Ⅰ

第 6 章 公 共 施 等 の 管 理 に 関 する 基 本 的 な 考 え 方 1. 公 共 施 公 共 施 の 総 合 的 かつ 計 画 的 な 管 理 は, 図 表 6-1 に 示 す 通 り, 概 ね4つの 段 階 で 構 成 され, 中 長 期 保 全 計 画 を 策 定 実 行 することにあります まず, 実 態 把 握 として, 構 造 躯 体 の 健 全 性 を 把 握 することで 長 寿 命 化 の 実 施 方 針 につなげるとと もに, 構 造 躯 体 以 外 の 部 位 の 劣 化 状 況 を 把 握 します 次 に, 保 全 にかかる 現 状 と 課 題 を 基 に, 適 切 な 保 全 を 行 うための 各 種 の 基 準 等 を 定 するととも に, 劣 化 対 策 の 順 位 と 必 要 なコストを 算 出 することで, 中 長 期 保 全 計 画 を 立 てます なお, 中 長 期 的 なコストと 優 先 順 位 付 けについては, 今 後 策 定 する 行 動 計 画 において 対 応 するも のとします 図 表 6-1 公 共 施 の 総 合 的 かつ 計 画 的 管 理 の 体 系 Ⅰ 実 態 把 握 1 構 造 躯 体 の 健 全 性 2 部 位 の 劣 化 状 況 ( 躯 体 以 外 ) 1. 既 存 の 躯 体 データの 評 価 2. 詳 細 な 躯 体 調 査 劣 化 調 査 工 事 履 歴 現 状 仕 様 長 寿 命 化 の 可 否 判 定 劣 化 状 況 まとめ Ⅱ 基 準 の 定 現 行 の 把 握 基 準 の 定 Ⅲ 劣 化 対 策 の 順 位 と コスト 算 出 ( 耐 用 年 数 ) 部 位 別 の 改 修 コスト これまでの 使 用 年 数 長 寿 命 化 劣 化 対 策 の 優 先 順 位 付 け 改 修 サイクル 改 修 サイクル Ⅳ 維 持 管 理 レベル 維 持 管 理 レベル 13,000,000 12,000,000 11,000,000 10,000,000 9,000,000 8,000,000 中 長 期 保 全 計 画 財 政 制 約 の 定 7,000,00070 現 行 予 算 今 後 の 予 算 億 円 中 長 期 保 全 計 画 6,000,00060 5,000,00050 4,000,00040 3,000,00030 優 先 順 位 付 け 2,000,00020 1,000,00010 0 0 H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37 H38 H39 H40 H41 H42 H43 H44 H45 H46 H47 H48 H49 H50 H51 H52 H53 H54 H55 H56 H57 中 規 模 (20 年 目 ) 大 規 模 改 修 A 大 規 模 改 修 B 中 規 模 (60 年 目 ) 建 替 え 財 政 制 約 の 定 ( 使 用 年 数 80の 建 物 の40 年 目 ) ( 使 用 年 数 60の 建 物 の40 年 目 ) 直 近 の 工 事 内 訳 公 共 施 の 管 理 に 関 する 基 本 方 針 < 計 画 的 保 全 による 財 政 負 担 の 軽 減 平 準 化 > 1 長 寿 命 化 方 針 2 点 検 診 断 の 実 施 方 針 3 維 持 管 理 更 新 等 の 実 施 方 針 4 安 全 確 保 の 実 施 方 針 5 耐 震 化 の 実 施 方 針 94

(1) 構 造 躯 体 の 健 全 性 の 把 握 建 築 物 は, 老 朽 化 による 物 理 的 な 耐 用 年 数 だけではなく, 経 済 的 または 機 能 的 な 観 点 から 建 替 えや 解 体 されることがあります( 図 表 6-2) そして 耐 用 年 数 は, 鉄 筋 コンクリート 造 だけで も 財 務 省 令 や 日 本 建 築 学 会 基 準 等 により 50 年 から 65 年 まで 幅 があります 図 表 6-2 建 築 物 の 耐 用 年 数 物 理 的 な 耐 用 年 数 建 物 が 経 年 劣 化 など 自 然 的 原 因 によって 滅 失 する 場 合 通 常 は, 危 険 を 予 知 し, 自 然 崩 壊 する 前 に 解 体 する なお, 地 震 や 風 水 害 によって 滅 失 する 場 合 も 含 まれる 経 済 的 な 耐 用 年 数 機 能 的 な 耐 用 年 数 建 物 の 機 能 が 低 下 する 過 程 において, 不 具 合 や 故 障 が 発 生 するため, 事 前 に 若 しくは 事 後 にその 復 旧 を 行 う 必 要 が 発 生 する 不 具 合 や 故 障 の 程 度 や 回 数, 時 期 により 新 築 するより 高 額 と 見 込 まれる 場 合 は, 当 然, 解 体 され, 新 築 されることとなる 新 築 当 初 は 予 想 した 使 われ 方 に 対 して 機 能 が 満 足 されていても, 使 われ 方 が 時 とともに 変 化 することがある あるいは, 新 たな 要 求 が 求 められることがある その 時, 建 物 の 形 態, 構 造, 法 改 定 など 新 しい 要 求 に 対 応 できない 場 合 は, 機 能 的 な 寿 命 に 達 し, 建 替 えすることに なる 一 方, 建 築 物 は 躯 体 の 健 全 性 が 確 保 されてはじめて, 長 期 に 使 用 することが 可 能 になります 14 躯 体 の 健 全 性 を 測 る 指 標 としては,コンクリートの 中 性 化 深 さ, 鉄 筋 の 腐 食 度,コンクリー ト 圧 縮 強 度 等 があります 一 般 に,コンクリート 中 性 化 深 さは, 建 築 後 の 時 間 経 過 の 平 方 根 に 比 例 することが 知 られてお り, 中 性 化 理 論 式 15 として 整 理 されています 本 市 の 旧 耐 震 基 準 の 建 物 は 106 棟 で,そのうち 耐 震 診 断 を 行 った 建 物 は 98 棟 あります こ の 98 棟 のうち 56 棟 の 建 物 について,コンクリート 中 性 化 調 査 における 中 性 化 深 さの 値 と, 築 年 数 を 元 に 中 性 化 理 論 式 で 求 めた 値 とを 比 較 することにより, 使 用 年 数 を 算 定 しました その 結 果, 使 用 年 数 が 80 年 以 上 期 待 できる 建 物 が 55 棟 ありました ( 平 成 26 年 度 調 査 結 果 ) 14 コンクリートの 中 性 化 とは, 経 年 によりコンクリート 内 部 のアルカリ 成 分 が 失 われること これにより 鉄 筋 の 腐 食 が 進 行 しやすくな り, 腐 食 が 進 むとコンクリートが 爆 裂 等 を 起 こし, 躯 体 の 寿 命 を 迎 えることとなる コンクリート 中 性 化 は,それが 許 容 深 さ(30mm) を 超 えると, 鉄 筋 が 腐 食 しやすい 状 態 にあるという 意 味 であり,ただちに, 建 物 の 強 度 が 損 なわれるという 意 味 ではない 15 中 性 化 理 論 式 とは,いくつかの 種 類 があるが,ここでは 浜 田 式 を 用 いた 浜 田 式 は, 建 築 学 会 や 土 木 学 会 などで 多 く 採 用 されて おり, 中 性 化 深 さ(t)が 30mmに 達 する 築 後 年 数 (T)を 65 年 とした 時 の 中 性 化 係 数 (C)に 基 づく 予 測 式 であり,t=10 (T C)で 表 わされる Cはコンクリート 面 の 仕 上 げにより 異 なり,コンクリート 打 放 しの 場 合 はC=7.2 である 95

(2) 構 造 躯 体 の 目 標 耐 用 年 数 の 定 耐 震 診 断 を 行 ったコンクリートの 中 性 化 調 査 の 結 果 によると, 多 くの 建 物 で 中 性 化 進 行 速 度 が 標 準 より 良 好 であり,80 年 以 上 使 用 できる 可 能 性 が 高 いことから, 構 造 躯 体 の 目 標 耐 用 年 数 を 次 の 通 り 定 めます 既 存 の 建 築 物 を 標 準 で 60 年 使 用 し, 躯 体 の 健 全 性 調 査 の 結 果 が 良 好 な 場 合 には,80 年 使 用 することを 目 標 とします 今 後, 長 寿 命 化 を 目 指 す 施 で, 大 規 模 改 修 の 時 期 を 迎 える 建 築 物 については, 改 修 前 に 構 造 躯 体 の 健 全 性 の 調 査 を 行 います 鉄 筋 コンクリート 造, 鉄 骨 鉄 筋 コンクリート 造 については,コ ア 抜 き,はつり 調 査 を 実 施 し, 鉄 筋 の 腐 食 度, 圧 縮 強 度, 中 性 化 深 さの 測 定 を 行 い, 残 存 耐 用 年 数 を 算 定 評 価 し, 目 標 耐 用 年 数 に 応 じて 必 要 となる 改 修 内 容 を 実 施 することにします 図 表 6-3 今 後 実 施 する 躯 体 の 健 全 性 調 査 鉄 筋 コンクリート 造 鉄 骨 鉄 筋 コンクリート 造 鉄 骨 造 木 造 調 査 評 価 項 目 現 地 目 視 調 査 及 び 材 料 試 験 現 地 目 視 調 査 現 地 目 視 調 査 コンクリートのひび 割 れ コンクリートの 中 性 化 深 さ コンクリート 圧 縮 強 度 鉄 筋 の 腐 食 状 況 鉄 筋 のかぶり 厚 さ 鉄 骨 の 腐 食 ( 発 錆 ) 状 況 塗 膜 の 劣 化 屋 根 外 壁 の 漏 水 状 況 木 材 の 腐 朽 蟻 害 接 合 金 物 の 腐 食 防 腐 防 蟻 材 塗 膜 の 劣 化 屋 根 外 壁 の 漏 水 状 況 図 表 6-4 構 造 別 用 途 別 の 望 ましい 耐 用 年 数 目 標 耐 用 年 数 に 応 じた 改 修 の 実 施 鉄 筋 コンクリート 造 鉄 骨 鉄 筋 コンクリート 造 80 年 構 造 別 用 途 別 の 望 ましい 耐 用 年 数 鉄 骨 造 80 年 軽 量 鉄 骨 造 40 年 コンクリート フ ロック 造 60 年 木 造 50 年 ( 建 築 物 の 耐 久 計 画 に 関 する 考 え 方 ( 日 本 建 築 学 会 )を 参 考 に 定 ) ( 建 築 物 の 耐 久 計 画 に 関 する 考 え 方 ( 日 本 建 築 学 会 )を 参 考 に 定 ) 鉄 筋 コンクリートの 中 性 化 と 耐 用 年 数 中 性 化 は, 大 気 中 の 二 酸 化 炭 素 がコンクリート 中 に 侵 入 していき,セメントが 水 と 反 応 してできた 水 酸 化 カルシウムと 反 応 して 炭 酸 カルシウムとなり, 表 面 部 分 から,コンクリートをアルカリ 性 から 中 性 に 変 えていく 現 象 です 中 性 化 は,コンクリートの 強 度 には 大 きな 影 響 を 及 ぼしませんが, 鉄 筋 周 囲 のコンクリートが 中 性 になることで, 鉄 筋 の 腐 食 が 始 まります 鉄 筋 は 腐 食 すると,その 生 成 物 であるさびは 元 の 鉄 の 体 積 の 2.5 倍 程 度 に 膨 張 するため, 鉄 筋 を 覆 ってい るコンクリートには, 鉄 筋 に 沿 ったひび 割 れや 剥 落 が 生 じます ひび 割 れを 放 置 しておきますと, ひび 割 れを 通 じて 酸 素 や 水 が 容 易 に 侵 入 しやすくなるため, 鉄 筋 の 腐 食 反 応 は 加 速 度 的 に 進 行 し, 鉄 筋 コンクリートの 耐 久 性 の 低 下 にまで 至 るようになります 参 考 : 文 部 科 学 省 学 校 施 の 長 寿 命 化 改 修 の 手 引 96

(3) 継 続 的 な 劣 化 状 況 調 査 の 実 施 現 地 調 査 に 用 いる 建 物 状 況 問 診 票 は, 調 査 対 象 施 の 劣 化 状 況 の 全 体 像 をとらえるため, 簡 易 な 問 に 回 答 することで, 雨 漏 りや 機 器 の 異 常 等 の 状 況 を 把 握 し, 危 険 部 位 の 発 見 や 改 修 の 必 要 性 を 判 断 するためのものです 問 診 票 は, 建 築 の 知 識 を 有 しない 職 員 でも 記 入 できる 簡 易 な 様 式 とし, 調 査 点 検 の 観 点 を 写 真 等 による 解 説 を 加 えた 調 査 マニュアルを 用 いて 調 査 します 建 物 状 況 問 診 票 の 様 式 と 調 査 マニュアルは, 毎 年 度 実 施 する 調 査 を 踏 まえて 改 良 していきます 調 査 結 果 を 公 共 施 マネジメントシステム に 入 力 することで, 情 報 の 一 元 化 と 履 歴 管 理 を 効 率 よく 行 います 図 表 6-5 建 物 状 況 問 診 票 ( 記 入 例 ) Heisei 保 全 通 しNo 1 施 名 学 校 調 査 日 Heisei 主 管 課 名 記 入 者 棟 名 棟 建 築 年 度 昭 和 60 年 度 ( 1985 年 度 ) 構 造 種 別 鉄 筋 コンクリート 造 延 床 面 積 2,300 m2 階 数 地 上 3 階 地 下 0 階 部 位 ごとに 劣 化 状 況 と 仕 様 を 選 択 ( )し 故 障 回 数 劣 化 か 所 数 を 数 欄 に 及 び 直 近 の 工 事 履 歴 を 記 入 して 下 さい 建 築 建 築 部 位 1 屋 根 屋 上 降 雨 時 に 雨 漏 りがある 保 護 防 水 ( 屋 上 に 常 時 出 られる) 天 井 等 に 雨 漏 り 痕 がある 2 上 記 以 外 の 屋 上 ( 露 出 防 水 等 ) 屋 根 や 屋 上 の 防 水 層 に 膨 れ 金 属 板 葺 き 等 の 屋 根 破 れ 等 がある その 他 の 屋 根 ( 瓦 葺 ) 2 外 壁 石 やタイルが 剥 がれている 石 またはタイル 張 りがある ( 落 下 の 危 険 性 がある) ( 壁 全 面 または 落 下 の 危 険 性 が 大 きな 亀 裂 がある あるような 部 分 に 限 る) 外 壁 から 漏 水 がある 吹 付 け 鉄 筋 が 見 えているところがある その 他 ( ) 3 外 部 建 具 窓 ドアの 廻 りで 漏 水 がある アルミ 製 のサッシ ( 窓 ドア) 窓 ドアに 錆 が 多 くみられる 4 鉄 製 木 製 等 のサッシ 4 内 部 壁 天 井 落 下 の 危 険 性 がある 高 い 天 井 の 大 空 間 (ホールや ( 床 壁 天 井 ) 劣 化 状 況 ( 複 数 回 答 可 ) 床 壁 天 井 に 大 きなひび 等 がある 体 育 室 等 )がある 5 電 気 機 器 が 全 面 的 に 錆 びている 照 明 器 具 の 改 修 をしたことがある 点 灯 しない 照 明 器 具 がある 特 殊 な 電 気 ( 自 家 発 電 使 えないコンセントがある 機 器 が 頻 繁 に 故 障 する 業 者 や 行 政 庁 から 指 摘 がある 高 圧 引 込 等 )がある 6 給 水 赤 水 が 頻 繁 にでる 直 結 方 式 (ポンプ 水 槽 等 が 無 い) 水 の 出 が 悪 いところがある ポンプで 異 音 漏 水 がある 7 排 水 流 れにくい 臭 いがある 下 水 道 接 続 衛 生 器 具 や 水 栓 で 故 障 がある ポンプ 受 水 槽 高 置 水 槽 がある 浄 化 槽 がある 8 空 調 機 器 が 頻 繁 に 故 障 する 個 別 方 式 (パッケージ 空 調 機 ) 機 器 に 異 音 異 臭 がある 配 管 で 漏 水 がある 中 央 方 式 である( 空 調 機 械 室 または 屋 外 に 大 型 の 機 器 がある) 9 その 他 機 器 が 頻 繁 に 故 障 する エレベーター 等 の 昇 降 機 がある 業 者 や 行 政 庁 から 指 摘 がある 仕 様 直 近 の 工 事 履 歴 数 ( 該 当 する 場 合 のみ) 年 度 工 事 内 容 1 機 械 式 の 駐 車 がある 写 真 番 号 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 その 他 の 不 具 合 等 があれば 自 由 に 記 入 して 下 さい 建 物 周 囲 に10cm 程 度 の 地 盤 沈 下 がある コンクリート 製 の 庇 がひび 割 れており 落 下 の 危 険 性 がある 外 灯 のポール 部 分 が 腐 食 し 倒 れる 危 険 性 がある 消 防 署 より 指 摘 を 受 けたことがある 97

(4) 劣 化 状 況 の 評 価 古 い 建 物 ほど 改 修 等 を 優 先 的 に 検 討 する 必 要 がありますが, 限 られた 財 源 の 中 で 行 う 工 事 の 優 先 順 位 を 検 討 する 際 に, 築 年 数 だけで 判 断 するのではなく, 総 合 的 な 評 価 基 準 が 必 要 です そこ で, 次 に 示 す 手 法 で 建 築 物 の 劣 化 状 況 を 表 す 総 合 劣 化 度 を 算 定 し, 評 価 します なお, 総 合 劣 化 度 は 数 値 が 高 いほど 劣 化 が 進 んでいることを 示 す 指 標 です 1 劣 化 状 況 の 評 価 基 準 と 評 価 点 建 築 物 の 各 部 の 劣 化 状 況 は, 現 地 における 目 視 調 査 を 主 体 とし, 下 表 の 通 り,4 段 階 での 評 価 基 準 とそれぞれの 評 価 点 を 定 めます 劣 化 状 況 の 評 価 基 準 評 価 点 A 評 価 概 ね 良 好 10 点 B 評 価 C 評 価 D 評 価 局 所, 部 分 的 に 劣 化 が 見 られるが, 安 全 上, 機 能 上, 問 題 なし 随 所, 広 範 囲 に 劣 化 が 見 られ, 安 全 上, 機 能 上, 低 下 の 兆 しが 見 られる 随 所, 広 範 囲 に 著 しい 劣 化 が 見 られ, 安 全 上, 機 能 上, 問 題 があり, 早 急 に 対 応 する 必 要 がある 40 点 70 点 100 点 2 部 位 の 重 要 度 係 数 部 位 により 建 築 物 の 安 全 性 もしくは 機 能 性 に 及 ぼす 影 響 が 異 なることから, 財 団 法 人 建 築 保 全 センター 発 行 の 平 成 17 年 版 建 築 物 のライフサイクルコスト の 分 類 を 参 考 とし, 部 位 の 重 要 度 係 数 として 下 表 の 通 り4 段 階 の 係 数 を 定 めます 部 位 の 重 要 度 の 判 断 基 準 重 要 度 係 数 大 きい 特 に 安 全 性 に 関 わる 部 位 ( 例 : 屋 上, 外 壁 ) 1.00 中 計 画 保 全 にすべき 部 位 ( 例 : 空 調, 昇 降 機 ) 0.75 小 計 画 保 全 が 望 ましい 部 位 ( 例 : 外 部 開 口 部, 給 水 ) 0.50 軽 微 事 後 保 全 でよい 部 位 ( 例 : 室 内 の 仕 上, 衛 生 器 具 ) 0.25 3 現 況 劣 化 度 評 価 をする 部 位 ごとに,1で 求 める 評 価 点 に2で 求 める 重 要 度 係 数 を 掛 け 合 わせ, 合 計 し た 後, 評 価 の 対 象 部 位 数 で 割 った 値 を 現 況 劣 化 度 と 定 めます 4 総 合 劣 化 度 築 後 年 数 ( 建 築 年 からの 経 過 年 数 )を1 年 1ポイントとして3で 定 めた 現 況 劣 化 度 に 足 し 合 わせた 値 を 総 合 劣 化 度 と 定 め, 建 築 物 としての 劣 化 状 況 を 総 合 的 に 表 す 指 標 値 とします 1~4の 手 順 を 整 理 すると, 総 合 劣 化 度 は 次 式 で 求 められます 総 合 劣 化 度 = ( 各 部 の 劣 化 状 況 評 価 点 部 位 の 重 要 度 係 数 )の 総 和 評 価 の 対 象 部 位 数 + 築 後 年 数 98

(5) 改 修 周 期 の 定 建 築 物 が 経 年 により 劣 化 する 一 方 で, 耐 震 性 能 や 省 エネ 性 能 等 の 社 会 的 要 求 水 準 は 年 々 高 まり, 機 能 に 支 障 が 発 生 する 水 準 も 共 に 高 まります そこで, 躯 体 の 目 標 耐 用 年 数 の 中 間 年 で, 新 築 時 の 整 水 準 を 超 える 大 規 模 改 修 を 行 い,さらに, 部 位 の 更 新 時 期 に 合 わせて 20 年 周 期 で を 行 うことで, 建 築 物 を 使 用 している 間, 建 築 物 に 求 められる 性 能 が 確 保 できる 状 態 を 維 持 します 図 表 6-6, 改 修, 建 替 えの 標 準 イメージ( 躯 体 が 健 全 で 80 年 まで 使 用 できる 場 合 ) 性 能 ( 劣 化 度 ) 竣 工 中 規 模 ( 機 能 回 復 ) 経 年 による 機 能 性 能 の 劣 化 大 規 模 改 修 ( 機 能 向 上 ) 躯 体 の 健 全 性 調 躯 体 の 健 全 性 調 査 結 果 が 良 中 規 模 ( 機 能 回 復 ) 査 結 果 が 良 20 40 60 80 ( 年 ) 建 替 え 築 年 工 事 内 容 の 例 外 部 仕 上 げ 内 部 仕 上 げ 電 気 給 排 水 空 調 築 20 年 目 中 規 模 経 年 により 通 常 発 生 す る 損 耗 機 能 低 下 に 対 する 復 旧 措 置 を 行 い 機 能 を 回 復 させます 屋 上 防 水 の 更 新 外 壁 の 洗 浄 再 塗 装 等 外 部 開 口 部 の 調 整 (シーリング 共 ) 外 部 鉄 部 の 再 塗 装 フローリングブロック の 研 磨 及 び 塗 装 壁 塗 装 の 再 塗 装 照 明 等 の 機 器 の 更 新 給 排 水 管 の 更 生 ポンプ 等 の 機 器 の 更 新 空 調 等 の 機 器 の 更 新 現 状 の 屋 上 防 水 の 更 新 外 壁 の 洗 浄 再 塗 装 等 外 部 開 口 部 の 更 新 外 部 鉄 部 の 再 塗 装 フローリングブロック の 研 磨 及 び 塗 装 ビニル 床 壁 天 井 の 更 新 受 変 電 機 器 の 更 新 照 明 等 の 機 器 の 更 新 給 排 水 管 の 更 新 ポンプ 等 の 機 器 の 更 新 衛 生 器 具 を 節 水 タイプ に 改 修 空 調 等 の 機 器 の 更 新 築 40 年 目 大 規 模 改 修 近 年 の 社 会 的 要 求 ( 省 エネ 化 ライフラインの 更 新 等 )に 応 じた 改 修 を 行 い 機 能 を 向 上 させます 99 長 寿 命 化 ( 省 エネ) 屋 上 防 水 の 更 新 断 熱 化 外 壁 の 再 塗 装 内 断 熱 外 部 開 口 部 の 更 新 及 び 遮 熱 化 外 部 鉄 部 の 再 塗 装 フローリングブロック の 研 磨 及 び 塗 装 ビニル 床 壁 天 井 の 更 新 受 変 電 機 器 の 更 新 照 明 等 の 機 器 高 効 率 化 給 排 水 管 の 更 新 ポンプ 等 の 機 器 の 更 新 衛 生 器 具 を 節 水 タイプ に 改 修 空 調 等 の 機 器 の 更 新 築 60 年 目 中 規 模 経 年 により 通 常 発 生 する 損 耗 機 能 低 下 に 対 する 復 旧 措 置 に 加 え 社 会 的 要 求 も 一 部 反 映 し 機 能 を 回 復 向 上 させます 屋 上 防 水 の 更 新 外 壁 の 洗 浄 再 塗 装 等 外 部 開 口 部 の 調 整 (シーリング 共 ) 外 部 鉄 部 の 再 塗 装 フローリングブロック の 研 磨 及 び 塗 装 壁 塗 装 の 再 塗 装 照 明 等 の 機 器 の 更 新 給 排 水 管 の 更 生 ポンプ 等 の 機 器 の 更 新 空 調 等 の 機 器 の 更 新 工 事 内 容 は 参 考 に 示 したものであり,ここに 書 かれていないものでも,それぞれの 工 事 の 目 的 に 合 致 するものであれば 実 施 できます 4つの 工 事 内 容 で 内 容 が 異 なるか 所 を 色 分 けしました : 改 修 により 機 能 を 向 上 させる 内 容 : により 機 能 を 回 復 させる 内 容 躯 体 の 健 全 性 調 査 とは 建 築 物 の 骨 組 みの 健 全 性 を 調 査 すること 骨 組 みの 種 類 に 応 じて 次 の 調 査 を 想 定 しています 鉄 筋 コンクリート 造 (RC 造 ):コンクリートの 強 度 コンクリートの 中 性 化 鉄 筋 の 腐 食 状 況 の 調 査 鉄 骨 造 (S 造 ): 鉄 部 の 腐 食 状 況 の 調 査 木 造 (W 造 ): 木 部 の 腐 朽 状 況 の 調 査

施 の 長 寿 命 化 の 標 準 的 な 流 れ 中 間 年 でコンクリート 中 性 化, 鉄 筋 の 腐 食 状 況 等 の 躯 体 の 健 全 性 調 査 を 行 います 躯 体 の 健 全 性 が 確 認 できれば 長 寿 命 化 のための 改 修 工 事 を 実 施 します 以 下 に, 竣 工 からの 経 過 年 数 に 応 じて 行 う 調 査 及 び 工 事 の 実 施 時 期 と 判 断 内 容 を 示 します 図 表 6-7 施 の 長 寿 命 化 の 標 準 的 な 流 れ 建 築 物 の 将 来 活 用 方 策 に 係 る 判 定 フロー 経 建 過 築 年 か 数 ら の 15 年 ~ 20 年 物 理 的 観 点 による 判 断 建 築 内 容 確 認 中 規 模 1 市 有 施 として 存 続 すべきかどうか 判 断 すること 2 躯 体 の 健 全 性 調 査 とは, 建 築 物 の 骨 組 みの 健 全 性 を 調 査 する こと 骨 組 みの 種 類 に 応 じて 次 の 調 査 を 想 定 しています 鉄 筋 コンクリート 造 (RC 造 ):コンクリートの 強 度,コンクリートの 中 性 化, 鉄 筋 の 腐 食 状 況 の 調 査 鉄 骨 造 (S 造 ): 鉄 部 の 腐 食 状 況 の 調 査 木 造 (W 造 ): 木 部 の 腐 朽 状 況 の 調 査 3, 改 修 内 容 確 認 とは, 現 地 調 査 を 行 い, 工 事 範 囲, 内 容 を 決 定 すること 4 長 寿 命 化 内 容 検 討 とは, 中 規 模 に 加 え, 社 会 的 ニーズも 一 部 反 映 し, 工 事 範 囲, 内 容 を 決 定 すること 5 総 合 管 理 計 画 の 基 本 方 針 などを 踏 まえて 検 討 し, 判 断 する こと 35 年 ~ 存 続 縮 小 良 施 のあり 方 の 検 討 躯 体 の 健 全 性 調 査 可 2 1 不 可 処 分 目 標 使 用 年 数 の 修 正 必 要 な 改 修 対 策 可 能? 目 標 使 用 年 数 経 過 不 可 処 分 40 年 3 3 改 修 内 容 確 認 内 容 確 認 内 容 確 認 可 単 独 建 替 え 複 合 化 建 替 え 廃 止 の 検 討 5 大 規 模 改 修 中 規 模 中 規 模 + 中 性 化 対 策 工 事 1 55 年 ~ 60 年 存 続 縮 小 施 のあり 方 の 検 討 躯 体 の 健 全 性 調 査 可 2 長 寿 命 化 内 容 検 討 処 分 不 可 4 単 独 建 替 え 複 合 化 建 替 え 廃 止 の 検 討 5 長 寿 命 化 80 年 ~ 単 独 建 替 え 複 合 化 建 替 え 廃 止 の 検 討 5 100

(6) 改 修 時 の の 定 建 築 物 の 各 部 の 仕 様 は,30 年 前 の 建 当 時 の では, 現 在 の 省 エネルギー 化 等 の 社 会 的 要 求 には 対 応 できなくなっています 今 後 は, 大 規 模 改 修 の 際 に 各 部 の 機 能 向 上 の 対 応 をします が, 限 りある 財 政 制 約 の 中,コストと 効 果 の 最 適 解 を 検 討 し, 概 ね 施 類 型 ごとに を けて 効 率 的 効 果 的 に 取 り 組 むこととします 図 表 6-8 大 規 模 改 修 時 の ( 例 ) Aレベル Bレベル Cレベル 部 位 高 改 修 メニュー( ) 低 屋 根 屋 上 外 断 熱 保 護 防 水 ( 断 熱 材 40mm) ( 既 存 撤 去 ) 外 断 熱 シート 防 水 ( 断 熱 材 40mm) ( 既 存 の 上 ) 浮 き 部 補 修 クラック 補 修 程 度 外 部 仕 上 げ 外 壁 外 部 開 口 部 外 断 熱 パネル サッシ 交 換 (カバー 工 法 ) ( 複 層 ガラス 等 ) 内 断 熱 既 存 サッシの ガラス 交 換 ( 複 層 ガラス 等 ) 外 壁 塗 装 ( 防 水 型 複 層 塗 材 ) 断 熱 なし 日 射 調 整 フィルム 張 り ( 既 存 サッシ ガラス) 浮 き 部 補 修 クラック 補 修 程 度 シーリング 打 替 え 開 閉 調 整 程 度 換 気 スリット(ナイトパージ) その 他 外 部 日 射 抑 制 措 置 (ライトシェルフまたは 庇 ) 手 すり 等 の 鉄 部 塗 装 庇 等 を 置 しない 内 部 仕 上 げ 内 部 仕 上 げ ( 教 室 等 ) 便 所 内 装 の 全 面 撤 去 更 新 ( 木 質 化 ) 内 装 の 全 面 撤 去 更 新 ドライ 化 節 水 型 便 器 に 交 換 床 補 修 壁 天 井 塗 替 え (70% 以 上 の 範 囲 ) 床 補 修 壁 天 井 塗 替 え 既 存 のまま 既 存 のまま 既 存 便 器 のまま 電 気 受 変 電 照 明 器 具 自 家 発 電 受 変 電 交 換 ( 容 量 UP) LED 照 明 に 交 換 ( 人 感 センサー 照 度 センサー 付 ) 機 械 給 水 冷 暖 房 雨 水 中 水 利 用 教 室 の 冷 暖 房 化 (GHP/EHP) 全 熱 交 換 器 給 水 改 修 ( 加 圧 給 水 方 式 に 変 更 ) FF 式 暖 房 改 修 換 気 扇 交 換 101

(7) 維 持 管 理 のあり 方 を 見 直 すことによる 効 果 これまでの 維 持 管 理 のあり 方 を 見 直 し, 定 期 的 な 改 修 を 実 施 し 施 の 長 寿 命 化 を 図 ること で, 図 表 6-9 及 び 図 表 6-10 に 示 す 通 り, 年 当 りのライフサイクルコスト(LCC) 及 びライフサ イクル CO 2 ( 二 酸 化 炭 素 )においてメリットがあります 今 後 は, の 向 上 とライフサ イクルでの 効 果 を 検 討 し, の 最 適 解 を 求 めながら, 改 修 等 を 実 施 します なお,データについては 国 立 教 育 政 策 研 究 所 文 教 施 研 究 センター 校 舎 のエコ 改 修 の 推 進 のた めに を 採 用 し,モデル 校 舎 を 対 象 に 諸 条 件 を 定 して 試 算 しています 図 表 6-9 1 年 当 りライフサイクルコストにおける 比 較 ( 試 算 例 ) これまでの 維 持 更 新 ( 使 用 年 数 45 年 ) 長 寿 命 化 + 維 持 更 新 の 見 直 し ( 使 用 年 数 80 年 +20 年 ごとに 改 修 ) 既 存 建 物 の で 45 年 建 替 え LCC 10,333 円 /m2 年 現 在 新 築 する 際 の LCC 7,750 円 /m2 年 省 エネ 化 LCC 8,000 円 /m2 年 円 /m2 年 10,000 9,000 8,000 7,000 6,000 5,000 4,000 維 持 費 3,000 円 /m2 年 建 替 えコスト 7,333 円 /m2 年 33 万 円 /45 年 2,583 円 /m2 年 (25%)のダウン 大 規 模 改 修 費 2,125 円 /m2 年 17 万 円 /80 年 省 エネ 化 及 び 耐 久 性 の 向 上 により 3%アップ(250 円 /m2) 2,333 円 /m2 年 (23%)のダウン 長 寿 命 化 費 長 寿 命 化 費 750 円 /m2 年 750 円 /m2 年 中 規 模 費 中 規 模 費 750 円 /m2 年 750 円 /m2 年 大 規 模 改 修 費 2,375 円 /m2 年 19 万 円 /80 年 3,000 2,000 1,000 建 替 えコスト 4,125 円 /m2 年 建 替 えコスト 4,125 円 /m2 年 33 万 円 /80 年 33 万 円 /80 年 0 現 状 の 維 持 費 3,000 円 /m2は, H17 年 版 建 築 物 のライフサイクルコスト( 建 築 保 全 センター 発 行 ) における65 年 間 の コストを 参 考 に 定 したものです 屋 上 防 水 外 壁 機 器 の 交 換 内 装 等, 劣 化 部 分 の 機 能 を 回 復 するための を 想 定 しています 図 表 6-10 ライフサイクル CO 2 とエネルギー 消 費 量 の 比 較 ( 試 算 例 ) エネルギー 量 37,053MJ/ 年 13%の 削 減 26%の 削 減 CO2 排 出 量 35t/ 年 既 存 建 物 の 20%の 削 減 38%の 削 減 エネルギー 量 32,302MJ/ 年 エネルギー 量 27,536MJ/ 年 7.1t/ 年 削 減 CO2 排 出 量 27.9t/ 年 13.2t/ 年 削 減 CO2 排 出 量 21.8t/ 年 単 位 MJ(メガジュール) とは, 発 熱 量 を 表 す 国 際 単 位 1MJ=238.889 キロカロ 現 在 新 築 する 際 の 省 エネ 化 現 在 新 築 する 際 の 省 エネ 化 リー 102

(8) 安 全 確 保 等 への 取 組 み 1 施 管 理 者 のための 技 術 的 支 援 ( 保 全 研 修 の 実 施 ) 庁 舎, 学 校, 保 育 所, 福 祉 施, 図 書 館, 公 民 館 など, 多 くの 施 があり, 日 常,それぞれの 施 を 使 い, 現 場 で 管 理 している 施 管 理 者 の 優 位 性 を 活 かし, 劣 化 状 況 を 確 認 してもらうことが 効 果 的 です そのため, 施 管 理 者 に 部 位 ごとの 劣 化 状 況 の 把 握 方 法 を 含 め, 保 全 研 修 を 実 施 し, 施 の 安 全 確 保 につなげます 2 安 全 確 保 の 実 施 方 針 点 検 診 断 等 により, 高 い 危 険 性 が 認 められた 公 共 施 は, 当 該 箇 所 に 人 が 近 づかないよう 措 置 を 行 い, 場 合 によって 施 の 利 用 を 停 止 して, 安 全 を 確 保 します 特 に 落 下 等 の 危 険 性 が 認 められ た 場 合 は, 速 やかに 補 強 等 の 必 要 措 置 を 講 じます また, 倒 壊 の 可 能 性 が 高 い 施 や, 用 途 が 廃 止 され, 今 後 も 利 用 される 見 込 みのない 老 朽 化 施 等 については, 安 全 を 確 保 するため, 原 則 として 解 体 撤 去 することで 対 応 します 3 耐 震 化 の 実 施 方 針 公 共 施 は, 取 手 市 耐 震 改 修 促 進 計 画 により, 耐 震 化 を 図 ります ただし, 公 共 施 マネジ メントの 視 点 に 立 ち, 機 能 確 保, 施 存 続 の 必 要 性 を 見 極 めたうえで, 耐 震 化 に 向 けた 取 組 みを 進 めます 103

2.インフラ (1)インフラマネジメントの 必 要 性 インフラは 市 民 生 活 を 支 える 役 割 を 果 たしており,また, 市 の 産 業 基 盤 等 を 維 持 発 展 させるた めには 不 可 欠 な 施 です このため, 計 画 的 な 予 防 保 全 管 理 を 行 い, 長 寿 命 化 を 図 りつつ 継 続 的 に 利 用 することが 求 められる 施 です しかし, 厳 しい 財 政 状 況 下 では, 今 後 増 大 するインフラの 維 持 更 新 費 用 の 全 てに 対 応 をしてい くことは 困 難 な 状 況 が 予 測 されるため, 計 画 的 なマネジメントが 必 要 になります (2) 基 本 方 針 今 後 の 人 口 動 向 や 将 来 の 都 市 のあり 方 等 を 見 据 え, 限 られた 財 源 の 中 で 維 持 更 新 を 実 現 する ため,ライフサイクルコスト 縮 減 に 繋 がるよう 計 画 的 な 予 防 保 全 管 理 ( 点 検, 更 新 )を 行 っていくことを 基 本 方 針 とします なお, 劣 化 が 進 みやすい 部 分, 機 能 が 損 なわれた 際 の 社 会 的 被 害 ( 重 要 度 )の 大 小 などを 分 類 して,メンテナンスの 内 容 や 実 施 時 期 を 決 めて 行 うリスクベース メンテナンス(RBM)や, 新 たな 技 術 の 導 入 によるライフサイクルコスト 縮 減 の 方 策 を 検 討 します (3) 安 全 確 保 の 実 施 方 針 点 検 診 断 等 により, 高 い 危 険 性 が 認 められたインフラは, 当 該 箇 所 に 人 が 近 づかないよう 措 置 を 行 い, 場 合 によって 利 用 を 停 止 して, 安 全 を 確 保 します 特 に 陥 没 等 の 危 険 性 が 認 めら れた 場 合 は, 速 やかに 必 要 措 置 を 講 じます また, 倒 壊 の 可 能 性 が 高 い 施 や, 用 途 が 廃 止 され, 今 後 も 利 用 される 見 込 みのない 老 朽 化 施 等 については, 安 全 を 確 保 するため, 原 則 として 解 体 撤 去 することで 対 応 します 104