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公表表紙

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

m07 北見工業大学 様式①

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スライド 1

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

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平 均 賃 金 を 支 払 わなければならない この 予 告 日 数 は 平 均 賃 金 を 支 払 った 日 数 分 短 縮 される( 労 基 法 20 条 ) 3 試 用 期 間 中 の 労 働 者 であっても 14 日 を 超 えて 雇 用 された 場 合 は 上 記 2の 予 告 の 手 続

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Microsoft Word - 目次.doc

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

18 国立高等専門学校機構

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3 体 制 整 備 等 (1) 全 ての 特 定 事 業 主 が 共 同 して 取 組 むものとする () 総 務 部 人 事 管 理 室 人 事 課 を 計 画 推 進 の 主 管 課 とし 全 ての 市 職 員 により 推 進 する (3) 実 施 状 況 を 把 握 し 計 画 期 間 中 で

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Microsoft Word - 通達(参考).doc

ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

16 日本学生支援機構

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

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は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

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(2) 就 業 規 則 の 状 況 就 業 規 則 は 90.0%の 事 業 所 が 整 備 している このうち 就 業 規 則 を 周 知 している 事 業 所 は 84.0%で 周 知 の 方 法 ( 複 数 回 答 )については 常 時 掲 示 または 備 え 付 け が 最 も 多 く 64

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている 総 合 的

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平 成 34 年 4 月 1 日 から 平 成 37 年 3 月 31 日 まで 64 歳 第 2 章 労 働 契 約 ( 再 雇 用 希 望 の 申 出 ) 第 3 条 再 雇 用 職 員 として 継 続 して 雇 用 されることを 希 望 する 者 は 定 年 退 職 日 の3か 月 前 まで

技 能 労 務 職 公 務 員 民 間 参 考 区 分 平 均 年 齢 職 員 数 平 均 給 与 月 額 平 均 給 与 月 額 平 均 給 料 月 額 (A) ( 国 ベース) 平 均 年 齢 平 均 給 与 月 額 対 応 する 民 間 の 類 似 職 種 東 庄 町 51.3 歳 18 77

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育休代替任期付職員制度について

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参 考 様 式 再 就 者 から 依 頼 等 を 受 けた 場 合 の 届 出 公 平 委 員 会 委 員 長 様 年 月 日 地 方 公 務 員 法 ( 昭 和 25 年 法 律 第 261 号 ) 第 38 条 の2 第 7 項 規 定 に 基 づき 下 記 のとおり 届 出 を します この

波佐見町の給与・定員管理等について

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別紙3

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(2)大学・学部・研究科等の理念・目的が、大学構成員(教職員および学生)に周知され、社会に公表されているか

(6) 事 務 局 職 場 積 立 NISAの 運 営 に 係 る 以 下 の 事 務 等 を 担 当 する 事 業 主 等 の 組 織 ( 当 該 事 務 を 代 行 する 組 織 を 含 む )をいう イ 利 用 者 からの 諸 届 出 受 付 事 務 ロ 利 用 者 への 諸 連 絡 事 務

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 H H H5.4.1 ( 参 考 値 ) 97.1 H H H H5.4.1 H H5.4.1 ( 参 考

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新 行 財 政 改 革 推 進 大 綱 実 施 計 画 個 票 取 組 施 策 国 や 研 究 機 関 への 派 遣 研 修 による 資 質 向 上 の 推 進 鳥 インフルエンザ 等 新 たな 感 染 症 等 に 対 する 検 査 技 術 の 習 得 など 職 員 の 専 門

( 注 )1 ラスパイレス 指 数 とは 全 地 方 公 共 団 体 の 一 般 行 政 職 の 給 料 月 額 を 一 の 基 準 で 比 較 するため の 職 員 数 ( 構 成 )を 用 いて 学 歴 や 経 験 年 数 の 差 による 影 響 を 補 正 し の 行 政 職 俸 給 表 (

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った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

27-045人事規程270401

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就 業 規 則 ( 福 利 厚 生 ) 第 章 福 利 厚 生 ( 死 亡 弔 慰 金 等 ) 第 条 法 人 が 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 民 間 社 会 福 祉 施 設 等 職 員 共 済 規 程 に 基 づき 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 との 間 において 締 結 す

(1) 率 等 一 覧 ( 平 成 26 年 度 ) 目 課 客 体 及 び 納 義 務 者 課 標 準 及 び 率 法 内 に 住 所 を 有 する ( 均 等 割 所 得 割 ) 内 に 事 務 所 事 業 所 又 は 家 屋 敷 を 有 する で 内 に 住 所 を 有 し ないもの( 均 等

(5) 給 与 改 定 の 状 況 該 当 なし ( 事 委 員 会 を 設 置 していないため) 1 月 例 給 事 委 員 会 の 勧 告 ( 参 考 ) 民 間 給 与 公 務 員 給 与 較 差 勧 告 給 与 改 定 率 国 の 改 定 率 A B AB ( 改 定 率 ) 年 度 ( )

共 通 認 識 1 官 民 較 差 調 整 後 は 退 職 給 付 全 体 でみて 民 間 企 業 の 事 業 主 負 担 と 均 衡 する 水 準 で あれば 最 終 的 な 税 負 担 は 変 わらず 公 務 員 を 優 遇 するものとはならないものであ ること 2 民 間 の 実 態 を 考

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 現 況 ( 平 成 22 1 号 給 の 給 料 月 額 137,9 188,9 226,7 266,4 294,3 最 高 号 給 の 給 料 月 額 247,9 314,9 362,8 399,9 415,1 ( 注 ) 給 料 月 額 は 給 与 抑 制

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2 前 項 前 段 の 規 定 にかかわらず 年 俸 制 教 職 員 から 申 し 出 があった 場 合 においては 労 使 協 定 に 基 づき その 者 に 対 する 給 与 の 全 額 又 は 一 部 を 年 俸 制 教 職 員 が 希 望 する 金 融 機 関 等 の 本 人 名 義 の 口

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70 愛媛大学

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3 職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 ( ベース) 43.7 歳 32, , ,321

入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

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別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

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平 成 27 年 11 月 ~ 平 成 28 年 4 月 に 公 開 の 対 象 となった 専 門 協 議 等 における 各 専 門 委 員 等 の 寄 附 金 契 約 金 等 の 受 取 状 況 審 査 ( 別 紙 ) 専 門 協 議 等 の 件 数 専 門 委 員 数 500 万 円 超 の 受

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3 独 占 禁 止 法 違 反 事 件 の 概 要 (1) 価 格 カルテル 山 形 県 の 庄 内 地 区 に 所 在 する5 農 協 が, 特 定 主 食 用 米 の 販 売 手 数 料 について, 平 成 23 年 1 月 13 日 に 山 形 県 酒 田 市 所 在 の 全 国 農 業 協

定款

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Transcription:

北 海 道 委 託 事 業 労 務 管 理 人 材 育 成 事 業 ( 非 正 規 労 働 者 正 社 員 化 等 プロジェクト) 委 託 業 務 待 遇 改 善 や 正 社 員 化 により 非 正 規 労 働 者 の 能 力 を 活 かそう

はじめに( 刊 行 にあたって) 少 子 高 齢 化 の 進 展 による 人 口 減 少 は 今 後 一 層 進 展 することが 確 実 視 されており それにともない 労 働 力 人 口 も 大 幅 な 減 少 が 見 込 まれ ています 一 方 労 働 力 人 口 が 減 少 する 中 で 非 正 規 労 働 者 が 増 加 し ており 本 道 においては 雇 用 者 全 体 に 占 める 非 正 規 労 働 者 の 割 合 が 全 国 よりも 高 い 水 準 で 推 移 しています こうした 環 境 の 中 今 後 も 道 内 企 業 が 持 続 的 な 経 済 成 長 を 図 るため には 若 者 や 女 性 の 就 業 率 を 高 め 積 極 的 な 社 会 参 加 を 促 すととも に 働 く 人 一 人 ひとりの 潜 在 的 な 能 力 を 引 き 出 すことのできる 職 場 環 境 づくりが 欠 かせないものとなっています 本 年 度 北 海 道 では 非 正 規 労 働 者 の 待 遇 改 善 や 正 社 員 化 を 促 進 す ることで 人 材 の 確 保 定 着 等 を 図 ることが 企 業 の 経 営 力 を 高 める 上 で 重 要 との 認 識 から 労 務 管 理 人 材 育 成 事 業 ( 非 正 規 労 働 者 正 社 員 化 等 プロジェクト) を 実 施 しました 本 書 待 遇 改 善 や 正 社 員 化 により 非 正 規 労 働 者 の 能 力 を 活 かそう は その 業 務 成 果 の 一 つとして 道 内 企 業 の 皆 様 への 情 報 提 供 を 目 的 に 非 正 規 労 働 者 の 正 社 員 化 等 の 意 義 や 効 果 主 な 業 種 ごとの 正 社 員 化 等 に 向 けた 手 法 などについて とりまとめを 行 ったものです 中 小 企 業 の 競 争 力 の 源 泉 は 人 材 であり 雇 用 形 態 や 性 別 等 を 問 わず 従 業 員 が 活 躍 できる 職 場 であることが 企 業 の 発 展 にもつながって きます そうした 観 点 からも 非 正 規 労 働 者 の 待 遇 改 善 や 正 社 員 化 に 向 けた 取 組 は 重 要 なポイントとなってきます 皆 様 に 本 書 をご 活 用 いただくことで 今 後 の 職 場 環 境 づくりの 一 助 になれば 幸 いです 平 成 26 年 12 月 株 式 会 社 北 海 道 二 十 一 世 紀 総 合 研 究 所 2

目 次 はじめに 1.イントロダクション --------------------------------------- 1 非 正 規 労 働 者 とは----------------------------------------- 1 非 正 規 労 働 者 の 現 状 --------------------------------------- 1 2. 非 正 規 労 働 者 の 均 衡 待 遇 正 社 員 化 の 促 進 に 向 けて------------ 3 道 内 企 業 を 取 り 巻 く 雇 用 環 境 -------------------------------- 3 非 正 規 雇 用 の 課 題 問 題 点 ---------------------------------- 4 非 正 規 労 働 者 の 活 用 方 策 について--------------------------- 5 均 衡 待 遇 正 社 員 化 の 促 進 によるメリット------------------- 6 正 社 員 化 に 向 けた 取 組 の 類 型 化 ----------------------------- 8 均 衡 待 遇 正 社 員 化 の 促 進 に 向 けた 課 題 --------------------- 8 3. 業 種 別 の 特 徴 と 均 衡 待 遇 正 社 員 化 に 向 けた 取 組 方 針 --------- 10 建 設 業 におけるポイント 整 理 ------------------------------- 10 製 造 業 (ものづくり)におけるポイント 整 理 ----------------- 12 卸 売 小 売 業 におけるポイント 整 理 ------------------------- 14 サービス 宿 泊 業 におけるポイント 整 理 ---------------------- 16 介 護 福 祉 におけるポイント 整 理 --------------------------- 18 業 種 別 にみた 均 衡 待 遇 正 社 員 化 に 向 けた 課 題 と 取 組 方 針 ----- 20 4. 主 な 支 援 制 度 と 相 談 窓 口 ------------------------------------ 21 関 係 法 制 度 の 法 改 正 の 動 き---------------------------------- 21 主 な 支 援 制 度 ---------------------------------------------- 22 主 な 相 談 窓 口 --------------------------------------------- 25 3

1.イントロダクション 非 正 規 労 働 者 とは 非 正 規 労 働 者 とは 法 令 上 の 概 念 ではなく 社 会 実 態 から 生 まれた 表 現 であり いわゆる 正 規 雇 用 以 外 の 労 働 者 の 総 称 です 厚 生 労 働 省 の 望 ましい 働 き 方 ビジョン の 中 では 下 図 の1から3を 満 たす 労 働 者 を 正 規 雇 用 として それ 以 外 を 非 正 規 雇 用 としています また 一 般 的 に 非 正 規 雇 用 は 労 働 契 約 に 期 間 の 定 めがある 場 合 を 有 期 契 約 労 働 者 所 定 労 働 時 間 がフルタイムではない 一 部 に 限 られている 場 合 を 短 時 間 労 働 者 雇 用 関 係 と 指 揮 命 令 関 係 が 異 なる 間 接 雇 用 の 場 合 を 派 遣 労 働 者 と 分 類 されます 雇 用 形 態 に 係 る 法 制 上 の 整 理 1 期 間 の 定 めがない( 無 期 ) 2フルタイム 3 直 接 雇 用 正 規 雇 用 4 勤 続 年 数 に 応 じた 待 遇 5 勤 務 地 業 務 の 限 定 なし 時 間 外 労 働 あり 満 た さ な い 場 合 a 有 期 契 約 労 働 者 b 短 時 間 労 働 者 c 派 遣 労 働 者 非 正 規 雇 用 多 様 な 正 社 員 ( 勤 務 地 業 務 等 が 限 定 ) 1~5を 満 たす 場 合 典 型 的 正 規 雇 用 非 正 規 労 働 者 の 現 状 増 え 続 ける 非 正 規 労 働 者 近 年 全 国 的 に 非 正 規 労 働 者 は 増 加 傾 向 にあります 1985 年 時 点 におい て 非 正 規 労 働 者 が 労 働 者 全 体 に 占 める 割 合 は 約 16%となっていましたが 2005 年 には 30%を 超 えており その 後 も 非 正 規 労 働 者 は 緩 やかではある ものの 着 実 に 増 え 続 けており 2013 年 時 点 には 36%を 超 えています 出 典 : 総 務 省 労 働 力 調 査 ( 詳 細 集 計 ) なお 00 年 以 前 は 総 務 省 労 働 力 調 査 ( 特 別 調 査 ) 1

若 年 層 での 増 加 が 目 立 つ 非 正 規 労 働 者 非 正 規 雇 用 の 労 働 者 の 占 める 割 合 は 近 年 すべての 年 齢 層 で 上 昇 傾 向 に あります 特 に 15~24 歳 及 び 25~34 歳 の 比 較 的 若 い 世 代 における 増 加 幅 が 大 きく なっています 一 方 55~64 歳 の 世 代 では 若 い 世 代 を 上 回 る 増 加 がみられますが これは 高 年 齢 者 雇 用 安 定 法 の 改 正 (2006 年 ) にともない 非 正 規 労 働 者 として 再 雇 用 されるケースが 増 えたためとみられ ます 出 典 : 総 務 省 労 働 力 調 査 ( 詳 細 集 計 ) (00 年 以 前 は 総 務 省 労 働 力 調 査 ( 特 別 調 査 ) ) 非 正 規 労 働 者 の 賃 金 カーブは 横 ばい 傾 向 雇 用 形 態 別 の 賃 金 ( 時 給 ベース)をみ ると 正 社 員 又 は 正 職 員 の 一 般 労 働 者 と 比 べて そのほかの 労 働 者 の 賃 金 が 低 くなっていることが 分 かります 特 に 両 者 の 差 は 年 齢 が 上 がるほど 大 きくなっており 非 正 規 労 働 者 は 年 齢 が 上 がっても 賃 金 が 大 きく 変 わら ない 状 況 がうかがえます 非 正 規 労 働 者 が 現 在 の 就 業 形 態 を 選 んだ 理 由 非 正 規 労 働 者 が 現 在 の 就 業 形 態 を 選 んだ 理 由 として 自 分 の 都 合 の 良 い 時 間 に 働 けるから 家 計 の 補 助 学 費 等 を 得 たいから を 挙 げる 回 答 が 多 くみ られます 一 方 1999 年 の 調 査 結 果 と 比 べる と 正 社 員 として 働 ける 会 社 がなかっ たから を 挙 げる 回 答 が 増 加 している ことが 分 かります 出 典 : 厚 生 労 働 省 賃 金 構 造 基 本 統 計 調 査 ( 平 成 25 年 ) 出 典 : 厚 生 労 働 省 就 業 形 態 の 多 様 化 に 関 する 総 合 実 態 調 査 2

2. 非 正 規 労 働 者 の 均 衡 待 遇 正 社 員 化 の 促 進 に 向 けて 道 内 企 業 を 取 り 巻 く 雇 用 環 境 減 少 傾 向 にある 労 働 力 人 口 道 内 の 人 口 は 1995 年 をピークに 微 減 傾 向 で 推 移 しており 今 後 は 本 格 的 な 人 口 減 少 局 面 に 入 るとみられています 国 立 社 会 保 障 人 口 問 題 研 究 所 の 推 計 によると 今 後 有 効 な 対 策 が 講 じられない 場 合 2040 年 の 道 内 人 口 は 419 万 人 になると 推 計 されており 2010 年 か らおよそ 130 万 人 の 大 幅 な 減 少 が 見 込 まれています 特 に 少 子 高 齢 化 の 進 展 にともない 生 産 年 齢 人 口 (15~64 歳 )が 4 割 近 く 減 少 し 生 産 年 齢 人 口 割 合 が 50% 近 くまで 落 ち 込 むと みられています 資 料 : 国 勢 調 査 ( 総 務 省 ) 日 本 の 地 域 別 将 来 推 計 人 口 ( 平 成 25 年 3 月 推 計 )( 国 立 社 会 保 障 人 口 問 題 研 究 所 )より 作 成 道 内 における 人 材 不 足 感 の 高 まり 道 内 における 労 働 者 の 過 不 足 状 況 について 雇 用 人 員 判 断 DI の 推 移 をみると 2012 年 6 月 にマイナス に 転 じて 以 降 落 ち 込 みが 続 いてお り 人 材 の 不 足 感 が 強 まっている 傾 向 にあります 資 料 : 企 業 短 期 経 済 観 測 調 査 結 果 ( 日 本 銀 行 札 幌 支 店 )より 作 成 注 )DIは 過 剰 - 不 足 3

非 正 規 雇 用 の 課 題 問 題 点 非 正 規 雇 用 には 自 分 の 都 合 に 合 わせて 仕 事 の 時 間 や 期 間 を 調 整 できるというメリットが ある 一 方 で 雇 用 が 不 安 定 賃 金 が 低 い 能 力 開 発 機 会 が 少 ないなどのデメリットがありま す また 企 業 にとっても 非 正 規 雇 用 の 労 働 者 を 雇 うことで 需 要 や 収 益 に 合 わせて 雇 用 調 整 を 行 いやすくなったり 人 件 費 を 始 めとした 経 費 を 抑 制 できるなどのメリットがある 一 方 で 労 働 者 の 定 着 率 が 悪 い 知 識 や 技 能 を 社 内 に 蓄 積 しづらいなどのデメリットがあります 非 正 規 雇 用 は 労 使 双 方 にとってのメリット デメリットがある 一 方 で 少 なくとも 現 状 に おいては 若 者 を 中 心 に 非 正 規 雇 用 になるとその 状 態 が 長 期 にわたって 続 き なかなか 正 規 雇 用 になることができないなど 雇 用 の 安 定 と 公 正 な 処 遇 を 巡 って 一 般 的 に 以 下 のよう な 課 題 や 問 題 点 があるとされています 労 働 者 企 業 非 正 規 雇 用 のメリット デメリット メリット デメリツト 自 分 の 都 合 に 合 わせて 仕 事 の 時 間 や 期 間 を 調 整 で 期 間 の 定 めのある 雇 用 契 約 となるため 身 分 が 不 きる 安 定 である 職 務 上 の 責 任 が 軽 い 退 職 金 制 度 や 社 会 保 険 に 加 入 しないことが 多 い 間 口 が 広 いため 正 社 員 よりも 採 用 されやすい 正 社 員 と 比 べて 賃 金 が 低 いことに 加 えて 賞 与 が 多 くの 企 業 で 経 験 を 積 むことができる 出 ないことが 多 いため 収 入 が 少 なくなりがちで あり 経 済 的 自 立 が 困 難 である 仕 事 の 能 力 が 上 がっても 昇 給 につながらないこと が 多 い 補 助 的 業 務 が 中 心 になりがちで 教 育 訓 練 やスキ ルアップを 図 る 機 会 が 与 えられないことが 多 く 職 業 キャリアの 形 成 が 十 分 に 行 われない 病 気 やけがで 休 んだ 時 や 失 業 した 時 に 各 種 保 険 制 度 が 適 用 されないことがあったり きめ 細 かな 求 職 者 支 援 制 度 が 確 立 されていないなど セーフテ ィネットが 十 分 に 整 備 されていない 面 がある 労 働 条 件 の 明 示 残 業 割 増 賃 金 の 支 払 いなど 労 働 関 係 法 令 の 適 用 が 十 分 に 進 んでおらず 労 働 者 の 声 も 届 きにくい 需 要 や 収 益 の 変 化 にあわせて 雇 用 を 調 整 しやす 定 着 率 が 悪 い い 知 識 や 技 能 を 社 内 に 蓄 積 しづらい 賃 金 が 低 く 退 職 金 や 社 会 保 険 料 を 払 わないこと 製 造 業 では 熟 練 工 サービス 業 ではベテランが 育 も 多 いため 人 件 費 を 抑 制 しやすい ちにくい 能 力 開 発 を 前 提 としていないことが 多 いため 社 正 社 員 と 比 べて 会 社 に 対 する 忠 誠 心 や 責 任 感 が 低 員 教 育 にかかる 費 用 を 削 減 できる い 4

非 正 規 労 働 者 の 活 用 方 策 について 労 働 者 の 価 値 観 や 生 活 様 式 が 多 様 化 している 昨 今 においては 仕 事 と 家 庭 の 両 立 (ワーク ライフ バランス)の 観 点 からも 労 働 者 が 自 らの 選 択 により 多 様 な 働 き 方 を 実 現 できる 社 会 は 望 ましいものとして 考 えられています しかしながら 現 状 においては 非 正 規 雇 用 で 多 様 な 働 き 方 を 求 めれば 雇 用 の 安 定 と 公 正 な 処 遇 が 後 退 し 正 規 雇 用 で 雇 用 の 安 定 と 公 正 な 処 遇 を 求 めれば 働 き 方 が 拘 束 されるな ど 多 くの 課 題 や 問 題 点 が 散 見 されています また 正 社 員 として 働 ける 会 社 がなかった などの 消 極 的 な 理 由 から 非 正 規 雇 用 で 働 いて いる 労 働 者 ( 不 本 意 非 正 規 就 業 者 )も 一 定 程 度 存 在 しており 中 でも 25~34 歳 の 比 較 的 若 い 世 代 では 30%を 超 えるなど 高 い 割 合 を 占 めていることも 非 正 規 雇 用 が 長 期 化 しやすいと いう 現 状 からは 課 題 の1つになっているといえます とりわけ 今 後 の 大 幅 な 人 口 の 減 少 が 見 込 まれる 中 若 者 を 中 心 に 非 正 規 雇 用 で 働 く 労 働 者 の 割 合 が 高 まっている 現 状 においては 持 続 的 な 経 済 成 長 や 社 会 保 障 制 度 の 維 持 調 和 と 活 力 ある 社 会 の 形 成 のためにも 若 者 が 安 定 的 な 雇 用 に 就 き 適 切 なキャリアを 積 む ことができるようにすることが 何 より も 重 要 だと 考 えられています 資 料 : 厚 生 労 働 省 労 働 力 調 査 (2013 年 詳 細 結 果 ) より 作 成 望 ましい 働 き 方 ビジョンについて 平 成 24 年 3 月 に 厚 生 労 働 省 がとりまとめた 望 ましい 働 き 方 ビジョン では 正 規 雇 用 非 正 規 雇 用 を 取 り 巻 く 環 境 を 踏 まえて 雇 用 の 安 定 の 確 保 公 正 な 働 き 方 の 確 保 労 働 者 による 多 様 な 働 き 方 の 自 律 的 選 択 の 3 つを 基 本 的 な 考 え 方 として 今 後 の 雇 用 労 働 政 策 を 進 めていくことが 重 要 だとされています そのためには 非 正 規 雇 用 の 労 働 者 に 対 して 公 正 な 処 遇 の 確 保 ステップアップのための 能 力 形 成 支 援 を 行 うとともに 多 様 な 正 社 員 の 導 入 などにより 正 規 雇 用 の 労 働 者 の 働 き 方 を 変 えていくことで 正 規 雇 用 と 非 正 規 雇 用 の 二 極 化 を 解 消 し 労 働 者 がライフステージ 等 に 応 じて さまざまな 働 き 方 を 主 体 的 に 選 択 できる 体 制 を 構 築 すべきと 考 えられています 5

正 規 雇 用 と 非 正 規 雇 用 の 二 極 化 解 消 のイメージ 正 規 雇 用 典 型 的 な 正 規 雇 用 ( 雇 用 期 間 の 定 めがなく 働 き 方 に 限 定 もない) 公 正 な 処 遇 の 確 保 ステップアップ いわゆる 多 様 な 正 社 員 ( 雇 用 期 間 の 定 めがないが 労 働 時 間 職 種 勤 務 地 など 働 き 方 に 限 定 あり) ステップアップ ステップアップ 二 極 化 を 解 消 非 正 規 雇 用 (パート 派 遣 契 約 社 員 等 ) ( 大 多 数 が 雇 用 期 間 の 定 めがあり 労 働 時 間 職 種 勤 務 地 など 働 き 方 に 限 定 あり) 出 典 : 望 ましい 働 き 方 ビジョン ( 厚 生 労 働 省 ) 能 力 形 成 支 援 非 正 規 雇 用 で 働 く 労 働 者 に 対 する 基 本 姿 勢 正 規 雇 用 での 労 働 を 希 望 する 場 合 非 正 規 雇 用 での 労 働 を 希 望 する 場 合 正 社 員 への 転 換 支 援 多 様 な 正 社 員 の 活 用 教 育 訓 練 の 奨 励 均 等 均 衡 待 遇 などの 公 正 な 処 遇 の 確 保 均 衡 待 遇 正 社 員 化 の 促 進 によるメリット 非 正 規 労 働 者 の 正 社 員 化 や 均 等 均 衡 待 遇 を 促 進 することは 企 業 にとっても 経 営 力 の 強 化 につながるなど さまざまなメリットがあります 働 くモチベーションの 維 持 向 上 非 正 規 労 働 者 は 頑 張 れば 正 社 員 になれるという 目 標 が 得 られることで 働 くことへのモ チベーションが 高 まる 効 果 があります 定 期 的 に 正 社 員 登 用 の 機 会 が 与 えられ また 登 用 されるために 求 められる 知 識 やノウハウ 成 果 などの 要 件 が 明 確 であればあるほど 正 社 員 になるために 何 をすべきか 目 標 設 定 がより 明 確 になります また 非 正 規 労 働 者 のモチベーションをより 高 めるため 正 社 員 化 に 向 けたスキルを 段 階 的 に 習 得 でき その 結 果 を 待 遇 に 反 映 する 仕 組 みを 導 入 するといった 工 夫 を 行 っている 企 業 もみられます 6

質 の 高 い 人 材 の 確 保 正 社 員 登 用 制 度 は 新 卒 中 途 による 正 社 員 採 用 と 比 べて 意 欲 や 能 力 の 高 い 人 材 を 時 間 をかけて 見 極 めることができるというメリットがあります また 社 内 の 組 織 や 業 務 の 流 れ を 理 解 している 人 材 を 確 保 できるため 採 用 リスクが 軽 減 されるとともに 即 戦 力 の 人 材 と なることが 期 待 できます 質 の 高 い 人 材 の 確 保 は 提 供 するサービスの 質 の 向 上 にもつながり その 結 果 顧 客 満 足 度 や 売 上 増 に 貢 献 している 事 例 も 多 くみられます 従 業 員 の 定 着 率 向 上 従 業 員 の 働 くモチベーションが 向 上 することで 職 場 の 中 で 自 分 が 期 待 され 役 立 っている という 意 識 ( 自 己 効 力 感 )を 持 つことになれば 会 社 への 帰 属 意 識 の 高 まりなどにもつなが り その 結 果 として 従 業 員 の 定 着 率 がより 高 まるというメリットが 出 てくると 考 えられま す また 働 きがいのある 会 社 として 外 部 にも 周 知 されることになれば 将 来 の 採 用 活 動 がス ムーズになるという 効 果 も 期 待 できます 社 内 全 体 の 活 性 化 正 社 員 化 等 に 向 けた 取 組 は 正 社 員 登 用 を 目 指 す 非 正 規 労 働 者 だけではなく 既 存 の 正 社 員 にも 良 い 影 響 をもたらすことになります 例 えば 正 社 員 を 目 指 す 非 正 規 労 働 者 の 頑 張 り が 既 存 の 正 社 員 にも 刺 激 を 与 え お 互 いが 切 磋 琢 磨 することで 会 社 全 体 として 活 気 が 生 ま れている 事 例 もみられます また 正 社 員 が 非 正 規 労 働 者 の OJT に 積 極 的 に 関 わることで 両 者 の 間 のコミュニケーシ ョンが 図 られ 一 体 感 が 醸 成 されるというメリットもあります 特 に 若 手 の 正 社 員 が 非 正 規 労 働 者 の 教 育 係 を 担 当 する 場 合 は 若 手 社 員 本 人 の 人 材 育 成 も 図 られるといったメリットが あります 正 社 員 化 均 衡 待 遇 に 取 り 組 むメリット 働 くモチベーションの 維 持 向 上 質 の 高 い 人 材 の 確 保 従 業 員 の 定 着 率 向 上 正 社 員 になるという 目 標 が 設 定 され 働 く 意 欲 が 向 上 意 欲 や 能 力 の 高 い 人 材 の 採 用 に 寄 与 質 の 高 い 人 材 を 確 保 できること で 売 上 増 等 に 貢 献 従 業 員 が 自 己 効 力 感 を 持 つことで 会 社 への 帰 属 意 識 が 高 まり 従 業 員 の 定 着 率 が 向 上 社 内 全 体 の 活 性 化 切 磋 琢 磨 する 職 場 づくりや 非 正 規 労 働 者 のOJTを 通 じた 正 社 員 の 人 材 育 成 に 貢 献 7

正 社 員 化 に 向 けた 取 組 の 類 型 化 非 正 規 労 働 者 を 正 社 員 に 登 用 するパターンは 正 社 員 への 登 用 を 前 提 としながら 非 正 規 労 働 者 として 採 用 し 一 定 期 間 本 人 の 能 力 や 適 性 を 見 極 めた 上 で 正 社 員 に 登 用 する 試 行 雇 用 型 一 定 の 要 件 を 満 たした 非 正 規 労 働 者 を 対 象 として 定 期 的 に 正 社 員 に 登 用 する 定 期 登 用 型 適 切 な 人 材 がいた 場 合 に 正 社 員 に 登 用 する 不 定 期 登 用 型 の 3 つのパターンが 考 えられます 定 期 登 用 型 は 半 年 あるいは 1 年 ごとなど 定 期 的 に 非 正 規 労 働 者 に 正 社 員 になる 機 会 を 提 供 するとともに 登 用 する 要 件 も 明 確 化 していることが 多 いため 非 正 規 労 働 者 にとって は 正 社 員 になるための 目 標 が 設 定 しやすく 仕 事 に 対 するモチベーションも 高 くなります 一 方 不 定 期 登 用 型 は 非 正 規 労 働 者 はいつ 正 社 員 になれるか 分 からず また 登 用 され るための 要 件 が 不 明 確 な 場 合 が 多 いため 仕 事 へのモチベーションは 定 期 登 用 型 に 比 べて 低 くなることが 想 定 されます 試 行 雇 用 型 定 期 登 用 型 不 定 期 登 用 型 正 社 員 化 に 向 けた 取 組 の 類 型 概 要 採 用 時 に 非 正 規 労 働 者 として 雇 用 し 正 社 員 への 登 用 を 前 提 としな がら 一 定 期 間 本 人 の 能 力 や 適 性 を 見 極 めた 上 で 正 社 員 に 登 用 一 定 期 間 就 業 し 要 件 を 満 たした 非 正 規 労 働 者 を 定 期 的 に 正 社 員 に 登 用 登 用 要 件 を 明 確 にしている 企 業 が 多 い 不 定 期 ではあるが 一 定 期 間 就 業 した 非 正 規 労 働 者 を 正 社 員 に 登 用 はっきりとした 登 用 要 件 のない 企 業 が 多 い 均 衡 待 遇 正 社 員 化 の 促 進 に 向 けた 課 題 企 業 が 正 社 員 化 や 均 等 均 衡 待 遇 に 取 り 組 む 目 的 は 業 種 や 対 象 となる 非 正 規 労 働 者 の 職 種 業 務 内 容 などによって 異 なりますが 取 組 を 進 めるに 当 たって 労 務 コストの 上 昇 や 正 社 員 を 望 む 非 正 規 労 働 者 が 少 ないことが 課 題 になってくることが 想 定 されます 労 務 コストの 上 昇 について 正 社 員 化 や 均 等 均 衡 待 遇 を 促 進 することは 賃 金 や 福 利 厚 生 人 材 教 育 にともなう 労 務 コストの 増 加 につながる 可 能 性 があります しかしながら その 一 方 で 質 の 高 い 人 材 の 確 保 社 内 全 体 の 活 性 化 などに 寄 与 するというメリットがあります また 従 業 員 の 定 着 率 が 向 上 するというメリットも 踏 まえると 取 組 を 行 わないことで 従 業 員 の 離 職 による 新 たな 人 材 の 採 用 育 成 コストがかさむというデメリットが 生 じている 可 能 性 も 否 定 できません こうしたマイナスの 影 響 についてもしっかりと 認 識 することが 大 切 です 先 進 的 に 取 り 組 んでいる 企 業 では 単 に 制 度 を 導 入 するだけではなく 非 正 規 労 働 者 に 対 して 正 社 員 と 分 け 隔 てなく 能 力 開 発 の 機 会 を 提 供 したり 社 員 同 士 あるいは 上 司 とのコミ ュニケーションを 図 りやすい 環 境 づくりにも 配 慮 するなど 従 業 員 の 定 着 促 進 に 向 けて さ まざまなコストをかけつつ 成 果 をあげています 8

女 性 の 活 力 を 活 かした 企 業 経 営 に 向 けて 正 社 員 化 を 促 進 しようとしても 特 に 女 性 従 業 員 の 場 合 は 責 任 が 重 くなることや 子 育 てなどの 家 庭 の 事 情 から パートやアルバイトでの 勤 務 を 希 望 することも 多 く 優 秀 な 人 材 であっても その 能 力 を 活 かしきれないことが 課 題 となっています その 一 方 で 将 来 の 労 働 力 人 口 の 大 幅 な 減 少 が 見 込 まれる 現 在 の 状 況 下 においては 女 性 の 社 会 参 加 を 積 極 的 に 促 し 女 性 の 就 業 率 を 高 めていくことが 必 要 不 可 欠 であると 考 えられ ます 女 性 社 員 を 抱 える 企 業 においては 正 社 員 の 登 用 制 度 の 導 入 や 均 衡 待 遇 の 促 進 だけではな く 出 産 育 児 休 暇 を 取 得 しやすい 社 内 風 土 やスムーズに 現 場 復 帰 できるためのサポート 体 制 の 充 実 を 図 ったり 短 時 間 勤 務 や 勤 務 地 限 定 に 対 応 した 限 定 正 社 員 を 導 入 することで 女 性 が 子 育 てなどをしながらでも 働 き 続 けることができるようにするなど さまざまな 側 面 で 働 きやすい 職 場 環 境 づくり が 求 められているといえます また 正 社 員 に 求 められる 職 務 や 責 任 の 範 囲 を 明 確 にするなど 非 正 規 労 働 者 が 正 社 員 を 目 指 すか そのまま 非 正 規 労 働 者 のままでいるのかを 検 討 できる 判 断 材 料 をしっかりと 情 報 提 供 することも 重 要 です そうした 点 が 不 明 確 になってしまうと 正 社 員 に 登 用 された 後 実 際 の 職 務 内 容 とのイメージギャップが 原 因 で 退 職 してしまう 可 能 性 もあります 効 果 的 な 制 度 導 入 に 向 けて 非 正 規 労 働 者 の 正 社 員 化 や 均 等 均 衡 待 遇 は 従 業 員 の 生 活 の 安 定 に 寄 与 するものとして 制 度 の 導 入 が 期 待 されています ただし 制 度 を 導 入 したとしても それが 賃 金 の 改 善 や 雇 用 安 定 を 図 るためのもので 終 わってしまっては 会 社 の 経 営 面 において 労 務 コストの 上 昇 従 業 員 の 階 層 化 をもたらすだけのものになってしまう 可 能 性 があります 非 正 規 労 働 者 の 正 社 員 化 や 均 等 均 衡 待 遇 に 取 り 組 む 目 的 や 享 受 したいメリットをきちん と 明 確 にして その 実 現 に 向 けた 人 材 育 成 や 人 事 評 価 などの 仕 組 みを 構 築 した 上 で 正 社 員 として 戦 力 化 した 人 材 を 登 用 することが 企 業 経 営 力 の 強 化 につながっていくものと 考 え られます 均 衡 待 遇 正 社 員 化 の 促 進 の 課 題 と 課 題 解 決 に 向 けた 方 針 課 題 労 務 コストの 上 昇 課 題 解 決 に 向 けた 方 針 質 の 高 い 人 材 の 確 保 / 定 着 率 の 向 上 / 社 内 全 体 の 活 性 化 などに 寄 与 するメリットを 認 識 取 組 を 行 わないことで 従 業 員 の 離 職 による 新 たな 人 材 の 採 用 育 成 コストがかさむという デメリットが 生 じている 可 能 性 があることを 認 識 正 社 員 を 望 む 非 正 規 労 働 者 が 少 ない ( 特 に 女 性 従 業 員 ) 将 来 の 労 働 力 人 口 の 大 幅 な 減 少 が 見 込 まれるため 女 性 の 社 会 参 加 を 積 極 的 に 促 し 就 業 率 を 高 めていくことが 必 要 そのための 対 策 として 女 性 が 子 育 てなどをしながら 働 き 続 けることができる 職 場 環 境 づくり 出 産 育 児 休 暇 を 取 得 しやすい 社 内 風 土 / 現 場 復 帰 に 向 けてのサポート 体 制 の 充 実 / 短 時 間 勤 務 や 勤 務 地 限 定 に 対 応 した 限 定 正 社 員 の 導 入 など 正 社 員 を 目 指 すのか 非 正 規 労 働 者 のままでいるのかを 検 討 できる 判 断 材 料 の 提 供 正 社 員 に 求 められる 職 務 や 責 任 の 範 囲 を 明 確 化 など 9

3. 業 種 別 の 特 徴 と 均 衡 待 遇 正 社 員 化 に 向 けた 取 組 方 針 建 設 業 におけるポイント 整 理 1. 現 状 課 題 北 海 道 の 建 設 業 は 道 内 就 業 者 の 約 1 割 が 従 事 する 主 要 産 業 の 一 つとなっています 1990 年 代 後 半 からの 公 共 工 事 の 削 減 に 伴 う 受 注 減 は 道 内 建 設 業 に 大 きな 打 撃 を 与 え 就 業 者 数 は 大 きく 減 少 しました その 後 東 日 本 大 震 災 を 経 て 公 共 投 資 を 中 心 とした 建 設 需 要 が 回 復 を 見 せはじめ 近 年 は 有 効 求 人 倍 率 が 上 昇 するなど 逆 に 人 手 不 足 感 が 強 まっています このことは 過 去 の 人 員 削 減 と 足 元 の 需 要 増 加 というバランスの 変 化 が 大 きく 影 響 しています 非 正 規 労 働 者 の 割 合 が 高 い 女 性 雇 用 平 成 24 年 就 業 構 造 基 本 調 査 ( 総 務 省 統 計 局 )によると 北 海 道 の 建 設 業 では 雇 用 者 ( 役 員 を 除 く)に 占 める 非 正 規 労 働 者 の 割 合 が 25.4%となっており 他 の 産 業 より 低 い 水 準 にあり ます これは 従 業 者 数 の 87%が 男 性 であり 男 性 比 率 の 高 い 産 業 であることが 影 響 してい るためとみられます 一 方 男 女 別 に 非 正 規 労 働 者 の 割 合 をみると 男 性 で 22.6%となっているのに 対 して 女 性 で 43.8%となっており 女 性 での 割 合 が 高 くなっています 技 能 労 働 者 の 不 足 と 若 年 層 の 確 保 育 成 建 設 業 における 労 働 力 は 若 年 層 の 割 合 が 低 く 他 産 業 に 比 べて 若 年 者 の 入 職 が 少 ないと いわれています 今 後 熟 練 技 能 を 有 する 高 年 齢 層 の 労 働 者 が 大 量 に 離 職 することとなりま すが このまま 若 年 者 等 の 入 職 が 進 まなければ 全 国 的 に 技 能 労 働 者 が 不 足 することから 道 内 の 建 設 業 界 においても 若 年 労 働 者 の 確 保 育 成 が 喫 緊 の 課 題 となっています 季 節 労 働 者 を 含 む 臨 時 日 雇 労 働 者 への 依 存 建 設 業 には 受 注 生 産 個 別 生 産 屋 外 生 産 移 動 生 産 といった 生 産 活 動 面 の 特 性 がある ほか 多 くが 請 負 契 約 であることから 工 事 代 金 の 支 払 時 期 や 金 額 が 多 様 であるなど 他 の 産 業 とは 違 った 経 営 の 難 しさがあります また 競 争 によるダンピング 受 注 などもあり こう した 背 景 から 臨 時 日 雇 労 働 者 への 依 存 がみられ 不 明 確 な 雇 用 関 係 が 指 摘 されることもあ るなど 就 業 形 態 への 影 響 が 顕 在 化 しています とりわけ 北 海 道 の 建 設 業 においては 多 数 の 季 節 労 働 者 を 抱 えており 人 数 としては 年 々 減 少 しているものの 雇 用 の 通 年 化 という 課 題 もあります 下 請 構 造 がもたらす 待 遇 面 の 格 差 厚 生 労 働 省 の 調 べによれば 企 業 の 従 業 者 数 規 模 が 小 さくなるほど 非 正 規 雇 用 の 割 合 が 高 くなるとされています この 点 から 数 的 には 中 小 零 細 企 業 が 多 くを 占 め 重 層 的 な 下 請 構 造 である 建 設 業 では 元 請 企 業 と 下 請 企 業 とで 非 正 規 雇 用 の 実 態 に 差 があると 予 想 されま す 実 際 に 中 小 零 細 企 業 においては 労 働 災 害 への 対 応 不 足 労 働 条 件 の 改 善 福 利 厚 生 へ の 対 応 不 足 能 力 開 発 の 機 会 不 足 などといった 非 正 規 労 働 者 の 雇 用 管 理 面 の 問 題 も 散 見 され ます 10

2. 課 題 解 決 に 向 けた 取 組 事 例 (1) 契 約 社 員 の 正 社 員 登 用 札 幌 市 の 電 気 工 事 会 社 では 正 社 員 登 用 制 度 の 規 定 を 定 めているわけではありませんが 各 部 署 の 現 場 判 断 によって 登 用 の 稟 議 が 出 され ここ 数 年 は 毎 年 契 約 社 員 で 優 秀 な 人 材 を 正 社 員 に 転 換 しています 今 後 も 正 社 員 登 用 を 促 進 するため キャリアアップ 助 成 金 の 活 用 に 向 けて 労 働 組 合 の 意 見 を 聞 きながら キャリアアップ 計 画 の 作 成 を 進 めようと 考 えています (2) 正 社 員 登 用 による 若 年 層 のモチベーションアップ 札 幌 市 の 住 宅 メーカーでは 店 舗 数 を 増 加 させるため 店 舗 の 責 任 者 候 補 を 育 てる 正 社 員 登 用 制 度 を 導 入 しています 4 か 月 に 1 回 リーダーとの 個 別 面 談 で 本 人 の 希 望 を 聞 き リ ーダーが 評 価 推 薦 し 適 性 検 査 を 実 施 した 上 で 登 用 しています 登 用 された 社 員 は 職 務 に 対 する 責 任 感 とモチベーションが 上 がっているとともに 職 場 全 体 にも 活 気 が 生 まれています (3) 女 性 が 働 きやすい 職 場 づくり 宮 城 県 の 中 小 総 合 建 設 会 社 では 建 設 業 では 珍 しく 社 内 の 全 ての 部 署 に 女 性 を 配 置 して います 女 性 正 社 員 の 平 均 勤 続 年 数 も 長 く 非 正 規 労 働 者 の 女 性 を 正 社 員 へ 登 用 した 実 績 も あります また 仕 事 と 家 庭 の 両 立 (ワーク ライフ バランス)に 関 するチラシを 作 成 したり 男 女 問 わず 休 暇 を 積 極 的 に 与 えるなど 働 きやすい 職 場 環 境 づくりへの 配 慮 を 継 続 的 に 行 ってい ます (4) 季 節 労 働 者 の 通 年 雇 用 化 札 幌 市 の 設 備 工 事 会 社 では 道 内 建 設 業 の 特 徴 でもある 冬 季 の 業 務 量 の 減 少 に 対 応 するた め 冬 季 にはアルバイト 社 員 の 契 約 を 解 除 していましたが 優 秀 な 人 材 確 保 と 社 員 の 生 活 安 定 を 目 的 に 現 在 は 正 社 員 登 用 を 促 進 するとともに 冬 季 の 業 務 量 を 増 やすように 事 業 拡 大 に 努 めています 同 社 では 正 社 員 登 用 を 促 進 したことで 社 員 の 定 着 率 が 高 まっているほか 正 社 員 に 登 用 した 従 業 員 に 対 して 資 格 取 得 に 係 る 費 用 補 助 制 度 を 導 入 することで 本 人 のスキルアップ も 促 しています 11

製 造 業 (ものづくり)におけるポイント 整 理 1. 現 状 課 題 北 海 道 の 製 造 業 は 道 内 就 業 者 の 約 8%が 従 事 しており 食 品 加 工 を 中 心 とし 本 道 経 済 を 支 える 基 幹 産 業 の1つとなっています グローバル 化 空 洞 化 円 高 の 進 展 デフレの 長 期 化 リーマンショックなどといった 厳 しい 経 営 環 境 のもとで 1990 年 代 前 半 から 工 場 数 就 業 者 数 はともに 減 少 してきましたが 近 年 の 雇 用 人 員 DI 有 効 求 人 倍 率 からは 建 設 業 と 同 様 に 人 手 不 足 の 様 相 がみられています 非 正 規 労 働 者 の 割 合 が 高 い 女 性 および 中 高 年 雇 用 平 成 24 年 就 業 構 造 基 本 調 査 ( 総 務 省 統 計 局 )によると 北 海 道 の 製 造 業 では 雇 用 者 ( 役 員 を 除 く)に 占 める 非 正 規 労 働 者 の 割 合 が 40.9%となっており 全 産 業 の 割 合 とほぼ 同 じ 水 準 にあります 建 設 業 と 同 様 に 女 性 の 雇 用 において 非 正 規 労 働 者 の 割 合 が 高 く 男 性 が 22.2%であるの に 対 して 女 性 で 68.1%となっています また 50~64 歳 の 雇 用 者 においても 非 正 規 労 働 者 の 割 合 が 53.8%と 高 くなっています 重 要 な 戦 力 であるパートタイム 労 働 者 製 造 業 の 中 でも 食 品 製 造 業 は 女 性 のパートタイム 労 働 者 が 多 い 業 種 といえます 近 年 は 生 産 ラインでの 単 純 労 働 が 若 年 層 を 中 心 に 敬 遠 され とりわけ 地 方 部 においては 人 手 不 足 が 顕 著 になっています 食 品 製 造 業 は 北 海 道 の 基 幹 産 業 の 1 つでもあることから 非 正 規 労 働 者 の 待 遇 改 善 や 働 きやすい 職 場 環 境 づくりが 必 要 となります また 平 成 27 年 4 月 より 改 正 パートタイム 労 働 法 が 施 行 されることから 正 社 員 との 差 別 的 扱 いを 禁 止 する 対 象 者 の 拡 大 など パートタイム 労 働 者 の 公 正 な 待 遇 の 確 保 が 必 要 とな ります 技 術 技 能 の 伝 承 に 必 要 な 若 年 層 の 確 保 育 成 大 学 卒 業 者 に 対 する 大 企 業 と 中 小 企 業 の 有 効 求 人 倍 率 には 大 きな 差 があり 中 小 ものづく り 企 業 では 人 材 を 充 分 に 確 保 できない 状 況 にあります ものづくり 企 業 においては 技 術 技 能 の 伝 承 に 必 要 な 若 年 層 の 確 保 育 成 が 重 要 な 課 題 となっています その 一 方 で 労 働 者 派 遣 法 が 改 正 され 派 遣 可 能 な 業 種 となった 製 造 業 においても 非 正 規 労 働 者 の 比 率 が 高 まってきました 製 造 業 はもともと 正 社 員 の 比 率 が 高 く 離 職 率 の 低 い 業 種 であり 長 期 的 な 視 点 のもとで 人 材 育 成 が 図 られてきましたが 非 正 規 労 働 者 の 増 加 によ って こうした 慣 行 や 考 え 方 の 衰 退 が 懸 念 されます 生 産 工 程 の 高 度 化 IT 化 の 進 展 による 職 種 の 明 確 化 正 社 員 には 高 度 な 設 計 開 発 業 務 や 機 器 管 理 オペレーション 非 正 規 労 働 者 には 単 純 な 組 立 作 業 梱 包 作 業 事 務 作 業 などといった 正 社 員 と 非 正 規 労 働 者 の 間 に 従 事 する 職 種 の 差 が 明 確 になってきました さらに IT 化 の 進 展 により 同 じ 職 場 であっても 正 社 員 と 非 正 規 労 働 者 とで 習 得 する 技 術 やノウハウの 差 が 拡 大 しています 非 正 規 労 働 者 の 正 社 員 化 キャリアアップを 図 るうえでは 能 力 開 発 の 機 会 拡 充 や 人 材 育 成 の 充 実 が 必 要 とされていま す 12

2. 課 題 解 決 に 向 けた 取 組 事 例 (1) 長 期 的 な 能 力 開 発 を 見 据 えた 幅 広 い 施 策 推 進 埼 玉 県 の 金 属 製 品 製 造 会 社 では パート 職 員 が 約 3 割 を 占 めており パート 職 員 の 意 識 の 向 上 定 着 率 の 向 上 を 図 るため 賞 与 の 支 給 OJT と Off-JT を 連 動 させた 計 画 的 な 教 育 訓 練 の 検 討 長 期 的 な 能 力 開 発 を 見 据 えた 新 人 事 考 課 制 度 の 導 入 自 主 性 を 尊 重 した 正 社 員 転 換 制 度 の 規 定 化 のほか 正 社 員 と 同 等 の 福 利 厚 生 の 提 供 QC 活 動 への 参 加 促 進 に 取 り 組 んでい ます 正 社 員 への 転 換 者 は 責 任 感 が 高 まり 働 きぶりが 良 くなっていることから 今 後 も 双 方 の 条 件 が 合 えば 正 社 員 への 転 換 を 増 やしたいと 考 えています (2) 女 性 の 活 力 を 引 き 出 す 正 社 員 化 と 均 衡 待 遇 砂 川 市 の 化 粧 品 製 造 会 社 では 女 性 社 員 が 大 半 を 占 めている 状 況 を 受 けて 会 社 で 長 く 働 いてほしいとの 思 いから 本 人 の 希 望 と 努 力 次 第 でいつでも 正 社 員 に 転 換 できる 正 社 員 登 用 制 度 を 導 入 しています さらに 正 社 員 でなくても 責 任 者 に 昇 格 させるなど 正 社 員 との 均 衡 待 遇 も 図 っています 同 社 では 正 社 員 化 や 均 衡 待 遇 を 促 進 した 結 果 社 内 全 体 で 積 極 的 に 会 社 経 営 に 参 加 しよ うとする 社 風 が 生 まれ 業 績 向 上 につながるという 効 果 がみられています (3)パートタイマーのさらなる 戦 力 化 恵 庭 市 の 食 品 製 造 会 社 では パート 職 員 にも 喜 びややりがいを 持 って 働 いてもらえるよう に 明 確 な 人 事 考 課 に 基 づく 評 価 資 格 制 度 を 導 入 しています また パート 職 員 も 参 加 で きる 研 修 プログラムを 整 備 するとともに クレームへの 対 応 力 育 成 や 技 能 の 幅 を 広 げるため の 計 画 的 ジョブローテーションを 行 うなど 正 社 員 と 同 様 の 能 力 開 発 を 実 施 しています そのほかにも パート 職 員 のための 就 業 規 則 を 制 定 し 福 利 厚 生 の 充 実 を 図 るとともに パート 職 員 の 意 見 を 汲 み 上 げ 処 遇 や 労 働 環 境 の 改 善 に 活 かしています 職 務 等 級 制 度 と 連 動 した 正 社 員 転 換 制 度 も 導 入 しており これらの 取 組 により パート 職 員 のモチベーション が 向 上 し 働 きがいのある 会 社 として 他 社 との 差 別 化 が 図 られています 13

卸 売 小 売 業 におけるポイント 整 理 1. 現 状 課 題 小 売 業 は 顧 客 の 中 心 が 女 性 であるため 一 般 的 に 店 舗 における 販 売 業 務 について 女 性 従 業 員 の 採 用 が 多 く 女 性 社 員 の 能 力 発 揮 が 進 んでいるといわれています 一 方 販 売 業 務 においては 正 社 員 とパートタイマーに 職 務 内 容 の 差 がほとんどみられない ことから 正 社 員 化 や 均 衡 待 遇 の 促 進 さらには 仕 事 と 家 庭 の 両 立 支 援 の 充 実 などにより 非 正 規 雇 用 者 のモチベーション 維 持 向 上 を 図 り 女 性 の 活 力 を 活 かしていくことが 経 営 上 の 重 要 な 課 題 となります 女 性 が 多 く 非 正 規 労 働 者 の 割 合 が 高 い 業 種 平 成 24 年 就 業 構 造 基 本 調 査 ( 総 務 省 統 計 局 ) によると 北 海 道 の 卸 売 小 売 業 では 雇 用 者 ( 役 員 を 除 く ) に 占 め る 非 正 規 労 働 者 の 割 合 が 54.2%となっており 他 の 産 業 よりも 高 くなっ ています 同 調 査 によると 卸 売 業 小 売 業 の 女 性 就 業 者 数 は 19.5 万 人 と 医 療 福 祉 に 次 いで 多 く そのほかの 業 種 を 10 万 人 以 上 も 上 回 るな ど 女 性 の 多 い 職 種 であることが 影 響 している とみられます( 図 1) ポジティブ アクションの 観 点 から 厚 生 労 働 省 では ポジティブ アクション( 企 業 における 女 性 活 躍 推 進 の 取 組 )を 推 進 す る 観 点 から 職 域 役 職 などで 生 じている 男 女 労 働 者 間 の 格 差 の 実 態 把 握 気 づきを 得 るこ とを 目 的 に 業 種 別 見 える 化 支 援 ツール を 作 成 しています この 支 援 ツールの 活 用 事 例 によると 例 えばスーパーマーケット 業 界 には 店 舗 の 販 売 員 から 店 舗 の 売 場 主 任 までは 女 性 の 登 用 が 比 較 的 進 んできたものの 店 長 以 上 のクラスの 管 理 職 層 への 登 用 が 進 んでいないことが 課 題 として 挙 げられています 管 理 職 に 占 める 女 性 比 率 が 低 いのは そもそも 正 社 員 に 占 める 女 性 比 率 が 低 いことが 原 因 の 1 つに 挙 げられており 正 社 員 化 や 非 正 社 員 からのキャリアアップを 検 討 することが 重 要 になってくると 考 えられます 一 方 女 性 社 員 が 昇 進 を 受 け 入 れやすくする 環 境 づくりも 求 められています 例 えば 店 長 職 は 店 舗 での 判 断 業 務 に 加 え トラブルやクレームへの 対 応 も 求 められ 時 間 的 拘 束 が 長 く 物 理 的 および 精 神 的 な 負 担 感 が 大 きいこともあり 育 児 など 家 庭 生 活 との 両 立 が 難 し いのが 実 態 です こうした 環 境 を 改 善 することも 女 性 管 理 職 の 比 率 を 高 める 1 つのポイン トになるといわれています 14

2. 課 題 解 決 に 向 けた 取 組 事 例 (1) 正 社 員 化 の 促 進 道 内 のある 卸 売 会 社 では 職 場 の 上 長 がトレーナー 役 となり 本 社 から 教 育 責 任 者 が 事 業 所 に 出 向 き 非 正 規 労 働 者 を 対 象 として 社 内 ルールや 接 客 マナーを 重 視 した 研 修 も 実 施 するなど OJT に 力 を 入 れています 正 社 員 の 能 力 評 価 基 準 に 照 らして 非 正 規 労 働 者 の 能 力 を 評 価 し 契 約 更 新 時 の 昇 給 に 反 映 させたり 正 社 員 への 登 用 を 促 進 しており 社 員 のモチベーションの 向 上 にもつながってい ます (2)ステップアップの 道 筋 の 明 確 化 道 外 のある 小 売 会 社 では 入 社 時 に 正 規 社 員 非 正 規 労 働 者 に 関 わらず 店 舗 事 務 のス キル 経 理 処 理 商 品 研 修 コンプライアンス 等 の 研 修 を 実 施 しています さらに 契 約 社 員 に 対 しては 基 幹 的 な 契 約 社 員 とその 他 の 契 約 社 員 に 区 分 し 基 幹 的 な 契 約 社 員 への 転 換 や 基 幹 的 な 契 約 社 員 から 正 社 員 への 転 換 を 積 極 的 に 実 施 しています また 道 外 のある 食 品 スーパーでは パートの 等 級 を 1 級 と 2 級 に 分 け 能 力 評 価 の 結 果 等 に 基 づき 昇 級 できる 制 度 を 導 入 しています 1 級 保 持 者 は 店 主 任 店 次 長 ナイトチーフ 等 の 役 職 まで 昇 進 することができ 昇 進 後 も 筆 記 試 験 および 面 接 により 契 約 社 員 や 正 社 員 に 転 換 できます このように 正 社 員 登 用 制 度 の 導 入 に 加 え そのステップアップの 道 筋 が 明 確 であること により 優 秀 な 人 材 の 確 保 や 従 業 員 として 勤 め 続 ける 上 での 意 欲 向 上 につながっています (3) 女 性 社 員 の 意 見 収 集 を 反 映 した 制 度 の 整 備 帯 広 市 の 車 両 販 売 会 社 では 北 海 道 が 実 施 した 地 域 子 育 てあんしん 職 場 づくり 促 進 事 業 ( 平 成 24 年 度 )を 活 用 し アドバイザーである 社 会 保 険 労 務 士 の 指 導 の 元 女 性 社 員 が 長 く 働 くことができ キャリアアップを 図 ることができる 職 場 環 境 の 整 備 に 取 り 組 みました 仕 事 と 子 育 ての 両 立 ができるように 育 児 介 護 休 業 法 に 準 拠 した 育 児 休 業 規 程 を 整 備 するとともに 女 性 がより 働 きやすい 職 場 環 境 の 整 備 に 向 けて 独 身 の 女 性 社 員 を 対 象 とし たヒアリングにより 把 握 できた 意 見 要 望 などを 職 場 づくりに 積 極 的 に 反 映 させています さらに こうした 女 性 の 働 きやすい 職 場 づくり が 会 社 の 魅 力 につながり 新 卒 者 を 始 め とした 若 い 人 材 の 安 定 的 な 確 保 にもつながっています 15

サービス 宿 泊 業 におけるポイント 整 理 1. 現 状 課 題 一 般 的 に 対 人 サービスを 提 供 する 業 種 や 職 種 ほど 従 業 員 のストレスが 多 く 離 職 率 が 高 いといわれています 新 規 学 卒 者 の 事 業 所 規 模 別 産 業 別 離 職 状 況 ( 厚 生 労 働 省 )によると サービス 宿 泊 業 の 卒 業 後 3 年 後 の 離 職 率 ( 全 国 )は 高 校 卒 業 者 ( 平 成 23 年 3 月 卒 )で 66.9% 大 学 卒 業 者 ( 同 )で 52.3%となっており 他 の 業 種 に 比 べて 特 に 高 くなっています 正 規 雇 用 を 希 望 しながら 非 正 規 労 働 者 として 就 職 する 若 年 層 が 多 いことが 想 定 されるた め 正 社 員 化 や 均 衡 待 遇 等 により 若 年 層 の 定 着 を 促 進 することが 喫 緊 の 課 題 となっています 非 正 規 労 働 者 の 割 合 が 最 も 高 い 業 種 平 成 24 年 就 業 構 造 基 本 調 査 ( 総 務 省 統 計 局 )によると 北 海 道 の 宿 泊 業 飲 食 サービス 業 の 雇 用 者 ( 役 員 を 除 く)に 占 める 非 正 規 労 働 者 の 割 合 は 73.8%となっており 全 産 業 の 中 で 最 も 高 くなっています これは 女 性 比 率 の 高 い 産 業 であることが 影 響 しており( 従 業 者 数 の 67%が 女 性 ) 女 性 の 雇 用 者 についてみると 非 正 規 労 働 者 の 割 合 は 86.8%と 非 常 に 高 くなっています 正 社 員 と 非 正 社 員 の 職 種 の 差 がない サービス 宿 泊 業 では 製 造 業 や 建 設 業 あるいは 医 療 介 護 等 のように 業 務 上 特 定 資 格 を 必 ずしも 必 要 としない 業 種 が 多 いことから 正 社 員 登 用 に 係 る 基 準 を 設 定 することに 難 し い 面 があります また 職 種 上 正 社 員 と 非 正 社 員 との 差 が 生 じづらいことなどから 社 員 間 に 不 公 平 間 が 生 じやすい 特 徴 もあります 多 種 多 様 な 職 種 が 混 在 している 対 人 サービスを 提 供 する 業 種 では 顧 客 との 高 いコミュニケーション 能 力 が 求 められます また ホテルでの 現 場 業 務 が 宿 泊 レストラン 宴 会 の 3 つの 部 門 に 分 かれているように 業 態 によっては 多 種 多 様 な 職 種 が 混 在 しているという 特 徴 もあります このため 事 業 者 には 従 業 員 の 能 力 や 向 き 不 向 きなどを 見 極 め 適 正 な 職 種 に 配 置 する ことが 求 められます 長 時 間 労 働 により 就 業 環 境 が 厳 しい 宿 泊 業 宿 泊 業 の 場 合 旅 館 ホテルの 休 館 日 が 少 な く 営 業 時 間 が 長 いという 特 徴 から 従 業 員 に とって 休 暇 が 取 得 しづらい あるいは 長 時 間 労 働 になりがちだと 言 われています また 平 成 25 年 における 月 当 たりの 所 定 内 賃 金 ( 日 本 労 働 組 合 総 連 合 会 )は 全 産 業 平 均 と 比 較 して 低 い 水 準 となっています( 図 2) ( 図 2) 16

2. 課 題 解 決 に 向 けた 取 組 事 例 (1) 労 働 時 間 の 短 縮 道 外 のあるホテルでは 長 時 間 労 働 が 起 こる 要 因 について 特 定 の 従 業 員 に 業 務 が 集 中 す ることと 考 え 業 務 をローテーションさせることで 業 務 量 の 平 準 化 につなげています 従 業 員 が 様 々な 業 務 を 経 験 することで 現 状 の 自 分 の 担 当 業 務 以 外 でもサポートができる ようになったほか この 取 組 を 通 じて 従 業 員 間 のコミュニケーションが 活 発 になったこと でチームワークが 良 くなり より 一 層 の 業 務 効 率 化 につながっています (2) 役 割 と 処 遇 の 明 確 化 道 外 を 中 心 にホテルやスポーツ 施 設 等 を 展 開 している 総 合 リゾート 会 社 では 非 正 規 労 働 者 の 役 割 と 処 遇 を 一 致 させるため 役 割 処 遇 と 雇 用 形 態 を1つの 枠 組 みの 中 で 体 系 化 する ことで その 内 容 を 明 確 にしました これにより 正 社 員 と 同 様 の 幅 広 い 業 務 を 任 される 非 正 規 労 働 者 については 正 社 員 と 同 等 の 賃 金 処 遇 (ただし 退 職 制 度 は 適 用 外 )が 適 用 されることになり 正 社 員 と 同 等 の 仕 事 役 割 を 与 えられても 待 遇 が 低 いという 課 題 が 解 消 されました また 本 人 が 希 望 し 勤 務 期 間 評 価 成 績 などの 要 件 を 満 たせば 有 期 契 約 から 無 期 契 約 に 転 換 できる 制 度 もあわせ て 導 入 しており こうした 取 組 が 非 正 規 労 働 者 のモチベーションアップに 寄 与 しています (3) 正 社 員 化 の 促 進 北 見 市 のホテルでは フロント 業 務 について 正 社 員 と 非 正 社 員 で 業 務 内 容 が 大 きく 異 な らないことから 従 業 員 間 で 不 公 平 感 が 生 じていたため 契 約 社 員 を 対 象 とした 正 社 員 登 用 制 度 を 導 入 しました このホテルでは 制 度 の 導 入 により 社 員 のモチベーションや 責 任 感 が 向 上 するなどの 成 果 が 上 がっています また 正 社 員 登 用 制 度 を 導 入 した 小 樽 市 のホテルでは 賃 金 アップや 仕 事 の 幅 が 広 がるこ とで 従 業 員 のモチベーションが 向 上 したうえ 身 近 な 社 員 が 正 社 員 に 登 用 されるのをみて さらにモチベーションが 高 まるなど 社 内 全 体 の 従 業 員 の 士 気 の 高 まりにつながっている 事 例 もみられます (4)キャリアマップの 活 用 厚 生 労 働 省 では 企 業 における 人 材 育 成 への 活 用 などを 目 的 に ものづくりからサービス 業 まで 幅 広 い 業 種 を 対 象 とした 職 業 能 力 評 価 基 準 を 作 成 しています( 平 成 26 年 5 月 時 点 で 52 業 種 ) この 職 業 能 力 評 価 基 準 を 基 に 企 業 が 人 材 育 成 に 取 り 組 む 際 に 利 用 できるツール として キャリアマップ を 作 成 しており 代 表 的 な 職 種 における 能 力 開 発 の 標 準 的 な 道 筋 が 示 されています 道 外 のあるホテルでは この キャリアマップ を 活 用 した 人 材 育 成 に 取 り 組 んでおり 非 正 規 労 働 者 に 対 して さらなるキャリアアップを 図 るために 必 要 な 経 験 や 知 識 を 段 階 的 に 明 確 化 しています さらに この キャリアマップ に 基 づき 職 業 能 力 を 評 価 する 仕 組 みと 正 社 員 登 用 制 度 を 連 動 させることで 非 正 規 労 働 者 の 目 標 設 定 やモチベーション 向 上 にも 寄 与 しています 17

介 護 福 祉 におけるポイント 整 理 1. 現 状 課 題 介 護 分 野 に 特 化 した 全 国 調 査 ( 平 成 25 年 度 介 護 労 働 実 態 調 査 : 公 益 財 団 法 人 介 護 労 働 安 定 センター)によると 介 護 職 の 80.8%が 女 性 となっており 女 性 の 割 合 の 高 い 職 種 となっ ています 一 方 平 成 26 年 10 月 時 点 の 道 内 の 職 種 別 の 求 人 賃 金 ( 北 海 道 労 働 局 )をみると 全 職 業 で 168,679 円 となっているのに 対 して ホームヘルパー ケアワーカー は 146,440 円 となっています 収 入 確 保 のためには 休 みたくても 休 めない という 状 況 なども 踏 まえ 安 定 した 雇 用 環 境 のためにも 非 正 規 労 働 者 の 正 社 員 化 や 均 衡 待 遇 が 特 に 必 要 な 職 種 であると 考 えられます 非 正 規 雇 用 労 働 者 の 割 合 は 平 均 をやや 上 回 る 程 度 平 成 25 年 度 介 護 労 働 実 態 調 査 によると 介 護 職 の 非 正 規 労 働 者 の 割 合 は 全 体 で 46.4%と なっています これは 平 成 24 年 の 就 業 構 造 基 本 調 査 ( 総 務 省 統 計 局 )で 示 される 北 海 道 全 体 での 雇 用 者 ( 役 員 を 除 く)に 占 める 非 正 規 労 働 者 の 割 合 (42.8%)をやや 上 回 っています 非 正 規 雇 用 労 働 者 で 高 い 離 職 率 採 用 率 平 成 25 年 度 介 護 労 働 実 態 調 査 から 1 年 間 の 離 職 率 についてみると 非 正 規 職 員 の 離 職 率 が 高 くなっています また 採 用 率 も 非 正 規 労 働 者 が 高 く 採 用 が 多 い 一 方 で 離 職 が 多 い 人 の 出 入 りの 多 い 業 種 であることがうかがえま す( 図 3) 人 手 不 足 や 低 賃 金 など 厳 しい 就 業 環 境 平 成 25 年 度 介 護 労 働 実 態 調 査 によると 労 働 者 における 労 働 条 件 等 の 不 満 については 人 手 が 足 りない 仕 事 内 容 のわりに 賃 金 が 低 い 有 給 休 暇 がとりにくい などがあげら れています( 図 4) 特 に 非 正 規 労 働 者 は 84.1%が 時 間 給 で 働 いており 正 規 労 働 者 と 比 べて 賃 金 が 低 い 状 況 がうかがえます 18

2. 課 題 解 決 に 向 けた 取 組 事 例 (1) 未 経 験 者 を 支 援 する 制 度 と 連 動 した 正 社 員 化 の 促 進 芦 別 市 の 社 会 福 祉 法 人 では 従 業 員 の 定 着 促 進 を 図 るため 介 護 福 祉 士 の 資 格 取 得 者 を 対 象 とした 正 社 員 登 用 制 度 を 導 入 しています また 慢 性 的 な 人 手 不 足 にある 介 護 業 界 の 現 状 を 受 けて 未 経 験 者 の 中 途 採 用 にも 積 極 的 に 取 り 組 んでいます 中 途 採 用 者 に 対 しては 担 当 ごとに 先 輩 職 員 がマンツーマンで 指 導 にあたる チューター 制 度 を 導 入 するとともに 資 格 取 得 費 用 についても 支 援 を 行 うなど 人 材 育 成 にも 力 を 入 れており 未 経 験 者 にとって は 非 常 に 心 強 い 制 度 となっています (2) 正 社 員 登 用 制 度 の 見 直 し 札 幌 市 の 社 会 福 祉 法 人 では 介 護 福 祉 士 などの 有 資 格 者 の 増 加 と 定 着 率 の 向 上 を 目 的 に 正 社 員 登 用 制 度 を 導 入 していましたが 登 用 試 験 を 受 験 したほとんどの 従 業 員 が 正 職 員 にな れる 制 度 であったため 正 職 員 間 で 意 識 や 能 力 に 差 が 生 じることが 課 題 となっていました そのため 試 験 対 象 者 内 容 合 格 基 準 などについて 見 直 しを 図 り 正 職 員 としての 適 正 化 を 進 めました その 結 果 介 護 職 員 のキャリアパスへの 取 組 が 進 められ 職 場 全 体 のモチ ベーション 向 上 につながるようになりました (3) 両 立 支 援 の 充 実 千 歳 市 のある 会 社 では 非 正 規 労 働 者 が 増 えたことで 組 織 体 制 の 維 持 に 課 題 が 生 じたため 正 社 員 を 増 やすことを 目 的 に 介 護 資 格 の 取 得 を 条 件 とした 正 社 員 登 用 制 度 を 導 入 していま す また 職 員 に 女 性 が 多 い 業 界 の 特 徴 を 踏 まえて 仕 事 と 家 庭 の 両 立 支 援 にも 力 を 入 れてい ます 変 形 労 働 時 間 制 を 導 入 することで 従 業 員 個 々の 状 況 を 考 慮 したシフト 体 制 が 組 める ようになり 職 員 がお 互 いに 協 力 し 合 うことで 安 心 して 働 くことのできる 勤 務 体 制 が 構 築 できました さらに 従 業 員 の 要 望 を 取 り 入 れ 子 どもの 看 護 休 暇 の 日 数 を 拡 大 したほか 子 どもといつでも 気 軽 に 会 えるような 職 場 環 境 を 醸 成 するなど 支 援 体 制 の 一 層 の 充 実 を 図 っており 成 果 を 上 げています (4)キャリアマップの 活 用 サービス 宿 泊 業 の 取 組 事 例 でもあったように 厚 生 労 働 省 が 作 成 したキャリアマップを 活 用 した 事 例 もみられます 道 内 では キャリアマップでレベル 最 上 位 に 位 置 づけられている 介 護 福 祉 士 を 正 社 員 登 用 の 対 象 とする 事 業 者 が 多 くみられ そうした 事 業 者 では 介 護 福 祉 士 の 資 格 取 得 に 向 けて 必 要 な 知 識 経 験 ノウハウを 習 得 できるキャリアの 道 筋 をつけることで 非 正 社 員 のモチ ベーション 向 上 につなげています 19

業 種 別 にみた 均 衡 待 遇 正 社 員 化 に 向 けた 課 題 と 取 組 方 針 建 設 業 製 造 業 卸 売 小 売 業 サ ー ビ ス 宿 泊 業 介 護 福 祉 現 状 課 題 技 能 労 働 者 の 不 足 若 年 層 の 確 保 育 成 季 節 労 働 者 など 臨 時 日 雇 労 働 者 への 依 存 中 小 零 細 企 業 における 非 正 規 労 働 者 の 雇 用 管 理 重 要 な 戦 力 であるパートタイム 労 働 者 技 術 技 能 の 伝 承 に 必 要 な 若 年 層 の 確 保 育 成 能 力 開 発 の 機 会 拡 充 人 材 育 成 の 充 実 女 性 非 正 規 労 働 者 が 多 い ポジティブ アクションの 推 進 ( 管 理 職 への 女 性 登 用 仕 事 と 家 庭 の 両 立 ) 高 い 若 年 者 の 離 職 率 長 い 労 働 時 間 など 就 業 環 境 正 社 員 と 非 正 社 員 の 業 務 の 差 がわかりづらい 高 い 非 正 規 労 働 者 の 離 職 率 女 性 が 多 い 人 手 不 足 低 賃 金 など 厳 しい 就 業 環 境 正 社 員 化 の 促 進 課 題 解 決 に 向 けた 取 組 キャリアアップ 助 成 金 の 有 効 活 用 年 に 数 回 の 定 期 的 な 正 社 員 登 用 非 正 規 労 働 者 の 均 衡 待 遇 待 遇 改 善 冬 期 業 務 確 保 による 季 節 労 働 者 の 通 年 雇 用 両 立 支 援 の 充 実 全 ての 部 署 に 女 性 を 配 置 休 暇 の 取 得 促 進 ( 建 ) 正 社 員 化 の 促 進 女 性 の 正 社 員 化 の 促 進 非 正 規 労 働 者 の 均 衡 待 遇 待 遇 改 善 正 社 員 と 同 様 の 能 力 評 価 制 度 の 導 入 非 正 規 労 働 者 の 人 材 育 成 正 社 員 と 同 様 の 長 期 的 な 能 力 開 発 計 画 的 ジョブローテーション 責 任 者 への 積 極 的 な 登 用 正 社 員 化 等 に 向 けた 資 格 取 得 支 援 正 社 員 化 の 促 進 業 務 に 応 じた 非 正 規 労 働 者 のステップアップ 非 正 規 労 働 者 の 均 衡 待 遇 待 遇 改 善 正 社 員 化 までのステップアップの 道 筋 の 明 確 化 非 正 規 労 働 者 の 人 材 育 成 正 社 員 と 同 様 の 能 力 評 価 制 度 の 導 入 両 立 支 援 の 充 実 女 性 社 員 の 意 見 を 反 映 した 職 場 環 境 づくり 正 社 員 化 の 促 進 正 社 員 と 業 務 差 がない 非 正 規 労 働 者 の 正 社 員 化 非 正 規 労 働 者 の 人 材 育 成 キャリアマップの 活 用 労 働 環 境 の 整 備 業 務 ローテーションの 実 施 で 多 様 な 業 務 サポートを 可 能 とし 全 体 業 務 量 を 削 減 正 社 員 化 の 促 進 未 経 験 者 を 支 援 する 制 度 との 連 動 合 格 基 準 の 見 直 しによるモチベーション 向 上 非 正 規 労 働 者 の 均 衡 待 遇 待 遇 改 善 正 社 員 化 までのステップアップの 道 筋 の 明 確 化 非 正 規 労 働 者 の 人 材 育 成 正 社 員 化 等 に 向 けた 資 格 取 得 支 援 キャリアマップの 活 用 労 働 環 境 の 整 備 変 形 労 働 時 間 制 の 導 入 両 立 支 援 の 充 実 看 護 休 暇 の 日 数 拡 大 20

4. 主 な 支 援 制 度 と 相 談 窓 口 関 係 法 制 度 の 法 改 正 の 動 き 労 働 契 約 法 労 働 契 約 法 は 労 働 契 約 に 関 する 基 本 的 なルールを 規 定 した 法 律 です 平 成 24 年 8 月 の 改 正 では 期 間 の 定 めのある 有 期 労 働 契 約 について 反 復 更 新 やその 下 で 生 じる 雇 止 めの 不 安 不 合 理 な 労 働 条 件 などの 問 題 に 対 処 するため 新 たに 以 下 の 3 つのルールを 規 定 しまし た なお 新 しいルールでは パート アルバイト 派 遣 社 員 契 約 社 員 嘱 託 など 職 場 での 呼 称 にかかわらず 有 期 労 働 契 約 で 働 く 人 のすべてが 対 象 となっています 改 正 法 の 3 つのルール 1 無 期 労 働 契 約 への 転 換 ( 施 行 期 日 : 平 成 25 年 4 月 1 日 ) 同 一 の 使 用 者 との 間 で 有 期 労 働 契 約 が 通 算 で 5 年 を 超 えて 繰 り 返 し 更 新 された 場 合 は 労 働 者 の 申 込 みにより 無 期 労 働 契 約 に 転 換 します 2 雇 止 め 法 理 の 法 定 化 ( 施 行 期 日 : 平 成 24 年 8 月 10 日 ) 有 期 労 働 契 約 は 使 用 者 が 更 新 を 拒 否 したときは 契 約 期 間 の 満 了 により 雇 用 が 終 了 します こ れを 雇 止 め といいます 雇 止 めについては 労 働 者 保 護 の 観 点 から 過 去 の 最 高 裁 判 例 により 一 定 の 場 合 にこれを 無 効 とする 判 例 上 のルール( 雇 止 め 法 理 )が 確 立 しています 今 回 の 法 改 正 は 雇 止 め 法 理 の 内 容 や 適 用 範 囲 を 変 更 することなく 労 働 契 約 法 に 条 文 化 しました 3 不 合 理 な 労 働 条 件 の 禁 止 ( 施 行 期 日 : 平 成 25 年 4 月 1 日 ) 同 一 の 使 用 者 と 労 働 契 約 を 締 結 している 有 期 契 約 労 働 者 と 無 期 契 約 労 働 者 との 間 で 期 間 の 定 めがあることにより 不 合 理 に 労 働 条 件 を 相 違 させることを 禁 止 するルールです パートタイム 労 働 法 平 成 27 年 4 月 1 日 から パートタイム 労 働 者 の 公 正 な 待 遇 を 確 保 し 納 得 して 働 くこと ができるようにするため パートタイム 労 働 法 や 施 行 規 則 パートタイム 労 働 指 針 が 変 わり ます 主 な 改 正 のポイントは 以 下 のとおりです 1パートタイム 労 働 者 の 公 正 な 待 遇 の 確 保 正 社 員 と 差 別 的 取 扱 いが 禁 止 されるパートタイム 労 働 者 の 対 象 範 囲 の 拡 大 パートタイム 労 働 者 の 待 遇 と 正 社 員 の 待 遇 を 相 違 させる 場 合 は 職 務 の 内 容 人 材 活 用 の 仕 組 み その 他 の 事 情 を 考 慮 して 不 合 理 と 認 められるものであってはならない 2パートタイム 労 働 者 の 納 得 性 を 高 めるための 措 置 パートタイム 労 働 者 を 雇 い 入 れたときは 雇 用 管 理 の 改 善 措 置 の 内 容 について 事 業 主 が 説 明 しなければならない 3パートタイム 労 働 法 の 実 効 性 を 高 めるための 規 定 の 新 設 雇 用 管 理 の 改 善 措 置 の 規 定 に 違 反 している 事 業 主 が 厚 生 労 働 大 臣 の 勧 告 に 従 わない 場 合 は 厚 生 労 働 大 臣 は 事 業 主 名 を 公 表 することができる 21

労 働 者 派 遣 法 現 行 の 労 働 者 派 遣 法 は 平 成 24 年 10 月 に 改 正 されたものですが その 後 も 厚 生 労 働 省 が 設 置 した 今 後 の 労 働 者 派 遣 制 度 の 在 り 方 に 関 する 研 究 会 において 労 働 者 派 遣 制 度 を 取 り 巻 く 様 々な 課 題 について 検 討 が 行 われています 平 成 25 年 8 月 にとりまとめられた 報 告 書 では 以 下 のような 内 容 が 整 理 されています 1 制 度 の 在 り 方 の 検 討 に 当 たっての 基 本 的 な 考 え 方 について 労 働 者 派 遣 制 度 の 労 働 力 需 給 調 整 における 役 割 を 評 価 しながら 派 遣 労 働 者 の 保 護 及 び 雇 用 の 安 定 等 を 積 極 的 に 図 ること 派 遣 労 働 者 のキャリアアップを 推 進 すること 労 使 双 方 にとってわかりやすい 制 度 とすること 2 整 理 されている 論 点 登 録 型 派 遣 製 造 業 務 派 遣 の 在 り 方 特 定 労 働 者 派 遣 事 業 の 在 り 方 期 間 制 限 の 在 り 方 等 派 遣 先 の 責 任 の 在 り 方 ( 派 遣 先 の 団 体 交 渉 応 諾 義 務 について) 派 遣 労 働 者 の 待 遇 派 遣 労 働 者 のキャリアアップ 措 置 その 他 主 な 支 援 制 度 キャリアアップ 助 成 金 有 期 契 約 労 働 者 短 時 間 労 働 者 派 遣 労 働 者 といった 非 正 規 雇 用 の 労 働 者 ( 正 社 員 待 遇 を 受 けていない 無 期 雇 用 労 働 者 を 含 む)の 企 業 内 でのキャリアアップ 等 を 促 進 するため 正 規 雇 用 への 転 換 人 材 育 成 処 遇 改 善 などの 取 組 を 実 施 した 事 業 主 に 対 して 助 成 する 制 度 で す 1 正 規 雇 用 等 転 換 コース 2 人 材 育 成 コース 3 処 遇 改 善 コース 4 健 康 管 理 コース 5 短 時 間 正 社 員 コース 6 短 時 間 労 働 者 の 週 所 定 労 働 時 間 延 長 コース 助 成 内 容 有 期 契 約 労 働 者 等 を 正 社 員 に 転 換 または 直 接 雇 用 した 場 合 有 期 契 約 労 働 者 等 に 一 般 職 業 訓 練 (OFF-JT) 有 期 実 習 型 訓 練 (OFF-JT+OJT) 中 長 期 キャリア 形 成 訓 練 ( 専 門 的 実 践 的 な 教 育 訓 練 )(OFF-JT) を 行 った 場 合 すべての 有 期 契 約 労 働 者 等 の 基 本 給 テーブルを 改 定 し 2% 以 上 増 額 させた 場 合 有 期 契 約 労 働 者 等 を 対 象 とする 法 定 外 の 健 康 診 断 制 度 を 新 たに 規 定 し 4 人 以 上 実 施 した 場 合 労 働 者 を 短 時 間 正 社 員 に 転 換 または 新 規 で 雇 い 入 れした 場 合 有 期 契 約 労 働 者 等 の 週 所 定 労 働 時 間 を 30 時 間 以 上 に 延 長 した 場 合 助 成 額 ( )は 大 企 業 の 額 1 有 期 正 規 :1 人 当 たり 50 万 円 (40 万 円 ) 2 有 期 無 期 :1 人 当 たり 20 万 円 (15 万 円 ) 3 無 期 正 規 :1 人 当 たり 30 万 円 (25 万 円 ) OFF-JT(1 人 当 たり) 賃 金 助 成 :1 時 間 当 たり 800 円 (500 円 ) 経 費 助 成 : 一 般 職 業 訓 練 および 有 期 実 習 型 訓 練 最 大 30 万 円 (20 万 円 ) 中 長 期 キャリア 形 成 訓 練 最 大 50 万 円 (30 万 円 ) OJT(1 人 当 たり) 賃 金 助 成 :1 時 間 当 たり 700 円 (700 円 ) 1 人 当 たり 1 万 円 (7,500 円 ) 1 事 業 所 当 たり 40 万 円 (30 万 円 ) 1 人 当 たり 20 万 円 (15 万 円 ) 有 期 契 約 労 働 者 等 から 転 換 した 場 合 は 1 人 当 たり 30 万 円 (25 万 円 ) 1 人 当 たり 10 万 円 (7 万 5,000 円 ) 赤 字 部 分 は 平 成 26 年 3 月 1 日 から 平 成 28 年 3 月 31 日 までの 間 支 給 額 を 増 額 または 要 件 を 緩 和 しています 22

トライアル 雇 用 奨 励 金 職 業 経 験 の 不 足 などから 就 職 が 困 難 な 求 職 者 を 原 則 3 か 月 間 試 行 雇 用 することにより その 適 性 や 能 力 を 見 極 め 常 用 雇 用 への 移 行 のきっかけとすることを 目 的 とした 制 度 です 1 奨 励 金 の 支 給 額 対 象 者 1 人 当 たり 月 額 最 大 4 万 円 ( 最 長 3 か 月 間 ) 2 対 象 者 以 下 のいずれかの 要 件 を 満 たした 上 で 本 人 がトライアル 雇 用 を 希 望 した 場 合 就 労 経 験 のない 職 業 に 就 くことを 希 望 する 学 校 卒 業 後 3 年 以 内 で 卒 業 後 安 定 した 職 業 に 就 いていない 過 去 2 年 以 内 に 2 回 以 上 離 職 や 転 職 を 繰 り 返 している 離 職 している 期 間 が 1 年 を 超 えている 妊 娠 出 産 育 児 を 理 由 に 離 職 し 安 定 した 職 業 に 就 いていない 期 間 が 1 年 を 超 えている 就 職 の 援 助 を 行 うに 当 たって 特 別 な 配 慮 を 要 する 中 小 企 業 労 働 環 境 向 上 助 成 金 ( 個 別 中 小 企 業 助 成 コース) 雇 用 管 理 改 善 を 推 進 し 人 材 の 定 着 確 保 を 図 ることを 目 的 に 雇 用 管 理 制 度 ( 評 価 処 遇 制 度 研 修 体 系 制 度 健 康 づくり 制 度 )の 導 入 などを 行 う 健 康 環 境 農 林 漁 業 分 野 などの 事 業 を 営 む 中 小 企 業 事 業 主 に 対 して 助 成 を 行 う 制 度 です 雇 用 管 理 制 度 助 成 中 小 企 業 事 業 主 が 労 働 者 の 労 働 環 境 の 向 上 を 図 るために 雇 用 管 理 改 善 につながる 制 度 等 を 導 入 し 適 切 に 実 施 した 場 合 に 導 入 した 制 度 に 応 じた 定 額 ( 評 価 処 遇 制 度 :40 万 円 / 研 修 体 系 制 度 :30 万 円 / 健 康 づくり 制 度 :30 万 円 )を 支 給 この 助 成 を 受 けるには あらかじめ 雇 用 管 理 制 度 整 備 計 画 を 作 成 し 都 道 府 県 労 働 局 長 の 認 定 を 受 けることが 必 要 です 介 護 福 祉 機 器 等 助 成 介 護 関 連 事 業 主 が 介 護 労 働 者 の 身 体 的 負 担 を 軽 減 するために 新 たに 介 護 福 祉 機 器 を 導 入 し 適 切 な 運 用 を 行 うことにより 労 働 環 境 の 改 善 がみられた 場 合 に 介 護 福 祉 機 器 の 導 入 費 用 の 1/2( 上 限 300 万 円 )を 支 給 この 助 成 を 受 けるには あらかじめ 導 入 運 用 計 画 を 作 成 し 都 道 府 県 労 働 局 長 の 認 定 を 受 けることが 必 要 です 23

両 立 支 援 促 進 就 業 環 境 改 善 アドバイザー 北 海 道 では 仕 事 と 家 庭 の 両 立 支 援 や 非 正 規 労 働 者 の 労 働 条 件 改 善 等 に 取 り 組 む 企 業 を 応 援 するため 両 立 支 援 促 進 就 業 環 境 改 善 アドバイザー 派 遣 事 業 を 実 施 しています 仕 事 と 家 庭 が 両 立 できる 職 場 環 境 の 整 備 や 非 正 規 労 働 者 の 労 働 条 件 改 善 を 促 進 するため 就 業 規 則 育 児 介 護 休 業 規 定 等 の 整 備 一 般 事 業 主 行 動 計 画 の 策 定 届 出 最 低 賃 金 引 上 げ に 対 応 するための 労 務 管 理 など 職 場 のさまざまな 事 柄 の 助 言 をするためにアドバイザーを 派 遣 します 1 派 遣 の 対 象 となる 事 業 所 常 時 雇 用 する 従 業 員 数 が 300 人 以 下 の 道 内 に 事 業 所 を 有 する 法 人 及 び 個 人 又 は 団 体 2アドバイザーの 業 務 労 務 管 理 の 専 門 家 である 社 会 保 険 労 務 士 等 がアドバイザーとして 以 下 のような 相 談 に 対 し 実 際 に 企 業 を 訪 問 して 改 善 策 をアドバイスします 仕 事 と 家 庭 の 両 立 ができる 職 場 環 境 の 整 備 に 関 する 業 務 非 正 規 労 働 者 の 労 働 就 業 環 境 の 改 善 に 関 する 業 務 その 他 北 海 道 あったかファミリー 応 援 企 業 登 録 など 仕 事 と 家 庭 が 両 立 できる 職 場 環 境 の 整 備 非 正 規 労 働 者 の 就 業 環 境 の 改 善 整 備 に 関 する 指 導 助 言 上 記 内 容 のセミナー 等 の 講 師 3アドバイザーの 派 遣 1 申 請 者 につき 年 度 内 原 則 2 回 まで(セミナー 等 の 講 師 の 派 遣 は 1 申 請 者 につき 1 回 限 り) 4アドバイザー 派 遣 に 係 る 費 用 無 料 (アドバイザーに 係 る 費 用 は 北 海 道 が 負 担 ) 問 合 せ 先 : 北 海 道 経 済 部 労 働 局 雇 用 労 政 課 労 働 福 祉 グループ 電 話 :011-204-5354 ホームページ:http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/rkr/rsf/yutori/ryouritu/adobaizer.htm 24

主 な 相 談 窓 口 労 働 問 題 全 般 労 働 相 談 ホットライン 労 働 問 題 でお 困 りの 皆 様 からの 相 談 を 電 話 で 受 けています 費 用 は 無 料 です 電 話 :0120-81-6105(フリーダイヤル)/ 月 曜 ~ 金 曜 17:00~20:00 土 曜 13:00~16:00 いずれも 祝 日 12 月 29 日 ~1 月 3 日 を 除 く 厚 生 労 働 省 北 海 道 労 働 局 総 合 労 働 相 談 コーナー 労 働 条 件 採 用 いじめ 嫌 がらせなど 労 働 問 題 に 関 するあらゆる 分 野 の 相 談 を 面 談 又 は 電 話 で 受 けてい ます 住 所 : 札 幌 市 北 区 北 8 条 西 2 丁 目 1-1 札 幌 第 1 合 同 庁 舎 電 話 :011-707-2700/9:00~16:30( 土 日 祝 日 年 末 年 始 を 除 く) 労 働 条 件 労 働 災 害 など 労 働 基 準 監 督 署 賃 金 労 働 時 間 等 の 労 働 条 件 職 場 の 安 全 衛 生 健 康 管 理 労 働 災 害 などは 各 労 働 基 準 監 督 署 へご 相 談 く ださい 若 者 の 就 職 支 援 サービスや 就 職 相 談 ジョブカフェ 北 海 道 正 規 の 職 業 に 就 くことを 希 望 している 44 歳 以 下 ( 学 生 を 含 む)の 方 が 就 職 相 談 やセミナー 求 人 情 報 検 索 など 様 々な 就 職 支 援 サービスを 受 けられる 北 海 道 が 設 置 している 就 職 支 援 施 設 です 名 称 所 在 地 電 話 番 号 ジョブカフェ 北 海 道 札 幌 市 中 央 区 北 4 条 西 5 丁 目 三 井 生 命 札 幌 共 同 ヒ ル 7 階 011-209-4510 ジョブカフェ 函 館 函 館 市 梁 川 町 10-25 テーオーテ ハ ート 6 階 0138-31-6060 ジョブカフェ 旭 川 旭 川 市 6 条 通 4 丁 目 旭 川 勤 労 者 福 祉 会 館 内 0166-26-8808 ジョブカフェ 釧 路 釧 路 市 錦 町 2-4 釧 路 フィッシャーマンス ワーフ MOO2 階 (EGG 側 ) 0154-24-2122 ジョブカフェ 帯 広 帯 広 市 西 2 条 南 12 丁 目 JR 帯 広 駅 エスタ 東 館 2 階 0155-26-2130 ジョブカフェ 北 見 北 見 市 北 2 条 西 3 丁 目 ナッフ スヒ ル 1 階 シ ョフ サホ ートきたみ 内 0157-25-1544 札 幌 わかものハローワーク 正 規 雇 用 での 就 職 を 目 指 す 若 年 者 ( 概 ね 45 歳 未 満 )への 支 援 を 専 門 的 に 行 っています 仕 事 探 しに 関 する 支 援 のほか 正 規 雇 用 就 職 に 向 けた 担 当 者 制 による 個 別 支 援 就 職 後 の 定 着 支 援 若 者 の 使 い 捨 て が 疑 わ れる 企 業 などに 関 する 相 談 なども 行 っています 住 所 : 札 幌 市 中 央 区 北 4 条 西 5 丁 目 三 井 生 命 札 幌 共 同 ビル 7 階 電 話 :011-233-0202 月 水 金 9:00~19:00 火 木 9:00~17:15 第 2 4 土 10:00~17:00 ( 日 祝 日 年 末 年 始 を 除 く) 個 別 的 労 使 紛 争 のあっせん 制 度 について 北 海 道 労 働 委 員 会 事 務 局 ( 調 整 課 個 別 対 策 グループ) 解 雇 や 労 働 条 件 に 関 する 使 用 者 と 労 働 者 との 間 の 問 題 解 決 のために あっせん 制 度 があります あっ せん とは 労 働 問 題 に 関 し 経 験 豊 かな あっせん 員 が 当 事 者 双 方 のお 話 を 聞 いて 問 題 点 を 整 理 の 上 助 言 などを 行 い 歩 み 寄 りによる 解 決 を 図 るもので 費 用 は 無 料 です 住 所 : 札 幌 市 中 央 区 北 3 条 西 7 丁 目 道 庁 別 館 10 階 電 話 :011-204-5667 25

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待 遇 改 善 や 正 社 員 化 により 非 正 規 労 働 者 の 能 力 を 活 かそう 労 務 管 理 人 材 育 成 事 業 ( 非 正 規 労 働 者 正 社 員 化 等 プロジェクト) 平 成 26 年 12 月 事 業 委 託 者 北 海 道 経 済 部 労 働 局 雇 用 労 政 課 札 幌 市 中 央 区 北 3 条 西 6 丁 目 事 業 受 託 者 ( 内 容 に 関 する 照 会 先 ) 株 式 会 社 北 海 道 二 十 一 世 紀 総 合 研 究 所 調 査 研 究 部 札 幌 市 中 央 区 大 通 西 3 丁 目 11 番 地 北 洋 ビル TEL:011-231-3053 / FAX:011-231-3143 27

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