~ 精 神 疾 患 は 三 大 疾 患 の 一 つ~ こころの 健 康 推 進 をわが 国 の 基 本 政 策 に 2012 年 8 月 12 日 第 35 号 こころの 健 康 政 策 構 想 実 現 URL 会 議 こころの 健 康 政 策 構 想 実 現 会 議 8 4 臨 時 全 体 会 開 催 100 万 署 名 推 進 ニュース 発 行 人 :こころの 健 康 政 策 構 想 実 現 会 議 連 絡 先 : 337-0026 埼 玉 県 さいたま 市 見 沼 区 染 谷 1177-4 やどかり 情 報 館 100 万 人 署 名 推 進 委 員 会 TEL. 048-680-1891 FAX. 048-680-1894 E-mail cocoro-syomei@mbf.nifty.com http://www.cocoroseisaku.org/ 全 国 から 230 名 以 上 の 当 事 者 家 族 支 援 者 市 民 が 参 加 して 行 われた 2012 年 6 月 6 日 の こころの 健 康 基 本 法 の 法 制 化 を 求 める 国 会 請 願 署 名 72 万 筆 提 出 集 会 から 2 カ 月 が 過 ぎました この 間 に 2 年 に 渡 り 行 われてきた 厚 生 労 働 省 新 たな 地 域 精 神 保 健 医 療 体 制 の 構 築 に 向 けた 検 討 チーム 等 の 最 終 とりまとめが 出 され 長 年 の 懸 案 であった 保 護 者 制 度 の 廃 止 保 護 者 同 意 要 件 をはずした 新 たな 医 慮 保 護 入 院 制 度 3 か 月 未 満 入 院 医 療 の 人 員 体 制 を 一 般 医 療 水 準 に 引 き 上 げる 等 の 提 案 が 厚 生 労 働 省 から 示 されました 長 い 間 解 決 が 図 られなかったこれらの 問 題 が 大 きく 動 き 出 しています こうした 歴 史 的 な 重 要 な 変 革 の 兆 し は この 間 の 構 想 実 現 会 議 の 取 り 組 みをはじめとする 全 国 の 関 係 者 の 地 道 な 取 り 組 みの 成 果 としてとらえられ るものと 思 います 現 在 超 党 派 議 員 連 盟 において 検 討 が 行 われている こころの 健 康 基 本 法 ( 仮 ) の 法 制 化 等 を 含 め 今 後 こうした 変 革 が 着 実 に 前 進 するように 関 係 者 の 一 層 の 協 力 と 団 結 が 求 められます そのために 構 想 会 議 発 足 後 のこの 2 年 間 の 活 動 の 成 果 を 振 り 返 り 今 後 の 重 要 な 課 題 を 共 有 するため 臨 時 全 体 会 を8 月 4 日 ( 土 )に 開 催 しました 会 場 の 虎 の 門 SQUARE には 構 想 実 現 会 議 の 運 営 委 員 ならび に 当 事 者 家 族 委 員 1000 人 委 員 および6 月 6 日 の 国 会 請 願 署 名 72 万 筆 提 出 集 会 にご 参 集 いただいた 方 々 等 がお 集 まりいただきました 以 下 その 際 の 報 告 内 容 です こころの 健 康 政 策 構 想 会 議 構 想 会 議 から 構 想 実 現 会 議 へ~2 年 間 の 軌 跡 ~ こころの 健 康 政 策 構 想 会 議 ( 以 下 構 想 会 議 )は 2010 年 4 月 に 発 足 しました 今 までの 日 本 にはなかった 当 事 者 や 家 族 と 精 神 保 健 医 療 福 祉 の 専 門 家 が 同 じ 立 場 で 参 加 する 政 策 提 言 会 議 でした 構 想 会 議 には 全 国 の 有 志 がボランティアで 参 加 し 精 神 保 健 医 療 について 総 合 的 な 改 革 の 提 言 を 2 か 月 間 という 短 期 間 にとりまとめました 構 想 会 議 は その 後 構 想 実 現 会 議 と 名 を 新 たにして 今 日 まで 活 動 を 続 けてきまし た ここでは 構 想 会 議 から 構 想 実 現 会 議 そして 現 在 に 至 る 2 年 間 の 軌 跡 を 振 り 返 ってみます 構 想 会 議 のはじまり 構 想 会 議 が 発 足 したきっかけの 一 つは NHK の クローズアップ 現 代 で 英 国 の 自 殺 対 策 国 家 戦 略 特 集 が 報 道 され 構 想 会 議 代 表 の 岡 崎 祐 士 さんが 番 組 に 出 演 当 時 の 長 妻 昭 厚 生 労 働 大 臣 の 目 にとまり 岡 崎 さんに 総 合 的 な 精 神 保 健 医 療 改 革 のための 提 言 書 をまとめるように 依 頼 されたことが 出 発 点 でした こころの 健 康 推 進 を 日 本 の 基 本 政 策 に! 構 想 会 議 は こころの 健 康 推 進 を 日 本 の 基 本 政 策 に と 訴 えました こころの 健 康 は 病 気 をもった 方 だけでなく 国 民 すべての 願 いであり 社 会 の 基 盤 をなす 大 切 な 課 題 です しかしこれまで こころの 健 康 を 包 括 的 に 捉 えて その 推 進 に 社 会 として 取 り 組 む 政 策 は 日 本 では 行 われてきませんでした 受 診 患 者 300 万 人 以 上 自 死 3 万 人 以 上 という こころの 健 康 の 危 機 の 背 景 には そうした 社 会 としての 取 組 みの 問 題 があります 1
入 院 中 心 の 精 神 医 療 から 地 域 精 神 保 健 を 土 台 にしたシステムへ( 構 想 会 議 の 基 本 理 念 ) これまでの 日 本 の 精 神 保 健 医 療 福 祉 政 策 は 重 症 化 した 精 神 疾 患 患 者 への 入 院 医 療 の 提 供 が 中 心 でし た なぜなら 国 民 のこころの 健 康 を 幅 広 く 守 る 精 神 保 健 が 崩 壊 寸 前 だったからです 精 神 保 健 は 本 来 国 民 全 体 を 対 象 として こころの 健 康 が 不 調 になった 時 に 重 症 化 を 予 防 したり 生 活 の 支 援 もカバーする 大 変 重 要 な 機 能 を 担 っています 本 来 であれば 幅 広 い 精 神 保 健 の 土 台 の 上 に 地 域 医 療 や 生 活 支 援 があり そして その 上 に 良 質 の 専 門 医 療 が 支 えられている 構 造 であるべきなのです しかし 今 の 日 本 では 長 年 逆 三 角 形 の 構 造 が 続 いてきており そのしわ 寄 せが 当 事 者 やご 家 族 そして 現 場 で 働 く 専 門 家 に 大 きな 負 担 を 与 えてい ました 提 言 書 の 3 つの 意 義 構 想 会 議 では 2 か 月 間 の 集 中 的 な 議 論 を 経 て 提 言 書 を 作 成 しました 様 々な 方 々が 手 弁 当 のボランテ ィアで 個 人 として 会 議 に 参 加 しました 構 想 会 議 の 提 言 は 1 当 事 者 ご 家 族 をはじめとする 国 民 のニーズに もとづいた 総 合 的 な 提 言 であること 2 国 民 全 体 にとっての 提 言 の 意 義 を 明 確 にしたこと 3 当 事 者 ご 家 族 専 門 家 が 共 同 して 同 じ 立 場 で 作 成 したこと 以 上 の 3 点 が 非 常 に 画 期 的 でした 精 神 医 療 改 革 のためには 精 神 保 健 の 充 実 と 家 族 支 援 が 必 要 2010 年 5 月 に 出 された 構 想 会 議 の 提 言 書 は 1 精 神 医 療 改 革 と 併 せて 2 精 神 保 健 改 革 と3 地 域 での 家 族 介 護 者 支 援 の 3 本 柱 から 構 成 されています 1 精 神 医 療 改 革 では 高 質 かつ 効 率 的 な 医 療 を 目 指 し 1)アウトリーチによる 届 く 医 療 2) 多 職 種 チームによる 全 人 的 医 療 3)エリアごとの 救 急 医 療 の 整 備 4) 専 門 医 療 の 充 実 を 図 ることがうたわれました またそのために 50 年 以 上 続 き 精 神 科 医 療 の 質 を 下 げていた 精 神 科 特 例 を 廃 止 し 一 般 の 医 療 と 同 等 の 人 員 配 置 基 準 へと 移 行 する 現 実 的 な 提 言 を 行 いました 1 精 神 医 療 改 革 を 進 めて 質 の 高 い 医 療 を 実 現 していくためには 2 精 神 保 健 改 革 と3 家 族 支 援 が 不 可 欠 です なぜならば これまで 病 院 における 精 神 医 療 だけでは 不 十 分 な 点 を 当 事 者 御 家 族 みずからがカバーせ ざるを 得 なかった 現 状 を 変 えて 当 事 者 やご 家 族 のニーズを 病 院 の 外 である 地 域 の 中 で 支 援 する 仕 組 みが 必 要 だからです また これから 先 新 たにこころの 不 調 を 抱 えた 人 が 地 域 の 中 で 生 活 を 支 えられていくことで 自 らこころの 健 康 を 保 持 できるような 環 境 を 作 る 必 要 があるからです 1 精 神 医 療 改 革 を 進 めるためには そ の 土 台 となる2 精 神 保 健 改 革 と3 地 域 での 家 族 介 護 者 支 援 が 必 要 不 可 欠 なのです 提 言 の 実 現 へ 向 けた 5 つの 段 階 構 想 会 議 から 現 在 までに 至 る 2 年 間 は 大 きく 5 つの 段 階 に 分 けられます 1 改 革 の 始 まり(2009 年 12 月 ~2010 年 5 月 ) 2 問 題 の 定 式 化 と 運 動 の 広 がり(2010 年 6 月 ~2011 年 2 月 ) 3 東 日 本 大 震 災 による 地 域 精 神 保 健 の 再 認 識 (2011 年 3 月 ~8 月 ) 4 こころの 健 康 基 本 法 制 定 へ 向 けた 国 民 運 動 (2011 年 9 月 ~2012 年 6 月 ) 5 新 たな 実 践 モデルの 構 築 (2012 年 7 月 ~ 現 在 ) 1 改 革 の 始 まり(2009 年 12 月 ~2010 年 5 月 ) 改 革 の 始 まりの 時 期 は 構 想 会 議 の 立 ち 上 げから 提 言 書 の 作 成 25000 筆 の 署 名 と 合 わせた 厚 生 労 働 大 臣 への 提 言 書 提 出 が 主 な 成 果 でした 2 問 題 の 定 式 化 と 運 動 の 広 がり(2010 年 6 月 ~2011 年 2 月 ) 新 たな 地 域 精 神 保 健 医 療 福 祉 体 制 の 構 築 に 向 けた 検 討 チーム 1 改 革 の 始 まりの 時 期 は 構 想 会 議 の 立 ち 上 げから 提 言 書 の 作 成 25000 筆 の 署 名 と 合 わせた 厚 生 労 働 大 臣 への 提 言 書 提 出 が 主 な 成 果 でした 構 想 会 議 の 活 動 を 受 けて 2 問 題 の 定 式 化 と 運 動 の 広 がりを 見 せたのが 2010 年 6 月 ~2011 年 2 月 までの 時 期 になります 構 想 会 議 は 構 想 実 現 会 議 へ 発 展 しました また 同 時 期 に 提 言 書 を 受 けて 厚 生 労 働 省 も 動 きます 厚 生 労 働 省 内 に 新 たな 地 域 精 神 保 健 医 療 福 祉 体 制 の 構 築 に 向 けた 検 討 チーム(2010 年 5 月 末 ~) が 立 ち 上 がりました 検 討 チームのメンバーには 構 想 会 議 のメンバーが 参 画 し 提 言 書 の 具 体 的 な 政 策 化 を 進 めていきました 2
検 討 チームと 時 を 同 じくして 内 閣 府 障 害 者 制 度 改 革 推 進 会 議 から 中 間 とりまとめが 出 されました とりま とめには 社 会 的 入 院 の 解 消 保 護 者 制 度 の 見 直 し 精 神 科 医 療 現 場 の 人 員 体 制 充 実 が 明 記 され 厚 生 労 働 省 の 検 討 チームに 具 体 化 が 引 き 継 がれました また 精 神 科 救 急 医 療 体 制 に 関 する 検 討 会 (2011 年 5 月 末 ~) 認 知 症 施 策 検 討 プロジェクトチーム(2011 年 11 月 末 ~) 精 神 科 医 療 の 機 能 分 化 と 質 の 向 上 等 に 関 する 検 討 会 (2012 年 3 月 末 ~) 等 の 厚 生 労 働 省 内 検 討 会 プロジェクトチームにもつながって いきました これらの 検 討 チームが 具 体 化 した 主 な 政 策 は 1アウトリーチ 医 療 2 精 神 科 救 急 医 療 の 整 備 3 認 知 症 地 域 ケア 体 制 の 構 築 4 保 護 者 制 度 廃 止 とアドボカシー 制 度 の 設 置 53 か 月 未 満 の 入 院 医 療 を 一 般 医 療 と 同 基 準 化 の 5 つになります いずれも 構 想 会 議 の 提 言 書 に 書 かれた 精 神 医 療 改 革 への 提 言 と 重 なり ます 2 年 という 短 期 間 で 110 年 続 いた 日 本 の 精 神 医 療 を 根 本 から 変 える 政 策 の 実 現 へ 向 けて 大 きく 動 きました こころの 健 康 を 守 るための 国 民 運 動 (こころの 健 康 国 民 フォーラム 新 宿 西 口 街 頭 署 名 ) 1 精 神 医 療 改 革 については 検 討 チームが 具 体 的 に 進 めていました 一 方 で 2 精 神 保 健 改 革 と3 地 域 での 家 族 介 護 者 支 援 についても 同 時 並 行 で 動 いていきました これまでこころの 健 康 の 問 題 は 精 神 科 にかかるごく 一 部 の 人 々の 問 題 だとみなされてきていました しかし 一 生 の 間 に 5 人 に1 人 がこころの 病 気 にかかることが 明 らかになりました また 病 気 にかかることで 失 われる 寿 命 や 健 康 な 生 活 を 数 字 (DALYs)で 表 すと 先 進 国 では がんや 心 臓 疾 患 と 同 程 度 であることが 明 らかになりました 精 神 疾 患 は これまで 偏 見 のために ごく 一 部 の 問 題 であるかのように 思 われていましたが よくよく 調 べてみると 全 国 民 に 関 わる 非 常 に 大 きな 問 題 であることが 数 字 でも 示 されたのです この 現 実 を 広 く 知 ってもらい 問 題 の 大 きさにふさわしい 施 策 の 実 現 を 後 押 しするために 構 想 実 現 会 議 が 中 心 となって 1こころの 健 康 国 民 フォーラム(2010 年 10 月 ) 2こころの 健 康 を 守 り 推 進 する 基 本 法 の 制 定 を 求 める 請 願 街 頭 署 名 活 動 (2010 年 12 月 : 新 宿 西 口 )を 実 施 しました 精 神 疾 患 を 持 つ 当 事 者 と 御 家 族 そして 専 門 家 が 手 を 取 り 合 って 活 動 を 進 め より 強 い 連 帯 感 と 活 動 の 広 がりが 生 まれていきました 3 東 日 本 大 震 災 による 地 域 精 神 保 健 の 再 認 識 (2011 年 3 月 ~2011 年 8 月 ) 東 日 本 大 震 災 (3.11)で 明 らかになった 地 域 精 神 保 健 の 重 要 性 2011 年 3 月 11 日 は 構 想 実 現 会 議 にとって 転 機 となりました 3 月 末 に 予 定 していた 全 国 一 斉 街 頭 署 名 活 動 は 延 期 となりましたが 構 想 実 現 会 議 のメンバーが 続 々と 被 災 地 支 援 に 赴 き 被 災 された 方 々のここ ろの 健 康 を 守 る 支 援 に 携 わりました 被 災 地 では 震 災 によるダメージで 地 域 精 神 保 健 の 脆 弱 さがあらわ になってしまいました 宮 城 県 女 川 町 では 構 想 会 議 の 提 言 を 基 に こころとからだとくらしの 相 談 センター を 核 とした 地 域 精 神 保 健 活 動 が 展 開 されました 地 域 の 方 々の 力 を 上 手 く 引 き 出 しながら 地 域 精 神 保 健 活 動 の 再 構 築 を 行 っていきました 被 災 地 での 地 域 精 神 保 健 活 動 の 再 構 築 を 通 じて 震 災 が 起 きる 前 の い わゆる 平 時 の 地 域 精 神 保 健 活 動 の 重 要 さが 浮 き 彫 りになりました これまでの 精 神 保 健 改 革 への 提 言 と 震 災 の 経 験 を 踏 まえて 被 災 地 復 興 に 向 けた 緊 急 提 言 を 厚 生 労 働 大 臣 に 提 出 しました 3 月 末 に 予 定 され ていた 全 国 一 斉 署 名 活 動 も 6 月 に 実 施 し 請 願 署 名 は 35 万 筆 を 突 破 しました 2011 年 7 月 には 構 想 実 現 会 議 1 周 年 臨 時 全 体 会 が 開 催 され 発 足 から 1 年 を 振 り 返 りました 被 災 地 からも 地 域 精 神 保 健 の 再 構 築 に 取 り 組 む 地 元 の 方 々にもご 参 加 いただき 東 日 本 大 震 災 復 興 緊 急 提 言 と その 実 現 に 向 けて 議 論 を 進 めました また 当 時 検 討 チームで 議 論 に 上 ろうとしていた 保 護 者 制 度 が 日 本 の 精 神 医 療 の 中 でご 家 族 に 不 当 な 負 担 を 強 いていたことを 再 確 認 し 撤 廃 を 強 く 求 めていくことを 再 確 認 しました 構 想 会 議 の 運 動 が 徐 々に 実 を 結 び 精 神 疾 患 が 重 点 疾 患 に 採 用 され 名 実 ともに 5 大 疾 病 とみ なされたのもこの 頃 でした 4 こころの 健 康 基 本 法 制 定 へ 向 けた 国 民 運 動 (2011 年 9 月 ~2012 年 6 月 ) 市 民 の 力 を 生 かして 地 域 精 神 保 健 を 充 実 するために ~ 自 治 体 への 意 見 書 と 超 党 派 議 員 連 盟 立 ち 上 げ~ 東 日 本 大 震 災 の 経 験 以 降 地 域 で 生 活 する 市 民 の 力 を 生 かして 地 域 精 神 保 健 を 再 構 築 することが こ ころの 健 康 を 守 り 推 進 するために 不 可 欠 であることが 明 らかになりました そのためには 広 く 一 般 市 民 の 力 で 自 治 体 や 議 会 政 治 を 動 かしていかなければならないことも 分 かりました 3
2011 年 11 月 には 第 二 次 全 国 一 斉 街 頭 署 名 が 行 われ さらに 広 いニーズがあることも 分 かりました 基 本 法 制 定 を 求 める 請 願 署 名 活 動 に 加 えて 自 治 体 議 会 へ 向 けて 基 本 法 制 定 を 求 める 国 会 への 意 見 書 採 択 を 求 める 運 動 が 同 時 に 始 まりました 意 見 書 を 採 択 する 自 治 体 は 徐 々に 増 え 9 か 月 後 の 2012 年 6 月 に は 全 国 230 の 地 方 議 会 2012 年 7 月 29 日 現 在 までに 308 地 方 議 会 ( 人 口 9,273 万 人 )で 意 見 書 が 採 択 されるまでになりました 市 民 による 活 動 の 盛 り 上 がりに 後 押 しされ 国 政 の 場 でも こころの 健 康 基 本 法 制 定 を 目 指 す 超 党 派 議 員 連 盟 が 2011 年 12 月 に 発 足 しました 発 足 式 では 英 国 の 一 般 医 デイビッド シャイアーズ 氏 が 衆 議 院 議 員 会 館 で 歴 史 的 な 講 演 を 行 いました シャイアーズ 氏 は 構 想 会 議 発 足 のきっかけとなった NHK のクロ ーズアップ 現 代 に 出 演 していた 方 です シャイアーズ 氏 の 娘 さんは 統 合 失 調 症 にかかられており ご 家 族 の 立 場 として 英 国 の 精 神 医 療 改 革 に 取 り 組 まれました ご 自 身 の 英 国 での 経 験 をお 話 しいただき 日 本 の 改 革 への 力 強 いエールを 送 っていただきました 72 万 筆 の 請 願 署 名 を 当 事 者 御 家 族 の 手 で 国 会 議 員 へ 提 出 こころの 健 康 基 本 法 の 制 定 を 求 める 請 願 署 名 は 2012 年 6 月 時 点 で 72 万 筆 を 超 えるまでに 至 りまし た 全 国 津 々 浦 々の 当 事 者 御 家 族 の 方 々が 中 心 となって ご 自 身 も 非 常 に 大 変 な 中 死 力 を 振 り 絞 ってご 尽 力 いただいた 結 果 72 万 筆 の 署 名 が 集 まりました 同 時 に 署 名 をいただいた 方 々の 中 には これまで 精 神 医 療 にかかわった 経 験 がない 一 般 市 民 の 方 々も 含 まれていました これまで 偏 見 の 陰 に 隠 れていた ここ ろの 健 康 基 本 法 への 強 いニーズが 明 らかになりました 超 党 派 議 員 連 盟 が 中 心 となって こころの 健 康 基 本 法 案 を 作 成 するためのヒアリングが 行 われ 当 事 者 御 家 族 サービス 提 供 者 等 こころの 健 康 にかかわる 様 々な 団 体 からの 意 見 が 表 明 されました 基 本 法 制 定 については 賛 否 両 論 ありましたが このプロセスを 経 て 今 まで 見 えづらかった 国 民 のこころの 健 康 を 取 り 巻 く 状 況 がより 明 らかに 把 握 できるようになりました 5 新 たな 実 践 モデルの 構 築 (2012 年 7 月 ~ 現 在 ) 110 年 変 わらなかった 日 本 の 精 神 医 療 が 2 年 間 で 変 わりつつある こころの 健 康 政 策 構 想 会 議 から 始 まった 一 連 の 活 動 は 現 在 提 言 書 の 理 想 を 実 現 化 する 段 階 に 入 ってい ます 提 言 書 に 記 された 方 向 性 は 基 本 法 の 制 定 を 求 める 署 名 活 動 にとどまらず 厚 生 労 働 省 の 検 討 チー ムや 被 災 地 での 地 域 精 神 保 健 再 構 築 先 進 的 な 地 方 自 治 体 の 取 り 組 みなど 様 々な 道 のりを 経 て 実 現 に 向 けた 成 果 を 残 してきました たった 2 年 間 の 間 に これまで 110 年 間 積 み 残 されてきた 課 題 に 解 決 の 方 向 性 が 示 されたことは 今 までの 動 きからは 考 えられないほどのスピードでした 厚 生 労 働 省 の 2 年 間 の 検 討 チ ームの 成 果 に 1 精 神 医 療 改 革 に 関 する 構 想 会 議 の 提 言 がほぼ 盛 り 込 まれました ようやくスタートラインに 立 った 日 本 の 改 革 ただしまだ 課 題 は 残 っています 検 討 チームの 成 果 が 具 体 的 に 法 制 化 され 実 現 するまでにはまだまだ ハードルがあります 2013 年 6 月 の 精 神 保 健 福 祉 法 の 改 正 に きちんと 提 言 の 内 容 が 盛 り 込 まれるよう 注 視 し 声 を 上 げていかなければなりません また 2 精 神 保 健 改 革 と3 家 族 介 護 者 支 援 については さらに 具 体 化 の 道 筋 を 進 めて 行 かなければなり ません こころの 健 康 基 本 法 については 請 願 を 求 める 署 名 の 提 出 まではこぎつけましたが こころの 健 康 基 本 法 制 定 を 求 める 請 願 以 外 にも 非 常 に 数 多 くの 請 願 が 国 会 には 提 出 されています 請 願 が 全 党 一 致 で 認 められることは そのうち 10% 程 度 しかないという 厳 しい 現 実 もあります しかし 仮 に 今 回 の 請 願 が 認 められなかったとしても 第 二 第 三 の 請 願 につなげていくこと また 同 時 に 請 願 署 名 以 外 の 方 法 でも こころの 健 康 基 本 法 の 制 定 に 向 けて 様 々な 知 恵 を 結 集 して 進 めて 行 くことが 大 切 になります 基 本 法 は 1 つの 方 法 ~ 市 民 の 力 で 出 来 ることはたくさんある また 基 本 法 が 制 定 されなければ 何 も 動 かないわけではありません 事 実 精 神 医 療 改 革 については 提 言 書 が 出 されてすぐさま 厚 生 労 働 省 で 検 討 に 移 され 政 策 化 が 進 められてきました 基 本 法 が 制 定 されていなく ても 構 想 会 議 の 提 言 書 を 基 に 明 日 からでも 出 来 ることはたくさんあります 世 田 谷 区 では 区 民 版 構 想 会 議 である 世 田 谷 区 民 会 議 が 区 民 行 政 専 門 家 有 志 によって 立 ち 上 がりました 4
また アウトリーチ 医 療 のモデル 事 業 は 既 に 全 国 各 地 で 始 まっています 請 願 署 名 活 動 や 意 見 書 提 出 を 通 じ て 当 事 者 御 家 族 の 方 々が 具 体 的 に 自 治 体 や 政 治 家 にアプローチする 経 験 が 出 来 たこと そして 声 を 上 げ れば 動 くことを 経 験 出 来 たことは これからの 活 動 につながる 非 常 に 大 きな 財 産 になりました これからが 大 切! 2 年 間 の 活 動 を 経 て ようやく 私 たちはスタートラインに 立 つことが 出 来 ました これからは 活 動 に 携 わった みなさん 一 人 一 人 が 2 年 間 の 経 験 を 足 場 にして 全 国 で 自 律 的 同 時 多 発 的 に 動 き 提 言 書 の 実 現 に 向 けて 動 いていくことがとても 重 要 になってきます 来 年 度 通 常 国 会 における 精 神 保 健 福 祉 法 の 改 正 がきちんと 進 むかどうか こころの 健 康 基 本 法 の 制 定 が 叶 うかどうか いずれも 予 断 を 許 さない 状 況 があります 構 想 実 現 会 議 のこれまでの 取 り 組 みを 真 に 結 実 させ 我 が 国 の 精 神 保 健 医 療 福 祉 改 革 を 着 実 に 進 めるに は この 取 り 組 みに 関 わる 関 係 者 の 思 いを 一 つにし そして 各 地 域 における 議 会 国 会 へのメッセージを 送 り 続 けなくてはなりません 長 く 変 わらずにきた 精 神 保 健 医 療 が 大 きく 変 わりだすチャンスを 確 実 に 生 かすために 引 き 続 き 連 携 を 強 め 取 り 組 みを 前 進 させましょう 5