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●電力自由化推進法案


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2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 ( 単 位 : ) 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 185,8 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41

4-3-4共立蒲原総合病院組合職員の育児休業等に関する条例

別 表 1 土 地 建 物 提 案 型 の 供 給 計 画 に 関 する 評 価 項 目 と 評 価 点 数 表 項 目 区 分 評 価 内 容 と 点 数 一 般 評 価 項 目 立 地 条 件 (1) 交 通 利 便 性 ( 徒 歩 =80m/1 分 ) 25 (2) 生 活 利 便

1 支 給 認 定 新 制 度 では 幼 稚 園 ( 新 制 度 に 移 行 する 幼 稚 園 のことで 以 下 同 じ) を 利 用 する 場 合 には お 住 まいの 市 町 村 から 支 給 認 定 証 の 交 付 を 受 ける 必 要 があります 認 定 の 区 分 は 年 齢 や 保 育

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(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている 総 合 的

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2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与

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は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

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少子化の急速な進行は、労働力人口の減少、高齢者比率の上昇や市場規模の縮小、現役世代の負担の増大などにより、経済成長へのマイナス効果や地域社会の活力低下、子どもの健全な成長への悪影響など、将来の我が国の社会経済に深刻な影響を与えると懸念されています

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(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 (H20.4.1) 96.7 (H25.4.1) (H25.7.1) (H25.4.1), (H25.4.1) 参 考 値 98.3 (H25.7.1) (H20.4.1) (H25.4

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墨 田 区 利 用 調 整 基 準 ( 選 考 基 準 ) () 基 準 指 数 提 出 書 類 を 基 に 保 護 者 の 状 況 の 類 型 を 決 め その 内 容 を 以 下 の 表 にあてはめて 父 母 それぞれの 指 数 を 合 算 し 世 帯 の 基 準 指 数 とします 保 護 者

職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 () 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 ( 年 4 月 日 現 在 ) 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 ( ベース) 44. 歳 6,4, 歳,44 4,7 7,6 4. 歳 7,

03 平成28年度文部科学省税制改正要望事項

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2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 ( 単 位 : ) 6 級 7 級 8 級 135, , ,900 2

っては 出 産 予 定 日 から 出 生 した 日 から 起 算 して8 週 間 を 経 過 する 日 の 翌 日 までとする ) の 期 間 内 に 当 該 子 に 係 る 最 初 の 育 児 休 業 を 開 始 し かつ 終 了 した 場 合 であって 当 該 子 に 係 る 再 度 の 育 児

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2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 現 況 ( 平 成 22 1 号 給 の 給 料 月 額 137,9 188,9 226,7 266,4 294,3 最 高 号 給 の 給 料 月 額 247,9 314,9 362,8 399,9 415,1 ( 注 ) 給 料 月 額 は 給 与 抑 制

らの 内 容 について 規 定 することとしております 今 回 お 示 しする 整 理 は 現 時 点 の 案 ですので あらかじめご 承 知 おき 下 さい 同 令 等 の 改 正 規 定 が 確 定 し 次 第 改 めてご 連 絡 をさせていただきます 記 1 軽 減 措 置 の 具 体 的 な

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官報掲載【セット版】

厚 生 年 金 は 退 職 後 の 所 得 保 障 を 行 う 制 度 であり 制 度 発 足 時 は 在 職 中 は 年 金 を 支 給 しないこととされていた しかしながら 高 齢 者 は 低 賃 金 の 場 合 が 多 いと いう 実 態 に 鑑 み 在 職 者 にも 支 給 される 特 別

3 職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 ( ベース) 43.7 歳 32, , ,321

第 一 子 ども 子 育 て 支 援 の 意 義 に 関 する 事 項 子 どもの 最 善 の 利 益 が 実 現 される 社 会 を 目 指 すとの 考 え 方 を 基 本 とする 障 害 疾 病 虐 待 貧 困 など 社 会 的 な 支 援 の 必 要 性 が 高 い 子 どもやその 家 族 を

3 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与 月 額

高松市緊急輸送道路沿道建築物耐震改修等事業補助金交付要綱(案)

別 添 1 女 性 国 家 公 務 員 の 登 用 状 況 資 料 1 指 定 職 に 占 める 女 性 の 割 合 は3.0%( 平 成 27 年 11 月 1 日 現 在 ) ( 前 年 9 月 1 日 現 在 から0.2ポイント 増 ) 本 省 課 室 長 相 当 職 以 上 に 占 める 女

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別紙3

[ 組 合 員 期 間 等 の 特 例 ] 組 合 員 期 間 等 については 年 齢 職 種 などにより 過 去 の 制 度 からの 経 過 措 置 が 設 けられ ており 被 用 者 年 制 度 の 加 入 期 間 ( 各 共 済 組 合 の 組 合 員 期 間 など)については 生 年 月 日

Transcription:

ISSUE BRIEF 保 育 制 度 の 現 状 と 課 題 国 立 国 会 図 書 館 ISSUE BRIEF NUMBER 667(2010. 1.28.) はじめに Ⅰ 保 育 サービスの 現 状 1 就 学 前 児 童 の 育 つ 場 所 2 保 育 施 設 3 多 様 な 保 育 サービス Ⅱ 保 育 制 度 をめぐる 諸 問 題 1 待 機 児 童 2 保 育 士 と 保 育 の 質 3 保 育 の 必 要 性 の 判 断 基 準 4 最 低 基 準 をめぐる 問 題 5 人 口 減 少 地 域 における 定 員 割 れ 問 題 6 保 育 料 の 滞 納 問 題 Ⅲ 保 育 制 度 改 革 の 動 き 1 社 会 保 障 審 議 会 少 子 化 対 策 特 別 部 会 による 第 1 次 報 告 2 第 1 次 報 告 に 対 する 期 待 と 問 題 点 おわりに 近 年 就 労 形 態 の 多 様 化 など 社 会 の 変 化 に 応 じて 様 々な 保 育 サービスが 実 施 されている また 従 来 から 保 育 サービスの 中 心 であった 保 育 所 の 需 要 も 女 性 の 社 会 進 出 などによる 共 働 き 世 帯 の 増 加 とともに 高 まり 保 育 所 の 定 員 や 入 所 児 童 数 は 年 々 増 加 している しかし 平 成 21 年 4 月 の 待 機 児 童 数 は 2 年 連 続 の 増 加 となった 主 に 都 市 部 に おいては 財 政 難 や 保 育 士 不 足 などから 受 入 児 童 数 の 増 加 が 需 要 に 追 いついてお らず 受 入 枠 のさらなる 拡 充 が 必 要 となっている 他 方 で 保 育 士 の 低 処 遇 と 保 育 の 質 の 低 下 保 育 の 必 要 性 の 判 断 基 準 や 保 育 環 境 に 係 る 最 低 基 準 の 問 題 人 口 減 少 地 域 での 定 員 割 れ 保 育 料 の 滞 納 など 保 育 制 度 は 様 々な 課 題 を 抱 えている 子 どもの 健 やかな 育 成 に 社 会 全 体 で 取 り 組 むため 保 育 サービスの 量 的 拡 充 と ともに 保 育 サービス 全 体 の 充 実 を 図 ることが 求 められている 社 会 労 働 課 の べ ( 野 辺 ひでとし 英 俊 ) 調 査 と 情 報 第 667 号

はじめに 女 性 の 社 会 進 出 や 経 済 情 勢 の 悪 化 による 共 働 き 世 帯 の 増 加 就 労 形 態 の 多 様 化 やひとり 親 世 帯 の 増 加 などによる 保 育 ニーズの 増 大 と 多 様 化 過 疎 地 域 における 少 子 化 の 影 響 によ る 保 育 機 能 の 低 下 などに 直 面 して 保 育 サービスは 大 きな 変 革 を 迫 られている 本 稿 では 様 々な 保 育 サービスの 現 状 を 概 観 した 上 で 現 在 の 保 育 制 度 をめぐる 諸 問 題 と 保 育 制 度 改 革 の 動 きについて 整 理 する Ⅰ 保 育 サービスの 現 状 1 就 学 前 児 童 の 育 つ 場 所 就 学 前 児 童 の 教 育 保 育 施 設 には 幼 稚 園 1 と 保 育 所 2 があり 平 成 11(1999) 年 及 び 平 成 21 年 の 年 齢 区 分 別 入 所 状 況 は 図 1 及 び 図 2 のとおりである 家 庭 等 で 保 育 されている 児 童 の 割 合 が 50.9%から 43.4%へと 減 少 する 反 面 保 育 所 に 入 所 している 児 童 の 割 合 はすべ ての 年 齢 区 分 において 増 加 し 平 成 21 年 では 全 体 で 31.5%となっている なお この 図 における 保 育 所 は 認 可 保 育 所 を 示 しており 認 可 外 保 育 施 設 幼 稚 園 の 預 かり 保 育 家 庭 的 保 育 事 業 等 により 保 育 を 受 けている 児 童 は 家 庭 等 に 含 まれている 図 1 年 齢 区 分 別 入 所 状 況 ( 平 成 11 年 ) 図 2 年 齢 区 分 別 入 所 状 況 ( 平 成 21 年 ) ( 注 ) 合 計 は 100%にならない 場 合 がある ( 注 ) 合 計 は 100%にならない 場 合 がある ( 出 典 ) 厚 生 省 社 会 福 祉 行 政 業 務 報 告 平 成 11 年 ( 出 典 ) 厚 生 労 働 省 福 祉 行 政 報 告 例 ( 平 成 21 年 4 月 分 概 度, p.364; 文 部 省 学 校 基 本 調 査 報 告 書 平 成 数 ) <http://www.mhlw.go.jp/za/0806/c09/c09.html 11 年 度, pp.474-475; 総 務 省 人 口 推 計 資 料 >; 文 部 科 学 省 平 成 21 年 度 学 校 基 本 調 査 政 府 ( 人 口 推 計 年 報 ) No.71,1999.5, p.20. 及 び No.72, 統 計 の 総 合 窓 口 <http://www.e-stat.go.jp/sg1/estat/ 2000.5, p.20.を 基 に 筆 者 作 成 estattopportal.do>; 総 務 省 人 口 推 計 資 料 ( 人 口 推 計 年 報 ) No.82,2009.6, p.16; 厚 生 労 働 省 人 口 動 態 統 計 月 報 ( 概 数 ) 64(3),2009.8, p.4.を 基 に 筆 者 作 成 1 学 校 教 育 法 第 22 条 に 定 める 義 務 教 育 及 びその 後 の 教 育 の 基 礎 を 培 うものとして 幼 児 を 保 育 し 幼 児 の 健 やかな 成 長 のために 適 当 な 環 境 を 与 えて その 心 身 の 発 達 を 助 長 することを 目 的 とする 文 部 科 学 省 所 管 の 施 設 2 児 童 福 祉 法 第 39 条 に 定 める 日 日 保 護 者 の 委 託 を 受 けて 保 育 に 欠 けるその 乳 児 又 は 幼 児 を 保 育 すること を 目 的 とする 厚 生 労 働 省 所 管 の 施 設 児 童 福 祉 法 等 で 定 められた 職 員 数 や 施 設 基 準 を 満 たし 都 道 府 県 から 認 可 を 受 けた 認 可 保 育 所 と それ 以 外 の 認 可 外 保 育 施 設 に 分 けることができる 1

2 保 育 施 設 (1) 認 可 保 育 所 平 成 21 年 4 月 1 日 時 点 における 認 可 保 育 所 は 22,925 か 所 定 員 は 2,132,081 人 入 所 児 童 数 は 2,040,974 人 となっている( 表 1 参 照 ) 平 成 17 年 からの 推 移 を 見 ると 施 設 数 定 員 入 所 児 童 数 はすべて 増 加 している 公 立 保 育 所 については 施 設 数 定 員 入 所 児 童 数 はすべて 減 少 しているが これは 主 に 民 営 化 によるものである 3 表 1 認 可 保 育 所 の 施 設 数 定 員 入 所 児 童 数 の 年 度 別 推 移 平 成 17 年 度 18 年 度 19 年 度 20 年 度 21 年 度 施 設 数 (か 所 ) 22,570 22,699 22,848 22,909 22,925 うち 公 立 12,090 11,848 11,603 11,328 11,008 うち 私 立 10,480 10,851 11,245 11,581 11,917 定 員 ( 人 ) A 2,052,729 2,079,406 2,105,434 2,120,889 2,132,081 うち 公 立 1,087,919 1,076,648 1,063,264 1,046,654 1,025,938 うち 私 立 964,810 1,002,758 1,042,170 1,074,235 1,106,143 入 所 児 童 数 ( 人 ) B 1,993,684 2,003,610 2,015,382 2,022,173 2,040,974 うち 公 立 987,865 967,451 944,582 919,559 901,141 うち 私 立 1,005,819 1,036,159 1,070,800 1,102,614 1,139,833 B/A (%) 97.1% 96.4% 95.7% 95.3% 95.7% うち 公 立 90.8% 89.9% 88.8% 87.9% 87.8% うち 私 立 104.3% 103.3% 102.7% 102.6% 103% ( 注 ) 各 年 度 とも 4 月 1 日 時 点 の 数 値 月 ごとの 入 所 児 童 数 は 4 月 が 一 番 少 なく 5 月 以 降 毎 月 増 加 している ( 出 典 ) 厚 生 労 働 省 ホームページの 保 育 所 の 状 況 等 について 各 年 版 を 基 に 筆 者 作 成 (2) 認 可 外 保 育 施 設 認 可 外 保 育 施 設 は ベビーホテル 事 業 所 内 保 育 施 設 その 他 の 認 可 外 保 育 施 設 に 分 け ることができる ベビーホテルは 1 夜 8 時 以 降 の 保 育 2 宿 泊 を 伴 う 保 育 3 一 時 預 か り 4 のいずれかを 常 時 運 営 している 施 設 で 事 業 所 内 保 育 施 設 は 事 業 主 等 がその 雇 用 する 労 働 者 の 子 どもを 保 育 するために 自 ら 設 置 する 施 設 又 は 事 業 主 から 委 託 を 受 けて 労 働 者 の 子 どもの 保 育 を 実 施 する 施 設 である 平 成 20 年 3 月 時 点 で ベビーホテル 1,597 か 所 に 29,250 人 事 業 所 内 保 育 施 設 3,617 か 所 に 51,208 人 その 他 の 認 可 外 保 育 施 設 5,751 か 所 に 147,981 人 が 入 所 している 5 (3) 認 定 こども 園 幼 稚 園 保 育 所 等 のうち 保 護 者 の 就 業 の 有 無 にかかわらず 就 学 前 児 童 に 教 育 保 育 を 一 体 的 に 行 う 機 能 と 地 域 における 子 育 て 支 援 を 行 う 機 能 を 備 え 都 道 府 県 知 事 に 認 定 さ れた 施 設 のことで 平 成 18 年 10 月 から 開 始 された 平 成 21 年 4 月 現 在 358 か 所 あり 3 公 立 保 育 所 の 民 営 化 について 解 説 した 文 献 には 泉 眞 樹 子 我 が 国 の 保 育 の 現 状 - 規 制 緩 和 待 機 児 童 学 童 保 育 を 中 心 に- 調 査 と 情 報 -ISSUE BRIEF- 490 号,2005.8.5. がある 4 ただし 都 道 府 県 等 が 確 認 できた 日 における 利 用 児 童 のうち 一 時 預 かりが 半 数 以 上 を 占 めている 場 合 5 保 育 年 報 2009 全 国 保 育 協 議 会,2009, pp.155-160. なお 平 成 20 年 3 月 現 在 の 認 可 保 育 所 の 入 所 児 童 数 ( 厚 生 労 働 省 社 会 福 祉 行 政 業 務 報 告 ( 福 祉 行 政 報 告 例 ) 平 成 19 年 度,2009.3, pp.408-409.)と 比 較 す ると 認 可 外 保 育 施 設 の 入 所 児 童 数 は 約 1 割 に 相 当 する 2

幼 保 連 携 型 158 か 所 幼 稚 園 型 125 か 所 保 育 所 型 55 か 所 地 方 裁 量 型 20 か 所 となっ ている 6 認 定 こども 園 は 経 済 財 政 運 営 と 構 造 改 革 に 関 する 基 本 方 針 2003 ( 平 成 15 年 6 月 27 日 閣 議 決 定 ) 等 を 踏 まえ 実 施 されたもので 幼 稚 園 と 保 育 所 の 一 元 化 7 ではなく 新 たに 総 合 施 設 ( 認 定 こども 園 )を 設 けるという 構 想 であった 8 なお 明 日 の 安 心 と 成 長 のための 緊 急 経 済 対 策 ( 平 成 21 年 12 月 8 日 閣 議 決 定 )において 幼 保 一 体 化 を 含 め た 保 育 分 野 の 制 度 規 制 改 革 が 具 体 的 な 措 置 として 掲 げられ 新 たな 制 度 について 平 成 22 年 前 半 を 目 途 に 基 本 的 な 方 向 を 固 め 平 成 23 年 通 常 国 会 までに 所 要 の 法 案 を 提 出 する という 方 針 が 示 された 3 多 様 な 保 育 サービス (1) 延 長 保 育 保 育 時 間 の 延 長 に 対 する 需 要 に 対 応 するため 保 育 所 の 通 常 の 開 所 時 間 (11 時 間 )を 超 えて 保 育 を 実 施 する 事 業 である 公 立 保 育 所 で 行 う 延 長 保 育 推 進 事 業 ( 基 本 分 ) 9 は 平 成 17 年 度 に 延 長 保 育 事 業 ( 加 算 分 ) 10 は 平 成 18 年 度 に 一 般 財 源 化 されており 現 在 は 民 間 保 育 所 で 行 う 延 長 保 育 に 対 してその 経 費 の 一 部 を 国 が 補 助 している 平 成 19 年 度 に おいては 公 立 保 育 所 5,550 か 所 ( 実 施 率 47.9%) 民 間 保 育 所 9,526 か 所 ( 実 施 率 84.4%) 合 計 15,076 か 所 ( 実 施 率 65.9%)で 実 施 された 11 (2) 休 日 保 育 夜 間 保 育 日 曜 日 国 民 の 祝 日 等 に 保 育 所 等 で 児 童 を 保 育 する 休 日 保 育 は 927 か 所 で 実 施 されてい る また 夜 間 保 育 は 開 所 時 間 が 原 則 として 11 時 間 でおおよそ 午 後 10 時 まで 保 育 を 行 う 夜 間 保 育 所 77 か 所 などで 実 施 されている 12 (3) 特 定 保 育 短 時 間 勤 務 等 に 対 応 するため 保 育 所 等 において 週 2 3 日 程 度 又 は 午 前 か 午 後 のみ 必 要 に 応 じて 柔 軟 に 利 用 できる 保 育 サービスで 1,057 か 所 13 で 実 施 されている (4) 病 児 病 後 児 保 育 子 どもが 病 気 の 際 に 就 労 している 保 護 者 が 自 宅 で 保 育 することが 困 難 な 場 合 に 病 6 文 部 科 学 省 厚 生 労 働 省 幼 保 連 携 推 進 室 認 定 こども 園 の 平 成 21 年 4 月 1 日 現 在 の 認 定 件 数 について 2009.6.24. 幼 保 連 携 推 進 室 ホームページ<http://www.youho.go.jp/press090624.html> 7 幼 保 一 元 化 について 解 説 した 文 献 には 高 木 浩 子 少 子 化 時 代 の 就 学 前 保 育 施 設 のあり 方 少 子 化 高 齢 化 とその 対 策 - 総 合 調 査 報 告 書 - 国 立 国 会 図 書 館 調 査 及 び 立 法 考 査 局,2005, pp.74-89. がある 8 角 野 雅 彦 幼 保 総 合 施 設 認 定 こども 園 の 制 度 化 に 至 る 経 緯 とその 課 題 四 国 学 院 論 集 122 号, 2007.3,p.35. 9 11 時 間 の 開 所 時 間 の 始 期 終 期 に 保 育 士 を 1 名 以 上 加 配 する 事 業 10 11 時 間 の 開 所 時 間 の 前 後 に 30 分 以 上 行 う 延 長 保 育 に 対 し その 時 間 帯 に 保 育 士 を 2 名 以 上 配 置 する 事 業 11 厚 生 労 働 省 雇 用 均 等 児 童 家 庭 局 全 国 児 童 福 祉 主 管 課 長 子 育 て 応 援 特 別 手 当 関 係 課 長 会 議 会 議 資 料 資 料 1 2009.2.27, pp.346-347. 同 省 ホームページ<http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/02/dl/s0227-7a.pdf > 12 平 成 20 年 度 交 付 決 定 ベース ( 第 2 回 社 会 保 障 審 議 会 少 子 化 対 策 特 別 部 会 保 育 第 二 専 門 委 員 会 資 料 1-1 多 様 な 保 育 関 連 給 付 メニューについて 2009.9.11, p.9. 厚 生 労 働 省 ホームページ<http://www.mhlw.go.jp/ shingi/2009/09/dl/s0911-3a.pdf>) 13 平 成 20 年 度 交 付 決 定 ベース ( 同 上,p.8.) 3

院 診 療 所 保 育 所 等 に 付 設 された 専 用 スペースで 看 護 師 等 を 配 置 して 一 時 的 に 保 育 等 を 行 う 事 業 である 1 急 変 は 認 められないが 病 気 の 回 復 期 に 至 らず 集 団 保 育 や 家 庭 保 育 が 困 難 な 小 学 3 年 生 までの 児 童 を 一 時 的 に 保 育 する 病 児 対 応 型 2 病 気 の 回 復 期 で 集 団 保 育 や 家 庭 保 育 が 困 難 な 小 学 3 年 生 までの 児 童 を 一 時 的 に 保 育 する 病 後 児 対 応 型 3 保 育 中 に 体 調 不 良 となった 児 童 に 対 し 保 護 者 が 迎 えに 来 るまでの 間 緊 急 対 応 等 を 行 う 体 調 不 良 児 対 応 型 があり 1,164 か 所 14 で 実 施 されている (5) 家 庭 的 保 育 ( 保 育 ママ) 保 育 士 又 は 看 護 師 の 資 格 を 有 する 者 ( 家 庭 的 保 育 者 )の 居 宅 等 において 少 人 数 の 児 童 15 の 保 育 を 実 施 する 事 業 で 児 童 福 祉 法 の 改 正 により 法 律 上 位 置 付 けられた 家 庭 的 保 育 事 業 として 平 成 22 年 度 から 実 施 されることとなった 1 家 庭 的 保 育 者 が 連 携 保 育 所 の 支 援 を 受 けながら 3 歳 未 満 の 児 童 を 保 育 する 個 人 実 施 型 保 育 2 家 庭 的 保 育 者 が 当 該 保 育 者 を 雇 用 する 保 育 所 等 の 支 援 を 受 けながら 就 学 前 児 童 を 保 育 する 保 育 所 実 施 型 保 育 がある 自 治 体 によっては 長 年 にわたり 独 自 の 規 則 や 要 綱 を 定 めて 実 施 してきた 事 業 であるが 国 が 平 成 12 年 度 に 補 助 事 業 を 創 設 した 際 国 庫 補 助 事 業 に 切 り 替 える 自 治 体 は 少 なく 新 たに 事 業 の 実 施 に 踏 み 切 る 自 治 体 もわずかだった 国 庫 補 助 事 業 として 実 施 している 自 治 体 は 19 か 所 家 庭 的 保 育 者 は 130 人 利 用 児 童 数 は 491 人 である 16 今 回 の 法 定 化 に より 事 業 の 普 及 拡 大 が 図 られ 待 機 児 童 対 策 としての 効 果 が 期 待 されている 17 (6) 一 時 預 かり 保 育 所 を 利 用 していない 家 庭 において 保 護 者 の 疾 病 や 災 害 等 により 一 時 的 に 家 庭 での 保 育 が 困 難 となった 児 童 について 保 育 所 等 において 一 時 的 に 預 かり 必 要 な 保 護 を 行 う 事 業 である 従 来 から 一 時 保 育 促 進 事 業 として 行 われてきたが 児 童 福 祉 法 の 改 正 により 平 成 21 年 度 から 児 童 福 祉 法 に 基 づく 一 時 預 かり 事 業 として 実 施 されている 1 保 育 所 に おいて 一 時 的 に 預 かる 保 育 所 型 2 地 域 子 育 て 支 援 拠 点 や 駅 周 辺 等 利 便 性 の 高 い 場 所 な どにおいて 一 時 的 に 預 かる 地 域 密 着 型 などがあり 7,651 か 所 18 で 実 施 されている (7) 幼 稚 園 における 預 かり 保 育 幼 稚 園 の 通 常 の 教 育 時 間 ( 標 準 4 時 間 )の 前 後 や 長 期 休 業 期 間 中 などに 地 域 の 実 態 や 保 護 者 の 要 請 に 応 じて 当 該 幼 稚 園 の 園 児 のうち 希 望 者 を 対 象 に 行 っている 平 成 20 年 度 では 9,846 園 ( 幼 稚 園 の 72.5%)で 実 施 されており 78,664 人 19 が 利 用 していた 実 施 している 幼 稚 園 のうち 週 5 日 以 上 実 施 している 幼 稚 園 が 85.3%を 占 め 終 了 時 間 は 午 後 5~6 時 が 最 も 多 かった また 5 割 を 超 える 幼 稚 園 が 夏 季 冬 季 及 び 春 季 の 休 業 日 におい 14 平 成 20 年 度 交 付 決 定 ベース ( 第 27 回 社 会 保 障 審 議 会 少 子 化 対 策 特 別 部 会 資 料 3 病 児 病 後 児 保 育 に ついて 2009.9.30, p.6. 厚 生 労 働 省 ホームページ<http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/09/dl/s0930-9e.pdf >) 15 家 庭 的 保 育 者 が 1 人 であれば 児 童 は 3 人 以 下 16 平 成 20 年 度 交 付 決 定 ベース なお 20 年 度 に 地 方 単 独 事 業 として 実 施 している 自 治 体 は 66 か 所 保 育 マ マは 877 人 利 用 児 童 数 は 1,573 人 である ( 前 掲 注 (12), p.5.) 17 保 育 白 書 2009 年 版,2009.8, pp.62-65. 18 平 成 20 年 度 交 付 決 定 ベース ( 前 掲 注 (12), p.8.) 19 平 成 20 年 度 に 長 期 休 業 期 間 以 外 と 各 長 期 休 業 期 間 のいずれの 期 間 も 週 5 日 以 上 預 かり 保 育 を 予 定 している 幼 稚 園 において 20 年 6 月 に 保 護 者 の 就 労 を 理 由 とし 週 4 日 以 上 預 かり 保 育 を 利 用 していた 児 童 数 4

ても 実 施 していた 20 Ⅱ 保 育 制 度 をめぐる 諸 問 題 1 待 機 児 童 (1) 待 機 児 童 の 状 況 厚 生 労 働 省 は 入 所 申 込 を 行 ったにもかかわらず 入 所 していない 児 童 から 他 に 入 所 可 能 な 保 育 所 がある 場 合 及 び 自 治 体 の 単 独 施 策 ( 認 可 外 保 育 施 設 や 保 育 ママ 等 )によって 対 応 している 場 合 を 除 いた 児 童 を 待 機 児 童 と 定 義 し その 数 を 毎 年 公 表 している 平 成 21 年 4 月 の 待 機 児 童 は 25,384 人 に 上 り 前 年 と 比 べて 5,834 人 約 29.8%の 増 加 となった ( 図 3 参 照 ) 2 年 連 続 での 増 加 となり 増 加 数 及 び 増 加 率 は 現 在 の 方 法 で 統 計 を 取 り 始 めた 平 成 13 年 以 降 で 最 高 となった 育 児 休 業 の 普 及 で 働 く 女 性 が 増 加 したり 景 気 悪 化 で 共 働 きを 望 む 人 が 多 くなり 保 育 所 の 需 要 が 増 えたためと 考 えられる 21 図 3 待 機 児 童 数 ( 注 ) 各 年 とも 4 月 1 日 時 点 の 数 値 ( 出 典 ) 厚 生 労 働 省 ホームページの 保 育 所 の 状 況 等 について 各 年 版 を 基 に 筆 者 作 成 都 道 府 県 別 では 東 京 都 7,939 人 神 奈 川 県 3,245 人 沖 縄 県 1,888 人 大 阪 府 1,724 人 埼 玉 県 1,509 人 千 葉 県 1,293 人 宮 城 県 1,131 人 と 7 都 府 県 で 1,000 人 を 超 えた 一 方 富 山 県 石 川 県 福 井 県 山 梨 県 長 野 県 鳥 取 県 香 川 県 佐 賀 県 宮 崎 県 には 待 機 児 童 がいなかった また 市 区 町 村 別 では 横 浜 市 1,290 人 川 崎 市 713 人 仙 台 市 620 人 世 田 谷 区 613 人 大 阪 市 608 人 名 古 屋 市 595 人 と 都 市 部 での 待 機 児 童 が 目 立 っ た 年 齢 別 では 待 機 児 童 のうち 0 歳 児 が 13.0% 1~2 歳 児 が 68.9%を 占 めている (2) 潜 在 的 待 機 児 童 認 可 保 育 所 に 入 所 できずにやむを 得 ず 認 可 外 保 育 施 設 を 利 用 している 児 童 や 保 育 所 不 足 から 働 くこと 自 体 を 諦 めている 非 申 請 者 は 厚 生 労 働 省 の 定 義 では 待 機 児 童 には 含 まれ ていない そのため 待 機 児 童 として 把 握 されている 数 は 顕 在 化 した 一 部 の 需 要 であり 20 文 部 科 学 省 平 成 20 年 度 幼 児 教 育 実 態 調 査 2009.3. 同 省 ホームページ<http://www.mext.go.jp/ component/a_menu/education/detail/ icsfiles/afieldfile/2009/06/24/1278591_1.pdf> 21 待 機 児 童 約 6000 人 増 2 万 5384 人 増 加 率 最 悪 読 売 新 聞 2009.9.8. 5

待 機 児 童 を 解 消 しても 次 々と 潜 在 需 要 が 出 てくると 考 えられる 22 厚 生 労 働 省 が 行 った 調 査 23 によると 認 可 保 育 所 の 利 用 希 望 は 0~2 歳 の 児 童 がいる 世 帯 で 42.2% 3 歳 以 上 の 就 学 前 児 童 のいる 世 帯 で 48.6%となっており 現 在 の 児 童 数 から 推 計 すると 潜 在 的 待 機 児 童 は 約 85 万 人 と 言 われている 24 (3) 待 機 児 童 対 策 (ⅰ)これまでの 政 府 の 取 組 と 新 待 機 児 童 ゼロ 作 戦 平 成 7 年 度 から 始 まった エンゼルプラン( 緊 急 保 育 対 策 等 5 か 年 事 業 ) 以 降 少 子 化 対 策 として 保 育 所 の 受 入 児 童 数 の 拡 大 が 図 られた 具 体 的 な 数 値 を 設 定 して 取 り 組 み 始 めたのは 待 機 児 童 ゼロ 作 戦 からで 平 成 14 年 度 からの 3 年 間 で 15 万 人 の 受 入 増 を 目 標 とした 25 さらに 平 成 17 年 度 からは 子 ども 子 育 て 応 援 プラン に 基 づき 平 成 21 年 度 までに 受 入 児 童 数 を 215 万 人 まで 引 き 上 げることとした そして 平 成 20 年 2 月 に 発 表 された 新 待 機 児 童 ゼロ 作 戦 は 平 成 29 年 までに 3 歳 未 満 児 に 対 する 保 育 サービスの 提 供 割 合 を 現 行 の 20%から 38% 26 へと 増 加 させ 0~5 歳 児 の 保 育 所 利 用 児 童 数 を 100 万 人 増 加 させることなどを 目 標 としている また 平 成 20 年 度 補 正 予 算 において 新 待 機 児 童 ゼロ 作 戦 による 保 育 所 の 整 備 等 のため 都 道 府 県 に 安 心 こども 基 金 27 を 創 設 した (ⅱ) 保 育 所 定 員 の 弾 力 化 厚 生 労 働 省 は 待 機 児 童 対 策 として 保 育 所 が 認 可 定 員 を 超 えて 児 童 を 受 け 入 れることを 認 める 定 員 の 弾 力 化 を 昭 和 57(1982) 年 度 から 実 施 している 現 在 では 保 育 士 や 面 積 等 の 最 低 基 準 を 満 たしていれば 原 則 として 年 度 当 初 は 認 可 定 員 の 115%まで 年 度 途 中 は 125%まで 年 度 後 半 (10 月 以 降 )は 制 限 なく 受 け 入 れることが 可 能 となっている 28 平 成 17 年 10 月 時 点 で 定 員 の 弾 力 化 を 認 めている 市 町 村 は 80%を 超 え 実 際 には 59.2%の 保 育 所 が 定 員 の 弾 力 化 を 実 施 している 29 しかし 定 員 の 弾 力 化 により 4 月 以 降 毎 月 入 所 児 童 数 が 増 加 しているにもかかわらず 平 成 20 年 4 月 時 点 で 19,550 人 だった 待 機 児 童 は 10 月 には 40,184 人 30 となった 保 育 所 22 社 会 保 障 審 議 会 少 子 化 対 策 特 別 部 会 第 1 次 報 告 - 次 世 代 育 成 支 援 のための 新 たな 制 度 体 系 の 設 計 に 向 けて - 2009.2.24, p.9. 厚 生 労 働 省 ホームページ<http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/02/dl/s0224-9c.pdf> 23 新 待 機 児 童 ゼロ 作 戦 に 基 づくニーズ 調 査 < 調 査 結 果 > 2009.2, pp.22-23. 厚 生 労 働 省 ホームページ <http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/tyousa-kekka01.pdf> 24 第 3 回 社 会 保 障 審 議 会 少 子 化 対 策 特 別 部 会 保 育 第 二 専 門 委 員 会 参 考 資 料 1 少 子 化 対 策 特 別 部 会 保 育 第 二 専 門 委 員 会 への 提 案 2009.10.5, p.14. 厚 生 労 働 省 ホームページ<http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/10/dl/ s1005-8d.pdf>; 認 可 保 育 所 使 いたい 85 万 人 潜 在 的 なニーズ 厚 労 省 調 査 で 推 計 朝 日 新 聞 2009.4.8. 25 約 15 万 6 千 人 の 受 入 児 童 数 の 拡 大 を 達 成 したものの 待 機 児 童 は 解 消 しなかった 26 仕 事 と 生 活 の 調 和 推 進 のための 行 動 指 針 2007.12. において 設 定 された 数 値 目 標 仕 事 と 生 活 の 調 和 し た 社 会 の 実 現 に 向 けた 各 主 体 の 取 組 が 進 んだ 場 合 に 10 年 後 に 達 成 される 水 準 を 示 す 27 新 待 機 児 童 ゼロ 作 戦 の 前 倒 し 実 施 を 図 り 平 成 22 年 度 までに 15 万 人 分 の 保 育 所 や 認 定 こども 園 の 整 備 などを 行 うため 国 から 交 付 された 交 付 金 を 財 源 に 各 都 道 府 県 において 基 金 を 造 成 する 28 平 成 10 年 2 月 13 日 付 児 保 第 3 号 保 育 所 への 入 所 の 円 滑 化 について なお 年 度 当 初 及 び 年 度 途 中 の 制 限 については 平 成 22 年 度 から 撤 廃 する 予 定 である また 連 続 する 過 去 の 3 年 度 の 年 間 平 均 在 所 率 がい ずれも 120% 以 上 の 場 合 などは 定 員 の 見 直 し 等 に 積 極 的 に 取 り 組 むこととされているが 平 成 23 年 4 月 1 日 から 過 去 の 2 年 度 とする 予 定 である ( 厚 生 労 働 省 雇 用 均 等 児 童 家 庭 局 全 国 児 童 福 祉 主 管 課 長 会 議 資 料 2010.1.18, p.11. 独 立 行 政 法 人 福 祉 医 療 機 構 ホームページ(WAM NET)<http://www.wam.go.jp/ wamappl/bb16gs70.nsf/0/fefb6f19ca78ce38492576b000058c07/$file/20100119_1shiryou_all.pdf>) 29 厚 生 労 働 省 地 域 児 童 福 祉 事 業 等 調 査 報 告 平 成 17 年,2007.3, pp.24,26-27. 30 厚 生 労 働 省 閣 議 後 記 者 会 見 概 要 2009.3.6. 同 省 ホームページ<http://www.mhlw.go.jp/kaiken/daijin/ 6

の 入 所 希 望 者 の 増 加 数 が 定 員 の 弾 力 化 などによる 受 入 児 童 数 の 拡 大 分 を 上 回 っている 理 由 としては 経 済 情 勢 の 悪 化 に 伴 い 専 業 主 婦 だった 母 親 が 働 き 始 め 保 育 所 の 需 要 が 高 まったことが 挙 げられる (4) 課 題 待 機 児 童 対 策 については 保 育 所 の 新 設 や 増 設 が 主 柱 にならず 規 制 緩 和 による 既 存 保 育 所 の 入 所 児 童 数 の 拡 大 や 保 育 所 以 外 の 多 様 な 受 け 皿 づくりなどが 中 心 であった 31 平 成 11 年 度 と 平 成 21 年 度 の 4 月 時 点 の 数 値 を 比 較 すると 入 所 児 童 数 は 17.5%( 約 30 万 人 ) 増 加 しているのに 対 し 保 育 所 数 は 2.9%(655 か 所 ) 定 員 は 11.2%( 約 21 万 人 )の 増 加 にとどまっており 受 入 児 童 数 の 拡 大 だけでなく 保 育 所 を 増 やすことが 求 められてい る また 財 政 的 な 問 題 や 後 述 する 保 育 士 不 足 も 指 摘 されている 公 立 保 育 所 運 営 費 の 一 般 財 源 化 32 等 により 多 くの 自 治 体 で 保 育 予 算 が 削 減 され さらに 延 長 保 育 等 の 特 別 保 育 事 業 の 補 助 金 カットにより 自 治 体 の 負 担 は 増 加 した そのため 保 育 所 の 新 設 や 増 設 に 積 極 的 でなかったり 保 育 所 が 最 低 基 準 を 満 たしても 認 可 を 行 わない 自 治 体 もある 一 方 で 今 後 も 少 子 化 の 進 行 により 出 生 数 の 減 少 が 続 けば 保 育 所 の 入 所 児 童 数 が 将 来 的 には 減 少 することも 考 えられ 需 要 と 供 給 のミスマッチが 大 きくなる 可 能 性 がある 保 育 ニーズを 満 たしつつ 限 りある 資 源 を 効 率 的 に 利 用 するためには 認 可 保 育 所 の 増 加 のみ ならずその 他 の 方 策 を 講 ずるべきだとの 指 摘 もある 33 待 機 児 童 解 消 は 少 子 高 齢 社 会 に 立 ち 向 かう 国 レベルの 課 題 であるだけでなく 保 育 の 実 施 義 務 を 課 せられている 市 町 村 における 課 題 でもある 34 2 保 育 士 と 保 育 の 質 短 時 間 保 育 士 (1 日 6 時 間 又 は 月 20 日 未 満 勤 務 )の 導 入 や 保 育 士 の 非 正 規 化 に 伴 い 若 い 保 育 士 の 短 期 での 入 れ 替 えに 拍 車 がかかっている その 弊 害 として 職 員 間 のコミュニ ケーション 不 足 保 育 の 継 続 性 が 失 われること 保 育 士 の 育 成 が 困 難 になることなどが 指 摘 されている さらには 待 遇 の 悪 さ 35 や 重 労 働 のため 保 育 分 野 から 人 材 が 流 出 してお り 36 保 育 士 不 足 は 保 育 所 の 増 設 が 進 まない 大 きな 原 因 の 一 つとなっている 37 これら 保 育 士 に 関 する 問 題 は 保 育 の 質 の 低 下 につながり 子 どもの 発 達 に 影 響 を 与 え ると 指 摘 されている 38 また 先 に 述 べた 保 育 所 定 員 の 弾 力 化 などの 規 制 緩 和 39 に 対 して 2009/03/k0306.html> 31 前 掲 注 (17), p.46. 32 公 立 保 育 所 運 営 費 の 一 般 財 源 化 について 解 説 した 文 献 には 高 木 前 掲 注 (7) がある 33 橋 爪 幸 代 保 育 ニーズの 多 様 化 と 保 育 サービス- 現 状 と 課 題 ジュリスト No.1383, 2009.8.1 15, p.30. 34 山 縣 文 治 待 機 児 の 解 消 に 向 けて 月 刊 福 祉 92(11), 2009.10, pp.48-49. 35 保 育 士 の 平 均 年 収 は 平 成 14 年 の 359 万 円 をピークに 毎 年 下 降 し 続 け 平 成 20 年 は 323 万 円 となり 全 産 業 の 平 均 を 下 回 っている ( 厚 生 労 働 省 賃 金 構 造 基 本 統 計 調 査 各 年 版 ) 36 女 性 保 育 士 の 平 均 勤 続 年 数 は 7.8 年 平 均 年 齢 は 33.6 歳 であり 全 産 業 の 女 性 の 平 均 を 勤 続 年 数 年 齢 ともに 下 回 っている ( 厚 生 労 働 省 平 成 20 年 賃 金 構 造 基 本 統 計 調 査 報 告 2009.) 37 揺 れる 保 育 2 人 手 不 足 園 の 増 設 阻 む 重 労 働 低 待 遇 確 保 に 苦 労 読 売 新 聞 2009.3.26. 38 萩 原 久 美 子 労 働 としての 保 育 をとらえ 直 す はらっぱ No.297, 2009.7, pp.7-8. その 一 方 で 伝 統 的 に 家 族 が 担 ってきた 保 育 は 経 験 者 の 指 導 と 監 督 があれば 熟 練 していない 人 でも 十 分 担 い 手 になれるはず であり 職 員 全 員 に 保 育 士 か 看 護 師 の 資 格 を 求 めなくてもいいという 意 見 もある( 鈴 木 亘 規 制 緩 和 で 民 間 7

詰 め 込 みによる 保 育 環 境 の 悪 化 が 憂 慮 されている 保 育 士 の 賃 金 引 き 上 げ 労 働 時 間 の 短 縮 休 日 の 確 保 研 修 機 会 の 増 加 など 課 題 は 多 い 3 保 育 の 必 要 性 の 判 断 基 準 児 童 福 祉 法 では 市 町 村 が 保 育 の 実 施 義 務 を 負 う 対 象 を 保 育 に 欠 ける 児 童 と 定 義 40 し その 判 断 基 準 は 政 令 41 で 定 める 基 準 に 従 い 条 例 で 定 める としている すべての 子 どもに 健 やかな 育 ちを 支 える 環 境 を 保 障 していくためには 住 んでいる 地 域 に 関 係 なく 普 遍 的 に 保 育 の 必 要 性 が 判 断 されるべきである しかし 保 育 に 欠 けるかどう かの 判 断 基 準 として 短 時 間 勤 務 者 や 求 職 者 の 取 扱 い 母 子 家 庭 や 虐 待 事 例 に 対 する 優 先 度 早 朝 や 夜 間 就 労 の 者 への 対 応 等 は 自 治 体 の 財 政 状 況 を 含 め 地 域 の 保 育 の 供 給 基 盤 の 状 況 に 合 わせざるを 得 ない 現 状 がある 待 機 児 童 のいる 地 域 の 場 合 短 時 間 勤 務 者 や 求 職 者 より フルタイムで 働 く 人 の 方 がよ り 保 育 所 での 保 育 を 必 要 としている 度 合 いが 高 いと 判 断 され 保 育 所 入 所 の 優 先 順 位 が 高 くなるケースが 多 い その 結 果 所 得 の 高 い 家 庭 の 子 どもが 認 可 保 育 所 を 利 用 する 一 方 で 所 得 の 低 い 家 庭 が 高 額 の 認 可 外 保 育 施 設 を 利 用 せざるを 得 なかったり 待 機 させられるこ ととなり 問 題 となっている 42 他 方 公 平 性 の 観 点 から 家 庭 内 で 子 どもを 育 てている 世 帯 に 対 する 支 援 も 必 要 とされ ており すべての 子 育 て 家 庭 を 対 象 とした 事 業 として 先 に 述 べた 一 時 預 かり 事 業 のほか 乳 児 家 庭 全 戸 訪 問 事 業 養 育 支 援 訪 問 事 業 地 域 子 育 て 支 援 拠 点 事 業 ファミリー サポ ート センター 事 業 などが 行 われている これらの 事 業 の 実 施 は 市 町 村 の 努 力 義 務 にとど まっているため その 実 施 状 況 には 大 きな 地 域 格 差 が 見 られ 事 業 の 充 実 を 図 っていくこ とが 求 められている 43 4 最 低 基 準 をめぐる 問 題 (1) 児 童 福 祉 施 設 最 低 基 準 保 育 所 の 設 備 及 び 運 営 についての 最 低 基 準 は 児 童 福 祉 法 に 基 づいて 厚 生 労 働 省 の 省 令 44 で 規 定 されている 設 備 基 準 は 12 歳 未 満 児 に 対 しては 乳 児 室 (1 人 当 たり 1.65 m2 以 上 ) 又 はほふく 室 (1 人 当 たり 3.30 m2 以 上 ) 医 務 室 調 理 室 及 び 便 所 を 設 けること 22 歳 以 上 児 に 対 しては 保 育 室 (1 人 当 たり 1.98 m2 以 上 ) 又 は 遊 戯 室 (1 人 当 たり 1.98 m2 以 資 本 導 入 を 朝 日 新 聞 2009.4.19.) 39 規 制 緩 和 について 解 説 した 文 献 には 鈴 木 尚 子 保 育 分 野 の 規 制 緩 和 と 改 革 の 行 方 レファレンス 639 号,2004.4, pp.5-27. がある 40 市 町 村 は 保 護 者 の 労 働 により その 監 護 すべき 乳 児 幼 児 の 保 育 に 欠 けるところがある 場 合 にお いて それらの 児 童 を 保 育 所 において 保 育 しなければならない ( 児 童 福 祉 法 第 24 条 第 1 項 ) 41 児 童 福 祉 法 施 行 令 第 27 条 42 見 かけだけの 待 機 児 童 解 消 は 副 作 用 を 生 む エコノミスト 4063 号,2009.10.20, p.29. 43 前 掲 注 (22), pp.35-37. 44 昭 和 23 年 12 月 29 日 付 厚 令 第 63 号 児 童 福 祉 施 設 最 低 基 準 ( 平 成 21 年 3 月 16 日 付 厚 労 令 第 37 号 改 正 現 在 ) 8

上 ) 屋 外 遊 戯 場 45 (1 人 当 たり 3.30 m2 以 上 ) 調 理 室 及 び 便 所 を 設 けること などと 定 められている また 職 員 配 置 については 保 育 士 の 数 は 乳 児 おおむね 3 人 につき 1 人 以 上 1~2 歳 児 おおむね 6 人 につき 1 人 以 上 3 歳 児 おおむね 20 人 につき 1 人 以 上 4 歳 以 上 児 おおむね 30 人 につき 1 人 以 上 などと 定 められている (2) 保 育 環 境 空 間 の 基 準 についての 調 査 研 究 最 低 基 準 は 昭 和 23 年 に 制 定 され 職 員 配 置 に 関 してはこれまで 数 度 にわたり 改 正 され たものの 設 備 基 準 は 60 年 余 りの 間 見 直 しがなされていない 利 用 している 児 童 の 発 達 に 適 したものではないという 指 摘 や 最 低 基 準 を 地 方 に 移 譲 すべきとの 議 論 がある 中 で 平 成 20 年 度 に 設 備 基 準 の 科 学 的 検 証 及 び 保 育 環 境 空 間 の 基 準 に 関 する 調 査 研 究 が 実 施 された 46 調 査 結 果 は 2 歳 未 満 児 については 1 人 当 たり 4.11 m2 以 上 2 歳 以 上 児 につい ては 1 人 当 たり 2.43 m2 以 上 の 面 積 が 必 要 としている また 諸 外 国 47 と 比 較 すると 相 対 的 にみて 日 本 は 面 積 基 準 も 低 いうえに 子 どものグループも 小 規 模 でなく 職 員 配 置 も 厚 くないということが 言 える と 結 論 付 けている (3) 地 方 分 権 改 革 推 進 委 員 会 による 第 3 次 勧 告 平 成 21 年 10 月 地 方 分 権 改 革 推 進 委 員 会 は 国 の 法 令 による 義 務 付 け 枠 付 けの 見 直 しと 条 例 制 定 権 の 拡 大 などを 柱 とした 第 3 次 勧 告 48 を 行 った 保 育 所 に 関 しては 国 が 法 令 で 自 治 体 に 義 務 付 けている 保 育 所 の 設 備 基 準 や 運 営 基 準 に 対 して 廃 止 又 は 条 例 委 任 を 提 示 した これに 対 し 厚 生 労 働 省 は 11 月 保 育 所 に 関 しては 面 積 基 準 や 職 員 配 置 は 従 うべ き 基 準 として 国 の 最 低 基 準 を 維 持 する 一 方 待 機 児 童 解 消 までの 一 時 的 措 置 として 東 京 等 に 限 り 面 積 基 準 を 自 治 体 の 条 例 で 設 定 できるようにする 方 針 を 示 した 49 5 人 口 減 少 地 域 における 定 員 割 れ 問 題 1970 年 代 中 期 から 過 疎 地 域 50 における 保 育 所 の 定 員 割 れが 深 刻 な 問 題 となっている 国 からの 財 政 支 援 が 受 けられる 小 規 模 保 育 所 ( 認 可 保 育 所 )は 定 員 が 20 人 以 上 であるこ とが 求 められており 最 低 入 所 児 童 数 が 10 人 以 上 とされているへき 地 保 育 所 ( 認 可 外 保 45 保 育 所 の 付 近 にある 屋 外 遊 戯 場 に 代 わるべき 場 所 を 含 む 46 機 能 面 に 着 目 した 保 育 所 の 環 境 空 間 に 係 る 研 究 事 業 の 概 要 社 会 福 祉 法 人 全 国 社 会 福 祉 協 議 会 ホーム ページ<http://www.shakyo.or.jp/research/09kinoukenkyu.html> 47 調 査 対 象 となっている 国 は 次 のとおりである アメリカ(カリフォルニア 州 ニューヨーク 州 ワシントン 州 ) イングランド フランス(パリ 市 メーヌ エ ロワール 県 イヴリン 県 ) ドイツ(ザクセン 州 バ ーデン-ヴュルテンベルク 州 バイエルン 州 自 由 ハンザ 都 市 ハンブルク) スウェーデン(ストックホルム 市 ) ニュージーランドの 6 か 国 ( 全 国 基 準 のない 国 は 州 県 又 は 市 ) 48 地 方 分 権 改 革 推 進 委 員 会 第 3 次 勧 告 ~ 自 治 立 法 権 の 拡 大 による 地 方 政 府 の 実 現 へ~ 2009.10.7. 内 閣 府 ホームページ<http://www.cao.go.jp/bunken-kaikaku/iinkai/torimatome/091007torimatome01.pdf> 49 地 方 分 権 改 革 推 進 委 員 会 第 3 次 勧 告 ( 地 方 要 望 分 )に 対 する 厚 生 労 働 省 の 対 応 方 針 について 2009.11.4. 厚 生 労 働 省 ホームページ<http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000002ahn.html> 対 象 地 域 は 待 機 児 童 の 多 い 都 市 部 であり 具 体 的 な 地 域 や 要 件 などは 今 後 政 府 内 で 詰 め 第 174 回 国 会 に 関 連 法 案 を 提 出 する 予 定 である( 保 育 所 の 面 積 基 準 緩 和 福 祉 新 聞 2009.11.9.) 50 人 口 は 全 国 の 8%であるが 過 疎 地 域 を 含 む 市 町 村 数 は 全 国 の 4 割 を 占 める( 総 務 省 自 治 行 政 局 過 疎 対 策 室 平 成 20 年 度 版 過 疎 対 策 の 現 況 について( 概 要 版 ) 2009.10, p.2. 同 省 ホームページ<http://www.soumu. go.jp/main_content/000045085.pdf>) 9

育 施 設 )への 国 の 財 政 支 援 の 水 準 は 低 い 多 くの 過 疎 地 域 は 厳 しい 財 政 事 情 のため 国 に よる 制 度 的 保 障 なしに 保 育 所 を 存 続 させることが 難 しく 定 員 割 れを 起 こすと 統 廃 合 とな る 場 合 が 多 い しかし 過 疎 地 域 にはもともと 1 か 所 か 2 か 所 しか 保 育 所 がないことが 多 く 統 廃 合 により 地 域 から 保 育 所 が 全 くなくなってしまう 恐 れがある 子 どもが 少 なく 幼 稚 園 がないような 過 疎 地 域 の 場 合 保 育 所 は 小 学 校 就 学 前 に 集 団 の 中 で 子 どもが 成 長 する ことを 保 障 する 役 割 を 果 たしているため 地 域 の 実 情 に 応 じた 保 育 所 の 設 置 を 可 能 とし 相 応 の 水 準 の 財 政 支 援 を 行 うことが 不 可 欠 であると 指 摘 されている 51 他 方 待 機 児 童 のいる 自 治 体 においても 定 員 割 れの 問 題 がある 52 同 一 自 治 体 内 でも 子 どもの 多 い 地 域 には 待 機 児 童 がいるが 駅 から 遠 く 過 去 に 開 発 された 住 宅 地 など 高 齢 化 の 進 む 地 域 にある 保 育 所 は 定 員 割 れになっており 需 要 と 供 給 のミスマッチが 生 じている 6 保 育 料 の 滞 納 問 題 厚 生 労 働 省 が 平 成 19 年 9 月 に 発 表 した 調 査 53 によると 平 成 18 年 度 における 保 育 所 の 保 育 料 の 滞 納 額 は 約 83.7 億 円 ( 保 育 料 総 額 の 1.7%) 滞 納 者 数 は 85,120 人 ( 保 護 者 総 数 の 4.3%)となっていた 主 な 理 由 として 保 護 者 の 責 任 感 の 欠 如 や 規 範 意 識 の 低 下 生 活 困 窮 などが 考 えられる 厚 生 労 働 省 は 保 育 料 を 確 実 に 徴 収 する 観 点 から 専 門 的 な 徴 収 ノウハウを 有 する 徴 税 担 当 部 局 や 他 の 給 付 に 係 る 担 当 部 局 と 連 携 を 図 ることが 有 用 と している また 保 育 料 の 滞 納 を 理 由 にその 児 童 を 強 制 的 に 退 所 させることは 児 童 福 祉 法 の 解 釈 上 できないものと 解 されるが 財 産 調 査 及 び 差 押 等 の 滞 納 処 分 は 可 能 としている 54 しかし 一 方 では 滞 納 状 態 にある 家 族 の 個 別 状 況 を 無 視 した 一 律 の 対 応 が 実 施 され ることを 危 惧 する 声 もある 55 Ⅲ 保 育 制 度 改 革 の 動 き 1 社 会 保 障 審 議 会 少 子 化 対 策 特 別 部 会 による 第 1 次 報 告 平 成 21 年 2 月 厚 生 労 働 省 社 会 保 障 審 議 会 少 子 化 対 策 特 別 部 会 56 は 第 1 次 報 告 57 を 公 表 した 同 報 告 は 経 済 財 政 改 革 の 基 本 方 針 2008 ( 平 成 20 年 6 月 27 日 閣 議 決 定 ) 社 会 保 障 国 民 会 議 最 終 報 告 ( 平 成 20 年 11 月 4 日 ) 等 の 指 摘 58 や 持 続 可 能 な 社 会 保 障 構 51 前 掲 注 (22), pp.18-19; 櫻 井 慶 一 保 育 制 度 改 革 の 諸 問 題 - 地 方 分 権 と 保 育 園 - 新 読 書 社,2006, pp.45-54. 52 定 員 割 れ 保 育 所 の 待 機 児 童 数 上 回 る 横 浜 市 神 奈 川 新 聞 2009.9.25; 100 万 都 市 の 足 元 仙 台 保 育 所 偏 在 ( 下 ) 定 員 割 れ 高 齢 化 地 域 細 るニーズ 河 北 新 報 2009.5.9. 53 厚 生 労 働 省 保 育 所 保 育 料 の 徴 収 状 況 に 関 する 調 査 の 結 果 について( 訂 正 後 ) 2007.9.14. 同 省 ホームペ ージ<http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/09/dl/h0914-4b.pdf> 平 成 19 年 8 月 22 日 に 発 表 された 調 査 の 訂 正 版 として 9 月 14 日 に 再 発 表 された 54 平 成 19 年 8 月 22 日 付 雇 児 保 発 第 0822001 号 保 育 所 保 育 料 の 徴 収 状 況 に 関 する 調 査 の 結 果 について( 通 知 ) 55 保 育 料 滞 納 解 消 策 行 き 過 ぎ 懸 念 保 育 情 報 No.372, 2007.11, p.38. 56 内 閣 官 房 長 官 の 下 に 設 置 された 子 どもと 家 族 を 応 援 する 日 本 重 点 戦 略 会 議 の 取 りまとめを 受 けて 具 体 的 な 制 度 改 革 についての 議 論 を 行 うために 設 置 されたもの 57 前 掲 注 (22) 58 保 育 サービス 提 供 を 拡 充 する 必 要 性 が 指 摘 された また 規 制 改 革 会 議 規 制 改 革 推 進 のための 第 3 次 答 申 - 規 制 の 集 中 改 革 プログラム- 2008.12.22. や 地 方 分 権 改 革 推 進 本 部 地 方 分 権 改 革 推 進 要 綱 ( 第 1 次 ) 10

築 とその 安 定 財 源 確 保 に 向 けた 中 期 プログラム ( 平 成 20 年 12 月 24 日 閣 議 決 定 ) 59 を 踏 まえ 取 りまとめられたもので 今 後 の 新 たな 制 度 体 系 のさらなる 検 討 に 向 け 議 論 の 中 間 的 なとりまとめ という 位 置 付 けである 同 報 告 は 保 育 制 度 のあり 方 について 量 の 拡 充 や 多 様 なニーズへの 対 応 が 進 まな いのは 財 源 が 不 十 分 であるだけでなく 制 度 に 起 因 する 問 題 もある 財 源 確 保 とともに 現 行 制 度 について 必 要 な 改 革 を 行 うべきである とし 新 たな 保 育 の 仕 組 みを 示 している 最 も 大 きな 変 更 点 は 現 行 では 市 町 村 が 一 体 的 に 行 っている 保 育 の 必 要 性 の 認 定 と 受 入 保 育 所 の 決 定 とを 独 立 して 行 うとしたことである 具 体 的 には 市 町 村 が 保 育 の 必 要 性 量 について 判 断 し 客 観 的 に 必 要 性 が 判 断 された 子 どもについて 公 的 保 育 を 受 けること ができる 地 位 を 付 与 する そして 利 用 者 が 保 育 所 と 公 的 保 育 契 約 を 結 び 保 育 の 利 用 が なされた 場 合 には 市 町 村 は 必 ず 費 用 を 負 担 しなければならないという 仕 組 みである さらに 保 育 所 の 認 可 を 最 低 基 準 により 客 観 的 に 行 うこととする 指 定 制 も 示 されている すなわち 最 低 基 準 を 満 たしている 保 育 所 については 市 町 村 の 裁 量 の 余 地 なく 認 可 保 育 所 として 指 定 するということである 少 子 化 対 策 特 別 部 会 の 下 に 保 育 第 一 専 門 委 員 会 及 び 保 育 第 二 専 門 委 員 会 が 設 置 され 現 在 専 門 的 な 見 地 から 詳 細 設 計 について 議 論 が 進 められている 厚 生 労 働 省 は 平 成 23 年 からの 法 制 化 平 成 25 年 からの 施 行 を 目 指 している 60 2 第 1 次 報 告 に 対 する 期 待 と 問 題 点 第 1 次 報 告 に 対 しては 保 育 分 野 への 企 業 参 入 が 進 み 保 育 の 供 給 量 が 増 えることによる 待 機 児 童 の 解 消 や 保 育 所 間 の 競 争 によるサービスの 多 様 化 などが 期 待 されている 61 しかし 保 育 第 一 専 門 委 員 会 及 び 保 育 第 二 専 門 委 員 会 において 以 下 の 点 が 指 摘 されて いる 62 1 大 幅 な 財 源 投 入 が 必 要 であること 特 に 指 定 制 は 自 治 体 の 財 政 を 圧 迫 する 可 能 性 があること 2 保 育 所 間 の 不 適 切 な 過 当 競 争 が 生 じる 懸 念 があること 3 保 育 所 への 入 所 に 係 る 事 務 負 担 が 膨 大 で 煩 雑 なこと 4 利 用 者 と 保 育 所 による 申 込 み 選 考 は 利 用 者 の 集 中 や 排 除 等 の 懸 念 があること 5 長 時 間 と 短 時 間 の 利 用 者 が 混 在 し 職 員 の 安 定 継 続 した 雇 用 が 困 難 になる 可 能 性 があること おわりに 保 育 所 の 整 備 受 入 児 童 数 の 拡 大 や 保 育 サービスの 提 供 手 段 の 多 様 化 は 少 子 化 対 策 の 重 要 な 施 策 の 一 つである 希 望 するすべての 人 が 安 心 して 子 どもを 預 けて 働 くことができ る 社 会 を 実 現 し 子 どもの 健 やかな 育 成 に 社 会 全 体 で 取 り 組 むため 保 育 施 策 を 質 と 量 と もに 充 実 させ 推 進 していくことが 必 要 である 2008.6.20. では 入 所 要 件 の 見 直 しや 直 接 契 約 方 式 の 導 入 などが 提 示 された 59 税 制 抜 本 改 革 により 安 定 財 源 を 確 保 すべき 施 策 の 中 に 少 子 化 対 策 が 位 置 付 けられた ( 持 続 可 能 な 社 会 保 障 構 築 とその 安 定 財 源 確 保 に 向 けた 中 期 プログラム 首 相 官 邸 ホームページ<http://www.kantei.go.jp/ jp/kakugikettei/2008/1224tyuuki.pdf>) 60 同 上 中 期 プログラム に 盛 り 込 まれた 社 会 保 障 の 機 能 強 化 の 工 程 表 に 手 順 が 示 されている 61 保 育 制 度 改 革 どうなる 保 育 の 質 量 朝 日 新 聞 2009.3.3. 62 社 会 保 障 審 議 会 少 子 化 対 策 特 別 部 会 -これまでの 議 論 の 整 理 - 2009.12.25. 厚 生 労 働 省 ホームページ <http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/12/s1225-12.html> 11