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柔 道 整 復 師 の 施 術 料 金 の 算 定 方 法 ( 平 成 22 年 6 月 1 日 改 正 ) 柔 道 整 復 師 の 施 術 に 係 る 費 用 の 額 は 次 に 定 める 額 により 算 定 するものとする 1 初 検 往 療 及 び 再 検 初 検 料 初 検 時 相 談 支

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3 保 険 料 ( 掛 金 )を 納 めていること 原 則 として 初 診 日 月 前 々 月 まで 国 民 年 金 加 入 期 間 全 体 うち 3 分 2 以 上 きち んと 納 めている( 保 険 料 免 除 期 間 も 含 む)ことが 必 要 です 現 在 は 特 例 として 初 診 日 が

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監 修 北 辰 会 有 澤 総 合 病 院 内 科 大 八 木 秀 和 1 時 間 目 子 宮 内 膜 症 名 古 屋 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 産 婦 人 科 中 原 辰 夫 NAKAHARA Tatsuo 月 経 困 腎 難 不 を 全 訴 とはどのような えて 来 院 される

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認 定 看 護 師 専 門 看 護 師 集 中 ケア 新 生 児 集 中 ケア A 呼 吸 ケアチーム 加 算 150 点 呼 吸 ケアチームの 設 置 救 急 看 護 小 児 救 急 看 護 慢 性 呼 吸 器 疾 患 看 護 急 性 重 症 患 者 看 護 A 247 認 知 症

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1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

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Ⅶ 東 海 地 震 に 関 して 注 意 情 報 発 表 時 及 び 警 戒 宣 言 発 令 時 の 対 応 大 規 模 地 震 対 策 特 別 措 置 法 第 6 条 の 規 定 に 基 づき 本 県 の 東 海 地 震 に 係 る 地 震 防 災 対 策 強 化 地 域 において 東 海 地 震

想 像 思 行 ず 消 毒 擦 む 薄 血 混 じ 滲 み ぶ 痂 ぶ 取 下 薄 来 経 験 沢 山 お 思 健 常 人 間 元 々 備 能 力 中 具 的 何 起 ょ 簡 単 説 明 ず 人 間 負 部 リ ン パ 球 血 小 板 マ ク ロ フ ァ ジ 悪 食 べ 集 死 溶 食 べ 清 浄

18 国立高等専門学校機構

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2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与

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m07 北見工業大学 様式①

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公表表紙

区議会月報 平成19年4-5月

5 長 野 地 裁 H 強 盗 殺 人, 死 体 遺 棄 H H ( 東 京 高 裁 ) H 横 浜 地 裁 H 殺 人 H H 静 岡 地 裁 H 殺 人, 死 体 遺 棄, 強

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別紙3

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている 総 合 的

16 日本学生支援機構

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為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

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技 能 労 務 職 公 務 員 民 間 参 考 区 分 平 均 年 齢 職 員 数 平 均 給 与 月 額 平 均 給 与 月 額 平 均 給 料 月 額 (A) ( 国 ベース) 平 均 年 齢 平 均 給 与 月 額 対 応 する 民 間 の 類 似 職 種 東 庄 町 51.3 歳 18 77

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2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 161,7 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41

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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

母 子 医 療 対 策 費 462 (313,289) 国 4,479 1 不 妊 治 療 助 成 事 業 8,600 不 妊 治 療 費 用 の 一 部 を 助 成 し 経 済 的 負 担 の 軽 減 を 図 る 230, ,608 不 妊 治 療 費 の 増 加 による 増 額 分

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職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 () 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 ( 年 4 月 日 現 在 ) 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 ( ベース) 44. 歳 6,4, 歳,44 4,7 7,6 4. 歳 7,

能勢町市街化調整区域における地区計画のガイドライン

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容 積 率 制 限 の 概 要 1 容 積 率 制 限 の 目 的 地 域 で 行 われる 各 種 の 社 会 経 済 活 動 の 総 量 を 誘 導 することにより 建 築 物 と 道 路 等 の 公 共 施 設 とのバランスを 確 保 することを 目 的 として 行 われており 市 街 地 環

科 目 名 生 理 学 Ⅱ 講 師 名 山 美 喜 子 開 講 期 前 期 後 期 通 身 体 の 正 常 な 機 能 を 国 家 試 験 の 出 題 内 容 と 関 連 付 けて 理 解 する 成 績 評 価 方 法 試 験 :00 点 受 講 態 度 :0 点 ( 減 点 方 式 ) 生 理 学

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2 積 極 的 な 接 種 勧 奨 の 差 し 控 え 国 は 平 成 25 年 4 月 から 定 期 接 種 化 したが ワクチン 接 種 との 関 連 を 否 定 できない 持 続 的 な 痛 みなどの 症 状 が 接 種 後 に 見 られたことから 平 成 25 年 6 月 定 期 接 種 と

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人 同 意 第 49 回 宇 和 島 定 例 決 結 果 一 覧 表 番 号 件 名 決 結 果 報 告 第 1 号 専 決 処 分 した 件 報 告 即 日 受 理 専 決 第 1 号 道 おける 故 和 解 即 日 受 理 専 決 第 2 号 車 両 接 触 故 和 解 即 日 受 理 案 第

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2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 135,6 243,7 185,8 222,9 261,9


2. ど の 様 な 経 緯 で 発 覚 し た の か ま た 遡 っ た の を 昨 年 4 月 ま で と し た の は 何 故 か 明 ら か に す る こ と 回 答 3 月 17 日 に 実 施 し た ダ イ ヤ 改 正 で 静 岡 車 両 区 の 構 内 運 転 が 静 岡 運

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Transcription:

第 122 回 北 海 道 整 形 外 科 外 傷 研 究 会 抄 録 平 成 22 年 8 月 28 日 ( 土 ) 14:50~ 於 : 札 幌 教 育 文 化 会 館 会 長 : 札 幌 東 徳 洲 会 病 院 辻 英 樹 先 生 共 催 : 北 海 道 整 形 外 科 外 傷 研 究 会 大 日 本 住 友 製 薬 株 式 会 社

第 122 回 北 海 道 整 形 外 科 外 傷 研 究 会 症 例 検 討 (1) 治 療 に 難 渋 した 右 脛 骨 腓 骨 開 放 骨 折 の1 例 市 立 札 幌 病 院 整 形 外 科 中 山 央 先 生 (2) 上 腕 骨 骨 幹 部 骨 折 に 対 する 逆 行 性 髄 内 釘 後 の 回 旋 変 形 偽 関 節 の 一 例 函 館 五 稜 郭 病 院 整 形 外 科 佐 藤 攻 先 生 一 般 演 題 (1)AO 分 類 type C 足 関 節 果 部 骨 折 の 受 傷 機 転 とX 線 所 見 に 関 する 考 察 刀 圭 会 協 立 病 院 整 形 外 科 津 村 敬 先 生 (2) 橈 骨 遠 位 端 骨 折 に 対 するModified condylar stabilizing 法 士 別 市 立 病 院 整 形 外 科 大 坪 誠 先 生 主 題 (1) 示 指 骨 髄 炎 の1 例 旭 川 赤 十 字 病 院 整 形 外 科 森 井 北 斗 先 生 (2) 骨 盤 骨 折 後 のMRSA 化 膿 性 股 関 節 炎 に 対 し 人 工 股 関 節 置 換 術 を 施 行 した1 例 手 稲 渓 仁 会 病 院 整 形 外 科 宮 田 康 史 先 生 (3) 大 腿 骨 頚 部 骨 折 に 仙 骨 部 褥 瘡 を 合 併 したため 治 療 方 針 に 難 渋 した 症 例 札 幌 徳 洲 会 病 院 整 形 外 科 外 傷 部 成 田 有 子 先 生 (4) 重 症 下 腿 開 放 性 骨 折 における 深 部 感 染 症 札 幌 東 徳 洲 会 病 院 外 傷 部 土 田 芳 彦 先 生 (5) 寛 骨 臼 骨 折 術 後 感 染 症 例 の 検 討 札 幌 医 科 大 学 高 度 救 命 救 急 センター 整 形 外 科 入 船 秀 仁 先 生 教 育 研 修 講 演 整 形 外 科 領 域 の 感 染 症 を 考 える~MRSA 感 染 症 を 中 心 に~ 愛 知 医 科 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 感 染 制 御 学 教 授 三 鴨 廣 繁 先 生

症 例 検 討 (1) 治 療 に 難 渋 した 右 脛 骨 腓 骨 開 放 骨 折 の1 例 市 立 札 幌 病 院 整 形 外 科 中 山 央 症 例 24 歳 男 性 乗 用 車 を 運 転 中 に 街 路 灯 に 衝 突 し 受 傷 した 同 日 当 院 救 命 センターに 搬 入 された 搬 入 時 意 識 は 清 明 バイタルは 安 定 していた 右 下 腿 に 開 放 創 を 認 めた 単 純 X 線 の 結 果 右 脛 骨 腓 骨 開 放 骨 折 (Gustilo typeⅡ AO:42-C1) 右 足 関 節 脱 臼 骨 折 の 診 断 となった 本 症 例 に 関 して 治 療 方 針 等 を 検 討 し 報 告 する

症 例 検 討 (2) 上 腕 骨 骨 幹 部 骨 折 に 対 する 逆 行 性 髄 内 釘 後 の 回 旋 変 形 偽 関 節 の 一 例 函 館 五 稜 郭 病 院 整 形 外 科 佐 藤 攻 柏 隆 史 北 村 公 一 小 堺 豊 奴 賀 賢 永 澤 雷 太 尾 崎 律 郎 小 川 考 了 はじめに 上 腕 骨 骨 幹 部 骨 折 に 対 する 逆 行 性 髄 内 釘 は 順 行 性 髄 内 釘 と 比 べて 上 腕 骨 頭 軟 骨 腱 板 への 侵 襲 がない 点 で 優 れている 一 方 逆 行 性 髄 内 釘 では 術 中 に 髄 内 釘 挿 入 部 に 骨 折 を 起 こすことがあり 注 意 が 必 要 である 今 回 我 々は 上 腕 骨 骨 幹 部 骨 折 に 対 して 逆 行 性 髄 内 釘 手 術 を 行 った 際 に 顆 上 骨 折 が 発 生 し 後 に 回 旋 変 形 と 偽 関 節 を 合 併 した 症 例 を 経 験 したので 報 告 する 症 例 42 歳 女 性 交 通 事 故 にて 受 傷 し 近 医 に 救 急 搬 送 された 右 上 腕 骨 開 放 骨 折 (AO12-A2)の 診 断 で 同 日 洗 浄 Ender pin 固 定 を 施 行 した 受 傷 後 8 日 目 逆 行 性 髄 内 釘 を 施 行 したが 術 中 上 腕 骨 顆 上 骨 折 が 発 生 したため plate 固 定 を 追 加 した LIPUSを 行 うも 偽 関 節 となり 受 傷 後 4カ 月 半 で 当 科 紹 介 受 診 となった 右 肩 の 下 垂 位 外 旋 角 度 は0 度 と 著 明 な 外 旋 制 限 を 認 めた 単 純 レントゲン 上 では 骨 癒 合 傾 向 は 見 られず 偽 関 節 化 していた 今 後 の 治 療 方 針 について 討 論 を 行 い 偽 関 節 治 療 に 対 する 文 献 的 考 察 を 行 う

一 般 演 題 (1) AO 分 類 type C 足 関 節 果 部 骨 折 の 受 傷 機 転 と X 線 所 見 に 関 する 考 察 刀 圭 会 協 立 病 院 整 形 外 科 津 村 敬 伊 林 克 也 佐 藤 幸 宏 長 谷 川 敏 目 的 AO 分 類 type C 足 関 節 果 部 骨 折 ( 遠 位 脛 腓 関 節 より 近 位 の 腓 骨 骨 折 を 伴 う 足 関 節 果 部 骨 折 以 下 type C 果 部 骨 折 )は 教 科 書 的 には 受 傷 時 の 足 部 肢 位 は 外 返 し とされる しかし 日 常 診 療 において 内 返 し で 受 傷 したと 思 われる 症 例 が 少 なからず 見 られる そこで 当 院 で 治 療 した type C 果 部 骨 折 の 受 傷 機 転 とX 線 所 見 を 検 討 し 本 骨 折 の 損 傷 パターンを 分 析 した 対 象 と 方 法 対 象 は 2006 年 10 月 より 2010 年 4 月 までに 当 院 で 治 療 した type C 果 部 骨 折 8 例 ( 男 性 5 例 女 性 3 例 31~57 歳 AO 分 類 C1 が 5 例 C2 が 1 例 C3 が2 例 ) これらの 症 例 の 受 傷 機 転 と X 線 所 見 を 検 討 した 結 果 受 傷 状 況 は 平 地 で twist2 例 階 段 で 受 傷 2 例 溝 に 落 下 1 例 重 量 物 落 下 2 例 川 に 流 されて 受 傷 1 例 であった 問 診 より 受 傷 時 肢 位 の 明 らかなも のは 6 例 であり 外 返 し 損 傷 2 例 内 返 し 損 傷 4 例 であった 外 返 し 損 傷 の X 線 的 特 徴 は 内 側 への 牽 引 力 を 推 察 させる 水 平 な 内 果 骨 折 線 であった 一 方 内 返 し 損 傷 の 特 徴 は 内 側 後 方 への 剪 断 力 を 推 察 させる 垂 直 に 近 い 内 果 骨 折 線 と 内 側 後 方 の 後 果 骨 折 であった 以 上 の 内 果 骨 折 における 特 徴 的 X 線 所 見 を 基 に 問 診 では 受 傷 時 肢 位 が 明 らかでなかった 2 例 の 受 傷 機 転 を 推 察 した ところ 外 返 し 損 傷 2 例 であり 全 体 で 外 返 し 損 傷 4 例 内 返 し 損 傷 4 例 と なった 腓 骨 骨 折 の 高 位 は 足 関 節 面 より 43~310mm であった メゾヌーブ 骨 折 2 例 は 内 返 し 損 傷 であったが その 他 の 内 返 し 損 傷 は 外 返 し 損 傷 に 比 し 低 位 の 骨 折 である 傾 向 を 認 めた 腓 骨 骨 折 の 形 態 は 横 骨 折 2 例 螺 旋 または 斜 骨 折 6 例 であり 横 骨 折 2 例 は 外 返 し 損 傷 であった 受 傷 時 X 線 写 真 にて 遠 位 脛 腓 関 節 離 開 を 認 めた 症 例 は 外 返 し 損 傷 3 例 内 返 し 損 傷 1 例 であった まとめ type C 果 部 骨 折 を 内 返 し 損 傷 と 外 返 し 損 傷 に 分 類 し 各 々の X 線 所 見 につ いて 分 析 した

一 般 演 題 (2) 橈 骨 遠 位 端 骨 折 に 対 する Modified condylar stabilizing 法 士 別 市 立 病 院 整 形 外 科 大 坪 誠 宮 野 憲 仁 濱 田 修 西 岡 整 形 外 科 クリニック 西 岡 健 吾 はじめに 背 側 転 位 型 橈 骨 遠 位 端 骨 折 に 対 して 掌 側 ロッキングプレートを 使 用 した 治 療 が 盛 んに 行 われている しかし 術 後 のVolar Tiltが 意 外 と 整 復 不 十 分 な 症 例 を 経 験 した そこでCondylar stabilizing 法 に 準 じ 同 法 を 行 う 前 に 徒 手 整 復 とK-wireによる 仮 固 定 を 行 うModified condylar stabilizing 法 を 用 いて 治 療 を 行 った 良 好 な 術 後 整 復 位 (Volar Tilt)が 得 られたので 報 告 する 対 象 方 法 対 象 は 当 院 で 2009 年 4 月 か ら 2010 年 5 月 ま で に Modified condylar stabilizing 法 を 施 行 した19 例 男 性 2 例 女 性 17 例 平 均 手 術 時 年 齢 67.6 歳 (53~81 歳 ) 骨 折 型 はAO 分 類 A2:1 例 A3:13 例 C2:3 例 C3:2 例 平 均 経 過 観 察 期 間 は24 週 (12~52 週 )であった プレートは 全 例 日 本 ユニテック 社 Stellarプレートを 用 いた 結 果 平 均 手 術 時 間 63 分 ( 術 者 1 人 12 例 :66 分 術 者 2 人 5 例 :55 分 ) 全 例 骨 移 植 な し 合 併 症 は 手 指 拘 縮 1 例 のみだった FPL 断 裂 内 固 定 金 属 の 折 損 手 根 管 症 候 群 などはみられなかった Cooneyの 評 価 法 でExellent14 例 :good4 例 :poor1 例 全 例 骨 癒 合 が 得 られた RIは 術 前 19.6 術 後 23.9 最 終 経 過 観 察 時 24.5 で 矯 正 損 失 は+0.6 VTは 術 前 -14.6 術 後 13.5 最 終 経 過 観 察 時 12.6 で 矯 正 損 失 は-0.9 UVは 術 前 +2.8mm 術 後 +0.6mm 最 終 経 過 観 察 時 +1.5mmで 矯 正 損 失 は+0.9mmだった 考 察 Modified condylar stabilizing 法 は 整 復 操 作 が 容 易 で 転 位 の 矯 正 力 も 強 い ため 背 側 転 位 型 橈 骨 遠 位 端 骨 折 に 有 効 な 方 法 と 考 えられた また 術 者 1 人 で も 比 較 的 容 易 に 施 行 可 能 であった 今 回 当 院 で 施 行 したModified condylar stabilizing 法 について 若 干 の 文 献 的 考 察 を 加 えて 報 告 する

主 題 (1) 示 指 骨 髄 炎 の1 例 旭 川 赤 十 字 病 院 整 形 外 科 森 井 北 斗 加 茂 裕 樹 高 橋 滋 小 野 沢 司 症 例 69 歳 男 性 主 訴 左 示 指 の 痛 み 現 病 歴 平 成 21 年 10 月 15 日 左 示 指 背 側 にあった 水 泡 を 破 った 後 魚 釣 り にいった 翌 日 腫 れと 痛 みが 出 現 したので 近 所 の 診 療 所 を 受 診 し 9 日 間 の 抗 生 剤 投 与 にて 軽 減 した その 後 数 日 で 症 状 が 再 燃 したが 放 置 していた 痛 みが 続 くため 同 年 11 月 10 日 初 診 とは 別 の 開 業 医 を 受 診 した 局 所 麻 酔 で 切 開 と 洗 浄 を 行 なわれたが 骨 髄 炎 の 疑 いで 追 加 手 術 の 必 要 ありと 判 断 され その 翌 日 に 当 科 紹 介 初 診 となった 既 往 歴 17 歳 の 時 に 自 動 カンナで 左 中 指 環 指 小 指 を 切 断 断 端 形 成 術 を 施 行 され ている 初 診 時 所 見 示 指 背 側 末 節 部 から 中 節 部 にかけての 発 赤 腫 脹 あり DIP 背 側 に 切 開 が 加 えられペンローズドレーンが 留 置 されていた ドレーンから は 血 性 浸 出 液 の 排 出 を 認 めた 画 像 所 見 単 純 レントゲンでは 中 節 骨 遠 位 の 骨 破 壊 像 造 影 MRI (T1W1 脂 肪 抑 制 )では 末 節 骨 中 節 骨 と 周 囲 軟 部 組 織 の 高 輝 度 像 を 認 めた 治 療 経 過 手 術 所 見 創 部 浸 出 液 培 養 の 結 果 黄 色 ぶどう 球 菌 が 検 出 され 左 示 指 骨 髄 炎 の 診 断 とし 初 診 後 7 日 で 手 術 を 施 行 した DIP 関 節 周 囲 の 腐 骨 や 感 染 滑 膜 を 可 及 的 にデブリドマンし 洗 浄 した 後 基 節 骨 末 節 骨 にK wire を 各 々 二 本 刺 入 注 射 針 の 外 套 にK wireを 固 定 して 簡 易 創 外 固 定 とし 骨 長 を 維 持 した 死 腔 に 抗 生 剤 含 有 リン 酸 カルシウムペーストを 充 填 して 創 を 閉 鎖 し 終 了 した 感 染 の 再 燃 がないか 術 後 3ヶ 月 間 外 来 にて 経 過 観 察 した 後 抗 生 剤 含 有 リン 酸 カルシウムペーストの 除 去 と 腸 骨 の 骨 移 植 術 を 施 行 し た 腸 骨 移 植 後 7 週 で 簡 創 外 固 定 を 抜 去 初 回 術 後 7ヶ 月 で 骨 癒 合 を 確 認 し 痛 みも 改 善 したため 治 療 終 了 となった 考 察 指 骨 髄 炎 に 対 して 簡 易 創 外 固 定 器 と 抗 生 剤 含 有 リン 酸 カルシウムペ ーストを 用 いて 良 好 な 結 果 を 得 たため 文 献 をふまえた 考 察 を 行 い 報 告 する

主 題 (2) 骨 盤 骨 折 後 のMRSA 化 膿 性 股 関 節 炎 に 対 し 人 工 股 関 節 置 換 術 を 施 行 した1 例 手 稲 渓 仁 会 病 院 整 形 外 科 宮 田 康 史 大 野 和 則 辻 野 淳 札 幌 北 楡 病 院 整 形 外 科 東 輝 彦 はじめに MRSAを 起 因 菌 とする 化 膿 性 関 節 炎 の 治 療 には 非 常 に 難 渋 する ことが 多 い 今 回 我 々は 骨 盤 骨 折 後 に 発 症 したMRSA 股 関 節 炎 に 対 して 人 工 股 関 節 置 換 術 を 施 行 し 現 時 点 では 感 染 が 沈 静 化 されている 症 例 を 経 験 し ているので その 経 過 を 報 告 する 症 例 53 歳 男 性 現 病 歴 2006 年 5 月 : 重 量 物 に 骨 盤 を 挟 まれ 受 傷 し 某 医 へ 搬 送 され 右 恥 坐 骨 骨 折 仙 骨 骨 折 外 傷 性 尿 道 損 傷 の 診 断 にて 骨 盤 に 対 しては 創 外 固 定 を 施 行 される 7 月 : 発 熱 出 現 し 急 性 胆 嚢 炎 の 診 断 となり 骨 盤 の 創 外 固 定 も 抜 去 し 開 腹 胆 嚢 摘 出 術 施 行 される 11 月 : 退 院 2007 年 11 月 : 発 熱 右 臀 部 痛 出 現 し 右 臀 部 に 感 染 巣 を 認 める 切 開 排 膿 洗 浄 術 を 施 行 し MRSA が 同 定 される その 後 も 3 回 の 再 燃 を 認 め 同 様 処 置 で 沈 静 化 する 2008 年 9 月 : 再 度 右 臀 部 痛 出 現 感 染 徴 候 沈 静 化 せず 当 院 へ 紹 介 受 診 となる 治 療 経 過 2008 年 9 月 24 日 : 当 院 初 診 入 院 となる 9 月 27 日 : 骨 頭 切 除 掻 爬 持 続 洗 浄 施 行 する 10 月 14 日 : 持 続 洗 浄 終 了 その 後 高 圧 酸 素 治 療 も 併 用 する 12 月 9 日 :ロフストランド 杖 右 部 分 荷 重 で 退 院 となる 2009 年 8 月 25 日 : 右 人 工 股 関 節 置 換 術 を 目 的 に 再 入 院 となる 8 月 28 日 : 開 放 生 検 を 行 い 培 養 病 理 の 検 査 を 行 った 局 所 は 感 染 徴 候 なく 培 養 (-) 病 理 検 査 も 感 染 徴 候 を 認 めず 9 月 13 日 : 発 熱 炎 症 反 応 出 現 膀 胱 炎 を 認 め セルフカテで 残 尿 を 認 め 膀 胱 炎 へ 進 展 した 10 月 7 日 : 炎 症 反 応 沈 静 し 一 度 退 院 し 膀 胱 炎 が 再 燃 しないよう セルフカテの 練 習 を 施 行 し ていただく

2010 年 1 月 20 日 : 炎 症 反 応 沈 静 後 3ヵ 月 骨 頭 切 除 掻 爬 術 後 1 年 4カ 月 の 時 点 で 右 人 工 股 関 節 置 換 術 を 施 行 した 3 月 19 日 : 退 院 術 後 7カ 月 の 現 在 感 染 の 再 燃 を 認 めず 1 本 杖 使 用 し 独 歩 可 能 である 考 察 長 期 間 の 経 過 で 再 燃 を 繰 り 返 し 他 部 位 の 感 染 を 伴 うMRSA 化 膿 性 股 関 節 であり 治 療 方 針 の 決 定 に 難 渋 した 人 工 股 関 節 置 換 術 への 待 機 期 間 や 抗 生 剤 の 種 類 やその 使 用 期 間 も 極 めて 慎 重 に 選 択 したが 現 時 点 では 感 染 の 再 燃 を 認 めていない

主 題 (3) 大 腿 骨 頚 部 骨 折 に 仙 骨 部 褥 瘡 を 合 併 したため 治 療 方 針 に 難 渋 した 症 例 札 幌 徳 洲 会 病 院 整 形 外 科 外 傷 部 成 田 有 子 磯 貝 哲 畑 中 渉 倉 田 佳 明 高 橋 信 行 橋 本 功 二 平 山 傑 井 畑 朝 紀 熊 谷 明 史 田 邊 康 はじめに 高 齢 化 社 会 の 昨 今 大 腿 骨 頚 部 骨 折 の 患 者 は 増 加 しており ほとんどの 場 合 には 観 血 的 治 療 が 選 択 されている しかし 仙 骨 部 の 褥 瘡 など 股 関 節 の 近 傍 に 皮 膚 のトラブルが 存 在 する 場 合 化 膿 性 関 節 炎 や 骨 髄 炎 の 発 症 リスクもあ るため インプラントを 骨 に 挿 入 する 手 術 は 苦 慮 されることもある 今 回 我 々が 経 験 した 大 腿 骨 頚 部 骨 折 に 仙 骨 部 褥 瘡 を 合 併 した 症 例 について 報 告 す る 症 例 68 歳 女 性 独 居 自 宅 で 転 倒 し 右 股 関 節 痛 が 出 現 したが 医 療 機 関 を 受 診 せ ず 放 置 仙 骨 部 に 直 径 15cm 大 の 褥 瘡 形 成 を 合 併 したため 受 傷 後 1ヵ 月 目 に 当 院 に 救 急 受 診 となった Garden stageⅣの 右 大 腿 骨 頚 部 骨 折 仙 骨 部 褥 瘡 の 診 断 で 入 院 となった 不 顕 性 に 骨 髄 炎 などの 感 染 性 疾 患 が 合 併 している 可 能 性 を 考 慮 し 褥 瘡 治 癒 後 に 骨 折 治 療 を 行 う 方 針 となった 褥 瘡 は 洗 浄 デブリ ードマンを 繰 り 返 し 入 院 3 週 目 に 臀 部 筋 膜 皮 弁 で 治 療 術 後 カテ 先 から MRSA 検 出 と 創 部 の 表 層 感 染 を 起 こしたが 術 後 3 週 で 治 癒 した 仙 骨 部 褥 瘡 治 癒 後 2 週 目 ( 骨 折 受 傷 後 3カ 月 )に 右 大 腿 骨 頚 部 骨 折 に 対 し 人 工 骨 頭 挿 入 術 を 行 うこととなったが 大 腿 骨 頚 部 後 壁 の 融 解 と 股 関 節 周 囲 に 膿 様 の 液 体 貯 留 を 認 めたため 断 念 し 骨 頭 と 頚 部 を 切 除 するのみ(Girdlestone 手 術 )とした その 後 歩 行 訓 練 を 行 い 現 在 は 跛 行 を 認 めるもののサークル 歩 行 可 能 となっ ている 考 察 術 後 組 織 検 査 では 好 中 球 などの 浸 潤 は 認 められず 細 菌 も 検 出 されていない ことより 化 膿 性 股 関 節 炎 ではなかった 可 能 性 が 高 かった しかし 術 中 の 所 見 では 感 染 を 否 定 できず 人 工 骨 頭 などのインプラント 留 置 は 躊 躇 われた ためGirdlestone 手 術 を 行 った 歩 行 能 力 の 獲 得 という 点 からは 人 工 骨 頭 挿 入 術 が 最 も 適 した 方 法 であるが ひとたび 骨 髄 炎 を 併 発 すると 生 命 の 危 険 性 も 出 てくる 本 症 例 の 治 療 についてご 討 論 お 願 いしたい

主 題 (4) 重 症 下 腿 開 放 性 骨 折 における 深 部 感 染 症 札 幌 東 徳 洲 会 病 院 外 傷 部 土 田 芳 彦 村 上 裕 子 辻 英 樹 名 和 正 行 綾 部 真 一 松 田 智 倫 工 藤 雅 響 佐 藤 和 生 土 屋 唯 衣 はじめに GustiloⅢB 以 上 の 重 度 下 腿 開 放 骨 折 の 感 染 率 は 高 く 1984 年 のGustiloらの 報 告 によれば50%ほどの 高 率 であった しかし 初 期 の 広 範 囲 デブリドマン と 早 期 (72 時 間 以 内 )の 皮 弁 形 成 術 により 感 染 率 が 著 しく 低 下 することを 1986 年 にGodinaが 報 告 して 以 来 感 染 の 問 題 は 解 決 されたかの 認 識 がある 今 回 我 々は 早 期 皮 弁 形 成 術 にて 治 療 した 重 度 下 腿 開 放 骨 折 の 感 染 率 につき 検 討 したので 報 告 する 対 象 と 方 法 2000 年 4 月 から2008 年 3 月 までの 間 に 演 者 自 身 が 患 肢 温 存 術 を 施 行 した GustiloⅢB 重 度 下 腿 開 放 骨 折 は16 例 である 男 性 13 例 女 性 3 例 で 平 均 年 齢 41.2 歳 (20~75 歳 )であった 開 放 骨 折 重 症 度 はGustilo IIICが2 例 Gustilo IIIbが14 例 であった 72 時 間 以 内 に 治 療 を 完 了 したのが9 例 で 72 時 間 以 上 を 越 えて 治 療 完 了 したのが7 例 ( 平 均 12.5 日 )であった 軟 部 組 織 再 建 は 有 茎 皮 弁 が4 例 遊 離 皮 弁 が12 例 で 皮 弁 の 失 敗 例 はなかった 最 終 的 骨 接 合 は 創 外 固 定 が3 例 プレート 固 定 が6 例 髄 内 釘 が1 例 であった 以 上 の 症 例 について 深 部 感 染 発 生 率 について 調 査 した 結 果 16 例 の 合 併 症 として 深 部 感 染 を 併 発 したのは4 例 25%で 全 例 MRSA 感 染 であっ た 深 部 感 染 例 の4 例 は 全 例 洗 浄 と 可 及 的 デブリドマンを 施 行 したが 感 染 が 制 御 できず 骨 固 定 材 料 を 全 抜 去 することにより 感 染 の 鎮 静 化 が 得 られた 結 果 的 に 慢 性 骨 髄 炎 に 至 った 症 例 はなく 全 例 骨 癒 合 が 得 られ 独 歩 可 能 とな った また 深 部 感 染 例 4 例 のうち1 例 はA 病 院 (10 例 中 1 例 10%) 3 例 がB 病 院 (6 例 中 3 例 50%)にて 行 われたものであり B 病 院 にての 感 染 率 は 有 意 に 高 いものであった 考 察 初 期 の 広 範 囲 デブリドマンと 早 期 皮 弁 形 成 術 の 有 効 性 は 認 められているが 同 一 術 者 であっても 施 行 病 院 にて 感 染 率 に 大 きな 差 があったことは この 治 療 が 複 雑 であり 多 くの 要 因 から 影 響 を 受 けることを 示 唆 する

主 題 (5) 寛 骨 臼 骨 折 術 後 感 染 症 例 の 検 討 札 幌 医 科 大 学 高 度 救 命 救 急 センター 整 形 外 科 入 船 秀 仁 はじめに 寛 骨 臼 骨 折 は 高 エネルギー 外 傷 によって 生 じる 外 傷 である その 解 剖 学 的 位 置 関 係 から 外 科 的 治 療 の 際 は 急 性 期 から 手 術 に 至 るまで 様 々な 問 題 があり また 感 染 を 併 発 すれば 悲 惨 な 結 果 になり 得 る 外 傷 である 今 回 当 セン ター 並 びに 関 連 施 設 にて 治 療 を 行 った 寛 骨 臼 骨 折 症 例 について 調 査 を 行 った ので 報 告 する 対 象 と 方 法 2006 年 4 月 から2010 年 7 月 までの 間 に 当 センター 並 びに 関 連 施 設 にて 手 術 治 療 を 行 った 寛 骨 臼 骨 折 症 例 を 対 象 とし 年 齢 性 別 受 傷 機 転 基 礎 疾 患 骨 折 型 合 併 損 傷 の 有 無 出 血 性 ショックの 有 無 初 期 治 療 手 術 方 法 手 術 までの 期 間 手 術 時 間 術 中 出 血 量 整 復 状 態 などについて 調 査 し 深 部 感 染 を 来 たした 症 例 を 抽 出 し 深 部 感 染 の 危 険 因 子 に 関 して 検 討 を 行 った 結 果 2006 年 4 月 から2010 年 7 月 までの 間 に 演 者 が 手 術 治 療 ( 最 終 的 治 療 )を 行 った 寛 骨 臼 骨 折 は20 例 で これらのうち 深 部 感 染 を 来 したのは3 例 であった 感 染 例 と 非 感 染 例 を 比 較 してみると 危 険 因 子 となり 得 るものは 患 者 の 既 往 症 にくわえ 初 期 治 療 時 のTAE ISS 手 術 までの 待 機 期 間 手 術 アプロー チ 手 術 時 間 術 中 出 血 量 などが 考 えられた 考 察 寛 骨 臼 骨 折 の 成 績 不 良 因 子 には 今 回 の 結 果 に 加 え 整 復 位 との 関 係 が 示 唆 さ れているが 感 染 に 関 しては 明 らかな 関 連 性 は 見 いだされていない むしろ 受 傷 時 の 全 身 局 所 の 重 傷 度 が 大 きく 関 係 していると 考 えられ これを 防 ぐ ためには 綿 密 な 治 療 計 画 的 確 な 手 術 手 技 周 術 期 管 理 が 重 要 と 考 えられ た

教 育 研 修 講 演 整 形 外 科 領 域 の 感 染 症 を 考 える ~MRSA 感 染 症 を 中 心 に~ 愛 知 医 科 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 感 染 制 御 学 教 授 三 鴨 廣 繁 先 生