海 外 駐 在 情 報 BTMU Focus, London Akiko Darvell 44-20-7577-1591 akiko.darvell@uk.mufg.jp April 11, 2014 経 済 の 成 長 力 低 下 懸 念 について < 要 旨 > 欧 州 経 済 が 緩 慢 ながらも 持 ち 直 し 傾 向 を 辿 るなか 経 済 の 低 調 さが 懸 念 材 料 のひとつとなっている 景 気 回 復 の 足 取 りの 鈍 さや 国 債 の 格 下 げな どから を 中 長 期 の 時 間 軸 で 悲 観 的 に 捉 える 見 方 も 一 部 では 出 てき ている 実 際 経 常 赤 字 の 継 続 や 国 際 機 関 が 行 っている 競 争 力 ランキングにおける 順 位 の 低 下 など 中 長 期 的 な 成 長 力 の 低 下 を 懸 念 させる 材 料 は 少 なくない 経 済 の 成 長 力 低 下 については 高 賃 金 や 硬 直 的 な 労 働 市 場 といった 広 義 の 雇 用 コストの 高 さ 高 い 税 負 担 等 による 企 業 の 収 益 性 の 圧 迫 などが 原 因 として 挙 げられる 具 体 的 には 高 水 準 の 法 定 最 低 賃 金 や 法 人 税 率 社 会 保 障 費 の 雇 用 主 負 担 の 大 きさなどである また 外 生 的 な 要 因 として 地 理 的 に 結 び 付 きが 強 い 南 欧 諸 国 が 債 務 問 題 によって 深 刻 な 景 気 後 退 に 陥 ったことも 指 摘 できよう 現 オランド 政 権 は 雇 用 安 定 化 法 (2013 年 6 月 施 行 )や 責 任 協 定 (2014 年 1 月 発 表 ) 等 の 対 策 を 打 ち 出 してきてはいるものの 経 済 に 対 する 厳 しい 見 方 を 覆 すには 至 っていない 労 使 の 意 見 対 立 が 続 いている うえ 支 持 率 の 低 下 にも 直 面 しているためである また かつてのや 近 年 のでは 経 済 の 深 刻 な 落 ち 込 みによる 危 機 感 が 労 働 市 場 改 革 を 後 押 ししたが 今 のところ 経 済 がそこまでの 悪 化 をみていないこと も 一 因 といわれる 経 済 には 厚 みのある 内 需 や 強 固 な 人 口 動 態 といった 長 所 もある が 同 時 に 従 来 手 薄 になってきた 企 業 や 労 働 市 場 の 活 力 向 上 に 向 けた 取 り 組 みも 足 元 では 重 要 性 を 増 しているとみる 経 済 が 強 みを 維 持 し つつ 成 長 停 滞 を 回 避 しうるか 今 後 も 引 き 続 き 改 革 の 進 捗 を 注 意 深 く 見 守 っていく 必 要 があろう 1
115 110 105 100 95 90 1. 経 済 の 現 状 欧 州 経 済 が 緩 慢 ながらも 持 ち 直 し 傾 向 を 辿 るなか 経 済 の 低 調 さが 懸 念 材 料 のひとつとなっている 欧 州 主 要 国 の 実 質 GDP の 推 移 をみると 2013 年 にと は 拡 大 基 調 が 明 確 化 し イタリア ではマイナ ス 傾 向 に 歯 止 めが 掛 かった 一 方 は 微 増 に 止 まっている( 第 1 図 ) 同 年 のの 実 質 GDP 成 長 率 は 前 年 比 +0.2%と の 同 +0.5% の 同 +1.8%を 下 回 った 需 要 項 目 別 の 内 訳 をみると 独 英 においては 個 人 消 費 が 成 長 率 の 押 し 上 げに 寄 与 した 一 方 では 個 人 消 費 の 伸 びは 小 幅 に 止 まった 上 総 固 定 資 本 形 成 の 落 ち 込 みが 成 長 率 を 下 押 しした( 第 2 図 ) 経 済 の 低 調 は 2014 年 に 入 ってからも 継 続 している 企 業 の 景 況 感 を 表 す 購 買 担 当 者 指 数 (PMI)をみると の 製 造 業 指 数 は 今 年 2 月 ま で 企 業 活 動 の 拡 大 縮 小 の 分 岐 点 である 50 を 下 回 って 推 移 しており 他 の 欧 州 主 要 国 が 52~56 と 明 確 に 拡 大 領 域 にあることと 比 べ 出 遅 れ 感 が 目 立 つ また 同 サービス 業 指 数 も 製 造 業 ほどの 差 ではないものの が 他 の 欧 州 主 要 国 を 下 回 る 傾 向 にある 第 1 図 : 欧 州 主 要 国 の 実 質 GDP 水 準 の 推 移 第 2 図 : 欧 州 主 要 国 の 実 質 GDP 成 長 率 (2013 年 ) (2005=100) イタリア 07 08 09 10 11 12 13 ( 年 ) 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0-0.5-1.0-1.5-2.0-2.5-3.0 ( 前 年 比 %) 在 庫 その 他 純 輸 出 総 固 定 資 本 形 成 政 府 消 費 個 人 消 費 GDP 成 長 率 イタリア ( 資 料 )Eurostat より 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 ( 資 料 )Eurostat より 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 経 済 については 上 記 のような 循 環 的 な 景 気 の 弱 さだけでなく 中 長 期 的 な 成 長 力 の 低 下 が 懸 念 されている 格 付 機 関 のスタンダード&プアーズ は 2013 年 11 月 オランド 政 権 の 経 済 政 策 が 成 長 促 進 に 繋 がる 可 能 性 は 小 さい とし の 格 付 けを AA+ から AA に1 段 階 引 き 下 げた また ベルギーのシンクタンク リスボン カウンシルは 昨 年 12 月 発 行 のレポート ( 注 1) のなかで 財 政 危 機 に 陥 ったアイルランドやが 痛 みを 伴 う 改 革 を 実 施 している 一 方 は 構 造 改 革 に 着 手 していない 点 を 指 摘 している 2
( 注 1)リスボン カウンシルはブリュッセルを 拠 点 とするシンクタンクで 毎 年 ユーロ 圏 にスウェーデンと を 加 えた 各 国 の 経 済 財 政 状 況 の 健 全 性 や 調 整 プログラムの 進 捗 状 況 等 を 評 価 してランク 付 けした Euro Plus Monitor を 発 行 している 2. 成 長 力 低 下 の 現 状 と 要 因 (1) 現 状 の 成 長 力 低 下 の 表 れとして 指 摘 されているもののひとつが 経 常 赤 字 である 他 のユーロ 圏 主 要 国 をみると が 大 幅 な 黒 字 を 継 続 し イタリ ア が 赤 字 から 黒 字 に 転 じるなか は 赤 字 が 続 いている( 第 3 図 ) 主 因 は 財 貿 易 収 支 の 赤 字 で 2013 年 は 内 需 低 迷 による 輸 入 の 減 少 等 か ら 前 年 比 では 減 少 したものの 赤 字 額 は 623 億 ユーロに 上 っている の 輸 出 競 争 力 は 他 のユーロ 加 盟 国 と 比 較 して 相 対 的 に 低 下 してお り これが 財 貿 易 収 支 の 赤 字 継 続 につながっていると 考 えられる ユーロ 圏 の 圏 外 向 け 輸 出 のうち からの 輸 出 が 占 める 割 合 をみると 2003 年 には 15.8%であったが 2013 年 には 12.4%まで 縮 小 した( 第 4 図 ) イタリアのシ ェアも 低 下 しているが の 低 下 幅 はイタリアを 大 きく 上 回 っており ユーロ 圏 における 輸 出 の 担 い 手 としてのの 地 位 低 下 は 顕 著 といわざる を 得 ない 第 3 図 :ユーロ 圏 主 要 国 の 経 常 収 支 第 4 図 :ユーロ 圏 外 輸 出 全 体 に 占 める 各 国 の 割 合 600 ( 億 ユーロ) 500 400 300 200 100 イタリア 0-100 -200-300 -400 05 06 07 08 09 10 11 12 13 ( 年 ) 40 (%) 4 30 3 20 2 10 1 0 0-10 -1-20 全 体 に 占 める 割 合 (2013 年 ) -2-30 2003 年 からの 変 化 幅 ( 右 軸 ) -3-40 -4 ( 資 料 )Eurostat より 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 ( 資 料 )Eurostat より 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 イタリア オランダ ベルギー また 世 界 経 済 フォーラム(WEF)の 競 争 力 ランキングにおいて の 順 位 が 低 下 していることも 一 例 として 挙 げられよう( 第 1 表 ) 2013-14 年 版 のの 総 合 順 位 は 23 位 と 5 年 前 の 16 位 から 7 ランク 下 がった 順 位 が 上 がった と 比 較 すると 政 府 の 規 制 の 厳 しさや 労 働 市 場 の 効 率 性 で 大 きく 差 がついている 企 業 活 動 における 政 府 規 制 負 担 の 項 目 を 3
みると は 130 位 であるのに 対 し は 56 位 は 45 位 とな っている また 労 働 市 場 の 効 率 性 のランキングは 71 位 ドイ ツ 41 位 5 位 である さらにその 内 訳 をみると 仏 独 ともに 解 雇 規 制 の 厳 しさや 解 雇 コストの 高 さが 目 立 つが の 場 合 は 労 使 関 係 の 悪 さ (135 位 は 18 位 )が 特 に 際 立 っている 第 1 表 :WEF 競 争 力 ランキング 2013-14 2008-09 2013-14 2008-09 2013-14 2008-09 総 合 23 16 4 7 10 12 1. 制 度 31 23 15 14 12 25 企 業 活 動 における 政 府 規 制 負 担 130 126 56 77 45 82 2.インフラ 4 2 3 1 8 18 3.マクロ 経 済 環 境 73 65 27 40 115 58 4. 健 康 初 等 教 育 24 9 21 24 16 19 5. 高 等 教 育 訓 練 24 16 3 21 17 18 6. 財 貨 市 場 の 効 率 性 45 21 21 15 14 19 7. 労 働 市 場 の 効 率 性 71 105 41 58 5 8 労 使 関 係 135 132 18 27 26 35 採 用 解 雇 規 制 144 126 118 130 27 61 解 雇 コスト 54 57 100 93 26 35 ( 週 間 分 / 給 与 ) 11.8 21.6 8.4 8. 金 融 市 場 の 発 展 33 25 29 19 15 5 9. 技 術 面 の 下 地 17 20 14 18 4 8 10. 市 場 規 模 8 7 5 4 6 6 11.ビジネスの 洗 練 度 21 9 3 1 9 17 12.イノベーション 19 16 4 8 12 17 ( 資 料 ) 世 界 経 済 フォーラムより 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 (2) 成 長 力 低 下 の 要 因 経 済 の 成 長 力 低 下 の 要 因 は の 国 内 制 度 などに 起 因 する 内 生 的 なものと 輸 出 環 境 等 に 代 表 される 外 生 的 な 要 因 の 両 方 があると 考 えられ る 前 者 は 高 賃 金 や 硬 直 的 な 労 働 市 場 に 基 づく 広 義 の 雇 用 コストの 高 さ 高 い 税 負 担 等 による 企 業 の 収 益 性 の 圧 迫 などであり 後 者 としては 深 刻 な 債 務 問 題 に 陥 った 南 欧 諸 国 との 結 び 付 きの 強 さが 挙 げられる 4
1 広 義 の 雇 用 コストの 高 さ ユーロ 圏 主 要 国 の 単 位 労 働 コストの 推 移 をみると はほぼ 一 貫 して 上 昇 が 続 いており 価 格 競 争 力 の 低 下 要 因 となっている( 第 5 図 ) も 上 昇 傾 向 にはあるが に 比 べて 低 位 に 止 まっており これは 2000 年 代 初 頭 に 実 施 された 労 働 市 場 改 革 の 効 果 と 考 えられる( 第 2 表 ) で は 賃 金 の 引 き 下 げや 雇 用 調 整 に 大 きな 制 約 が 存 在 しており 景 気 の 悪 化 局 面 においても 雇 用 コストの 抑 制 が 十 分 に 行 われないことが 経 済 の 柔 軟 性 を 低 下 さ せている 第 5 図 :ユーロ 圏 主 要 国 の 単 位 労 働 コスト 第 2 表 :の 労 働 市 場 改 革 (2003~05 年 ) 120 115 (2005=100) 派 遣 労 働 期 間 の 制 限 撤 廃 解 雇 制 限 法 の 非 適 用 事 業 所 の 範 囲 拡 大 労 働 者 数 10 人 以 下 の 事 業 所 は 適 用 除 外 ( 解 雇 制 限 法 : 労 働 者 本 人 またはその 行 為 に 原 因 がある 場 合 か 労 働 者 の 継 続 就 労 を 妨 げる 緊 急 の 経 営 上 の 必 要 性 110 が 無 い 限 り 解 雇 は 無 効 同 一 企 業 の 他 のポジションで 継 続 雇 用 が 可 能 の 場 合 解 雇 は 認 められない) 105 有 期 雇 用 契 約 の 制 限 規 定 を 緩 和 企 業 新 設 後 の 4 年 間 に 限 り 有 期 雇 用 契 約 の 自 100 由 な 更 新 を 可 能 に 95 ミニジョブ ミディジョブの 導 入 05 06 07 08 09 10 11 12 13 ( 年 ) ミニジョブ: 賃 金 が 月 額 400 ユーロ 以 下 の 雇 用 または 年 間 50 日 以 下 の 就 業 労 働 者 の 税 社 会 保 険 料 負 担 無 し イタリア ミディジョブ: 月 額 401~800 ユーロまでの 雇 用 社 会 保 険 料 負 担 軽 減 ( 資 料 )Eurostat より 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 ( 資 料 ) 各 種 資 料 より 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 (ⅰ) 高 水 準 の 法 定 最 低 賃 金 の 雇 用 コストの 高 さの 一 因 は 高 水 準 の 法 定 最 低 賃 金 である 2013 年 のの 法 定 最 低 賃 金 は 1 時 間 当 たり 9.43 ユーロと 欧 州 主 要 国 のなか で 最 も 高 くなっている( 第 6 図 ) ( 注 2) また 賃 金 の 中 央 値 に 対 する 法 定 最 低 賃 金 の 比 率 も 約 6 割 と 高 く 賃 下 げ 余 地 を 小 さくしている( 第 7 図 ) 金 融 危 機 からの 回 復 が 進 みつつあるアイルランドと 比 較 してみると アイルランドは 危 機 直 前 の 2008 年 の 最 低 賃 金 (8.65 ユーロ/ 時 間 )を 足 元 まで 据 え 置 いており 賃 金 の 中 央 値 に 対 する 最 低 賃 金 の 比 率 が 低 下 した 一 方 においては 最 低 賃 金 の 上 昇 率 はインフレ 率 を 下 回 ってはならないと 規 定 されていることか ら 最 低 賃 金 は 2008 年 (8.44 ユーロ/ 時 間 ) 以 降 も 年 々 上 昇 しており 景 気 の 状 況 に 応 じた 賃 金 調 整 の 障 壁 となっている(の 2014 年 の 最 低 賃 金 は 9.53 ユーロ/ 時 間 ) これに 加 え 社 会 保 障 費 の 雇 主 負 担 の 大 きさ( 後 述 )も 人 件 費 の 押 し 上 げ 要 因 である 5
10 8 6 4 2 第 6 図 : 法 定 最 低 賃 金 (2013 年 ) (ユーロ/ 時 間 ) 参 考 値 70% 60% 50% 40% 30% 第 7 図 : 賃 金 の 中 央 値 に 対 する 法 定 最 低 賃 金 の 比 率 2000 2012 0 アイルランド オランダ ベルギー ( 注 )は 参 考 値 ( 資 料 ) 各 国 関 係 省 庁 等 より 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 20% アイルランド オランダ ベルギー ( 注 )フルタイム 労 働 者 賃 金 の 中 央 値 ( 資 料 )OECD より 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 ( 注 2)は 現 在 業 種 等 部 門 別 に 最 低 賃 金 が 設 定 され 一 律 の 最 低 賃 金 制 度 はない た だし 2013 年 11 月 にメルケル 首 相 は 8.5 ユーロ/ 時 間 での 最 低 賃 金 制 に 合 意 2015 年 に 導 入 予 定 である (ⅱ) 厳 しい 雇 用 規 制 の 厳 しい 雇 用 規 制 も 広 い 意 味 での 雇 用 コストの 高 さに 結 びついて ( 注 3) いる OECD の 雇 用 保 護 制 度 指 標 をみると 大 陸 欧 州 の 国 々は 無 期 限 雇 用 者 の 解 雇 について 英 米 等 に 比 べて 厳 しく 規 制 しており この 点 では との 間 でも 大 きな 差 はみられない( 第 8 図 ) ただし 有 期 雇 用 者 に 関 し ては の 解 雇 規 制 は 比 較 的 緩 やかである 一 方 では 無 期 限 雇 用 者 並 みに 厳 格 になっており その 結 果 の 解 雇 規 制 は 先 進 国 のなかで もっとも 厳 しくなっている ( 注 3)Employment Protection Legislation indicator(epl) 無 期 限 雇 用 については 解 雇 通 知 に 要 する 期 間 解 雇 手 当 金 の 額 不 当 解 雇 の 定 義 等 有 期 雇 用 については 契 約 更 新 回 数 職 種 の 範 囲 均 等 扱 い 等 に 基 づいて 雇 用 保 護 の 強 さを 数 値 化 したもの では 2000 年 に 施 行 されたパートタイム 労 働 法 や 前 述 の 2000 年 代 初 頭 の 労 働 市 場 改 革 を 受 け 有 期 雇 用 が 多 くを 占 めるとみられるパートタイム 雇 用 の 活 用 が 進 んだ 雇 用 全 体 に 占 めるパートタイムの 割 合 は 2000 年 の 19.4%から 2012 年 には 26.7%に 拡 大 したが この 間 失 業 率 も 大 きく 低 下 して おり 雇 用 の 柔 軟 性 拡 大 が 単 にパートタイム 雇 用 の 増 加 だけでなく 雇 用 全 体 の 改 善 に 繋 がったと 考 えられている ( 注 4) のパートタイム 雇 用 比 率 も 緩 やかに 高 まってはいるものの 2012 年 時 点 でも 18.0%にとどまり と は 大 きく 差 が 開 いている( 第 9 図 ) 6
高 厳 格 性 低 12 10 8 6 4 2 0 第 8 図 : 解 雇 規 制 の 厳 格 性 有 期 雇 用 者 の 解 雇 無 期 雇 用 者 の 団 体 解 雇 無 期 雇 用 者 の 個 別 解 雇 イタリア アイルランド 米 国 日 本 第 9 図 : 独 仏 の 失 業 率 パートタイム 雇 用 の 割 合 12 11 10 9 8 7 6 5 (%) (%) 00 02 04 06 08 10 12 ( 年 ) ハ ートタイム( 右 軸 ) ト イツハ ートタイム( 右 軸 ) 失 業 率 失 業 率 ( 資 料 )OECD より 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 ( 資 料 )Eurostat より 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 ( 注 4)ただしでは 近 年 ワーキングプア 問 題 などが 社 会 問 題 化 しており 労 働 市 場 改 革 後 の 課 題 のひとつとなっている 点 には 留 意 する 必 要 がある 30 27 24 21 18 15 40 30 20 10 0 2 企 業 の 税 社 会 保 障 負 担 の 高 さ では 高 水 準 の 賃 金 に 加 え 政 府 から 企 業 に 課 せられる 負 担 の 大 き さも 企 業 収 益 の 重 しとなっている 法 人 税 率 は 34.4%と 欧 州 主 要 国 のなかで 最 も 高 いことに 加 え( 第 10 図 ) 社 会 保 障 費 の 雇 主 負 担 割 合 も 大 きく 対 GDP 比 で 11.6%に 達 している( 第 3 表 ) 第 10 図 : 法 人 税 率 (2013 年 ) 第 3 表 : 税 社 会 保 障 負 担 の 対 GDP 比 (%) (%) 社 会 保 障 34.4 被 用 30.2 30.0 雇 主 27.5 者 23.0 イタリア アイルランド 12.5 租 税 国 民 負 担 率 ベルギー 4.4 8.9 30.8 45.4 6.4 6.8 23.6 39.4 1.7 8.4 21.3 32.5 4.2 11.6 28.1 45.0 イタリア 2.4 9.3 30.4 44.0 フィンランド 3.1 9.2 31.0 44.3 スウェーデン 0.1 7.3 37.0 44.6 3.2 4.4 28.7 36.5 ( 資 料 )OECD より 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 ( 資 料 )Eurostat より 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 の 政 府 支 出 の 対 GDP 比 率 をみると 56.6%と EU 域 内 でデンマーク に 次 ぎ 2 番 目 の 規 模 であり( 第 11 図 ) その 結 果 国 民 負 担 率 も 45.0%と ド イツ(39.4%) (36.5%) (32.5%)に 比 べ 高 くなっている ( 前 掲 第 3 表 ) 政 府 支 出 の 内 訳 では 社 会 福 祉 関 連 の 支 出 が 大 きく 7
は 対 GDP 比 24.4%と の 同 19.4% イタリアの 同 20.5%より 高 水 準 に ある 手 厚 い 社 会 福 祉 制 度 の 財 源 確 保 のため では 企 業 部 門 に 大 きな 負 担 が 課 せられているといえよう 企 業 部 門 が 生 産 した 付 加 価 値 の 分 配 構 成 をみると では 67.7%が 雇 用 者 報 酬 ( 賃 金 及 び 社 会 保 障 費 の 雇 主 負 担 )として 分 配 されており ユーロ 圏 ( 平 均 61.4%)の 中 で 突 出 して 高 い 比 率 となっている( 第 12 図 ) その 結 果 付 加 価 値 のうち 企 業 の 手 元 に 残 る 総 可 処 分 所 得 ( 当 期 純 利 益 に 相 当 )の 割 合 は 12.8%と ユーロ 圏 の 平 均 (18.7%)を 大 幅 に 下 回 っている 第 11 図 : 政 府 支 出 の 対 GDP 比 (2012 年 ) 第 12 図 : 企 業 部 門 の 所 得 分 配 構 成 (2012 年 ) 60 55 50 45 40 (%) イタリア デンマーク フィンランド ベルギー ギリシャ スウェーデン オーストリア イタリア オランダ ハンガリー スロベニア ユーロ 圏 0% 20% 40% 60% 80% 100% 総 可 処 分 所 得 雇 用 者 報 酬 経 常 税 その 他 ( 資 料 )OECD より 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 ( 注 ) 非 金 融 法 人 企 業 ベース ( 資 料 )Eurostat より 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 の 企 業 部 門 の 総 可 処 分 所 得 の 対 付 加 価 値 比 率 は 2000 年 代 を 通 じて 低 下 傾 向 が 続 いており 足 元 は 現 行 統 計 (1995 年 以 降 )としては 最 低 水 準 にあ る( 第 13 図 ) の 同 比 率 が 20% 前 後 を 維 持 していることや で 2000 年 代 を 通 じて 改 善 が 進 んだこととは 対 称 的 である 総 可 処 分 所 得 は 企 業 の 内 部 資 金 として 将 来 に 向 けた 投 資 の 原 資 となるもの であり 仏 企 業 の 中 長 期 的 な 成 長 力 低 下 が 懸 念 される 一 例 として 研 究 開 発 投 資 額 ( 民 間 部 門 )の 対 GDP 比 をみると は 2.1~2.2% 程 度 で 横 ばい が 続 いており 上 昇 傾 向 にあるとの 差 が 開 いてきている また イタリ ア はを 下 回 るものの 水 準 は 上 昇 しており のポ ジションは 相 対 的 に 低 下 している 製 薬 業 や 航 空 宇 宙 産 業 に 代 表 されるように 企 業 は 現 在 高 水 準 の 技 術 力 を 有 するが 将 来 に 亘 る 優 位 性 の 維 持 に ついては 必 ずしも 盤 石 ではない 8
第 13 図 : 企 業 部 門 の 総 可 処 分 所 得 / 付 加 価 値 比 率 第 14 図 : 民 間 部 門 の R&D 投 資 ( 対 GDP 比 ) 24 22 20 ( 対 GDP 比 %) 3.0 2.6 2.2 ( 対 GDP 比 %) 18 16 1.8 1.4 イタリア 14 1.0 12 95 97 99 01 03 05 07 09 11 ( 年 ) 0.6 95 97 99 01 03 05 07 09 11 ( 年 ) ( 資 料 )Eurostat より 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 ( 資 料 )Eurostat より 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 3 ユーロ 圏 域 内 への 輸 出 依 存 度 の 高 さ の 成 長 鈍 化 については 地 理 的 に 結 び 付 きが 強 い 南 欧 諸 国 が 債 務 問 題 によって 深 刻 な 景 気 後 退 に 陥 ったことも 一 因 とみられる の 輸 出 のうち 南 欧 向 けは 15.7%を 占 めており の 9.5%と 比 べると かなり 南 欧 依 存 度 が 高 い( 第 4 表 ) また ユーロ 圏 向 けのシェアも 比 較 すると ドイ ツでは 2000 年 の 45.4%から 2012 年 には 39.6%まで 低 下 している 一 方 フラン スは 相 対 的 に 小 幅 の 低 下 に 留 まっている 加 えて 圏 外 向 け 輸 出 では は 新 興 アジア 向 けのシェアが 高 めであるほか 中 東 欧 向 け 輸 出 が 占 める 割 合 も 大 きい アジアの 需 要 取 り 込 みに 加 え は 早 くから 中 東 欧 におけるサプラ イチェーンを 構 築 して 生 産 コストを 削 減 し 輸 出 競 争 力 を 高 めたことが 強 みと なっていると 考 えられよう ユーロ 圏 第 4 表 :との 総 輸 出 に 占 める 地 域 別 割 合 うち 南 欧 2012 年 2000 年 中 東 欧 新 興 アジア ユーロ 圏 うち 南 欧 中 東 欧 新 興 アジア 47.4% 15.7% 5.9% 6.2% 50.1% 21.1% 3.6% 2.8% 39.6% 9.5% 12.7% 7.7% 45.4% 13.8% 9.0% 3.1% ( 注 ) 南 欧 諸 国 は イタリア ポルトガル ギリシャ ( 資 料 )IMF より 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 9
3. 政 府 の 対 策 成 長 力 の 低 下 については 2012 年 5 月 に 発 足 した 社 会 党 オランド 政 権 も 対 策 の 必 要 性 を 訴 え 政 策 対 応 を 打 ち 出 してきた まず 企 業 の 税 負 担 軽 減 策 とし て 2012 年 11 月 に 200 億 ユーロの 法 人 税 額 控 除 が 発 表 された 続 いて 2013 年 1 月 の 労 使 合 意 を 基 に 同 年 6 月 には 雇 用 安 定 化 法 が 施 行 された( 第 5 表 ) 雇 用 安 定 化 法 は 雇 用 の 安 定 化 と 柔 軟 化 を 同 時 に 進 めるもので 柔 軟 化 の 面 では 集 団 解 雇 手 続 きの 簡 素 化 等 が 盛 り 込 まれた また 雇 用 調 整 等 の ボトルネックとなることが 少 なくない 労 使 間 の 対 立 緩 和 に 向 け 対 話 促 進 を 目 指 す 総 合 的 な 労 働 制 度 改 革 とされている の 労 働 組 合 は 組 織 率 は 低 いものの ( 注 5) 労 働 協 約 の 締 結 権 を 有 するなど 代 表 性 が 法 制 化 されており その 社 会 的 影 響 力 が 大 きいためである 1. 労 働 力 のモビリティ 強 化 策 第 5 表 : 雇 用 安 定 化 法 の 要 旨 1 社 内 配 置 転 換 における 柔 軟 性 の 向 上 従 来 は 雇 用 契 約 において 職 務 勤 務 地 が 規 定 され 本 人 の 同 意 なしには 配 置 転 換 が 行 えなかったが 配 置 転 換 に 伴 う 支 援 措 置 等 を 事 前 に 労 使 協 議 し 合 意 すれば 契 約 の 変 更 がなくても 配 置 転 換 が 可 能 となった 2 転 職 機 会 の 創 出 勤 続 2 年 以 上 の 従 業 員 は 雇 用 主 の 合 意 があれば 復 職 権 を 有 しつつ 一 定 期 間 他 の 企 業 で 就 労 することが 可 能 他 企 業 における 就 労 期 間 は 労 使 交 渉 に 拠 る 2. 景 気 悪 化 時 の 雇 用 維 持 雇 用 維 持 のため 景 気 悪 化 時 は 労 使 合 意 により 最 長 2 年 間 賃 金 カットや 労 働 時 間 の 変 更 を 可 能 にする 3. 集 団 解 雇 手 続 きの 簡 素 化 従 業 員 が 50 名 を 超 える 企 業 が 30 日 間 の 間 に 10 名 以 上 の 従 業 員 を 経 済 的 理 由 で 解 雇 する 場 合 雇 用 救 済 計 画 の 作 成 が 義 務 付 けられている 雇 用 救 済 計 画 は 企 業 委 員 会 ( 企 業 従 業 員 労 組 それぞれの 代 表 で 構 成 され 経 営 方 針 や 業 績 労 働 条 件 人 材 育 成 計 画 等 に 関 する 情 報 の 入 手 や 諮 問 を 行 う)による 諮 問 や 労 働 局 (DIRECCTE)における 審 査 が 行 われるが これに 時 間 がかかる 傾 向 があったほか 不 当 解 雇 裁 判 に 持 ち 込 まれるケースも 多 かった このため 雇 用 救 済 計 画 の 承 認 について 労 使 合 意 か 労 働 局 による 認 可 の 2 つに 分 け 手 続 きの 明 確 化 と 簡 素 化 を 実 施 1 労 使 合 意 従 業 員 の 代 表 選 挙 で 過 半 数 を 獲 得 した 労 働 組 合 が 集 団 解 雇 に 関 する 労 使 協 議 を 行 い 雇 用 救 済 計 画 の 内 容 等 に ついて 合 意 する 雇 用 救 済 計 画 は 企 業 委 員 会 の 諮 問 にかけられ( 諮 問 期 間 は 解 雇 人 数 に 応 じて 2~4 ヵ 月 ) 最 終 的 に 労 働 局 の 承 認 を 受 ける 労 働 局 の 承 認 は 15 日 以 内 労 使 合 意 に 基 づいた 解 雇 で 不 当 解 雇 裁 判 を 避 け 時 間 短 縮 も 図 る 2 労 働 局 認 可 方 式 事 業 主 が 雇 用 救 済 計 画 を 作 成 し 企 業 委 員 会 への 諮 問 ( 機 関 は 労 使 合 意 のケースと 同 様 ) 後 に 労 働 局 に 認 可 申 請 する 4. 従 業 員 代 表 と 企 業 との 対 話 の 促 進 従 業 員 が 300 人 以 上 の 企 業 を 対 象 に 企 業 委 員 会 に 対 して 企 業 戦 略 などの 情 報 提 供 を 義 務 付 け 5. 大 企 業 における 従 業 員 の 権 利 拡 大 国 内 で 5000 人 以 上 もしくは 海 外 も 含 め 1 万 人 以 上 の 従 業 員 を 有 する 企 業 では 1 名 ないし 2 名 の 従 業 員 代 表 を 取 締 役 会 に 加 える 6. 無 期 限 雇 用 の 促 進 短 期 雇 用 における 失 業 保 険 の 事 業 主 負 担 を 引 き 上 げ 無 期 限 雇 用 を 促 進 し 雇 用 の 安 定 化 を 図 る ( 資 料 ) 投 資 局 等 より 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 10
( 注 5)OECD の 労 働 組 合 組 織 率 統 計 (2010 年 )によれば の 組 織 率 は 約 8%と 加 盟 国 中 トルコに 次 いで 2 番 目 の 低 水 準 は 18% また 今 年 1 月 には オランド 大 統 領 が 対 策 の 第 3 弾 として 企 業 負 担 を 軽 減 し 競 争 力 の 強 化 と 雇 用 増 加 を 図 る 責 任 協 定 を 発 表 した 同 案 では 2017 年 までに 計 300 億 ユーロの 企 業 負 担 軽 減 ( 企 業 税 額 控 除 を 通 じて 200 億 ユーロ 社 会 保 障 料 負 担 削 減 を 通 じて 100 億 ユーロ)を 実 施 する 見 返 りとして 企 業 に は 雇 用 創 出 や 労 使 対 話 の 促 進 を 求 める 政 府 は 300 億 ユーロの 負 担 削 減 は 平 均 労 働 コストの 5~6%の 軽 減 や 180 万 人 の 雇 用 創 出 につながるとしている 4. 今 後 の 展 望 1 月 に 発 表 された 責 任 協 定 については 3 月 初 旬 に 経 営 者 団 体 や 労 働 組 合 の 大 部 分 が 大 筋 で 合 意 した しかし 現 在 進 行 中 の 政 労 使 間 における 具 体 策 の 協 議 は 難 航 している 模 様 であり 実 効 性 のある 内 容 に 漕 ぎ 着 けるかは 不 透 明 である まず 企 業 側 から 雇 用 創 出 の 数 値 目 標 設 定 に 異 論 が 出 たことから 前 述 の 3 月 初 旬 の 大 筋 合 意 時 には 目 標 設 定 は 含 まれなかった 一 方 労 組 からも 責 任 協 定 は 企 業 重 視 の 政 策 であるとして 批 判 的 な 声 が 上 がっている 特 に のシュレーダー 改 革 のケースでは 副 作 用 としてワーキングプアの 問 題 が 新 たに 発 生 していることを 受 け 雇 用 の 質 低 下 に 対 する 懸 念 からの 反 発 も 根 強 い 改 革 の 推 進 力 となるべき オランド 大 統 領 のリーダーシップや 危 機 感 の 高 まりといった 要 素 の 弱 さも 指 摘 されている 大 統 領 選 挙 時 の 公 約 であった 2013 年 末 までの 失 業 率 改 善 目 標 が 達 成 できなかったことや 財 政 緊 縮 などで オラ ンド 政 権 に 対 する 支 持 率 は 20% 台 まで 低 下 している また シュレーダー 政 権 下 のや 近 年 のでは 経 済 の 深 刻 な 落 ち 込 みが 危 機 感 を 高 め 痛 みを 伴 う 改 革 の 断 行 を 後 押 ししたが 今 のところ 経 済 はそこまでの 悪 化 はみていない オランド 政 権 は 労 働 市 場 改 革 に 向 けた 努 力 を 続 けているが 現 状 では 改 革 が 一 気 呵 成 に 進 む 可 能 性 は 小 さいといわざるをえない 5.まとめ 先 に 指 摘 したように 経 済 では 手 厚 い 社 会 保 障 制 度 を 維 持 するため 企 業 部 門 に 大 きな 負 担 が 課 せられているが 負 の 側 面 ばかりという 訳 ではない 企 業 部 門 に 比 して 需 要 の 振 幅 が 小 さい 家 計 部 門 への 所 得 分 配 が 多 いことは 内 需 の 安 定 化 に 繋 がっている 面 もある 例 えば リーマンショック 直 後 のグロー バルな 景 気 悪 化 局 面 では 経 済 の 落 ち 込 みは 独 英 等 に 比 べて 小 幅 なも 11
のに 留 まった また 先 進 国 としては 最 高 水 準 にある 出 生 率 (2011 年 時 点 で 2.03)は 積 極 的 な 社 会 保 障 政 策 の 成 果 である 同 時 に 従 来 手 薄 になってき た 企 業 や 労 働 市 場 の 活 力 向 上 に 向 けた 取 り 組 みも 足 元 では 重 要 性 を 増 してい るとみる 改 革 の 必 要 性 について 指 導 者 層 を 中 心 に 認 識 の 共 有 が 進 んできて いるともいわれており 経 済 が 成 長 停 滞 を 回 避 しうるか 今 後 も 引 き 続 き 改 革 の 進 捗 を 注 意 深 く 見 守 っていく 必 要 があろう 以 上 (2014.4.11 ダーベル 暁 子 akiko.darvell@uk.mufg.jp 髙 山 真 shin.takayama@uk.mufg.jp) 当 資 料 は 情 報 提 供 のみを 目 的 として 作 成 されたものであり 金 融 商 品 の 売 買 や 投 資 など 何 らかの 行 動 を 勧 誘 するものではありません ご 利 用 に 関 しては すべてお 客 様 御 自 身 でご 判 断 下 さいます よう 宜 しくお 願 い 申 し 上 げます 当 資 料 は 信 頼 できると 思 われる 情 報 に 基 づいて 作 成 されていま すが 当 室 はその 正 確 性 を 保 証 するものではありません 内 容 は 予 告 なしに 変 更 することがありま すので 予 めご 了 承 下 さい また 当 資 料 は 著 作 物 であり 著 作 権 法 により 保 護 されております 全 文 または 一 部 を 転 載 する 場 合 は 出 所 を 明 記 してください 12