大 学 難 易 度 と 学 業 成 績 が 就 職 活 動 の 開 始 時 期 活 動 量 活 動 結 果 に 与 える 影 響 229 大 学 難 易 度 と 学 業 成 績 が 就 職 活 動 の 開 始 時 期 活 動 量 活 動 結 果 に 与 える 影 響 全 国 の 文 系 学 部 の 大 学 生 を 対 象 にして 法 政 大 学 キャリアデザイン 学 部 助 教 田 澤 法 政 大 学 キャリアデザイン 学 部 准 教 授 梅 崎 実 修 1. 問 題 と 目 的 本 研 究 の 目 的 は 全 国 の 文 系 大 学 生 を 対 象 に 行 った 調 査 データ 用 いて 大 学 難 易 度 と 学 業 成 績 が 大 学 生 の 就 職 活 動 の 開 始 時 期 活 動 量 活 動 結 果 に 与 える 影 響 を 検 討 することである (1) 大 学 難 易 度 を 重 視 する 考 え および 学 業 成 績 を 重 視 する 考 えについては 荒 井 (1995)が 以 下 の 2 つの 理 論 を 軸 にレビュー を 行 っている 以 下 に 詳 しく 見 ていこう 大 学 難 易 度 とは 大 学 に 入 るまでの 学 力 を 示 す 指 標 といえる この 点 につい ては シグナリング モデル と 呼 ばれる 仮 説 がある これは 教 育 の 育 成 能 力 よりも 大 学 入 学 時 の 選 別 機 能 に 注 目 しているものである 大 学 卒 業 証 書 は 大 学 で 獲 得 した 知 識 や 技 能 を 証 明 するのではなく 個 人 が 生 まれつき 持 っている 生 産 能 力 あるいは 大 学 入 学 までに( 家 庭 等 )で 獲 得 した 生 産 能 力 が どれだ け 高 いかという 情 報 を 社 会 に 伝 達 するにすぎないという 考 え 方 に 基 づいてい る この 理 論 によれば 大 学 卒 業 証 書 を 保 有 していれば 企 業 はその 個 人 を 高 い 生 産 能 力 の 持 ち 主 であると 識 別 することができ それを 保 有 しない 者 に 比 し て 好 ましい 処 遇 をするので 能 力 のある 者 は 大 学 に 進 学 する 換 言 すれば た とえある 個 人 の 生 産 能 力 が 大 卒 者 と 同 じだけあっても その 者 が 大 学 に 行 かな ければ 社 会 はその 者 の 生 産 能 力 が 高 いとは 評 価 してくれない 可 能 性 があると いうことである この 場 合 大 学 は 学 生 の 生 産 能 力 を 高 めることはせず 個 人 がもともとどれだけ 生 産 的 ないしは 優 秀 であるかを 判 定 する 役 割 を 果 たすにす
2 法 政 大 学 キャリアデザイン 学 部 紀 要 第 9 号 ぎない 一 方 学 業 成 績 とは 大 学 に 入 ってからの 学 力 を 示 す 指 標 といえる これに ついては 人 的 資 本 論 から 考 えることができる この 理 論 は 大 学 教 育 を 学 生 の 生 産 能 力 を 高 める 投 資 活 動 とみなす 例 えば この 理 論 では 大 卒 者 の 賃 金 が 高 卒 者 のそれよりも 高 いのは 大 学 教 育 を 受 けることよって 得 られる 知 識 技 能 などの 生 産 性 増 加 効 果 があるためとみなす 4 年 間 の 大 学 教 育 はさ まざまな 費 用 を 伴 うが その 生 産 能 力 増 大 効 果 は 卒 業 後 長 期 にわたって 収 益 をもたらすと 考 えられる これは 企 業 が 機 械 や 設 備 に 対 して 支 出 するのとまっ たく 同 じように 投 資 活 動 とみなすことができる 投 資 が 人 間 に 対 して 行 われ るため それは 人 的 資 本 投 資 と 呼 ばれ 投 資 によって 蓄 積 された 知 識 技 能 な どは 人 的 資 本 (human capital)と 呼 ばれる この 理 論 によれば 学 業 成 績 が 良 くなるほど 就 職 が 成 功 しやすくなるという 作 用 を 持 つはずである このような 大 学 難 易 度 と 学 業 成 績 が 就 職 活 動 に 与 える 影 響 について 検 討 して いる 先 行 研 究 を 以 下 に 紹 介 していく 梅 崎 (4)は 学 業 成 績 が 高 ければ 高 いほど 最 終 的 に 就 職 した 企 業 の 志 望 順 位 が 上 がることを 示 した 永 野 (4)は 大 学 の 入 試 難 易 度 が 高 いほど また 学 業 成 績 が 高 いほど 就 職 活 動 の 自 己 評 価 点 が 高 いことを 示 した これらの 結 果 は 大 学 難 易 度 が 高 いことや 学 業 成 績 が 高 いことが 就 職 活 動 の 結 果 に 有 利 に 働 くことを 示 しているといえる しかしな がら 平 沢 ()は 就 職 活 動 結 果 の 多 くの 指 標 において 大 学 分 類 などを 統 制 したうえで 成 績 の 正 の 効 果 があることを 示 しつつも 一 方 で 初 職 が 大 企 業 か 公 務 員 だったかという 指 標 においては 大 学 難 易 度 が 影 響 していたことを 示 し 選 抜 度 の 高 い 大 学 が 大 企 業 や 官 庁 に 有 利 という 構 造 は 時 期 を 問 わず 安 定 的 だと 考 えられる(p77) という 見 解 を 示 している また 大 学 類 型 別 に 分 析 を 行 った 濱 中 (7)は 入 試 難 易 度 の 高 くない 大 学 ( 偏 差 値 56 以 下 )に おいては 学 業 成 績 が 良 いことが 内 定 獲 得 時 期 を 早 める 効 果 を 示 すものの い わゆる 旧 帝 大 などの 国 立 大 学 および 入 試 難 易 度 の 高 い 私 立 大 学 ( 偏 差 値 57 以 上 )では その 効 果 が 見 られなかったことを 示 している これらの 研 究 は 大 学 難 易 度 と 学 業 成 績 の 組 み 合 わせによっては 就 職 活 動 結 果 に 与 える 影 響 が 複 雑 になることを 示 している また 就 職 活 動 のプロセスを 詳 細 にみるためには 就 職 活 動 の 開 始 時 期 就
大 学 難 易 度 と 学 業 成 績 が 就 職 活 動 の 開 始 時 期 活 動 量 活 動 結 果 に 与 える 影 響 231 職 活 動 量 就 職 活 動 結 果 の 3 点 から 見 ていく 必 要 があるといえるであろう 本 研 究 では このように 複 数 の 指 標 を 用 いて 大 学 難 易 度 と 学 業 成 績 が 就 職 活 動 プロセスに 与 える 影 響 を 検 討 していくことにする 2. 方 法 (1) 調 査 時 期 7 年 11 月 であった 大 学 4 年 生 の 就 職 活 動 のピーク 後 といえる (2) 調 査 手 続 き 調 査 会 社 によるインターネット 調 査 によって 大 学 4 年 生 に 対 して 質 問 紙 調 査 を 行 った 第 1 回 は 全 国 の 大 学 生 に 占 める 各 県 の 割 合 を 反 映 させる 形 で 収 集 を 行 った 1851 名 ( 男 性 926 名 女 性 925 名 )の 回 答 が 得 られた 地 域 によっ ておおむね 偏 りはなく モニタによる 全 国 規 模 の 調 査 であった (3) 質 問 項 目 1 大 学 の 種 類 あなたの 大 学 の 種 類 をお 答 えください という 設 問 を 設 けた 選 択 肢 は 難 関 国 公 立 大 学 一 般 国 公 立 大 学 難 関 私 立 大 学 一 般 私 立 大 学 その 他 であった 2 学 業 成 績 現 在 の 大 学 での 成 績 について,あてはまるものをお 選 びください (1 つ だけ) と 教 示 し 5 履 修 した 科 目 の % 以 上 が 優 (A)の 成 績 である ~ 1 履 修 した 科 目 の % 以 下 が 優 (A)の 成 績 である の 5 件 法 で 尋 ねた 3 学 科 人 文 科 学 社 会 科 学 理 工 農 学 医 歯 薬 教 育 その 他 の 選 択 肢 を 設 けて 尋 ねた 4 就 職 活 動 時 期 以 下 の 6 つについて 尋 ねた 3 年 生 の 春 以 前 ~ 4 年 生 の 6 月 以 降 に まだ 始 めていない の 項 目 も 追 加 した 11 の 選 択 肢 で 尋 ねた 就 職 について 考 え 始 めた 時 期 就 職 に 関 する 情 報 を 探 し 始 めた 時 期
232 法 政 大 学 キャリアデザイン 学 部 紀 要 第 9 号 就 職 したいと 思 った 業 種 をイメージし 始 めた 時 期 就 職 したいと 思 った 会 社 を 具 体 的 にイメージし 始 めた 時 期 自 発 的 に 就 職 活 動 を 始 めた 時 期 会 社 説 明 会 セミナー 等 に 参 加 し 始 めた 時 期 5 就 職 活 動 量 以 下 の 6 つについて 尋 ねた 約 ~ 社 として 実 数 を 尋 ねた 資 料 請 求 数 エントリーシートの 提 出 数 会 社 説 明 会 (セミナー) 出 席 数 筆 記 試 験 数 面 接 ( 集 団 面 接 グループディスカッションを 含 む) 数 内 定 取 得 数 6 就 職 活 動 結 果 内 定 の 有 無 企 業 規 模 ( 9 人 以 上 ~ 1 29 人 以 下 に わからない を 加 えた 選 択 肢 ) 内 定 先 は 第 一 志 望 であったか( はい いいえ の 2 択 ) 内 定 先 への 満 足 度 ( 5 かなり 満 足 している ~ 1 ほとんど 満 足 していない の 5 件 法 )を 尋 ねた 7 現 在 の 状 況 調 査 回 答 時 点 での 現 在 の 状 況 について 尋 ねた 就 職 活 動 中 就 職 活 動 は 終 了 した 就 職 や 資 格 取 得 に 関 係 する 専 門 学 校 等 に 進 学 予 定 大 学 院 に 進 学 予 定 その 他 の 選 択 肢 を 設 けた (4) 分 析 対 象 の 選 定 調 査 全 体 および 本 研 究 の 分 析 対 象 の 属 性 などを 表 1 に 示 す 調 査 全 体 から 以 下 の 条 件 で 本 研 究 の 分 析 対 象 を 抽 出 した まず 大 学 難 易 度 の 効 果 を 検 討 する ために 大 学 の 種 類 で その 他 と 回 答 した 者 を 分 析 の 対 象 から 除 外 した 次 に 文 系 と 理 系 では 就 職 活 動 の 進 め 方 に 差 があることが 言 われているため 学 科 を 文 系 のみに 限 定 した その 他 も 除 外 することにした 最 後 に 現 在 の 状 況 で 就 職 活 動 中 または 就 職 活 動 は 終 了 した と 回 答 した 者 に 限 定 した 就 職 活 動 が 就 職 や 資 格 取 得 に 関 係 する 専 門 学 校 等 に 進 学 予 定 大 学 院 に 進 学 予 定 そ の 他 と 回 答 した 者 を 分 析 から 除 外 したため 調 査 時 期 ( 大 学 4 年 生 の 11 月 )
大 学 難 易 度 と 学 業 成 績 が 就 職 活 動 の 開 始 時 期 活 動 量 活 動 結 果 に 与 える 影 響 233 までの 間 に 就 職 活 動 がうまくいかなくて 進 路 変 更 をした 者 も 分 析 の 対 象 から 除 外 していることになる この 点 は 本 研 究 の 解 釈 に 留 意 を 要 するだろう 最 終 的 な 分 析 対 象 は 778 名 となった 表 1 調 査 全 体 および 本 研 究 の 分 析 対 象 の 属 性 など n=1851 n=778 % % 926 (.3) 321 (41.26) 925 (49.97) 457 (58.74) 45 ( 2.43) 21 ( 2.) 1 ( 5.46) 34 ( 4.37) 928 (.14) 412 (52.96) 186 (.5) 75 ( 9.64) 372 (.) 162 (.82) 62 ( 3.35) 21 ( 2.) 33 ( 1.78) 14 ( 1.) 124 ( 6.) 39 ( 5.1) 198 (.) 66 (8.48) 433 (23.39) 151 (19.41) 6 (16.53) 168 (21.59) 4 (48.84) 393 (.51) (.54) 438 (23.66) 357 (45.89) 416 (22.47) 356 (45.76) 523 (28.25) 111 ( 6.) 81 ( 4.38) 65 ( 8.35) 282 (15.24) 228 (12.32) 1 (15.42) 1155 (62.) 658 (84.58) 42 ( 2.27) 325 (17.56) 1 ( 5.46) 3. 結 果 と 考 察 第 一 に 大 学 難 易 度 が 就 職 活 動 プロセス( 活 動 時 期 活 動 量 活 動 結 果 )に 与 える 影 響 を 検 討 する 第 二 に 大 学 難 易 度 別 に 学 業 成 績 の 影 響 を 検 討 するこ とにする 4 (1) 大 学 難 易 度 が 活 動 時 期 活 動 量 活 動 結 果 に 与 える 影 響 以 下 には 難 関 国 公 立 大 学 一 般 国 公 立 大 学 難 関 私 立 大 学 一 般 私 立 2
234 法 政 大 学 キャリアデザイン 学 部 紀 要 第 9 号 大 学 の 4 つの 大 学 の 種 類 ごとに 就 職 活 動 プロセスを 検 討 する その 前 に 大 学 の 種 類 と 大 学 の 種 類 と 地 域 のクロス 集 計 を 表 2 に 示 す 一 般 国 公 立 大 学 が 関 東 地 方 近 畿 地 方 以 外 の 地 域 の 割 合 が 高 いことがわかる この 点 に 注 意 しなが ら 以 下 の 分 析 の 解 釈 を 行 うことにする 表 2 大 学 の 種 類 と 地 域 の 関 連 表 2 大 学 の 種 類 と 地 域 の 関 連 難 関 国 公 立 大 学 一 般 国 公 立 大 学 難 関 私 立 大 学 一 般 私 立 大 学 度 数 (%) 度 数 (%) 度 数 (%) 度 数 (%) 北 海 道 4 ( 6.6) ( 6.62) (.) 7 ( 1.78) 東 北 地 方 3 ( 4.55) 21 (13.91) (.) ( 2.54) 関 東 地 方 38 (57.58) 29 (19.21) 117 (69.64) 228 (58.2) 中 部 地 方 6 ( 9.9) 25 (16.56) 7 ( 4.17) 37 ( 9.41) 近 畿 地 方 (15.15) 23 (15.23) 43 (25.) 86 (21.88) 中 国 地 方 2 ( 3.3) 14 ( 9.27) (.) 5 ( 1.27) 四 国 地 方 2 ( 3.3) ( 6.62) (.) 2 (.51) 九 州 地 方 1 ( 1.52) 19 (12.58) 1 (.) 18 ( 4.58) 合 計 66 151 168 393 1 活 動 時 期 1 活 動 時 期 まず 就 職 について 考 え 始 めた 時 期 を 大 学 の 種 類 別 に 累 積 パーセントで 示 したものを 図 1 に 示 まず す 難 就 関 国 職 公 について 立 大 学 が 考 他 の え 大 始 学 めた に 比 時 べて 期 を 早 い 大 時 学 期 の から 種 類 考 別 えていることがわかる に 累 積 パーセントで 次 示 に し 就 たものを 職 に 関 する 図 情 1 報 に を 示 探 す し 始 難 めた 関 国 時 期 公 を 立 図 大 2学 に が 他 就 の 職 大 したいと 学 に 比 思 べて った 早 業 い 種 時 をイメージし 期 から 考 えて 始 め た いることがわかる 時 期 を 図 3 に 就 職 したいと 次 に 就 思 職 った に 会 関 社 する を 具 情 体 報 的 を にイメージし 探 し 始 めた 始 時 めた 期 時 を 期 図 を 2図 に 4 に 就 職 自 発 的 に 就 職 活 動 を 始 めた 時 期 を 図 5 に 会 社 説 明 会 セミナー 等 に 参 加 し 始 めた 時 期 を 図 6 したいと 思 った 業 種 をイメージし 始 めた 時 期 を 図 3 に 就 職 したいと 思 った 会 に 示 す これらの 図 からは 主 に 難 関 国 公 立 大 学 が 最 も 早 く 続 いて 難 関 私 立 大 学 一 社 を 具 体 的 にイメージし 始 めた 時 期 を 図 4 に 自 発 的 に 就 職 活 動 を 始 めた 時 期 般 私 立 大 学 一 般 国 公 立 大 学 という 順 になっている 傾 向 がうかがえる 一 般 国 公 立 大 学 が 最 を も 図 遅 5い に 理 由 会 は 社 学 説 生 明 の 会 意 セミナー 識 というよりも 等 に 参 関 加 東 し 地 始 方 めた 近 畿 時 地 期 方 を 以 図 外 の 6 地 に 域 示 の す これら 割 合 が 高 い ため の 図 就 からは 職 活 動 採 主 用 プロセス に 難 関 国 自 公 体 立 が 大 遅 いことが 学 が 最 も 影 早 響 く しているのであろう また 続 いて 難 関 私 立 大 学 概 して 一 般 難 私 関 大 立 学 大 の 学 方 が 一 早 般 く 就 国 職 公 活 立 動 大 を 学 意 という 識 し 実 順 際 になっている に 行 動 していた 傾 向 がうかがえる 一 般 国 公 立 大 学 が 最 も 遅 い 理 由 は 学 生 の 意 識 というよりも 関 東 地 方 近 畿 地 方 以 外 の 地 域 の 割 合 が 高 いため 就 職 活 動 採 用 プロセス 自 体 が 遅 いことが 影 響 しているの であろう また 概 して 難 関 大 学 の 方 が 早 く 就 職 活 動 を 意 識 し 実 際 に 行 動 し ていた
% % 大 学 難 易 度 と 学 業 成 績 が 就 職 活 動 の 開 始 時 期 活 動 量 活 動 結 果 に 与 える 影 響 235 図 1 就 職 について 考 え 始 めた 時 期 ( 大 学 の 種 類 別 ) 注 ) 累 積 パーセントの 分 母 は まだ 始 めていない も 含 めているため %に 達 しないものがある 以 下 の 分 析 も 同 様 % % 図 2 就 職 に 関 する 情 報 を 探 し 始 めた 時 期 ( 大 学 の 種 類 別 ) 7
236 法 政 大 学 キャリアデザイン 学 部 紀 要 第 9 号 % % 図 3 就 職 したいと 思 った 業 種 をイメージし 始 めた 時 期 ( 大 学 の 種 類 別 ) % % 図 4 就 職 したいと 思 った 会 社 を 具 体 的 にイメージし 始 めた 時 期 ( 大 学 の 種 類 別 ) 8 8
% % 大 学 難 易 度 と 学 業 成 績 が 就 職 活 動 の 開 始 時 期 活 動 量 活 動 結 果 に 与 える 影 響 237 図 5 自 発 的 に 就 職 活 動 を 始 めた 時 期 ( 大 学 の 種 類 別 ) % % 図 6 会 社 説 明 会 セミナー 等 に 参 加 し 始 めた 時 期 ( 大 学 の 種 類 別 ) 9 9
238 法 政 大 学 キャリアデザイン 学 部 紀 要 第 9 号 2 活 動 量 続 けて 就 職 活 動 量 を 大 学 の 種 類 別 に 示 したものを 表 3 に 示 す 資 料 請 求 数 から 面 接 数 までは 概 して 難 関 大 学 の 方 が 多 い 傾 向 がみられた これは 難 関 大 学 の 方 が 概 してたくさんの 企 業 を 受 けていることを 示 している しかし 内 2 定 活 取 動 量 得 数 は 必 ずしもそのような 傾 向 ではなかった 最 も 多 いのが 難 関 私 立 続 けて 就 職 活 動 量 を 大 学 の 種 類 別 に 示 したものを 表 3 に 示 す 資 料 請 求 数 から 面 接 数 大 学 (2.4 社 )であり 最 も 少 ないのは 一 般 国 公 立 大 学 (1.52 社 )であった までは 概 して 難 関 大 学 の 方 が 多 い 傾 向 がみられた これは 難 関 大 学 の 方 が 概 してた 林 ら(11)は 都 市 部 よりも 地 方 の 方 が 活 動 が 遅 い 時 期 に 始 まり 量 が 少 くさんの 企 業 を 受 けていることを 示 している しかし 内 定 取 得 数 は 必 ずしもそのよう な ないものの 傾 向 ではなかった 内 定 率 最 に も 大 多 きな いのが 違 難 いがないことを 関 私 立 大 学 (2.4 示 社 し )であり 都 市 部 よりも 最 も 少 ないのは 地 方 の 学 生 一 般 の 国 方 公 が 立 就 大 職 学 活 (1.52 動 を 社 短 )であった 期 間 に 効 率 よく 林 ら(11)は 行 っている 可 都 能 市 部 性 よりも を 示 唆 地 している 方 の 方 が 活 内 動 定 が 数 遅 い とは たしかに 時 期 に 始 まり 量 同 が 時 少 並 ないものの 行 的 に 複 数 内 の 定 企 率 業 に を 大 受 きな け 違 続 いがないことを けた 結 果 とも 示 解 し 釈 できる し 都 市 部 より も かし 地 方 の 初 学 の 生 内 の 定 方 が 就 出 職 た 活 後 動 にも を 短 期 間 他 に の 効 企 率 業 よく を 受 行 けることできる っている 可 能 性 を 環 示 唆 境 している でなければな 内 定 数 とは たしかに 同 時 並 行 的 に 複 数 の 企 業 を 受 け 続 けた 結 果 とも 解 釈 できる しかし 初 いことには 伸 びようがない 一 般 国 公 立 大 学 の 内 定 数 が 相 対 的 に 少 なかったの の 内 定 が 出 た 後 にも 他 の 企 業 を 受 けることできる 環 境 でなければないことには 伸 びよう は 地 方 の 割 合 が 相 対 的 に 多 いため 求 人 の 少 なさがあったのかもしれない がない 一 般 国 公 立 大 学 の 内 定 数 が 相 対 的 に 少 なかったのは 地 方 の 割 合 が 相 対 的 に 多 い ため また どの 求 人 の 指 少 なさがあったのかもしれない また どの 標 においても 標 準 偏 差 の 値 が 大 きいことにも 指 標 においても 注 意 が 標 必 準 要 偏 である 差 の 値 が 大 これは きいことにも 学 生 によってかなりの 注 意 が 必 要 である これは 活 動 量 の 学 個 生 人 によってかなりの 差 があることを 活 物 動 量 語 の っている 個 人 差 がある ことを 物 語 っている 表 3 就 職 活 動 量 ( 大 学 の 種 類 別 ) 表 3 就 職 活 動 量 ( 大 学 の 種 類 別 ) 難 関 国 公 立 大 学 一 般 国 公 立 大 学 難 関 私 立 大 学 一 般 私 立 大 学 平 均 ( 標 準 偏 差 ) 平 均 ( 標 準 偏 差 ) 平 均 ( 標 準 偏 差 ) 平 均 ( 標 準 偏 差 ) 資 料 請 求 数 37.71 (46.45) 19.97 (35.) 41.69 (48.15) 27.65 (37.21) エントリーシートの 提 出 数 23.24 (18.88) 14.32 (28.36) 28.65 (24.1) 18.94 (18.2) 会 社 説 明 会 (セミナー) 出 席 数 22.65 (18.57) 12.87 (15.74) 29.26 (24.18) 21.91 (18.) 筆 記 試 験 数 13.76 (.28) 7.66 ( 7.87) 15.48 (12.22) 11.27 ( 9.54) 面 接 数 13.79 (.95) 6.95 ( 7.46) 14.39 (11.63).39 ( 8.83) 内 定 取 得 数 1.92 ( 1.29) 1.52 ( 1.34) 2.4 ( 1.42) 1.92 ( 1.61) 3 活 動 結 果 3 まず 活 動 結 内 果 定 率 を 図 7 に 示 す 難 関 国 公 立 大 学 が 最 も 多 く(93.9%) 続 いて 難 関 私 立 大 学 (88.1%) まず 内 一 定 般 率 私 を 立 図 大 学 7 (87.5%)という に 示 す 難 関 国 順 公 であった 立 大 学 が 一 最 般 も 国 多 公 く(93.9%) 立 大 学 は 最 も 低 続 かった いて (78.8%) これも 難 関 私 立 大 学 (88.1%) 地 方 の 割 合 一 の 般 多 私 さが 立 影 大 響 学 したのかもしれない (87.5%)という 順 次 であった に 内 定 先 が 一 第 般 一 国 志 公 望 であった 割 合 を 図 8 に 示 す 難 関 私 立 大 学 が 最 も 高 く(47.%) 難 関 国 公 立 大 学 が 最 も 低 立 大 学 は 最 も 低 かった(78.8%) これも 地 方 の 割 合 の 多 さが 影 響 したのかも かった(37.9%) 続 いて 企 業 規 模 の 度 数 分 布 を 図 9 に 示 す 従 業 員 人 以 上 の 大 企 しれない 次 に 内 定 先 が 第 一 志 望 であった 割 合 を 図 8 に 示 す 難 関 私 立 大 学 業 が 多 いのは 難 関 国 公 立 大 学 および 難 関 私 立 大 学 であった 冒 頭 でも 示 した 通 り 選 抜 度 の が 高 最 い も 大 高 学 く(47.%) が 大 企 業 や 官 庁 難 に 関 有 国 利 公 という 立 大 構 学 造 が は 最 時 も 期 低 を かった(37.9%) 問 わず 安 定 的 だと 考 続 えられる( いて 企 平 沢 業,) 規 模 の 度 最 後 数 に 分 布 内 を 定 図 先 満 9 足 に 度 示 の す 平 均 従 を 業 図 員 に 示 す どの 人 以 上 大 の 学 大 も企 5 業 段 が 階 中 多 のいのは 4 を 超 難 えて 関 おり 総 じて 高 めであった 全 体 的 な 結 果 として 難 関 大 学 は 内 定 を 得 やすく 企 業 規 模 も 相 対 的 に 大 きい 傾 向 があった しかし 難 関 国 公 立 大 学 は 第 一 志 望 先 に 内 定 を 得 られ ないことが 相 対 的 に 多 く 難 関 私 立 大 学 は 相 対 的 に 第 一 志 望 先 に 内 定 していた 難 関 国 公
大 学 難 易 度 と 学 業 成 績 が 就 職 活 動 の 開 始 時 期 活 動 量 活 動 結 果 に 与 える 影 響 239 図 7 内 定 率 ( 大 学 の 種 類 別 ) 図 8 内 定 先 が 第 一 志 望 であった 割 合 ( 大 学 の 種 類 別 ) 国 公 立 大 学 および 難 関 私 立 大 学 であった 冒 頭 でも 示 した 通 り 選 抜 度 の 高 い 大 学 が 大 企 業 や 官 庁 に 有 利 という 構 造 は 時 期 を 問 わず 安 定 的 だと 考 えられる ( 平 沢,) 最 後 に 内 定 先 満 足 度 の 平 均 を 図 に 示 す どの 大 学 も 5 段 階 中 の 4 を 超 えており 総 じて 高 めであった 全 体 的 な 結 果 として 難 関 大 学 は 内 定 を 得 やすく 企 業 規 模 も 相 対 的 に 大 きい 傾 向 があった しかし 難 関 国 公
2 法 政 大 学 キャリアデザイン 学 部 紀 要 第 9 号 立 大 学 は 第 一 志 望 先 に 内 定 を 得 られないことが 相 対 的 に 多 く 難 関 私 立 大 学 は 相 対 的 に 第 一 志 望 先 に 内 定 していた 難 関 国 公 立 大 学 の 学 生 は 他 の 大 学 に 比 べ て 内 定 を 得 ることが 困 難 である 企 業 を 受 けているのであろう そのため 結 果 的 に 一 定 数 の 学 生 がその 企 業 に 行 けないものの 総 じて 内 定 を 得 た 企 業 の 規 模 が 大 きいために 内 定 先 満 足 度 が 高 いのかもしれない ただし 本 研 究 では ど のような 企 業 に 落 選 した 結 果 の 内 定 先 データなのかということを 明 らかにする 質 問 項 目 を 設 けていなかったため 十 分 な 解 釈 が 難 しかった さらなる 検 討 を 必 要 とする 5 15 25 35 3. 29 2.4 2.3. 49 2..6 2. 99 299 499 999 2999 4999 7.3 3. 2.6 3. 5.1 5.4 6.1 6.5 6.1 9.1 9.3 14.2 8.6 9.4 9.9 8.3.7 16.7 15.9 14.3 9.4 4.5 2.6 7.7 4.3 28.8 11.3 29.2 15.3 % 図 9 企 業 規 模 の 度 数 分 布 ( 大 学 の 種 類 別 ) 注 ) 分 母 に 企 業 規 模 が わからない と 回 答 した 者 も 含 んでいるため 上 記 の 図 だけで 合 計 が % にならない 以 降 の 分 析 も 同 様
大 学 難 易 度 と 学 業 成 績 が 就 職 活 動 の 開 始 時 期 活 動 量 活 動 結 果 に 与 える 影 響 241 図 内 定 先 満 足 度 の 平 均 ( 大 学 の 種 類 別 ) 4 小 括 概 して 難 関 大 学 の 学 生 の 方 が 非 難 関 大 学 の 学 生 に 比 べて 就 職 活 動 を 早 く から 始 めており たくさんの 企 業 を 受 けており 企 業 規 模 も 相 対 的 に 大 きい 傾 向 があった しかし 内 定 先 が 第 一 志 望 であったかという 点 については むし ろ 難 関 国 公 立 大 学 が 最 も 低 かった 内 定 先 満 足 度 については 非 難 関 大 学 も 難 関 大 学 と 差 が 見 られなかった また 内 定 率 については 私 立 大 学 に 限 ってい えば 難 関 大 学 も 非 難 関 大 学 も 差 が 見 られなかった これらの 結 果 は 企 業 規 模 については 大 学 に 入 るまでの 学 力 ( 大 学 難 易 度 )が 影 響 するものの 非 難 関 大 学 の 学 生 でも 満 足 する 内 定 先 に 内 定 を 得 られる 可 能 性 を 示 唆 している (2) 大 学 難 易 度 と 学 業 成 績 が 活 動 時 期 活 動 量 活 動 結 果 に 与 える 影 響 以 下 には 大 学 難 易 度 別 に 学 業 成 績 の 影 響 を 検 討 することにする 前 節 より 概 して 難 関 大 学 であるかどうかが 就 職 活 動 プロセスに 影 響 していた そこで まず 難 関 国 公 立 大 学 難 関 私 立 大 学 を 合 わせて 難 関 大 学 とし 一 般 国 公 立 大 学 一 般 私 立 大 学 を 合 わせて 非 難 関 大 学 とした 次 に 大 学 成 績 の 影 響 を 検 討 するため 5 % 以 上 が 優 (A)の 成 績 である と 4 ~ %ぐらいが 優 (A)の 成 績 である を 合 わせて 成 績 上 位 群 とし 2
242 法 政 大 学 キャリアデザイン 学 部 紀 要 第 9 号 ~ % ぐらいが 優 (A)の 成 績 である と 1 % が 優 (A)の 成 績 である を 合 わせて 成 績 下 位 群 とした 3 % ぐらいが 優 (A)の 成 績 である は 以 降 の 分 析 対 象 から 除 外 した これらの 群 を 組 み 合 わせて 以 下 の 4 つの 群 を 設 けた 難 関 大 学 成 績 上 位 群 (111 名 ) 難 関 大 学 成 績 下 位 群 (57 名 ) 非 難 関 大 学 成 績 上 位 群 (281 名 ) 非 難 関 大 学 成 績 下 位 群 (87 名 ) 以 下 にはこれらの 4 群 ごとに 活 動 時 期 活 動 量 活 動 結 果 を 見 ていくこと にする 1 活 動 時 期 まず 就 職 について 考 え 始 めた 時 期 を 大 学 難 易 度 学 業 成 績 別 に 累 積 パーセ ントで 示 したものを 図 11 に 就 職 に 関 する 情 報 を 探 し 始 めた 時 期 を 図 12 に 就 職 したいと 思 った 業 種 をイメージし 始 めた 時 期 を 図 13 に 就 職 したいと 思 っ た 会 社 を 具 体 的 にイメージし 始 めた 時 期 を 図 14 に 示 す これら 4 つの 指 標 に おいては 主 に 難 関 大 学 成 績 上 位 群 が 最 も 早 く 続 いて 非 難 関 大 学 成 績 上 位 群 難 関 大 学 成 績 下 位 群 非 難 関 大 学 成 績 下 位 群 という 順 であった 前 節 では 難 関 大 であるほど 開 始 時 期 が 早 いことを 示 したが これら 4 つの 指 標 においては 全 体 的 に 成 績 が 良 いほど 開 始 時 期 が 早 いことがわかる 次 に 自 発 的 に 就 職 活 動 を 始 めた 時 期 を 図 15 に 会 社 説 明 会 セミナー 等 に 参 加 し 始 めた 時 期 を 図 16 に 示 す これら 2 つの 指 標 においては ちょうど 1 ~ 2 月 の 間 で 変 化 が 起 きていた 主 に 3 年 生 の 1 月 までは 難 関 大 学 成 績 上 位 群 が 最 も 早 く 続 けて 難 関 大 学 成 績 下 位 群 非 難 関 大 学 成 績 上 位 群 非 難 関 大 学 成 績 下 位 群 という 順 であるように 難 関 大 学 の 方 が 非 難 関 大 学 よりも 時 期 が 早 かった しかし 3 年 生 の 1 月 以 降 は 難 関 大 学 成 績 下 位 群 と 非 難 関 大 学 成 績 上 位 群 が 逆 転 していた すなわち 成 績 が 良 いことが 活 動 の 時 期 を 早 めていた
% % % % 大 学 難 易 度 と 学 業 成 績 が 就 職 活 動 の 開 始 時 期 活 動 量 活 動 結 果 に 与 える 影 響 243 図 11 就 職 について 考 え 始 めた 時 期 ( 大 学 難 易 度 学 業 成 績 別 ) 図 12 就 職 に 関 する 情 報 を 探 し 始 めた 時 期 ( 大 学 難 易 度 学 業 成 績 別 ) 15 15
244 法 政 大 学 キャリアデザイン 学 部 紀 要 第 9 号 % % 図 13 就 職 したいと 思 った 業 種 をイメージし 始 めた 時 期 ( 大 学 難 易 度 学 業 成 績 別 ) % % 図 14 就 職 したいと 思 った 会 社 を 具 体 的 にイメージし 始 めた 時 期 ( 大 学 難 易 度 学 業 成 績 別 ) 16 16
大 学 難 易 度 と 学 業 成 績 が 就 職 活 動 の 開 始 時 期 活 動 量 活 動 結 果 に 与 える 影 響 245 % % 図 15 自 発 的 に 就 職 活 動 を 始 めた 時 期 ( 大 学 難 易 度 学 業 成 績 別 ) % % 図 16 会 社 説 明 会 セミナー 等 に 参 加 し 始 めた 時 期 ( 大 学 難 易 度 学 業 成 績 別 ) 17 17
246 法 政 大 学 キャリアデザイン 学 部 紀 要 第 9 号 2 活 動 量 続 けて 就 職 活 動 量 を 大 学 難 易 度 学 業 成 績 別 に 示 したものを 表 4 に 示 す 資 料 請 求 数 から 面 接 数 までは 概 して 難 関 大 学 成 績 上 位 群 が 最 も 多 く 続 けて 2 活 動 難 量 関 大 学 成 績 下 位 群 非 難 関 大 学 成 績 上 位 群 非 難 関 大 学 成 績 下 位 群 続 けて という 就 順 職 であった 活 動 量 を 大 学 前 難 節 易 では 度 学 業 難 成 関 績 大 別 学 に 示 の したものを 方 が 概 してたくさんの 表 4 に 示 す 資 企 料 業 請 を 求 受 数 から 面 接 数 までは 概 して 難 関 大 学 成 績 上 位 群 が 最 も 多 く 続 けて 難 関 大 学 成 績 けていることを 示 したが 本 節 では 成 績 が 良 いこともたくさんの 企 業 を 受 け 下 位 群 非 難 関 大 学 成 績 上 位 群 非 難 関 大 学 成 績 下 位 群 という 順 であった 前 節 では ることを 示 した しかし 内 定 取 得 数 は 必 ずしもそのような 傾 向 ではなかった 難 関 大 学 の 方 が 概 してたくさんの 企 業 を 受 けていることを 示 したが 本 節 では 成 績 が 良 最 いこともたくさんの も 多 いのが 難 関 企 大 業 学 を 受 成 けることを 績 上 位 群 (2.19 示 した しかし 社 )であり 内 定 取 最 得 も 数 少 は ないのは (1.47 必 ずしもそのよ 社 うな )であった 傾 向 ではなかった 総 じて 最 も 成 多 績 いのが が 良 いことが 難 関 大 学 内 成 定 績 を 上 多 位 く 群 (2.19 取 ることと 社 )であり 関 連 していた 最 も 少 な また いのは (1.47 前 節 同 社 様 )であった に どの 指 総 標 じて においても 成 績 が 良 標 いことが 準 偏 差 の 内 定 値 を が 多 大 く きいことにも 取 ることと 関 連 注 してい 意 が た また 前 節 同 様 に どの 指 標 においても 標 準 偏 差 の 値 が 大 きいことにも 注 意 が 必 要 で 必 要 である ある 表 表 4 4 就 職 活 動 量 ( 大 学 難 易 度 学 学 業 業 成 成 績 績 別 ) 別 ) 難 関 大 学 成 績 上 位 群 難 関 大 学 成 績 下 位 群 非 難 関 大 学 成 績 上 位 群 非 難 関 大 学 成 績 下 位 群 平 均 ( 標 準 偏 差 ) 平 均 ( 標 準 偏 差 ) 平 均 ( 標 準 偏 差 ) 平 均 ( 標 準 偏 差 ) 資 料 請 求 数 47.67 (55.94) 31.61 (37.) 26.8 (36.14) 22. (41.88) エントリーシートの 提 出 数 29.18 (24.65) 22.81 (21.83) 18.22 (25.21) 15.3 (15.25) 会 社 説 明 会 (セミナー) 出 席 数 27.45 (22.) 23.35 (25.48) 19.78 (18.2) 16.62 (18.64) 筆 記 試 験 数 15.53 (12.63) 12.4 ( 9.53).29 ( 8.58) 8.38 (.22) 面 接 数 14.27 (11.54) 12.14 (.6) 9.32 ( 7.99) 7.97 ( 8.58) 内 定 取 得 数 2.19 ( 1.49) 1.58 ( 1.21) 1.95 ( 1.63) 1.47 ( 1.14) 3 活 動 結 果 まず 定 率 を 図 17 に 示 す 難 関 大 学 成 績 上 位 群 が 最 も 多 く(92.8%) 続 けて 非 難 まず 内 定 率 を 図 17 に 示 す 難 関 大 学 成 績 上 位 群 が 最 も 多 く(92.8%) 関 大 学 成 績 上 位 群 (88.3%) 非 難 関 大 学 成 績 下 位 群 (82.8%) 難 関 大 学 成 績 下 位 群 (82.5%) 続 けて 非 難 関 大 学 成 績 上 位 群 (88.3%) 非 難 関 大 学 成 績 下 位 群 (82.8%) という 順 であった 次 に 内 定 先 が 第 一 志 望 であった 割 合 を 図 18 に 示 す 難 関 大 学 成 績 難 上 関 位 群 大 が 学 最 も 成 多 績 く(54.1%) 下 位 群 (82.5%)という 続 けて 非 難 関 大 順 学 であった 成 績 上 位 群 次 (48.%) に 内 定 非 難 先 関 が 大 第 学 一 志 成 望 績 であった 下 位 群 (44.8%) 割 合 を 難 図 関 18 大 学 に 示 成 す 績 下 難 位 関 群 大 (38.6%)という 学 成 績 上 位 順 群 であった これら が 最 も 多 く(54.1%) 2 つの 続 指 標 けて にお 非 いては 難 関 大 成 学 績 が 成 良 績 いことが 上 位 群 (48.%) 活 動 結 果 に 良 非 い 難 影 関 響 大 を 学 持 つことを 成 績 下 示 位 唆 群 している (44.8%) 続 難 いて 関 大 企 学 業 規 模 の 度 数 分 布 を 図 19 に 示 す 前 節 同 様 従 業 員 人 以 上 の 大 企 業 が 多 いのは 難 関 成 績 下 位 群 (38.6%)という 順 であった これら 2 つの 指 標 においては 成 績 大 学 であると 解 釈 できた 最 後 に 内 定 先 満 足 度 の 平 均 を 図 に 示 す どの 群 も 5 段 階 中 が 良 いことが 活 動 結 果 に 良 い 影 響 を 持 つことを 示 唆 している 続 いて 企 業 規 の 4 付 近 に 位 置 しており 総 じて 高 めであり 群 により 大 きな 差 は 見 られないと 判 断 でき 模 た の 全 度 体 数 的 分 な 布 結 を 果 図 として 19 に 示 成 績 す が 高 前 いことは 節 同 様 内 従 定 業 を 員 得 ることだけでなく 人 以 上 の 大 企 第 業 一 が 志 多 望 いの の 企 は 業 に 難 内 関 定 大 することにも 学 であると 良 解 い 釈 影 響 できた を 持 つことが 最 後 に 考 えられた しかし 内 定 先 満 足 度 の 平 企 均 業 を 規 模 図 との に 間 には 示 す 明 どの 確 な 関 群 連 も性 5 は 段 見 階 いだせなかった 中 の 4 付 近 に 位 置 しており 総 じて 高 めであり 群 により 大 き
大 学 難 易 度 と 学 業 成 績 が 就 職 活 動 の 開 始 時 期 活 動 量 活 動 結 果 に 与 える 影 響 247 な 差 は 見 られないと 判 断 できた 全 体 的 な 結 果 として 成 績 が 高 いことは 内 定 を 得 ることだけでなく 第 一 志 望 の 企 業 に 内 定 することにも 良 い 影 響 を 持 つ ことが 考 えられた しかし 企 業 規 模 との 間 には 明 確 な 関 連 性 は 見 いだせなかっ た 図 17 内 定 率 ( 大 学 難 易 度 学 業 成 績 別 ) 図 18 内 定 先 が 第 一 志 望 であった 割 合 ( 大 学 難 易 度 学 業 成 績 別 )
248 法 政 大 学 キャリアデザイン 学 部 紀 要 第 9 号 5 15 25 35 2.7 29 5.3 3.6 4.6. 49. 2.5 2.3.9 99 8.8 5. 5.7 4.5 299 5.3 13.5 9.2 3.6 499 8.8 9.3 8. 6.3 999 8.8 12.1.3 2999.5.7 11.5 8.1 4999 7. 4.3 2.3 12.6 19.8 31.5 22.8 16. % 図 19 企 業 規 模 の 度 数 分 布 ( 大 学 難 易 度 学 業 成 績 別 ) 4 小 括 概 して 成 績 が 良 い 学 生 の 方 が 就 職 活 動 を 早 くから 始 めており たくさんの 企 業 を 受 けて 結 果 的 に 内 定 に 至 ると 解 釈 できた また 第 一 志 望 にも 良 い 影 響 を 与 えていると 考 えられたが 企 業 規 模 に 対 する 影 響 は 明 確 には 見 られな かった
大 学 難 易 度 と 学 業 成 績 が 就 職 活 動 の 開 始 時 期 活 動 量 活 動 結 果 に 与 える 影 響 249 図 内 定 先 満 足 度 の 平 均 ( 大 学 難 易 度 学 業 成 績 別 ) 4. 総 合 考 察 本 研 究 の 目 的 は 大 学 難 易 度 と 学 業 成 績 が 大 学 生 の 就 職 活 動 の 開 始 時 期 活 動 量 活 動 結 果 に 与 える 影 響 を 検 討 することであった 総 じて 大 学 の 難 易 度 が 高 いことや 学 業 成 績 が 良 いことは 早 くから 就 職 活 動 を 始 め たくさんの 企 業 を 受 け 結 果 的 に 内 定 に 至 ると 解 釈 できた ただ し 国 立 大 学 の 場 合 大 学 難 易 度 が 高 いと 相 対 的 に 第 一 志 望 の 企 業 からは 内 定 を 得 ている 者 が 少 なかった しかし 企 業 規 模 が 大 きい 企 業 に 受 かることが 多 く 結 果 的 に 内 定 先 満 足 度 に 他 の 大 学 との 差 がないと 解 釈 できた それでは どの 学 生 に 対 しても 早 く たくさん 活 動 することを 助 言 す ることは 有 効 であろうか この 点 については 濱 中 (7)の 指 摘 が 参 考 にな る 濱 中 (7)は 大 学 難 易 度 が 低 い 大 学 においては 就 職 活 動 を 早 く 始 め て たくさんの 企 業 を 受 けることが 直 接 的 な 影 響 を 及 ぼしていないことを 見 出 し かれらが 就 職 活 動 を 行 っている 企 業 はそもそも 標 準 的 な 就 職 活 動 が 想 定 している 企 業 群 とは 異 なっているがゆえに 活 動 方 法 やタイミングがずれ ているとみることが 必 要 である(p 46-47) と 指 摘 する 労 働 政 策 研 究 研 修 機 構 ()は 未 就 職 卒 業 者 の 多 い 大 学 ほど 学 生 の 課 題 として 何 をし たらいいか 分 からない エントリーシートが 書 けない など 就 職 活 動 のスター
2 法 政 大 学 キャリアデザイン 学 部 紀 要 第 9 号 ト 時 点 からの 問 題 を 指 摘 していることからも 非 難 関 大 学 の 場 合 は 特 に 開 始 時 期 や 活 動 量 だけの 支 援 では 難 しいと 思 われる また 日 本 学 術 会 議 ()は 就 職 活 動 の 開 始 時 期 が 早 まっているにもか かわらず 早 期 に 内 定 を 取 れない 学 生 が 増 加 している 傾 向 を 指 摘 し 意 義 の 乏 しい 過 剰 な 選 び 合 い が 徒 に 早 期 化 していくことを 抑 制 する 重 要 性 を 述 べて いる このように 一 概 に 早 く たくさん 受 けることが 正 しいとは 言 え ない 本 研 究 のデータが 7 年 のデータであること また 大 学 の 分 類 が 4 種 類 のみで 行 ったことに 限 界 がある 時 期 や 分 類 法 が 変 われば 日 本 学 術 会 議 ()が 指 摘 するような たくさん 受 けて たくさん 落 ちる 問 題 が 見 られ る 層 が 見 つかる 可 能 性 もあるだろう 一 方 学 業 成 績 からのアプローチはどうであろうか 平 沢 ()は 学 業 成 績 が 就 職 活 動 の 多 くの 指 標 で 正 の 効 果 を 持 つ 理 由 として 就 職 活 動 という 混 沌 とした,それゆえとてつもなくエネルギーのいる 活 動 を 貫 徹 する 力 は, 自 らの 大 学 で 要 領 よく 成 績 を 上 げる 能 力 と 意 外 と 通 底 しているのかもしれない これならば 大 学 入 学 後 であっても 個 人 の 力 である 程 度 は 変 えることができる (p81) と 考 察 している 就 職 活 動 という 限 定 された 期 間 において 様 々な 企 業 に 志 望 理 由 を 書 くためには 文 章 の 構 成 力 や 全 体 像 を 描 く 力 が 必 要 なのであ ろう 例 えば 低 学 年 から 就 職 活 動 に 対 して 不 安 を 持 つ 者 に 対 して まずは 学 業 に 力 をいれてみてはどうだろうかと 提 案 することは 本 研 究 の 結 果 からも 一 定 の 効 果 があると 思 われる 最 後 に 11 年 度 の 就 職 活 動 は 開 始 時 期 の 変 更 があり 12 月 1 日 に 解 禁 となった この 開 始 時 期 の 変 更 は 就 職 活 動 プロセス 全 体 にどのように 影 響 す るだろうか 本 研 究 との 比 較 が 求 められる [ 注 ] (1) 筆 者 らは 今 までに 学 業 成 績 とキャリア 意 識 が 初 期 キャリアに 与 える 影 響 ( 田 澤 梅 崎,11)や 学 業 成 績 と 大 学 教 育 の 関 連 ( 梅 崎 田 澤,12) などを 明 らかにしてきた 本 研 究 では 文 系 のデータに 限 定 し かつ 詳 細 に 就 職 活 動 プロセスを 見 ていくことにする
大 学 難 易 度 と 学 業 成 績 が 就 職 活 動 の 開 始 時 期 活 動 量 活 動 結 果 に 与 える 影 響 251 [ 引 用 文 献 ] 荒 井 一 博 (1995) 教 育 の 経 済 学 有 斐 閣 濱 中 義 隆 (7) 現 代 大 学 生 の 就 職 活 動 プロセス 小 杉 礼 子 ( 編 ) 大 学 生 の 就 職 とキャリア- 普 通 の 就 活 個 別 の 支 援 頸 草 書 房 pp.17-49 林 絵 美 子 梅 崎 修 田 澤 実 (11) 新 規 大 卒 就 職 活 動 における 地 域 別 比 較 7 年 全 国 4 年 生 調 査 の 分 析 サステイナビリティ 研 究, 2, 95-115 平 沢 和 司 () 大 卒 就 職 機 会 に 関 する 諸 仮 説 の 検 討 苅 谷 剛 彦 本 田 由 紀 ( 編 ) 大 卒 就 職 の 社 会 学 データからみる 変 化 東 京 大 学 出 版 会, pp.61-86 永 野 仁 (4) 大 学 生 の 就 職 活 動 とその 成 功 の 条 件 永 野 仁 ( 編 著 ) 大 学 生 の 就 職 と 採 用 - 学 生 1,143 名, 企 業 658 名, 若 手 社 員 211 名,244 大 学 の 実 証 分 析 中 央 経 済 社. pp.91-114 日 本 学 術 会 議 () 回 答 大 学 教 育 の 分 野 別 質 保 証 の 在 り 方 について 田 澤 実 梅 崎 修 (11) 大 学 生 における 成 績 と CAVT(キャリア アクション ビジョン テスト)が 初 期 キャリアに 与 える 影 響 全 国 大 学 4 年 生 の 追 跡 調 査 キャリアデザイン 研 究, 7, 57-. 梅 崎 修 (4) 成 績 クラブ 活 動 と 就 職 - 新 規 大 卒 市 場 における OB ネットワー クの 利 用 松 繁 寿 和 ( 編 著 ) 大 学 教 育 効 果 の 実 証 分 析 -ある 国 立 大 学 の 卒 業 生 たちのその 後 日 本 評 論 社, pp.29-48 梅 崎 修 田 澤 実 (12) 大 学 教 育 と 初 期 キャリアの 関 連 性 - 全 国 大 学 4 年 次 と 卒 業 後 2 年 目 の 継 続 調 査 - 日 本 労 働 研 究 雑 誌 619, 64-76 労 働 政 策 研 究 研 修 機 構 () 大 学 における 未 就 職 卒 業 者 支 援 に 関 する 調 査 ( 速 報 ) 謝 辞 本 稿 の 調 査 は 文 部 科 学 省 現 代 GP 大 規 模 私 大 での 大 卒 無 業 者 ゼロをめざ す 取 り 組 み- 学 生 が 行 うキャリア 相 談 実 習 による 職 業 意 識 の 質 的 強 化 - の 助 成 を 受 けて 行 なわれました 助 成 についてお 礼 申 し 上 げます
252 ABSTRACT Effects of University levels and Academic record on Start time of job hunting, the Number of enterprises one applies for, and the Results of Job hunting. Minoru TAZAWA Osamu UMEZAKI Effects of university rank and academic records on the time of initiating job hunting, the number of job applications and the results of the job hunt were investigated. A questionnaire survey was conducted with students in humanities departments that had completed job hunting (n = 778). Results indicated the following: students in high-ranking universities, and those with good academic records had started job hunting early, applied to many enterprises and got informal appointments. Unexpectedly, a relatively small number of students in high-ranking national universities got informal appointments from enterprises of their first choice. Nevertheless, they often got appointment from large enterprises and as a result, their satisfaction with job hunting was identical to that of other university students. These findings are discussed from the perspective of career support.