おおさと 事 業 名 国 営 総 合 農 地 防 災 事 業 地 区 名 大 里 県 名 埼 玉 県 関 係 市 町 村 く ま が や し おおさとまち こうなんまち ぎ よ う だ し みなみかわらむら こ う の す し 熊 谷 市 ( 旧 熊 谷 市 旧 大 里 町 旧 江 南 町 ) 行 田 市 ( 旧 行 田 市 旧 南 河 原 村 ) 鴻 巣 市 ふきあげまち ふ か や し かわもとまち ( 旧 吹 上 町 ) 深 谷 市 ( 旧 深 谷 市 旧 川 本 町 ) 事 業 概 要 本 地 区 の 基 幹 水 利 施 設 である 六 堰 頭 首 工 江 南 サイホン 幹 線 用 水 路 は 昭 和 2~14 年 度 に 実 施 された 県 営 事 業 により 整 備 され 昭 和 34~41 年 度 には 国 営 事 業 で 既 設 用 水 路 の 部 分 的 改 修 が 行 われるなどの 整 備 が 行 われてきた その 後 荒 川 の 河 床 低 下 により 六 堰 頭 首 工 江 南 サイホンは 洪 水 に 対 する 危 険 性 が 増 大 す るとともに 地 区 内 においては 都 市 化 の 進 展 により 生 活 雑 排 水 が 混 入 する 農 業 用 水 路 の 水 質 悪 化 湧 水 枯 渇 により 地 下 水 への 水 源 依 存 等 の 問 題 が 生 じていた このため 本 事 業 により 六 堰 頭 首 工 等 の 基 幹 水 利 施 設 を 改 修 し 施 設 の 機 能 回 復 と 災 害 の 未 然 防 止 及 び 農 業 用 水 の 水 質 改 善 を 行 い 農 業 用 水 の 合 理 的 利 用 管 理 形 態 の 適 正 化 農 業 生 産 環 境 の 改 善 等 を 図 り 農 業 生 産 性 の 維 持 及 び 農 業 経 営 の 安 定 化 に 資 することを 目 的 として 事 業 が 実 施 された 受 益 面 積 :3,820ha( 水 田 3,820ha)( 平 成 6 年 現 在 ) 受 益 者 数 :7,760 人 ( 平 成 6 年 現 在 ) 主 要 工 事 : 頭 首 工 1 箇 所 用 水 路 46.3km 事 業 費 :37,407 百 万 円 ( 決 算 額 ) 事 業 期 間 : 平 成 6 年 度 ~ 平 成 18 年 度 ( 完 了 公 告 : 平 成 19 年 度 ) 関 連 事 業 : 国 営 附 帯 県 営 農 地 防 災 事 業 3,820ha 関 連 事 業 の 進 捗 状 況 :70%( 平 成 23 年 時 点 ) 評 価 項 目 1 社 会 経 済 情 勢 の 変 化 (1) 社 会 経 済 情 勢 の 変 化 関 係 市 の 総 人 口 総 世 帯 数 は 平 成 2 年 ( 事 業 実 施 前 )の530,311 人 153,864 戸 から 平 成 22 年 ( )の553,223 人 199,909 戸 にそれぞれ 増 加 している 産 業 別 就 業 人 口 は 266,280 人 から254,636 人 に 減 少 しており 第 1 次 産 業 においても22,7 20 人 から12,588 人 と 約 半 数 に 減 少 している 人 口 世 帯 数 区 分 平 成 2 年 平 成 22 年 増 減 率 総 人 口 530,311 人 553,223 人 104% 総 世 帯 数 153,864 戸 199,909 戸 130% ( 出 典 : 国 勢 調 査 ) 産 業 別 就 業 人 口 区 分 平 成 2 年 割 合 平 成 22 年 割 合 第 1 次 産 業 22,720 人 8% 12,588 人 5% 第 2 次 産 業 102,851 人 39% 73,876 人 29% 第 3 次 産 業 140,709 人 53% 168,172 人 66% ( 出 典 : 国 勢 調 査 ) (2) 地 域 農 業 の 動 向 関 係 市 の 耕 地 面 積 農 家 戸 数 農 業 就 業 人 口 は 平 成 2 年 ( 事 業 実 施 前 )から 平 成 22 年 ( 評 価 時 点 )にかけて 減 少 しているが 1 戸 当 たり 経 営 面 積 は1.28haから1.97haに 増 加 している 区 分 平 成 2 年 平 成 22 年 増 減 率 耕 地 面 積 計 21,339ha 18,157ha 85% うち 田 13,413ha 10,770ha 80% うち 畑 7,926ha 7,387ha 93% 農 家 戸 数 16,664 戸 9,227 戸 55% 農 業 就 業 人 口 32,414 人 24,122 人 74% うち65 歳 以 上 11,546 人 10,550 人 91% 戸 当 たり 経 営 面 積 1.28ha 1.97ha 154% 認 定 農 業 者 数 - 1,069 人 皆 増 ( 出 典 : 農 林 水 産 統 計 年 報 農 林 業 センサス 認 定 農 業 者 数 は 埼 玉 県 調 べ)
2 事 業 により 整 備 された 施 設 の 管 理 状 況 (1) 施 設 の 概 況 本 事 業 で 整 備 された 施 設 は 六 堰 頭 首 工 左 岸 幹 線 導 水 路 右 岸 幹 線 導 水 路 大 里 幹 線 用 水 路 奈 良 堰 幹 線 用 水 路 玉 井 堰 幹 線 用 水 路 荒 川 左 岸 幹 線 用 水 路 御 正 吉 見 堰 幹 線 用 水 路 である (2) 施 設 の 利 用 状 況 六 堰 頭 首 工 は 平 成 14 年 度 より 供 用 開 始 され 水 利 使 用 規 則 と 取 水 実 績 から 埼 玉 県 が 作 成 した 年 間 取 水 計 画 に 基 づき 荒 川 から 最 大 17.037m 3 /sの 取 水 を 行 っている また 本 地 域 の 利 水 者 間 の 連 絡 調 整 のため 平 成 11 年 から 埼 玉 県 が 主 催 している 荒 川 中 部 利 水 調 整 連 絡 会 ( 国 交 省 荒 川 上 流 河 川 事 務 所 二 瀬 ダム 管 理 所 関 東 農 政 局 ( 独 ) 水 資 源 機 構 荒 川 ダム 総 合 管 理 所 大 里 用 水 土 地 改 良 区 山 王 用 水 土 地 改 良 区 荒 川 中 部 土 地 改 良 区 の3 土 地 改 良 区 東 京 発 電 ( 株 ) 埼 玉 県 で 構 成 ) において 六 堰 頭 首 工 の 年 間 取 水 計 画 が 周 知 され 頭 首 工 から 円 滑 な 取 水 が 行 えるよう 荒 川 上 流 部 の4ヶ 所 のダム( 二 瀬 ダム 浦 山 ダム 滝 沢 ダム 合 角 ダム)の 運 用 等 が 行 われていることもあり 近 年 供 用 開 始 と 相 まっ て 作 物 の 生 育 被 害 が 発 生 するような 渇 水 は 生 じていない 六 堰 頭 首 工 から 取 水 した 用 水 は 左 岸 幹 線 導 水 路 及 び 右 岸 幹 線 導 水 路 で 各 幹 線 用 水 路 へ 配 水 されている 夏 季 のかんがい 期 ( 平 成 24 年 は6 月 11 日 ~9 月 25 日 )には 毎 週 六 堰 頭 首 工 管 理 運 営 会 ( 埼 玉 県 大 里 用 水 土 地 改 良 区 山 王 用 水 土 地 改 良 区 で 構 成 )を 開 催 し 水 稲 の 作 期 に 合 わ せた 取 水 計 画 の 確 認 調 整 が 行 われている また 番 水 が 必 要 な 時 は 水 利 調 整 委 員 会 ( 土 地 改 良 区 の 理 事 監 事 等 で 構 成 )において 地 区 ごとの 配 水 計 画 の 決 定 が 行 われている (3) 施 設 の 管 理 状 況 本 事 業 で 整 備 された 施 設 は 農 林 水 産 省 から 埼 玉 県 並 びに 大 里 用 水 土 地 改 良 区 及 び 山 王 用 水 土 地 改 良 区 に 管 理 委 託 され 管 理 規 程 等 に 基 づき 適 切 に 管 理 が 行 われている 六 堰 頭 首 工 は 平 成 14 年 度 に 完 成 し 平 成 15 年 4 月 より 六 堰 頭 首 工 管 理 委 託 協 定 に 基 づき 埼 玉 県 が 管 理 運 用 している 幹 線 用 水 路 についても 大 里 用 水 土 地 改 良 区 ( 一 部 熊 谷 市 ) 及 び 山 王 用 水 土 地 改 良 区 により 適 切 に 管 理 されている なお 本 事 業 を 契 機 として 六 堰 頭 首 工 から 取 水 していた7つの 土 地 改 良 区 ( 奈 良 堰 用 水 路 玉 井 堰 用 水 路 大 麻 生 堰 用 水 路 成 田 堰 用 水 路 御 正 堰 用 水 路 吉 見 堰 用 水 路 荒 川 左 岸 )が 平 成 17 年 に 大 里 用 水 土 地 改 良 区 として 合 併 したことにより 大 里 幹 線 用 水 路 奈 良 堰 幹 線 用 水 路 及 び 玉 井 堰 幹 線 用 水 路 について 維 持 管 理 体 制 の 一 本 化 が 図 られ 効 率 的 な 管 理 や 合 理 的 な 水 管 理 が 行 われている (4) 施 設 利 用 及 び 管 理 上 の 課 題 と 改 善 点 等 1 整 備 された 施 設 は 今 後 老 朽 化 等 により 維 持 管 理 費 の 増 加 が 見 込 まれるため 施 設 の 機 能 診 断 を 的 確 に 行 い 施 設 の 長 寿 命 化 ライフサイクルコストの 低 減 に 向 け 適 正 な 維 持 管 理 更 新 対 策 が 必 要 である 2 組 合 員 の 高 齢 化 等 により 夫 役 での 施 設 管 理 が 困 難 となっていることから 効 率 的 な 水 管 理 や 維 持 管 理 が 容 易 に 行 えるよう 地 域 の 状 況 に 応 じた 生 産 基 盤 整 備 事 業 のより 一 層 の 推 進 が 必 要 である 3 六 堰 頭 首 工 の 上 下 流 は 河 川 改 修 が 進 んでおらず 洪 水 時 に 上 流 より 運 ばれてきた 土 砂 が 右 岸 側 に 堆 積 し 洪 水 吐 ゲート2 門 が 全 閉 できないことが2 年 に1 回 程 度 発 生 している その 都 度 頭 首 工 を 管 理 している 埼 玉 県 と 流 水 改 善 水 路 緩 傾 斜 魚 道 を 管 理 している 国 土 交 通 省 とが 各 々の 影 響 範 囲 について 堆 積 土 砂 の 除 去 を 行 っており 今 後 の 抜 本 的 な 対 策 について 平 成 23 年 より 埼 玉 県 河 川 管 理 者 関 東 農 政 局 が 検 討 協 議 を 行 っている 3 費 用 対 効 果 分 析 の 算 定 基 礎 となった 要 因 の 変 化 (1) 作 物 生 産 効 果 本 効 果 は 事 業 を 実 施 した 場 合 ( 事 業 ありせば)と 実 施 しなかった 場 合 ( 事 業 なかりせ ば)の 作 物 生 産 量 の 増 減 の 比 較 により 年 効 果 額 を 算 定 している 1 作 付 面 積 計 画 時 点 ( 平 成 6 年 )の 計 画 ( 以 下 計 画 という )と の 作 付 面 積 を 比 較 す ると 農 地 転 用 等 により 効 果 算 定 の 対 象 面 積 である 耕 地 面 積 が 減 少 ( 計 画 3,461ha, 評 価 時 点 2,983ha)しているものの 作 付 面 積 は 増 加 ( 計 画 4,853ha, 5,385ha)している 作 物 別 にみると 水 稲 をはじめ 飼 料 作 物 さといも ブロッコリー レタス にんじ ん ねぎ きゅうり 等 は 計 画 を 下 回 っているが なすやブルーベリーが 新 たに 作 付 けされ ているほか 担 い 手 への 農 地 集 積 の 進 展 に 伴 い 新 規 需 要 米 ( 飼 料 用 米 ) 大 豆 小 麦 等
の 土 地 利 用 型 作 物 の 作 付 面 積 が 増 加 している 耕 地 利 用 率 も 事 業 実 施 前 ( 平 成 6 年 )の136%から ( 平 成 23 年 )の175%に 増 加 し ており 米 麦 二 毛 作 により 水 田 の 高 利 用 が 行 われている 作 付 面 積 の 変 化 ( 単 位 :ha) 区 分 事 業 実 施 前 ( 平 成 6 年 ) 現 況 計 画 ( 平 成 23 年 ) 水 稲 2,583 2,583 2,493 他 用 途 利 用 米 ( 加 工 用 米 ) 73 - - 新 規 需 要 米 ( 飼 料 用 米 ) - - 228 豆 類 ( 大 豆 ) - - 154 飼 料 作 物 ( 青 刈 とうもろこし) 61 207 15 なす - - 8 さといも 24 85 2 小 麦 1,928 244 2,402 ブロッコリー 12 244 37 果 実 類 (ブルーベリー) - - 5 根 菜 類 のその 他 (にんじん 等 ) 24 452 - 葉 茎 菜 類 (ねぎ 等 ) 55 562 - 洋 菜 類 のその 他 (レタス) 6 122 - 果 菜 類 のその 他 (きゅうり 等 ) 85 354 - 地 力 増 進 作 物 - - 41 ( 資 料 : 事 業 計 画 書 説 明 資 料 関 係 市 平 成 23 年 度 産 戸 別 所 得 補 償 制 度 交 付 対 象 面 積 ) 2 生 産 量 の 作 物 の 生 産 量 については 水 稲 飼 料 作 物 さといも ブロッコリーは 作 付 面 積 の 減 少 や 天 候 不 順 等 によるha 当 り 収 量 の 減 少 により 計 画 を 下 回 っているが 作 付 面 積 の 延 びが 大 きい 小 麦 については 生 産 量 が 増 加 している また 新 規 需 要 米 大 豆 な す ブルーベリーが 新 たに 生 産 されている 生 産 量 の 変 化 ( 単 位 :t) 事 業 実 施 前 ( 平 成 6 年 ) 区 分 現 況 計 画 ( 平 成 23 年 ) t/ha t/ha t/ha 水 稲 11,959 4.6 11,959 4.6 11,642 4.7 新 規 需 要 米 ( 飼 料 用 米 ) - - - - 1,015 4.5 豆 類 ( 大 豆 ) - - - - 228 1.5 飼 料 作 物 ( 青 刈 とうもろこし) 3,098 50.8 10,514 50.8 1,016 67.8 なす - - - - 179 22.4 さといも 305 12.7 1,080 12.7 24 12.2 小 麦 7,751 4.0 981 4.0 7,566 3.2 ブロッコリー 125 10.5 2,550 10.5 405 11.0 果 樹 (ブルーベリー) - - - - 8 1.7 ( 資 料 : 農 林 水 産 統 計 年 報 事 業 計 画 書 説 明 資 料 関 係 機 関 からの 聞 き 取 り)
3 生 産 額 の 作 物 の 生 産 額 については 水 稲 飼 料 作 物 さといも ブロッコリーが 生 産 量 の 減 少 や 近 年 の 農 産 物 価 格 の 低 迷 により 計 画 を 下 回 っているが 生 産 量 が 増 加 した 小 麦 は 生 産 額 も 増 加 している また 新 規 需 要 米 大 豆 なす ブルーベリーが 新 たに 生 産 さ れている 生 産 額 の 変 化 ( 単 位 : 百 万 円 ) 事 業 実 施 前 ( 平 成 6 年 ) 区 分 現 況 計 画 ( 平 成 23 年 ) 千 円 /t 千 円 /t 千 円 /t 水 稲 3,755 314 3,755 314 2,259 194 新 規 需 要 米 ( 飼 料 用 米 ) - - - - 14 14 豆 類 ( 大 豆 ) - - - - 12 52 飼 料 作 物 ( 青 刈 とうもろこし) 77 25 263 25 25 25 なす - - - - 45 253 さといも 114 373 403 373 5 208 小 麦 1,232 159 156 159 227 30 ブロッコリー 35 277 706 277 108 267 果 樹 (ブルーベリー) - - - - 11 1,347 単 価 は 直 近 5ヵ 年 間 の 農 家 手 取 価 格 の 平 均 水 稲 及 び 小 麦 の 印 は 国 が 決 定 した 価 格 である ( 資 料 : 事 業 計 画 書 説 明 資 料 関 係 機 関 からの 聞 き 取 り) (2) 営 農 経 費 節 減 効 果 本 効 果 は 事 業 実 施 により 地 下 水 に 依 存 していた 水 源 を 表 流 水 に 切 り 替 えることが 可 能 と なったことで 個 人 所 有 の 揚 水 機 の 運 転 が 不 要 となり 水 管 理 作 業 に 係 る 経 費 が 軽 減 される 効 果 を 算 定 している では 各 幹 線 水 路 毎 に 適 正 な 用 水 配 分 を 行 っており 各 幹 線 水 路 の 送 水 を 調 整 し ている 水 利 調 整 委 員 会 においても 送 水 量 の 増 量 要 望 がないことから 計 画 の 作 物 作 期 での 地 下 水 ポンプに 係 る 水 管 理 費 用 は 計 画 どおり 節 減 されている 地 下 水 ポンプに 係 る 水 管 理 費 用 の 変 化 対 象 施 設 事 業 実 施 前 ( 平 成 6 年 ) 現 況 計 画 ( 平 成 23 年 ) 揚 水 機 ( 個 人 所 有 ) 466,178 千 円 0 0 ( 資 料 : 事 業 計 画 書 説 明 資 料 土 地 改 良 区 聞 き 取 り) (3) 維 持 管 理 費 節 減 効 果 本 効 果 は 本 事 業 及 び 関 連 事 業 を 実 施 した 場 合 ( 事 業 ありせば)と 実 施 しなかった 場 合 ( 事 業 なかりせば)を 比 較 し 維 持 管 理 費 の 増 減 をもって 年 効 果 額 を 算 定 している 本 事 業 等 で 整 備 した 六 堰 頭 首 工 幹 線 用 水 路 等 に 係 る 維 持 管 理 費 については 計 画 の133, 853 千 円 に 対 し ( 平 成 19 年 度 から 平 成 23 年 度 迄 の5ヶ 年 平 均 )では63,782 千 円 とな っている その 要 因 は 本 事 業 を 契 機 として 六 堰 頭 首 工 から 取 水 している7 土 地 改 良 区 が 平 成 17 年 に 大 里 用 水 土 地 改 良 区 として 合 併 したことで 土 地 改 良 区 職 員 が11 人 体 制 から 評 価 時 点 の8 人 体 制 となり 管 理 体 制 の 効 率 化 が 図 られたことや 水 管 理 システムにより 水 管 理 の 効 率 化 が 図 られたことによる 維 持 管 理 費 の 変 化 対 象 施 設 事 業 実 施 前 ( 平 成 6 年 ) 現 況 計 画 ( 平 成 23 年 ) 六 堰 頭 首 工 2,719 千 円 28,280 千 円 23,713 千 円 幹 線 用 水 路 等 47,057 千 円 105,573 千 円 40,069 千 円 計 49,776 千 円 133,853 千 円 63,782 千 円 ( 資 料 : 事 業 計 画 書 説 明 資 料 土 地 改 良 区 聞 き 取 り)
(4) 災 害 防 止 効 果 本 効 果 は 事 業 を 実 施 した 場 合 ( 事 業 ありせば)と 実 施 しなかった 場 合 ( 事 業 なかりせ ば)を 比 較 し 洪 水 に 伴 い 発 生 する 一 般 公 共 資 産 に 係 る 洪 水 被 害 軽 減 の 差 をもって 年 効 果 額 を 算 定 している 本 効 果 について 計 画 時 点 と を 比 較 すると 計 画 時 点 の340,965 千 円 に 対 し 評 価 時 点 は763,080 千 円 と 大 きく 増 額 している これは における 被 害 の 防 止 又 は 軽 減 が 図 られる 区 域 内 の 家 屋 や 事 業 所 等 対 象 となる 資 産 の 評 価 額 が 計 画 時 点 より 高 くなって いることが 要 因 となっている 一 般 公 共 資 産 の 被 害 軽 減 額 の 変 化 対 象 施 設 事 業 実 施 前 ( 平 成 6 年 ) ( 平 成 23 年 ) 一 般 公 共 資 産 340,965 千 円 763,080 千 円 ( 資 料 : 事 業 計 画 書 説 明 資 料 ) (5) 地 域 用 水 効 果 本 効 果 は 事 業 を 実 施 した 場 合 ( 事 業 ありせば)と 実 施 しなかった 場 合 ( 事 業 なかりせ ば)の 地 域 用 水 の 利 用 経 費 の 差 をもって 年 効 果 額 を 算 定 している 本 効 果 は 計 画 時 点 では 見 込 めなかったことから 算 定 していなかったが において は 熊 谷 市 と 大 里 用 水 土 地 改 良 区 深 谷 市 と 山 王 用 水 土 地 改 良 区 が 農 業 水 利 施 設 の 消 防 水 利 施 設 としての 利 用 に 関 する 協 定 書 を 平 成 21 年 に 締 結 し 農 業 用 用 水 を 消 火 活 動 に 利 用 す るなど 地 域 用 水 としても 利 用 されていることから 新 たに 算 定 を 行 った 消 防 水 利 施 設 の 指 定 状 況 ( 単 位 : 箇 所 ) 対 象 施 設 事 業 実 施 前 ( 平 成 6 年 ) ( 平 成 23 年 ) 奈 良 堰 幹 線 用 水 路 - 7 玉 井 堰 幹 線 用 水 路 - 5 大 里 幹 線 用 水 路 - 16 計 - 28 ( 資 料 : 事 業 誌 荒 川 の 恵 み ) (6) 一 般 交 通 等 経 費 節 減 効 果 一 般 交 通 等 経 費 節 減 効 果 は 実 施 した 場 合 ( 事 業 ありせば)と 実 施 しなかった 場 合 ( 事 業 なかりせば)の 一 般 交 通 の 走 行 に 係 る 人 件 費 や 車 両 経 費 などの 走 行 経 費 の 差 をもって 年 効 果 額 を 算 定 している 本 効 果 は 計 画 時 点 では 算 定 していなかったが 六 堰 頭 首 工 の 管 理 橋 は 県 営 農 免 農 道 事 業 と の 共 同 事 業 で 一 体 的 に 整 備 したことにより においては 荒 川 左 右 岸 の 主 要 幹 線 道 路 をつなぐ 道 路 として 農 産 物 流 通 の 合 理 化 のみならず 生 活 道 路 としても 活 用 されている ことから 新 たに 算 定 を 行 った 一 般 交 通 の 走 行 に 係 る 経 費 の 変 化 ( 平 成 23 年 ) 事 業 実 施 前 項 目 事 業 なかりせば 事 業 ありせば ( 平 成 6 年 ) 走 行 経 費 走 行 経 費 一 般 交 通 経 費 - 1,215,984 千 円 821,422 千 円
(7) 景 観 環 境 保 全 効 果 景 観 環 境 保 全 効 果 は 実 施 した 場 合 ( 事 業 ありせば)と 実 施 しなかった 場 合 ( 事 業 な かりせば)の 本 事 業 で 整 備 した 景 観 環 境 保 全 施 設 に 対 する 支 払 意 志 額 を 地 域 住 民 に 尋 ねることで その 価 値 を 直 接 的 に 評 価 する 手 法 であるCVM( 仮 想 市 場 法 )により 測 定 し 年 効 果 額 を 算 定 している 本 効 果 は 計 画 時 点 では 算 定 していなかったが 六 堰 頭 首 工 荒 川 左 岸 幹 線 用 水 路 御 正 吉 見 堰 幹 線 用 水 路 においては 農 業 の 歴 史 学 習 親 水 交 流 空 間 自 然 観 察 や 自 然 とのふれあ いの 場 としても 活 用 されていることから 新 たに 算 定 を 行 った 各 施 設 のCVMによる 効 果 額 CVMによる 景 観 環 境 当 該 土 地 その 他 施 当 該 土 地 改 良 効 果 額 保 全 施 設 の 改 良 施 設 設 の 資 本 事 業 における 対 象 施 設 資 本 還 元 額 の 資 本 還 還 元 額 効 果 額 元 額 1 2=3+4 3 4 5=1X(3/2) 千 円 千 円 / 年 千 円 / 年 千 円 / 年 千 円 六 堰 頭 首 工 266,916 371,589 371,589-266,916 国 営 荒 川 左 岸 幹 線 用 水 路 337,129 98,614 59,561 39,053 203,620 国 営 御 正 吉 見 堰 幹 線 用 水 路 25,442 44,132 44,132-25,442 4 事 業 効 果 の 発 現 状 況 (1) 災 害 の 未 然 防 止 旧 六 堰 頭 首 工 は 荒 川 の 河 床 低 下 に 起 因 して 洪 水 による 倒 壊 の 危 険 性 が 増 大 しており ま た 固 定 堰 であったため 洪 水 流 下 断 面 が 不 足 するなど 河 川 管 理 上 の 安 全 性 にも 課 題 のある 状 況 であった このような 状 況 の 中 平 成 11 年 8 月 の 降 雨 に 伴 う 洪 水 ( 最 大 流 量 3,200m3/s)により 旧 六 堰 頭 首 工 が 倒 壊 するとともに 周 辺 農 地 等 への 湛 水 が 発 生 したが 既 に 本 事 業 での 頭 首 工 改 修 工 事 に 着 手 していたことから 新 頭 首 工 の 供 用 開 始 ( 平 成 14 年 )までの2 年 間 は 仮 堰 堤 を 応 急 的 に 設 置 するなどの 対 応 を 行 い 営 農 に 支 障 を 及 ぼすことを 回 避 した また 江 南 サイホンは 前 歴 事 業 により 荒 川 の 河 床 下 3mに 設 置 されていたが 河 床 低 下 により 路 体 が 露 出 し 下 流 側 に 約 5mの 落 差 が 発 生 していた このため 洪 水 時 に 度 々 流 失 する 被 害 が 発 生 し 昭 和 40 年 から 平 成 14 年 までの 間 で8 回 合 計 104,892 千 円 の 復 旧 工 事 が 行 われた 本 事 業 により 江 南 サイホンの 機 能 を 樋 体 の 中 に 移 設 した 全 幅 可 動 堰 の 新 頭 首 工 が 完 成 し 河 川 管 理 上 の 安 全 性 が 向 上 したことにより 旧 六 堰 頭 首 工 が 倒 壊 した 平 成 11 年 8 月 の 降 雨 に 伴 う 洪 水 流 量 を 超 える3,570 m3/sとなった 平 成 19 年 9 月 の 台 風 9 号 の 際 も 頭 首 工 や 周 辺 農 地 に 洪 水 による 被 害 は 発 生 していない また 江 南 サイホンについても 既 存 施 設 の 撤 去 に より 河 川 管 理 上 の 安 全 性 の 向 上 や 維 持 管 理 が 不 要 となるなど 災 害 の 未 然 防 止 農 業 用 水 の 安 定 取 水 及 び 施 設 の 維 持 管 理 費 の 低 減 により 営 農 環 境 の 改 善 に 寄 与 しており 受 益 農 家 328 戸 (うち 回 答 数 217 戸 ) 及 び 地 域 住 民 594 戸 (うち 回 答 数 407 戸 )へのアンケート 調 査 結 果 でも 受 益 農 家 の 半 数 以 上 が 洪 水 などの 災 害 の 心 配 がなくなり 安 心 して 農 業 を 続 けるこ とができるようになった と 回 答 しており 地 域 住 民 も 半 数 以 上 が 住 居 などの 浸 水 被 害 が 防 止 され 安 心 して 生 活 できるようになった と 回 答 している 本 事 業 は 受 益 農 家 や 地 域 住 民 に 対 し 安 心 して 農 業 を 続 けられる 安 心 して 生 活 できる 環 境 の 提 供 に 大 きく 貢 献 している (2) 農 業 用 水 の 水 質 保 全 と 合 理 的 利 用 1 農 業 用 水 の 水 質 保 全 本 地 区 の 農 業 用 水 路 は 江 戸 時 代 以 前 に 造 成 された 水 路 を 使 用 しており 元 々 家 庭 雑 排 水 を 受 け 入 れていたため 都 市 化 の 進 展 により 農 業 用 水 の 水 質 が 悪 化 し 営 農 意 欲 の 低 下 の 一 因 となっていた 本 事 業 では 用 水 路 の 改 修 と 併 せて 水 路 に 流 入 していた 家 庭 雑 排 水 を 管 水 路 や 背 割 り 水 路 で 分 離 の 上 家 庭 雑 排 水 管 を 下 水 処 理 施 設 の 配 管 と 接 続 し 背 割 り 水 路 は 水 路 が 河 川
と 交 差 する 部 分 で 河 川 に 放 流 を 行 うなどの 対 策 を 講 じたことにより 用 水 路 部 分 を 流 れる 水 に 家 庭 雑 排 水 の 混 入 がなくなり 農 業 用 水 の 水 質 が 保 全 され 減 退 していた 農 家 の 営 農 意 欲 の 向 上 に 寄 与 していると 考 えられる 2 農 業 用 水 の 合 理 的 利 用 都 市 化 に 伴 う 農 地 のかい 廃 により 地 区 内 の 一 部 では 必 要 用 水 量 が 減 少 する 一 方 荒 川 左 岸 幹 線 用 水 路 や 奈 良 堰 幹 線 用 水 路 等 により 配 水 される 地 区 では 忍 川 の 湧 水 枯 渇 の 影 響 により 不 足 する 用 水 を 補 う 個 人 井 戸 が 多 く 設 置 されていた このため 本 事 業 では 用 水 路 の 改 修 と 併 せて 荒 川 左 岸 幹 線 用 水 路 で 約 0.5m3/s 奈 良 堰 幹 線 用 水 路 で 約 0.9 m3/sの 送 水 量 を 増 量 するなど 地 区 内 の 用 水 配 分 を 見 直 すことによ り 農 業 用 水 の 合 理 的 利 用 を 図 っている また 近 年 水 稲 の 出 穂 期 から 登 熟 期 の 高 温 化 が 白 未 熟 粒 や 胴 割 米 の 発 生 等 品 質 を 大 きく 低 下 させる 要 因 となっており 埼 玉 県 では 平 成 22 年 産 彩 のかがやき の 被 害 発 生 以 降 水 稲 の 高 温 対 策 として 特 に 高 温 の 影 響 が 大 きい 出 穂 期 から 出 穂 後 20 日 迄 は 夜 間 かんがいや 深 水 管 理 を 行 い 気 温 が 平 年 並 みに 戻 ったら 間 断 かんがいを 行 い 根 の 活 力 を 維 持 し 早 期 の 落 水 は 避 けて 登 熟 の 向 上 を 図 る 等 の 水 管 理 を 実 施 するよう 指 導 している 受 益 農 家 アンケート 調 査 結 果 からも 64.1%の 方 から 農 業 用 水 を 安 定 して 取 れるよう になった との 回 答 を 得 ており 本 事 業 及 び 関 連 事 業 の 実 施 により 安 定 した 農 業 用 水 の 取 水 と 一 層 的 確 な 水 管 理 が 可 能 となったことで 水 稲 の 品 質 向 上 にも 大 きく 寄 与 するもの と 考 えられる (3) 営 農 環 境 の 改 善 による 地 域 農 業 の 活 性 化 本 事 業 により 農 業 用 水 の 安 定 供 給 や 水 質 の 保 全 等 営 農 環 境 が 改 善 され 以 下 のような 地 域 農 業 の 活 性 化 が 図 られている 1 土 地 利 用 型 作 物 の 生 産 拡 大 本 地 区 内 の 水 田 では 飼 料 用 作 物 小 麦 大 豆 等 の 土 地 利 用 型 作 物 の 作 付 けが 拡 大 してお り 耕 地 利 用 率 が136%( 計 画 時 点 : 平 成 6 年 )から175%( : 平 成 23 年 )と 大 幅 に 増 加 している 特 に 小 麦 の 作 付 面 積 は25% 増 加 ( 計 画 時 点 1,928ha 2,402ha)し 地 域 の 基 幹 作 物 となっているほか 首 都 圏 における 生 産 の29%を 占 める 埼 玉 県 において 本 地 区 の 関 係 市 が60%を 占 めるなど 県 内 でも 有 数 の 小 麦 生 産 地 になっている 2 耕 畜 連 携 の 取 り 組 み 本 地 区 は 首 都 圏 に 位 置 し 大 消 費 地 を 抱 える 有 利 性 もあって 水 稲 麦 野 菜 畜 産 等 多 様 な 営 農 の 取 り 組 みが 見 受 けられ 乳 用 牛 肉 用 牛 の 飼 養 頭 数 も 埼 玉 県 に 占 める 割 合 が 高 い 水 田 での 飼 料 用 稲 等 の 作 付 け 増 加 に 伴 い 耕 種 農 家 と 畜 産 農 家 による 耕 畜 連 携 の 取 り 組 みが 進 められている 3 地 域 農 業 の 担 い 手 の 育 成 確 保 大 里 地 域 ( 熊 谷 市 深 谷 市 寄 居 町 )の 新 規 就 農 者 の 埼 玉 県 に 占 める 割 合 は 平 成 23 年 度 は21.1%で 県 内 でも 新 規 就 農 者 の 多 い 地 域 となっている また 新 規 就 農 者 の 内 訳 については 平 成 19 年 度 から23 年 度 を 見 ると 若 い 世 代 である 新 規 学 卒 者 が5 人 前 後 Uターンと 新 規 参 入 がおおむね20~30 人 で 推 移 しており 多 様 な 担 い 手 が 確 保 されている 状 況 である また 関 係 市 ( 熊 谷 市 行 田 市 鴻 巣 市 深 谷 市 ) の 農 業 生 産 法 人 数 は 平 成 17 年 度 の11 経 営 体 から 平 成 23 年 度 の37 経 営 体 と3.4 倍 に 増 加 し ており 平 成 23 年 度 の 埼 玉 県 に 占 める 割 合 は37.4%で 県 内 でも 農 業 生 産 法 人 が 多 い 地 域 となっている (4) 事 業 による 波 及 効 果 1 親 水 空 間 等 の 利 用 本 事 業 で 整 備 した 荒 川 左 岸 幹 線 用 水 路 ( 星 川 ) 御 正 吉 見 堰 幹 線 用 水 路 をはじめ 関 連 事 業 等 で 整 備 した 支 線 水 路 において 親 水 公 園 での 利 用 水 辺 環 境 の 創 出 等 により 景 観 環 境 保 全 機 能 等 の 維 持 増 進 が 図 られている 地 域 住 民 アンケート 調 査 においても 生 態 系 配 慮 施 設 などの 整 備 により 景 観 がどのよ うに 変 わりましたか との 問 いに 対 し 60.8%の 方 が 良 くなったと 答 えており 生 態 系 配 慮 施 設 などの 整 備 により 水 路 が 親 しみやすくなったと 思 いますか という 問 いに 対 し ても 61.7%の 方 が 思 うと 回 答 するなど 事 業 実 施 による 景 観 や 親 水 機 能 について 地 域 住 民 にも 評 価 されている
2 防 火 用 水 としての 利 用 本 事 業 で 整 備 した 農 業 水 利 施 設 については 管 理 を 行 っている 大 里 用 水 土 地 改 良 区 及 び 山 王 用 水 土 地 改 良 区 が 関 係 市 消 防 本 部 と 協 定 を 結 び 農 業 用 水 を 防 火 用 水 として 消 火 活 動 に 利 用 するなどの 多 面 的 利 用 が 図 られている 3 総 合 学 習 及 び 市 民 活 動 の 場 の 提 供 本 事 業 で 整 備 した 六 堰 頭 首 工 では 小 学 校 や 一 般 団 体 等 の 施 設 見 学 会 が 実 施 され 農 業 用 施 設 の 役 割 について 学 ぶ 総 合 学 習 の 場 として 活 用 されている また 撤 去 を 行 った 旧 江 南 サイホンの 吐 水 口 呑 口 部 は 歴 史 ある 施 設 であることから 周 辺 に 見 学 用 階 段 や 遊 歩 道 が 整 備 され 歴 史 的 な 建 造 物 として 一 般 来 訪 者 に 開 放 されてい る さらに 熊 谷 市 では 御 正 吉 見 堰 幹 線 用 水 路 におけるホタル 祭 りやホタルの 保 存 活 動 の 一 環 としてイベントを 開 催 するなど 市 民 活 動 の 場 としても 本 事 業 で 整 備 された 施 設 が 活 用 されている 4 地 域 活 動 ( 農 地 水 保 全 管 理 支 払 交 付 金 の 取 り 組 み 状 況 ) 本 地 区 内 では30 組 織 ( 平 成 23 年 度 )が 地 域 共 同 による 農 地 農 業 用 水 等 の 資 源 の 保 全 管 理 と 農 村 環 境 の 保 全 向 上 を 取 り 組 みを 支 援 する 農 地 水 保 全 管 理 支 払 交 付 金 を 活 用 した 取 り 組 みを 行 っており その 組 織 数 は 関 係 市 の5 割 強 県 全 体 の1 割 強 を 占 める 等 県 内 でも 積 極 的 な 取 り 組 みが 展 開 されている 地 域 となっている 5 農 地 の 気 候 緩 和 機 能 の 発 揮 近 年 ヒートアイランド 現 象 に 代 表 される 都 市 の 気 候 環 境 の 変 化 が 指 摘 されているなか 農 地 の 多 面 的 機 能 として 特 に 水 田 では 水 面 からの 蒸 発 や 水 の 比 熱 の 大 きさにより 気 候 を 一 層 緩 和 させる 効 果 があると 言 われている 本 事 業 の 実 施 により 地 区 内 で 継 続 的 な 営 農 が 行 われ 集 団 的 農 地 が 保 全 されているこ とから 間 接 的 効 果 ではあるが 農 地 の 気 候 緩 和 機 能 が 発 揮 されていると 考 えられる 地 域 住 民 アンケート 調 査 においても 都 市 近 郊 であるが 水 田 があることで 周 辺 の 気 温 を 下 げるなど 特 に 夏 においては 気 候 を 緩 和 させる 効 果 があると 思 いますか という 問 いに 対 し 58.2%の 方 が 思 う と 答 えている (5) 事 後 における 費 用 対 効 果 分 析 結 果 効 果 の 発 現 状 況 を 踏 まえ 事 後 の 各 種 算 定 データを 基 に 現 状 で 推 移 した 場 合 の 総 費 用 総 便 益 比 を 算 定 した 結 果 次 のとおりとなった 総 便 益 (B) 123,414 百 万 円 総 費 用 (C) 102,561 百 万 円 総 費 用 総 便 益 比 (B/C) 1.20 ( 注 ) 総 費 用 総 便 益 比 方 式 により 算 定 5 事 業 実 施 による 環 境 の 変 化 (1) 生 活 環 境 の 変 化 1 生 活 の 安 全 性 向 上 利 便 性 確 保 本 事 業 の 水 路 改 修 は 流 入 する 生 活 排 水 や 雨 水 を 考 慮 した 設 計 としていることから 付 随 的 に 水 路 の 排 水 能 力 も 向 上 している また 水 路 の 安 全 性 を 確 保 するためのフェンスや 新 たに 防 火 用 水 用 の 釜 場 や 桝 洗 い 場 なども 設 置 しており これらは 生 活 に 結 び 付 いた 利 用 がなされている 地 域 住 民 へのアンケート 調 査 でも 住 居 などの 浸 水 被 害 が 防 止 さ れ 安 心 して 生 活 できるようになったと 思 いますか との 問 いに 対 し 57.7%の 方 が 思 う と 答 え 用 水 路 のフェンスが 整 備 され 子 供 達 などが 安 心 して 遊 べる 環 境 になった と 思 いますか との 問 いに 対 しても 77.4%の 方 が 思 う と 答 えており 地 域 の 人 々 にとって 生 活 安 全 性 の 向 上 や 利 便 性 の 確 保 が 評 価 されている 2 親 水 機 能 の 提 供 本 事 業 では 熊 谷 市 との 共 同 事 業 により 星 川 において 枯 渇 した 湧 水 の 補 給 を 行 うとと もに 景 観 に 配 慮 した 水 路 や 歩 道 等 の 整 備 を 実 施 したことにより 市 民 の 憩 いの 場 として 親 しまれている
3 地 域 の 交 通 利 便 性 の 向 上 六 堰 頭 首 工 の 管 理 橋 は 本 地 区 西 部 の 荒 川 左 右 岸 の 主 要 幹 線 道 路 をつなぐ 道 路 とて 県 営 農 免 農 道 事 業 との 共 同 事 業 で 一 体 的 に 整 備 したことにより 農 産 物 流 通 の 合 理 化 に 寄 与 するだけでなく 地 域 の 生 活 道 路 としても 活 用 されており 交 通 利 便 性 の 向 上 にも 寄 与 し ている (2) 自 然 環 境 の 変 化 本 事 業 では 六 堰 頭 首 工 の 整 備 にあわせ 荒 川 に 生 息 している 魚 類 を 考 慮 した 魚 道 を 設 置 した また 御 正 吉 見 堰 幹 線 用 水 路 では 事 業 実 施 前 にゲンジホタルが 生 息 していたことか ら 整 備 に 当 たってはホタルが 生 息 しやすい 護 岸 構 造 にするなどの 配 慮 や 工 事 に 当 たって は 地 元 小 学 生 によるホタルの 引 っ 越 し 作 業 工 事 期 間 中 の 飼 育 工 事 完 了 後 のモニタリン グ 調 査 等 が 行 われている 六 堰 頭 首 工 や 御 正 吉 見 堰 幹 線 用 水 路 においては 事 業 実 施 中 より 環 境 調 査 を 行 っており 大 幅 な 生 息 状 況 の 変 化 は 見 られない また 地 域 住 民 へのアンケート 調 査 でも 生 態 系 に 配 慮 した 施 設 整 備 による 生 物 の 生 息 環 境 や 生 息 状 況 がどのように 変 わりましたか との 問 いに 対 して 40.5%の 方 が 良 くなった と 答 えており さらに 生 態 系 配 慮 施 設 などが 整 備 されて 水 路 が 親 しみやすくなったと 思 いますか という 問 いに 対 し 61.7%の 方 が 思 う と 答 えているなど 地 域 住 民 の 多 くは 事 業 実 施 後 においても 地 域 の 自 然 環 境 は 保 全 されてい ると 感 じている 6 今 後 の 課 題 等 (1) 事 業 効 果 を 持 続 的 に 発 現 させるための 施 設 管 理 の 実 施 平 成 25 年 で 六 堰 頭 首 工 等 が 供 用 開 始 から10 年 を 経 過 することから 今 後 水 管 理 システム の 更 新 やゲート 設 備 等 の 点 検 部 品 交 換 を 順 次 実 施 する 時 期 となる 頭 首 工 の 管 理 を 行 っている 埼 玉 県 は 点 検 更 新 計 画 を 作 成 し 年 度 毎 の 維 持 管 理 費 が 一 定 になるようにしているが 特 注 品 が 多 く 施 設 の 耐 用 年 数 や 更 新 費 用 の 妥 当 性 の 検 証 が 困 難 な 状 況 にある このことから 関 東 農 政 局 が 平 成 25 年 3 月 に 設 置 した 技 術 支 援 相 談 センター を 活 用 し 更 新 時 期 や 更 新 費 用 を 的 確 に 判 断 する 等 維 持 管 理 費 の 軽 減 等 を 図 るとともに 事 業 効 果 を 持 続 的 に 発 現 させるため 引 き 続 き 適 切 な 施 設 管 理 を 実 施 する 必 要 がある (2) 水 田 の 高 度 利 用 の 推 進 本 事 業 の 実 施 により 営 農 環 境 の 改 善 が 図 られたことから 水 田 での 作 物 の 作 付 けが 増 加 しており 耕 地 利 用 率 が136%から175%に 増 加 している 特 に 小 麦 の 作 付 けが 大 幅 に 増 加 するなど 国 の 施 策 に 積 極 的 に 取 り 組 んでいる 点 を 評 価 し つつ 次 のステップとして 更 なる 生 産 性 の 向 上 に 向 けた 担 い 手 への 農 地 集 積 の 推 進 等 に 取 り 組 む 必 要 がある (3) 都 市 近 郊 に 立 地 する 特 性 を 活 かした 営 農 等 の 展 開 本 地 区 は 都 市 近 郊 の 立 地 条 件 に 恵 まれた 地 域 であることから 水 稲 小 麦 野 菜 畜 産 等 多 様 な 営 農 が 展 開 されている 本 事 業 の 実 施 により 営 農 環 境 の 改 善 が 図 られたことから 今 後 も 引 続 き その 恵 まれた 立 地 条 件 を 十 分 に 活 かした 取 り 組 みが 必 要 である (4) 地 域 農 業 の 担 い 手 の 育 成 確 保 事 業 完 了 後 新 規 就 農 者 認 定 農 業 者 農 業 生 産 法 人 は 増 加 傾 向 にあり 地 域 農 業 の 担 い 手 が 育 成 確 保 されている 状 況 である 今 後 は 人 農 地 プラン 等 を 踏 まえ 引 き 続 き 農 地 集 積 や 農 業 生 産 基 盤 整 備 による 生 産 性 の 向 上 安 定 的 な 経 営 基 盤 の 強 化 を 図 り 継 続 的 に 担 い 手 を 育 成 確 保 していく 必 要 があ る
総 合 評 価 本 事 業 により 六 堰 頭 首 工 及 び 地 区 内 用 水 路 の 改 修 等 を 実 施 し これらの 用 水 施 設 の 機 能 回 復 及 び 災 害 の 未 然 防 止 を 図 ったことにより 洪 水 などの 災 害 の 心 配 がなくなり 安 心 して 農 業 生 産 や 日 常 生 活 が 行 えるなど 災 害 の 未 然 防 止 により 農 業 生 産 日 常 生 活 の 安 心 感 の 醸 成 が 図 られている また 施 設 整 備 にあたって 農 業 用 水 の 水 質 保 全 や 地 区 内 用 水 配 分 の 適 正 化 を 図 ったこ とにより 地 下 水 から 表 流 水 への 水 源 転 換 が 可 能 となる 等 の 農 業 用 水 の 合 理 的 利 用 が 可 能 と なり 水 管 理 にかかる 営 農 経 費 が 節 減 されている さらに これらの 営 農 環 境 と 担 い 手 への 農 地 集 積 の 進 展 により 飼 料 用 米 米 粉 用 米 小 麦 大 豆 等 の 土 地 利 用 型 作 物 の 生 産 拡 大 と 耕 地 利 用 率 の 向 上 が 図 られており 特 に 小 麦 は 埼 玉 県 第 一 位 の 生 産 地 として 首 都 圏 における 食 料 供 給 基 地 の 確 立 に 寄 与 している このほか 大 里 用 水 は 親 水 公 園 や 防 火 用 水 として 利 用 される 等 多 面 的 な 機 能 が 発 揮 され ており 地 域 の 安 全 安 心 快 適 利 便 性 の 向 上 にも 寄 与 している 関 係 団 体 ( 埼 玉 県 関 係 市 関 係 土 地 改 良 区 )からも 洪 水 時 の 危 険 性 の 解 消 農 業 用 水 の 安 定 供 給 が 可 能 となる 等 の 営 農 環 境 の 改 善 が 評 価 されるとともに 施 設 については 自 然 環 境 生 活 環 境 に 配 慮 した 整 備 が 行 われていることから 市 民 にも 親 しまれている 施 設 となっ ており 地 域 コミュニティーの 強 化 や 住 環 境 の 向 上 にも 寄 与 していることが 高 く 評 価 されて いる 今 後 の 課 題 としては 本 事 業 効 果 を 持 続 させるため 地 区 内 の 土 地 改 良 施 設 の 定 期 的 な 点 検 や 適 切 な 補 修 を 行 うとともに 更 新 時 期 や 費 用 を 的 確 に 判 断 し 維 持 管 理 費 の 軽 減 等 を 図 っていく 必 要 がある また 本 地 区 の 農 業 生 産 力 を 維 持 向 上 させていくため 人 農 地 プラン 等 を 踏 まえ 引 き 続 き 農 地 集 積 や 農 業 生 産 基 盤 整 備 による 生 産 性 の 向 上 安 定 的 な 経 営 基 盤 の 強 化 を 図 り 継 続 的 に 担 い 手 を 育 成 確 保 するとともに 恵 まれた 立 地 条 件 を 十 分 に 活 かした 営 農 を 展 開 していく 必 要 がある 技 術 検 討 委 員 会 の 意 見 本 事 業 で 六 堰 頭 首 工 等 の 基 幹 水 利 施 設 の 改 修 や 水 質 保 全 対 策 を 実 施 したことにより 洪 水 時 の 安 全 性 が 向 上 するとともに 地 区 内 の 農 業 用 水 の 水 質 保 全 安 定 供 給 が 可 能 となって いる これら 営 農 環 境 の 改 善 とともに 地 区 内 での 担 い 手 への 農 地 集 積 の 進 展 や 米 麦 二 毛 作 の 展 開 が 図 られていることにより 本 地 区 は 関 東 平 野 における 土 地 利 用 型 農 業 のモデル 地 区 としてさらなる 発 展 が 期 待 される また 本 事 業 で 整 備 された 施 設 は 防 火 用 水 等 の 地 域 の 安 全 施 設 としての 役 割 を 担 うとと もに 総 合 学 習 の 場 等 に 活 用 されており 地 域 住 民 の 住 環 境 の 向 上 や 地 域 コミュニティー の 強 化 にも 寄 与 している これらの 効 果 を 今 後 も 持 続 的 に 発 現 させていくため 地 区 内 の 農 業 水 利 施 設 を 適 正 に 管 理 し 施 設 機 能 の 維 持 を 図 っていく 必 要 がある 併 せて 本 事 業 で 取 水 している 用 水 は 受 益 地 である 大 里 地 区 のみならず 埼 玉 県 東 部 の 水 ネットワークの 重 要 な 一 部 となっていることから 広 い 視 点 で 対 応 すべきである 評 価 に 使 用 した 資 料 総 務 省 統 計 局 平 成 2 年 国 勢 調 査 平 成 22 年 国 勢 調 査 (http://www.e-stat.go.jp/sg1/e stat/gl02100104.do?tocd=00200521) 農 林 水 産 省 統 計 部 1990 年 世 界 農 林 業 センサス 埼 玉 県 統 計 書 2010 年 世 界 農 林 業 センサス 埼 玉 県 統 計 書 農 林 水 産 統 計 協 会 関 東 農 政 局 統 計 部 埼 玉 農 林 水 産 統 計 年 報 農 林 水 産 統 計 協 会 評 価 結 果 書 に 使 用 したデータのうち 一 般 に 公 表 されていないものについては 関 東 農 政 局 利 根 川 水 系 土 地 改 良 調 査 管 理 事 務 所 調 べ( 平 成 24 年 ) 関 東 農 政 局 ( 平 成 6 年 8 月 ) 国 営 総 合 農 地 防 災 事 業 大 里 地 区 土 地 改 良 事 業 計 画 書 説 明 資 料 関 東 農 政 局 利 根 川 水 系 土 地 改 良 調 査 管 理 事 務 所 大 里 地 区 事 後 評 価 アンケート 調 査 結 果 ( 平 成 24 年 )