212 年 7 月 13 日 日 本 銀 行 福 島 支 店 NHK 大 河 ドラマ 八 重 の 桜 の 放 映 に 伴 う 内 経 済 への 波 及 効 果 ~ 大 河 ドラマ 効 果 を 足 掛 かりに 内 観 光 の 復 活 を 目 指 して~ 本 件 に 関 する 問 い 合 わせ 先 日 本 銀 行 福 島 支 店 総 務 課 電 話 :24-521- 6353 本 稿 の 内 容 について 商 用 目 的 で 転 載 複 製 を 行 う 場 合 は 予 め 日 本 銀 行 福 島 支 店 までご 相 談 く ださい 転 載 複 製 を 行 う 場 合 は 出 所 を 明 記 してください
要 旨 内 では 213 年 に 放 映 が 予 定 されているNHK 大 河 ドラマ 八 重 の 桜 を 契 機 に 風 評 被 害 に 悩 む 観 光 の 回 復 を 願 う 声 が 多 く 聞 かれている 過 去 の 例 をみて も 本 にゆかりの 深 い 大 河 ドラマの 放 映 によって 213 年 の 福 島 の 観 光 入 込 客 数 は 相 応 に 増 加 する 可 能 性 が 高 い 大 河 ドラマ 八 重 の 桜 の 放 映 による 内 経 済 への 波 及 効 果 額 を 過 去 の 事 例 を もとに 試 算 すると 113 億 円 となった 八 重 の 桜 を 契 機 に その 経 済 効 果 を 高 め 風 評 被 害 の 払 拭 を 実 現 するために は 外 観 光 客 の 動 向 を 分 析 し 震 災 前 に 比 べ 減 尐 が 大 きい 首 都 圏 や 東 北 地 区 にP R 展 開 の 的 を 絞 ることで 誘 客 効 果 の 最 大 化 を 図 るべきである 仮 に 八 重 の 桜 を 中 心 とした 観 光 PR 等 が 功 を 奏 し 入 込 客 数 が 震 災 前 の 水 準 まで 回 復 した 場 合 経 済 効 果 額 は 65 億 円 に 拡 大 する 放 映 後 も 継 続 的 に 観 光 を 盛 り 上 げていくためには リピーターの 確 保 や 観 光 客 1 人 当 たりの 消 費 支 出 額 を 増 やす 取 組 みを 強 化 する 必 要 がある そのためには 点 在 する 豊 富 な 観 光 資 源 の 結 びつきを 強 化 し 内 観 光 の 組 織 化 を 一 層 推 し 進 め 日 帰 り 型 から 宿 泊 型 へのシフトや 連 泊 を 促 すような 宿 泊 プランの 提 供 等 が 必 要 と 考 えられる 1
1.はじめに 213 年 に 放 映 が 予 定 されているNHK 大 河 ドラマ 八 重 の 桜 は 会 津 若 松 市 出 身 の 主 人 公 新 島 八 重 の 幕 末 会 津 における 奮 闘 ぶりがストーリーの 中 核 を 構 成 する など 当 にゆかりの 深 い 題 材 となっている このため 現 状 風 評 被 害 に 苦 しむ 観 光 業 界 では 当 観 光 をPRする 絶 好 のチャンスと 捉 えている 本 レポートでは 1 過 去 の 大 河 ドラマの 事 例 を 踏 まえ 八 重 の 桜 による 内 経 済 への 波 及 効 果 を 試 算 したほか 2 大 河 ドラマを 契 機 とした 観 光 産 業 復 活 への 道 筋 について 取 り 纏 めた 2. 内 観 光 動 向 の 現 状 内 の 主 要 観 光 施 設 の 入 込 客 数 は 連 休 中 や 週 末 には 内 外 の 個 人 客 に 動 意 が 窺 われる 等 持 ち 直 しに 向 けた 動 きがみられる もっとも 団 体 客 ( 教 育 旅 行 等 ) の 減 尐 が 大 きく 影 響 しているため 全 体 の 入 込 みは 例 年 に 比 べ7 割 方 の 水 準 に 止 まっている( 図 表 1)ほか 応 援 需 要 が 前 年 に 比 べると 勢 いを 失 いつつあるなど 当 の 観 光 が 風 化 に 向 かっているのではないか といった 声 が 聞 かれている こうした 厳 しい 環 境 下 観 光 関 連 産 業 の 風 評 被 害 払 拭 に 向 けた 取 組 みは 進 んでお り 特 に 会 津 地 区 を 中 心 とした 多 くの 観 光 施 設 からは NHK 大 河 ドラマ 八 重 の 桜 を 起 爆 剤 に 観 光 客 の 回 復 を 図 りたい といった 期 待 の 声 が 多 く 聞 かれている また 会 津 商 工 会 議 所 と 会 津 若 松 市 を 中 心 に 八 重 の 桜 プロジェクト 協 議 会 が 発 足 するなど 今 後 のPR 活 動 に 向 けた 準 備 が 進 められている 12 図 表 1 内 主 要 観 光 施 設 の 入 込 客 数 の 推 移 21 年 の 各 月 =1 1 8 6 5 月 :59 4 2 1 1 1 2 ( 出 所 ) 日 本 銀 行 福 島 支 店 ( 注 )211 年 212 年 の 各 月 を21 年 同 月 と 比 較 したもの 2
3.NHK 大 河 ドラマの 誘 客 効 果 21~21 年 放 映 のNHK 大 河 ドラマの 舞 台 となった 各 の 観 光 入 込 客 数 の 動 向 をみると 地 域 で 伸 び 率 に 差 はあるものの 大 河 ドラマ 放 映 年 には 殆 どの 地 域 で 観 光 入 込 客 の 増 加 を 確 認 できる( 図 表 2) 一 方 で 放 映 年 の 翌 年 や 翌 々 年 に かけては 反 動 減 がみられるケースも 尐 なくない 図 表 2 各 の 観 光 入 込 客 数 の 推 移 ( 大 河 ドラマとゆかりの 深 い 都 道 府 ) 17 165 16 ( 百 万 人 ) 神 奈 川 23 22.5 22 ( 百 万 人 ) 石 川 +5.% 利 家 とまつ 24.5 24 ( 百 万 人 ) 山 口 +2.5% 義 経 155 15 145 +2.2% 北 条 時 宗 21.5 21 2.5 23.5 23.1% 武 蔵 14 135 2 19.5 22.5 13 1 2 3 4 5 6 19 1 2 3 4 5 6 22 1 2 3 4 5 6 7 ( 百 万 人 ) 京 都 府 8 75 +2.4% 7 新 選 組 65 6 55 2 3 4 5 6 7 8 ( 百 万 人 ) 高 知 5 4.5 +38.1% 龍 馬 伝 4 +4.9% 3.5 功 名 が 辻 3 2.5 2 1.5 1.5 5 6 7 8 9 1 11 93 92 91 9 89 88 87 86 85 84 83 ( 百 万 人 ) 長 野 +3.6% 風 林 火 山 4 5 6 7 8 9 1 ( 百 万 人 ) 鹿 児 島 +4.8% 53 篤 姫 52 51 5 49 48 47 46 45 44 43 4 5 6 7 8 9 1 76 74 72 7 68 66 64 62 6 ( 百 万 人 ) 新 潟 +5.8% 天 地 人 4 5 6 7 8 9 1 ( 出 所 ) 各 ( 注 ) 高 知 は 外 入 込 客 数 3
観 光 入 込 客 数 の 伸 び 率 の 違 いについては 主 人 公 等 の 放 映 前 の 全 国 的 な 知 名 度 よ りも 大 河 ドラマの 視 聴 率 との 間 に 相 関 が 窺 われる( 図 表 3) 視 聴 率 の 高 さは コアファンが 創 出 されていることを 示 す 1 つの 指 標 であるほか 高 視 聴 率 自 体 が 世 間 一 般 の 話 題 として 広 まることで 新 たなファンの 動 機 付 けとなり 観 光 入 込 客 の 増 加 に 繋 がる ドラマ 制 作 者 の 頑 張 りとPRに 強 く 期 待 したい 図 表 3 大 河 ドラマ 視 聴 率 と 各 地 の 観 光 入 込 客 数 伸 び 率 の 関 係 ( 単 位 :%) 3 平 均 視 聴 率 ( 左 軸 ) 8. 観 光 客 数 伸 び 率 ( 右 軸 ) 25 6. 2 4. 15 2. 1. 5 2. 4. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 ( 年 ) 放 映 年 大 河 ドラマ 視 聴 率 (%) 21 北 条 時 宗 18.5 22 利 家 とまつ 加 賀 百 万 石 物 語 22.1 23 武 蔵 (MUSASHI) 16.7 24 新 選 組! 17.4 25 義 経 19.5 26 功 名 が 辻 2.9 27 風 林 火 山 18.7 28 篤 姫 24.5 29 天 地 人 21.2 21 龍 馬 伝 18.7 211 江 ~ 姫 たちの 戦 国 ~ 17.7 212 平 清 盛 17.3 ( 出 所 )ビデオリサーチ ( 注 ) 視 聴 率 は 期 間 内 平 均 視 聴 率 平 清 盛 は 初 回 視 聴 率 各 地 の 観 光 入 込 客 数 の 伸 び 率 ( 図 表 4)に 注 目 すると 21~25 年 に 2.4% 程 度 であった 伸 び 率 の 平 均 は 26~29 年 には 4.8%と 拡 大 している こ れは 全 国 的 に 大 河 ドラマを 契 機 とした 観 光 業 の 取 組 みが 官 民 一 体 となって 年 々 強 化 され 歴 女 ブーム 等 の 新 たな 観 光 客 層 のほか 近 年 増 加 しているシニア 層 ( 個 人 客 )の 取 り 込 みに 成 功 していることが 要 因 と 推 測 される 図 表 4 大 河 ドラマと 各 地 の 観 光 入 込 動 向 1 年 2 年 3 年 4 年 5 年 6 年 7 年 8 年 9 年 1 年 大 河 ドラマ 北 条 時 宗 利 家 とまつ 武 蔵 (MUSASHI) 新 選 組! 義 経 功 名 が 辻 風 林 火 山 篤 姫 天 地 人 龍 馬 伝 舞 台 の 都 道 府 神 奈 川 石 川 山 口 京 都 府 山 口 高 知 長 野 鹿 児 島 新 潟 高 知 観 光 客 増 加 数 ( 千 人 ) 3,115 1,77-13 1,621 57 15 3,17 2,396 4,96 1,23 観 光 客 数 伸 び 率 (%) 2.2 5..1 2.4 2.5 4.9 3.6 4.8 5.8 38.1 1 年 の 龍 馬 伝 については 高 知 の 観 光 入 込 客 数 統 計 が 外 客 のみの 数 字 となっており 実 数 が 全 国 対 比 小 さいため 前 年 比 増 加 率 が 大 きく 算 出 されている 面 があるので 近 年 の 伸 び 率 の 平 均 には 含 めていない なお 龍 馬 伝 を 含 めた 26~21 年 の 各 地 の 観 光 入 込 客 数 の 伸 び 率 の 平 均 は 11.4%となっている 4
4. 大 河 ドラマ 八 重 の 桜 が 及 ぼす 経 済 効 果 まずは 過 去 に 大 河 ドラマの 舞 台 となった 地 域 における 観 光 入 込 客 数 の 平 均 的 な 増 加 率 ( 放 映 年 )をもとに 八 重 の 桜 放 映 に 伴 う 内 経 済 への 標 準 的 な 波 及 効 果 を 試 算 したところ 以 下 のようになった 経 済 効 果 額 は 113 億 円 で 民 1 人 当 たり 約 5,675 円 の 効 果 額 となる 試 算 1 経 済 効 果 直 接 効 果 1 次 波 及 効 果 2 次 波 及 効 果 113 億 円 7 億 円 29 億 円 13 億 円 直 接 効 果 : 八 重 の 桜 放 映 を 受 けた 内 観 光 消 費 の 増 加 に 伴 う 内 各 産 業 の 生 産 増 加 額 1 次 波 及 効 果 : 直 接 効 果 によって 内 各 産 業 にもたらされる 生 産 誘 発 額 2 次 波 及 効 果 : 直 接 効 果 および1 次 波 及 効 果 によって 生 じた 雇 用 者 所 得 の 増 加 が 消 費 に 向 けられること で 内 各 産 業 にもたらされる 生 産 誘 発 額 試 算 の 概 要 内 観 光 入 込 客 数 の 増 加 率 は 26~29 年 のNHK 大 河 ドラマで 舞 台 となった 都 道 府 における 観 光 入 込 客 数 の 増 加 率 ( 放 映 年 )を 単 純 平 均 した 値 =4.8%とした 大 河 ドラマによる 観 光 消 費 額 ( 観 光 客 増 加 人 数 1 人 当 たり 観 光 消 費 額 )の 増 加 額 を もとに 25 年 福 島 産 業 連 関 表 を 用 いて 経 済 効 果 を 試 算 した 雇 用 者 所 得 については 一 定 割 合 が 消 費 に 回 ると 仮 定 し 全 国 の 消 費 転 換 率 を 家 計 調 査 ( 総 務 省 )から 引 用 した 7, 6, ( 千 人 ) 年 間 観 光 入 込 客 数 ( 福 島 ) 5, 4, +4.8% 3, 2, 1, 7 8 9 1 11 12 13 ( 年 ) ( 出 所 ) 福 島 観 光 客 入 込 状 況 (7~1 年 ) ( 注 )27~21 年 は 福 島 発 表 の 観 光 入 込 客 数 211 212 年 は 日 本 銀 行 福 島 支 店 内 主 要 観 光 施 設 の 入 込 客 数 の 前 年 比 伸 び 率 を 基 に 算 出 した 推 計 値 1 人 当 たりの 平 均 内 消 費 支 出 額 ( 単 位 : 円 ) 宿 泊 旅 行 者 日 帰 り 旅 行 者 内 客 19,49 内 客 6,63 外 客 25,931 外 客 7,959 ( 出 所 :アナリーゼ 福 島 No.18) < 注 意 点 > 産 業 構 造 ( 産 業 間 の 相 互 依 存 関 係 )および 生 産 物 の 価 格 は 25 年 時 点 のものであるほか 生 じた 需 要 を 在 庫 で 賄 う 場 合 は 生 産 誘 発 過 程 が 一 時 的 に 中 断 する 場 合 も 考 えられる また 計 測 された 経 済 波 及 効 果 の 達 成 時 期 は 未 定 である 5
5. 大 河 ドラマを 足 掛 かりとした 内 観 光 の 回 復 に 向 けて 標 準 的 な 経 済 効 果 額 は 113 億 円 との 結 果 となったが 戦 略 的 なPR 施 策 の 実 施 等 により 震 災 後 に 大 きく 落 ち 込 んだ 観 光 入 込 客 を 回 復 させることが 出 来 れば 大 河 ドラマによる 経 済 効 果 をより 上 積 みすることができる また 同 時 に 大 河 ドラマ 放 映 後 も 継 続 して 観 光 を 盛 り 上 げていく 施 策 を 講 じることが 重 要 である < 戦 略 的 なPR 施 策 > 行 政 と 観 光 業 報 道 関 係 者 等 が 連 携 した 福 島 観 光 復 興 キャンペーン 委 員 会 では NHK 大 河 ドラマ 八 重 の 桜 を 核 としたキャンペーンを 展 開 し 13 年 度 までに 観 光 入 込 客 数 を 例 年 の 水 準 まで 回 復 させることを 目 標 としている こうした 目 標 を 達 成 するためには 戦 略 的 なPR 施 策 が 重 要 である 内 宿 泊 施 設 の 延 べ 宿 泊 者 数 の 動 向 ( 図 表 5)をみると 観 光 用 宿 泊 施 設 ( 観 光 目 的 の 宿 泊 者 が5 割 以 上 の 施 設 )では 震 災 以 降 前 年 を 下 回 って 推 移 している この 動 きは 外 客 で 特 に 顕 著 であり 宿 泊 者 を 居 住 地 別 (211 年 度 )にみると もともとウェイトが 小 さかった 西 日 本 からの 宿 泊 客 が 増 加 しているものの ウェイ トの 大 きい 関 東 地 方 ( 前 年 比 9.4%)のほか 東 北 北 海 道 ( 同 46.5%) 中 部 地 方 ( 同 24.%)からの 宿 泊 客 が 減 尐 している 図 表 5 内 宿 泊 施 設 の 入 込 動 向 ( 宿 泊 目 的 別 の 寄 与 度 および 居 住 地 域 別 ) (%) 14 延 べ 宿 泊 者 数 の 動 向 内 客 外 客 12 1 8 6 4 2 2 4 観 光 目 的 の 宿 泊 者 が5% 未 満 観 光 目 的 の 宿 泊 者 が5% 以 上 前 年 比 211 年 1Q 2Q 3Q 4Q 212 年 1Q 211 年 1Q 2Q 3Q 4Q 212 年 1Q 211 年 1Q 2Q 3Q 4Q 212 年 1Q 居 住 地 別 延 べ 宿 泊 者 数 (211 年 度 ) 地 区 別 前 年 比 (%) 延 べ 宿 泊 者 数 全 国 11.5 316,71 東 北 北 海 道 46.5 31,455 関 東 地 方 9.4 216,244 中 部 地 方 24. 32,411 近 畿 地 方 2.4 倍 19,823 中 国 地 方 3.6 倍 5,688 四 国 地 方 2.1 倍 1,161 九 州 沖 縄 2.6 倍 9,742 国 外 95. 177 ( 出 所 ) 観 光 庁 宿 泊 旅 行 統 計 調 査 より 日 本 銀 行 福 島 支 店 が 作 成 ( 注 ) 観 光 目 的 の 宿 泊 者 が5% 未 満 以 上 とは 通 常 受 入 れる 客 層 の5 割 以 上 が 観 光 目 的 か 否 かで 調 査 対 象 先 を 区 分 し それぞれの 宿 泊 者 数 を 調 査 調 査 対 象 企 業 は 従 業 者 数 1 人 以 上 の 先 ( 注 ) 居 住 地 別 延 べ 宿 泊 者 数 については 除 く 福 島 居 住 地 判 明 分 の 合 計 観 光 目 的 の 客 が5 割 以 上 で 従 業 者 数 1 人 以 上 先 の 集 計 延 べ 宿 泊 者 数 は 観 光 目 的 の 宿 泊 者 が5 割 未 満 の 施 設 (=ビジネス 用 宿 泊 施 設 ) の 宿 泊 者 数 の 増 加 が 寄 与 し 押 し 上 げられている これは 震 災 復 旧 に 絡 んだビジ ネス 客 が 多 く 流 入 していることが 背 景 にある また 内 客 は 震 災 後 の 避 難 者 の 受 入 れや 行 政 の 旅 行 支 援 施 策 を 背 景 に 増 加 している 6
( 参 考 ) 宿 泊 タイプ 別 の 入 込 動 向 内 宿 泊 施 設 をタイプ 別 にみると( 図 表 6) 観 光 目 的 の 宿 泊 客 を 受 入 れる 割 合 が 高 い 旅 館 リゾートホテルにおける 外 客 の 動 きは 弱 めで 推 移 している 一 方 ビジネ スホテルでは 外 客 を 中 心 に 前 年 を 上 回 っている 図 表 6 内 宿 泊 施 設 の 入 込 動 向 ( 宿 泊 タイプ 別 ) (%) 8 旅 館 リゾートホテル ビジネスホテル 6 4 2 2 4 外 客 6 8 内 客 前 年 比 211 年 1Q 2Q 3Q 4Q 212 年 1Q 211 年 1Q 2Q 3Q 4Q 212 年 1Q 211 年 1Q 2Q 3Q 4Q 212 年 1Q ( 出 所 ) 観 光 庁 宿 泊 旅 行 統 計 調 査 より 日 本 銀 行 福 島 支 店 が 作 成 ( 注 ) 従 業 者 数 1 人 以 上 の 事 業 所 の 延 べ 宿 泊 者 数 こうしたことから 八 重 の 桜 のPR 展 開 では 震 災 前 に 比 べて 減 尐 が 大 きく 回 復 した 場 合 の 絶 対 数 の 拡 大 が 見 込 める 首 都 圏 や 東 北 地 区 に 的 を 絞 り 集 中 的 なP R 活 動 を 進 め 誘 客 を 図 ることが 重 要 である また こうした 近 隣 地 域 の 回 復 が 進 めば リピーターや 口 コミによる 波 及 がより 見 込 みやすい 面 もある 八 重 の 桜 に 合 わせた 観 光 PR 施 策 が 効 果 を 発 揮 し 来 夏 に 見 込 まれる 東 北 六 魂 祭 の 福 島 開 催 との 相 乗 効 果 もあって 福 島 観 光 復 興 キャンペーン 委 員 会 の 計 画 通 り 213 年 の 入 込 客 数 が 例 年 並 みに 回 復 ( 前 年 比 3 割 方 の 増 加 )した 場 合 経 済 効 果 額 は 65 億 円 に 拡 大 する ( 千 人 ) 7, 年 間 観 光 入 込 客 数 ( 福 島 ) 6, 5, +3 割 4, 3, 2, 1, 試 算 2 9 1 11 12 13 ( 年 ) 経 済 効 果 直 接 効 果 1 次 波 及 効 果 2 次 波 及 効 果 65 億 円 43 億 円 169 億 円 78 億 円 7
< 継 続 的 に 内 観 光 を 盛 り 上 げる 施 策 > 上 述 したようにNHK 大 河 ドラマの 放 映 後 反 動 から 観 光 入 込 客 数 が 減 尐 するケ ースもみられる 継 続 的 に 内 観 光 を 盛 り 上 げるためには 1リピーター 創 出 に 向 けた 仕 掛 け 作 りや 2 観 光 客 1 人 当 たりの 消 費 支 出 額 を 多 くすることが 必 要 である このため 今 後 は 八 重 の 桜 のPR 展 開 と 同 時 に 内 に 点 在 する 豊 富 な 観 光 資 源 を 結 び 付 け 内 観 光 の 組 織 化 を 図 る 以 下 の 施 策 を 講 ずることが 重 要 で ある 1 地 域 毎 のコンセプトを 意 識 した 各 地 域 を 巡 るシナリオ 作 りの 展 開 コンセプトに 沿 った 宿 作 りと 個 人 客 獲 得 に 向 けた 体 制 面 の 整 備 やサービスの 充 実 複 数 回 複 数 地 域 を 訪 れた 観 光 客 に 対 する 割 引 優 待 制 度 を 導 入 するほか 利 用 者 にとって 安 価 で 便 利 な 交 通 手 段 ( 乗 り 合 いバス 等 )を 整 備 1 詳 細 は 最 近 の 観 光 動 向 と 今 後 の 課 題 について ( 日 銀 福 島 211.8.5)を 参 照 ( 参 考 ) 都 道 府 別 の 宿 泊 連 泊 状 況 観 光 入 込 客 数 に 占 める 宿 泊 者 数 の 割 合 ( 図 表 7) 平 均 宿 泊 日 数 ( 図 表 8)をみると 当 はほぼ 全 国 平 均 並 みで 健 闘 しているが 上 位 の 他 と 比 較 しても 遜 色 ない 観 光 資 源 や 首 都 圏 から 近 い 立 地 条 件 を 有 している このため 宿 泊 客 や 連 泊 客 が 伸 びる 余 地 は あり 観 光 客 1 人 当 たりの 消 費 支 出 額 の 増 加 を 図 ることは 可 能 である (%) 図 表 7 都 道 府 別 観 光 入 込 客 数 に 占 める 宿 泊 者 数 の 割 合 (29 年 ) 4 35 3 25 2 15 1 5 埼 玉 滋 賀 佐 賀 愛 知 神 奈 川 奈 良 岐 大 阜 阪 府 秋 福 田 岡 青 栃 森 木 山 千 形 葉 熊 徳 本 島 島 岩 根 手 群 茨 馬 城 静 広 岡 島 山 梨 全 国 平 均 宮 福 城 島 山 兵 口 庫 東 富 京 山 都 和 歌 山 香 川 北 海 道 鹿 児 島 愛 京 媛 都 府 福 鳥 井 取 長 石 野 川 岡 長 山 崎 ( 出 所 )JTB 総 合 研 究 所 都 道 府 別 観 光 入 り 込 み 客 数 より 日 本 銀 行 福 島 支 店 が 作 成 ( 注 )データが 揃 わない 新 潟 三 重 高 知 宮 崎 沖 縄 大 分 を 除 く41 都 道 府 で 集 計 ( 日 ) 1.7 図 表 8 都 道 府 別 平 均 宿 泊 日 数 (21 年 ) 1.6 1.5 1.4 1.3 1.2 1.1 1. 全 徳 島 山 愛 佐 大 熊 香 青 高 岡 和 岐 山 富 鳥 三 栃 岩 長 石 福 宮 埼 静 群 福 愛 神 奈 宮 山 鹿 新 兵 福 広 国 北 千 秋 滋 茨 長 大 京 東 沖 島 根 口 媛 賀 分 本 川 森 知 山 歌 阜 梨 山 取 重 木 手 崎 川 井 城 玉 岡 馬 岡 知 奈 良 崎 形 児 潟 庫 島 島 平 海 葉 田 賀 城 野 阪 都 京 縄 山 川 島 均 道 府 府 都 ( 出 所 ) 観 光 庁 宿 泊 旅 行 統 計 調 査 より 日 本 銀 行 福 島 支 店 が 作 成 ( 注 ) 観 光 目 的 が5 割 以 上 の 施 設 8
6. 終 わりに 内 では 八 重 の 桜 をきっかけとした 観 光 復 活 を 期 待 する 声 が 強 まっている ドラマが 放 映 される 213 年 には 相 応 の 誘 客 効 果 が 期 待 され 内 経 済 への 波 及 効 果 も 大 きい まずは 内 各 地 で 観 光 業 者 企 業 行 政 が 連 携 し 開 催 するイベ ントやキャンペーン 等 のあらゆる 場 面 において 八 重 の 桜 を 活 用 して 雰 囲 気 を 盛 り 上 げていくことが 重 要 である また 盛 り 上 がりみせた 観 光 地 を 積 極 的 にPRす ることで 風 評 被 害 の 払 拭 観 光 地 の 復 活 を 強 く 印 象 付 けることが 出 来 れば 更 なる 集 客 効 果 の 上 積 みが 期 待 できる 加 えて 大 河 ドラマ 八 重 の 桜 の 主 人 公 である 新 島 八 重 といった 新 たな 観 光 資 源 の 定 着 を 図 り ブランド 化 することが 出 来 れば 効 果 が 持 続 し ドラマ 放 映 後 の 観 光 入 込 客 数 の 底 上 げに 繋 がることが 期 待 される 以 上 9