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- 1 - 総 控 負 傷 疾 病 療 養 産 産 女 性 責 帰 べ 由 試 ~ 8 契 約 契 約 完 了 ほ 契 約 超 締 結 専 門 的 知 識 技 術 験 専 門 的 知 識 高 大 臣 専 門 的 知 識 高 専 門 的 知 識 締 結 契 約 満 歳 締 結 契 約 契 約 係 始

は 共 有 名 義 )で 所 有 権 保 存 登 記 又 は 所 有 権 移 転 登 記 を された も の で あ る こと (3) 居 室 便 所 台 所 及 び 風 呂 を 備 え 居 住 の ために 使 用 す る 部 分 の 延 べ 床 面 積 が 5 0 平 方 メ ー ト ル 以 上

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Ⅰ 平成14年度の状況

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新 市 建 設 計 画 の 変 更 に 係 る 新 旧 対 照 表 ページ 変 更 後 変 更 前 表 紙 安 中 市 松 井 田 町 合 併 協 議 会 安 中 市 松 井 田 町 合 併 協 議 会 平 成 27 年 3 月 変 更 安 中 市 6 2. 計 画 策 定 の 方 針 (3) 計

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別紙3

Transcription:

玉 東 町 建 築 物 耐 震 改 修 促 進 計 画 平 成 24 年 1 月 玉 東 町

目 次 第 1 章 はじめに...1 1)いつ どこで 地 震 が 発 生 してもおかしくない 状 況...1 2) 建 築 物 耐 震 改 修 促 進 法 による 建 築 物 の 耐 震 化 促 進 の 必 要 性...1 3) 建 築 物 の 耐 震 改 修 の 促 進 に 関 する 法 律 の 改 正...3 4) 計 画 策 定 の 目 的 と 期 間...4 5) 計 画 の 位 置 づけ...4 第 2 章 町 における 地 震 被 害 の 想 定...5 1) 地 震 の 原 因 となる 活 断 層 群...5 2) 地 震 の 揺 れと 規 模 の 関 係...8 3) 表 層 地 盤 の 揺 れやすさ...9 4) 震 源 と 震 度 階...9 第 3 章 町 内 建 築 物 耐 震 化 の 現 状... 12 1) 建 築 物 耐 震 改 修 促 進 計 画 における 建 築 物 の 定 義...12 2) 既 存 建 築 物 の 耐 震 化 状 況 調 査...17 第 4 章 耐 震 化 に 関 する 基 本 方 針 と 目 標 設 定... 22 1) 耐 震 化 に 関 する 基 本 方 針...22 2) 住 宅 耐 震 化 の 課 題...24 3) 耐 震 化 の 目 標 設 定...25 第 5 章 耐 震 診 断 及 び 耐 震 改 修 促 進 を 図 るための 施 策... 27 1) 耐 震 改 修 を 促 進 する 環 境 整 備...27 2) 建 築 物 の 地 震 に 対 する 安 全 性 の 向 上 に 関 する 啓 発 及 び 知 識 の 普 及...28 3) 総 合 的 な 安 全 対 策 の 推 進...29 4) 地 震 防 災 マップの 作 成...31 第 6 章 計 画 の 実 現 に 向 けて... 34 1) 役 割 の 分 担...34 2) 計 画 の 進 行 管 理...34 第 7 章 資 料 編... 35 1) 熊 本 県 想 定 地 震 被 害 熊 本 県 耐 震 促 進 化 計 画 資 料...35 2) 熊 本 県 における 被 害 状 況 シミュレーション...38 3) 東 日 本 大 震 災 ( 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 )...41 4) 関 係 法 令...43 5) 玉 東 町 戸 建 木 造 住 宅 耐 震 診 断 事 業 補 助 金 交 付 要 綱...57 6) 用 語 の 説 明...63

第 1 章 はじめに

第 1 章 はじめに 1)いつ どこで 地 震 が 発 生 してもおかしくない 状 況 近 年 我 が 国 では 新 潟 県 中 越 地 震 や 福 岡 県 西 方 沖 地 震 等 の 大 地 震 が 頻 発 しており 大 地 震 がどこで 発 生 してもおかしくない 状 況 にあります さらに 東 海 地 震 南 海 東 南 海 地 震 および 首 都 直 下 地 震 はいつ 発 生 してもおかしくないと 言 われています 2011 年 ( 平 成 23 年 )3 月 11 日 日 本 の 太 平 洋 三 陸 沖 を 震 源 として 発 生 した 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 は 東 日 本 大 震 災 を 引 き 起 こし 東 北 から 関 東 にかけての 東 日 本 一 帯 で 死 者 行 方 不 明 者 が 2 万 人 を 越 える 甚 大 な 被 害 をもたらしました この 地 震 は 牡 鹿 半 島 の 東 南 東 約 130km 付 近 ( 三 陸 沖 )の 深 さ 約 24km を 震 源 として 太 平 洋 プレートと 北 アメリカプレートの 境 界 域 ( 日 本 海 溝 付 近 )における 海 溝 型 地 震 で 震 源 域 は 東 北 地 方 から 関 東 地 方 にかけての 太 平 洋 沖 の 幅 約 200km 長 さ 約 500km の 広 範 囲 にわたっています 地 震 の 規 模 を 示 すマグニチュード 1 ( 以 下 M とする )は 9.0 で 大 正 関 東 地 震 (1923 年 ) の 約 45 倍 兵 庫 県 南 部 地 震 (1995 年 ) の 約 1450 倍 のエネルギーの 地 震 でした これは 日 本 国 内 においては 大 正 関 東 地 震 の M7.9 や 昭 和 三 陸 地 震 (1933 年 ) の M8.4 を 上 回 る 観 測 史 上 最 大 であるとともに 世 界 でも スマトラ 島 沖 地 震 (2004 年 ) 以 来 の 規 模 で 1900 年 以 降 でも 4 番 目 に 大 きな 巨 大 地 震 でした この 規 模 の 地 震 を 専 門 家 も 予 想 しておらず 自 治 体 の 対 策 住 民 の 普 段 か らの 心 構 え 発 生 時 の 対 応 等 にさまざまな 課 題 を 残 したものとなっています いつ どこで 地 震 が 発 生 してもおかしくない 状 況 にあり 私 達 は 地 震 が 発 生 しても できるだけ 冷 静 に 対 応 できるように 日 頃 から 様 々な 対 策 を 講 じる 必 要 があります 1 マグニチュード( M とも 表 記 )とは 地 震 の 規 模 を 示 す 値 で 震 央 ( 震 源 の 真 上 の 地 表 ) から 100km の 位 置 に 設 置 してある 地 震 計 の 記 録 を 対 数 で 表 した 数 値 です 2) 建 築 物 耐 震 改 修 促 進 法 による 建 築 物 の 耐 震 化 促 進 の 必 要 性 東 日 本 大 震 災 の 被 害 は 地 震 の 揺 れによる 建 物 倒 壊 に 伴 うものより 津 波 による 被 害 が 大 きかったといわれています これに 対 して 1995 年 ( 平 成 7 年 1 月 )に 発 生 した 阪 神 淡 路 大 震 災 では 地 震 により 6,435 名 の 尊 い 犠 牲 者 と 約 24 万 棟 に 及 ぶ 住 宅 建 築 物 の 倒 壊 等 甚 大 な 被 害 をもたらしました このうち 地 震 による 直 接 的 な 死 者 数 は 5,502 人 であり さらにこの 約 9 割 の 4,831 人 が 住 宅 建 築 物 の 倒 壊 等 によるものであ りました 1

阪 神 淡 路 大 震 災 の 人 的 建 築 物 被 害 阪 神 淡 路 大 震 災 の 被 害 直 後 の 死 亡 者 の 死 因 区 分 被 害 数 死 因 死 者 数 ( 人 ) 死 者 ( 人 ) 6,435 家 屋 家 具 類 等 の 倒 壊 による 行 方 不 明 ( 人 ) 3 圧 迫 死 と 思 われるもの 4,831 88% 負 傷 者 ( 人 ) 43,792 焼 死 体 ( 火 傷 死 体 ) 及 びその 家 屋 全 壊 ( 棟 ) 104,906 疑 いのあるもの 550 10% 家 屋 半 壊 ( 棟 ) 144,274 その 他 121 2% 焼 損 棟 数 ( 棟 ) 7,574 合 計 5,502 ( 阪 神 淡 路 大 震 災 について 消 防 庁 ) ( 平 成 7 年 警 察 白 書 ) この 時 に 大 きな 被 害 を 受 けた 住 宅 建 築 物 は 昭 和 56 年 5 月 31 日 以 前 に 建 築 され た 新 耐 震 基 準 ( 昭 和 56 年 6 月 1 日 施 行 ) 2 に 適 合 していない 住 宅 建 築 物 でした このような 経 緯 から 平 成 17 年 9 月 に 国 の 中 央 防 災 会 議 で 決 定 された 建 築 物 の 耐 震 化 緊 急 対 策 方 針 において 建 築 物 の 耐 震 改 修 は 全 国 的 に 取 り 組 むべき 社 会 全 体 の 国 家 的 な 緊 急 課 題 に 位 置 付 けられました 2 新 耐 震 基 準 とは 昭 和 53 年 の 宮 城 県 沖 地 震 後 それまでの 耐 震 基 準 が 抜 本 的 に 見 直 され 昭 和 56 年 6 月 1 日 に 施 行 された 現 行 の 耐 震 基 準 を 指 します 中 小 破 壊, 16.7% 昭 和 57 年 以 降 に 建 設 軽 微 無 被 害, 74.7% 大 破 壊 倒 壊, 8.7% 昭 和 56 年 以 前 に 建 設 軽 微 無 被 害, 34.2% 中 小 破 壊, 37.3% 大 破 壊 倒 壊, 28.6% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 軽 微 無 被 害 中 小 破 壊 大 破 壊 倒 壊 ( 出 典 : 平 成 7 年 阪 神 淡 路 大 震 災 建 築 震 災 調 査 委 員 会 報 告 ) 図 1 建 築 年 次 の 違 いによる 被 害 状 況 差 2

3) 建 築 物 の 耐 震 改 修 の 促 進 に 関 する 法 律 の 改 正 平 成 7 年 の 阪 神 淡 路 大 震 災 の 教 訓 を 踏 まえて 建 築 物 の 地 震 に 対 する 安 全 性 の 向 上 を 目 的 とした 建 築 物 の 耐 震 改 修 の 促 進 に 関 する 法 律 ( 以 下 耐 震 改 修 促 進 法 と いう )が 制 定 されましたが その 必 要 性 にもかかわらず 危 機 意 識 の 低 さや 費 用 技 術 的 な 問 題 等 によって 住 宅 建 築 物 の 耐 震 化 が 思 うように 進 んでいないのが 実 情 です そこで 中 央 防 災 会 議 ( 平 成 17 年 3 月 )や 地 震 防 災 推 進 会 議 ( 平 成 17 年 6 月 )の 提 言 を 踏 まえ 平 成 18 年 1 月 26 日 に 耐 震 改 修 促 進 法 が 改 正 施 行 されました こ の 改 正 により 以 下 のような 国 の 基 本 方 針 が 示 され 各 都 道 府 県 には 耐 震 改 修 促 進 計 画 の 策 定 が 義 務 付 けられ 市 町 村 には 策 定 の 努 力 義 務 が 課 せられました 建 築 物 の 耐 震 診 断 及 び 耐 震 改 修 の 促 進 を 図 るための 基 本 方 針 ( 平 成 18 年 1 月 ) 抜 粋 不 特 定 多 数 の 者 が 利 用 する 建 築 物 等 の 所 有 者 には 耐 震 診 断 改 修 の 努 力 義 務 がある 所 有 者 が 耐 震 改 修 計 画 を 申 請 し 認 定 された 耐 震 改 修 工 事 については 耐 震 関 係 規 定 以 外 の 不 適 格 事 項 があっても 適 用 しない 特 例 を 設 ける 国 土 交 通 大 臣 が 基 本 方 針 を 策 定 し 地 方 公 共 団 体 は 耐 震 改 修 促 進 計 画 を 策 定 するこ とで 計 画 的 に 耐 震 化 を 促 進 する 耐 震 改 修 促 進 法 の 改 正 ( 平 成 18 年 1 月 26 日 施 行 )の 概 要 計 画 的 な 耐 震 化 の 推 進 改 正 のポイント 国 は 基 本 方 針 を 作 成 し 地 方 公 共 団 体 は 耐 震 改 修 促 進 計 画 を 作 成 都 道 府 県 義 務 づけ 市 町 村 努 力 義 務 建 築 物 に 対 する 指 導 等 の 強 化 道 路 を 閉 塞 させる 住 宅 建 築 物 に 指 導 助 言 を 実 施 地 方 公 共 団 体 による 指 示 等 の 対 象 に 学 校 老 人 ホーム 等 を 追 加 地 方 公 共 団 体 の 指 示 に 従 わない 特 定 建 築 物 を 公 表 倒 壊 の 危 険 性 の 高 い 特 定 建 築 物 については 建 築 基 準 法 により 改 修 を 命 令 支 援 措 置 の 拡 充 耐 震 改 修 計 画 の 認 定 対 象 に 一 定 の 改 築 を 伴 う 耐 震 改 修 工 事 等 を 追 加 耐 震 改 修 支 援 センターによる 耐 震 改 修 に 係 る 情 報 提 供 等 期 待 できる 効 果 地 震 による 死 者 数 経 済 被 害 が 減 少 東 海 地 震 の 被 害 の 軽 減 東 南 海 南 海 地 震 の 被 害 の 軽 減 ( 耐 震 化 の 効 果 ) ( 耐 震 化 の 効 果 ) 死 者 数 :6,700 人 3,200 人 死 者 数 :6,600 人 2,900 人 経 済 被 害 :11.6 兆 円 減 少 経 済 被 害 :18.8 兆 円 減 少 建 築 物 の 耐 震 化 により 緊 急 輸 送 道 路 や 避 難 路 を 確 保 仮 設 住 宅 やがれきの 減 少 が 図 られ 早 期 の 復 旧 復 興 に 寄 与 3

4) 計 画 策 定 の 目 的 と 期 間 平 成 19 年 3 月 に 熊 本 県 建 築 物 耐 震 改 修 促 進 計 画 ( 以 下 県 促 進 計 画 という ) が 策 定 されたことに 伴 い 町 においても 耐 震 化 の 目 標 や 施 策 地 震 に 対 する 安 全 性 の 啓 発 普 及 及 び 措 置 等 の 事 項 を 定 め 平 成 24 年 度 から 平 成 27 年 度 までの 3 ヵ 年 を 計 画 期 間 とした 玉 東 町 建 築 物 耐 震 改 修 促 進 計 画 ( 以 下 町 促 進 計 画 という )を 策 定 しました 町 促 進 計 画 は いつ 大 地 震 が 発 生 してもおかしくない 状 況 にあるとの 認 識 の もと 地 震 による 建 築 物 の 倒 壊 被 害 から 住 民 の 生 命 身 体 及 び 財 産 を 保 護 するため 町 内 にある 特 定 建 築 物 や 住 宅 町 有 建 築 物 について 建 築 基 準 法 耐 震 基 準 に 照 らした 現 状 把 握 や 耐 震 化 の 状 況 今 後 の 目 標 耐 震 改 修 の 促 進 にあたっての 実 施 施 策 等 について 検 討 し 町 における 耐 震 改 修 促 進 計 画 を 策 定 するものです これにより 町 では 地 震 に 対 する 安 全 性 の 啓 発 普 及 及 び 措 置 等 の 事 項 を 定 め 耐 震 化 の 目 標 と 目 標 達 成 に 向 けた 取 組 みを 計 画 します 5) 計 画 の 位 置 づけ 町 促 進 計 画 は 耐 震 改 修 促 進 法 ならびに 県 促 進 計 画 を 勘 案 し 耐 震 化 の 目 標 や 施 策 地 震 に 対 する 安 全 性 の 啓 発 普 及 や 措 置 等 の 事 項 を 定 め 町 における 耐 震 診 断 耐 震 改 修 の 促 進 に 関 する 施 策 の 方 向 性 を 示 すマスタープランとして 位 置 づけを 行 うものです 併 せて 玉 東 町 地 域 防 災 計 画 ( 以 下 町 防 災 計 画 という )における 震 災 対 策 等 と 整 合 を 図 り 定 めるものです 建 築 基 準 法 ( 新 耐 震 基 準 ) ( 昭 和 56 年 6 月 ) 災 害 対 策 基 本 法 ( 昭 和 36 年 ) 防 災 基 本 計 画 ( 昭 和 36 年 ) 建 築 物 の 耐 震 改 修 の 促 進 に 関 する 法 律 ( 平 成 18 年 1 月 ) 建 築 物 の 耐 震 診 断 及 び 耐 震 改 修 の 促 進 を 図 る ための 基 本 的 な 方 針 ( 平 成 18 年 1 月 ) 中 央 防 災 会 議 建 築 物 の 耐 震 化 に 関 する 緊 急 対 策 方 針 東 海 東 南 海 南 海 地 震 に 関 する 地 域 防 災 戦 略 ( 平 成 17 年 3 月 ) 熊 本 県 地 域 防 災 計 画 ( 平 成 18 年 4 月 ) 熊 本 県 建 築 物 耐 震 改 修 促 進 計 画 ( 平 成 19 年 3 月 ) 玉 東 町 地 域 防 災 計 画 ( 平 成 23 年 6 月 ) 玉 東 町 建 築 物 耐 震 改 修 促 進 計 画 ( 平 成 24 年 1 月 ) 4

第 2 章 町 における 地 震 被 害 の 想 定

第 2 章 町 における 地 震 被 害 の 想 定 1) 地 震 の 原 因 となる 活 断 層 群 熊 本 県 には 我 が 国 の 主 な 活 断 層 の 中 で 今 後 30 年 の 間 に 大 規 模 地 震 が 発 生 する 可 能 性 が 高 いグループに 属 している 布 田 川 日 奈 久 断 層 帯 や やや 高 いグループに 属 し ている 人 吉 盆 地 南 縁 断 層 出 水 断 層 帯 をはじめ 多 くの 活 断 層 が 県 内 を 縦 横 断 してい ます また 町 に 震 災 の 影 響 を 及 ぼす 活 断 層 として 対 岸 の 島 原 半 島 にも 雲 仙 断 層 群 が 存 在 します 図 2 熊 本 県 内 の 活 断 層 町 の 南 東 に 位 置 する 布 田 川 日 奈 久 断 層 帯 に 沿 う 被 害 地 震 についてみると 断 層 帯 の 北 東 端 である 荒 尾 山 の 南 外 輪 山 付 近 で 1894 年 と 1895 年 にいずれもマグニチュ ド 6.3 の 地 震 が また 南 西 側 の 八 代 ~ 水 俣 付 近 では 1619 年 にM6.2 の 地 震 が 発 生 し 家 屋 等 に 被 害 が 生 じました この 付 近 では 1916 年 の 地 震 (M6.1)や 1931 年 の 群 発 地 震 ( 最 大 M5.9)でも 石 垣 の 崩 壊 などの 被 害 が 生 じています 県 内 の 浅 いところ で 発 生 した 地 震 はM6 程 度 以 下 であり 地 震 に 対 応 した 地 表 での 明 瞭 なずれが 確 認 さ 5

れた活断層は見つかっていません 島原半島は 1792 年に雲仙普賢岳の噴 火活動に伴ってたびたび地震が発生しま した 1792 年 4 月頃より島原半島周辺 で有感地震が頻発し 5 月 21 日にはM6 4 の最大の地震が発生しています この 地震が引き金となって古い溶岩ドームで ある眉山 当時前山 の一部が大崩壊し ました 崩壊した山体は有明海に流れこ んで 津波を発生させ 有明海沿岸に甚大 な被害を及ぼしました この噴火活動の 前から島原半島西部 千々石湾 橘湾 付近を震源とする群発地震活動があり 1791 年 12 月の地震では島原半島西部の 小浜で家屋が倒壊して 2 名が死亡しています なお 1990 年から始まった雲仙普賢 岳の最新の噴火活動 平成 3 年雲仙岳噴火 でも 噴火約 1 年前から島原半島西部 千々石湾で活発な地震活動がありましたが 地震の規模は小さく被害はありませんで した 島原半島周辺では直接噴火活動に結びつかない群発地震もたびたび発生してい ます 町は 1922 年の島原半島の地震 M6.9 M6.5 のように 県外周辺地域で発 生した地震によって被害を受けることもあります 図 3 雲仙断層群分布詳細図 右上は布田川 比奈久断層群分布詳細図 6

発 生 年 月 日 表 1 国 内 の 主 たる 地 震 発 生 状 況 ( 福 岡 西 方 沖 地 震 発 生 以 降 M4 以 上 ) M 震 央 地 名 地 震 名 人 的 被 害 物 的 被 害 2006 年 4 月 21 日 5.8 伊 豆 半 島 東 方 沖 負 3 水 道 管 漏 水 6 戸 など 4 2006 年 4 月 22 日 4.6 宮 城 県 沖 負 1 なし 4 2006 年 5 月 15 日 4.5 和 歌 山 県 北 部 負 1 ブロック 塀 倒 壊 など 4 2006 年 6 月 12 日 6.2 大 分 県 西 部 負 8 住 家 一 部 破 損 5 棟 5 弱 2007 年 3 月 25 日 6.9 能 登 半 島 沖 死 1 住 家 全 壊 686 棟 能 登 半 島 地 震 負 356 住 家 半 壊 1,740 棟 など 2007 年 4 月 15 日 5.4 三 重 県 中 部 負 13 住 家 一 部 破 損 122 棟 5 強 2007 年 6 月 6 日 4.9 大 分 県 中 部 負 1 水 道 管 漏 水 3 戸 4 2007 年 7 月 16 日 6.8 新 潟 県 上 中 越 沖 死 15 住 家 全 壊 1,331 棟 新 潟 県 中 越 沖 地 震 負 2,346 住 家 半 壊 5,709 棟 など 2007 年 8 月 16 日 5.3 千 葉 県 東 方 沖 負 1 なし 4 2007 年 8 月 18 日 4.8 千 葉 県 南 部 負 1 なし 5 弱 2007 年 10 月 1 日 4.9 神 奈 川 県 西 部 負 2 住 家 一 部 破 損 5 棟 5 強 2008 年 3 月 8 日 5.2 茨 城 県 北 部 負 1 なし 4 2008 年 4 月 29 日 5.7 青 森 県 東 方 沖 負 2 なし 4 2008 年 5 月 8 日 7.0 茨 城 県 沖 負 6 なし 5 弱 2008 年 6 月 13 日 4.7 長 野 県 南 部 負 1 なし 4 2008 年 6 月 14 日 7.2 2008 年 7 月 24 日 6.8 岩 手 県 沿 岸 北 部 2009 年 8 月 11 日 6.5 駿 河 湾 岩 手 県 内 陸 南 部 死 17 不 明 6 住 家 全 壊 30 棟 岩 手 宮 城 内 陸 地 震 負 426 住 家 半 壊 146 棟 など 死 1 負 211 死 1 負 319 住 家 全 壊 1 棟 住 家 一 部 破 損 379 棟 住 家 半 壊 6 棟 住 家 一 部 破 損 8,672 棟 最 大 震 度 2009 年 12 月 17 日 5.0 5 弱 伊 豆 半 島 東 方 沖 負 7 住 家 一 部 破 損 278 棟 2009 年 12 月 18 日 5.1 5 弱 2010 年 2 月 27 日 7.2 沖 縄 本 島 近 海 負 2 住 家 一 部 破 損 4 棟 5 弱 2010 年 3 月 13 日 5.5 福 島 県 沖 負 2 なし 4 2010 年 3 月 14 日 6.7 福 島 県 沖 負 1 住 家 一 部 破 損 2 棟 5 弱 死 15,836 2011 年 3 月 11 日 9.0 東 日 本 大 震 災 27 万 棟 以 上 ( 推 測 値 ) 7 不 明 3,650 赤 字 は 気 象 庁 が 命 名 した 地 震 名 出 典 : 一 部 気 象 庁 資 料 をとりまとめ 6 強 6 強 6 強 6 弱 6 弱 7

2) 地 震 の 揺 れと 規 模 の 関 係 地 震 の 揺 れは 震 源 断 層 で 破 壊 が 起 こり その 破 壊 で 生 じた 揺 れが 地 下 の 岩 盤 を 通 じ て 地 表 面 付 近 の 層 に 伝 わり 表 層 地 盤 によって 揺 れが 増 幅 され 地 表 に 伝 わります 揺 れの 大 きさは 震 源 断 層 から 地 表 面 付 近 まで 概 ね 震 源 断 層 からの 距 離 に 応 じて 減 衰 していきます 表 層 地 盤 では 揺 れの 増 幅 の 仕 方 が 表 層 地 盤 の 性 状 によってかなり 異 な ります 一 般 的 には 表 層 地 盤 が 軟 らかければ 揺 れは 増 幅 しやすく 硬 ければ 増 幅 しに くい 傾 向 があります 地 形 が 大 きく 変 化 するような 場 所 では 数 十 m 離 れただけでも 揺 れ 方 が 大 きく 変 わることがあります 図 4 地 震 の 揺 れの 伝 わり 方 のイメージ 一 般 には 地 震 の 規 模 (M)が 大 きい( 震 源 特 性 )ほど また 震 源 から 近 い( 伝 播 経 路 )ほど 地 震 による 揺 れは 大 きくなります しかし M や 震 源 からの 距 離 が 同 じであ っても 表 層 地 盤 の 違 い( 地 盤 特 性 )によって 揺 れの 強 さは 大 きく 異 なり 表 層 地 盤 が 軟 らかな 場 所 では 硬 い 場 所 に 比 べて 揺 れは 大 きくなります この 効 果 を ここでは 表 層 地 盤 の 揺 れやすさ と 表 現 しています 8

3) 表 層 地 盤 の 揺 れやすさ 町 域 の 表 層 地 盤 は 北 端 部 南 端 部 と 国 道 208 号 線 が 東 西 に 位 置 する 中 間 部 とで は 大 きく 異 なっています 図 5 に 示 すように 北 端 部 南 端 部 は 強 固 な 地 盤 からなる 山 地 丘 陵 地 形 をなしており 中 間 部 は 河 川 が 平 行 に 流 れる 谷 底 平 野 と 低 地 山 麓 からなる 平 野 地 域 山 麓 地 域 となっています 4) 震 源 と 震 度 階 図 5 表 層 地 盤 図 町 に 震 災 の 影 響 を 及 ぼす 活 断 層 として 町 の 南 東 に 位 置 する 布 田 川 日 奈 久 断 層 帯 と 対 岸 の 島 原 半 島 の 雲 仙 断 層 群 があります これら 二 つの 断 層 を 震 源 とした 地 震 が 発 生 し 3 た 場 合 の 町 内 の 震 度 階 分 布 を 図 に 示 します 想 定 されるマグニチュードは 国 の 研 究 機 関 である 地 震 調 査 研 究 推 進 本 部 が 設 定 した 数 値 を 用 いるものとします 9

図 6 雲 仙 断 層 群 北 部 震 源 (M6.6)に よる 予 想 震 度 階 分 布 図 7 布 田 川 日 奈 久 断 層 帯 南 西 部 震 源 (M7.3)による 予 想 震 度 階 分 布 図 8 両 断 層 が 同 時 に 震 源 として 活 動 した 場 合 の 予 想 震 度 階 分 布 ( 今 後 50 年 以 内 で 2%の 発 生 確 率 ) 10

3 震 度 階 とは ある 地 点 での 地 震 の 強 さを 示 す 数 値 で 地 震 の 揺 れの 程 度 を 表 します 震 度 階 は 震 度 0~7 に 評 価 され 5 と 6 は 強 弱 に 分 類 され 全 10 段 階 で 評 価 しています 図 9 震 度 について 玉 東 町 地 震 防 災 マップより 11

第 3 章 町 内 建 築 物 耐 震 化 の 現 状 と 目 標 の 設 定

第 3 章 町 内 建 築 物 耐 震 化 の 現 状 1) 建 築 物 耐 震 改 修 促 進 計 画 における 建 築 物 の 定 義 県 促 進 計 画 では 建 築 基 準 法 等 の 耐 震 関 係 規 定 に 適 合 していない 新 耐 震 基 準 施 行 ( 昭 和 56 年 5 月 31 日 ) 以 前 に 建 設 された 既 存 建 築 物 の 現 状 を 把 握 し 耐 震 強 度 が 不 足 し て 耐 震 化 を 図 るべき 既 存 建 築 物 の 比 率 により 耐 震 化 率 4 を 推 計 しています 対 象 とする 5 建 築 物 は 住 宅 民 間 特 定 建 築 物 及 び 町 有 建 築 物 で これらの 定 義 は 以 下 のとおりで す 表 2 調 査 対 象 となる 建 築 物 の 定 義 項 目 内 容 一 般 住 宅 住 宅 及 び 共 同 住 宅 6 1 号 特 定 建 築 物 不 特 定 多 数 の 人 が 利 用 する 建 築 物 等 特 定 建 築 物 ( 民 間 ) 7 政 令 で 定 める 数 量 以 上 の 危 険 物 の 貯 蔵 場 2 号 特 定 建 築 物 又 は 処 理 場 の 用 途 に 供 する 建 築 物 9 8 倒 壊 時 緊 急 輸 送 道 路 を 閉 塞 するおそ 3 号 特 定 建 築 物 れのある 建 築 物 地 震 時 拠 点 施 設 となる 建 築 物 町 庁 舎 防 災 計 画 で 設 定 された 避 難 予 定 場 所 等 要 支 援 者 が 利 用 する 建 築 物 上 記 以 外 に 該 当 する 学 校 福 祉 施 設 等 町 有 建 築 物 不 特 定 多 数 が 利 用 する 建 築 物 町 立 病 院 資 料 館 等 町 営 住 宅 等 町 営 住 宅 改 良 住 宅 その 他 上 記 以 外 の 町 有 建 築 物 4 耐 震 化 率 とは 耐 震 性 のある 建 物 棟 数 を 全 建 物 数 で 除 した 割 合 をいいます 5 特 定 建 築 物 とは 改 正 促 進 法 第 6 条 に 基 づく 建 築 物 であり 現 行 の 耐 震 基 準 に 適 合 しな い 建 築 物 を 指 します 町 促 進 計 画 では 耐 震 性 の 有 無 に 関 わらず 改 正 促 進 法 第 6 条 に 定 め る 規 模 要 件 を 満 たす 建 築 物 を 特 定 建 築 物 として 扱 っています 6 1 号 特 定 建 築 物 とは 特 定 建 築 物 のうち 多 数 の 者 が 利 用 するなど 一 定 の 用 途 で 一 定 の 規 模 以 上 の 建 築 物 を 指 します ( 表 3 参 照 ) 7 2 号 特 定 建 築 物 とは 特 定 建 築 物 のうち 政 令 で 定 める 数 量 以 上 の 危 険 物 ( 表 4 5 参 照 ) の 貯 蔵 場 又 は 処 理 場 の 用 途 に 供 する 建 築 物 を 指 します 8 3 号 特 定 建 築 物 とは 特 定 建 築 物 のうち 地 震 によって 倒 壊 した 場 合 においてその 敷 地 に 接 する 緊 急 輸 送 道 路 の 通 行 を 妨 げ 多 数 の 者 の 円 滑 な 避 難 を 困 難 とするおそれがある 一 定 の 高 さを 超 える 建 築 物 を 指 します ( 表 6 図 10 参 照 ) 9 緊 急 輸 送 道 路 とは 震 災 時 に 円 滑 な 避 難 及 び 救 援 活 動 を 確 保 すべき 必 要 のある 道 路 を 指 し 町 促 進 計 画 においては 県 が 指 定 した 道 路 を 指 します ( 表 7 図 11 参 照 ) 12

種 別 1 号 表 3 1 号 特 定 建 築 物 一 覧 用 途 小 学 校 中 学 校 高 等 教 育 学 校 の 前 期 課 程 盲 学 校 聾 学 校 若 しくは 養 護 学 校 上 記 以 外 の 学 校 体 育 館 ( 一 般 公 共 の 用 に 供 されるもの) ボーリング 場 スケート 場 水 泳 場 その 他 これらに 類 する 運 動 施 設 病 院 診 療 所 劇 場 観 覧 場 映 画 館 演 芸 場 集 会 場 公 会 堂 展 示 場 卸 売 市 場 百 貨 店 マーケットその 他 の 物 品 販 売 業 を 営 む 店 舗 ホテル 旅 館 賃 貸 住 宅 ( 共 同 住 宅 に 限 る) 寄 宿 舎 下 宿 事 務 所 老 人 ホーム 老 人 短 期 入 所 施 設 身 体 障 害 者 福 祉 ホームその 他 これらに 類 するもの 老 人 福 祉 センター 児 童 厚 生 施 設 身 体 障 害 者 福 祉 センターその 他 これ らに 類 するもの 幼 稚 園 保 育 所 博 物 館 美 術 館 図 書 館 遊 技 場 公 衆 浴 場 飲 食 店 キャバレー 料 理 店 ナイトクラブダンスホールその 他 これ らに 類 するもの 理 髪 店 質 屋 貸 衣 装 屋 銀 行 その 他 これらに 類 するサービス 業 を 営 む 店 舗 工 場 ( 危 険 物 の 貯 蔵 所 又 は 処 理 場 の 用 途 に 供 する 建 築 物 を 除 く) 車 両 の 停 車 場 又 は 船 舶 若 しくは 航 空 機 の 発 着 場 を 構 成 する 建 築 物 で 旅 客 の 乗 降 又 は 待 合 の 用 に 供 するもの 自 動 車 車 庫 その 他 の 自 動 車 又 は 自 転 車 の 停 留 又 は 駐 車 のための 施 設 郵 便 局 保 健 所 税 務 署 その 他 これらに 類 する 公 益 上 必 要 な 建 築 物 規 模 要 件 階 数 2 以 上 かつ 1,000 m2 以 上 階 数 3 以 上 かつ 1,000 m2 以 上 1,000 m2 以 上 階 数 3 以 上 かつ 1,000 m2 以 上 階 数 2 以 上 かつ 1,000 m2 以 上 階 数 2 以 上 かつ 500 m2 以 上 階 数 3 以 上 かつ 1,000 m2 以 上 13

表 4 2 号 特 定 建 築 物 要 件 種 別 用 途 特 定 建 築 物 の 規 模 要 件 2 号 危 険 物 の 貯 蔵 場 又 は 処 理 場 の 用 途 に 供 する 建 築 物 種 別 第 2 号 第 2 号 政 令 で 定 める 数 量 以 上 の 危 険 物 を 貯 蔵 処 理 する 全 ての 建 築 物 表 5 2 号 特 定 建 築 物 となる 危 険 物 の 貯 蔵 場 又 は 処 理 場 の 用 途 及 び 数 量 政 令 第 3 条 第 危 険 物 の 種 類 数 量 2 項 火 薬 10 トン 爆 薬 5 トン 工 業 雷 管 若 しくは 電 気 雷 管 又 は 信 号 雷 管 50 万 個 銃 用 雷 管 500 万 個 実 包 若 しくは 空 包 信 管 若 しくは 火 管 又 第 1 号 火 薬 類 は 電 気 導 火 線 5 万 個 導 爆 線 又 は 導 火 線 500 キロメートル 信 号 炎 管 若 しくは 信 号 火 箭 又 は 煙 火 2 トン その 他 火 薬 又 は 爆 薬 を 使 用 した 火 工 品 当 該 火 工 品 の 原 料 となる 火 薬 又 は 爆 薬 の 区 分 に 応 じ それぞれ 火 薬 爆 薬 に 定 める 数 量 石 油 類 消 防 法 第 2 条 第 7 項 に 規 定 する 危 険 物 ( 石 油 類 を 除 く) 危 険 物 の 規 制 に 関 する 政 令 別 表 第 3 の 類 別 の 欄 に 掲 げる 類 品 名 の 欄 に 掲 げる 品 名 及 び 性 質 の 欄 に 掲 げ る 性 状 に 応 じ それぞれ 同 表 の 指 定 数 量 の 欄 に 定 め る 数 量 の 10 倍 の 数 量 第 3 号 危 険 物 の 規 制 に 関 する 政 令 別 表 第 4 備 考 第 6 号 に 規 定 する 可 燃 性 個 体 類 30 トン 第 4 号 危 険 物 の 規 制 に 関 する 政 令 別 表 第 4 備 考 第 8 号 に 規 定 する 可 燃 性 液 体 類 20 立 方 メートル 第 5 号 マッチ 300 マッチトン 1 第 6 号 可 燃 ガス ( 第 7 号 第 8 号 に 掲 げるものは 除 く) 2 万 立 方 メートル 第 7 号 圧 縮 ガス 20 万 立 方 メートル 第 8 号 液 化 ガス 2,000 トン 第 9 号 毒 物 及 び 劇 物 取 締 法 第 2 条 第 1 項 に 規 定 する 毒 物 20 トン 第 10 号 毒 物 及 び 劇 物 取 締 法 第 2 条 第 2 項 に 規 定 する 劇 物 ( 液 体 又 は 気 体 のものに 限 る) 200 トン 1 マッチトンはマッチの 計 量 単 位 1 マッチトンは 並 型 マッチ(56 36 17mm)で 7200 個 約 120kg 14

表 6 3 号特定建築物要件 種別 用 途 規模要件 3号 地震によって倒壊した場合においてその敷地に接する道路の通行 を妨げ 多数の者の円滑な避難を困難とするおそれがあり その敷 地が熊本県耐震改修促進計画に記載された道路に接する建築物 全ての建築物 町促進計画における 3 号特定建築物とは 熊本県緊急輸送道路ネットワーク 10 で 定められた緊急輸送道路の沿道に立地し 地震災害発生時に倒壊した場合 道路を閉塞 する可能性がある建築物です 緊急輸送道路とは 地震災害発生後に緊急輸送を円滑か つ確実に行うために指定する道路のことで 県促進計画でも 沿道の建築物の耐震化の 促進が位置づけられています 閉塞する可能性とは 前面道路の幅員が 12m 以上であ れば道路幅員の 1/2 の高さ以上の建築物が該当し 前面道路の幅員が 12m 以下であれ ば高さ 6m 以上 2 階建て相当 の建築物が該当します 図 10 3 号特定建築物イメージ 10 県促進計画において表 7 図 11 に示すとおり 国道及び県道を対象に緊急輸送道路を指定 して 熊本県緊急輸送道路ネットワーク を作成しています 緊急輸送道路は 改正促進 法第 5 条第 3 項第 1 号に規定された大規模な地震が発生した場合に 避難 救助をはじめ 物資の供給 諸施設の復旧等広範な応急対策活動を広域的に実施するため 非常事態に対応 した交通の確保を図ることを目的に設定された道路です 町においてもこれらの道路は 災 害時の重要な輸送道路であり 通行を確保するためにも沿道の建築物の耐震化を積極的に進 める必要があります 15

表 7 機能区分 県緊急輸送道路ネットワーク概要 県緊急輸送道路ネットワーク 県内外の広域的な輸送に不可欠な高速自動車国道 一般国道 第一次緊急輸送道路 指定区間 と高速自動車国道インターチェンジ及び輸送拠点 等とを結ぶ幹線道路 第二次緊急輸送道路 第一次道路とネットワークを構成し 町庁舎 警察署 消防署 などの防災活動拠点となる施設を相互に接続する幹線道路 図 11 熊本県緊急輸送道路ネットワーク図 出展 熊本県建築物耐震改修促進計画 16

町内を東西に位置する国道 208 号線が 県の指定する緊急輸送道路です その近隣 には拠点施設となる町庁舎や 避難施設となる小学校等が位置します 災害時には 各 施設を結ぶ幹線となるため 沿道にある建築物で前述 3 号特定建築物に該当する建築物 については 耐震化の促進を図る必要があります 緊急輸送道路 避難施設 図 12 緊急輸送道路 国道 208 号線 と避難施設 2 既存建築物の耐震化状況調査 ①調査対象となる建築物 町促進計画における対象建築物の耐震化の現状について 県が定める対象建築物ごと に耐震化の実態を推計し 耐震化率を把握します 町促進計画においても 調査の対象 となる既存建築物について 新耐震基準法施行の昭和 56 年 6 月 1 日以降に建設された ものを新耐震基準に適合した建築物として耐震性能のある建築物とみなし 耐震性能 を有する建築物 と定義します また 昭和 56 年 5 月 31 日以前建設の建築物でも 耐震診断で耐震性能があると判断された場合は 耐震性能を有する建築物 として取 り扱います 調査の対象は 町内の 一般住宅 耐震改修促進法第 6 条に定める民間特定建築物 及び 町有建築物 とします 17

2 町 内 一 般 住 宅 耐 震 化 の 現 状 町 庁 内 データより 全 住 宅 を 2,071 棟 と 推 計 しました 各 住 宅 を 建 設 時 期 が 昭 和 56 年 以 前 の 旧 耐 震 設 計 による 住 宅 を 1,285 棟 と 推 計 し 昭 和 57 年 以 降 の 新 耐 震 設 計 による 住 宅 を 786 棟 と 推 計 しました 町 内 では 昭 和 56 年 以 前 建 設 の 住 宅 が 非 常 に 多 く その 結 果 38.0% 程 度 の 耐 震 化 率 しかないことになります 表 8 地 区 別 耐 震 化 率 ( 補 正 前 ) 平 成 23 年 度 庁 内 データ 大 字 名 昭 和 56 年 以 前 昭 和 57 年 以 降 耐 震 化 率 合 計 木 造 非 木 造 小 計 木 造 非 木 造 小 計 木 造 非 木 造 合 計 浦 田 16-16 6-6 22 27.3% 0.0% 27.3% 上 木 葉 83 5 88 69 6 75 163 45.4% 54.5% 46.0% 木 葉 281 14 295 210 27 237 532 42.8% 65.9% 44.5% 山 口 73 1 74 46 3 49 123 38.7% 75.0% 39.8% 稲 佐 118 4 122 149 9 158 280 55.8% 69.2% 56.4% 白 木 112 5 117 35 2 37 154 23.8% 28.6% 24.0% 二 俣 174 5 179 65 13 78 257 27.2% 72.2% 30.4% 上 白 木 79 4 83 29 3 32 115 26.9% 42.9% 27.8% 西 安 寺 49 1 50 28 0 28 78 36.4% 0.0% 35.9% 原 倉 253 8 261 74 12 86 347 22.6% 60.0% 24.8% 合 計 1,238 47 1,285 711 75 786 2,071 36.5% 61.5% 38.0% 国 の 統 計 値 より 昭 和 56 年 以 前 建 設 の 住 宅 の 中 にも 12% 程 は 耐 震 性 があるとされ 補 正 を 加 えると 耐 震 性 能 を 有 する 住 宅 は 940 棟 あると 推 計 でき 耐 震 化 率 は 45%である といえます 18

表 9 町 の 住 宅 耐 推 計 震 化 率 ( 補 正 後 ) 住 宅 総 数 (A) 昭 和 56 年 以 前 に 建 築 さ れた 住 宅 数 (B) 昭 和 57 年 以 降 に 建 築 さ れた 住 宅 数 (C) (B)の 内 耐 震 性 有 (12%) (D) (B)の 内 改 修 済 (E) 耐 震 性 能 を 有 する 住 宅 数 C+D+E = (F) 耐 震 化 率 (%) (F)/(A) 2,071 1,285 786 154 不 明 940 45% D: 耐 震 診 断 を 実 施 した 場 合 耐 震 性 能 が 有 となる( 推 計 耐 震 性 能 有 率 12%) 住 宅 数 E: 耐 震 診 断 の 結 果 耐 震 性 が 無 いとされた 住 宅 で 耐 震 改 修 工 事 を 実 施 した 住 宅 数 600 5 3 2 500 400 300 200 100-271 261 1 6 3 2 8 0 1 2 3 172 1 5 4 231 85 2 2 158 1 1 5 78 58 108 99 8 104 7 8 65 116 14 50 7441 34 浦 田 上 木 葉 44 木 葉 山 口 稲 佐 白 木 二 俣 上 白 木 西 安 寺 昭 和 56 年 以 前 建 設 昭 和 57 年 以 降 建 設 全 建 物 数 原 倉 2 5 7 3 4 7 全 建 物 数 昭 和 57 年 以 降 建 設 昭 和 56 年 以 前 建 設 図 13 一 般 住 宅 地 区 別 分 布 グラフ 3 民 間 特 定 建 築 物 耐 震 化 の 現 状 町 内 の 民 間 特 定 建 築 物 のうち 1 号 及 び 2 号 特 定 建 築 物 に 該 当 する 建 築 物 はありませ ん 町 内 の 県 が 指 定 している 緊 急 輸 送 道 路 は 国 道 208 号 線 です 町 域 での 幅 員 は 12m 未 満 の 箇 所 が 多 く この 208 号 国 道 沿 いにある 高 さ 6m 以 上 の 建 築 物 で 昭 和 56 年 以 前 に 建 設 されたものは 3 号 特 定 建 築 物 となります 調 査 の 結 果 4 棟 が 該 当 します 19

4 町 有 建 築 物 耐 震 化 の 現 状 町 有 建 築 物 は 不 特 定 多 数 の 者 が 利 用 する 施 設 であり 防 災 拠 点 としての 機 能 も 有 す ることから これらの 建 築 物 の 耐 震 化 を 進 めることは 重 要 です 防 災 拠 点 となる 施 設 は 災 害 時 の 対 策 本 部 となる 一 般 庁 舎 や 避 難 施 設 としての 体 育 館 等 のことです 表 10 対 象 町 有 建 築 物 一 覧 床 面 積 No 区 分 建 築 年 耐 震 性 (m2) 1 役 場 庁 舎 本 庁 舎 460 S26 無 特 定 建 築 物 2 公 営 住 宅 上 木 葉 団 地 4011~4 147 S46 無 3 公 営 住 宅 上 木 葉 団 地 4015~8 147 S46 無 4 公 営 住 宅 上 木 葉 団 地 4019~12 132 S46 無 5 公 営 住 宅 上 木 葉 団 地 4021~4 153 S47 無 6 公 営 住 宅 上 木 葉 団 地 4025~8 153 S47 無 7 公 営 住 宅 上 木 葉 団 地 4041~4 153 S48 無 8 公 営 住 宅 上 木 葉 団 地 4045~8 153 S48 無 9 中 央 公 民 館 1,498 S52 有 10 玉 東 中 学 校 本 校 舎 2,610 S41 有 特 定 11 木 葉 小 学 校 体 育 館 624 S51 有 12 山 北 小 学 校 本 校 舎 1,225 S50 有 特 定 13 山 北 小 学 校 体 育 館 722 S56 有 14 役 場 庁 舎 議 会 棟 474 S61 15 町 民 体 育 館 1,399 S60 16 武 道 館 597 S63 17 玉 東 中 学 校 体 育 館 1,153 H17 18 木 葉 小 学 校 本 校 舎 2,550 S57 19 農 産 品 加 工 センター 144 H2 20 公 営 住 宅 猪 の 鼻 団 地 もみじ12 152 H4 21 公 営 住 宅 猪 の 鼻 団 地 もみじ34 152 H4 22 公 営 住 宅 猪 の 鼻 団 地 つばき12 143 H4 23 公 営 住 宅 猪 の 鼻 団 地 つばき34 143 H4 24 公 営 住 宅 猪 の 鼻 団 地 つばき56 143 H4 25 公 営 住 宅 猪 の 鼻 団 地 もみじ56 152 H5 26 公 営 住 宅 猪 の 鼻 団 地 もみじ78 152 H5 20

No 区 分 床 面 積 (m2) 建 築 年 27 公 営 住 宅 猪 の 鼻 団 地 もみじ910 152 H5 28 公 営 住 宅 猪 の 鼻 団 地 つばき78 143 H5 29 公 営 住 宅 猪 の 鼻 団 地 つばき910 143 H5 30 公 営 住 宅 猪 の 鼻 団 地 うめ12 134 H6 31 公 営 住 宅 猪 の 鼻 団 地 うめ34 134 H6 32 公 営 住 宅 猪 の 鼻 団 地 うめ56 134 H6 33 公 営 住 宅 猪 の 鼻 団 地 うめ78 134 H6 34 公 営 住 宅 猪 の 鼻 団 地 集 会 所 70 H6 35 公 営 住 宅 猪 の 鼻 団 地 つつじ12 156 H7 36 公 営 住 宅 猪 の 鼻 団 地 つつじ34 156 H7 37 公 営 住 宅 猪 の 鼻 団 地 つつじ56 156 H7 38 公 営 住 宅 猪 の 鼻 団 地 はなみずき12 145 H7 39 公 営 住 宅 猪 の 鼻 団 地 はなみずき34 145 H7 40 公 営 住 宅 猪 の 鼻 団 地 はなみずき56 145 H7 41 公 営 住 宅 猪 の 鼻 団 地 さくら12 156 H8 42 公 営 住 宅 猪 の 鼻 団 地 さくら34 156 H8 43 公 営 住 宅 猪 の 鼻 団 地 さくら56 155 H8 44 公 営 住 宅 猪 の 鼻 団 地 さくら78 155 H8 45 公 営 住 宅 猪 の 鼻 団 地 さくら910 155 H8 46 公 営 住 宅 稲 佐 団 地 1 棟 584 H16 47 公 営 住 宅 稲 佐 団 地 2 棟 584 H16 48 ふれあいの 丘 デイ 保 健 センター 1,832 H10 耐 震 性 特 定 建 築 物 49 ふれあいの 丘 交 流 センター 1,045 H10 対 象 建 築 物 49 棟 昭 和 56 年 以 前 建 設 13 棟 (うち 耐 震 性 有 5 棟 ) 耐 震 性 有 41 棟 耐 震 化 率 83.7% 21

第 4 章 耐 震 化 に 関 する 基 本 方 針 と 目 標 設 定

第 4 章 耐 震 化 に 関 する 基 本 方 針 と 目 標 設 定 1) 耐 震 化 に 関 する 基 本 方 針 1 耐 震 診 断 および 耐 震 改 修 に 係 る 基 本 的 な 取 り 組 み 方 針 建 築 物 の 耐 震 化 を 促 進 するためには まず 建 築 物 の 所 有 者 等 が 地 域 防 災 対 策 を 自 らの 問 題 地 域 の 問 題 として 意 識 して 取 り 組 むことが 不 可 欠 です 町 では 行 政 や 専 門 家 がサポートすることを 基 本 に 普 及 啓 発 相 談 窓 口 の 充 実 などの 支 援 等 を 講 じ 住 宅 の 耐 震 化 の 促 進 を 図 ることが 必 要 となります 町 は こうした 所 有 者 等 の 取 り 組 みをできる 限 り 支 援 する 観 点 から 所 有 者 等 にとって 耐 震 診 断 および 耐 震 改 修 を 行 い やすい 環 境 の 整 備 や 負 担 軽 減 のための 制 度 の 構 築 など 必 要 な 施 策 を 講 じ 耐 震 診 断 お よび 耐 震 改 修 の 実 施 の 阻 害 要 因 となっている 課 題 を 解 決 していくことを 基 本 方 針 と します 2 住 宅 の 耐 震 化 を 促 進 するための 方 針 住 宅 の 耐 震 化 に 関 する 施 策 として 住 民 にとってもっとも 身 近 な 住 宅 の 耐 震 化 は 住 民 の 生 命 や 財 産 を 保 護 するとともに 地 域 の 防 災 機 能 を 高 めることに 大 きく 貢 献 し ます しかしながら 住 宅 は 耐 震 性 の 不 十 分 なものが 多 数 存 在 します 住 宅 の 耐 震 化 を 進 めるにあたっては まず 所 有 者 自 らが 住 宅 の 耐 震 性 について 意 識 を 持 つことが 重 要 です 町 は 既 存 住 宅 の 耐 震 化 を 促 進 するため 昭 和 56 年 5 月 31 日 以 前 に 着 工 し た 戸 建 て 木 造 住 宅 を 対 象 に 耐 震 化 対 策 の 支 援 を 検 討 します 3 民 間 特 定 建 築 物 の 耐 震 化 を 促 進 するための 方 針 町 には 民 間 特 定 建 築 物 のうち 1 号 及 び 2 号 に 該 当 する 建 築 物 は 無 く 3 号 特 定 建 築 物 のみが 存 在 しています 3 号 特 定 建 築 物 は 地 震 によって 倒 壊 した 場 合 にその 敷 地 に 接 する 道 路 の 通 行 を 妨 げ 円 滑 な 避 難 及 び 救 助 活 動 を 困 難 とするおそれのある 建 築 物 として 規 定 されています この 建 築 物 は 地 震 災 害 時 の 避 難 やその 後 の 救 援 活 動 に 障 害 を 及 ぼす 可 能 性 があります 町 は 3 号 特 定 建 築 物 全 棟 の 耐 震 化 について 検 討 します 22

4 町 有 建 築 物 の 耐 震 化 を 促 進 するための 方 針 町 有 建 築 物 では 庁 舎 等 の 防 災 拠 点 施 設 や 特 定 建 築 物 について 改 正 法 の 趣 旨 を 踏 まえ 計 画 的 に 耐 震 化 を 促 進 するため 耐 震 性 が 不 明 な 建 築 物 について 早 期 に 耐 震 診 断 を 実 施 し 耐 震 化 のための 計 画 を 策 定 し 順 次 耐 震 化 を 行 います なお 特 定 建 築 物 以 外 の 町 有 建 築 物 においても その 用 途 や 規 模 機 能 等 により 耐 震 性 を 確 保 する 必 要 がある 建 築 物 について 耐 震 化 を 促 進 します 地 震 発 生 後 の 災 害 対 策 拠 点 機 能 を 確 保 することや 建 築 物 利 用 者 の 状 況 及 び 建 築 物 の 立 地 状 況 等 による 甚 大 な 被 害 を 軽 減 する 観 点 から 以 下 の 建 築 物 に 対 して 重 点 的 な 取 り 組 みを 計 画 します (ア) 地 域 防 災 計 画 に 位 置 づけられた 防 災 上 重 要 な 建 築 物 (イ) 災 害 時 要 援 護 者 が 利 用 する 建 築 物 23

2) 住 宅 耐 震 化 の 課 題 町 促 進 計 画 において 平 成 27 年 度 までの 対 象 建 築 物 の 耐 震 化 の 目 標 値 について 設 定 し 減 災 効 果 の 検 証 や 目 標 設 定 のための 必 要 な 耐 震 改 修 等 の 事 業 量 の 把 握 など 目 標 値 の 妥 当 性 の 検 討 を 行 う 必 要 があると 考 えられます 国 の 基 本 方 針 及 び 県 において 耐 震 化 については それぞれ 目 標 の 設 定 が 数 値 化 されて います 耐 震 化 率 は 耐 震 改 修 を 行 うことはもちろんのこと 建 築 物 の 建 て 替 えや 新 築 による 向 上 も 見 込 まれることから 平 成 27 年 度 の 耐 震 化 率 は 向 上 するものと 予 測 され ます 耐 震 化 率 を 上 げるためには 耐 震 性 能 有 の 住 宅 数 を 増 加 させる 必 要 がありま す 住 宅 における 地 震 被 害 軽 減 に 関 する 指 針 ( 平 成 16 年 8 月 内 閣 府 ) では 住 宅 の 耐 震 化 の 阻 害 要 因 として 費 用 労 力 負 担 技 術 的 知 識 の 不 足 ライフサイクルとの 不 適 応 想 定 される 地 震 被 害 への 意 識 の 低 さ 効 果 のわかりにくさ 等 が 指 摘 されて います これを 踏 まえ 住 宅 建 築 物 の 耐 震 化 の 課 題 は 以 下 のようにまとめられます 耐 震 化 の 課 題 費 用 や 労 力 等 の 負 担 技 術 的 知 識 や 情 報 の 不 足 ライフサイクルとの 不 適 応 所 有 者 自 身 の 認 識 不 足 や 無 関 心 表 11 住 宅 建 築 物 の 耐 震 化 の 課 題 内 容 改 修 に 要 する 費 用 負 担 や 仮 住 まい 仮 営 業 所 の 確 保 引 越 し 作 業 などに 要 する 手 間 と 労 力 が 大 きい 耐 震 化 すれば 救 命 という 点 で 大 きな 効 果 があるとい うことについて 知 識 不 足 である 具 体 的 にどのように 耐 震 化 を 進 めればよいか どこに 頼 めばよいかという 情 報 が 不 足 している 将 来 的 に 住 み 替 えや 移 転 をする 可 能 性 がある 出 産 や 教 育 等 他 に 費 用 や 労 力 がかかる 問 題 を 抱 えて いる 所 有 者 自 が 身 高 が 齢 の 地 場 震 合 による 等 に 被 長 害 期 の 的 大 な きさや 安 全 性 の 自 必 ら 要 居 性 住 を 利 用 する 住 宅 建 築 物 の 危 険 性 を 認 識 していない 認 識 していても 自 ら 居 住 利 用 していない 等 の 理 由 か ら 無 関 心 である 以 上 のような 耐 震 化 の 課 題 をみると 耐 震 化 の 促 進 を 図 るためには 耐 震 化 の 費 用 や 労 力 の 負 担 軽 減 を 図 ることと 併 せて 住 宅 建 築 物 の 所 有 者 に 対 する 意 識 啓 発 や 情 報 提 供 等 の 支 援 が 重 要 であることが 伺 えます 24

3) 耐 震 化 の 目 標 設 定 1 一 般 住 宅 住 宅 の 耐 震 化 について 住 宅 建 築 物 の 地 震 防 災 推 進 会 議 における 提 言 と 国 の 基 本 方 針 及 び 県 促 進 計 画 を 踏 まえ 平 成 27 年 度 までに 90%とすることを 目 標 とします 平 成 27 年 度 には 住 宅 総 戸 数 が 平 成 23 年 度 より 約 4.6% 増 の 約 2,167 棟 となり 今 後 建 て 替 えや 耐 震 改 修 による 耐 震 性 のある 建 築 物 の 増 加 や 耐 震 性 が 不 十 分 な 建 築 物 の 除 却 の 進 行 が これまでの 過 去 の 実 績 と 同 様 のペースで 進 行 していったと 仮 定 した 場 合 の 目 標 年 ( 平 成 27 年 度 )における 耐 震 性 能 のある 住 宅 は 1,116 棟 となり 耐 震 化 率 は 52.2% と 推 計 されます よって 目 標 耐 震 化 率 90%を 達 成 するためには 新 たに 施 策 を 講 じて いくことにより 約 835 棟 の 更 なる 耐 震 化 が 必 要 です 特 に 町 における 全 住 宅 の 木 造 率 ( 木 造 合 計 / 住 宅 合 計 )は 94.1%あり 町 内 の 住 宅 のほとんどを 木 造 住 宅 が 占 めていることとなります 木 造 のみの 耐 震 化 率 ( 昭 和 56 年 以 降 建 築 木 造 / 全 木 造 )は 非 木 造 に 比 べの 耐 震 化 率 が 低 く 木 造 住 宅 の 耐 震 化 が 町 にと って 急 務 と 言 えます 表 12 平 成 27 年 度 末 耐 震 化 率 90%を 目 標 とした 場 合 の 耐 震 改 修 必 要 数 推 計 値 住 宅 総 数 (A) 昭 和 56 年 以 前 に 建 築 さ れた 住 宅 (B) 昭 和 57 年 以 降 に 建 築 さ れた 住 宅 数 (C) (B)の 内 耐 震 性 有 推 計 値 (D) 計 画 内 で 要 改 修 の 住 宅 数 (E) 耐 震 性 能 を 有 する 住 宅 数 C+D+E= (F) 耐 震 化 率 (%) (F)/(A) 2,167 1,205 962 154 835 1,951 90% A:2,071 棟 ( 平 成 23 年 度 住 宅 推 測 値 )+176 棟 ( 国 勢 調 査 の 経 年 結 果 による 新 築 推 測 値 )-80 棟 ( 国 勢 調 査 の 経 年 結 果 による 除 却 推 測 値 )=2,167 棟 (4.6% 増 ) B:1,285 棟 ( 平 成 23 年 度 住 宅 推 測 値 )-80 棟 =1,205 棟 C:786 棟 ( 平 成 23 年 度 住 宅 推 測 値 )+176 棟 =962 棟 D:154 棟 ( 平 成 23 年 度 住 宅 推 測 値 ) E: 耐 震 診 断 の 結 果 耐 震 性 を 有 さないと 判 断 された 住 宅 で 耐 震 改 修 工 事 を 実 施 する 必 要 のある 住 宅 数 835 棟 =1,951 棟 -1,116 棟 F:2,167 棟 に 対 し 耐 震 化 率 90%となる 為 に 必 要 な 耐 震 性 能 を 有 する 住 宅 の 必 要 数 1,951 棟 =2,167 棟 0.9 平 成 27 年 度 における 耐 震 性 能 有 推 測 値 1,116 棟 =C:962 棟 +D:154 棟 25

2 民 間 特 定 建 築 物 (3 号 特 定 建 築 物 ) 国 道 208 号 線 沿 道 にある 当 該 建 築 物 は 4 棟 です これらの 建 築 物 については 所 有 者 と 連 携 し 耐 震 診 断 の 実 施 を 促 し 4 棟 全 ての 耐 震 性 確 保 に 努 めるものとします 3 町 有 建 築 物 町 有 建 築 物 は 全 8 棟 に 耐 震 性 能 がありません 耐 震 性 能 が 無 い 町 庁 舎 について は 災 害 時 拠 点 施 設 及 び 避 難 施 設 になることより 今 後 具 体 的 な 耐 震 計 画 を 設 定 する こととします また 公 営 住 宅 については 長 寿 命 化 計 画 等 を 作 成 し 今 後 の 住 宅 施 策 の 中 で 耐 震 化 を 図 るものとします 目 標 年 度 の 平 成 27 年 度 末 に 耐 震 化 率 100% 以 上 を 目 標 として 耐 震 改 修 の 促 進 に 取 り 組 みます 4 耐 震 化 率 の 目 標 町 促 進 計 画 において 耐 震 化 率 の 目 標 値 を 以 下 の 通 り 設 定 します 表 13 耐 震 化 率 の 目 標 種 別 国 の 設 定 値 県 の 設 定 値 目 標 値 一 般 住 宅 90% 90% 90% 民 間 特 定 建 築 物 (3 号 ) 90% 90% 100% 町 有 建 築 物 90% 90% 100% 26

第 5 章 耐 震 診 断 及 び 耐 震 改 修 促 進 を 図 るための 施 策

第 5 章 耐 震 診 断 及 び 耐 震 改 修 促 進 を 図 るための 施 策 1) 耐 震 改 修 を 促 進 する 環 境 整 備 1 住 宅 の 耐 震 診 断 及 び 耐 震 改 修 促 進 支 援 戸 建 木 造 住 宅 において 下 記 の 耐 震 診 断 補 助 事 業 を 行 います その 他 の 住 宅 に 対 し ても 耐 震 診 断 及 び 必 要 な 耐 震 改 修 の 実 施 について 支 援 策 を 検 討 します 玉 東 町 戸 建 木 造 住 宅 耐 震 診 断 事 業 補 助 事 業 の 実 施 戸 建 木 造 住 宅 において 耐 震 診 断 事 業 を 行 う 住 民 に 対 して 以 下 の 住 宅 を 対 象 に 費 用 の 助 成 を 行 います ⅰ. 玉 東 町 内 に 所 在 する 戸 建 木 造 住 宅 で 現 に 居 住 しているもの ⅱ. 在 来 軸 組 構 法 によって 建 築 された 地 上 階 数 が 2 以 下 のもの ⅲ. 昭 和 56 年 5 月 31 日 以 前 に 着 工 したもの ⅳ. 過 去 に 本 要 綱 に 基 づく 補 助 金 の 交 付 を 受 けていないもの 2 民 間 特 定 建 築 物 (3 号 特 定 建 築 物 )の 耐 震 診 断 及 び 耐 震 改 修 促 進 支 援 民 間 特 定 建 築 物 (3 号 特 定 建 築 物 )を 対 象 とした 耐 震 診 断 及 び 必 要 な 耐 震 改 修 の 実 施 について 支 援 策 を 検 討 します 3 専 門 技 術 者 の 養 成 専 門 技 術 者 情 報 の 公 開 木 造 戸 建 住 宅 の 耐 震 診 断 改 修 を 促 進 する 上 では 建 築 士 や 工 事 施 工 者 等 建 築 関 係 の 技 術 者 の 知 識 の 習 得 技 術 の 向 上 が 重 要 となります これらの 方 々を 対 象 とした 県 の 主 催 する 講 習 会 等 に 参 加 し 耐 震 化 に 必 要 な 知 識 技 術 を 習 得 した 技 術 者 を 住 民 の 方 への 紹 介 を 実 施 します また 住 民 が 安 心 して 耐 震 診 断 耐 震 改 修 を 行 えるよう 助 成 事 業 を 通 じて 事 業 者 の 育 成 を 行 うとともに 悪 質 な 事 業 者 の 排 除 に 努 めます 4 耐 震 診 断 及 び 耐 震 改 修 の 技 術 の 向 上 等 国 土 交 通 大 臣 の 指 定 を 受 けた 耐 震 改 修 支 援 センターや( 財 ) 熊 本 県 建 築 住 宅 センタ ーと 連 携 して 住 宅 及 び 建 築 物 の 耐 震 診 断 及 び 耐 震 改 修 に 関 する 技 術 等 ( 簡 易 な 方 法 やコストダウンができる 方 法 など)について 建 築 関 係 団 体 に 対 し 速 やかに 情 報 の 提 供 を 行 うとともに 県 の 協 力 を 得 ながら 建 築 関 係 団 体 の 耐 震 技 術 の 向 上 に 努 めます 27

5 関 係 団 体 等 との 連 携 県 促 進 計 画 を 踏 まえ 県 と 町 の 役 割 分 担 を 定 め 耐 震 改 修 に 関 する 啓 発 及 び 知 識 の 普 及 促 進 を 図 るために 次 の 項 目 を 整 理 するものとします また 自 治 会 との 連 携 支 援 策 について 地 域 の 耐 震 化 に 向 け 地 域 住 民 が 持 つべき 意 識 や 行 うべき 行 動 などについ て 検 討 します ⅰ. 耐 震 改 修 促 進 法 による 指 導 助 言 支 持 公 表 等 に 関 する 事 項 ⅱ. 建 築 基 準 法 による 勧 告 又 は 命 令 等 の 実 施 に 関 する 事 項 ⅲ. 地 域 の 耐 震 指 針 等 の 実 効 性 を 上 げるための 条 例 化 等 に 関 する 事 項 ⅳ.その 他 耐 震 改 修 促 進 に 関 して 必 要 な 事 項 6 県 の 主 な 関 係 団 体 ⅰ. 熊 本 県 建 築 物 安 全 安 心 推 進 協 議 会 熊 本 県 建 築 物 安 全 安 心 推 進 協 議 会 は 熊 本 県 内 の 建 築 関 係 団 体 及 び 関 係 行 政 機 関 等 で 構 成 され 建 築 物 の 安 全 性 等 を 的 確 に 確 保 するための 施 策 を 実 施 してい ます ⅱ. 熊 本 県 建 築 物 耐 震 対 策 市 町 村 連 絡 会 議 熊 本 県 内 の 市 町 村 を 対 象 とした 熊 本 県 建 築 物 耐 震 対 策 市 町 村 連 絡 会 議 が 開 催 さ れており 建 築 物 の 耐 震 対 策 の 普 及 に 努 めます ⅲ. 熊 本 県 住 宅 リフォーム 推 進 協 議 会 熊 本 県 住 宅 リフォーム 推 進 協 議 会 は 熊 本 県 内 の 建 築 関 係 団 体 及 び 関 係 行 政 機 関 等 で 構 成 され 消 費 者 等 が 安 心 して 適 切 なリフォームが 行 える 環 境 を 確 保 するた めの 事 業 を 実 施 します 2) 建 築 物 の 地 震 に 対 する 安 全 性 の 向 上 に 関 する 啓 発 及 び 知 識 の 普 及 1リフォームに 併 せた 耐 震 改 修 の 誘 導 耐 震 改 修 は 住 宅 設 備 のリフォームやバリアフリーなど 他 の 目 的 の 改 修 の 機 会 に 併 せて 実 施 することでコストや 手 間 を 軽 減 できます 家 族 構 成 や 生 活 スタイルが 変 わることにより 増 改 築 等 のリフォームが 必 要 にな る 場 合 に これらのリフォームに 併 せて 耐 震 改 修 を 行 うと 費 用 の 面 においても 安 価 で 適 確 な 耐 震 改 修 ができるなど 合 理 的 で 効 果 の 高 い 耐 震 改 修 工 事 を 行 うことがで きます このようなことからリフォームに 併 せた 耐 震 改 修 の 促 進 を 耐 震 相 談 やパン 28

フレットの 配 布 等 を 通 じて 推 進 していくとともに 建 築 関 係 団 体 とも 連 携 して 住 宅 建 築 物 の 所 有 者 等 に 対 して 普 及 啓 発 を 検 討 します 2 広 報 紙 等 の 活 用 広 報 ぎょくとう や 町 ホームページ マスメディア 等 を 通 じて 住 宅 建 築 物 の 耐 震 化 に 関 する 各 種 情 報 提 供 を 実 施 していますが 今 後 さらに 耐 震 化 の 必 要 性 に 関 する 普 及 啓 発 や 耐 震 診 断 改 修 に 関 する 県 相 談 窓 口 各 種 支 援 策 の 周 知 に 努 め ます 3パンフレット 類 の 配 置 耐 震 化 が 必 要 な 住 宅 建 築 物 の 所 有 者 の 意 識 啓 発 を 図 るため 住 宅 建 築 物 の 耐 震 化 にかかるパンフレット 等 を 県 及 び 関 係 団 体 等 より 入 手 し 町 庁 舎 公 民 館 等 の 住 民 が 集 う 場 所 等 に 配 置 するほか 学 校 教 育 の 中 で 取 り 組 まれる 防 災 教 育 等 の 中 で 活 用 していきます 4 自 主 防 災 組 織 や 自 治 会 組 織 などとの 連 携 による 普 及 啓 発 地 震 防 災 対 策 として 自 らの 命 は 自 らで 守 る 自 分 たちの 地 域 は 自 分 たちで 守 る という 共 通 の 目 的 を 持 って 住 民 が 自 発 的 に 結 成 する 組 織 である 自 主 防 災 組 織 の 活 動 が 非 常 に 有 効 であるといわれています 自 治 会 や 町 内 会 等 が 自 主 防 災 組 織 とし て 町 と 連 携 した 活 動 を 実 施 することが 望 ましく 町 は 建 築 関 係 団 体 と 連 携 して 自 主 防 災 組 織 や 自 治 会 等 に 対 して 耐 震 診 断 又 は 耐 震 改 修 の 啓 発 のため パンフレ ットの 配 布 専 門 家 や 建 築 技 術 者 の 派 遣 など 必 要 な 支 援 を 検 討 します 3) 総 合 的 な 安 全 対 策 の 推 進 平 成 17 年 3 月 の 福 岡 県 西 方 沖 地 震 等 の 被 害 状 況 から ブロック 塀 の 安 全 対 策 窓 ガラスの 飛 散 対 策 大 規 模 空 間 を 持 つ 建 築 物 の 天 井 落 下 防 止 対 策 の 必 要 性 等 が 改 めて 指 摘 されています このため 町 では 被 害 の 発 生 するおそれのある 建 築 物 を 把 握 するとともに 所 有 者 等 に 対 し 必 要 な 対 策 を 講 じるように 啓 発 指 導 を 検 討 します 29

1 家 具 転 倒 防 止 策 の 推 進 地 震 による 建 物 被 害 の 軽 減 を 図 るための 耐 震 化 の 促 進 はもちろんのこと 建 物 に 被 害 がなくても 家 具 等 の 転 倒 や 散 乱 で 下 敷 きとなり けがをしてしまったり 避 難 が 遅 れたりといった 人 的 被 害 を 未 然 に 防 止 することが 必 要 です そのためには 家 具 や 電 化 製 品 等 の 転 倒 を 防 止 する 金 物 等 による 固 定 や 家 具 等 のガラスの 飛 散 防 止 対 策 大 型 家 具 電 化 製 品 等 の 配 置 の 工 夫 等 について 知 識 の 普 及 や 啓 発 を 行 う 必 要 があります 町 は パンフレットの 配 布 や 建 築 関 係 団 体 によるアドバイス 等 による 普 及 啓 発 を 検 討 します 2ブロック 塀 の 安 全 対 策 地 震 によりブロック 塀 が 倒 壊 すると 道 路 を 通 行 している 人 に 直 接 的 な 被 害 を 与 え たり 通 行 が 遮 断 されることによって 避 難 救 助 活 動 が 阻 害 されたりするなど 様 々 な 問 題 が 発 生 します 地 域 の 自 治 会 や 自 主 防 災 組 織 等 と 連 携 を 図 り 地 域 住 民 が 避 難 時 に 利 用 する 道 路 等 の 沿 道 のブロック 塀 の 安 全 点 検 の 取 り 組 みを 啓 発 します ⅰ. 住 民 に 対 する 啓 発 新 しいブロック 塀 の 施 工 方 法 既 存 ブロック 塀 の 補 強 方 法 について パン フレットを 配 布 するなど 住 民 への 周 知 を 行 います ⅱ.ブロック 塀 の 計 画 施 工 に 携 わる 建 築 関 係 者 ブロック 塀 の 計 画 施 工 に 携 わる 建 築 関 係 者 に 対 し 正 しい 技 術 の 周 知 を 行 います 3 屋 外 広 告 物 外 壁 窓 ガラス 天 井 材 等 の 落 下 に 対 する 落 下 防 止 対 策 近 年 の 地 震 においては 建 築 物 の 屋 外 広 告 物 外 壁 窓 ガラス 天 井 材 の 落 下 によ る 被 害 が 発 生 しています 建 築 物 の 所 有 者 管 理 者 は 建 築 物 の 内 部 や 周 辺 における 安 全 性 を 確 保 するため 定 期 的 な 点 検 や 改 修 工 事 を 実 施 することが 必 要 です 屋 外 広 告 物 については 適 切 な 設 計 施 工 や 維 持 管 理 について 業 界 団 体 や 建 築 物 所 有 者 管 理 者 等 へ 注 意 を 促 す 等 意 識 啓 発 を 進 めます 窓 ガラス 外 壁 等 の 落 下 防 止 対 策 についても 飛 散 防 止 フィルムの 貼 付 や 窓 や 外 壁 の 改 修 工 事 等 の 対 策 の 普 及 啓 発 を 行 います さらに 不 特 定 多 数 の 利 用 する 大 規 模 空 間 を 持 つ 建 築 物 の 天 井 等 は 災 害 時 の 崩 落 防 止 対 策 を 行 うよう 施 設 の 所 有 者 及 び 管 理 者 に 注 意 喚 起 を 行 います 30

4エレベーターの 閉 じ 込 め 防 止 対 策 エレベーターには 一 定 の 震 度 以 上 で 緊 急 停 止 する 等 各 種 の 安 全 対 策 が 講 じられ ておりますが 現 在 地 震 発 生 に 伴 う 利 用 者 の 閉 じ 込 め 被 害 が 大 きな 問 題 となってい ます エレベーターの 地 震 防 災 対 策 の 推 進 について ( 社 会 資 本 整 備 審 議 会 建 築 分 科 会 平 成 18 年 4 月 )で 報 告 された 地 震 時 のエレベーターの 閉 じ 込 め 防 止 対 策 が 早 急 に 行 われるように 業 界 団 体 や 建 築 物 所 有 者 管 理 者 等 へ 注 意 を 促 し 意 識 啓 発 を 進 め また 一 般 利 用 者 に 対 しても 地 震 時 のエレベーターの 運 行 方 法 や 閉 じ 込 められた 場 合 の 対 処 方 法 等 についての 日 常 的 な 周 知 啓 発 や 情 報 提 供 を 図 ります 4) 地 震 防 災 マップの 作 成 住 民 に 地 震 の 危 険 度 の 認 識 を 深 めてもらい 耐 震 化 促 進 の 意 識 啓 発 を 図 るとともに 災 害 における 被 害 を 最 小 限 にくい 止 めることを 目 的 に 予 想 される 被 害 の 区 域 や 程 度 等 を 地 図 上 に 示 す 地 震 防 災 マップ を 作 成 します 町 では 町 内 の 地 盤 状 況 を 把 握 し 起 こりうる 直 下 の 地 震 を 想 定 するために 地 域 の 揺 れやすさを 震 度 として 評 価 し まず 揺 れやすさマップ を 作 成 します 地 震 が 発 生 した 場 合 にはまず 各 地 の 揺 れの 強 さとして 震 度 が 気 象 庁 から 発 表 されます この 震 度 は 被 害 と 密 接 に 関 わることから 予 め 震 度 についての 情 報 を 得 ることによって 防 災 意 識 の 高 揚 が 図 れます さらに 自 らの 居 住 地 をマップにおいて 明 確 に 認 識 できるこ とで 地 震 時 の 危 険 性 を 想 定 することができます ここでいう 揺 れやすさマップ とは 地 盤 の 状 況 とそこで 起 こりうる 地 震 の 両 面 から 地 域 の 揺 れやすさを 震 度 として 評 価 することで 住 民 自 らがその 居 住 地 の 震 度 を 認 識 できるよう 表 現 したものです さらにこの 揺 れやすさマップ を 基 に 危 険 度 マップ を 作 成 します 揺 れや すさマップ で 表 した 揺 れが 各 地 で 発 生 した 場 合 建 物 が 木 造 かそうでないか また 古 いか 新 しいかの 違 いにより 倒 壊 する 建 物 数 が 違 ってきます 国 が 示 した 計 算 式 によ り 地 区 別 に 建 物 倒 壊 の 割 合 ( 倒 壊 率 )を 計 算 し それを 地 図 に 表 したものが 危 険 度 マップ です これは 揺 れが 大 きい 地 域 でも 新 しく 耐 震 性 の 有 る 建 物 が 分 散 し ている 地 域 では 建 物 倒 壊 の 割 合 が 低 く 揺 れが 小 さい 地 域 でも 古 く 耐 震 性 の 無 い 建 物 が 密 集 している 地 域 では 建 物 倒 壊 の 割 合 が 高 くなることを 示 しています この 揺 れやすさマップ と 危 険 度 マップ を 掲 載 した 地 震 防 災 マップ を 作 成 します このマップは 住 民 の 意 識 の 向 上 と 被 害 を 最 小 限 に 抑 えることを 目 的 とし たもので 住 民 はこのマップにより 地 震 の 被 害 予 想 や 危 険 地 域 避 難 場 所 を 把 握 する 31

ことができます 町 はこれを 公 表 配 布 することで 災 害 時 の 避 難 や 救 助 活 動 を 的 確 に 行 うことを 目 指 します また 啓 発 用 パンフレットとして 揺 れやすさマップの 裏 面 に 簡 易 的 な 木 造 住 宅 の 耐 震 診 断 方 法 日 頃 の 地 震 に 対 する 備 え 地 震 時 の 行 動 及 び 地 震 に 対 する 知 識 な どを 掲 載 したパンフレットを 作 成 し 耐 震 診 断 改 修 の 啓 発 を 行 います 住 民 の 更 な る 意 識 の 向 上 を 目 指 し 今 後 とも 啓 発 パンフレットの 配 布 等 の 周 知 活 動 を 行 ってい きます 32

図 14 玉東町地震防災マップ 33

第 6 章 計 画 の 実 現 に 向 けて

第 6 章 計 画 の 実 現 に 向 けて 1) 役 割 の 分 担 改 正 された 耐 震 改 修 促 進 法 では 計 画 的 な 耐 震 化 を 推 進 するため 国 県 市 町 村 国 民 のそれぞれが 主 体 の 努 力 義 務 が 規 定 されています 住 宅 建 築 物 の 耐 震 化 の 主 体 は 所 有 者 等 であるという 基 本 認 識 に 基 づき 耐 震 化 に 関 する 普 及 啓 発 活 動 や 耐 震 化 を 支 える 環 境 整 備 等 に 力 点 を 置 き 当 事 者 である 所 有 者 等 が 自 発 的 主 体 的 に 耐 震 化 を 進 めることができる 取 り 組 みを 促 進 します 所 有 者 等 が 抱 えることになる 様 々な 課 題 や 負 担 を 軽 くするため 町 を 中 心 に 建 築 関 係 団 体 等 が 適 切 な 役 割 分 担 を 行 いながら 所 有 者 等 の 取 り 組 みを 支 援 します 町 は 地 域 特 性 や 緊 急 性 公 益 性 を 十 分 に 考 慮 しながら 適 切 な 連 携 役 割 分 担 をして 情 報 提 供 支 援 制 度 環 境 整 備 等 住 宅 建 築 物 の 耐 震 化 を 効 果 的 に 促 進 する 施 策 を 検 討 します 町 所 有 者 は 適 切 な 役 割 分 担 のもとに それぞれ 連 携 しながら 住 宅 建 築 物 の 耐 震 化 の 促 進 に 取 り 組 むものとします 建 築 物 の 耐 震 化 を 推 進 するためには 行 政 や 住 民 の 連 携 のみならず 建 築 に 関 わる 団 体 等 との 有 機 的 な 連 携 が 不 可 欠 であるため 住 民 がより 身 近 で 活 用 しやすい 施 策 の 体 制 を 整 備 することが 必 要 です 町 の 役 割 耐 震 改 修 促 進 計 画 の 策 定 支 援 普 及 啓 発 環 境 の 整 備 所 有 建 物 の 耐 震 改 修 の 実 施 2) 計 画 の 進 行 管 理 図 15 関 係 主 体 の 役 割 分 担 イメージ 町 促 進 計 画 は 耐 震 診 断 及 び 耐 震 改 修 の 状 況 を 勘 案 し 必 要 に 応 じ 検 証 及 び 見 直 しを 行 います また 町 促 進 計 画 を 実 施 するに 当 たり 必 要 な 事 項 は 別 途 定 めることとしま す 所 有 者 の 役 割 所 有 建 物 の 耐 震 改 修 実 施 ブロック 塀 の 倒 壊 防 止 家 具 の 転 倒 防 止 等 関 係 団 体 の 役 割 普 及 啓 発 情 報 収 集 情 報 の 提 供 技 術 の 向 上 34

第 7 章 資 料 編

第 7 章 資料編 1 熊本県想定地震被害 熊本県耐震促進化計画資料 新潟県中越地震 福岡県西方沖地震における被害状況 ①新潟県中越地震 平成 16 年 10 月 23 日夕刻に発生した新 潟県中越地震は 中越地方の深さ 13km で 発生しており マグニチュード 6.8 と推定 されています 各地の震度は 北魚沼郡川 口町で震度 7 小千谷市 長岡市 旧山古 志村 旧小国町を含む で震度 6 強から 6 弱が観測され 新潟市は震度 4 でした 震 源地周辺は 魚沼産コシヒカリで有名な農 山村で 地震の激しい揺れで斜面の崩壊が 多発し 道路の寸断で孤立する集落が出る などの被害が多くありました 地震計で観 測された各地の最大加速度は 十日町市で 1716gal 小千谷市で 1308gal とされており 福岡県西方沖地震の 5 6 倍の値となっています 図 1-1 新潟県中越地震 (震源と加速度記録) ②福岡県西方沖地震 平成 17 年 3 月 20 日 日 午前 10 時 53 分頃 福岡県西方沖 福岡市の北西約 30km を震源とする地震が発生しました 震源の 深さは 9km 地震の規模はマグニチュード 7.0 と推定されています この地震により 福岡市中央区 東区と福岡県前原市 佐賀 県みやき町で震度 6 弱を観測した他 九州 図 1-2 福岡県西方沖地震 (震源と加速度記録) 35

地 方 から 関 東 地 方 にかけて 震 度 5 強 から 震 度 1 の 揺 れが 観 測 されていま す 地 震 計 で 観 測 された 各 地 の 最 大 加 速 度 は 長 崎 県 平 戸 で 356gal 福 岡 市 中 央 区 で 277gal 前 原 市 で 261gal となっています 気 象 庁 によると この 地 震 はこれ まで 知 られていない 海 底 の 断 層 が 動 いたことによる 陸 側 地 殻 内 で 発 生 し たもので 東 西 方 向 から 押 す 力 と 南 北 方 向 に 引 っ 張 る 力 が 震 源 付 近 で 働 くことにより 北 西 から 南 東 にかけ て 地 盤 がずれた 左 横 ズレ 断 層 と 推 定 されています 国 土 地 理 院 発 表 ( 平 成 図 1-3 震 度 分 布 図 17 年 6 月 10 日 )によると 博 多 湾 周 辺 で 大 きな 地 殻 変 動 が 認 められ 玄 界 島 で 南 方 向 に 最 大 38cm の 変 位 が 確 認 されています 3 福 岡 西 方 沖 地 震 新 潟 県 中 越 地 震 阪 神 淡 路 大 震 災 との 比 較 福 岡 県 西 方 沖 地 震 と 新 潟 県 中 越 地 震 平 成 7 年 に 神 戸 で 発 生 した 阪 神 淡 路 大 震 災 とが どのように 違 うのか 表 1-1 から 表 1-3 により 比 較 を 示 します 表 1-1 地 震 の 概 要 と 被 害 の 概 要 項 目 福 岡 県 西 方 沖 地 震 新 潟 県 中 越 地 震 阪 神 淡 路 大 震 災 発 生 日 時 平 成 17 年 3 月 20 日 ( 日 ) 午 前 10 時 53 分 平 成 16 年 10 月 23 日 ( 土 ) 午 後 5 時 56 分 平 成 7 年 1 月 17 日 ( 火 ) 午 前 5 時 46 分 地 震 規 模 マグニチュード 7.0 マグニチュード 6.8 マグニチュード 7.3 最 大 震 度 6 弱 ( 福 岡 市 前 原 市 みやき 町 ) 7 ( 川 口 町 ) 7 ( 神 戸 市 北 淡 町 他 一 部 ) 被 害 概 要 死 者 :1,081 人 重 軽 傷 者 :1,087 人 住 家 被 害 :8,997 棟 死 者 :117,046 人 重 軽 傷 者 :114,801 人 住 家 被 害 :117,082 棟 死 者 :5 6,435 人 重 軽 傷 者 :543,792 人 住 家 被 害 :512,882 棟 阪 神 淡 路 大 震 災 の 死 者 には 行 方 不 明 者 3 人 を 含 む 36

表 1-2 人 的 被 害 の 比 較 項 目 福 岡 県 西 方 沖 地 震 新 潟 県 中 越 地 震 阪 神 淡 路 大 震 災 人 比 率 (%) 人 比 率 (%) 人 比 率 (%) 死 者 1 0.1 46 0.9 6,435 12.8 重 傷 者 76 7.0 627 12.9 10,683 21.3 軽 傷 者 1,011 92.9 4,174 86.2 33,109 65.9 計 1,088 4,847 50,227 阪 神 淡 路 大 震 災 の 死 者 には 行 方 不 明 者 3 人 を 含 む 福 岡 県 西 方 沖 を 震 源 とする 地 震 ( 第 34 報 ): 平 成 17 年 5 月 12 日 消 防 庁 より 平 成 16 年 新 潟 県 中 越 地 震 ( 第 66 報 ): 平 成 17 年 3 月 18 日 消 防 庁 より 阪 神 淡 路 大 震 災 について( 第 105 報 ): 平 成 12 年 12 月 27 日 消 防 庁 より 表 1-3 建 物 被 害 の 比 較 項 目 福 岡 県 西 方 沖 地 震 新 潟 県 中 越 地 震 阪 神 淡 路 大 震 災 棟 数 比 率 (%) 棟 数 比 率 (%) 棟 数 比 率 (%) 全 壊 133 1.5 2,827 2.4 104,906 20.5 半 壊 244 2.7 12,746 10.9 144,274 28.1 一 部 損 壊 8,620 95.8 101,509 86.7 263,702 51.4 計 8,997 117,082 512,882 人 的 被 害 は 阪 神 淡 路 大 震 災 では 死 者 行 方 不 明 者 が 6,435 人 に 及 んでいます 地 震 発 生 の 時 間 が 週 明 けの 早 朝 であったため 犠 牲 者 は 自 宅 で 被 災 した 方 が 殆 どで 死 亡 の 原 因 は 家 屋 の 倒 壊 や 転 倒 した 家 具 の 下 敷 きによる 窒 息 死 や 圧 死 などが 多 くなっています また 地 震 後 に 発 生 した 火 災 による 死 者 も 全 体 の 1 割 程 度 あったと 推 定 されており 人 的 被 害 者 数 に 占 める 死 者 の 比 率 は 12.8%と 非 常 に 高 くなっています 新 潟 県 中 越 地 震 では 46 人 の 方 が 亡 くなり 地 震 の 揺 れにより 直 接 被 災 された 方 が 29 人 で 長 く 続 いた 余 震 の 影 響 で 避 難 所 病 院 などで 亡 くなられた 方 が 17 人 など 地 震 後 避 難 所 等 で 亡 くなられた 人 の 比 率 が 高 くなっています 福 岡 県 西 方 沖 地 震 では 1 名 の 方 が 亡 くなられていますが 人 的 被 害 に 占 める 死 者 重 傷 者 の 比 率 は 少 なく 軽 傷 者 が 9 割 以 上 を 占 めています 建 物 被 害 は 阪 神 淡 路 大 震 災 で 震 度 7 とされた 震 災 の 帯 を 中 心 に 建 物 被 害 が 集 中 しており 特 に 戦 前 に 建 築 された 老 朽 建 築 物 の 多 い 地 域 に 被 害 が 集 中 しています また 地 震 後 の 火 災 の 発 生 により 多 くの 建 物 が 焼 失 しています 新 潟 県 中 越 地 震 では 豪 雪 地 帯 特 有 のコンクリート 高 基 礎 住 宅 が 多 く 比 較 的 新 しい 住 宅 の 被 害 は 少 なかったが 揺 れが 大 きかったため 住 宅 の 基 礎 地 盤 の 流 動 により 全 半 壊 し 37

た 家 屋 も 多 くなっています 福 岡 西 方 沖 地 震 は 震 源 に 近 い 福 岡 市 西 区 の 玄 界 島 西 浦 前 原 市 及 び 志 摩 町 に 集 中 し ています 特 に 全 壊 家 屋 の 約 8 割 が 玄 界 島 に 集 中 し また 福 岡 市 西 区 や 前 原 市 志 摩 町 などに 多 く 見 られた 棟 瓦 などの 一 部 損 壊 の 比 率 が 多 くを 占 めています 2) 熊 本 県 における 被 害 状 況 シミュレーション 1 熊 本 県 における 被 害 想 定 ( 被 害 状 況 シミュレーション) 1 阪 神 淡 路 大 震 災 では 都 市 部 における 家 屋 の 倒 壊 や 火 災 沿 岸 部 における 液 状 化 等 の 地 域 特 性 を 反 映 した 独 特 の 被 災 形 態 が 見 られたことから 多 様 な 地 域 特 性 を 有 する 熊 本 県 でも 市 街 地 部 山 間 部 島 しょ 部 などの 地 域 タイプ 毎 に 事 情 を 配 慮 する 必 要 があります 県 では 以 下 のとおり 阪 神 淡 路 大 震 災 の 地 震 条 件 ( 活 断 層 を 震 源 地 とする 直 下 型 で あることなど)や 地 震 発 生 時 の 社 会 条 件 ( 発 生 季 節 や 時 刻 交 通 状 況 など)を 同 一 とし 2 つのケースでの 地 震 規 模 で 被 害 状 況 シミュレーションを 行 っています 1: 平 成 9 年 3 月 熊 本 県 震 災 対 策 指 針 による (ア) 震 災 事 例 による 被 災 モデル 試 算 のための 設 定 条 件 ⅰ. 発 生 状 況 発 生 の 季 節 : 冬 発 生 時 刻 : 未 明 ( 午 前 5 時 46 分 ) 人 的 条 件 :ほとんどの 住 民 が 住 宅 にて 就 寝 中 交 通 状 況 : 交 通 機 関 の 利 用 者 はほとんどいない 都 市 活 動 :ほとんど 行 われていない ⅱ. 地 震 条 件 地 震 のメカニズムは 収 集 した 阪 神 淡 路 大 震 災 データを 基 に 各 種 被 害 率 を 設 定 するた め 地 震 条 件 ( 活 断 層 を 地 震 源 とする 直 下 型 )は 同 じ 条 件 とします ただし 地 震 規 模 については マグニチュード 7.3 と 非 常 に 大 きかった 阪 神 淡 路 大 震 災 と 同 じ 規 模 の 場 合 と 阪 神 淡 路 大 震 災 と 関 東 大 震 災 との 中 間 規 模 であるマグニチュー ド 6.9 程 度 の 規 模 の 場 合 の 2 ケースを 瞬 間 最 大 加 速 度 の 違 いとして 設 定 します 38

超 大 規 模 地 震 : 阪 神 淡 路 大 震 災 と 同 程 度 の 地 震 規 模 瞬 間 最 大 加 速 度 水 平 方 向 800gal 大 規 模 地 震 : 阪 神 淡 路 大 震 災 と 関 東 大 震 災 の 中 間 規 模 瞬 間 最 大 加 速 度 水 平 方 向 600gal ⅲ. 地 域 特 性 社 会 指 標 ( 人 口 建 築 物 土 木 構 築 物 の 質 量 )が 大 きく 異 なる 3 地 域 類 型 のそれぞれ について 被 害 を 想 定 します 震 源 地 として 想 定 した 3 地 域 類 型 は 市 街 地 部 山 間 部 島 しょ 部 とし それぞれ 熊 本 市 球 磨 郡 天 草 上 島 をモデル 地 区 とします (イ) 被 害 想 定 の 類 推 結 果 この 調 査 により 想 定 された 被 害 は 表 2-1 と 表 2-2 のとおりです 建 築 物 では 市 街 地 での 住 宅 の 被 害 が 大 きく 特 に 超 大 規 模 地 震 発 生 時 で 約 2 万 1 千 戸 大 規 模 地 震 時 でも 約 1 万 戸 と 想 定 されています 人 的 被 害 では 超 大 規 模 地 震 時 の 市 街 地 での 死 者 数 が 約 900 人 大 規 模 地 震 時 でも 約 370 人 と 想 定 されおり 建 築 物 の 倒 壊 等 による 即 死 者 数 が 約 7 割 を 占 めています これらの 被 害 を 減 少 させるためには 住 宅 建 築 物 の 耐 震 化 を 促 進 することが 有 効 である と 考 えられます 表 2-1 建 築 物 倒 壊 数 超 大 規 模 地 震 大 規 模 地 震 現 況 の 建 物 数 市 街 地 部 山 間 部 島 しょ 部 市 街 地 部 山 間 部 島 しょ 部 市 街 地 部 山 間 部 島 しょ 部 戸 建 住 宅 21,332 3,206 2,375 10,293 1,547 1,146 111,514 16,772 12,466 集 合 住 宅 4,521 1,017 197 2,173 491 95 39,174 5,528 1,508 建 物 倒 壊 数 商 業 ビル 456 141 75 216 67 36 9,853 1,286 796 工 場 491 353 147 229 169 70 14,731 4,048 1,984 病 院 25 6 3 12 3 1 421 56 39 その 他 0 0 0 0 0 0 23,582 24,560 7,382 合 計 26,825 4,723 2,797 12,923 2,277 1,348 199,275 52,250 24,175 39

表 2-2 人 的 被 害 の 状 況 死 亡 者 数 負 傷 者 数 超 大 規 模 地 震 大 規 模 地 震 市 街 地 部 山 間 部 島 しょ 部 市 街 地 部 山 間 部 島 しょ 部 即 死 612 209 150 246 84 60 生 き 埋 め 262 90 64 105.36 26 火 災 34 1 0 14 1 0 合 計 908 300 214 365 121 86 生 き 埋 め 638 218 156 256 88 63 火 災 221 10 2 150 6 2 その 他 5,599 789 459 3,347 497 294 合 計 6,458 1,017 617 3,753 591 359 2 表 層 地 盤 の 揺 れやすさ について 地 震 による 地 表 での 揺 れの 強 さは 主 に 震 源 断 層 に 関 する 震 源 特 性 震 源 からの 地 震 波 の 伝 播 経 路 に 関 する 伝 播 特 性 表 層 地 盤 のかたさ やわらかさに 関 する 地 盤 特 性 の 3 つによって 異 なります 一 般 には 地 震 の 規 模 (マグニチュード)が 大 きい( 震 源 特 性 の 1 つ)ほど また 震 源 から 近 い( 伝 播 特 性 の 1 つ)ほど 地 震 による 揺 れは 大 き くなります しかし マグニチュードや 震 源 からの 距 離 が 同 じであっても 表 層 地 盤 の 違 い( 地 盤 特 性 )によって 揺 れの 強 さは 大 きく 異 なり 表 層 地 盤 がやわらかな 場 所 では か たい 場 所 に 比 べて 揺 れは 大 きくなります この 効 果 を ここでは 表 層 地 盤 の 揺 れやすさ と 表 現 しています 熊 本 県 の 表 層 地 盤 の 揺 れやすさを 図 2 1 に 示 します 図 2-1 熊 本 県 表 層 地 盤 の 揺 れやすさ 40

3) 東 日 本 大 震 災 ( 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 ) 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 は 2011 年 ( 平 成 23 年 )3 月 11 日 14 時 46 分 18.1 秒 日 本 の 太 平 洋 三 陸 沖 を 震 源 として 発 生 した 地 震 です 東 日 本 大 震 災 を 引 き 起 こし 東 北 から 関 東 にかけての 東 日 本 一 帯 に 甚 大 な 被 害 をもたらしました この 地 震 は 2011 年 3 月 11 日 ( 金 )14 時 46 分 牡 鹿 半 島 の 東 南 東 約 130km 付 近 ( 三 陸 沖 )の 深 さ 約 24km を 震 源 として 発 生 しました 太 平 洋 プレートと 北 アメリカプレート の 境 界 域 ( 日 本 海 溝 付 近 )における 海 溝 型 地 震 で 震 源 域 は 東 北 地 方 から 関 東 地 方 にかけ ての 太 平 洋 沖 の 幅 約 200km 長 さ 約 500km の 広 範 囲 に 亘 りました 地 震 の 規 模 を 示 すマグ ニチュードは 9.0 で 大 正 関 東 地 震 (1923 年 )の 約 45 倍 兵 庫 県 南 部 地 震 (1995 年 )の 約 1450 倍 のエネルギーの 地 震 でした これは 日 本 国 内 においては 先 に 述 べた 大 正 関 東 地 震 の 7.9 や 昭 和 三 陸 地 震 (1933 年 )の 8.4 を 上 回 る 観 測 史 上 最 大 であるとともに 世 界 でもスマトラ 島 沖 地 震 (2004 年 ) 以 来 の 規 模 で 1900 年 以 降 でも 4 番 目 に 大 きな 巨 大 地 震 でした 地 震 によって 大 規 模 な 津 波 が 発 生 し 最 大 で 海 岸 から 6km 内 陸 まで 浸 水 岩 手 県 三 陸 南 部 宮 城 県 福 島 県 浜 通 り 北 部 では 津 波 の 高 さが 8m~9m に 達 し 1896 年 明 治 三 陸 地 震 の 津 波 を 上 回 る 最 大 溯 上 高 40.5m( 岩 手 県 宮 古 市 )を 記 録 するなど 震 源 域 に 近 い 東 北 地 方 の 太 平 洋 岸 では 高 い 津 波 が 甚 大 な 被 害 をもたらしました 津 波 は 関 東 地 方 の 太 平 洋 岸 で も 被 害 をもたらしたほか 環 太 平 洋 地 域 を 中 心 に 各 国 の 海 岸 に 達 しました また 岩 手 県 から 千 葉 県 にかけて 震 度 6 弱 以 上 を 観 測 するなど 広 範 囲 で 強 い 揺 れとなり 関 東 地 方 の 埋 め 立 て 地 で 大 規 模 な 液 状 化 現 象 が 発 生 しました 一 方 東 北 太 平 洋 岸 では 地 盤 沈 下 により 浸 水 被 害 が 長 期 的 に 続 いています 津 波 液 状 化 建 築 物 倒 壊 など 東 北 の 岩 手 県 宮 城 県 福 島 県 の 3 県 関 東 の 茨 城 県 千 葉 県 の 2 県 を 中 心 とした 被 害 は 大 きく この 地 震 による 死 者 行 方 不 明 者 計 約 2 万 人 の 大 半 は 東 北 の 3 県 が 占 めました また 発 電 施 設 被 害 による 大 規 模 停 電 や 一 連 の 震 災 によ り 日 本 全 国 および 世 界 に 経 済 的 な 二 次 被 害 がもたらされました 一 方 地 震 と 津 波 により 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 事 故 が 発 生 し 放 射 性 物 質 漏 れによる 汚 染 が 起 きているほか 日 本 の 原 子 力 発 電 所 の 再 稼 働 問 題 電 力 危 機 なども 発 生 しています 宮 城 県 栗 原 市 で 最 大 震 度 7 を 観 測 し 激 しい 揺 れは 2 分 間 続 きました 震 度 7 を 観 測 した のは 2004 年 の 新 潟 県 中 越 地 震 以 来 7 年 ぶり 観 測 史 上 3 回 目 でした また 仙 台 では 震 度 6 強 を 観 測 しました このほかにも 宮 城 県 福 島 県 茨 城 県 栃 木 県 の 一 部 で 震 度 6 強 41

を 観 測 するなど 震 源 域 が 広 かったことから 強 震 が 広 範 囲 に 亘 りました また 気 象 庁 の 震 度 推 計 分 布 図 によると 福 島 県 いわき 市 で 局 地 的 に 震 度 7 相 当 の 揺 れがあったほか 防 災 科 学 技 術 研 究 所 の 強 震 観 測 網 によると 栃 木 県 芳 賀 町 にある 観 測 点 で 震 度 7 相 当 の 揺 れ ( 計 測 震 度 )を 観 測 していたことも 分 かっています ただし 前 者 は 震 度 計 による 観 測 では なく 後 者 は 気 象 庁 の 認 知 している 震 度 計 ではないため いずれも 観 測 点 の 震 度 には 反 映 されていません 東 京 では 震 度 5 強 名 古 屋 では 震 度 4 大 阪 では 震 度 3 を 観 測 しました 遠 く 鹿 児 島 県 鹿 児 島 市 桜 島 や 東 京 都 小 笠 原 村 母 島 でも 震 度 1 を 観 測 しており 震 源 から 1300km 以 上 離 れていることから 地 震 波 は S 波 だけでも 5 分 以 上 かけて 到 達 しています 東 京 大 学 地 震 研 究 所 の 解 析 によると 本 震 の 揺 れは 東 日 本 全 体 で 約 6 分 間 続 きました 日 本 で 体 に 感 じ る 揺 れがなかったのは 中 国 地 方 四 国 地 方 九 州 地 方 のそれぞれ 一 部 と 南 西 諸 島 のみでし た 長 野 市 松 代 町 の 気 象 庁 精 密 地 震 観 測 室 は 地 震 発 生 から 2 時 間 半 おきに この 地 震 に よると 見 られる 5 回 の 表 面 波 を 確 認 し 地 震 波 は 時 速 14000km( 大 気 中 のマッハ 11 相 当 ) で 地 球 上 を 5 周 したと 見 られます また 地 震 動 の 発 生 源 である 断 層 の 破 壊 時 間 が 長 く 強 震 の 継 続 時 間 も 長 い 傾 向 がみら れました 青 森 県 から 神 奈 川 県 にかけての 各 地 で 震 度 4 以 上 の 揺 れの 継 続 時 間 が 軒 並 み 2 分 (120 秒 )を 超 え いわき 市 小 名 浜 で 3 分 10 秒 (190 秒 )に 達 するなどしました 図 3-1 東 日 本 大 震 災 被 害 者 数 42

4) 関 係 法 令 建 築 物 の 耐 震 改 修 の 促 進 に 関 する 法 律 ( 平 成 七 年 十 月 二 十 七 日 法 律 第 百 二 十 三 号 ) 抜 粋 第 一 章 総 則 ( 目 的 ) 第 一 条 この 法 律 は 地 震 による 建 築 物 の 倒 壊 等 の 被 害 から 国 民 の 生 命 身 体 及 び 財 産 を 保 護 するため 建 築 物 の 耐 震 改 修 の 促 進 のための 措 置 を 講 ずることにより 建 築 物 の 地 震 に 対 する 安 全 性 の 向 上 を 図 り もって 公 共 の 福 祉 の 確 保 に 資 することを 目 的 と する ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 耐 震 診 断 とは 地 震 に 対 する 安 全 性 を 評 価 することをいう 2 この 法 律 において 耐 震 改 修 とは 地 震 に 対 する 安 全 性 の 向 上 を 目 的 として 増 築 改 築 修 繕 若 しくは 模 様 替 又 は 敷 地 の 整 備 をすることをいう 3 この 法 律 において 所 管 行 政 庁 とは 建 築 主 事 を 置 く 市 町 村 又 は 特 別 区 の 区 域 については 当 該 市 町 村 又 は 特 別 区 の 長 をいい その 他 の 市 町 村 又 は 特 別 区 の 区 域 に ついては 都 道 府 県 知 事 をいう ただし 建 築 基 準 法 ( 昭 和 二 十 五 年 法 律 第 二 百 一 号 ) 第 九 十 七 条 の 二 第 一 項 又 は 第 九 十 七 条 の 三 第 一 項 の 規 定 により 建 築 主 事 を 置 く 市 町 村 又 は 特 別 区 の 区 域 内 の 政 令 で 定 める 建 築 物 については 都 道 府 県 知 事 とする ( 国 地 方 公 共 団 体 及 び 国 民 の 努 力 義 務 ) 第 三 条 国 は 建 築 物 の 耐 震 診 断 及 び 耐 震 改 修 の 促 進 に 資 する 技 術 に 関 する 研 究 開 発 を 促 進 するため 当 該 技 術 に 関 する 情 報 の 収 集 及 び 提 供 その 他 必 要 な 措 置 を 講 ずるよう 努 めるものとする 2 国 及 び 地 方 公 共 団 体 は 建 築 物 の 耐 震 診 断 及 び 耐 震 改 修 の 促 進 を 図 るため 資 金 の 融 通 又 はあっせん 資 料 の 提 供 その 他 の 措 置 を 講 ずるよう 努 めるものとする 3 国 及 び 地 方 公 共 団 体 は 建 築 物 の 耐 震 診 断 及 び 耐 震 改 修 の 促 進 に 関 する 国 民 の 理 解 と 協 力 を 得 るため 建 築 物 の 地 震 に 対 する 安 全 性 の 向 上 に 関 する 啓 発 及 び 知 識 の 普 及 に 努 めるものとする 4 国 民 は 建 築 物 の 地 震 に 対 する 安 全 性 を 確 保 するとともに その 向 上 を 図 るよう 努 めるものとする 第 二 章 基 本 方 針 及 び 都 道 府 県 耐 震 改 修 促 進 計 画 等 ( 基 本 方 針 ) 第 四 条 国 土 交 通 大 臣 は 建 築 物 の 耐 震 診 断 及 び 耐 震 改 修 の 促 進 を 図 るための 基 本 的 な 方 43

針 ( 以 下 基 本 方 針 という )を 定 めなければならない 2 基 本 方 針 においては 次 に 掲 げる 事 項 を 定 めるものとする 一 建 築 物 の 耐 震 診 断 及 び 耐 震 改 修 の 促 進 に 関 する 基 本 的 な 事 項 二 建 築 物 の 耐 震 診 断 及 び 耐 震 改 修 の 実 施 に 関 する 目 標 の 設 定 に 関 する 事 項 三 建 築 物 の 耐 震 診 断 及 び 耐 震 改 修 の 実 施 について 技 術 上 の 指 針 となるべき 事 項 四 建 築 物 の 地 震 に 対 する 安 全 性 の 向 上 に 関 する 啓 発 及 び 知 識 の 普 及 に 関 する 基 本 的 な 事 項 五 次 条 第 一 項 に 規 定 する 都 道 府 県 耐 震 改 修 促 進 計 画 の 策 定 に 関 する 基 本 的 な 事 項 その 他 建 築 物 の 耐 震 診 断 及 び 耐 震 改 修 の 促 進 に 関 する 重 要 事 項 3 国 土 交 通 大 臣 は 基 本 方 針 を 定 め 又 はこれを 変 更 したときは 遅 滞 なく これ を 公 表 しなければならない ( 都 道 府 県 耐 震 改 修 促 進 計 画 等 ) 第 五 条 都 道 府 県 は 基 本 方 針 に 基 づき 当 該 都 道 府 県 の 区 域 内 の 建 築 物 の 耐 震 診 断 及 び 耐 震 改 修 の 促 進 を 図 るための 計 画 ( 以 下 都 道 府 県 耐 震 改 修 促 進 計 画 という ) を 定 めるものとする 2 都 道 府 県 耐 震 改 修 促 進 計 画 においては 次 に 掲 げる 事 項 を 定 めるものとする 一 当 該 都 道 府 県 の 区 域 内 の 建 築 物 の 耐 震 診 断 及 び 耐 震 改 修 の 実 施 に 関 する 目 標 二 当 該 都 道 府 県 の 区 域 内 の 建 築 物 の 耐 震 診 断 及 び 耐 震 改 修 の 促 進 を 図 るための 施 策 に 関 する 事 項 三 建 築 物 の 地 震 に 対 する 安 全 性 の 向 上 に 関 する 啓 発 及 び 知 識 の 普 及 に 関 する 事 項 四 建 築 基 準 法 第 十 条 第 一 項 から 第 三 項 までの 規 定 による 勧 告 又 は 命 令 その 他 建 築 物 の 地 震 に 対 する 安 全 性 を 確 保 し 又 はその 向 上 を 図 るための 措 置 の 実 施 に ついての 所 管 行 政 庁 との 連 携 に 関 する 事 項 五 その 他 当 該 都 道 府 県 の 区 域 内 の 建 築 物 の 耐 震 診 断 及 び 耐 震 改 修 の 促 進 に 関 し 必 要 な 事 項 3 都 道 府 県 は 次 の 各 号 に 掲 げる 場 合 には 前 項 第 二 号 に 掲 げる 事 項 に 当 該 各 号 に 定 める 事 項 を 記 載 することができる 一 建 築 物 が 地 震 によって 倒 壊 した 場 合 においてその 敷 地 に 接 する 道 路 の 通 行 を 妨 げ 多 数 の 者 の 円 滑 な 避 難 を 困 難 とすることを 防 止 するため 当 該 道 路 にそ の 敷 地 が 接 する 建 築 物 の 耐 震 診 断 及 び 耐 震 改 修 の 促 進 を 図 ることが 必 要 と 認 め られる 場 合 当 該 耐 震 診 断 及 び 耐 震 改 修 の 促 進 を 図 るべき 建 築 物 の 敷 地 に 接 す る 道 路 に 関 する 事 項 二 特 定 優 良 賃 貸 住 宅 の 供 給 の 促 進 に 関 する 法 律 ( 平 成 五 年 法 律 第 五 十 二 号 以 下 特 定 優 良 賃 貸 住 宅 法 という ) 第 三 条 第 四 号 に 規 定 する 資 格 を 有 する 入 居 44

者 をその 全 部 又 は 一 部 について 確 保 することができない 特 定 優 良 賃 貸 住 宅 ( 特 定 優 良 賃 貸 住 宅 法 第 六 条 に 規 定 する 特 定 優 良 賃 貸 住 宅 をいう 以 下 同 じ )を 活 用 し 第 十 条 に 規 定 する 認 定 建 築 物 である 住 宅 の 耐 震 改 修 の 実 施 に 伴 い 仮 住 居 を 必 要 とする 者 ( 特 定 優 良 賃 貸 住 宅 法 第 三 条 第 四 号 に 規 定 する 資 格 を 有 する 者 を 除 く 以 下 特 定 入 居 者 という )に 対 する 仮 住 居 を 提 供 することが 必 要 と 認 められる 場 合 特 定 優 良 賃 貸 住 宅 の 特 定 入 居 者 に 対 する 賃 貸 に 関 する 事 項 三 前 項 第 一 号 の 目 標 を 達 成 するため 当 該 都 道 府 県 の 区 域 内 において 独 立 行 政 法 人 都 市 再 生 機 構 ( 以 下 機 構 という ) 又 は 地 方 住 宅 供 給 公 社 ( 以 下 公 社 という )による 建 築 物 の 耐 震 診 断 及 び 耐 震 改 修 の 実 施 が 必 要 と 認 められる 場 合 機 構 又 は 公 社 による 建 築 物 の 耐 震 診 断 及 び 耐 震 改 修 の 実 施 に 関 する 事 項 4 都 道 府 県 は 都 道 府 県 耐 震 改 修 促 進 計 画 に 機 構 又 は 公 社 による 建 築 物 の 耐 震 診 断 及 び 耐 震 改 修 の 実 施 に 関 する 事 項 を 記 載 しようとするときは 当 該 事 項 につい て あらかじめ 機 構 又 は 当 該 公 社 及 びその 設 立 団 体 ( 地 方 住 宅 供 給 公 社 法 ( 昭 和 四 十 年 法 律 第 百 二 十 四 号 ) 第 四 条 第 二 項 に 規 定 する 設 立 団 体 をいい 当 該 都 道 府 県 を 除 く )の 長 の 同 意 を 得 なければならない 5 都 道 府 県 は 都 道 府 県 耐 震 改 修 促 進 計 画 を 定 めたときは 遅 滞 なく これを 公 表 するとともに 当 該 都 道 府 県 の 区 域 内 の 市 町 村 にその 写 しを 送 付 しなければな らない 6 前 三 項 の 規 定 は 都 道 府 県 耐 震 改 修 促 進 計 画 の 変 更 について 準 用 する 7 市 町 村 は 基 本 方 針 及 び 都 道 府 県 耐 震 改 修 促 進 計 画 を 勘 案 して 当 該 市 町 村 の 区 域 内 の 建 築 物 の 耐 震 診 断 及 び 耐 震 改 修 の 促 進 を 図 るための 計 画 を 定 めるよう 努 めるものとする 8 市 町 村 は 前 項 の 計 画 を 定 め 又 は 変 更 したときは 遅 滞 なく これを 公 表 し なければならない 第 三 章 特 定 建 築 物 に 係 る 措 置 ( 特 定 建 築 物 の 所 有 者 の 努 力 ) 第 六 条 次 に 掲 げる 建 築 物 のうち 地 震 に 対 する 安 全 性 に 係 る 建 築 基 準 法 又 はこれに 基 づ く 命 令 若 しくは 条 例 の 規 定 ( 第 八 条 において 耐 震 関 係 規 定 という )に 適 合 し ない 建 築 物 で 同 法 第 三 条 第 二 項 の 規 定 の 適 用 を 受 けているもの( 以 下 特 定 建 築 物 という )の 所 有 者 は 当 該 特 定 建 築 物 について 耐 震 診 断 を 行 い 必 要 に 応 じ 当 該 特 定 建 築 物 について 耐 震 改 修 を 行 うよう 努 めなければならない 一 学 校 体 育 館 病 院 劇 場 観 覧 場 集 会 場 展 示 場 百 貨 店 事 務 所 老 人 ホームその 他 多 数 の 者 が 利 用 する 建 築 物 で 政 令 で 定 めるものであって 政 令 で 定 める 規 模 以 上 のもの 45

二 三 火 薬 類 石 油 類 その 他 政 令 で 定 める 危 険 物 であって 政 令 で 定 める 数 量 以 上 のも のの 貯 蔵 場 又 は 処 理 場 の 用 途 に 供 する 建 築 物 地 震 によって 倒 壊 した 場 合 においてその 敷 地 に 接 する 道 路 の 通 行 を 妨 げ 多 数 の 者 の 円 滑 な 避 難 を 困 難 とするおそれがあるものとして 政 令 で 定 める 建 築 物 で あって その 敷 地 が 前 条 第 三 項 第 一 号 の 規 定 により 都 道 府 県 耐 震 改 修 促 進 計 画 に 記 載 された 道 路 に 接 するもの ( 指 導 及 び 助 言 並 びに 指 示 等 ) 第 七 条 所 管 行 政 庁 は 特 定 建 築 物 の 耐 震 診 断 及 び 耐 震 改 修 の 適 確 な 実 施 を 確 保 するため 必 要 があると 認 めるときは 特 定 建 築 物 の 所 有 者 に 対 し 基 本 方 針 のうち 第 四 条 第 二 項 第 三 号 の 技 術 上 の 指 針 となるべき 事 項 を 勘 案 して 特 定 建 築 物 の 耐 震 診 断 及 び 耐 震 改 修 について 必 要 な 指 導 及 び 助 言 をすることができる 2 所 管 行 政 庁 は 次 に 掲 げる 特 定 建 築 物 のうち 地 震 に 対 する 安 全 性 の 向 上 を 図 る ことが 特 に 必 要 なものとして 政 令 で 定 めるものであって 政 令 で 定 める 規 模 以 上 の ものについて 必 要 な 耐 震 診 断 又 は 耐 震 改 修 が 行 われていないと 認 めるときは 特 定 建 築 物 の 所 有 者 に 対 し 基 本 方 針 のうち 第 四 条 第 二 項 第 三 号 の 技 術 上 の 指 針 となる べき 事 項 を 勘 案 して 必 要 な 指 示 をすることができる 一 病 院 劇 場 観 覧 場 集 会 場 展 示 場 百 貨 店 その 他 不 特 定 かつ 多 数 の 者 が 利 用 する 特 定 建 築 物 二 小 学 校 老 人 ホームその 他 地 震 の 際 の 避 難 確 保 上 特 に 配 慮 を 要 する 者 が 主 とし て 利 用 する 特 定 建 築 物 三 前 条 第 二 号 に 掲 げる 建 築 物 である 特 定 建 築 物 3 所 管 行 政 庁 は 前 項 の 規 定 による 指 示 を 受 けた 特 定 建 築 物 の 所 有 者 が 正 当 な 理 由 がなく その 指 示 に 従 わなかったときは その 旨 を 公 表 することができる 4 所 管 行 政 庁 は 前 二 項 の 規 定 の 施 行 に 必 要 な 限 度 において 政 令 で 定 めるところ により 特 定 建 築 物 の 所 有 者 に 対 し 特 定 建 築 物 の 地 震 に 対 する 安 全 性 に 係 る 事 項 に 関 し 報 告 させ 又 はその 職 員 に 特 定 建 築 物 特 定 建 築 物 の 敷 地 若 しくは 特 定 建 築 物 の 工 事 現 場 に 立 ち 入 り 特 定 建 築 物 特 定 建 築 物 の 敷 地 建 築 設 備 建 築 材 料 書 類 その 他 の 物 件 を 検 査 させることができる 5 前 項 の 規 定 により 立 入 検 査 をする 職 員 は その 身 分 を 示 す 証 明 書 を 携 帯 し 関 係 者 に 提 示 しなければならない 6 第 四 項 の 規 定 による 立 入 検 査 の 権 限 は 犯 罪 捜 査 のために 認 められたものと 解 釈 してはならない 46