第 2 回 休 み 方 改 革 ワーキンググループ 提 出 資 料 資 料 3 人 吉 市 における 家 族 の 時 間 づくり 及 び 休 暇 取 得 促 進 への 取 組 みについて 平 成 26 年 10 月 7 日 熊 本 県 人 吉 市
熊 本 県 人 吉 市 について 熊 本 県 人 吉 市 は 熊 本 県 の 南 部 人 吉 盆 地 の 西 南 端 に 位 置 し 南 は 鹿 児 島 宮 崎 両 県 に 接 しており 熊 本 宮 崎 鹿 児 島 の3 都 市 へ 約 1 時 間 でアクセス できる 位 置 にある 人 口 は H26 年 8 月 末 現 在 で 34,462 人 世 帯 数 15,757 世 帯 で 総 人 口 に 占 める65 歳 以 上 の 高 齢 化 率 が32.1%と 高 くなっている 事 業 取 組 の 背 景 目 的 国 宝 青 井 阿 蘇 神 社 例 大 祭 おくんち 祭 1 青 井 阿 蘇 神 社 熊 本 県 の 建 造 物 初 の 国 宝 指 定 を 受 けた 青 井 阿 蘇 神 社 は 平 安 時 代 の 大 同 元 (806) 年 に 創 建 された 歴 史 ある 神 社 である この 青 井 さん で 行 われるおくんち 祭 は 人 吉 球 磨 地 方 最 大 の 祭 であり 平 安 時 代 から 続 く 歴 史 のある 行 事 で 開 催 回 数 は1,200 回 を 超 えている 2 おくんち 祭 おくんち 祭 は 神 様 が 御 鎮 座 された 縁 日 をお 祝 いする いうなれば 神 社 の 誕 生 日 のお 祭 で10 月 3 日 から11 日 までの 日 程 で 行 われている 祭 のハイライトは 10 月 9 日 に 行 われる 神 幸 行 列 神 輿 や 御 神 宝 神 職 の 乗 った 神 馬 獅 子 面 などから 成 る 行 列 が 青 井 阿 蘇 神 社 を 出 発 し 人 吉 市 街 地 を 通 って 人 吉 城 内 に 設 けられたお 旅 所 を 目 指 すもので 参 加 者 は 毎 年 2,000 人 3 神 幸 行 列 への 参 加 神 幸 行 列 には 各 町 内 の 子 ども 神 輿 も 多 数 参 加 しますが 9 日 が 平 日 となった 場 合 に これまで1 時 限 の 授 業 のみで 下 校 する 学 校 神 輿 に 参 加 する 子 どものみ 下 校 する 学 校 通 常 どおり 授 業 を 行 う 学 校 と 各 学 校 の 対 応 はそれぞれであったため 保 護 者 から 学 校 を 休 みにできないか 要 望 が 出 されていた 学 校 休 業 日 の 柔 軟 な 設 定 保 護 者 の 有 給 休 暇 の 取 得 おくんち 祭 への 参 加 家 族 の 時 間 地 域 の 活 性 化 旅 行 需 要 の 創 出 1
人 吉 市 における 家 族 の 時 間 づくりプロジェクト 1 事 業 名 地 域 における 家 族 の 時 間 づくり 促 進 事 業 ( 家 族 の 時 間 づくりプロジェクト) (H24~26 年 度 国 土 交 通 省 観 光 庁 認 定 事 業 ) 2 事 業 の 目 的 大 人 ( 企 業 )と 子 ども( 学 校 )の 休 みのマッチングを 行 い 地 域 ぐるみの 家 族 の 時 間 を 創 出 することを 目 的 とする 3 事 業 実 施 年 度 H24 年 度 ~H26 年 度 4 対 象 校 の 設 定 特 定 の 学 校 のみの 設 定 ではなく 市 内 全 小 中 学 校 ( 小 学 校 6 校 中 学 校 3 校 )での 実 施 とする 5 事 業 実 施 期 間 10 月 9 日 を 学 校 休 業 日 とし 体 育 の 日 を 含 む3 連 休 を 事 業 実 施 期 間 とする 6 取 組 概 要 ⑴ おくんち 祭 体 育 の 日 の 期 間 を 中 心 とし した 連 休 を 家 族 の 時 間 づくりプロジェクト 期 間 として 捉 え 全 市 的 なイベントを 実 施 する ⑵ 新 規 のメニューではなく 既 存 の 事 業 をこの 週 間 に 位 置 づけて 多 くの 参 加 メニューを 提 示 し 機 会 を 提 供 することで 親 子 が 好 きなときに 興 味 の あるイベントに 参 加 してもらうための 環 境 作 りを 行 う ⑶ 秋 の 連 休 に 実 施 しているイベント 情 報 の 告 知 情 報 のチラシ 配 布 による 啓 発 活 動 を 行 う 地 域 とのふれあい 家 族 の 団 らん 親 子 の 語 らいなどの 家 族 そろっ て 楽 しめる 様 々なイベントを 開 催 する 等 して 家 族 の 時 間 づくりプロ ジェクト を 推 進 していく 7 学 校 ( 長 ) 保 護 者 への 協 力 依 頼 小 中 学 校 長 会 市 PTA 連 絡 協 議 会 における 説 明 会 の 実 施 啓 発 用 チラシ の 保 護 者 への 配 布 による 周 知 啓 発 を 行 う 2
8 事 業 所 への 協 力 依 頼 学 校 休 業 日 に 合 わせて 保 護 者 である 従 業 員 が 有 給 休 暇 を 取 得 できるよう に 商 工 会 議 所 から 約 1,200 人 の 会 員 へ 会 報 配 布 と 同 時 にプロジェクトへ の 依 頼 文 書 及 び 啓 発 用 チラシの 配 布 を 行 った また 経 営 者 を 対 象 とした 企 業 トップセミナーを 開 催 し 協 力 を 依 頼 した 地 域 の 特 性 を 生 かした 休 暇 取 得 促 進 のための 環 境 整 備 事 業 1 事 業 実 施 年 度 H25 年 度 及 びH26 年 度 2 事 業 の 目 的 及 び 趣 旨 家 族 の 時 間 づくりプロジェクト 期 間 中 に 市 内 の 小 中 学 校 が 休 業 日 になる10 月 9 日 のおくんち 祭 ( 重 点 実 施 日 )に 合 わせて 年 次 有 給 休 暇 を 活 用 して 家 族 と 触 れ 合 う 時 間 を 作 り ワーク ライフ バランス( 仕 事 と 生 活 の 調 和 )を 図 る 環 境 づくりの 支 援 を 目 的 に 事 業 所 や 地 域 住 民 に 対 して 休 暇 取 得 の 働 きかけを 実 施 する 3 委 託 者 厚 生 労 働 省 労 働 基 準 局 4 受 託 者 公 益 財 団 法 人 地 方 経 済 総 合 研 究 所 5 実 施 内 容 ⑴ 関 係 者 による 連 絡 会 議 を 開 催 し 休 暇 取 得 促 進 に 向 けた 方 策 の 検 討 を 行 い ポスターの 掲 示 事 業 所 や 保 護 者 へのリーフレットの 配 布 新 聞 広 告 の 掲 載 セミナーの 開 催 等 を 通 じて 休 暇 取 得 の 必 要 性 を 周 知 する ⑵ 受 託 者 が 労 務 管 理 の 専 門 家 である 社 会 保 険 労 務 士 を 同 行 させ 直 接 事 業 所 へ 訪 問 し 重 点 実 施 日 の 休 暇 取 得 促 進 を 呼 び 掛 け 事 業 所 の 実 態 に 応 じ た 取 組 方 法 を 提 案 する ⑶ アンケートの 実 施 事 業 所 訪 問 を 通 じて 把 握 した 情 報 を 分 析 し 今 後 の 取 組 について 提 言 のとりまとめを 行 う 3
事 業 実 施 に 伴 う 効 果 及 び 課 題 懸 案 事 項 これまで おくんち 祭 に 参 加 できなかった 町 内 会 の 子 ども 神 輿 のみならず 学 校 もPTA 活 動 の 一 環 として 学 校 全 体 で 子 ども 神 輿 に 参 加 されるなど 祭 を 盛 り 上 げていただいた 反 面 保 護 者 が 休 めない 場 合 を 心 配 する 声 も 数 多 くあり 次 のような 課 題 が 見 えてきた 1 企 業 ( 事 業 所 )と 保 護 者 の 休 暇 とのマッチング ⑴ 子 どもだけが 休 みで 家 にいることに 不 安 を 感 じる 保 護 者 が 非 常 に 多 い ⑵ 企 業 ( 経 営 者 )へのPRが 鍵 である 当 市 は 小 規 模 の 事 業 者 が 多 数 を 占 めているとともに 医 療 関 係 に 勤 務 する 市 民 の 割 合 も 高 いため 有 給 休 暇 をとることが 困 難 な 事 業 所 が 多 い H25 年 度 は 休 暇 取 得 促 進 のための 環 境 整 備 事 業 においては 市 内 の 建 設 業 組 合 から 連 絡 会 議 のメンバーとして 参 加 いただいたが 今 年 度 はこ れに 加 え 市 医 師 会 の 事 務 局 からも 事 務 長 に 参 加 していただいている ⑶ 商 工 会 議 所 との 連 携 当 初 当 該 連 絡 会 議 に 商 工 会 議 所 からも 参 加 いただきたいと 依 頼 を 行 っ たが メンバーとしての 参 加 ができなかった ⑷ 圏 域 での 周 知 協 力 人 吉 球 磨 地 方 は 地 勢 的 に 一 つの 圏 域 としてまとまっており また 周 辺 町 村 に 大 きな 工 場 が 点 在 しているため 市 内 の 事 業 所 のみならず 周 辺 町 村 への 働 きかけも 重 要 であるし 広 域 的 に 取 り 組 む 必 要 がある 企 業 訪 問 :H25 年 度 約 50 社 H26 年 度 約 70 社 2 幼 稚 園 と 保 育 所 ( 園 )の 違 い ⑴ そもそも 幼 稚 園 と 保 育 所 ( 園 )は 教 育 と 保 育 という 点 で 法 制 度 上 も 位 置 付 けが 異 なっている 幼 稚 園 は 10 月 9 日 を 休 みにすることができる が 保 育 所 ( 園 )はできない このため 特 に 初 年 度 は 保 育 所 ( 園 )から 休 みにしたいけれども 法 律 上 できないので 協 力 は 難 しいとの 苦 言 が 相 当 出 された ⑵ 市 内 の 幼 稚 園 は3 園 で 園 児 数 218 人 (H23 年 度 ) 保 育 所 ( 園 )は 12 園 で 園 児 数 1,073 人 となっており 共 働 きの 家 庭 が 大 半 を 占 め る 現 在 法 制 度 上 の 対 応 が 必 要 ではないかと 感 じている 3 継 続 的 な 事 業 の 展 開 ⑴ 事 業 の 方 向 性 を 決 め 一 過 性 に 終 わることのない 継 続 的 な 取 組 みが 必 要 である ⑵ 9 日 を 中 心 とした 連 休 設 定 が 困 難 な 場 合 の 取 扱 い 4
9 日 が 週 の 中 日 となり 休 みと 連 続 しない 年 の 取 扱 い 4 児 童 生 徒 への 配 慮 仕 事 を 休 むことができない 事 業 所 に 勤 める 家 庭 での 児 童 生 徒 への 配 慮 学 童 保 育 祖 父 母 等 が 見 守 るという 体 制 に 加 え 地 域 ぐるみで 子 供 たちを 見 守 るという 体 制 づくりが 必 要 5 授 業 日 数 の 確 保 の 問 題 休 業 日 の 振 替 にて 対 応 可 能 6 部 活 動 等 秋 の 学 校 行 事 への 対 応 学 校 休 業 日 の 振 替 日 を 同 一 週 の 土 曜 日 で 調 整 し 土 曜 日 を 授 業 日 とした が 保 護 者 から 習 い 事 等 を 休 まなければならなくなった 部 活 動 の 大 会 などと 重 なり 参 加 できなかった などの 意 見 が 寄 せられた 次 年 度 (H25 年 度 )から 全 小 中 学 校 とも 夏 休 み 最 後 の 日 を 登 校 日 に 振 り 替 えることで 調 整 を 行 った まとめ(2つの 事 業 を 通 じて) 毎 年 10 月 9 日 に 開 催 される 人 吉 球 磨 地 域 の 最 大 で 由 緒 ある 青 井 阿 蘇 神 社 の おくんち 祭 について 祭 全 体 を 盛 り 上 げていくため 参 加 者 にいか に 仕 事 や 学 校 を 休 んで 参 加 していただくか 悩 んでいた 当 市 にとっては 家 族 の 時 間 づくりプロジェクト 及 び 厚 生 労 働 省 の 地 域 の 特 性 を 生 かした 休 暇 取 得 促 進 のための 環 境 整 備 事 業 は まさに 渡 りに 船 というべき 事 業 であった また 家 族 の 時 間 づくりプロジェクト と 地 域 の 特 性 を 生 かし た 休 暇 取 得 促 進 のための 環 境 整 備 事 業 は 2つの 事 業 を 連 携 させることに よる 相 乗 効 果 が 非 常 に 高 い 事 業 である この2つの 事 業 により おくんち 祭 は 学 校 も 仕 事 も 皆 休 んで 祭 に 参 加 するという 雰 囲 気 が 市 内 全 域 に 自 然 と 醸 成 されていくことを 期 待 するととも に 今 後 いかに 継 続 していくことができるかということが 大 切 なことであ ると 考 えている 当 市 のみならず 各 地 域 でのこのような 取 組 みをきっかけとして 地 域 内 の 事 業 所 で 働 く 人 たちや 事 業 主 の 方 の 休 暇 に 対 する 考 え 方 や 意 識 が 変 わる ことで いわゆる ワーク ライフ バランス の 向 上 につながり ひいて は 地 域 の 活 性 化 に 繋 がっていくものと 考 えている 5
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