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JR 西日本 ハイブリッド気動車システムの開発 こ だま よし のり か に のり ひろ 児 玉 佳 則 可 児 周 博 かわ むら じゅん や こ ばやし まこと 川 村 淳 也 小 林 誠 写真 1 外観 要旨 西日本旅客鉄道株式会社 JR 西日本 では 気動車の省エネルギー化及び二酸化炭素排出量削減を目的として マイルドハイブリッド方式のハイブリッド気動車システムを開発した 主に非電化線区で使用されている内燃動 車 気動車 は 電車の電力回生ブレーキのようなエネルギーを再利用するシステムが利用できないなどの理由か ら VVVF インバータ制御の電車と比較して 車両キロ当たりのエネルギー消費量が多くなっている また 化 石燃料である軽油を燃焼して動力を得るシステムのため 二酸化炭素排出量も多いのが現状である このため近 年では 蓄電池 発電機 主電動機などを搭載することで 回生電力を蓄電池に蓄えておき 必要な時にそ の電気エネルギーを走行動力に使用するパラレル方式やシリアル方式のハイブリッド気動車も登場しているが 今回 JR 西日本では 回生電力を主に補機電力として使用するという新たな観点から 小さな容量の蓄電池で シンプルかつコンパクトなマイルドハイブリッド方式を開発し 既存のキハ 122 系気動車にこのシステムを搭載 して検証試験を行った 本稿では ハイブリッド気動車システムの概要及び検証試験結果について紹介する 編集部注 キハ 122 系一般形気動車は本誌 237 号参照 1 はじめに 近年 地球環境問題に対する意識が高まっているなか 鉄道分野においても省エネルギー化が求められている 主 に非電化区間で使用されている気動車は ブレーキ時の運 動エネルギーの多くを熱エネルギーとして消費している それは 仮に電車のように電気ブレーキが使用できたとし ても 発生した電気エネルギーを車両に蓄えたり 他の車 両に供給したりすることができないためである しかし 最近では 高エネルギー密度の蓄電池の出現によって 電 気ブレーキにて発生した電気エネルギーを蓄電池に蓄える ことができるようになった そのため 気動車に蓄電池及 び発電機兼電動機を搭載し 回生ブレーキを使用すること で電車と同様に 従来 熱エネルギーとして廃棄していた 運動エネルギーを電気エネルギーとして有効に活用するこ とが可能となり 省エネルギー化を図ることができる こ のような背景から JR 西日本においても ハイブリッド 気動車システムの開発を始めた 2 ハイブリッド気動車システム 2.1 システムの効果向上の考え方 近年 JR 西日本の気動車システムは 省エネルギー化 を図るため コモンレール燃料噴射式ディーゼル機関や直 西日本旅客鉄道 鉄道本部技術部 西日本旅客鉄道 岡山支社 岡山気動車区 前 鉄道本部技術部 132 2013-3 車両技術 245 号

結 多 段 式 液 体 変 速 機 などを 採 用 して 駆 動 系 ( 力 行 側 )のエネ ルギー 効 率 を 改 善 してきた また 一 方 駆 動 に 関 する 以 外 の 機 器 類 は 電 車 との 共 通 化 を 図 り 空 気 調 和 装 置 暖 房 装 置 照 明 器 具 などの 補 機 類 は 電 気 をエネルギー 源 とし た 方 式 を 採 用 している これらに 必 要 な 補 機 電 力 は ディ ーゼル 機 関 の 出 力 で 発 電 機 を 作 動 させて 供 給 している この JR 西 日 本 の 気 動 車 システムの 特 徴 を 生 かし 従 来 のディーゼル 機 関 出 力 の 機 械 エネルギーに 加 えて 新 たに 回 生 ブレーキから 得 られたエネルギーを 蓄 えた 蓄 電 池 の 電 気 エネルギーを 補 機 電 力 の 一 部 に 使 用 する 又 は 駅 発 車 時 など 排 出 ガスを 削 減 したい 場 合 に 機 関 をアシストする 電 動 機 の 駆 動 力 として 使 用 するハイブリッド 気 動 車 への 展 開 を 考 えた エネルギー 効 率 を 向 上 させることを 主 眼 とした 場 合 電 気 エネルギー 及 び 機 械 エネルギーという 2 つのエネルギー 源 の 変 換 効 率 を 考 慮 して それぞれに 次 の 役 割 を 分 担 する ことで 効 率 の 向 上 を 図 ることができる 電 気 エネルギー: 回 生 ブレーキから 得 られた 電 気 エネ ルギーを 蓄 えた 蓄 電 池 の 電 気 エネルギーは 補 機 電 力 として 優 先 的 に 利 用 する 機 械 エネルギー:ディーゼル 機 関 出 力 軸 の 機 械 エネル ギーは 力 行 ( 運 動 エネルギー)へ 優 先 的 に 利 用 する このように エネルギー 源 の 役 割 分 担 を 行 うことによっ て 機 関 は 補 機 負 荷 が 軽 減 され 補 機 最 小 の 状 態 の 速 度 引 張 力 曲 線 を 適 用 できるため 液 体 変 速 機 から 直 結 2 速 までを 使 用 する 加 速 域 では 補 機 最 大 の 状 態 と 比 較 して 引 張 力 が 大 きく 向 上 し その 結 果 力 行 時 間 を 削 減 するこ とができる また 停 車 中 でも 蓄 電 池 から 補 機 に 電 力 を 供 給 できるため 機 関 のアイドルストップが 可 能 となる その 結 果 機 関 を 使 用 する 時 間 を 削 減 でき 省 エネルギー 効 果 を 発 揮 することができる 回 生 ブレーキから 得 られた 電 気 エネルギーを 力 行 側 に 利 用 することを 極 力 控 え 主 に 補 機 のために 利 用 するハイブ リッド 方 式 は マイルドハイブリッド という 分 類 とし て 考 えることができる 2.2 ハードウェア 構 成 前 項 の 考 え 方 を 実 現 するために 現 状 の 気 動 車 システム から 変 更 を 必 要 とするハードウェア 構 成 について 検 討 を 行 った 現 状 の 気 動 車 の 発 電 システムは 機 関 の 変 動 する 回 転 数 から 一 定 の 回 転 数 を 取 り 出 す 定 速 回 転 装 置 (CSU)と 三 相 交 流 を 発 生 する 発 電 機 から 構 成 している マイルドハ イブリッド 方 式 は この 発 電 システムを 構 成 する 機 器 の 代 わりに 機 関 直 結 の 発 電 機 兼 電 動 機 ( 以 下 ) イ ンバータ 装 置 蓄 電 池 及 び 補 助 電 源 装 置 (SIV)の 各 機 器 と 置 き 換 えることで ブレーキ 時 の 回 生 エネルギーの 回 収 補 機 への 電 力 供 給 といったハイブリッドシステム 特 有 の 動 作 が 可 能 となる( 図 1) 発 電 及 び 充 放 電 システムは モ ータ によって 発 電 した 交 流 電 流 をインバータ 制 御 を 用 いて 所 定 電 圧 の 直 流 電 流 に 変 換 し 補 助 電 源 装 置 (SIV) 及 び 蓄 電 池 と 接 続 している インバータ 装 置 からの 発 生 電 力 と SIV の 消 費 電 力 とを 差 し 引 きした 分 が 蓄 電 池 に 充 電 されたり 放 電 されたりする 仕 組 みになっている また を 機 関 に 直 結 しているため 機 関 始 動 機 能 をもた せることができ 従 来 のセルモータ 及 びセルモータ 用 の 24 V 蓄 電 池 を 省 略 することもできる 2.3 制 御 システム 構 成 ハイブリッド 気 動 車 システムの 制 御 システム 構 成 を 図 2 に 示 す ハイブリッド 気 動 車 システムに 固 有 のシステムと して 蓄 電 池 の 充 電 状 態 (State of charge:soc)を 基 にエ ネルギー 管 理 を 行 いながら 電 機 品 への 動 作 指 示 を 行 う エ ネ ル ギ ー 管 理 シ ス テ ム EMS(Energy Management System) を 新 しく 置 した また ブレーキ 制 御 は 新 たに 増 えた 回 生 ブレーキ 力 に 応 じて 適 切 な 空 気 ブレーキを 補 足 するために 列 車 情 報 制 御 装 置 (Train Information Control System:TICS)から の 指 令 をブレーキ 制 御 装 置 (Brake Control Unit:BCU)を 用 いて 減 算 処 理 をすることによって 電 空 ブレンディング 制 御 を 行 うこととした 2.4 システムの 特 徴 ハイブリッド 気 動 車 システムの 特 徴 を 次 に 示 す 1シンプルでコンパクト 補 機 電 力 用 の 発 電 機 及 び 機 関 をアシストする 電 動 機 を 一 台 ので 済 ますことができるため 機 器 の 利 用 効 率 が 高 く 追 加 機 器 が 少 なくてよい また 蓄 電 池 から 出 入 りする 電 力 量 ( 充 放 電 量 )が 少 ないので 蓄 電 池 容 量 が 小 さ くてよい 2 高 効 率 インバータ 装 置 で 発 電 制 御 を 行 うため 定 速 回 転 装 置 (CSU)での 発 電 と 比 較 して 発 電 効 率 が 向 上 する また 回 生 ブレーキから 得 られた 電 気 エネルギーを 蓄 電 すること で 必 要 に 応 じて 補 機 に 優 先 利 用 できるため アイドルス トップを 長 時 間 実 施 できる 図 1 従 来 の 気 動 車 システム 及 びハイブリッド 気 動 車 シ ステムの 比 較 図 2 制 御 システム 構 成 図 JR 西 日 本 ハイブリッド 気 動 車 システムの 開 発 133

③高信頼性 蓄電池を切り離した場合でも 従来のハイブリッドでな い気動車と同等の走行性能を確保し 補機発電が可能であ るため 運行を継続できる 2.5 システムの動作 ハイブリッド気動車システムでは 車両の走行状態と蓄 電池の充電状態に応じて や機関などを制御する 必要がある そのため 各車両状態を 4 つのモードに分類 し このモード名と機器の動作とを関連付けした 次に動 作モード及びその際の基本となる機器の作動状態を示す ①停車モード 図 3 機関は 停止させ アイドルストップ 蓄電池から補機 電力を供給する ②力行モード 図 4 機関出力は 力行に利用し は 無出力として 蓄電池から補機電力を供給する ただし 駅発車時などの 排出ガスを削減したい場合は 機関出力を抑え でアシストすることで排出ガスを抑えることもできる ③減速モード 図 5 変速機を直結段に投入した後 で発電して回生 ブレーキをかけて 発生した電力は 蓄電池に充電する ④だ行モード 図 6 機関は アイドル運転を行って 補機出力分に見合った 発電を行う 蓄電池の容量に余裕がある場合は 蓄電池か ら補機電力を供給する 写真 2 発電機兼電動機 写真 3 EMS 及びインバータ装置 3 検証試験車両 検証試験は 2008 年から投入しているキハ 122 系気動 図 3 停止モード 写真 4 蓄電池 図 4 力行モード 図 5 減速モード 図 6 だ行モード 134 車にハイブリッド気動車システムを仮して行った キハ 122 系気動車は 姫新線高速化用の車両として新造したも ので キハ 121 126 系気動車が地方ローカル線向けにロ ーコストを最優先に開発した車両であるのに対し 関西圏 の都市間を結ぶアーバンネットワークと直結した線路で運 行することから 山陽本線を新快速として運行している 223 系及び 321 系通勤電車と統一仕様で計を行った車両 である 今回 床下及び車内にハイブリッド気動車システ ム機器を仮した結果 車両質量は約 2 t 増加した 3.1 床下機器 床下機器は 既存の発電機を誘導電動機 120 kw の モ ータ に 定速回転装置 CSU を増速機 ギアボックス に 変更した この増速機は 歯数比が 1 1 のため 機関の 出力軸と電動機軸とを直結した状態としている なお 機 2013-3 車両技術 245 号

表 1 JR 西 日 本 ハイブリッド 気 動 車 車 両 諸 元 会 社 車 両 形 式 西 日 本 旅 客 鉄 道 株 式 会 社 キハ 122 系 (ハイブリッド 気 動 車 ) 軌 間 (mm) 1 067 個 別 の 車 種 形 式 キハ 122-0 空 車 質 量 (t) 42.5(ハイブリッドシステム 質 量 :2 t) 用 途 ハイブリッドシステム 検 証 仮 改 造 年 度 2010 年 (ベース 車 両 は 2008 年 製 造 ) 改 造 両 数 1 両 車 両 技 術 の 掲 載 号 245(ベース 車 両 は 241 参 照 ) 最 高 運 転 速 度 (km/h) 100 加 速 度 (m/s 2 ) 0.58(0 ~ 25 km/h までの 平 均 加 速 度 ) 減 速 度 常 用 0.86(3.1 km/h/s) 車 両 性 能 機 関 駆 動 系 主 要 ハ イ ブ リ ッ ド 補 機 (m/s 2 ) 非 常 0.86(3.1 km/h/s) ハイブリッド 方 式 パラレル マイルド 式 機 関 ブレーキ 併 用 増 圧 付 電 気 指 令 式 ブレーキ 制 御 方 式 空 気 ブレーキ( 機 関 ブレーキ 排 気 ブレーキ 応 荷 重 直 通 予 救 援 耐 雪 フラット 検 知 ) 制 御 回 路 電 圧 (V) DC 24 DC 100 抑 速 制 御 あり 運 転 保 安 装 置 ATS-SW2 TE EB 防 護 無 線 列 車 無 線 B 形 無 線 形 式 / 質 量 (kg) SA6D140HE-2 機 関 出 力 (kw) 331 台 数 / 両 1 形 式 / 質 量 (kg) DW21 方 式 電 子 式 自 動 変 速 制 御 ( 空 転 制 御 付 き) 液 体 減 直 結 1 2.803 変 速 機 速 直 結 2 1.852 比 直 結 3 1.236 直 結 4 0.890 減 速 機 減 速 比 3.326 全 減 速 比 9.323 ~ 2.960 駆 動 軸 数 2 主 変 換 装 置 制 御 方 式 VVVF インバータ 制 御 方 式 (インバータ) 形 式 / 質 量 (kg) 発 形 式 / 質 量 (kg) 660 電 機 方 式 三 相 かご 形 誘 導 電 動 機 兼 1 時 間 定 格 (kw) 120 電 動 回 転 数 (min -1 ) 1 405 機 連 続 定 格 (kw) - 発 電 出 力 (kva) - 種 類 / 質 量 (kg) リチウムイオン 電 池 / 700 蓄 電 池 容 量 (Ah) 30 セル 数 モジュール 数 8 21 主 な 用 途 補 機 電 力 アシスト 油 冷 却 方 式 自 冷 式 燃 料 タンク 容 量 (リットル) 900リットル 整 流 装 置 方 式 - 蓄 電 池 種 類 / 質 量 (kg) 容 量 (Ah) 主 な 用 途 陰 極 吸 収 式 シール 形 鉛 蓄 電 池 (DC 24 V DC 100 V) DC 24 V 165 Ah DC 100 V 40 Ah 制 御 機 関 変 速 機 関 (SA6D140HE-2) 及 び 液 体 変 速 機 (DW21)は 従 来 のま まとしている 3.2 車 内 機 器 床 下 に 仮 できない 機 器 については 車 内 に 仮 した 車 内 に 仮 した 機 器 は 蓄 電 池 インバータ 装 置 エネル ギー 管 理 システム(EMS) 及 びブレーキ 制 御 装 置 である 蓄 電 池 は リチウムイオン 電 池 モジュール(28.8V- 30 Ah)を 21 直 列 接 続 し 総 電 圧 は 605 V 総 容 量 は 30 Ah としている 4 走 行 試 験 概 要 4.1 試 験 目 的 ハイブリッド 気 動 車 システムの 発 電 及 び 充 放 電 システム の 機 能 及 び 省 エネルギー 効 果 などを 実 車 で 確 認 することを 目 的 に 検 証 試 験 車 両 を 使 用 して 走 行 試 験 を 行 うこととし た 4.2 走 行 試 験 概 要 走 行 試 験 の 概 要 は 次 の 通 りである 試 験 期 間 :2009( 平 成 21) 年 11 月 ~ 12 月 試 験 区 間 : 山 陰 本 線 米 子 ~ 安 来 間 試 験 項 目 定 置 試 験 : 調 整 充 電 アイドルストップ 構 内 走 行 試 験 : 力 行 ブレーキ 性 能 モード 制 御 試 験 本 線 走 行 試 験 : 電 空 ブレンディング 燃 費 測 定 4.3 燃 費 測 定 試 験 概 要 燃 費 測 定 試 験 は 表 2 に 示 すように 走 行 条 件 及 び 機 器 の 動 作 パターンを 考 えて 燃 料 消 費 量 を 測 定 した 表 2 の 通 常 給 電 とは から 補 機 へ 給 電 し 蓄 電 池 電 流 を 0 A にする 従 来 の 気 動 車 と 同 様 の 発 電 モード である また 補 機 アシスト とは 効 率 の 良 い 補 機 に 電 力 を 利 用 することを 実 現 するため 蓄 電 池 から 補 機 へ 給 電 し を 無 負 荷 にするモードである 試 番 1 の 従 来 気 動 車 の 想 定 では ハイブリッド 関 連 機 器 を 搭 載 して 重 量 が 増 加 したことが 燃 費 に 与 える 影 響 を 確 認 するため インバータ 装 置 の 発 電 負 荷 を 従 来 の 定 速 回 転 装 置 (CSU)の 場 合 と 同 じになるように 定 した なお こ の 定 においても インバータ 制 御 による 発 電 効 率 の 改 善 によって 補 機 電 力 よりも 少 し 多 めに 発 電 するため 蓄 電 池 は 少 しずつ 充 電 されてゆくのを 確 認 した 試 番 2 の 補 機 アシストなし では 定 速 回 転 装 置 (CSU) からインバータ 制 御 に 変 更 したことによる 発 電 効 率 の 改 善 効 果 を 確 認 した 表 2 走 行 条 件 試 番 事 前 1 2 3 走 行 条 件 現 状 (キハ 122) 従 来 気 動 車 の 想 定 補 機 アシス トなし 全 域 で 補 機 アシスト ねらい 現 状 気 動 車 の 燃 費 測 定 重 量 増 加 の 影 響 測 定 インバータ 発 電 の 効 果 測 定 ハイブリッ ドの 効 果 測 定 力 行 だ 行 減 速 通 常 発 電 (CSU 発 電 ) 停 車 CSU 相 当 のエンジン 負 荷 で 発 電 (インバータ 発 電 ) 通 常 給 電 (インバータ 発 電 ) 補 機 ア シスト 回 生 ブレーキ アイドル ストップ JR 西 日 本 ハイブリッド 気 動 車 システムの 開 発 135

図 7 走 行 試 験 結 果 図 8 シミュレーション 結 果 試 番 3 の 全 域 で 補 機 アシスト では 蓄 電 池 から 補 機 に 電 力 供 給 する 補 機 アシスト 及 びアイドルストップによる 省 エネルギー 効 果 を 確 認 した 4.4 走 行 試 験 結 果 米 子 ~ 安 来 間 を 1 往 復 した 結 果 を 図 7 に 示 す 試 番 1 では ハイブリッド 関 連 機 器 を 搭 載 したことによ る 質 量 増 加 の 影 響 によって 5% 程 度 燃 料 消 費 量 が 増 加 した 試 番 2 では 発 電 効 率 が 向 上 し エンジンに 対 する 負 荷 が 減 少 したことによって 3% 程 度 の 省 エネルギー 効 果 が 得 られた 試 番 3 では エンジンの 補 機 負 荷 が 無 くなったことと エンジンの 稼 働 時 間 が 削 減 されたことによって 省 エネル ギー 効 果 が 24% 程 度 となった ただし この 試 番 では 補 機 アシストをするための 電 力 量 が 回 生 ブレーキによって 得 られた 電 力 量 だけでは 不 足 していたため 走 行 後 の 蓄 電 池 の 電 力 量 が 減 少 した これは 蓄 電 池 にある 貯 金 を 使 用 した 分 燃 料 消 費 が 減 り 省 エネルギー 効 果 が 向 上 したよ うに 見 えているとも 言 える 5 走 行 シミュレーションによる 省 エネルギー 効 果 評 価 今 回 の 本 線 走 行 試 験 で 得 られた 結 果 は 一 駅 間 における 消 費 エネルギーを 測 定 したものであり 回 生 ブレーキによ って 得 られた 電 力 量 が 補 機 アシストを 行 うには 不 足 し エネルギーの 不 平 衡 が 生 じていた 状 態 であった これらの 影 響 によって 本 来 の 省 エネルギー 効 果 が 測 定 できている とは 言 えないため 公 益 財 団 法 人 鉄 道 総 合 技 術 研 究 所 が 開 発 した ディーゼルハイブリッドシミュレータ を 用 いて 評 価 を 行 うこととした 5.1 シミュレーションの 手 順 まず 今 回 行 った 本 線 走 行 試 験 結 果 を 基 にシミュレーシ ョンのパラメータを 定 し 同 一 走 行 条 件 のシミュレーシ ョンを 行 った その 結 果 シミュレーション 結 果 と 走 行 試 験 結 果 とがほぼ 同 一 となり シミュレータの 妥 当 性 を 確 認 した そして 一 般 的 な 走 行 線 区 において 蓄 電 池 のエネルギ ー 収 支 を 合 わせた 場 合 の 省 エネルギー 効 果 を 試 算 するため に シミュレーションを 行 った 5.2 シミュレーションの 定 シミュレーションの 定 の 概 要 は 次 の 通 りである 走 行 線 区 : 姫 新 線 ( 姫 路 ~ 上 月 ) 走 行 距 離 : 約 50 km 走 行 時 間 : 約 1 時 間 搭 載 機 器 :(200 kw) リチウムイオン 電 池 (600 V-30 Ah) 車 両 質 量 : 従 来 車 両 よりも 2 t 増 加 記 事 : 走 行 前 後 で 蓄 電 池 充 電 率 (SOC)が 1% 以 内 の 変 化 となるように 定 して エネルギー の 均 衡 を 図 った 5.3 シミュレーション 結 果 シミュレーション 結 果 を 図 8 に 示 す 従 来 の 気 動 車 と 比 較 して 約 12%の 省 エネルギー 効 果 となった その 要 因 として 次 のことが 挙 げられる ハイブリッド 気 動 車 の 場 合 力 行 中 に 補 機 電 力 を 蓄 電 池 から 供 給 する 補 機 アシスト をしているため エン ジンの 補 機 負 荷 がなくなり 動 力 性 能 が 向 上 したため すばやく 加 速 することができたこと 駅 停 車 時 にアイドルストップを 行 うことで エンジン 稼 動 時 間 が 削 減 されたこと 6 おわりに JR 西 日 本 では ディーゼル 機 関 と 直 結 させた を 使 用 して エネルギー 伝 達 効 率 を 向 上 させる 観 点 に 着 目 して 回 生 電 力 を 主 に 補 機 電 力 として 使 用 するハイブリッ ド 気 動 車 システムを 開 発 した そして このシステムによ る 本 線 走 行 試 験 を 実 施 し 力 行 ブレーキにおける 協 調 制 御 モード 制 御 を 確 認 すると 共 に 本 線 走 行 試 験 結 果 を 用 いて 走 行 シミュレーションを 行 い 一 般 的 な 線 区 である 姫 新 線 において 省 エネルギー 効 果 が 約 12% 見 込 むことが できることを 確 認 した 今 回 開 発 したシステムでは 発 電 機 と 機 関 とを 直 結 し ているが ブレーキ 操 作 中 にシフトダウン( 変 速 機 の 段 数 の 切 替 動 作 )が 起 こる 場 合 には トルク 抜 け(クラッチの 作 動 に 伴 って 一 時 的 に 動 力 の 伝 達 ができなくなる)が 生 じる ため 回 生 ブレーキを 止 める 必 要 があり 回 生 ブレーキを 十 分 に 利 用 することができなかった そこで 現 在 は 自 動 車 などで 使 用 実 績 のあるデュアルクラッチ 式 変 速 機 の 適 用 を 検 討 し 更 なる 性 能 の 向 上 に 取 り 組 んでいる 136 2013-3 車 両 技 術 245 号