1 7 Career Step 2 コミュニケーション 能 力 を 鍛 えよう 対 立 を 恐 れず 伝 える 力 を 鍛 えよう 8 コミュニケーション 能 力 とは コミュニケーション 能 力 は 社 会 で 働 くうえでとても 重 要 な 力 です 3 4 5 ( 出 典 ) 日 本 経 団 連 新 卒 採 用 (2014 年 4 月 入 社 対 象 )に 関 するアンケート 調 査 結 果 上 表 のように 企 業 が 新 卒 を 選 考 するうえで 最 も 重 視 する 項 目 にも 挙 げられています では コミュニケーション 能 力 とはいったいどのような 能 力 なのでしょうか? 一 言 でいえば 相 手 の 伝 えたい 内 容 を 正 確 に 把 握 し 自 分 の 伝 えたい 内 容 を 相 手 に 正 確 に 伝 えることがで きる 能 力 のことです なあんだ そんな 簡 単 なことか! と 思 うかもしれません しかし これ 6 を 社 会 で 働 くうえで 必 要 な 能 力 として 定 義 づけると 価 値 観 や 世 代 性 別 国 籍 宗 教 民 族 の 垣 根 を 超 え さらに 個 人 的 な 相 性 の 有 無 も 関 係 なく スムーズに 行 うことができ る 能 力 となります ものすごく 難 度 の 高 い 能 力 ですよね コミュニケーション 能 力 に 関 して 言 えば 高 いほど 良 いのですが どのくらいあればOKという 11
ものでもありません ただ 一 つだけいえるのは 皆 さんの 現 時 点 のコミュニケーション 能 力 はほ とんどの 人 が 社 会 で 働 くうえで 必 要 とされるレベルには 達 していないだろうということで す なぜそのように 断 言 できるのか? 皆 さんはこれまでの 人 生 経 験 の 中 で 価 値 観 や 世 代 性 別 国 籍 宗 教 民 族 の 異 なる 人 とのコミュニケーションの 経 験 が 少 ないと 思 われるからです これは 皆 さんの 能 力 が 高 いとか 低 いという 問 題 ではありません 生 まれ 育 った 環 境 がそのような 状 況 になっているということです つまり これからの 学 生 生 活 の 中 で 前 述 の 経 験 を 増 やさな いといけないのですが 同 年 代 の 学 生 同 士 で 話 をしていても コミュニケーション 能 力 は 向 上 し ません 留 学 生 や 大 学 の 教 員 アルバイト 先 の 上 司 やインターシップ 先 の 企 業 の 方 などさまざま な 人 たちと 話 をする 機 会 を 増 やす 必 要 があるということです 自 己 主 張 する 癖 をつけよう では このように 価 値 観 や 世 代 生 まれ 育 った 環 境 の 異 なる 人 たちとの 会 話 を 増 やすだけでコ ミュニケーション 能 力 は 向 上 するのでしょうか? 答 えはNOです ただ 会 話 するだけではなく 自 分 の 主 張 を 相 手 にわかってもらう あるいは 相 手 の 考 えを 理 解 しようとするコミュニケー ション 能 力 を 持 つ 必 要 があります そのためには ただ 相 手 の 話 を 聞 くだけでなく 自 分 の 考 え を 相 手 にしっかり 伝 えるという 姿 勢 を 持 つ 必 要 があります こんなことを 言 っては 相 手 が 怒 るの では? ここでこんなことを 言 うと 失 礼 にあたるのでは ということを 気 にするあまりに 自 分 のことを 言 わない 人 が 多 いのですが それではコミュニケーション 能 力 を 伸 ばすことはできま せん 相 手 を 思 いやることは 素 晴 らしいことですが 誤 解 や 対 立 を 恐 れず 自 分 の 主 張 を 伝 え るという 癖 をつけていかないと いつまでたってもコミュニケーション 能 力 は 向 上 しません ま ずは 自 己 主 張 する 習 慣 をつけましょう 対 立 を 恐 れない 自 分 の 意 見 を 主 張 するということは 当 然 異 なる 意 見 の 人 との 対 立 が 生 じます 意 見 がかみ 合 わない 状 況 は 双 方 にとってストレスのたまる 状 況 であり できれば 避 けたいというのが 本 音 かも しれません 日 本 人 はこうした 対 立 を 極 力 避 けるために あいまいな 表 現 でどちらともいえるよ うな 話 し 方 をすることが 多 かったのですが これからグローバル 化 が 進 むとこのようなあいまい な 表 現 は 許 されなくなってきます 対 立 することを 恐 れずに 自 己 主 張 する 習 慣 づけをぜひ 行 っ てください 対 立 が 生 じ その 対 立 を 乗 り 越 えることのできるコミュニケーション 能 力 を 養 うこと が これから 社 会 で 働 くうえでとても 重 要 になっています コミュニケーション 能 力 は そのよう な 経 験 を 多 く 積 むことが 必 須 であり 経 験 を 通 して 養 うことのできる 能 力 といえるでしょう 12
うまく 伝 えるコツを 身 につける 違 う 立 場 異 なる 価 値 観 を 持 つ 人 たちに 自 分 の 考 えをわかってもらうにはどうすれば 良 いので しょうか? a 論 理 的 に 話 す b 相 対 的 客 観 的 に 伝 える c 適 切 な 語 彙 を 選 ぶ の3 点 を 意 識 して 話 すことが 重 要 です a 論 理 的 に 話 す 論 理 的 に 話 す というと 非 常 に 難 しいように 聞 こえますが 押 さえておくべき 点 はシンプルで す 具 体 的 には 理 由 を 話 すこと なぜそうなるのか? なぜそのように 考 えるのか? を 説 明 す ることです 自 分 はこう 考 える なぜなら だから という 話 し 方 の 癖 をつけるだけでも 論 理 的 な 話 し 方 は 身 についてきます b 相 対 的 客 観 的 に 伝 える これは 自 分 と 世 代 や 価 値 観 考 え 方 が 異 なる 人 と 話 す 際 に 最 も 工 夫 しないといけない 部 分 で しょう 最 も 大 事 な 視 点 は 主 観 を 客 観 化 することです aとも 関 係 しますが 自 分 がなぜその ような 考 え 方 をするのかを 相 対 的 かつ 客 観 的 に 伝 える 工 夫 をすることです たとえば カレーが 好 きだとした 場 合 に 自 分 がカレーを 好 きな 理 由 を3つ 以 上 挙 げてみましょう 1ごはんと 一 緒 に 食 べられるものが 好 き 2 辛 口 が 好 み 3 安 くて 手 軽 に 食 べられるものが 好 き ということがカレーを 好 きな 理 由 だとすると 自 分 の 好 きな 食 べ 物 の 基 準 として1 3の3つの 基 準 があり カレーはその3つを 満 たしている 食 べ 物 だから と 説 明 することができます c 適 切 な 語 彙 を 選 ぶ 体 の 調 子 が 悪 くて 病 院 に 行 ったことを 想 定 してみましょう いつから 体 のどの 部 分 が どの ように 調 子 が 悪 いのかを 正 確 に 医 師 に 伝 えることができないと 適 切 な 治 療 を 受 けることができま せん 調 子 が 悪 いと 一 言 で 言 っても 痛 むのか むかむかするのか 冷 たく 感 じるのか 熱 っ ぽく 感 じるのか 動 かないのか など いろいろな 状 況 が 想 定 されます どういう 状 況 なのかを 正 確 に 伝 えられる 言 葉 を 選 ぶ 必 要 があります Column コラム 外 国 人 留 学 生 の 友 人 を 作 ろう 日 本 は 単 一 民 族 国 家 で しかも 島 国 で 人 口 密 度 の 高 い 状 態 で 歴 史 を 重 ねてきたことにより お 互 いを いたわり 尊 重 する 習 慣 が 生 まれ その 姿 勢 から 自 己 主 張 せずにあいまいにして 物 事 を 丸 く 収 めるこ とが 美 徳 とされていました 他 人 を 思 いやり 敬 う 姿 勢 は 日 本 人 の 資 質 としてはすばらしいことである のは 今 後 も 変 わりませんが グローバルな 舞 台 で 活 躍 するためには 一 方 で 自 己 主 張 する 習 慣 づけを 今 から 身 につける 必 要 があります そうは 言 ってもなかなか 日 本 人 同 士 ではうまくいきません 外 国 人 留 学 生 と 話 をしてみるとわかりますが 日 本 以 外 の 国 や 地 域 では 自 己 主 張 することが 当 たり 前 です 外 国 人 留 学 生 の 友 達 を 作 っていろいろな 話 をしてみることから 始 めてみましょう 13
対 立 を 乗 り 越 えた 経 験 をシートに 書 きだしてみよう これまでに あるいはこれからの 学 生 生 活 の 中 で もし 誤 解 から 対 立 し それを 工 夫 して 乗 り 越 えるような 経 験 をしたようであれば その 経 験 をコミュニケーションギャップクリアシートに 書 きだしてみましょう 何 枚 か 書 いているうちに 自 分 の 強 み( 対 立 を 乗 り 越 えるために 取 った 行 動 ) が 少 しずつ 自 覚 できるようになってきます ❶ 実 際 に 自 分 が 遭 遇 した 事 例 を 具 体 的 に 書 きましょう ❷ ❸ その 結 果 どうなったのかを 具 体 的 に 書 きましょう 工 夫 の 内 容 なぜそのように 考 えたのか を 細 かく 書 きましょう ❹ この 経 験 を 通 して 学 んだこと 身 についたこと 今 後 気 を 付 けて いきたいと 思 ったことを 具 体 的 な 行 動 レベルで 書 きましょう 14
コミュニケーションギャップクリアシート 各 ワークシートは 就 職 支 援 室 HPからダウンロードしてご 利 用 ください http://ghp.adm.kanazawa-u.ac.jp/archives/1382.html 15
キャリア 支 援 イベントに 参 加 しよう 就 職 支 援 室 では 各 種 キャリア 支 援 イベントを 開 催 しています その 中 で コミュニケーショ ン 力 の 重 要 性 を 学 ぶキャリア 支 援 イベント ビジネスゲーム を 実 施 しています 3 6 人 くらいの グループでツールを 使 って 課 題 に 取 り 組 むという 内 容 です グループ 内 のコミュニケーションが うまく 行 えないと 課 題 を 解 決 することができず ゲームを 通 して 組 織 で 働 くうえでのコミュニケー ションの 重 要 性 を 学 ぶことができるとともに グループで 何 かを 行 う 際 に 必 要 となるコミュニケー ション 能 力 を 鍛 えることができます 開 催 については アカンサスポータルで 随 時 案 内 しますので 興 味 のある 方 はぜひ 参 加 してみましょう 自 分 の 意 見 対 立 相 手 の 意 見 コミュニケーション 理 解 16