2 糖尿病の症状がは っきりしている人 尿糖が出ると多尿となり 身体から水分が失われ 口渇 多飲などが現れます ブドウ糖が利用されないため 自分自身の身体(筋肉や脂肪)を少しずつ使い始めるので 疲れ やすくなり 食べているのにやせてきます 3 昏睡状態で緊急入院 する人 著しい高血糖を伴う脱水症や血液が酸性になること(ケトアシドーシス)により 頭痛 吐き気 腹痛などが出現し すみやかに治療しなければ数日のうちに昏睡状態に陥ります 4 合併症に伴う症状のある人 視力低下 手足のしびれ むくみ 性力減退 排尿障害 便秘や下痢などの胃腸障害 化膿な どの皮膚障害に代表される全身に及ぶ多彩な症状が出てきます 4 糖尿病の診断はどのように行われるのでしょうか 糖尿病は血糖が高くなる病気 すなわち高血糖病ですから尿等の検査だけでは糖尿病の診 断はできません 1. 早朝空腹時血糖値 126mg/dl 以上 2. 75g 糖負荷試験で 2 時間値 200mg/dl 以上 3. 随時血糖値 200mg/dl 以上 2
5 動脈硬化症 動脈硬化は血管壁が硬くなって 血液の流れる内腔が細くなる病気です 糖尿病のため高血 糖が長く続くと糖尿病がない人に比べて 10 年以上早く動脈硬化が進むといわれています また糖尿病には高血圧や高脂血症が合併しやすいため よりいっそう全身の血管が硬く もろ くなり つまったりします 特に血管がつまって重篤な障害が出やすい箇所として脳 心臓 腎臓 足があります ある日突然心臓疾患や脳卒中になる場合もあります また 糖尿病の方は健康 人の 2 4 倍も心筋梗塞や脳梗塞になりやすく死因の上位を占めています 肥満や喫煙と合わ せ包括的に治療することが大事になってきます 6
6 糖尿病の正しい治療とは 糖尿病の治療の目的は 血糖を中心とした糖代謝異常とともに合併する高血圧や脂質代謝異 常もあわせて治療し 禁煙 体重のコントロールを合わせて行うことが効果的です 糖尿病の合 併症でも細い血管障害である神経障害 網膜症 腎症の発症 進展の防止には血糖を正常値に 近くにコントロールすることが大切です そのためにはまず HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)値 6.5 未満を目標にしましょう また 大血管障害としての脳血管障害や心筋梗塞 狭心症の発症 進展を防ぐにはさらに高血圧やコレステロールの管理が大切になることがわかってきました 7