Microsoft Word - 原稿4(鴨川)

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第3章 健康づくりの課題と取組み

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17 外 国 人 看 護 師 候 補 者 就 労 研 修 支 援 18 看 護 職 員 の 就 労 環 境 改 善 運 動 推 進 特 別 20 歯 科 医 療 安 全 管 理 体 制 推 進 特 別 21 在 宅 歯 科 医 療 連 携 室 整 備 22 地 域 災 害 拠 点 病

資料8(第2回水害WG)

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●電力自由化推進法案

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第7章

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東京事務所BCP【実施要領】溶け込み版

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

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その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

1 異 動 の 規 模 等 (1) 異 動 規 模 ( 知 事 部 局 ) (2) 昇 任 の 状 況 ( 知 事 部 局 ) ( 単 位 : 人 ) ( 単 位 人 ) 異 動 内 容 H H 増 減 事 務 (うち 男 性 ) (うち 女 性 ) 技 術 (うち 男 性

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(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

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小 売 電 気 の 登 録 数 の 推 移 昨 年 8 月 の 前 登 録 申 請 の 受 付 開 始 以 降 小 売 電 気 の 登 録 申 請 は 着 実 に 増 加 しており これまでに310 件 を 登 録 (6 月 30 日 時 点 ) 本 年 4 月 の 全 面 自 由 化 以 降 申

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預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

市 の 人 口 密 度 は 5,000 人 を 超 え 図 4 人 口 密 度 ( 単 位 : 人 /k m2) に 次 いで 高 くなっている 0 5,000 10,000 15,000 首 都 圏 に 立 地 する 政 令 指 定 都 市 では 都 内 に 通 勤 通 学 する 人 口 が 多

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(3) 仕 事 ( 結 果 の 概 要 12~ ページ 参 照 ) 有 業 者 の 仕 事 間 は 男 女 共 に 平 成 13 年 まで 減 少 が 続 き,18 年 で 増 加 したが,23 年 で 再 び 減 少 平 成 23 年 の 有 業 者 の 仕 事 間 は 男 性 が6 間 56,

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学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う文部科学省関係省令の整備に関する省令等について(通知)

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

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頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮


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特 集 東 日 本 大 震 災 からの 復 興 と 防 災 対 策 それぞれ 一 人 としてカウントされ) (3) 調 査 結 果 1 累 積 人 数 累 積 人 数 平 成 23 年 7 月 1 日 まで 10 月 1 日 まで 1 月 4 日 まで 3 月 31 日 まで 岩 手 県 14,99

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公表表紙

別 添 1 女 性 国 家 公 務 員 の 登 用 状 況 資 料 1 指 定 職 に 占 める 女 性 の 割 合 は3.0%( 平 成 27 年 11 月 1 日 現 在 ) ( 前 年 9 月 1 日 現 在 から0.2ポイント 増 ) 本 省 課 室 長 相 当 職 以 上 に 占 める 女

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様 式 5 平 成 28 年 度 NOSAI 夏 期 臨 床 実 習 事 前 アンケート * 申 込 をした 方 に を 付 けてください スタンダード 編 ステップアップ 編 氏 名 所 属 大 学 学 年 1. NOSAI 夏 期 臨 床 実 習 への 参 加 を 希 望 する 理 由 動 機

大 阪 福 岡 鹿 児 島 前 頁 からの 続 き 35

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東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 による 未 曾 有 の 被 害 に 対 しては 日 本 の 力 を 集 めて 早 急 に 復 旧 復 興 に 取 りかからなければなりません そ の 際 は 被 災 地 を 原 形 復 旧 するのではなく 新 たな 地 域 社 会 の 再 生 を 目 指 し

目 次 1.はじめに 1 2. 花 粉 発 生 源 対 策 に 関 する 基 本 方 針 (1) 花 粉 発 生 源 対 策 の 現 状 と 課 題 2 (2) 花 粉 発 生 源 対 策 に 関 する 基 本 的 な 考 え 方 6 3. 花 粉 発 生 源 対 策 区 域 (1) 花 粉 症 対

03 平成28年度文部科学省税制改正要望事項

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目 次 高 山 市 連 結 財 務 諸 表 について 1 連 結 貸 借 対 照 表 2 連 結 行 政 コスト 計 算 書 4 連 結 純 資 産 変 動 計 算 書 6 連 結 資 金 収 支 計 算 書 7

(2) 保 育 料 等 減 免 措 置 に 関 する 調 書 (3) 地 方 税 法 ( 昭 和 25 年 法 律 第 226 号 ) 第 5 条 第 2 項 第 1 号 に 規 定 する 市 町 村 民 税 の 課 税 の 状 況 を 証 明 する 書 類 又 は 生 活 保 護 法 ( 昭 和

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事 業 者 所 在 地 事 業 者 名 役 職 電 話 番 号 メールアドレス( 当 局 が 提 供 したデ ータから 変 更 等 があれば 入 力 を 行 うこと) アンケート 設 問 数 : 全 27 問 程 度 当 該 データをとりまとめる 際 は 必 ず2 名 以 上 によるデータのチェック

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ニュースリリース

幼 稚 園 教 育 と 小 学 校 教 育 との 連 続 性 幼 稚 園 における 教 育 は 義 務 教 育 就 学 前 の 教 育 として 極 めて 重 要 な 役 割 を 担 っ ていることから 子 どもの 発 達 の 連 続 性 を 踏 まえ 小 学 校 教 育 との 連 続 性 を 意 識

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住み慣れたこの町で最期まで 安心して暮らすために

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地域再生計画



平 成 施 策 マネジメントシート2 ( 平 成 22 年 度 目 標 達 成 度 評 価 ) 3 計 画 期 間 で 解 決 すべき 施 策 の 課 題 ( 総 合 計 画 書 より) 商 工 会 議 所 商 工 会 に 対 し 商 工 業 者 のアドバイザーとしての 役 割 強 化 を 働 きか

Transcription:

笑 顔 でつなぐ 地 域 と 未 来 鴨 川 市 漁 業 協 同 組 合 女 性 部 部 長 橋 本 みつ 子 1. 地 域 の 概 要 私 たちの 住 む 鴨 川 市 は 太 平 洋 に 面 する 房 総 半 島 南 部 に 位 置 し 岩 礁 域 と 砂 浜 域 とで 構 成 される 美 し い 海 岸 線 から 山 間 部 に 至 るまで 自 然 は 変 化 に 富 ん でいる( 図 1) そして 主 な 産 業 は 農 業 漁 業 観 光 業 である 農 業 では 稲 作 が 盛 んで 長 狭 米 とい うブランド 米 山 間 部 には 棚 田 大 山 千 枚 田 ( 千 葉 県 の 指 定 名 勝 )がある 観 光 では 全 国 的 に 有 名 な 鴨 川 シーワールド 日 蓮 上 人 ゆかりの 誕 生 寺 な どがある 温 暖 な 気 候 と 豊 かな 自 然 に 恵 まれ 文 化 人 を 含 む 都 会 からの 移 住 者 も 多 い 図 1 鴨 川 市 の 位 置 2. 漁 業 の 概 要 漁 業 は 鴨 川 市 の 基 幹 産 業 の 一 つである 生 産 量 の 多 い 魚 種 は カタクチイワシ サバ 類 ブリ 類 マアジなど また イセエビ アワビ ヒジキなどの 磯 根 資 源 も 豊 富 である 私 達 が 所 属 する 鴨 川 市 漁 業 協 同 組 合 は 組 合 員 数 1354 名 ( 平 成 22 年 度 末 ) 県 内 でも 規 模 が 大 きい 漁 協 であり 女 性 が 組 合 長 を 務 める 全 国 で 唯 一 の 漁 協 である 主 な 漁 業 種 類 は まき 網 定 置 網 小 型 船 による 一 本 釣 り さし 網 採 貝 漁 業 である 平 成 22 年 度 の 水 揚 量 は 1 万 トン 水 揚 金 額 は 23 億 円 であった 3. 研 究 グループの 組 織 と 運 営 鴨 川 市 漁 協 女 性 部 ( 前 婦 人 部 )は 昭 和 32 年 に 部 員 数 30 名 で 発 足 した 現 在 の 部 員 数 は 73 名 役 員 は 部 長 1 名 副 部 長 1 名 会 計 1 名 である 女 性 部 活 動 の 重 要 性 について は 地 元 でも 十 分 な 理 解 を 得 ており 活 動 資 金 を 含 め 組 合 から 支 援 を 受 け 部 員 間 の 話 し 合 いを 大 切 にしながら 運 営 を 続 けてきてい る これまでの 主 な 活 動 は 女 性 部 員 同 士 の 親 睦 を 図 ること 共 済 加 入 や 貯 蓄 の 推 進 農 業 者 との 交 流 魚 食 普 及 や 水 産 物 の 消 費 拡 大 PRなどである( 図 2) なかでも 料 理 講 習 会 やメニュー 開 発 等 を 通 じた 魚 食 普 及 と 産 業 祭 等 での 鴨 川 の 海 の 幸 の PRにつ いては 長 年 に 渡 って 取 り 組 んでいる 図 2 農 漁 家 交 流 会 1

4. 研 究 実 践 活 動 の 取 組 課 題 選 定 の 動 機 鴨 川 市 漁 協 では 実 に 様 々な 種 類 の 魚 が 水 揚 げされる また 種 類 が 豊 富 なだけで なく 定 置 網 や 巻 き 網 に 入 るサバやブリな どは 量 的 にも 多 い( 図 3) さらに 小 型 船 では 冬 にはサバ 春 先 にはカツオ 夏 ~ 秋 はイカなど その 季 節 ならではの 魚 が 水 揚 げされる( 図 4) 最 近 は 魚 の 消 費 量 が 減 り 若 い 人 が 魚 を 食 べない と 耳 にすることが 多 い マグ ロの 刺 身 やサケの 切 り 身 などは 良 く 売 れてい るようだが 調 理 に 一 手 間 かかる 丸 のまま のアジやサバなどは 以 前 ほど 売 れなくなっ ているらしい 食 糧 自 給 率 という 言 葉 が 頭 をかすめるが それよりも なんてもっ たいない 地 元 であがる 新 鮮 な 季 節 の 魚 を 食 べないなんて と 思 う 女 性 部 のメンバーは 旬 の 魚 はもちろん 季 節 外 れで 脂 ののりが 今 ひとつな 魚 であっ ても 工 夫 し おいしく 食 べる 術 を 持 って 図 3 定 置 網 のサバ いる 図 4 小 型 船 ( 一 本 釣 り)のカツオ 私 達 の 調 理 指 導 はささやかではあるが 若 い 人 がおいしく 魚 を 食 べられるように そして 漁 師 が 魚 を 獲 り 続 けていけるように 縁 の 下 で 支 える 力 になりたいと 思 っている 5. 研 究 実 践 活 動 の 状 況 及 び 成 果 と 波 及 効 果 鴨 川 の 素 晴 らしい 海 の 幸 を 若 い 人 や 都 市 部 の 人 にもっと 知 ってもらいたい たくさん 食 べてもらいたい そう 思 って 子 供 達 への 魚 の 調 理 指 導 やイベントへの 参 加 などの 活 動 を 長 いものは 25 年 にわたって 地 道 に 続 けてきた 長 年 継 続 していく 中 で 部 員 も 年 を 重 ね 活 動 に 参 加 できるメンバーが 固 定 的 になって きたが それぞれが 持 ち 味 を 活 かして チームワーク 良 く 取 り 組 んでいる 今 や 私 達 は 鴨 川 市 漁 協 の 顔 であり 地 域 のいわば 交 流 大 使 として 組 合 から も 鴨 川 市 からも 頼 りにされていると 自 負 している (1) 長 年 行 ってきた 都 市 部 との 交 流 鴨 川 市 は 姉 妹 都 市 の 東 京 都 荒 川 区 と 交 流 が 長 年 続 いており 交 流 行 事 の 一 端 を 女 性 部 が 担 ってきた 荒 川 区 で 実 施 される 川 の 手 まつり には 昭 和 62 年 から 参 加 し 鴨 川 で 獲 れた 魚 の 干 物 などを 販 売 し 毎 回 好 評 である 2

平 成 2 年 平 成 21 年 3 子 供 達 の 体 験 学 習 自 然 まるかじり 体 験 塾 も 今 年 で 25 回 となった これは 夏 休 みに 荒 川 区 の 小 学 校 4 年 生 以 上 の 子 供 達 が 数 十 人 鴨 川 に 来 て 市 内 の 農 家 に2 泊 して 農 業 や 農 村 生 活 の 体 験 をし 最 終 日 に 漁 船 乗 船 体 験 や 魚 調 理 体 験 などを 行 うもの である 最 終 日 の 会 場 は 漁 協 の 市 場 なので 水 揚 げの 様 子 や 選 別 された 魚 も 見 ることが できる この 中 で 私 達 は イカの 塩 辛 作 りや アジのたたき 作 りなどの 指 導 と 昼 食 の 用 意 を 担 当 している 調 理 指 導 では 魚 に 触 るのは 初 めてという 子 が 多 いが どの 子 も 興 味 津 々で 熱 心 に 取 り 組 み 皮 がむきづらい ( 食 べられるところ が) 小 さくなっちゃった などと 言 いながら も 丸 のままのイカやアジを 上 手 におろせる ようになっていく( 図 5) 昼 食 は 前 日 に 下 ごしらえしたサバの 竜 田 揚 げや アジのたたき イカご 飯 やワカ メご 飯 などをふるまう 海 を 眺 めながら 友 達 と 一 緒 に 食 べるご 飯 は 食 が 進 むようで 何 度 もおかわりに 来 る 子 もいる どの 子 も 魚 をおいしそうに 食 べてくれる 調 理 指 導 や 食 事 の 折 に 子 供 達 に 話 しかけ ると 楽 しかった 家 でつくってみたい 平 成 21 年 嫌 いだったけど 食 べてみたらおいしか 図 5 自 然 まるかじり 体 験 塾 今 昔 った などの 声 が 聞 かれる また 前 年 に 参 加 して 楽 しかったから また 来 た という 子 もいて うれしくなる 自 分 で 作 ったイカの 塩 辛 は お 土 産 に 持 ち 帰 るので 家 で 待 っていた 家 族 と 一 緒 に 食 べ ながら 鴨 川 の 思 い 出 に 話 がはずむことだろう 都 会 の 子 供 達 は 普 段 の 生 活 の 中 で 食 物 の 生 産 現 場 を 知 る 機 会 は 少 ない 目 の 前 の 食 品 が 元 々はどんな 姿 で 生 きていたのか その 作 物 や 家 畜 や 魚 は どんな 人 がどうやって 作 っ たりとったりしているのか この 体 験 学 習 を 通 して そのつながりを 実 感 してもらいたい 都 会 の 生 活 も 農 山 漁 村 の 営 みが 支 えていること 食 料 生 産 の 大 切 さを 分 かってほしい そう 願 って この 交 流 に 長 年 携 わってきた 25 回 も 続 けてくると 子 供 の 頃 に 体 験 した 子 が 親 になり ちょうどその 子 供 達 が 参 加 してくる 頃 である 鴨 川 での 体 験 が 親 から 子 に 伝 わっていることを 願 っている そして 毎 年 毎 年 新 しい 出 会 いがあることを 楽 しみにしている

(2) 鴨 川 の 海 の 幸 の PR 活 動 毎 年 6 月 に 行 われる 地 元 鴨 川 の 産 業 祭 シーフェスタ in 鴨 川 には 昭 和 60 年 の 第 1 回 から 参 加 し 鮮 魚 などの 販 売 を 通 して 鴨 川 の 海 の 幸 の PR を 行 っている ( 図 6,7) 今 年 度 産 業 祭 は 震 災 のため 中 止 となったが 急 遽 地 元 で 企 画 された 6 月 の 東 日 本 復 興 チャリティー 元 気 鴨 川 2011 や 8 月 の 間 寛 平 アースマラソン 完 走 記 念 イベント in 鴨 川 に 参 加 した( 図 8) このように 地 元 でイベントがあればで 図 6 産 業 祭 ( 平 成 2 年 ) きるだけ 参 加 し 鴨 川 産 水 産 物 の 魅 力 と 浜 の 元 気 を 多 くの 人 に 伝 えたいとがんばっている 今 年 3 月 11 日 に 起 きた 東 日 本 大 震 災 では 千 葉 県 でも 津 波 や 液 状 化 により 大 きな 被 害 を 受 けた 追 い 打 ちをかけるように 福 島 第 一 原 発 事 故 の 影 響 で 千 葉 の 魚 が 売 れなくなったり 価 格 が 下 がったりした 鴨 川 では 観 光 客 の 姿 が 減 り まち 全 体 がなんとなく 元 気 がなくなり 漁 師 の 間 にも 不 安 が 広 がっていた そのなかで 女 性 部 員 は 鴨 川 の 漁 業 のため まち のために 自 分 たちでできることをなんでも 一 生 懸 命 にやりたいと 思 っていた そこで 千 葉 を 元 気 に 千 葉 から 日 本 を 元 気 に しようと 千 葉 県 が 行 っていた がんばろう! 千 葉 キ 図 7 シーフェスタ(H22) ャンペーンに 協 力 し 都 市 部 のスーパーで 鴨 川 産 の 鮮 魚 を PRした( 図 9) 当 日 は 新 鮮 な 鴨 川 産 のアジ サバ ワラサ(ブリ)が 鮮 魚 コーナーに 並 んだ 鴨 川 の 魚 を 目 当 てに 来 店 し 私 達 にエールを 送 って くれる 方 がいる 一 方 干 物 や 調 味 済 みの 切 身 ばかりを 手 に 取 る 方 も 多 く どうにかこの 機 会 に 鴨 川 の 魚 のお いしさを 知 ってもらいたいという 思 いが 強 くなった 浜 の 母 さんの 明 るい 声 と 笑 顔 で ブリの 刺 身 やアジ のたたきの 試 食 をすすめ 生 きの 良 い 鴨 川 の 魚 のおい しさを 実 感 してもらった さらに おいしい 食 べ 方 や 簡 単 な 料 理 法 を 紹 介 すると それなら 私 も 家 ででき る と 安 心 し 嬉 しそうに 購 入 してくれた 思 えば 昔 ながらの 魚 屋 さんは 今 晩 のおかず 何 にしようかしら と 悩 むお 客 さんに 対 し 本 日 のお 勧 め 品 と 好 みの 料 理 法 を 伝 えて 販 売 していた 魚 は 同 図 8 8 月 のイベント じ 種 類 でも 獲 れる 場 所 や 時 季 によって 味 が 異 なるの 4

で 物 だけを 売 るのでなく 調 理 法 等 おいしく 食 べるための 情 報 を 一 緒 に 売 ること が 大 切 であり 消 費 者 と 売 り 手 とのさりげないコミュニケーションを 通 じてお 互 いの 信 頼 が 深 められていると 実 感 した 今 後 情 報 を 添 えて 売 る 努 力 をはじめ 消 費 者 とのコミュ ニケーションをさらに 大 事 にしていきたいと 思 った また 震 災 の 影 響 で 沈 滞 した 地 域 経 済 を 盛 り 立 てるため 鴨 川 市 が 農 協 や 漁 協 観 光 サイドと 連 携 し て 企 画 した ばらま つり( 埼 玉 県 ) への 参 加 や 千 葉 県 庁 で の PR イベントにも 協 力 し 鴨 川 産 の 干 物 などを 販 売 した 干 物 は 大 変 好 評 で あっという 間 に 売 り 切 れた おすすめ 力 に 長 けた 部 員 のおかげでもある 図 9 がんばろう! 千 葉 6. 今 後 の 課 題 や 計 画 と 問 題 点 約 10 年 前 には90 名 程 いた 部 員 も 徐 々に 減 少 し 現 在 は73 名 平 均 年 齢 は71 歳 である また 部 員 は 水 揚 げの 手 伝 いや 漁 業 以 外 の 仕 事 で 家 計 を 支 えたり 子 ( 孫 ) 育 てや 介 護 などにも 忙 しく 活 動 に 参 加 するメンバーは 固 定 化 している 漁 業 者 の 減 少 高 齢 化 とともに 漁 協 女 性 部 員 の 減 少 は 多 くの 漁 村 地 域 での 共 通 の 悩 みではあるが 鴨 川 では 明 るい 兆 しも 見 られる まき 網 や 定 置 網 の 乗 り 子 として 若 者 が 多 数 就 業 するようになり 正 組 合 員 として 定 着 し ている 者 もいる 彼 らの 中 には 仕 事 が 終 わった 後 や 休 日 海 士 漁 などをする 者 も 多 く 年 配 の 漁 師 から 海 が 好 きで 良 く 働 く と 好 意 的 に 評 価 されている 彼 らの 存 在 が 同 年 代 の 仲 間 がいるという 安 心 感 につながり 地 元 漁 師 の 後 継 者 の 定 着 を 促 すように 働 くことを 期 待 している そして 女 性 部 にも 彼 らの 奥 さん 達 に 入 ってきてもらいたい 私 達 は 若 い 人 達 が 気 軽 に 話 しかけやすい 頼 れる お 母 さん でありたい 奥 さん 達 も 育 児 や 仕 事 で 忙 しいの で すぐにとはいかないだろうが 料 理 講 習 会 など 交 流 する 機 会 を 設 けることから 考 えて いきたい そこから 少 しずつ 女 性 部 の 活 動 に 加 わってくれたらと 願 っている 女 性 部 の 活 動 は 大 変 と 思 えば 大 変 かもしれないが 実 際 にやってみると 地 元 の 人 や 子 供 達 との 交 流 はとても 充 実 感 があるので 若 い 人 にもぜひ 味 わってもらいたい 鴨 川 は 千 葉 県 の 中 でも 都 会 と 田 舎 ( 農 村 漁 村 )と 観 光 地 がいい 形 で 融 和 している 所 である 昔 からの 伝 統 的 な 漁 村 でも 新 しい 形 の 漁 村 女 性 の 活 動 が 芽 生 えることを 期 待 しながら 私 達 らしい 活 動 を 続 けていきたい 5