短 期 間 の 複 数 清 算 会 員 破 綻 下 における CCP の 破 綻 処 理 について 金 融 庁 総 務 企 画 局 市 場 課 御 中 ISDA Japan CCP DMP ワーキンググループ 平 成 24 年 2 月 16 日 平 成 23 年 11 月 7 日 ISDA 日 本 の OTC デリバティブ 規 制 ワーキンググループ 及 びクレジット CCP ワーキンググループの 主 要 メンバーである 日 系 外 資 系 金 融 機 関 計 25 社 1 を 中 心 に ISDA Japan CCP DMP ワーキンググループ ( 以 下 WG という ) が 結 成 され これまで 掲 題 につき 議 論 を 続 けて 参 りました この 度 WGの 全 メンバー2の 意 見 集 約 がなされましたので 以 下 の 通 り 最 終 報 告 申 し 上 げます WG と 致 しましては 日 本 証 券 クリアリング 機 構 ( 以 下 JSCC という )の CDS 及 び 金 利 スワッ プの 中 央 清 算 業 務 における 清 算 参 加 者 損 失 補 償 及 び 参 加 者 破 綻 の 処 理 にかかる 制 度 が 下 記 の WG 提 案 に 沿 った 形 で 設 計 あるいは 改 善 されるべく 鋭 意 JSCC との 協 議 を 継 続 していく 所 存 です 貴 庁 におかれましては 本 年 11 月 までに 予 定 されております 清 算 集 中 義 務 の 円 滑 な 施 行 を 担 保 する 観 点 から 是 非 とも 下 記 WG 提 案 につきご 理 解 を 賜 りますようお 願 い 申 し 上 げます また 最 終 案 に 向 けて 国 際 規 制 当 局 間 でご 協 議 中 の CPSS-IOSCO Principles for financial market infrastructures ( 以 下 FMI 原 則 という )の 諸 原 則 にかかる 議 論 及 び 金 融 商 品 取 引 清 算 機 関 等 ( 以 下 CCP という )に 対 する 免 許 審 査 及 び 監 督 指 針 等 におきまして 今 回 の WG 提 案 をご 考 慮 頂 きますよう 重 ねてお 願 い 申 し 上 げます 要 旨 1. 債 務 の 上 限 設 定 深 刻 な 金 融 危 機 下 で 市 場 がストレスの 状 況 にある 一 定 の 期 間 当 該 期 間 中 に 複 数 の 会 員 が 破 綻 した 場 合 においても 非 破 綻 会 員 の 負 う 債 務 に 上 限 を 設 定 すべきであ る 2. 秩 序 のとれた 清 算 会 員 の 退 会 及 びポジションの 清 算 他 の 清 算 会 員 の 破 綻 に 伴 う 損 失 補 填 を 避 けるべく 清 算 会 員 が 競 って 退 会 をしようとして 退 会 の 条 件 であるポジションの 清 算 3 が 一 挙 に 実 施 されるような 状 況 を 避 けるべきである 参 加 者 破 綻 時 の 処 理 及 び 清 算 会 員 の 退 会 ル ールは 非 破 綻 会 員 が 他 の 清 算 会 員 の 破 綻 に 伴 う 損 失 填 補 に 関 する 債 務 を 負 担 するか 否 か とポジション 清 算 を 前 提 とする 退 会 要 件 の 充 足 を 整 理 した 形 で 設 計 されるべきである 1 なお 現 在 LCH SwapClear においても 下 記 と 同 様 の 議 論 が 現 在 進 行 中 であり その 議 論 の 結 果 を 適 宜 本 邦 における 制 度 の 議 論 へ 反 映 する 予 定 2 WG のメンバー リストは 末 尾 を 参 照 3 期 限 前 解 約 や 他 の 清 算 会 員 へのポジション 移 管 により 引 受 け 債 務 残 高 がゼロとなっている 状 況 をいう International Swaps and Derivatives Association, Inc. Otemachi Nomura Building, 21st Floor 2-1-1 Otemachi Chiyoda-ku, Tokyo 100-0004 P 03 5200 3301 F 03 5200 3302 www.isda.org NEW YORK LONDON HONG KONG TOKYO WASHINGTON BRUSSELS SINGAPORE
3. CCP の 清 算 業 務 の 継 続 性 を 確 保 する 事 前 ルール CCP の 損 失 補 填 用 資 金 が 枯 渇 した 場 合 に 備 えて 清 算 業 務 の 継 続 性 を 確 保 するべく すべての 非 破 綻 会 員 による 保 有 ネット ポジショ ン 一 括 清 算 の 代 替 案 として 当 該 ポジションの 他 の CCP への 移 転 及 び CCP による 資 本 再 調 達 計 画 等 を 事 前 ルールとして 策 定 すべきである 背 景 JSCC の CDS 清 算 業 務 は 昨 年 7 月 に 開 始 されたものの その 後 新 たに 入 会 した 金 融 機 関 が なく 清 算 会 員 は 当 初 の 参 加 メンバー5 社 ( 日 系 4 社 外 資 系 1 社 )のみという 状 況 が 続 いている 特 に 外 資 系 金 融 機 関 においては JSCC の CDS 清 算 業 務 における 清 算 参 加 者 ( 特 に 清 算 会 員 の 退 会 規 則 ) 損 失 補 償 及 び 参 加 者 破 綻 の 処 理 ( 特 に 清 算 基 金 の 再 拠 出 関 連 )にかかる 規 則 に 関 して 清 算 会 員 としてのリスク 管 理 及 び CCP の 安 定 性 の 双 方 の 観 点 から 海 外 本 店 における 社 内 審 査 基 準 を 満 たさないとの 理 由 で 参 加 への 承 認 が 得 られないケースが 多 い また 本 年 の 11 月 までの 業 務 開 始 を 目 指 している JSCC の 金 利 スワップ 清 算 業 務 についても CDS 清 算 業 務 と 同 様 の 清 算 参 加 者 損 失 補 償 及 び 参 加 者 破 綻 の 処 理 にかかる 制 度 が 前 提 なの であれば 4 上 記 と 同 様 の 理 由 により WG の 外 資 系 金 融 機 関 がすべて 参 加 することが 難 しい 見 込 みである WG としては 本 年 11 月 までに 予 定 されている 清 算 集 中 義 務 の 施 行 を 前 に より 多 くの 金 融 機 関 が JSCC による CDS 及 び 金 利 スワップの 清 算 に 参 加 できるような 環 境 を 整 えることは 極 めて 重 要 であると 考 え 下 記 の 具 体 的 な 案 を 取 り 纏 めた なお 海 外 においても 上 記 と 同 様 の 問 題 意 識 から 昨 年 9 月 シンガポール 証 券 取 引 所 (SGX) が 市 中 協 議 書 Enhanced Default Management Framework for SGX-DC を 公 表 5 し パブリック コメントを 募 集 した 具 体 的 な 提 案 1. 破 綻 社 数 に 関 わらない 債 務 の 上 限 非 破 綻 会 員 による 清 算 基 金 の 供 出 義 務 は 一 定 の 上 限 期 間 の 間 は 当 該 期 間 内 に 発 生 した 会 員 の 破 綻 社 数 に 関 わらず 最 初 の 破 綻 時 に 拠 出 してい た 清 算 基 金 (Funded Obligation)と 同 額 一 回 限 りの 清 算 基 金 の 追 加 預 託 (Unfunded Obligation) の 合 計 額 を 上 限 とする 2. 30 営 業 日 更 新 ベースの 上 限 期 間 上 記 1 の 一 定 の 上 限 期 間 は 30 営 業 日 とし 次 の 会 員 の 破 綻 に 伴 い その 時 点 からさらに 30 営 業 日 当 該 期 間 中 に 新 たに 破 綻 が 発 生 する 度 に 順 次 30 営 業 日 間 更 新 するものとする ( 以 下 上 限 期 間 という ) 3. 上 限 期 間 中 の 当 初 証 拠 金 の 追 加 預 託 義 務 最 初 の 会 員 の 破 綻 以 降 CCP は 非 破 綻 会 員 の 清 算 基 金 所 要 額 を 日 次 で 算 出 し 破 綻 時 の 清 算 基 金 所 要 額 比 10% 超 の 増 加 となった 会 員 に 対 しては その 増 加 超 過 額 分 を 当 初 証 拠 金 として 追 加 預 託 することを 義 務 づける なお 非 破 綻 会 員 は 上 限 期 間 の 終 了 とともに 当 該 義 務 を 負 わないこととする 上 限 期 間 終 了 後 当 該 追 加 預 託 した 当 初 証 拠 金 は 会 員 に 返 還 され その 時 点 の 清 算 基 金 所 要 額 に 基 づく 清 算 基 金 4 JSCC の OTC ワーキンググループにおいて 現 在 協 議 中 である 5 平 成 23 年 10 月 3 日 がパブリックコメント 締 切 期 限 であった 2
の 拠 出 を 義 務 付 ける 4. ポジション 清 算 の 完 了 による 退 会 要 件 の 充 足 (vs. CCP による 退 会 の 承 認 ) 会 員 破 綻 が 発 生 していない 状 況 (すなわち 上 限 期 間 の 外 )では 会 員 による 事 前 の 退 会 通 知 後 当 該 会 員 のポジション 清 算 が 完 了 した 時 点 又 は 退 会 通 知 から 30 営 業 日 が 経 過 した 時 点 のいずれか 遅 い 時 点 で( 承 認 手 続 き 等 の CCP による 特 段 の 行 為 を 要 することなく) 退 会 が 成 立 するものと する 一 方 会 員 破 綻 が 発 生 した 状 況 (すなわち 上 限 期 間 中 )では 当 該 会 員 のポジション 清 算 が 完 了 した 時 点 で 退 会 通 知 から 30 営 業 日 が 経 過 しておらずとも( 承 認 手 続 き 等 の CCP による 特 段 の 行 為 を 要 することなく) 退 会 要 件 を 満 たしたこととし 上 限 期 間 の 終 了 とともに 直 ちに 退 会 が 成 立 するものとする いずれの 場 合 においても CCP による 退 会 の 承 認 制 度 は 会 員 の 退 会 の 有 効 性 にかかる 不 確 実 性 を 排 除 する 観 点 から これを 廃 止 する なお ポジション 清 算 の 完 了 が CCP によって 確 認 されなかった 場 合 退 会 要 件 を 充 足 しないことから 退 会 は 無 効 であったことになり 当 該 会 員 は デフォルト オークションへの 参 加 を 含 めた 会 員 として 求 められるすべての 義 務 に 服 さ なければならない また 非 破 綻 会 員 の 清 算 基 金 が 破 綻 会 員 の 損 失 補 償 に 費 消 された 時 点 で それ 以 降 に 申 請 される 会 員 の 入 会 ( 新 規 再 入 会 を 問 わず)については CCP の 委 員 会 (JSCC の 場 合 IRS 運 営 委 員 会 CDS リスク 委 員 会 )において 入 会 条 件 の 見 直 し( 例 : 資 格 要 件 の 見 直 しや 追 加 の 出 資 を 条 件 とする etc.)を 検 討 する 5. 30 営 業 日 の 退 会 の 事 前 通 知 義 務 上 記 4 の 通 り 上 限 期 間 の 外 において 会 員 がポジショ ン 清 算 の 完 了 により 退 会 しようとする 場 合 は 最 低 30 営 業 日 の 事 前 通 知 を 義 務 づける 一 方 上 限 期 間 中 に ポジション 清 算 の 完 了 により 退 会 しようとする 場 合 は 30 営 業 日 の 事 前 通 知 ルールは 適 用 されない 6. 退 会 要 件 充 足 後 の 清 算 基 金 拠 出 義 務 の 継 続 上 限 期 間 中 に 退 会 要 件 を 満 たした 会 員 も 当 該 上 限 期 間 中 は 引 き 続 き 最 初 の 破 綻 時 に 拠 出 していた 清 算 基 金 (Funded Obligation)と 同 額 一 回 限 りの 清 算 基 金 の 追 加 預 託 (Unfunded Obligation) の 合 計 額 を 上 限 として 清 算 基 金 の 拠 出 義 務 を 負 う なお 上 限 期 間 が 終 了 した 時 点 で 退 会 が 成 立 し 当 該 義 務 を 負 わない 7. ポジション 清 算 完 了 までのデフォルト オークション 参 加 義 務 退 会 しようとしている 会 員 ( 退 会 通 知 をした 会 員 )であっても ポジションの 清 算 が 完 了 し 退 会 要 件 を 満 たすまでは その 間 に 発 生 した 会 員 の 破 綻 に 伴 い 実 施 されるデフォルト オークションへの 参 加 義 務 を 負 う なお ポジ ションの 清 算 が 完 了 し 退 会 要 件 を 満 たした 場 合 当 該 会 員 については 清 算 基 金 の 優 先 費 消 を 条 件 として 上 限 期 間 中 のそれ 以 降 に 発 生 した 会 員 の 破 綻 に 伴 い 開 催 されるオークションへ の 参 加 義 務 を 免 除 されることを 選 択 できる 8. 退 会 要 件 を 満 たした 会 員 によるデフォルト オークション 参 加 の 許 容 上 限 期 間 中 にポジション 清 算 が 完 了 し 退 会 要 件 を 満 たした 会 員 について 清 算 基 金 の 優 先 費 消 を 条 件 としてデフォル ト オークションへの 参 加 義 務 の 免 除 を 選 択 したとしても 当 該 上 限 期 間 中 それ 以 降 に 発 生 した 会 員 の 破 綻 に 伴 い 実 施 されるデフォルト オークションへの 参 加 については 希 望 すれば 許 容 さ れる なお 当 該 オークションにおける 落 札 に 伴 い 新 たにポジションを 保 有 し かつ 当 該 ポジ ションを 上 限 期 間 中 に 清 算 できない 場 合 上 限 期 間 終 了 時 点 において 退 会 要 件 を 満 たしてい ないことから 当 該 会 員 の 退 会 は 成 立 せず 当 該 会 員 は 当 該 上 限 期 間 終 了 時 点 においてCC Pの 会 員 として 求 められる 清 算 基 金 拠 出 義 務 を 負 うこととなる 9. 他 の CCP へのポジション 移 転 及 び 資 本 再 調 達 にかかる 事 前 ルール CCP は すべての 非 破 綻 会 員 による 保 有 ネット ポジション 一 括 清 算 の 代 替 案 として 当 該 ポジションの 他 の CCP 3
( 例 :LCH SwapClear, SGX-DC)への 移 転 につき 事 前 ルールを 策 定 すべきである また CCP は 金 融 危 機 の 到 来 前 に CCP の 損 失 補 填 用 資 金 ( 例 :JSCC の CDS 清 算 の 場 合 現 状 40 億 円 )が 枯 渇 した 場 合 の CCP による 資 本 再 調 達 計 画 を 策 定 すべきである 10. CCP の 業 務 継 続 にかかる 法 的 に 有 効 な 枠 組 み CCP は 短 期 間 における 複 数 会 員 の 破 綻 後 も 清 算 業 務 が 法 的 に 有 効 な 形 で 継 続 できるような 枠 組 みを 整 備 すべきである 具 体 的 に は 以 下 の 点 について 法 的 な 不 透 明 性 が 残 らないようにすべきである 1) 破 綻 会 員 からの CCP による 債 権 回 収 2)JSCC のように 複 数 資 産 の 清 算 業 務 を 同 一 の 法 人 傘 下 で 実 施 して いる 場 合 他 の 資 産 ( 例 : 上 場 商 品 )の 清 算 業 務 の 状 況 に 依 存 することのない 店 頭 デリバティブ の 清 算 業 務 の 継 続 3)すべての 非 破 綻 会 員 による 保 有 ネット ポジションの 一 括 清 算 にかかる 資 産 を 一 連 の 破 綻 後 新 たに 発 生 する 引 受 債 務 と 分 離 する 形 での CCP の 再 建 ( 銀 行 の 経 営 破 綻 後 の 再 建 スキームにおいてみられるような 資 産 を Bad Bank と Good Bank とに 隔 離 しての 業 務 の 継 続 に 類 似 したもの) 別 添 1 JSCC の CDS 清 算 におけるリスク ウォーターフォール 別 添 2 短 期 間 の 複 数 清 算 会 員 破 綻 下 における 清 算 基 金 及 び 委 託 証 拠 金 の 拠 出 義 務 別 添 3 清 算 会 員 の 退 会 ルールと 退 会 通 知 後 に 負 う 義 務 別 添 4 オークションの 方 式 別 添 5 DMP 義 務 関 係 整 理 表 別 添 6 オークションの 極 端 に 悪 いプライス の 定 義 と 清 算 基 金 等 の 優 先 費 消 の 考 え 方 4
事 由 1. 破 綻 社 数 に 関 わらない 債 務 の 上 限 非 破 綻 会 員 による 清 算 基 金 の 供 出 義 務 は 一 定 の 上 限 期 間 の 間 は 当 該 期 間 内 に 発 生 した 会 員 の 破 綻 社 数 に 関 わらず 最 初 の 破 綻 時 に 拠 出 してい た 清 算 基 金 (Funded Obligation)と 同 額 一 回 限 りの 清 算 基 金 の 追 加 預 託 (Unfunded Obligation) の 合 計 額 を 上 限 とする JSCC の CDS 清 算 におけるリスク ウォーターフォールは 非 破 綻 清 算 会 員 の 債 務 が 無 限 に 拡 大 することのないような 構 造 となっており WG としてこれを 問 題 とするものではない ( 別 添 1 JSCC の CDS 清 算 におけるリスク ウォーターフォール 参 照 ) ただし 深 刻 な 金 融 危 機 時 短 期 間 に 複 数 の 清 算 会 員 が 連 鎖 的 にデフォルトしていくような 局 面 を 想 定 した 場 合 破 綻 会 員 のポジションから 生 じる 損 失 を 補 償 した 結 果 拠 出 済 みの 清 算 基 金 が 枯 渇 する 度 に 非 破 綻 清 算 会 員 は 追 加 の 清 算 基 金 の 拠 出 を 求 められるような 制 度 となっている 現 行 の JSCC の CDS 清 算 における 損 失 補 填 ルールにおいて 短 期 間 に 複 数 の 清 算 会 員 が 次 々に 破 綻 するような 深 刻 な 金 融 危 機 が 発 生 した 場 合 非 破 綻 会 員 がいかにして 上 限 のない 債 務 を 負 うことになるか 別 添 2 短 期 間 の 複 数 清 算 会 員 破 綻 下 における 清 算 基 金 及 び 委 託 証 拠 金 の 拠 出 義 務 の 1 頁 JSCC の CDS 清 算 ( 現 行 制 度 ) の 例 に 沿 って 以 下 説 明 する Day D に 最 初 の 会 員 が 破 綻 する 損 失 額 が 想 定 以 上 に 大 きかったため 非 破 綻 会 員 が 拠 出 して いた 清 算 基 金 (Funded Obligation)を 全 額 費 消 してしまった したがって それを 補 完 するため 非 破 綻 会 員 は 同 額 一 回 限 り 6 の 清 算 基 金 の 追 加 預 託 (Unfunded Obligation) を 実 施 した その 後 週 次 のサイクルで 清 算 基 金 の 所 要 額 が 計 算 され 清 算 基 金 (Funded Obligation)の 残 高 はゼロとなっているため 非 破 綻 会 員 はその 所 要 額 分 の 全 額 を 新 たに 再 拠 出 した ところが D+25 に 次 の 会 員 の 破 綻 が 発 生 した 損 失 額 はまた 想 定 以 上 に 大 きかったため 再 拠 出 した 清 算 基 金 (Funded Obligation)の 全 額 を 損 失 補 填 のため 費 消 してしまった 清 算 基 金 の 所 要 額 が 再 び 計 算 され 清 算 基 金 (Funded Obligation)の 残 高 は 再 びゼロとなって いるため 非 破 綻 会 員 はその 所 要 額 分 の 全 額 をさらに 再 拠 出 した この 例 でわかる 通 り 現 行 の JSCC の CDS 清 算 における 損 失 補 填 ルールの 場 合 短 期 間 に 複 数 の 清 算 会 員 が 次 々に 破 綻 するような 深 刻 な 金 融 危 機 が 発 生 した 場 合 相 次 ぐ 破 綻 に 伴 う 損 失 補 填 により 非 破 綻 会 員 の 清 算 基 金 (Funded Obligation)が 枯 渇 する 度 に 清 算 基 金 を 上 限 なく 再 拠 出 することが 要 求 される 清 算 会 員 の 立 場 からすると このような 仕 組 みのもとでは 連 鎖 的 なデフォルトとともに 債 務 額 が 無 限 に 拡 大 する 可 能 性 があることから リスク 管 理 上 の 最 大 エクスポージャーの 算 出 が 困 難 となる この 結 果 金 融 機 関 として 必 要 な 資 本 を 引 き 当 てる 及 び 規 制 資 本 上 の 要 件 を 満 たす 上 で 大 きな 問 題 となる また 破 綻 会 員 がその 他 の 主 要 な 非 破 綻 会 員 と 世 界 各 国 の 主 要 な CCP でともに 会 員 となっているような 状 況 下 では 各 CCP において 債 務 に 上 限 がない 場 合 さらに 問 題 は 深 刻 な ものとなる ( 各 金 融 機 関 のリスク 管 理 上 の 問 題 ) 6 非 破 綻 会 員 が 最 初 の 破 綻 時 に 拠 出 していた 清 算 基 金 (Funded Obligation)が 枯 渇 した 時 点 で その 清 算 基 金 と 同 額 の 追 加 預 託 (Unfunded Obligation)を 最 初 の 会 員 破 綻 日 から 起 算 して 30 日 間 は 1 回 に 限 定 して 求 められる したがって 清 算 基 金 の 追 加 預 託 (Unfunded Obligation) 分 については 最 初 の 会 員 破 綻 日 から 起 算 して 30 日 間 について 債 務 の 上 限 が 設 定 されている 5
また CCP の 立 場 としても 上 記 の 損 失 補 填 ルールは 財 務 的 な 安 定 性 の 確 保 に 資 するように 一 見 思 われるものの 債 務 の 上 限 がないゆえに 金 融 危 機 が 表 面 化 した 時 点 で 清 算 会 員 が 次 々に 先 を 争 うように 退 会 申 請 をし また これ 以 上 の 債 務 負 担 を 回 避 するために ポジションを 一 挙 に 清 算 し 退 会 承 認 を 早 期 に 得 られるよう 行 動 する 事 態 が 考 えられる こうした 債 務 に 上 限 がないことを 前 提 に 早 期 退 会 によって 債 務 額 を 抑 制 できるような 制 度 設 計 自 体 が システミック リスクの 拡 大 をさらに 増 長 させてしまう 結 果 となりかねない ( 一 斉 退 会 ポジション 清 算 による CCP の 安 定 性 の 問 題 ) さらに 貴 庁 をはじめとする 国 際 規 制 当 局 の 観 点 からは 深 刻 な 金 融 危 機 の 状 況 では 規 制 対 象 の 各 金 融 機 関 の 想 定 最 大 エクスポージャー 額 を 日 次 で 正 確 に 把 握 することが 監 督 及 びモニタリン グ 上 重 要 となる 例 えば 日 本 の 金 融 機 関 A 行 の 金 融 グループが 世 界 の 各 国 で 短 期 間 の 複 数 デフォルト 状 況 における 債 務 に 上 限 を 設 けない 複 数 の CCP の 清 算 会 員 になっており その 各 CCP で 他 の 会 員 の 破 綻 が 一 斉 に 発 生 した 場 合 A 行 グループがそれらの 複 数 の CCP に 対 して 負 っている 全 体 の 想 定 最 大 エクスポージャー 額 を 規 制 当 局 が 把 握 することは 不 可 能 となる ( 規 制 当 局 による 監 督 モニタリング 上 の 問 題 ) 以 上 を 踏 まえて WG としては 一 定 の 上 限 期 間 を 設 定 し その 間 に 発 生 した 会 員 の 破 綻 社 数 に 関 わらず 最 初 の 破 綻 時 に 拠 出 していた 清 算 基 金 (Funded Obligation)と 同 額 一 回 限 りの 清 算 基 金 の 追 加 預 託 (Unfunded Obligation) の 合 計 額 を 債 務 の 上 限 とする ことを 提 案 する 別 添 2 短 期 間 の 複 数 清 算 会 員 破 綻 下 における 清 算 基 金 及 び 委 託 証 拠 金 の 拠 出 義 務 の 2 頁 ISDA Japan ワーキンググループ 案 の 例 にある 通 り 1 頁 JSCC の CDS 清 算 ( 現 行 制 度 ) の 例 と 同 様 に 清 算 会 員 が 短 期 間 に 2 社 続 けて 破 綻 したシナリオを 想 定 している 非 破 綻 会 員 の 債 務 は 最 初 の 破 綻 時 に 拠 出 していた 清 算 基 金 (Funded Obligation)と 同 額 一 回 限 りの 清 算 基 金 の 追 加 預 託 (Unfunded Obligation) の 合 計 額 に 限 定 され 清 算 基 金 (Funded Obligation)が 枯 渇 す る 度 に 再 拠 出 を 求 められることはない なお WG の 議 論 においては 清 算 基 金 の 拠 出 に 上 限 を 付 したとしても CCP の 財 源 が 不 足 し て すべての 非 破 綻 会 員 による 保 有 ネット ポジションを 一 括 清 算 する 事 態 が 生 じる 可 能 性 が 高 くな るだけであり その 場 合 最 終 的 な 損 失 は 非 破 綻 会 員 がどうせ 負 担 することになるのだから 債 務 の 上 限 という 点 ではメリットはないのではないか との 意 見 も 出 された これに 対 しては 以 下 の 理 由 で 清 算 基 金 の 拠 出 に 上 限 を 付 すことは 重 要 である との 結 論 に 至 った 1) 連 鎖 破 綻 のリスク(プロシクリカリティ) 深 刻 な 金 融 危 機 下 の 市 場 がストレス 状 態 に 陥 っている 状 態 で 短 期 間 のうちに 複 数 の CCP から 清 算 基 金 の 再 拠 出 を 何 度 も 要 求 された 場 合 市 場 からの 短 期 資 金 調 達 が 困 難 となって いる 非 破 綻 会 員 が 当 該 再 拠 出 に 応 じることができず 連 鎖 的 にデフォルトしてしまうリスクが ある 7 すなわち システミック リスクを 逆 に 増 大 させてしまう 恐 れ(プロシクリカリティ)がある 一 方 すべての 非 破 綻 会 員 による 保 有 ネット ポジションの 一 括 清 算 は ある 程 度 の 日 数 をか けて 秩 序 だった 形 で 実 施 されることとなるため 短 期 的 な 資 金 調 達 の 困 難 性 から 生 じる 連 鎖 破 綻 の 問 題 は 相 対 的 に 少 ないものと 考 えられる 7 特 に クライアント クリアリングが 開 始 されている 段 階 では 清 算 会 員 の 自 己 ポジションに 加 えて 顧 客 ポジション 分 も 含 めた 全 体 のポジション 額 をもとに 計 算 された 清 算 基 金 所 要 額 に 基 づいて CCP からの 再 拠 出 要 求 が 行 われるため 当 該 清 算 会 員 にとって より 問 題 は 深 刻 となる (クライアントは 清 算 基 金 の 負 担 はしないため) 6
2) CCP による 清 算 基 金 の 再 拠 出 最 終 的 な 損 失 は 非 破 綻 会 員 がどうせ 負 担 することになる という 前 提 を 置 いた 議 論 は そも そもバランスが 取 れていないものと 考 える 清 算 会 員 の 破 綻 により CCP の 財 源 が 不 足 する 状 態 に 陥 った 原 因 は CCP のリスク 管 理 態 勢 ( 証 拠 金 清 算 基 金 モデル ポジション 枠 設 定 運 営 )が 不 十 分 であったわけである それにもかかわらず CCP が 一 切 の 清 算 基 金 の 再 拠 出 義 務 を 負 わない 一 方 で 清 算 会 員 だけが 清 算 基 金 を 再 拠 出 し 続 ける 義 務 を 負 う という 制 度 設 計 自 体 が 問 題 であると 考 える 現 行 の JSCC の CDS 清 算 業 務 においては すべての 非 破 綻 会 員 による 保 有 ネット ポジシ ョンの 一 括 清 算 に 至 る 前 に CCP 及 び 非 破 綻 会 員 による 協 議 制 度 が 設 けられている この 事 前 協 議 において その 時 点 の 状 況 に 応 じて CCP による 資 本 再 注 入 あるいは 清 算 基 金 の 再 拠 出 というオプションは 当 然 に 検 討 されるべき と 考 える 3) CCP 及 び 非 破 綻 会 員 による 資 本 再 注 入 へのインセンティブ 清 算 基 金 の 拠 出 に 上 限 を 付 すことで たしかに CCP の 財 源 が 不 足 して すべての 非 破 綻 会 員 による 保 有 ネット ポジションを 一 括 清 算 する 事 態 が 生 じる 可 能 性 が 高 くなるものと 思 われ る しかしながら すべての 非 破 綻 会 員 による 保 有 ネット ポジションの 一 括 清 算 の 実 施 は CCP 及 び 非 破 綻 会 員 の 双 方 にとって 大 きな 事 務 負 担 及 びコストを 伴 うことから 極 力 避 けた いワースト ケースである 非 破 綻 会 員 の 債 務 の 上 限 を 設 けることで CCP はより 責 任 をもっ て 会 員 の 破 綻 前 から 計 画 的 な 資 本 増 強 及 び 資 本 再 調 達 を 実 施 するインセンティブを 持 つ 一 方 特 に 取 引 量 の 多 い 一 部 非 破 綻 会 員 においても CCP への 資 本 再 注 入 により 一 括 清 算 をなんとか 回 避 しようとするインセンティブが 生 じる 上 記 の 一 括 清 算 に 至 る 前 の CCP 及 び 非 破 綻 会 員 による 協 議 において 具 体 的 な 資 本 再 注 入 案 を 検 討 することとなる 4) Basel III のリスク 資 本 昨 年 3 月 CPSS-IOSCO より 公 表 された FMI 原 則 の 市 中 協 議 案 に 対 する ISDA 及 び PRC(Payments Risk Committee 8 ) 等 の 主 要 業 界 団 体 による 意 見 書 に 記 載 されている 通 り 世 界 の 主 要 金 融 機 関 は 非 破 綻 会 員 の 負 う 債 務 に 上 限 を 設 定 すべき 旨 を 要 求 してきた こ の 点 は 依 然 として 国 際 規 制 当 局 間 で 協 議 中 であると 理 解 しているが 仮 にこれが 受 け 入 れ られた 場 合 債 務 に 上 限 を 付 していない CCP は Qualified CCP(QCCP)として 承 認 されず 当 該 CCP の 清 算 会 員 はより 高 いリスク ウェイトによる 規 制 資 本 賦 課 を 要 求 されてしまう また 仮 に 上 記 の 点 が 受 け 入 れられなかった 場 合 においても 昨 年 11 月 にバーゼル 委 員 会 により 市 中 協 議 に 付 されている Consultative Document Capitalisation of bank exposures to central counterparties にて 提 案 されている Default fund exposure の 算 出 において 短 期 間 の 複 数 会 員 破 綻 に 伴 う 清 算 基 金 (Funded Obligation)の 再 拠 出 義 務 をどのように 評 価 するか という 論 点 が 生 じてくる 5) 規 制 当 局 による 承 認 例 えば 米 系 金 融 機 関 が 清 算 会 員 の 債 務 に 上 限 が 付 されていない 海 外 の CCP に 参 加 す るにあたっては Dodd-Frank 法 において CDS が Futures Commission Merchant (FCM) activity と 位 置 づけられたことから PART 211 INTERNATIONAL BANKING OPERATIONS (REGULATION K), Code of Federal Regulations( 以 下 Reg. K という) 211.10 (c) により 銀 行 グループの 子 会 社 が 海 外 の 取 引 所 及 び 清 算 取 引 所 に 会 員 として 参 加 する 行 為 について 米 国 連 邦 準 備 銀 行 の 個 別 承 認 が 求 められ 債 務 額 に 上 限 が 設 定 さ 8 PRC は 米 国 NY 連 銀 の 主 催 する 米 国 で 営 業 する 主 要 行 の 経 営 幹 部 によって 構 成 される 業 界 団 体 参 加 メンバーは GS, BOA, BONY-Mellon, BOTM-UFJ, Citi, DB, HSBC, JPM, MS, State Street, UBS, Wells Fargo 7
れていないこと 及 び 債 務 のリスク 管 理 上 の 計 量 制 御 の 不 能 性 が 問 題 になるものと 考 えら れる ただし 清 算 会 員 となる 法 人 が Reg. K の 適 用 対 象 とならない 場 合 は もちろん この 限 りではない さらに WG の 議 論 においては 設 定 する 債 務 の 上 限 を 1) 最 初 の 破 綻 時 に 拠 出 していた 清 算 基 金 (Funded Obligation)と 同 額 一 回 限 りの 清 算 基 金 の 追 加 預 託 (Unfunded Obligation) の 合 計 額 とするか あるいは 2) 上 記 1)に 加 えて 期 間 に 応 じてさらに1~2 回 程 度 の 清 算 基 金 (Funded Obligation)の 再 拠 出 義 務 を 非 破 綻 会 員 が 負 うべきか についても 検 討 が 加 えられた FMI 原 則 の 市 中 協 議 案 にもある 通 り 清 算 基 金 の 所 要 額 算 出 モデルは 通 常 清 算 会 員 の 破 綻 に 伴 う 損 失 額 上 位 2 社 の 損 失 を 少 なくともカバーするよう 設 計 することが 求 められており 9 このような 観 点 からは 上 記 1)においては 清 算 基 金 (Funded Obligation)と 同 額 一 回 限 りの 清 算 基 金 の 追 加 預 託 (Unfunded Obligation) の 合 計 額 が 上 限 であることから 非 破 綻 会 員 が 合 計 損 失 額 上 位 4 社 までの 損 失 を 負 担 することを 義 務 づけられており CCP の 安 定 性 確 保 のため 十 分 かつ 適 切 であ ると 言 える 上 記 2)は 非 破 綻 会 員 に 合 計 損 失 額 上 位 6~8 社 までを 負 担 することを 義 務 づけることを 意 味 する 店 頭 デリバティブの CCP の 会 員 数 が 15~20 社 程 度 であることを 勘 案 すると ほぼ 半 分 の 会 員 が 破 綻 している 状 態 である いわゆる G-SIFI に 分 類 されるグローバルな 金 融 機 関 がほぼ 壊 滅 状 態 になっている 状 況 下 で さらに 何 とか 生 存 している 他 の 金 融 機 関 にその 損 失 負 担 を 負 わせ ることを 意 味 しており さらなる 連 鎖 破 綻 を 誘 発 するリスクを 高 め 結 果 として CCP の 安 定 性 やシス テミック リスクの 制 御 に 資 するとは 考 えられない むしろ 後 述 する 通 り CCP として このような 壊 滅 的 な 危 機 に 至 る 前 の 段 階 において 資 本 の 再 調 達 等 の CCP の 清 算 業 務 を 継 続 させるための 事 前 ルールを 策 定 しておくことで このような 事 態 に 対 応 することが 極 めて 重 要 である と 考 える 2. 30 営 業 日 更 新 ベースの 上 限 期 間 上 記 1 の 一 定 の 上 限 期 間 は 30 営 業 日 とし 次 の 会 員 の 破 綻 に 伴 い その 時 点 からさらに 30 営 業 日 当 該 期 間 中 に 新 たに 破 綻 が 発 生 する 度 に 順 次 30 営 業 日 間 更 新 するものとする ( 以 下 上 限 期 間 という ) 別 添 2 の 2 頁 ISDA Japan ワーキンググループ 案 の 例 にある 通 り まず 最 初 の 会 員 の 破 綻 日 より 起 算 して 当 初 の 上 限 期 間 (= 30 営 業 日 )が 設 定 される このケースの 場 合 25 営 業 目 に 次 の 会 員 の 破 綻 が 発 生 したため その 日 から 起 算 してさらに 向 こう 30 営 業 日 が 新 たな 上 限 期 間 とな る この 結 果 当 初 の 会 員 破 綻 日 から 計 55 営 業 日 間 が 上 限 期 間 となる このように 上 限 期 間 を 30 営 業 日 更 新 ベースとする 理 由 は リーマン 危 機 のような 過 去 の 深 刻 な 金 融 危 機 の 状 況 を 勘 案 した 場 合 最 初 の 会 員 破 綻 後 少 なくとも 30 営 業 日 程 度 は 当 該 破 綻 によっ て 作 り 出 された 市 場 のストレス 下 で 次 の 会 員 が 破 綻 するリスクが 高 いと 考 えられ その 後 実 際 にそ の 破 綻 が 生 じた 場 合 は 同 様 にその 後 連 鎖 的 に 他 の 会 員 が 破 綻 するリスクが 高 いことから これら 一 連 の 期 間 を 市 場 のストレス 状 態 が 続 く 一 つの 金 融 危 機 期 間 として 捉 えることが 望 ましいと 思 われるからである 9 JSCC の CDS 及 び 金 利 スワップの 清 算 においても 損 失 額 上 位 2 社 をカバーできるよう 清 算 基 金 の 所 要 額 算 出 モデルが 設 計 されている 8
3. 上 限 期 間 中 の 当 初 証 拠 金 の 追 加 預 託 義 務 最 初 の 会 員 の 破 綻 以 降 CCP は 非 破 綻 会 員 の 清 算 基 金 所 要 額 を 日 次 で 算 出 し 破 綻 時 の 清 算 基 金 所 要 額 比 10% 超 の 増 加 となった 会 員 に 対 しては その 増 加 超 過 額 分 を 当 初 証 拠 金 として 追 加 預 託 することを 義 務 づける なお 非 破 綻 会 員 は 上 限 期 間 の 終 了 とともに 当 該 義 務 を 負 わないこととする 上 限 期 間 終 了 後 当 該 追 加 預 託 した 当 初 証 拠 金 は 会 員 に 返 還 され その 時 点 の 清 算 基 金 所 要 額 に 基 づく 清 算 基 金 の 拠 出 を 義 務 付 ける 別 添 2 の 2 頁 ISDA Japan ワーキンググループ 案 の 例 においては 延 長 後 の 上 限 期 間 であ る Day D+55 までの 間 非 破 綻 会 員 が 例 えば デフォルト オークションで 落 札 したポジションを 追 加 する あるいは 新 規 に 清 算 集 中 取 引 を 実 施 する 等 を 通 じて ポジションを 増 加 させた 結 果 清 算 基 金 所 要 額 が 破 綻 時 の 清 算 基 金 所 要 額 比 10% 超 の 増 加 となった 場 合 その 増 加 分 を 清 算 基 金 としてではなく 当 初 証 拠 金 の 形 で 当 該 会 員 に 追 加 預 託 を 求 める なお その 後 の 増 加 額 は 破 綻 時 の 清 算 基 金 所 要 額 に 上 限 期 間 中 に 当 該 当 初 証 拠 金 の 形 で 追 加 預 託 した 額 を 積 算 したもの を 基 準 として 計 算 する このような 追 加 的 な 拠 出 を 求 める 理 由 は 上 限 期 間 中 の 市 場 がストレスの 状 況 下 で 流 動 性 の 低 下 と 大 きな 価 格 変 動 が 予 想 される 中 ポジションを 大 きく 増 加 させる 会 員 に 対 しては CCP の 安 定 性 の 観 点 から 十 分 に 保 守 的 な 信 用 補 完 を 実 施 する 必 要 があると 考 えられるからである 通 常 の 当 初 証 拠 金 に 加 えて 清 算 基 金 の 所 要 額 に 基 づいて 追 加 預 託 を 求 める 理 由 は そもそも 当 初 証 拠 金 の 所 要 額 算 出 モデルは 市 場 が 極 度 のストレスにある 状 況 ではなく 通 常 の 市 場 環 境 を 前 提 としていることによる 一 方 で 清 算 基 金 の 算 出 モデルは 金 融 危 機 時 の 市 場 のストレス 状 況 を 前 提 としていることから 清 算 基 金 の 所 要 額 をベースとした 追 加 預 託 を 当 該 会 員 から 受 けるこ とで CCP の 安 定 性 を 十 分 に 確 保 しようと 意 図 している また 追 加 預 託 を 清 算 基 金 としてではなく 当 初 証 拠 金 として 求 める 理 由 は 当 該 信 用 補 完 はあ くまでポジションを 大 きく 増 加 させた 非 破 綻 会 員 の 破 綻 に 対 するものであって それ 以 外 の 非 破 綻 会 員 の 破 綻 に 対 するものではないためである 他 の 非 破 綻 会 員 の 破 綻 から 生 じた 損 失 の 補 填 に 充 当 される 清 算 基 金 は あくまでも 最 初 の 破 綻 時 に 拠 出 していた 清 算 基 金 (Funded Obligation)と 同 額 一 回 限 りの 清 算 基 金 の 追 加 預 託 (Unfunded Obligation) の 合 計 額 に 上 限 期 間 中 限 定 されるべ きと 考 える さらに 追 加 預 託 を 当 初 証 拠 金 として 実 施 することで 当 該 会 員 が 破 綻 した 場 合 は リ スク ウォーターフォールにおける 第 一 順 位 として 損 失 補 填 に 充 当 されることから 上 限 期 間 中 のポ ジション 増 加 に 対 する 信 用 補 完 としてより 適 切 であると 考 える なお 別 添 2 の 2 頁 の 例 では Day D+56 に 上 限 期 間 終 了 後 新 たな 清 算 基 金 の 拠 出 がなされ この 拠 出 と 引 き 換 えに 上 記 の 追 加 預 託 された 当 初 証 拠 金 は 会 員 に 返 還 されることとなる 4. ポジション 清 算 の 完 了 による 退 会 要 件 の 充 足 (vs. CCP による 退 会 の 承 認 ) 会 員 破 綻 が 発 生 していない 状 況 (すなわち 上 限 期 間 の 外 )では 会 員 による 事 前 の 退 会 通 知 後 当 該 会 員 のポジション 清 算 が 完 了 した 時 点 又 は 退 会 通 知 から 30 営 業 日 が 経 過 した 時 点 のいずれか 遅 い 時 点 で 退 会 通 知 から 30 営 業 日 が 経 過 しておらずとも( 承 認 手 続 き 等 の CCP による 特 段 の 行 為 を 要 することなく) 退 会 が 成 立 するものとする 一 方 会 員 破 綻 が 発 生 した 状 況 (すな わち 上 限 期 間 中 )では 当 該 会 員 のポジション 清 算 が 完 了 した 時 点 で( 承 認 手 続 き 等 の CCP による 特 段 の 行 為 を 要 することなく) 退 会 の 要 件 を 満 たしたこととし 上 限 期 間 の 終 了 とともに 直 ちに 退 会 が 成 立 するものとする 9
いずれの 場 合 においても CCP による 退 会 の 承 認 制 度 は 会 員 の 退 会 の 有 効 性 にかかる 不 確 実 性 を 排 除 する 観 点 から これを 廃 止 する なお ポジション 清 算 の 完 了 が CCP によって 確 認 されなかった 場 合 退 会 要 件 を 充 足 しないことから 退 会 は 無 効 であったことになり 当 該 会 員 は デフォルト オークションへの 参 加 を 含 めた 会 員 として 求 められるすべての 義 務 に 服 さ なければならない また 非 破 綻 会 員 の 清 算 基 金 が 破 綻 会 員 の 損 失 補 償 に 費 消 された 時 点 で それ 以 降 に 申 請 される 会 員 の 入 会 ( 新 規 再 入 会 を 問 わず)については CCP の 委 員 会 (JSCC の 場 合 IRS 運 営 委 員 会 CDS リスク 委 員 会 )において 入 会 条 件 の 見 直 し( 例 : 資 格 要 件 の 見 直 しや 追 加 の 出 資 を 条 件 とする etc.)を 検 討 する 別 添 3 清 算 会 員 の 退 会 ルールと 退 会 通 知 後 に 負 う 義 務 の 1 頁 JSCC の CDS 清 算 ( 現 行 制 度 ) にある 通 り JSCC の 現 行 制 度 では JSCC は 退 会 の 申 請 をした 会 員 のポジション 清 算 を 確 認 後 すみやかに 退 会 を 承 認 する としている このように CCP に 退 会 の 承 認 権 限 を 付 与 すると 例 えば 金 融 危 機 の 状 況 下 で 清 算 会 員 の 相 次 ぐ 退 会 を 恐 れて CCP が 承 認 プロセスに 時 間 を 要 していること 等 を 事 由 として 承 認 の 時 期 を 遅 らせてしまう といった 形 での 裁 量 性 を 残 してしまう 可 能 性 がある また CCP がポジションの 清 算 をシステム 上 確 認 したことから 退 会 の 承 認 を 行 ったものの そ の 後 システムのバグが 原 因 で 一 部 清 算 済 み 取 引 の 取 引 残 高 が 画 面 上 反 映 されていなかったこと を 発 見 した 場 合 当 該 承 認 を 取 り 消 すということはできない という 問 題 も 生 じ 得 る これらの 退 会 の 有 効 性 にかかる 不 確 実 性 を 解 消 する 観 点 から 別 添 3 の 2 頁 ISDA Japan ワ ーキンググループ 案 の 通 り CCP による 退 会 の 承 認 制 度 を 廃 止 し 会 員 のポジション 清 算 の 完 了 により 退 会 要 件 が 満 たされる 仕 組 みを 提 案 する なお 会 員 のポジション 清 算 の 完 了 は CCP によって 事 後 的 に 検 証 される 10 検 証 の 結 果 事 実 としてポジション 清 算 が 確 認 できなかった 場 合 当 該 会 員 の 退 会 要 件 は 満 たされていなかったも のとして デフォルト オークションへの 参 加 を 含 めた 清 算 会 員 として 負 うべきすべての 義 務 に 継 続 的 に 服 することとなる オークション 参 加 回 避 を 目 的 に 安 易 な 退 会 再 入 会 を 繰 り 返 すといった 不 合 理 な 行 動 や 金 融 危 機 時 の 突 然 の 退 会 により 残 存 会 員 に 大 きな 追 加 負 担 を 強 いるような 結 果 になることも 考 えられるこ とから 再 入 会 時 に 一 定 のチェック 機 能 を 設 けるかどうかについて WG で 議 論 がなされた 会 員 の 再 入 会 は CCP の 収 益 面 への 貢 献 だけでなく 損 失 補 償 財 源 の 安 定 性 回 復 の 観 点 から も むしろ 歓 迎 すべきであること また 行 動 の 不 合 理 性 の 判 断 は 主 観 的 にならざるを 得 ないこと 等 から CCP 規 則 を 満 たした 上 での 11 退 会 再 入 会 という 会 員 の 行 動 に 対 してペナルティを 課 した り 参 入 障 壁 を 設 けるべきではない との 結 論 に 至 った 一 方 で 破 綻 処 理 に 伴 う 損 失 負 担 が 非 破 綻 会 員 の 清 算 基 金 に 及 ぶ 事 態 は 清 算 会 員 の 資 格 要 件 を 含 む CCP のリスク 管 理 全 体 に 見 直 しが 必 要 な 状 況 と 見 込 まれる また CCP の 損 失 補 償 財 源 が 大 きく 毀 損 してしまっており 既 存 清 算 会 員 を 含 めて 何 らかの 追 加 的 な 補 強 策 が 必 要 となって いる 懸 念 がある そこで WG としては 非 破 綻 会 員 の 清 算 基 金 が 破 綻 会 員 の 損 失 補 償 に 費 消 さ れた 時 点 で それ 以 降 に 申 請 される 会 員 の 入 会 ( 新 規 再 入 会 を 問 わず)については CCP の 委 員 10 ポジションの 清 算 は 期 限 前 解 約 や 他 の 清 算 会 員 への 取 引 移 管 によって 実 施 される 例 えば JSCC の 金 利 スワップ 清 算 の 場 合 毎 朝 午 前 10:00 時 点 のイールド カーブで 日 中 証 拠 金 所 要 額 算 出 を 行 う 予 定 JSCC は その 前 の 時 点 でも 適 宜 システム 上 の 検 証 は 可 能 ではあるが 遅 くともこの 時 点 で 定 期 的 にポジションの 清 算 事 実 を 検 証 できる 11 CCP の 規 則 に 違 反 している 場 合 は 当 然 に CCP の 措 置 評 価 委 員 会 での 審 議 の 対 象 となる 10
会 (JSCC の 場 合 IRS 運 営 委 員 会 CDS リスク 委 員 会 )において 入 会 条 件 の 見 直 し( 例 : 資 格 要 件 の 見 直 しや 追 加 の 出 資 を 条 件 とする etc.)を 検 討 する を 提 案 する なお 入 会 条 件 の 見 直 し にあたっては 当 該 条 件 が 事 実 上 の 参 入 障 壁 となったり 既 存 会 員 を 優 越 的 に 取 り 扱 う 等 の 公 正 性 上 の 問 題 が 生 じないよう 十 分 に 配 慮 すべきである 5. 30 営 業 日 の 退 会 の 事 前 通 知 義 務 上 記 4 の 通 り 上 限 期 間 の 外 において 会 員 がポジショ ン 清 算 の 完 了 により 退 会 しようとする 場 合 は 最 低 30 営 業 日 の 事 前 通 知 を 義 務 づける 一 方 上 限 期 間 中 に ポジション 清 算 の 完 了 により 退 会 しようとする 場 合 は 30 営 業 日 の 事 前 通 知 ルールは 適 用 されない 別 添 3 の 2 頁 上 段 の 通 り 上 限 期 間 の 外 において 退 会 しようとする 場 合 退 会 通 知 後 少 なくとも 30 営 業 日 が 経 過 していない 限 り たとえポジション 清 算 が 完 了 していても 退 会 要 件 を 充 足 せず 退 会 が 成 立 しない 仕 組 みを 提 案 する リーマン 危 機 をはじめとする 過 去 の 金 融 危 機 の 教 訓 は 実 際 に 破 綻 する 前 の 金 融 危 機 が 表 面 化 した 時 点 で 市 場 参 加 者 は 敏 感 に 反 応 し 取 引 関 係 の 解 消 や 担 保 の 回 収 に 一 斉 に 動 き それがさ らに 破 綻 の 時 期 を 一 層 早 めることになった ということである したがって 清 算 集 中 取 引 について も 最 初 の 破 綻 に 伴 う 上 限 期 間 の 開 始 前 において こうした 最 低 30 営 業 日 の 事 前 通 知 義 務 を 付 す ことで 破 綻 直 前 に 他 の 清 算 会 員 が 一 斉 にポジションを 清 算 し 競 うようにして 退 会 するような 事 態 を 回 避 することを 意 図 している 一 方 で 別 添 3 の 2 頁 下 段 の 通 り 退 会 通 知 の 時 期 によらず 上 限 期 間 内 に 退 会 しようとする 場 合 30 営 業 日 の 事 前 通 知 義 務 を 要 求 することなく ポジション 清 算 の 完 了 をもって 退 会 要 件 を 満 たしたこととし 上 限 期 間 の 終 了 とともに 直 ちに 退 会 が 成 立 するとすべきである 会 員 が 実 際 に 破 綻 し 金 融 危 機 が 現 実 のものとなった 段 階 においては 下 記 6 退 会 有 効 後 の 清 算 基 金 拠 出 義 務 の 継 続 及 びポジション 清 算 の 完 了 による 退 会 要 件 の 充 足 を 条 件 に 当 該 ポジ ション 清 算 を 完 了 した 会 員 については 清 算 会 員 としてのオークションへの 参 加 義 務 を 清 算 基 金 の 優 先 費 消 を 条 件 として 免 除 されることを 選 択 することが 可 能 とすべきと 考 える その 理 由 としては このような 状 況 下 で ポジションの 清 算 が 完 了 した 後 も 例 外 なくオークションへの 参 加 を 強 要 される とした 場 合 デフォルト オークションへの 参 加 に 伴 い 再 びポジション 残 高 が 生 じ 1) 当 初 証 拠 金 の 追 加 預 託 のために 急 遽 資 金 調 達 を 求 められること 2) 当 該 ポジションの 清 算 に 時 間 がかかり 結 局 次 の 上 限 期 間 において 再 び 清 算 基 金 (Funded Obligation)と 同 額 一 回 限 りの 清 算 基 金 の 追 加 預 託 (Unfunded Obligation) の 合 計 額 を 上 限 とした 債 務 を 負 うこと などから 逆 に 当 該 会 員 が 連 鎖 的 な 破 綻 に 追 い 込 まれるリスクを 高 めると 考 えるからである 6. 退 会 要 件 充 足 後 の 清 算 基 金 拠 出 義 務 の 継 続 上 限 期 間 中 に 退 会 要 件 を 満 たした 会 員 も 当 該 上 限 期 間 中 は 引 き 続 き 最 初 の 破 綻 時 に 拠 出 していた 清 算 基 金 (Funded Obligation)と 同 額 一 回 限 りの 清 算 基 金 の 追 加 預 託 (Unfunded Obligation) の 合 計 額 を 上 限 として 清 算 基 金 の 拠 出 義 務 を 負 う なお 上 限 期 間 が 終 了 した 時 点 で 退 会 が 成 立 し 当 該 義 務 を 負 わない 別 添 3 の 1 頁 下 段 の 通 り JSCC の CDS 清 算 業 務 における 現 行 ルールでは 退 会 の 承 認 に 伴 い 清 算 基 金 再 拠 出 の 義 務 は 免 除 されることとなる 退 会 の 承 認 の 前 提 がポジション 清 算 であること から ポジションを 一 日 でも 早 く 清 算 し 退 会 の 承 認 を 得 て 次 の 会 員 のデフォルトに 伴 い CCP から 11
要 請 されるかもしれない 清 算 基 金 の 再 拠 出 義 務 を 免 れよう という 行 動 原 理 が 非 破 綻 清 算 会 員 に 働 く このような 制 度 設 計 は 深 刻 な 金 融 危 機 下 で 非 破 綻 会 員 が 競 って CCP から 退 会 をしようと 一 斉 にポジションを 清 算 する 結 果 となり 市 場 のストレス 状 況 を 高 め 危 機 を 悪 化 させる 状 況 につながり かねない と 考 える そこで 別 添 3 の 2 頁 下 段 の 通 り 上 限 期 間 中 においては 会 員 の 退 会 要 件 を 満 たした 後 であっ ても 引 き 続 き 清 算 基 金 (Funded Obligation)と 同 額 一 回 限 りの 清 算 基 金 の 追 加 預 託 (Unfunded Obligation) の 合 計 額 を 上 限 とする 債 務 を 負 う 制 度 へと 変 更 することを 提 案 する こうすることで 退 会 要 件 を 満 たした 時 期 によらず 上 限 期 間 に 入 れば その 期 間 内 のどの 時 点 においてポジションを 清 算 し 退 会 要 件 を 満 たしたとしても 会 員 の 負 うべき 債 務 の 観 点 からは 違 い がなくなり 上 記 のような 非 破 綻 会 員 が 競 って CCP から 退 会 をしようと 一 斉 にポジションを 清 算 す る 事 態 を 回 避 できるものと 考 える 7. ポジション 清 算 完 了 までのデフォルト オークション 参 加 義 務 退 会 しようとしている 会 員 ( 退 会 通 知 をした 会 員 )であっても ポジションの 清 算 が 完 了 し 退 会 要 件 を 満 たすまでは その 間 に 発 生 した 会 員 の 破 綻 に 伴 い 実 施 されるデフォルト オークションへの 参 加 義 務 を 負 う なお ポジ ションの 清 算 が 完 了 し 退 会 要 件 を 満 たした 時 点 で 当 該 会 員 については 清 算 基 金 の 優 先 費 消 を 条 件 として 上 限 期 間 中 のそれ 以 降 に 発 生 した 会 員 の 破 綻 に 伴 い 開 催 されるオークション への 参 加 義 務 を 免 除 されることを 選 択 できる 別 添 3 の 1 頁 下 段 の 通 り JSCC の CDS 清 算 業 務 における 現 行 ルールでは 退 会 申 請 後 か つ 退 会 の CCP による 承 認 前 に 会 員 の 破 綻 が 生 じ デフォルト オークションが 開 催 される 場 合 においては 当 該 オークションへの 参 加 を 義 務 づけている また 退 会 の 承 認 後 に 発 生 した 会 員 の 破 綻 については オークション 参 加 義 務 を 負 わないとしている 別 添 3 の 2 頁 下 段 の 通 り 上 記 と 基 本 的 に 考 え 方 は 同 じで 退 会 の CCP による 承 認 ではなく ポジション 清 算 の 完 了 をもっての 退 会 要 件 を 満 たしたのが 破 綻 の 前 か 後 かで オークションへの 参 加 義 務 の 有 無 を 区 別 することを 提 案 する 退 会 要 件 の 充 足 後 も 上 限 期 間 は 引 き 続 きデフォルト オークションへの 参 加 を 義 務 づけるという 考 え 方 もあるが 退 会 しようとポジションを 一 度 清 算 した 会 員 が オークション 落 札 で 再 びポジションを 保 有 する 結 果 となり 再 びそのポジションを 清 算 し 退 会 しようとしているうちに 次 の 破 綻 が 生 じ さら にオークションに 参 加 する 等 の 事 態 が 考 えられる 特 に WG の 今 回 の 提 案 においては 上 限 期 間 中 の 新 たな 破 綻 毎 に 30 営 業 日 更 新 される 上 限 期 間 を 提 案 しているため このような 制 度 設 計 にしてしまうと 実 質 的 に 会 員 の 退 会 の 道 を 閉 ざして しまうばかりか 無 用 の 債 務 を 当 該 会 員 に 負 わせ 続 けることで 連 鎖 的 な 破 綻 リスクを 高 めることに なることから ポジション 清 算 の 完 了 による 退 会 要 件 の 充 足 後 に 発 生 した 会 員 の 破 綻 に 伴 い 開 催 さ れるデフォルト オークションへの 参 加 は 義 務 であるものの 当 該 上 限 期 間 中 の 清 算 基 金 の 優 先 的 な 費 消 を 条 件 として 当 該 義 務 を 免 除 されることが 選 択 できるような 制 度 とすべきと 考 える 別 添 4 オークションの 方 式 の 通 り 店 頭 デリバティブ 取 引 にかかるデフォルト オークションの 方 式 としては 標 準 化 の 進 んでいない 商 品 ( 例 : 金 利 スワップ 取 引 )の 場 合 には Standard Auction 12
を 12 標 準 化 された 商 品 ( 例 :CDS)の 場 合 には Modified Dutch Auction を 用 いることが 一 般 的 で ある Standard Auction 方 式 でデフォルト オークションを 実 施 した 場 合 落 札 者 は 破 綻 者 ポートフォリ オを 1 社 にて 全 額 引 き 受 ける 必 要 がある ポジションを 清 算 し 退 会 を 有 効 にしていた 非 破 綻 会 員 に このような 大 量 の 取 引 と 大 きなポジションを 新 たに 保 有 することを 強 要 するのは 問 題 であると 考 え る 一 方 で Modified Dutch Auction 方 式 で 実 施 した 場 合 破 綻 者 ポートフォリオの 一 定 割 合 分 を 落 札 することが 可 能 であり ポジションを 清 算 した 非 破 綻 会 員 がオークションに 参 加 したとしても 新 た に 保 有 することとなる 取 引 とポジションを 当 該 非 破 綻 会 員 が 許 容 できると 考 える 範 囲 にとどめること が 可 能 とも 思 われる ただし Modified Dutch Auction 方 式 でデフォルト オークションを 実 施 する 場 合 であっても 上 記 と 同 様 の 理 由 により ポジションを 清 算 し 退 会 要 件 を 満 たした 非 破 綻 会 員 に オークションへの 参 加 を 強 要 することは やはり 適 切 ではないと 考 える 8. 退 会 要 件 を 満 たした 会 員 によるデフォルト オークション 参 加 の 許 容 上 限 期 間 中 にポジション 清 算 が 完 了 し 退 会 要 件 を 満 たした 会 員 について 清 算 基 金 の 優 先 費 消 を 条 件 としてデフォル ト オークションへの 参 加 義 務 の 免 除 を 選 択 したとしても 当 該 上 限 期 間 中 それ 以 降 に 発 生 した 会 員 の 破 綻 に 伴 い 実 施 されるデフォルト オークションへの 参 加 については 希 望 すれば 許 容 さ れる なお 当 該 オークションにおける 落 札 に 伴 い 新 たにポジションを 保 有 し かつ 当 該 ポジ ションを 上 限 期 間 中 に 清 算 できない 場 合 上 限 期 間 終 了 時 点 において 退 会 要 件 を 満 たしてい ないことから 当 該 会 員 の 退 会 は 成 立 せず 当 該 会 員 は 当 該 上 限 期 間 終 了 時 点 においてCC Pの 会 員 として 求 められる 清 算 基 金 拠 出 義 務 を 負 うこととなる ただし 上 記 7 の 退 会 の 効 力 発 生 後 のデフォルト オークションへの 参 加 義 務 については 参 加 義 務 を 免 除 するとしても 深 刻 な 金 融 危 機 下 の CCP の 安 定 性 を 勘 案 すると 当 該 オークションの 成 立 を 期 するために 極 力 オークション 参 加 者 の 数 を 維 持 しておきたい という 側 面 もある したが って WG としては 上 限 期 間 中 にポジション 清 算 により 退 会 要 件 を 満 たし 清 算 基 金 の 優 先 費 消 を 条 件 としてデフォルト オークションへの 参 加 義 務 の 免 除 を 選 択 した 会 員 であっても 当 該 上 限 期 間 中 に 開 催 されるオークションについては 参 加 を 認 める 制 度 を 提 案 する なお 上 限 期 間 中 に 退 会 通 知 をした 上 で ポジション 清 算 を 完 了 して 退 会 要 件 を 満 たし 会 員 につ いて 上 述 のように オークションへの 参 加 を 義 務 付 けたうえで 一 定 の 負 担 を 条 件 にオークションへ の 不 参 加 を 選 択 することを 可 能 とする 制 度 とした 場 合 は 当 該 会 員 が その 後 に 発 生 した 会 員 の 破 綻 に 伴 い 実 施 されるオークションに( 当 該 ペナルティの 負 担 を 免 れるため) 参 加 するものの 落 札 し ないように 極 端 に 悪 いプライス を 提 示 するのではないか との 懸 念 もある WG としては このような 懸 念 に 対 応 すべく ポジション 清 算 を 完 了 して 退 会 要 件 を 満 たした 会 員 に 限 定 することなく オークションに 参 加 したすべての 会 員 を 対 象 として オークション 実 施 後 すみや かに CCP が 別 添 6 の オークションの 極 端 に 悪 いプライス の 定 義 と 清 算 基 金 等 の 優 先 費 消 の 考 え 方 に 基 づいて 極 端 に 悪 いプライス の 判 定 を 行 う 仕 組 みを 提 案 する 12 金 利 スワップ 取 引 の 場 合 でも 破 綻 者 のポートフォリオの 構 成 次 第 では Modified Dutch Auction 方 式 によるデフォルト オーク ションも 可 能 である なお Modified Dutch Auction 方 式 の 方 が 一 般 的 にオークションの 成 立 可 能 性 が 高 いと 言 われている 13
極 端 に 悪 いプライス と 認 定 された 場 合 ペナルティとして 当 該 オークション 及 びその 後 上 限 期 間 中 に 実 施 されるすべてのオークション 後 に 行 われる 非 破 綻 会 員 の 清 算 基 金 による 損 失 補 償 にお いて 優 先 費 消 のステータスとなる を 課 すものとする また これとは 別 に より 高 い 価 格 での 入 札 の 成 立 を 確 保 するため オークション 毎 に 落 札 者 に 対 する 清 算 基 金 の 劣 後 費 消 のインセンティブ 制 度 を 導 入 する なお 優 先 費 消 のステータスにある 会 員 がオークションで 落 札 した 場 合 は 当 該 上 限 期 間 中 の 以 降 の 優 先 費 消 のステータスは 取 り 消 しと なり 代 わりに 当 該 オークションにおける 劣 後 費 消 のインセンティブも 取 り 消 される 上 記 の 提 案 1~7 については 破 綻 発 生 時 の 会 員 のステータスを 退 会 申 請 をしていない 清 算 会 員 退 会 を 通 知 した 会 員 ( 退 会 の 要 件 を 満 たしていない 会 員 ) 退 会 の 要 件 を 満 たした 会 員 ( 退 会 申 請 し ポジションの 清 算 を 完 了 させた 会 員 ) 退 会 した 会 員 ( 退 会 の 要 件 を 満 たし かつ 上 限 期 間 の 終 了 をもって))に 4 分 類 し それぞれについてどのような 義 務 に 服 するのかを 一 覧 でき るよう 別 添 5 DMP 義 務 関 係 整 理 表 にまとめたので ご 参 照 されたい 9. 他 の CCP へのポジション 移 転 及 び 資 本 再 調 達 にかかる 事 前 ルール CCP は すべての 非 破 綻 会 員 による 保 有 ネット ポジション 一 括 清 算 の 代 替 案 として 当 該 ポジションの 他 の CCP ( 例 :LCH SwapClear, SGX-DC)への 移 転 につき 事 前 ルールを 策 定 すべきである また CCP は 金 融 危 機 の 到 来 前 に CCP の 損 失 補 填 用 資 金 ( 例 :JSCC の CDS 清 算 の 場 合 現 状 40 億 円 )が 枯 渇 した 場 合 の CCP による 資 本 再 調 達 計 画 を 策 定 すべきである 特 に 取 引 件 数 が 大 量 になると 予 想 される 金 利 スワップ 取 引 の 清 算 集 中 の 場 合 別 添 1 JSCC の CDS 清 算 におけるリスク ウォーターフォール の 最 終 手 段 である すべてのポジションを 期 限 前 終 了 すなわち すべての 非 破 綻 会 員 による 保 有 ネット ポジション 一 括 清 算 は 現 実 的 には 大 きな 労 力 と 長 い 時 間 を 要 する 作 業 となり 円 滑 な 破 綻 処 理 の 観 点 から 必 ずしも 望 ましい 制 度 ではな い そこで WG としては 制 度 としてはこれを 維 持 しつつも その 代 替 案 として 当 該 ポジション 13 の 他 の CCP( 例 :LCH SwapClear, SGX-DC)への 移 転 につき 事 前 ルールを 策 定 することを JSCC に 提 案 する 特 に 我 が 国 の 金 融 危 機 下 で 清 算 会 員 の 日 系 金 融 機 関 が 連 鎖 的 に 破 綻 するような 最 悪 の 状 況 下 では 海 外 の CCP の 清 算 会 員 として 円 金 利 スワップや CDS の 清 算 集 中 をすでに 実 施 している 外 資 系 及 び 一 部 日 系 金 融 機 関 が 破 綻 者 のポジションを 当 該 海 外 の CCP へ 移 転 する 14 ことで より 円 滑 な 破 綻 処 理 を 進 めることができる 場 合 も 考 えられる また 現 行 の JSCC の CDS 清 算 においては 別 紙 1 の JSCC による 拠 出 金 (40 億 円 上 限 ) が 枯 渇 した 場 合 CCP による 再 拠 出 は 制 度 として 担 保 されていない そこで 短 期 間 に 複 数 会 員 の 破 綻 が 生 じた 場 合 CCP の 財 政 的 な 安 定 が 大 きく 損 なわれる 事 態 が 継 続 してしまう 構 造 となっている WG としては JSCC が このような 不 測 の 事 態 への 対 応 を 念 頭 に 平 時 より 計 画 的 に 資 本 充 実 を 図 るとともに 金 融 危 機 の 兆 しが 出 た 段 階 で 機 動 的 に 増 資 をして JSCC による 再 拠 出 を 可 能 にす る 等 の 資 本 再 調 達 の 計 画 を 事 前 に 策 定 しておくべき と 考 える 13 なお 破 綻 会 員 のポジションをそのまま 他 の CCP に 移 転 することも 考 えられるが その 場 合 当 該 CCP の 会 員 により 再 びオー クションにかけるなどの 案 も 考 えられる より 具 体 的 な 仕 組 みについて 今 後 主 要 CCP 間 で 議 論 されることを 強 く 期 待 する 14 特 に 非 破 綻 会 員 が 海 外 の CCP において 反 対 サイドのポジションを 保 有 している 場 合 は ポジションの 移 転 のインセンティブは 大 きいものと 考 えられる また 同 様 のポジション 移 転 の 事 前 ルールを 海 外 の 主 要 CCP と 相 互 に 定 めることで 例 えば 逆 に LCH SwapClear から JSCC へとポジションを 移 転 することも 可 能 となる 14
10. CCP の 業 務 継 続 にかかる 法 的 に 有 効 な 枠 組 み CCP は 短 期 間 における 複 数 会 員 の 破 綻 後 も 清 算 業 務 が 法 的 に 有 効 な 形 で 継 続 できるような 枠 組 みを 整 備 すべきである 具 体 的 に は 以 下 の 点 について 法 的 な 不 透 明 性 が 残 らないようにすべきである 1) 破 綻 会 員 からの CCP による 債 権 回 収 2)JSCC のように 複 数 資 産 の 清 算 業 務 を 同 一 の 法 人 傘 下 で 実 施 して いる 場 合 他 の 資 産 ( 例 : 上 場 商 品 )の 清 算 業 務 の 状 況 に 依 存 することのない 店 頭 デリバティブ の 清 算 業 務 の 継 続 3)すべての 非 破 綻 会 員 による 保 有 ネット ポジションの 一 括 清 算 にかかる 資 産 を 一 連 の 破 綻 後 新 たに 発 生 する 引 受 債 務 と 分 離 する 形 での CCP の 再 建 ( 銀 行 の 経 営 破 綻 後 の 再 建 スキームにおいてみられるような 資 産 を Bad Bank と Good Bank とに 隔 離 しての 業 務 の 継 続 に 類 似 したもの) 短 期 間 に 複 数 会 員 が 破 綻 するような 事 態 においても JSCC の 清 算 業 務 が 安 定 的 に 継 続 するこ とは 金 融 危 機 の 沈 静 化 の 観 点 からも 極 めて 重 要 である したがって 業 務 を 継 続 をする 上 で 法 的 な 不 安 定 性 が 残 らないよう 制 度 的 に 万 全 を 期 すべきと 考 える まず JSCC による 破 綻 会 員 に 対 する 債 権 回 収 にあたり 本 邦 の 倒 産 法 制 に 照 らして 法 的 な 不 安 定 性 が 残 らないように 担 保 しておく 必 要 がある 破 綻 会 員 から 債 権 回 収 が 確 実 になされ 損 失 補 填 を 様 々な 形 で 実 施 した 非 破 綻 会 員 へその 回 収 分 の 一 定 割 合 が 返 還 されることは 仮 に 非 破 綻 会 員 と 追 加 的 な 損 失 補 填 を 協 議 する 上 でも 重 要 な 前 提 となるものと 考 える また JSCC は 複 数 資 産 の 清 算 業 務 を 同 一 の 法 人 傘 下 で 実 施 していることから 例 えば 店 頭 デリバティブの 清 算 会 員 であり かつ 上 場 商 品 の 清 算 会 員 でもある 会 員 が 破 綻 した 場 合 上 場 商 品 破 綻 処 理 が 完 了 していないとの 理 由 で 店 頭 デリバティブの 破 綻 処 理 が 執 行 できない 事 態 が 生 じないよう 法 的 な 透 明 性 を 確 保 すべきである さらに すべての 非 破 綻 会 員 による 保 有 ネット ポジションの 一 括 清 算 を 実 施 するような 状 況 に 至 った 場 合 においては 銀 行 の 経 営 破 綻 後 の 再 建 スキームにおいてみられるような 資 産 を Bad Bank と Good Bank とに 隔 離 しての 業 務 の 継 続 に 類 似 した 形 で 例 えば 自 己 信 託 の 方 法 により 一 括 清 算 対 象 の 資 産 を A 勘 定 で 一 連 の 破 綻 後 新 たに 発 生 する 引 受 債 務 を B 勘 定 と 分 離 する 形 で CCP が 結 果 として 債 務 超 過 のため 破 綻 することのないよう CCP の 再 建 スキームを 事 前 に 策 定 しておくべきと 考 える 以 上 15
ISDA Japan CCP DMP ワーキンググループ メンバー リスト Aozora Bank Bank of America Merrill Lynch Bank of Tokyo-Mitsubishi UFJ Barclays Capital BNP Paribas Citi Credit Suisse Deutsche Bank Goldman Sachs J.P.Morgan Chase Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Mitsubishi UFJ Trust and Banking Mizuho Bank Mizuho Corporate Bank Mizuho Securities Morgan Stanley MUFJ Nomura Securities Resona Bank Royal Bank of Scotland Shinsei Bank Sumitomo Mitsui Banking Corporation Sumitomo Trust and Banking UBS Linklaters Nishimura & Asahi 16
別 添 1 JSCC の CDS 清 算 におけるリスク ウォーターフォール JSCC (CDS) 破 綻 参 加 者 の 当 初 証 拠 金 破 綻 参 加 者 の 清 算 基 金 JSCCによる 拠 出 金 (40 億 円 上 限 ) 生 存 参 加 者 の 清 算 基 金 生 存 参 加 者 による 追 加 預 託 ( 清 算 基 金 と 同 額 を 上 限 ) 変 動 証 拠 金 の 勝 ち 方 による 負 担 ( 勝 ち 方 分 を 上 限 ) JSCCと 生 存 参 加 者 による 協 議 にて 合 意 した 負 担 すべてのポジションを 期 限 前 終 了
別 添 2 短 期 間 の 複 数 清 算 会 員 破 綻 下 における 清 算 基 金 及 び 委 託 証 拠 金 の 拠 出 義 務 JSCC の CDS 清 算 ( 現 行 制 度 ) 30 営 業 日 の 冷 却 期 間 通 常 時 次 の30 営 業 日 の 冷 却 期 間 D D+25 D+30 D+31 D+60 Default of CM1 Default of CM2 Default of CM3 清 算 基 金 Funded obligation (デフォルト 前 から 預 託 していたもの) + 清 算 基 金 再 拠 出 Funded obligation ( 清 算 基 金 が 不 足 枯 渇 した 場 合 次 の デフォルトに 備 えて 拠 出 ) 清 算 基 金 再 拠 出 Funded obligation ( 清 算 基 金 が 不 足 枯 渇 した 場 合 次 の デフォルトに 備 えて 拠 出 ) 30 営 業 日 の 冷 却 期 間 中 で あっても 清 算 会 員 が 連 鎖 的 に 複 数 破 綻 した 場 合 そ の 度 に 清 算 基 金 の 再 拠 出 を 求 められるという 意 味 で 債 務 額 は 無 限 となる + 清 算 基 金 再 拠 出 Funded obligation ( 清 算 基 金 が 不 足 枯 渇 した 場 合 次 の デフォルトに 備 えて 拠 出 ) 清 算 基 金 の 追 加 預 託 清 算 基 金 の 追 加 預 託 Unfunded obligation ( 清 算 基 金 が 破 綻 に より 枯 渇 した 場 合 30 営 業 日 の 冷 却 期 間 中 一 回 だけその 時 点 で 拠 出 していた 清 算 基 金 と 同 額 分 追 加 預 託 ) 清 算 基 金 の 再 計 算 は 個 別 の 破 綻 処 理 の 完 了 を 待 って 再 開 され その 後 破 綻 がない 場 合 は 通 常 通 り 週 次 で 実 施 される Unfunded obligation ( 清 算 基 金 が 破 綻 に より 枯 渇 した 場 合 30 営 業 日 の 冷 却 期 間 中 一 回 だけその 時 点 で 拠 出 していた 清 算 基 金 と 同 額 分 追 加 預 託 ) 1
ISDA Japan ワーキンググループ 案 30 営 業 日 の 上 限 期 間 * 30 営 業 日 は 例 示 各 市 場 に 固 有 のリスク 要 因 に 応 じて 決 定 すべき もの 次 の30 営 業 日 の 上 限 期 間 延 長 された30 営 業 日 の 上 限 期 間 通 常 時 D D+25 D+30 D+55 D+56 D+60 Default of CM1 Default of CM2 Default of CM3 全 部 で55 営 業 日 の 上 限 期 間 清 算 基 金 清 算 基 金 Funded obligation (デフォルト 前 から 預 託 していたもの) + 清 算 基 金 の 追 加 預 託 55 営 業 日 の 上 限 期 間 中 の 債 務 負 担 額 は この 間 何 回 連 鎖 的 に 会 員 の 破 綻 が 生 じようと 清 算 基 金 + 清 算 基 金 の 追 加 預 託 ( 一 回 のみ 同 額 )に 限 定 され る Funded obligation ( 上 限 期 間 が 終 了 した56 営 業 日 目 にその 時 点 の 所 要 額 に 基 き 拠 出 の 義 務 を 負 う) + 清 算 基 金 の 追 加 預 託 Unfunded obligation ( 清 算 基 金 が 破 綻 に より 枯 渇 した 場 合 30 営 業 日 の 上 限 期 間 中 一 回 だけその 時 点 で 拠 出 していた 清 算 基 金 と 同 額 分 追 加 預 託 ) 当 初 証 拠 金 の 追 加 預 託 最 初 の 破 綻 以 降 この55 営 業 日 の 上 限 期 間 中 清 算 基 金 所 要 額 の 計 算 は 日 次 で 実 施 される ある 清 算 会 員 の 所 要 額 が 先 日 比 大 きく 増 加 ( 例 えば 前 日 比 10% 超 )した 場 合 当 該 会 員 は 同 日 中 に 増 加 分 を 当 初 証 拠 金 の 形 で 追 加 拠 出 する 義 務 を 負 う 2
別 添 3 清 算 会 員 の 退 会 ルールと 退 会 通 知 後 に 負 う 義 務 JSCC の CDS 清 算 ( 現 行 制 度 ) 退 会 申 請 後 に 破 綻 がない 場 合 退 会 の 申 請 4~8 営 業 日 CCPによる 退 会 の 承 認 ポジションの 清 算 を 確 認 後 同 日 中 に 清 算 会 員 の 退 会 につきCCP による 裁 量 性 が 残 存 会 員 が 退 会 申 請 後 一 斉 に ポジション 清 算 する 事 態 があ り 得 る 退 会 申 請 後 に 破 綻 がある 場 合 退 会 の 申 請 Default of CM1 ポジションの 清 算 の 確 認 を 延 期 Default Action 退 会 の 申 請 後 に 発 生 し た 破 綻 処 理 についは デ フォルト オークションへ の 参 加 義 務 を 負 う CCPによる 退 会 の 承 認 ポジションの 清 算 を 確 認 後 同 日 中 に 退 会 の 承 認 とともに 清 算 基 金 の 拠 出 及 びオークション へ 参 加 の 義 務 は 免 除 退 会 申 請 した 会 員 の 債 務 負 担 義 務 とポジション 清 算 がリ ンクしている 1
ISDA Japan ワーキンググループ 案 上 限 期 間 外 で 退 会 する 場 合 上 限 期 間 終 了 時 に 退 会 する 場 合 退 会 の 通 知 退 会 の 通 知 Default of CM1 30 営 業 日 の 通 知 期 間 退 会 の 通 知 Default Action 30 営 業 日 の 上 限 期 間 退 会 要 件 の 充 足 退 会 要 件 を 満 たすまでに 発 生 した 会 員 破 綻 に 伴 い 実 施 されるデフォ ルト オークションへの 参 加 は 義 務 ( 退 会 通 知 の 時 期 によらない) Default of CM2 30 営 業 日 の 通 知 期 間 終 了 日 とポ ジションの 清 算 完 了 日 のどちらか 遅 い 方 が 退 会 の 成 立 日 退 会 の 成 立 ポジションの 清 算 を 条 件 に 上 限 期 間 の 終 了 日 が 退 会 の 成 立 日 Default Action 退 会 の 成 立 清 算 会 員 のタイムリー な 退 会 を 阻 みかねな いCCPによる 裁 量 性 を 排 除 CCPの 安 定 性 を 確 保 するため 会 員 が 一 斉 に 退 会 ポジション 清 算 する 事 態 を 回 避 退 会 通 知 した 会 員 の 債 務 負 担 義 務 をポジ ション 清 算 から 分 離 す ることで 会 員 が 争 っ て 退 会 通 知 ポジショ ン 清 算 を 実 施 する 動 機 をなくすような 制 度 設 計 に 退 会 の 通 知 および ポジションの 清 算 をし 退 会 の 要 件 を 満 たした 会 員 は デフォルト オークションへの 参 加 は 義 務 ではないが 希 望 すれば 上 限 期 間 中 はデフォルト オークションに 参 加 可 能 債 務 の 上 限 額 = 清 算 基 金 + 清 算 基 金 の 追 加 預 託 ( 上 限 期 間 中 一 回 のみ) 2
別 添 4 オークションの 方 式 Standard Auction Traditional Model Five Non-defaulting members bid on an Auction portfolio Clearing Member 1: 100% at 47 Clearing Member 2: 100% at 48 Clearing Member 3: 100% at 46 Clearing Member 4: 100% at 45 Clearing Member 5: 100% at 43 Modified Dutch Auction JSCC CDS Clearing Five Non-defaulting members bid on an Auction portfolio Clearing Member 1: 20% at 49, 30% at 51 Clearing Member 2: 10% at 48, 10% at 50 Clearing Member 3: 10% at 44 Clearing Member 4: 30% at 46, 20% at 47 Clearing Member 5: 10% at 43, 20% at 45 If Minimum bid price = 45, the Auction succeeds at 48 Clearing Member 2: 100% at 48 Clearing Member 1: 100% at 47 Clearing Member 3: 100% at 46 Clearing Member 4: 100% at 45 Clearing Member 5: 100% at 43 Position transfer to Clearing Member 2 at 48 100% of Auction portfolio filled out from the lowest price of 43 to the highest price of 48. The Auction succeeds at 48 Clearing Member 5: 10% at 43 Clearing Member 3: 10% at 44 Clearing Member 5: 20% at 45 Clearing Member 4: 30% at 46 Clearing Member 4: 20% at 47 Clearing Member 2: 10% at 48 Clearing Member 1: 20% at 49 Clearing Member 2: 10% at 50 Clearing member 1: 30% at 51 Position transfer to Clearing Member 2, 3, 4, & 5 at 48
別 添 5 DMP 義 務 関 係 整 理 表 対 象 となる 破 綻 発 生 時 の ステータス ISDAペーパーでの 用 語 退 会 申 請 をしていない 清 ( 又 は 議 論 中 に 表 現 され 算 会 員 る 用 語 ) 1 2 3 4 備 考 退 会 を 通 知 した 会 員 ( 退 会 の 要 件 を 満 たして いない 会 員 ) ( 退 会 申 請 したが デクリ アができていない 会 員 ) 退 会 の 要 件 を 満 たした 会 員 ( 退 会 申 請 し デクリアを 完 了 させた 会 員 ) 注 :デクリア 完 了 が 最 初 の 会 員 破 綻 前 の 場 合 を 含 む 会 員 資 格 清 算 会 員 清 算 会 員 清 算 会 員 退 会 退 会 申 請 未 済 済 済 済 ポジションのデクリア 未 済 未 済 済 済 上 限 期 間 中 の 清 算 基 金 あり あり あり なし x2を 上 限 とした 損 失 補 償 オークションへの 参 加 あり あり あり(ただし 清 算 基 金 優 先 費 消 を 受 け 入 れれ ば 免 除 ) 退 会 した 会 員 ( 退 会 の 要 件 を 満 たし かつ 上 限 期 間 の 終 了 をもって) なし 3のステータスの 会 員 にオークションに 参 加 しないという 逃 げ 道 を 作 らないのは 厳 格 すぎるので 当 該 上 限 期 間 中 の 清 算 基 金 の 優 先 費 消 を 受 け 入 れれば 免 除 とする (3のステータスの 会 員 は 一 旦 優 先 費 消 を 受 け 入 れた 場 合 当 該 上 限 期 間 中 に 渡 り 次 回 以 降 のオークションへの 参 加 義 務 を 免 除 される ただし 優 先 費 消 を 受 け 入 れた 後 であっても 希 望 すれば 上 限 期 間 中 はオーク ションに 参 加 できる) 対 象 となる 破 綻 に 関 わる 義 務 上 限 期 間 中 清 算 基 金 x2をccp 費 消 後 の 清 算 基 金 の 回 復 変 動 証 拠 金 勝 ち 分 によ る 損 失 補 償 なし なし なし なし あり あり あり (ただし デクリアの 完 了 が 最 初 の 破 綻 前 で なし あった 場 合 変 動 証 拠 金 勝 ち 分 はゼロ) ペーパーの 提 案 1により 上 限 期 間 中 の 非 破 綻 会 員 による 債 務 の 上 限 は 当 初 の 清 算 基 金 x2 当 該 期 間 中 の 追 加 の 清 算 基 金 や 当 初 証 拠 金 の 拠 出 は 認 めない (ただし 提 案 3の 通 り 上 限 期 間 中 にポジションを 大 きく 増 加 させている 会 員 については 例 外 ) 退 会 の 要 件 を 満 たした 会 員 に 対 して 義 務 を 免 除 する 仕 組 みにすると この 損 失 補 填 を 回 避 するべ く 早 急 にデクリアする 行 動 を 誘 発 してしまう 損 失 補 償 にかかる 協 議 への 参 加 あり あり なし なし 協 議 は 全 会 一 致 による 決 議 のため 退 会 しようとしている 会 員 を 協 議 に 入 れると 提 案 された 追 加 の 損 失 補 償 スキームにすべて 反 対 する 等 の 弊 害 が 考 えられる ( 尚 当 然 ながら 協 議 で 決 議 され る 損 失 補 填 スキームにおいて 3のステータスの 会 員 を 含 め 自 らの 同 意 なしに 何 らかの 追 加 的 義 務 を 負 うことはない また 議 決 権 を 有 しない 形 であれば 3のステータスの 会 員 を 協 議 に 入 れ ることを 拒 むものではない) ポジションの 一 括 清 算 あり あり なし なし オークションにおける 極 端 に 悪 いプラ イス に 対 するペナルティ あり あり あり なし 1 円 入 札 の 問 題 は 程 度 の 差 こそあれ 1 2 3で 共 通 の 問 題 であるため 全 員 に 対 してペ ナルティを 与 える オークション 実 施 後 すみやかに CCPが 別 紙 の オークションの 極 端 に 悪 い プライス の 定 義 と 清 算 基 金 等 の 優 先 費 消 の 考 え 方 に 基 づいて 極 端 に 悪 いプライス の 判 定 を 行 う ( 極 端 に 悪 いプライス に 該 当 するか 否 かは 破 綻 清 算 参 加 者 のポートフォリオのPVと 損 失 補 償 財 源 の 金 額 で 裁 量 の 余 地 なく 客 観 的 に 決 まることとなる ) 極 端 に 悪 いプライス と 認 定 された 場 合 ペナルティとして 当 該 オークション 及 びその 後 上 限 期 間 中 に 実 施 されるすべてのオークション 後 に 行 われる 非 破 綻 会 員 の 清 算 基 金 による 損 失 補 償 において 優 先 費 消 のステータスとなる を 課 す これとは 別 に より 高 い 価 格 での 入 札 の 成 立 を 確 保 するため オークション 毎 に 落 札 者 に 対 す る 清 算 基 金 の 劣 後 費 消 ( 当 該 オークションに 関 わる 損 失 負 担 においてのみ 劣 後 費 消 とされ 当 該 上 限 期 間 を 含 む 次 回 以 降 のオークションに 関 する 損 失 負 担 においては 劣 後 費 消 ステータスは 適 用 されない)のインセンティブ 制 度 を 導 入 する 優 先 費 消 のステータスにある 会 員 がオークションで 落 札 した 場 合 は 当 該 上 限 期 間 中 の 以 降 の 優 先 費 消 のステータスは 取 り 消 しとなり 代 わりに 当 該 オークションにおける 劣 後 費 消 のインセンティブも 取 り 消 される 再 入 会 時 の 取 扱 い 非 破 綻 会 員 の 清 算 基 金 が 破 綻 会 員 の 損 失 補 償 に 費 消 された 時 点 で それ 以 降 に 申 請 される 会 員 の 入 会 ( 新 規 再 入 会 を 問 わず)については IRS 運 営 委 員 会 CDSリスク 委 員 会 において 入 会 基 準 の 見 直 し( 例 : 追 加 の 出 資 を 条 件 とする)を 検 討 する 入 会 基 準 の 見 直 しにあたっては 当 該 基 準 が 事 実 上 の 参 入 障 壁 となったり 既 存 会 員 を 優 越 的 に 取 り 扱 う 等 の 公 正 性 上 の 問 題 が 生 じないよう 十 分 に 配 慮 する
別 添 6 オークションの 極 端 に 悪 いプライス の 定 義 と 清 算 基 金 等 の 優 先 費 消 の 考 え 方 ( 案 ) JSCCの 損 失 補 償 財 源 考 え 方 例 第 1 順 位 第 2 順 位 第 3 順 位 第 4 順 位 破 綻 清 算 会 員 の 当 初 証 拠 金 破 綻 清 算 会 員 の 清 算 基 金 JSCCによる 拠 出 金 生 存 清 算 会 員 の 清 算 基 金 生 存 清 算 会 員 による 追 加 拠 出 FRK3 FRK4 PV1 = 破 綻 時 の 破 綻 清 算 会 員 のポートフォリオのPV FRK3= 第 1~ 第 3 順 位 の 損 失 補 償 財 源 の 総 額 FRK4= 第 1~ 第 4 順 位 の 損 失 補 償 財 源 の 総 額 としたとき デフォルトオークションで PV1-FRK3を 下 回 る 価 格 で 落 札 されることになれば( 入 札 者 全 員 がPV1-FRK3を 下 回 る 価 格 で 札 を 入 れれば) 第 4 順 位 の 損 失 補 償 財 源 に 手 をつけることになる そこでPV1-FRK3を 下 回 る 入 札 価 格 を 札 入 れした 生 存 清 算 会 員 の 第 三 順 位 の 清 算 基 金 を 優 先 費 消 するとし てはどうか ( 極 端 に 悪 いプライス1) 更 に ( 同 様 の 考 え 方 の 下 ) PV1-FRK4を 下 回 る 入 札 価 格 を 札 入 れした 生 存 参 加 者 の 第 三 順 位 の 清 算 基 金 に 加 え 第 四 順 位 の 追 加 拠 出 額 も 優 先 費 消 すると してはどうか ( 極 端 に 悪 いプライス2) なお PV1-FRK3 PV1-FRK4をそれぞれ 下 回 る 価 格 に 対 する 第 3 順 位 ( 清 算 基 金 ) 第 4 順 位 ( 追 加 拠 出 ) の 優 先 費 消 は 各 々 当 該 順 位 での 優 先 費 消 の 位 置 づ けであり 順 位 を 超 えての 優 先 費 消 は 無 い PV1=300 億 PV2( 入 札 時 のヘッジ 済 みの 破 綻 参 加 者 ポートフォリオのPV) =270 億 FRK3=1,170 億 破 綻 参 加 者 の 当 初 証 拠 金 =50 億 破 綻 参 加 者 の 清 算 基 金 =30 億 JSCCによる 拠 出 金 =50 億 円 生 存 参 加 者 の 清 算 基 金 総 額 =1,040 億 FRK4=2,210 億 生 存 参 加 者 の 追 加 拠 出 総 額 ( 清 算 基 金 と 同 額 )=1,040 億 極 端 に 悪 いプライス1: 870 億 を 下 回 り 1,910 億 までの 価 格 PV1 300 億 PV2 270 億 極 端 に 悪 いプライス2: 1,910 億 を 下 回 る 価 格 FRK3 1,170 億 FRK4 2,210 億 ヘッジコスト + ヘッジが 完 了 までの 価 格 変 動 分 第 5 順 位 変 動 証 拠 金 勝 ち 方 による 負 担 第 三 順 位 ( 第 四 順 位 )の 財 源 が 全 額 費 消 される 前 提 の 価 格 の 札 入 れは 実 際 に 当 該 価 格 で 落 札 された 場 合 は (たとえ 優 先 劣 後 関 係 になっていても) 全 員 の 清 算 基 金 ( 追 加 拠 出 )が 全 額 使 用 されることとなる つまり 自 らの 清 算 基 金 ( 追 加 拠 出 )も 全 額 費 消 されることを 前 提 とした 価 格 提 示 である よって そのような 価 格 を 提 示 した 生 存 清 算 会 員 の 清 算 基 金 ( 追 加 拠 出 )は 他 の 生 存 清 算 会 員 の 清 算 基 金 ( 追 加 拠 出 )より も 優 先 費 消 されるべき との 考 え 方 ができるのではないか 870 億 1,910 億 極 端 に 悪 いプライス1 極 端 に 悪 いプライス2