No.034 週 刊 企 業 経 営 MAGAZINE マガジン 発 行 AERTS GROUP 2009.1.21 発 行 アーツ 税 理 士 法 人 アーツ 公 認 会 計 士 事 務 所 1 ネットジャーナル Weeklyエコノミスト レター 2009 年 1 月 16 日 号 急 減 速 する 中 国 経 済 ~ 政 策 効 果 で 底 割 れは 回 避 経 済 金 融 フラッシュ 2009 年 1 月 16 日 号 1 月 ECB 政 策 理 事 会 : 50bp の 利 下 げで 政 策 金 利 は2%に 2 経 営 TOPICS 統 計 調 査 資 料 景 気 ウォッチャー 調 査 ( 平 成 20 年 12 月 調 査 結 果 ) 3 経 営 情 報 レポート 知 らなかったでは 済 まされない! 時 間 外 労 働 に 関 する 基 礎 知 識 4 経 営 データベース ジャンル: 経 営 実 務 サブジャンル: 海 外 事 業 進 出 海 外 事 業 進 出 の 目 的 海 外 事 業 進 出 における 事 前 調 査 本 誌 掲 載 記 事 の 無 断 転 載 を 禁 じます アーツ 税 理 士 法 人 1
ネットジャーナル Weeklyエコノミスト レター ニッセイ 基 礎 研 究 所 Weeklyエコノミスト レター 2009 年 1 月 16 日 号 急 減 速 する 中 国 経 済 ~ 政 策 効 果 で 底 割 れは 回 避 要 旨 1 2 中 国 経 済 の 昨 年 10~12 月 期 の 成 長 率 は 雇 用 確 保 の 観 点 から 必 要 水 準 とされ る8%を 割 り 込 んだ 模 様 である このた め 2008 年 の 年 間 の 成 長 率 も9% 程 度 に 鈍 化 水 準 こそ 高 いが 2007 年 の 13.0%から 大 きく 低 下 しそうだ 景 気 の 急 減 速 に 対 応 し リーマン ショ ック 後 金 融 面 では 合 計 5 回 216bp の 利 下 げと 預 金 準 備 率 の 引 き 下 げ 貸 出 総 量 規 制 の 撤 廃 財 政 面 では 総 額 4 兆 元 (56 兆 円 対 GDP 比 16%)という 大 規 模 な 景 気 対 策 と 政 策 フル 動 員 で 景 気 底 割 れ 回 避 に 動 いている 3 4 2009 年 の 中 国 経 済 の 成 長 テンポは 輸 出 環 境 悪 化 による 下 押 し 圧 力 を 政 策 の 下 支 えによってどの 程 度 緩 和 できるか にかかっている 輸 出 環 境 に 関 しては 明 るい 材 料 は 少 なく かなり 厳 しい 調 整 圧 力 を 想 定 せざるを 得 ないが 景 気 対 策 に 一 定 の 効 果 が 期 待 され 追 加 的 な 政 策 対 応 の 余 地 もある これらを 勘 案 すると 2009 年 の 中 国 は 成 長 率 が8%を 下 回 るものの 底 割 れは 回 避 できるだろう 過 度 の 輸 出 依 存 と 貿 易 不 均 衡 地 域 格 差 の 是 正 の 半 面 投 資 偏 重 は 続 く 見 通 しだ 地 域 格 差 の 是 正 や 環 境 対 策 民 生 向 上 に 資 する 投 資 や 中 小 企 業 に 資 金 が 配 分 されるよう 十 分 に 目 を 配 ることが 望 まれよう 中 国 でも 景 気 動 向 指 数 は 急 速 に 低 下 Weeklyエコノミスト レター の 全 文 は 当 事 務 所 のホームページの ネットジャーナル よりご 確 認 ください 2
ネットジャーナル 経 済 金 融 フラッシュ ニッセイ 基 礎 研 究 所 経 済 金 融 フラッシュ 2009 年 1 月 16 日 号 1 月 ECB 政 策 理 事 会 : 50bp の 利 下 げで 政 策 金 利 は2%に 要 旨 1 経 済 見 通 しの 悪 化 に 対 応 4カ 月 連 続 の 利 下 げ 欧 州 中 央 銀 行 (ECB)は 15 日 に 政 策 理 事 会 を 開 催 50bp の 利 下 げを 決 めた 利 下 げは4カ 月 連 続 この 間 の 利 下 げ 幅 は 225bp となり 政 策 金 利 は 2%と 過 去 最 低 水 準 に 並 んだ( 図 表 1) 前 回 12 月 の 政 策 理 事 会 後 の 記 者 会 見 では 10 月 以 降 異 例 のピッチで 利 下 げを 進 めてきたことを 強 調 し 追 加 利 下 げに 慎 重 な 姿 勢 を 示 していた しかしな がら 今 回 50bp の 大 幅 利 下 げに 踏 み 切 った 理 由 を トリシェ 総 裁 は 経 済 見 通 しの 一 層 の 悪 化 によりインフレ 圧 力 の 後 退 が 続 いている ことに 対 応 したも ので 全 員 一 致 で 決 定 したと 説 明 し た 声 明 文 の 中 では 1 前 回 理 事 会 後 のサ ーベイや 月 次 統 計 は 経 済 活 動 が 明 らか に 一 層 弱 まっていることを 示 し 警 戒 さ れていた 下 振 れリスクが 現 実 化 した と いう 前 回 よりも 厳 しい 景 気 判 断 2 中 期 的 なインフレ リスクの 判 断 の 以 前 よ りも 均 衡 から 概 ね 均 衡 への 変 更 3マネーの 伸 びを 中 期 的 なインフレ リスク とする 表 現 の 削 除 などによって 景 気 見 通 しの 悪 化 とインフレ リスクの 後 退 が 表 現 された 2 3 月 の 追 加 利 下 げを 示 唆 トリシェ 総 裁 は 質 疑 応 答 で 2%とい う 政 策 金 利 の 水 準 を 下 限 ではない と して 追 加 利 下 げの 可 能 性 を 示 唆 すると 同 時 に 流 動 性 のわなにはまるつもり はない として (FRBや 日 銀 に 並 ぶ ような) 非 常 に 低 い 金 利 水 準 への 引 き 下 げは 否 定 デフレのリスク も 排 除 した 次 回 利 下 げの 時 期 について 3 週 間 後 の 2 月 5 日 に 開 催 される 次 回 理 事 会 は 様 子 見 とするが 新 たに 重 要 な 情 報 が 出 揃 う 3 月 5 日 の 理 事 会 は 重 要 と して 利 下 げに 踏 み 切 る 用 意 があること を 強 く 示 唆 した 図 表 1 ヨーロッパの 中 央 銀 行 の 政 策 金 利 ( 資 料 ) 各 中 央 銀 行 経 済 金 融 フラッシュ の 全 文 は 当 事 務 所 のホームページの ネットジャーナル よりご 確 認 ください 2
経 営 TOPICS 統 計 調 査 資 料 内 閣 府 2009 年 1 月 13 日 公 表 景 気 ウォッチャー 調 査 ( 平 成 20 年 12 月 調 査 結 果 ) 今 月 の 動 き (12 月 ) 12 月 の 現 状 判 断 DIは 前 月 比 5.1 ポイント 低 下 の 15.9 となり 9か 月 連 続 で 低 下 した 家 計 動 向 関 連 DIは ガソリン 価 格 は 低 下 したものの 景 気 や 雇 用 情 勢 の 悪 化 ボーナスの 減 少 等 により 消 費 者 の 購 買 態 度 が 一 段 と 慎 重 となり クリスマス 商 戦 が 振 るわなかったこと 等 から 低 下 した 企 業 動 向 関 連 DIは 世 界 的 な 景 気 後 退 や 円 高 等 の 影 響 による 受 注 の 減 少 やそれに 伴 う 在 庫 調 整 減 産 の 拡 大 設 備 投 資 の 見 送 り 資 金 繰 りの 悪 化 等 から 低 下 した 雇 用 関 連 DIは 新 規 求 人 数 の 減 少 や 派 遣 契 約 の 途 中 解 除 再 契 約 停 止 の 増 加 等 から 低 下 し た 12 月 の 先 行 き 判 断 DIは 前 月 比 7.1 ポイント 低 下 の 17.6 となった 家 計 動 向 関 連 DIは 景 気 や 雇 用 に 対 する 先 行 き 不 安 所 得 の 減 少 見 込 み 等 により 低 下 し た 企 業 動 向 関 連 DIは 原 油 原 材 料 価 格 の 低 下 が 見 込 まれるものの 世 界 的 な 景 気 後 退 や 円 高 の 影 響 により 更 なる 在 庫 調 整 や 減 産 が 行 われ 資 金 繰 りの 悪 化 が 続 くとみられているこ と 等 から 低 下 した 雇 用 動 向 関 連 DIは 派 遣 契 約 の 再 契 約 停 止 の 増 加 が 続 くと 懸 念 されて いること 等 から 低 下 した 景 気 ウォッチャーによる 判 断 を 総 合 すると 景 気 の 現 状 は 一 段 と 厳 しさを 増 しているとのこ とであった 全 国 の 動 向 1 景 気 の 現 状 判 断 DI 3か 月 前 と 比 較 しての 景 気 の 現 状 に 対 する 判 断 DIは 15.9 となった 家 計 動 向 関 連 企 業 動 向 関 連 雇 用 関 連 のすべてのDIが 低 下 したことから 前 月 を 5.1 ポイント 下 回 り 9か 月 連 続 の 低 下 となった また 横 ばいを 示 す 50 を 21 か 月 連 続 で 下 回 った 3
図 表 1 景 気 の 現 状 判 断 DI 図 表 2 構 成 比 図 表 3 景 気 の 現 状 判 断 DI 4
2 景 気 の 先 行 き 判 断 DI 2~3か 月 先 の 景 気 の 先 行 きに 対 する 判 断 DIは 17.6 となった 家 計 動 向 関 連 企 業 動 向 関 連 雇 用 関 連 のすべてのDIが 低 下 したことから 前 月 を 7.1 ポイント 下 回 り 3か 月 連 続 の 低 下 となった また 横 ばいを 示 す 50 を 19 か 月 連 続 で 下 回 った 図 表 4 景 気 の 先 行 き 判 断 DI 図 表 5 構 成 比 図 表 6 景 気 の 先 行 き 判 断 DI 景 気 ウォッチャー 調 査 ( 平 成 20 年 12 月 調 査 結 果 の 全 文 は 当 事 務 所 のホームページの 企 業 経 営 TOPICS よりご 確 認 ください 5
企 業 経 営 情 報 レポート ジャンル: 人 事 労 務 知 らなかったでは 済 まされない! 時 間 外 労 働 に 関 する 基 礎 知 識 ポ イ ン ト 1 2 3 4 時 間 外 労 働 対 策 は 企 業 経 営 の 最 重 要 課 題 労 働 日 数 に 柔 軟 性 を 持 たせる 変 形 労 働 時 間 制 の 活 用 法 みなし 裁 量 労 働 時 間 制 適 用 は 要 注 意 名 ばかり 管 理 者 問 題 への 対 応 法 < 参 考 文 献 > これだけは 知 っておきたい 労 働 法 9 しない させないサービス 残 業 労 働 基 準 オンブズマン 著 ( 旬 報 社 2002 年 ) 監 督 官 がやってくる! 小 さな 会 社 の 労 基 署 調 査 対 策 福 田 秀 樹 著 日 労 研 サービス 残 業 労 使 トラブルを 解 消 する 就 業 規 則 の 見 直 し 方 北 見 昌 朗 著 東 洋 経 済 新 報 社 ビジネスガイド 2008 年 6 月 号 ビジネスガイド 2008 年 8 月 号 鈴 木 潔 編 日 本 法 令 6
1 時 間 外 労 働 対 策 は 企 業 経 営 の 最 重 要 課 題 労 働 時 間 の 弾 力 化 が 進 行 するなか いつからいつまでが 労 働 時 間 なのかがわかりにくくなり それがサービス 残 業 の 原 因 になっています この 情 報 レポートでは 労 基 法 の 定 める 労 働 時 間 の 原 則 と 例 外 についての 基 礎 知 識 を 踏 まえて どのような 場 合 がサービス 残 業 になるかを 明 らかにし それをなくすためにはどうしたらよいか について 述 べます 1 まずは 労 働 基 準 法 を 正 しく 理 解 することから (1) 労 働 基 準 法 は 最 低 基 準 労 働 基 準 法 ( 労 基 法 )は 経 営 者 や 働 く 人 の 意 思 に 関 係 なくすべての 職 場 に 適 用 される 法 律 で す 労 基 法 は 労 働 条 件 について 定 めていますが それはあくまでも 人 たるに 値 する 生 活 を 営 む ための (1 条 1 項 ) 最 低 の 基 準 (1 条 2 項 )を 定 めたものにすぎません 労 基 法 が 定 める 労 働 条 件 を 下 回 る 内 容 の 契 約 をしても 無 効 です(13 条 ) (2)1 日 8 時 間 1 週 間 40 時 間 の 原 則 労 基 法 32 条 は 1 使 用 者 は 労 働 者 に 休 憩 時 間 を 除 き1 週 間 について 40 時 間 を 超 えて 労 働 させてはならない 2 使 用 者 は 1 週 間 の 各 日 については 労 働 者 に 休 憩 時 間 を 除 き1 日 について8 時 間 を 超 えて 労 働 をさせてはならない と 定 めています 1 週 間 40 時 間 1 日 8 時 間 労 働 制 の 原 則 を 明 確 に この 場 合 の1 週 間 とは 就 業 規 則 などに 別 に 定 めていないかぎり 日 曜 日 から 土 曜 日 までの 暦 週 をいい 1 日 とは 午 前 0 時 から 午 後 12 時 までの 暦 日 をいいます 労 基 法 は 同 居 の 親 族 のみを 使 用 する 事 業 所 を 除 き 事 業 の 種 類 を 問 わずすべての 事 業 所 に 強 制 的 に 適 用 されます したがって 法 律 に 定 められた 例 外 に 当 てはまらないかぎり 使 用 者 は 1 日 8 時 間 以 上 1 週 間 40 時 間 以 上 働 かせてはいけないということです(ただし 特 例 措 置 対 象 事 業 場 を 除 く) (3) 労 働 時 間 とは 労 働 時 間 とは 労 働 者 が 使 用 者 の 指 揮 監 督 の 下 にある 時 間 で 拘 束 時 間 から 休 憩 時 間 を 除 いた ものをいいます 最 も 単 純 な 形 では 出 勤 時 間 から 退 勤 時 間 までの 時 間 ( 拘 束 時 間 )から 昼 休 み などの 休 憩 時 間 を 引 いた 時 間 を 労 働 時 間 ということになります 休 憩 時 間 は 使 用 者 の 指 揮 監 督 の 下 から 離 れることです 現 実 に 仕 事 をしているわけではない がいつでも 就 労 できるように 待 機 しているいわゆる 手 待 時 間 も 当 然 労 働 時 間 に 含 まれます また 作 業 の 準 備 や 後 始 末 作 業 着 制 服 などの 更 衣 時 間 なども 労 働 時 間 に 含 まれます 7
労 働 時 間 = 束 縛 時 間 - 休 憩 時 間 労 働 時 間 と 認 められる 労 働 時 間 と 認 められない 使 用 者 の 指 揮 監 督 下 にある 時 間 実 際 に 頭 脳 肉 体 を 働 かせている 時 間 手 待 ち 時 間 所 定 時 間 外 の 義 務 的 な 教 育 研 修 への 参 加 時 間 労 働 に 不 可 欠 な 準 備 整 理 時 間 使 用 者 の 監 督 下 から 離 れ 自 由 に 使 える 時 間 ( 休 憩 時 間 など) 所 定 時 間 外 に 自 由 意 思 で 教 育 研 修 に 参 加 した 時 間 その 他 の 準 備 整 理 のための 時 間 通 勤 時 間 2 36 協 定 の 締 結 がなければ 時 間 外 労 働 は 一 切 認 められない (1) 36 協 定 とは 労 基 法 36 条 は 労 使 協 定 による1 日 8 時 間 1 週 間 40 時 間 労 働 制 原 則 の 例 外 を 認 めていま す この 労 使 協 定 のことを 労 基 法 36 条 に 規 定 されていることから 36 協 定 と 呼 んでいま す 36 協 定 は 使 用 者 と 労 働 者 との 間 で 締 結 される 協 定 ですが 労 働 者 個 々 人 との 間 で 締 結 される 契 約 とは 異 なります 事 業 場 に 労 働 者 の 過 半 数 で 組 織 する 労 働 組 合 がある 場 合 にはその 労 働 組 合 そのような 労 働 組 合 がない 場 合 には 労 働 者 の 過 半 数 を 代 表 する 者 ( 労 働 者 代 表 )が 締 結 当 事 者 となります 36 協 定 によって 時 間 外 労 働 が 認 められていれば 1 日 8 時 間 1 週 間 40 時 間 労 働 制 を 超 えて 働 かせる 事 ができるようになります (2) 使 用 者 の 周 知 義 務 使 用 者 は 労 基 法 および 同 法 による 命 令 の 要 旨 就 業 規 則 36 協 定 などの 労 使 協 定 を 従 業 員 に 周 知 しなければなりません( 労 基 法 106 条 ) 就 業 規 則 や 労 使 協 定 は 次 の3つのいずれかの 方 法 で 周 知 しなければなりません 1 常 時 各 作 業 所 の 見 やすい 場 所 に 掲 示 し または 備 え 付 ける 方 法 2 労 働 者 に 書 面 を 交 付 する 方 法 3 磁 気 テープ 磁 気 ディスクその 他 これらに 準 ずるものに 記 録 し かつ 各 作 業 所 に 労 働 者 がその 記 録 の 内 容 を 常 時 確 認 できる 機 器 を 設 置 する 方 法 8
2 労 働 日 数 に 柔 軟 性 を 持 たせる 変 形 労 働 時 間 制 の 活 用 変 形 労 働 時 間 制 とは 所 定 の 要 件 を 満 たせば 一 定 期 間 の 総 所 定 労 働 時 間 を 平 均 した 時 間 が 法 定 の 週 40 時 間 を 超 えないかぎり 特 定 の 週 に 40 時 間 または 特 定 の 日 に8 時 間 を 超 える 労 働 を 認 める 制 度 です 変 形 労 働 時 間 制 は 業 務 量 が 多 い 時 期 と 少 ない 時 期 の 繁 閑 が 大 きい 業 種 で 効 率 的 に 労 働 時 間 の 弾 力 的 配 分 を 可 能 とする 制 度 です 使 用 者 には 時 間 外 労 働 を 減 少 させ 残 業 手 当 を 削 減 できるメ リットがあります 1 1ヵ 月 単 位 の 変 形 労 働 時 間 制 とは 1ヵ 月 単 位 の 変 形 労 働 時 間 制 とは 1ヵ 月 以 内 の 一 定 の 期 間 を 平 均 し1 週 間 の 所 定 労 働 時 間 が 40 時 間 以 下 の 範 囲 内 において 1 日 8 時 間 及 び1 週 40 時 間 の 法 定 労 働 時 間 を 超 えて 労 働 させ ることができる 制 度 です 1ヵ 月 単 位 の 変 形 労 働 時 間 制 は 就 業 規 則 その 他 これに 準 ずるものまたは 労 使 協 定 により 導 入 することができます 労 使 協 定 は 労 働 基 準 監 督 署 長 に 届 け 出 る 必 要 があります なお 労 使 協 定 の 締 結 と 届 出 だけでは 足 らず 就 業 規 則 の 変 更 手 続 が 必 要 になる 場 合 があります また 変 形 労 働 時 間 制 であっても いったん 各 日 各 週 の 労 働 時 間 が 特 定 されたときには 業 務 上 の 必 要 があっても その 変 更 は 認 められません 1ヵ 月 単 位 の 変 形 制 で 時 間 外 労 働 となるのは 以 下 の 通 りです 1 変 形 時 間 の 労 働 時 間 の 枠 を 超 え かつ 1 日 8 時 間 または1 週 40 時 間 を 超 えて 労 働 した 時 間 2 変 形 期 間 における 法 定 労 働 時 間 の 総 枠 を 超 えて 労 働 した 時 間 2 1 年 単 位 の 変 形 労 働 時 間 制 とは 使 用 者 は 事 業 場 の 過 半 数 組 合 または 過 半 数 代 表 者 との 書 面 協 定 により 対 象 期 間 として 定 め られた 期 間 を 平 均 し1 週 間 当 たりの 労 働 時 間 が 40 時 間 を 超 えない 範 囲 内 で 協 定 で 定 めるとこ ろにより 特 定 の 週 に 40 時 間 または 特 定 の 日 に8 時 間 を 超 えて 労 働 させることができ これ を 1 年 単 位 の 変 形 労 働 時 間 制 と 言 います ただし 協 定 には 以 下 について 定 め 労 働 基 準 監 督 署 に 届 け 出 ることが 必 要 です 1 対 象 労 働 者 の 範 囲 2 対 象 期 間 (1ヵ 月 を 超 え1 年 以 内 の 期 間 ) 3 特 定 期 間 ( 対 象 期 間 中 特 に 業 務 が 繁 忙 な 期 間 ) 4 対 象 期 間 の 労 働 日 労 働 時 間 5 協 定 の 有 効 期 間 9
3 みなし 裁 量 労 働 時 間 制 適 用 は 要 注 意 1 みなし 労 働 時 間 制 とは 何 か 就 業 形 態 の 多 様 化 に 伴 い 画 一 的 な 労 働 時 間 制 度 になじまないタイプの 労 働 者 が 増 えています こうした 労 働 者 の 業 務 に 係 わる 労 働 時 間 については 通 常 の 労 働 時 間 の 算 定 は 困 難 であると 考 え られることから 別 に 労 働 時 間 の 算 定 方 法 を 定 めた 制 度 を みなし 労 働 時 間 制 といいます 2 みなし 労 働 時 間 制 と 裁 量 労 働 制 を 適 用 できる 条 件 労 基 法 は セールスマンや 新 聞 記 者 の 業 務 等 事 業 場 外 で 行 われる 労 働 の 一 部 については 労 働 時 間 の 算 定 等 が 困 難 であることから 労 働 時 間 算 定 義 務 の 例 外 として みなし 労 働 時 間 制 を 認 めてきました この みなし 労 働 時 間 制 は 使 用 者 による 正 確 な 労 働 時 間 の 算 定 が 困 難 な 種 類 の 労 働 につい て 実 際 の 労 働 時 間 とは 違 う みなし 時 間 働 いたこととする フィクション( 擬 制 ぎせい) を 容 認 するものです 労 基 法 の 定 める 労 働 時 間 制 のなかでは 実 労 働 時 間 の 使 用 者 による 正 確 な 算 定 が 基 本 です から みなし 労 働 時 間 制 は きわめて 例 外 的 なものにすぎません みなし 労 働 時 間 制 はつぎの3つに 大 別 できます 1 事 業 場 外 労 働 に 関 するみなし 労 働 時 間 制 2 専 門 業 務 型 裁 量 労 働 に 関 するみなし 労 働 時 間 制 裁 量 労 働 制 3 企 画 業 務 型 裁 量 労 働 に 関 するみなし 労 働 時 間 制 裁 量 労 働 制 以 下 この3 種 類 の みなし 労 働 時 間 制 について その 概 要 を 説 明 します (1) 事 業 場 外 みなし 労 働 時 間 制 事 業 場 外 労 働 についての みなし 労 働 時 間 制 は 外 務 員 新 聞 記 者 など 外 勤 業 務 や 出 張 など で 労 働 者 が 労 働 時 間 の 全 部 または 一 部 について 事 業 場 外 で 業 務 に 従 事 した 場 合 に 所 定 労 働 時 間 労 働 したものとみなす 制 度 です この 制 度 を 導 入 するためには 次 のことが 必 要 になります 1 就 業 規 則 に 対 象 業 務 対 象 労 働 者 の 範 囲 とみなし 労 働 時 間 ( 所 定 労 働 時 間 ) 事 業 場 外 労 働 のみなし 労 働 時 間 制 に 関 する 定 め (90 条 Ⅱ 項 )を 明 記 2 就 業 規 則 を 労 働 基 準 監 督 署 に 届 け 出 る 3 労 働 者 に 周 知 する レポート 全 文 は 当 事 務 所 のホームページの 企 業 経 営 情 報 レポート よりご 覧 ください 10
経 営 データベース 1 ジャンル: 経 営 実 務 > サブジャンル: 海 外 事 業 進 出 uestion 海 外 事 業 進 出 の 目 的 海 外 事 業 進 出 の 目 的 とは 何 ですか nswer 大 まかに 分 類 すると 次 の3つに 大 別 されます 1 輸 出 市 場 の 確 保 拡 大 このタイプの 特 徴 として 次 の2 点 が 挙 げられます 1) 消 費 地 生 産 の 有 利 性 現 地 生 産 コストが 製 品 輸 出 よりも 安 いことが 前 提 となります 日 本 の 場 合 は 部 品 を 輸 出 し 現 地 で 組 み 立 てて 販 売 するノックダウン 方 式 が 主 に 採 用 されています 2) 現 地 においては 輸 入 代 替 産 業 となること 途 上 国 の 場 合 は 外 資 規 制 により 合 弁 方 式 をとる 必 要 があります このため 合 弁 パートナー 次 第 で 事 業 の 成 否 が 左 右 されますので 選 定 は 慎 重 に 行 うべきでしょう 2 輸 出 市 場 の 防 衛 ここでも 途 上 国 を 例 に 考 えてみます 主 な 特 徴 は 次 の2 点 です 1) 輸 出 市 場 の 防 衛 を 目 的 としたケースでは その 理 由 が 関 税 障 壁 の 回 避 です 自 国 産 業 の 育 成 を 目 的 とした 関 税 は 完 成 品 にかけられます 従 って 現 地 生 産 にした 場 合 完 成 品 の 輸 入 は 制 限 されています から 現 地 需 要 があり 一 定 レベルの 生 産 の 仕 組 みが 定 着 すれば 早 々の 利 益 の 確 保 が 可 能 となります 2)ノックダウン 方 式 による 小 規 模 事 業 が 中 心 となります 但 し 現 地 においても 部 品 原 料 の 現 地 調 達 輸 出 比 率 についてもある 程 度 の 要 求 が 出 ることは 予 想 すべきです 3 海 外 調 達 ( 製 品 輸 入 ) 現 地 生 産 の 上 日 本 や 他 の 国 へ 輸 出 することを 目 的 とした 海 外 事 業 進 出 です 特 徴 として 次 の 4 点 が 挙 げられます 1)100% 出 資 が 認 められること 現 地 にとっては 輸 出 企 業 となるため 優 遇 措 置 として100% 出 資 が 認 められます 2) 製 品 の 販 売 先 が 日 本 (または 他 国 )となること いずれにおいても 輸 出 先 はグループの 販 売 会 社 となります 日 本 の 場 合 対 象 市 場 の 情 報 が 得 られ 安 い のが 特 徴 です 3) 原 料 部 品 の 調 達 先 により 利 益 が 大 幅 に 変 わること 現 地 調 達 であれば 相 応 の 利 益 は 見 込 めますが 輸 入 の 場 合 はコスト 高 になるため 賃 金 コストの 差 額 分 が 利 益 増 となります 4) 労 働 集 約 型 の 投 資 が 多 いこと 低 廉 豊 富 な 労 働 力 をターゲットにした 進 出 の 場 合 は 労 働 集 約 型 になります 一 方 で 近 年 は 知 識 労 働 者 をターゲットにしたIT 産 業 の 海 外 事 業 進 出 も 増 えており この 場 合 は 知 識 集 約 型 となります 11
経 営 データベース 2 ジャンル: 経 営 実 務 > サブジャンル: 海 外 事 業 進 出 uestion 事 前 調 査 海 外 事 業 進 出 における 事 前 調 査 にはどのようなものがありますか nswer 規 模 の 大 小 に 関 わらず 事 前 調 査 には 十 分 な 時 間 と 経 費 をかけるべきです 事 前 調 査 を 大 別 すると 次 の7つに 分 けられます 制 定 すべき 運 用 基 準 の 範 囲 は 以 下 の 通 りです 1 2 3 4 5 6 7 相 手 国 の 政 治 経 済 情 勢 進 出 対 象 とする 製 品 の 市 場 調 査 製 造 業 の 場 合 工 場 立 地 場 所 の 選 定 原 料 部 品 調 達 ルートの 検 討 外 資 規 制 税 制 などの 観 点 法 規 制 の 調 査 金 融 為 替 動 向 などの 調 査 合 弁 パートナーの 信 用 調 査 多 くは 国 内 での 事 前 調 査 と 現 地 調 査 によりますが 次 の2 点 に 留 意 すべきです 1) 客 観 性 客 観 性 を 脅 かすものとして 現 地 情 報 の 信 頼 性 経 営 トップの 思 い 込 み 調 査 担 当 者 の 現 地 びいき があげられます いずれにしてもそれぞれを 意 識 しながらできるだけ 客 観 性 の 高 い 調 査 を 行 うべきです 2) 効 率 性 必 要 な 調 査 は 行 うべきですが 闇 雲 に 現 地 に 出 張 しても 思 うような 効 果 は 得 られません 日 本 国 内 で 入 手 できる 情 報 をもかなりありますし 現 地 へ 赴 く 際 には 事 前 に 何 が 調 査 の 主 点 なのか を 明 確 にしておくべきです 12