2. 分 肥 育 豚 への 給 与 試 験 は 交 雑 種 (バークシャー 種 デュロック 種 (BD))の 去 勢 雌 を 用 い 群 飼 とし 平 均 体 重 約 70kg から 供 試 飼 料 を 不 断 給 与 し 終 了 体 重 は 115kg を 目 標 とした トマト 給 与 は 1



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トマト 給 与 が 肥 育 豚 の 発 育 と 肉 質 に 及 ぼす 影 響 上 原 力 山 下 洋 治 Effect of Dietary Tomato on Growth Performance and Meat Quality of Finishing Pigs. Tsutomu UEHARA, Youji YAMASHITA 要 約 トマトの 機 能 性 を 付 加 価 値 として 豚 肉 に 利 用 するため 県 内 のトマト 生 産 農 家 等 から 熟 れすぎ 割 れ つぶれなどの 規 格 外 のミニトマトを 収 集 した 保 存 性 を 高 め 内 容 物 を 均 一 にするため フ ードプロッセッサーで 粉 砕 して 冷 凍 庫 で 給 与 試 験 まで 冷 凍 保 存 した 飼 料 原 料 として1 日 1 頭 当 た り 100gの 量 を 体 重 約 70kg から 豚 に 給 与 した 発 育 と 体 成 績 では 飼 料 要 求 率 において 3.55 に 比 べ 4.04 と 高 くなった 以 外 有 意 な 差 はなかった 理 化 学 的 肉 質 検 査 脂 肪 酸 組 成 食 味 官 能 検 査 では 全 ての 項 目 において 有 意 な 差 はなかった トマト 給 与 により 総 コレステロールの 変 化 は 大 きく 血 中 リコピン 等 がやや 高 く ロース 肉 中 の 赤 色 色 素 量 がやや 低 くなった このことから トマト 給 与 により 抗 酸 化 作 用 が 期 待 でき 特 徴 ある 豚 肉 生 産 に 利 用 可 能 であるこ とが 示 唆 された 緒 言 これまで 付 加 価 値 のある 豚 肉 の 生 産 を 図 るため 未 利 用 資 源 のエコフィードを 活 用 してきた さらに 特 徴 ある 差 別 化 として 機 能 性 を 付 加 した 豚 肉 の 生 産 を 目 指 すため 新 たな 未 利 用 資 源 を 検 索 してきた 近 年 健 康 ブームからトマトが 注 目 されており トマトは ビタミン(A B 群 C E) ミネラル(カリウム マグネシウム カルシウム 鉄 亜 鉛 セレンなど)が 豊 富 で 抗 酸 化 作 用 が 強 いリコピンを 含 み 人 では 血 糖 値 を 下 げる 動 脈 硬 化 の 予 防 ガンの 予 防 喘 息 の 改 善 美 白 効 果 ダイエット 効 果 などの 効 果 効 能 があるといわれている トマト 生 産 農 家 ではトマ トの 熟 れすぎで 実 が 割 れるなど 市 場 に 出 荷 できない 規 格 外 のものは 廃 棄 されている 見 た 目 や 形 が 悪 いだけで トマトとしての 栄 養 機 能 は 問 題 ないと 考 えられる 今 回 比 較 的 手 に 入 れやすい 廃 棄 されたトマトを 有 効 活 用 し 給 与 による 機 能 性 付 加 や 発 育 肉 質 への 影 響 を 明 らかにするため 肥 育 豚 への 給 与 試 験 を 実 施 した 1. 供 試 飼 料 材 料 及 び 方 法 トマトは 県 内 のトマト 生 産 農 家 農 業 試 験 場 農 業 大 学 校 から 熟 れすぎ 割 れ つぶれなどの 規 格 外 のミニトマトを 収 集 した ミニトマトの 成 分 は 表 1 1) に 示 したとおり 水 分 が 約 90%あり カ ビ 腐 敗 を 防 止 して 保 存 性 を 高 め 内 容 物 を 均 一 にするため フードプロッセッサーで 粉 砕 してビ ニール 袋 に 詰 め 冷 凍 庫 で 給 与 試 験 まで 冷 凍 保 存 した 基 礎 飼 料 は 肥 育 後 期 用 (CP15.7% TDN78.0%)を 用 いた 表 1 ミニトマト 成 分 g/100g 水 分 たんぱく 質 脂 質 炭 水 化 物 灰 分 原 物 91.0 1.1 0.1 7.2 0.6 五 訂 食 品 成 分 表 より 香 川 畜 試 報 告 49(2014) - 13 -

2. 分 肥 育 豚 への 給 与 試 験 は 交 雑 種 (バークシャー 種 デュロック 種 (BD))の 去 勢 雌 を 用 い 群 飼 とし 平 均 体 重 約 70kg から 供 試 飼 料 を 不 断 給 与 し 終 了 体 重 は 115kg を 目 標 とした トマト 給 与 は 1 頭 当 たり 1 日 100gとした 水 は 自 由 飲 水 とした 試 験 期 間 は H25.5~H25.7 とし 体 重 測 定 は 毎 週 一 定 曜 日 に 実 施 した( 表 2) 表 2 分 区 分 供 試 豚 頭 数 ( 性 別 ) 飼 育 形 態 給 与 飼 料 給 与 形 態 交 雑 種 (BD) 4( 2 2) 群 飼 市 販 飼 料 +トマト100g 不 断 給 与 交 雑 種 (BD) 4( 2 2) 群 飼 市 販 飼 料 不 断 給 与 市 販 飼 料 :( 肥 育 後 期 用 )CP15.0% TDN78.0% トマト:100g/ 頭 日 3. 検 査 項 目 発 育 成 績 (DG 飼 料 要 求 率 嗜 好 性 等 ) と 体 成 績 (と 体 長 Ⅱ 背 脂 肪 厚 ロース 断 面 積 等 ) 理 化 学 的 肉 質 検 査 ( 肉 色 脂 肪 色 加 圧 保 水 性 伸 展 率 水 分 加 熱 損 失 圧 搾 肉 汁 率 脂 肪 融 点 破 断 応 力 等 ) 成 分 分 析 ( 脂 肪 酸 組 成 機 能 性 成 分 等 ) 血 液 検 査 (コレステロール 中 性 脂 肪 ) ロ ース 肉 の 食 味 官 能 検 査 について 実 施 した 試 験 開 始 時 と 終 了 時 の 2 回 採 血 を 実 施 し 総 コレステロールと 中 性 脂 肪 について 富 士 ドライケム ( 富 士 フイルム 5500V)で 測 定 した 機 能 性 成 分 の 血 中 リコピン 等 (リコピン α β-カロテン 等 カロテノイド)については 試 験 開 始 時 と 終 了 時 に 採 血 し 血 清 500μL を 微 量 測 定 用 の 光 路 長 10mm の 石 英 セルに 入 れ 470nm(リコ ピン α β ーカロテンの 測 定 用 波 長 )と 550nm(ヘモグロビンの 吸 収 測 定 用 波 長 )を 分 光 光 度 計 で 吸 光 度 を 測 定 し 開 始 前 後 の 吸 光 度 (470nm-550nm)をリコピン 等 として 比 較 した 2) ロース 肉 中 のTBA 反 応 による 脂 質 過 酸 度 の 測 定 は Kosugi ら(1992)の 方 法 に 準 じ 実 施 した 3) 理 化 学 的 肉 質 検 査 は 豚 肉 の 肉 質 改 善 に 関 する 研 究 実 施 要 領 に 基 づき 胸 最 長 筋 (ロース)で 実 施 した 肉 色 脂 肪 色 は 色 彩 色 差 計 (MINOLTA CR-300) 破 断 応 力 はレオメーター( 山 電 RE-3305) を 使 用 した 脂 肪 酸 組 成 はメチルエステル 化 による 処 理 後 ガスクロマトグラフ( 島 津 製 作 所 GC-2014AFSC) で 分 析 した 4)5) 食 味 官 能 検 査 は 冷 凍 保 存 したロースブロック 肉 を 0 ( 氷 水 )で 解 凍 後 脂 肪 を 約 1cm 付 け て 1.5cm 1.5cm 5cm にカットし 塩 を 軽 く 振 った 後 全 面 をホットプレートで 薄 く 焦 げ 目 が 付 く 程 度 に 焼 き 検 査 に 供 した 香 り 味 軟 らかさ 総 合 評 価 について どちらが 好 ましいか 2 点 比 較 法 で 2 回 延 べ 32 名 で 実 施 した 成 績 1. 発 育 成 績 飼 料 摂 取 量 は 市 販 飼 料 摂 取 量 に 差 が 無 かったが においてトマト 給 与 量 分 増 加 した 飼 料 要 求 率 は 3.55 に 比 べ 4.04 とやや 高 くなった と 殺 時 体 重 日 齢 一 日 平 均 増 体 量 において 有 意 な 差 はみられなかった( 表 3) 香 川 畜 試 報 告 49(2014) - 14 -

表 3 項 目 発 育 性 開 始 時 体 重 (kg) 70.1 ± 5.1 69.6 ± 5.5 と 殺 時 体 重 (kg) 115.8 ± 4.3 120.0 ± 2.4 と 殺 時 日 齢 ( 日 ) 189.5 ± 8.7 186.0 ± 12.7 一 日 平 均 増 体 量 (kg) 0.917 ± 0.114 1.112 ± 0.206 飼 料 摂 取 量 (kg) 737.0 (716.8) 715.9 飼 料 要 求 率 4.04 3.55 飼 料 摂 取 量 の( ) 内 は 市 販 飼 料 量 2.と 体 調 査 成 績 格 付 け 背 脂 肪 厚 ロース 断 面 積 に 有 意 な 差 はなかった( 表 4) 表 4 と 体 調 査 項 目 格 付 1.5 ± 1.0 1.3 ± 0.5 と 体 長 (cm) 94.5 ± 2.1 95.6 ± 2.3 背 腰 長 Ⅱ(cm) 70.1 ± 2.5 70.3 ± 2.1 背 脂 肪 (cm) 2.7 ± 0.2 2.8 ± 0.3 ロース 断 面 積 (cm^2) 23.6 ± 1.5 23.0 ± 4.2 格 付 上 :1 中 :2 並 :3 3. 肉 質 検 査 成 績 胸 最 長 筋 (ロース)の 理 化 学 的 肉 質 検 査 は 肉 色 脂 肪 色 保 水 性 伸 展 率 水 分 加 熱 損 失 圧 搾 肉 汁 率 破 断 応 力 等 調 査 したが 全 ての 項 目 において 有 意 な 差 はみられなかった( 表 5) 表 5 理 化 学 的 肉 質 検 査 項 目 PCS 3.1 ± 0.3 3.3 ± 0.3 肉 色 L* 値 52.03 ± 2.26 48.46 ± 2.10 肉 色 a* 値 9.09 ± 0.49 10.12 ± 1.03 肉 色 b* 値 2.85 ± 1.56 2.33 ± 0.90 脂 肪 色 L* 値 75.08 ± 0.49 74.79 ± 0.56 保 水 性 (%) 73.2 ± 2.4 75.4 ± 1.0 伸 展 率 (cm^2/g) 25.8 ± 2.1 26.9 ± 1.1 水 分 (%) 72.1 ± 1.0 73.0 ± 0.9 加 熱 損 失 (%) 28.0 ± 1.2 27.7 ± 1.0 圧 搾 肉 汁 率 (%) 45.3 ± 1.2 45.0 ± 0.7 破 断 応 力 10^7(N/m^2) 5.70 ± 0.97 5.74 ± 1.05 4. 脂 肪 成 績 背 内 層 脂 肪 の 脂 肪 融 点 と 7 種 類 の 脂 肪 酸 組 成 については 有 意 な 差 はみられなかった( 表 6) 香 川 畜 試 報 告 49(2014) - 15 -

mg/dl mg/dl トマト 給 与 が 肥 育 豚 の 発 育 と 肉 質 に 及 ぼす 影 響 表 6 脂 肪 分 析 脂 肪 内 層 融 点 ( ) 41.7 ± 0.7 40.7 ± 2.5 ミリスチン 酸 (C14:0) 1.14 ± 0.10 1.22 ± 0.14 パルミチン 酸 (C16:0) 27.07 ± 0.54 27.49 ± 0.72 パルミトレイン 酸 (C16:1) 0.63 ± 0.54 1.25 ± 0.15 ステアリン 酸 (C18:0) 17.92 ± 0.62 17.59 ± 1.40 オレイン 酸 (C18:1) 45.18 ± 1.13 44.34 ± 1.24 リノール 酸 (C18:2) 7.70 ± 1.02 7.74 ± 0.60 リノレン 酸 (C18:3) 0.36 ± 0.04 0.38 ± 0.03 飽 和 脂 肪 酸 46.13 ± 0.36 46.30 ± 1.67 不 飽 和 脂 肪 酸 53.87 ± 0.36 53.70 ± 1.67 不 飽 和 / 飽 和 1.17 ± 0.02 1.16 ± 0.08 5. 血 液 検 査 総 コレステロールは 両 区 とも 終 了 時 に 増 加 し 特 に の 変 化 が 著 しかったが レベルは 対 照 区 と 同 程 度 であった 中 性 脂 肪 は 両 区 とも 同 様 の 変 化 であった 120 110 100 90 80 70 60 開 始 時 終 了 時 図 1 総 コレステロールの 変 化 35 30 25 20 15 10 5 開 始 時 終 了 時 図 2 中 性 脂 肪 の 変 化 香 川 畜 試 報 告 49(2014) - 16 -

6. 血 中 リコピン 等 血 中 のリコピン 等 (リコピン α β-カロテン 等 カロテノイド)について 調 査 した 測 定 は 試 験 開 始 時 と 終 了 時 の 2 回 実 施 した 開 始 時 は と に 差 はなかったが 終 了 時 は の 方 が 高 い 傾 向 であった( 図 3) 0.150 0.125 ABS 0.100 0.075 0.050 開 始 時 終 了 時 図 3 血 中 リコピン 等 の 変 化 7.TBA 反 応 による 脂 質 過 酸 度 ロース 肉 中 の 脂 質 酸 化 の 指 標 となる 赤 色 色 素 量 は 0.019μmol/g に 対 し 0.018 μmol/g とやや 低 い 傾 向 であった( 図 4) 0.025 赤 色 色 素 量 μ mol/g 0.020 0.015 0.010 0.005 0.000 図 4 TBA 反 応 による 脂 質 過 酸 化 度 8. 官 能 検 査 成 績 官 能 検 査 は 香 り 味 柔 らかさ 総 合 評 価 の 4 項 目 について 2 回 延 べ 32 人 で 実 施 し 良 いと 判 断 した 人 の 割 合 で 示 した 味 で 1 人 柔 らかさ と 総 合 評 価 で 2 人 とわずかな 差 があったが 全 般 的 に と に 差 はなかった( 図 5) 香 川 畜 試 報 告 49(2014) - 17 -

% 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 香 り 味 柔 らかさ 総 合 評 価 図 5 食 味 官 能 検 査 考 察 トマトは ビタミン(A B 群 C E) ミネラル(カリウム マグネシウム カルシウム 鉄 亜 鉛 セレンなど)が 豊 富 で 抗 酸 化 作 用 が 強 いリコピンを 含 み その 効 果 はβカロテンの 2 倍 以 上 ビタミン E の 100 倍 以 上 といわれている そのリコピンは 一 般 的 な 大 玉 トマト(2~3mg/100g) よりミニトマト(5~8mg/ 100g)の 方 が 多 いといわれている 人 では 血 糖 値 を 下 げる 動 脈 硬 化 の 予 防 ガンの 予 防 喘 息 の 改 善 美 白 効 果 ダイエット 効 果 抗 アレルギー 作 用 精 液 性 状 の 改 善 などの 効 果 効 能 が 報 告 されている 6) 収 集 したトマトは 処 理 せずそのまま 利 用 することも 可 能 であったが 丸 粒 では 転 がり 採 食 性 が 落 ちたり 完 熟 で 割 れたり 潰 れたりしているため 内 容 物 に 偏 りが 出 たり 水 分 が 約 90%あるため 保 存 中 に 発 酵 腐 敗 カビの 発 生 する 恐 れがあるため フードプロセッサーで 粉 砕 し ビニール 袋 に 詰 め 冷 凍 保 存 した 夏 季 では 農 家 等 での 保 管 方 法 や 収 集 間 隔 が 長 くなるなど 処 理 に 時 間 がかか ると 一 晩 で 発 酵 腐 敗 が 発 生 する 場 面 もあった 生 産 農 家 等 からの 収 集 保 存 処 理 についは 今 後 の 課 題 となっている 人 ではリコピンの 一 日 の 目 安 摂 取 量 は 15~20mg といわれているが 今 回 トマト 100g 給 与 試 験 で の 摂 取 量 は 目 安 値 の 1/3~1/4 の 5mg 程 度 であったため 血 中 リコピンの 変 化 やロース 肉 中 の 抗 酸 化 の 効 果 が 弱 かったと 考 えられる また コレステロールや 中 性 脂 肪 への 影 響 は 今 回 の 試 験 では 確 認 できなかった しかし 給 与 量 を 増 やせば 効 果 は 期 待 できると 考 えられることから 特 徴 ある 豚 肉 生 産 に 利 用 可 能 であることが 示 唆 された 参 考 文 献 1) 五 訂 食 品 成 分 表, 女 子 栄 養 大 学 出 版 部 (2001) 2) 五 十 嵐 脩, 島 崎 弘 幸 : 生 物 化 学 実 験 法 34 過 酸 化 脂 質 フリーラジカル 実 験 法,144-153, 学 会 出 版 セ ンター(1995) 3) 豚 肉 の 肉 質 改 善 に 関 する 研 究 実 施 要 領, 農 林 水 産 省 畜 産 試 験 場 加 工 第 2 研 究 室 (1990) 4) 食 肉 の 官 能 評 価 ガイドライン, 財 団 法 人 日 本 食 肉 消 費 総 合 センター(2005) 5) 四 国 地 域 の 銘 柄 豚 の 特 徴 あるおいしさ 評 価 技 術 の 開 発, 先 端 技 術 等 地 域 実 用 化 研 究 促 進 事 業 研 究 成 果 報 告 書 (2003) 香 川 畜 試 報 告 49(2014) - 18 -

6)カゴメ 株 式 会 社 トマト 大 学 医 学 部 トマトの 機 能 効 能 について(オンライン) http://www.kagome.co.jp/tomato/tomato-univ/medical/ 香 川 畜 試 報 告 49(2014) - 19 -