Microsoft Word - 201210613.docx



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2000 年 12 月 輸 出 の 減 速 によりテンポはやや 鈍 化 しているものの 緩 やかな 回 復 を 続 けている 2001 年 1 月 緩 やかな 回 復 を 続 けているが そのテンポは 輸 出 の 減 速 により 鈍 化 している 2001 年 2 月 緩 やかな 回 復 を 続 け

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

平成24年度 業務概況書

片岡氏提出資料

第 3 四 半 期 運 用 状 況 の 概 要 第 3 四 半 期 末 の 運 用 資 産 額 は 2,976 億 円 となりました 第 3 四 半 期 の 修 正 総 合 収 益 率 ( 期 間 率 )は +1.79%となりました なお 実 現 収 益 率 は +0.67%です 第 3 四 半 期


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った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

2016年夏のボーナス見通し

経 常 収 支 差 引 額 の 状 況 平 成 22 年 度 平 成 21 年 度 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 4,154 億 円 5,234 億 円 1,080 億 円 改 善 赤 字 組 合 の 赤 字 総 額 4,836 億 円 5,636 億 円 800 億 円 減

資料3 家電エコポイント制度の政策効果等について

1 予 算 の 姿 ( 平 成 25 当 初 予 算 ) 長 野 県 財 政 の 状 況 H 現 在 長 野 県 の 予 算 を 歳 入 面 から 見 ると 自 主 財 源 の 根 幹 である 県 税 が 全 体 の5 分 の1 程 度 しかなく 地 方 交 付 税 や 国 庫 支

公表表紙

m07 北見工業大学 様式①

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Microsoft Word - H25年度の概要

1. 決 算 の 概 要 法 人 全 体 として 2,459 億 円 の 当 期 総 利 益 を 計 上 し 末 をもって 繰 越 欠 損 金 を 解 消 しています ( : 当 期 総 利 益 2,092 億 円 ) 中 期 計 画 における 収 支 改 善 項 目 に 関 して ( : 繰 越

国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について


2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

タイトル

平 成 27 年 度 第 3 四 半 期 運 用 状 況 の 概 要 第 3 四 半 期 の 運 用 資 産 額 は 2 兆 4,339 億 円 となりました 第 3 四 半 期 の 修 正 総 合 収 益 率 ( 期 間 率 )は +2.05%となりました 実 現 収 益 率 は +1.19%です

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

定 性 的 情 報 財 務 諸 表 等 1. 連 結 経 営 成 績 に 関 する 定 性 的 情 報 当 第 3 四 半 期 連 結 累 計 期 間 の 業 績 は 売 上 高 につきましては 前 年 同 四 半 期 累 計 期 間 比 15.1% 減 少 の 454 億 27 百 万 円 となり

検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑

別紙3

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スライド 1

市 町 村 税 の 概 況 市 町 村 税 の 概 況 は 平 成 25 年 度 地 方 財 政 状 況 調 査 平 成 26 年 度 市 町 村 税 の 課 税 状 況 等 の 調 及 び 平 成 26 年 度 固 定 資 産 の 価 格 等 の 概 要 調 書 等 報 告 書 等 の 資 料 に

スライド 1

連結計算書

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

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セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有

平成24年度税制改正要望 公募結果 153. 不動産取得税

経 常 収 支 差 引 額 等 の 状 況 平 成 26 年 度 予 算 早 期 集 計 平 成 25 年 度 予 算 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 3,689 億 円 4,597 億 円 908 億 円 減 少 赤 字 組 合 数 1,114 組 合 1,180 組 合 66

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有

(4) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている.

Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 1 人

Economic Trends    マクロ経済分析レポート

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 新 規 社 ( 社 名 ) 除 外 社 ( 社 名 ) (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の

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18 国立高等専門学校機構

新 市 建 設 計 画 の 変 更 に 係 る 新 旧 対 照 表 ページ 変 更 後 変 更 前 表 紙 安 中 市 松 井 田 町 合 併 協 議 会 安 中 市 松 井 田 町 合 併 協 議 会 平 成 27 年 3 月 変 更 安 中 市 6 2. 計 画 策 定 の 方 針 (3) 計

 

小 売 電 気 の 登 録 数 の 推 移 昨 年 8 月 の 前 登 録 申 請 の 受 付 開 始 以 降 小 売 電 気 の 登 録 申 請 は 着 実 に 増 加 しており これまでに310 件 を 登 録 (6 月 30 日 時 点 ) 本 年 4 月 の 全 面 自 由 化 以 降 申

も く じ 1 税 源 移 譲 1 2 何 が 変 わったのか 改 正 の 3 つ の ポイント ポイント1 国 から 地 方 へ 3 兆 円 規 模 の 税 源 が 移 譲 される 2 ポイント2 個 人 住 民 税 の 税 率 構 造 が 一 律 10%に 変 わる 3 ポイント3 個 々の 納

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注 記 事 項 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ): 無 新 規 - 社 ( 社 名 ) 除 外 - 社 ( 社 名 ) (2) 四 半 期 連 結 財 務 諸

第5回法人課税ディスカッショングループ 法D5-4

ほかに パート 従 業 員 らの 厚 生 年 金 加 入 の 拡 大 を 促 す 従 業 員 五 百 人 以 下 の 企 業 を 対 象 に 労 使 が 合 意 すれば 今 年 十 月 から 短 時 間 で 働 く 人 も 加 入 できる 対 象 は 約 五 十 万 人 五 百 人 超 の 企 業


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3 圏 域 では 県 北 沿 岸 で2の 傾 向 を 強 く 見 てとることができます 4 近 年 は 分 配 及 び 人 口 が 減 少 している 市 町 村 が 多 くなっているため 所 得 の 増 加 要 因 を 考 える 場 合 は 人 口 減 少 による 影 響 についても 考 慮 する

平 均 賃 金 を 支 払 わなければならない この 予 告 日 数 は 平 均 賃 金 を 支 払 った 日 数 分 短 縮 される( 労 基 法 20 条 ) 3 試 用 期 間 中 の 労 働 者 であっても 14 日 を 超 えて 雇 用 された 場 合 は 上 記 2の 予 告 の 手 続

は し が き

職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 年 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 福 岡 県 技 能 労 務 職 歳 1,19,98 9,9 歳 8,

(Microsoft Word - \220\305\220\247\211\374\220\263.doc)

16 日本学生支援機構

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職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (5 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 区 類 団 府 分 似 体 平 均 年 齢

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課 税 ベ ー ス の 拡 大 等 : - 租 税 特 別 措 置 の 見 直 し ( 後 掲 ) - 減 価 償 却 の 見 直 し ( 建 物 附 属 設 備 構 築 物 の 償 却 方 法 を 定 額 法 に 一 本 化 ) - 欠 損 金 繰 越 控 除 の 更 な る 見 直 し ( 大

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

平成22年度

市況トレンド

1 特 別 会 計 財 務 書 類 の 検 査 特 別 会 計 に 関 する 法 律 ( 平 成 19 年 法 律 第 23 号 以 下 法 という ) 第 19 条 第 1 項 の 規 定 に 基 づき 所 管 大 臣 は 毎 会 計 年 度 その 管 理 する 特 別 会 計 について 資 産

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国 家 税 務 総 局 による 輸 出 貨 物 還 付 ( 免 ) 税 に 関 する 若 干 問 題 の 通 知 国 税 発 [2006]102 号 2006 年 7 月 12 日 国 家 税 務 総 局 各 省 自 治 区 直 轄 市 及 び 計 画 単 列 市 国 家 税 務 局 : 一 部 の

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( 別 途 調 査 様 式 1) 減 損 損 失 を 認 識 するに 至 った 経 緯 等 1 列 2 列 3 列 4 列 5 列 6 列 7 列 8 列 9 列 10 列 11 列 12 列 13 列 14 列 15 列 16 列 17 列 18 列 19 列 20 列 21 列 22 列 固 定

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4 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 若 しくはその 委 任 を 受 けた 者 又 は 監 査 委 員 の 監 査 に 応 じなければ ならない ( 状 況 報 告 ) 第 7 条 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 が 必 要 と 認 めるときは 交 付 金 事 業 の 遂 行 の

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私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

第316回取締役会議案

している 5. これに 対 して 親 会 社 の 持 分 変 動 による 差 額 を 資 本 剰 余 金 として 処 理 した 結 果 資 本 剰 余 金 残 高 が 負 の 値 となるような 場 合 の 取 扱 いの 明 確 化 を 求 めるコメントが 複 数 寄 せられた 6. コメントでは 親

損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 検 討 を 進 めるものとする 平 成 19 年 法 案 をベースに 一 元 化 の 具 体 的 内 容 について 検 討 する 関 係 省 庁 間 で 調 整 の 上 平 成 24 年 通 常 国 会 への 法 案 提

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 25 年 4 月 1 日 至 平 成 26 年 3 月 31 日 ) ( 単 位 : 百 万 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 75,917 取 引 参 加 料 金 39,032 上 場 関 係 収 入 11,772 情 報 関 係 収 入 13,352 そ

定款  変更

Transcription:

年 月 期 GDP 速 報 (1 次 速 報 )の 概 要 ~ 後 退 局 面 の 早 期 脱 却 の 可 否 を 占 う 世 界 経 済 底 打 ちのタイミング~ 調 査 情 報 担 当 室 竹 田 智 哉 1. 後 退 局 面 入 りしたと 見 られる 我 が 国 経 済 年 月 期 のGDP 成 長 率 (1 次 速 報 値 年 11 月 12 日 公 表 )は 名 実 ともに 0.9%( 年 率 は 実 質 3.5% 名 目 3.6%)と 実 質 は3 半 期 ぶり 名 目 は2 四 半 期 連 続 のマイナス 成 長 となり( 図 表 1 2) 実 質 GDPは 東 日 本 大 震 災 ( 年 1~3 月 期 2.1%( 同 8.0%)) 以 来 の 落 ち 込 み 幅 とな った この 理 由 としては 世 界 経 済 の 減 速 などを 受 け 輸 出 ( 前 期 比 5.0% 寄 与 度 1 0.8%ポイント)が 大 幅 に 落 ち 込 んだことが 大 きい 内 需 について 見 て も 復 興 需 要 を 背 景 に 公 的 固 定 資 本 形 成 ( 前 期 比 4.0% 寄 与 度 0.2%ポイント) は 下 支 えとなったものの 1 夏 季 のボーナスの 減 少 2 や 消 費 者 マインド 改 善 の 頭 図 表 1 GDP 成 長 率 と 構 成 要 素 別 の 成 長 率 の 推 移 ( 季 節 調 整 値 前 期 比 (%)) ( 年 度 ) ( 年 度 ) 10~12 1~3 実 質 GDP 3.3 0.0 2.3 0.3 1.3 0.1 0.9 内 需 (2.5) (1.0) (1.5) (0.5) (1.1) (0.2) ( 0.2) 民 間 最 終 消 費 支 出 1.6 1.2 1.6 0.5 1.2 0.1 0.5 民 間 住 宅 投 資 2.6 3.8 4.2 0.1 1.1 1.5 0.9 民 間 企 業 設 備 投 資 3.9 1.1 1.3 5.0 1.9 0.9 3.2 民 間 在 庫 品 増 加 (0.8) ( 0.5) (0.3) ( 0.4) (0.3) ( 0.2) (0.2) 政 府 最 終 消 費 支 出 2.5 1.9 0.4 0.3 1.1 0.5 0.3 公 的 固 定 資 本 形 成 6.0 2.9 2.6 0.5 4.2 2.6 4.0 公 的 在 庫 品 増 加 ( 0.0) (0.0) (0.0) ( 0.0) ( 0.0) (0.0) (0.0) 外 需 (0.8) ( 1.0) (0.8) ( 0.8) (0.1) ( 0.1) ( 0.7) 財 貨 サービスの 輸 出 17.4 1.4 8.8 4.3 3.3 1.3 5.0 財 貨 サービスの 輸 入 12.3 5.6 3.6 0.9 2.2 1.8 0.3 名 目 GDP 1.2 2.0 2.1 0.6 1.4 0.3 0.9 名 目 雇 用 者 報 酬 0.5 0.1 0.5 0.3 0.1 0.3 0.1 ( 注 ) 内 需 外 需 民 間 在 庫 品 増 加 公 的 在 庫 品 増 加 の 数 値 は 実 質 GDPへの 寄 与 度 ( 出 所 ) 内 閣 府 ( 平 成 24) 年 月 期 四 半 期 別 GDP 速 報 (1 次 速 報 値 ) 1 実 質 GDPへの 寄 与 度 以 下 同 じ 2 年 夏 季 のボーナス( 事 業 所 規 模 5 人 以 上 )は 年 夏 季 と 比 べて 1.4%の 減 少 となり 年 冬 季 以 降 4 季 連 続 ( 前 年 同 期 比 )でマイナスの 伸 びが 続 いている( 厚 生 労 働 省 毎 月 勤 労 統 計 調 査 平 成 24 年 9 月 分 結 果 速 報 及 び 平 成 24 年 夏 季 賞 与 の 結 果 ) 13 経 済 のプリズム No106.12

4 3 2 1 図 表 2 実 質 GDP 成 長 率 ( 季 節 調 整 値 )と 需 要 項 目 別 寄 与 度 (% %ポイント) 民 間 最 終 消 費 支 出 民 間 住 宅 投 資 民 間 企 業 設 備 投 資 民 間 在 庫 品 増 加 政 府 最 終 消 費 支 出 公 的 固 定 資 本 形 成 公 的 在 庫 品 増 加 財 貨 サービスの 輸 出 財 貨 サービスの 輸 入 GDP 0-1 -2-3 10~12 1~3 10~12 1~3 ( 暦 年 / 四 半 期 ) ( 注 )GDPは 前 期 比 他 はGDPへの 寄 与 度 ( 出 所 ) 内 閣 府 ( 平 成 24) 年 月 期 四 半 期 別 GDP 速 報 (1 次 速 報 値 ) 0.9 打 ち 3 などから 民 間 最 終 消 費 ( 前 期 比 0.5% 寄 与 度 0.3%ポイント)が 落 ち 込 んだこと 4 2 世 界 経 済 の 減 速 を 受 けた 輸 出 の 不 調 を 背 景 に 民 間 企 業 設 備 投 資 ( 前 期 比 3.2% 寄 与 度 0.4%ポイント)が 減 少 したことから 内 需 全 体 で はマイナスの 寄 与 ( 寄 与 度 0.2%ポイント)となっている また 成 長 率 の 数 字 のみならず 月 期 のGDP 速 報 (1 次 速 報 )が 公 表 された8 月 時 点 と 比 べると 景 気 への 見 方 は 厳 しくなっている 政 府 は 内 閣 府 月 例 経 済 報 告 において 生 産 の 減 少 を 背 景 に 5 8~11 月 の4か 月 連 続 で 景 気 への 基 調 判 断 を 下 方 修 正 するとともに 6 内 閣 府 景 気 動 向 指 数 にお 3 消 費 者 態 度 指 数 ( 一 般 世 帯 季 節 調 整 値 )は 東 日 本 大 震 災 以 降 は 回 復 傾 向 にあったが 年 度 に 入 ってからは 回 復 が 頭 打 ち 傾 向 にある( 内 閣 府 消 費 動 向 調 査 ( 全 国 月 次 ) 平 成 24 年 10 月 実 施 調 査 結 果 ( 平 成 24 年 11 月 )) 4 民 間 最 終 消 費 の 落 ち 込 みの 他 の 理 由 としては エコカー 補 助 金 の 終 了 による 自 動 車 販 売 の 減 少 が 指 摘 されている( 年 7-9 月 期 四 半 期 別 GDP 速 報 (1 次 QE) 公 表 に 際 しての 前 原 経 済 財 政 政 策 担 当 大 臣 談 話 各 種 民 間 シンクタンク 資 料 ) なお エコカー 補 助 金 とは 平 成 23 年 度 第 4 次 補 正 予 算 により 措 置 された 制 度 であり 支 給 対 象 は 年 12 月 20 日 ~2013 年 1 月 31 日 の 間 に 新 規 登 録 または 新 規 届 出 を 行 った 新 車 のうち 環 境 要 件 を 満 たすものとされる ただし 申 請 総 額 が 予 算 額 (3,000 億 円 )を 超 過 す る 場 合 申 請 期 間 内 でも 募 集 を 終 了 するとされており 年 9 月 21 日 に 申 請 が 終 了 となった 5 鉱 工 業 生 産 指 数 ( 季 節 調 整 済 前 月 比 )は 7 月 以 降 3か 月 連 続 で 減 少 している( 経 済 産 業 省 生 産 出 荷 在 庫 指 数 確 報 平 成 24 年 9 月 分 ( 平 成 24 年 11 月 )) 6 特 に 10 月 以 降 景 気 への 基 調 判 断 から 回 復 の 文 言 がなくなっている 経 済 のプリズム No106.12 14

いては 我 が 国 経 済 が 景 気 後 退 局 面 に 入 った 可 能 性 が 高 いとしている 7 民 間 シ ンクタンクにおいても 8 月 時 点 では 我 が 国 経 済 が 後 退 局 面 入 りしているとの 見 方 はほとんど 見 られなかったが 足 下 では 既 に3 月 頃 をピークに 後 退 局 面 入 りしているという 見 方 が 大 勢 を 占 めている 8 次 に 年 月 期 の 物 価 指 標 ( 前 年 同 期 比 以 下 同 じ)については 輸 出 入 を 含 めた 我 が 国 全 体 の 物 価 水 準 であるGDPデフレーターが 0.7%( 図 表 3 - -) 我 が 国 国 内 の 物 価 水 準 である 内 需 デフレーターが 0.8%( 図 表 図 表 3 GDPデフレーターの 推 移 ( 前 年 同 期 比 )と 寄 与 度 (% %ポイント) 1 0.7 0-1 -2 0.8-3 10~12 1~3 10~12 1~3 ( 暦 年 / 四 半 期 ) 民 間 消 費 デフレーター 輸 出 デフレーター 輸 入 デフレーター その 他 のデフレーター GDPデフレーター 内 需 デフレーター ( 注 1)GDPデフレーター 内 需 デフレーターは 前 年 同 期 比 それ 以 外 は GDPデフレー ターへの 寄 与 度 ( 注 2) 各 項 目 別 デフレーターのGDPデフレーターへの 寄 与 度 は 各 項 目 の 名 目 成 長 率 への 寄 与 度 と 実 質 成 長 率 への 寄 与 度 の 差 として 計 算 した ( 出 所 ) 内 閣 府 ( 平 成 24) 年 月 期 四 半 期 別 GDP 速 報 (1 次 速 報 値 ) より 作 成 7 内 閣 府 景 気 動 向 指 数 各 月 版 では 景 気 動 向 指 数 の 中 の CI 一 致 指 数 の 累 月 的 な 変 化 を 基 準 とした 一 致 指 数 の 基 調 判 断 を 公 表 しており 景 気 動 向 指 数 平 成 24 年 9 月 分 ( 速 報 ) ( 平 成 24 年 11 月 6 日 )では それまでの 足 踏 み ( 景 気 拡 張 の 動 きが 足 踏 み 状 態 にな っている 可 能 性 が 高 いことを 示 す)から 下 方 への 局 面 変 化 ( 事 後 的 に 判 定 される 景 気 の 山 が それ 以 前 の 数 か 月 にあった 可 能 性 が 高 いことを 示 す)へと 基 調 判 断 が 下 方 修 正 されている (この 点 は 11 月 19 日 公 表 の 内 閣 府 景 気 動 向 指 数 速 報 からの 改 訂 状 況 ( 平 成 24 年 9 月 分 ) でも 踏 襲 されている) 内 閣 府 は 基 調 判 断 が 足 踏 み から 下 方 への 局 面 変 化 に 移 行 し た 時 点 で 既 に 景 気 後 退 局 面 に 入 った 可 能 性 が 高 いことを 暫 定 的 に 示 している としている 8 日 本 経 済 研 究 センター ESPフォーキャスト 調 査 において 現 下 の 景 気 が 景 気 転 換 点 ( 山 )を 過 ぎた とした 回 答 を 後 退 局 面 入 り と 読 み 替 えた 同 調 査 によると 後 退 局 面 入 りとする 見 方 は8 月 時 点 ではゼロであったが 徐 々に 増 え 続 け 本 稿 執 筆 時 点 で 最 新 の 11 月 時 点 ではついに 大 勢 を 占 める 状 況 となっている 15 経 済 のプリズム No106.12

3 - -)と 引 き 続 きマイナスの 伸 びとなった 内 需 デフレーターは 家 計 が 直 面 する 物 価 水 準 に 近 い 概 念 である 民 間 消 費 デフレーター( 図 表 3 赤 色 部 分 ) のデフレ 圧 力 の 強 まりと 比 例 して 9 月 期 以 降 はマイナス 幅 が 拡 大 してい 10 る 一 方 GDPデフレーターについては 原 油 輸 入 価 格 の 下 落 を 通 じた 輸 入 デフレーターの 落 ち 込 み(によるGDPデフレーターの 押 上 げ)が 大 きく 11 内 需 デフレーターとは 対 照 的 にマイナス 幅 の 縮 小 傾 向 が 続 いている この 結 果 年 月 期 には 2009 年 10~12 月 期 以 来 11 四 半 期 ぶりに 内 需 デフレー ターのマイナス 幅 がGDPデフレーターを 上 回 った 2. 民 間 シンクタンク 見 通 し~ 後 退 局 面 は 年 末 まで 来 年 は 緩 やかに 回 復 へ 今 回 のGDP 速 報 を 受 け 改 定 された 民 間 シンクタンクの 短 期 見 通 しでは 1 復 興 需 要 の 効 果 が 薄 れる 中 で 12 年 の 間 は 世 界 経 済 の 落 ち 込 みを 背 景 に 我 が 国 経 済 の 後 退 局 面 が 続 く( 図 表 4の1) 22013 年 入 り 後 は 欧 州 政 府 債 務 危 機 問 題 が 沈 静 化 へ 向 かい 米 国 のいわゆる 財 政 の 崖 13 に 緩 和 策 が 講 じら れる 中 で 米 国 及 び 中 国 を 中 心 とした 世 界 経 済 が 持 ち 直 し 外 需 が 景 気 の 下 支 えを 担 っていく(ただし 世 界 及 び 我 が 国 経 済 の 回 復 の 勢 いは 緩 やかなものに とどまる)( 図 表 4の2) 32014 年 4 月 に 予 定 されている 消 費 税 率 引 上 げを 前 14 に 2013 年 度 下 半 期 に 駆 け 込 み 需 要 が 発 生 し 一 時 的 に 成 長 の 勢 いが 加 速 す 9 民 間 消 費 デフレーターと 概 念 の 近 い 消 費 者 物 価 指 数 ( 総 合 指 数 前 年 同 月 比 )を 見 ると エ ネルギー 関 連 価 格 の 上 昇 等 から 年 入 り 後 にはプラスの 伸 びに 転 じていたが 5 月 頃 から は 同 価 格 の 上 昇 の 勢 いが 弱 まったことを 背 景 に 6 月 以 降 はマイナスの 伸 びとなっている( 総 務 省 消 費 者 物 価 指 数 全 国 平 成 24 年 9 月 分 ( 年 10 月 )) この 消 費 者 物 価 指 数 の 動 きは 民 間 消 費 デフレーター( 図 表 3 赤 色 部 分 )の 動 きとおおむね 符 合 している 10 国 際 的 な 原 油 価 格 指 標 は6 月 頃 に 底 を 打 ちその 後 上 昇 傾 向 が 見 られているが 6 月 頃 からの 円 の 高 止 まり 傾 向 などを 背 景 に 我 が 国 国 内 における 原 粗 油 輸 入 の 通 関 単 価 は 6~8 月 にか けては 大 きく 下 落 している( 財 務 省 平 成 24 年 10 月 分 貿 易 統 計 ( 速 報 ) ( 年 11 月 )) 11 輸 入 デフレーターは 下 落 するとGDPデフレーターにプラスの 寄 与 となる その 理 由 は GDP 及 びその 構 成 要 素 には 名 目 値 = 実 質 値 デフレーターという 関 係 があることから 輸 入 デフレーターの 下 落 は 名 目 輸 入 額 を 押 し 下 げるが 名 目 輸 入 は 名 目 GDPの 控 除 項 目 であるた め 名 目 GDPを 押 し 上 げるからである なお これは 実 質 値 を 固 定 した 場 合 であり 名 目 値 を 固 定 した 場 合 は 実 質 輸 入 の 押 上 げ= 実 質 GDPの 押 下 げとなる 12 政 府 は 10 月 26 日 に 緊 急 性 の 高 い 政 策 に 対 する 予 備 費 の 使 用 を 閣 議 決 定 するとともに こ れを 含 めた 経 済 対 策 を 11 月 30 日 に 決 定 することとしている ただし 今 回 のGDP 速 報 を 受 けて 公 表 された 民 間 シンクタンクの 短 期 見 通 しでは 経 済 対 策 の 全 体 像 が 明 らかになっていな いことなどを 主 な 理 由 として 景 気 動 向 を 左 右 するような 材 料 とは 見 られていない 13 米 国 において 年 末 に 失 効 する 時 限 的 な 各 種 減 税 措 置 (いわゆるブッシュ 減 税 ( 個 人 所 得 税 減 税 等 )など)や 2013 年 初 から 予 定 されている 自 動 的 な 歳 出 削 減 といった 一 連 の 施 策 や それに 伴 う 経 済 への 悪 影 響 のこと ただし 厳 密 な 定 義 は 論 者 により 完 全 に 同 一 ではない 詳 細 な 内 訳 については 今 回 のGDP 速 報 を 受 けた 民 間 シンクタンクの 見 通 し 資 料 等 が 詳 しい 14 民 間 シンクタンクの 短 期 見 通 しのうち 2014 年 4 月 の 消 費 税 率 引 上 げに 伴 う 2013 年 度 中 の ( 定 量 的 な) 駆 け 込 み 需 要 が 織 り 込 まれている 見 通 しでは 2013 年 度 の 実 質 GDP 成 長 率 がお 経 済 のプリズム No106.12 16

図 表 4 民 間 シンクタンク 見 通 しの 共 通 認 識 における 景 気 動 向 (イメージ) 540 ( 兆 円 ) ( 前 提 ) 世 界 経 済 の 持 ち 直 し ( 欧 州 政 府 債 務 危 機 問 題 が 沈 静 化 ) ( 米 国 財 政 の 崖 緩 和 策 実 施 ) 520 500 2008 年 度 リ ー マ ン シ ョ ッ ク 2009 年 度 年 度 東 日 本 大 年 度 震 災 2 世 界 経 済 持 ち 直 しにより 外 需 が 景 気 を 下 支 え 年 度 1 年 末 ま では 後 退 局 面 続 く 2013 年 度 32014 年 4 月 予 定 の 消 費 税 率 引 上 げ に 伴 う 駆 け 込 み 需 要 発 生 480 2008 2009 ( 暦 年 / 四 半 期 ) 2013 ( 注 ) 棒 グラフは 各 四 半 期 の 実 質 GDP( 実 績 値 季 節 調 整 値 ) 赤 色 の 水 平 線 は 各 年 度 の 実 質 G DPを 示 す( 実 線 は 実 績 値 点 線 は 前 年 度 実 績 値 から 民 間 シンクタンクの 見 通 し( 執 筆 時 点 で 公 表 されている 分 )の 平 均 値 の 伸 び 率 で 成 長 した 場 合 の 数 値 ) また 矢 印 付 きの 黒 色 の 太 線 は 民 間 シンクタンク 見 通 しにおける 先 行 きの 景 気 動 向 をイメージしたもの ( 出 所 ) 内 閣 府 ( 平 成 24) 年 月 期 四 半 期 別 GDP 速 報 (1 次 速 報 値 ) 等 より 作 成 る( 図 表 4の3)というシナリオが 共 通 認 識 となっている 年 月 期 GDP 速 報 (1 次 速 報 値 )が 公 表 された 年 8 月 時 点 と 比 べると 我 が 国 経 済 が 後 退 局 面 入 りしているとの 見 方 が 支 配 的 になったこ とから 足 下 の 景 気 判 断 及 び 年 度 の 経 済 成 長 率 については 大 幅 な 下 方 修 正 がなされている 15 しかし 足 下 では 米 国 及 び 中 国 経 済 に 底 入 れの 兆 しがある とする 見 方 が 大 勢 となっていることを 背 景 に 2013 年 入 り 後 に 世 界 経 済 が 持 ち 直 し 外 需 が 景 気 の 下 支 えをするという 構 図 には 変 化 が 見 られない 3.くすぶり 続 ける 世 界 経 済 の 下 振 れリスク 共 通 認 識 シナリオにおける 早 期 の 後 退 局 面 からの 脱 却 及 び その 後 の 緩 やかな 成 長 が 実 現 するためには シナリオの 前 提 となっている 世 界 経 済 の 持 おむね 0.4~0.9%ポイント 程 度 押 し 上 げられるとしている 15 今 回 のGDP 速 報 を 受 けて 公 表 された 民 間 シンクタンクの 短 期 見 通 しにおいて 執 筆 時 点 で 公 表 されている 分 においては 0.7~1.0% 程 度 となっている 8 月 時 点 の 見 通 しでは おおむ ね2% 台 前 半 であった 17 経 済 のプリズム No106.12

ち 直 しが 不 可 欠 となる そして 世 界 経 済 の 持 ち 直 しのためには 欧 州 政 府 債 務 問 題 や 米 国 の 財 政 の 崖 などの 世 界 経 済 の 重 石 となっている 要 因 について 政 策 対 応 などを 背 景 に 早 期 の 沈 静 化 や 緩 和 が 図 られることが 求 められる この 点 を 含 め 民 間 シンクタンクは 共 通 認 識 シナリオに 直 接 は 反 映 させて いないものの その 先 行 きを 左 右 するリスク 要 因 として 1 財 政 の 崖 によ る 米 国 の 景 気 腰 折 れ( 図 表 5の1) 2 欧 州 政 府 債 務 危 機 問 題 の 深 刻 化 ( 図 表 5 の2) 31 及 び2を 踏 まえた 欧 州 及 び 新 興 国 を 中 心 とした 世 界 経 済 の 一 段 の 減 速 ( 図 表 5の3)などを 下 振 れリスクとして 指 摘 している 16 図 表 5 先 行 きの 経 済 シナリオの 論 点 ( 注 ) 一 般 に 理 解 される 経 済 の 波 及 経 路 をイメージした 下 振 れリスク 要 因 は 黒 吹 き 出 しで 示 している また 実 線 白 抜 きの 矢 印 はプラスの 効 果 灰 色 の 矢 印 は 先 験 的 に 単 一 方 向 の 影 響 とは 考 えにくい 場 合 をイメージしている ( 出 所 ) 筆 者 作 成 それぞれの 点 について 見 ていくと 1については 足 下 ではいまだ 回 復 の 足 取 りが 弱 い 米 国 経 済 において 財 政 の 崖 を 緩 和 できるような 方 策 が 講 じられ なかった 場 合 には 米 国 経 済 に 大 きなマイナスの 影 響 が 及 ぶことが 懸 念 されて おり 米 国 議 会 予 算 局 (CBO)は 財 政 の 崖 の 緩 和 策 が 全 く 講 じられなか った 場 合 実 質 GDP 成 長 率 は 0.5%に 落 ち 込 むと 試 算 している 17 なお 同 16 なお 以 上 の3 点 に 加 え 大 半 の 機 関 が 日 中 関 係 の 悪 化 についても 懸 念 材 料 としているが 政 治 的 な 色 彩 が 極 めて 強 く 経 済 的 な 分 析 の 対 象 としてはそぐわないため 本 稿 では 割 愛 する 17 Congressional Budget Office, "Economic Effects of Policies Contributing to Fiscal 経 済 のプリズム No106.12 18

試 算 では 財 政 の 崖 がある 程 度 緩 和 される 場 合 18 の 実 質 GDP 成 長 率 は 2.4% 程 度 と 算 定 されることから 19 財 政 の 崖 がそのままであった 場 合 には 差 引 き3%ポイント 程 度 の 景 気 の 落 ち 込 みがあることとなる 共 通 認 識 シナリオで は 最 終 的 にはある 程 度 の 財 政 の 崖 の 緩 和 策 が 講 じられるとの 見 方 が 支 配 的 ではあるが 政 治 的 な 側 面 も 強 いことから その 先 行 きが 注 視 される 2については 各 国 政 府 や 各 種 機 関 等 による 対 応 策 が 連 綿 と 講 じられている ものの 欧 州 経 済 が 減 速 局 面 にある 中 で ギリシャ スペインなど 南 欧 諸 国 に おいては 財 政 不 安 への 懸 念 が 払 拭 できない 状 況 が 続 いている 加 えて ギリシ ャ 支 援 策 の 先 行 きについてもいまだ 不 透 明 感 が 漂 っていることを 踏 まえると 欧 州 政 府 債 務 危 機 問 題 が 早 期 に 収 束 するかは 予 断 を 許 さない 3については 欧 州 政 府 債 務 危 機 問 題 の 帰 すうが 不 透 明 な 中 で 足 下 では 欧 州 に 加 え 中 国 及 び 米 国 も 含 め 総 じて 世 界 経 済 の 足 取 りが 重 いままである 20 このような 状 況 の 下 では 欧 州 政 府 債 務 危 機 問 題 が 早 期 に 収 束 したとしても 欧 州 経 済 ひいては 新 興 国 を 含 めた 世 界 経 済 の 回 復 にはある 程 度 時 間 が 要 する 可 能 性 があり かつ 輸 出 を 通 じて 我 が 国 経 済 を 牽 引 するような 力 強 い 回 復 力 を 示 すことができるかどうかは 流 動 的 と 考 えられる 以 上 の 点 からは 欧 州 政 府 債 務 危 機 問 題 がくすぶり 続 け 足 下 では 世 界 経 済 は 冷 え 込 み 国 際 金 融 市 場 は 不 安 を 抱 えている 中 で これらの 点 についての 下 振 れリスクが 根 強 く 残 っていることを 踏 まえると 我 が 国 経 済 が 後 退 局 面 から 抜 け 出 すための 重 要 な 条 件 である 早 期 の 世 界 経 済 の 持 ち 直 しとそれに 伴 う 輸 出 の 回 復 については 共 通 認 識 シナリオの 想 定 よりも 時 間 を 要 し ひいては 後 退 局 面 が 長 期 化 する 可 能 性 も 否 定 できないと 考 えられる 21 ( 内 線 75045) Tightening in 2013"(.11) 18 具 体 的 には 失 効 を 迎 える 時 限 的 な 各 種 減 税 措 置 の 一 部 が 延 長 され 2013 年 からの 歳 出 自 動 削 減 が 軽 減 されるなどの 場 合 を 指 している 19 出 典 資 料 ( 脚 注 17 参 照 )においては 2013 年 の 実 質 GDPを 2.9%ポイント 程 度 押 し 上 げ る(なお 同 資 料 では 前 提 条 件 が 違 う 場 合 についての 押 上 げ 幅 の 予 測 範 囲 は 0.8~5.0%ポ イント 程 度 になるとしている) という 言 い 方 がなされている 財 政 の 崖 に 対 応 策 が 講 じら れない 場 合 の 成 長 率 が 0.5% 程 度 であるため ここでは 簡 素 化 のために 両 者 の 差 である 2.4% ポイントを 2013 年 の 成 長 率 という 言 い 方 に 書 き 換 えている 20 世 界 経 済 における 年 月 期 の 実 質 GDP 成 長 率 は 米 国 は 2.0%( 年 率 ) ユーロ 圏 は 0.2% 中 国 は 7.4%となっており 月 期 に 続 いて 各 国 地 域 において 比 較 的 低 い 水 準 にある( 内 閣 府 月 例 経 済 報 告 等 に 関 する 関 係 閣 僚 会 議 資 料 ( 平 成 24 年 11 月 16 日 )) 21 今 回 のGDP 速 報 を 受 けた 民 間 シンクタンクの 見 通 しの 対 象 期 間 は 機 関 により 2013 年 度 まで あるいは 2014 年 度 までと 二 分 されており 前 者 においては 2014 年 4 月 の 消 費 税 率 引 上 げに 伴 う 2013 年 度 の 駆 け 込 み 需 要 は 織 り 込 まれているが 2014 年 度 入 り 後 の 反 動 減 につい ては 勘 案 されていない 後 者 においては 反 動 減 が 織 り 込 まれているものの 具 体 的 な 反 動 減 による 成 長 率 の 押 下 げ 幅 については 具 体 的 な 数 値 の 提 示 が 見 られる 機 関 は 限 定 的 である 19 経 済 のプリズム No106.12

補 論 世 界 経 済 の 持 ち 直 しが 遅 れた 場 合 の 我 が 国 経 済 への 影 響 (モデル 試 算 ) 本 論 で 触 れたとおり 共 通 認 識 シナリオにおいて 世 界 経 済 は 年 内 に 底 を 打 ち 2013 年 からは 持 ち 直 しへ 向 かうとされている そのためには 欧 州 政 府 債 務 危 機 問 題 の 沈 静 化 や 米 国 の 財 政 の 崖 の 緩 和 が 必 要 となるが これらの 前 提 が 実 現 したとしても その 後 の 世 界 経 済 の 回 復 力 については 楽 観 視 できない 状 況 と 考 えられる この 点 は 我 が 国 の 早 期 の 後 退 局 面 から 脱 却 及 びその 後 の 緩 やかな 景 気 回 復 の 実 現 というシナリオの 可 否 を 占 うこととなるだろう そこで 本 補 論 では 2013 年 前 半 まで 世 界 経 済 の 持 ち 直 しが 遅 れた 場 合 (リス クシナリオ 22 )と 共 通 認 識 シナリオに 沿 った 形 で 世 界 経 済 が 持 ち 直 していっ た 場 合 ( 標 準 シナリオ 23 )とを 比 べ 世 界 経 済 の 持 ち 直 しのタイミングの 遅 れ による 我 が 国 経 済 への 影 響 を 試 算 した( 補 論 図 表 ) これによると 世 界 経 済 の 持 ち 直 しが 半 年 程 度 遅 れた 場 合 輸 出 の 減 少 に 加 え 企 業 収 益 の 押 し 下 げを 通 じた 民 間 企 業 設 備 投 資 の 減 少 により 2013 年 度 のGDP 成 長 率 が 実 質 で 0.1% ポイント 程 度 名 目 で 0.2%ポイント 程 度 引 き 下 げられるという 結 果 になった 補 論 図 表 世 界 経 済 の 持 ち 直 しが 遅 れた 場 合 の 影 響 ( 試 算 ) ( 単 位 :% %ポイント) 年 度 2013 年 度 リスク 標 準 リスク 標 準 差 シナリオ シナリオ シナリオ シナリオ 差 (B) (A) (B)-(A) (B) (A) (B)-(A) 名 目 GDP 0.0 0.0 0.0 0.2 0.4 0.2 実 質 GDP 0.8 0.8 0.0 1.0 1.2 0.1 実 質 民 間 企 業 設 備 投 資 0.5 0.5 0.0 1.7 2.0 0.3 実 質 輸 出 0.9 0.6 0.3 1.0 1.8 0.8 ( 注 ) 四 捨 五 入 の 関 係 で 両 シナリオの 伸 び 率 の 差 分 と 差 が 一 致 しないことがある ただし 世 界 経 済 の 持 ち 直 しが 遅 れた 場 合 1 欧 州 政 府 債 務 危 機 問 題 への 悪 影 響 を 背 景 とした 欧 州 などの 更 なる 景 気 冷 え 込 み 21に 伴 う 信 用 不 安 など 国 際 金 融 市 場 への 悪 影 響 や 不 良 債 権 の 積 み 上 がりなどによる 世 界 的 な 金 融 システ ム 不 安 の 発 生 31 及 び2により 企 業 の 資 金 調 達 活 動 が 妨 げられ 生 産 活 動 が 落 ち 込 む などの 追 加 的 な 影 響 が 及 ぶ 可 能 性 があるものの 本 補 論 のシミュレー ションにおいてはこのような 要 因 については 織 り 込 まれていない このような 要 因 も 加 味 するならば リスクシナリオの 想 定 は 補 論 図 表 の 試 算 よりも 大 き な 影 響 をもたらす 可 能 性 がある 22 世 界 経 済 ( 欧 州 の 成 長 率 は 世 界 輸 出 額 で 代 替 )の 成 長 率 が 年 10~12 月 期 から 2013 年 月 期 の 間 標 準 シナリオの 成 長 率 より 前 期 比 年 率 2%ポイント 程 度 落 ち 込 むと 仮 定 23 世 界 経 済 の 成 長 率 が 年 10~12 月 期 頃 を 底 として 持 ち 直 していく 姿 を 想 定 している 経 済 のプリズム No106.12 20