平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 の 法 令 等 に 準 拠 UP!Consulting Up Newsletter 贈 与 税 の 概 要 住 宅 取 得 等 資 金 の 贈 与 税 の 非 課 税 特 例 相 続 時 精 算 課 税 制 度 http://www.up-firm.com 1
贈 与 税 の 概 要 贈 与 税 の 申 告 納 付 手 続 の 概 要 は 以 下 の 通 りです 1. 概 要 個 人 から 個 人 が 贈 与 によって 財 産 を 取 得 した 場 合 には 以 下 のように 贈 与 税 が 課 税 されます 贈 与 税 という 発 想 が ないと 相 続 の 直 前 に 親 族 に 贈 与 して 相 続 税 を 0 まで 回 避 することが 可 能 になるためです このため 贈 与 税 は 相 続 税 の 補 完 税 と 言 われます そのため 贈 与 税 率 は 相 続 税 率 よりもはるかに 高 率 です 贈 与 する 側 される 側 課 税 関 係 根 拠 条 文 個 人 個 人 贈 与 者 : 原 則 課 税 なし 受 贈 者 : 贈 与 税 相 法 21 個 人 法 人 贈 与 者 : 所 得 税 (みなし 譲 渡 所 得 ) 受 贈 者 : 法 人 税 所 法 591 二 法 人 個 人 贈 与 者 : 法 人 税 ( 寄 附 金 認 定 ) 受 贈 者 : 所 得 税 ( 一 時 所 得 ) 法 法 378 相 法 21 条 の 31 所 基 通 34-1(5) 法 人 法 人 贈 与 者 : 法 人 税 ( 寄 附 金 認 定 ) 受 贈 者 : 法 人 税 (みなし 受 贈 益 課 税 ) 法 法 378 100%グループ 内 では 益 金 不 算 入 法 人 が 贈 与 を 受 けた 場 合 には 受 贈 益 として 法 人 税 が 課 税 ( 原 則 ) 平 成 22 年 10 月 からは 益 金 不 算 入 ( 新 法 法 25 条 の 2) 個 人 が 法 人 から 贈 与 を 受 けた 場 合 は 個 人 に 一 時 所 得 として 所 得 税 が 課 税 受 贈 者 が 贈 与 税 を 納 付 しない 場 合 は 贈 与 者 が 贈 与 税 を 連 帯 納 付 する 義 務 があります( 相 法 344) 税 務 で 言 う 贈 与 とは 当 事 者 同 士 の 意 思 表 示 や 相 手 方 の 同 意 が 必 要 な 契 約 ( 民 法 上 の 贈 与 本 来 の 贈 与 )のみならず 合 意 や 契 約 は 無 くても 取 引 の 実 質 が 贈 与 に 該 当 するものであればそれは 贈 与 によって 財 産 を 取 得 した 場 合 とみなされます ( 低 額 譲 渡 等 のみなし 贈 与 相 法 7) 実 務 で 贈 与 税 が 問 題 となるのは 認 識 不 足 から 当 局 より 課 税 通 知 を 受 け 取 ってから 初 めて 課 税 されるとは 知 らな かった と 慌 てる 事 例 が 散 見 されます 具 体 的 には 以 下 のようなケースです 1 夫 婦 間 親 子 間 で 不 動 産 や 株 式 ( 特 に 同 族 の 非 上 場 自 社 株 式 ) ゴルフ 会 員 権 の 名 義 を 無 償 で 変 更 したケース( 相 基 通 9-9) 2 新 しく 不 動 産 や 株 式 を 妻 や 子 供 名 義 で 購 入 したケース 3 親 子 又 は 親 族 間 で 金 銭 貸 借 を 行 い その 返 済 条 件 が ある 時 払 いの 催 促 なし 無 利 息 無 担 保 無 期 限 というように 実 質 的 に 贈 与 と 認 定 されるケース 或 いは 契 約 書 を 作 成 していなかったケース( 相 基 通 9-10) 4 共 働 き 夫 婦 でマイホーム 不 動 産 を 購 入 したが 夫 ( 又 は 妻 ) 単 独 の 名 義 にしたケース 5 同 族 会 社 の 第 三 者 割 当 増 資 で 持 分 割 合 が 変 動 してみなし 贈 与 課 税 されたケース( 相 基 通 9-4) 6 債 務 免 除 益 債 務 引 き 受 け 第 三 者 の 債 務 弁 済 でみなし 贈 与 課 税 されたケース( 相 法 8) http://www.up-firm.com 2
上 記 のような 租 税 回 避 行 為 や 事 業 承 継 に 関 して 税 務 当 局 とよくトラブルになります では 時 価 で 取 引 すればい いのですが 下 記 4.の 事 例 のように 路 線 価 や 相 続 税 評 価 額 で 不 動 産 取 引 をしてもトラブルになる 場 合 もあります 2. 申 告 期 限 贈 与 を 受 けた 年 の 翌 年 の 2 月 1 日 から 3 月 15 日 までの 間 に 贈 与 税 の 確 定 申 告 書 を 受 贈 者 の 住 所 の 所 轄 税 務 署 に 提 出 しなければなりません( 相 法 281) 贈 与 税 の 確 定 申 告 書 を 提 出 する 義 務 のある 人 は 通 常 は 以 下 の 通 りで す 11 年 間 で 非 課 税 枠 の 110 万 円 以 上 の 贈 与 を 受 ける 場 合 ( 相 法 21 条 の 5 措 置 法 70 条 の 2) 2 贈 与 税 の 配 偶 者 控 除 の 特 例 を 利 用 する 場 合 ( 贈 与 税 額 0 でも) 3 相 続 時 精 算 課 税 制 度 を 利 用 する 場 合 ( 贈 与 税 額 0 でも) 3. 計 算 申 告 その 年 の 1 月 1 日 から 12 月 31 日 までの 間 に 贈 与 で 取 得 した 財 産 の 評 価 額 の 合 計 額 を 算 出 します( 暦 年 課 税 ) なお 贈 与 により 取 得 した 財 産 は 贈 与 時 の 時 価 により 評 価 することが 原 則 とされています 土 地 建 物 といった 不 動 産 の 場 合 は 財 産 評 価 基 本 通 達 に 定 める 評 価 額 ( 路 線 価 や 固 定 資 産 税 評 価 額 )で 時 価 評 価 されるのが 原 則 です その 金 額 から 基 礎 控 除 額 110 万 円 を 控 除 した 金 額 に 一 定 の 税 率 及 び 控 除 額 を 適 用 して 税 額 を 算 出 します 贈 与 税 の 速 算 表 ( 平 成 15 年 1 月 1 日 以 後 の 贈 与 に 適 用 相 法 21 条 の 7 措 置 法 70 条 の 2) 平 成 22 年 12 月 31 日 まで 平 成 23 年 1 月 1 日 以 後 一 般 一 般 20 歳 以 上 で 直 系 尊 属 から 課 税 価 格 贈 与 税 率 控 除 額 課 税 価 格 贈 与 税 率 控 除 額 課 税 価 格 贈 与 税 率 控 除 額 ~200 万 円 以 下 10% - 万 円 ~300 万 円 以 下 15% 10 万 円 同 左 ~400 万 円 以 下 20% 25 万 円 同 左 ~400 万 円 以 下 15% 10 万 円 ~600 万 円 以 下 30% 65 万 円 ~600 万 円 以 下 20% 30 万 円 ~1,000 万 円 以 下 40% 125 万 円 ~1,000 万 円 以 下 30% 90 万 円 1,500 万 円 以 下 45% 175 万 円 ~1,500 万 円 以 下 40% 190 万 円 1,000 万 円 超 ~ 50% 225 万 円 3,000 万 円 以 下 50% 250 万 円 ~3,000 万 円 以 下 45% 265 万 円 3,000 万 円 超 55% 400 万 円 ~4,500 万 円 以 下 50% 415 万 円 4,500 万 円 超 ~ 55% 640 万 円 課 税 価 格 は 基 礎 控 除 110 万 円 配 偶 者 控 除 後 の 課 税 価 格 死 因 贈 与 契 約 は 法 律 上 は 贈 与 契 約 です しかし 税 務 上 は 相 続 税 が 課 されます( 相 法 1 条 の 31 一 ) 設 例 現 金 1000 万 円 を 子 供 に 贈 与 する 場 合 贈 与 税 額 =(1,000 万 円 -110 万 円 ) 40%-125 万 円 =231 万 円 http://www.up-firm.com 3
4. 時 価 評 価 の 例 外 (いわゆる 負 担 付 贈 与 通 達 ) 土 地 建 物 といった 不 動 産 の 場 合 原 則 的 には 財 産 評 価 基 本 通 達 に 定 める 評 価 額 で 評 価 されます つまり 相 続 税 評 価 額 = 路 線 価 や 固 定 資 産 税 評 価 額 の 倍 率 方 式 です しかし 実 勢 価 格 が 1 億 円 で 路 線 価 が 6 千 万 円 といった 地 価 が 急 激 に 上 昇 していたバブル 時 代 には 負 担 付 贈 与 契 約 で 子 供 に 時 価 1 億 円 の 土 地 やマンションを 6 千 万 円 の 代 価 ( 負 担 )で 贈 与 するスキームが 流 行 しました そうすれば 子 供 は 贈 与 税 の 負 担 =0 で 実 勢 価 格 の 高 い 不 動 産 を 取 得 できるからです( 相 基 通 21 の 2-4) 親 が 1 億 円 で 購 入 した 土 地 を 路 線 価 の 6 千 万 円 で 長 男 に 譲 渡 して 4 千 万 円 の 譲 渡 損 失 を 計 上 して 損 益 通 算 す る 親 の 所 得 税 対 策 も 流 行 しました このため 負 担 付 贈 与 契 約 については 相 続 税 評 価 額 を 使 わずに 実 勢 価 格 で 評 価 するという 個 別 通 達 が 発 遣 されました( 平 成 元 年 3 月 29 日 直 評 5 直 資 2-204 いわゆる 負 担 付 贈 与 通 達 ) 現 在 では 地 価 が 逆 に 下 落 しているので この 個 別 通 達 はあまり 意 味 がなく 実 務 を 混 乱 させるものとなっています 国 税 不 服 審 判 所 の 平 成 18 年 5 月 24 日 の 裁 決 事 例 では 親 族 ( 妻 と 子 供 )へ 路 線 価 で 土 地 を 売 却 したら 対 価 を 伴 う 取 引 なので 実 勢 価 格 ( 時 価 )との 差 額 が 贈 与 とされました( 相 法 7) これが 訴 訟 となり 東 京 地 裁 平 成 19 年 8 月 23 日 判 決 では 納 税 者 勝 訴 で 確 定 です しかし 負 担 付 贈 与 通 達 は 現 在 のところ 廃 止 されていません 贈 与 は 法 律 上 は 契 約 の 特 殊 形 態 と 位 置 付 けられています 上 記 で 解 説 したように 単 純 な 贈 与 契 約 でも 法 人 が 関 係 すると みなし 譲 渡 所 得 の 問 題 が 発 生 して 事 案 が 複 雑 化 します 実 務 上 はさらに 死 因 贈 与 契 約 や 負 担 付 贈 与 契 約 負 担 付 死 因 贈 与 契 約 があります 例 えば 死 因 贈 与 契 約 は 法 律 上 は 確 かに 贈 与 ですが 税 務 上 は 遺 贈 に 含 まれる 取 扱 になっています( 相 法 1 条 の 31 一 ) つまり 相 続 税 の 対 象 となります 相 続 税 と 贈 与 税 では 適 用 される 税 率 や 記 入 する 申 告 書 が 全 く 違 います 5. 相 続 時 精 算 課 税 制 度 今 まで 説 明 してきた 税 額 の 計 算 方 法 は 暦 年 課 税 と 呼 ばれるものです これに 対 し 相 続 時 精 算 課 税 という 別 の 制 度 があります これは 大 まかに 言 うと 贈 与 財 産 の 価 額 - 非 課 税 枠 ( 最 高 2,500 万 円 ) 非 課 税 枠 を 越 える 部 分 の 贈 与 税 率 は 一 律 20% で 計 算 した 贈 与 税 を 納 める というものです 贈 与 財 産 の 種 類 金 額 贈 与 回 数 に 制 限 なしです 相 続 時 にはこの 贈 与 財 産 と 相 続 財 産 の 合 計 で 計 算 した 相 続 税 額 から 贈 与 税 額 を 控 除 して 納 付 する 相 続 税 額 を 計 算 します 相 続 税 額 =0 ならば 納 付 した 贈 与 税 は 還 付 されます したがって 内 容 的 には 相 続 税 の 軽 減 策 というよりも 生 前 相 続 といっ た 制 度 です 相 続 時 精 算 課 税 制 度 の 贈 与 税 は 相 続 税 と 一 体 化 しているので 贈 与 財 産 が 相 続 時 まで 評 価 金 額 が 変 動 しない 場 合 は 生 前 贈 与 をいくら 行 っても 相 続 税 の 軽 減 にはなりません 逆 に 言 えば 将 来 確 実 に 評 価 金 額 が 上 昇 すると 見 込 まれるものを 贈 与 する 場 合 だけ 有 効 になる 制 度 です 具 体 的 には 自 社 株 式 収 益 物 件 の 賃 貸 不 動 産 等 が 考 えられます 主 要 な 適 用 要 件 は 以 下 の 通 りです http://www.up-firm.com 4
1 受 贈 者 が 贈 与 を 受 けた 年 の 1 月 1 日 時 点 で 20 歳 以 上 2 贈 与 者 が 贈 与 した 年 の 1 月 1 日 時 点 で 65 歳 以 上 ( 例 外 規 定 あり) 3 相 続 時 精 算 課 税 選 択 届 出 書 を 贈 与 税 の 申 告 書 に 添 付 する 詳 細 は 下 記 の 相 続 時 精 算 課 税 制 度 を 参 照 下 さい 相 続 時 精 算 課 税 制 度 と 一 般 の 暦 年 贈 与 の 相 違 点 A: 相 続 時 精 算 課 税 制 度 B: 暦 年 贈 与 関 連 法 令 相 法 21 条 の 9 相 法 21 条 の 5 措 置 法 70 条 の 2 の 2 贈 与 者 の 年 齢 65 歳 以 上 の 親 制 限 なし 受 贈 者 の 年 齢 20 歳 以 上 の 子 制 限 なし 非 課 税 枠 累 計 2,500 万 円 ( 父 母 合 わせて 5,000 万 円 ) 110 万 円 相 続 時 の 加 算 制 度 適 用 後 のもの 全 てが 加 算 相 続 開 始 前 3 年 以 内 ( 相 法 19) 申 告 要 件 税 額 0 でも 贈 与 税 の 確 定 申 告 が 必 要 税 額 0 なら 申 告 不 要 贈 与 税 率 一 律 20% 超 過 累 進 税 率 ( 上 記 3.の 速 算 表 を 参 照 ) 相 続 税 < 贈 与 税 の 場 合 差 額 が 還 付 される 差 額 は 還 付 されない 贈 与 した 年 の 1 月 1 日 現 在 で 判 定 なお 平 成 23 年 度 税 制 改 正 により 以 下 の 要 件 見 直 し( 緩 和 )が 実 施 される 予 定 です 平 成 22 年 12 月 31 日 まで 平 成 23 年 1 月 1 日 以 降 贈 与 者 の 要 件 65 歳 以 上 60 歳 以 上 受 贈 者 の 要 件 20 歳 以 上 の 推 定 相 続 人 20 歳 以 上 の 推 定 相 続 人 +20 歳 以 上 の 孫 http://www.up-firm.com 5
住 宅 取 得 等 資 金 の 贈 与 税 の 非 課 税 特 例 1. 概 要 マイホーム 資 金 贈 与 が 500 万 円 まで 非 課 税 という 制 度 が 平 成 21 年 度 税 制 改 正 で 成 立 しました( 措 置 法 70 条 の 2) これは 適 用 期 限 が 平 成 21 年 1 月 1 日 から 平 成 22 年 12 月 31 日 までです 下 記 の 相 続 時 精 算 課 税 の 住 宅 資 金 贈 与 3,500 万 円 は 適 用 期 限 が 平 成 21 年 12 月 31 日 までです 2 つ 合 わせ てダブル 適 用 できるので 4,000 万 円 ということになりますが これは 平 成 21 年 いっぱいのことなので 留 意 が 必 要 です 平 成 21 年 12 月 31 日 までに 住 宅 資 金 贈 与 をして 来 年 の 平 成 22 年 3 月 15 日 までに 住 める 状 態 になるためには あ まり 時 間 的 余 裕 はありません ただ 普 通 の 相 続 時 精 算 課 税 は 適 用 期 限 が 無 いので 親 が 65 歳 以 上 ならば 平 成 22 年 度 でも 2,500 万 円 +500 万 円 =3,000 万 円 までは 贈 与 税 非 課 税 になります (1)500 万 円 平 成 21 年 中 にマイホーム 資 金 の 贈 与 を 受 けた 方 ( 旧 措 置 法 70 条 の 2) (2)1,500 万 円 平 成 22 年 中 にマイホーム 資 金 の 贈 与 を 受 けた 方 ( 新 措 置 法 70 条 の 22 六 イ) (3)1,000 万 円 平 成 23 年 中 にマイホーム 資 金 の 贈 与 を 受 けた 方 ( 新 措 置 法 70 条 の 22 六 ロ) 2. 平 成 22 年 度 税 制 改 正 平 成 22 年 度 税 制 改 正 では 住 宅 取 得 等 資 金 の 贈 与 税 の 非 課 税 特 例 が 創 設 されました このため マイホーム 資 金 の 贈 与 は 以 下 の 取 扱 いとなりました 1 相 続 時 精 算 課 税 制 度 ( 相 続 時 精 算 あり 65 歳 以 上 の 親 から 2,500 万 円 まで 贈 与 税 の 課 税 繰 延 相 法 21 条 の 12) 2 親 からの 住 宅 資 金 の 相 続 時 精 算 課 税 制 度 は 平 成 23 年 12 月 31 日 まで 延 長 ( 相 続 時 精 算 あり 親 の 65 歳 以 上 の 年 齢 制 限 なし 2,500 万 円 まで 贈 与 税 の 課 税 繰 延 措 置 法 70 条 の 3) 3500 万 円 の 住 宅 資 金 贈 与 非 課 税 枠 は 平 成 22 年 12 月 31 日 まで 利 用 可 能 ( 相 続 時 精 算 なし 所 得 制 限 なし 12と 併 用 可 能 旧 措 置 法 70 条 の 2) 41,500 万 円 の 住 宅 資 金 贈 与 非 課 税 枠 は 平 成 22 年 12 月 31 日 まで 利 用 可 能 ( 相 続 時 精 算 なし 所 得 2,000 万 円 以 下 の 制 限 あり 12と 併 用 可 能 新 措 置 法 70 条 の 2) 5 相 続 時 精 算 課 税 制 度 に 係 る 贈 与 税 の 特 別 控 除 額 2,500 万 円 に 1,000 万 円 上 乗 せできる 特 例 は 平 成 21 年 12 月 31 日 で 廃 止 ( 旧 措 置 法 70 条 の 3 の 2) 贈 与 税 がゼロで 最 大 いくらまでの 住 宅 取 得 資 金 を 親 から 子 へ 贈 与 できるかは 以 下 の 通 りです 平 成 22 年 度 :2,500 万 円 +1,500 万 円 =4,000 万 円 ( 上 記 2+4) 平 成 23 年 度 :2,500 万 円 +1,000 万 円 =3,500 万 円 ( 上 記 2+4 4は 平 成 23 年 度 は 1,000 万 円 です) 3. 資 産 家 の 利 用 方 法 資 産 家 の 場 合 は 高 額 な 相 続 税 の 負 担 が 一 般 的 なので 事 前 の 生 前 贈 与 による 相 続 税 対 策 が 重 要 です 一 般 の http://www.up-firm.com 6
暦 年 贈 与 とこの 住 宅 取 得 等 資 金 の 贈 与 税 の 非 課 税 特 例 の 差 異 は 以 下 の 通 りです 贈 与 金 額 贈 与 税 額 一 般 の 暦 年 贈 与 住 宅 取 得 等 資 金 の 贈 与 税 の 非 課 税 特 例 差 額 500 万 円 53 万 円 0 53 万 円 1,000 万 円 231 万 円 0 231 万 円 1,500 万 円 470 万 円 0 470 万 円 2,000 万 円 720 万 円 53 万 円 2 667 万 円 1 平 成 22 年 中 の 贈 与 で 受 贈 者 の 所 得 が 2,000 万 円 以 下 の 場 合 2 (2,000 万 円 - 非 課 税 枠 1,500 万 円 - 基 礎 控 除 110 万 円 ) 20%-25 万 円 =53 万 円 相 続 税 が 発 生 しそうな 場 合 は 子 供 が 2 人 いればそれぞれにマイホーム 資 金 として 2,000 万 円 ずつ 生 前 贈 与 する 事 前 対 策 が 有 効 です 住 宅 取 得 等 資 金 の 贈 与 税 の 非 課 税 特 例 を 利 用 すれば 上 記 の 通 り@53 万 円 2 人 =106 万 円 の 贈 与 税 負 担 で 子 供 とその 配 偶 者 孫 から 感 謝 されます 事 前 対 策 をしないで 相 続 が 発 生 すれば 4,000 万 円 の 資 産 に 相 続 税 が 課 税 され 相 続 税 率 が 40%のケースでは 1,600 万 円 の 税 額 となります 実 に 1,494 万 円 もの 税 負 担 が 発 生 します なお この 非 課 税 制 度 の 適 用 を 受 けた 場 合 は 暦 年 課 税 の 3 年 内 贈 与 や 相 続 時 精 算 課 税 制 度 と 異 なり 贈 与 者 が 死 亡 した 時 の 相 続 税 の 計 算 において 加 算 されません( 相 法 19 措 置 法 70 条 の 23) 例 えば 平 成 22 年 11 月 に 1,500 万 円 の 贈 与 を 受 けて 平 成 23 年 2 月 に 親 が 死 亡 しても 相 続 財 産 に 加 算 する 必 要 はないのでこの 点 も 非 常 に 有 利 で す 4. 非 課 税 特 例 の 適 用 の 要 件 住 宅 取 得 等 資 金 の 贈 与 税 の 非 課 税 特 例 を 適 用 する 場 合 の 主 要 な 要 件 は 以 下 の 通 りです( 措 置 令 40 条 の 4 の 2) 1 父 母 や 祖 父 母 等 の 直 系 尊 属 からのマイホーム 資 金 の 贈 与 ( 義 理 の 親 は 除 く) 2 新 築 または 取 得 する 家 屋 の 要 件 として 不 動 産 登 記 簿 上 の 床 面 積 が 50 m2 以 上 (マンションの 場 合 は 専 有 面 積 ) 3 古 住 宅 は 購 入 日 以 前 20 年 以 内 に 建 築 されたものであること( 耐 火 建 築 物 の 場 合 は 25 年 ) 4 贈 与 を 受 ける 人 が 贈 与 時 に 国 内 に 住 所 を 有 していること 贈 与 年 の 1 月 1 日 現 在 で 20 歳 以 上 であること 5 贈 与 を 受 ける 人 の 贈 与 年 分 の 所 得 税 の 合 計 所 得 金 額 が 2,000 万 円 以 下 であること( 旧 措 置 法 70 条 の 2 では 所 得 要 件 なし) 6 贈 与 年 の 翌 年 3 月 15 日 までにその 住 宅 に 居 住 すること 7 贈 与 年 の 翌 年 2 月 1 日 から 3 月 15 日 までに 贈 与 税 の 申 告 書 及 び 添 付 書 類 等 を 提 出 すること 上 記 7の 申 告 書 に 必 要 な 添 付 書 類 は 1 贈 与 日 以 後 に 作 成 された 戸 籍 謄 本 又 は 抄 本 2 贈 与 年 の 合 計 所 得 金 額 が 2,000 万 円 以 下 であることを 示 す 源 泉 徴 収 票 又 は 所 得 税 の 確 定 申 告 書 控 え 3 新 築 購 入 したマイホームの 登 記 事 項 証 明 書 4 新 居 マイホームに 居 住 している 事 を 示 す 住 民 票 の 写 しです http://www.up-firm.com 7
相 続 時 精 算 課 税 制 度 1. 制 度 の 概 要 相 続 時 精 算 課 税 制 度 をアレンジした 住 宅 取 得 等 資 金 贈 与 の 特 例 がありました これを 利 用 すれば 3,500 万 円 ま での 資 金 を 子 供 に 贈 与 しても 贈 与 時 点 では 贈 与 税 負 担 が 発 生 しないという 制 度 です 子 供 に 子 供 ( 自 分 から 見 れ ば 孫 )が 出 来 ると マイホームを 購 入 したがります 新 築 一 戸 建 ての 購 入 資 金 は 通 常 は 子 供 では 用 意 できないので 親 に 資 金 援 助 を 要 請 してきます このようなケースでは 相 続 税 の 事 前 対 策 としてこの 特 例 が 大 変 効 果 的 です 具 体 的 な 要 件 は 以 下 の 通 りです 贈 与 税 の 期 限 内 確 定 申 告 をする( 期 限 後 申 告 や 修 正 申 告 では 適 用 出 来 ません) 翌 年 3 月 15 日 までに 新 築 か 中 古 住 宅 ( 木 造 なら 築 20 年 以 内 耐 火 建 築 物 なら 築 25 年 以 内 )で 不 動 産 登 記 簿 上 の 床 面 積 が 50 m2 以 上 のマイホームを 購 入 して(あるいは 増 改 築 費 用 100 万 円 以 上 のリフォームでも 利 用 出 来 ます) 同 日 までに 居 住 の 用 に 供 すること 受 贈 者 とその 配 偶 者 が その 贈 与 前 5 年 以 内 において 居 住 用 家 屋 を 既 に 所 有 していないこと 過 去 5 年 前 以 内 に この 住 宅 資 金 贈 与 の 特 例 を 利 用 していないこと 2. 相 続 時 精 算 課 税 制 度 と 住 宅 資 金 贈 与 の 特 例 の 比 較 A: 相 続 時 精 算 課 税 制 度 B: 住 宅 資 金 贈 与 の 特 例 関 連 法 令 相 法 21 条 の 9 措 置 法 70 条 の 3 の 2 贈 与 者 65 歳 以 上 の 親 (その 年 の 1 月 1 日 現 在 で) 親 ( 年 齢 制 限 なし 措 置 法 70 条 の 3) 受 贈 者 20 歳 以 上 の 子 である 推 定 相 続 人 (その 年 の 1 月 1 日 現 在 で) ( 養 子 代 襲 相 続 人 を 含 む 所 得 制 限 なし) 非 課 税 枠 累 計 2,500 万 円 ( 父 母 合 わせて 5,000 万 円 ) 累 計 3,500 万 円 ( 父 母 合 わせて 7,000 万 円 ) 贈 与 時 の 税 額 計 算 贈 与 税 額 =( 贈 与 財 産 - 非 課 税 枠 ) 一 律 20% 贈 与 時 の 贈 与 税 の 申 告 相 続 時 の 税 額 計 算 非 課 税 枠 内 でも 申 告 必 要 贈 与 財 産 も 合 算 して 相 続 税 を 計 算 します 支 払 済 の 贈 与 税 額 は 相 続 税 額 から 控 除 して 精 算 されます 贈 与 税 額 > 相 続 税 額 の 場 合 は 差 額 を 還 付 されます 相 続 時 の 加 算 額 贈 与 時 の 時 価 ( 相 続 時 点 での 時 価 ではありません) 必 要 資 料 ( 相 規 11) 贈 与 税 の 期 限 内 確 定 申 告 書 ( 第 一 表 第 二 表 ) 相 続 時 精 算 課 税 選 択 届 出 書 受 贈 者 の 戸 籍 謄 本 住 民 票 の 写 し 戸 籍 の 附 票 贈 与 者 の 住 民 票 その 他 A と 同 じ 書 類 マイホームの 登 記 事 項 証 明 書 マイホームの 売 買 契 約 書 耐 震 基 準 適 合 証 明 書 その 他 適 用 時 期 恒 久 的 措 置 H15.1.1~H21.12.31( 現 状 では 70 条 の 3 の 2 は 廃 止 ) http://www.up-firm.com 8
贈 与 税 の 計 算 は 受 贈 者 ごとかつ 贈 与 者 ごとに 計 算 します したがって 両 親 ( 父 母 )から 子 供 1 人 に 3,500 万 円 ず つ 合 計 7,000 万 円 まで 贈 与 税 の 負 担 なしにマイホーム 資 金 を 贈 与 することもできます よほどの 豪 邸 でもない 限 り 十 分 な 資 金 援 助 ができることになります この 場 合 の 親 は 実 の 親 であり 配 偶 者 の 親 のように 義 理 の 親 では 適 用 できま せん なお 上 記 の 1,000 万 円 の 非 課 税 枠 の 加 算 は 平 成 21 年 12 月 31 日 で 廃 止 されました( 旧 措 置 法 70 条 の 3 の 2) 親 の 年 齢 制 限 無 しの 特 例 は 平 成 23 年 12 月 31 日 まで 延 長 になりました( 新 措 置 法 70 条 の 3) このため 改 正 後 2 年 間 マイホーム 資 金 を 贈 与 する 場 合 は 贈 与 者 の 年 齢 が 65 歳 未 満 でも 相 続 時 精 算 課 税 制 度 を 利 用 できま す 3. 実 務 上 の 留 意 点 相 続 時 精 算 課 税 制 度 は 贈 与 時 点 では 確 かに 非 課 税 枠 まで 贈 与 税 が 無 税 です しかし 相 続 開 始 後 には 贈 与 された 金 額 を 相 続 税 の 計 算 で 加 算 する 必 要 があります このため 生 前 相 続 制 度 とも 言 われます 本 来 支 払 うべき 生 前 贈 与 に 関 する 贈 与 税 を 相 続 開 始 時 点 まで 先 送 り 繰 延 しているに 過 ぎません このため 無 税 で 子 供 にマイホ ーム 資 金 を 贈 与 できるかどうかは 本 当 は 相 続 税 の 申 告 時 点 までは 分 かりません 通 常 は 相 続 税 の 計 算 には 基 礎 控 除 が 認 められているので 相 続 税 額 が 発 生 しないはずです 妻 と 子 供 2 人 を 残 し ていれば 基 礎 控 除 =5,000 万 円 +1,000 万 円 3 人 =8,000 万 円 です さらに 生 命 保 険 金 の 非 課 税 枠 や 小 規 模 宅 地 の 特 例 配 偶 者 の 1 億 6 千 万 円 税 額 控 除 特 例 等 もあります このため 国 税 庁 の 発 表 資 料 によれば 95%の 人 は 相 続 税 が 発 生 しない 統 計 となっています つまり 贈 与 税 が 課 税 されるリスク 無 しで 子 供 へマイホーム 資 金 を 援 助 できま す よって 普 通 は この 特 例 を 利 用 したほうが 明 らかに 有 利 です 資 産 家 の 場 合 は 相 続 時 点 で 基 礎 控 除 以 上 の 資 産 があることが 予 想 されます 数 十 億 円 の 個 人 資 産 のある 方 は 各 種 の 特 例 をフル 活 用 しても 相 続 税 額 が 発 生 します 通 常 の 暦 年 贈 与 と 違 い この 制 度 は 相 続 税 の 計 算 と 一 体 化 さ れています このため 相 続 時 点 では 20%の 贈 与 税 負 担 以 上 の 相 続 税 額 の 発 生 が 予 想 されます 資 産 家 の 方 はこ の 特 例 を 利 用 するよりも 自 己 資 金 で 住 宅 を 取 得 して 子 供 や 親 族 にタダで 貸 す( 使 用 貸 借 させる) 方 が 有 利 です Reference Purpose Only 本 レターに 掲 載 している 情 報 は 一 般 的 なガイダンスに 限 定 されています この 文 書 は 個 別 具 体 的 ケースに 対 する 会 計 税 務 のア ドバイスをするものではありません 会 計 上 の 判 断 や 税 法 の 適 用 結 果 は 事 実 認 定 や 個 別 事 情 によって 大 幅 に 異 なることがありえます また 解 説 の 前 提 となる 会 計 規 則 や 税 制 が 変 更 されている 可 能 性 もあります 実 際 に 企 画 実 行 される 場 合 は 当 事 務 所 の 担 当 者 にご 確 認 ください http://www.up-firm.com 9