1 2 3 5 6 7 8 9 11 10 12, 13 1 17, 18 16 19 20 21 22, 23 2 29 32 1 33 5 10 15 20 25 図 1 GC-MS のトータルイオンクロマトグラム(TIC) ( 一 部 の 成 分 のみを 示 す ピーク 番 号 の 成 分 名



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- 研 究 報 告 - 大 阪 府 立 公 衆 衛 生 研 究 所 報 第 7 号 平 成 21 年 (2009 年 ) 無 承 認 無 許 可 医 薬 品 の 検 査 に 用 いるデータの 収 集 沢 辺 善 之 * 中 村 暁 彦 * 田 口 修 三 * いわゆる 健 康 食 品 に 違 法 に 含 まれる 医 薬 品 成 分 のスクリーニングに 用 いるために GC-MS 及 び HPLC による 医 薬 品 成 分 63 種 類 の 検 出 の 可 否 と 保 持 時 間 のデータを 収 集 した その 内 訳 は 中 枢 神 経 用 剤 15 ホルモン 剤 11 気 管 支 拡 張 剤 食 欲 抑 制 剤 3 利 尿 剤 ED 治 療 剤 1 排 尿 障 害 用 剤 2 糖 尿 病 用 剤 2 解 熱 鎮 痛 消 炎 剤 高 脂 血 症 用 剤 1 抗 ヒスタミン 剤 血 圧 降 下 剤 8 副 腎 皮 質 ホルモン 剤 2 及 び 痛 風 治 療 剤 2 種 である キーワード:ガスクロマトグラフィー- 質 量 分 析 計 高 速 液 体 クロマトグラフィー 医 薬 品 key words:gc-ms, HPLC, drug 大 阪 府 では 収 去 試 験 の 一 環 として いわゆる 健 康 食 品 ( 以 下 健 康 食 品 )に 違 法 に 含 まれる 医 薬 品 成 分 の 検 査 を 実 施 している 1-5) 医 薬 品 成 分 を 含 有 する 健 康 食 品 は 無 承 認 無 許 可 医 薬 品 といわれ 薬 事 法 による 取 締 りの 対 象 となる 今 回 無 承 認 無 許 可 医 薬 品 の 検 査 に 役 立 てる 目 的 で GC-MS 及 びHPLCを 用 いた 医 薬 品 成 分 の 測 定 データを 収 集 したので 報 告 する 実 験 方 法 1. 試 薬 中 枢 神 経 用 剤 15 ホルモン 剤 11 気 管 支 拡 張 剤 食 欲 抑 制 剤 3 利 尿 剤 ED 治 療 剤 1 排 尿 障 害 用 剤 2 糖 尿 病 用 剤 2 解 熱 鎮 痛 消 炎 剤 高 脂 血 症 用 剤 1 抗 ヒスタミン 剤 血 圧 降 下 剤 8 副 腎 皮 質 ホルモン 剤 2 及 び 痛 風 治 療 剤 2 種 の 全 63 種 類 の 医 薬 品 成 分 を 試 料 と した それぞれの 試 料 は 当 課 に 保 存 していた 試 薬 及 び 医 薬 品 の 標 準 品 を 用 いた TMS 誘 導 体 化 剤 は BSTFA (N,O-bis(trimethylsilyl) trifluoroacetamide, SUPELCO) を 用 いた * 大 阪 府 立 公 衆 衛 生 研 究 所 衛 生 化 学 部 薬 事 指 導 課 Gathering of GC-MS and HPLC Data on Illegal Drug Test by Yoshiyuki SAWABE, Akihiko NAKAMURA and Shuzo TAGUCHI 2. 装 置 および 測 定 条 件 GC-MS 装 置 は Agilent 6890N GC System 5973 Mass Selective Detector を HPLC 装 置 は 島 津 HPLC LC-10 CLASS-VP システムを 用 いて 以 下 の 条 件 で 操 作 した GC-MS 測 定 条 件 カラム:DB-5ms, 0.25 mm 30 m, 0.25μm 注 入 口 温 度 :300 カラム 温 度 : 100 (10 /min) 320, 18 分 間 保 持 注 入 量 :1μL ( Splitless ) イオン 源 温 度 :150 インターフェイス 温 度 :250 キャリヤーガス:ヘリウム 2 ml/min スキャン 範 囲 :m/z 10-700 MS ライブラリー:Mass Spectral Libraries NIST Rev.D.0.00 HPLC 測 定 条 件 カラム:L-column ODS..6 150 mm, 5μm 移 動 相 :ドデシル 硫 酸 ナトリウム(1 128) アセトニ トリル リン 酸 混 液 (570:30:1) 流 量 :1.5 ml/min カラム 温 度 :5 注 入 量 :10μL 検 出 器 :フォトダイオードアレイ 検 出 器 ( 測 定 波 長 210 nm 範 囲 200 00 nm) 1 27

1 2 3 5 6 7 8 9 11 10 12, 13 1 17, 18 16 19 20 21 22, 23 2 29 32 1 33 5 10 15 20 25 図 1 GC-MS のトータルイオンクロマトグラム(TIC) ( 一 部 の 成 分 のみを 示 す ピーク 番 号 の 成 分 名 は 表 1 を 参 照 ) 6 0 0 2 0 1 3 2 10 8, 9 13 1 12 11 7 6 0 0 2 6 8 1 0 1 2 1 m i n 0 5 10 15 20 17 0 21 18 16 20 0 19 2 0 10 20 30 0 50 60 70 m in 0 10 20 30 0 50 60 70 35 3 1 2, 32 29 38 33 0 5 10 15 20 25 30 図 2 HPLC のクロマトグラム( 測 定 波 長 210 nm) ( 一 部 の 成 分 のみを 示 す ピーク 番 号 の 成 分 名 は 表 1 を 参 照 ) 2 28

表 1 医 薬 品 成 分 の GC-MS 及 び HPLC の 保 持 時 間 ピーク GC-MS HPLC 番 号 薬 効 医 薬 品 成 分 名 原 体 TMS 原 体 1 バルビタール 6.9 7.8 1.5 2 フェノバルビタール 11.9 11.6 1.9 3 ロラゼパム 15.9 16.3 3.2 ジアゼパム 16.1 NR 7.8 5 クロルプロマジン 塩 酸 塩 16.6 NR ND 6 クロルジアゼポキシド 16.8 NR 11.2 7 オキサゾラム 17.2 15.9 8.7 8 フルニトラゼパム 17.5 NR 3.8 中 枢 神 経 用 剤 9 ニトラゼパム 18.8 16.8 3.8 10 エスタゾラム 19.7 NR 3. 11 アルプラゾラム 20.0 NR 5.3 12 エチゾラム 20.6 NR 5.0 13 トリアゾラム 20.6 NR. 1 ブロチゾラム 20.9 NR.1 15 ブロモバレリル 尿 素 6.7 6.3 2.0 8. 16 ジエチルスチルベストロール 1.9 1.2 6.5 17 エストロン 17.3 17. 5.5 18 エストラジオール 17. 17.6.1 19 メストラノール 17.5 18.0 2.0 20 エチニルエストラジオール 17.9 18..7 21 ホルモン 剤 エストリオール 19.0 19.0 1.7 22 エストラジオールプロピオン 酸 エステル 20. NR ND 23 エストラジオール 吉 草 酸 エステル 20. 20. ND 2 エストラジオール 安 息 香 酸 エステル 23.5 23. 68.0 25 クロルマジノン 酢 酸 エステル 21. NR 1.9 26 メチルテストステロン 17.8 17.7 5.9 27 エフェドリン 塩 酸 塩 5.1 5.1 6.1 6.9 28 プソイドエフェドリン 塩 酸 塩 5.1 5.0 5.7 気 管 支 拡 張 剤 7.0 29 メチルエフェドリン 塩 酸 塩 5.5 5. 6.5 30 テオフィリン 12.2 11.0 1.3 31 フェンフルラミン 塩 酸 塩 3.5 5.8 22.0 32 食 欲 抑 制 剤 N-ニトロソフェンフルラミン 7.0 NR 11.0 33 マジンドール 15.3 1.9 15.0 3 29

表 1 つづき 3 フロセミド ND ND 2.2 35 ヒドロクロロチアジド ND ND 1. 利 尿 剤 36 トリクロルメチアジド ND ND 1.9 37 スピロノラクトン 2.6 NR 6.0 38 ED 治 療 剤 シルデナフィルクエン 酸 塩 ND ND 19.5 39 プロピベリン 塩 酸 塩 15.8 NR ND 排 尿 障 害 用 剤 0 オキシブチニン 塩 酸 塩 16. NR ND 1 クロルプロパミド 8.9 9.7 3. 糖 尿 病 用 剤 2 グリベンクラミド ND ND 10.7 3 インドメタシン 19. 19.5 10.1 ジクロフェナクナトリウム 13. 1.5 10.0 解 熱 鎮 痛 消 炎 剤 5 メフェナム 酸 13.7 13.7 16.1 6 プラノプロフェン 15.7 NR 2.5 7 高 脂 血 症 用 剤 プラバスタチンナトリウム 2.0 8 ジフェンヒドラミン 塩 酸 塩 10.8 NR 22.9 9 クロルフェニラミンマレイン 酸 塩 12.2 NR ND 抗 ヒスタミン 剤 50 メキタジン 18.9 NR ND 51 ホモクロルシクリジン 塩 酸 塩 15.3 NR ND 52 マニジピン 塩 酸 塩 ND NR ND 53 ニフェジピン 17.1 NR.5 5 ニルバジピン 18.8 NR 10.9 55 ニカルジピン 塩 酸 塩 2. NR 28.9 血 圧 降 下 剤 56 カプトプリル 10.5 12. 1.5 57 エナラプリルマレイン 酸 塩 18. NR 12.2 58 ジルチアゼム 塩 酸 塩 19.9 NR 20. 59 ベニジピン 塩 酸 塩 27.1 NR 3.9 60 デキサメタゾン 19.6 2.5 副 腎 皮 質 ホルモン 剤 61 プレドニゾロン 19.3 1.9 62 アロプリノール ND 7.8 1.1 痛 風 治 療 剤 63 ベンズブロマロン 18. 19.1 38.8 ND:ピークを 検 出 しない NR:TMS 化 をされない 網 掛 けのピークのMSスペクトルは 市 販 のライブラリーと 一 致 した 薬 効 は 日 本 医 薬 品 集 医 療 薬 2009 年 版 ( 株 式 会 社 じほう)を 参 考 にした 30

3. 試 料 溶 液 の 調 製 GC-MS 用 試 料 溶 液 各 試 料 をアセトニトリルに 溶 かし 0.1 mg/ml に 調 製 した 液 を GC-MS に 注 入 した GC-MS 用 TMS 化 試 料 溶 液 GC-MS 用 試 料 溶 液 0.5mL をバイアルにとり BSTFA 0.1 ml を 加 え きつくフタをしめ 60 で 5 分 間 放 置 した 液 を GC-MS に 注 入 した HPLC 用 試 料 溶 液 GC-MS 用 試 料 溶 液 を HPLC に 注 入 した 結 果 及 び 考 察 測 定 した 63 種 類 の 医 薬 品 成 分 のうち 一 部 の 成 分 の クロマトグラムを 図 1(GC-MS) 及 び 図 2(HPLC)に 示 した クロマトグラムのピーク 番 号 は 表 1 のピー ク 番 号 と 一 致 している また GC-MS 及 び HPLC で 測 定 した 医 薬 品 成 分 ( 原 体 )の 保 持 時 間 を 表 1に 示 した GC-MS の 測 定 では TMS 化 した 医 薬 品 成 分 (TMS)の 保 持 時 間 も 示 した また 医 薬 品 成 分 の TMS 誘 導 体 の 情 報 を 収 集 すること は 気 化 しにくいため GC-MS での 分 析 に 適 さず 通 常 はライブラリーに 収 載 されない 医 薬 品 成 分 の 検 索 に も 有 用 となるものと 考 える GC-MS により 得 られたマススペクトルは 自 製 のラ イブラリーとして 保 存 した 表 1 の 網 掛 けの 保 持 時 間 のピークは 市 販 のマススペクトルのライブラリー (Mass Spectral Libraries NIST Rev.D.0.00)と 一 致 した 成 分 である 当 課 において 健 康 食 品 に 含 まれる 無 承 認 無 許 可 医 薬 品 の 検 査 は 平 成 1 年 に 全 国 規 模 で 発 生 した 中 国 製 減 肥 茶 による 健 康 被 害 事 例 を 端 緒 としている 翌 年 から 大 阪 府 独 自 で 健 康 食 品 の 買 い 上 げ 検 査 を 実 施 し 現 在 まで 複 数 の 医 薬 品 成 分 を 検 出 してきた 健 康 食 品 に 違 法 に 添 加 された 医 薬 品 成 分 を 検 査 する 場 合 個 々の 検 体 のパッケージやホームページに 掲 載 されている 文 言 暗 示 される 効 能 などの 情 報 をもとに 添 加 されたと 推 定 される 医 薬 品 成 分 を 決 定 し 一 次 ス クリーニングとして HPLC や TLC( 薄 層 クロマトグラ フィー)による 分 析 が 行 われる この 際 推 定 医 薬 品 5 と 同 一 保 持 時 間 及 び 同 一 スペクトルが 得 られた 場 合 は 種 々のクロマトグラフィーの 組 み 合 わせ 特 に 高 速 液 体 クロマトグラフィー 質 量 分 析 計 (LC-MS)や GC-MS により 最 終 的 な 同 定 結 果 とする また HPLC の 分 析 においては 検 体 のクロマトグラムに 現 れるす べてのピークの 紫 外 吸 収 スペクトルを 検 討 し 医 薬 品 成 分 の 類 似 化 合 物 の 存 在 も 検 査 される このように まずはじめにターゲットとする 医 薬 品 成 分 を 決 定 し 検 査 する 手 法 が 用 いられてきたのは ほ とんどの 医 薬 品 成 分 が HPLC や TLC を 使 うと 容 易 に 分 析 できること また 端 緒 となった 中 国 製 減 肥 茶 の 分 析 で 目 的 とする 医 薬 品 成 分 が 確 定 していたことによる と 考 えられる しかしながら 従 来 の 手 法 では ターゲットの 医 薬 品 成 分 は 判 別 可 能 であるが それ 以 外 の 多 くの 医 薬 品 成 分 については 試 験 を 行 わないので 含 有 されていても 見 落 とすことになる さまざまな 分 析 法 の 特 性 を 考 慮 した 場 合 一 次 スクリーニングとしては GC-MS が 最 も 有 効 性 が 高 い 手 法 であると 考 える 今 後 は 本 報 告 の ように GC-MS や HPLC で 得 たデータを 収 集 し 活 用 することで 従 来 の TLC や HPLC での 方 法 とともに より 見 過 ごすことが 少 ない 検 査 法 を 検 討 していきたい と 考 える 文 献 1) 大 阪 府 立 公 衆 衛 生 研 究 所 企 画 総 務 部 企 画 調 整 課 編, 大 阪 府 立 公 衆 衛 生 研 究 所 年 報 平 成 15 年 度 版,77 ~82(200) 2) 大 阪 府 立 公 衆 衛 生 研 究 所 企 画 総 務 部 企 画 調 整 課 編, 大 阪 府 立 公 衆 衛 生 研 究 所 年 報 平 成 16 年 度 版,75 ~80(2005) 3) 大 阪 府 立 公 衆 衛 生 研 究 所 企 画 総 務 部 企 画 調 整 課 編, 大 阪 府 立 公 衆 衛 生 研 究 所 年 報 平 成 17 年 度 版,67 ~72(2006) ) 大 阪 府 立 公 衆 衛 生 研 究 所 企 画 総 務 部 企 画 調 整 課 編, 大 阪 府 立 公 衆 衛 生 研 究 所 年 報 平 成 18 年 度 版,7 ~78(2007) 5) 大 阪 府 立 公 衆 衛 生 研 究 所 企 画 総 務 部 企 画 調 整 課 編, 大 阪 府 立 公 衆 衛 生 研 究 所 年 報 平 成 19 年 度 版,69 ~7(2008) 31