健 康 寿 命 と 経 済 発 展 超 高 齢 社 会 の 老 年 学 - 百 寿 者 研 究 からみた, 超 高 齢 社 会 の 現 状 - 赤 林 英 夫 慶 應 義 塾 大 学 経 済 学 部 日 本 が 世 界 で 最 も 長 寿 を 享 受 している 国 であることは よく 知 られています 平 成 15 年 の 簡 易 生 命 表 によれば 日 本 の 平 均 寿 命 は 男 性 で 78.36 歳 女 性 で 85.33 歳 であり 世 界 中 で 最 も 高 い 値 を 示 す 国 の 一 つとなっています 表 1は 2002 年 における 主 要 国 の 男 女 別 平 均 寿 命 を そのランクとともに 示 したものです( 国 立 社 会 保 障 人 口 問 題 研 究 所 2004) これを 見 ると 平 均 寿 命 は 国 ごとに 大 きく 異 なること そしてその 差 は 国 や 地 域 の 経 済 状 態 や 社 会 的 発 展 の 度 合 いの 差 を 表 している 可 能 性 があること が 想 像 できる と 思 います この 章 では 経 済 水 準 と 寿 命 の 関 係 経 済 学 から 見 た 寿 命 や 健 康 水 準 の 決 定 そして 長 寿 社 会 が 経 済 や 政 策 に 与 える 影 響 について 解 説 していきたいと 思 います 1. 国 際 比 較 の 視 点 から まず 図 1を 見 て 下 さい これは 世 界 176 カ 国 の 2000 年 の 統 計 を 使 い 一 人 当 たり の 国 内 総 生 産 (GDP)の 対 数 値 をX 軸 に 平 均 寿 命 をY 軸 にして 国 の 位 置 をプロットした ものです これを 見 ると 明 らかに GDP で 見 て 豊 かな 国 では 平 均 寿 命 が 長 いことが 分 か ります 図 中 に 引 いてある 曲 線 は 点 の 分 布 を 2 次 関 数 を 使 って 推 定 したものです 全 体 として 対 数 GDP と 平 均 寿 命 は 右 上 がりの 関 係 にあること そのあがり 方 は 所 得 水 準 の 向 上 と 共 に 頭 打 ちになっていること などが 分 かります 国 別 に 詳 細 に 見 ていくと 日 本 が 最 も 長 寿 の 国 として 右 肩 に 現 れます ほぼ 同 程 度 に 長 寿 の 国 として スウェーデン ノルウェーなどが 見 られます その 一 方 で 寿 命 の 短 い 国 として 多 くの 発 展 途 上 国 特 にアフリカの 諸 国 が 見 られます 中 でも 目 を 引 くのが 比 較 的 所 得 の 高 い 南 アフリカ 共 和 国 やボツワナなど 南 部 アフリカ 諸 国 の 平 均 寿 命 の 短 さ です これは 近 年 この 地 域 で 蔓 延 が 拡 大 している AIDS/HIV の 影 響 があると 考 えられ ます 2. 経 済 と 健 康 はなぜ 関 係 があるのか? このように 世 界 の 国 々を 比 較 すると 平 均 的 所 得 水 準 と 平 均 寿 命 の 間 には 明 らかな 正
の 相 関 があります もちろん これは 統 計 的 な 関 係 を 示 しているだけで どちらが 原 因 で どちらが 結 果 かはすぐにはわかりません 本 節 では 所 得 の 上 昇 が 寿 命 を 延 ばす と 考 え られる 理 由 その 逆 に 寿 命 の 上 昇 が 所 得 を 上 げる と 考 えられる 理 由 を 考 察 し これら の 説 明 の 有 効 性 を 考 えていきたいと 思 います 所 得 があがると 寿 命 が 延 びる? 戦 後 の 日 本 は 高 度 成 長 期 に 大 幅 な 所 得 の 上 昇 を 達 成 しました それと 共 に 平 均 寿 命 も 大 幅 に 延 びました 経 済 学 においては 経 済 発 展 は 物 的 資 本 ( 機 械 工 場 など)や 人 的 資 本 ( 労 働 者 の 技 能 教 育 水 準 )の 蓄 積 を 通 じて 一 人 の 労 働 者 の 生 産 性 が 高 まり そ れが 所 得 の 上 昇 に 反 映 されることにより 起 きると 考 えられます その 上 で 所 得 の 上 昇 は 次 のような 理 由 で 国 民 の 健 康 水 準 を 上 昇 させ 最 終 的 に 平 均 寿 命 を 延 ばすと 考 えら れます (1) 所 得 が 上 昇 すると 家 計 が 健 康 維 持 や 医 療 サービスのために 支 出 できる 金 額 を 増 や すことができる (2) 所 得 の 上 昇 により 技 術 開 発 への 投 資 が 可 能 になり 医 療 技 術 の 進 歩 が 健 康 水 準 を 上 昇 させる (3) 所 得 が 上 昇 は 政 府 の 税 収 の 増 加 をもたらし 医 療 機 関 や 保 健 所 などのインフラスト ラクチャーが 政 策 的 に 普 及 高 度 化 し 同 じ 医 療 支 出 でもよりよい 医 療 サービスを 手 軽 に 得 ることができる この 中 で (1)は 所 得 の 伸 びが 個 人 の 意 思 によって 自 発 的 に 健 康 を 推 進 するようにな るとするもの (2)は 技 術 進 歩 が 医 療 水 準 を 向 上 させることが 理 由 だとするもの (3) は 所 得 の 向 上 が 政 府 の 健 康 医 療 支 出 を 増 やさせ 結 果 的 に 国 民 に 恩 恵 を 与 える とい うものです 多 くの 研 究 開 発 が 政 府 の 補 助 金 により 大 学 などで 行 われていることを 考 え ると (3)は(2)にも 大 きく 関 わっていると 考 えられるでしょう これらの 一 方 で 経 済 発 展 の 基 盤 としての 教 育 知 識 水 準 の 向 上 することで 所 得 も 上 昇 する 一 方 で 適 切 な 予 防 や 医 療 サービスへのアクセスが 行 われるようになる と 考 える こともできます これは 所 得 と 健 康 には 直 接 の 関 係 はなく 教 育 という 第 三 の 要 因 がそ の 両 方 に 影 響 を 与 える とする 考 え 方 です おそらく 現 実 に 所 得 の 上 昇 が 寿 命 を 延 ばすのであれば (1)-(3)のすべてが 何 らかの 形 で 関 わっていると 想 像 できます これらの 要 因 の 寿 命 への 寄 与 の 程 度 を 定 量 的 に 知 るこ
とは 容 易 なことではありませんが それを 知 ることは 国 の 健 康 促 進 政 策 に 大 きな 意 味 を 持 ちます もし (2)や(3)の 要 因 が 強 いのであれば 国 の 政 策 が 国 民 の 健 康 水 準 に 直 接 与 え る 影 響 は 大 きいことになります 一 方 (1)の 要 因 が 強 いのであれば 国 家 の 政 策 は 重 要 で はなく むしろ 所 得 を 増 やし 国 民 が 自 由 に 市 場 の 医 療 健 康 サービスにアクセスできる ようにすることが 大 事 だということになります さらに 所 得 による 直 接 の 影 響 よりも 教 育 など 第 三 の 要 因 が 理 由 であれば むしろ 国 民 の 健 康 衛 生 教 育 が 大 切 ということ になります もちろん 所 得 の 上 昇 は ありとあらゆる 面 で 長 寿 に 寄 与 するとは 限 りません 例 え ば 所 得 の 上 昇 は 人 々の 仕 事 時 間 を 増 やし 本 来 必 要 な 定 期 検 診 さえも 受 けさせなくなる 可 能 性 もあります 多 くの 先 進 国 では 生 活 習 慣 病 の 比 率 が 増 加 していますが これは 運 動 不 足 など 健 康 維 持 のために 使 う 時 間 が 減 少 していることが 理 由 かもしれません さら に 所 得 の 上 昇 は 結 果 として 交 通 事 故 や 環 境 汚 染 などを 引 き 起 こす 可 能 性 があります 歴 史 的 に 見 ても 図 1で 見 られるような 所 得 と 寿 命 の 正 の 相 関 は 必 ずしも 常 に 成 り 立 っていたわけではありません モスクとヨハンセン(1986)によると 近 代 以 前 の 社 会 では 成 人 の 死 亡 率 の 半 分 近 くは 結 核 などの 感 染 症 によるものであり 感 染 症 にかかる 確 率 は 所 得 水 準 よりも 感 染 源 への 接 触 が 大 きく 作 用 していました 都 市 部 は 農 村 部 よりも 一 般 的 に 所 得 は 高 かったわけですが その 一 方 農 村 部 から 絶 え 間 ない 労 働 者 の 流 入 があり 人 口 密 度 も 高 かったために 都 市 部 の 人 口 は 免 疫 を 持 たない 感 染 症 のリスクに 常 にさら されていたといえます もちろん 産 業 革 命 以 降 多 くの 新 しい 産 業 が 生 まれる 一 方 で その 中 には 健 康 や 生 命 の 危 険 を 伴 うような 仕 事 も 含 まれていたことも 否 定 できません モスクとヨハンセンは 20 世 紀 始 めから 現 代 に 到 る 日 本 のデータを 利 用 して 所 得 と 死 亡 率 がどのような 関 係 になっているかを 検 証 した 結 果 図 2に 示 すようなグラフを 得 まし た これは 1908 1930 1950 1960 年 において 都 道 府 県 の 平 均 所 得 と 年 齢 調 整 済 み の 死 亡 率 がどのように 散 らばっているかを 示 したものです 1908 年 (Panel A)では 所 得 と 死 亡 率 は 驚 くべきことに 正 の 関 係 (すなわち 寿 命 とは 負 の 関 係 )を 示 しています 1 こ れが 1930 年 (Panel B)になると 相 関 関 係 がほとんどなくなります これは 公 衆 衛 生 に 対 する 関 心 が 高 まり 隔 離 病 棟 の 整 備 など 都 市 部 の 衛 生 状 態 が 改 善 してきたためとされ ています 戦 後 経 済 成 長 と 技 術 進 歩 により 所 得 の 高 い 層 ほど 医 療 の 恩 恵 を 受 けるよう 1 モスクとヨハンセンによると 19 世 紀 半 ばのイギリスでも 同 様 の 関 係 が 得 られています
になると 所 得 と 死 亡 率 が 負 の 相 関 をとるようになります これが 1950 年 (Panel C)のグ ラフに 相 当 します 全 般 的 な 所 得 のさらなる 上 昇 は 公 衆 衛 生 と 医 療 技 術 の 恩 恵 を 国 民 全 体 にもたらし 最 終 的 に 所 得 と 死 亡 率 の 負 の 関 係 は 少 しずつ 弱 まる 可 能 性 があります モスクとヨハンセンは これが 1960 年 (Panel D)のグラフに 対 応 するとしています 別 の 言 い 方 をすると 経 済 発 展 の 初 歩 段 階 では 経 済 学 的 (economical)な 力 よりも 生 態 学 的 (ecological)な 力 の 方 が 死 亡 率 の 決 定 に 大 きく 作 用 する そして 最 後 には 医 療 技 術 や 医 療 政 策 の 進 展 が 経 済 学 的 な 力 の 働 きを 弱 める 方 向 に 力 を 与 える ということになります 2 寿 命 が 延 びると 所 得 が 上 がる? その 一 方 で 寿 命 が 延 びることで 所 得 が 上 昇 する 可 能 性 も 考 えることができます 一 つ は 教 育 技 能 水 準 の 向 上 です 例 えば 平 均 寿 命 が 40 歳 前 後 の 社 会 を 考 えて 下 さい このような 社 会 では 働 くことのできる 実 質 的 な 期 間 が 短 いため 子 供 は 早 いうちから 働 き 始 めることになります いくら 大 学 や 大 学 院 まで 出 て 高 い 能 力 をつけても それを 仕 事 に 生 かせる 期 間 は 短 いからです ところが 平 均 寿 命 が 80 歳 だったらどうでしょう お そらく 70 歳 ぐらいまでは 何 らかの 形 で 働 くことができますから 若 いうちに 高 い 技 術 をつけておくことのメリットが 高 くなります 知 識 や 技 術 を 生 かせる 勤 労 期 間 が 長 ければ 長 いほど 良 い 教 育 高 い 技 能 を 身 につけようとするインセンティブがわくわけです そ の 結 果 平 均 的 な 労 働 力 の 質 は 高 まり 所 得 も 上 昇 します 現 在 日 本 では 定 年 退 職 後 に 専 門 学 校 や 大 学 院 で 新 しい 技 術 や 教 養 を 学 ぼうとする 高 齢 者 が 増 加 していると 言 われています このような 意 欲 が 社 会 に 満 ちあふれているのも 長 寿 社 会 のもたらしたすばらしい 側 面 だと 言 えるでしょう 他 方 現 在 HIV の 蔓 延 して いるアフリカ 諸 国 では 平 均 寿 命 の 大 幅 な 低 下 が 予 想 されています このような 不 安 に 見 舞 われている 社 会 では HIV 孤 児 に 限 らず すべての 若 者 にとって 長 期 的 な 視 野 に 立 っ た 行 動 を 取 ることが 難 しくなります 結 果 的 に 高 い 技 能 をもつ 労 働 者 の 育 成 が 難 しくな る 可 能 性 があります 2 近 年 公 衆 衛 生 の 分 野 では 健 康 転 換 (Health Transition) という 言 葉 により 疾 病 構 造 の 変 化 を 人 口 社 会 経 済 構 造 の 変 化 のとらえ 直 おす 考 え 方 が 盛 んになっています( 国 際 協 力 総 合 研 修 所 2004) それに 従 えば 公 衆 衛 生 が 感 染 症 などの 予 防 に 大 きな 役 割 を 果 たしていたのは 第 1 相 個 人 の 選 択 が 慢 性 疾 患 などの 予 防 に 大 きな 役 割 を 果 たすようにな るのは 第 2 相 ということになります
また 一 般 的 な 健 康 水 準 の 向 上 が 間 接 的 に 所 得 の 上 昇 につながる 理 由 もいくつかあり ます まず 衛 生 医 療 水 準 の 向 上 は 乳 幼 児 死 亡 率 の 低 下 をもたらします これにより 多 死 多 産 社 会 から 少 死 少 産 社 会 への 転 換 がなされれば 子 供 一 人 当 たりに 費 やすことので きる 教 育 投 資 が 上 昇 します また 病 気 やけがが 少 なくなれば 成 人 にとっても 病 気 を 理 由 に 解 雇 されることはなくなり 結 果 的 に 雇 用 の 継 続 と 職 業 技 能 の 蓄 積 が 可 能 になりま す それでは 実 際 には 寿 命 と 所 得 の 間 の 相 関 関 係 では どちらの 方 向 の 因 果 関 係 が 強 い のでしょうか?これを 確 実 に 知 ることは 大 変 難 しく この 分 野 の 研 究 の 大 きな 課 題 でもあ ります ここでは 一 つだけ 文 献 をあげておきます プリチェットとサマーズは 約 60 の 発 展 途 上 国 の 1960-85 までのマクロデータを 利 用 して 所 得 が 健 康 に 与 える 影 響 を 推 定 しています (Pritchett and Summers 1996) 彼 らは 10%の 所 得 の 上 昇 は 1-2 ヶ 月 の 平 均 寿 命 の 上 昇 につながる という 推 計 結 果 を 示 しています ただし 彼 らは 所 得 の 上 昇 が 上 に 挙 げた(1)-(3)の 径 路 のうち どれを 通 じて 健 康 を 上 昇 させているか という 点 までは 踏 み 込 んでいません 多 くの 開 発 途 上 国 では 経 済 水 準 の 伸 び 悩 みと 同 時 に 医 療 教 育 水 準 の 向 上 が 大 きな 課 題 となっています しかしながら 現 在 の 研 究 水 準 では 経 済 成 長 と 医 療 のどちらを 優 先 すればよい と 断 言 できるわけではありません 世 界 銀 行 が 1993 年 の 世 界 開 発 報 告 で つぎのように 述 べています 第 一 に 発 展 途 上 国 の 政 府 は 家 計 が 自 分 たちの 健 康 を 自 発 的 に 促 進 できるような 経 済 環 境 を 整 える 必 要 がある 経 済 成 長 は 所 得 の 増 大 をもたらすという 意 味 で 不 可 欠 である そして 教 育 投 資 の 拡 大 特 に 女 性 への 教 育 の 拡 大 も 不 可 欠 である 第 2に 政 府 の 支 出 は 貧 困 層 を 支 援 するという 意 味 で 費 用 対 効 果 の 高 い 方 法 に 集 中 すべきである 発 展 途 上 国 の 政 府 支 出 は 大 学 などの 機 関 に 多 くが 行 き 過 ぎている よりコストのかからない 予 防 や 治 療 そして 栄 養 状 態 の 改 善 などに 向 けられなければならない 第 3に 政 府 は 医 療 サービスの 多 様 性 と 競 争 を 促 進 する 必 要 がある (World Bank, 1993, iii 頁, 筆 者 訳 ) 多 くの 国 際 援 助 機 関 では 所 得 を 向 上 させるための 直 接 的 な 援 助 だけでなく 医 療 水 準 教 育 水 準 を 向 上 させるためにどのような 援 助 をすべきか そのバランスをどう 取 るべきか という 課 題 に 直 面 していると 言 えます
3. 健 康 と 寿 命 の 経 済 学 健 康 や 寿 命 の 決 定 は 私 たちをとりまく 経 済 条 件 や 私 たちが 健 康 維 持 のためにとる 行 動 に 深 く 関 わっていることが 前 節 の 議 論 から 理 解 頂 けると 思 います 近 年 経 済 学 にお いては 医 療 経 済 学 健 康 経 済 学 と 呼 ばれる 分 野 が 活 発 に 研 究 されるようになって きました これは 先 に 述 べたように 健 康 や 寿 命 と 社 会 制 度 経 済 水 準 の 関 係 がだんだ ん 明 らかになってきたからです これらの 分 野 を 研 究 する 専 門 の 研 究 室 も 今 では 数 多 く 存 在 します そこでの 基 本 的 な 考 え 方 は 健 康 水 準 や 寿 命 は (A) 遺 伝 的 要 素 (B) 環 境 的 ( 生 態 学 的 ) 要 素 そして(C) 個 人 の 選 択 の3 要 素 で 決 まってくる ということです (A) 遺 伝 的 要 素 は 言 うまでもなく 長 寿 の 家 系 かどうか 特 定 の 病 気 になりやすいかどうか というようなこ とです 男 女 の 寿 命 の 差 も この 範 疇 で 考 えることができます (B) 環 境 的 要 素 は その 人 が 生 まれ 育 って 生 活 する 場 所 に 特 有 の 条 件 です その 中 には 気 候 や 衛 生 状 態 風 土 病 感 染 症 の 有 無 そして 現 代 では 交 通 事 故 や 災 害 犯 罪 にあう 確 率 などが 含 まれます 3 生 まれ 育 った 家 庭 環 境 と 栄 養 状 態 そして 子 供 の 時 に 受 けた 教 育 なども ここに 入 れること ができるでしょう (C) 個 人 の 選 択 は どのような 食 事 をするか 運 動 や 健 康 維 持 のための 活 動 をどの 程 度 するか 定 期 検 診 や 予 防 接 種 などをどの 程 度 行 うか 具 合 が 悪 くなったら すぐに 医 者 に 相 談 するかどうか などが 含 まれます (B)の 環 境 条 件 は 個 人 の 選 択 の 幅 を 規 定 する 方 向 に 働 きます しかしながら 長 期 的 に は 環 境 条 件 さえも 個 人 の 選 択 に 一 部 である 可 能 性 があります 気 候 が 温 暖 で 安 全 なと ころに 住 みたい と 考 えてそう 決 めるのも 個 人 の 選 択 であり そのために 事 前 にどれぐ らい 貯 金 するか ということも 計 画 的 に 行 おうとすれば 可 能 であるからです 経 済 学 的 な 考 え 方 は 特 に 政 府 の 政 策 を 設 計 するときに 有 用 です 国 民 の 間 にどのようなニーズが あるか 同 じ 税 金 を 使 うのであれば どのような 方 面 に 使 うのがもっとも 有 用 であるか 数 字 で 議 論 できるようになるからです 3 医 療 設 備 や 医 療 技 術 の 発 展 と 整 備 は 個 人 から 見 れば 環 境 の 一 つとなりますが 国 や 地 域 の 平 均 を 議 論 するときには 独 立 した 第 4の 要 素 としてあつかった 方 がいいでしょう
4 4. 長 寿 社 会 と 社 会 保 障 公 的 年 金 介 護 保 険 はなぜ 必 要 か? 公 的 年 金 は なぜ 必 要 なのでしょうか? 経 済 学 的 には 次 のような 理 由 を 考 えることがで きます 一 つは 寿 命 の 不 確 実 性 に 対 する 保 険 です 我 々は どれぐらい 自 分 が 生 きるこ とになるか 死 ぬまで 分 かりません ですから 万 が 一 予 想 以 上 に 生 き 延 びてしまった 場 合 に 収 入 がなければ 生 活 の 維 持 が 不 可 能 になるかもしれません 年 金 は そのような 事 態 に 対 する 保 険 として 用 意 されているわけです また これが 公 的 に( 強 制 的 に) 用 意 されなければならないのにも 理 由 があります 第 一 に 長 生 きしそうな 人 だけが 加 入 す るような 事 態 になって 年 金 の 収 支 が 不 安 定 になることを 防 ぐ 必 要 があります 次 に 年 金 制 度 を 勤 労 世 代 全 体 で 支 えるためには 長 く 加 入 してもらう 必 要 がある しかし 若 い ときには 高 齢 者 になってからのことを 想 像 するのは 難 しいから とも 言 われています これらのことは 2000 年 に 導 入 された 介 護 保 険 にもおおむね 当 てはまります 誰 もが 高 齢 になれば 要 介 護 になる 可 能 性 があり いったんその 状 態 になると 介 護 不 要 になる 可 能 性 はほとんどなく それがどれぐらいの 期 間 続 くかも 予 想 不 可 能 です したがって そ のような 事 態 になったときの 本 人 や 家 族 の 被 る 経 済 的 心 理 的 な 負 担 は 計 り 知 れないも のがあります 従 来 は 介 護 は 家 族 の 責 任 とされる 一 方 で 介 護 の 必 要 のある 高 齢 者 が 社 会 的 入 院 の 形 で 病 院 にとどまる というようなひずみが 多 く 起 きていました しか しながら 高 齢 者 の 数 が 増 え かつ 核 家 族 化 が 進 む 中 で 要 介 護 の 高 齢 者 を 医 療 とは 違 う 形 で 長 期 に 支 える 必 要 がでてきました そこで 介 護 を 保 険 でまかなうという 考 え 方 が 合 理 的 になります 保 険 の 導 入 によって 介 護 給 付 が 利 用 できる 範 囲 が 格 段 に 広 がったため 介 護 事 業 者 の 参 入 を 生 み 今 後 の 介 護 ニーズの 上 昇 に 対 応 できる 環 境 ができました 年 金 制 度 はなぜ 維 持 が 困 難 になったか? 現 在 の 日 本 の 年 金 制 度 は 1961 年 に 施 行 された 国 民 年 金 法 で 国 民 皆 年 金 の 制 度 が 整 い 1985 年 には 基 礎 年 金 制 度 の 導 入 により すべての 国 民 に 共 通 の 基 盤 となりました しかしながら 1980 年 代 後 半 から 始 まった 出 生 率 の 急 速 な 低 下 は 国 全 体 の 年 金 拠 出 と 年 金 給 付 のバランスを 大 きく 崩 し 始 めました その 結 果 現 行 の 制 度 の 下 では 将 来 年 金 の 期 待 給 付 額 が 予 想 拠 出 額 を 大 きく 下 回 る 世 代 がでることがほぼ 明 らかになってきまし 4 ここでは 紙 数 の 関 係 から 高 齢 化 する 社 会 での 社 会 保 障 の 問 題 のごく 一 部 しかふれて いません より 包 括 的 な 議 論 としては 駒 村 (2000)などを 参 照 して 下 さい
た これらは 国 民 の 間 に 年 金 不 信 を 生 み 本 来 皆 保 険 であるはずの 年 金 に 加 入 しない 人 たちを 大 きく 増 やしてきました 5 同 時 に 1990 年 代 初 めに 始 まった 資 産 バブルの 崩 壊 は 企 業 の 経 営 環 境 を 大 きく 悪 化 さ せ 上 昇 する 厚 生 年 金 の 事 業 者 負 担 ( 企 業 が 折 半 しなくてはならなり 保 険 料 )に 耐 えられ ない 企 業 が 出 てきました 厚 生 年 金 は 法 人 または 従 業 員 5 人 以 上 の 個 人 事 業 所 に 加 入 義 務 がありますが 加 入 の 手 続 きを 行 わない 企 業 が 後 を 絶 ちません これら 未 加 入 届 出 未 提 出 の 問 題 は 単 に 罰 則 の 強 化 や 加 入 の 促 進 をすればよい という 問 題 ではありません 2004 年 度 には 現 在 月 額 13,300 円 である 国 民 年 金 の 保 険 料 を 毎 年 280 円 ずつ 引 き 上 げることなどを 盛 り 込 んだ 改 正 を 行 いましたが 将 来 の 年 金 制 度 の 維 持 を 明 らかにするような 抜 本 的 な 改 革 にはなっていません 今 後 日 本 の 経 済 成 長 が どのようになるか 出 生 率 の 低 下 がどこで 止 まるか 今 後 新 たな 財 源 を 大 きく 取 り 込 む ような 改 正 が 可 能 かどうか などが 大 きな 課 題 として 残 っています 5. 長 寿 社 会 と 経 済 政 策 長 寿 は 経 済 とってプラスかマイナスか? それでは 長 寿 の 進 展 は 経 済 にプラスなのでしょうか それとも マイナスなのでしょ うか? 単 純 な 計 算 から 始 めましょう 従 来 平 均 寿 命 が 60 歳 で 勤 労 可 能 年 数 が 20 歳 か ら 50 歳 までの 30 年 だったとし 全 ての 人 が 働 いていたとします 人 口 が 変 動 しない 社 会 では 1 人 の 勤 労 世 代 が2 人 分 の 人 口 を 支 えることになります 寿 命 が 80 歳 までのびた とすると 同 じように 支 えるためには 一 人 の 大 人 が 60 歳 まで 働 けばよいことになりま す 60 歳 まで 働 くことが 苦 にならなければ 同 じ 経 済 水 準 で 倍 の 寿 命 を 享 受 できます ただし 現 実 の 社 会 はそれほど 単 純 ではありません ま ず 少 子 化 があり それにより 将 来 の 勤 労 世 代 の 比 率 は 大 きく 下 がります(もちろんその 分 現 在 は 子 供 に 対 する 支 出 が 少 なくてすむのですが) また 高 齢 者 を 支 える 費 用 も 同 じではありません 健 康 に 過 ごせ る 年 数 が 寿 命 に 比 例 的 にのびるのでなければ 医 療 費 や 介 護 費 用 は 大 きく 伸 びるでしょう ここで 医 療 費 支 出 をどう 考 えるか という 問 題 もあります 医 療 費 は 病 気 やけがを 治 すために しかたなく 支 出 するものです それにより 長 寿 を 享 受 できるかもしれません 5 国 民 年 金 納 付 実 績 と 今 後 の 収 納 対 策 ( 社 会 保 険 庁 )によると 平 成 15 年 度 の 国 民 年 金 納 付 率 は 64%にまで 低 下 しています
一 方 延 命 のための 高 額 な 医 療 費 や 介 護 費 用 が 所 得 の 向 上 によって3 倍 支 出 できたとし ても 我 々の 生 活 が3 倍 豊 かになったとは 誰 も 感 じないでしょう 私 たちは やはり 医 療 費 以 外 の 可 処 分 所 得 が 減 少 せずに 健 康 な 生 活 を 長 く 続 けられることを 望 むわけです 先 に 述 べたように 高 齢 化 が 勤 労 年 数 の 上 昇 につながると より 高 い 教 育 を 受 けよう 高 い 技 能 や 教 養 を 身 につけよう という 気 持 ちが 高 まります 現 在 最 初 の 定 年 を 60 歳 代 前 半 に 迎 える 人 の 中 には 大 学 や 大 学 院 に 入 り 直 したり 新 しい 資 格 を 取 って これま でとは 違 う 分 野 で 働 こうとする 意 欲 のある 人 が 数 多 くいるとされています これは ま さに 長 寿 化 がもたらした 恩 恵 です 社 会 に 求 められるのは このような 人 たちにやりがい のある 活 躍 の 場 を 用 意 することです 豊 かな 長 寿 社 会 に 向 けた 経 済 政 策 以 上 のことを 考 えると 豊 かな 長 寿 社 会 を 築 いていくために いくつか 必 要 なことがあ ります 第 一 に 勤 労 世 代 の 所 得 を 増 やすことです 寿 命 が 延 びた 分 勤 労 世 代 の 労 働 の 質 が 向 上 するのであれば これは 所 得 をのばすことに 繋 がります そのためには 働 く 意 欲 のある 人 が 常 に 新 しい 技 術 を 学 び その 技 術 と 経 験 を 生 かす 場 が 社 会 的 に 用 意 され ることも 重 要 です 現 在 若 年 層 の 間 で 定 職 をもたない フリーター ニート と 呼 ばれる 人 たちが 増 えているとされています このような 人 たちに やりがいがあって 同 時 に 高 い 技 能 を 蓄 積 できる 場 を どのように 用 意 するかが 大 きな 課 題 となります 次 に 勤 労 世 代 の 数 を 増 やすことも 重 要 です これは 現 在 働 いていない 人 たち 特 に まだ 働 く 元 気 のある 高 齢 者 や 子 育 てが 一 段 落 した 既 婚 女 性 などに 活 躍 の 場 を 提 供 する と いうことが 第 一 に 挙 げられます もちろん 既 婚 女 性 の 多 くは 主 婦 として 家 庭 内 の 生 産 活 動 に 従 事 しており その 中 には 要 介 護 の 家 族 の 介 護 も 含 まれます このような 人 たち を 無 理 に 家 庭 から 引 き 離 す という 意 味 ではありません 重 要 なことは 家 庭 の 外 での 活 躍 の 場 を 求 めている 人 たちに その 価 値 に 見 合 う 賃 金 で 働 く 場 所 を 用 意 する ということ です 6 6 ただし 女 性 の 社 会 進 出 自 体 は 非 婚 化 や 少 子 化 に 繋 がる 可 能 性 があります 結 婚 する かどうか 何 人 子 供 を 持 つかは 個 人 の 問 題 ですが 急 激 な 少 子 化 は 勤 労 世 代 一 人 当 たり の 社 会 負 担 を 大 きくするので 注 意 が 必 要 です しかしながら 現 状 は 技 能 も 経 験 もある 女 性 でも いったん 家 庭 に 入 った 後 に 再 就 職 しようとすると 前 職 の 経 歴 を 考 慮 した 職 種 や 給 与 を 得 ることは 非 常 に 困 難 です 少 子 化 の 原 因 がその 辺 にあるのだとすれば 再 就 職 の 機 会 を 増 やすことは 少 子 化 を 止 める 効 果 もあります 多 くの 女 性 が 安 心 して 家 庭 に 入 り 子 育 ての 後 にキャリアを 再 開 できることになるからです
さらに マクロ 経 済 のバランスを 考 えると 高 齢 化 の 進 展 は 国 全 体 の 貯 蓄 率 の 低 下 に 繋 がるとされています 貯 蓄 は それがあらたな 投 資 に 回 る 源 泉 であるという 意 味 で 経 済 成 長 の 源 泉 でもあります 人 は 通 常 勤 労 年 齢 の 間 に 貯 蓄 をし 引 退 してから 貯 蓄 を 取 り 崩 すということが 知 られています 7 従 って 社 会 の 中 での 高 齢 者 の 比 率 が 増 えると 貯 蓄 を 取 り 崩 す 人 が 増 えることから 国 全 体 の 貯 蓄 率 が 低 下 するとされています 従 来 日 本 は 世 界 の 中 でも 高 い 貯 蓄 率 を 誇 っていましたが 現 実 にここ 10 年 は 貯 蓄 率 は 低 下 の 一 途 をたどっています しかしながら 例 えば 米 国 は 国 内 の 貯 蓄 不 足 を 海 外 からの 投 資 で 補 っています グロ ーバル 化 された 経 済 においては 国 内 の 貯 蓄 不 足 自 体 を 問 題 にするというよりも 日 本 経 済 が 今 後 技 術 革 新 や 新 しいアイデアによって 魅 力 ある 商 品 を 低 コストで 生 産 できるか どうか それにより 海 外 から 見 て 魅 力 的 な 投 資 先 として 国 際 社 会 で 生 き 続 けることがで きるか にかかっていると 言 うことができます 6. 終 わりに 長 寿 には お 金 に 換 えることができない 価 値 があることは 間 違 いありません しかしな がら 長 寿 の 進 展 と 経 済 の 関 係 の 議 論 を 回 避 することは 適 切 ではありません 現 状 では 急 速 な 高 齢 化 や 少 子 化 そしてそれによる 経 済 の 減 速 を 運 命 のようにとらえる 悲 観 的 な 風 潮 もあります しかし 経 済 学 的 な 視 点 からは それらは 決 して 運 命 ではありません 日 本 は 世 界 にもまれな 長 寿 社 会 を 達 成 しました 今 後 このような 社 会 の 恩 恵 を すべ ての 世 代 が 享 受 できるように 我 々 自 身 が 考 えていかなくてはならないでしょう 謝 辞 編 者 の 広 瀬 先 生 権 藤 先 生 には 研 究 会 を 通 じた 知 的 啓 発 に 深 く 感 謝 致 します 日 本 の 歴 史 的 な 経 験 については 友 部 謙 一 先 生 ( 慶 應 大 学 )から 健 康 転 換 社 会 保 障 については 山 田 篤 弘 先 生 ( 慶 應 大 学 )から 助 言 をいただきました ここに 感 謝 致 します 参 考 文 献 柿 原 浩 明 2004 入 門 医 療 経 済 学 日 本 評 論 社 7 ライフサイクル 仮 説 と 呼 ばれます
国 立 社 会 保 障 人 口 問 題 研 究 所 ( 編 )2004 人 口 統 計 資 料 集 国 立 社 会 保 障 人 口 問 題 研 究 所 駒 村 康 平 2001 福 祉 の 総 合 政 策 改 訂 版 創 成 社 国 際 協 力 総 合 研 修 所 ( 編 ) 2004 日 本 の 社 会 保 障 の 経 験 社 会 保 障 後 発 国 としての 制 度 整 備 過 程 と 途 上 国 への 教 訓 の 観 点 から 独 立 行 政 法 人 国 際 協 力 機 構 国 際 協 力 総 合 研 修 所 Mosk, Carl and S. Ryan Johansson. 1986. Income and Mortality: Evidence from Modern Japan. Population and Development Review. 12(3): 415-440. Pritchett, Lant, and Lawrence H. Summers. 1996. Wealthier is Healthier. Journal of Human Resources. 31(4): 841-868. World Bank. 2004. World Development Report. World Bank: Washington D.C. World Health Organization. 2004. World Health Report 2004
表 1 主 要 国 の 性 別 平 均 寿 命 :2002 年 国 男 ( 歳 ) 順 位 女 ( 歳 ) 順 位 国 男 ( 歳 ) 順 位 女 ( 歳 ) 順 位 [アフリカ] [ヨーロッパ] モーリシャス 68.4 31 75.5 32 フランス 75.9 14 83.5 2 [アメリカ] ドイツ 75.6 17 81.6 12 アルゼンチン 70.8 26 78.1 26 ギリシャ 75.8 15 81.1 16 カナダ 77.2 7 82.3 8 ハンガリー 68.4 32 76.8 30 チリ 73.4 22 80.0 21 イタリア 76.8 8 82.5 7 キューバ 75.0 18 79.3 24 キリギスタン 60.4 38 68.9 38 メキシコ 71.7 25 77.0 29 ラトビア 64.6 35 75.8 31 アメリカ 合 衆 国 74.6 20 79.8 22 リトアニア 66.2 33 77.6 27 [アジア] オランダ 76.0 13 81.1 17 中 国 69.6 28 72.7 36 ノルウェー 76.4 11 81.7 11 インド 60.1 39 62.0 39 ポーランド 70.6 27 78.7 25 イスラエル 77.3 6 81.4 14 ポルトガル 73.6 21 80.5 18 日 本 78.4 1 85.3 1 ロシア 58.4 40 72.1 37 韓 国 71.8 24 79.4 23 スロベニア 72.8 23 80.5 19 マレーシア 69.6 29 74.7 34 スペイン 76.1 12 83.0 4 シンガポール 77.4 5 81.7 10 スウェーデン 78.0 2 82.6 6 パキスタン 61.1 37 61.6 40 スイス 77.7 4 83.3 3 [ヨーロッパ] イギリス 75.8 16 80.5 20 オーストリア 76.4 10 82.2 9 ウクライナ 61.7 36 72.9 35 ブルガリア 68.7 30 75.3 33 [オセアニア] エストニア 65.1 34 77.1 28 オーストラリア 77.9 3 83.0 5 フィンランド 74.8 19 81.5 13 ニュージーランド 76.6 9 81.2 15 出 所 : 国 立 社 会 保 障 人 口 問 題 研 究 所 (2004)
図 1 一 人 当 たり 国 内 総 生 産 (GDP)と 平 均 寿 命 との 関 係 (2000 年 ) 40 50 60 70 80 Japan Australia Belgium France Canada Sweden Spain Italy Germany Singapore Finland Netherlands Chile Denmark USALuxembourg PortugalUnited Arab Emirates Sri Bosnia Lanka and Herzegovina Malaysia Poland Venezuela Mexico Saudi Korea, Arabia Rep. Bulgaria Colombia Hungary Libya China Paraguay Vietnam El Salvador Nicaragua Philippines Syrian Iran Peru Arab Republic Thailand Turkey Ukraine Egypt Brazil Indonesia Mongolia Guatemala Russian Federation Pakistan India BhutanBolivia Bangladesh Nepal Ghana Yemen Papua New Guinea Cambodia Congo, Rep. Togo Nigeria Angola Namibia South Africa Congo, Dem. NigerRep. Swaziland Tanzania Mozambique Uganda Lesotho Rwanda Zimbabwe Malawi Botswana Sierra Leone Zambia 4 6 8 10 12 Log( 人 口 一 人 当 たりGDP) 2002 年 平 均 寿 命 (2002 年 ) Fitted values 出 所 : 世 界 開 発 指 標 (World Development Indicator: World Bank) World Health Report (World Health Organization 2004)から 筆 者 作 成 Fitted values は 点 の 分 布 を2 次 関 数 で 近 似 したものである 図 で 示 されている 国 名 は 筆 者 が 適 宜 選 んだもののみである
図 2 日 本 における 都 道 府 県 別 平 均 所 得 と 年 齢 調 整 済 み 死 亡 率 ( 男 性 )の 関 係 出 所 :Mosk and Johansson(1986, p.431, Figure2)