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別紙3

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1.3. 距 離 による 比 較 距 離 による 比 較 を 行 う ( 基 本 的 に 要 求 される 能 力 が 違 うと 思 われるトラック 別 に 集 計 を 行 った ) 表 -3 に 距 離 別 の 比 較 を 示 す 表 -3 距 離 別 比 較

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経 常 収 支 差 引 額 の 状 況 平 成 22 年 度 平 成 21 年 度 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 4,154 億 円 5,234 億 円 1,080 億 円 改 善 赤 字 組 合 の 赤 字 総 額 4,836 億 円 5,636 億 円 800 億 円 減

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河 川 における 植 生 管 理 手 法 の 開 発 に 関 する 研 究 研 究 予 算 : 運 営 費 交 付 金 ( 治 水 勘 定 ) 研 究 期 間 : 平 17~ 平 1 担 当 チーム: 河 川 生 態 チーム 研 究 担 当 者 : 三 輪 準 二 大 石 哲 也 要 旨 本 研 究 では 河 道 内 に 存 在 する 植 生 を 対 象 に 人 為 や 出 水 等 にともなう 植 生 の 遷 移 機 構 を 明 らかにすると ともに 植 生 の 評 価 法 適 切 な 維 持 管 理 や 復 元 手 法 に 関 して 検 討 を 行 うことをと 目 的 としてきた その 結 果 河 原 植 物 が 維 持 には 大 規 模 な 出 水 により 生 育 場 がリフレッシュされるような 環 境 が 欠 かせないことや 礫 の 厚 さの 有 無 が 礫 河 原 河 原 植 物 の 成 立 に 大 きく 寄 与 していることを 明 らかにした 砂 州 内 の 河 川 植 生 の 成 立 は, 埋 土 種 子 量 や 種 類 による 影 響 よりもむしろ その 場 の 地 形 や 環 境 条 件 が 支 配 的 であることが 示 唆 さ れた また 植 生 を 数 量 的 に 評 価 する 方 法 を 開 発 するとともに この 利 用 方 法 についての 提 案 を 行 った キーワード: 河 川 植 生 復 元 手 法 氾 濫 原 植 生 評 価 礫 河 原 1.はじめに 本 研 究 では 河 道 内 に 存 在 する 植 生 を 対 象 に 人 為 や 出 水 等 にともなう 植 生 の 遷 移 機 構 を 明 らかにするとと もに 植 生 の 評 価 法 適 切 な 維 持 管 理 や 復 元 手 法 に 関 し て 検 討 を 行 うことを 目 的 とし 検 討 を 行 った 以 下 では 本 研 究 期 間 中 に 明 らかとなった 内 容 について 報 告 する ものである. 河 川 植 生 の 人 為 改 変 に 伴 う 植 生 遷 移 機 構 に 関 する 検 討.1 概 説 近 年 河 川 では 草 地 や 樹 林 地 といった 安 定 的 な 植 生 域 が 増 えてきている 実 際 に この 5 年 の 景 観 変 化 をみて も 低 水 路 幅 が 縮 小 するとともに 草 地 樹 林 地 が 増 大 し てきている 川 が 多 くみられる とくに 樹 林 地 の 拡 大 につ いては 治 水 安 全 率 を 大 きく 低 下 させる 原 因 にも 繋 がり その 抑 制 は 河 川 管 理 上 重 要 な 課 題 である 1) 河 川 に 草 地 や 樹 林 地 が 増 えるプロセスについては こ れまで 流 れや 土 砂 移 動 といった 水 理 的 作 用 と 植 物 の 物 理 的 生 理 的 作 用 との 関 係 により その 解 明 が 進 められ てきている -3) これについては 攪 乱 の 主 役 であった 洪 水 が 減 ったために 植 物 が 増 えたと 単 純 に 考 えられること もあったが 洪 水 をきっかけに 植 物 が 急 激 に 増 えるパタ- ンがあることもわかるようになってきた ) 一 方 流 れ や 土 砂 移 動 の 影 響 が 少 ない 箇 所 についても 近 年 草 地 樹 林 化 が 進 行 してきている これらは 耕 作 放 棄 や 河 川 管 理 による 樹 林 伐 採 の 減 少 など 川 へ 関 わる 人 為 的 攪 乱 の 減 少 により これまで 抑 制 されてきた 樹 木 が 成 長 した 結 果 と 考 えられる しかしながら これらの 解 明 につい ては 過 去 から 実 際 に 作 用 した 影 響 を 定 量 的 に 捉 えるこ とが 難 しいために 定 量 的 なデータをもとに 十 分 な 議 論 が 為 されていないものと 思 われる そこで 本 研 究 では 1 現 況 で 入 手 できる 資 料 ( 迅 速 図 や 国 土 地 理 院 で 撮 影 された 空 中 写 真 )をもとに 過 去 1 年 間 の 地 被 状 態 の 変 遷 を 明 らかにする 空 中 写 真 から 草 本 や 樹 木 の 高 さを 判 読 し その 変 化 を 明 らかにする 3 各 年 のデータを GIS を 用 いて 整 理 する という 手 順 で 土 地 利 用 の 変 化 パターンやその 変 化 量 を 抽 出 することを 目 的 とした さらに 得 られた 結 果 を 踏 まえて 地 被 状 態 の 変 化 と 人 的 利 用 の 変 化 との 関 係 ついて 考 察 を 行 った. 研 究 対 象 地 の 概 要 研 究 対 象 とした 小 貝 川 は 延 長 11km 流 域 面 積 1,3km の 1 級 河 川 である( 図 -1) 標 高 17m の 栃 木 県 那 須 郡 南 那 須 長 大 赤 根 の 丘 陵 地 を 源 流 とし 利 根 川 合 流 部 にあたる 茨 城 県 相 馬 郡 利 根 長 町 まで 流 れる 本 河 川 の 特 徴 は 他 の 1 級 河 川 に 比 較 して 平 地 面 積 率 が 大 きく 山 地 の 高 度 が 低 いことがあげられる 5) 近 くに 鬼 怒 川 と いう 砂 利 採 取 効 率 のよい 河 川 があることにより 河 床 掘 削 がほとんどなされず このため 河 床 高 があまり 変 化 せ 利 根 川 1 3 km 鬼 怒 川 東 京 湾 小 貝 川 対 象 区 間 (1-3km) 図 -1 研 究 対 象 地 とその 周 辺 の 主 要 な 河 川 太 平 洋 1

197 年 199 年 図 -3 表 層 高 の 抽 出 に 選 んだ 区 域 ( 抜 粋 : 右 岸 3km) - で 囲 まれた 区 域 ( 約 1ha)の 表 層 高 を 図 化 機 により 判 読 - 分 類 項 目 水 域 自 然 裸 地 人 工 裸 地 耕 作 地 草 地 樹 林 地 その 他 表 -1 分 類 項 目 とその 定 義 分 類 項 目 の 定 義 水 面 である 場 所 植 物 の 繁 茂 が 目 立 たなく 人 工 的 利 用 がな されていない 場 所 主 に 砂 州 樋 門 などの 人 工 的 な 場 所 および 車 両 等 の 侵 入 で 裸 地 化 されていた 箇 所 水 田 畑 である 場 所 草 本 植 物 が 繁 茂 している 場 所 木 本 植 物 が 繁 茂 している 場 所 凡 例 不 明 判 読 不 可 能 ( 雲 の 陰 りなど)で ある 場 所 19 年 197 年 191 年 197 年 199 年 図 - 利 用 した 迅 速 図 および 空 中 写 真 ( 抜 粋 ) - 1km~m 区 間 における 各 年 の 迅 速 図 および 空 中 写 真 - ず 位 況 の 経 年 変 化 は 少 ない 5) 小 貝 川 は 用 水 利 用 も 目 立 ち 関 東 の 3 大 堰 として 有 名 な 福 岡 堰 岡 堰 豊 田 堰 があるほか 上 流 部 に 7 ヶ 所 の 堰 があり 農 業 用 水 等 に 利 用 されている ) 人 の 暮 らし と 密 接 に 関 係 していたため 現 在 でも 高 水 敷 上 には 薪 炭 林 の 残 存 であるクヌギ コナラの 高 木 が 目 立 つ ただ し 近 年 それらの 樹 種 は 河 畔 の 代 表 的 な 樹 種 である ヤナギやハンノキに 置 き 換 わられつつある 調 査 対 象 区 間 は 小 貝 川 の 管 理 区 間 である 1km 地 点 から 3km 地 点 までとした( 図 -1) なお 小 貝 川 の 場 合 km 地 点 は 利 根 川 との 合 流 部 付 近 ではなく そこから 約 5km 上 流 にある 河 床 勾 配 は 約 5km 上 流 にある 黒 子 橋 付 近 で 大 きく 変 化 し 橋 の 上 流 側 が 1/5 下 流 側 が 1/, となる 本 検 討 で 対 象 とした 地 区 は 河 床 を 砂 分 が 多 く 占 める 下 流 部 にあたる 流 域 形 状 の 特 性 を 反 映 して 出 水 による 大 きな 河 道 変 化 がないため 高 水 敷 の 地 被 状 態 の 変 化 は 主 に 人 為 的 な 影 響 によるものである そのため 人 為 的 攪 乱 による 河 川 高 水 敷 の 地 被 状 態 の 変 遷 を 定 量 的 に 理 解 しやすいモデル 的 な 場 所 とも 考 えられ る.3 利 用 データと 解 析 方 法.3.1 地 被 状 態 の GIS 化 迅 速 図 (19 年 ) 空 中 写 真 (197 年 191 年 197 年 199 年 )から GIS を 用 いて 地 被 状 態 情 報 を 抽 出 し 1 つの 空 間 座 標 系 に 統 合 した( 図 -) 迅 速 図 については 土 地 利 用 の 凡 例 をもとに 水 域 自 然 裸 地 人 工 裸 地 耕 作 地 草 地 樹 林 地 の 項 目 に 分 類 し ポリゴン デ ータ 化 を 行 った このデ-タを 19 年 の 土 地 利 用 データ とした 空 中 写 真 は 迅 速 図 で 分 類 した 項 目 を 参 考 に 表 -1 に 示 す 定 義 に 基 づき 判 読 しポリゴン データ 化 を 行 った なお 凡 例 不 明 判 読 不 可 能 である 場 所 は 迅 速 図 空 中 写 真 とも その 他 とした 以 上 の 処 理 により 迅 速 図 や 空 中 写 真 から 地 被 状 態 を 数 値 情 報 化 することで GIS による 定 量 的 分 析 を 可 能 にした.3. 表 層 高 の 読 み 取 りと 草 地 樹 林 高 の 算 出 方 法 図 化 機 を 用 い 空 中 写 真 を 立 体 視 することにより 地 物 の 高 さを 求 める 方 法 で 表 層 高 情 報 を 取 得 した 読 み 取 り 区 域 は 約 1ha(1m 1m) 内 とし 区 域 内 におけ る 表 層 高 を 判 読 した( 図 -3) 本 研 究 では 代 表 的 な 区 域 を 箇 所 のみ 選 定 している 読 み 取 りに 当 たっては 当 該 箇 所 の 草 や 樹 木 といった 地 物 の 表 層 高 を 約.5m 間 隔 で 読 み 込 み ポイント デ-タに 変 換 したのち TIN (Triangulated irregular network) 処 理 により 起 伏 デ- タを 作 成 した さらに この 起 伏 デ-タを 基 に 1m 格 子 の Grid デ-タに 区 分 することにより 各 Grid に 標 高 値 を 与 えた なお 水 面 や 堤 防 にかかる 領 域 はデータから 除 外 した

9. 取 得 された 表 層 高 を 元 に 地 盤 高 との 差 分 により 草 地 樹 林 の 地 物 高 を 算 出 した 地 盤 高 については 3 年 に 取 得 されたプロファイラ デ-タ 7) を TIN 処 理 したも のを 用 いた 作 成 された 地 盤 高 と 定 期 横 断 測 線 図 を 比 べ ると 当 該 地 区 の 基 盤 高 は 昭 和 初 期 から 現 在 までに 大 き な 変 化 はなかったため ここでは 本 処 理 データを 各 年 の 基 準 の 地 盤 高 とし 地 物 高 の 算 出 に 用 いた. 結 果..1 地 被 状 態 の 経 年 的 な 変 化 図 - に 調 査 対 象 区 間 における 堤 間 区 域 の 地 被 状 態 の 経 年 的 な 変 化 を 示 す 19 年 は 耕 作 地 や 樹 林 地 の 面 積 が %を 超 えるなど 他 年 と 比 較 し その 割 合 が 多 い 松 や 雑 木 (クヌギ コ ナラなど)が 多 く 小 貝 川 の 高 水 敷 は 生 活 利 用 されてい たことが 迅 速 図 から 伺 える ただし 地 図 上 の 地 被 状 態 については 松 や 雑 木 がどの 程 度 の であったかは 確 認 できないことや 写 真 と 比 較 すると 情 報 が 簡 素 化 される 分 だけその 割 合 も 正 確 性 に 欠 ける しかし これ 以 上 詳 しいデータは 現 存 しないため ここでは 19 年 の 地 被 状 態 と 見 なすが あくまでも 参 考 程 度 として 理 解 されたい 197 年 では 耕 作 地 や 樹 林 の 占 める 割 合 が 減 少 し 代 わりに 草 地 の 占 める 割 合 が 大 きくなった 191 年 197 年 ともに 耕 作 地 の 面 積 が 多 少 変 化 しているものの 197 年 と 大 きな 差 異 は 見 られない なお 自 然 裸 地 や 水 域 の 場 合 写 真 撮 影 前 の 降 雨 状 況 により 両 者 の 割 合 は 大 きく 変 化 する 可 能 性 がある したがって 水 域 と 自 然 裸 地 域 に 限 っては 人 為 影 響 の 及 ばない 箇 所 として ひとくく りの 情 報 として 考 える 方 が 妥 当 と 言 える 199 年 になると 地 被 状 態 が 大 きく 変 化 した その 傾 向 を 見 ると 草 地 耕 作 地 が 減 少 し 逆 に 樹 林 地 の 割 合 が 増 加 した その 割 合 は 197 年 からの 1 年 間 で 樹 林 割 合 が 3 倍 まで 増 え 1%となった.. 土 地 利 用 の 変 化 パターン 図 -5 に 土 地 利 用 の 変 化 パターンを 示 す 楕 円 内 の 数 字 は 読 み 取 りから 得 られた 各 地 被 の 面 積 (ha)を 示 して いる 図 の 上 部 が 下 部 よりも 古 い 年 であり 古 い 年 を 基 準 とし 新 しい 年 へ 向 かっての 地 被 状 態 の 変 化 を 線 で 結 ん でいる 線 内 の 数 字 は 上 部 から 下 部 へ 向 かい 同 一 ある いは 別 の 地 被 状 態 へ 変 化 した 面 積 を 示 している なお 19 年 のデータは 他 と 比 較 し 正 確 性 に 欠 けるため こ こでは 比 較 検 討 から 除 いた また 地 被 状 態 が その 他 である 箇 所 も 主 要 な 変 化 パターンとして 検 討 できないた め 検 討 外 とした 197 年 から 191 年 ( 期 間 1)にかけて 耕 作 地 のほ とんどはそのまま 耕 作 地 として 維 持 されており 草 地 へ の 転 換 も 若 干 見 られる 草 地 は 主 として 草 地 のまま 維 持 されているが 耕 作 地 へ 約 9ha 樹 林 地 へ 約 ha へと 変 化 していた また 樹 林 地 は 半 分 よりやや 少 ない 面 積 が 樹 林 地 のままであるが 残 りが 草 地 へと 変 化 してい 3 (%) 1 19 年 197 年 191 年 197 年 199 年 図 - 各 年 における 地 被 状 態 1.1 39..1 1. 9.3 1. 3. 樹 林 地 草 地 耕 作 地 人 工 裸 地 自 然 裸 地 水 域 その 他 水 域 自 然 裸 地 人 工 裸 地 耕 作 地 草 地 樹 林 地 13.9. 13.5 17.5 131.5 11.7 1.1 9. 13. 15.7 た 191 年 から 197 年 ( 期 間 )にかけては 期 間 1 での 傾 向 とほぼ 同 等 と 見 なしてよく 例 えば 草 地 と 樹 林 地 との 間 の 変 化 については 変 化 面 積 がほぼ 同 じであ った 一 方 197 年 から 199 年 ( 期 間 3)にかけては 期 間 1 期 間 と 比 較 すると その 変 化 の 傾 向 は 異 なっ 3. 期 間 1 197 年 191 年 水 域 自 然 裸 地 人 工 裸 地 耕 作 地 草 地 樹 林 地 131.5 11.7 1.1 9. 13. 15.7 13. 17. 9. 1.5 9.3.9 11.. 1.1 3.1 139.9 1. 3. 3. 9.1 11.7 1.1 期 間 191 年 197 年 水 域 自 然 裸 地 人 工 裸 地 耕 作 地 草 地 樹 林 地 11.. 1.1 3.1 139.9 1. 1. 1..1 1. 9. 13.1 1.. 19.5 91.1 51. 期 間 3 197 年 199 年 図 -5 期 間 別 にみた 地 被 状 態 の 変 化 パタ-ン - 表 中 の 数 字 は 面 積 (ha)を 示 す- 1.1 3.9.1..3 13.. 7. 1.3.3 11. 71. 7..3 3. 7. 7...9.

ていた とくに これまで 草 地 と 樹 林 地 で 約 7ha 前 後 の 面 積 が 入 れ 替 わっていたものが 草 地 から 樹 林 地 へと 変 化 する 面 積 が 3ha と 大 きくなり 樹 林 地 から 草 地 へと 変 化 する 面 積 は 約 3ha と 小 さくなっていた また 樹 林 地 のまま 維 持 される 面 積 は 約 1ha と 大 きくなっていた 期 間 3においては 草 地 であった 箇 所 が 樹 林 地 へと 変 化 する 傾 向 が 強 まり 樹 林 へと 遷 移 が 進 行 していることが 伺 えた 1 1 1 1 1 平 均 値.7 標 準 偏 差 1.5 中 央 値.3 1 1 1 1 1 平 均 値 1.17 標 準 偏 差 1.1 中 央 値. 1 1 1 1 1 平 均 値. 標 準 偏 差 3.9 中 央 値 1.3 1 1 1 1 1 平 均 値 1.7 標 準 偏 差. 中 央 値 11. % 1% % 3% % 5% % 1% % 3% % 5% % % 1% % 3% % 5% % 1% % 3% % 5% a) 草 地 が 近 年 になり 樹 林 地 となるパターン 草 地 (7) 草 地 (1) 草 地 (7) 樹 林 地 (9) ( 右 岸 17km) 1 1 1 1 1 平 均 値 1.11 標 準 偏 差. 中 央 値 1.1 % 1% % 3% % 5% 1 1 1 1 1 平 均 値. 標 準 偏 差 1.3 中 央 値. % 1% % 3% % 5% 1 1 1 1 1 平 均 値 5.5 標 準 偏 差.53 中 央 値. % 1% % 3% % 5% 1 1 1 1 1 平 均 値 1.9 標 準 偏 差.5 中 央 値 13.53 % 1% % 3% % 5% b) 草 地 が 3 年 以 上 前 に 樹 林 地 となっていたパターン 草 地 (7) 草 地 (1) 樹 林 地 (7) 樹 林 地 (9) ( 右 岸 3km) 1 1 1 1 平 均 値 5. 標 準 偏 差 1.39 中 央 値 5.3 1 1 1 1 平 均 値. 標 準 偏 差 1.3 中 央 値.5 1 1 1 1 平 均 値 7. 標 準 偏 差. 中 央 値.7 1 1 1 1 平 均 値 1.5 標 準 偏 差 3. 中 央 値 13.5 % 1% % 3% % 5% % 1% % 3% % 5% % 1% % 3% % 5% % 1% % 3% % 5% c) 過 去 より 樹 林 地 のまま 推 移 したパターン 樹 林 地 (7) 樹 林 地 (1) 樹 林 地 (7) 樹 林 地 (9) ( 左 岸 km) 1 1 1 平 均 値.5 標 準 偏 差. 中 央 値.71 % % % % % 1 1 1 平 均 値.91 標 準 偏 差 1. 中 央 値.5 % % % % % 1 1 1 平 均 値.9 標 準 偏 差 1. 中 央 値. % % % % % 1 1 1 平 均 値.59 標 準 偏 差.3 中 央 値. % % % % % d) 耕 作 地 が 草 地 になったパターン 耕 作 地 (7) 耕 作 地 (1) 耕 作 地 (7) 草 地 (9) ( 左 岸 km) 図 - 各 年 の 地 物 高 分 布 と との 関 係

..3 地 物 高 ( 草 本 高 樹 林 高 )の 変 化 ここでは 樹 林 化 と 関 連 するとみられる 典 型 的 な 変 化 について 高 さ 情 報 を 利 用 して 検 討 する 図 - に 樹 林 化 に 関 わる 典 型 的 な つのパターンを 示 した 箇 所 における 地 物 高 とその との 関 係 を 示 す なお ここでは 地 物 高 の 結 果 以 外 にも 当 該 箇 所 の 迅 速 図 での 凡 例 や 7 年 に 植 生 調 査 を 行 ったので 1 年 前 から 現 在 までの 地 被 状 態 の 変 化 について 定 性 的 な 記 述 も 加 えた a) 草 地 が 近 年 になり 樹 林 地 となるパターン ( 草 地 (7) 草 地 (1) 草 地 (7) 樹 林 地 (9)) 右 岸 の17km 付 近 にあたり 迅 速 図 ではヨシ 原 であった 箇 所 が 7 年 には ムクノキ-エノキ 林 が 優 占 してい る 図 - 図 -5にもみられるように 草 地 が 減 少 し 樹 林 地 が 増 加 するパターンは 主 要 パタ-ンの1つとしてあ げられる 地 物 高 の 変 化 をみると 197 年 には 中 央 値 で 約 m で あり 1~m の 地 物 高 の 占 める 割 合 が 高 い 191 年 は 中 央 値 が 1m 未 満 であり 1~m にかけて 幅 広 く 分 布 して いた 197 年 には 大 部 分 は 地 物 高 1~m であるが 1m を 超 える 地 物 高 もわずかにみられた 199 年 には 中 央 値 で 約 11m であり 全 体 的 に 高 木 林 が 目 立 つようになっ た 他 年 と 比 較 し 大 きな 地 物 高 ( 樹 林 )が 目 立 ち 地 物 高 が 9m~1m の 間 において どの 高 さも が 1% 前 後 であった b) 草 地 が 3 年 以 上 前 に 樹 林 地 となっていたパターン ( 草 地 (7) 草 地 (1) 樹 林 地 (7) 樹 林 地 (9)) 右 岸 の 3km 付 近 にあたり 迅 速 図 ではヨシ 原 であっ た 箇 所 が 7 年 には ムクノキ-エノキ 林 が 優 占 して いる 地 物 高 の 変 化 をみると 197 年 には ~m の 地 物 高 が 全 体 の 9% 以 上 を 占 めていた 中 央 値 が 1m ということ からみても 背 丈 の 小 さな 草 本 が 優 占 していたものと 思 われる 191 年 になると 徐 々に 地 物 高 が 高 くなり m が 分 布 の 中 央 となる 大 部 分 はヨシやオギといった 高 茎 草 本 と 考 えられる また は 僅 かだが 最 大 で 7m の 高 さもみられることから 孤 立 の 樹 木 があったものと 思 われる 197 年 には 平 均 値 中 央 値 とも m 前 後 で あり 樹 林 が 目 立 つようになった 199 年 になり 1-15m 付 近 だけで 全 体 の 約 %を 占 めるなど 高 木 の 樹 林 地 が 目 立 つようになった c) 過 去 より 樹 林 地 のまま 推 移 したパターン ( 樹 林 地 (7) 樹 林 地 (1) 樹 林 地 樹 林 地 (9)) 左 岸 のkm 付 近 にあたり 迅 速 図 では 松 林 であった 箇 所 が 7 年 にはクヌギ 林 が 優 占 している 空 中 写 真 による 地 被 状 態 の 変 化 から 197 年 から 199 年 にかけて 樹 林 地 である 箇 所 だが 地 物 高 ( 樹 林 )には 大 きな 変 化 がみられた 地 物 高 の 変 化 をみると 197 年 には 中 央 値 が 約 5m で あり m~m の 低 木 林 が 大 部 分 を 占 めていた 191 年 に は 中 央 値 が 約 3m になり この 期 間 中 に 刈 り 取 りが 行 わ 5 れていたものと 推 察 される 197 年 になり 中 央 値 が m を 超 え 7m~9m の 亜 高 木 林 が 多 く 占 めるようになった 199 年 には 中 央 値 が 約 1m になり 高 木 林 が 多 く 占 める ようになった d) 耕 作 地 が 草 地 になったパターン ( 耕 作 地 (7) 耕 作 地 (1) 耕 作 地 (7) 草 地 (9)) 左 岸 のkm 付 近 にあたり 迅 速 図 では 畑 地 だったが 7 年 には 草 本 にセイタカアワダチソウ ハナムグラ オギ カナムグラなど 樹 林 にタチヤナギ スギ サワ ラなどが 混 成 している 地 物 高 の 変 化 をみると 197 年 から 197 年 にかけて は 耕 作 地 であるため 地 物 高 も 低 い 199 年 に 耕 作 地 から 草 地 へ 変 化 したが 地 物 高 に 大 きな 変 化 はみられな かった この 理 由 として 199 年 の 段 階 では 放 棄 され てから 数 年 ほどしか 経 ていない 可 能 性 がある つまり 191 年 19 年 の 度 に 渡 る 大 きな 出 水 を 境 に 耕 作 放 棄 地 が 増 えたのが 一 因 と 思 われる 以 上 のように 管 理 が 行 き 届 いた 土 地 では 時 間 が 経 ても 地 物 高 が 高 く 成 り 得 ないが 放 置 してから 約 15 年 も 経 ると 樹 林 が 目 立 つようになるようである.5 考 察 本 研 究 では 現 存 する 迅 速 図 や 空 中 写 真 を 用 いて 人 的 利 用 の 変 化 が 河 川 高 水 敷 の 地 被 状 態 へ 表 れることを 定 量 的 に 把 握 した 19 年 代 から 197 年 代 までにかけて は 各 地 被 面 積 の 割 合 はほぼ 一 定 であったが その 内 訳 をみると 草 地 が 樹 林 地 に 変 化 したり また 戻 ったりして いた これらの 変 化 は 収 支 バランスがとれており 人 の 生 活 に 密 着 し 持 続 的 に 管 理 されていたことが 伺 えた 既 存 の 資 料 やヒアリングにより この 地 域 では 197 年 代 以 降 になると 生 活 様 式 の 変 化 により 河 川 の 樹 木 や ヨシ 等 を 利 用 しなくなっており このため 一 方 的 な 変 化 が 始 まったと 考 えられる それは 樹 林 面 積 の 拡 大 と 樹 木 高 の 増 加 であった 樹 木 高 については 管 理 放 棄 を 始 めて 約 15 年 も 経 ると 15~mほどの 高 木 林 へと 変 化 していた このように 人 為 の 影 響 が 少 なくなれば 植 物 の 自 然 的 な 遷 移 に 従 い 程 度 の 違 いはあるが 1 年 ~ 年 のうちに 本 河 川 は 樹 林 化 へと 進 行 すると 考 えられる 地 物 高 の 変 化 の 検 討 から 樹 林 化 の 傾 向 については 3 つの 傾 向 があることが 考 えられた 1つ 目 は 草 地 から 樹 林 地 へと 変 化 するもので かつてヨシ 原 であった 箇 所 が 樹 林 へ 至 るパターンである ヨシ 原 は 根 葺 き 垣 根 よしず あるいは 燃 料 肥 料 などに 利 用 されていたが 現 在 では その 利 用 のための 刈 り 取 りや 火 入 れが 行 われ なくなり 樹 林 地 の 増 加 に 繋 がったと 考 えられる 本 河 川 の 場 合 その 傾 向 は 早 い 箇 所 で 197 年 には 表 れてい た つ 目 は 樹 林 地 であった 箇 所 の 樹 木 が 高 木 化 したり 樹 林 地 が 拡 大 するパターンである これは マツ クヌ ギ コナラの 薪 炭 林 が 利 用 されなくなった 結 果 樹 木 の 高 木 化 や 樹 林 地 の 拡 大 に 繋 がったものと 考 えられる こ

の 理 由 として 河 川 においても 里 山 管 理 と 同 じように 15~5 年 に1 度 は 薪 炭 林 の 更 新 のため 伐 採 する ) という 生 活 様 式 が 消 滅 したことによる 影 響 が 大 きいと 思 われる また 197 年 以 降 は 河 川 管 理 上 治 水 安 全 率 を 維 持 す るための 樹 林 伐 採 が 樹 木 の 抑 制 につながっていたが こ れが 最 近 減 少 してきた 結 果 が 表 れているものと 推 察 され る 3 つ 目 は 耕 作 地 であった 箇 所 が 放 棄 された 結 果 草 地 化 へと 進 行 し 15~ 年 後 には 樹 林 地 への 増 大 が 懸 念 されるパターンである 以 上 の 3 つのパターンは す べて 生 活 様 式 の 変 化 を 反 映 したものである 例 えば カ ヤ 場 (ヨシ 原 )の 減 少 は 茅 葺 き 屋 根 からトタンや 瓦 屋 根 へと 変 化 した 結 果 であるし 薪 炭 林 放 棄 は 燃 料 が 木 炭 から 石 油 ガスへと 変 化 した 結 果 である さらに 第 一 次 産 業 の 衰 退 にともなう 耕 作 地 の 減 少 は 近 年 堤 内 地 においても 多 く 見 られるようになってきた 社 会 現 象 の 一 端 であり 今 後 河 川 の 樹 林 化 を 促 進 する 可 能 性 が 高 い これらの 生 活 様 式 の 変 化 は 地 被 状 態 の 変 化 に 与 える だけでなく 地 域 の 河 川 生 態 系 にも 影 響 を 及 ぼしている 可 能 性 が 高 い 一 例 をあげれば ヨシ 原 に 依 存 するオオ ヨシキリや 林 床 内 のフジバカマの 減 少 なども 生 活 様 式 の 変 化 に 起 因 する 現 象 とも 考 えられる. おわりに 本 研 究 では 空 中 写 真 等 を 用 いて 土 地 利 用 の 変 化 パタ ーンやその 変 化 量 を 抽 出 することを 目 的 とし 得 られた 結 果 を 踏 まえて 地 被 状 態 の 変 化 と 人 的 利 用 の 変 化 との 関 係 ついて 考 察 を 行 った その 結 果 過 去 1 年 間 の 土 地 利 用 の 変 化 や 空 中 写 真 の 表 層 高 の 変 化 は 流 域 の 生 活 と 密 接 にかかわっていることを 定 量 的 に 示 した 3. 河 原 植 生 の 出 水 に 伴 う 植 生 遷 移 機 構 に 関 する 検 討 3.1 概 説 河 川 特 有 の 自 然 景 観 である 河 原 は 多 くの 河 川 で 減 少 している 1) 河 原 の 減 少 は 河 原 特 有 の 環 境 に 依 存 する 生 物 の 減 少 の 問 題 とも 関 係 が 深 い 9) これらの 問 題 を 解 決 する 為 に 砂 州 の 切 り 下 げ 等 の 河 原 再 生 事 業 が 各 地 で 行 われている 9-1) この 際 河 原 再 生 事 業 の 目 標 には カ ワラヨモギ カワラハハコ カワラノギク 等 の 希 少 河 原 植 物 の 保 全 や 回 復 があげられる 場 合 が 多 い 9) しかし これら 希 少 河 原 植 物 の 生 育 地 の 成 立 および 維 持 機 構 につ いては よく 分 かっていない そのため これらを 把 握 できれば 河 原 再 生 事 業 の 実 施 にあたり 砂 州 切 り 下 げ 高 さおよび 形 状 の 設 計 に 反 映 でき 事 業 の 効 果 をより 高 くすることができると 思 われる 一 般 に 砂 礫 州 上 の 植 物 群 落 は 洪 水 による 生 育 地 の 撹 乱 による 縮 小 と その 撹 乱 により 新 たに 生 じた 立 地 への 拡 大 を 周 期 的 に 繰 り 返 している 頻 繁 に 撹 乱 が 発 生 する 立 地 では 植 物 は 群 落 を 形 成 できない 一 方 撹 乱 の 少 ない 立 地 でも 様 々な 要 因 ( 例 えば 植 物 の 生 育 に 必 要 な 水 分 の 不 足 等 )により 植 物 群 落 の 拡 大 が 制 限 される 高 頻 度 に 撹 乱 が 発 生 せず 植 物 群 落 の 拡 大 を 制 限 する 要 因 が 少 ない 条 件 の 立 地 では 一 年 生 草 本 から 多 年 生 草 本 等 の 安 定 的 植 生 へと 遷 移 していくことが 考 えられる 希 少 河 原 植 物 もまた 洪 水 の 撹 乱 による 破 壊 と 他 の 植 物 と 競 合 しながら 生 育 しているものと 考 えられる しかし 希 少 河 原 植 物 の 生 育 地 について 洪 水 撹 乱 の 影 響 および 周 辺 植 物 との 生 育 条 件 の 違 いを 定 量 的 に 把 握 した 事 例 は 少 ない そこで 本 研 究 は 実 際 に 希 少 河 原 植 物 であ るカワラヨモギおよびカワラハハコが 現 存 する 砂 州 を 対 象 に これら 希 少 河 原 植 物 の 生 育 地 の 成 立 過 程 および 維 持 機 構 を 洪 水 撹 乱 の 強 度 および 周 辺 植 生 の 拡 大 に 着 目 し 明 らかにすることを 目 的 とする 3. 方 法 3..1 対 象 砂 州 位 置 対 象 砂 州 は 流 域 が 福 島 栃 木 茨 城 の3 県 にまたが る 一 級 河 川 那 珂 川 の 河 口 から 5 5- km( 栃 木 茨 城 県 境 の 茨 城 県 側 )に 位 置 する 対 象 砂 州 の 存 在 する 区 間 は 那 珂 川 が 八 溝 山 地 を 横 断 する 狭 窄 区 間 を 出 た 直 後 台 地 丘 陵 区 間 に 該 当 し 河 床 勾 配 は 約 1/77 河 床 材 料 は 代 表 粒 径 5mm の 砂 礫 で 構 成 され 平 常 時 水 面 幅 は 約 75m セグメント -1 に 分 類 される 対 象 砂 州 の 位 置 を 図 -7 に 示 す 3..1 砂 州 および 植 生 の 変 遷 履 歴 の 整 理 現 在 維 持 されている 希 少 河 原 植 物 の 立 地 が どのよう な 過 程 をたどり 成 立 したか 把 握 するために 対 象 砂 州 の 平 面 形 状 および 植 生 の 変 遷 を 整 理 した 砂 州 の 平 面 形 状 は 空 中 写 真 により 判 読 した 植 生 の 変 遷 は 空 中 写 真 を 判 読 し 対 象 砂 州 上 の 植 生 を 竹 林 密 に 生 育 する 草 本 粗 に 生 育 する 草 本 裸 地 に 分 類 した そして 各 分 類 の 面 積 と 平 面 位 置 の 変 遷 を 求 めるために GIS を 用 いて 整 理 した 3.. 洪 水 撹 乱 強 度 現 在 の 植 物 の 生 育 地 に 働 いた 洪 水 撹 乱 強 度 を 把 握 す るために 1 次 元 不 等 流 計 算 により 掃 流 力 (τ)を 求 め た 計 算 を 行 うにあたり まず 3 年 の 定 期 横 断 測 量 によって 得 られた 標 高 データおよび 現 地 で RTK-GPS 測 量 機 器 ( 精 度 5cm 以 内 )を 使 用 し 計 測 した 標 高 データを 用 い 1m 間 隔 で 計 算 断 面 を 設 定 した 次 に 近 傍 の 流 量 観 測 所 ( 野 口 )の 流 量 履 歴 を 整 理 ( 図 -)し 計 算 流 量 を 決 定 した 199 年 の 最 大 流 量 はデータが 欠 損 していた め 水 位 11) を 用 い H-Q 曲 線 より 推 測 した 199 年 から 年 まで 発 生 した 洪 水 の 最 大 流 量 は 約 m 3 /s で あった 以 降 3 年 から 7 年 まで 砂 州 上 の 草 本 が 拡 大 傾 向 にあり 発 生 した 洪 水 の 最 大 流 量 は 約 m 3 /s であった このため 現 在 (7 年 )の 植 生 分 布 を 洪 水 撹 乱 の 観 点 から 規 定 しているのは 流 量 m 3 /s の 洪 水 と 考 え 計 算 対 象 流 量 を m 3 /s とした そして 流 量 m 3 /s の 洪 水 時 に 植 物 の 生 育 地 に 働 く 掃 流 力 (τ) を 式 (1)のように 求 めた

福 島 県 5 3 1 m 3 /s 暫 定 値 推 定 値 那 珂 川 199 1999 1 3 5 7 図 - 199 年 以 降 に 発 生 した 洪 水 の 年 最 大 流 量 那 珂 川 流 域 界 栃 木 県 茨 城 県 県 境 対 象 砂 州 太 平 洋 図 -9 調 査 ライン 位 置 細 粒 土 砂 なし( 透 礫 層 ) マトリクスで 存 在 厚 みをもって 堆 積 図 -7 対 象 砂 州 図 -1 細 粒 土 砂 の 堆 積 状 態 3) τ = ρghi e (1) ρ(=1kg/m 3 ): 水 の g(=9.m/s ): 重 力 加 速 度 h: 計 算 によって 得 られた 水 位 から 地 盤 高 を 減 じて 得 た 植 物 の 生 育 地 上 の 水 深 i e :エネルギー 勾 配 断 面 形 状 を 考 慮 した 一 次 元 不 等 流 計 算 を 実 施 したため 得 られた 水 位 情 報 に 基 づいて 横 断 面 に 任 意 の 位 置 毎 にh を 与 えることで 出 水 時 における 砂 州 上 の 掃 流 力 分 布 を 求 めることができる 3..3 現 状 の 植 物 分 布 と 細 粒 土 砂 の 堆 積 状 態 砂 州 上 の 植 物 群 と 地 形 や 細 粒 土 砂 の 堆 積 状 況 の 関 係 を 把 握 するために 河 川 横 断 方 向 に 5 本 の 調 査 ラインを 設 定 し( 図 -9) このラインに 沿 って 植 物 群 の 種 類 や 細 粒 土 砂 の 堆 積 状 態 地 盤 高 を 計 測 した 細 粒 土 砂 の 堆 積 状 態 は 図 -1 に 基 づき 分 類 し 地 盤 高 及 び 調 査 位 置 の 記 録 は RTK-GPS 測 量 機 器 を 用 いた 加 えて 水 面 比 高 ( 地 盤 高 - 調 査 時 の 水 面 高 )を 求 め 植 物 群 との 関 係 を 把 握 した なお 調 査 は 7 年 に 発 生 した 約 m 3 /s の 洪 水 後 に 行 った 3.3 結 果 7 3.3.1 生 育 地 の 成 立 過 程 (1) 砂 州 形 状 の 変 遷 図 -11 に 193 年 ~7 年 における 対 象 砂 州 の 変 遷 を 示 す 193 年 の 澪 筋 は 現 在 と 異 なり 左 岸 側 にあった 現 在 希 少 河 原 植 物 が 存 在 する 地 点 は そのほとんどが 水 中 であった その 後 1993 年 にかけて 砂 州 は 徐 々に 下 流 へ 移 動 し 現 在 希 少 河 原 植 物 が 生 育 する 立 地 は 199 年 に 形 成 された 以 降 7 年 までに 対 象 砂 州 は 右 岸 側 および 下 流 側 へ 若 干 の 拡 大 が 見 られた したがって 対 象 砂 州 は 形 状 を 変 化 させながら 193 年 から 199 年 の 35 年 間 に 約 5m 下 流 へ 移 動 した その 後 現 在 までに 砂 州 の 移 動 を 伴 う 変 化 はないことから 現 在 希 少 河 原 植 物 が 生 育 する 立 地 は 199 年 に 形 成 さ れていることとなる () 植 生 の 変 遷 図 -1 に 1993 年 以 降 の 植 生 の 変 遷 を 示 す 1993 年 に おいて 砂 州 の 左 岸 側 は 密 に 生 育 する 草 本 ( 以 下 草 本 ( 密 ))であり 本 流 側 の 水 際 は 裸 地 であった 199 年 で は 1993 年 に 存 在 した 左 岸 側 の 草 本 ( 密 )は 多 くが 裸 地 に 変 化 した 年 では 199 年 に 砂 州 中 央 部 に 帯 状 に 残 存 した 粗 な 状 態 の 草 本 ( 以 下 草 本 ( 粗 ))が 草 本 ( 密 )

過 去 の 水 際 線 図 -1 植 生 の 変 遷 (1993 年 ~7 年 ) 希 少 河 原 植 物 生 息 場 m 7 5 3 1 1993 199 3 7 竹 林 草 本 ( 密 ) 草 本 ( 粗 ) 裸 地 図 -11 砂 州 の 変 遷 (193~7 年 ) に 変 化 したが 草 本 の 範 囲 はほとんど 拡 大 していない 3 年 には 本 流 側 の 水 際 に 草 本 ( 密 )が 新 たに 現 れ 砂 州 中 央 部 の 草 本 が 拡 大 した 7 年 には 砂 州 中 央 部 の 草 本 が 生 育 を 増 した 次 に 図 -13 に 植 生 面 積 の 時 系 列 変 化 を 示 す 199 年 に 増 大 した 裸 地 面 積 は 3 年 以 降 草 本 の 増 加 に 伴 い 減 少 した 竹 林 の 面 積 も 199 年 に 一 旦 減 少 したものの その 後 は 拡 大 傾 向 にある つまり 現 在 は 199 年 に 砂 州 中 央 部 に 残 存 していた 草 本 を 中 心 に 草 本 が 拡 大 すると 同 時 に 水 際 にも 草 本 図 -13 植 生 面 積 の 変 化 が 定 着 し 結 果 として 裸 地 面 積 が 減 少 している 状 況 であ った 3.3. 生 育 地 の 物 理 条 件 (1) 撹 乱 強 度 砂 州 上 の 草 本 が 拡 大 傾 向 にある 3 年 から 7 年 に かけて 発 生 した 洪 水 の 最 大 流 量 は 約 m 3 /s であり 現 在 の 植 生 に 発 生 した 最 大 の 撹 乱 強 度 はその 際 に 発 生 した ものと 考 えられる 数 値 計 算 により 求 めた 流 量 m 3 /s 時 の 掃 流 力 と 現 在 の 植 物 群 の 立 地 の 関 係 を 図 -1 に 示 す なお 199 年 から 7 年 にかけて 発 生 した 年 最 大 流 量 の 平 均 値 が 約 3m 3 /s であり 約 m 3 /s 規 模 の 洪 水 は 199 年 から 7 年 にかけて 3 回 発 生 している

τ(kn/m ).7..5..3..1. 死 水 域 のデータ -.1 ク ヤ オ ヨ ス シ ツ カ カ 裸 サ ナ ギ シ ズ ナ ル ワ ワ 地 ヨ ギ メ ダ ヨ ラ ラ シ ガ レ シ ハ ヨ ヤ ハ モ コ ギ 図 -1 植 物 群 の 立 地 に 働 いた 推 定 掃 流 力 (m 3 /s) 裸 地 は 掃 流 力 が 約.kN/m 以 上 の 立 地 に 存 在 して いた それと 入 れ 替 わるように 掃 流 力 が 約.kN/m 以 下 の 立 地 には 希 少 河 原 植 物 が 生 育 していた 希 少 河 原 植 物 よりやや 強 い 掃 流 力 が 働 く 立 地 には シナダレス ズメガヤが 生 育 し 希 少 河 原 植 物 より 弱 い 掃 流 力 が 働 く 立 地 には ヨシ オギが 生 育 していた ツルヨシはさま ざまな 大 きさの 掃 流 力 が 働 く 場 所 に 生 育 していた また ヤナギとクサヨシは 計 算 上 死 水 域 に 設 定 した 砂 州 の 左 岸 (ワンド) 側 の 立 地 に 生 育 していた () 比 高 図 -15 に 植 生 と 比 高 の 関 係 を 示 す 希 少 河 原 植 物 は 比 高 が 約.5m 以 上 の 立 地 に 生 育 していた 希 少 河 原 植 物 の 生 育 地 は 他 の 植 生 のそれと 比 較 して 比 高 の 大 きな 場 所 である しかし 同 様 の 比 高 の 立 地 には オギ ヨ シ シナダレズズメガヤ ツルヨシが 繁 茂 しており 比 高 だけでは 希 少 河 原 植 物 の 生 育 地 と 他 の 植 物 は 分 かれ ていない (3) 細 粒 土 砂 の 堆 積 状 況 図 -1 に 植 物 群 落 と 河 床 構 造 の 比 較 結 果 を 示 す 希 少 河 原 植 物 とシナダレスズメガヤを 除 くオギ ヨシのすべ て およびほとんどのツルヨシは 細 粒 土 砂 が 厚 みを 持 って 堆 積 した 立 地 に 生 育 していた 細 粒 土 砂 なしの 状 態 の 立 地 に 生 育 する 植 物 はツルヨシ 以 外 なかった 細 粒 土 砂 が 厚 みをもって 堆 積 する 環 境 では 希 少 河 原 植 物 以 外 の 植 物 が 繁 茂 するが マトリクスの 状 態 では 繁 茂 せず 希 少 河 原 植 物 とシナダレスズメガヤが 生 育 してい た 3.. 考 察 3..1 生 育 地 の 維 持 条 件 出 水 時 に 希 少 河 原 植 物 の 生 育 地 に 働 く 掃 流 力 は オギ ヨ シの 生 育 地 での 値 よりも 強 く 裸 地 での 値 よ りも 弱 い つまり 洪 水 撹 乱 強 度 の 観 点 から 希 少 河 原 1% % % % % % 比 高 (m). 3.5 3..5. 1.5 1..5. ク サ ヨ シ ヤ ナ ギ ス シ ズ ナ メ ダ ガ レ ヤ 植 物 の 生 育 地 は 裸 地 とオギ 等 の 生 育 地 の 境 界 域 にある と 捉 えることができる 希 少 河 原 植 物 の 生 育 地 と 裸 地 は 流 量 Q=m 3 /s の 洪 水 による 掃 流 力 の 大 きさで 分 類 す ることができ その 閾 値 は 約.kN/m であった この 値 は 裸 地 が 分 布 形 成 される 場 所 に 働 く 掃 流 力 を 求 めた 既 往 の 研 究 結 果 と 一 致 する 1) なお 掃 流 力 の 値 は 平 面 的 な 流 れの 分 布 を 考 慮 した 平 面 次 元 不 等 流 計 算 ではなく 1 次 元 の 不 等 流 計 算 を 基 に 算 出 した 値 である そのため 厳 密 に 植 物 の 生 育 地 に 働 いた 撹 乱 強 度 を 指 標 しているとはいえない しかし オ ギ ヨ シ ツ ル ヨ シ 図 -15 比 高 と 植 物 群 の 関 係 なし マトリクスで 存 在 厚 みをもって 堆 積 ク サ ヨ シ ヤ ナ ギ オ ギ ヨ シ ス シ ズ ナ メ ダ ガ レ ヤ ツ ル ヨ シ カ ワ ラ ハ ハ コ 図 -1 細 粒 土 砂 の 堆 積 状 況 と 植 物 群 の 関 係 カ ワ ラ ヨ モ ギ カ カ ワ ワ ラ ラ ハ ヨ ハ モ コ ギ 裸 地 裸 地 9

本 稿 の 対 象 区 間 は 河 道 法 線 がほぼ 直 線 のため 洪 水 の 流 向 も 直 線 的 であると 推 測 される そのため 1 次 元 の 不 等 流 計 算 で 求 めた 掃 流 力 を 植 物 の 生 育 地 を 分 類 す るという 枠 の 中 で 取 り 扱 う 程 度 では 大 きな 問 題 になら ないと 考 えている 希 少 河 原 植 物 の 生 育 地 とオギ 等 の 生 育 地 は 見 かけ 上 掃 流 力 の 大 きさで 分 類 することができる( 図 -17) オギ ヨシより 希 少 河 原 植 物 の 方 が 洪 水 時 において 生 育 地 に 働 く 掃 流 力 が 強 い このことから 希 少 河 原 植 物 の 生 育 地 は オギ ヨシのそれと 比 べ 撹 乱 を 受 けやすいと 考 え られる しかし 撹 乱 を 受 けやすい 立 地 に 生 育 する 希 少 河 原 植 物 が より 安 定 して 生 育 可 能 である 立 地 において 生 育 困 難 であるとは 考 えにくく 洪 水 時 の 撹 乱 強 度 の 違 いだけでは 希 少 河 原 植 物 の 生 息 地 とオギ 等 の 生 息 地 を 分 類 することはできない そこで 植 物 の 生 育 地 の 比 高 と 細 粒 土 砂 の 堆 積 状 況 に 着 目 すると 希 少 河 原 植 物 の 生 育 地 の 物 理 条 件 は 平 常 時 水 面 比 高 が 約.5m 以 上 であり 細 粒 土 砂 が 厚 みをもって 堆 積 していないことであった 比 高 に 関 しては オギ 等 の 生 育 地 をはじめ 裸 地 も 希 少 河 原 植 物 の 生 息 地 と 同 様 の 条 件 にも 存 在 していた しかし 細 粒 土 砂 の 堆 積 状 況 に 関 しては 希 少 河 原 植 物 およびシ ナダレスズメガヤの 生 息 地 は 細 粒 土 砂 が 厚 みを 持 って 堆 積 していない 立 地 オキ 等 は 厚 みをもって 堆 積 した 立 地 であった つまり 希 少 河 原 植 物 の 生 育 地 とオギ 等 の 生 育 地 は 細 粒 土 砂 の 堆 積 状 況 の 違 いで 分 類 できる これらのことを 他 の 植 物 との 競 合 の 観 点 から 鑑 みる と 希 少 河 原 植 物 の 生 育 場 の 維 持 機 構 は 以 下 のような ものであると 考 えられる 平 常 時 水 面 比 高 が 小 さな 場 所 では 植 物 が 利 用 できる 水 分 量 が 多 いため 水 分 の 要 求 量 が 多 少 高 くても 他 の 植 物 との 競 争 に 強 い 植 物 (ツルヨシ 等 )が 生 育 する 一 方 比 高 が 高 くとも 細 粒 土 砂 が 厚 みを 持 って 堆 積 した 場 所 では 細 粒 土 砂 が 水 分 を 保 持 するため オギ 等 の 草 本 が 繁 茂 する 13-1) 以 上 のことを 踏 まえれば 希 少 河 原 植 物 が 維 持 される ためには 他 の 植 物 が 進 入 しないような 条 件 の 立 地 であ ることと 高 頻 度 で 強 い 撹 乱 が 生 じないことが 必 要 であ る( 図 -17) 3.. 生 育 地 の 成 立 機 構 掃 流 力 を 算 出 するために 用 いた 流 量 m 3 /s 程 度 の 洪 水 は 7 年 にも 発 生 したが 現 在 の 希 少 河 原 植 物 と その 生 育 地 は 破 壊 されるほどの 撹 乱 を 受 けていない し かし 裸 地 と 比 較 すると 洪 水 時 の 掃 流 力 が 弱 い 立 地 であ ることに 加 え 周 辺 の 密 生 する 草 本 (オギ ツルヨシ) の 影 響 もあり 冠 水 のたびに 土 砂 が 捕 捉 堆 積 すると 考 えられる 15) その 堆 積 した 細 粒 土 砂 に オギ 等 の 高 茎 草 本 が 拡 大 し 希 少 河 原 植 物 の 立 地 は 減 少 すると 推 察 され る 15) このため 希 少 河 原 植 物 の 生 育 地 は いずれ 細 粒 土 砂 が 堆 積 しオギに 代 表 される 高 茎 草 本 へ 遷 移 すると 考 えられる 実 際 に 当 該 砂 州 においても 徐 々に 裸 地 が 1 τ(kn/m )..5..3..1 なし - マトリクスで 存 在 厚 みをもって 堆 積 τ(kn/m )..5..3..1 なし - 裸 地 掃 流 力.kN/m 以 下 希 少 河 原 植 物 細 粒 土 砂 が, 厚 みを もって 堆 積 していない 比 高.5m 以 上 他 の 植 物 図 -17 希 少 河 原 植 物 の 生 育 範 囲 大 規 模 洪 水 による 裸 地 化 マトリクス 細 中 粒 小 土 規 砂 模 の の 堆 洪 積 水 に よ る 厚 みをもって 堆 積 比 高 (m) 減 少 し 草 本 が 増 加 している( 図 -15 図 -1) 希 少 河 原 植 物 の 生 育 地 が 維 持 される 為 には オギに 代 表 される 高 茎 草 本 に 遷 移 したとしても 新 たな 生 育 立 地 が 成 立 する 必 要 がある そのためには 現 在 の 希 少 河 原 植 物 の 生 育 場 が 形 成 された 時 のように 砂 州 の 移 動 あ るいは 植 生 の 破 壊 を 伴 うような 洪 水 撹 乱 が 必 要 である ( 図 -1) つまり 希 少 河 原 植 物 の 生 育 地 は 大 きな 洪 水 によって 植 物 が 消 失 することで 形 成 され その 後 オ ギ 等 の 高 茎 草 本 が 侵 入 し 尽 くすまで 維 持 されると 考 えら れる 3.5 おわりに 希 少 河 原 植 物 の 生 育 地 は 裸 地 とオギ 等 の 生 育 地 の 境 界 域 にあると 捉 えることができ 生 育 地 に 働 く 洪 水 の 撹 乱 強 度 が 裸 地 より 弱 く 物 理 条 件 が 周 辺 植 生 の 生 育 に 適 5..5. 3.5 3..5. 1.5 1..5. 比 高 (m) 図 -1 洪 水 規 模 と 希 少 河 原 植 物 生 育 地 の 変 化 5..5. 3.5 3..5. 1.5 1..5.

さない 条 件 であった また そのような 立 地 は 大 規 模 洪 水 による 洪 水 撹 乱 により 形 成 される 砂 礫 河 原 再 生 の 目 標 として 希 少 河 原 植 物 の 生 育 地 を 再 生 する 場 合 頻 繁 に 強 い 掃 流 力 が 発 生 することにより 裸 地 として 維 持 されるような 立 地 ばかりではなく 希 少 河 原 植 物 が 生 育 できるような 弱 い 掃 流 力 が 働 く 場 も 存 在 することが 重 要 である そのためには 事 前 に 対 象 立 地 に 働 く 掃 流 力 を 予 測 する 必 要 がある また 裸 地 とオギ 等 の 生 育 場 の 境 界 域 が 幅 広 く 形 成 される 必 要 がある 同 時 に 中 小 規 模 の 洪 水 による 細 粒 土 砂 の 堆 積 を 起 こりに くくすることにより より 長 期 に 希 少 河 原 植 物 生 育 地 の 維 持 が 可 能 となる 対 象 砂 州 で 希 少 河 原 植 物 の 生 育 地 が 成 立 および 維 持 していく 上 で 課 題 としては 以 下 のことがあげられる 1 点 目 は 外 来 種 であるシナダレスズメガヤの 存 在 で ある シナダレスズメガヤと 希 少 河 原 植 物 は 同 じ 条 件 ( 掃 流 力 に 関 しては やや 強 め)での 立 地 に 生 育 していた( 図 -1-1) つまり シナダレスズメガヤと 希 少 河 原 植 物 は 生 育 条 件 が 非 常 に 近 い このため 希 少 河 原 植 物 の 維 持 を 行 う 場 合 シナダレスズメガヤの 侵 入 がひとつの 問 題 になる 点 目 は 洪 水 特 性 の 予 測 が 必 要 性 である 希 少 河 原 植 物 の 生 育 地 を 保 全 し その 保 全 措 置 のデザインを 行 い 持 続 可 能 時 間 を 予 測 するためには 洪 水 に 伴 う 撹 乱 と 土 砂 の 堆 積 を 予 測 する 必 要 がある そのためには 精 度 の 高 い 洪 水 予 測 手 法 が 必 要 になる 3 点 目 は 竹 林 の 拡 大 である 竹 林 は 洪 水 の 流 れを 変 化 させ 竹 林 の 下 流 に 位 置 する 砂 州 の 撹 乱 強 度 を 弱 める と 同 時 に 細 粒 土 砂 を 堆 積 する そのため 大 規 模 洪 水 に 伴 う 希 少 植 物 の 生 育 地 の 成 立 が 起 こらなくなる 可 能 性 が ある 謝 辞 : 本 研 究 を 進 めるにあたって 水 位 流 量 航 空 写 真 横 断 測 量 等 のデータを 国 土 交 通 省 関 東 地 方 整 備 局 常 陸 河 川 国 道 事 務 所 から 提 供 していただきました ここ に 記 して 感 謝 の 意 を 表 します. 河 原 植 生 の 生 育 環 境 とその 成 立 に 伴 う 検 討.1 概 説 自 然 再 生 推 進 法 の 施 行 以 降 各 地 で 砂 礫 河 原 の 再 生 が 行 われている 砂 礫 河 原 の 再 生 の 取 り 組 みの 多 くは 過 去 に 失 われた 砂 礫 河 原 の 再 生 にとどまらず 樹 林 の 伐 採 による 治 水 安 全 度 の 向 上 レジャー 空 間 の 創 出 生 物 多 様 性 の 維 持 などの 副 次 的 な 効 果 が 期 待 できる 砂 礫 河 原 の 再 生 の 先 駆 的 な 研 究 事 例 として 多 摩 川 千 曲 川 を 始 め 河 川 工 学 の 視 点 から 河 道 の 特 性 を 加 味 し 砂 礫 河 原 再 生 のための 工 学 的 検 討 が 進 められている 1) これら の 検 討 のうち 植 物 の 研 究 に 限 ってみれば かつて 砂 礫 河 原 に 生 育 していたカワラノギク カワラハハコなどの 絶 滅 の 危 機 に 瀕 した 植 物 に 関 する 研 究 が 行 われている 1-1) 実 際 多 摩 川 では 現 地 にてカワラノギク 再 生 の 11 ための 実 証 実 験 が 行 われている 1 1) しかし カワラ ノギクの 維 持 のためには 同 じような 箇 所 に 生 育 する 外 来 植 物 の 抜 き 取 りが 欠 かせない 1) など 人 為 による 管 理 が 必 要 とされる このことは カワラノギクなどが 多 く 生 育 していた 時 代 と 違 い 外 来 生 物 が 増 加 するなど 河 川 をとりまく 周 囲 の 環 境 そのものが 変 化 していることの 反 映 と 考 えられる つまり 砂 礫 河 原 を 再 生 すれば そ れだけでカワラノギク カワラハハコなどの 環 境 が 再 生 されるわけではないことを 示 唆 している 実 際 に 197 年 代 以 降 に 道 路 のり 面 の 緑 化 材 に 利 用 されているシナダ レスズメガヤ オニウシノケグサ ネズミムギなどの 早 期 活 着 型 の 多 くの 外 来 牧 草 が 河 川 に 侵 入 しきている 19) このような 状 況 に 鑑 み 河 川 管 理 者 として 過 去 に 失 われた 砂 礫 河 原 の 環 境 を 取 り 戻 すと 同 時 に 外 来 種 をど のように 管 理 し 制 御 していくかは 生 物 多 様 性 を 維 持 する 面 からみても 重 要 である そのためにも 本 研 究 で 取 り 上 げるような 砂 礫 構 造 などの 違 いからみた 植 物 の 生 育 環 境 特 性 を 理 解 しておくことは 今 後 外 来 種 抑 制 の 研 究 へも 繋 がるものと 思 われる これまでのところ 植 物 種 と 河 原 植 物 が 生 育 する 微 地 形 環 境 については 19 年 代 以 降 石 川 ) 李 ら 1) を 始 めとし 揖 斐 川 多 摩 川 千 曲 川 での 報 告 事 例 がある ここでの 研 究 では 地 下 水 位 からの 比 高 冠 水 頻 度 の 違 いから 生 育 する 植 物 種 を 整 理 している 確 かに 見 か け 上 地 下 水 位 からの 比 高 と 植 物 種 の 生 育 場 所 とは 有 意 な 関 係 があることが 知 られている 15-1) ところが 1 つの 河 川 において 明 らかとなった 比 高 と 植 物 の 関 係 も それをそのまま 他 の 河 川 の 事 業 現 場 へ 適 用 できるとは 限 らない 実 際 植 物 の 水 利 用 の 観 点 から 見 ても 必 ずし も 比 高 の 違 いが 植 物 の 種 類 を 決 めているわけではない 例 えば 5 日 程 度 雨 が 降 らなくても 地 下 水 位 から ~3m ほどの 比 高 のある 場 所 でさえ 土 壌 の 構 成 の 如 何 に よっては カワラノギク カワラハハコのような 植 物 も 確 認 できる また 比 高 のみだけでの 整 理 では 新 しく できた 裸 地 に 植 物 が 侵 入 してきた 際 にどのようなプロセ スを 経 て 発 芽 成 長 に 繋 がるのかが 不 明 確 である 一 方 で 本 研 究 でも 取 り 上 げているように 砂 礫 構 造 の 違 いからみた 生 育 植 物 状 況 の 比 較 に 着 目 した 研 究 事 例 も 見 られる 末 次 ら 15) は 砂 礫 構 造 の 違 いを つのタイ プに 分 け 現 地 調 査 を 実 施 し これらの 比 較 を 行 っている しかしながら 砂 礫 構 造 と 植 物 種 との 関 係 については やや 定 性 的 な 記 述 にとどまっている 例 えば どの 程 度 の 砂 礫 厚 の 違 いにより 生 育 する 植 物 に 変 化 があるか ま たは 比 高 の 研 究 結 果 と 同 様 に 植 物 が 侵 入 してきた 段 階 ではどのような 条 件 であったかについては 明 らかにされ ていない 以 上 の 状 況 を 踏 まえ 本 研 究 では とくに 砂 礫 構 造 の 違 いが 河 原 植 物 の 生 育 環 境 特 性 に 及 ぼす 影 響 を 確 か めるため 現 地 調 査 室 内 実 験 を 行 った 現 地 調 査 では 砂 礫 構 造 のタイプの 違 いにより 植 物 の 生 育 量 ( 植 被 率 )

がどの 程 度 違 うかを 明 らかにした 室 内 実 験 では 砂 礫 構 造 灌 水 頻 度 を 変 え 植 物 がどのような 条 件 により 発 芽 するかを 検 討 した 本 研 究 では 砂 礫 河 原 における 植 物 の 生 育 のプロセスを 知 るとともに 最 終 的 には 砂 礫 河 原 を 再 生 する 際 に どのような 河 原 が 再 生 されるのかに ついての 展 望 を 示 す 一 助 になることを 目 的 としている. 現 地 調 査 および 実 験 方 法..1 現 地 調 査 現 地 調 査 は 茨 城 県 の 那 珂 川 ( 河 口 から 3km~75km) 久 慈 川 ( 河 口 から 5km~5km)の 砂 州 上 に 調 査 区 を 設 定 し 砂 礫 構 造 と 植 生 調 査 を 35 地 点 において 実 施 した 調 査 においては まず 砂 州 構 造 の 上 にパッチ 状 に 成 立 している 植 物 群 落 の 状 態 を 把 握 し 隣 接 する 群 落 の 影 響 を 受 けない 最 も 典 型 的 とみなされる 所 に 1m 1m の 方 形 区 を 設 置 した 次 に 調 査 区 内 の 砂 礫 構 造 は 砂 礫 の 被 覆 率 に 応 じ あらかじめ 5 つに 区 分 した 砂 礫 構 造 のタ イプを 調 査 区 ごとに 記 録 した それぞれの 砂 礫 構 造 のタ イプは タイプⅠ( 表 層 が 礫 1%で 被 覆 され 最 表 層 か ら 礫 を 層 以 上 除 去 しても 砂 成 分 が 確 認 できない) タイ プⅡ( 表 層 が 礫 1%で 被 覆 され 最 表 層 を 除 去 すると 砂 成 分 が 確 認 できる) タイプⅢ( 表 層 が 礫 と 砂 から 構 成 さ れ 砂 成 分 による 被 覆 は 1% 未 満 ) タイプⅣ( 表 層 が 礫 と 砂 から 構 成 され 砂 成 分 による 被 覆 は 1% 以 上 ) タイ プⅤ( 表 層 に 砂 成 分 が 堆 積 し 礫 が 全 く 見 えない)とし た( 写 真 -1) また 植 生 調 査 は 調 査 区 内 の 全 植 被 率 種 名 と 植 物 種 ごとの 主 根 長 を 計 測 した なお 主 根 長 は cm を 上 限 とした.. 実 験 方 法 現 地 調 査 で 確 認 された 植 物 および 他 の 河 川 の 河 原 で も 典 型 的 に 見 られる 植 物 5) 7) を 対 象 に 植 物 の 発 芽 成 長 実 験 を 行 った 実 験 は 恒 温 室 にて 行 い 砂 礫 構 造 のタ イプ 灌 水 頻 度 を 変 え それぞれのタイプの 生 育 状 況 の 違 いを 確 かめた a) 対 象 とした 種 子 と 休 眠 解 除 処 理 対 象 とした 種 子 は ヤナギタデ シロザ メドハギ ヨモギ コセンダングサ セイタカアワダチソウ ケイ ヌビエ アキノエノコログサとした 休 眠 解 除 のため それぞれの 種 子 を 冷 蔵 庫 ( )に 週 間 保 存 した b) 礫 構 造 作 成 プランター( 縦 3cm 横 1cm 高 さ cm) 内 に 図 -19 に 示 すような 砂 礫 構 造 を 作 成 した 現 地 調 査 時 と 同 様 に 礫 分 の 最 も 多 いものをタイプⅠとし 全 くないも のをタイプⅤとした 図 中 にある 基 礎 土 とは 細 砂 シルト 粘 土 を 用 い これらを 比 率.5:1:.5 で 混 合 したものである 作 成 した 基 礎 土 をプランター 内 に 1cm 入 れ 休 眠 処 理 を 施 し た 種 子 をそれぞれのプランターに 均 等 に 播 種 した 最 後 に 短 径 cm 5cm からなる 礫 を 混 在 させ タイプ 別 に 割 合 を 変 え 基 礎 土 の 上 に 敷 き 詰 めた とくに タイプⅠ 写 真 -1 調 査 区 の 設 定 (タイプⅢ) 図 -19 実 験 時 の 砂 礫 構 造 のタイプと 礫 の 被 覆 率 タイプⅡでは 隙 間 ができないように 礫 を 敷 き 詰 め 基 礎 土 に 光 が 届 き 難 い 環 境 を 作 った なお 基 礎 土 で 作 成 した 細 粒 分 の 混 合 比 は 実 河 川 か ら 採 集 したサンプル 土 (7 検 体 )の 粒 度 分 布 分 析 の 結 果 を 参 考 にして 決 定 している c) 環 境 条 件 の 設 定 と 測 定 項 目 作 成 したプランターを 恒 温 室 に 搬 入 し 実 験 を 開 始 し た 明 暗 条 件 は 明 期 1 時 間 暗 期 1 時 間 に 設 定 した 温 度 条 件 は 明 期 に 暗 期 に 15 とした 光 源 には 植 物 育 成 用 蛍 光 灯 (プランクルトス FLS-BRN 東 芝 社 ) を 用 いた 光 量 子 量 の 測 定 には LI-5A ライトメータ ー(LI-COR Co )を 用 いた 測 定 は 実 験 開 始 前 に 別 途 用 意 したプランター 内 に 光 量 子 計 を 入 れた 上 にガラス 板 を はめ 込 み さらにガラス 板 の 上 に 砂 礫 を 敷 き 詰 め 板 下 へ 透 過 する 光 量 子 量 をタイプ 別 に 計 測 (5 箇 所 /タイフ )し た 土 壌 水 分 率 の 測 定 には FDR(Frequency domain reflectometry) 型 の DIK-311A 土 壌 水 分 計 ( 大 起 理 化 工 業 株 式 会 社 )を 用 いて 基 礎 土 の 体 積 含 水 率 を 求 めた 計 測 器 の 測 定 範 囲 は 表 層 から cm であり 炉 乾 法 と 比 較 し ~5%の 精 度 誤 差 がある 実 験 では 灌 水 ( 水 やり)の 頻 度 を 変 えることで 発 芽 成 長 条 件 に 差 を 付 けた 灌 水 頻 度 は 3 日 おき 7 日 おき 1 日 おきの 3 パターンとし 毎 回 十 分 に 灌 水 を 行 った 実 験 の 記 録 は 3 日 おきとし 実 験 室 内 の 温 度 湿 度 土 壌 水 分 率 ( 体 積 含 水 率 )の 諸 条 件 を 計 測 した また 発 芽 した 植 物 については 種 名 発 芽 数 を 記 録 した 実 験 は 約 1 ヶ 月 間 行 い 最 終 日 に 礫 間 の 植 物 の 胚 軸 茎 の 伸 展 状 態 を 記 録 した 1

.3 結 果.3.1 調 査 結 果 図 - にタイプ 別 にみた 植 被 率 を 示 す 図 中 の 箱 ひげ 図 は 両 端 が 9% 1%の 分 位 点 を 示 し 箱 内 の 上 下 辺 が 分 位 点 箱 内 の 横 線 は 中 央 値 を 示 している これら は 分 布 の 偏 りを 示 す 指 標 となる また 図 中 の 菱 形 の 中 央 の 横 線 は それぞれのタイプでの 平 均 値 を 示 している さらに 図 中 の 3% 付 近 を 通 る 線 は 全 タイプの 植 被 率 の 平 均 値 を 示 している なお 参 考 までに タイプの 平 均 の 95% 信 頼 区 間 を 菱 形 の 縦 の 長 さにより 示 している 菱 形 の 上 下 部 にある 横 線 は 全 タイプの 植 被 率 の 平 均 ± 信 頼 区 間 を 示 している 例 えば つのグループに おいて 平 均 値 に 差 がある 場 合 菱 形 の 縦 の 範 囲 に 重 な りは 見 られない 図 - の 場 合 タイプⅡとタイプⅣで は 平 均 値 に 差 があることが 予 見 される タイプ 別 の 植 被 率 の 平 均 値 中 央 値 は タイプⅠでは %に 近 く 砂 礫 が 少 なくなるに 連 れて 徐 々に 平 均 値 中 央 値 が 大 きくなり タイプⅣでは 全 タイプの 中 で 最 も 植 被 率 が 大 きく 平 均 値 中 央 値 とも 約 %であり 分 布 の 形 状 は 正 規 分 布 に 近 いことを 示 している 一 方 タイ プⅤでは タイプⅣと 比 較 し 平 均 値 中 央 値 が 小 さくな った 分 布 の 形 状 は 植 被 率 が 小 さい 方 に 偏 っていた 分 布 が 偏 った 背 景 には タイプⅤのような 箇 所 に 生 育 す る 植 物 には つのタイプがあったからである 1 つは 水 際 から 遠 いオギのようなタイプと もう 1 つは 水 際 に 近 い 場 所 で 表 層 が 中 砂 であるか 薄 いシルト 粘 土 から 構 成 されている 場 所 に 生 育 できる 種 (アゼナ タネツケ バナなど)のどちらかであり いずれの 場 合 も 乾 燥 によ り 表 層 に 水 分 がなく 通 常 植 物 の 生 育 が 困 難 なタイプ であった 今 回 の 調 査 では 後 者 が 卓 越 していた なお 分 散 分 析 を 行 った 結 果 タイプ 別 による 植 被 率 の 平 均 値 には 有 意 な 差 (p<.1)があった 図 -1( 次 頁 )に 植 物 種 ごとの 主 根 長 を 示 す. 平 均 し て 約.5cm であり 多 くの 植 物 は 浅 い 場 所 に 主 根 を 伸 展 させていた とくに 種 から 発 芽 する 一 年 生 植 物 であるア キノエノコログサ ケイヌビエなどは その 傾 向 が 顕 著 であった 一 方 cm 以 上 を 利 用 している 植 物 には オ ギ ススキなどのイネ 科 の 多 年 生 草 本 や ヨモギなどの 多 年 生 広 葉 草 本 セイタカアワダチソウが 見 られた.3. 実 験 結 果 表 -1 に 計 測 したタイプ 別 の 光 量 子 量 の 平 均 を 示 す タイプⅠ~タイプⅢまでは 光 量 子 量 は ~.1(μmol/s/m )であり 砂 礫 により 光 量 子 量 が 制 限 さ れていた タイプⅣから 光 量 子 量 が 大 きくなり タイプ Ⅴでは 約 5(μmol/s/m )となった 図 - にタイプ- 灌 水 頻 度 別 からみた 観 測 期 間 中 の 体 積 含 水 率 の 変 化 を 示 す 体 積 含 水 率 は 平 均 して.(m 3 /m 3 )を 示 した 光 量 子 量 とは 逆 に 平 均 より 体 積 含 水 率 が 大 きいタイプは タイプⅠ~タイプⅢであった 一 方 平 均 より 体 積 含 水 率 が 小 さいタイプは タイプⅣ 13 1 9 7 5 3 1 表 -1 タイプ 別 の 光 量 子 量 礫 層 タイプ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ 光 量 子 量 (μmol/s/m ) 植 被 率 (%) 1 35 9 31 9 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ 図 - タイプ 別 にみた 植 被 率 Ⅴであった また Ⅰ-1 を 除 き いずれのタイプにお いても 灌 水 頻 度 が 1 日 のときに 体 積 含 水 率 の 平 均 値 は 最 小 であった なお 分 散 分 析 より タイプ 別 の 平 均 値 には 有 意 な 差 (p <.1)があった 図 -3 に 実 験 開 始 から 実 験 終 了 時 までの 累 積 発 芽 数 の 変 化 を 示 す 発 芽 は 実 験 開 始 から 3 回 目 ( 日 目 ) の 観 測 で Ⅰ-3 7 1 およびⅡ-7 を 除 く 実 験 区 で 確 認 された また ほとんどの 実 験 区 で 観 測 3 回 目 に 確 認 さ れた 発 芽 数 が 最 も 多 く その 後 は 実 験 終 了 時 まで 徐 々 に 発 芽 数 が 減 少 していった 図 - にタイプ 別 にみた 植 物 種 ごとの 累 積 発 芽 数 を 示 す どの 実 験 区 も 灌 水 頻 度 に 関 わらず コセンダング サ アキノエノコログサの 発 芽 数 が 多 く ヨモギ メド ハギの 発 芽 数 は 少 なかった また Ⅰ-1 で 1 個 体 ずつ ケイヌビエ コセンダングサが 確 認 された これらの 発 芽 した 場 所 をみると 礫 層 厚 が 部 分 的 に 低 かった その ためタイプⅡと 同 様 な 状 態 となり 礫 間 の 僅 かな 隙 間 か ら 基 礎 土 へ 光 が 届 き 発 芽 できたものと 考 えられる なお 本 実 験 では ヤナギタデ セイタカアワダチソウの 生 育 は 確 認 されなかった 実 験 終 了 後 改 めて 追 試 実 験 を 行 ったが 発 芽 されなかったことを 見 ると 種 子 が 不 稔 で あったことも 考 えられる これら 種 については 今 後 の 研 究 でさらに 明 らかにして 行 きたい 図 -5 にタイプ 別 の 植 物 の 枯 死 率 を 示 す 灌 水 頻 度 が 3 日 おきのものは 7 日 1 日 おきと 比 較 し 各 タイプ で 枯 死 率 が 最 も 小 さかった 一 方 灌 水 1 日 おきでは タイプⅣ Ⅴの 枯 死 率 が 9%を 超 えた 図 - に 実 験 終 了 時 におけるタイプ 別 の 生 存 個 体 数 を 示 す タイプⅠは 総 個 体 数 が 最 も 少 なく タイプⅡ で 約 個 タイプⅢ~タイプⅤでは 1 個 を 超 えた そ の 内 訳 をみると 灌 水 頻 度 が 3 日 おきのタイプの 個 体 数 は 個 ~ 個 で 増 減 を 繰 り 返 していた 灌 水 頻 度 が 7 日 おきのタイプの 個 体 数 は タイプⅠが 最 も 少 なく タ

体 積 含 水 率 (m 3 /m 3 ).35.3.5..15.1 累 積 発 芽 数 ( 個 ) 5 3 1 日 目 日 目 9 日 目 1 日 目 15 日 目 1 日 目 1 日 目 日 目 7 日 目 3 日 目 33 日 目 Ⅳ-3 Ⅴ-7 Ⅳ-1 Ⅱ-3 Ⅴ-3 Ⅲ-3 Ⅲ-7 Ⅳ-7 Ⅲ-1 Ⅱ-1 Ⅴ-1 Ⅱ-7 Ⅰ-1 Ⅰ-7 Ⅰ-3 図 -3 実 験 開 始 からの 累 積 発 芽 数 の 変 化 Ⅰ-3 Ⅱ-3 Ⅲ-3 Ⅳ-3 Ⅴ-3 Ⅰ-7 Ⅱ-7 Ⅲ-7 Ⅳ-7 Ⅴ-7 Ⅰ-1 Ⅱ-1 Ⅲ-1 Ⅳ-1 Ⅴ-1.5 Ⅰ -3 Ⅰ -7 Ⅰ -1 Ⅱ -3 Ⅱ -7 Ⅱ -1 Ⅲ -3 Ⅲ -7 Ⅲ -1 Ⅳ -3 Ⅳ -7 Ⅳ -1 Ⅴ -3 Ⅴ -7 Ⅴ -1 35 3 5 3 日 おき 7 日 おき 1 日 おき 図 - 各 条 件 下 における 体 積 含 水 率 イプⅡからタイプⅤへ 向 かうにつれ 徐 々に 多 くなった 灌 水 頻 度 が 1 日 おきのタイプの 個 体 数 は 3 日 おき 7 日 おきと 同 様 にタイプⅠが 最 も 少 なかったが タイプⅣ Ⅴでは 個 体 数 が 減 少 した 図 -7 に 実 験 終 了 時 の 植 物 の 状 況 と 砂 礫 下 の 根 の 状 況 を 示 す 例 えば アキノエノコログサなどは 礫 間 の 隙 間 から 礫 層 厚 の 分 だけ 胚 軸 を 伸 展 させ 葉 を 礫 の 表 面 へ 展 開 させていることが 確 認 された 発 芽 数 ( 個 ) 15 1 5 アキノエノコログサ ケイヌビエ コセンダングサ シロザ メドハギ ヨモギ 不 明 アキノエノコログサ ケイヌビエ コセンダングサ シロザ メドハギ ヨモギ 不 明 アキノエノコログサ ケイヌビエ コセンダングサ シロザ メドハギ ヨモギ 不 明 アキノエノコログサ ケイヌビエ コセンダングサ シロザ メドハギ ヨモギ 不 明 アキノエノコログサ ケイヌビエ コセンダングサ シロザ メドハギ ヨモギ 不 明 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ 図 - タイプ 別 にみた 植 物 種 ごとの 累 積 発 芽 数. 考 察 前 章 までの 結 果 により 砂 礫 構 造 が 光 や 土 壌 水 分 率 を 決 定 し 植 物 の 発 芽 成 長 に 影 響 をもたらしていること が 示 唆 された そこで 本 章 では 植 物 の 発 芽 と 成 長 に 至 るプロセスを 知 るため 砂 礫 構 造 の 違 いが 植 物 の 生 育 に 及 ぼす 影 響 について 考 察 する..1 発 芽 植 物 の 発 芽 を 支 配 する 3 大 環 境 要 素 は 温 度 水 光 と 言 われている ) 今 回 の 実 験 において 恒 温 室 内 の 温 度 設 定 は であり 関 東 地 方 の 月 の 平 均 気 温 に 相 当 する そのため 環 境 を 阻 害 する 温 度 とは 考 え 難 い 次 に 水 の 条 件 をみると 図 - に 示 すように 砂 礫 構 造 の 違 いから 土 壌 表 面 の 体 積 含 水 率 に 与 える 影 響 がみられ た タイプⅣ Ⅴでは 著 しく 体 積 含 水 率 が 減 少 したが 体 積 含 水 率 そのものが 発 芽 数 を 抑 制 したわけではない その 証 拠 として Ⅳ-1 では 体 積 含 水 率 の 平 均 は 番 目 に 小 さいが 図 -3 に 見 られるように 累 積 発 芽 数 は 多 い つまり 発 芽 に 対 する 水 分 条 件 は 体 積 水 分 率 が 極 端 に 低 い 場 合 でも 可 能 であることを 示 唆 している 発 芽 の 過 程 では 第 一 に 吸 水 により 休 眠 が 解 除 される ) ことからしても 今 回 対 象 とした 種 子 では Ⅳ-1 の ような 含 水 率 が 低 い 場 合 でも 休 眠 を 解 除 するための 十 分 な 吸 水 できたと 考 えられる 最 後 に 光 の 条 件 を 考 えてみる タイプⅠにみられるよ 1 (%) 個 体 数 ( 個 ) 1 1 1 3 日 おき 7 日 おき 1 日 おき Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ 図 -5 タイプ 別 の 植 物 枯 死 率 ( 実 験 終 了 時 ) 1 日 おき 7 日 おき 3 日 おき Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ 図 - タイプ 別 の 生 存 個 体 数 ( 実 験 終 了 時 )

主 根 長 (cm) 1 1 1 1 1 メヒシバ ヒメムカシヨモギ ヤハズソウ アキノエノコログサ イヌビエ ヨモギ イヌタデ ススキ アキメヒシバ ヒロハホウキギク オオイヌタデ ムラサキエノコログサ タネツケバナ アメリカセンダングサ ツルヨシ シナダレススメガヤ ミゾソバ ヤナギタデ アシボソ オギ メドハギ セイタカアワダチソウ アカツメクサ クサ ヨシ ケイヌビエ アレチハナガサ ウシハコベ エノキグサ エノコログサ オオオナモミ アゼスゲ オオマツヨイグサ アゼガヤツリ カキドオシ カタバミ カナムグラ カワラハハコ カワラヨモギ ギシギシ キュウリグサ キンエノコロ ケアリタソウ コゴメガヤツリ コセンダングサ コブナグサ コモ チマンネングサ スギナ セリ ツユクサ トキワハゼ トボシガラ ナワシロイチゴ ヌカキビ ハキダメギク ハナイバナ ヒナタイノコヅチ マメグンバイナズナ ムシ トリナデシコ メマツヨイグサ ヨシ 図 -1 植 物 種 と 主 根 長 の 関 係 ( 抜 粋 ) うに 十 分 な 体 積 含 水 率 があったとしても 礫 層 が 1cm で 基 礎 土 に 光 が 届 かないような 場 所 では 植 物 の 発 芽 が 抑 制 されていた これは 図 -19 に 示 さる 現 地 調 査 か らも 確 かめられており cm の 礫 層 厚 のときの 植 被 率 は %に 近 いという 結 果 であった さらに 図 -3 に 示 され るように 礫 の 被 覆 率 が 減 少 するにつれて 累 積 発 芽 数 が 多 くなるなど 少 なくとも 実 験 に 使 用 した 礫 河 原 に 生 育 する 植 物 は 光 条 件 の 影 響 により 個 体 数 が 変 化 している と 考 えられる.. 成 長 どのタイプも 発 芽 により 礫 上 に 出 た 葉 に 対 する 光 条 件 は 均 等 に 与 えられている そのため 植 物 の 成 長 には 根 系 が 利 用 する 箇 所 での 土 壌 水 分 率 の 状 態 が 重 要 な 要 素 となる 図 - 図 -5 より Ⅳ-1 Ⅴ-1 において 体 積 含 水 率 の 減 少 にともない 枯 死 率 が 9%を 超 えるに 至 った この 現 象 は 植 物 の 成 長 の 段 階 で 水 分 が 成 長 の 制 限 因 子 として 働 いた 顕 著 な 例 を 示 している そこで 以 下 では 灌 水 頻 度 1 日 おきの 各 タイプを 取 り 上 げ Ⅳ -1 Ⅴ-1 で 枯 死 に 至 ったプロセスとともに 砂 礫 構 造 の 違 いが 植 物 の 成 長 に 及 ぼした 影 響 について 考 察 を 進 める Ⅳ-1 Ⅴ-1 は 礫 が 少 ないか 全 くない 構 造 であり 基 礎 土 が 直 接 大 気 中 に 触 れる 面 積 も 多 く 灌 水 頻 度 も 少 ないことも 相 まって 表 層 が 乾 きやすい 状 況 にあったと 考 えられる 他 の 灌 水 頻 度 1 日 のタイプをみると 枯 死 率 はⅢ-1 で 約 % Ⅱ-1 では 約 1% Ⅰ-1 では % とタイプⅣ-1 Ⅴ-1 と 比 較 しかなり 低 い とくに Ⅰ-1 Ⅱ-1 では 図 - からも 土 壌 中 の 水 分 は 十 分 であったと 考 えられる ところが Ⅲ-1 の 体 積 含 水 率 は Ⅰ-1 Ⅱ-1 よりも 低 く むしろ 枯 死 率 の 高 かっ たⅣ-1 Ⅴ-1 に 近 い 体 積 含 水 率 であった それにも 関 わらず 枯 死 率 が 低 く 生 存 発 芽 数 が 多 かった この 理 由 として 第 一 に Ⅳ-1 Ⅴ-1 と 比 較 し 僅 かな 体 積 含 水 率 の 違 いが 植 物 の 成 長 の 可 否 に 大 きく 関 わっ たことが 考 えられる このことは 農 作 物 を 作 る 際 に 土 壌 水 分 が 減 少 すると 作 物 が 枯 れるシオレ 点 (wilting point)があることからも 理 解 できる シオレ 点 とは 植 物 が 成 長 する 過 程 で 体 積 含 水 率 の 減 少 に 伴 い 生 育 に 必 要 な 水 分 を 十 分 に 吸 収 することができず ついには 植 物 が 枯 れてしまうことをいう 3) つまり Ⅳ-1 Ⅴ- 1 では このシオレ 点 に 至 ったため 枯 死 したことが 考 え られる また Ⅲ-1 では 枯 死 率 が 低 かったことからす ると 図 - より 体 積 含 水 率 の 中 央 値 が.1(m 3 /m 3 )よ り 小 さくなった 場 合 植 物 の 枯 死 率 は 高 くなると 考 えら れる また 第 二 の 理 由 として 砂 礫 量 の 多 少 が 植 物 の 成 長 を 助 けていたことが 考 えられる Ⅲ-1 では 基 礎 土 を 被 覆 する 砂 礫 が 9%と 多 く 実 験 終 了 時 に 礫 下 の 状 況 を 確 認 したところ 植 物 の 根 系 は 礫 と 基 礎 の 間 の 局 所 的 に 土 壌 水 分 率 の 高 い 空 間 を 利 用 していた( 写 真 -) このことから Ⅲ-1 では 全 体 として 体 積 含 水 率 が 低 いにも 関 わらず 礫 の 割 合 が 多 いことで 礫 と 基 礎 の 間 の 局 所 的 に 土 壌 水 分 率 の 高 い 空 間 を 利 用 し 植 物 は 成 長 し 続 けたものと 考 えられる また このように 礫 と 基 礎 土 の 間 に 根 系 がみられる 現 象 は タイプⅤを 除 く 残 り のタイプ 全 てで 確 認 できた.5 まとめ 那 珂 川 久 慈 川 での 現 地 調 査 および 実 験 をもとに 砂 礫 構 造 の 違 いからみた 河 原 植 物 の 生 育 環 境 特 性 について 研 究 を 行 った その 結 果 砂 礫 構 造 の 違 いにより 植 物 の 発 芽 成 長 に 必 要 な 条 件 が 制 御 されることや 逆 に 礫 があることで 礫 下 の 土 壌 水 分 率 が 高 くなり 植 物 の 成 長 を 促 進 していることが 明 らかとなった さらに 一 度 発 芽 した 種 子 は 礫 があることで 相 当 な 乾 燥 にも 耐 えら 15

茎 胚 軸 図 -7 実 験 終 了 時 における 植 物 の 茎 と 胚 軸 の 伸 展 状 態 (タイプⅡ) ( 図 は 上 部 よりスケッチしたものである 礫 と 礫 の 間 から 胚 軸 が 伸 展 し 茎 が 礫 上 に 伸 びている なお 胚 軸 の 位 置 は 礫 を 取 り 除 いた 後 にスケッチしている ) 礫 れることが 明 らかとなった 本 研 究 結 果 をふまえ 実 際 砂 礫 河 原 の 再 生 を 計 画 す る 際 には 礫 の 被 覆 率 だけでなく 礫 の 厚 さにより 植 物 の 生 育 の 度 合 いが 決 まることに 留 意 しなければならな い とくに 砂 礫 層 が 5cm では 被 覆 率 が 1%であって も 僅 かに 植 物 の 発 芽 を 制 限 するのみで 1cm 程 度 の 礫 層 厚 がなければ 短 期 間 で 植 物 が 繁 茂 に 至 る どのよう な 砂 礫 河 原 を 目 指 すのか あらかじめ 展 望 を 明 らかにし 現 地 での 礫 層 厚 を 調 べることはもちろんのこと 現 在 の 流 域 の 土 砂 および 礫 の 生 産 量 を 考 えた 上 で 計 画 を 立 てる 必 要 がある とくに 乾 燥 に 強 い 外 来 植 物 が 繁 茂 する 河 川 においては 過 去 に 生 育 していた 河 原 景 観 を 再 生 するた めには より 一 層 の 管 理 が 必 要 となる 点 に 注 意 を 要 する 最 後 に 今 回 検 証 できなかった 地 下 水 位 との 関 わりや 土 壌 の 構 成 に 伴 う 毛 管 作 用 などにより 土 壌 の 保 水 性 は 変 化 してくる これらは 植 物 の 成 長 に 影 響 を 与 える 因 子 であり まだ 未 解 明 な 部 分 も 多 く 今 後 の 研 究 課 題 と したい 5. 河 原 における 埋 土 種 子 分 布 とそれが 植 生 成 立 に 与 える 影 響 に 関 する 検 討 5.1 概 説 河 川 植 生 の 動 態 やその 更 新 に 関 わる 既 往 研 究 では 流 量 や 流 砂 量 の 増 加 によって 植 物 群 が 流 失 する 機 構 や 植 物 群 が 土 砂 堆 積 を 促 進 させる 機 構 を 主 体 とした 多 くの 研 究 が 行 われてきた これらの 研 究 では 河 床 に 働 くせ ん 断 力 といった 物 理 的 指 標 を 用 いて 河 川 植 生 の 動 態 の 説 明 がなされてきた ) もちろん 物 理 的 環 境 に 応 じ て 植 生 が 変 化 更 新 するという 考 えは 重 要 な 視 点 である が 河 川 植 生 の 成 立 や 遷 移 機 構 の 全 てを 説 明 しきれてい るというわけではない 生 物 学 的 な 観 点 から 考 えれば そこに 植 生 が 成 立 する ためには その 植 生 を 構 成 する 種 子 が 土 壌 中 に 存 在 する ことが 必 要 不 可 欠 であるということになる しかし こ れまでのところ 砂 州 内 の 土 壌 中 に 種 子 がどの 程 度 存 在 し ているのか 攪 乱 の 激 しい 場 所 や 堆 積 の 著 しい 場 で 種 子 量 にどの 程 度 違 いがあるのかといった 基 本 的 な 問 題 に 取 写 真 - 礫 下 を 利 用 する 根 系 り 組 む 研 究 は 少 なく 土 壌 中 の 種 子 と 河 川 植 生 との 関 係 については 未 解 明 のままである 植 生 学 では 土 壌 中 に 存 在 する 種 子 を 埋 土 種 子 (seedbanks)といい 5) これに 関 する 研 究 事 例 が 多 く 見 られる 埋 土 種 子 と 植 生 に 関 する 研 究 によると 埋 土 種 子 量 は 土 地 利 用 形 態 別 に 異 なっていること 種 類 組 成 が 地 上 部 の 種 類 組 成 と 違 っていることが 知 られている -) 例 えば, 耕 作 地 での 埋 土 種 子 は,9,~7, 個 /m と 多 いが, 森 林 では,~3,3 個 /m と 少 ない ) ま た 埋 土 種 子 の 種 類 ( 埋 土 種 子 相 )と 地 上 部 にある 植 物 の 種 類 ( 植 物 相 )との 類 似 度 合 は.1~.3 と 低 いことも 報 告 されている 7) また 河 川 では 埋 土 種 子 を 含 めた 種 子 に 関 連 する 研 究 として 特 定 種 子 の 生 理 的 な 特 性 を 研 究 することで 希 9) 3) 少 種 保 全 や 外 来 種 対 策 などに 生 かした 例 が 見 られ る この 他 流 水 による 種 子 散 布 について 現 地 水 路 実 験 数 値 解 析 等 により 種 子 供 給 が 植 物 群 落 の 形 成 に 寄 与 するといった 報 告 例 がある 31-33) これらはいずれも 埋 土 種 子 層 の 形 成 に 大 きく 寄 与 する 研 究 例 と 言 える 本 研 究 で 扱 う 河 川 における 埋 土 種 子 と 植 生 に 関 して 1 ) みると 植 生 学 の 中 でも 検 討 例 が 少 ない 分 野 にあ たり 十 分 な 知 見 が 得 られていない 本 研 究 では 既 往 研 究 のような 特 定 種 に 対 象 を 絞 らず 砂 礫 州 ( 以 下 砂 州 と 言 う)の 比 較 的 浅 い 部 分 ( 植 物 の 発 芽 可 能 な 層 )を 対 象 に 埋 土 種 子 の 空 間 分 布 を 明 らか 1

にすることを 目 的 とした さらに 埋 土 種 子 の 分 布 が 植 生 にどのように 影 響 しているかについて 考 察 した 5. 調 査 地 の 概 要 研 究 対 象 とした 那 珂 川 は 幹 川 流 路 延 長 15km 流 域 面 積 3,7km の 一 級 河 川 である 標 高 1,915m の 那 須 岳 ( 栃 木 県 )を 源 流 とし 茨 城 県 を 跨 ぎ 太 平 洋 へ 注 ぐ 河 床 勾 配 は 源 流 部 から km 付 近 までが 約 1/~1/ ~7km 付 近 までが 約 1/77 7km より 下 流 の 箇 所 では 1/1,~1/7, である 対 象 砂 州 の 河 床 勾 配 は 1/77 河 床 材 料 の 代 表 粒 径 は 5mm で セグメント -1 に 分 類 さ れる( 図 -) 対 象 砂 州 の 平 均 年 最 大 流 量 ( 確 率 規 模 1/) は 約 1,m 3 /s である( 参 考 までに 図 -3 には 流 量 に 対 する 標 高 点 を 示 した 3) ) 対 象 砂 州 を 含 め その 前 後 の 数 km 区 間 に 明 瞭 な 単 列 砂 州 を 有 しているが この 1 年 ほどは 大 きな 出 水 もなく 砂 州 の 移 動 はみられない 砂 州 上 における 植 生 の 特 徴 は カワラヨモギやカワラ ハハコといった かつて 河 原 によく 見 られた 植 物 が 存 在 している 対 象 砂 州 は 那 珂 川 にある 砂 州 群 の 中 でも 河 原 あるいは 湿 性 環 境 に 依 存 する 植 物 が 比 較 的 多 く 存 在 している 砂 州 である 5.3 方 法 5.3.1 対 象 砂 州 の 概 観 調 査 - 地 形 調 査 と 植 生 調 査 - 対 象 砂 州 の 地 形 は RTK-GPS(Real-Time Kinetic - Global Positioning System)により 座 標 (X Y Z)を 計 測 し( 約 1, 地 点 ) TIN 処 理 により GIS(Geographic Information System) 上 に 三 次 元 地 形 を 作 成 した 植 生 は 植 生 調 査 を 実 施 し GIS 上 に 植 生 図 を 作 成 した なお 植 生 調 査 は 植 物 が 比 較 的 多 く 確 認 できる 7 年 月 日 から 7 月 5 日 にかけて 行 った また 地 形 調 査 も 同 時 期 に 行 った 5.3. 調 査 区 内 の 地 上 部 植 生 と 埋 土 種 子 の 分 布 調 査 a) 調 査 区 の 設 定 調 査 区 は 対 象 砂 州 を 縦 断 方 向 へ 5m 横 断 方 向 へ 3m 間 隔 で 格 子 状 に 区 切 った 交 点 に 設 定 した ただし 設 定 する 調 査 区 に 異 なった 植 物 群 落 が 含 まれる 場 合 は 前 後 3m ずらし 1 つの 群 落 内 に 再 設 定 した さらに ワン ド 部 (1 地 点 ) 希 少 植 物 (1 地 点 ) 外 来 植 物 ( 地 点 ) の 生 育 場 所 も 加 え 合 計 地 点 数 を 地 点 とした 調 査 区 の 大 きさは.5m.5m とした( 図 - 参 照 ) b) 調 査 区 の 砂 礫 構 造 および 植 生 現 地 では 各 調 査 区 において 砂 礫 構 造 と 植 生 について 調 査 を 行 った 砂 礫 構 造 は 砂 礫 量 に 応 じてタイプⅠ~ タイプⅤに 区 分 し 記 録 した( 図 -9) 植 生 調 査 では 植 物 の 種 類 と 各 植 物 の 植 被 率 を 記 録 した c) 土 砂 の 採 取 土 砂 は 種 子 発 芽 に 関 係 の 高 い 表 層 から.1m の 深 さ まで 採 取 した 17 礫 層 状 態 表 層 状 態 礫 層 表 層 礫 率 表 層 砂 率 タイプ 図 - 那 珂 川 ( 対 象 砂 州 ) - 対 象 砂 州 にある 数 字 は 調 査 区 No.を 示 す- 層 以 上 1 層 - - - 1% 1% 9% 以 上 9% 未 満 % なし なし 1% 未 満 1% 以 上 1% Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ 図 -9 砂 礫 構 造 タイプ( 模 式 図 ) 5.3.3 粒 度 試 験 と 種 子 分 析 a) 粒 度 試 験 および 種 子 選 別 粒 度 試 験 は 自 然 乾 燥 を 行 った 後 で 土 の 粒 度 試 験 方 法 (JIS-A-1)に 従 った なお 粒 径 区 分 に 関 しては 河 川 工 学 で 利 用 されている 国 際 区 分 法 ( 極 粗 砂 -1mm 粗 砂 1-.5mm 中 砂.5-.5mm 細 砂.5-.15mm 微 細 砂.15-.mm)に 従 って 行 った 35) b) 種 子 の 抽 出 種 子 の 抽 出 に 際 し 粒 度 試 験 によって 得 られた 土 砂 サ ンプルのうち 種 子 径 mm 以 上 は 目 視 で 種 子 の 有 無 を 確 認 した.mm 以 下 の 種 子 については 高 比 重 法 処 理 に より 埋 土 種 子 や 有 機 物 を 浮 遊 させ 顕 微 鏡 を 用 いて 種 子 選 別 を 行 った 高 比 重 処 理 法 とは 比 重 1.5 の 5% 炭 酸 カリウム 溶 液 (K CO 3 )に 土 砂 を 投 入 し 5 分 間 攪 拌 した のちに 上 澄 み 溶 液 を 回 収 する 3) もので これらを 3 回 繰 り 返 した 回 収 した 浮 遊 物 を 低 温 乾 燥 ( 時 間 程 度 ) させ 有 機 物 塊 を 取 り 除 いた 残 砂 中 のうち 1/ を 取 り 出 し 種 子 の 選 別 同 定 を 行 い 種 子 数 を 記 録 した なお 砂 州 中 の 埋 土 種 子 が 乾 燥 収 縮 や 動 物 微 生 物 の 分 解 作 用 により 予 想 していたよりも 変 色 や 種 子 の 形 が 歪 なものも 多 く 含 まれたため 種 レベルでの 同 定 が 困 難 であった したがって 同 定 結 果 に 示 す 科 属 は い つくかの 種 類 を 含 んだ 種 子 数 の 合 計 値 である このため 埋 土 種 子 と 同 じ 科 あるいは 同 じ 属 に 含 まれる 種 類 が 植 物 相 にみられる 場 合 は 少 なくとも 埋 土 種 子 中 の 同 科 同 属 にもその 種 が 存 在 していると 判 断 した ()データ 解 析 a) GIS によるデータ 解 析 現 地 調 査 により 得 られたデータを GIS に 整 理 し 地 形 礫 砂

図 植 生 図 粒 径 別 の 堆 砂 量 分 布 および 埋 土 種 子 分 布 の 関 係 についてデータ 解 析 を 行 った また 植 生 図 と 地 形 図 を 用 いた 解 析 では 各 図 を 1m メッシュに 分 割 し メッシ ュ 毎 に 植 物 群 落 名 と 標 高 値 を 格 納 しデータを 作 成 した b) 埋 土 種 子 相 と 植 物 相 の 関 係 解 析 埋 土 種 子 相 と 植 物 相 の 関 係 解 析 では 調 査 区 中 で あ る 植 物 種 が 埋 土 種 子 として 存 在 する 地 点 数 と 地 上 部 で 出 現 している 地 点 数 との 関 係 を 割 合 によって 求 めた 割 合 を 求 める 際 ある 種 が 植 物 相 に 見 られるものの 埋 土 種 子 相 に 見 られない 場 合 には 過 去 に 埋 土 種 子 が 存 在 した と 仮 定 し 埋 土 種 子 として 存 在 する 数 に 加 えた 以 下 で は この 割 合 を 出 現 率 と 定 義 する 図 -3 対 象 砂 州 の 標 高 分 布 と 砂 礫 構 造 5. 結 果 5..1 対 象 砂 州 の 地 形 と 植 生 の 関 係 図 -31 に 対 象 砂 州 の 地 形 と 砂 礫 構 造 タイプ 図 -31 に 植 生 図 を 示 す 対 象 砂 州 は 主 流 部 の 水 際 線 から 左 岸 側 に 向 かい 砂 州 標 高 が 約 3~m 高 くなっていた この 高 ま りとともに 群 落 は ツルヨシ 群 落 ヨモギ 群 落 マルバ ヤハゾウソウ 群 落 類 の 順 で 変 化 した 砂 礫 構 造 はタイプ Ⅰ~Ⅲが 多 くを 占 めていた 砂 州 の 頂 上 付 近 から 左 岸 側 へかけて 砂 州 高 が 低 くなり 砂 州 前 縁 部 と 左 岸 との 間 に ワンドが 形 成 されていた 砂 礫 構 造 はタイプⅣ Ⅴが 多 くを 占 めていた また ワンド 付 近 ではモザイク 状 に 多 くの 群 落 が 混 在 していた 図 -3 に 群 落 の 生 育 範 囲 の 箱 ひげ 図 を 示 す 過 湿 性 に 見 られる 1 年 生 在 来 草 本 群 落 (セリ-クサヨシ 群 落 ヤ ナギタデ 群 落 ミゾソバ 群 落 など)は 比 高 ( 調 査 時 の 水 位 標 高 と 生 育 標 高 との 差 )の 中 央 値 が.5m 付 近 にあり 生 育 分 布 の 範 囲 が 約 1m と 狭 い 一 方 湿 性 から 乾 燥 状 態 でみられる 多 年 生 在 来 草 本 群 落 (ヨシ 群 落 オギ 群 落 ヨモギ 群 落 類 )やヨシ オギ 等 にからみつく 一 年 性 ツル 性 草 本 のカナムグラは 比 高 の 中 央 値 が ~3m 付 近 にあり 生 育 分 布 の 範 囲 も 約 3m と 広 い ただし 同 一 比 高 でまとめられた 群 落 も 水 際 から 砂 州 頂 部 にかけては 草 丈 が 1m 程 度 のヨモギ 群 落 が 多 く 見 られ 砂 州 頂 部 から 左 岸 側 のワンド 部 では 草 丈 が m を 超 えるヨシ 群 落 オギ 群 落 が 多 く 見 られるという 違 いがあった 5.. 埋 土 種 子 の 空 間 分 布 図 -33 に 単 位 面 積 あたりの 種 子 数 ( 以 下 種 子 ) と 堆 砂 量 ( 以 下 堆 砂 )の 分 布 を 示 す なお 図 中 の 堆 砂 は 種 子 との 対 応 関 係 が 見 られた 極 粗 砂 粗 砂 の 合 算 値 と 細 砂 以 下 の 合 算 値 について 図 示 した 巨 視 的 に 埋 土 種 子 の 分 布 を 見 ると 主 流 部 の 水 際 から 離 れるに 従 って 種 子 が 高 くなる 傾 向 にあった 種 子 の 高 い 場 所 の 堆 砂 分 は 細 砂 以 下 が 多 く 極 粗 砂 粗 砂 が 少 ないという 傾 向 がみられ 逆 に 種 子 の 低 比 高 (m) 3 1 アレチウリ 群 落 オオイヌタデ 群 落 オギ 群 落 カナムグラ-ツルヨシ 群 落 カナムグラ 群 落 図 -31 対 象 砂 州 の 植 生 図 クサヨシ 群 落 クズ-ヨモギ 群 落 シナダレスズメガヤ 群 落 セリ-クサヨシ 群 落 い 場 所 は 細 砂 以 下 が 少 なく 極 粗 砂 粗 砂 が 多 いという 傾 向 が 見 られた また 砂 礫 構 造 からみると タイプⅠ~Ⅲで 種 子 が 低 く タイプⅣ Ⅴで 種 子 が 高 い 傾 向 にあった 砂 礫 構 造 を 指 標 とし 種 子 の 分 布 をみると タイプ Ⅰ~Ⅲでは 9-,9 個 /m の 範 囲 であり, 中 央 値 が 9 個 /m であった 一 方 タイプⅣ Ⅴでは -1 15 個 /m の 範 囲 であり 中 央 値 が 5 3 個 /m であっ た ツルヨシ 群 落 ヒメムカシヨモギ-アキノエノコログサ 群 落 マルバヤハズソウ-カワラヨモギ 群 落 図 -3 群 落 の 生 育 範 囲 マルバヤハズソウ-ヨモギ 群 落 ミゾソバ 群 落 メドハギ-カワラヤモギ 群 落 IQR ヤナギタデ 群 落 ヨシ 群 落 ヨモギ 群 落 最 大 値 (75% 値 +1.5 IQR) 75% 値 中 央 値 5% 値 最 小 値 (5% 値 -1.5 IQR IQR: 四 分 位 範 囲 1

表 -1 調 査 区 における 埋 土 種 子 相 調 査 区 No. 出 現 同 定 結 果 科 属 名 累 計 出 現 1 3 5 7 9 1 11 1 13 1 15 1 17 1 19 1 3 5 7 9 3 31 3 33 3 35 3 37 3 39 回 数 順 位 アカザ 属 アカザ 科 (アカザ 属 ) 37 1 9 1 3 1 1 1 3 1 1 1, 7 アカネ アカネ 科 (アカネ 属 ) 5 1,5 1,59 5 ヤエムグラ 属 アカネ 科 (ヤエムグラ 属 ) 1 9 マツヨイグサ 属 アカバナ 科 (マツヨイグサ 属 ) 1 33 1 5 1,11 3 1 1,9 15 カナムグラ アサ 科 (カラハナソウ 属 ) 3 3 1 5 9 7 3 1 1 7 13 1,7 1 1 タネツケバナ 属 アブラナ 科 (タネツケバナ 属 ) 1 7 7 3 15 9 7 17 3 1 3 1,5 1 ヤマハタザオ 属 アブラナ 科 (ヤマハタザオ 属 ) 3 3 3 1 1 1 3 1 17 イネ 科 ( 破 片 ) イネ 科 1 イネ 科 A イネ 科 1 1 3 1 1 1 1 1 3 5 1 7 イネ 科 B イネ 科 1 1 3 7 15 17 3 1 1, 7 17 イネ 科 C イネ 科 1 1 5 3 1 1,7 3 7 1 1 7 9 97 1 3 1,7 3 7 9 13 イネ 科 D イネ 科 1 3 7 3 5 7 7 9 1 11 3 9 イネ 科 E イネ 科 3 9 9 5 1, 19, 19 5 イネ 科 F イネ 科 1 イネ イネ 科 (イネ 属 ) 3 51 アワ イネ 科 (エノコログサ 属 ) 1 1 3 3 1 3 37 1 オヒシバ イネ 科 (オヒシバ 属 ) 1 1 13 カラムシ 属 イラクサ 科 (カラムシ 属 ) 11 1 7 3 3 1 37 1 3 7 7 3 5 9,9 7 アオウキクサ 属 ウキクサ 科 (アオウキクサ 属 ) 5 1 3 5 3 9 3 タラノキ ウコギ 科 (タラノキ 属 ) 1 5 アレチウリ ウリ 科 (アレチウリ 属 ) 1 3 5 オモダカ 属 (1) オモダカ 科 (オモダカ 属 ) 1 オモダカ 属 () オモダカ 科 (オモダカ 属 ) 3 3 カタバミ 属 カタバミ 科 (カタバミ 属 ) 1 3 5 39 17 19 イヌシデ カバノキ 科 (クマシデ 属 ) 1 カヤツリグサ 科 カヤツリグサ 科 1 17 1 1 3 1 1 1 1 3 1 9 1 1 3 5 1 1,9 15 5, 35 3 ホタルイ 属 カヤツリグサ 科 (ホタルイ 属 ) 1 1 11 37 キク 亜 科 キク 亜 科 1 3 キツネアザミ キク 科 (キツネアザミ 属 ) 1 5 センダングサ 属 キク 科 (センダングサ 属 ) 1 5 39 タカサブロウ キク 科 (タカサブロウ 属 ) 3 1 11 3 ヒメコウゾ クワ 科 (カジノキ 属 ) 3 9 ヤマグワ クワ 科 (クワ 属 ) 1 5 35 クサノオウ ケシ 科 (クサノオウ 属 ) 1 5 キケマン 属 ケマンソウ 科 (キケマン 属 ) 1 コナラ 属 アカガシ 亜 属 ブナ 科 コナラ 属 (アカガシ 亜 属 ) 1 1 1 3 ザクロソウ ザクロソウ 科 (ザクロソウ 属 ) 1 1 1 3 3 5 1 3 3 1 7 1 シソ 科 シソ 科 1 イヌコウジュ 属 シソ 科 (イヌコウジュ 属 ) 1 1 1 1 1 11 キランソウ 属 シソ 科 (キランソウ 属 ) 1 55 シャジクモ 属 シャジクモ 科 シャジクモ 属 ) 3 3 13 9 9 ソクズ スイカズラ 科 (ニワトコ 属 ) 1 5 ニワトコ スイカズラ 科 (ニワトコ 属 ) 1 1 1 9 スベリヒユ スベリヒユ 科 (スベリヒユ 属 ) 51 1 7 1, 1 11 7 5 9 1 39 13 3 1 3 1 9 3 9 37 1 ミゾソバ タデ 科 (イヌタデ 属 ) 5 9 9 3 5 7 1 3 3 1 7 1 3 9 11 ヤナギタデ タデ 科 (イヌタデ 属 ) 3 7 1 1 1 1 9 1 11 1 1,3 1, 3 ギシギシ 属 タデ 科 (ギシギシ 属 ) 1 1 3 タデ 属 (サナエタデか タデ 科 (タデ 属 ) 11 1, 3 1 1 3 1 11 3 7 9 3 1 1 17 1 3 1 1,1 3 オオイヌタデ) イボクサ ツユクサ 科 (イボクサ 属 ) 1 53 ツユクサ 属 ツユクサ 科 (ツユクサ 属 ) 1 1 ツリフネソウ ツリフネソウ 科 (ツリフネソウ 1 5 トウダイグサ 科 (ニシキソウ 亜 ニシキソウ 亜 属 1 7 1 1 1 3 3 3 1 3 1 1,9 19 1 属 ) イヌホオズキ ナス 科 (ナス 属 ) 1 1 1 5 7 11 5 マンテマ 属 ナデシコ 科 (マンテマ 属 ) 3 1 5 11 3 1 1 3 ケヤキ ニレ 科 (ニレ 属 ) 1 1 11 1 5 1 7 キイチゴ 属 バラ 科 (キイチゴ 属 ) 3 3 7 1 1 サクラ 属 サクラ 節 バラ 科 (サクラ 属 ) 3 1 ヒユ 属 ヒユ 科 (ヒユ 属 ) 1 3 1 11 7 33 ブドウ 属 ブドウ 科 (ブドウ 属 ) 1 サルナシ マタタビ 科 (マタタビ 属 ) 1 59 マタタビ マタタビ 科 (マタタビ 属 ) 1 5 3 キウイ マタタビ 科 マタタビ 属 ) 1 1 マメ 科 マメ 科 1 1 1 5 ヤブツルアズキ マメ 科 (ササゲ 属 ) 1 57 ハギ 属 マメ 科 (ハギ 属 ) 1 1 1 31 コナギ ミズアオイ 科 (ミズアオイ 属 ) 1 1 1 1 15 1 ミズキ ミズキ 科 (アオキ 属 ) 3 クマノミズキ ミズキ 科 (ミズキ 属 ) 3 7 キュウリグサ 属 ムラサキ 科 (キュウリグサ 属 ) 15 1 3 不 明 不 明 1 - 計 1,7 1, 5,, 1,57 1, 11 11,5, 1 3 3,, 7 9 5,3 7,5 3 5 5 1,33 75,1 1 1 3,, 39 1,3 39, 出 現 種 数 3 9 7 3 3 3 5 1 5 7 9 7 1 9 3 35 11 1 1 19 3 1 1 13 1 9 1 11 19 1 1 7 1. 分 析 量 を 1/ にしたため 表 中 の 埋 土 種 子 数 は 分 析 結 果 を 倍 した 値 を 示 している. 表 中 での 数 字 は 種 子 数 を 示 し セルを 灰 色 で 塗 りつぶしている 空 白 は 種 子 数 が を 意 味 する 3. イネ 科 については A D F の 種 類 は 不 明 イネ 科 B は ツルヨシ ヨシ ネス ミホソムキ ホソムキ ナキ ナタカ ヤ キツネカ ヤ カモシ ク サなどの 種 子 群 イネ 科 C は シナタ レスス メカ ヤ メヒシハ などの 種 子 群 イネ 科 E は クサヨシ オ オスス メノカタヒ ラ イチコ ツナキ などの 種 子 群 と 同 定 された. 地 上 部 の 植 物 相 に 成 長 個 体 が 確 認 された 種 類 ( 科 属 種 レベルの 全 てを 含 む)については 科 属 名 の 後 に を 示 した 5..3 調 査 区 の 埋 土 種 子 相 と 植 物 相 調 査 区 内 おける 埋 土 種 子 相 は 3 科 であった( 表 -1) 全 調 査 区 に 広 く 分 布 している 種 類 は スベリヒユ 37 箇 所 タデ 属 (サクラタデあるいはオオイヌタデ)3 箇 所 カ ヤツリグサ 科 35 箇 所 であった 種 子 の 累 計 は スベリヒ ユ イネ 科 C(シナダレスズメガヤ メヒシバなどの 種 子 群 ) カヤツリグサ 科 の 順 に 多 かった また 埋 土 種 子 中 には 地 上 部 の 植 物 相 に 成 長 個 体 を 確 認 できない 種 類 も 多 数 あった 例 えば スベリヒユは 広 く 分 散 してい るうえに 種 子 数 も 多 いものの 植 物 相 には 見 られなかった カヤツリグサ 科 も 同 様 であった さらに 埋 土 種 子 の 中 には 山 地 や 陸 域 で 見 られる 樹 木 類 も 多 く 含 まれていた 調 査 区 内 における 植 物 相 は 1 科 であった( 表 -) 全 調 査 区 に 広 く 分 布 している 種 類 は ヨモギ( 箇 所 ) ツルヨシ(1 箇 所 ) カナムグラ(15 箇 所 )であった また 植 物 相 には 埋 土 種 子 に 含 まれていない 種 類 も 多 数 あった 例 えば 分 布 の 広 いヨモギやヒメムカシヨモ ギもそのうちの 1 つである これらが 埋 土 種 子 中 に 存 在 していなかった 原 因 として キク 科 のヨモギ 属 ムカシ ヨモギ 属 などは 乾 燥 収 縮 に 弱 いといわれており 37) 河 原 のように 乾 燥 の 著 しい 場 所 では すでに 種 子 が 風 化 消 19 a) 極 粗 砂 粗 砂 鉛 直 は, 種 子 ( 個 /m )バー 水 平 は, 砂 (g/m )バー 数 字 は 種 子 ( 個 /m )を 示 す b) 細 砂 以 下 図 -33 種 子 と 粒 径 の 空 間 分 布

失 している 可 能 性 が 高 い 5.5 考 察 本 章 では 調 査 結 果 を 受 けて 第 一 に 埋 土 種 子 には 差 が 見 られるものの 種 類 の 偏 在 性 は 見 られず 砂 州 中 に 広 く 分 散 している 第 二 に 広 く 分 散 している 種 子 が 地 上 部 の 植 物 相 でも 優 占 度 が 高 いわけでなく むし ろ 種 子 ( 植 物 )の 生 理 的 特 性 応 じて 発 芽 成 長 できる 場 所 が 決 まっている したがって 河 川 植 生 の 成 立 は 埋 土 種 子 による 影 響 よりも その 場 の 物 理 環 境 による 影 響 が 支 配 的 である 以 下 では このような 仮 説 を 立 てて 埋 土 種 子 の 分 布 と 植 生 の 関 係 から 考 察 を 行 う 5.5.1 埋 土 種 子 の 空 間 分 布 特 性 埋 土 種 子 は 場 所 によって 異 なっていた 砂 礫 が 多 く 占 める 場 所 ( 砂 礫 構 造 Ⅰ~Ⅲ 以 下 砂 礫 帯 という) に 比 べて 砂 分 を 多 く 占 める 場 所 ( 砂 礫 構 造 Ⅳ Ⅴ 以 下 堆 積 帯 という)の 種 子 は 約 倍 多 かった( 図 -33) ただし 両 者 の 種 子 は 森 林 での 報 告 例 と 比 較 しても 決 して 少 なくないことから 地 上 部 が 植 物 で 覆 われるのに 十 分 量 の 埋 土 種 子 が 存 在 していると 考 えられ る また 両 者 の 種 子 の 差 は 堆 砂 との 関 係 も 高 い ( 図 -33)ことが 分 かる したがって 砂 礫 帯 と 堆 積 帯 で の 種 子 の 差 は 主 に 流 水 に 伴 う 種 子 供 給 量 の 差 と 考 表 - 調 査 区 における 植 物 相 調 査 結 果 科 属 名 調 査 区 No. 出 現 存 在 出 現 1 3 5 7 9 1 11 1 13 1 15 1 17 1 19 1 3 5 7 9 3 31 3 33 3 35 3 37 3 39 回 数 箇 所 率 シロザ アカザ 科 (アカザ 属 ) 1 1 ヘクソカズラ アカネ 科 (ヘクソカズラ 属 ) 1 1 - - アレチマツヨイグサ アカバナ 科 (マツヨイグサ 属 ) 1 1 カナムグラ アサ 科 (カラハナソウ 属 ) 3 1 5 9 1 3 1 1 3 5 3 5 15 1 71 タネツケバナ アブラナ 科 (タネツケバナ) 5 1 9 マメグンバイナズナ アブラナ 科 (マメグンバイナズナ 属 ) 5 1 3 3 5 - - イネ 科 sp. イネ 科 1 1 5 1 1 3 5 1 3 3 1 13 - - イネ 科 sp. イネ 科 1 3 - - オギ イネ 科 (ススキ 属 ) 1 1 - - シナダレスズメガヤ イネ 科 (スズメガヤ 属 ) 1 9 3 ネズミホソムギ イネ 科 (ドクムギ 属 ) 3 1 7 ネズミムギ イネ 科 (ドクムギ 属 ) 3 1 1 1 7 1 ホソムギ イネ 科 (ドクムギ 属 ) 1 7 7 イチゴツナギ イネ 科 (ナガハグサ 属 ) 3 1 19 5 オオスズメノカタビラ イネ 科 (ナガハグサ 属 ) 5 1 19 11 ナギナタガヤ イネ 科 (ナギナタガヤ 属 ) 5 1 7 7 メヒシバ イネ 科 (メヒシバ 属 ) 1 9 3 ツルヨシ イネ 科 (ヨシ 属 ) 3 1 1 1 7 1 1 1 3 9 9 7 7 1 7 5 ヨシ イネ 科 (ヨシ 属 ) 7 1 7 カモジグサ イネ 科 (エゾムギ 属 ) 5 5 1 1 1 1 5 7 7 3 クサヨシ イネ 科 (クサヨシ 属 ) 1 9 3 5 9 19 3 キツネガヤ イネ 科 (スズメノチャヒキ 属 ) 5 1 ミズ イラクサ 科 ( ミズ 属 ) 1 5 1 1 - - アレチウリ ウリ 科 (アレチウリ 属 ) 5 1 1 5 5 3 71 ガガイモ ガガイモ 科 (ガガイモ 属 ) 1 1 - - アメリカセンダングサ キク 科 (センダングサ 属 ) 1 1 5 1 5 5 5 5 コセンダングサ キク 科 (センダングサ 属 ) 1 1 5 9 ヨモギ キク 科 (ヨモギ 属 ) 1 3 1 1 5 5 1 1 3 1 5 3 1 3 1 1 7 1 - - カワラヨモギ キク 科 (ヨモギ 属 ) 1 5 - - セイタカアワダチソウ キク 科 ( アキノキリンソウ 属 ) 1 1 - - ハキダメギク キク 科 (コゴメギク 属 ) 1 1 - - ブタクサ キク 科 (ブタクサ 属 ) 1 1 - - ヒメムカシヨモギ キク 科 (ムカシヨモギ 属 ) 5 1 3 3 1 1 1 3 9 - - イヌコウジュ シソ 科 (イヌコウジュ 属 ) 1 1 - - カキドオシ シソ 科 (カキドオシ 属 ) 3 - - タチツボスミレ スミレ 科 (スミレ 属 ) 1 1 - - セリ セリ(セリ 属 ) 1 - - イヌタデ タデ 科 (イヌタデ 属 ) 1 1 - - ミゾソバ タデ 科 (イヌタデ 属 ) 5 1 1 3 5 1 5 1 9 3 ヤナギタデ タデ 科 (イヌタデ 属 ) 1 5 3 9 ママコノシリヌグイ タデ 科 (イヌタデ 属 ) 5 1 - - オオイヌタデ タデ 科 (イヌタデ 属 ) 3 1 1 1 1 1 1 3 1 1 3 13 3 3 ヒメスイバ タデ 科 (ギシギシ 属 ) 3 1 5 17 ツユクサ ツユクサ 科 (ツユクサ 属 ) 1 1 1 1 1 5 1 1 エノキグサ トウダイグサ 科 (エノキグサ 属 ) 3 1 - - コニシキソウ トウダイグサ 科 (ニシキソウ 属 ) 1 3 19 1 スギナ トクサ 科 (トクサ 属 ) 3 5 5 1 3 5 - - ウシハコベ ナデシコ 科 (ウシハコベ 属 ) 5 1 - - ノミノツヅリ ナデシコ 科 (ノミノツヅリ 属 ) 1 1 - - コハコベ ナデシコ 科 (ハコベ 属 ) 1 1 - - ノミノフスマ ナデシコ 科 (ハコベ 属 ) 1 1 - - オランダミミナグサ ナデシコ 科 (ミミナグサ 属 ) 1 1 - - ヒカゲノイノコヅチ ヒユ 科 (イノコズチ 属 ) 1 1 - - ヤブガラシ ブドウ 科 (ヤブガラシ 属 ) 1 1 - - コモチマンネングサ ベンケイソウ 科 (マンネングサ 属 ) 1 3 - - ヤブツルアズキ マメ 科 (ササゲ 属 ) 1 1 1 5 アカツメクサ マメ 科 (シャジクソウ 属 ) 1 1 1 5 シロツメクサ マメ 科 (シャジクソウ 属 ) 1 1 7 メドハギ マメ 科 (ハギ 属 ) 3 1 3 33 ヤハズソウ マメ 科 (ハヤズソウ 属 ) 1 1 3 1 3 1 1 1 1 9 ヤブマメ マメ 科 (ヤブマメ 属 ) 5 1 1 5 クズ マメ 科 (クズ 属 ) 1 7 5 3 1 1 カラスノエンドウ マメ 科 (ソラマメ 属 ) 1 1 1 5 ツルマメ マメ 科 (ダイズ 属 ) 5 1 1 5 1 5 1 3 マルバヤハズソウ マメ 科 ヤハズソウ 属 ) 3 5 3 3 1 計 1 5 9 3 13 7 3 9 9 1 7 1 1 1 1 3 9 7 15 5 1 1 5 7 平 均 3.1 砂 礫 構 造 Ⅲ Ⅲ Ⅱ Ⅲ Ⅴ Ⅴ Ⅳ Ⅲ Ⅴ Ⅴ Ⅲ Ⅲ Ⅴ Ⅴ Ⅱ Ⅲ Ⅴ Ⅴ Ⅲ Ⅲ Ⅲ Ⅴ Ⅰ Ⅳ Ⅳ Ⅴ Ⅰ Ⅳ Ⅴ Ⅴ Ⅴ Ⅴ Ⅴ Ⅳ Ⅴ Ⅴ Ⅳ Ⅲ Ⅴ Ⅴ 中 央 値 3 1. 表 中 の 数 値 は 植 被 率 (%)を 示 す. 埋 土 種 子 に 含 まれていた 種 類 の 調 査 区 は セルを 灰 色 で 塗 りつぶした なお 存 在 箇 所 とは 埋 土 種 子 の 存 在 する 箇 所 の 合 計 を 示 す 3. 出 現 率 は 植 物 相 の 出 現 回 数 と 見 かけ 上 の 埋 土 種 子 数 ( 埋 土 種 子 と 埋 土 種 子 に 存 在 しなかった 植 物 相 を 加 えた 数 )との 比 (%)で 定 義 される えてよい しかし 埋 土 種 子 相 の 結 果 から ある 種 類 が 砂 礫 帯 や 堆 積 帯 にだけ 偏 って 分 布 しているわけではなく 種 子 は 種 類 に 限 らず 砂 州 全 体 にわたって 広 く 分 散 していると 考 えられる スベリヒユ イネ 科 カヤツリグサ 科 タデ 属 のように 調 査 区 中 全 般 にわたり 見 られる 種 類 などは 言 うまでもないが アワ オヒシバ ニシキソウ 属 といっ た 調 査 区 の 半 数 程 度 にしか 見 られない 種 類 についても 砂 礫 帯 堆 積 帯 を 問 わず 分 布 がみられる( 表 -1) 5.5. 埋 土 種 子 相 と 植 生 との 関 係 - 河 川 植 生 成 立 の 支 配 的 要 因 上 述 したように 埋 土 種 子 は その 種 類 を 問 わず 分 散 性 が 高 い しかし 現 実 に 我 々が 目 にしている 植 生 は 図 -3 に 見 られるように 群 落 別 に 生 育 範 囲 がある 程 度 決 まっている このギャップについて 表 - に 示 す 植 物 相 と 埋 土 種 子 相 との 関 係 から 埋 土 種 子 の 分 布 が 植 生 に 与 える 影 響 について 考 察 を 進 める 最 初 にミゾソバを 例 に 説 明 する ミゾソバ 埋 土 種 子 の 存 在 箇 所 は 箇 所 であり 調 査 範 囲 にまんべんなく 分 布 していたが 調 査 区 での 個 体 の 出 現 箇 所 は 9 箇 所 のみで あった 出 現 率 は 3%であり 平 均 的 な 値 を 示 している 生 育 が 確 認 された 地 点 は 砂 分 が 多 く( 砂 礫 構 造 Ⅳ Ⅴ)