Microsoft Word - 44453-2-ŁÊ“ü-‚¾fic−_.doc



Similar documents
47 高 校 講 座 モ オ モ 圏 比 較 危 述 覚 普 第 章 : 活

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

(Microsoft Word - \221\346\202P\202U\201@\214i\212\317.doc)

2. ど の 様 な 経 緯 で 発 覚 し た の か ま た 遡 っ た の を 昨 年 4 月 ま で と し た の は 何 故 か 明 ら か に す る こ と 回 答 3 月 17 日 に 実 施 し た ダ イ ヤ 改 正 で 静 岡 車 両 区 の 構 内 運 転 が 静 岡 運

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

<4D F736F F D208E9197BF A955B895E93AE82CC8B4B90A C982C282A282C42E646F6378>

表紙

第1回

回 答 Q3-1 土 地 下 落 の 傾 向 の 中 固 定 資 産 税 が 毎 年 あがるのはなぜですか? 質 問 : 土 地 下 落 の 傾 向 の 中 土 地 の 固 定 資 産 税 が 毎 年 あがるのはなぜですか? 答 : あなたの 土 地 は 過 去 の 評 価 替 えで 評 価 額 が

リング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 について 回 収 可 能 性 がないも のとする 原 則 的 な 取 扱 いに 対 して スケジューリング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 を 回 収 できることを 反 証 できる 場 合 に 原 則

<4D F736F F D2095BD90AC E D738FEE816A939A905C91E D862E646F63>

Microsoft Word - 【溶け込み】【修正】第2章~第4章

ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

リクナビ派遣様_生活ラボニュース_リリースPDFフォーマット.PPT

(2)大学・学部・研究科等の理念・目的が、大学構成員(教職員および学生)に周知され、社会に公表されているか

質 問 票 ( 様 式 3) 質 問 番 号 62-1 質 問 内 容 鑑 定 評 価 依 頼 先 は 千 葉 県 などは 入 札 制 度 にしているが 神 奈 川 県 は 入 札 なのか?または 随 契 なのか?その 理 由 は? 地 価 調 査 業 務 は 単 にそれぞれの 地 点 の 鑑 定

Ⅰ 調 査 の 概 要 1 目 的 義 務 教 育 の 機 会 均 等 その 水 準 の 維 持 向 上 の 観 点 から 的 な 児 童 生 徒 の 学 力 や 学 習 状 況 を 把 握 分 析 し 教 育 施 策 の 成 果 課 題 を 検 証 し その 改 善 を 図 るもに 学 校 におけ

(3) 小 単 元 の 指 導 と 評 価 の 計 画 小 単 元 第 11 章 税 のあらまし の 指 導 と 評 価 の 計 画 ( 四 次 確 定 申 告 制 度 抜 粋 ) 関 心 意 欲 態 度 思 考 判 断 技 能 表 現 知 識 理 解 小 単 元 の 評 価 規 準 税 に 関 す

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

2 1.ヒアリング 対 象 (1) 対 象 範 囲 分 類 年 金 医 療 保 険 雇 用 保 険 税 備 考 厚 生 年 金 の 資 格 喪 失 国 民 年 金 の 加 入 老 齢 給 付 裁 定 請 求 など 健 康 保 険 の 資 格 喪 失 国 民 健 康 保 険 の 加 入 健 康 保 険

ブライダル総研 第1回恋愛観調査

福 岡 厚 生 年 金 事 案 4486 第 1 委 員 会 の 結 論 申 立 人 の 申 立 期 間 については その 主 張 する 標 準 報 酬 月 額 に 基 づく 厚 生 年 金 保 険 料 を 事 業 主 により 給 与 から 控 除 されていたことが 認 められることから 申 立 期

答申第585号

第4回税制調査会 総4-1

Taro-学校だより学力調査号.jtd

Microsoft PowerPoint - エントリー04_結婚TextVoice

(1) 団 体 への 問 い 合 わせ 件 数 平 成 20 年 8 月 から 平 成 20 年 11 月 までの 間 に 団 体 への 所 謂 家 出 行 方 不 明 者 に 関 する 捜 索 支 援 への 問 い 合 わせ 総 数 は 26 件 であり 月 平 均 :6.5 人 である 8 月

検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑

39_1

<8BB388F58F5A91EE82A082E895FB8AEE967B95FB906A>

いう )は 警 告 をしたときは 速 やかに その 内 容 及 び 日 時 を 当 該 警 告 を 求 める 旨 の 申 出 をした 者 に 通 知 しなければならないこととされ また 警 告 をし なかったときは 速 やかに その 旨 及 び 理 由 を 当 該 警 告 を 求 める 旨 の 申

Speed突破!Premium問題集 基本書サンプル

カラオケについて カラオケは 良 い 利 用 している 方 をあまり 見 たことがない マッサージについて 利 用 者 が 常 連 化 しており 多 くの 市 民 が 利 用 できるサービスとは 言 え ない ワンコイン 型 の 機 器 にして 受 益 者 負 担 と 一 人 当 たりの 利 用 者

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

調 査 概 要 調 査 名 : 住 宅 購 入 に 関 する 意 識 調 査 調 査 主 体 : 株 式 会 社 オープンハウス 調 査 対 象 : 1 現 在 東 京 23 区 内 の 賃 貸 住 宅 に 居 住 していて 初 めての 住 宅 購 入 を 検 討 している 30 代 ~40 代 既

< F2D8E518D6C B83678C8B89CA >

( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

158 高 校 講 座 習 モ 現 ラ 習 モ 距 離 置 示 終 向 据 示 唆 与 取 ょ 第 7576 回 第 :

エッセイ508・梨香「アイデンティティ」.indd

3 圏 域 では 県 北 沿 岸 で2の 傾 向 を 強 く 見 てとることができます 4 近 年 は 分 配 及 び 人 口 が 減 少 している 市 町 村 が 多 くなっているため 所 得 の 増 加 要 因 を 考 える 場 合 は 人 口 減 少 による 影 響 についても 考 慮 する

スライド 1

景品の換金行為と「三店方式」について

1. 前 払 式 支 払 手 段 サーバ 型 の 前 払 式 支 払 手 段 に 関 する 利 用 者 保 護 等 発 行 者 があらかじめ 利 用 者 から 資 金 を 受 け 取 り 財 サービスを 受 ける 際 の 支 払 手 段 として 前 払 式 支 払 手 段 が 発 行 される 場 合

m07 北見工業大学 様式①

昨 年 今 年 退 職 した< 雇 用 保 険 に 関 すること> 1. 雇 用 保 険 ( 失 業 給 付 )を 受 給 予 定 (または 受 給 している) 雇 用 保 険 受 給 資 格 証 のコピー ( 退 職 日 基 本 日 額 処 理 状 況 のわかる 面 ) 日 額 3,611 円 未

鹿 児 島 厚 生 年 金 事 案 600 第 1 委 員 会 の 結 論 申 立 人 は 申 立 期 間 に 係 る 脱 退 手 当 金 を 受 給 していないものと 認 められるこ とから 申 立 期 間 に 係 る 脱 退 手 当 金 の 支 給 の 記 録 を 訂 正 することが 必 要 で

<4D F736F F D208ED089EF95DB8CAF89C193FC8FF38BB CC8EC091D492B28DB88C8B89CA82C982C282A282C42E646F63>

<4D F736F F D2091DE90458F8A93BE82C991CE82B782E98F5A96AF90C582CC93C195CA92A58EFB82CC8EE888F882AB B315D2E312E A2E646F63>

1

わない (1) そう 思 う (2)のそれぞれ3 段 階 で 回 答 をしてもらった その 結 果 を 次 節 で 数 値 に 換 算 している 4. 調 査 の 結 果 と 考 察 4.1 学 習 上 の 困 難 点 全 体 的 な 傾 向 表 1 漢 字 の 学 習 困 難 点 (

< F2D E9696B D81698B5E8B6089F08EDF>

4 教 科 に 関 する 調 査 結 果 の 概 況 校 種 学 年 小 学 校 2 年 生 3 年 生 4 年 生 5 年 生 6 年 生 教 科 平 均 到 達 度 目 標 値 差 達 成 率 国 語 77.8% 68.9% 8.9% 79.3% 算 数 92.0% 76.7% 15.3% 94

< E8BE08F6D2082C682B DD2E786C7378>

2 県 公 立 高 校 の 合 格 者 は このように 決 まる (1) 選 抜 の 仕 組 み 選 抜 の 資 料 選 抜 の 資 料 は 主 に 下 記 の3つがあり 全 高 校 で 使 用 する 共 通 の ものと 高 校 ごとに 決 めるものとがあります 1 学 力 検 査 ( 国 語 数

Microsoft Word - 第74号 結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税

基 準 地 価 格 3 年 に1 度 審 議 直 近 ではH23 年 12 月 に 審 議 土 地 評 価 替 えの 流 れと 固 定 資 産 評 価 審 議 会 基 準 地 とは 土 地 評 価 の 水 準 と 市 町 村 間 の 均 衡 を 確 保 するための 指 標 となるものであり 各 市

<4D F736F F D203193FA8AD45F95CA8E86325F89898F4B315F94F093EF8AA98D AD97DF914F82CC8FEE95F182CC8EFB8F C28E8B89BB2E646F63>

する 婦 人 相 談 所 その 他 適 切 な 施 設 による 支 援 の 明 記 禁 止 命 令 等 をすることが できる 公 安 委 員 会 等 の 拡 大 等 の 措 置 が 講 じられたものである 第 2 改 正 法 の 概 要 1 電 子 メールを 送 信 する 行 為 の 規 制 ( 法

私 達 が 調 査 手 法 を 研 究 した 背 景 リクルートワークス 研 究 所 ワーキングパーソン 調 査 (2000 年 ~ 隔 年 実 施 ) 首 都 圏 在 住 の18~59 歳 で 働 く 個 人 6,500 人 ( )を 対 象 に 就 業 実 態 意 識 を 調 査 調 査 実 施

異 議 申 立 人 が 主 張 する 異 議 申 立 ての 理 由 は 異 議 申 立 書 の 記 載 によると おおむね 次 のとおりである 1 処 分 庁 の 名 称 の 非 公 開 について 本 件 審 査 請 求 書 等 について 処 分 庁 を 非 公 開 とする 処 分 は 秋 田 県

指 定 ( 又 は 選 択 ) 官 庁 PCT 出 願 人 の 手 引 - 国 内 段 階 - 国 内 編 - アイスランド 特 許 庁 国 内 段 階 に 入 るための 要 件 の 概 要 3 頁 概 要 国 内 段 階 に 入 るための 期 間 PCT 第 22 条 (3)に 基 づく 期 間

全設健発第     号

Microsoft Word - 短大奨学金

安 芸 太 田 町 学 校 適 正 配 置 基 本 方 針 の 一 部 修 正 について 1 議 会 学 校 適 正 配 置 調 査 特 別 委 員 会 調 査 報 告 書 について 安 芸 太 田 町 教 育 委 員 会 が 平 成 25 年 10 月 30 日 に 決 定 した 安 芸 太 田

◆JREI固定インフォ No12◆◆〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

設 問 4(5) 主 として 知 識 に 関 する 問 題 地 球 自 然 事 象 についての 知 識 理 解 ( 短 答 式 ) (6) 主 として 活 用 に 関 する 問 題 地 球 科 学 的 な 思 考 表 現 ( 選 択 式 ) 水 が 水 蒸 気 になる 現 象 について 科 学 的

発 表 の 流 れ 1 事 業 概 要 2 評 価 票 の 記 載 内 容 について 3 指 標 について 4 事 業 内 容 について 5 提 案 のまとめ 2

3 体 制 整 備 等 (1) 全 ての 特 定 事 業 主 が 共 同 して 取 組 むものとする () 総 務 部 人 事 管 理 室 人 事 課 を 計 画 推 進 の 主 管 課 とし 全 ての 市 職 員 により 推 進 する (3) 実 施 状 況 を 把 握 し 計 画 期 間 中 で

Taro-08国立大学法人宮崎大学授業

1.3. 距 離 による 比 較 距 離 による 比 較 を 行 う ( 基 本 的 に 要 求 される 能 力 が 違 うと 思 われるトラック 別 に 集 計 を 行 った ) 表 -3 に 距 離 別 の 比 較 を 示 す 表 -3 距 離 別 比 較

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

財団法人○○会における最初の評議員の選任方法(案)

[2] 控 除 限 度 額 繰 越 欠 損 金 を 有 する 法 人 において 欠 損 金 発 生 事 業 年 度 の 翌 事 業 年 度 以 後 の 欠 損 金 の 繰 越 控 除 にあ たっては 平 成 27 年 度 税 制 改 正 により 次 ページ 以 降 で 解 説 する の 特 例 (

住宅購入に関する消費者意識調査

Microsoft Word - 02第3期計画(元データ).doc

年 金 払 い 退 職 給 付 制 度 における 年 金 財 政 のイメージ 積 立 時 給 付 時 給 付 定 基 (1/2) で 年 金 を 基 準 利 率 で 付 利 給 付 定 基 ( 付 与 利 の ) 有 期 年 金 終 身 年 金 退 職 1 年 2 年 1 月 2 月 ( 終 了 )

Microsoft Word - 19年度(行情)答申第081号.doc

<4D F736F F D2095BD90AC E ED957D977B8ED28E918A6982C982C282A282C42E646F63>

第2回 制度設計専門会合 事務局提出資料

Microsoft Word - 12 職員退職手当規程_H 改正_

戦略担当者のための

2.JADA 検 査 対 象 者 登 録 リストへの 登 録 除 外 引 退 復 帰 2.1 JADA 検 査 対 象 者 登 録 リストへの 登 録 及 び 除 外 は 原 則 として 以 下 に 示 す 対 応 によりおこな うものとする 登 録 国 内 競 技 連 盟 からの 登 録 申 請

KINGSOFT Office 2016 動 作 環 境 対 応 日 本 語 版 版 共 通 利 用 上 記 動 作 以 上 以 上 空 容 量 以 上 他 接 続 環 境 推 奨 必 要 2

目  次

<4D F736F F D20836E E819592E88C5E B F944E82548C8E89FC90B3816A5F6A D28F57>

III. 前 述 の 如 く 医 学 部 新 設 を 容 認 している 訳 ではないが 国 家 戦 略 特 区 による 医 学 部 新 設 については 国 会 答 弁 で 確 約 している 様 に 平 成 27 年 7 月 31 日 付 け 国 の 方 針 に 厳 格 に 従 う 事 を 求 める

スライド 1

国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 検 討 を 進 めるものとする 平 成 19 年 法 案 をベースに 一 元 化 の 具 体 的 内 容 について 検 討 する 関 係 省 庁 間 で 調 整 の 上 平 成 24 年 通 常 国 会 への 法 案 提

神 戸 法 学 雑 誌 65 巻 1 号 45 神 戸 法 学 雑 誌 第 六 十 五 巻 第 一 号 二 〇 一 五 年 六 月 a b c d 2 a b c 3 a b 4 5 a b c

<4D F736F F D B3817A8E9096E291E D86939A905C>

子 どもたちのバランスのよい 育 ちを 目 指 して 今 回 の 調 査 では 世 帯 年 収 が 減 って 家 計 の 厳 しさが 増 すなかで 保 護 者 が 子 どもたちの の 費 用 を 減 らしている 実 態 が 明 らかになりました 教 育 費 に 対 して 重 い 負 担 感 を 感

* 解 雇 の 合 理 性 相 当 性 は 整 理 解 雇 の 場 合 には 1 整 理 解 雇 の 必 要 性 2 人 員 選 択 の 相 当 性 3 解 雇 回 避 努 力 義 務 の 履 行 4 手 続 きの 相 当 性 の 四 要 件 ( 要 素 )で 判 断 され る 部 門 閉 鎖 型

該 介 護 休 業 が 終 了 する 日 までに, 当 該 介 護 休 業 に 係 る 対 象 家 族 が 死 亡 したとき 又 は 離 婚, 婚 姻 の 取 消, 離 縁 等 により 当 該 介 護 休 業 に 係 る 対 象 家 族 との 親 族 関 係 が 消 滅 した とき (3) 配 偶

平成24年度開設予定大学院等一覧(判定を「不可」とするもの)

4 調 査 の 対 話 内 容 (1) 調 査 対 象 財 産 の 土 地 建 物 等 を 活 用 して 展 開 できる 事 業 のアイディアをお 聞 かせく ださい 事 業 アイディアには, 次 の 可 能 性 も 含 めて 提 案 をお 願 いします ア 地 域 の 活 性 化 と 様 々な 世

〔平成27年6月1日〕商品先物取引業務に関する規則第18条第1項に基づく留意事項 一部改正

や 会 社 等 の 種 類 名 を 表 す 文 字 等 を 結 合 したものは 原 則 として ありふれ た 名 称 に 該 当 する ただし 国 家 名 又 は 行 政 区 画 名 に 業 種 名 が 結 合 したものに 更 に 会 社 の 種 類 名 を 表 す 文 字 を 結 合 してなるもの

桜井市外国人高齢者及び外国人重度心身障害者特別給付金支給要綱

Transcription:

吉 本 ばなな N P の 英 語 イタリア 語 訳 比 較 15 * 太 田 垣 聡 子 The comparison between English and Italian translation of Banana Yoshimoto N.P. Satoko Otagaki * The novels written by Banana Yoshimoto have been translated into various languages and published in several foreign countries. Comparing the English and Italian translation of N.P., one of Yoshimoto s best-selling novels, by the close examination of the two texts and the original one, we would be able to see how a literary work would be transformed or re-presented in another language. In the English translation, relatively many changes from the original text could be found, such as the eliminations of ambiguous words and phrases, the additions of explanatory sentences, or the transformations of tense and voice, which made it understandable and easy to read for the English-speaking readers. On the other hand, the Italian text seems to have been directly translated from the original one, adopting Yoshimoto s style and usage as it is. はじめに 本 論 は 日 本 文 学 の 外 国 語 への 翻 訳 に 関 するもの である 翻 訳 は 日 本 文 化 が 海 外 に 紹 介 そして 受 容 されるための 非 常 に 重 要 な 手 段 であると 言 える 近 年 日 本 の 現 代 文 学 が 翻 訳 によって 外 国 に 紹 介 され る 例 が 多 く 見 られるが 中 でもその 現 象 に 大 きく 貢 献 しているのが 村 上 春 樹 と 並 んで 吉 本 ばななの 作 品 だと 思 われる 彼 女 の 作 品 は 1990 年 代 初 頭 以 降 日 本 でいくつかがベストセラーになり それらが 諸 外 国 でも 翻 訳 出 版 された 特 に 1988 年 に 出 版 さ れた 長 編 キッチン が 有 名 であるが これは 英 語 中 国 語 韓 国 語 フランス 語 スペイン 語 イタリ ア 語 ドイツ 語 などに 翻 訳 されている このように 日 本 文 学 が 広 く 世 界 へと 発 信 されるためには 翻 訳 というプロセスが 重 要 かつ 不 可 欠 である そこで 吉 本 ばななの 作 品 が 外 国 語 に 移 し 変 えら れると 翻 訳 言 語 によって 違 いが 現 れるのかどうか を 検 証 したい 同 じ 作 品 を 翻 訳 するのにも 移 し 変 える 言 語 の 文 法 的 特 徴 や 翻 訳 者 の 特 性 や その 言 語 文 化 圏 の 背 景 等 によって 違 いが 反 映 されるのだ ろうか ここで 題 材 として 扱 うのは 1990 年 に 出 版 された N P という 小 説 である 前 述 の キッ チン は 既 にいくつか 研 究 がなされているので 本 論 では 別 の 作 品 を 取 り 上 げる 検 討 する 言 語 は まず 世 界 共 通 語 であり 我 々に 比 較 的 なじみのある 英 語 そして 翻 訳 をより 客 観 的 に 分 析 するためのも う 一 つの 外 国 語 としてイタリア 語 を 選 んだ ちなみにイタリアでは 吉 本 ばなな 人 気 が 非 常 に 高 く 例 えば キッチン は 翻 訳 が 刊 行 されてから 一 年 近 くベストセラーリストに 入 り 続 け 作 品 およ び 作 者 がほとんどの 主 要 新 聞 の 読 書 欄 に 取 り 上 げ られるという *1 外 国 人 作 家 としては 異 例 の 扱 いを 受 けた N P は イタリアでは 1992 年 に 翻 訳 刊 行 され 翌 年 にスカンノ 文 学 賞 という 外 国 文 学 作 品 を 対 象 にした 権 威 ある 文 学 賞 を 受 賞 した *2 いま やイタリアでは 吉 本 ばななといえばエキゾチック なアジア 文 学 という 枠 を 越 え 若 者 文 化 の 代 名 詞 に なっているとも 言 える * 東 京 工 芸 大 学 工 学 部 基 礎 教 育 研 究 センター 非 常 勤 講 師 *1 文 学 界 1993 年 8 月 号 ( 文 芸 春 秋 社 )pp.130-1 *2 国 文 学 解 釈 と 教 材 の 研 究 1994 年 2 月 号 ( 学 灯 社 )p.111 2005 年 9 月 2 日 受 理

16 東 京 工 芸 大 学 工 学 部 紀 要 Vol. 28 No.2(2005) N P のあらすじ 風 美 ( 語 り 手 私 )は 高 校 時 代 翻 訳 家 の 戸 田 庄 司 と 付 き 合 っていた 当 時 彼 は アメリカで 活 動 した 日 本 人 作 家 高 瀬 皿 男 の 遺 作 短 編 集 N P を 訳 していた 一 度 風 美 は 庄 司 に 連 れられて 行 っ た 出 版 社 のパーティーで 高 瀬 皿 男 の 遺 児 で 双 子 の 咲 と 乙 彦 を 見 かけていた その 後 庄 司 は 翻 訳 の 途 中 で 突 然 自 殺 してしまう 数 年 後 風 美 は ある 夏 の 日 偶 然 乙 彦 に 再 会 し それ 以 降 双 子 との 交 流 を 始 め る その 後 間 もなく 風 美 の 前 に 翠 という 女 性 が 現 れる 彼 女 は 高 瀬 皿 男 のもう 一 人 の 子 供 で 更 には 風 美 が 庄 司 と 付 き 合 う 前 に 彼 と 付 き 合 っていたと 言 う 風 美 は 翠 の 不 思 議 な 雰 囲 気 に 惹 かれ 彼 女 と も 親 しくなる 後 に 翠 がアメリカにいた 頃 に 実 の 父 親 と 関 係 を 持 ったことや 彼 女 が 現 在 は 乙 彦 と 付 き 合 っていることがわかる ある 日 翠 は 乙 彦 の 子 供 を 身 ごもっていることを 打 ち 明 け 皆 の 前 から 姿 を 消 す その 後 翠 から 子 供 を 産 んで 生 きていこう と 決 意 した 旨 の 手 紙 が 届 く 翠 と 共 に 夏 が 去 り 皆 それぞれの 生 活 を 再 び 始 めていく 翻 訳 比 較 吉 本 ばななの 文 体 には 特 徴 がある 独 特 のメタフ ァー 体 言 止 め 説 明 不 足 と 感 じられるほどの 言 葉 の 省 略 などである そうした 要 素 が 顕 著 に 見 られる 箇 所 を 選 び 各 言 語 でどう 翻 訳 されているかを 検 証 する 以 下 まず 日 本 語 の 原 文 を 挙 げ その 英 語 訳 とイタリア 語 訳 の 該 当 箇 所 およびそれぞれの 再 和 訳 を 並 べて 比 較 していく ( 引 用 後 の 数 字 は 頁 数 ) 意 訳 もしくは 訳 文 の 変 更 1 どんなに 好 きでも 決 して 伝 わらなかった 伝 えようともせず 伝 える 術 もなく 受 信 能 力 もなく わかりようのなかったもの (41) even try to, nor did any means exist for communicating or receiving that message, or for knowing it. (33) ( 伊 訳 )たとえ 私 たちがどんなに 愛 し 合 っていても コンタクトは 不 可 能 だった 伝 えたいとい う 気 もなかったし それをする 方 法 もなか ったし 受 信 能 力 も 理 解 する 要 素 もなかっ た Per quanto ci volessimo bene, il contatto era impossibile. Non ci fu nessun tentative di comunicare, non c era modo di farlo, nessuna capacità di ricezione, nessun elemento per capire. (36) 自 殺 してしまった 恋 人 庄 司 について 風 美 が 回 想 する 文 章 原 文 は 決 して 伝 わらなかった という ように 何 が 伝 わらなかったのかは 明 示 されて いない が 英 語 訳 では 下 線 部 のように 私 が( 庄 司 )に 言 わなかった という 解 釈 になっている イ タリア 語 訳 では il contatto era impossibile コンタ クトは 不 可 能 だった と 訳 されており 伝 わらな かった という 意 味 にしている 点 で また 私 を 主 語 にしていないという 点 で 原 文 に 近 いと 言 える 2 彼 女 の 出 口 のない 静 けさに 答 えたみたいに (86) ( 英 訳 )まるで 彼 女 の 圧 倒 的 な 静 けさに 答 えるよう に as if in response to her overwhelming silence. (69) ( 伊 訳 )まるで 翠 の 出 口 のない 静 けさに 答 えたみた いに Come se avesse risposto alla tranquillità senza sbocco di Sui. (65) ( 英 訳 ) 私 はどんなに 彼 を 愛 しているか 言 わなかっ た 伝 えようともしなかったし そのメッ セージを 伝 えたり 受 信 したりする 方 法 も それを 知 る 方 法 も 存 在 しなかった I didn t say how much I loved him. I didn t 風 美 が 翠 という 女 性 と 初 めて 会 った 場 面 で 翠 の 周 りの 風 景 を 描 写 した 文 章 英 語 訳 では 出 口 のな い という 表 現 を overwhelming 圧 倒 的 な あらが いがたい としている 一 方 イタリア 語 訳 は 原 文 の 字 義 通 り senza sbocco 出 口 のない という 訳 を

吉 本 ばなな N P の 英 語 イタリア 語 訳 比 較 17 当 てている 3 この 人 の 発 散 する 濃 い 色 本 人 でさえ 押 し 流 さ れそうな 苦 しいほどの 存 在 感 (101) ( 英 訳 ) 彼 女 から 発 散 される 濃 い 色 圧 倒 的 な 彼 女 でさえコントロールできない 苦 しいほ どの 存 在 感 The dark colors that emanated from her, the overpowering, nearly oppressive presence that even she could not control. (82) 翠 が 自 分 の 不 幸 な 身 の 上 を 語 り 出 しそうになっ た 時 風 美 が 心 の 中 で 語 った 言 葉 これを 英 語 訳 で は 平 叙 文 にしている I prayed that という 強 く 願 う 意 味 の 動 詞 を 用 いているが 平 叙 文 にすることで 原 文 と 語 順 がかなり 変 わっている イタリア 語 訳 は Ti prego, non raccontarmela お 願 い それを 私 に 話 さないで という 部 分 を 原 文 の 通 り 文 頭 に 持 ってき ているので 原 文 に 近 い 5 ガラスの 目 なにものもその 形 以 上 にも 以 下 に も 映 さない 冷 たい 響 きを 持 つ 瞳 (177) ( 伊 訳 ) 彼 女 が 発 散 するあまりに 濃 い 色 彼 女 自 身 が 流 されるほどの 強 い 存 在 感 Per il colore troppo intenso che emanava, per la sua presenza così forte che lei stessa poteva esserne spazzata via. (74) 翠 の 独 特 な 存 在 感 について 描 写 している 文 章 原 文 の 本 人 でさえ 押 し 流 されそうな という 箇 所 が 英 語 訳 では 下 線 部 のように even she could not control 彼 女 でさえコントロールできない となっている 原 文 とイタリア 語 訳 は 翠 が 押 し 流 される と 受 動 態 になっているのに 対 して 英 語 訳 は 彼 女 がコン トロールできない という 能 動 態 の 文 になっている 点 が 異 なる 4 お 願 い 詳 しく 話 さないで と 私 は 思 っていた 安 っぽいくらいあたりまえに 哀 しい 内 面 の 物 語 を (159) ( 英 訳 ) 彼 女 が 哀 しく 惨 めな 内 面 の 物 語 の 詳 細 を 並 べ 始 めないようにと 私 は 祈 った I prayed that she wouldn t start listing all the details of her sad and sordid inner story. (133) ( 伊 訳 )お 願 い それを 詳 しく 話 さないで と 私 は 思 った 見 えすいたくらいあたりまえに 哀 しい 内 面 の 物 語 を Ti prego, non raccontarmela nei particolari, pensai. Una storia interiore, triste in modo così prevedibile da sembrare scontata. (112) ( 英 訳 ) 彼 女 の 目 はガラスのようで 瞳 は 冷 たく 慎 重 だった Her eyes were like glass, and her pupils cold and cautious. (147) ( 伊 訳 )ガラスのような 目 なにものも その 形 以 上 にも 以 下 にも 映 さない 透 明 な 反 射 の 瞳 Occhi come vetro. Pupille dal riverbero puro, che di ogni cosa non riflettevano niente di più e niente di meno della nuda forma. (124) 原 文 では 体 言 止 めを 用 いて 文 を 細 かく 切 ってい るが 英 語 訳 の 方 は 彼 女 の 目 はガラスのようだっ た と 平 叙 文 にしているため 原 文 の 乾 いた 固 い 感 じが 消 えている イタリア 語 訳 は ほぼ 直 訳 に 近 い 形 である 6 その 人 がその 人 である 不 幸 みたいなもの (204) ( 英 訳 ) 皆 自 分 自 身 の 地 獄 を 持 っている everyone has their own private hell. (168) ( 伊 訳 )その 人 の 不 幸 である 何 か Qualcosa che è la disgrazia di quella persona. (141) 姿 を 消 した 翠 から 風 美 に 届 いた 手 紙 の 中 の 文 章 英 語 訳 は 皆 個 人 の 不 幸 地 獄 を 抱 えている と 解 釈 している 一 方 イタリア 語 訳 は 意 味 も 言 葉 使 いも 原 文 に 比 較 的 添 った 訳 になっている

18 東 京 工 芸 大 学 工 学 部 紀 要 Vol. 28 No.2(2005) 7 いっしょに 寝 てやろうか? こっちの 言 うせりふよ (232) ( 英 訳 ) 一 緒 にベッドに 行 ってほしい? ちょっと それは 私 のせりふよ Do you want me to go to bed with you? Hey, that was supposed to be my line. (191) か? I wondered what it felt like to move to a country where you didn t grow up. I had thought about that often since my sister got married. Do you become a character in a story native to that land, or do you, somewhere in your heart, want to return to your homeland? (87) ( 伊 訳 ) 君 が 望 むなら 君 と 寝 てもいいよ 私 に 親 切 にしようと 思 ってるなら Se vuoi, posso fare l amare con te. Se pensi di farmi un grande favore (159) 小 説 のラストに 近 い 場 面 での 乙 彦 と 風 美 の 会 話 二 人 の 関 係 が 発 展 しそうなことを 暗 示 している 場 面 だが ここではイタリア 語 訳 に 変 更 が 見 られる 英 語 訳 は 原 文 に 忠 実 に 訳 しているが イタリア 語 訳 は 下 線 部 のように 原 文 とは 異 なる 意 味 になってい る これは 何 故 かというと イタリア 語 訳 を 音 読 す ると Se vuoi, posso fare l amare con te. Se pensi di farmi un grande favore と 両 者 の 音 が 少 し 似 ている ことがわかる つまり 相 手 の 言 葉 を 真 似 て 返 事 を しているわけで それが 原 文 の こっちの 言 うせり ふよ にあたる つまり あなたの 言 った 言 葉 をそ のまま 返 すわよ という 返 事 にしていると 思 われる ただ 意 味 は 原 文 と 全 く 異 なるので 翻 訳 者 の 越 権 行 為 と 言 えなくもない ( 伊 訳 ) 生 まれ 育 ったのと 違 う 国 に 住 むというのは どういう 感 じだろう? 時 間 とともにその 場 所 に 主 人 公 になりながら 溶 けていくの か それとも 心 のどこかでいつの 日 か 故 郷 に 帰 ることを 望 み 続 けているのか? Cosa si proverà a vivere in un paese diverso da quello dove si è nati e cresciuti? Col tempo ci si assimila a quel posto, diventandone il protagonista, oppure in qualche parte di sé si continua a sperare di ritornare in patria un giorno? (78-9) 生 まれ 育 ったアメリカから 日 本 に 移 ってきた 咲 や 乙 彦 について 風 美 が 考 えている 文 章 これは イタリア 語 訳 で 原 文 の 姉 が 結 婚 してからよく 考 え た の 文 章 が 省 略 されている イタリア 語 訳 で 省 略 が 行 なわれた 珍 しい 例 である 9 ゼリーみたいに 現 実 が 遠 のく ゆがんで 実 感 がなくなる (108) 言 葉 の 省 略 8 生 まれ 育 ったところと 違 う 国 に 住 むのはどう いう 気 持 ちなんだろう 姉 が 結 婚 してからよく 考 える その 土 地 に 物 語 の 主 人 公 として 溶 けて いくのか それとも 心 のどこかでいつか 帰 ろう とおもっているのか (108) ( 英 訳 ) 育 ったのではない 国 に 移 り 住 むのはどうい う 感 じなんだろう と 思 った 姉 が 結 婚 し てからよく 考 えた その 土 地 に 固 有 の 物 語 の 登 場 人 物 になるのか?それとも 心 のど こかで 故 郷 に 帰 りたいと 思 っているの ( 英 訳 )しかしそのうち 現 実 が 遠 のき 始 め 全 てが ぼやけて 非 現 実 的 に 感 じられる But then reality starts to creep away, and everything goes fuzzy, and it feels unreal to me. (88) ( 伊 訳 )そのうち 具 体 的 世 界 がゼリー 状 になり 遠 の く 現 実 の 感 覚 が 変 化 し 消 失 する E intanto il mondo concreto diventa gelatinoso e indietreggia. Il senso della realtà si altera e scompare. (79) 翠 が 現 れてからの 風 美 の 実 感 を 描 写 した 文 章 英

吉 本 ばなな N P の 英 語 イタリア 語 訳 比 較 19 語 訳 では 原 文 の ゼリーみたいに が 省 略 されてい るが イタリア 語 訳 は 現 実 がゼリー 化 し と 忠 実 に 訳 されている 10 じゃあ 魅 力 って 何 だろう? と 思 った あのずれ 具 合 や 自 立 している 才 能 の 自 己 充 足 的 な 何 か 他 者 とは 決 してわか ちあえない 彼 女 自 身 だけの 内 面 の 苦 悩 のよう なもの 数 人 にしか 通 じない 強 力 な 合 言 葉 (149) ( 英 訳 ) 私 を 彼 女 に 惹 きつけるものは 何 だろう? 彼 女 の 自 己 充 足 性 自 立 できる 能 力 だろう か?もしくは 彼 女 の 苦 悩 の 独 自 の 原 因 彼 女 を 他 人 の 痛 みから 離 す 何 かだろう か? What was it that attracted me to her? Was it her self-sufficiency, her ability to stand on her own? Or the unique cause of her suffering, something that set her apart from other people s pain? (124-5) ( 伊 訳 )じゃあ 彼 女 の 魅 力 って 何 だろう?と 自 問 した おそらく エキセントリックな 何 か 独 立 した 何 か 彼 女 を 他 者 と 区 別 する 自 立 的 な 何 か 他 人 とは 分 かち 合 えない 自 分 の 内 面 で 一 人 で 苦 しまねばならない 何 か 数 人 とだけ 通 じ 合 える 強 力 な 合 言 葉 のよ うな Allora qual è il suo fascino? Mi chiesi. Forse quel qualcosa di eccentrico, di indipendente, di autonomo che la distingueva. Qualcosa che era impossibile dividere con gli altri, di cui doveva soffrire da sola dentro di sé. Come una parola d ordine cosi potente da poter essere comunicata solo a pochi. (106) 翠 は 普 通 の 人 のはずなのに どこが 人 と 変 わって いるのかを 分 析 している 文 章 ここは 原 文 に 独 特 な 言 葉 使 いが 目 立 ち かなり 訳 しづらいと 思 われる 英 語 訳 では 原 文 の 数 人 にしか 通 じない 強 力 な 合 言 葉 の 部 分 が 省 略 されている 翻 訳 の 傾 向 以 上 いくつかの 翻 訳 例 を 比 較 した そこから 傾 向 として 言 えることは 英 語 訳 は 原 文 を 削 除 したり 態 を 変 えたり 意 訳 をしたりする 部 分 が 多 いのに 対 し イタリア 語 訳 は 全 てではないが 比 較 的 原 文 に 忠 実 に 訳 しているということである 確 かに 吉 本 ば ななの 文 章 は 比 喩 が 独 特 であったり 主 語 や 目 的 語 が 省 略 されたり 自 由 間 接 話 法 が 用 いられたりと 読 者 による 解 釈 が 必 要 な 箇 所 が 多 数 見 られる それ を 外 国 語 話 者 に 伝 わるように 移 し 変 えるためには ある 程 度 の 訳 文 の 変 更 はどうしても 必 要 であろう 翻 訳 は 原 文 をそのまま 写 す 鏡 ではないので 異 なる 言 語 に 訳 す 以 上 原 文 がある 程 度 の 変 更 をこうむる のは 避 けられないことである この 作 品 の 翻 訳 に 対 する 訳 者 の 姿 勢 の 違 いは 英 語 訳 のように 読 者 にわ かりやすい 翻 訳 を 目 指 す 読 者 重 視 訳 文 重 視 主 義 と イタリア 語 訳 のように 原 文 を 忠 実 に 翻 訳 すること を 目 指 す 原 文 中 心 主 義 との 違 いとなって 現 れてい ると 言 えよう この 二 つを 両 立 した 翻 訳 にするのは 困 難 である ため 翻 訳 者 はどちらか 一 つの 姿 勢 を 取 らざるを 得 ない ただ この 作 品 N P の 翻 訳 に 限 って 考 えると どちらの 姿 勢 が 望 ましいであろうか 言 葉 の 機 能 それを 判 断 するために この N P という 小 説 における 言 葉 の 機 能 や 働 きについて 考 えてみた い 吉 本 ばななの 作 品 には 社 会 的 にタブー 視 されて いる 要 素 ( 近 親 相 姦 同 性 愛 自 殺 離 婚 ジェン ダーやセクシュアリティーの 逆 転 霊 的 なもの オ カルトなど)が 多 く 取 り 入 れられている これらは キリスト 教 圏 特 にイタリアのようにカトリックが 大 半 を 占 める 国 では 道 徳 的 もしくは 生 理 的 に 受 け 入 れられない 要 素 と 言 える N P においては 翠 という 登 場 人 物 がこうした 要 素 を 一 手 に 引 き 受 けている 具 体 的 には 近 親 相 姦 や 自 殺 心 中 への 衝 動 性 的 奔 放 さなどであり また 同 性 愛 の 可 能 性 も 暗 示 されている そして 物 語 の 最 後 で 彼 女 は 自 分 の 異 母 兄 弟 の 子 供 を 身 ごもって 姿 を 消 す こうし

20 東 京 工 芸 大 学 工 学 部 紀 要 Vol. 28 No.2(2005) たインモラルな 負 の 要 素 を 全 て 背 負 って 彼 女 は 物 語 の 最 後 で 不 在 という 沈 黙 の 状 態 に 追 いやられる このような タブー 禁 忌 とされている 事 柄 は 一 般 的 には 口 に 出 しづらいという 特 徴 がある 口 に するのもはばかられる という 言 い 回 しがあるが これは 道 徳 的 社 会 的 性 的 に 逸 脱 した 事 柄 を 言 語 化 したり 発 話 したりすることは 避 けるべきであ るという 観 念 を 反 映 した 言 葉 である こうした 沈 黙 不 在 の 代 理 表 象 という 役 割 を 担 う 一 方 で 翠 は 近 親 相 姦 の 結 果 出 来 た 子 供 を 産 んで 育 てようと 決 意 する つまり 彼 女 がどこかでは 生 きていて 前 へ 進 んでいることが 示 されてもいるの である 物 語 はこの 状 態 で 終 わるので 翠 がその 身 に 帯 びる 道 徳 的 社 会 的 性 的 逸 脱 に 結 論 や 価 値 判 断 が 下 されることはない 作 者 がこの 本 のあとがき で 翠 を 読 む 人 によって 最 低 の 女 にも 菩 薩 にもな るような 存 在 にしたかった (233)と 述 べているよ うに 翠 が 象 徴 する 逸 脱 には 多 義 的 解 釈 が 可 能 であ ると 考 えられる こうして 一 見 プロブレマティッ クな 要 素 をあえて 言 語 化 しないことで タブーを 否 定 も 肯 定 もしない 結 末 になっているのである 同 じくあとがきで N P のテーマの 一 つが テレパシーとシンパシーであると 述 べられている が これは 言 葉 の 機 能 が 介 在 しないところで 人 間 同 士 がつながる 可 能 性 を 示 唆 している つまり 言 葉 が 人 間 にとっての 全 ての 意 味 や 価 値 を 決 定 して はいないというのが この 作 品 で 描 かれている 世 界 であると 思 われる 以 上 の 点 から この N P における 言 葉 の 在 り 方 とは 万 能 でも 絶 対 でもなく むしろ 不 完 全 で 曖 昧 なものだと 言 える 作 品 全 体 における 言 葉 使 い も 独 特 であったり いまひとつ 理 解 しづらかった り 読 みにくかったりというように 言 葉 の 不 完 全 性 そのものを 反 復 しているかのようである こうした 特 徴 を 持 つテクストを 外 国 語 に 翻 訳 す る 際 も その 言 葉 に 出 来 なさや 伝 わりにくさを 反 映 した 訳 にする 方 が 原 文 の 本 質 を 捉 えていると 思 わ れる つまり この 場 合 は 原 文 のスタイルを 忠 実 に 訳 文 に 移 したイタリア 語 訳 の 方 が 適 しているの ではないだろうか 読 者 のために 最 低 限 の 意 訳 や 変 更 は 確 かに 必 要 ではある しかし 例 えば6の そ の 人 がその 人 である 不 幸 みたいなもの という 文 章 を 英 語 訳 のように 皆 不 幸 を 持 っている と いった わかりやすく 普 遍 性 のある 解 釈 に 還 元 して しまうと 原 文 の 独 自 性 や 世 界 観 が 失 われかねない あえて 直 訳 にするべき 文 章 を 見 極 めることも 翻 訳 において 必 要 な 作 業 であると 思 われる 終 わりに 翻 訳 に 対 する 姿 勢 は 訳 者 により 異 なるが 決 ま った 正 解 は 存 在 しない 読 者 にわかりやすい 翻 訳 を 目 指 すと 原 文 の 雰 囲 気 やリズムを 残 すのが 難 しく なり 一 方 原 文 に 忠 実 に 訳 すと 読 者 にとってわか りづらい 訳 文 になるというリスクが 発 生 する どち らを 取 るかは 翻 訳 者 の 選 択 によるが 吉 本 ばななの この 作 品 に 関 しては イタリア 語 訳 のようなアプロ ーチが 適 当 だと 思 われる 翻 訳 をする 際 は 原 文 の 特 徴 を 把 握 した 上 で 訳 し 方 を 決 定 するのが 望 まし いのではないだろうか 参 考 文 献 1) 吉 本 ばなな N P 角 川 書 店 1990 2) Yoshimoto, Banana N.P. translated by Ann Sherif, Faber and Faber, London, 1994 3) Yoshimoto, Banana N.P. traduzione di Giorgio Amitrano, Giangiacomo Feltrinelli Editore, Milano, 1992 4) Venuti, Laurence The Translator s invisibility. London & New York: Routledge, 1995 5) E.G.サイデンステッカー 安 西 徹 雄 日 本 文 の 翻 訳 大 修 館 書 店 1983 6) ハッチャー 保 子 小 説 キッチン 英 伊 独 訳 の 比 較 分 析 福 岡 大 学 人 文 論 集 pp.1125-58 2000 7) 大 澤 吉 博 現 代 日 本 文 学 英 訳 におけるテク スト 操 作 吉 本 ばなな キッチン 英 訳 を 例 として 外 国 語 研 究 紀 要 東 京 大 学 大 学 院 総 合 文 化 研 究 科 外 国 語 委 員 会 刊 pp.1-14 2001 8) 文 学 界 1993 年 8 月 号 イタリアの 吉 本 ばなな(P.130 133) 文 芸 春 秋 社 9) 国 文 学 解 釈 と 教 材 の 研 究 1994 年 2 月 号 特 集 : 吉 本 ばなな 学 灯 社