海外技術協力を経験して思うこと



Similar documents
Microsoft Word - 佐野市生活排水処理構想(案).doc

●幼児教育振興法案

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

<4D F736F F D208ED089EF95DB8CAF89C193FC8FF38BB CC8EC091D492B28DB88C8B89CA82C982C282A282C42E646F63>

Microsoft Word - H27概要版

1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

<819A955D89BF92B28F BC690ED97AA8EBA81418FA48BC682CC8A8890AB89BB816A32322E786C7378>

容 積 率 制 限 の 概 要 1 容 積 率 制 限 の 目 的 地 域 で 行 われる 各 種 の 社 会 経 済 活 動 の 総 量 を 誘 導 することにより 建 築 物 と 道 路 等 の 公 共 施 設 とのバランスを 確 保 することを 目 的 として 行 われており 市 街 地 環

<6D313588EF8FE991E58A778D9191E5834B C8EAE DC58F4992F18F6F816A F990B32E786C73>

Microsoft Word - 目次.doc

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

文化政策情報システムの運用等

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

PowerPoint プレゼンテーション

4 教 科 に 関 する 調 査 結 果 の 概 況 校 種 学 年 小 学 校 2 年 生 3 年 生 4 年 生 5 年 生 6 年 生 教 科 平 均 到 達 度 目 標 値 差 達 成 率 国 語 77.8% 68.9% 8.9% 79.3% 算 数 92.0% 76.7% 15.3% 94

< F2D819A8B638E968E9197BF82528E968BC68C7689E68F C>

<4D F736F F D F8D828D5A939982CC8EF68BC697BF96B38F9E89BB82CC8A6791E52E646F63>

<8BB388F58F5A91EE82A082E895FB8AEE967B95FB906A>

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

18 国立高等専門学校機構

Microsoft Word 印刷ver 本編最終no1(黒字化) .doc

スライド 1

(3) 調 査 の 進 め 方 2 月 28 日 2 月 28 日 ~6 月 30 日 平 成 25 年 9 月 サウンディング 型 市 場 調 査 について 公 表 松 戸 市 から 基 本 的 な 土 地 情 報 サウンディングの 実 施 活 用 意 向 アイデアのある 民 間 事 業 者 と

m07 北見工業大学 様式①

スライド 1

16 日本学生支援機構

 三郷市市街化調整区域の整備及び保全の方針(案)

事 業 概 要 利 用 時 間 休 館 日 使 用 方 法 使 用 料 施 設 を 取 り 巻 く 状 況 や 課 題 < 松 山 駅 前 駐 輪 場 > JR 松 山 駅 を 利 用 する 人 の 自 転 車 原 付 を 収 容 する 施 設 として 設 置 され 有 料 駐 輪 場 の 利 用

公表表紙

ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

< F31332D91CF906B89BB8C7689E68F912E6A7464>

1 平 成 27 年 度 土 地 評 価 の 概 要 について 1 固 定 資 産 税 の 評 価 替 えとは 地 価 等 の 変 動 に 伴 う 固 定 資 産 の 資 産 価 値 の 変 動 に 応 じ その 価 格 を 適 正 で 均 衡 のとれたものに 見 直 す 制 度 である 3 年 ご

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

- 1 - 総 控 負 傷 疾 病 療 養 産 産 女 性 責 帰 べ 由 試 ~ 8 契 約 契 約 完 了 ほ 契 約 超 締 結 専 門 的 知 識 技 術 験 専 門 的 知 識 高 大 臣 専 門 的 知 識 高 専 門 的 知 識 締 結 契 約 満 歳 締 結 契 約 契 約 係 始

目 次 第 1. 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 等 1 (1) 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 1 (2) 施 行 者 の 名 称 1 第 2. 施 行 区 1 (1) 施 行 区 の 位 置 1 (2) 施 行 区 位 置 図 1 (3) 施 行 区 の 区 域 1 (4) 施

スライド 1

(現行版)工事成績書と評定表をあわせた_docx

佐渡市都市計画区域の見直し

検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑

財団法人○○会における最初の評議員の選任方法(案)

損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

Microsoft Word - 交野市産業振興基本計画 doc

<4D F736F F D D3188C091538AC7979D8B4B92F F292B98CF092CA81698A94816A2E646F63>

学校安全の推進に関する計画の取組事例

< E88E68F5A91EE8C7689E68F912E786C73>

国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

第1章 総則

(2) 単 身 者 向 け 以 外 の 賃 貸 共 同 住 宅 等 当 該 建 物 に 対 して 新 たに 固 定 資 産 税 等 が 課 税 される 年 から 起 算 して5 年 間 とする ( 交 付 申 請 及 び 決 定 ) 第 5 条 補 助 金 の 交 付 を 受 けようとする 者 は

6 構 造 等 コンクリートブロック 造 平 屋 建 て4 戸 長 屋 16 棟 64 戸 建 築 年 1 戸 当 床 面 積 棟 数 住 戸 改 善 後 床 面 積 昭 和 42 年 36.00m m2 昭 和 43 年 36.50m m2 昭 和 44 年 36.

<4D F736F F D E598BC68A8897CD82CC8DC490B68B7982D18E598BC68A8893AE82CC8A C98AD682B782E993C195CA915B C98AEE82C382AD936F985E96C68B9690C582CC93C197E1915B927582CC898492B75F8E96914F955D89BF8F915F2E646F6

(2)大学・学部・研究科等の理念・目的が、大学構成員(教職員および学生)に周知され、社会に公表されているか

った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

する ( 評 定 の 時 期 ) 第 条 成 績 評 定 の 時 期 は 第 3 次 評 定 者 にあっては 完 成 検 査 及 び 部 分 引 渡 しに 伴 う 検 査 の 時 とし 第 次 評 定 者 及 び 第 次 評 定 者 にあっては 工 事 の 完 成 の 時 とする ( 成 績 評 定

Microsoft Word - 資料3(用途)

3. 選 任 固 定 資 産 評 価 員 は 固 定 資 産 の 評 価 に 関 する 知 識 及 び 経 験 を 有 する 者 のうちから 市 町 村 長 が 当 該 市 町 村 の 議 会 の 同 意 を 得 て 選 任 する 二 以 上 の 市 町 村 の 長 は 当 該 市 町 村 の 議

Microsoft Word 利子補給金交付要綱


セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)


頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

<6E32355F8D918DDB8BA697CD8BE28D C8EAE312E786C73>

47 高 校 講 座 モ オ モ 圏 比 較 危 述 覚 普 第 章 : 活

1 林 地 台 帳 整 備 マニュアル( 案 )について 林 地 台 帳 整 備 マニュアル( 案 )の 構 成 構 成 記 載 内 容 第 1 章 はじめに 本 マニュアルの 目 的 記 載 内 容 について 説 明 しています 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 5 章 第 6 章 林 地

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 ( 各 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 例 ) ( 例 ) 15 (H2) (H2) (H24) (H24) (H25.4.1) (H25.4.1) (H24) (H24)

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている 総 合 的

01.活性化計画(上大久保)

資料1:勧告の仕組みとポイント 改【完成】

1 はじめに 計 画 の 目 的 国 は 平 成 18 年 度 に 住 生 活 基 本 法 を 制 定 し 住 まいに 関 する 基 本 的 な 計 画 となる 住 生 活 基 本 計 画 ( 全 国 計 画 )を 策 定 し 住 宅 セーフティネットの 確 保 や 住 生 活 の 質 の 向 上

<4D F736F F D20D8BDB8CFC8BCDED2DDC482A882E682D1BADDCCDFD7B2B1DDBD8B4B92F E646F63>

就 学 前 教 育 保 育 の 実 施 状 況 ( 平 成 23 年 度 ) 3 歳 以 上 児 の 多 く(4 歳 以 上 児 はほとんど)が 保 育 所 又 は 幼 稚 園 に 入 所 3 歳 未 満 児 (0~2 歳 児 )で 保 育 所 に 入 所 している 割 合 は 約 2 割 就 学

根 本 確 根 本 確 民 主 率 運 民 主 率 運 確 施 保 障 確 施 保 障 自 治 本 旨 現 資 自 治 本 旨 現 資 挙 管 挙 管 代 表 監 査 教 育 代 表 監 査 教 育 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部 市 町 村 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部

23 年 度 事 業 計 画 概 要 事 業 項 目 事 業 内 容 施 策 A. 各 種 制 度 改 変 への 対 応 (1) 老 人 福 祉 法 高 齢 者 住 まい 法 改 正 関 連 1 指 導 指 針 改 正 ( 老 福 法 ) 登 録 基 準 策 定 ( 住 まい 法 )への 対 応 2

<4D F736F F D2090BC8BBB959491BA8F5A91EE8A C52E646F63>

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 法 人 の 長 A 18,248 11,166 4, ,066 6,42

新 行 財 政 改 革 推 進 大 綱 実 施 計 画 個 票 取 組 施 策 国 や 研 究 機 関 への 派 遣 研 修 による 資 質 向 上 の 推 進 鳥 インフルエンザ 等 新 たな 感 染 症 等 に 対 する 検 査 技 術 の 習 得 など 職 員 の 専 門

別紙3

小 売 電 気 の 登 録 数 の 推 移 昨 年 8 月 の 前 登 録 申 請 の 受 付 開 始 以 降 小 売 電 気 の 登 録 申 請 は 着 実 に 増 加 しており これまでに310 件 を 登 録 (6 月 30 日 時 点 ) 本 年 4 月 の 全 面 自 由 化 以 降 申

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 ( 単 位 : ) 6 級 7 級 8 級 135, , ,900 2

個人住民税徴収対策会議

(Microsoft Word - \221\346\202P\202U\201@\214i\212\317.doc)

安 芸 太 田 町 学 校 適 正 配 置 基 本 方 針 の 一 部 修 正 について 1 議 会 学 校 適 正 配 置 調 査 特 別 委 員 会 調 査 報 告 書 について 安 芸 太 田 町 教 育 委 員 会 が 平 成 25 年 10 月 30 日 に 決 定 した 安 芸 太 田

第 2 節 関 連 計 画 1. 国 の 方 針 計 画 国 が 示 している 一 般 廃 棄 物 の 減 量 化 等 に 関 する 目 標 値 を 以 下 に 示 します (1) 廃 棄 物 の 減 量 その 他 その 適 正 な 処 理 に 関 する 施 策 の 総 合 的 かつ 計 画 的 な

1 リーダーシップと 意 思 決 定 1-1 事 業 所 が 目 指 していることの 実 現 に 向 けて 一 丸 となっている 評 価 項 目 事 業 所 が 目 指 していること( 理 念 基 本 方 針 )を 明 確 化 周 知 している 1. 事 業 所 が 目 指 していること

<4D F736F F D208DE3905F8D8291AC8B5A8CA48A948EAE89EF8ED0208BC696B18BA492CA8E64976C8F BD90AC E378C8E89FC92F994C5816A>

Sea-NACCS 利用者研修 【通関編】

Ⅰ 調 査 の 概 要 1 目 的 義 務 教 育 の 機 会 均 等 その 水 準 の 維 持 向 上 の 観 点 から 的 な 児 童 生 徒 の 学 力 や 学 習 状 況 を 把 握 分 析 し 教 育 施 策 の 成 果 課 題 を 検 証 し その 改 善 を 図 るもに 学 校 におけ

<6D33335F976C8EAE CF6955C A2E786C73>

(3) 職 員 の 初 任 給 の 状 況 ( 平 成 5 年 月 日 現 在 ) 決 定 初 任 給 採 用 年 経 過 後 給 料 月 額 大 学 卒 7, 8, 一 般 行 政 職 短 大 卒 9,8 6, 高 校 卒, 8,5 () 職 員 の 経 験 年 数 別 学 歴 別 平 均 給 料

2. ど の 様 な 経 緯 で 発 覚 し た の か ま た 遡 っ た の を 昨 年 4 月 ま で と し た の は 何 故 か 明 ら か に す る こ と 回 答 3 月 17 日 に 実 施 し た ダ イ ヤ 改 正 で 静 岡 車 両 区 の 構 内 運 転 が 静 岡 運

3 体 制 整 備 等 (1) 全 ての 特 定 事 業 主 が 共 同 して 取 組 むものとする () 総 務 部 人 事 管 理 室 人 事 課 を 計 画 推 進 の 主 管 課 とし 全 ての 市 職 員 により 推 進 する (3) 実 施 状 況 を 把 握 し 計 画 期 間 中 で

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 135,600 円 185,800 円 222,900 円 261,900 円

Microsoft Word - 奨学金相談Q&A.rtf

<4D F736F F D C482C682EA817A89BA90BF8E7793B1834B A4F8D91906C8DDE8A A>

1 変更の許可等(都市計画法第35条の2)

4 調 査 の 対 話 内 容 (1) 調 査 対 象 財 産 の 土 地 建 物 等 を 活 用 して 展 開 できる 事 業 のアイディアをお 聞 かせく ださい 事 業 アイディアには, 次 の 可 能 性 も 含 めて 提 案 をお 願 いします ア 地 域 の 活 性 化 と 様 々な 世

Transcription:

海 外 技 術 協 力 を 経 験 して 思 うこと あなたは どんな 技 術 を 用 いて 社 会 に 貢 献 できますか? 1.はじめに 福 岡 支 部 福 岡 県 土 整 備 事 務 所 田 尻 英 樹 私 は 1995 年 ( 平 成 7 年 )レバノン 共 和 国 への 技 術 協 力 をはじめとして 今 まで4 回 海 外 への 技 術 協 力 に 参 加 しました インフラ 整 備 に 関 する 海 外 技 術 協 力 については 国 ( 国 土 交 通 省 )が 中 心 となり 実 施 されていることが 多 いことから 地 方 自 治 体 の 技 術 職 員 には あまり 関 係 ないと 感 じているかたも 多 いと 思 います しかし 昨 今 地 方 自 治 体 が 地 場 企 業 と 連 携 し 発 展 途 上 国 の 環 境 関 連 のインフラ 整 備 に 参 画 するという 報 道 をよく 耳 にします また 本 県 でも 北 九 州 市 や 福 岡 市 と 協 同 で グリーンアジア 国 際 戦 略 総 合 特 区 の 指 定 を 受 け 環 境 インフラの 分 野 において 産 官 連 携 で 海 外 進 出 を 進 める 動 きが 始 まっています 交 通 や 通 信 手 段 の 発 展 により 世 界 がますます 小 さくなっているなか 我 々 地 方 自 治 体 の 土 木 技 術 職 員 としても 海 外 との 関 わりを 意 識 しながら 業 務 を 行 っていく 時 代 になっているの ではないでしょうか 今 回 は 私 が 関 わった 海 外 技 術 協 力 の 経 験 を 通 し 地 方 自 治 体 土 木 技 術 者 のあり 方 につ いて 感 じていることを 述 べたいと 思 います 2. 経 験 した 海 外 技 術 協 力 2-1.レバノン 共 和 国 (1995 年 ) 1995 年 私 は 飯 塚 土 木 事 務 所 ( 現 飯 塚 県 土 整 備 事 務 所 )から 建 築 都 市 部 下 水 道 課 に 異 動 し 下 水 道 のマスタープランである 流 域 別 下 水 道 整 備 総 合 計 画 の 策 定 業 務 に 従 事 していま した 異 動 後 間 もない 6 月 に 突 然 国 ( 当 時 建 設 省 )から 下 水 道 課 に 一 本 の 電 話 がかか ってきました 内 容 は 2 日 以 内 にレバノン 共 和 国 に 派 遣 (2 週 間 )できる 技 術 職 員 を 選 出 して 欲 しいというものでした 派 遣 目 的 は 内 戦 で 破 壊 された 下 水 道 施 設 の 復 旧 事 業 につ いて 日 本 が 融 資 ( 円 借 款 )するかどうか 判 断 する 調 査 団 に 参 加 し 技 術 的 なサポートをする というものでした 当 時 レバノン 共 和 国 は 10 年 に 渡 る 内 戦 が 収 束 したばかりで 安 全 とは 言 えない 状 況 にあ り 派 遣 が 決 定 していた 某 都 道 府 県 の 職 員 が 派 遣 直 前 で 辞 退 したとのことで 国 はその 代 わりの 技 術 職 員 を 急 遽 決 めなければならない 状 況 にあったそうです 人 が 住 んでいました 図 -1,2 内 戦 で 破 壊 された 首 都 ベイルートの 市 街 地

結 局 下 水 道 施 設 の 設 計 ができ 少 々のことでは 死 なない 人? という 選 定 基 準 から 幸 か 不 幸 か 私 が 派 遣 されることになりました 内 戦 で 破 壊 された 都 市 の 状 況 は 写 真 ( 図 1, 2)のように まさに 廃 墟 であり ライフラインが 機 能 していない 都 市 で 生 活 しているレ バノンの 人 々のたくましさに 驚 いたのを 覚 えています しかし 内 戦 の 主 な 原 因 が 宗 教 民 族 対 立 であることを 聞 き 宗 教 や 民 族 対 立 の 経 験 がほとんどない 日 本 人 としては 理 解 でき ないと 同 時 に 単 純 ですが 日 本 に 生 まれて 良 かったなという 感 想 を 持 ちました 業 務 内 容 としては レバノン 政 府 がイギリスの 援 助 により 作 成 した 復 興 事 業 計 画 書 と 現 地 の 状 況 等 を 確 認 し 復 興 事 業 の 妥 当 性 を 判 断 するというものでした はじめて 事 業 計 画 を 見 たとき 人 件 費 や 材 料 費 の 安 さ 及 び 施 設 に 求 めている 性 能 の 違 いから 事 業 費 が 日 本 で 実 施 する 場 合 の 約 1/3と 安 く 見 積 もられており 本 当 にこれで 事 業 ができるのか? と 疑 問 に 感 じていました 結 局 この 疑 問 はレバノン 政 府 へのヒヤリングや 現 地 類 似 事 業 の 調 査 等 により 妥 当 性 が 確 認 できたことから 実 施 可 能 な 事 業 計 画 であると 国 へ 報 告 し 融 資 が 実 施 されました 初 めての 海 外 技 術 協 力 を 経 験 して インフラ 整 備 に 関 して 日 本 で 求 めている 施 設 の 性 能 やコストに 関 する 考 え 方 と 海 外 における 考 え 方 の 違 いを 実 感 し 本 当 に 必 要 なインフラの 仕 様 は? を 考 えるようになりました 2-2.タイ 王 国 (2001 年 ~2003 年 ) 2 回 目 の 海 外 技 術 協 力 の 話 は 2000 年 の 夏 に 突 然 入 ってきました 派 遣 先 は タイ 王 国 の 首 相 府 陸 路 交 通 委 員 会 事 務 局 派 遣 機 関 は JICA( 国 際 協 力 機 構 ) 期 間 は 2 年 間 という 長 期 派 遣 でした 技 術 協 力 の 分 野 は 都 市 交 通 計 画 (マスタープランレベル)の 技 術 指 導 ということだったので 私 の 経 験 から 対 応 できるか 自 信 がなく 当 初 派 遣 に 乗 り 気 ではあ りませんでした その 時 ある 先 輩 から 都 市 計 画 のマスタープランレベルなら 将 来 予 測 等 の 考 え 方 は 下 水 道 計 画 も 交 通 計 画 も 同 じようなもの 道 路 計 画 の 経 験 もない 訳 じゃないし なんとかなるくさ! と 少 々 無 茶 な 説 得 を 受 け 行 ってみようかという 気 になりました 行 く 気 になってみたもののタイでの 技 術 指 導 は 全 部 英 語 で 派 遣 前 には JICA の 語 学 試 験 もあり パスするためには 英 検 準 1 級 レベ ルの 語 学 力 が 必 要 ということだったので 派 遣 前 真 剣 に 勉 強 したのを 覚 えています 試 験 にもパスし 派 遣 されたものの 当 初 は 相 手 が 何 を 言 っているのか 聞 き 取 れないことも 多 く 苦 労 の 連 続 でしたが 半 年 も 経 つとなんと かタイ 政 府 の 職 員 ともコミュニケショーン が 図 れるようになりました タイ 政 府 の 内 情 図 -3バンコクの 渋 滞 状 況 がわかってくると 行 政 の 縦 割 り 体 質 のひどさ に 驚 くと 共 に まずそれを 何 とかしなければ と 考 えるようになりました タイでの 主 要 業 務 は 世 界 的 に 悪 名 高 いバンコクの 交 通 渋 滞 を 改 善 するため 策 定 する 総 合 交 通 計 画 策 定 について 都 市 計 画 の 視 点 からサポートすること でした バンコク 都 市 圏 の 都 市 交 通 計 画 は タイ 政 府 の 道 路 局 や 鉄 道 局 バンコク 都 庁 と それぞれの 管 理 分 野 毎 にマスタープランが 策 定 されており 策 定 時 期 も 違 っていました また それぞれのマスタープランに 従 って 実 施 計 画 が 策 定 され 個 々に 事 業 化 が 進 められ ているなど 必 ずしも 整 合 のとれた 交 通 インフラ 整 備 が 図 れていない 状 況 でした 図 -4 はバンコク 総 合 交 通 計 画 と 既 存 の 計 画 との 関 係 をまとめたもので 派 遣 初 年 度 に 既 存 計 画 を 調 べて 作 成 したものです 縦 割 りの 弊 害 でしょうか この 体 系 図 を 作 成 するまで 他 部 局

の 関 連 計 画 との 整 合 性 を 把 握 している 関 係 者 はほとんどなく 総 合 交 通 計 画 策 定 の 必 要 性 重 要 性 を 理 解 して 総 合 交 通 計 画 策 定 に 協 力 してもらうために 派 遣 先 の 技 術 者 とこの 関 係 図 を 持 って 関 係 部 局 へ 説 明 に 廻 っていました バンコクの 総 合 交 通 計 画 関 連 で 実 施 した 業 務 としては 適 正 な 交 通 結 節 機 能 を 確 保 す るため タイ 版 の 駅 前 広 場 設 計 指 針 の 策 定 を 提 案 し 基 礎 調 査 を 実 施 したことや 都 市 部 周 辺 で 急 速 に 開 発 が 進 められていた 大 型 商 業 施 設 等 を 対 象 とした 交 通 インパクトアセス 制 度 の 導 入 について 日 本 アメリカ 韓 国 等 の 制 度 を 参 考 に 導 入 すべきという 提 案 な どを 行 いました タイの 業 務 の 中 でバンコクの 総 合 交 通 計 画 策 定 支 援 以 上 に 印 象 深 いのは タイ 第 2の 都 市 であるチェンマイの 総 合 交 通 計 画 策 定 図 -4バンコク 都 市 圏 交 通 計 画 体 系 図 に 着 手 できたことです チェンマイ 市 は 日 本 における 京 都 のような 古 都 であり 市 としても 観 光 産 業 に 力 を 入 れていました しかし 当 時 のチェンマイには 公 共 交 通 機 関 と 呼 べるものはなく 個 人 の 観 光 客 が 自 由 に 移 動 でき る 手 段 は 制 限 されていました そこに 目 を 付 けたドイツのシーメンスという 大 企 業 がチェ ンマイ 市 に 対 して 中 心 市 街 地 に 限 定 した 交 通 計 画 を 策 定 したいと 提 案 していました シー メンスの 提 案 が LRT( 市 内 電 車 )の 導 入 を 目 的 としていることは 明 らかで たまたまチェ ンマイ 大 学 の 都 市 計 画 の 教 授 と 知 り 合 いになっていた 私 はその 情 報 を 聞 き LRT 導 入 あり きの 交 通 計 画 になることを 危 惧 し 都 市 圏 全 体 を 計 画 区 域 としたチェンマイ 都 市 圏 総 合 交 通 計 画 の 実 施 を チェンマイ 大 学 と 協 同 で 市 に 提 案 しました チェンマイ 市 長 独 シーメンス 副 社 長 筆 者 図 -4 チェンマイ 大 学 都 市 計 画 教 授 と 協 議 の 様 子 図 -5 チェンマイ 市 長 シーメンスとの 共 同 会 議 提 案 に 対 するチェンマイ 市 長 の 判 断 は 国 際 的 バランス 感 覚 のすばらしいタイ 人 らしい もので 日 本 の 提 案 による 広 域 的 な 計 画 をベースとしてシーメンスと 協 力 して チェンマ イ 市 に 最 適 な 交 通 計 画 を 策 定 して 欲 しい というものでした この 結 果 はタイにとっては LRT 導 入 のみに 特 化 した 限 定 的 な 計 画 でなく 都 市 圏 全 体 を 俯 瞰 した 適 正 な 交 通 計 画 が 策 定 できたこと 日 本 にとっては 交 通 計 画 策 定 時 から 参 画 して 情 報 を 持 つことにより 日 本 企 業 にも 交 通 インフラ 整 備 へ 参 入 する 均 等 な 機 会 が 得 られるなど 海 外 技 術 協 力 における WINWIN の 構 図 が 構 築 できた 成 功 事 例 になったと 考 えています 東 南 アジア 諸 国 で 唯 一 植 民 地 にならず 独 立 を 保 ち 得 た 国 としてタイ 人 はタイ 王 国 を 誇 り に 思 っています それを 成 し 得 たのは チェンマイで 体 験 したようなタイ 人 の 国 際 的 バラ

ンス 感 覚 のすばらしさだろうと 思 います 戦 前 アジアで 独 立 を 保 ち 得 たのはタイと 日 本 だ けということや 同 じ 仏 教 徒 だということで タイ 人 は 日 本 人 に 対 して 非 常 に 親 近 感 を 持 っ て 接 してくれます そんなことから タイを 観 光 で 訪 れた 日 本 人 は タイを 好 きになる 人 がほとんどだろうと 思 います しかし タイ 人 と 仕 事 をするとなると 話 は 違 い 一 筋 縄 で はいかないということを 覚 悟 しなければなりません よく 微 笑 みの 国 タイランド と 聞 きますが 微 笑 みの 裏 には 歴 史 に 裏 打 ちされた 厳 しさやしたたかさがあるということを 十 分 に 認 識 して 接 することが 必 要 となります JICA 予 算 の 削 減 により 派 遣 直 前 で 派 遣 期 間 が 2 年 から 1 年 に 短 縮 され 当 初 の 派 遣 予 定 期 間 である 2 年 間 に 延 長 するためには 1 年 目 に 成 果 を 出 し 派 遣 国 から 延 長 要 請 をもら うことなどの 条 件 がつき タイでの 業 務 は 精 神 的 に 大 変 厳 しいものでしたが 違 う 歴 史 や 文 化 をもつ 国 の 人 と 仕 事 をするということの 厳 しさが 理 解 でき 私 にとって 貴 重 な 体 験 と なりました また 業 務 の 必 要 性 から 日 本 だけでなくアメリカや 韓 国 等 の 都 市 計 画 の 考 え 方 や 制 度 についても 学 べたことも 非 常 に 有 意 義 なものでした 2-3. 中 華 人 民 共 和 国 甘 粛 省 白 銀 市 (2007 年 ) 3 回 目 の 海 外 技 術 協 力 は 地 方 自 治 体 の 国 際 化 施 策 を 支 援 する 自 治 体 国 際 化 協 会 (CLAIR) が 実 施 している 自 治 体 国 際 協 力 専 門 家 派 遣 事 業 によるものでした 派 遣 先 は 中 国 の 甘 粛 省 白 白 銀 市 銀 市 派 遣 目 的 は 都 市 における 雨 水 利 用 の 技 術 指 導 派 遣 期 間 は 10 日 間 でした 中 国 の 地 方 自 治 体 を 規 模 の 順 に 示 すと 省 市 県 となり 日 本 と 違 います 日 本 における 県 は 中 国 では 省 になりますが 市 という 行 政 単 位 でも 人 口 規 模 で 数 百 万 人 あり 大 きな 行 政 単 位 です 急 激 な 経 済 発 展 により 中 国 では 全 土 に 渡 り 水 不 足 が 深 刻 化 しており 中 央 政 府 の 指 導 により 雨 水 の 有 効 利 用 を 積 極 的 に 進 めている 図 -6 甘 粛 省 及 び 白 銀 市 位 置 図 ようです 白 銀 市 では 日 本 の 先 進 事 例 を 参 考 に 利 用 促 進 を 図 り 雨 水 有 効 利 用 先 進 自 治 体 になろうと 考 えて 日 本 に 技 術 支 援 を 要 請 した ようです 社 会 主 義 国 ではじめての 技 術 協 力 であり また 対 日 感 情 などを 考 えると 行 く までは 不 安 でしたが 技 術 協 力 という 目 的 で 行 っていることや 派 遣 先 が 中 国 の 内 陸 部 であ ったからでしょうか 悪 い 印 象 を 受 けませんでした 派 遣 前 に 雨 水 利 用 の 可 能 性 を 検 討 する ために 必 要 な 基 礎 的 なデータを 派 遣 先 に 要 求 しましたが ほとんど 手 に 入 れること はできず 十 分 な 準 備 ができないまま 中 国 に 向 かいました 現 地 に 行 ってみると 年 間 降 水 量 は 200 ミリ 程 度 ( 1)と 非 常 に 少 な いこと 降 雨 時 期 が 限 定 されていることか ら 都 市 の 新 たな 水 資 源 としては 雨 水 だけ では 抜 本 的 な 対 策 として 十 分 ではないこ とがわかりました また 河 川 水 地 下 水 の 利 用 も 限 界 にきており 都 市 域 を 循 環 し 図 -7 白 銀 市 におけるプレゼンの 状 況 ている 水 を 再 利 用 するよりほかないこと ( 1: 福 岡 の 年 間 降 水 量 は1,500~1,800ミリ)

も 確 認 できました そこでまず 都 市 域 の 水 収 支 を 明 確 化 し 不 足 する 水 量 と 用 途 を 特 定 することや 用 途 に 適 した 水 源 として 何 ( 雨 水 下 水 処 理 水 等 )をどのくらいの 質 量 で 利 用 するのか 明 ら かにする 総 合 的 な 水 利 用 計 画 を 策 定 することを 提 案 しました さらに 膜 処 理 技 術 や 下 水 処 理 水 と 農 業 用 水 の 振 替 等 有 効 な 施 策 と 考 えられるものについて 日 本 での 事 例 を 用 いながら 説 明 することとしました 総 合 的 な 水 利 用 計 画 策 定 や 再 利 用 の 具 体 的 施 策 については 白 銀 市 の 技 術 者 にもその 重 要 性 や 期 待 される 効 果 について 認 識 が 得 られたようで 技 術 指 導 の 最 終 日 のスケジュール を 変 更 し 甘 粛 省 の 水 利 局 幹 部 へ 都 市 における 総 合 的 水 管 理 と 題 してプレゼンをする というおまけが 付 きました 中 国 での 技 術 協 力 を 経 験 して 感 じたのは 東 南 アジアと 中 国 の 行 政 技 術 者 の 姿 勢 の 違 い です のんびりした 東 南 アジアの 雰 囲 気 に 比 べ 中 国 の 行 政 技 術 者 は 知 識 欲 が 強 く 質 問 も アグレッシブで これが 中 国 発 展 の 原 動 力 なのかと 感 じました また 技 術 指 導 では 日 本 ではこうなっています ではなく 日 本 で 得 た 知 識 や 経 験 を 基 に 中 国 の 状 況 を 踏 まえど うすればいいのか 具 体 的 に 提 案 できる 能 力 が 必 要 であり そのためにはまだまだ 知 識 経 験 とも 不 足 していることを 痛 感 しました 2-4. 中 華 人 民 共 和 国 遼 寧 省 (2011 年 ) 4 回 目 の 技 術 協 力 も CLAIR の 自 治 体 国 際 協 力 専 門 家 派 遣 事 業 による 派 遣 でした 派 遣 先 は 遼 寧 省 環 境 科 学 研 究 院 ( 以 下 研 究 院 という) 派 遣 目 的 は 小 規 模 下 水 処 理 施 設 の 技 術 指 導 ということでした 遼 寧 省 の 省 都 は 瀋 陽 市 ( 旧 奉 天 市 )という 清 王 朝 発 祥 の 地 であり また 最 近 NHK で 放 映 された 坂 の 上 の 雲 の 舞 台 として も 有 名 なところです 瀋 陽 市 中 国 では 近 年 のめざましい 経 済 発 展 により 都 市 部 のインフラ 整 備 はその 質 はともかく 着 実 に 進 んでいるようです 遼 寧 省 においても 都 市 部 における 下 水 道 普 及 率 は 7 割 を 超 えているとの ことで その 進 捗 の 早 さに 驚 かされました ただ し この 普 及 率 というのは 処 理 対 象 人 口 に 対 す 図 -8 遼 寧 省 及 び 瀋 陽 位 置 図 る 処 理 場 の 能 力 を 表 すもので 日 本 のように 処 理 対 象 人 口 に 対 して 管 渠 整 備 と 処 理 場 能 力 が 整 っ た 割 合 を 表 すものとは 違 うため 下 水 道 普 及 の 実 態 を 表 す 指 標 とは 言 えないようです 中 国 の 経 済 発 展 は 中 国 の 人 々に 豊 かさをもたらしているようですが 同 時 に 生 活 環 境 の 悪 化 や 都 市 と 農 村 の 格 差 拡 大 という 問 題 ももたらしています 中 国 の 国 民 経 済 発 展 第 12 次 5 ヶ 年 計 画 (2011 年 ~2015 年 ) では このような 問 題 への 対 応 として 農 村 部 の 生 活 環 境 改 善 を 重 点 項 目 のひとつと して 取 り 組 むことを 明 らかにしており 遼 寧 省 においても 5 年 間 で 農 村 部 に 1,000 箇 所 の 処 理 場 を 整 備 するという 計 画 を 進 めているとのことでした 遼 寧 省 の 環 境 保 全 に 関 する 計 画 から 環 境 インフラ 整 備 の 図 -9 発 展 する 瀋 陽 市 の 風 景 ( 手 前 は 中 国 新 幹 線 )

設 計 まで 実 施 する 研 究 院 では 都 市 部 を 対 象 とした 大 規 模 処 理 施 設 の 設 計 については 一 定 のノウハウを 持 っているとのことでしたが 小 規 模 処 理 施 設 ( 処 理 人 口 50,000 人 以 下 )の 設 計 に 関 しての 経 験 が 少 なく 日 本 の 技 術 を 学 びたいということで 今 回 の 派 遣 要 請 を 行 っ たようです 中 国 の 下 水 道 整 備 事 業 は 省 が 処 理 場 を 建 設 し 管 渠 整 備 は 市 県 等 が 整 備 するという 役 割 分 担 で 事 業 を 進 めており 研 究 院 では 遼 寧 省 の 気 候 に 適 合 し 維 持 管 理 が 容 易 な 処 理 方 式 の 選 定 や 設 計 諸 元 の 設 定 に 苦 慮 して いました 研 究 院 の 技 術 者 の 技 術 レベルは 非 常 に 高 く 派 遣 前 に 情 報 収 集 がスムーズに 進 めることができたことから 事 前 に 研 究 院 が 抱 えている 問 題 点 を 的 確 に 把 握 することが できました 技 術 指 導 では 中 国 の 環 境 基 準 を 満 足 でき ること 寒 冷 地 にも 適 応 できること 維 持 管 理 が 容 易 であること 供 用 開 始 時 の 大 きな 負 図 -10 遼 寧 省 環 境 科 学 研 究 院 における 技 術 指 導 の 状 況 荷 変 動 にも 対 応 できること 等 を 踏 まえ 遼 寧 省 の 条 件 に 最 適 な 処 理 方 式 及 びその 設 計 諸 元 について 提 案 を 行 いました また 設 計 時 に 考 慮 しなければならない 事 項 や 運 転 時 のトラブルに 対 する 対 応 策 についても 提 案 すること ができ 派 遣 期 間 は 1 週 間 と 短 期 間 でしたが 納 得 できる 技 術 協 力 ができたと 考 えています 帰 国 して 約 1 ヶ 月 後 の 11 月 下 旬 に 研 究 院 の 院 長 副 院 長 をはじめ 設 計 担 当 の 技 術 者 2 名 で 福 岡 の 下 水 道 施 設 を 是 非 視 察 したいと いう 申 し 出 を 受 けました 研 究 院 への 技 術 指 導 の 内 容 を 評 価 しての 視 察 だろうと とても 光 栄 に 感 じましたが 同 時 に 中 国 の 行 政 機 関 の 行 動 力 決 断 の 早 さには 驚 かされる 出 来 事 でした 準 備 期 間 が 短 い 中 県 土 整 備 部 建 築 都 市 部 をはじめ 多 くの 皆 様 の 協 力 を 得 て 無 事 視 察 団 に 対 応 することができ ここで 改 図 -11 遼 寧 省 環 境 科 学 研 究 院 視 察 団 の 県 庁 表 敬 訪 問 めて 関 係 機 関 各 位 にお 礼 を 申 し 上 げたいと 思 います 3. 海 外 技 術 協 力 を 経 験 して 私 たちが 実 施 しているインフラの 整 備 やその 維 持 管 理 という 業 務 は 顧 客 が 県 民 となる サービス 業 務 です 海 外 技 術 協 力 の 場 合 は 派 遣 先 の 行 政 機 関 が 顧 客 となるサービス 業 務 となります 顧 客 を 満 足 させる 為 には 顧 客 のニーズを 把 握 し そのニーズに 的 確 に 応 え ることが 必 要 なことは 言 うまでもありません いままでの 海 外 技 術 協 力 の 経 験 を 踏 まえて 思 うのは 私 はどのような 技 術 を 用 いて 他 の 国 々に 貢 献 できるか? ということです 国 により 文 化 宗 教 社 会 制 度 歴 史 気 候 経 済 などその 状 況 は 様 々であることから 単 に 日 本 の 技 術 や 経 験 を 移 転 してもうまくいくことはまずないと 思 います 本 当 に 役 立 つ 技 術 協 力 を 実 施 するためには ベースとなる 基 礎 的 な 技 術 知 識 に 加 え 顧 客 の 状 況 を 把 握 し その 状 況 に 適 応 できる 具 体 策 を 提 案 できる 技 術 力 ( 応 用 力 とマネジメント 能 力 )を 備 える ことだと 思 います 海 外 への 技 術 協 力 を 終 えていつも 感 じるのは まだまだ 勉 強 が 足 りな

いという 反 省 の 念 です また 海 外 協 力 を 終 えていつも 出 てくる 自 分 に 対 する 問 いは 本 業 である 福 岡 県 のインフラ 整 備 に 従 事 する 私 たち 土 木 技 術 者 へ 向 けた 問 いなのではないか とも 感 じています あなたはどのような 技 術 を 用 いて 県 民 に 貢 献 できますか? この 問 い に 答 えられる 行 政 土 木 技 術 者 となれるよう 今 後 とも 技 術 の 研 鑽 とマネジメント 能 力 の 向 上 に 努 めていこうと 思 います