2. モデルの 概 要 本 検 討 で 構 築 したモデルは リアルタイムに 予 測 計 算 を 行 い かつ 過 去 に 計 算 された 結 果 を 学 習 して 逐 次 計 算 精 度 を 高 めることを 目 的 としている ここで 用 いる 計 算 モデル は 1 流 出 解 析 2 逆 解



Similar documents
(Microsoft Word - \221\346\202P\202U\201@\214i\212\317.doc)

資 料 -6 平 成 20 年 度 第 2 回 北 陸 地 方 整 備 局 事 業 評 価 監 視 委 員 会 特 定 構 造 物 改 築 事 業 事 後 評 価 説 明 資 料 平 成 20 年 11 月 北 陸 地 方 整 備 局 -0-

気象庁技術報告第134号表紙#.indd

検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑


<4D F736F F D203193FA8AD45F95CA8E86325F89898F4B315F94F093EF8AA98D AD97DF914F82CC8FEE95F182CC8EFB8F C28E8B89BB2E646F63>

守 口 市 立 東 小 学 校 大 久 保 小 学 校 の 統 合 実 施 計 画 目 次 第 1 守 口 市 における 学 校 統 合 の 背 景 1 第 2 東 小 学 校 と 大 久 保 小 学 校 の 統 合 について 1 第 3 統 合 校 の 学 校 づくりについて 2 第 4 東 小

2. 建 築 基 準 法 に 基 づく 限 着 色 項 目 の 地 区 が 尾 張 旭 市 内 にはあります 関 係 課 で 確 認 してください 項 目 所 管 課 窓 口 市 役 所 内 電 話 備 考 がけに 関 する 限 (がけ 条 例 ) 都 市 計 画 課 建 築 住 宅 係 南 庁 舎

対 象 外 区 域 以 下 の 区 域 は 原 則 として 策 定 区 域 に 含 めないこと (1) 農 業 振 興 地 域 の 整 備 に 関 する 法 律 に 規 定 する 農 用 地 区 域 (2) 優 良 農 地 ( 一 団 のまとまりのある 農 地 や 農 業 水 利 施 設 の 整 備

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

する ( 評 定 の 時 期 ) 第 条 成 績 評 定 の 時 期 は 第 3 次 評 定 者 にあっては 完 成 検 査 及 び 部 分 引 渡 しに 伴 う 検 査 の 時 とし 第 次 評 定 者 及 び 第 次 評 定 者 にあっては 工 事 の 完 成 の 時 とする ( 成 績 評 定

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

平成24年度 業務概況書

学校安全の推進に関する計画の取組事例

第 1 条 適 用 範 囲 本 業 務 方 法 書 は 以 下 の 性 能 評 価 に 適 用 する (1) 建 築 基 準 法 施 行 令 ( 以 下 令 という ) 第 20 条 の7 第 1 項 第 二 号 表 及 び 令 第 20 条 の 8 第 2 項 の 認 定 に 係 る 性 能 評

能勢町市街化調整区域における地区計画のガイドライン

総合評価点算定基準(簡易型建築・電気・管工事)

Taro-条文.jtd

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

地域別土砂災害危険度インターネット 操作説明書

Ⅰ 調 査 の 概 要 1 目 的 義 務 教 育 の 機 会 均 等 その 水 準 の 維 持 向 上 の 観 点 から 的 な 児 童 生 徒 の 学 力 や 学 習 状 況 を 把 握 分 析 し 教 育 施 策 の 成 果 課 題 を 検 証 し その 改 善 を 図 るもに 学 校 におけ

Microsoft Word - No.10 西村.doc

<4D F736F F D C689D789B582B581698AAE90AC92CA926D816A2E646F63>

Microsoft Word - 佐野市生活排水処理構想(案).doc

 三郷市市街化調整区域の整備及び保全の方針(案)

<4D F736F F D208ED089EF95DB8CAF89C193FC8FF38BB CC8EC091D492B28DB88C8B89CA82C982C282A282C42E646F63>

16 日本学生支援機構

川崎市木造住宅耐震診断助成金交付要綱

< DB8CAF97BF97A6955C2E786C73>

( の 復 旧 ) 3. 南 相 馬 市 エリアの 避 難 指 示 解 除 準 備 区 域 及 び 居 住 制 限 区 域 内 の 路 線 数 ( ) 10 路 線 うち 被 災 した 路 線 ( 工 区 ) 数 10 路 線 52 箇 所 うち 応 急 対 策 を 実 施 した 路 線 ( 工 区

現 地 調 査 では 火 口 周 辺 の 地 形 や 噴 気 等 の 状 況 に 変 化 は 見 られませんでした また 赤 外 熱 映 像 装 置 5) による 観 測 では 2015 年 3 月 頃 から5 月 29 日 の 噴 火 前 に 温 度 上 昇 が 認 められていた 新 岳 火 口

3 独 占 禁 止 法 違 反 事 件 の 概 要 (1) 価 格 カルテル 山 形 県 の 庄 内 地 区 に 所 在 する5 農 協 が, 特 定 主 食 用 米 の 販 売 手 数 料 について, 平 成 23 年 1 月 13 日 に 山 形 県 酒 田 市 所 在 の 全 国 農 業 協

< F2D A C5817A C495B6817A>

18 国立高等専門学校機構

1 予 算 の 姿 ( 平 成 25 当 初 予 算 ) 長 野 県 財 政 の 状 況 H 現 在 長 野 県 の 予 算 を 歳 入 面 から 見 ると 自 主 財 源 の 根 幹 である 県 税 が 全 体 の5 分 の1 程 度 しかなく 地 方 交 付 税 や 国 庫 支

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

m07 北見工業大学 様式①

第 3 四 半 期 運 用 状 況 の 概 要 第 3 四 半 期 末 の 運 用 資 産 額 は 2,976 億 円 となりました 第 3 四 半 期 の 修 正 総 合 収 益 率 ( 期 間 率 )は +1.79%となりました なお 実 現 収 益 率 は +0.67%です 第 3 四 半 期

<4D F736F F D F8DC4955D89BF92B28F915F8D4C93638DBB90E895942E646F63>

気 象 状 況 8 月 9 日 から11 日 にかけては 大 型 の 台 風 第 11 号 が 接 近 し 岐 阜 県 の 山 間 部 を 中 心 に 非 常 に 激 しい 降 雨 をもたらしました 8 月 8 日 の 降 り 始 めからの 降 水 量 (11 日 12 時 迄 )は 杉 原 観 測

地震保険研究 16

1 林 地 台 帳 整 備 マニュアル( 案 )について 林 地 台 帳 整 備 マニュアル( 案 )の 構 成 構 成 記 載 内 容 第 1 章 はじめに 本 マニュアルの 目 的 記 載 内 容 について 説 明 しています 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 5 章 第 6 章 林 地

Contents 第 1 章 国 土 調 査 法 19 条 5 項 指 定 とは? 国 土 調 査 法 19 条 5 項 指 定 とは? 1 指 定 の 意 義 メリット 1 指 定 の 対 象 は? 2 対 象 となる 事 業 2 国 土 調 査 法 19 条 5 項 指 定 までの 流 れ 3

目 次 第 1 章 総 則 第 1 節 計 画 の 目 的... 1 第 1 計 画 の 目 的 1 第 2 計 画 の 策 定 1 第 3 計 画 の 構 成 2 第 4 用 語 の 意 義 2 第 2 節 計 画 の 前 提 条 件... 3 第 1 自 然 条 件 3 第 2 社 会 条 件

耐 震 診 断 受 付 期 間 4 月 16 日 ( 月 )~1 月 31 日 ( 木 ) 予 定 戸 数 100 戸 1 補 助 の 条 件 次 のすべての 要 件 に 該 当 すること (1) 市 民 自 らが 所 有 し 居 住 していること (2) 昭 和 56 年 5 月 31 日 以 前

3. 選 任 固 定 資 産 評 価 員 は 固 定 資 産 の 評 価 に 関 する 知 識 及 び 経 験 を 有 する 者 のうちから 市 町 村 長 が 当 該 市 町 村 の 議 会 の 同 意 を 得 て 選 任 する 二 以 上 の 市 町 村 の 長 は 当 該 市 町 村 の 議

1 平 成 27 年 度 土 地 評 価 の 概 要 について 1 固 定 資 産 税 の 評 価 替 えとは 地 価 等 の 変 動 に 伴 う 固 定 資 産 の 資 産 価 値 の 変 動 に 応 じ その 価 格 を 適 正 で 均 衡 のとれたものに 見 直 す 制 度 である 3 年 ご

(2) 都 市 計 画 区 域 市 街 化 区 域 市 街 化 調 整 区 域 の 変 遷 1 都 市 計 画 区 域 の 変 遷 2 市 街 化 区 域 及 び 市 街 化 調 整 区 域 の 変 遷 旧 石 巻 市 ( 単 位 :ha) ( 単 位 :ha) 変 更 都 市 計 画 区 域 行

1 狭 あい 道 路 等 整 備 事 業 について 1-1 はじめに 私 たちが 安 心 して 安 全 に 暮 らしていくうえで, 道 は 重 要 な 役 割 を 担 っています しかし, 道 が 狭 いと, 日 照 通 風 等 の 確 保 が 難 しいといった 住 環 境 の 面 だけでなく, 災

様式第4号

消 防 庁 危 険 物 保 安 室 殿 ドラム 缶 に 係 る 可 燃 性 蒸 気 対 流 シミュレーション 分 析 業 務 成 果 報 告 書 2013 年 1 月 アドバンスソフト 株 式 会 社

(2) 支 状 況 保 育 所 ( 定 員 60 人 以 上 ) 支 状 況 は 次 とおりです 1 総 入 構 成 比 は 割 合 が88.1% 活 動 外 入 が2.1% 特 別 入 が9.8%でした 2 構 成 比 は 運 営 費 入 が80.1% 経 常 経 費 補 助 金 入 が17.8%

名称

(1) 社 会 保 険 等 未 加 入 建 設 業 者 の 確 認 方 法 等 受 注 者 から 提 出 される 施 工 体 制 台 帳 及 び 添 付 書 類 により 確 認 を 行 います (2) 違 反 した 受 注 者 へのペナルティー 違 反 した 受 注 者 に 対 しては 下 記 のペ

●電力自由化推進法案

4 松 山 市 暴 力 団 排 除 条 の 一 部 風 俗 営 業 等 の 規 制 及 び 業 務 の 適 正 化 等 に 関 する 法 律 等 の 改 正 に 伴 い, 公 共 工 事 から 排 除 する 対 象 者 の 拡 大 等 を 図 るものです 第 30 号 H H28.1

Microsoft Word - 表紙(正)

<4D F736F F D D488A778CA48B8689C881468DB293A190E690B E682558AFA93C896D88E738D8297EE8ED E646F6378>

近畿中部防衛局広報誌

(Microsoft Word - \220\340\226\276\217\221.doc)

送 信 局 を 電 気 通 信 事 業 者 に 貸 し 付 けるとともに 電 気 通 信 事 業 者 とあらかじめ 契 約 等 を 締 結 する 必 要 があること なお 既 に 電 気 通 信 事 業 者 において 送 信 局 を 整 備 している 地 域 においては 当 該 設 備 の 整 備

(4) 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 との 連 携 1 市 は 国 の 現 地 対 策 本 部 長 が 運 営 する 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 に 職 員 を 派 遣 するなど 同 協 議 会 と 必 要 な 連 携 を 図 る

untitled


(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

背 景 と 目 的 - 東 日 本 震 災 では の 上 部 構 造 の 流 出 が 多 発 - は 復 旧 に 時 間 を 要 する 一 方 交 通 機 能 の 回 復 は 待 ったなし 活 動 項 目 数 活 動 項 目 数 ( 全 体 ) 全 体 は24hで ピー

預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

( 別 途 調 査 様 式 1) 減 損 損 失 を 認 識 するに 至 った 経 緯 等 1 列 2 列 3 列 4 列 5 列 6 列 7 列 8 列 9 列 10 列 11 列 12 列 13 列 14 列 15 列 16 列 17 列 18 列 19 列 20 列 21 列 22 列 固 定

資 格 給 付 関 係 ( 問 1) 外 国 人 Aさん(76 歳 )は 在 留 期 間 が3ヶ 月 であることから 長 寿 医 療 の 被 保 険 者 ではない が 在 留 資 格 の 変 更 又 は 在 留 期 間 の 伸 長 により 長 寿 医 療 の 適 用 対 象 となる 場 合 には 国

目 次 第 1. 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 等 1 (1) 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 1 (2) 施 行 者 の 名 称 1 第 2. 施 行 区 1 (1) 施 行 区 の 位 置 1 (2) 施 行 区 位 置 図 1 (3) 施 行 区 の 区 域 1 (4) 施

財政再計算結果_色変更.indd

再 生 可 能 エネルギー 等 導 入 推 進 基 金 事 業 計 画 書 ( 各 年 度 計 画 書 ) ( 事 業 計 画 の 概 要 ) 計 画 の 名 称 京 都 府 地 球 温 暖 化 対 策 等 推 進 基 金 計 画 の 期 間 交 付 対 象 京 都 府 府 内 市 町 村 民 間

2. 予 測 2.1. 予 測 項 目 予 測 項 目 は 以 下 のとおりとした 1 埋 設 廃 棄 物 の 掘 削 除 去 に 伴 う 廃 棄 物 2 造 成 等 の 施 工 の 一 時 的 な 影 響 による 建 設 工 事 に 伴 う 副 産 物 ( 建 設 発 生 土 建 設 廃 棄 物

<4D F736F F F696E74202D E9197BF825381A68DC48DB782B591D682A694C5817A938C93FA967B91E5906B8DD082F08F8482E991CE899E82C982C282A282C F82528DB782B591D682A6816A>

平 成 27 年 度 第 3 四 半 期 運 用 状 況 の 概 要 第 3 四 半 期 の 運 用 資 産 額 は 2 兆 4,339 億 円 となりました 第 3 四 半 期 の 修 正 総 合 収 益 率 ( 期 間 率 )は +2.05%となりました 実 現 収 益 率 は +1.19%です

2 導 入 に 係 る 各 課 の 役 割 部 署 名 危 機 管 理 室 主 な 事 務 番 号 法 に 規 定 さ れ た 事 務 へ の 個 人 番 号 の 導 入 に 関 す る こ と 制 度 導 入 に 向 け た 事 務 の 総 括 に 関 す る こ と 個 人 番 号 の 独 自

入札公告 機動装備センター

スライド 1

●幼児教育振興法案

12 大 都 市 の 人 口 と 従 業 者 数 12 大 都 市 は 全 国 の 人 口 の 約 2 割 従 業 者 数 の 約 3 割 を 占 める 12 大 都 市 の 事 業 所 数 従 業 者 数 及 び 人 口 は 表 1 のとおりです これらの 12 大 都 市 を 合 わせると 全

3 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与 月 額

5.4.2 想 定 を 超 える 巨 大 地 震 の 発 生 内 閣 府 による 津 波 浸 水 予 測 (1) 南 海 トラフ 巨 大 地 震 南 海 トラフ 巨 大 地 震 ( 南 海 トラフで 発 生 する 最 大 クラスの 地 震 )については 内 閣 府 (2012) i

平成17年度高知県県産材利用推進事業費補助金交付要綱

全設健発第     号

<4D F736F F D2095CA8E A90DA91B18C9F93A289F1939A8F D8288B3816A5F E646F63>

(2) 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 保 育 の 必 要 な 子 どものいる 家 庭 だけでなく 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 のために 利 用 者 支 援 事 業 や 地 域 子 育 て 支 援 事 業 な

Microsoft Word - 建築基準法第42条第2項道路後退整備のあらまし

PowerPoint プレゼンテーション

岡山県警察用航空機の運用等に関する訓令

東京事務所BCP【実施要領】溶け込み版

Microsoft Word - h doc

(Microsoft Word - \212\356\226{\225\373\220j _\217C\220\263\201j.doc)

<4D F736F F D D3188C091538AC7979D8B4B92F F292B98CF092CA81698A94816A2E646F63>

佐渡市都市計画区域の見直し

我孫子市小規模水道条例


も く じ 1 税 源 移 譲 1 2 何 が 変 わったのか 改 正 の 3 つ の ポイント ポイント1 国 から 地 方 へ 3 兆 円 規 模 の 税 源 が 移 譲 される 2 ポイント2 個 人 住 民 税 の 税 率 構 造 が 一 律 10%に 変 わる 3 ポイント3 個 々の 納

Transcription:

こうえいフォーラム 第 18 号 / 29.12 REAL-TIME PREDICTION OF RUNOFF USING A SEQUENTIAL-LEARNING DISTRIBUTED MODEL 一 言 正 之 * 小 野 寺 勝 ** 桜 庭 雅 明 * 杉 山 実 * 森 田 格 * Masayuki HITOKOTO, Masaru ONODERA, Masaaki SAKURABA, Minoru SUGIYAMA and Itaru MORITA We developed a real-time runoff prediction model based on a distributed model and sequential learning method. The distributed model can evaluate the river channel water level and surface groundwater level. This model can be used for real-time prediction of flood and land slide disaster, which are caused by soil and topographic conditions. The distributed model, based on an unstructured triangular mesh, is composed of rainfall infiltration, surface flow, subsurface flow, discharge flow and river flow models. To shorten the calculation time, we applied a parallel computation technique based on MPI(Message Passing Interface). For the sequential learning model, we proposed a hybrid method composed of inverse analysis and a neural network. We applied this model to the Sumiyoshi basin, and the predicted data showed good agreement with observed data. Keywords:distributed model, neural network, inverse analysis, sediment disaster, real-time prediction 1. はじめに 例 年 発 生 する 土 砂 災 害 被 害 に 対 するソフト 対 策 として 我 が 国 では 警 戒 避 難 システムの 整 備 が 進 められている 警 戒 避 難 システムでは 対 象 とする 流 域 における 土 砂 災 害 危 険 度 を 迅 速 かつ 適 切 に 評 価 する 必 要 がある 現 状 では 土 砂 災 害 警 戒 避 難 の 評 価 方 法 として 基 準 雨 量 等 による 概 略 的 な 評 価 方 法 が 用 いられる 1) ことが 多 いが 評 価 精 度 や 避 難 単 位 の 設 定 などに 課 題 が 残 されている 一 方 洪 水 の 予 測 評 価 方 法 としては 貯 留 関 数 法 とフィードバック 手 法 によ る 予 測 が 一 般 的 に 用 いられているが こうしたモデルでは 流 域 の 面 的 な 物 理 特 性 の 把 握 は 難 しい 本 論 文 は 土 砂 災 害 危 険 度 の 評 価 をリアルタイムかつ 高 精 度 に 行 うことを 目 的 としたシステム 構 築 のうち システム 全 体 の 精 度 と 時 間 に 対 して 最 も 支 配 的 である 流 出 解 析 部 分 のモデル 構 築 につ いて 述 べるものである 土 砂 災 害 予 測 システムの 全 体 構 成 は 図 - 1 のように 流 出 解 析 モデル 斜 面 安 定 解 析 モデル 土 石 流 解 析 による 被 害 範 囲 予 測 モデル 情 報 表 示 伝 達 システムの 流 れで 示 されるが システム 全 体 の 精 度 向 上 とリアルタイム 化 は 流 出 解 析 モデルの 精 度 向 上 と 解 析 の 高 速 化 に 依 存 して いる そこで 開 発 した 流 出 解 析 モデルでは 1 流 域 内 の 水 位 分 布 を 適 切 に 計 算 するために 分 布 型 流 出 解 析 モデル * 中 央 研 究 所 総 合 技 術 開 発 部 ** 社 会 システム 事 業 部 統 合 情 報 技 術 部 を 適 用 して 流 域 地 下 水 位 および 河 道 の 水 位 を 面 的 に 評 価 可 能 とした 2リアルタイムに 評 価 が 可 能 となるように 流 出 解 析 モデルに 並 列 計 算 法 を 適 用 して 計 算 の 高 速 化 を 図 っ た 3また 各 出 水 に 対 して 計 算 精 度 を 向 上 させるために 逆 解 析 によるパラメータの 最 適 化 を 行 い その 最 適 化 した パラメータを 教 師 データとして 過 去 の 出 水 履 歴 を 学 習 する ようにニューラルネットワークによる 逐 次 学 習 モデルを 連 携 させた 開 発 したモデルについては 六 甲 砂 防 事 務 所 管 内 の 住 吉 川 流 域 を 対 象 として 再 現 解 析 に 適 用 し 計 算 精 度 の 検 証 お よび 逐 次 学 習 の 効 果 について 考 察 を 行 った 水 位 分 布 流 量 崩 壊 土 砂 量 レーダ 雨 量 データ 解 析 サーバ 流 出 解 析 モデル 2 次 元 斜 面 流 出 モデル +2 次 元 飽 和 側 方 流 モデル +1 次 元 河 道 流 モデル 斜 面 安 定 解 析 モデル 無 限 長 斜 面 安 定 解 析 モデル (モンテカルロ 法 ) 被 害 範 囲 予 測 モデル 崩 壊 土 砂 到 達 範 囲 予 測 モデル +2 次 元 土 砂 氾 濫 解 析 モデル 学 習 パラメータ 崩 壊 範 囲 氾 濫 範 囲 学 習 サーバ 学 習 モデル パラメータ 逆 解 析 +ニューラルネットワーク 情 報 表 示 伝 達 サーバ 土 砂 災 害 警 戒 避 難 情 報 表 示 システム 雨 量 水 位 観 測 所 レーダ 雨 量 崩 壊 危 険 度 予 測 結 果 土 砂 氾 濫 範 囲 予 測 結 果 図 - 1 土 砂 災 害 予 測 システムの 構 成 なお 本 稿 で 紹 介 するモデルは H2 六 甲 山 系 警 戒 避 難 システム 導 入 調 整 業 務 にて 適 用 したものである 37

2. モデルの 概 要 本 検 討 で 構 築 したモデルは リアルタイムに 予 測 計 算 を 行 い かつ 過 去 に 計 算 された 結 果 を 学 習 して 逐 次 計 算 精 度 を 高 めることを 目 的 としている ここで 用 いる 計 算 モデル は 1 流 出 解 析 2 逆 解 析 によるパラメータの 推 定 3 ニューラルネットワークによるパラメータの 逐 次 学 習 によ る 再 設 定 で 構 成 される 本 モデルの 計 算 フローを 図 - 2 に 示 す 1) 斜 面 流 斜 面 流 における 基 礎 方 程 式 は 以 下 の 通 りである (1) (2) 逆 解 析 によるパラメータの 推 定 流 出 解 析 の 繰 り 返 し 計 算 に よ り 水 文 パラメータを 逆 解 析. 過 去 のケースに 対 する 最 適 化 パラメータを 出 力 ニューラルネットワークの 構 築 入 力 層 に 観 測 データ, 出 力 層 に 水 文 パラメータを 設 定 してNNを 構 築. 水 文 パラメータの 学 習 - 再 設 定. 過 去 の 出 水 履 歴 を 学 習 した 水 文 パラメータを 出 力 流 出 解 析 学 習 された 水 文 パラメータ を 用 いて 流 出 予 測 を 実 施. (3) ここで q gx,q gy は x,y 方 向 の 流 量 フラックス(m 2 /s) h s は 表 面 水 深 (m) H s は 表 面 水 位 (m) n はマニングの 粗 度 係 数 (s/m 1/3 ) r e は 有 効 降 雨 (mm/h)である 式 (1) ~(3)の 離 散 化 後 の 有 限 要 素 方 程 式 は 次 式 で 示 される (4) ここで M は 質 量 行 列 S は 移 流 行 列 u は 未 知 量 ベク トル F は 既 知 ベクトルとする 各 係 数 行 列 は 要 素 内 で 求 めたマトリクスを 全 節 点 上 で 足 し 合 わせることにより 求 めることができる 時 間 方 向 の 離 散 化 にはセレクティブラ ンピング 法 を 用 いた 図 - 2 逐 次 学 習 計 算 の 流 れ 3. 非 構 造 格 子 を 用 いた 分 布 型 土 砂 災 害 予 測 モデル 構 築 した 土 砂 災 害 予 測 モデルのうち 流 出 解 析 モデルに ついて 説 明 する なお 本 稿 では 省 略 するが 斜 面 安 定 解 析 モデルや 土 砂 氾 濫 解 析 モデルについては 過 去 の 災 害 事 例 を 元 に 精 度 検 証 計 算 を 実 施 済 みである 2)3)4) (1) 非 構 造 格 子 の 生 成 流 域 および 河 道 の 形 状 を 適 切 に 表 現 するため 非 構 造 の 計 算 格 子 を 作 成 した 格 子 は 1 辺 約 2m の 三 角 形 格 子 で あり 格 子 生 成 にはデローニー 分 割 法 5) を 用 いた 流 域 内 の 河 道 はブレークラインとして 認 識 し 格 子 がまたがな いように 河 道 の 形 状 を 再 現 した なお 標 高 データには 2m 間 隔 のレーザープロファイラデータを 用 いた 図 - 3 に 検 討 の 対 象 とした 住 吉 川 流 域 の 非 構 造 格 子 分 割 ( 節 点 数 26172 要 素 数 51487)および 河 道 網 を 示 す 河 道 (ブレークライン) 標 高 (m) 図 - 3 使 用 した 非 構 造 解 析 メッシュ( 住 吉 川 流 域 ) (2) 流 出 解 析 の 基 礎 方 程 式 本 検 討 で 用 いた 流 出 解 析 モデルは 主 に1 斜 面 表 面 流 2 飽 和 側 方 流 3 河 道 流 4 地 表 浸 透 の4つから 構 成 される モデルの 概 念 図 を 図 - 4 に 示 す これらの 計 算 における 基 礎 方 程 式 および 数 値 解 析 法 を 以 下 に 示 す 38

こうえいフォーラム 第 18 号 / 29.12 実 況 予 測 降 雨 上 流 からの 流 量 河 道 への 流 入 表 面 流 出 4) 地 表 浸 透 地 表 面 から 地 中 への 浸 透 は Smith Parlange の 式 6) を 用 いた (1) 飽 和 側 方 流 地 中 への 浸 透 飽 和 復 帰 流 河 道 流 出 ここで f c は 浸 透 速 度 (cm/s) k s は 飽 和 透 水 係 数 (cm/s) α は 土 壌 水 分 パラメータ I は 積 算 浸 潤 水 量 (cm) Ө s は 飽 和 体 積 含 有 率 Ө r は 残 留 体 積 含 水 率 G は 毛 管 吸 引 力 (cm)である また 式 中 の B は 以 下 で 表 される (11) 図 - 4 流 出 解 析 モデルの 概 念 図 2) 飽 和 側 方 流 飽 和 側 方 流 における 基 礎 方 程 式 は 以 下 の 通 りである (5) 5) 河 道 湧 出 表 層 土 中 復 帰 流 および 表 面 流 の 流 入 による 河 川 への 水 の 供 給 は 以 下 の 式 で 計 算 する (12) (13) (6) (7) ここで Q riv は 河 川 への 流 出 量 (m 3 /s) q riv : 河 川 への フラックス(m/s) Δh s は 計 算 1ステップにおける 表 面 水 位 の 上 昇 分 (m) Area は 節 点 面 積 (m 2 )である 節 点 面 積 は 図 - 5 に 示 すように 節 点 の 周 りを 囲 む 要 素 の 中 心 を 結 んだ 多 角 形 で 定 義 する ここで h g は 地 中 内 における 水 深 (m) φ e は 有 効 間 隙 率 H g は 地 下 水 位 q sx,q sy は x,y 方 向 のフラックス(m 2 /s) k x,k y は x,y 方 向 の 透 水 係 数 (cm/s) f は 地 中 への 流 入 量 (cm/s) k out は 基 岩 への 流 出 に 関 する 透 水 係 数 である 式 (5)~(7)に 対 しても 1)と 同 様 に 有 限 要 素 法 を 適 用 した 3) 河 道 流 河 道 流 は 一 次 元 の Dynamic Wave モデルを 基 礎 方 程 式 とする (8) (9) 節 点 面 積 図 - 5 節 点 面 積 の 定 義 (3) 並 列 計 算 手 法 の 適 用 分 布 型 流 出 解 析 の 計 算 高 速 化 を 図 るため 領 域 分 割 型 の 並 列 計 算 を 適 用 した 分 割 数 は 16 とし 各 領 域 を 16 個 のCPUに 割 り 当 てて 計 算 を 行 った 各 領 域 間 のデータ 通 信 には MPI(Message Passing Interface)ライブラリを 用 いた ここで Q は 流 量 (m 3 /s) A は 流 水 断 面 積 (m 2 ) u は 断 面 平 均 流 速 (m/s) R は 径 深 (m) g は 重 力 加 速 度 (m/ s 2 ) t は 時 間 (s) q は 横 流 入 量 (m 2 /s)である 式 (8), (9)に 対 しては 有 限 体 積 法 を 適 用 した 空 間 の 離 散 化 には スタッガード 格 子 を 用 い 移 流 項 には 風 上 差 分 を その 他 の 項 には 中 心 差 分 を 用 いた また 時 間 方 向 は 陽 解 法 によ り 離 散 化 を 行 った 4. 逐 次 学 習 アルゴリズム 本 検 討 の 分 布 型 流 出 解 析 モデルにおいて 土 壌 の 透 水 係 数 と 有 効 間 隙 率 は 流 出 特 性 に 大 きく 影 響 するものである しかし これらのパラメータは 時 間 的 空 間 的 な 変 動 が 大 きいため 学 習 によるパラメータの 逐 次 補 正 が 有 効 と 考 え られる 本 検 討 では 逆 解 析 とニューラルネットワークを 組 み 合 わせてパラメータの 更 新 を 行 う 逐 次 学 習 アルゴリズ ムを 構 築 した 39

(1)パラメータの 逆 解 析 既 往 の 主 な 出 水 に 対 し 透 水 係 数 と 有 効 間 隙 率 の 最 適 値 を 逆 解 析 によって 同 定 した パラメータの 逆 解 析 は6 時 間 毎 に 行 い 出 水 ステージ 毎 にパラメータの 最 適 値 を 求 めた パラメータの 逆 解 析 は 目 的 関 数 を 最 小 化 する 問 題 とし て 解 析 的 に 行 うことができる 7)8) ここでは 目 的 関 数 を 計 算 流 量 と 観 測 流 量 の 差 の 自 乗 和 とした 逆 解 析 アルゴ リズムとして Levenberg-Marquardt 法 に 基 づくオープン ソースソフトである PEST(Parameter ESTimation) 9) を 用 いた (2)ニューラルネットワークによる 逐 次 学 習 上 記 の 逆 解 析 手 法 は 過 去 数 時 間 分 の 出 水 観 測 結 果 に 対 するパラメータの 同 定 を 行 ったものであり より 長 期 にお ける 降 雨 出 水 の 変 動 パターンを 考 慮 したものではない 長 期 過 去 履 歴 の 学 習 方 法 として ニューラルネットワーク を 用 いて 降 雨 や 流 出 パターンと 最 適 な 水 文 パラメータを 関 連 づける 方 法 が 有 効 と 考 えられる 1)11) 本 検 討 では 逆 解 析 で 求 めた 水 文 パラメータと その 時 の 観 測 雨 量 流 量 等 の 関 係 を 用 いてニューラルネットワー クを 構 築 した ネットワークはフィードフォーワード 型 ( 中 間 層 が1つ)とし ネットワークの 最 適 化 は 誤 差 逆 伝 搬 法 により 行 った また 入 力 層 については 観 測 所 の 時 間 雨 量 や 流 量 を 基 本 として 全 44 ケースについて 検 討 を 行 った 図 - 6 にニューラルネットワークの 構 造 を 示 す 重 み 係 数,バイアス 入 力 出 力 3 予 測 再 現 計 算 : 構 築 されたニューラルネットワークを 用 いて 近 年 最 大 の 出 水 である 24 年 1 月 の 予 測 再 現 計 算 を 行 い 精 度 を 検 証 した (1) 最 適 化 計 算 による 水 文 パラメータの 算 出 ニューラルネットワーク 構 築 の 準 備 段 階 として 降 雨 流 量 データが 整 備 されている 23 ~ 26 年 の 住 吉 川 の 29 出 水 を 対 象 とし 逆 解 析 による 水 文 パラメータの 算 出 を 実 施 した 逆 解 析 を 行 った 主 な 条 件 は 表 - 1 に 示 す 通 り であり 逆 解 析 は6 時 間 ごとに 行 われた 図 - 7 に 例 示 す るように いずれの 出 水 に 関 しても 流 出 の 立 ち 上 がり ピー ク 流 量 タイミングなど 共 に 精 度 良 く 再 現 することができ た また 流 出 ピーク 時 の 地 下 水 深 分 布 を 図 - 8 に 示 す 河 道 周 辺 などの 谷 部 の 地 下 水 深 が 上 昇 する 様 子 が 表 現 され ている (2)ニューラルネットワークの 構 築 最 適 化 された 水 文 パラメータを 用 いて ニューラルネッ トワークを 構 築 した ここでのニューラルネットワークで は 入 力 層 を 雨 量 や 流 量 等 の 観 測 量 とし 出 力 層 を 透 水 係 数 有 効 間 隙 率 とした 計 算 条 件 を 表 - 2 に 示 す ニューラル ネットワークの 構 築 に 当 たっては 入 力 層 の 設 定 によって 得 られる 解 が 異 なってくるため 本 検 討 では 表 - 3 に 示 す 組 み 合 わせにより 試 行 演 算 を 行 い もっとも 適 切 にパラ メータ 推 定 が 行 われたケースを 設 定 条 件 とした( 表 - 4) このときの 判 定 基 準 として ネットワークによって 得 られ たパラメータと 逆 解 析 によって 得 られたパラメータとの 相 関 が 最 も 高 いケースを 採 用 するものとした 5 流 量 [m 3 /s] 4 3 2 流 域 平 均 降 雨 観 測 流 量 計 算 流 量 2 4 6 降 水 量 [mm/h] 入 力 層 中 間 層 出 力 層 レーダー 雨 量 中 間 素 子 透 水 係 数 観 測 流 量 ( 入 力 層 の2 倍 程 度 ) 有 効 間 隙 率 図 - 6 ニューラルネットワークの 構 造 5. 実 流 域 へのモデル 適 用 本 検 討 で 構 築 したモデルを 以 下 の 手 順 で 検 証 した 1 最 適 化 計 算 :23 年 ~ 26 年 の 計 29 出 水 に 対 して 逆 解 析 による 最 適 化 計 算 を 行 い 最 適 パラメータを 同 定 し た 2ニューラルネットワークの 構 築 : 上 記 1によって 得 ら れた 水 文 パラメータと 時 間 雨 量 観 測 流 量 などの 関 係 か らニューラルネットワークを 構 築 した 1 24/1/19 24/1/19 24/1/2 24/1/2 日 時 24/1/21 24/1/21 24/1/22 図 - 7 最 適 化 計 算 結 果 24 年 1 月 2 日 出 水 対 象 期 間 表 - 1 最 適 化 計 算 の 実 施 条 件 1 回 の 最 適 化 期 間 6 時 間 最 適 化 の 目 的 変 数 23~26 年, 計 29 出 水 流 量 最 適 化 の 変 動 変 数 透 水 係 数 ( 1. 1-3 ~ 2. cm/s), 間 隙 率 (.1~.5) 8 1 4

こうえいフォーラム第 18 号 / 29.12 3 予測再現計算 構築したニューラルネットワークを用いて 24 年 1 月 2 日出水の予測計算を実施した結果を図 9 に示す また PEST による最適化計算時に用いられた平均的な 水文パラメータを用いた計算結果を図 1 に示す 固定 パラメータを用いた図 1 の計算では出水のピーク規模 や低減部分などを再現できていないのに対し 図 9 の ニューラルネットワークを用いた計算ではピーク規模や波 形を概ね再現できている また ニューラルネットワークを用いた解析は逆解析を 用いた解析に比べ大幅に計算時間が短く リアルタイムで の流出予測が可能となっている さらに今後学習履歴を蓄 積していくことで 予測精度をより高めていくことも可能 であると考えられる 5 観測降雨 観測流量 ニューロン数 4(最小) 25(最大) 中間層 ニューロン数 8(最小) 36(最大) 出力層 ニューロン数 1 8 1 日時 それぞれでネットワークを構築 図 9 NN 予測再現計算結果 24 年 1 月 2 日出水 最適化手法で算出された 透水係数 間隙率 データセット数 5 合計 1,368 4 25 年 648 26 年 2,376 流量[m 3/s] 23 年 3,996 24 年 3,348 3 2 流域平均降雨 観測流量 計算流量 4 2 6 1 8 1 平均流量 3 8 48 時間前 観測点毎 6 分雨量 3 48 時間前 流域平均積算雨量 3 過去 6,12,24 時間 24/1/22 過去 48 時間 24/1/21 1 24/1/21 最小流量 24/1/2 備考 24/1/2 ニューロン数 24/1/19 入力層 24/1/19 表 3 検討した入力層の組み合わせ 降水量[mm/h] 教師データ 1 24/1/22 入力層 6 24/1/21 誤差逆伝播法 2 24/1/21 学習方法 4 24/1/2 フィードフォワード型 24/1/19 ネットワーク型 流量[m 3/s] 表 2 ニューラルネットワークの計算条件 3 2 流域平均降雨 観測流量 計算流量 降水量[mm/h] 4 図 8 住吉川流域 流出ピーク時の地下水深分布 24/1/2 2m 24/1/19 日時 図 1 一般値での再現計算結果 24 年 1 月 2 日出水 表 4 選定した入力層の組み合わせ 12 入力層 流量,.5,1,3,6,12,24,48 時間前 最小流量(48 時間前) 流域平均積算雨量(過去 6,12,24 時間) 中間層 24 入力層 2 6. おわりに 本検討は 土砂災害危険度をリアルタイムかつ高精度に 予測するシステムを開発することを目的とし システム主 要部である流出解析モデルの構築を行ったものである 流 域内の水位分布を適切に計算するために分布型流出解析モ デルを適用し 計算の高速化のために並列計算を適用した 41

過 去 の 出 水 について 精 度 の 高 い 再 現 計 算 を 行 うため 各 出 水 に 対 して 逆 解 析 を 用 いた 最 適 化 計 算 を 行 いパラメータを 同 定 した 過 去 の 出 水 履 歴 を 学 習 して 予 測 計 算 に 反 映 させ るため 得 られたパラメータに 対 してニューラルネット ワークを 構 築 した 構 築 したネットワークを 用 いて 住 吉 川 における 24 年 1 月 2 日 の 出 水 に 対 して 予 測 再 現 計 算 を 行 い 計 算 精 度 および 学 習 効 果 の 検 証 を 行 った 学 習 を 組 み 込 んだ 予 測 計 算 では 出 水 のピーク 規 模 や 波 形 をよ り 精 度 よく 再 現 できることが 確 認 された 今 後 の 課 題 として 流 域 全 体 における 面 的 な 地 下 水 位 計 算 精 度 を 向 上 させるために 地 下 水 位 や 土 壌 水 分 などの 観 測 結 果 を 用 いてより 詳 細 な 検 証 計 算 を 行 う 必 要 がある ま た 実 際 に 予 測 雨 量 を 用 いてシステムとして 稼 動 した 場 合 の 精 度 検 証 を 行 う 必 要 があると 考 えられる なお 本 モデルは 六 甲 砂 防 管 内 の 他 流 域 についても 同 様 の 検 討 を 行 っており レーダ 予 測 雨 量 を 用 いたリアルタイ ム 予 測 システムとして 構 築 済 みである 構 築 したシステム の 画 面 表 示 例 を 図 - 11 に 示 す 図 のように システムの 表 示 画 面 ではメッシュごとに 危 険 度 および 災 害 到 達 範 囲 が 示 され きめ 細 かな 予 測 を 行 うことが 可 能 である 図 - 11 情 報 表 示 画 面 のサンプル 謝 辞 : 本 検 討 は 近 畿 地 方 整 備 局 六 甲 砂 防 事 務 所 よりデータ の 提 供 他 多 大 なるご 協 力 をいただきました 謹 んでここ に 感 謝 の 意 を 申 し 上 げます 参 考 文 献 1) 国 土 交 通 省 河 川 局 砂 防 部 : 土 砂 災 害 警 戒 避 難 ガイドライン 27. 2) 後 藤 宏 二 石 尾 浩 市 杉 山 実 小 野 寺 勝 石 井 秀 樹 遠 藤 和 志 桜 庭 雅 明 森 田 格 :リアルタイム 土 砂 災 害 予 測 システム 構 築 の 試 み 第 57 回 砂 防 学 会 研 究 発 表 会 概 要 集 pp12-13 27. 3) 後 藤 宏 二 石 尾 浩 市 杉 山 実 小 野 寺 勝 桜 庭 雅 明 森 田 格 一 言 正 之 :リアルタイム 土 砂 災 害 予 測 システム 構 築 の 試 み (その2) 第 57 回 砂 防 学 会 研 究 発 表 会 概 要 集 pp238-239, 28. 4) 後 藤 宏 二 星 野 久 史 杉 山 実 小 野 寺 勝 桜 庭 雅 明 森 田 格 一 言 正 之 千 葉 明 子 :リアルタイム 土 砂 災 害 予 測 システ ム 構 築 の 試 み(その3) 第 58 回 砂 防 学 会 研 究 発 表 会 概 要 集 pp16-161,29. 5) 例 えば 谷 口 健 男 :FEM のための 要 素 自 動 分 割 森 北 出 版 1992. 6) Smith R. E., Parlange J. Y. :A Parameter-Efficient Hydrologic Infiltration Model, Water Resources Research Vol.14 No.3 pp533-538, 1978. 7) 小 林 健 一 郎 市 川 温 立 川 康 人 : 最 適 化 アルゴリズムによる 分 布 型 降 雨 流 出 モデルパラメータの 自 動 推 定 計 算 工 学 講 演 会 論 文 集 Vol.12 pp489-492,27. 8) 小 林 健 一 郎 寶 馨 立 川 康 人 : 最 適 化 手 法 による 分 布 型 降 雨 流 出 モデルのパラメータ 推 定 水 工 学 論 文 集 Vol.51, pp.49-414,27. 9) http://www.sspa.com/pest/ 1) 稲 吉 明 男 長 江 幸 平 田 宮 睦 雄 眞 間 修 一 竹 村 仁 志 :ニュー ラルネットワークモデルによる 二 級 河 川 での 洪 水 予 測 の 基 礎 的 検 討 河 川 技 術 論 文 集 Vol.9,pp.179-184,23. 11) 槻 山 敏 昭 ほか:ニューラルネットワークによる 阿 武 隈 川 洪 水 予 測 の 基 礎 的 検 討 河 川 技 術 論 文 集 Vol.9,pp.173-178, 23. 42