今 後 における 海 岸 防 災 林 の 再 生 について 平 成 24 年 2 月 東 日 本 大 震 災 に 係 る 海 岸 防 災 林 の 再 生 に 関 する 検 討 会
目 次 はじめに 1 第 1 検 討 の 趣 旨 3 第 2 海 岸 防 災 林 の 被 災 状 況 及 び 津 波 に 対 する 効 果 4 1 地 震 及 び 津 波 の 概 要 4 2 海 岸 防 災 林 の 被 災 状 況 4 3 海 岸 防 災 林 の 津 波 に 対 する 効 果 6 第 3 海 岸 防 災 林 の 再 生 方 針 10 1 基 本 的 な 考 え 方 10 2 多 機 能 海 岸 防 災 林 の 機 能 及 び 効 果 11 3 検 討 に 当 たって 留 意 すべき 事 項 12 (1) 地 域 の 復 興 計 画 等 との 整 合 12 (2) 林 帯 の 配 置 13 (3) 生 育 基 盤 の 造 成 14 (4) 人 工 盛 土 の 造 成 15 (5) 災 害 廃 棄 物 由 来 の 再 生 資 材 の 利 用 16 (6) 森 林 の 構 成 18 (7) 緑 化 体 制 の 整 備 20 4 海 岸 防 災 林 の 再 生 に 当 たっての 推 進 方 向 21 第 4 その 他 22 参 考 1 検 討 会 委 員 名 簿 23 参 考 2 検 討 会 の 開 催 状 況 24
はじめに 平 成 23 年 3 月 11 日 に 発 生 した 東 日 本 大 震 災 では 大 規 模 な 津 波 の 発 生 により 約 1 万 9 千 人 の 死 者 行 方 不 明 者 をもたらし 戦 後 最 悪 の 自 然 災 害 となった 津 波 の 発 生 は 地 域 住 民 が 長 年 にわたって 育 み 潮 害 飛 砂 風 害 の 防 備 機 能 の 発 揮 や 白 砂 青 松 の 美 しい 景 観 を 形 成 してきた 海 岸 防 災 林 をは じめ 太 平 洋 沿 岸 地 域 に 壊 滅 的 な 被 害 をもたらした 平 地 に 乏 しい 我 が 国 では 古 くから 人 口 の 大 部 分 が 沿 岸 周 辺 に 集 中 し て 産 業 が 発 達 してきたため 地 震 による 津 波 災 害 台 風 による 高 潮 災 害 など 常 に 災 害 を 受 けやすい 自 然 条 件 下 において 社 会 経 済 活 動 を 営 ま ざるを 得 ない 状 況 にさらされてきた こうした 中 海 岸 防 災 林 の 潮 害 の 防 備 飛 砂 風 害 の 防 備 等 の 機 能 は 経 験 的 に 知 られており 先 人 が 自 らの 生 活 を 守 るために9 世 紀 頃 から 自 生 森 林 の 保 全 や 植 栽 に 取 り 組 み 始 め 17 世 紀 頃 から 本 格 的 に 海 岸 防 災 林 の 造 成 を 実 施 してきた 歴 史 がある このような 先 人 の 努 力 にも 関 わらず 今 回 発 生 した 未 曾 有 の 津 波 によ り 350 年 以 上 前 から 育 まれ 白 砂 青 松 百 選 にも 選 定 されている 岩 手 県 の 高 田 松 原 や 伊 達 政 宗 の 命 により400 年 以 上 前 から 造 成 されてき た 宮 城 県 の 仙 台 湾 南 岸 域 の 海 岸 防 災 林 をはじめ 福 島 県 の 南 相 馬 やいわ きの 江 戸 時 代 から 造 成 されてきた 海 岸 防 災 林 などが かつて 経 験 したこ とのない 規 模 で 被 災 したところである 今 回 の 大 震 災 による 被 災 地 域 の 復 旧 復 興 は 喫 緊 の 課 題 となってお り 海 岸 防 災 林 の 再 生 もその 役 割 の 一 翼 を 担 っていくべきことは 言 うま でもない 一 方 で 津 波 に 対 する 海 岸 防 災 林 の 機 能 及 び 効 果 に 関 する 技 術 的 知 見 - 1 -
が 限 られていたことは 否 めない こうした 状 況 を 踏 まえ 被 災 状 況 の 把 握 復 旧 方 針 の 検 討 など 初 動 対 応 が 講 じられるとともに 今 後 の 海 岸 防 災 林 の 再 生 に 向 けた 技 術 的 知 見 の 収 集 等 の 観 点 から 東 日 本 大 震 災 に 係 る 海 岸 防 災 林 の 再 生 に 関 する 検 討 会 が 設 置 された 本 検 討 会 においては 海 岸 防 災 林 の 被 害 状 況 の 把 握 防 災 効 果 の 検 証 復 旧 方 法 等 について 検 討 を 行 ってきたところであり 被 災 地 の 復 興 計 画 策 定 の 一 助 とすべく 昨 年 7 月 に 中 間 報 告 を 取 りまとめた その 後 詳 細 な 現 地 調 査 を 実 施 する 等 具 体 的 な 検 討 を 継 続 してきたと ころであり 今 般 これまでの 検 討 結 果 を 踏 まえ 今 後 における 海 岸 防 災 林 の 再 生 について を 取 りまとめた 多 くの 尊 い 人 命 や 財 産 が 失 われ 今 後 復 興 に 向 けた 歩 みを 着 実 に 進 めていかなければならない 太 平 洋 沿 岸 の 被 災 地 では 一 日 も 早 く 元 の 生 活 に 戻 りたい という 切 実 なる 願 いがある 中 で 安 全 安 心 な 地 域 づくり に 取 り 組 んでいく 必 要 がある そのような 中 林 野 庁 及 び 関 係 地 方 公 共 団 体 等 においては 地 域 の 要 望 等 を 踏 まえつつ 本 報 告 に 基 づいて 被 災 箇 所 ごとに 海 岸 防 災 林 の 復 旧 方 法 を 検 討 するよう 提 言 するものである なお 我 が 国 は 周 りを 海 に 囲 まれており その 海 岸 線 の 総 延 長 は 約 3 万 4 千 kmに 及 んでいる 本 報 告 は 今 回 の 大 震 災 により 被 災 した 海 岸 防 災 林 の 再 生 のみならず 今 後 全 国 の 海 岸 防 災 林 においても 参 考 と して 頂 ければ 幸 いである - 2 -
第 1 検 討 の 趣 旨 平 成 23 年 3 月 11 日 に 我 が 国 観 測 史 上 最 大 規 模 の 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 が 発 生 し この 地 震 に 伴 う 大 規 模 な 津 波 により 青 森 県 から 千 葉 県 の 広 い 範 囲 の 海 岸 防 災 林 において 甚 大 な 被 害 がもたらされた 特 に 仙 台 平 野 や 三 陸 地 方 などで 壊 滅 的 な 被 害 が 報 告 されている 海 岸 防 災 林 は 潮 害 の 防 備 飛 砂 風 害 の 防 備 等 の 災 害 防 止 機 能 を 有 しており 農 地 や 居 住 地 を 災 害 から 守 るなど 地 域 の 生 活 環 境 の 保 全 に 重 要 な 役 割 を 果 たしている 特 に こうした 機 能 を 高 度 に 発 揮 する 森 林 は 飛 砂 防 備 保 安 林 防 風 保 安 林 潮 害 防 備 保 安 林 及 び 防 霧 保 安 林 に 指 定 され また これらのうちには 風 致 保 安 林 や 保 健 保 安 林 等 に 指 定 され 美 しい 景 観 を 維 持 しているものもある このように 海 岸 防 災 林 は 地 域 の 生 活 環 境 の 保 全 に 重 要 な 役 割 を 果 たしてきており 古 くから 地 域 住 民 により 造 成 維 持 管 理 されてきて いるなど 歴 史 的 な 経 緯 や 地 域 社 会 との 密 接 な 関 わりがある 今 回 の 津 波 災 害 では 甚 大 な 被 害 を 受 けた 海 岸 防 災 林 も 多 いが 津 波 エネルギーの 減 衰 や 漂 流 物 を 捕 捉 するなど 一 定 の 効 果 があったこと が 報 告 されている 海 岸 防 災 林 は こうした 重 要 な 役 割 を 担 っていることから 後 背 地 の 土 地 利 用 状 況 など 地 域 の 実 情 等 を 踏 まえ 早 急 に 再 生 する 必 要 があ る 他 方 今 回 の 津 波 による 海 岸 防 災 林 の 被 害 はかつてない 規 模 であ り また 津 波 に 対 する 機 能 及 び 効 果 に 関 する 技 術 的 知 見 は 限 られて いることに 鑑 み 本 検 討 会 において 海 岸 防 災 林 の 被 災 状 況 の 把 握 防 災 効 果 の 検 証 復 旧 方 法 等 の 検 討 を 行 い 技 術 的 観 点 から 海 岸 防 災 林 の 再 生 方 針 を 策 定 するものである - 3 -
第 2 海 岸 防 災 林 の 被 災 状 況 及 び 津 波 に 対 する 効 果 1 地 震 及 び 津 波 の 概 要 (1) 平 成 23 年 3 月 11 日 ( 金 )14 時 46 分 に 三 陸 沖 を 震 源 とするマグニ チュード9.0の 我 が 国 観 測 史 上 最 大 規 模 の 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 が 発 生 し 宮 城 県 栗 原 市 で 震 度 7を 観 測 するなど 岩 手 県 から 千 葉 県 の 広 い 範 囲 で 震 度 6 弱 以 上 の 強 い 揺 れを 観 測 した (2) この 地 震 により 大 規 模 な 津 波 が 発 生 し 日 本 列 島 太 平 洋 沿 岸 で 広 く 津 波 が 観 測 され 岩 手 県 宮 古 市 の 検 潮 所 で8.5m 以 上 の 津 波 を 観 測 するなど 震 源 に 近 い 青 森 県 から 千 葉 県 の 海 岸 部 で 高 い 津 波 が 観 測 された (3) この 津 波 の 遡 上 高 は 地 形 の 特 徴 を 反 映 したものとなっており 三 陸 海 岸 の 外 洋 に 面 する 小 規 模 な 谷 では20mを 超 えるとともに 松 島 湾 などの 内 湾 や 仙 台 平 野 などの 平 野 部 においても10m 程 度 に 及 んだ (4) また 今 回 の 地 震 により 大 規 模 な 地 殻 変 動 が 発 生 しており 宮 城 県 北 東 部 の 牡 鹿 半 島 では 1.2mもの 地 盤 沈 下 が 発 生 し また 東 北 地 方 の 太 平 洋 側 の 他 の 地 域 でも 地 盤 沈 下 が 発 生 している (5) 津 波 による 浸 水 は 国 土 地 理 院 が 行 った 空 中 写 真 衛 星 画 像 判 読 によると 青 森 県 から 千 葉 県 の6 県 で 計 561km 2 とされ そのうち 農 用 地 森 林 等 の 浸 水 は280km 2 を 超 えており 仙 台 平 野 など 平 野 部 では 海 岸 線 から5km 以 上 内 陸 部 まで 浸 水 範 囲 が 及 んでいる 2 海 岸 防 災 林 の 被 災 状 況 (1) 今 回 の 津 波 による 青 森 岩 手 宮 城 福 島 茨 城 千 葉 の6 県 の 海 岸 林 の 浸 水 被 害 は 約 3,660haで 空 中 写 真 等 を 用 いて 流 失 - 4 -
水 没 倒 伏 状 況 を 判 読 した 結 果 被 害 率 区 分 75% 以 上 が 約 3 割 25~75%が 約 2 割 強 と かつてない 甚 大 な 被 害 状 況 となっている 海 岸 林 とは 海 岸 防 災 林 を 含 む 海 岸 部 に 存 在 する 森 林 震 災 後 の 空 中 写 真 等 の 有 無 により 青 森 県 は 六 ヶ 所 村 以 南 福 島 県 は 南 相 馬 市 以 北 及 びいわき 市 の 一 部 千 葉 県 は 一 宮 町 以 北 に 限 定 して 判 読 した 結 果 である (2) 海 岸 林 の 被 災 状 況 は 津 波 の 規 模 や 地 形 等 により 多 様 であり 県 別 の 被 災 状 況 は 以 下 のとおりである 1 青 森 県 は 海 岸 林 の 浸 水 面 積 が613haであり ほとんどが 軽 微 な 被 害 である 2 岩 手 県 は 海 岸 林 の 浸 水 面 積 が164haと6 県 のうち 最 も 少 ない が その 約 6 割 が 甚 大 な 被 害 である 3 宮 城 県 は 海 岸 林 の 浸 水 面 積 が1,753haであり そのうち 甚 大 な 被 害 となっているのは 約 4 割 であるが 750haと 面 積 は 大 き い 4 福 島 県 は 海 岸 林 の 浸 水 面 積 が295haであり その 約 7 割 が 甚 大 な 被 害 である 5 茨 城 県 は 海 岸 林 の 浸 水 面 積 が470haであり ほとんどが 軽 微 な 被 害 である 6 千 葉 県 は 海 岸 林 の 浸 水 面 積 が364haであり ほとんどが 軽 微 な 被 害 である なお 空 中 写 真 の 判 読 により 被 害 を 把 握 した 以 降 新 たに 樹 木 が 枯 れた 箇 所 がみられるとともに 樹 勢 の 衰 えに 伴 い 今 後 松 くい 虫 等 の 病 虫 害 が 発 生 するなど さらに 被 害 が 激 甚 化 するおそ れがあることに 留 意 する 必 要 がある (3) このうち 海 岸 防 災 林 においては 現 地 調 査 の 結 果 1 月 24 日 現 在 253 箇 所 被 害 面 積 約 1,718haの 甚 大 な 被 害 が 報 告 されてい る - 5 -
(4) 海 岸 防 災 林 の 被 害 を 大 別 すると 以 下 のとおりである 1 防 潮 堤 等 の 施 設 が 存 在 せず 林 帯 のみが 被 災 2 防 潮 堤 等 の 施 設 のみが 被 災 3 津 波 が 防 潮 堤 等 の 施 設 を 越 える 等 により 林 帯 のみが 被 災 4 防 潮 堤 等 の 施 設 と 林 帯 がともに 被 災 ( 今 回 の 津 波 被 害 の 大 部 分 を 占 めている) (5) さらに 被 災 状 況 を 詳 細 にみると 地 盤 高 が 低 く 地 下 水 位 が 高 い 箇 所 では 樹 木 の 根 が 地 中 深 くに 伸 びず 根 の 緊 縛 力 が 弱 かっ たことから 根 返 りし 流 木 化 したものが 多 数 存 在 していることが 確 認 された また 地 盤 沈 下 が 確 認 されるとともに 液 状 化 が 発 生 し ていた 可 能 性 も 指 摘 されている 一 方 場 所 によっては 根 の 緊 縛 力 が 強 く 根 返 りはしていな いが 津 波 の 流 体 力 に 耐 えられずに 幹 折 れし 流 木 化 したものも 多 数 存 在 していることが 確 認 された これら 根 返 りや 幹 折 れで 発 生 した 流 木 により 海 岸 防 災 林 の 背 後 の 被 害 が 助 長 されたことも 考 えられる 3 海 岸 防 災 林 の 津 波 に 対 する 効 果 (1) 海 岸 防 災 林 は 潮 害 の 防 備 飛 砂 風 害 の 防 備 等 の 災 害 防 止 機 能 を 有 しており 地 域 の 生 活 環 境 の 保 全 に 重 要 な 役 割 を 果 たして いる 森 林 である 特 に こうした 機 能 を 高 度 に 発 揮 する 森 林 は 以 下 の 保 安 林 に 指 定 されている 1 飛 砂 防 備 保 安 林 風 衝 を 防 いで 飛 砂 の 発 生 を 防 止 するとともに 飛 砂 を 捕 捉 堆 積 して 内 陸 部 に 侵 入 するのを 防 止 2 防 風 保 安 林 風 速 を 緩 和 して 暴 風 塩 風 風 食 などを 防 ぎ 沿 岸 地 域 の 植 物 などの 損 傷 と 生 理 的 障 害 を 防 止 軽 減 - 6 -
3 潮 害 防 備 保 安 林 樹 幹 によって 侵 入 する 波 のエネルギーを 抑 え 津 波 高 潮 の 被 害 を 軽 減 また 強 風 時 の 空 気 中 の 海 塩 粒 子 を 捕 捉 するとと もに 風 速 の 緩 和 によって 塩 害 潮 風 害 を 防 止 4 防 霧 保 安 林 霧 の 移 動 阻 止 と 霧 粒 子 の 捕 捉 によって 内 陸 部 の 生 活 環 境 を 保 護 (2) 海 岸 防 災 林 の 津 波 に 対 する 効 果 については 過 去 の 津 波 の 事 例 調 査 等 から 以 下 の 効 果 が 挙 げられている 1 津 波 の 波 力 を 減 衰 して 流 速 やエネルギーを 低 下 させ その 破 壊 力 を 弱 めること 2 樹 木 が 漂 流 物 の 移 動 を 阻 止 し 移 動 によって 生 じる 二 次 的 災 害 を 軽 減 または 防 止 すること 3 波 にさらわれた 人 がすがりついたり ひっかかる 対 象 となる こと 4 強 風 による 砂 丘 の 移 動 を 防 いで 海 岸 に 高 い 地 形 を 保 ち それ が 津 波 に 対 する 障 壁 となって 海 水 の 侵 入 を 阻 止 すること (3) 過 去 の 津 波 の 事 例 調 査 によると 上 記 (2)1の 津 波 の 波 力 を 減 衰 した 事 例 としては 昭 和 三 陸 津 波 (1933 年 )の 際 岩 手 県 陸 前 高 田 市 の 高 田 松 原 で 密 な 林 の 中 の 家 屋 は 床 下 浸 水 程 度 で 大 きな 被 害 はなかったが 展 望 をよくする 目 的 で 前 面 の 林 帯 を 切 り 開 い た 箇 所 は 家 屋 は 跡 形 もなく 全 壊 した 例 や チリ 地 震 津 波 (1960 年 )の 際 同 じく 高 田 松 原 で 優 良 な 防 潮 林 の 中 にあった 家 屋 は 小 破 壊 にとどまったが 地 盤 の 低 い 湿 地 で 極 端 に 疎 開 した 林 分 の 背 後 では 家 屋 は 全 壊 流 出 の 被 害 を 受 けた 例 が 報 告 されている おおひらき さらに 日 本 海 中 部 地 震 津 波 (1983 年 )の 際 秋 田 県 能 代 市 大 開 で 高 さ5mの 前 砂 丘 を 侵 食 破 壊 して 乗 り 越 えた 津 波 が 汀 線 から 約 200m 後 方 から 始 まる 幅 150mのクロマツ 防 潮 林 を 通 過 し さらに - 7 -
150~200m 内 陸 まで 侵 入 したが 海 水 の 高 さは 砂 丘 上 で2~3m 林 の 直 後 で70cm 程 度 に 減 少 したと 推 定 される 例 が 報 告 されている なお 能 代 市 の 例 は 林 の 影 響 なのか 林 の 後 方 に 向 かって 地 形 が 低 くなって いることによるものなのかは 定 かではないが 林 帯 後 方 の 建 物 に 被 害 は 見 られ なかった (4) また 上 記 (2)2の 漂 流 物 の 移 動 を 阻 止 した 事 例 としては 南 海 地 震 (1946 年 )の 津 波 の 際 和 歌 山 県 広 川 町 のクロマツ 林 が 150トンもの 木 造 船 の 移 動 を 阻 止 し 後 方 の 中 学 校 に 衝 突 して 破 壊 するのを 防 いだ 例 や チリ 地 震 津 波 (1960 年 )の 際 岩 手 県 宮 あかまえ 古 市 赤 前 海 岸 で10トン 前 後 の 動 力 船 6 隻 が 林 帯 幅 の80%をなぎ 倒 したが 後 方 の 数 列 で 阻 止 された 例 が 報 告 されている (5) さらに 上 記 (2)4の 砂 丘 が 津 波 に 対 する 障 壁 となって 海 水 の 侵 入 を 阻 止 した 例 としては 日 本 海 中 部 地 震 津 波 (1983 年 )の 際 はちりゆうちよう みたねちよう はちもりまち はつぽうちよう 秋 田 県 八 竜 町 ( 現 三 種 町 ) 釜 石 から 八 森 町 ( 現 八 峰 町 ) 滝 の 間 の30kmの 海 岸 が10m 前 後 の 津 波 に 襲 われたが この 沿 岸 には 海 岸 線 に 平 行 して 高 さ10m 前 後 の 砂 丘 が 走 っており 集 落 は 良 好 な 防 潮 林 に 覆 われた 砂 丘 の 背 後 にあったため 津 波 に 直 撃 された 集 みねはま 落 がなかった 例 や 同 じく 日 本 海 中 部 地 震 津 波 の 際 秋 田 県 峰 浜 よこなが ね した たこうがわ 村 ( 現 八 峰 町 ) 横 長 根 下 では 最 大 波 高 12.6mを 記 録 し 津 波 は 竹 生 川 に 沿 って 汀 線 から1km 内 陸 まで 侵 入 したが 竹 生 川 に 隣 接 する 砂 丘 では クロマツ 林 によって 水 勢 がそがれ 砂 丘 の 後 方 100~ 150m 程 度 のクロマツ 林 内 でとまった 例 が 報 告 されている このほか 上 記 (2)3のすがりつきの 効 果 も 報 告 されている (6) 今 回 の 津 波 においても 壊 滅 的 な 被 害 を 受 けた 海 岸 防 災 林 も 多 いが 津 波 エネルギーの 減 衰 効 果 到 達 時 間 の 遅 延 効 果 がみられ た 事 例 が 報 告 されている このような 効 果 は 被 災 した 海 岸 防 災 林 においてもあったものと 考 えられる - 8 -
また 林 帯 が 残 った 海 岸 防 災 林 では 漂 流 物 を 捕 捉 し 林 帯 の 背 後 に 存 する 人 家 等 の 被 害 を 軽 減 した 事 例 も 報 告 されている (7) 例 えば 青 森 県 八 戸 市 市 川 町 では 6mを 超 える 津 波 に 襲 われ 20 隻 を 超 える 船 が 海 岸 防 災 林 をなぎ 倒 したが すべて 林 帯 で 捕 捉 され 背 後 の 住 宅 地 へ 侵 入 することを 阻 止 し また 背 後 の 住 宅 地 は3m 以 上 浸 水 したが 流 出 しなかった 例 や 岩 手 県 普 代 村 の 普 代 浜 では T.P.+15.5m( 東 京 湾 平 均 海 面 からの 高 さが15.5m)の 防 潮 堤 を 超 える 津 波 に 襲 われ 防 潮 堤 の 海 側 の 海 岸 防 災 林 は 壊 滅 的 な 被 害 が 発 生 したものの 防 潮 堤 の 内 側 の 海 岸 防 災 林 が コンクリ ート 片 等 の 漂 流 物 を 林 帯 で 捕 捉 して 市 街 地 に 対 する 被 害 を 防 止 し た 例 が 報 告 されている (8) また 宮 城 県 仙 台 市 若 林 区 では 9mを 超 える 津 波 に 襲 われ 海 岸 防 災 林 に 甚 大 な 被 害 が 発 生 したが 林 帯 の 背 後 にあった 住 宅 が 原 形 をとどめて 残 った 例 や 福 島 県 いわき 市 新 舞 子 では 7mを 超 える 津 波 に 襲 われたが 林 帯 により 車 等 を 捕 捉 し 林 帯 の 背 後 の 農 地 への 流 入 を 防 いだ 例 さらに 茨 城 県 北 茨 城 市 や 大 洗 町 で は それぞれ6m 4.5mの 津 波 に 襲 われたが 人 工 砂 丘 等 により 津 波 が 減 衰 されたため 国 道 や 人 家 等 への 直 接 的 な 被 害 が 軽 減 され た 例 が 報 告 されている 住 宅 が 原 形 をとどめたのは 海 岸 防 災 林 以 外 の 要 因 が 関 係 している 可 能 性 が ある (9) これらのように 海 岸 防 災 林 は 津 波 自 体 を 完 全 に 抑 止 するこ とはできないものの 津 波 エネルギーの 減 衰 効 果 や 漂 流 物 の 捕 捉 効 果 など 被 害 の 軽 減 効 果 を 発 揮 していると 考 えられる - 9 -
第 3 海 岸 防 災 林 の 再 生 方 針 1 基 本 的 な 考 え 方 (1) 前 述 したとおり 海 岸 防 災 林 は 飛 砂 風 害 の 防 備 等 の 災 害 防 止 機 能 を 有 し 地 域 の 生 活 環 境 の 保 全 に 重 要 な 役 割 を 果 たしてき ているとともに 過 去 及 び 今 回 の 津 波 による 被 災 事 例 においても 津 波 エネルギーの 減 衰 効 果 到 達 時 間 の 遅 延 効 果 漂 流 物 の 捕 捉 効 果 等 があることが 報 告 されている このように 海 岸 防 災 林 は 津 波 自 体 を 完 全 に 抑 止 することは できないものの 津 波 エネルギーの 減 衰 効 果 や 漂 流 物 の 捕 捉 効 果 など 被 害 の 軽 減 効 果 がみられることから まちづくりの 観 点 にお いて 多 重 防 御 の 一 つとして 位 置 づけることができる また 今 回 の 津 波 による 海 岸 防 災 林 の 被 害 は 岩 手 宮 城 福 島 の 各 県 を 中 心 として 広 範 囲 に 及 び 津 波 の 規 模 や 地 形 等 により 被 災 状 況 は 地 域 により 多 様 である 以 上 のことから 今 回 の 津 波 による 甚 大 な 被 災 状 況 を 踏 まえ 地 域 の 防 災 機 能 の 確 保 を 図 る 観 点 から 飛 砂 風 害 の 防 備 等 の 災 害 防 止 機 能 に 加 え 津 波 に 対 する 被 害 軽 減 効 果 も 考 慮 した 海 岸 防 災 林 の 復 旧 再 生 を 検 討 していく 必 要 がある (2) 具 体 的 には 被 災 箇 所 ごとに 被 災 状 況 や 地 域 の 実 情 さらには 地 域 の 生 態 系 保 全 の 必 要 性 等 を 踏 まえ 海 岸 防 災 林 の 再 生 方 法 を 決 定 していくことが 必 要 である この 際 海 岸 防 災 林 の 再 生 に 当 たっては 維 持 管 理 を 含 むコス トなども 合 わせて 検 討 する 必 要 がある (3) 基 本 的 な 再 生 の 方 向 性 としては 大 別 して 以 下 の4パターンが 想 定 され 単 独 パターンやこれらパターンの 組 み 合 わせにより 海 岸 防 災 林 の 再 生 を 図 っていくことが 必 要 である ア 主 にリアス 式 海 岸 部 など 林 帯 幅 が 狭 い 箇 所 や 施 設 のみの 被 災 - 10 -
箇 所 海 岸 線 に 山 が 近 接 している 場 合 のほか 社 会 条 件 等 により 林 帯 幅 の 確 保 が 困 難 な 場 合 を 含 む 1 林 帯 を 再 生 しつつ 従 来 どおりの 規 模 による 施 設 の 原 形 復 旧 により 必 要 な 機 能 を 確 保 2 林 帯 を 再 生 しつつ 防 潮 堤 等 施 設 の 改 良 により 必 要 な 機 能 を 確 保 イ 主 に 平 野 部 など 林 帯 幅 が 確 保 できる 箇 所 3 林 帯 幅 の 確 保 により 必 要 な 機 能 を 確 保 4 林 帯 幅 の 確 保 に 加 えて 人 工 盛 土 の 造 成 により 必 要 な 機 能 を 確 保 ( 多 機 能 海 岸 防 災 林 ) なお 林 帯 幅 については 後 背 地 の 土 地 利 用 状 況 など 地 域 の 実 情 を 十 分 踏 まえ 検 討 する 必 要 があるとともに 生 育 基 盤 について は 根 返 りによる 被 害 を 防 止 する 観 点 から 必 要 に 応 じ 盛 土 し 森 林 造 成 することにより 必 要 な 機 能 を 確 保 することが 望 ましい 2 多 機 能 海 岸 防 災 林 の 機 能 及 び 効 果 (1) 上 記 1(3)イ4の 多 機 能 海 岸 防 災 林 については 人 工 盛 土 の 造 成 による 津 波 エネルギーの 減 衰 効 果 等 被 害 の 軽 減 効 果 とともに 海 岸 防 災 林 が 有 する 災 害 防 止 機 能 等 の 以 下 の 機 能 及 び 効 果 が 期 待 される 1 飛 砂 防 備 防 風 及 び 防 霧 等 の 災 害 防 止 機 能 2 憩 いの 場 の 提 供 や 望 ましい 景 観 を 創 出 する 保 健 休 養 機 能 3 植 栽 した 樹 木 の 維 持 管 理 など 継 続 した 雇 用 の 創 出 効 果 4 大 量 に 発 生 した 災 害 廃 棄 物 のうち 無 害 化 処 理 等 された 再 生 資 材 や 建 設 発 生 土 などを 盛 土 材 として 有 効 利 用 できる 効 果 (2) このため 上 記 1(2)のように 被 災 箇 所 ごとに 具 体 的 な 再 生 - 11 -
方 法 を 決 定 していく 必 要 があるが 特 に 多 機 能 海 岸 防 災 林 の 造 成 に 当 たっては 以 下 の 条 件 を 備 える 必 要 がある 1 人 工 盛 土 等 を 造 成 整 備 する 十 分 な 土 地 が 確 保 できること 2 人 工 盛 土 等 を 造 成 するための 十 分 な 盛 土 材 等 が 確 保 できるこ と 3 事 業 実 施 に 当 たり 当 該 土 地 の 所 有 者 の 同 意 が 得 られること 4 地 域 の 復 興 計 画 等 との 整 合 を 図 ること 5 保 全 対 象 となる 地 域 からの 要 請 があること 3 検 討 に 当 たって 留 意 すべき 事 項 (1) 地 域 の 復 興 計 画 等 との 整 合 ア 東 北 地 方 の 太 平 洋 岸 では 明 治 三 陸 津 波 (1896 年 ) 昭 和 三 陸 津 波 (1933 年 ) チリ 地 震 津 波 (1960 年 )など 過 去 にも 大 規 模 な 津 波 により 甚 大 な 被 害 が 発 生 しており 今 後 においても 今 回 の 津 波 と 同 様 の 巨 大 津 波 が 発 生 する 可 能 性 は 否 定 できない イ 中 央 防 災 会 議 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 を 教 訓 とした 地 震 津 波 対 策 に 関 する 専 門 調 査 会 等 において 発 生 頻 度 と 規 模 の 異 なる 津 波 に 対 する 今 後 の 対 策 が 取 りまとめられている また 国 の 東 日 本 大 震 災 復 興 構 想 会 議 の 復 興 への 提 言 東 日 本 大 震 災 復 興 対 策 本 部 の 東 日 本 大 震 災 からの 復 興 の 基 本 方 針 が 取 りまとめられ 基 本 方 針 では 災 害 に 強 い 地 域 づく りの 施 策 として 沿 岸 部 の 復 興 にあたり 防 災 林 も 活 用 する こ とが 明 記 されている 被 災 各 県 及 び 各 市 町 村 では 復 興 計 画 等 を 策 定 してきており さらに 東 日 本 大 震 災 復 興 特 別 区 域 法 や 津 波 防 災 地 域 づ くりに 関 する 法 律 が 成 立 し これらも 踏 まえた 検 討 が 今 後 行 われることとなる ウ それぞれの 地 域 におけるリスク 管 理 は 災 害 時 の 被 害 を 最 小 - 12 -
化 する 減 災 の 考 え 方 の 下 地 域 ごとに 合 意 形 成 を 踏 まえ 行 われるべきであり 海 岸 防 災 林 は 完 全 に 津 波 を 抑 止 することは できないものの 津 波 の 規 模 に 応 じて 津 波 エネルギーの 減 衰 効 果 や 漂 流 物 の 捕 捉 効 果 など 被 害 の 軽 減 効 果 がみられることか ら 海 岸 防 災 林 の 効 果 や 役 割 等 について 地 域 住 民 の 十 分 な 理 解 を 得 る 必 要 がある その 上 で 海 岸 防 災 林 の 再 生 に 当 たっては 地 域 の 復 興 計 画 等 との 整 合 を 図 るよう 検 討 される 必 要 がある (2) 林 帯 の 配 置 ア 飛 砂 防 備 や 防 風 等 の 防 災 機 能 を 発 揮 する 観 点 から 森 林 を 造 成 する 場 合 にあっては これまでの 研 究 成 果 では 飛 砂 防 備 等 の 機 能 面 からすれば50m 程 度 以 上 の 林 帯 幅 が 必 要 とされている しかしながら 海 浜 部 は 飛 砂 塩 害 等 樹 林 にとっては 厳 しい 生 育 環 境 であることから 一 概 には 言 えないものの これらの 影 響 の 程 度 に 応 じておおむね150~250m 程 度 の 林 帯 幅 が 望 ましい とされている イ また 津 波 エネルギーの 減 衰 効 果 等 の 観 点 からは これまで の 研 究 成 果 によると 津 波 高 3m 等 の 一 定 条 件 での 数 値 シミュレ ーション 結 果 ではあるが 林 帯 幅 50m 程 度 以 上 で 家 屋 破 壊 等 に 影 響 する 津 波 の 流 体 力 ( 流 速 水 流 圧 力 等 )を 半 分 以 下 に 低 減 し 津 波 の 到 達 距 離 浸 水 深 の 低 減 は 林 帯 幅 200m 以 上 から 高 い 効 果 がみられるとの 知 見 がある さらに 今 回 実 施 した 津 波 高 6.5m 等 の 一 定 条 件 での 数 値 シミ ュレーションではあるが 林 帯 幅 の 広 さに 応 じてその 効 果 が 発 揮 され 林 帯 幅 が200mの 海 岸 防 災 林 が 存 在 した 場 合 には 流 体 力 が3 割 程 度 減 少 する 結 果 となっている なお これらは 幹 折 れ 等 の 樹 木 の 被 害 が 生 じない 場 合 の 知 見 であり 津 波 エネルギーの 減 衰 効 果 等 は 津 波 の 規 模 や 地 形 林 分 構 造 等 により 異 なることから 必 要 に 応 じ 箇 所 ごとにそ - 13 -
の 効 果 を 検 証 することが 望 ましい ウ これらの 知 見 を 踏 まえ 飛 砂 風 害 の 防 備 等 の 災 害 防 止 機 能 に 加 え 津 波 に 対 する 被 害 軽 減 効 果 も 考 慮 して 海 岸 防 災 林 を 復 旧 再 生 する 観 点 からは 広 い 林 帯 幅 とすることが 望 ましい エ しかしながら 地 域 の 復 興 計 画 や 土 地 利 用 計 画 等 の 検 討 結 果 によっては 望 ましい 林 帯 幅 の 確 保 が 難 しい 場 合 も 考 えられる この 場 合 にあっては 森 林 の 構 成 により 機 能 を 高 めることも 検 討 する 必 要 がある オ なお 担 うべき 防 災 効 果 を 十 全 に 発 揮 するためには 海 岸 線 に 垂 直 方 向 の 通 路 等 で 林 帯 が 分 断 されないよう できる 限 り 留 意 する 必 要 がある (3) 生 育 基 盤 の 造 成 ア 微 地 形 が 津 波 エネルギーの 減 衰 や 樹 木 の 成 長 に 影 響 している と 考 えられることから 微 地 形 にも 着 目 して 検 討 する 必 要 があ る 特 に 地 盤 高 が 低 く 地 下 水 位 が 高 い 箇 所 では 樹 木 の 根 が 地 中 深 くに 伸 びず 根 の 緊 縛 力 が 弱 かったことから 根 返 りし 流 木 化 したものが 多 数 存 在 していることが 確 認 された また 現 地 調 査 の 結 果 では 十 分 な 樹 高 を 有 し 被 害 を 受 けず に 残 った 樹 木 は 地 下 水 位 より 上 位 の 土 層 深 が3m 程 度 の 箇 所 で 生 育 しており また 幹 折 れしたが 根 返 りはしなかった 樹 木 は 地 下 水 位 より 上 位 の 土 層 深 が2m 程 度 の 箇 所 で 生 育 してい たことが 確 認 された イ このため 飛 砂 風 害 の 防 備 等 に 必 要 な 樹 高 を 有 する 樹 木 の 根 系 の 健 全 な 成 長 を 確 保 する 観 点 及 び 津 波 に 対 して 根 返 りし - 14 -
にくい 林 帯 を 造 成 する 観 点 から 植 栽 木 の 生 育 基 盤 の 造 成 にお いては 地 下 水 位 等 から2~3m 程 度 の 地 盤 高 さを 確 保 するた めの 盛 土 を 実 施 することが 望 ましい その 際 盛 土 による 津 波 エネルギーの 減 衰 効 果 の 観 点 から 海 側 から 陸 側 に 緩 やかな 上 り 勾 配 や 起 伏 を 設 けることを 検 討 す ることが 望 ましい ウ なお 漂 流 物 の 捕 捉 効 果 の 発 揮 津 波 による 被 災 後 の 海 岸 防 災 林 の 飛 砂 風 害 の 防 備 等 の 災 害 防 止 機 能 の 確 保 林 帯 内 で 流 木 化 した 樹 木 を 抑 止 する 観 点 から 少 なくとも 陸 側 林 縁 部 に ついては 十 分 に 盛 土 高 さを 確 保 することが 望 ましい エ また 一 部 の 林 帯 が 津 波 による 破 壊 を 免 れた 場 合 その 背 後 の 林 帯 が 保 全 される 事 例 が 確 認 されていることから 林 帯 の 海 側 及 び 中 間 部 についても 十 分 に 盛 土 高 さを 確 保 することは 林 帯 保 全 の 観 点 から 有 効 と 考 えられる (4) 人 工 盛 土 の 造 成 ア 人 工 盛 土 は 従 来 から 背 後 の 林 帯 を 風 や 飛 砂 等 から 保 護 する ことを 目 的 に 造 成 されてきたが 津 波 エネルギーの 減 衰 により 幹 折 れ 被 害 を 抑 制 する 効 果 もあると 考 えられる 人 工 盛 土 の 造 成 については 箇 所 ごとに2(2)の 多 機 能 海 岸 防 災 林 の 造 成 に 当 たっての 条 件 を 十 分 に 踏 まえて 検 討 すること が 望 ましい イ 人 工 盛 土 の 高 さは 風 や 飛 砂 等 から 背 後 の 林 帯 を 保 全 する 観 点 から 周 辺 の 人 工 砂 丘 の 高 さ 等 を 考 慮 の 上 林 帯 の 幹 折 れ 被 害 をできる 限 り 抑 制 する 観 点 から 箇 所 ごとに 津 波 エネルギー の 減 衰 を 考 慮 した 高 さを 検 討 することが 望 ましい - 15 -
ウ また 人 工 盛 土 の 法 面 について 海 側 は 飛 砂 風 害 の 防 備 や 土 量 盛 土 面 積 を 抑 制 する 観 点 から 1:2 程 度 の 勾 配 とし 陸 側 は 越 水 した 際 の 法 面 侵 食 法 尻 洗 掘 の 抑 制 を 図 る 観 点 か ら 緩 傾 斜 とし 砂 草 もしくは 張 芝 で 表 面 を 被 覆 するなどの 表 面 侵 食 対 策 を 施 すことが 望 ましい エ 人 工 盛 土 は 背 後 の 林 帯 を 保 全 する 観 点 から 造 成 するもので あり 林 帯 の 前 面 ( 海 側 )に 配 置 することが 望 ましい なお 林 帯 幅 が 十 分 確 保 できる 場 合 は 津 波 エネルギーの 減 衰 効 果 を 高 めるため 汀 線 から 距 離 を 離 して 配 置 することも 検 討 する 一 方 人 工 盛 土 を 造 成 することにより 林 帯 幅 が 確 保 できなくな る 場 合 もあることから 地 域 の 実 情 を 十 分 勘 案 した 上 で 検 討 す ることが 望 ましい オ また 市 街 地 等 の 保 全 対 象 との 関 係 等 を 考 慮 し 孤 塁 の 単 独 若 しくは 千 鳥 格 子 状 の 配 置 も 検 討 することが 望 ましい その 際 人 工 盛 土 の 周 辺 で 津 波 の 流 れが 集 中 することが 確 認 されているため 保 全 対 象 や 林 帯 の 配 置 の 関 係 にも 留 意 する 必 要 がある (5) 災 害 廃 棄 物 由 来 の 再 生 資 材 の 利 用 ア 東 日 本 大 震 災 では 津 波 により 建 物 等 が 広 範 囲 にわたり 被 害 を 受 け 推 計 約 2,270 万 トン( 岩 手 県 宮 城 県 福 島 県 の 合 計 ) の 災 害 廃 棄 物 が 発 生 していることから その 処 理 が 復 興 に 当 た っての 課 題 となっている イ 災 害 廃 棄 物 は 廃 棄 物 の 処 理 及 び 清 掃 に 関 する 法 律 ( 以 下 廃 掃 法 という) 上 原 則 として 一 般 廃 棄 物 として 取 り 扱 わ れる 災 害 廃 棄 物 の 再 生 利 用 については 廃 掃 法 東 日 本 大 震 災 に 係 る 災 害 廃 棄 物 の 処 理 指 針 (マスタープラン) 及 び 東 日 本 - 16 -
大 震 災 津 波 堆 積 物 処 理 指 針 などの 既 存 の 法 制 度 指 針 等 に 基 づ いて 適 切 に 処 理 等 が 行 われた 再 生 資 材 を 用 いる 必 要 があるが これらの 再 生 資 材 を 盛 土 材 等 として 利 用 することが 望 ましい なお 利 用 に 当 たっては 沿 岸 漁 業 への 影 響 等 周 辺 環 境 への 影 響 が 生 じないように 措 置 するとともに 地 域 住 民 の 十 分 な 理 解 を 得 る 必 要 がある ウ 災 害 廃 棄 物 の 処 理 については マスタープランの 中 で コン クリートくずは 建 設 資 材 としての 利 用 津 波 堆 積 物 は 土 木 資 材 等 としての 利 用 また 木 くずについては 発 電 等 への 利 用 など 再 生 利 用 が 可 能 なものは 極 力 再 生 利 用 する 旨 が 明 記 されてい る なお 木 くずは 従 来 より 建 設 工 事 においても 再 生 利 用 が 行 われている エ コンクリートくずについては コンクリート 用 骨 材 路 盤 材 埋 め 戻 し 材 裏 込 め 材 などとして 従 来 と 同 様 に 利 用 でき これ までの 知 見 では 破 砕 粒 度 調 整 の 加 工 を 施 し 以 下 のいずれ かの 品 質 を 確 保 することにより 盛 土 材 等 として 利 用 すること ができるとされている 1 最 大 粒 径 300mm 以 下 かつ 混 入 率 ( 重 量 比 )30% 以 下 2 最 大 粒 径 300mm 以 下 かつ 粒 径 37.5mm 以 上 の 混 入 率 40% 以 下 3 粒 径 150mm~300mmのものを 蛇 かごの 中 詰 めとして 利 用 オ 津 波 堆 積 物 については その 物 理 的 性 状 が 建 設 発 生 土 利 用 技 術 マニュアルにおける 土 質 区 分 のうち 第 1 種 ~ 第 3 種 建 設 発 生 土 相 当 の 津 波 堆 積 物 はそのまま 第 4 種 泥 土 相 当 の 津 波 堆 積 物 は 必 要 な 土 質 改 良 を 行 うことにより 盛 土 材 として 利 用 する ことができる カ 木 くずは チップ 加 工 を 行 った 上 で 土 壌 改 良 材 マルチン - 17 -
グ 材 等 に 利 用 することができる また 津 波 により 被 災 した 森 林 内 に 残 存 している 倒 木 枯 損 木 は いわゆる 自 ら 利 用 することにより 廃 掃 法 上 の 廃 棄 物 に 該 当 しないことから 従 来 と 同 様 に 小 規 模 な 土 留 め 柵 工 筋 工 暗 渠 工 等 への 再 生 資 材 として 利 用 することができる なお 木 くずを 盛 土 材 として 利 用 するに 当 たっては 空 隙 が 生 じ 比 重 が 軽 くなることによる 不 安 定 化 暗 渠 効 果 による 乾 燥 化 腐 食 に 伴 う 不 等 沈 下 やメタンガスの 発 生 の 危 険 性 など 有 機 物 特 有 の 現 象 が 懸 念 されることから 構 造 や 使 用 量 等 につい て 十 分 な 検 討 を 行 う 必 要 がある キ このほか 復 旧 復 興 事 業 に 伴 う 建 設 発 生 土 についても 盛 土 材 として 利 用 することが 望 ましい また 再 生 資 材 等 の 利 用 にあたっては 運 搬 費 などのコスト 等 も 勘 案 することが 必 要 である (6) 森 林 の 構 成 ア 津 波 に 関 連 したこれまでの 研 究 成 果 や 今 回 実 施 した 調 査 によ り 以 下 の 知 見 が 得 られている 1 根 系 が 発 達 し 胸 高 直 径 が 太 く 頑 丈 な 幹 を 持 つ 樹 木 は 被 害 を 受 けにくく 漂 流 物 の 捕 捉 効 果 を 期 待 できる 2 枝 下 高 の 高 い 樹 木 は 樹 冠 部 分 への 津 波 の 影 響 が 少 ないた め 津 波 の 被 害 を 受 ける 可 能 性 が 低 い 一 方 津 波 エネルギ ーの 減 衰 効 果 は 幹 だけでなく 枝 葉 の 効 果 も 確 認 されてお り 枝 下 高 が 低 い 方 が 減 衰 効 果 を 期 待 できる 3 なお 小 径 木 は 津 波 被 害 を 受 けても 傾 いてその 場 にとど まることが 多 いことから 被 災 した 場 合 でも 津 波 エネルギー の 減 衰 効 果 を 期 待 できる このため これらの 知 見 や 地 域 の 実 情 を 踏 まえ 森 林 の 構 成 を 検 討 することが 望 ましい - 18 -
イ その 際 林 分 構 造 は 時 間 経 過 とともに 変 化 するため 発 揮 される 災 害 防 止 効 果 も 変 化 することに 留 意 し 施 工 順 序 も 含 め た 森 林 の 造 成 や 維 持 管 理 を 検 討 することが 望 ましい 例 えば 大 径 木 化 を 目 標 として 先 に 造 成 する 区 域 や 上 木 の 成 長 に 合 わせて 下 層 に 広 葉 樹 を 植 栽 する 区 域 などゾーニングを 検 討 することが 有 効 である ウ 植 栽 樹 種 については 海 岸 の 最 前 線 は 飛 砂 潮 風 寒 風 等 の 害 に 十 分 耐 えうるもの 陸 側 は 防 風 効 果 を 高 めるために 保 全 対 象 に 対 し 十 分 な 樹 高 をもつものから 選 定 する 必 要 がある また 過 去 にははげ 山 が 全 国 各 地 に 広 がっていたが 先 人 た ちの 努 力 により 森 林 は 回 復 し 山 地 から 海 洋 への 土 砂 の 供 給 量 は 減 り その 結 果 海 岸 部 では 飛 砂 による 被 害 が 少 なくなって きた 加 えて 自 然 条 件 や 地 域 のニーズを 踏 まえた 多 様 な 森 づ くり 生 物 多 様 性 の 保 全 も 求 められていることから 植 栽 地 の 状 況 を 見 極 めつつ 広 葉 樹 の 植 栽 等 についても 考 慮 することが 望 ましい このようなことから 植 栽 樹 種 については 例 えば 海 岸 の 最 前 線 は 針 葉 樹 ではクロマツ アカマツ 等 広 葉 樹 ではカシ ワ トベラ 等 があげられ 陸 側 は 針 葉 樹 ではクロマツ アカ マツ 等 広 葉 樹 ではカシワ タブノキ コナラ エゾイタヤ 等 があげられる エ 海 岸 防 災 林 での 植 栽 本 数 は 10,000 本 /haが 標 準 とされてい るが 飛 砂 潮 風 の 樹 木 への 影 響 を 低 減 できる 場 合 など 植 栽 地 の 環 境 等 に 応 じて 植 栽 本 数 を 減 らすことも 検 討 できる なお 植 栽 方 法 が 不 適 切 な 場 合 根 系 が 健 全 に 生 育 しないこ ともあることから 根 系 の 発 達 に 留 意 して 植 栽 することが 必 要 である - 19 -
オ 災 害 防 止 機 能 を 発 揮 させるため 適 切 な 管 理 により 健 全 な 林 帯 を 育 成 維 持 管 理 していくことが 重 要 であり その 際 区 域 毎 に 期 待 される 機 能 を 踏 まえた 維 持 管 理 を 検 討 することが 望 ま しい 特 に 松 くい 虫 被 害 の 防 除 対 策 は 確 実 に 実 施 することが 重 要 である (7) 緑 化 体 制 の 整 備 ア 今 回 の 津 波 により 被 災 した 海 岸 防 災 林 の 着 実 な 再 生 を 図 るた め 苗 木 の 供 給 体 制 を 確 立 する 必 要 がある 全 国 のマツ 類 の 苗 木 生 産 量 については 現 在 クロマツで 0.9 百 万 本 アカマツで0.7 百 万 本 であるが 最 大 生 産 可 能 量 は クロマツで4 百 万 本 アカマツで7.2 百 万 本 程 度 と 試 算 されてお り 併 せて 苗 木 生 産 に2~3 年 要 することからも 海 岸 防 災 林 の 再 生 の 進 度 や 植 栽 地 の 環 境 に 適 した 苗 木 の 需 要 量 を 把 握 した 上 で それに 見 合 った 苗 木 生 産 量 の 確 保 や 抵 抗 性 マツ 苗 木 の 生 産 に 取 り 組 む 必 要 がある さらに 松 くい 虫 被 害 を 防 除 する 観 点 から 植 栽 地 の 地 理 的 地 形 的 条 件 等 を 勘 案 した 苗 木 の 選 択 を 行 うことが 望 ましい イ また 岩 手 宮 城 福 島 の3 県 での 広 葉 樹 の 苗 木 生 産 量 は 庭 木 等 を 含 め 約 70 万 本 と 少 なく 広 葉 樹 の 苗 木 供 給 を 検 討 するに 当 たっては 苗 木 の 需 要 量 を 把 握 した 上 で 植 栽 予 定 地 に 従 来 自 生 する 樹 種 であるとともに できる 限 り 植 栽 地 の 生 育 環 境 に 近 い 地 域 で 採 取 した 種 子 から 生 産 できるような 体 制 を 整 えるこ とが 望 ましい ウ さらに 植 栽 やその 後 の 保 育 等 については 治 山 事 業 による もののほか 防 災 意 識 の 向 上 や 地 域 の 復 興 のシンボル 的 な 活 動 - 20 -
となり 得 ること 等 の 観 点 から 地 域 住 民 や 地 域 の 緑 化 団 体 等 の 参 画 による 植 栽 や 保 育 等 についても 積 極 的 に 検 討 する 必 要 があ る また NPOや 企 業 等 から 海 岸 防 災 林 再 生 への 関 心 が 示 されて いることも 考 慮 し このような 民 間 団 体 等 との 継 続 的 な 連 携 も 積 極 的 に 検 討 していく 必 要 がある 4 海 岸 防 災 林 の 再 生 に 当 たっての 推 進 方 向 以 上 のとおり 本 検 討 会 において 様 々な 議 論 を 行 ってきたが 被 災 した 海 岸 防 災 林 の 再 生 については 海 岸 防 災 林 が 飛 砂 風 害 の 防 備 等 の 災 害 防 止 機 能 を 有 し 地 域 の 生 活 環 境 の 保 全 に 重 要 な 役 割 を 果 たしてきているとともに 津 波 被 害 軽 減 効 果 を 持 つ 点 にも 着 目 し て 地 域 の 防 災 機 能 の 確 保 を 図 る 観 点 から 以 下 により 検 討 すべき である (1) 被 災 箇 所 ごとに 被 災 状 況 や 地 域 の 実 情 さらには 地 域 の 生 態 系 保 全 の 必 要 性 等 に 応 じ 再 生 方 法 を 決 定 していくこととし 海 岸 防 災 林 の 有 する 津 波 に 対 する 減 災 機 能 も 考 慮 した 海 岸 防 災 林 の 再 生 を 検 討 すべきである (2) 海 岸 防 災 林 の 再 生 に 当 たっては 後 背 地 の 土 地 利 用 やまちづく りの 観 点 など 地 域 の 復 興 計 画 等 の 内 容 と 整 合 をさせるよう 検 討 すべきである (3) 海 岸 防 災 林 の 林 帯 幅 については 防 災 機 能 を 期 待 する 観 点 から これまでの 研 究 成 果 等 に 基 づく 技 術 的 知 見 を 念 頭 に 置 き 後 背 地 の 土 地 利 用 状 況 など 地 域 の 実 情 を 十 分 踏 まえ 検 討 すべきである (4) 地 盤 高 が 低 く 地 下 水 位 が 高 い 箇 所 では 樹 木 の 根 の 緊 縛 力 を 高 め 根 返 りしにくい 林 帯 を 造 成 する 観 点 から 盛 土 により 植 栽 木 - 21 -
の 生 育 基 盤 を 確 保 することを 検 討 すべきである (5) 多 機 能 海 岸 防 災 林 については 2(2)の 諸 条 件 を 念 頭 に 置 きつ つ 盛 土 材 として 再 生 資 材 等 を 利 用 する 場 合 を 含 め 箇 所 ごとに その 必 要 性 やコスト 等 を 十 分 考 慮 し 人 工 盛 土 の 構 造 配 置 等 を 検 討 すべきである 特 に 人 工 盛 土 の 配 置 については 連 続 した ものだけでなく 単 独 あるいは 千 鳥 格 子 状 に 孤 塁 を 効 果 的 に 配 置 することについても 検 討 すべきである (6) 再 生 資 材 等 を 盛 土 材 として 利 用 する 場 合 は 沿 岸 漁 業 への 影 響 等 周 辺 環 境 への 影 響 が 生 じないように 検 討 すべきである (7) 防 災 機 能 を 期 待 する 観 点 から 植 栽 本 数 や 樹 種 林 分 構 造 など の 森 林 の 構 成 やその 後 の 維 持 管 理 について 検 討 すべきである (8) 苗 木 の 供 給 体 制 とともに 地 域 住 民 等 の 参 画 による 植 栽 や 保 育 等 についても 検 討 すべきである 第 4 その 他 本 報 告 については 現 時 点 の 知 見 等 に 基 づき 取 りまとめたもので あり 引 き 続 き 復 旧 再 生 に 資 する 技 術 的 な 検 討 を 実 施 するとと もに 事 業 実 施 にあたっては 個 別 箇 所 の 状 況 に 応 じた 検 討 等 を 実 施 していく 必 要 がある なお 海 岸 防 災 林 について さらなる 研 究 検 討 が 行 われ 新 た な 知 見 が 得 られるよう 期 待 される - 22 -
( 参 考 1) 東 日 本 大 震 災 に 係 る 海 岸 防 災 林 の 再 生 に 関 する 検 討 会 委 員 名 簿 今 村 文 彦 東 北 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 付 属 災 害 制 御 研 究 センター 教 授 ( 座 長 ) 太 田 猛 彦 東 京 大 学 名 誉 教 授 落 合 博 貴 森 林 総 合 研 究 所 研 究 コーディネータ( 国 土 保 全 水 資 源 研 究 担 当 ) 川 邉 洋 新 潟 大 学 農 学 部 教 授 坂 本 知 己 森 林 総 合 研 究 所 気 象 環 境 研 究 領 域 気 象 害 防 災 林 研 究 室 長 林 田 光 祐 山 形 大 学 農 学 部 教 授 宮 城 豊 彦 東 北 学 院 大 学 教 養 学 部 教 授 ( 敬 称 略 50 音 順 ) オブザーバー 佐 藤 順 一 岩 手 県 農 林 水 産 部 森 林 保 全 課 総 括 課 長 河 野 裕 宮 城 県 農 林 水 産 部 次 長 ( 技 術 担 当 ) 稲 本 太 一 郎 福 島 県 農 林 水 産 部 森 林 保 全 課 長 葛 西 貢 治 東 北 森 林 管 理 局 森 林 整 備 部 治 山 課 長 井 口 英 道 関 東 森 林 管 理 局 森 林 整 備 部 治 山 課 長 事 務 局 林 野 庁 治 山 課 - 23 -
( 参 考 2) 検 討 会 の 開 催 状 況 第 1 回 検 討 会 5 月 21 日 ( 土 ) 海 岸 防 災 林 の 被 災 状 況 ( 概 略 )について 海 岸 防 災 林 の 再 生 の 考 え 方 について 第 2 回 検 討 会 6 月 19 日 ( 日 ) 海 岸 防 災 林 の 被 災 状 況 ( 詳 細 )について 海 岸 防 災 林 の 再 生 方 針 ( 中 間 報 告 骨 子 案 )について 第 3 回 検 討 会 7 月 6 日 ( 水 ) 海 岸 防 災 林 の 再 生 方 針 ( 中 間 報 告 案 )について 第 4 回 検 討 会 12 月 4 日 ( 日 ) 海 岸 防 災 林 の 再 生 に 関 する 調 査 結 果 について 第 5 回 検 討 会 1 月 25 日 ( 水 ) 海 岸 防 災 林 の 再 生 方 針 ( 報 告 案 )について - 24 -
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