 税 標 準 額 小 規 模 住 宅 用 地 200m2 以 下 の 部 分 価 格 1/6 一 般 住 宅 用 地 住 宅 の 敷 地 200m2を 超 える 部 分 ( 家 屋 の 床 面 積 の10 倍 まで) 価 格 1/3 ( 経 緯 ) 昭 和 48 年 度 住 宅 用 地 特 例 創 設 ( 特 例 率 1/2) 昭 和 49 年 度 小 規 模 住 宅 用 地 特 例 創 設 ( 特 例 率 1/4) 平 成 6 年 度 住 宅 用 地 特 例 拡 充 小 規 模 住 宅 用 地 : 特 例 率 1/4 1/6 一 般 住 宅 用 地 : 特 例 率 1/2 1/3 新 築 住 宅 に 係 る 固 定 資 産 税 の 減 額 特 例 ( 地 方 税 法 附 則 第 15 条 の6) 平 成 28 年 3 月 31 日 までの 間 に 新 築 された 住 宅 について 住 宅 の 種 別 軽 減 期 間 軽 減 割 合 対 象 床 面 積 1 一 般 の 住 宅 (2 以 外 ) 2 3 階 建 以 上 で 耐 火 構 造 の 住 宅 3 年 度 分 5 年 度 分 1/2 居 住 部 分 に 係 る 床 面 積 で 120m2が 限 度 (120m2を 超 えるものは120m2 相 当 分 まで) 床 面 積 要 件 居 住 部 分 の 床 面 積 が 一 戸 あたり50m2( 戸 建 以 外 の 貸 家 住 宅 の 場 合 は40m2) 以 上 280m2 以 下 居 住 割 合 要 件 居 住 部 分 の 床 面 積 が 当 該 家 屋 の 床 面 積 の1/2 以 上 18
19 固 定 資 産 税 の 税 率 採 用 状 況 固 定 資 産 税 については 標 準 税 率 (1.4%)を 採 用 ( 平 成 16 年 度 に 課 税 自 主 権 を 尊 重 する 観 点 から 制 限 税 率 (2.1%)を 撤 廃 ) 標 準 税 率 によらず 超 過 課 税 を 実 施 している 地 方 団 体 あり ( 平 成 27 年 4 月 1 日 現 在 ) 標 準 税 率 に 対 する 標 準 税 率 1.1 倍 以 下 1.1 倍 超 1.2 倍 超 超 過 税 率 倍 率 1.2 倍 以 下 1.3 倍 以 下 採 用 団 体 合 計 A/C B/C 税 率 区 分 % 計 B C (%) (%) 市 町 村 区 分 1.40 A 1.45 1.48 1.50 1.55 1.58 1.60 1.62 1.65 1.70 1.75 人 口 50 万 以 上 の 市 人 口 5 万 以 上 50 万 未 満 の 市 人 口 5 万 未 満 の 市 29 29 100.0 461 3 1 18 14 36 497 92.8 7.2 214 7 27 5 8 2 1 50 264 81.1 18.9 町 村 862 1 20 4 1 26 1 2 12 67 929 92.8 7.2 合 計 1,566 11 1 65 9 1 48 1 2 14 1 153 1,719 91.1 8.9 ( 注 ) 東 京 都 特 別 区 は 人 口 50 万 以 上 の 市 として 区 分 し 23 区 をもって1 団 体 として 計 上 している
20 固 定 資 産 税 の 賦 課 徴 収 の 流 れ 価 格 決 定 台 帳 登 録 を3 月 31 日 に 台 帳 登 録 の 公 示 を4 月 1 日 に 行 う 場 合 で 最 初 の 納 期 限 が4 月 30 日 に 設 定 されている 場 合 1 月 1 日 賦 課 期 日 ( 1 月 1 日 ) 3 月 31 日 価 格 等 の 決 定 (3 月 31 日 ) 価 格 等 の 決 定 後 直 ちに 固 定 資 産 課 税 台 帳 に 登 録 土 地 価 格 等 縦 覧 帳 簿 家 屋 価 格 等 縦 覧 帳 簿 の 作 成 (3 月 31 日 ) 4 月 1 日 台 帳 登 録 の 公 示 土 地 価 格 等 縦 覧 帳 簿 家 屋 価 格 等 縦 覧 帳 簿 の 縦 覧 路 線 価 図 等 公 開 4 月 1 日 から4 月 20 日 又 は 最 初 の 納 期 限 の 否 のいずれか 遅 い 日 以 後 の 日 までの 期 間 縦 覧 の 場 所 及 び 期 間 の 公 示 4 月 20 日 賦 課 決 定 納 税 通 知 書 の 交 付 ( 納 期 限 10 日 前 まで) ( 価 格 に 対 する 不 服 ) 固 定 資 産 評 価 審 査 委 員 会 へ 審 査 の 申 出 ( 公 示 の 日 から 納 税 通 知 書 の 交 付 後 60 日 までの 期 間 ) ( 価 格 以 外 の 不 服 ) 市 町 村 長 へ 不 服 申 立 て 行 政 不 服 審 査 法 審 査 の 決 定 (30 日 以 内 ) 4 月 30 日 第 1 期 納 期 限 ( 条 例 事 項 ) 取 消 の 訴 え
2. 固 定 資 産 税 の 沿 革 21
22 固 定 資 産 税 の 沿 革 1 昭 和 25 年 度 固 定 資 産 税 の 創 設 : 市 町 村 税 ( 地 租 家 屋 税 及 び 電 柱 税 等 の 償 却 資 産 にかかる 諸 税 は 廃 止 ) 課 税 標 準 固 定 資 産 ( 土 地 家 屋 償 却 資 産 )の 価 格 標 準 税 率 ( 制 限 税 率 ) 1.6%(3%) 昭 和 29 年 度 標 準 税 率 を1.4%に 制 限 税 率 を2.5%に 引 下 げ (ただし 昭 和 29 年 度 は 経 過 措 置 として 標 準 税 率 は1.5%とされた ) 税 制 調 査 会 答 申 (S28.11)( 抜 粋 ) 固 定 資 産 の 評 価 については 固 定 資 産 の 価 格 の 一 応 の 安 定 をまって なるべく 早 い 機 会 に 毎 年 の 評 価 を 一 定 期 間 (3 年 又 は5 年 程 度 )ごとの 評 価 に 改 めることとし 課 税 事 務 の 簡 素 化 を 図 る こと 昭 和 30 年 度 ( 評 価 ) 土 地 及 び 家 屋 について3 年 ごとの 評 価 替 えの 仕 組 みを 創 設 昭 和 34 年 度 制 限 税 率 を2.1%に 引 下 げ
23 固 定 資 産 評 価 制 度 調 査 会 答 申 (S36.3)( 抜 粋 ) 固 定 資 産 税 の 沿 革 2 固 定 資 産 の 評 価 の 適 正 均 衡 を 確 保 するためには 全 市 町 村 を 通 じ その 評 価 は 統 一 された 同 一 の 評 価 方 法 によって 行 われるべきであり 固 定 資 産 の 評 価 方 法 は 自 治 大 臣 が 定 め 市 町 村 長 が 行 う 固 定 資 産 の 価 格 の 決 定 は これによって 行 わなければならないものとすることに 改 めるべきである 昭 和 37 年 度 昭 和 39 年 度 から 適 用 ( 評 価 ) 自 治 大 臣 が 定 める 固 定 資 産 評 価 基 準 によって 固 定 資 産 の 価 額 を 決 定 昭 和 39 年 度 評 価 額 の 昭 和 38 年 度 評 価 額 に 対 する 上 昇 率 ( 土 地 :4.4 倍 家 屋 :1.07 倍 償 却 資 産 :1.05 倍 ) 昭 和 39 年 度 ( 宅 地 に 係 る 暫 定 的 な 措 置 ) 昭 和 39 年 度 から41 年 度 までの 暫 定 的 な 措 置 として 昭 和 38 年 度 の 課 税 標 準 額 の 1.2 倍 を 上 限 として 税 額 を 算 定 ( 家 屋 に 係 る 特 例 措 置 ) 住 宅 建 設 の 促 進 に 資 するため 新 築 される 住 宅 に 係 る 特 例 措 置 を 法 定 ( 制 度 創 設 は 通 達 により 昭 和 27 年 7 月 )
24 固 定 資 産 税 の 沿 革 3 今 後 におけるわが 国 の 社 会 経 済 の 進 展 に 即 応 する 基 本 的 な 租 税 制 度 のあり 方 についての 答 申 (S39.12)( 抜 粋 ) 土 地 家 屋 及 び 償 却 資 産 の 間 で 収 益 力 に 差 があるものとして その 差 に 応 じて 税 率 を 異 にする 等 固 定 資 産 税 負 担 に 差 等 を 設 けるようにすることが 望 ましいという 考 え 方 がある しかしなが ら 土 地 家 屋 及 び 償 却 資 産 の 間 で その 収 益 力 に 差 があるかどうかは 議 論 の 存 するところであ るのみならず 現 実 の 各 資 産 の 使 用 の 実 態 は ほとんどの 場 合 一 体 的 に 利 用 されているから 3 資 産 の 収 益 力 をそれぞれ 分 別 して その 間 に 差 があるかどうかを 判 定 することは 困 難 である し たがって 3 資 産 の 間 において 税 率 に 差 等 を 設 けることは 適 当 ではないと 認 めた ( 中 略 ) 固 定 資 産 税 負 担 の 均 衡 を 確 保 するための 調 整 措 置 をどうするかについて ( 中 略 ) 税 率 の 引 下 げのみによって 調 整 する 方 法 によるときは その 引 下 げの 程 度 にもよるが 一 般 には 家 屋 及 び 償 却 資 産 の 負 担 は 減 少 し 宅 地 の 負 担 は 著 しく 増 大 することとなる のみならず 市 町 村 に よって3 資 産 の 固 定 資 産 税 収 入 に 占 める 比 重 が 異 なるため 市 町 村 ごとの 税 収 入 に 著 しい 変 動 が 生 ずる 結 果 となる これらの 諸 事 情 を 勘 案 して 税 率 の 引 下 げのみによって 調 整 する 方 法 は 適 当 で はないと 認 めた したがって 税 負 担 の 調 整 の 方 法 としては ( 中 略 ) 土 地 について 課 税 標 準 の 特 例 を 設 けて 調 整 する 方 法 ( 中 略 ) について 今 後 検 討 することが 適 当 であると 認 めた
25 固 定 資 産 税 の 沿 革 4 昭 和 41 年 度 の 税 制 改 正 に 関 する 答 申 (S40.12)( 抜 粋 ) 昭 和 39 年 度 に 行 われた 土 地 の 新 評 価 に 伴 う 固 定 資 産 税 負 担 については 暫 定 措 置 が 講 じられて いるが その 結 果 土 地 特 に 宅 地 の 税 負 担 に 著 しい 不 均 衡 が 生 じているので このような 実 情 に かんがみ 昭 和 41 年 度 から この 暫 定 措 置 にかえて 土 地 に 対 する 固 定 資 産 税 負 担 の 均 衡 化 を 漸 進 的 に 確 保 するための 激 変 緩 和 措 置 を 講 ずる 昭 和 41 年 度 ( 宅 地 に 係 る 負 担 調 整 措 置 ) 前 年 度 の 課 税 標 準 額 に 価 格 の 上 昇 率 の 区 分 に 応 じて 定 められた 負 担 調 整 率 ( ) を 乗 じて 得 た 額 を 限 度 ( ) 負 担 調 整 率 ( 昭 和 41~44 年 度 ) 上 昇 率 ( 当 該 年 度 価 格 / 昭 和 38 年 度 課 税 標 準 額 ) 負 担 調 整 率 3 倍 未 満 1.1 3 倍 以 上 8 倍 未 満 1.2 8 倍 以 上 1.3 ( ) 負 担 調 整 率 ( 昭 和 45~47 年 度 ) 上 昇 率 ( 当 該 年 度 価 格 / 昭 和 38 年 度 課 税 標 準 額 ) 負 担 調 整 率 3 倍 未 満 1.1 3 倍 以 上 8 倍 未 満 1.2 8 倍 以 上 25 倍 未 満 1.3 25 倍 以 上 1.4
26 固 定 資 産 税 の 沿 革 5 長 期 税 制 のあり 方 についての 答 申 (S46.8)( 抜 粋 ) 土 地 にかかる 固 定 資 産 税 については 負 担 調 整 措 置 によって 生 じている 土 地 相 互 間 の 税 負 担 の 不 均 衡 を 是 正 し また 土 地 の 保 有 課 税 の 適 正 化 を 図 るべきであるという 要 請 に 応 えるため 評 価 額 に 基 づいて 課 税 する 方 向 で 検 討 すべきである この 場 合 において 納 税 者 の 税 負 担 が 過 重 に なったり あるいは 急 激 に 増 加 することがないようにする 必 要 が 認 められるので 昭 和 48 年 度 に おける 評 価 替 えの 結 果 を 見 きわめた 上 で 土 地 利 用 政 策 住 宅 政 策 等 との 関 連 をも 総 合 的 に 考 慮 しつつ 税 負 担 の 軽 減 激 変 緩 和 について 配 意 すべきである 昭 和 48 年 度 ( 負 担 調 整 措 置 ) 評 価 替 えの 翌 々 年 度 に 課 税 標 準 額 が 評 価 額 に 到 達 するよう 実 施 ( 特 例 措 置 ) 住 宅 用 地 について 課 税 標 準 額 を 価 格 の2 分 の1の 額 とする 特 例 措 置 の 創 設 ( 住 宅 用 地 の 場 合 ) 1 当 該 年 度 の 価 格 1/2 2 前 年 度 の 課 税 標 準 額 負 担 調 整 率 のいずれか 少 ない 額 ただし 2の 額 が 当 該 年 度 の 価 格 15%に 満 たない 場 合 は 当 該 年 度 の 価 格 15%の 額 と する ( 課 税 標 準 額 の 最 低 限 度 を 決 定 )
27 固 定 資 産 税 の 沿 革 6 昭 和 49 年 度 の 税 制 改 正 に 関 する 答 申 (S48.12)( 抜 粋 ) 昭 和 48 年 度 の 税 制 改 正 により 土 地 相 互 間 の 税 負 担 の 不 均 衡 をできるだけ 縮 小 する 趣 旨 から 評 価 額 に 対 する 課 税 標 準 額 の 最 低 限 度 を 定 めることとしたため 大 都 市 周 辺 等 に 所 在 する 土 地 で 評 価 額 が 著 しく 上 昇 したものについては 税 負 担 がかなり 上 昇 する 状 況 となった これらの 事 情 にか んがみ 住 民 の 日 常 生 活 に 最 小 限 必 要 と 認 められる 小 規 模 の 住 宅 用 地 の 税 負 担 をさらに 軽 減 する ( 以 下 略 ) 昭 和 49 年 度 ( 特 例 措 置 ) 小 規 模 (200m2 以 下 )の 住 宅 用 地 について 課 税 標 準 額 を 価 格 の4 分 の1の 額 とする 特 例 措 置 の 創 設
28 固 定 資 産 税 の 沿 革 7 土 地 基 本 法 ( 平 成 元 年 法 律 84 号 )の 成 立 ( 公 的 土 地 評 価 の 適 正 化 等 ) 第 16 条 国 は 適 正 な 地 価 の 形 成 及 び 課 税 の 適 正 化 に 資 するため 土 地 の 正 常 な 価 格 を 公 示 すると ともに 公 的 土 地 評 価 について 相 互 の 均 衡 と 適 正 化 が 図 られるように 努 めるものとする 平 成 3 年 度 の 税 制 改 正 に 関 する 答 申 (H2.12)( 抜 粋 ) 近 年 の 著 しい 地 価 高 騰 の 中 で 今 回 の 評 価 替 えにおいても 大 都 市 地 域 を 中 心 に 固 定 資 産 税 評 価 の 公 示 価 格 に 対 する 割 合 が 低 下 していることもあり 平 成 6 年 度 以 降 の 評 価 替 えにおいては 土 地 基 本 法 第 16 条 の 規 定 の 趣 旨 等 も 踏 まえ 速 やかに 地 価 公 示 価 格 の 一 定 割 合 を 目 標 に 評 価 の 適 正 化 均 衡 化 を 推 進 すべきである
29 固 定 資 産 税 の 沿 革 8 平 成 4 年 度 の 税 制 改 正 に 関 する 答 申 (H3.12)( 抜 粋 ) 地 価 公 示 価 格 の7 割 程 度 を 目 標 とする 平 成 6 年 度 の 評 価 替 えは 基 本 的 に 評 価 の 均 衡 化 適 正 化 を 図 ろうとするものであることから それに 伴 う 納 税 者 の 税 負 担 については ( 中 略 ) 税 負 担 に 急 激 な 変 化 が 生 じないよう 総 合 的 かつ 適 切 な 調 整 措 置 を 講 ずるべきである 平 成 4 年 度 ( 評 価 ) 平 成 6 年 度 から 適 用 宅 地 の 評 価 水 準 について 地 価 公 示 価 格 等 の7 割 程 度 を 目 途 とすることを 決 定 平 成 5 年 度 の 税 制 改 正 に 関 する 答 申 (H4.12)( 抜 粋 ) 地 価 公 示 価 格 の7 割 程 度 を 目 標 とする 平 成 6 年 度 の 評 価 替 えは 当 調 査 会 が 平 成 4 年 度 の 税 制 改 正 に 関 する 答 申 において 指 摘 したとおり 基 本 的 に 評 価 の 均 衡 化 適 正 化 を 図 ろうとするものであ ることから それに 伴 う 納 税 者 の 税 負 担 については 急 激 な 変 化 が 生 じないよう 総 合 的 かつ 適 切 な 調 整 措 置 を 講 ずるべきである ( 中 略 ) 税 率 の 見 直 しによっては 減 収 になる 市 町 村 もあるなど 影 響 するところが 大 きすぎるため 今 回 の 評 価 替 えに 伴 う 税 負 担 の 調 整 のために 税 率 を 見 直 すことは 適 当 ではない
固 定 資 産 税 の 沿 革 9 平 成 5 年 度 平 成 6 年 度 から 適 用 ( 特 例 措 置 ) 住 宅 用 地 に 係 る 特 例 措 置 の 拡 充 小 規 模 住 宅 用 地 : 価 格 の4 分 の1 6 分 の1 一 般 住 宅 用 地 : 価 格 の2 分 の1 3 分 の1 ( 暫 定 特 例 ) 価 格 の 上 昇 率 に 応 じた 特 例 率 (4 分 の3~2 分 の1)を 乗 じる 暫 定 的 (H6 年 度 ~8 年 度 )な 特 例 措 置 の 導 入 ( 住 宅 用 地 ) 価 格 住 宅 用 地 特 例 1/3 又 は1/6 ( 非 住 宅 用 地 ) 価 格 暫 定 特 例 3/4~1/2 暫 定 特 例 3/4~1/2 課 税 標 準 額 課 税 標 準 額 ( 宅 地 に 係 る 負 担 調 整 措 置 ) よりなだらかな 負 担 調 整 措 置 ( 1)の 導 入 上 昇 率 ( 当 該 年 度 価 格 ( 2)/ 平 成 5 年 度 課 税 標 準 額 ) 負 担 調 整 率 1.8 倍 以 下 1.05 1.8 倍 超 2.4 倍 以 下 1.075 2.4 倍 超 3 倍 以 下 1.1 3 倍 超 5 倍 以 下 1.15 5 倍 超 (9 倍 以 下 ) 1.2 (9 倍 超 ) ( 3) (1.25) 1 前 年 度 課 税 標 準 額 負 担 調 整 率 ( 調 整 期 間 12 年 程 度 ) 2 当 該 年 度 の 価 格 は 住 宅 用 地 特 例 暫 定 特 例 を 乗 じたもの 3 ( )は 非 住 宅 用 地 の 場 合 のみ 30