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弁護士報酬規定(抜粋)

住宅税制について

(2) 勤 続 5 年 を 超 え 10 年 までの 期 間 については 勤 続 期 間 1 年 につき 本 俸 月 額 の100 分 の140 (3) 勤 続 10 年 を 超 え 20 年 までの 期 間 については 勤 続 期 間 1 年 につき 本 俸 月 額 の100 分 の180 (4)

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 25 年 4 月 1 日 至 平 成 26 年 3 月 31 日 ) ( 単 位 : 百 万 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 75,917 取 引 参 加 料 金 39,032 上 場 関 係 収 入 11,772 情 報 関 係 収 入 13,352 そ


Speed突破!Premium問題集 基本書サンプル

(2) 単 身 者 向 け 以 外 の 賃 貸 共 同 住 宅 等 当 該 建 物 に 対 して 新 たに 固 定 資 産 税 等 が 課 税 される 年 から 起 算 して5 年 間 とする ( 交 付 申 請 及 び 決 定 ) 第 5 条 補 助 金 の 交 付 を 受 けようとする 者 は

(4) 勤 続 20 年 を 超 え 30 年 までの 期 間 については 勤 続 1 年 につき 100 分 の 200 (5) 勤 続 30 年 を 超 える 期 間 については 勤 続 1 年 につき 100 分 の 100 ( 退 職 手 当 の 調 整 額 ) 第 5 条 の3 退 職 手

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を 行 うこと 又 は 必 要 な 機 能 を 追 加 することをいう ( 補 助 対 象 事 業 ) 第 3 条 補 助 金 の 交 付 対 象 となる 事 業 ( 以 下 補 助 対 象 事 業 という )は, 次 条 に 規 定 するこの 補 助 金 の 交 付 の 対 象 となる 者 ( 以

く) 取 得 した 特 例 対 象 宅 地 が 2 区 分 にまたがるときは 下 記 の 算 式 を 限 度 とする A 200/400 + B 200/330 + C 200 m2 A 選 択 特 例 対 象 宅 地 等 である 特 定 事 業 用 等 宅 地 等 の 面 積 の 合 計 B 選

(ⅴ) 平 成 28 年 4 月 1 日 から 平 成 35 年 12 月 31 日 までの 期 間 未 成 年 者 に 係 る 少 額 上 場 株 式 等 の 非 課 税 口 座 制 度 に 基 づき 証 券 会 社 等 の 金 融 商 品 取 引 業 者 等 に 開 設 した 未 成 年 者 口

所令要綱

幕別町定住促進住宅建設費補助金交付要綱

疑わしい取引の参考事例

Taro-匿名組合 151009 栄

平成16年度

 

賦課の根拠となった法律及び条例(その2)

第一部【証券情報】

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為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

はファクシミリ 装 置 を 用 いて 送 信 し 又 は 訪 問 する 方 法 により 当 該 債 務 を 弁 済 す ることを 要 求 し これに 対 し 債 務 者 等 から 直 接 要 求 しないよう 求 められたにもかか わらず 更 にこれらの 方 法 で 当 該 債 務 を 弁 済 するこ

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

役員退職手当規程

とする ( 減 免 額 の 納 付 ) 第 6 条 市 長 は 減 免 を 受 け た 者 が 偽 り そ の 他 不 正 な 方 法 に よ り 減 免 の 決 定 を 受 け た こ と を 知 っ た と き 前 の 申 告 が あ っ た と き 又 は 同 条 第 2 項 の 規 定 によ

(12) 配当所得の収入金額の収入すべき時期

目 次 第 1 部 個 人 所 得 税 の 概 要 居 住 者 非 居 住 者 の 定 義 4 個 人 所 得 税 の 納 付 のしかた( 給 不 所 得 者 ) 5 居 住 者 の 個 人 所 得 税 額 の 計 算 のしくみ( 給 不 所 得 者 ) 6 非 居 住 者 の 個 人 所 得 税

スライド 1


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N 一 般 の 住 宅 について 控 除 の 対 象 となる 借 入 金 は 平 成 26 年 4 月 平 成 31 年 6 月 30 日 までの 入 居 の 場 合 は4,000 万 円 ( 平 成 26 年 3 月 までの 入 居 の 場 合 は2,000 万 円 )までとなります 建 物 や

Microsoft Word - 12 職員退職手当規程_H 改正_

c. 投 資 口 の 譲 渡 に 係 る 税 務 個 人 投 資 主 が 投 資 口 を 譲 渡 した 際 の 譲 渡 益 は 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 として 原 則 20%( 所 得 税 15% 住 民 税 5%)の 税 率 による 申 告 分 離 課 税 の 対 象 となりま

Q7 従 業 員 に 対 する 現 物 給 付 は 報 酬 給 与 額 に 含 まれます A7 法 人 が 役 員 又 は 使 用 人 のために 給 付 する 金 銭 以 外 の 物 又 は 権 利 その 他 経 済 的 利 益 (いわ ゆる 現 物 給 与 )については 所 得 税 において 給

要 な 指 示 をさせることができる ( 検 査 ) 第 8 条 甲 は 乙 の 業 務 にかかる 契 約 履 行 状 況 について 作 業 完 了 後 10 日 以 内 に 検 査 を 行 うものとする ( 発 生 した 著 作 権 等 の 帰 属 ) 第 9 条 業 務 によって 甲 が 乙 に

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賦課の根拠となった法律及び条例(その2)

株主優待ポイント制度運用規約

Microsoft Word - 【第17期】有価証券報告書(課税上の取り扱い)

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Taro-役員退職手当規程(H27.10改正)HP版

1 ガス 供 給 業 を 行 う 法 人 の 事 業 税 の 課 税 について ガス 供 給 業 を 行 う 法 人 は 収 入 金 額 を 課 税 標 準 として 収 入 割 の 申 告 となります ( 法 72 条 の2 72 条 の 12 第 2 号 ) ガス 供 給 業 とその 他 の 事

上 に 表 示 された 金 額 および 預 入 期 間 に 応 じた 利 率 を 適 用 します この 利 率 を 以 下 約 定 利 率 と いいます 専 用 定 期 預 金 の 利 息 は あらかじめ 指 定 された 単 利 または 複 利 のいずれかの 方 法 ( 以 下 単 利 型 または

損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

Microsoft Word 役員選挙規程.doc

若 しくは 利 益 の 配 当 又 はいわゆる 中 間 配 当 ( 資 本 剰 余 金 の 額 の 減 少 に 伴 うものを 除 きます 以 下 同 じです )を した 場 合 には その 積 立 金 の 取 崩 額 を 減 2 に 記 載 す るとともに 繰 越 損 益 金 26 の 増 3 の

情 報 通 信 機 器 等 に 係 る 繰 越 税 額 控 除 限 度 超 過 額 の 計 算 上 控 除 される 金 額 に 関 する 明 細 書 ( 付 表 ) 政 党 等 寄 附 金 特 別 控 除 額 の 計 算 明 細 書 国 庫 補 助 金 等 の 総 収 入 金 額 不 算 入 に 関

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不 動 産 所 得 の 赤 字 < 土 地 等 の 取 得 の 負 債 利 子 なら 300 万 500 万 不 動 産 所 得 の 赤 字 300 万 のうち 利 子 分 の500 万 は 通 算 できない = 赤 字 分 の300 万 は 全 額 通 算 できないことになる = 損 益 通 算

積 み 立 てた 剰 余 金 の 配 当 に 係 る 利 益 準 備 金 の 額 は 利 益 準 備 金 1 の 増 3 に 記 載 します ⑸ 平 成 22 年 10 月 1 日 以 後 に 適 格 合 併 に 該 当 しない 合 併 により 完 全 支 配 関 係 がある 被 合 併 法 人 か

第1章 総則

は 共 有 名 義 )で 所 有 権 保 存 登 記 又 は 所 有 権 移 転 登 記 を された も の で あ る こと (3) 居 室 便 所 台 所 及 び 風 呂 を 備 え 居 住 の ために 使 用 す る 部 分 の 延 べ 床 面 積 が 5 0 平 方 メ ー ト ル 以 上

2. 前 項 の 規 定 にかかわらず 証 券 会 社 等 又 は 機 構 を 通 じた 届 出 の 対 象 となっていない 事 項 については 当 会 社 の 定 める 書 式 により 株 主 名 簿 管 理 人 宛 に 届 け 出 るものとす る ( 法 人 株 主 等 の 代 表 者 ) 第

様 式 第 2 号 ( 第 7 条 関 係 中 古 住 宅 賃 借 の 場 合 ) ( 記 入 例 ) 提 出 時 にご 記 入 ください 平 成 年 月 日 泉 佐 野 市 長 様 申 請 者 泉 佐 野 市 空 き 家 バンクに 登 録 され ている 物 件 を 借 りた 場 合 の 引 越 費

土 購 入 土 借 用 土 所 有 権 移 転 登 記 確 約 書 農 転 用 許 可 書 ( 写 ) 農 転 用 届 出 受 理 書 ( 写 ) 土 不 動 産 価 格 評 価 書 土 見 積 書 ( 写 ) 又 は 売 買 確 約 書 ( 写 ) 土 売 主 印 鑑 登 録 証 明 書 売 主

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新ひだか町住宅新築リフォーム等緊急支援補助金交付要綱

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Microsoft Word - 制度の概要_ED.docx

内 において 管 理 されている 上 場 株 式 等 のうち 非 課 税 管 理 勘 定 に 係 るもの( 新 規 投 資 額 で 毎 年 80 万 円 を 上 限 とします )に 係 る 配 当 等 で 未 成 年 者 口 座 に 非 課 税 管 理 勘 定 を 設 けた 日 から 同 日 の 属

4 乙 は 天 災 地 変 戦 争 暴 動 内 乱 法 令 の 制 定 改 廃 輸 送 機 関 の 事 故 その 他 の 不 可 抗 力 により 第 1 項 及 び 第 2 項 に 定 める 業 務 期 日 までに 第 1 条 第 3 項 の 適 合 書 を 交 付 することができない 場 合 は

の 購 入 費 又 は 賃 借 料 (2) 専 用 ポール 等 機 器 の 設 置 工 事 費 (3) ケーブル 設 置 工 事 費 (4) 防 犯 カメラの 設 置 を 示 す 看 板 等 の 設 置 費 (5) その 他 設 置 に 必 要 な 経 費 ( 補 助 金 の 額 ) 第 6 条 補

3. 選 任 固 定 資 産 評 価 員 は 固 定 資 産 の 評 価 に 関 する 知 識 及 び 経 験 を 有 する 者 のうちから 市 町 村 長 が 当 該 市 町 村 の 議 会 の 同 意 を 得 て 選 任 する 二 以 上 の 市 町 村 の 長 は 当 該 市 町 村 の 議

5 相 続 時 精 算 課 税 制 度 の 特 例 一 定 の 要 件 を 満 たした 中 古 住 宅 を 取 得 するために 65 歳 未 満 の 直 系 尊 属 から 贈 与 を 受 けた 贈 与 税 について 相 続 時 精 算 課 税 制 度 の 利 用 を 受 けられる 特 例 6 贈 与

Microsoft Word - 2級1月難易度B(修正)

定款  変更

( 復 興 特 別 法 人 制 具 体 的 内 容 ) 復 興 特 別 法 人 制 具 体 的 な 内 容 は 次 とおりです 1 納 義 務 者 法 人 は 基 準 法 人 額 につき 復 興 特 別 法 人 を 納 める 義 務 があります( 復 興 財 源 確 保 法 42) なお 人 格 な

Microsoft Word - 4 家計基準

Taro-別紙1 パブコメ質問意見とその回答

国税

種 類 控 除 額 小 規 模 企 業 共 済 等 掛 金 控 除 生 命 保 険 料 控 除 地 震 保 険 料 控 除 支 払 った 小 規 模 共 済 心 身 障 害 者 扶 養 共 済 の 掛 金 の 金 額 生 命 保 険 料 控 除 額 = 一 般 生 命 保 険 料 控 除 額 + 個

Ⅲ 相 続 財 産 の 分 割 に 関 する 確 認 事 項 1 遺 言 がありますか? 有 遺 言 公 正 証 書 又 は 家 公 証 人 役 場 等 要 月 日 無 庭 裁 判 所 の 検 認 を 受 否 ( 通 ) けた 遺 言 書 2 死 因 贈 与 があります 有 贈 与 契 約 書 要

 

(1) 率 等 一 覧 ( 平 成 26 年 度 ) 目 課 客 体 及 び 納 義 務 者 課 標 準 及 び 率 法 内 に 住 所 を 有 する ( 均 等 割 所 得 割 ) 内 に 事 務 所 事 業 所 又 は 家 屋 敷 を 有 する で 内 に 住 所 を 有 し ないもの( 均 等

Taro-契約条項(全部)

当 が 支 払 われない 場 合 において 前 項 第 2 号 に 該 当 するときは 機 構 は 当 該 遺 族 に 対 し 第 2 項 に 規 定 する 事 情 を 勘 案 して 当 該 退 職 手 当 の 全 部 又 は 一 部 を 支 給 しないこととする 措 置 を 行 うことができる 5

Microsoft Word 実施要綱⑦H24.doc

ろによる ⑴ 子 世 帯 満 12 歳 に 達 する 日 以 後 の 最 初 の3 月 末 日 までの 間 にある 者 及 びそ の 親 を 世 帯 構 成 員 ( 当 該 世 帯 を 構 成 する 世 帯 員 ( 世 帯 主 を 含 む )をいう 以 下 同 じ )に 含 む 世 帯 又 は 出

空 き 家 を 売 却 した 場 合 の,000 万 円 控 除 特 例 の 創 設 被 相 続 人 が 住 んでいた 家 屋 及 びその 敷 地 を 相 続 があった 日 から 年 を 経 過 する 年 の 月 日 までに 耐 震 工 事 をしてから あるいは 家 を 除 却 し てから 売 却

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別 紙 軽 費 老 人 ホームの 収 入 認 定 について 平 成 22 年 3 月 9 日 千 葉 県 健 康 福 祉 部 高 齢 者 福 祉 課 本 紙 は 平 成 18 年 1 月 24 日 老 発 第 号 厚 生 労 働 省 老 健 局 長 通 知 老 人 保 護 措 置 費

募集新株予約権(有償ストック・オプション)の発行に関するお知らせ

ができます 4. 対 象 取 引 の 範 囲 第 1 項 のポイント 付 与 の 具 体 的 な 条 件 対 象 取 引 自 体 の 条 件 は 各 加 盟 店 が 定 めます 5.ポイントサービスの 利 用 終 了 その 他 いかなる 理 由 によっても 付 与 されたポイントを 換 金 すること

南伊豆町空き家バンクリフォーム等補助金交付要綱

ー ただお 課 長 を 表 示 するものとする ( 第 三 者 に 対 する 許 諾 ) 第 4 条 甲 は 第 三 者 に 対 して 本 契 約 において 乙 に 与 えた 許 諾 と 同 一 又 は 類 似 の 許 諾 を することができる この 場 合 において 乙 は 甲 に 対 して 当

給 与 所 得 控 除 控 除 額 の 計 算 については 次 のとおりです 給 与 等 の 収 入 金 額 給 与 所 得 控 除 額 180 万 円 以 下 の 場 合 180 万 円 を 超 え 360 万 円 以 下 の 場 合 360 万 円 を 超 え 660 万 円 以 下 の 場 合

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1. 決 算 の 概 要 法 人 全 体 として 2,459 億 円 の 当 期 総 利 益 を 計 上 し 末 をもって 繰 越 欠 損 金 を 解 消 しています ( : 当 期 総 利 益 2,092 億 円 ) 中 期 計 画 における 収 支 改 善 項 目 に 関 して ( : 繰 越

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23信託の会計処理に関する実務上の取扱い

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第1章 簿記の一巡

(4) 運 転 する 学 校 職 員 が 交 通 事 故 を 起 こし 若 しくは 交 通 法 規 に 違 反 したことにより 刑 法 ( 明 治 40 年 法 律 第 45 号 ) 若 しくは 道 路 交 通 法 に 基 づく 刑 罰 を 科 せられてから1 年 を 経 過 していない 場 合 同

資 格 給 付 関 係 ( 問 1) 外 国 人 Aさん(76 歳 )は 在 留 期 間 が3ヶ 月 であることから 長 寿 医 療 の 被 保 険 者 ではない が 在 留 資 格 の 変 更 又 は 在 留 期 間 の 伸 長 により 長 寿 医 療 の 適 用 対 象 となる 場 合 には 国

Transcription:

第3章 物 直接の出題可能性は低いが 物権 債権などの基礎となる知識なので しっかりと理解しておくこと 前章までは 権利の主体 人 について解説してきた 本章は 権利の客体の話である 権利の客体は いくつかに分けることができる 物権の客体は 物 である 債権の客体は 債務者の行為 である 本章では 物 について解説する 1 物の意義 定義 第85条 この法律において 物 とは 有体物をいう 有体物とは 固体 液体 気体のような有形的存在を意味する 2 物の分類 物は いくつかの分類をすることができる このうち 不動産と動産 主 物と従物 元物と果実 という分類については 民法で規定されているが その他にも以下のような分類がある ⑴ 可分物と不可分物 可分物 その性質や価値を著しく損なわないで分割できる物 土地 金銭等 不可分物 上記のような分割ができない物 自動車等 57 C M Y K 民法1_057-064.indd p57 修正時間 2014年7月11日 22 00 23

第 3 章 物 ⑵ 特 定 物 と 不 特 定 物 特 定 物 当 事 者 が,その 物 の 個 性 に 着 目 し, 他 の 物 をもって 代 えること ができない 物 これしかない! という 物 中 古 車 野 球 の 選 手 が 第 1 号 ホームランを 打 ったとき のバット 野 球 のバットは 世 の 中 に 何 万 本 もあるが, 選 手 が 第 1 号 ホームランを 打 ったバットは 世 の 中 に1 本 しかない まさに その 物 の 個 性 に 着 目 し, 他 の 物 をもって 代 えることができない 物 といえる 不 特 定 物 同 種 の 他 の 物 をもって 代 えることができる 物 新 車 新 品 の 野 球 のバット 同 じメーカーの 同 じ 型 の 新 品 の 野 球 のバットは, 小 売 店 に 行 けば 何 本 も 置 いてある 買 う 側 にとっては,その 中 のどれか1 本 が 手 に 入 ればよい こ の1 本 しかない! というものではない 3 不 動 産 と 動 産 ( 不 動 産 及 び 動 産 ) 第 86 条 土 地 及 びその 定 着 物 は, 不 動 産 とする 2 不 動 産 以 外 の 物 は,すべて 動 産 とする 3 無 記 名 債 権 は, 動 産 とみなす ⑴ 不 動 産 不 動 産 とは, 土 地 およびその 定 着 物 をいう( 民 86Ⅰ) 1 土 地 土 地 はだだっ 広 いものであり,たとえば 日 本 の 本 州 で1 個 の 土 地 ともい えるが, 人 為 的 に 細 かく 区 分 されている 区 分 された1つの 区 画 を 1 筆 という 1 筆 の 土 地 について1つの 登 記 記 録 が 設 けられる( 不 登 25) 58

1 番 3 2 番 公 道 1 番 4 3 番 1 番 3,1 番 4,2 番,3 番 は,それぞれ1 筆 の 土 地 である 通 常 は,1 筆 単 位 で 土 地 の 売 買 がされるが,1 筆 の 土 地 の 一 部 (1 番 3の 土 地 の 東 側 の 一 部 30m2)を 取 引 の 対 象 とすることもできる 2 土 地 の 定 着 物 土 地 の 定 着 物 とは, 土 地 に 継 続 的 に 付 着 し,かつその 土 地 に 永 続 的 に 付 着 した 状 態 において 使 用 されることがその 物 の 取 引 上 の 性 質 であるものを いう( 最 判 昭 37.3.29) 建 物 や 樹 木 などがこれに 該 当 する 3 定 着 物 の 態 様 土 地 の 定 着 物 も,いくつかに 分 類 することができる 土 地 の 一 部 となり, 独 立 の 不 動 産 とは 認 められないもの 例 石 垣,( 取 外 しの 困 難 な) 庭 石,くつぬぎ 石 土 地 にがっちりと 固 着 された 石 垣 などは, 独 立 の 不 動 産 とはい えず, 土 地 の 一 部 といえる 取 引 上 も, 土 地 が 譲 渡 されたときは 石 垣 等 も 土 地 に 従 って 譲 渡 されたことになる 土 地 とは 独 立 した 不 動 産 といえるもの 例 建 物, 立 木 法 による 登 記 がされた 立 木 建 物 は, 土 地 から 独 立 した 不 動 産 取 引 上 も, 土 地 と 建 物 を 別 々 に 譲 渡 することができる 建 物 とは, 屋 根 および 周 壁 またはこれらに 類 するものを 有 し( 雨 風 がしの げる), 土 地 に 定 着 した 建 造 物 であって,その 目 的 とする 用 途 に 供 し 得 る 状 態 ( 住 もうと 思 ったら 住 める 状 態 )にあるもの( 不 登 規 111) 59

第 3 章 物 ( 立 木 法 の 登 記 をしていない) 樹 木 について 基 本 的 には 土 地 の 構 成 部 分 ( 土 地 の 一 部 )であり, 土 地 の 所 有 権 と 一 体 となるもの 特 別 の 合 意 をしなければ, 土 地 に 抵 当 権 を 設 定 したときは, 立 木 に も 抵 当 権 の 効 力 が 及 ぶ( 民 370) しかし, 土 地 とは 別 個 の 物 として 取 引 をすることもあり,この 場 合 に は 明 認 方 法 をしておけば, 立 木 のみの 処 分 を 第 三 者 に 対 抗 することがで きる( 大 判 大 5.3.11) 用 語 説 明 明 認 方 法 立 木 の 所 有 者 の 氏 名 を 書 いた 標 木 ( 木 で 作 った 立 て 看 板 )を 立 て たり,あるいは 立 木 の 樹 皮 を 削 って 所 有 者 の 氏 名 を 書 いておくこと ⑵ 動 産 不 動 産 以 外 の 物 は,すべて 動 産 である( 民 86Ⅱ) 例 テレビ, 自 動 車, 書 籍 など 自 動 車 も 動 産 であるが, 自 動 車 には 登 録 制 度 があるので, 一 般 の 動 産 とは 少 し 扱 いが 異 なる 場 合 もある 1 無 記 名 債 権 について 商 品 券, 乗 車 券 やコンサートチケットのように, 証 券 に 債 権 者 が 表 示 さ れておらず, 債 権 の 成 立, 存 続, 行 使 がすべて 証 券 によってされるものを 無 記 名 債 権 という 例 コンサートチケットには, 債 権 者 ( 買 った 人 )の 名 前 など 書 かれて おらず,チケットを 入 場 口 で 提 示 して(もぎってもらって),コンサ ートを 観 ることができる このような 無 記 名 債 権 は, 動 産 とみなされる( 民 86Ⅲ) 2 貨 幣 ( 金 銭 )について 貨 幣 は 動 産 の 一 種 ではあるが, 貨 幣 という 物 ( 円 形 の 物 体 や 紙 )に 意 味 60

があるのではなく, 貨 幣 によって 他 の 物 と 交 換 することができる(100 円 を 出 せばガムが 買 える)ということに 意 味 がある 物 ではなく 価 値 に 意 味 がある そのため, 通 常 の 動 産 とは 扱 いが 異 なる 場 面 がある 即 時 取 得 ( 民 192)の 適 用 はない( 最 判 昭 39.1.24) 参 考 不 動 産 と 動 産 の 比 較 不 動 産 動 産 公 示 方 法 登 記 ( 民 177) 引 渡 し( 民 178) 公 信 力 無 主 物 先 占 なし 認 められない( 国 庫 に 帰 属 ; 民 239Ⅱ) あり( 即 時 取 得 ; 民 192) 認 められる( 先 占 者 が 取 得 ; 民 239Ⅰ) 4 主 物 と 従 物 ⑴ 主 物 従 物 の 意 義 ( 主 物 及 び 従 物 ) 第 87 条 物 の 所 有 者 が,その 物 の 常 用 に 供 するため, 自 己 の 所 有 に 属 する 他 の 物 をこれに 附 属 させたときは,その 附 属 させた 物 を 従 物 とする 従 物 とは, 家 屋 と 畳 の 関 係 などのように, 独 立 の 物 でありながら 客 観 的 には 他 の 物 ( 主 物 )に 従 属 してその 効 用 を 高 めるものをいう 上 記 の 例 では, 建 物 が 主 物 で, 畳 が 従 物 他 の 例 母 屋 と 物 置,カバンと 鍵 独 立 した2 個 の 物 の 間 に 社 会 的, 経 済 的 な 主 従 の 関 係 がある 場 合 には,そ の 両 者 について 法 律 的 運 命 も 同 じくする 制 度 61

第 3 章 物 ⑵ 従 物 となるための 要 件 1 主 物 の 常 用 に 供 せられていること 2 特 定 の 主 物 に 付 属 すると 認 められる 程 度 の 場 所 的 関 係 にあること 3 主 物 から 独 立 した 物 であること 4 主 物 と 同 一 の 所 有 者 に 属 すること( 大 判 昭 10.2.20) 1 主 物 の 常 用 に 供 せられていること 主 物 の 経 済 的 な 効 用 を 継 続 的 に 助 けるような 物 2 特 定 の 主 物 に 付 属 すると 認 められる 程 度 の 場 所 的 関 係 にあること 場 所 的 に 主 物 とあまり 離 れていてはいけない 3 主 物 から 独 立 した 物 であること 主 物 の 構 成 部 分 となっているものは 主 物 の 一 部 であって, 従 物 とはな らない 主 物 従 物 とは,2 個 の 独 立 した 物 の 間 に 主 従 の 関 係 がある 場 合 の 制 度 例 土 地 に 置 かれた 石 灯 籠 や( 取 外 しが 容 易 な) 庭 石 は, 独 立 した 物 で あって 土 地 の 従 物 といえる 一 方, 庭 に 敷 かれた 砂 利 などは, 土 地 の 構 成 部 分 ( 土 地 の 一 部 )と なっていると 考 えられ, 従 物 ではない 4 主 物 と 同 一 の 所 有 者 に 属 すること 従 物 は, 主 物 に 従 うものである( 法 律 的 運 命 を 同 じくするものである) そのため, 第 三 者 の 所 有 する 物 を 従 物 として, 主 物 に 従 わせるとすると, 第 三 者 の 権 利 を 不 当 に 害 することになる したがって, 従 物 となるためには, 主 物 と 所 有 者 が 同 一 であることが 要 求 されている ⑶ 効 果 ( 主 物 及 び 従 物 ) 第 87 条 2 従 物 は, 主 物 の 処 分 に 従 う 62

処 分 とは, 広 く 主 物 に 関 する 権 利 義 務 を 変 動 させる 法 律 行 為 を 意 味 する 売 買, 賃 貸 借 などの 債 権 行 為, 所 有 権 の 譲 渡, 地 上 権 の 設 定 などの 物 権 行 為 の 双 方 を 含 む 例 家 屋 の 売 買 契 約 がされたら, 当 然 に 家 屋 内 の 畳 にもその 売 買 の 効 力 が 及 ぶ( 畳 も 買 主 のものとなる) 建 物 の 売 買 契 約 の 他 に, 畳 の 売 買 契 約 をする 必 要 はない 例 ガソリンスタンドの 店 舗 建 物 に 抵 当 権 を 設 定 したら,その 店 舗 の 地 下 タンクにも 抵 当 権 の 効 力 が 及 ぶ( 最 判 平 2.4.19) 地 下 タンクは 店 舗 建 物 の 従 物 といえる 当 事 者 間 で 別 段 の 定 めをすることは 可 能 主 物 と 切 り 離 して, 従 物 だけを 処 分 することも 可 ⑷ 従 たる 権 利 主 物 従 物 の 関 係 は, 物 についてだけでなく, 権 利 についても 生 じ 得 る 例 Aの 所 有 する 土 地 にBが 賃 借 権 ( 借 地 権 )の 設 定 を 受 け,Bが 建 物 を 建 てた そして,Bはこの 建 物 をCに 譲 渡 した 建 物 だけでなく, 借 地 権 もCに 譲 渡 されたことになる( 最 判 昭 47.3.9) この 場 合 の 借 地 権 は, 従 たる 権 利 といえる 例 利 息 付 きの 債 権 が 譲 渡 されたら,その 譲 渡 の 効 力 は 利 息 債 権 について も 及 ぶ( 大 判 大 10.11.15) 5 元 物 と 果 実 ⑴ 果 実 とは 果 実 とは, 物 から 生 じる 経 済 的 な 収 益 をいう 果 実 を 生 み 出 すものを 元 物 という そして, 果 実 には2つの 種 類 がある 63

第 3 章 物 ( 天 然 果 実 及 び 法 定 果 実 ) 第 88 条 物 の 用 法 に 従 い 収 取 する 産 出 物 を 天 然 果 実 とする 2 物 の 使 用 の 対 価 として 受 けるべき 金 銭 その 他 の 物 を 法 定 果 実 とする 1 天 然 果 実 まさに 天 然 の 果 実 果 樹 から 取 れる 果 実 (ミカンなど) 例 牛 の 乳 鉱 山 からとれる 鉱 物 ( 石 炭 など) 2 法 定 果 実 ある 物 を 使 用 させ,その 対 価 として 受 け 取 る 金 銭 等 例 家 屋 の 使 用 の 対 価 である 家 賃 元 本 から 発 生 する 利 息 ⑵ 果 実 の 帰 属 ( 果 実 の 帰 属 ) 第 89 条 天 然 果 実 は,その 元 物 から 分 離 する 時 に,これを 収 取 する 権 利 を 有 す る 者 に 帰 属 する 2 法 定 果 実 は,これを 収 取 する 権 利 の 存 続 期 間 に 応 じて, 日 割 計 算 によりこ れを 取 得 する 1 天 然 果 実 ミカンなどを 収 穫 するときに,これを 収 取 する 権 利 を 有 する 者 に 帰 属 す る 2 法 定 果 実 家 屋 を 賃 貸 している 間 に, 家 屋 の 所 有 者 が 変 わった 場 合 は, 家 賃 は 日 割 り 計 算 をして 前 の 所 有 者 と 後 の 所 有 者 で 分 ける 理 由 ミカンなどの 天 然 果 実 は1 回 収 穫 するだけなので,その 収 穫 の 時 (ミカンを 木 からもぎ 取 った 時, 牛 の 乳 を 搾 った 時 )の 権 利 者 が 取 得 する 一 方, 法 定 果 実 は, 一 定 期 間 の 使 用 の 対 価 という 意 味 がある ので, 家 賃 が 支 払 われる 時 の 所 有 者 にすべて 帰 属 するのではな く, 所 有 している 期 間 に 応 じた 日 割 り 計 算 で 分 配 する 64

第 4 章 法 律 行 為 この 章 は, 初 学 者 の 方 にとっては 少 し 分 かりにくいかもしれない し かし, 契 約 等 の 具 体 的 な 話 を 考 える 上 で 是 非 とも 知 っておかなければ ならない 事 項 なので, 何 とか 頑 張 っていただきたい ケーススタディ AとBは,Aの 所 有 する 自 動 車 をBに100 万 円 で 売 る 契 約 をした この 契 約 によって,どのような 法 律 的 な 効 果 が 生 ずるか A 売 る 買 う B 1 法 律 効 果, 法 律 要 件, 法 律 事 実 売 買 契 約 がされると,その 物 の 所 有 権 は 売 主 から 買 主 に 移 転 する( 買 主 が 所 有 者 となる) また, 買 主 は 売 主 に 対 して 物 を 引 き 渡 してくれ と 請 求 することができ, 反 対 に 売 主 は 買 主 に 対 して 代 金 を 払 ってくれ と 請 求 することができる 少 し 言 いかえると, 売 買 契 約 という 要 件 ( 法 律 要 件 )が 整 えば, 引 渡 しを 請 求 できる 代 金 を 請 求 できるという 効 果 ( 法 律 効 果 )が 発 生 する そして, 売 買 という 法 律 要 件 をもう 少 し 分 解 すると ( 売 買 ) 第 555 条 売 買 は, 当 事 者 の 一 方 がある 財 産 権 を 相 手 方 に 移 転 することを 約 し, 相 手 方 がこれに 対 してその 代 金 を 支 払 うことを 約 することによって,その 効 力 を 生 ずる 65

第 4 章 法 律 行 為 売 主 の 財 産 権 を 相 手 方 に 移 転 することを 約 した という 事 実 ( 法 律 事 実 ) 買 主 の その 代 金 を 支 払 うことを 約 した という 事 実 ( 法 律 事 実 ) この 両 者 の 意 思 表 示 が 合 致 することによって 売 買 の 効 力 が 生 ずる 法 律 効 果 を 発 生 させる 法 律 要 件 は, 売 買 などの 契 約 が 一 般 的 であるが,そ れに 限 られるわけではない 例 人 が 死 亡 したら,その 相 続 人 が 被 相 続 人 の 権 利 義 務 を 承 継 する 人 の 死 亡 という 事 実 によって, 権 利 義 務 の 承 継 という 効 果 が 発 生 する 例 うっかりして 他 人 のパソコンを 壊 してしまったら, 損 害 の 賠 償 をしなけ ればならない 不 注 意 で 壊 した という 事 実 によって, 損 害 賠 償 請 求 権 が 発 生 する 2 法 律 行 為 法 律 行 為 とは, 意 思 表 示 を 要 素 とし, 人 が 一 定 の 法 律 効 果 を 発 生 させようと してなす 行 為 意 思 表 示 という 法 律 事 実 から 構 成 される 法 律 要 件 売 買, 贈 与, 賃 貸 借 などの 契 約 がその 典 型 である 例 売 買 契 約 は, 売 主 の 財 産 権 を 相 手 方 に 移 転 する( 売 る) という 意 思 表 示 と, 買 主 の その 代 金 を 支 払 う( 買 う) という 意 思 表 示 が 要 素 である そして, 売 主 については 代 金 の 支 払 いの 請 求, 買 主 については 物 の 引 渡 しの 請 求 という 法 律 効 果 を 発 生 させるための 行 為 である 重 要 法 律 要 件 には, 相 続 や 不 法 行 為 など, 当 事 者 の 意 思 表 示 を 要 件 としないものも あるが, 契 約 などの 当 事 者 の 意 思 表 示 に 基 づく 法 律 行 為 が 最 も 重 要 3 法 律 行 為 の 分 類 法 律 行 為 は,いくつかの 分 類 をすることができるが,その 中 でも 重 要 なのが, 単 独 行 為, 契 約, 合 同 行 為 の 区 別 である 66

⑴ 単 独 行 為 行 為 者 1 人 の 意 思 表 示 のみで 成 立 する 法 律 行 為 単 独 行 為 はさらに, 相 手 方 のある 単 独 行 為 と, 相 手 方 のない 単 独 行 為 に 分 けることができる 相 手 方 のある 単 独 行 為 債 務 の 免 除, 取 消 しや 解 除 など 相 手 方 のない 単 独 行 為 遺 言 など ⑵ 契 約 2 個 以 上 の 意 思 表 示 の 合 致 によって 成 立 する 法 律 行 為 売 買 や 贈 与 などの 契 約 である 例 売 買 契 約 は, この 自 転 車 を1 万 円 で 売 ります という 意 思 表 示 と, は い 買 います という2つの 意 思 表 示 の 合 致 によって 成 立 する ⑶ 合 同 行 為 同 じ 方 向 を 向 いた2 個 以 上 の 意 思 表 示 が 集 中 することによって 成 立 する 法 律 行 為 例 社 団 法 人 の 設 立 行 為 など 4 法 律 行 為 の 有 効 要 件 ケーススタディ 1 A 子 さんは, 婚 約 関 係 にあるB 男 君 に, 私 たちの 未 来 を 見 たいから,タ イムマシンで30 年 後 に 連 れて 行 って とお 願 いし,B 男 君 は, 分 かった 僕 が 連 れていくよ とこれを 承 諾 した この 契 約 は 有 効 か? ケーススタディ 2 民 法 606 条 1 項 には, 賃 貸 人 は, 賃 貸 物 の 使 用 及 び 収 益 に 必 要 な 修 繕 をす る 義 務 を 負 う と 規 定 されているが, 賃 貸 人 Aと 賃 借 人 Bは, 建 物 の 賃 貸 借 契 約 において 賃 借 人 が 必 要 な 修 繕 をする という 特 約 をした この 特 約 は 有 効 か? 67

第 4 章 法 律 行 為 法 律 行 為 が 完 全 に 有 効 なものとしてその 意 味 を 持 つためには, 一 定 の 要 件 を 満 たしていなければならない これを, 法 律 行 為 の 有 効 要 件 という 法 律 行 為 の 有 効 要 件 は, 以 下 のとおりである 1 当 事 者 が 能 力 を 有 すること 2 内 容 を 確 定 させることができるものであること( 確 定 可 能 性 ) 3 実 現 することが 可 能 であること( 実 現 可 能 性 ) 4 目 的 が 適 法 であること( 適 法 性 ) 5 目 的 が 社 会 的 に 妥 当 であること( 社 会 的 妥 当 性 ) 6 意 思 表 示 につき, 意 思 と 表 示 が 一 致 し, 瑕 疵 がないこと * 1については, 第 2 章 で 解 説 した 6については,この 後 の 第 5 章 で 解 説 する ⑴ 確 定 可 能 性 法 律 行 為 の 内 容 が 不 明 確 であり, 確 定 させることができないものである 場 合 には,いったい 何 を 意 図 しているのか 分 からず,これに 法 的 な 保 護 を 与 え ることはできない つまり, 無 効 である ⑵ 実 現 可 能 性 実 現 する 可 能 性 のないことを 内 容 とする 法 律 行 為 は, 無 効 である 例 タイムマシンで 未 来 に 連 れていくというのはなかなか 夢 のある 話 であ るが, 現 在 の 科 学 技 術 では 到 底 不 可 能 なので,このような 契 約 は 無 効 で ある 婚 約 関 係 にある2 人 にとって, 未 来 は 見 ない 方 がいいかもしれない 例 Aの 所 有 する 建 物 をBに 売 り 渡 す 契 約 をしたが, 実 はこの 建 物 は 契 約 の 数 日 前 に 焼 失 していた この 場 合 は, 契 約 の 内 容 を 実 現 することは 物 理 的 に 不 可 能 なので, 契 約 は 無 効 である ⑶ 適 法 性 強 行 規 定 に 反 する 法 律 行 為 は, 無 効 である 68

強 行 規 定 公 の 秩 序 に 関 する 規 定 のこと( 民 91 参 照 ) 公 の 秩 序 に 反 するような 行 為 は,(ちょっと 大 げさにいえば) 社 会 に 対 する 挑 戦 ともいうべきものであり, 効 力 は 認 められな い 任 意 規 定 公 の 秩 序 に 関 しない 規 定 当 事 者 が, 公 の 秩 序 に 関 しない 規 定 と 異 なる 意 思 を 表 示 した ときは,その 意 思 に 従 う( 民 91) もう 少 し 詳 しく 民 法 をはじめ, 世 の 中 には 数 多 くの 法 律 があり,あらゆることを 規 定 して いる 例 ほんの 一 例 をあげると, 民 法 210 条 1 項 では, 他 の 土 地 に 囲 まれて 公 道 に 通 じない 土 地 の 所 有 者 は, 公 道 に 至 るため,その 土 地 を 囲 んでいる 他 の 土 地 を 通 行 することができる と 規 定 している また, 民 法 614 条 では, 賃 料 は, 動 産, 建 物 及 び 宅 地 については 毎 月 末 に,その 他 の 土 地 については 毎 年 末 に, 支 払 わなければならない と 規 定 している そして,このような 法 の 規 定 のうち, 公 の 秩 序 に 関 するものとして, これと 異 なる 定 めをすることができないものが 強 行 規 定 であり, 公 の 秩 序 に 関 するものではないからこれと 異 なる 定 めをしてもよいとされているものが 任 意 規 定 である 民 法 でいうと, 物 権 編 の 規 定 は, 多 くが 強 行 規 定 である 理 由 物 権 は, 契 約 の 当 事 者 間 だけの 話 ではなく, 世 間 に 対 して 主 張 することができるという 性 質 のものである そのため,あま り 勝 手 なことをされると 社 会 が 混 乱 してしまう だから, 多 くを 強 行 規 定 にしておく 必 要 がある 一 方, 債 権 編 の 規 定 は, 多 くが 任 意 規 定 である 理 由 債 権 は,AとBの 間 の 契 約 関 係 といったように, 限 られた 当 事 者 間 についての 規 定 であるので,ある 程 度 は 当 事 者 の 自 由 が 69

第 4 章 法 律 行 為 認 められるべきである 民 法 で 一 応 規 定 はしておくけれど,これと 異 なる 定 めをして もいいですよ,ということ 例 賃 貸 物 の 修 繕 をすべき 者 を 賃 貸 人 ではなくて 賃 借 人 とする 合 意 は 有 効 例 賃 料 の 支 払 い 時 期 について, 毎 月 末 に 翌 月 分 を 支 払 うという 特 約 も 有 効 任 意 規 定 と 異 なる 慣 習 任 意 規 定 と 異 なる 慣 習 がある 場 合 に, 法 律 行 為 の 当 事 者 がその 慣 習 による 意 思 を 有 していると 認 められるときは,その 慣 習 に 従 う( 民 92) ⑷ 社 会 的 妥 当 性 ( 公 序 良 俗 ) 第 90 条 公 の 秩 序 又 は 善 良 の 風 俗 に 反 する 事 項 を 目 的 とする 法 律 行 為 は, 無 効 とする 1 意 義 法 律 行 為 の 目 的 が 反 社 会 的 といえるものである 場 合 は,その 行 為 は 無 効 となる 重 要 個 人 の 意 思 はなるべく 尊 重 されるべきであるが, 社 会 秩 序 や 一 般 の 道 徳 観 念 に 反 するような 行 為 について 法 律 的 に 認 めるわけにはいかない 用 語 説 明 公 の 秩 序 又 は 善 良 の 風 俗 は, 公 序 良 俗 といわれる 2 公 序 良 俗 違 反 の 具 体 例 不 倫 契 約 などの 人 倫 に 反 する 行 為 親 族 間 の 不 同 居 契 約 などの 家 族 的 な 秩 序 に 反 する 行 為 人 を 殺 すことを 依 頼 する 契 約 のように 刑 法 上 犯 罪 とされる 行 為 賭 博 も 同 様 等 々 70

3 動 機 の 不 法 について 法 律 行 為 自 体 は 特 に 問 題 なさそうに 見 えるが,その 動 機 が 不 法 ( 反 社 会 的 )である 場 合, 法 律 行 為 の 効 果 をどうすべきかが 問 題 となる 不 法 な 動 機 をもって 法 律 行 為 をした 者 を 保 護 する 必 要 はないが, 当 然 に 無 効 としてしまうと,そのような 動 機 を 知 らない 相 手 方 は 不 利 益 を 受 けることになる( 取 引 の 安 全 が 害 される) この 場 合, 相 手 方 が, 不 法 な 動 機 を 知 っていたような 場 合 は, 契 約 は 無 効 となるとされている( 大 判 昭 13.3.30) 例 Aは, 賭 博 場 にするため,Bから 家 屋 を 賃 借 する 契 約 をした この 場 合,Bが,Aの 不 法 な 動 機 ( 賭 博 場 を 開 くため)を 知 っていたら, 家 屋 の 賃 貸 借 契 約 は 無 効 となる 71