各 部 の 名 称
日 常 点 検 点 検 は 航 走 時 のエンジントラブル 防 ぐ 為 にも 又 長 時 間 にわた る 船 舶 の 保 全 の 為 にも 絶 対 欠 かす 事 の 出 来 ない 項 目 です 今 回 は ヨット 補 機 の 基 本 的 な 点 検 と 方 法 について ご 説 明 し ます 駆 動 ベルトの 点 検 オイル/オイルフィルターの 点 検 交 換 燃 料 フィルターの 点 検 交 換 スターンチューブの 点 検 交 換 冷 却 水 ポンプのインペラ 点 検 交 換 ジンクの 点 検 交 換 エアーフィルターの 点 検 交 換 バッテリー
駆 動 ベルトの 点 検 駆 動 ベルトは オルタネーター( 発 電 機 )と 冷 却 水 ポンプを 動 かす2 本 で 構 成 されています これ らが 動 作 不 良 になると バッテリーに 充 電 できなくなったり 冷 却 水 が 循 環 せずオーバーヒートして しまう いずれのベルトも たわみ 代 は10mmが 適 正 張 りすぎるとベルトが 傷 むし 緩 いとプーリーが 空 転 する 冷 却 水 ポンプの 中 にあるインペラ( 回 転 して 水 を 送 る)と 共 に これら2 本 のベルトは 必 ず 予 備 を 持 っていたい ベルトの 厚 さはプーリーの 溝 と 一 致 していること それより 薄 くなり ベル トの 内 面 がプーリーの 底 に 当 たるようになったら 交 換 する ( 図 -1) メーカーでは250 時 間 ごとの 点 検 を 指 定 しているが 出 港 前 には 必 ずベルトの 張 り 具 合 と 厚 さを 確 認 したい 写 真 では 厚 みは 問 題 ないが10mm 以 上 たわみがある 中 央 がエンジン 動 力 を 伝 えるクランク 軸 プーリー 右 上 が オルタネーターのプーリーで 左 下 が 冷 却 水 のプーリー メーカー 指 定 の 点 検 時 期 :250 時 間 ごと プーリーの 溝 にサビが 生 じている 長 い 間 乗 らな かった 証 拠 であり トラブルの 原 因 にもなる たわみ 代 の 調 節 やベルトを 交 換 するときは オルタネーターや 冷 却 水 ポンプを 固 定 しているボルトをゆるめる 再 び 固 定 するときはハンマーの 柄 などを 使 い オ ルタネーターや 冷 却 水 ポンプをテコの 原 理 で 持 ち 上 げ ベルトのテンションを 保 ちながらボルト 締 めする 写 真 のようにヨットのエンジンルームは 狭 く カバーも3 ~4 面 にわかれていることが 多 い エンジンをメインテナンスするときは 面 倒 が らずカバーすべてを 開 けた 方 が 作 業 しやすい エンジン 始 動 後 は 必 ず 冷 却 水 排 水 口 で 排 水 状 態 をチェック 走 行 中 もときどき 見 るクセをつけたい いつもに 比 べて 排 水 の 出 が 悪 い 場 合 は 駆 動 ベルトの 不 良 また はインペラのトラブルが 考 えられる
オイルの 点 検 と 交 換 どんなにものぐさでも 車 に 乗 る 人 ならエンジンオイルの 交 換 時 期 くらいは 頭 にあるはず 沖 にはガソリンスタンドなんてないのだから 予 備 のオイルは1 缶 持 っていたい レベルチェックは 自 動 車 と 同 じ 要 領 ついでにクラッチオイル(ギアオイル)も 見 ておこう オイル 交 換 には 手 動 から 電 動 まで さまざまなポンプが 売 られているので 自 分 で 簡 単 に 行 える オイルのレベルチェックは 自 動 車 とまったく 同 じ ガソリ ンエンジンと 異 なり ディーゼルエンジンのオイルは 見 た だけでは 汚 れ 具 合 がよくわからない メーカー 指 定 の 交 換 時 期 を 守 り 走 行 距 離 に 関 係 なくこまめに 交 換 しよう なお オイルの 量 は 多 すぎてもよくない レベルゲージ どうりに 入 れること メーカー 指 定 の 点 検 時 期 油 量 点 検 : 毎 日 エンジン 後 部 にあるクラッチおい るの 点 検 も 忘 れずに 2GMの 場 合 エンジンオイルと 同 じものを 使 用 する 交 換 : 100 時 間 ごと(クラッチは250 時 間 ごと) * 進 水 後 の 第 1 回 目 はそれぞれ50 時 間 後 に 行 う 油 量 :2リットル(クラッチ:0.25リットル)*2GM これは 手 動 式 のオイルチェンジゃー 一 度 ポンピングして 圧 を 加 えると あと は 自 動 的 に 吸 い 出 してくれ 廃 油 も 本 体 に 収 容 する このほか 電 動 式 のもの もある 給 油 口 はエンジン 上 部 にある のでヨットのように 狭 いエンジンルーム では それに 合 った 給 油 ジョッキーを 用 意 しておこう
オイルフィルターの 交 換 メーカー 指 定 の 交 換 時 期 :250 時 間 ごと フィルターにゴミが 詰 まると ろ 過 されない 汚 れたオイルがエンジン 各 部 に 循 環 してしまう 2GMの 場 合 オイルフィルターはオルタネー ターの 下 に 設 置 されている 交 換 するにはフィルターレンチが 必 要 で これはカーショップなどで 手 に 入 る 上 架 整 備 したときにマリー ナなどから 借 りてもよいだろう 作 業 はオイル 交 換 時 の 排 出 後 にすること それでも 残 油 が 垂 れるので フィルターの 下 にウエスを 敷 く オイルフィルターの 交 換 にはフィルターレンチが 必 要 スパナのようにサイズごと のレンチもあるが 写 真 左 のようにカミ 合 わせ 式 のフリーサイズもある オイルフィルターはオルタネーターの 下 ちょっと 目 立 たない 場 所 にある フィルターレンチで1 回 緩 めれば あとは 手 で 回 しながら 外 せる 新 しいフィルターは 締 め 付 け 時 に 摩 擦 が 生 じないようラバーリン グ 部 分 にエンジンオイルを 塗 り 付 ける オイルフィルター 交 換 後 オイル 漏 れがないか 要 確 認!!
燃 料 フィルターの 点 検 と 交 換 冒 頭 で 述 べたように 新 艇 時 の 燃 料 タンクには 製 造 工 程 で 生 じた 粉 塵 が 残 っている 場 合 がある 進 水 後 早 い 時 期 に 燃 料 フィルターをチェックしたい それ 以 後 も 点 検 時 期 が 来 たらエ レメントやエレメントケース 内 にゴミや 水 がたまっていたら 掃 除 し 汚 れがひどいときはエレメントを 交 換 する 燃 料 フィルターは 燃 料 タンクのコックを 閉 じてから 外 し 点 検 後 ふたたび 取 り 付 けたら 燃 料 経 路 のエアー 抜 きを 行 う (ディーゼルエンジンは 燃 料 にエアが 混 じるとエンストする) 燃 料 が 流 れる 経 路 は 図 2のとうり エア 抜 きの 手 順 は (1) 燃 料 コック 上 部 のプラグを 緩 める (2) 燃 料 コックを 開 け プライミングポンプのレバーを 上 下 さ せて 燃 料 を 送 る (3) 緩 めたプラグから 気 泡 まじりの 燃 料 がにじみ 出 るので 気 泡 がなくなるまで 燃 料 を 送 り 続 ける (4) 気 泡 が 確 認 されなくなったらプラグを 締 める (5) 燃 料 噴 射 ポンプ 入 り 口 プラグで 同 じ 作 業 を 行 う 又 ウォーターセパレーター( 油 水 分 離 器 )を 取 り 付 けている 艇 は 普 段 こまめにレベルゲージに 合 わせてドレン( 汚 水 ) 抜 きを 行 う 古 い 艇 に 多 いのが 燃 料 取 り 入 れ 口 のパッキンが 消 耗 して 生 じる 海 水 や 雨 水 の 浸 入 ひどいときは 回 転 が 不 均 等 になってエンストを 起 こす こんなときもプライミングポンプを 使 い 根 気 よく 燃 料 すべ てを 交 換 しなくてはならない メーカー 指 定 の 点 検 時 期 燃 料 フィルター 内 の 掃 除 :100 時 間 ごと エレメントの 交 換 :250 時 間 ごと ドレン 抜 き: 毎 日 フィルター 交 換 後 の 燃 料 漏 れ 要 確 認!!
スターンチューブの 点 検 プロペラシャフトが 通 るスタンチューブ 内 のグランドパッキン は 海 水 をほどよく 取 り 入 れながら 回 転 するプロペラシャフト とスターンチューブとの 摩 擦 を 防 いでいる( 図 -4 参 照 ) グランドパッキンは 調 整 ナットで 締 め 付 けられている 締 め すぎると 海 水 を 取 り 込 めないので 加 熱 してしまい やがては プロペラシャフトを 損 傷 させる 新 艇 出 荷 時 には 締 め 切 って ある 場 合 が 多 く うっかりすると 進 水 当 日 からグランドパッキ ンを 痛 めてしまう グランドパッキンの 調 整 は 機 走 中 数 秒 に1~2 滴 ほど 海 水 がスターンチューブから 漏 れ なおかつ 停 泊 中 や 帆 走 中 にはほとんど 漏 れない 程 度 と 微 妙 なもの 新 艇 時 や 交 換 時 は グランドパッキンをなじませるために 漏 れ 具 合 を 少 々 多 目 にしておき あとで 再 調 整 する( 停 泊 した 状 態 でも 大 量 に 漏 れがある 場 合 放 っておくと 水 没 する 恐 れがある 上 架 保 管 艇 がロングクルージングに 出 るときも 要 注 意 ) 漏 れ 具 合 はスターンチューブの 入 り 口 付 近 で 確 認 するが にじみ 出 てきた 海 水 が 真 下 に 垂 れるとはかぎらず スターン チューブを 伝 わって 後 方 に 流 れていくこともある 見 るだけ でなく 指 でさわって 確 認 したい ( 交 換 要 領 ) 軸 受 け 台 座 外 側 (オス 側 ) 左 右 にあ る2 個 1 組 になった 互 い 締 めのナット で 漏 れ 具 合 を 調 整 する 写 真 の 軸 受 け 台 座 は 緑 錆 ( 腐 食 )が 出 てい るので 磨 き 落 としたいところ プロペ ラシャフト 自 体 に 腐 食 が 生 じていな ければ 問 題 ない 調 整 ナットを 外 したところ スタ ンチューブとプ ロペラシャフト の 間 に 白 い グランドパッキ ンが 詰 まってい る 水 漏 れが 多 くなり 軸 受 け 台 座 のオスと メスの 隙 間 ( 調 整 代 )がなく なったらグラン ドパッキンは 交 換 時 期 にある
冷 却 水 ポンプのインペラ 交 換 駆 動 ベルトのところで 述 べたように 冷 却 水 ポンプ 内 のインペラは 常 時 予 備 を 持 っておきたい 冷 却 排 水 の 出 が 悪 いようなら 冷 却 水 ポンプ 内 にゴミなどが 詰 まってインペラが 動 作 不 良 を 起 こしている 可 能 性 があり 損 傷 していたら 交 換 だ 当 然 だが 冷 却 水 ポ ンプ 内 を 調 べるときは 冷 却 水 取 り 入 れバルブを 閉 めてから 行 うこと また トラブルがなくてもメーカーではインペラに 関 して 以 下 のようなメインテナンスを 指 定 している メーカー 指 定 の 点 検 時 期 :500 時 間 ごと (1000 時 間 ごとに 交 換 ) 裏 ブタを 開 けるとインペラが 現 れる( 黒 い 歯 車 ) 交 換 時 にはポン プ 軸 とインペラのハメ 合 わせ 部 分 そして 新 しいインペラと 裏 ブタ (パッキン)が 接 合 する 部 分 (その 反 対 側 も)にグリースを 塗 る イン ペラの 羽 根 の 向 きを 覚 えておき 新 しいインペラを 回 転 方 向 にあ わせてネジ 込 む 冷 却 水 ポンプを 外 し インペラ 取 り 出 すため 裏 ブタを 見 せたところ 駆 動 ベルトとエンジンへ 向 かう 冷 却 水 パイプも 外 している 写 真 のように 透 明 の 冷 却 水 取 り 入 れパイプを 使 えば 水 の 流 れ 具 合 やゴミの 詰 りが 確 認 できる インペラ 交 換 後 は 水 漏 れ 要 確 認!!
ジンク( 防 蝕 亜 鉛 )の 交 換 吸 気 サイレンサー(エアフィルター)の 点 検 プロペラシャフト 同 様 エンジンも 海 水 ( 冷 却 水 )に 触 れている 状 態 なので 腐 食 を 防 ぐためにジンクを 取 り 付 けてある(シリン ダーヘッド シリンダーブロックの2ヶ 所 ) メーカー 指 定 の 交 換 時 期 は500 時 間 ごととなっているが 海 水 の 性 質 や 運 転 状 況 によって 減 り 具 合 は 異 なる プロペラシャフトの 減 り 具 合 に 合 わせて いっしょに 点 検 しておこう(シリンダーヘッドのジン クはヘッドを 分 解 したときに 点 検 する) この 点 検 は 自 動 車 とまったく 同 じ 要 領 でやればよい エレメ ントの 汚 れがひどくなるとエンジンが 不 完 全 燃 焼 を 起 こし 排 気 が 黒 くなる 点 検 して 汚 れていたら 中 性 洗 剤 で 洗 浄 ひ どいときは 交 換 する メーカー 指 定 の 点 検 時 期 :250 時 間 ごと 使 用 中 のジンクを 取 り 出 したところ 右 は 新 品 ジンク 交 換 時 期 は 亜 鉛 の 量 が1/2 以 下 になったときが 目 安 残 量 に 余 裕 があるとき は 表 面 の 汚 れを 掃 除 しておく 自 動 車 と 異 なり 海 上 では 路 上 のホ コリと 無 縁 のよう な 気 がするが エ レメントを 長 期 使 用 するとボロボロ になっている 2GMのジンクは 白 地 に 赤 字 で 示 されており ボルト 締 めになっている 写 真 はシリンダーヘッドのジン ク(ヘッドを 分 解 したとき に 点 検 ) シリンダーブ ロックのジンクは 燃 料 パイ プが 邪 魔 をして 写 真 のよ うなソケットレンチが 入 ら ないのでスパナを 使 う 吸 気 サイレンサーのカ バーを 外 す やり 方 は 自 動 車 と 同 じだ
いざというときのために バッテリーのメンテナンスも 怠 りなく ターミナル バッテリーケーブルの 端 子 を 磨 く 船 を 離 れるときにはターミナルからケーブルを はずしておきましょう 参 考 資 料 :ヤンマーディーゼルエンジン 取 扱 書 /KAJI 1984.3 月 号 ~1986,8 月 号