大 震 災 か ら 学 校 再 開, そ し て 正 常 化 に 向 け た 小 原 木 小 学 校 の 取 組 1,はじめに 3 月 1 1 日 の 東 日 本 大 震 災 に よ り, 本 小 学 校 区 内 の 大 沢 舘 只 越 の 3 地 区 の う ち, 大 沢 と 只 越 地 区 が 壊 滅 状 態 と な っ た 全 校 6 7 名 の う ち 家 屋 全 壊 の 家 庭 が 2 1 名, 大 規 模 半 壊 半 壊 家 庭 が 9 名 と 半 数 近 く の 児 童 の 家 庭 が 甚 大 な 被 害 を 受 け た 自 宅 が 地 震 及 び 津 波 被 害 か ら 逃 れ る こ と が で き た も の の, 勤 め る 事 業 所 等 が 被 災 し, 解 雇 無 期 の 自 宅 待 機 等 で 失 職 し, 経 済 的 基 盤 を 失 っ た 保 護 者 も 相 当 数 に の ぼ っ た 生 活 基 盤 と な る 家 と 経 済 基 盤 と な る 職 を 失 う 苦 し さ と 悲 し さ は, 想 像 を 絶 す る も の が あ る 下 校 直 前 で, し か も 欠 席 早 退 児 童 も い な か っ た こ と と 迎 え に 来 た 保 護 者 に 児 童 の 引 き 渡 し を し な か っ た 決 断 に よ り, 全 児 童 の 生 命 の 安 全 を 確 保 で き た こ と は, 学 校 と し て は 最 良 の 結 果 で あ っ た そ の よ う な 極 限 の 中 で も, 今, 小 原 木 地 区 の 人 々 は, 昔 か ら の 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ ー を 大 切 に し な が ら, そ れ を 核 に 共 助 の 気 持 ち を 熱 くもって 地 域 の 復 興 を 目 指 している 2, 地 震 発 生 ~ 避 難 所 が 開 設 されるまで 3 月 11 日 ( 金 ) 当 日 午 後 2 時 4 6 分, 地 震 発 生 ( 震 度 6, マ グ ニ チ ュ ー ド 9 ) 前 々 日 の 3 月 9 日 に も 大 き な 地 震 があり,その 記 憶 と 経 験 があったので, 直 に 収 ま る だ ろ う と 思 っ て い た し か し, そ の 予 想 は あ っ さ り と 覆 さ れ, 揺 れ は 激 し さ を 増 しながら, 長 時 間 続 いた ち ょ う ど 1 年 生 の 下 校 時 刻 と 重 な っ て い た こ と か ら, 小 職 は 養 護 教 諭 と と も に, 下 校 指 導 に 当 た っ て い た す ぐ に 児 童 を ま と め, 校 庭 中 央 にしゃがんで 揺 れが 収 まるのを 待 った 校 内 で は, 緊 急 対 応 マ ニ ュ ア ル に 則 り, す ぐ に, 校 内 緊 急 放 送 を と お し て, 机 下 に 隠 れ 避 難 す る よ う 第 一 次 避 難 指 示 を し た し か し, 揺 れ は い っ こ う に 収 ま ら ず, 激 し さ を 増 し な が ら 続 い た す ぐ に 小 職 は, 校 庭 の 指 定 避 難 場 所 へ 第 二 次 避 難 す る よ う に, 再 度 の 緊 急 放 送 を 教 頭 に 指 示 し た 校 内 放 送 が 届 い た か ど う か 不 確 か だ っ た こ と か ら, 教 頭 と 教 務 主 任 が 各 教 室 へ 向 か い, 担 任 と 協 力 し て 児 童 の 避 難 誘 導 に あ た っ た 教 務 主 任 は, 避 難 誘 導 と と も に, 校 舎 内 の 特 別 教 室 や W C 等 を く ま な く 検 索 し, 逃 げ 遅 れ て い た 特 別 支 援 学 級 の 児 童 と 担 任, W C に い た 女 子 児 童 を 安 全 に 避 難 さ せ た 揺 れ が 大 き く, 足 下 が 不 安 定 だ っ た が, 何 と か 児 童 全 員 を 校 庭 中 央 に 避 難 さ せ る ことができた 校 庭 に 避 難 し 終 わ っ た 後 も, し ば ら く 揺 れ は 続 き, 避 難 し た 児 童 の 中 に は, 泣 き 叫 ぶ 者 も ( 特 に, 低 中 学 年 ) い た 担 任 と 養 護 教 諭 に, 寄 り 添 っ て 児 童 を 落 ち 着 か せ, 心 の 安 定 を 図 らせた 迅 速 な 第 一 次 避 難, 第 二 次 避 難 ( 児 童 の 安 全 な 避 難 誘 導 と 検 索 活 動 ) 児 童 を 落 ち 着 かせ, 心 の 安 定 を 図 る 寄 添 いや 心 のケア 揺 れ が 収 ま る と ほ ど な く, 前 々 日 の 児 童 引 き 渡 し 経 験 か ら, 保 護 者 が 続 々 と 自 家 用 車 等 で 迎 え に や っ て き た 手 分 け を し て, 校 門 付 近 と 校 庭 で 職 員 に 駐 車 誘 導 をさせた 防 災 無 線 は, 津 波 注 意 報 か ら 津 波 警 報 さ ら に 大 津 波 警 報 へ と そ の 広 報 内 容 を 変 え て い っ た そ の 間, 小 職 は, 保 護 者 と ともに 校 庭 から 広 田 湾 の 様 子 を 見 守 った 保 護 者 の 中 に は, 帰 宅 を ほ の め か す 者 も い た が, こ れ ま で に 経 験 し た 地 震 と 比 べ も の に ならないほど 大 規 模 な 揺 れであったこと, 大 津 波 警 報 が 発 令 さ れ て い る こ と, 校 庭 か ら 確 認 で き る 広 田 湾 の 様 子 が 尋 常 で は な い こ と ( 普 段 は, 青 く 澄 ん だ 穏 や か な 海 が 広 が っ て いる ), 迎 えに 来 た 保 護 者 の 情 報 等 から, 児 童 の 帰 宅 制 限 帰 宅 禁 止 を 決 断 し, 保 護 者 を 集 めお 願 いした 児 童 の 安 全 な 引 き 渡 しに 向 けた 駐 車 誘 導 ( 二 次 的 混 乱 及 び 事 故 の 回 避 ) 的 確 な 状 況 把 握 と 決 断 保 護 者 への 理 解 と 通 告 ( 児 童 を 保 護 者 に 引 き 渡 すべきか 否 か ) 午 後 4 時 ご ろ, 複 数 の 保 護 者 が, 自 宅 に 留 め 置 い た 祖 父 母 の こ と, 家 の こ と が 心 配 で あ る と 言 い 出 し た の で, 安 否 確 認 後, 学 校 へ 戻 るように 指 示 し, 帰 宅 させた 一 端 帰 宅 し た 保 護 者 も 学 校 に 戻 り は じ め, その 保 護 者 と 避 難 してきた 地 域 住 民 の 話 から, しだいに 地 域 の 被 災 状 況 が 断 片 的 ではあるが, 分 か り だ し た 大 沢 全 滅 只 越 全 滅 私 の 家 は? じ い ち ゃ ん は, ば あ ち ゃ ん は? そ の よ う な 声 が 飛 び 交 っ て い た 被 災 現 場 を 見 て 確 認 し て い な い だ け に, 恐 怖 に も 似 た 不 安 ばかりが 募 った そ の よ う な 状 況 か ら, 校 地 内 で 一 夜 を 過 ご す こ と が 最 善 策 で あ る と 決 め, 保 護 者 に 通 告 し た す ぐ に 職 員 に は, 仮 の 避 難 本 部 と し て の 屋 外 テ ン ト の 設 営 を 命 じ た テ ン ト 設 営 と 同 時 に, 一 夜 の 暖 を と る た め に 火 を 焚 い た さ ら に, 必 要 と 考 え ら れ る 物 品 ( ガ ス ボ ン ベ, ガ ス コ ン ロ, 鍋, 石 油 ス ト ー ブ, 食 器, ご み 袋, 保 健 室 の 毛 布, 緊 急 医 薬 品 等 ) と 学 校 備 付 の 重 要 備 品 ( 校 長 室 耐 火 金 庫, 体 育 館 及 び 特 別 教 室, 各 種 倉 庫, 薬 品 庫 等 のカギ 類 ) を ま と め, 余 震 の 合 間 に 校 舎 内 か ら 持 ち 出 し た そ の 間 に, 保 護 者 有 志 が, 炊 き 出 し 用 の 米 や 野 菜, 味 噌 等 を 持 っ て き て く れ た 職 員 と
保 護 者 有 志 で 夕 食 ( お に ぎ り ゆ で 卵 ) を 炊 き 出 し, 食 し, 夜 は, そ れ ぞ れ の 自 家 用 車 の 中 で 過 ご し た 幸 い に し て 保 護 者 が 迎 え に 来 て い な い 児 童 は な く, 自 家 用 車 の な い 保 護 者 と 児 童 は, そ れ ぞ れ に 友 人 等 の 自 家 用 車 に 便 乗 した 職 員 は, テ ン ト 内 に 控 え, 避 難 者 の 警 護 と 警 火 の 任 に 当 たらせた 夜 7 時 す ぎ, 可 能 な 範 囲 で 学 区 内 及 び 近 隣 地 域 の 被 害 状 況 に つ い て 情 報 収 集 す る よ う 教 頭 教 務 主 任 他 1 名 の 3 職 員 に 指 示 し, 向 か わ せ た し か し, 闇 の 中 で 目 視 不 能, 加 え て 鹿 折 地 区 で は 大 火 災 が 発 生 中 で 立 ち 入 る こ とができずに, 立 ち 戻 った その 間, 児 童 は 預 かることにした 職 員 には, 避 難 生 活 の 長 期 化 に 備 え, 簡 易 W C の 設 営, 焚 き 付 け 用 の 廃 材 薪 等 の 準 備 を 行 わ せ た 学 校 に 戻 っ て き た 保 護 者 の 話 か ら, 児 童 宅 の 被 災 の 実 態 が 少 しずつ 判 明 してきた < 震 災 当 日 の 共 助 による 炊 き 出 し> 仮 避 難 本 部 の 立 ち 上 げ ( 学 校 は 何 ができるか 何 をすべきか ) 避 難 者 の 健 康 安 全 の 確 保 ( 食, 排 泄, 暖 の 保 障 確 保 ) ( 警 火 警 備 ) 確 かな 情 報 の 収 集 ( 被 害 状 況 の 把 握 これからの 避 難 生 活 の 見 通 し) 3 月 12 日 ( 土 )2 日 目 昨 日, 学 区 内 及 び 近 隣 地 域 の 被 害 状 況 に つ い て 情 報 収 集 が で き な か っ た こ と を 踏 ま え, 早 朝, 前 夜 の 3 職 員 に 被 害 状 況 の 把 握 に 向 か わせた は じ め に 向 か っ た 只 越 地 区 は, 正 に 壊 滅 状 態 で, 高 台 の 橋 の 欄 干 に 家 の 屋 根 が 覆 い 被 さ っ て い た 目 を 疑 う よ う な 悲 惨 な 状 況 で あ っ た 続 い て 向 か っ た 鹿 折 地 区 へ は, 消 防 に よ る 交 通 規 制 が す で に 敷 か れ て お り, 立 ち 入 る こ と が で き な か っ た 道 す が ら, き な 臭 い に お い が 立 ち こ め, 鹿 折 地 区 の 火 災 が 大 規 模 で あ っ た こ と を 容 易 に 想 像 で き た 次 に, 大 沢 地 区 に 向 か っ た が, こ こ も 途 中 か ら 立 ち 入 り 制 限 が さ れ て お り, 被 害 状 況 を 確 認 す る こ と ができなかったとの 報 告 を 受 けた 日 中 に な っ て, 少 し ず つ 自 宅 の 様 子 の 確 認 の た め に 保 護 者 が 校 地 を 出 る よ う に な っ た < 翌 日 の 只 越 地 区 の 震 災 被 害 の 様 子 > 確 かな 情 報 の 収 集 ( 被 害 状 況 の 把 握 ) 避 難 生 活 の 長 期 化 に 備 えた 準 備 とこ れからの 避 難 生 活 の 見 通 し 避 難 所 開 設 に 向 けた 準 備 支 援 ( 自 治 会 組 織 への 支 援 協 力, 必 要 物 品 の 貸 与 ) 同 時 期 に, 避 難 所 に 指 定 さ れ て い る 小 原 木 中 学 校 と 舘 老 人 憩 い の 家 で, 地 区 自 治 会 が 中 心 となり 避 難 所 開 設 の 動 きが 見 え 出 した 地 区 自 治 会 員 の 中 か ら 自 然 に 避 難 本 部 長 が 選 出 さ れ, 加 え て 補 佐 役 の 副 部 長 等 も 決 ま り, 組 織 化 が 一 気 に 進 ん だ 小 原 木 中 学 校 体 育 館 には 大 沢 地 区, 舘 老 人 憩 いの 家 には, 舘 と 只 越 地 区 から 避 難 者 が 集 まってきた 避 難 本 部 か ら の 要 請 に 応 え, 学 校 備 品 ( 屋 外 テ ン ト, ブ ル ー シ ー ト, ガ ス コ ン ロ, ガ ス ボ ン ベ, 食 器 等 ) を 貸 与 し, さ ら に, そ れ ら の 設 置 作 業 に 職 員 を 派 遣 し, 避 難 所 開 設 に 協 力 させた
少 し ず つ 保 護 者 は, 自 宅 及 び 開 設 さ れ つ つ あ る 小 原 木 中 学 校 と 舘 憩 い の 家 の 避 難 所 へ 移 動 を 始 め た が, 居 残 っ た 保 護 者 と 児 童 及 び 職 員 で, 仮 避 難 本 部 テ ン ト 内 に 火 を 焚 き, 車 中 で2 日 目 の 夜 を 過 ごした 3 月 13 日 ( 日 )3 日 目 自 家 用 車 で 避 難 し て い た 保 護 者 が, 開 設 さ れ た 小 原 木 中 学 校 及 び 舘 老 人 憩 い の 家 の 避 難 所 へ 全 員 移 動 し 終 え た こ と を 確 認 し た 後, こ れ ま で 仮 避 難 本 部 と し て 利 用 し て い た 屋 外 テ ントや 簡 易 WC 等 を 撤 収 させた 被 災 地 救 援 支 援 と 思 わ れ る ヘ リ コ プ タ ー が 学 校 上 空 を 再 三 行 き 交 う こ と か ら, そ の 飛 来 に 備 え, 保 護 者 車 が な く な っ た 校 庭 に ヘ リ ポート 記 号 を 描 かせた 1 8 日 ま で 臨 時 休 業, 修 了 式 卒 業 式 は そ の 後 に 実 施 す る よ う 市 教 委 か ら 指 示 が あ り,その 夜 から 男 子 職 員 は 中 学 校 の 避 難 所 へ, 女 子 職 員 は 舘 老 人 憩 いの 家 に 分 散 して 宿 泊 し, 避 難 所 運 営 に 協 力 す る よ う に 指 示 し た 避 難 所 で は, 保 護 者 及 び 地 域 住 民 か ら, 児 童 宅 の 被 害 状 況 や 家 族 の 安 否 等 を 聞 き 取 らせ, 児 童 安 否 確 認 票 (メモ)を 作 成 した 3, 避 難 所 の 運 営 支 援 運 営 協 力 3 月 14 日 ( 月 )4 日 目 日 中 は, 主 に 作 成 した 児 童 安 否 確 認 票 (メ モ ) を も と に, 学 区 内 3 地 区 に 分 か れ 児 童 及 び 家 族 の 安 否, 児 童 宅 の 被 災 状 況 に つ い て 自 家 用 車 及 び 徒 歩 で 実 態 調 査 を 行 い, そ の 結 果 を 児 童 安 否 確 認 票 ( 第 一 次 ) に ま と め させた 以 前 はあったはずの 家 がなかったり, 大 量 の が れ き が 散 乱 し て い た り し て, 目 的 地 ま で た ど り 着 け な い こ と も 多 く あ っ た 児 童 宅 の 被 災 状 況, 震 災 後 の 児 童 の 居 所, 児 童 の 家 族 の 安 否 等, 保 護 者 か ら 直 接 聴 取 で き な い ケースが 続 出 した 職 員 の 自 宅 被 害 の 確 認 のため, 緊 急 車 両 を 選 定 し, 気 仙 沼 市 街 地 に 通 じ る 山 道 を 通 っ て, 実 態 調 査 に 向 か わ せ, 結 果 を 児 童 安 否 確 認 票 ( 第 一 次 ) に 加 え, 教 師 編 と し て まとめた 2 つ の 避 難 所 で は, 児 童 が 避 難 生 活 に 飽 き 始 め, 避 難 所 の 円 滑 運 営 の 妨 げ に な る 場 面 も 見 え 出 し た 避 難 所 に は, 歩 く こ と も ま ま な ら な い 高 齢 者 も お ら れ る こ と か ら, 日 中 ( 午 前 9 時 ~ 午 後 2 時 ) に 小 学 校 体 育 館 で 保 育 園 児 と 小 学 生 の 託 児 を 行 う こ と を 計 画 し, 2 つ の 避 難 所 に 知 ら せ を 掲 示 し た 託 児 は, 主 に, 読 み 聞 かせ, 読 書,ボードゲーム, カ ル タ 等, 職 員 の 輪 番 で 児 童 管 理 に 当 た ら せ た 震 災 直 後 か ら, 津 波 被 害 を 逃 れ る こ と が で き た 家 庭 ( 個 人 ) や 近 隣 地 域 団 体 か ら 支 援 物 資 が 届 き 始 め て い た 職 員 に は, 主 に, 衣 類 支 援 の 男 女 別, サ イ ズ 別, 種 類 別 の 区 分 け 作 業 と そ の 円 滑 な 配 給 に 備 え た 整 理 活 動 を 手 伝 わせた 3 月 15 日 ( 火 )5 日 目 2 つ の 避 難 所 に お い て, 職 員 は 以 下 の 運 営 支 援 運 営 協 力 に 従 事 した 1 避 難 所 で は 体 調 を 崩 し た り, 常 備 薬 が な く な っ た り す る 避 難 者 が い る こ と か ら, 本 部 の 指 示 を 受 け, か か り つ け の 病 院, 必 要 とする 常 備 薬 等 の 調 査 2 救 済 支 援 の た め ヘ リ コ プ タ ー ( 海 上 自 衛 隊 ひ ゅ う が, 米 国 海 軍 ) が 日 に 1 ~ 2 回 飛 来 す る よ う に な っ た そ の 都 度 の 支 援 物 資 の 運 搬 整 理 作 業 3 避 難 者 か ら 必 要 物 資 の 要 望 を 聞 き 取 り, リ ス ト ア ッ プ す る と と も に, 米 国 海 軍 に 対 する 要 望 書 の 英 訳 作 業 等 をとおして, 避 難 所 の 運 営 に 参 画 させた 被 災 の 程 度 に 差 が あ っ て も, 避 難 本 部 を 中 心 に し て 3 地 区 平 等 に 支 援 物 資 を 分 配 し て い た 不 平 不 満 を 口 に す る 人 は 一 人 も な く, 本 部 長 のリーダーシップと 避 難 者 地 区 民 の 共 助 の 取 組 に 強 く 心 打 た れ た あ ら た め て, 地 域 コミュニティーの 結 束 の 強 さを 実 感 した 児 童 安 否 確 認 ( 被 害 状 況 確 認, 居 所 調 査, 家 族 の 安 否 確 認 ) 託 児 の 企 画 と 運 営 避 難 者 の 健 康 保 持 のための 常 備 薬 調 査 とかかりつけ 病 院 への 橋 渡 し 支 援 ヘリからの 支 援 物 資 の 運 搬 整 理 と 計 画 的 円 滑 配 給 への 支 援 3 月 17 日 ( 木 )7 日 目 学 校 再 開 に 向 け, 以 下 の こ と を 継 続 し て 行 わせた 1 学 校 再 開 に 向 け た 託 児 活 動 を 継 続 2 学 校 再 開 に 向 け て, 校 舎 内 外 の 飛 散 備 品 等 の 片 付 け, 整 理 と 清 掃 活 動 3 ヘ リ コ プ タ ー で 運 搬 さ れ る 支 援 物 資 の 運 搬 整 理 分 配 作 業 4 育 休 中 の 職 員 (3 名 )の 安 否 確 認 4, 学 校 再 開 に 向 けて 3 月 18 日 ( 金 )8 日 目 市 教 育 委 員 会 施 設 係 ( 技 術 主 査 ) の 校 舎 被 災 状 況 の 視 察 を 受 け, 外 壁, 内 壁, 地 盤 ( 土 台 ) に 損 傷 は あ る も の の, 授 業 再 開 に は 問 題 なしとの 判 断 を 受 けた そ の 結 果 を も と に, 2 2 日 ( 火 ) 2 3 日 ( 水 ) の 臨 時 児 童 招 集 日 2 4 日 ( 木 ) の 修 了 式 卒 業 式 の 挙 行 を 決 め, 教 頭 教 務 主 任 と と も に, 実 施 計 画 及 び 留 意 事 項 等 に つ い て 検 討 した
結 果 は 以 下 のとおりである また, 児 童 の 登 下 校 には, 職 員 が 分 担 して, 保 護 者 が 待 つ 集 合 場 所 ま で, 付 き 添 う こ ととした < 緊 急 時 の 対 応 の 仕 方 について> 余 震 があったら 1, 校 舎 内 にいた 場 合 (1) 担 任 がいる 場 合 (2) 担 任 不 在 の 場 合 (3) 余 震 が 収 まったら (4) 余 震 が 長 い 場 合 2, 校 庭 ( 主 に, 休 み 時 間 )にいた 場 合 (1) 児 童 個 々の 判 断 で,ジャングルジム 前 に 避 難 する ( 学 年 ごとに 固 まってしゃがむ ) 担 任 は, 人 員 確 認 教 頭 校 長 へ 報 告 (2) 欠 員 がいる 場 合 は, 校 長 ( 教 頭 )の 指 示 により, 校 舎 検 索 する 1 校 舎 1 階 ( 含 WC),2 校 舎 2 階,3 体 育 館 及 びその 周 辺,4 校 舎 周 辺 3,WCにいた 場 合 素 早 く 個 室 から 出 て, 校 庭 に 避 難 する ( 呼 びかけ, 避 難 誘 導 ) 4, 登 下 校 途 中 の 場 合 付 添 い 教 員 の 指 示 に 従 う 倒 壊 する 恐 れのあるブロック 塀, 電 柱, 崖 等 から 離 れその 場 に 固 まってしゃがみ, 揺 れが 収 まるのを 待 つ 救 援 ヘリが 飛 来 したら ( 略 ) 余 震 と 救 援 ヘリ 飛 来 が 重 なったら ( 略 ) WCの 使 い 方 水 道 が 止 まっているので,バケツに 汲 んでおいた 水 を 使 用 する ( 略 ) 被 爆 の 被 害 を 最 小 限 にするには, ( 朝 日 新 聞 の 記 事 から) <3 月 22 日 ~23 日 の 学 習 予 定 > 時 分 主 な 活 動 備 考 9 30 児 童 登 校 児 童 登 校 付 添 い 直 接, 体 育 館 へ 只 越 ( ) 憩 いの 家 ( ) 中 学 校 ( ) 臨 時 職 員 打 合 せ(ステージ 前 ) 予 定 確 認, 注 意 指 示 事 項 の 確 認, 健 康 観 察, 避 難 先 ( 居 所 )の 確 認, 修 了 式 卒 業 式 について 朝 会 校 長 講 話 講 話 前 に 黙 祷 9 40 教 頭 から 注 意 指 示 10 00 学 級 指 導 体 育 館 から 指 定 教 室 注 意 事 項 の 再 確 認 へ 移 動 日 程 確 認 出 欠 の 確 認 報 告 健 康 観 察 10 45 避 難 先 居 所 の 確 認 1 9 日 ( 土 ) ~ 2 1 日 ( 月 ) の 三 連 休 は, 自 宅 が 被 災 し て い る 職 員 も い る こ と か ら, 全 職 員 の 帰 宅 を 指 示 した (その 間 の 学 校 には, 小 職 と 教 頭, 教 務 主 任, 養 護 教 諭 が 常 駐 し, 様 々な 対 応 にあたることとした ) 3 月 22 日 ( 火 )12 日 目 臨 時 児 童 招 集 日 と し, 学 校 再 開 に 向 け た 第 一 歩 を 歩 み 出 し た 出 席 児 童 数 は, 全 校 6 7 名 の う ち 4 8 名 で あ っ た 欠 席 の 主 な 理 由 は, 早 々 に 学 区 外 に 避 難 し た た め 連 絡 が 十 分 行 き 届 か な か っ た り, 交 通 手 段 が 確 保 で き なかったりしたためであった 通 学 路 の 安 全 確 保 が 不 十 分 で あ り, 余 震 発 生 も 心 配 されることから, 児 童 の 登 下 校 には, 職 員 を 付 き 添 わせた 地 区 ご と の 集 合 場 所 で の 久 し ぶ り の 友 だ ち との 再 会 は,わずか10 日 間 の 空 白 とはいえ, 感 動 的 な 一 コ マ で あ っ た と も に 手 を 取 り, 抱 き 合 う 児 童 たちの 姿 を 見 て, 震 災 を 逃 れ, 生 か さ れ た 生 命 震 災 か ら 助 か っ た 生 命 の 大 切 さを,あらためて 心 に 刻 んだ < 再 会 を 心 から 喜 び 合 う 子 供 たち> こ の 日 は, 朝 会, 学 級 活 動 ( 健 康 観 察, 余 震 へ の 対 応 の 仕 方, 救 援 ヘ リ へ の 対 応, 被 爆 防 止 対 策 等 ), 大 掃 除, 昼 食 ( 米 海 軍 支 援 の 調 理 パ ン, 少 々 の お 菓 子, ジ ュ ー ス ), 教 科 学 習 ( 学 年 の ま と め ) を 行 い, 午 後 2 時 に 職 員 の 付 添 い により 一 斉 下 校 させた 学 級 活 動 では, 健 康 観 察 とともに, 避 難 先, 連 絡 先 等 の 居 所 調 査 を 行 い, 児 童 の 安 否 確 認 票 ( 第 2 次 )を 作 成 した 友 だ ち と の 再 会 の う れ し さ が 大 き く, 児 童 は み な, 比 較 的 明 る く 元 気 に 過 ご し て い た そ の 様 子 を 目 に し て, う れ し さ が こ み 上 げ て くるとともに,ひと 安 心 した 3 月 23 日 ( 水 )13 日 目 前 日 と 同 じ く, 4 8 名 出 席 前 日 に な ら っ て, 学 年 の 指 導 内 容 の 確 認 復 習 ま と め 等 の 教 科 学 習 と 修 了 式 卒 業 式 予 行 を 行 っ た 余 震 発 生 の 心 配 も あ る こ と か ら, 2 階 教 室 は 使 用 さ せ ず に, 階 下 の 6 年 教 室, 図 書 室, 多 目 的 室 を, 2 学 年 ま と め て 学 習 ス ペ ー ス と し て 活 用 し た 各 学 年 の 学 習 内 容 に 履 修 漏 れ が ないことを, 担 任 からの 報 告 により 確 認 した 3 月 24 日 ( 水 )14 日 目 仙 台 市 の 母 方 の 実 家 に 避 難 し て い た 姉 妹 を 除 く 6 5 名 が 出 席 し て, 平 成 2 2 年 度 修 了 式 卒 業 式 を 挙 行 した 避 難 所 に 避 難 し て お ら れ る 来 賓 者 に 対 し, 卒 業 式 へ の 参 加 を 口 頭 で 呼 び か け て お い た こ と で, 数 名 の 来 賓 参 加 が あ り, 卒 業 生 の 晴 れ の 門 出 に 華 を 添 えていただいた 保 護 者 児 童 並 びに 来 賓 者 へは, 事 前 に 平 服 での 参 加 を 呼 びかけた 在 校 生 に 対 し て, 転 校 の 意 向 調 査 用 紙
及 び 現 在 の 避 難 先 及 び 緊 急 連 絡 先 等 の 実 態 調 査 用 紙 を 配 付 し, 2 8 日 ( 月 ) の 離 任 式 までの 回 答 を 求 めた < 平 成 22 年 度 卒 業 式 > 3 月 28 日 ( 月 )18 日 目 午 前 9 時 3 0 分 か ら 離 任 式 を 行 う ( 2 名 の 退 職 と 転 任 の 異 動 内 容 であった ) 震 災 児 童 の 心 の ケ ア の た め に, 札 幌 市 病 院 局 の 医 師 の 来 校 を 受 け, 3 名 の 児 童 が 面 談 指 導 を 受 けた 一 見 明 る く 振 る 舞 っ て い て も, 特 に 被 災 児 童 は, 心 に 大 き な 負 担 ( 不 安, 悲 し み, や り 場 の な い 不 満 ) を 抱 え て い る 様 子 が 垣 間 見 ら れ た 新 年 度 の 学 校 再 開 に 際 し, 被 災 児 童 の 心 のケア の 必 要 性 を 強 く 感 じた 転 校 意 向 調 査 に よ り, 2 名 の 児 童 に 転 校 予 定 が あ る こ と を 確 認 し た ま た, 2 4 日 に 配 付 し た 居 所 調 査 に よ り, 児 童 の 安 否 確 認 票 ( 第 3 次 ) を 作 成 し た 結 果 は 下 記 の と お りである 4 月 1 日 ( 金 ) ~ 第 1 学 期 始 業 式 の 学 校 再 開 まで 震 災 に よ り 自 宅 を 喪 失 し た 4 年 児 童 2 名 が 転 校 した 電 気 復 旧 ま で の 暫 定 措 置 と し て, デ ィ ー ゼル 発 電 機 が 設 置 された 避 難 所 と な っ て い る 小 原 木 中 学 校 で 支 援 物 資 格 納 場 所 が 不 足 し, 避 難 者 の 居 所 ス ペ ー ス が 手 狭 に な っ た と の 避 難 本 部 か ら の 申 し 入 れ を 受 け, 体 育 館 を 貸 与 し, 支 援 物 資 等 を 移 送 した 日 中 の み で は あ る が, 発 電 機 の 稼 働 に よ り 電 源 が 確 保 さ れ た の で, 職 員 は こ れ ま で 滞 っ て い た 年 度 末 事 務 の 残 務 整 理 や, 新 年 度 準 備 に 取 り か か る こ と が で き る よ う に な った 4 月 7 日 ( 木 ), 電 気 が 完 全 復 旧 す る 職 員 は, 一 層 新 年 度 準 備 に 力 を 入 れ た 電 話 も 使 用 可 能 と な っ た も の の, 未 だ に 電 気 が 復 旧 し て い な い 市 内 の 地 域 も 多 く, 関 係 諸 機 関 や 他 校 と の 連 絡 等 が, 完 全 に 解 消 し たとはいえない 状 態 である 4 月 12 日 ( 火 )を 児 童 登 校 日 に 設 定 し, そ の 知 ら せ を 学 区 内 の 避 難 所 に 掲 示 し た ま た, 各 担 任 に 通 学 路 の 安 全 確 認 と 学 区 内 の 現 在 の 状 況 確 認 を し な が ら, 広 報 プ リ ントを 児 童 宅 及 び 避 難 所 に 配 付 させた 4 月 1 2 日 ( 火 ) 児 童 登 校 日 8 時 3 0 分 か ら 転 入 職 員 の 披 露 式 を 行 い, 9 時 3 0 分 に 下 校 さ せ た こ れ ま で と 同 様 に, 児 童 の 登 下 校 には 職 員 が 付 き 添 った 本 日 か ら 校 庭 に 仮 設 住 宅 ( 3 0 戸 ) 建 設 工 事 が 開 始 さ れ た ( 設 置 箇 所 へ の 区 画 工 事 縄 張 り 等 ) 翌 日 に は, 大 型 重 機 機 械 に よる 土 台 敷 石, 土 台 くい 打 ち 工 事 が 始 まる 学 校 再 開 に 際 し, 建 設 工 事 資 材 建 設 工 事 機 械 に 近 づ か な い よ う 児 童 の 校 庭 で の 遊 び 方 過 ごし 方 について 協 議 した また, 通 学 路 に, ま だ が れ き 等 が 野 積 み さ れ て 危 険 で あ る こ と か ら, 学 校 再 開 後 も 当 分 の 間 は, 職 員 に よ る 付 添 い 通 学 を 継 続 す る ことも 確 認 し 合 った 4 月 2 1 日 ( 木 ) 平 成 2 4 年 度 第 1 学 期 始 業 式, 入 学 式 を 挙 行 震 災 被 災 に よ り, 2 週 間 遅 れ で 新 年 度 を ス タ ー ト さ せ る ど の 児 童 に も 笑 顔 が あ ふ れ, 新 年 度 の 学 校 生 活 への 大 きな 期 待 が 感 じられた 学 校 再 開 に 向 けた 校 舎 内 外 の 整 備 と 清 掃 続 く 余 震 等 の 緊 急 時 の 対 応 ( 配 慮 事 項 の 洗 出 しと 周 知 徹 底 ) 児 童 を 迎 え 入 れるに 際 しての 留 意 点, 配 慮 事 項 の 洗 出 しと 周 知 徹 底 学 校 再 開 に 向 けての 児 童 の 安 全 な 登 下 校 ( 職 員 による 付 添 い 通 学 ) 学 習 のまとめの 徹 底 ( 学 習 進 度 の 確 認, 履 修 漏 れの 回 避, 補 充 指 導 ) 計 画 的 な 新 年 度 準 備 <3 月 28 日 当 時 の 被 害 状 況 と 居 所 等 の 実 態 ( 人 )> 自 宅 被 害 居 所 自 宅 被 害 居 所 学 年 在 籍 被 害 全 壊 大 規 半 壊 自 避 難 学 区 内 学 区 外 県 外 学 年 在 籍 被 害 全 壊 大 規 半 壊 自 避 難 学 区 内 学 区 外 県 外 なし 半 壊 他 宅 所 親 戚 賃 貸 親 戚 賃 貸 親 戚 賃 貸 なし 半 壊 他 宅 所 親 戚 賃 貸 親 戚 賃 貸 親 戚 賃 貸 1 8 1 5 2 1 4 1 1 1 4 9 5 2 1 1 4 1 1 3 2 10 7 2 1 7 1 1 1 5 13 7 4 1 1 9 1 2 1 3 12 6 5 1 3 2 6 1 6 15 11 3 1 8 1 1 3 1 1
5, 学 校 の 正 常 化 に 向 けて ほ と ん ど の 児 童 が 満 面 の 笑 顔 で 新 年 度 を 迎 え た 中 に, 母 親 か ら 離 れ ら れ ず 昇 降 口 で 泣 き じ ゃ く り, そ の ま ま 下 校 す る 不 登 校 傾 向 を 示 す 児 童 が 2 名 出 現 し た ま た, 各 学 級 ご と の 活 動 で は, 担 任 替 え が あ っ た に も か か わ ら ず, 新 し い 担 任 に ベ タ ベ タ と ま と わ り つ い た り, ス キ ン シ ッ プ を 求 め た り す る 退 行 行 動 が 顕 著 に 出 現 した 3 月 2 8 日 の 札 幌 市 病 院 局 の 医 師 に よ る 面 談 で 指 摘 を 受 け た こ と が, 現 実 の 問 題 と な っ た 震 災 の 影 響 に よ る 教 育 課 程 の 見 直 し ( 授 業 時 数 の 確 保, 学 校 行 事 の 精 選 等 ) と あ わ せ, 学 校 正 常 化 に 向 けた 解 決 すべき 課 題 を 児 童 の 心 の ケ ア に 定 め, 学 校 再 開 以 降, 今 日 まで, 以 下 の 点 について 取 り 組 んでいる (1) 緊 急 派 遣 スクールカウンセラー の 活 用 推 進 早 期 に, 県 外 か ら の 緊 急 派 遣 ス ク ー ル カ ウ ン セ ラ ー の 活 用 を 申 請 し, 学 校 再 開 直 後 の 5 月 6 月, 長 期 休 業 明 け の 8 月 1 月, 大 き な 学 校 行 事 ( 学 芸 会 ) 終 了 後 の 1 1 月, 震 災 か ら 1 年 経 過 の 3 月 に 指 導 を 受 け る こ と を 計 画 し, 実 施 してきた 主 な 活 用 の 内 容 は, 以 下 の と お り で あ る 1 学 校 再 開 時 に 学 校 不 適 応 を 示 し た 児 童 の 継 続 観 察 と 支 援 2 授 業 観 察 に よ る 問 題 の 早 期 発 見 と 解 決 支 援 に 係 る 担 任 への 助 言 ( 問 題 の 共 有 と 情 報 交 換 ) 3 被 災 児 童 への 共 感 寄 添 い 4 児 童 の 心 の ケ ア に 関 す る 担 任 へ の 指 導 助 言 5 職 員 研 修 会 の 開 催 6 被 災 した 職 員 との 面 談 心 のケア 等 同 じ ス ク ー ル カ ウ ン セ ラ ー に よ る 継 続 的 な 支 援 を 受 けている 児 童 も, 回 を 重 ね る ご と に, ス ク ー ル カ ウ ン セ ラ ー に 気 軽 に 話 し か け た り, 相 談 し た り す る よ う に な り, 問 題 の 重 篤 化 や 長 期 化 を 防 ぐことができた し か し, 震 災 か ら 時 間 が 経 過 す る ご と に, そ の 時 々 に 直 面 す る 課 題 が 異 な る こ と か ら, 今 後 とも 継 続 した 支 援 を 求 めていきたい 課 題 は, 以 下 の よ う な も の が あ げ ら れ る 1 震 災 被 災 直 後 の 強 い 喪 失 感 や 絶 望 感 2 生 活 環 境 の 激 変 ( 避 難 所 親 戚 宅 市 内 ホテルなどの 避 難 施 設 仮 設 住 宅 へ) 3 各 種 報 道 に よ る 震 災 記 憶 の フ ラ ッ シ ュ バ ック( 年 末 報 道,1 年 経 過 時 の 報 道 ) 4 仮 設 住 宅 等, せ ま い 生 活 空 間 の た め, 大 人 の 会 話 を 耳 にすることによる 動 揺 ( 転 校 させられるのではないか ) ( 友 だちから 離 れるのではないか ) (2) 子 供 の 健 康 を 守 る 地 域 専 門 家 総 合 連 携 事 業 の 有 効 活 用 児 童 の 心 の 安 定 を 図 り, 心 の ケ ア の 効 果 を 上 げ る た め に は, 保 護 者 が 抱 え る 心 の 諸 問 題 の 解 決 は 不 可 欠 で あ る そ こ で, 主 に 保 護 者 を 対 象, に 震 災 後 の 心 身 の 健 康 問 題 に 関 す る 正 し い 知 識 の 普 及 啓 発 活 動 を 目 的 に, 6 月 と12 月 に 防 災 教 室 を 計 画 し, 開 催 した 心 理 学 医 学 教 育 学 等 に 関 す る 専 門 知 識 を 有 す る 学 識 経 験 者 の 講 話 を 聞 く こ と で, 保 護 者 自 身 が 自 分 の 精 神 的 健 康 状 態 を 客 観 的 に 理 解 す る こ と が で き, 児 童 へ の 接 し 方 を 具 体 的 に 学 ぶ 好 機 となった 講 話 と あ わ せ て 実 施 し た 親 子 ふ れ あ い 活 動 を と お し て, 講 話 で 学 ん だ こ と を, い ろ い ろ な 演 習 ( ア ク テ ィ ビ テ ィ ー ) で 実 際 に 活 動 す る こ と に よ り, 一 層 理 解 を 深 め る こ と が できた 震 災 後, 久 し ぶ り に 親 子 で 手 を つ な ぎ, 肌 と 肌 をふれ 合 わせながら 活 動 している 姿 から, 一 時 的 で は あ る が, 抱 え て い る さ ま ざ ま な 心 の 負 荷 や 負 担 か ら 開 放 さ れ て い る 様 子 を 見 取 る こ と が で き た <ケア 宮 城 代 表, 畑 山 みさ 子 先 生 による 講 話 > < 歓 声 にあふれた 親 子 ふれあい 活 動 >
(3) 心 と 体 のアンケート の 継 続 実 施 と 結 果 分 析 震 災 後 の 児 童 の 心 と 体 の 健 康 状 態 を 探 る た め に, 阪 神 淡 路 大 震 災 後 に 兵 庫 県 教 育 委 員 会 で 作 成 し た ア ン ケ ー ト を 活 用 し, 児 童 の 心 と 体 のアンケート 調 査 を 継 続 実 施 している こ れ ま で に, 震 災 後 2 ヶ 月 経 過 の 6 月, 4 ヶ 月 目 の 7 月, 半 年 経 過 の 9 月, 年 末 の テ レ ビ 報 道 が 続 いた 後 の1 月 の4 回 実 施 した 全 体 傾 向 の 推 移 の み な ら ず, 児 童 一 人 一 人 の 変 化 変 容 を た ど り, ス ク ー ル カ ウ ン セ ラ ー と 結 果 情 報 を 共 有 し, そ の 指 導 の も と に 学 級 経 営 や 児 童 の 日 常 指 導 生 活 指 導 に あ た っ ている 特 に, 年 末 の テ レ ビ に よ る 震 災 の 映 像 報 道 に よ る フ ラ ッ シ ュ バ ッ ク が 顕 著 に 見 ら れ た こ と を 受 け, あ ら た め て 保 護 者 に は, 映 像 報 道 の 視 聴 を 控 え る こ と や 児 童 へ の 寄 添 い, 共 に 時 間 を 過 ご す こ と, 手 を 握 っ た り, 背 を さ す っ て あ げ た り す る こ と で 安 心 感 を 与 え る こ と などの 大 切 さを 知 らせ,お 願 いした 6, 展 望 と 課 題 (1) 展 望 1 0 0 0 年 に 1 度 と 評 さ れ る よ う な 今 回 の 大 震 災 震 災 か ら 1 0 ヶ 月 が 経 過 し た と は 言 え, 本 小 学 区 内 の 被 災 地 区 は, が れ き こ そ 片 付 け ら れ た も の の, そ の 分, 被 災 し た 家 々 の コ ン ク リ ー ト の 土 台 だ け が む き 出 し に な っ て い る 何 も 残 っ て い な い 様 子 を 見 る に つ け, 震 災 か ら の 復 興 に は, 相 当 の 年 月 と 人 々 の 尽 力 が 必 要 であることは, 明 白 である 言 わ ず も が な, 震 災 復 興 の 担 い 手 は, 本 校 で 学 ぶ 児 童 たちに 他 ならない 1 復 興 の 担 い 手 になるための 確 かな 力 を! 学 校 の 使 命 は, こ れ か ら 長 く 続 く で あ ろ う 復 興 へ の 道 程 で, 確 か な 力 を 発 揮 で き る 人 づくり である 震 災 に よ り 学 校 の 施 設 設 備 が 使 え な く な っ た り, 使 用 に 制 限 が 加 わ っ た り し た も の も あ り, 学 習 環 境 は 十 分 と は 言 え な い 校 庭 に は 仮 設 住 宅 が 建 ち, 存 分 に 使 用 す る こ と も で き な い 加 え て, そ の 撤 去 が い つ に な る の か も 分 からない このように 負 の 条 件 はたくさんあるが, そ の 現 実 を し っ か り と 受 け 止 め た 上 で, 学 校 は, こ れ ま で 以 上 に 日 々 の 教 育 活 動 学 習 指 導 の 工 夫 と 充 実 を と お し て, 夢 と 希 望 と 高 い 志 を も っ て そ の 実 現 に 向 け, ひ た む き に 努 力 す る 児 童 を 育 て て い か な け れ ば な ら な い と 考 える 毎 時 の 授 業 内 容 及 び 質 の 充 実 向 上 と 家 庭 学 習 の 習 慣 化 による 基 礎 的 基 本 的 な 事 項 の 確 実 な 定 着 自 己 教 育 力 を 育 み, 学 習 意 欲 を 高 め る 指 導 法 の 工 夫 改 善 小 規 模 校 であることを 生 かした 個 に 配 慮 したきめ 細 かな 指 導 の 徹 底 ESD 教 育, 志 教 育 の 推 進 2 学 校 が 地 域 の 復 興 の 起 爆 剤 に! 校 庭 に 仮 設 住 宅 が 建 設 さ れ た こ と に よ り, 開 催 が 危 ぶ ま れ た 恒 例 の 小 中 学 校 合 同 運 動 会 が, 9 月 に 旧 小 原 木 中 学 校 跡 地 を 利 用 し て 開 催 す る こ と が で き た 吹 幸 ~ し あ わ せ の 風 を 吹 か せ よ う ~ を テ ー マ に, 保 護 者 は も ち ろ ん, 多 く の 地 域 の 方 々 の 励 ま し と 大 声 援 を い た だ い た あ ら た め て 学 校 は 地 域 の 一 部 で あ る こ と を 強 く 実 感 し た 一 コ マ で あ っ た 学 校 が 元 気 で あ る こ と, そ こ で 学 ぶ 児 童 生 徒 が 明 る く 元 気 で あ る こ と が, 地 域 を 元 気 に し, 地 域 の 復 興 を 後 押 し す る こ と が で き る と 確 信 した 門 戸 を 広 げ る だ け の 開 か れ た 学 校 で は な く, 積 極 的 に 学 校 の 今 に つ い て 情 報 を 公 開 し, 教 育 活 動 へ の 地 域 の 参 画 を 促 し て い くことが 大 切 であると 考 える 学 校 だより 配 布,ホームページの 開 設 等 による 学 校 情 報 の 発 信 仮 設 住 宅 の 方 々との 交 流 促 進 ( 協 働 作 業 による 緑 化 活 動 の 推 進 ) 授 業 学 校 行 事 等 の 積 極 的 公 開 (2) 課 題 1 児 童 の 心 のケア の 継 続 前 述 の 展 望 1, 2 を 推 進 し て い く た め の 前 提 条 件 と し て, 児 童 の 心 の 安 定 と ケ ア は 不 可 欠 である 震 災 か ら 時 間 が 経 過 し て も, そ の 時 々 で 児 童 の 心 の ケ ア 課 題 は 異 な り, 何 度 も 何 度 も 繰 り 返 さ れ る こ の 1 0 ヶ 月 間 で 児 童 の 心 の ケアの 継 続 の 必 要 性 を 痛 感 した 今 後 とも, 児 童 及 び 保 護 者 の 心 に 寄 り 添 い, ケ ア し て い く 体 制 づ く り と そ の 継 続 が 大 切 で ある 考 える スクールカウンセラーの 継 続 活 用 心 のケア に 関 する 各 種 研 修 会 等 の 開 催 心 のケア に 関 する 教 員 研 修 の 充 実 とカウンセリングマインドをもった 指 導 の 継 続 2 防 災 教 育 の 見 直 し と 訓 練 の 計 画 的 継 続 的 実 施 年 末 に 保 護 者 を 対 象 に 学 校 改 善 ア ン ケ ー ト を 実 施 し た と こ ろ, 防 災 教 育 及 び 避 難 訓 練 等 に 関 し て, 多 く の 保 護 者 は, 児 童 が 校 内 に い る 時 の 防 災 に 対 す る 学 校 の 取 組 を 大 変 好
意 的 に 受 け 止 め, 信 頼 を 寄 せ て い る 反 面, 登 下 校 途 中 に 地 震 に 遭 遇 し た 場 合 休 日 等 で 一 人 で 在 宅 し て い る 時 に 地 震 に 遭 遇 し た 場 合 の 対 応 の 仕 方 に, 強 い 不 安 感 を も っ て いることが 分 かった ど の よ う な 状 況 下 で も 自 分 の 身 は 自 分 で 守 る こ と を 大 原 則 に, 適 切 な 判 断 と 適 切 な 行 動 が と れ る よ う, 保 護 者 や 地 域 と 共 通 認 識 に 立 っ た 体 制 づ く り と, 計 画 的 継 続 的 な 訓 練 の 実 施 を, 早 急 に 検 討 し て い か な け れ ば な らないと 考 える 登 下 校 途 中 の 避 難 訓 練 在 宅 時 ( 一 人 )の 避 難 の 仕 方 保 護 者 地 域 と の 共 通 理 解 と 共 通 行 動 の 体 制 づくり